説明

作業性を向上させた熱溶着結束具

【課題】構造が簡単で、軽量で片手での連続使用ができる、熱溶着結束具の提供する。
【解決手段】Hは熱溶着テープ、Bは被結束物、Tは被結束物Bを結束する結束具で、結束具Tは誘導アーム100と結束アーム200から成り、ロール状の熱溶着テープH1を保持する保持部110を設け、誘導アーム100の他端部と結束アーム200の他端部とは連結係合部Cで連結され、一端部には被結束物誘導部210を設け、熱溶着テープH1から繰出された熱溶着テープH2が誘導アーム100に設けられたテープ誘導路120を介し、熱溶着テープH3はテープ出口部から出力した熱溶着テープH3の先端を熱溶着テープとし、出口部と連結係合部Cの間にはテープ加熱部140が設けられ、テープ切断部150が被結束物誘導部210と熱溶着テープH4を挟持するテープクランプ220を設け、テープ加熱部140に押圧できるテープ押圧レバー230を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の線状物または複数の棒状物またはこれらの組合せを熱溶着テープを用いて結束する結束具であり、作業性を向上させた熱溶着結束具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、線状物や棒状物やこれらの組合せを結束する手段としては、例えば梨、葡萄、キウイ等の果樹の蔓や枝等、胡瓜、メロン、キュウリ、トマト、ナス等の農作物の茎を、支柱等に結束したり、支柱や棚に沿わせるための結束作業に用いる結束手段や、例えば電気配線の工事中に配線を一時的に結束する作業に用いる結束手段や、例えば屋外イベント等の照明や音響に使用する電気コード等を結束する作業に用いる結束手段が知られていて、例えば、下記のような開発案件が知られている。
【0003】
例えば、結束テープを用いて園芸用の苗木や枝を支柱に括って固定する園芸用結束機であり、一端部にテープ結束部と切断部を有した結束機本体、この下部に装着され、結束テープ収納部を有したテープ案内台、本体の他端部に付勢して軸止し、結束針を収納した結束針収納体、一端部にテープ引出体と結束針折曲部を有し、他端部を本体の他端部に付勢して軸止し、下方に被結束体収納部を形成した昇降作動体、一端部を本体の側部に軸止し、中間部を昇降作動体に軸止し、他端部を把持部とした作動レバー、とからなり、作動レバーの把持部の上昇に伴う昇降作動体の上昇により結束テープを結束機本体側から昇降作動体側に亘って引き出し、把持部の下降に伴う昇降作動体の下降により結束テープを結束し切断する、園芸用結束機が知られている。(特許文献1を参照すること)
【0004】
また、例えば、植物のつるや茎等と支柱、複数のコード等を結束する結束機であり、テープ引出アームが、駆動レバー部の握り作動により初期停止位置よりテープ出口部側へ回動して紙粘着テープTを掴み、駆動レバー部の戻り作動により逆方向へ回動して初期停止位置を越えた最大引出位置まで紙粘着テープを引き出した後、初期停止位置へ戻ることにより紙粘着テープに弛みを持たせ、次の駆動レバー部の握り作動により停止位置よりテープ出口部側へ回動して弛みのある紙粘着テープにより結束作業部において被結束物を結束するとともにテープ切断部により紙粘着テープを切断し、かつ紙粘着テープTの先端を掴むことを特徴とする結束機が知られている。(特許文献2を参照すること)
【0005】
また、例えば、結束テープを支柱に括って枝を固定するに使う園芸用結束機であり、本体、テープ収蔵函、テープ案内台、結束針案内台、その先端の結束部を有し、かつ、回転軸に連結した乗降作動体と加圧レバーを有し、乗降作動体の先端部に作動機を有し、作動機を通して結束テープを結束部に引き出し結束針にて結束した後、これを切断する切断カッターを有しており、作動機内に加圧突片の連結部を回転可能に軸止して配設し、加圧突片の内側に加圧突片を外方に弾圧する緩衝部材を装着し、かつ加圧突片の外側に両側に分岐した押し板を間隔を保って付着させ、加圧突片が弾力を受けながら回動できるようにし、加圧突片の先端部付近に牽引針の先端部を挿通可能な通孔部を形成した、園芸用結束機が知られている。(特許文献3を参照すること)
【0006】
また、例えば、果樹園や園芸農園等において植物の茎や枝と支柱とを誘引結束する省力化を図ったテープ結束機具であり、支柱と枝などの被結束物が粘着テープの粘着層に当たり、さらにコ状の結束部に入ると半円盤体を回動させて、粘着テープで適当な長さ、強さで包み結束し、テープ圧着部と圧着ローラ部とにより粘着テープの粘着面が合掌貼着され、半円盤体は引っ張りスプリングの戻り作用により回動し、通常状態に戻り、結束された被結束物と粘着テープも誘導案内溝入り口に排出され、フレーム本体の一端部にテープカッター刃の手前のテープ保持針に合掌貼りされた粘着テープの先端部付近が刺さり、フレーム本体一端部に付けられているテープカッター刃を押し当て粘着テープを切断されるようにした、植物の茎や枝等の誘引結束機が知られている。(特許文献4を参照すること)
【0007】
また、例えば、軽量の結束装置と自着テープを用いて、ワーク特に農業用の苗と支柱を自着テープで結束して固定できるワーク結束システムであり、自着テープをキャッチする手段、自着テープを引き出す手段、ワークをキャッチする手段、自着面同士を押し付けることによりループを作り出しワークを結束するとともに次のテープを引き出す手段、自着テープをカットする手段、次の自着テープの先端部を出す手段からなる結束装置を用いて、ワークを連続的に結束するワーク結束システムが知られている。(特許文献5を参照すること)
【0008】
【特許文献1】特開2001−55203号公報
【特許文献2】特開2002−284115号公報
【特許文献3】特開2004−224412号公報
【特許文献4】特開2005−272000号公報
【特許文献5】特開2008−253194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、従来の結束手段には以下のような問題点が指摘されている。
例えば、特許文献1や特許文献3の園芸用結束機では、結束機本体や結束針収納体の構造が複雑であり、そのために部品点数が多く、そのため製作コストや重量的な問題が指摘されており、また、消耗品として結束テープと結束針が必要でありメンテナンス性にも問題があると指摘されている。
また、例えば、特許文献2の結束機では、植物のつるや茎等と支柱、複数のコード等を結束することを可能にする結束手段に、紙粘着テープを用いることを特徴とするが、例えば、前記果樹の蔓や枝等、前記農作物の茎の結束手段に、用いる場合には、紙粘着テープに対する雨や太陽光線などの自然環境の影響や経時変化の問題、前記果樹の蔓や枝等の反発力に対する強度の問題、などに対して不安感があるという指摘を受けている。
