説明

使い捨ておむつ

【課題】立体ギャザーの上端縁における柔軟性を高めることで,着用者の肌が傷つくのを防止しつつ,防漏性を維持することができる使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】弾性伸縮部材の収縮時において立体ギャザー4の上端縁にダーツ(ひだ)を形成することにより,立体ギャザー4の上端縁における柔軟性が高め,かつ,着用者の身体の凹凸や湾曲に合せて立体ギャザー4の上端縁をしなやかに動かすことができるという知見に基づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,着用者の股下に装着され,尿などの液体を吸収し保持するための使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から,液透過性のトップシートと,液不透過性のバックシートと,これらのシートの間に介在する吸収体を備える使い捨ておむつが知られている。また,一般的な使い捨ておむつは,吸収体の両側縁部に沿って起立する一対の立体ギャザーを備えている。立体ギャザーは,使い捨ておむつによって尿などの液体を受ける際に,液体が外部へと漏れ出す事態を防止するための防漏壁として機能する。
【0003】
具体的に説明すると,立体ギャザーは,吸収体の両側縁部に沿って,着用者の肌と接するように起立するものであり,トップシートを透過しなかった液体や,吸収体により吸収しきれなかった液体が,使い捨ておむつの開口部等から漏出することを防止する。このような立体ギャザーには,一般的に,伸長状態の弾性伸縮部材が,立体ギャザーの長手方向に沿って配設されている。このため,立体ギャザーは,弾性伸縮部材が収縮する際の収縮力を利用して,着用者の肌に接する方向に起立する。
【0004】
ここで,一般的な立体ギャザーには,例えば特許文献1に開示された使い捨ておむつのように,立体ギャザーの上端縁に沿って細い糸状の弾性伸縮部材が直線的に配設されている。このように,弾性伸縮部材を立体ギャザーの上端縁に沿って直線的に配置することで,起立時における立体ギャザーの形状を維持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−271169号公報
【特許文献2】特開2007−209518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,先述した通り,立体ギャザーの上端縁は,着用者の肌に触れる部分でもある。そして,例えば糸ゴムのような弾性伸縮部材は,ある程度の硬さを有するものである。従って,立体ギャザーの上端縁に沿って弾性伸縮部材を配設すると,硬い弾性伸縮部が,着用者の肌に擦れ続けることとなる。このため,例えば,使い捨ておむつを長時間着用した着用者の肌には,立体ギャザーの上端縁と接していた部分に,擦れ傷が残るという事態が生じていた。特に,乳幼児の肌は柔らかく傷つき易いものであるため,使い捨ておむつを使用した後の擦れ傷が顕著なものであった。
【0007】
また,このような事態を解消するために,例えば特許文献2に開示された使い捨ておむつのように,弾性伸縮部材を,立体ギャザーの上端縁から少し下方ずらした位置に配設することが提案されている。しかし,弾性伸縮部材を立体ギャザーの上端縁から少し下方にずらした位置に配設すると,立体ギャザーの上端縁と弾性伸縮部材までの間に隙間が生じ,立体ギャザーを形成するシートに撓みが生じることとなる。このように,立体ギャザーに撓みが生じると,立体ギャザーと着用者の肌の密着度が低下するだけでなく,起立時における立体ギャザーの形状を維持できなくなる。従って,使い捨ておむつの防漏性を高めるという立体ギャザー本来の機能を損なうものであった。
【0008】
このため,現在は,立体ギャザーの上端縁における柔軟性を高めることで,着用者の肌が傷つくのを防止しつつ,防漏性を維持することができる使い捨ておむつが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,弾性伸縮部材の収縮時において立体ギャザーの上端縁にダーツ(ひだ)を形成することにより,立体ギャザーの上端縁における柔軟性が高まり,かつ,着用者の身体の凹凸や湾曲に合せて立体ギャザーの上端縁をしなやかに動かすことができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に本発明は,以下の構成を有する。
【0010】
本発明は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2と,これらのシートの間に介在する吸収体3と,吸収体3の両側縁部に沿って起立する立体ギャザー4を含む使い捨ておむつに関する。
立体ギャザー4においては,立体ギャザー4を形成するサイドシート40が,立体ギャザー4の上端縁に相当する折返部41において折り返されている。
折返部41において折り返されたサイドシート40の間には,立体ギャザー4の長手方向に沿って,弾性伸縮部材42が伸長状態で配設されている。
そして,弾性伸縮部材42は,伸長状態において,弾性伸縮部材42の短手方向に延びる空隙421が,弾性伸縮部材42の長手方向に複数形成されている。
また,弾性伸縮部材42は,収縮状態において,立体ギャザー4の短手方向に延びる空隙421が,弾性伸縮部材42の伸長状態における状態と比較して幅狭となる。
これにより,弾性伸縮部材42が収縮した状態において,立体ギャザー4の上端縁には,複数のダーツ423が形成されることが好ましい。
【0011】
つまり,伸長状態の弾性伸縮体42に形成された空隙421が,弾性伸縮部材が収縮した際に幅狭となることによって,立体ギャザー4の上端部を形成するサイドシート40が,弾性伸縮部材42の間に摘まれて,ダーツ(ひだ)を形成する。このように,ダーツが形成されることで,立体ギャザー4の上端縁が柔軟になるため,着用者の肌を傷つけてしまう事態を防止できる。また,ダーツ423が形成されることで,立体ギャザーと着用者の肌の密着度を高めることができるため,使い捨ておむつの防漏性を高めることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態においては,弾性伸縮部材42は,収縮状態において,弾性伸縮部材42の短手方向に向かって弾性伸縮部材42の上端縁から中頃まで形成された切込み422が,弾性伸縮部材42の長手方向に複数形成されている。そして,これにより,弾性伸縮部材42は,伸長状態において,上記切込み422が開き,弾性伸縮部材42の短手方向に延びる空隙421が形成される。
【0013】
このように,収縮状態の弾性伸縮部材42に切込み422を設けることにより,伸長状態に弾性伸縮部材42に空隙421を形成することができる。従って,収縮状態において,弾性部材42の空隙がなくなるか,極めて狭くなる。これにより,立体ギャザー4を形成するサードシート40の撓み幅が大きくなるため,より大きいダーツ423が形成される。また,弾性伸縮部材42は,その上端から中頃にかけて複数の切込み422が形成されているため,切込み422が形成された上部には,各切れ込み422の間に短冊部424が形成される。各短冊部424は,着用者の身体の凹凸や湾曲に合わせて自由に動くことができる。このように,より大きいダーツ423と,短冊部424が形成されることから,立体ギャザー4の上端縁が柔軟になり,かつ,立体ギャザー4と着用者の肌の密着度も高まる。
【0014】
また,本発明の好ましい形態において,弾性伸縮部材42は,切込み422が形成された上端縁が,サイドシート40の折返部41に接するように,サイドシート40の間に接合されている。
【0015】
このように,弾性伸縮部材42が立体ギャザー4の上端縁に配設されていることにより,立体ギャザー4の起立時における形状を維持することができる。さらに,弾性伸縮部材42の上端縁側は,切込み422が形成されているため,柔軟であり,着用者の肌を傷つけることもない。
【0016】
また,本発明は,折返部41において折り返されたサイドシート40の間には,弾性伸縮部材42が,立体ギャザー4の長手方向に沿って,立体ギャザー4の幅方向に振幅する凸状曲線部426と凹状曲線部427が連続した波状をなして,配設されていることとしてもよい。この場合,弾性伸縮部材42は,伸長状態において,前記波状をなす前記凸状曲線部426の間及び前記凹状曲線部427の間に,空隙421が形成される。そして,弾性伸縮部材42は,収縮状態において,空隙421が弾性伸縮部材42の伸長状態における状態と比較して幅狭となる。
【0017】
すなわち,このような波状の弾性伸縮部材42が,立体ギャザー4の上端縁近傍に配設されている場合であっても,弾性伸縮部材42の収縮時において,立体ギャザー4の上端縁にダーツが形成される。従って,立体ギャザー4の上端縁における柔軟性が高まるため,着用者の肌が傷つく事態を防止でき,かつ使い捨ておむつの防漏性も維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は,使い捨ておむつの展開図であり,トップシート側から見た状態を示している。
【図2】図2は,図1に示された使い捨ておむつをA−Aの線分に沿って切断した場合における断面形状の例を示す概略断面図である。
【図3】図3は,弾性伸縮部材が伸長した状態における,立体ギャザーの上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。
【図4】図4は,弾性伸縮部材が収縮した状態における,立体ギャザーの上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。
【図5】図5は,立体ギャザーを製造する工程を説明するための概略図であり,その製造工程を(a)から(e)の工程に分けて示している。