また、例えば、特許文献4の植物の茎や枝等の誘引結束機では、粘着テープを用いることを特徴とするので、回動部の外周面に結束させた粘着テープの両端粘着面同士を圧着合掌貼りする圧着機構部と、圧着機構部面に対向し両端粘着面同士を圧着するためのローラ圧着部が必要であり、その分の強度が必要となるので重量的にも問題があり、また合掌貼着された粘着テープに対する雨や太陽光線などの自然環境の影響や経時変化により、テープの粘着面の強度が劣化するという問題の指摘を受けている。
また、例えば、特許文献5のワーク結束システムでは、自着テープを用いることを特徴とし、さらにはこの自着テープに生分解可能なものにすることに関しては、例えば、このワーク結束システムを前記農作物の前記結束作業に用いる結束手段に用いるとすると、例えば規模の大きい果樹園や農場で利用する場合、前記結束作業の数量は相当な数になることが予想され、この自着テープにしても生分解可能な自着テープにしても、相当なコストが予想され、大規模な果樹園や農場では利用しづらいという指摘を受けている。
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決しようとするものであり、本体の構造が簡単で、部品点数が少なく、軽量なので片手での連続使用が可能で、結束用の材料の選択肢が比較的多い、作業性を向上させた熱溶着結束具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、複数の線状物または複数の棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープを用いて結束する結束具であり、前記結束具はテープ誘導アームとテープ結束アームから成り、テープ誘導アームの一端部には熱溶着テープを回動可能に保持するテープ保持部を設け他端部にはテープ結束アームと回動可能に連結される係合部を設け、テープ結束アームの一端部には前記被結束物を誘導する被結束物誘導部を形成し他端部にはテープ誘導アームと回動可能に連結される係合部を設け、前記連結係合部と前記テープ保持部の間には前記テープ保持部から繰出される熱溶着テープの先端を位置させるテープ出口部が設けられ、前記テープ出口部と前記連結係合部の間には熱溶着テープを熱圧着または熱溶着に用いるテープ加熱部が設けられ、前記テープ加熱部と前記テープ出口部の間にはテープ切断部が設けられ、前記被結束物誘導部と前記連結係合部の間で前記テープ出口部に対向する位置に前記テープ出口部から繰出される熱溶着テープの先端を掴まえて挟持するテープクランプを設け、前記テープクランプと前記連結係合部の間には前記テープ加熱部に押圧できるように形成したテープ押圧レバーを設けたことを特徴とする、作業性を向上させた熱溶着結束具を提供することである。
【0012】
課題を解決するための第一の手段で記述した被結束物に関しては、例えば、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットであったり、また例えば、電気配線の工事に用いる電気コードであったり、屋外や屋内のイベント等の照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、家庭内の家電やパソコンや電話(FAX)に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、店舗内の照明やAV装置に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、会社内の事務機器に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、工場内の照明や機械類に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、することを想定しているものである。
【0013】
課題を解決するための第一の手段で記述した熱溶着テープに関しては、熱溶着可能な材料をテープ状に形成させたもので、その形状は、結束用として用いることのできる長さを有するものであれば特に限定されるものではなく、テープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、などがあり、その厚さは、100μm〜1000μm、幅は3〜30mmのものが好適である。例えば、熱溶着フィルムをテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着シートをテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製織布をテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製編布をテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製不織布をテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、熱溶着樹脂製複層フェルトをテープ状、リボン状、ベルト状、バンド状、紐状、帯状、に形成したタイプ、などから選択して使用することができる。
【0014】
課題を解決するための第一の手段で記述したテープ加熱部に関しては、電気ヒータ手段、超音波加熱手段、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、などから選択して用いることができ、かつ公知な手段を用いても構わない。
前記電気ヒータ手段に関しては、電気ヒータ部(金属製またはセラミック製)と電源部とで構成され、前記電源部は直流電源または交流電源を選択でき、直流電源の場合は一次電池または二次電池を使用して電池収納手段を前記結束具に外付けできるように形成してもよいし前記結束具に内蔵できるように形成してもよい。また、前記電源部に交流電源を選択した場合は、前記結束具外に設置してある、電力会社から供給されるタイプの電源または移動可能な交流発電機から供給されるタイプの中から選択して電気コードを介して用いればよい。
前記超音波加熱手段に関しては、超音波端子部と電源部とで構成され、前記電源部に関しては、上記に記した内容に順ずるものとする。
前記高周波加熱手段に関しては、高周波加熱部と電源部とで構成され、前記電源部に関しては、上記に記した内容に順ずるものとする。
前記赤外線加熱手段に関しては、赤外線加熱部(セラミック製または金属製)と電源部とで構成され、前記電源部に関しては、上記に記した内容に順ずるものとする。
【0015】
課題を解決するための第一の手段で記述したテープ出口部に関しては、前記連結係合部と前記テープ保持部の間に設けられ前記テープ保持部から繰出される熱溶着テープの先端を位置させるように形成されればどんな形状や構造でも構わないが、例えば、前記連結係合部と前記テープ保持部の間で前記テープ誘導アームの内部の少なくとも一部を前記テープ保持部から繰出される熱溶着テープの先端が挿通した後に前記テープ誘導アームの外部に、熱溶着テープの先端が出るように誘導させるテープ誘導部を形成させ、前記テープ誘導部の先端部に設け前記テープ誘導アームの外部に出るように形成させたのが前記テープ出口部であり、前記テープ誘導部の後端部には前記テープ保持部から繰出される熱溶着テープを前記テープ出口部にスムーズに誘導できるように形成したテープ誘導補助体を設けることが好ましい。
課題を解決するための第一の手段で記述したテープ切断部に関しては、前記テープ加熱部と前記テープ出口部の間にはテープ切断部が設けられることが、本発明の大きな特徴の一つであるが、例えば、前記テープ加熱部と前記テープ押圧レバーとによって前記熱溶着テープが熱溶着され押圧合掌貼りされると、連動して前記テープ切断部が作動し押圧合掌貼りされた所定部位を切断するように形成されることができれば、一般的に知られた技術を組合わせて達成しても構わない。
【0016】
課題を解決するための第一の手段で記述したテープクランプに関しては、前記被結束物誘導部と前記連結係合部の間に設けられるが好ましくは前記被結束物誘導部と前記テープ加熱部の間に設けられるテープ出口部に対向する位置に設けられ、前記テープ出口部から繰出される熱溶着テープの先端を掴まえて挟持するように形成できればこの挟持手段に関してはどんな手段を用いても構わない。例えば、前記テープクランプの一例として、前記テープクランプが固定挟持部と可動挟持部で形成され、可動挟持部は一端が前記テープ結束アーム内に張着されることで他端が固定挟持部に圧接し前記テープ出口部から繰出される熱溶着テープの先端を掴まえて挟持するような手段を用いても構わない。
【0017】
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、前記テープ押圧レバーは、略コの字状に形成され、一端部には前記テープ加熱部に前記テープ出口部から繰出された熱溶着テープが近接した状態で押圧するように形成したテープ押圧ヘッドが設けられ、他端部には前記連結係合部と前記テープ加熱部の間を遊動できるように遊着する押圧レバー遊着部を設けて、前記押圧レバー遊着部の近傍には前記被結束物を当接できるようにした被結束物当接部を形成させ、前記被結束物当接部と前記テープ押圧ヘッドの間には前記テープ押圧レバーの少なくとも一部が前記テープ結束アームの所定部位に当接させるように形成した結束アーム当接部を設け、前記テープ押圧レバーの動作と前記テープ結束アームの動作を制御させるための制御係合部を前記結束アーム当接部と前記被結束物当接部の間の所定部位と前記テープ結束アーム内の所定部位に設けることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の作業性を向上させた熱溶着結束具を提供することである。
【0018】
課題を解決するための第二の手段で記述した前記テープ押圧レバーが略コの字状に形成されることに関しては、一端部には前記テープ押圧ヘッドが設けられ、他端部には前記押圧レバー遊着部を設けることができ、前記押圧レバー遊着部の近傍には前記被結束物当接部を形成させることができ、前記被結束物当接部と前記テープ押圧ヘッドの間には前記結束アーム当接部を設けることができ、前記テープ押圧レバーの動作と前記テープ結束アームの動作を制御させるための制御係合部を前記結束アーム当接部と前記被結束物当接部の間の所定部位と前記テープ結束アーム内の所定部位に設けることが可能であれば、前記略コの字状が、略しの字状になっても、略くの字状になっても、略つの字状になっても、略への字状になっても、略クの字状になっても、略フの字状になっても、略ムの字状になっても、略レの字状になっても、略Uの字状になっても、略Jの字状になっても、略Lの字状になっても、略Cの字状になっても、よい。
【0019】
課題を解決するための第三の手段(請求項3)は、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを閉じることで、前記テープ出口部から繰出された熱溶着テープの先端を前記テープクランプが掴まえた後に挟持させ、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを開くことで、熱溶着テープが前記テープ保持部から繰出され、繰出された熱溶着テープが所定の長さになると前記押圧レバー遊着部が連動しながら前記押圧レバー遊着部の動作に合わせ前記制御係合部を介して前記結束アーム当接部が前記テープ結束アームの所定部位に当接するように作動することで前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームがそれ以上開かないようにする状態を、前記被結具による結束作業の開始位置とすることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段に記載の作業性を向上させた熱溶着結束具を提供することである。
【0020】
課題を解決するための第三の手段で記述した前記結束アーム当接部に関しては、例えば、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを閉じることで、前記結束アーム当接部が当接していた前記テープ結束アームの所定部位から離れ、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを開くようにすると、その開く割合に合わせて前記押圧レバー遊着部が前記テープ加熱部の方向に遊動するので、前記押圧レバー遊着部の動作に合わせ前記制御係合部を介して前記結束アーム当接部が前記テープ結束アームの所定部位に当接し係止するようになり前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームがそれ以上開かなくなる設計であれば、前記結束アーム当接部の形状や寸法は任意である。
【0021】
課題を解決するための第四の手段(請求項4)は、前記結束具が結束予定の被結束物を捕捉して前記結束作業開始位置を通過させ前記被結束物当接部に近接させると連動して前記テープ保持部から熱溶着テープが引き出され前記被結束物の先端部に熱溶着テープを巻きつけながら後端部には2つの熱溶着テープを並列させながら、さらに前記被結束物で前記被結束物当接部を押圧すると、前記押圧レバー遊着部は前記制御係合部を支点として前記連結係合部の近傍まで遊動することで、前記テープ押圧ヘッドが連動して前記テープ加熱部と並列した熱溶着テープを押圧し、加熱押圧された前記熱溶着テープは熱溶着され押圧合掌貼りされると、連動して前記テープ切断部が作動し押圧合掌貼りされた所定部位を切断し、結束作業が終了した被結束物を前記結束具から離脱させた後に、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを閉じることで、前記結束具が前記結束作業開始位置になるように構成したことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載の作業性を向上させた熱溶着結束具を提供することである。