【図6】図6は,弾性伸縮部材が伸長した状態における,立体ギャザーの上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。
【図7】図7は,弾性伸縮部材が収縮した状態における,立体ギャザーの上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0020】
(1.使い捨ておむつの全体構成)
本発明は,使い捨ておむつ10に適用することができる。具体的に説明すると,使い捨ておむつ10は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2と,トップシート1とバックシート2の間に介在する吸収体3と,トップシート1との固定線において吸収体3の両縁部に沿って起立する一対の立体ギャザー4を具備する。使い捨ておむつ10では,トップシート1を透過した液体を,トップシート1とバックシート2間に配置された吸収体3により吸収し保持する。また,使い捨ておむつ10では,液体を受ける際において,吸収体3の両側縁部に沿って起立する立体ギャザー4によって,液体の横漏れを防止する。
本発明は,このような構成を有するものであればよく,例えば,パンツ型のおむつや,テープ付き型のおむつや尿取りパッドに適用される。
【0021】
図1は,パンツ型の使い捨ておむつに適用された使い捨ておむつ10の展開図であり,トップシート1側から見た状態を示している。図1に示されるように,使い捨ておむつ10は,装着時に着用者の腹部を覆う前身頃51と,装着時に着用者の背部を覆う後身頃52と,装着時に着用者の股下にあてがわれる股下部53を含む。そして,前身頃51及び後身頃52の両側縁に延出するサイドフラップ54の端部を対応させて接合することにより,装着時に着用者の腰周りに位置する腰周り開口部と,股下部53において装着時に着用者の脚部周りに位置する脚部周り開口部が形成される。例えば,使い捨ておむつ10がパンツ型の使い捨ておむつの場合において,着用者は,前身頃51が腹部に,後身頃52が背部に位置するように,腰周り開口部に両脚部を入れ,それぞれの脚部を脚部周り開口部から出すことで使い捨ておむつを装着する。
【0022】
(2.使い捨ておむつの具体的構成)
以下,図2を参照して本発明に係る使い捨ておむつの具体的な構成について説明する。図2は,図1に示された使い捨ておむつをA−Aの線分に沿って切断した場合における断面形状の例を示している。
【0023】
(2−1.トップシート)
トップシート1は,着用者の股下の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体3に透過させるための部材である。このため,トップシート1は,柔軟性が高い液透過性材料で構成されることが好ましい。トップシート1は,図2に示されるように,吸収体3の表面(着用者の肌と当接する面)を被覆するように配置される。
【0024】
トップシート1を構成する不透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,トップシート1には,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
【0025】
(2−2.バックシート)
バックシート2は,トップシート1を透過し,吸収体3に吸収された液体が,漏出することを防止するための部材である。このため,バックシート2は,液不透過性材料によって構成される。そして,バックシート2は,図2に示されるように,吸収体3の底面(着用者の肌と当接する面と反対の面)からの液漏れを防止するため,吸収体3の底面を被覆するように配置される。
【0026】
バックシート2を構成する不透過材料の例は,ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に,0.1〜4μm,又は2〜3μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いことにより,通気性を付与できるため好ましい。
なお,本明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
【0027】
バックシート2の外表面には,バックシート2を補強しその手触りを良くするために,カバーシート55を貼り合わせることとしても良い。カバーシート55を構成する材料としては,織布や不織布が用いられる。特に,カバーシート55を構成する材料として,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。
【0028】
(2−3.吸収体)
吸収体3は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体3は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2の間に配置される。吸収体3は,トップシートを透過した液体を吸収保持する機能を有し,吸収性材料により構成される。
【0029】