【0022】
課題を解決するための第四の手段で記述した加熱押圧された前記熱溶着テープは熱溶着され押圧合掌貼りされると、連動して前記テープ切断部が作動し押圧合掌貼りされた所定部位を切断することに関しては、前記テープ切断部が前記テープ誘導アーム内に摺動可能に埋設されているので、前記被結束物当接部が押圧されると、前記押圧レバー遊着部は前記制御係合部を支点として前記連結係合部の近傍まで遊動し、それに連動して前記テープ押圧ヘッドが前記テープ加熱部と並列した熱溶着テープを押圧し加熱押圧された前記熱溶着テープが熱溶着され押圧合掌貼りされた時に、前記テープ切断部が協働して埋設されている位置から対向するテープクランプの方向に向かって摺動し前記テープ切断部の先端部がテープクランプの内部に挿通されることで所定の前記押圧合掌貼り部位を切断するようになっていれば、前記テープ切断部の構造や寸法に関しては特に制限はない。
【0023】
課題を解決するための第五の手段(請求項5)は、前記テープ出口部の近傍と前記被結束物誘導部の間には、前記被結束物を前記結束作業開始位置まで誘導または補足しやすくなるように略ハの字状の空間が形成されるよう前記テープ出口部の近傍と前記被結束物誘導部を形成させることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載の作業性を向上させた熱溶着結束具を提供することである。
【0024】
課題を解決するための第五の手段で記述した略ハの字状の空間が形成されることに関しては、前記被結束物誘導部の先端部とこの先端部に対向する前記テープ出口部の近傍の位置から前記結束作業開始位置まで前記被結束物の進入角度が段々と狭くなるようになっていればよく、例えば、略いの字状の空間、略くの字状の空間、略この字状の空間、略つの字状の空間、略への字状の空間、略りの字状の空間、略コの字状の空間、略フの字状の空間、略ヘの字状の空間、略レの字状の空間、略Yの字状の空間、略Uの字状の空間、略Lの字状の空間、略Kの字状の空間、略Aの字状の空間、略Xの字状の空間、略Vの字状の空間、などの空間が形成されることで、前記テープ出口部の近傍と前記被結束物誘導部の間に前記被結束物を前記結束作業開始位置まで誘導または補足しやすいと判断できれば前記テープ出口部の近傍と前記被結束物誘導部の空間の設計は設計者の判断に委ねられる。
【0025】
課題を解決するための第六の手段(請求項6)は、前記熱溶着テープが、テープ素材が熱溶着性プラスチックスであるタイプ、テープ素材が非熱溶着性プラスチックスであるが片面または両面に熱溶融性材料を付着させたタイプ、テープ素材が紙製であるが片面または両面に熱溶融性材料を付着させたタイプ、テープ素材が熱溶融性の合成繊維製の織布または編布であるタイプ、テープ素材が天然繊維製の織布または編布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプ、テープ素材が熱溶融性の合成繊維製の不織布であるタイプ、テープ素材がセルロース製の不織布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプ、などの中から選択して単独または組合わせて用いられることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第五の手段のいずれかに記載の作業性を向上させた熱溶着結束具を提供することである。
【0026】
課題を解決するための第六の手段で記述した前記熱溶着テープの素材が熱溶着性プラスチックスであるタイプに関しては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂、などから選択して用いることができる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウレタン、などが知られており、これらの中から選択して用いることができる。
また、近年ポリオレフィン系樹脂の中では生分解性を有するタイプの開発もなされているので、生分解性のポリエチレン、生分解性のポリプロピレン、生分解性のナイロン、生分解性のウレタン、などから選択して用いることも可能である。
また、前記ポリオレフィン系樹脂の中に、でんぷん(原料は特に制限は設けない)やトウモロコシ粉や穀物粉などの生分解性粉体を単体または組合わせて1〜20重量%混入させて生分解性を持たせるようにしてもよい。この場合前記生分解性粉体の混入率の上限に関しては、前記生分解性粉体を混入させることで強度や熱溶着性が実用上十分であることをテストして用いることが好ましい。
【0027】
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、などが知られており、これらの中から選択して用いることができる。
また、近年ポリエステル系樹脂の中では生分解性を有するタイプの開発もなされているので、生分解性のポリエチレンテレフタレート、生分解性のポリブチレンテレフタレート、生分解性のポリエステル、などから選択して用いることも可能である。
また、前記ポリエステル系樹脂の中に、でんぷん(原料は特に制限は設けない)やトウモロコシ粉や穀物粉などの生分解性粉体を単体または組合わせて1〜20重量%混入させて生分解性を持たせるようにしてもよい。この場合前記生分解性粉体の混入率の上限に関しては、前記生分解性粉体を混入させることで強度や熱溶着性が実用上十分であることをテストして用いることが好ましい。
【0028】
前記フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、PTFE、などが知られており、これらの中から選択して用いることができる。
また、近年フッ素樹脂の中では生分解性を有するタイプの開発もなされているので、生分解性のPFA、生分解性のETFE、生分解性のFEP、生分解性のPCTFE、生分解性のECTFE、生分解性のPVdF、生分解性のPVF、生分解性のPTFE、などから選択して用いることも可能である。
また、前記フッ素樹脂の中に、でんぷん(原料は特に制限は設けない)やトウモロコシ粉や穀物粉などの生分解性粉体を単体または組合わせて1〜20重量%混入させて生分解性を持たせるようにしてもよい。この場合前記生分解性粉体の混入率の上限に関しては、前記生分解性粉体を混入させることで強度や熱溶着性が実用上十分であることをテストして用いることが好ましい。
【0029】
【0030】
課題を解決するための第六の手段で記述した前記熱溶着テープのテープ素材が非熱溶着性プラスチックスであるが片面または両面に付着させた熱溶融性材料に関しては、前記ポリオレフィン系樹脂、前記ポリエステル系樹脂、前記フッ素樹脂、などから選択して用いることができる。
課題を解決するための第六の手段で記述した前記熱溶着テープのテープ素材が紙製であるが片面または両面に付着させた熱溶融性材料に関しては、前記ポリオレフィン系樹脂、前記ポリエステル系樹脂、前記フッ素樹脂、などから選択して用いることができる。
【0031】
前記熱溶融性材料を付着させる手段に関しては、前記熱溶融性材料をコーティング手段を介して付着させる手段や、前記熱溶融性材料を吹付け手段を介して付着させる手段や、薄膜状に形成した前記熱溶融性材料を前記素材に積層させる手段や、シート状に形成した前記熱溶融性材料を前記素材に積層させる手段などから、選択して単独または組合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の熱溶着結束具によって、例えば前記被結束物が、果樹園や園芸農園や農場等における植物の蔓や茎や枝であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットであったりする場合には、大量に使用されることが多く、さらに大規模な果樹園や園芸農園や農場等では、従来用いられている単価の高い粘着テープや自着テープを用いることなく、コスト的に有利な熱溶着テープを選択できるので、前記被結束物の結束作業の結束コストを軽減させることが可能になる。
【0034】
また本発明の熱溶着結束具によって、上述した発明の効果に加えて、例えば前記被結束物が、電気配線の工事に用いる電気コードであったり、屋外や屋内のイベント等の照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルであったり、する場合には、大量に使用されることが多いことから、前記被結束物の結束作業の結束コストを軽減させることが可能になる。
【0035】
また、本発明の熱溶着結束具に用いる前記熱溶着テープは、例えば前記被結束物が、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットであったりする場合に、雨や風や紫外線などの影響を強く受ける場合には、夫々の対策として、耐水性に優れた素材を選択した熱溶着テープを用いたり、強度が優れた素材を選択した熱溶着テープを用いたり、耐紫外線性に優れた素材を選択した熱溶着テープを用いたりすることが、可能な熱溶着結束具が提供できる。
【0036】
また、本発明の熱溶着結束具に用いる前記熱溶着テープにおいて、上述した発明の効果に加えて、例えば前記被結束物が、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料であったり、この植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットであったりする場合に、前記植物の蔓や茎や枝等の反発力に対応できる強度を備えた素材で形成された熱溶着テープを用いることが可能である。
【0037】
また、本発明の熱溶着結束具によって、従来のテープ式結束機具のように、昇降作動体やハンドル部が無く、部品点数も少ないので、本体が軽量であり、前記被結束物の長時間の作業でも疲労感も少なく、作業効率を改善させることが可能な、作業性を向上させた熱溶着結束具を提供できる。
【0038】
また、本発明の熱溶着結束具によって、従来のテープ式結束機具のように、昇降作動体やハンドル部が無く、部品点数も少ないので、本発明の熱溶着結束具が簡単で誰でも容易に操作できる簡単な構造であるので、特別なメンテナンスの必要もなく、すなわちメンテナンス性に優れ、かつ取扱いが容易である作業性を向上させた熱溶着結束具を提供できる。
【0039】
また、本発明の熱溶着結束具によって、結束可能な被結束物が、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝やこの植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐や、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料や、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットや、電気配線の工事に用いる電気コードや、屋外や屋内のイベント等の照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルや、家庭内の家電やパソコンや電話(FAX)に使用する電気コードや信号線やケーブルや、店舗内の照明やAV装置に使用する電気コードや信号線やケーブルや、会社内の事務機器に使用する電気コードや信号線やケーブルや、工場内の照明や機械類に使用する電気コードや信号線やケーブルなどを可能とするので、利用範囲が広く汎用性の高いことを特徴とする、作業性を向上させた熱溶着結束具を提供できる。
【0040】
また、本発明の熱溶着結束具には、前記熱溶着テープの素材に、生分解性のポリエチレン、生分解性のポリプロピレン、生分解性のナイロン、生分解性のウレタン、生分解性のポリエチレンテレフタレート、生分解性のポリブチレンテレフタレート、生分解性のポリエステル、生分解性のPFA、生分解性のETFE、生分解性のFEP、生分解性のPCTFE、生分解性のECTFE、生分解性のPVdF、生分解性のPVF、生分解性のPTFE、などから選択して用いたり、また前記ポリオレフィン系樹脂に生分解性を持たせたタイプを用いたり、また前記ポリエステル系樹脂に生分解性を持たせたタイプを用いたり、また前記フッ素樹脂に生分解性を持たせたタイプを用いたり、することが可能なので、環境問題に関心のある利用者やユーザーを満足させることが可能な熱溶着結束具を提供できる。また、使用後の前記熱溶着テープをそのまま農地に破棄できるので、より一層作業性を向上させた熱溶着結束具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の作業性を向上させた熱溶着結束具の実施の形態について、図1〜図6に基づいて説明する。図1は本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。図2は本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。図3は本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。図4は本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。図5は本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。図6は本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【実施例1】
【0043】