吸収体3を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用することができる。吸収性材料としては,例えば,フラップパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートを用いることとしても良い。また,吸収性材料には,フラップパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は,通常,単層又は複数層のマット状に形成され,用いられる。
【0030】
また,吸収体3は,トップシート1とバックシート2の間の少なくとも一部に挟持されることが好ましい。吸収体3は,トップシート1とバックシート2の間に挟み込まれ,その周縁部が封着されることによってトップシート1とバックシート2との間に固定される。
【0031】
吸収体3の形状は,適宜,使い捨ておむつの形状や,大きさ,用途に合せて設計することができる。例えば,吸収体3の形状は,図2に示されるように,砂時計型としてもよい。また,吸収体3の形状は,矩形型,楕円形型,又はひょうたん型とすることとしてもよい。
【0032】
(2−4.立体ギャザー)
立体ギャザー4は,吸収体3の両側縁部に沿って起立し,着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。立体ギャザー4は,起立した状態(上端縁部に配置された弾性伸縮部材が収縮した状態)において尿の防漏壁となるため,トップシート1を透過しなかった尿や,吸収体3により吸収しきれなった尿が,吸収体の脚部周り開口部などから漏出する横漏れを防止する。立体ギャザー4は,吸収体の両側縁部に一対形成されるものでもよいし,二対以上形成されるものであってもよい。
【0033】
立体ギャザー4のそれぞれは,トップシート1の側縁部に固定される固定線43を有する。例えば,図2に示されるように,一対の立体ギャザー4は,トップシート1及びバックシート2の両側縁部を挟みこむようにして,トップシート1及びバックシート2に固定されることとしてもよい。また,立体ギャザーのそれぞれは,例えば不織布からなるサイドシート40により形成される。そして,立体ギャザー4を形成するサイドシート40は,トップシート1やバックシート2をとは別体として構成されることとしてもよい。
【0034】
このように,立体ギャザー4は,固定線43において,接着剤又はその他の接着手段により,トップシート1に固定される。立体ギャザー4とトップシート1は,例えば,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を用いた固定方法に固定されてもよいし,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により固定されてもよい。
【0035】
立体ギャザー4を構成するサイドシート40としては,疎水性材料を用いることが好ましい。疎水性材料の例としては,疎水性が高くかつ通気性が良いという観点から,スパンボンドやカードエンボスのような不織布を用いることが好ましい。特に,耐水圧が高いという理由から,SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)や,SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)のような目の詰まった不織布を用いることが好ましい。
【0036】
図2に示されるように,固定線43において立ち上がった立体ギャザー4は,そのサイドシート40が,立体ギャザー4の上端縁に相当する折返部41おいて,吸収体3が存在する方向に向かって折り返されている。このため,立体ギャザー4を形成するサイドシート40は,折返部41において折り返された部分において,立体ギャザー4の厚み方向(図2中左右方向)に2重に重なっている。なお,立体ギャザー4を形成するサイドシート40は,折返部41において,使い捨ておむつの外方(吸収体3が存在しない方向)に向かって折り返されたものであってもよい。
【0037】
図2に示されるように,折返部41において折り返されたサイドシート40の間には,一又は複数の弾性伸縮部材42が,立体ギャザー4の長手方向に沿って伸長状態で配設される。このため,立体ギャザー4は,弾性伸縮部材42が収縮する際の収縮力を利用して起立する。図2に示される実施の形態においては,所定の幅を有する面状の弾性伸縮部材42が一つ配設されている。つまり,弾性伸縮部材42は,伸張された状態で立体ギャザー4にサイドシート40の間に固定されているため,弾性伸縮部材42が収縮すると立体ギャザー4のサイドシート40も縮退し,立体ギャザー4がトップシート1との固定線43を起点として立ち上がる。
【0038】