図1〜図6より、請求項1の実施例を説明すると、H1,H2,H3,H4,H5,H6,は熱溶着テープでありこの実施例では一般的に市販されているタイプ用いることとし、Bは2本の棒状物で構成される被結束物でありこの実施例では果樹園での植物の枝と棚を構成するワイヤーとの組合せになっている。Tは被結束物Bを熱溶着テープ(H1,H2,H3,H4,H5,H6)を用いて結束する結束具であり、結束具Tはテープ誘導アーム100とテープ結束アーム200から成り、図1は結束具Tにより被結束物Bを結束のために捕捉しているところを説明している。テープ誘導アーム100の一端部にはロール状に形成されている熱溶着テープH1を回動可能に保持するテープ保持部110を設け、テープ保持部110には熱溶着テープH1を着脱可能に収納している。テープ誘導アーム100の他端部にはテープ結束アーム200と回動可能に連結される連結係合部Cを設け、テープ結束アーム200の一端部には被結束物Bを誘導しやすいように形成した被結束物誘導部210を設け、テープ結束アーム200の他端部にはテープ誘導アーム100の他端部と回動可能に連結される連結係合部Cを設けてある。連結係合部Cとテープ保持部110の間にはテープ保持部110に収納されている熱溶着テープH1から連結係合部Cの方向へ繰出された熱溶着テープH2がテープ誘導アーム100に設けられたテープ誘導路120を介して誘導される熱溶着テープH3がさらに誘導されテープ誘導アーム100の外部に出力される場所をテープ出口部130として形成され、テープ出口部130から出力された熱溶着テープH3の先端は熱溶着テープH4とする。テープ出口部130と連結係合部Cの間には熱溶着テープCを熱圧着または熱溶着するのに用いるテープ加熱部140が設けられ、テープ加熱部140とテープ出口部130の間にはテープ切断部150が設けられる。被結束物誘導部210と連結係合部Cの間でテープ出口部130に対向する位置にテープ出口部130から繰出される熱溶着テープH4を掴まえて挟持するテープクランプ220を設ける。テープクランプ220と連結係合部Cの間にはテープ加熱部140に押圧できるように形成したテープ押圧レバー230を設ける。
【0044】
また、図1〜図6を用いて、請求項1の実施例を説明する。
テープ加熱部140に関しては、金属又はセラミックス等からなる図1〜図6に示すような形状を呈する部材であり、電気ヒータ手段を選択したので、電気ヒータ部141と電源部とで構成され、電源部はAC100Vを用いている。
テープ出口部130に関しては、連結係合部Cとテープ保持部110の間に設けられ、テープ保持部110に収納されている熱溶着テープH1がテープ保持部110から繰出される熱溶着テープH2になり、テープ誘導路120で誘導されている状態では熱溶着テープH3になり、熱溶着テープH3がテープ誘導アーム100の外部に出た時に熱溶着テープH3の先端が5mm〜20mm程度になるように形成され、この時の熱溶着テープH3の先端の状態を熱溶着テープH4とする。また、テープ出口部130に連結されるように形成し、熱溶着テープH3がテープ誘導路120を介してテープ出口部130に向かってスムーズに繰出されるためのテープ誘導部160を形成させ、テープ誘導部160の一端はテープ出口部130に連結され、テープ誘導部160の他端にはテープ誘導路120からの熱溶着テープH3をテープ出口部130に向かってスムーズに誘導できるように形成したテープ誘導補助体161を設けるものとする。
テープクランプ220に関しては、金属又は合成樹脂等からなる図1〜図6に示すような形状を呈する部材であって、被結束物誘導部210と連結係合部Cの間に設けられ、かつテープ出口部130に対向する位置に設けられ、テープ出口部130から繰出される熱溶着テープH4を掴まえて挟持するように形成されており、本実施例でのテープクランプ220は、固定挟持部225と可動挟持部221で形成され、可動挟持部221は一端に張着係合部222を介してテープ結束アーム200内に回動可能に張着されることで可動挟持部221の他端に挟持部他端223を形成させ、挟持部他端223が固定挟持部225に圧接できるように形成することでテープ出口部130から繰出される熱溶着テープH4を挟持部他端223と固定挟持部225の間で掴まえて挟持できるようになっている。そして熱溶着テープH4がテープクランプ220によって挟持された状態を熱溶着テープH5とする。
【実施例2】
【0045】
図1〜図6を用いて、請求項2の実施例を説明する。
テープ押圧レバー230に関しては、金属又は合成樹脂等からなる略コの字状を呈する部材であって、図1から図6に示すように、一端部には電気ヒータ部141に熱溶着テープH5が近接した状態で押圧するように形成したテープ押圧ヘッド231が設けられ、他端部には連結係合部Cとテープ加熱部140の間を遊動できるように遊着する押圧レバー遊着部232を設け、押圧レバー遊着部232の近傍には被結束物Bを当接できるようにした被結束物当接部233を形成させ、被結束物当接部233とテープ押圧ヘッド231の間にはテープ押圧レバー230の一部分がテープ結束アーム200の構造体の所定部位に当接させるように形成した結束アーム当接部234を設け、テープ押圧レバー230の動作とテープ結束アーム200の動作を連動させながら制御するための制御係合部235を結束アーム当接部234と被結束物当接部233の間の所定部位とテープ結束アーム200内の所定部位に設ける。
【0046】
図1〜図6より、請求項1と請求項2の実施例を説明する。
テープ切断部150に関しては、テープ加熱部140とテープ出口部130の間に設けられ、テープ加熱部140とテープ押圧レバー230によって、詳細には電気ヒータ部141とテープ押圧ヘッド231の間で熱溶着テープH5が熱溶着され押圧合掌貼りされると、連動してテープ切断部150が作動し押圧合掌貼りされた所定部位を切断するように形成されている。
【実施例3】
【0047】
図1〜図6を用いて、請求項3の実施例を説明する。
テープ誘導アーム100とテープ結束アーム200を閉じることで、テープクランプ220はテープ出口部130から繰出された熱溶着テープH4を掴まえて挟持するように形成されており、熱溶着テープH4がテープクランプ220によって挟持された状態を熱溶着テープH5とする。テープ誘導アーム100とテープ結束アーム200を開くことで、熱溶着テープH5はテープ出口部130から引き出されるので所定の長さになり、押圧レバー遊着部232が熱溶着テープH5の長さと連動しながら作動し、押圧レバー遊着部232の動作に合わせ制御係合部235を介して結束アーム当接部234がテープ結束アーム200の所定部位に当接するように作動することでテープ誘導アーム100とテープ結束アーム200がそれ以上開かないようになる状態を、結束具Tによる結束作業の開始位置である結束作業開始位置T1とする。
【実施例4】
【0048】
図1〜図6を用いて、請求項4の実施例を説明する。