弾性伸縮部材42を立体ギャザー4に配設する位置は,使い捨ておむつ10の形状や大きさに合せて適宜変更可能であるが,立体ギャザー4の上端縁又はその近傍に配設されることが好ましい。なお,ここで,立体ギャザー4の上端縁の近傍とは,例えば,立体ギャザー4の固定線43から上端縁までの距離を1/2に区分した場合の上方側の領域,1/3に区分した場合の最上方側の領域,1/5に区分した場合の最上方側の領域,又は1/6に区分した場合の最上方側の領域とすればよい。
【0039】
このように,立体ギャザー4は,トップシート1との固定線43を起点として,着用者の肌に当接する方向(図2中上方向)に立ち上がる。これにより,立体ギャザー4には,固定線43から上端縁までの起立部が形成される。図2において,立体ギャザー4の起立部は,吸収体3が存在する方向に向かって傾倒する場合の例が示されている。ただし,立体ギャザー4の起立部は,例えば,吸収体3の外方に向かって傾倒する形態であってもよいし,起立部の一部に湾曲部や折れ線が形成されたものであってもよい。立体ギャザー4の起立部の長さ(固定線43から上端縁までの長さ)は,例えば,10mm〜100mm,又は20mm〜80mm,好ましくは30mm〜60mmである。
【0040】
(3.弾性伸縮部材の具体的構成:第1の実施形態)
図3は,弾性伸縮部材42が伸長した状態における,立体ギャザー4の上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。また,図3においては,サイドシート40に挟み込まれている弾性伸縮部材42を,透過的に破線で表している。
【0041】
図3に示される実施の形態においては,所定の長さ,幅,及び厚みを有する面状の弾性伸縮部材42(平ゴム)が用いられる。そして,図3に示されるように,伸長状態の弾性伸縮部材42には,その上端縁側に沿って,一定間隔で,空隙421(切り欠き)が形成されている。この空隙421は,弾性伸縮部材42の長手方向に直交する短手方向に向かって,弾性伸縮部材42の上端縁から中頃にかけて形成されている。弾性伸縮部材42の中頃まで複数の空隙421が設けられていることにより,各空隙421の間には短冊部424が形成され,各短冊部424の根元部分は,弾性伸縮部材42の連続部425によって繋がっている。なお,後述するとおり,伸長状態の弾性伸縮部材42の上端縁側に沿って形成された空隙421は,収縮状態の弾性伸縮部材42の上端縁から中頃にかけて形成された切込み422が開いて生じたものである。
【0042】
弾性伸縮部材42は,伸長状態(切込み422が開いて空隙421が生じた状態)において,立体ギャザー4を形成するサイドシート40の間に接合される。つまり,伸長状態における弾性伸縮部材42の短冊部424及び連続部425が,サイドシート40に接合され,空隙421に相当する位置においては,サイドシート40は弾性伸縮部材42に接合されない。例えば,伸長状態の弾性伸縮部材42の両面に,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を塗布し,サイドシート40の間に接合することとしてもよいし,例えば,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により,伸長状態の弾性伸縮部材42の両面とサイドシート40を接合することとしてもよい。
【0043】
また,上端縁に沿って空隙421が形成された弾性伸縮部材42は,その上端縁が,サイドシート40の折返部41に当接するように,サイドシート40の間に接合されていることが好ましい。また,弾性伸縮部材42の上端縁が,サイドシート40の折返部41に当接していなくとも,弾性部材42の上端縁と折返部41の間の距離は,例えば,0.1mm〜5mm,0.2mm〜3mm,0.3mm〜1mmであれば好ましい。
【0044】
図4は,弾性伸縮部材42が収縮した状態における,立体ギャザー4の上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。図4においても,サイドシート40に挟み込まれている弾性伸縮部材42を,透過的に破線で表している。特に,図4においては,複数の空隙421が上端縁に沿って形成された伸長状態の弾性伸縮部材42にサイドシート40が接合された立体ギャザー4において,弾性伸縮部材42が収縮した状態を示している。
【0045】
すなわち,図4に示されるとおり,弾性伸縮部材42が収縮すると,立体ギャザー4が起立するとともに,伸長状態において弾性伸縮部材42に形成されていた空隙421はなくなるか,極めて幅狭となる。これにより,伸長状態における弾性伸縮部材42の各短冊部424の間に位置していたサイドシート40の部分(空隙421に相当する部分)が,撓むようになる。そして,弾性伸縮部材42に張力がかかっていない収縮状態(自然状態)になると,図4に示されるように,サイドシート40の撓み部分により,ダーツ423(ひだ)が形成される。このダーツ423は,弾性伸縮部材42に形成された空隙423(切込み422)の位置に相当する位置に形成される。ダーツ423は,立体ギャザー4の厚み方向に延在するように形成される。図4においては,全てのダーツ423が図中手前方向に形成されているが,図中奥行き方向に形成されるダーツ423が存在していてもよい。