結束具Tが結束予定の被結束物Bを捕捉して結束作業開始位置T1を通過させ被結束物当接部233に近接させると連動してテープ保持部110に収納されている熱溶着テープH1から熱溶着テープH2が引き出され被結束物Bの先端部B1に熱溶着テープH5を巻きつけながら後端部B2に至るために、後端部B2には熱溶着テープH5が並列した状態になっている。さらに被結束物Bで被結束物当接部233を押圧することで、押圧レバー遊着部232は制御係合部235を支点として連結係合部Cの近傍まで遊動することで、テープ押圧ヘッド231が連動して電気ヒータ部141と並列した熱溶着テープH5を押圧し、加熱押圧された熱溶着テープH5は熱溶着され押圧合掌貼りされた熱溶着テープH6となる。連動してテープ切断部150が作動するように形成してあるので、テープ切断部150は熱溶着テープH6の所定部位を切断することで、被結束物Bのほぼ全体を熱溶着テープH5に巻き付けられ後端部B2に熱溶着テープH6が形成された被結束物Bを結束具Tから離脱させ、テープ誘導アーム100とテープ結束アーム200を閉じることで、テープクランプ220はテープ出口部130から繰出された熱溶着テープH4を掴まえて挟持するように形成され、結束具Tが結束作業開始位置T1になることで、本発明の一結束作業が終了することになる。
【実施例5】
【0049】
図1〜図6を用いて、請求項5の実施例を説明する。
テープ出口部130の近傍と被結束物誘導部210の間には、被結束物Bを結束作業開始位置T1まで誘導または補足しやすくなるように略ハの字状の空間が形成されるようテープ出口部130の近傍と被結束物誘導部210を形成させるようにする。上述した略ハの字状の空間に関しては、結束作業開始位置T1の近傍を間隔T2とし、テープ出口部130の近傍と被結束物誘導部210の間で被結束物誘導部210の先端の方を間隔T3とし、図1と図6に示す通り、間隔T2<間隔T3という関係になるように形成するようにする。
【実施例6】
【0050】
本発明の作業性を向上させた熱溶着結束具の使用例を説明する。
図1は結束具Tにより被結束物Bを結束のために捕捉しているところを示しており、結束具Tは電源部のAC100Vに接続され電気ヒータ部141が十分に加熱され結束作業開始位置T1が保持したままで、間隔T2と間隔T3の間に被結束物Bを誘導したときに、結束具Tにより結束作業を開始するものとする。
図2は、結束具Tにより結束作業が開始され、結束作業開始位置T1により被結束物Bを結束のために捕捉した後に、結束具Tを図中の下方向に下ろすことで熱溶着テープH5を巻きつけた先端部B1を被結束物当接部233に当接したところまでを示しており、熱溶着テープH5は先端部B1に熱溶着テープH5を巻きつけながら後端部B2に至るために後端部B2の近傍では熱溶着テープH5が並列した状態になっていて、一方は電気ヒータ部141の近傍にあり、他方はテープ押圧ヘッド231の近傍にある状態を示している。
図3は、結束具Tを図中の下方向に、さらに下ろすことで熱溶着テープH5を巻きつけた先端部B1が被結束物当接部233を押圧し、すると押圧レバー遊着部232が制御係合部235を支点に連結係合部Cの近傍まで移動し、押圧レバー遊着部232の動作に連動してテープ押圧ヘッド231が電気ヒータ部141及びその間で並列した状態になっている熱溶着テープH5を挟み込みながら押圧することによって、並列した状態になっている熱溶着テープH5が熱溶着または熱圧着され押圧合掌貼りされ、それに連動して押圧合掌貼りされた所定部位を切断するように形成されているテープ切断部150が作動して、熱溶着テープH5が押圧合掌貼りされた所定部位が切断されている状態を示している。
図4は、結束具Tを図中の上方向に上げることで、結束された被結束物Bがテープ押圧ヘッド231を押圧し、押圧されたテープ押圧ヘッド231は制御係合部235を支点に電気ヒータ部141から離れるように作動し、このテープ押圧ヘッド231の作動に連動して結束アーム当接部234がテープ結束アーム200の所定部位に当接するように作動することでテープ誘導アーム100とテープ結束アーム200がそれ以上開かないようになる状態を示している。また、この時点で出口部130から熱溶着テープH4が繰出された状態を示している。また、被結束物Bの後端部B2に形成され、熱溶着テープH5が押圧合掌貼りされた部位を熱溶着テープH6としたところを示している。
図5は、熱溶着テープH6が形成された被結束物Bを結束具Tから離脱させ、テープ誘導アーム100とテープ結束アーム200を閉じることで、テープクランプ220はテープ出口部130から繰出された熱溶着テープH4を掴まえて挟持し、詳細にはテープ出口部130から繰出される熱溶着テープH4を挟持部他端223と固定挟持部225の間で掴まえて挟持している状態を示している。
図6は、熱溶着テープH4がテープクランプ220によって挟持された状態を熱溶着テープH5とし、テープ誘導アーム100とテープ結束アーム200を開くことで、熱溶着テープH5はテープ出口部130から引き出されるので所定の長さになり、押圧レバー遊着部232が熱溶着テープH5の長さと連動しながら作動し、押圧レバー遊着部232の動作に連動して結束アーム当接部234がテープ結束アーム200の所定部位に当接するように作動することでテープ誘導アーム100とテープ結束アーム200がそれ以上開かないようになる状態を結束作業開始位置である結束作業開始位置T1になることを示している。
【0055】
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
また、本明細書の中で上記において引用されたすべての参考文献は完全にそのまま参照部に取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の作業性を向上させた熱溶着結束具によって結束可能な被結束物が、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝やこの植物の蔓や茎や枝を結束したり枝止め作業したりするための材料としての支柱や針金や紐や、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝を結束するための棚の構成材料や、果樹園や園芸農園等における植物の蔓や茎や枝を結束するためのネットや、電気配線の工事に用いる電気コードや、屋外や屋内のイベント等の照明や音響に使用する電気コードや信号線やケーブルや、家庭内の家電やパソコンや電話(FAX)に使用する電気コードや信号線やケーブルや、店舗内の照明やAV装置に使用する電気コードや信号線やケーブルや、会社内の事務機器に使用する電気コードや信号線やケーブルや、工場内の照明や機械類に使用する電気コードや信号線やケーブルなどを可能とするので、産業上の利用可能性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る熱溶着結束具の一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