【0046】
このように,弾性伸縮部材42が収縮すると,弾性伸縮部材42の上部に形成された短冊部424は,立体ギャザー4に形成されたダーツ423が動き代となり,弾性伸縮部材42の下部に位置する連続部425を基点として,高い自由度で動くことができる。このため,弾性伸縮部材42の収縮時(立体ギャザー4の起立時)において,着用者の肌に当接する短冊部424は,着用者の肌の凹凸や湾曲に合せてしなやかにその形状が変化する。
【0047】
また,図4に示されているように,弾性伸縮部材42は,収縮状態において,上端側に形成された各短冊部424の間には隙間がないことが好ましい。このように形成するためには,後述するように,伸縮状態における弾性伸縮部材42の上端縁から中頃にかけて複数の切込み422を形成し,これにより弾性伸縮部材42に短冊部424を形成すればよい。
【0048】
次に,図5を参照して,第1の実施形態における使い捨ておむつ10の立体ギャザー4を製造する工程について説明する。図5は,立体ギャザー4を製造する工程を説明するための概略図であり,その製造工程を(a)から(e)の工程に分けて示している。
【0049】
図5(a)は,立体ギャザー4の上端縁近傍に配設される平ゴム状の弾性伸縮部材42を示している。平ゴム状の弾性伸縮部材42とは,所定の長さ,幅,及び厚みを有する弾性伸縮部材42を意味する。収縮時における弾性伸縮部材42の長さは,例えば,100mm〜200mm,120mm〜180mmであり,特に140mm〜150mmであることが好ましい。また,収縮時に弾性伸縮部材42の幅は,例えば,5mm〜20mm,10mm〜15mmであり,特に12mm〜13mmであることが好ましい。また,収縮時における弾性伸縮部材42の厚みは,0.1mm〜2mm,0.5mm〜1.5mmであり,特に0.9mm〜1.1mmであることが好ましい。なお,上記した弾性伸縮部材42の長さ,幅,及び厚みは,使い捨ておむつ10の大きさや用途に合せて適宜変更可能である。
【0050】
また,弾性伸縮部材42を形成する素材としては,例えば,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコン,及びポリエステルを用いることができる。また,弾性伸縮部材42の伸縮率は,例えば,110%〜250%,130%〜230%であり,特に150%〜200%が好ましい。また,弾性伸縮部材42の弾性強度は,例えば,50g〜400g,70g〜300gであり,特に100g〜200gであることが好ましい。
【0051】
図5(b)は,図5(a)に示された弾性伸縮部材42に,その上端縁(立体ギャザー4の上端縁側の端縁)から中頃にかけて,弾性伸縮部材42の短手方向への切込み422を,弾性伸縮部材42の長手方向に一定間隔で複数形成した状態を示している。この切込み422は,公知の切断手段を用いて形成される。
【0052】
また,弾性伸縮部材42に形成された切込み422の数,各切り込み422間の間隔,及び切込み422の長さ(深さ)によって,本発明における立体ギャザー4の上端縁に形成されるダーツ423(ひだ)の数,ダーツの423の形状,及びダーツ423の大きさが変化する。従って,所望のダーツ423を形成するためには,弾性伸縮部材42に形成する切込み422の数,各切り込み422間の間隔,及び切込み422の長さ(深さ)を適宜調節すればよい。例えば,切込み422は,弾性伸縮部材42の長手方向に,例えば,10個〜200個,又は50個〜100個形成することとしてもよい。また,弾性伸縮部材42の長手方向に隣接する切込み422間の距離は,例えば,1mm〜10mm,又は3mm〜8mmとすることとしてもよい。さらに,切込み244が,弾性伸縮部材42の短手方向に延びる長さ(深さ)は,例えば,2mm〜15mm,又は5mm〜20mmとすればよく,また,弾性伸縮部材42の幅に対して,例えば,20%〜80%,又は40%〜60%の長さで形成すればよい。さらに,切り込み422間の距離は等間隔でなくてもよく,切り込み深さも一律でなくても良い。例えば、股下部はダーツを深くして後見頃側の両端部に近づくにつれてダーツを浅くするなど、おむつの用途にあわせて自由に設計することができる。
【0053】
図5(c)は,図5(b)に示された収縮状態の弾性伸縮部材42が,その長手方向に引張され,伸長した状態を示している。このとき,収縮状態42において弾性伸縮部材42の上端縁に形成された切込み422が,弾性伸縮部材42の長手方向に開き,弾性伸縮部材42には空隙421(切り欠き)が形成されている。
【0054】
弾性伸縮部材42の伸縮率は,例えば,110%〜250%,130%〜230%であり,特に150%〜200%が好ましい。また,弾性伸縮部材42の弾性強度は,例えば,50g〜400g,70g〜300gであり,特に100g〜200gであることが好ましい。また,切込み422が形成された弾性伸縮部材42が伸長することにより形成される空隙421の幅(弾性伸縮部材42の長手方向における距離)は,例えば,1mm〜15mm,又は5mm〜10mmであり,7mm〜8mmとしてもよい。
【0055】
図5(d)は,図5(c)に示された伸長状態の弾性伸縮部材42を挟持するように,立体ギャザー4を形成するサイドシート40が接合された状態を示している。例えば,伸長状態の弾性伸縮部材42の両面に,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を塗布し,サイドシート40の間に接合することとしてもよいし,例えば,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により,伸長状態の弾性伸縮部材42の両面とサイドシート40を接合することとしてもよい。また,このとき,弾性伸縮部材42に形成された空隙421の部分において,サイドシート40同士を接合することも可能である。ただし,立体ギャザー4の上端縁の柔軟性を高めるためには,弾性伸縮部材42の空隙421部分において,サイドシート40同士を接合しないことが好ましい。
【0056】
図5(e)は,図5(c)に示されたサイドシート40の間に伸長状態で接合された弾性伸縮部材42が収縮したときの状態を示している。このとき,伸長状態において弾性伸縮部材42の上端縁に沿って形成されていた複数の空隙421は,弾性伸縮部材42が収縮するに伴い,もとの切込み422の状態に戻るか,極めて幅狭となる。従って,伸長状態における弾性伸縮部材42の各短冊部424の間に位置していたサイドシート40の部分(空隙421に相当する部分)が撓み,ダーツ423(ひだ)を形成する。
【0057】
このように,弾性伸縮部材42の収縮状態(立体ギャザー4の起立状態)において,立体ギャザー4の上端縁部に複数のダーツ(ひだ)が形成されると,このダーツの弛みが緩衝材の役割を果たす。このため,立体ギャザー4の上端縁が,着用者の肌に長時間接しているような場合であっても,着用者の肌を傷つける恐れがなくなる。
【0058】
(4.弾性伸縮部材の具体的構成:第2の実施形態)
次に,図6及び図7を参照して,本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では,要するに,糸ゴム状の弾性伸縮部材42を,伸長状態において立体ギャザー4の長手方向に沿って波状に配設し,これにより,弾性伸縮部材42が収縮するに伴い,立体ギャザー4の上端縁にダーツ(ひだ)が形成されるようになっている。
【0059】
まず,図6は,弾性伸縮部材42a,42b,42cが伸長した状態における,立体ギャザー4の上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。また,図6においては,サイドシート40に挟み込まれている弾性伸縮部材42a,42b,42cを,透過的に破線で表している。
【0060】
図6に示される第2の実施形態においては,複数の糸ゴム状の弾性伸縮部材42a,42b,及び42cが用いられる。ただし,糸ゴム状の弾性伸縮部材42は,1本であっても良い。そして,図6に示されるように,最も立体ギャザーの上端縁の近くに配設されている弾性伸縮部材42aが,立体ギャザー4の長手方向に沿って,立体ギャザー4の幅方向に振幅する凸状曲線部426と凹状曲線部427が連続した波状をなして,サイドシート40の間に接合されている。そして,各凸状曲線の間,及び各凹状曲線の間には,一定間隔で,空隙421が形成されている。この空隙421は,凸状曲線部426の間に弾性伸縮部材42aの上端縁側から下端縁側に向かって形成されたものと,凹状曲線部427の間に弾性伸縮部材42a下端縁側から上端縁側に向かって形成されたものが含まれる。
【0061】
一又は複数の弾性伸縮部材42a,42b,42cは,伸長状態において,立体ギャザー4を形成するサイドシート40の間に接合される。例えば,伸長状態の弾性伸縮部材42a,42b,42cに,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を塗布し,サイドシート40の間に接合することとしてもよいし,例えば,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により,伸長状態の弾性伸縮部材42a,42b,42cとサイドシート40を接合することとしてもよい。
【0062】
ここで,弾性伸縮部材42aが伸長した状態おいて,連続する弾性伸縮部材42aの凸状曲線部426の頂部間の距離と,連続する弾性伸縮部材42aの凹状曲線部427の頂部間は,適宜変更することができる。特に,各凸状曲線部426の頂部間の距離により,後述する立体ギャザー4に形成されるダーツ423(ひだ)の数や,形状,大きさが変わる。各凸状曲線部426の頂部間の距離及び各凹状曲線部427の頂部間の距離は,例えば,5mm〜20mm,又は10mm〜15mmとすればよい。