H1,H2,H3,H4,H5,H6・・熱溶着テープ
B・・被結束物 B1・・先端部 B2・・後端部
T・・結束具 T1・・結束作業開始位置 T2・・間隔
T3・・間隔 C・・連結係合部
100・・テープ誘導アーム 110・・テープ保持部
120・・テープ誘導路 130・・テープ出口部
140・・テープ加熱部 141・・電気ヒータ部
150・・テープ切断部 160・・テープ誘導部 161・・テープ誘導補助体
200・・テープ結束アーム 210・・被結束物誘導部
220・・テープクランプ 221・・可動挟持部 222・・張着係合部
223・・挟持部他端 225・・固定挟持部
230・・テープ押圧レバー 231・・テープ押圧ヘッド
232・・押圧レバー遊着部 233・・被結束物当接部
234・・結束アーム当接部 235・・制御係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の線状物または複数の棒状物またはこれらの組合せである被結束物を熱溶着テープを用いて結束する結束具であり、前記結束具はテープ誘導アームとテープ結束アームから成り、テープ誘導アームの一端部には熱溶着テープを回動可能に保持するテープ保持部を設け他端部にはテープ結束アームと回動可能に連結される係合部を設け、テープ結束アームの一端部には前記被結束物を誘導する被結束物誘導部を形成し他端部にはテープ誘導アームと回動可能に連結される係合部を設け、前記連結係合部と前記テープ保持部の間には前記テープ保持部から繰出される熱溶着テープの先端を位置させるテープ出口部が設けられ、前記テープ出口部と前記連結係合部の間には熱溶着テープを熱圧着または熱溶着に用いるテープ加熱部が設けられ、前記テープ加熱部と前記テープ出口部の間にはテープ切断部が設けられ、前記被結束物誘導部と前記連結係合部の間で前記テープ出口部に対向する位置に前記テープ出口部から繰出される熱溶着テープの先端を掴まえて挟持するテープクランプを設け、前記テープクランプと前記連結係合部の間には前記テープ加熱部に押圧できるように形成したテープ押圧レバーを設けたことを特徴とする、作業性を向上させた熱溶着結束具。
【請求項2】
前記テープ押圧レバーは、略コの字状に形成され、一端部には前記テープ加熱部に前記テープ出口部から繰出された熱溶着テープが近接した状態で押圧するように形成したテープ押圧ヘッドが設けられ、他端部には前記連結係合部と前記テープ加熱部の間を遊動できるように遊着する押圧レバー遊着部を設けて、前記押圧レバー遊着部の近傍には前記被結束物を当接できるようにした被結束物当接部を形成させ、前記被結束物当接部と前記テープ押圧ヘッドの間には前記テープ押圧レバーの少なくとも一部が前記テープ結束アームの所定部位に当接させるように形成した結束アーム当接部を設け、前記テープ押圧レバーの動作と前記テープ結束アームの動作を制御させるための制御係合部を前記結束アーム当接部と前記被結束物当接部の間の所定部位と前記テープ結束アーム内の所定部位に設けることを特徴とする、請求項1に記載の作業性を向上させた熱溶着結束具。
【請求項3】
前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを閉じることで、前記テープ出口部から繰出された熱溶着テープの先端を前記テープクランプが掴まえた後に挟持させ、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを開くことで、熱溶着テープが前記テープ保持部から繰出され、繰出された熱溶着テープが所定の長さになると前記押圧レバー遊着部が連動しながら前記押圧レバー遊着部の動作に合わせ前記制御係合部を介して前記結束アーム当接部が前記テープ結束アームの所定部位に当接するように作動することで前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームがそれ以上開かないようにする状態を、前記被結具による結束作業の開始位置とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の作業性を向上させた熱溶着結束具。
【請求項4】
前記結束具が結束予定の被結束物を捕捉して前記結束作業開始位置を通過させ前記被結束物当接部に近接させると連動して前記テープ保持部から熱溶着テープが引き出され前記被結束物の先端部に熱溶着テープを巻きつけながら後端部には2つの熱溶着テープを並列させながら、さらに前記被結束物で前記被結束物当接部を押圧すると、前記押圧レバー遊着部は前記制御係合部を支点として前記連結係合部の近傍まで遊動することで、前記テープ押圧ヘッドが連動して前記テープ加熱部と並列した熱溶着テープを押圧し、加熱押圧された前記熱溶着テープは熱溶着され押圧合掌貼りされると、連動して前記テープ切断部が作動し押圧合掌貼りされた所定部位を切断し、結束作業が終了した被結束物を前記結束具から離脱させた後に、前記テープ誘導アームと前記テープ結束アームを閉じることで、前記結束具が前記結束作業開始位置になるように構成したことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の作業性を向上させた熱溶着結束具。
【請求項5】
前記テープ出口部の近傍と前記被結束物誘導部の間には、前記被結束物を前記結束作業開始位置まで誘導または補足しやすくなるように略ハの字状の空間が形成されるよう前記テープ出口部の近傍と前記被結束物誘導部を形成させることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の作業性を向上させた熱溶着結束具。
【請求項6】
前記熱溶着テープが、テープ素材が熱溶着性プラスチックスであるタイプ、テープ素材が非熱溶着性プラスチックスであるが片面または両面に熱溶融性材料を付着させたタイプ、テープ素材が紙製であるが片面または両面に熱溶融性材料を付着させたタイプ、テープ素材が熱溶融性の合成繊維製の織布または編布であるタイプ、テープ素材が天然繊維製の織布または編布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプ、テープ素材が熱溶融性の合成繊維製の不織布であるタイプ、テープ素材がセルロース製の不織布であるが片面または両面に熱融着材料を付着させたタイプ、などの中から選択して単独または組合わせて用いられることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の作業性を向上させた熱溶着結束具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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