【0063】
また,弾性伸縮部材42aが伸長した状態おいて,弾性伸縮部材42aの凸状曲線部426の頂部から凹状曲線部427の頂部までの距離も,適宜変更することができる。この凸状曲線部426の頂部から凹状曲線部427の頂部までの距離によっても,後述する立体ギャザー4に形成されるダーツ423(ひだ)の数や,形状,大きさが変わる。凸状曲線部426の頂部から凹状曲線部427の頂部までの距離は,例えば,5mm〜20mm,又は10mm〜15mmとすればよい。
【0064】
また,最も立体ギャザー4の上端縁近くに配設された弾性伸縮部材42aは,凸状曲線部426の頂部が,サイドシート40の折返部41に当接するように,サイドシート40の間に接合されていることが好ましい。また,弾性伸縮部材42aの凸状曲線部426の頂部が,サイドシート40の折返部41に当接していなくとも,凸状曲線部426の頂部と折返部41の間の距離は,例えば,0.1mm〜5mm,0.2mm〜3mm,0.3mm〜1mmであれば好ましい。
【0065】
図7は,弾性伸縮部材42a,42b,42cが収縮した状態における,立体ギャザー4の上端縁付近の一部を拡大して示した概略斜視図である。図7においても,サイドシート40に挟み込まれている弾性伸縮部材42a,42b,42cを,透過的に破線で表している。
【0066】
すなわち,図7に示されるとおり,立体ギャザー4の上端縁に最も近い位置に配設された弾性伸縮部材42aが収縮すると,立体ギャザー4が起立するとともに,伸長状態において弾性伸縮部材42aに形成されていた空隙421が幅狭となる。これにより,特に,伸長状態における弾性伸縮部材42aの凸状曲線部426の間に位置していたサイドシート40の部分(空隙421に相当する部分)が,撓むようになる。そして,弾性伸縮部材42a,42b,42cに張力がかかっていない収縮状態(自然状態)になると,図7に示されるように,サイドシート40の撓み部分によって,ダーツ423(ひだ)が形成される。このダーツ423は,弾性伸縮部材42aの凸状曲線の間に形成されていた空隙423の位置に相当する位置に形成される。ダーツ423は,立体ギャザー4の厚み方向に延在するように形成される。図7においては,全てのダーツ423が図中手前方向に形成されているが,図中奥行き方向に形成されるダーツ423が存在していてもよい。
【0067】
このように,弾性伸縮部材42aが収縮すると,弾性伸縮部材42の凸状曲線部426は,立体ギャザー4に形成されたダーツ423が動き代となり,弾性伸縮部材42aの凹状曲線部427及び他の直線的な弾性伸縮部材42b,42cを基点として,高い自由度で動くことができる。このため,弾性伸縮部材42a,42b,42cの収縮時(立体ギャザー4の起立時)において,弾性伸縮部材42の凸状曲線部426は,着用者の肌の凹凸や湾曲に合せてしなやかにその形状が変化する。
【0068】
以上のとおり,本発明の課題は,本発明の第2の実施形態によっても解決することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る使い捨ておむつは,乳幼児や高齢者用の使い捨ておむつに適用することができる。従って,本発明は,育児及び介護に関する産業において好適に利用し得る。
【符号の説明】
【0070】
1 トップシート
2 バックシート
3 吸収体
4 立体ギャザー
10 使い捨ておむつ
40 サイドシート
41 折返部
42 弾性伸縮部材
43 固定線
51 前身頃
52 後身頃
53 股下部
54 サイドフラップ
55 カバーシート
421 空隙
422 切込み
423 ダーツ
424 短冊部
425 連続部
426 凸状曲線部
427 凹状曲線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート(1)と,液不透過性のバックシート(2)と,前記トップシート(1)と前記バックシート(2)の間に介在する吸収体(3)と,前記吸収体(3)の両側縁部に沿って起立する立体ギャザー(4)を含む使い捨ておむつにおいて,
前記立体ギャザー(4)は,
前記立体ギャザー(4)を形成するサイドシート(40)が,前記立体ギャザー(4)の上端縁に相当する折返部(41)において折り返されており,
前記折返部(41)において折り返された前記サイドシート(40)の間には,前記立体ギャザー(4)の長手方向に沿って,弾性伸縮部材(42)が伸長状態で配設されており,
前記弾性伸縮部材(42)は,
伸長状態において,前記弾性伸縮部材(42)の短手方向に延びる空隙(421)が,前記弾性伸縮部材(42)の長手方向に複数形成され,
収縮状態において,前記空隙(421)が,前記弾性伸縮部材(42)の伸長状態における状態と比較して幅狭となる弾性伸縮部材(42)である
使い捨ておむつ。

【請求項2】
前記弾性伸縮部材(42)は,
収縮状態において,前記弾性伸縮部材(42)の短手方向に向かって前記弾性伸縮部材(42)の上端縁から中頃まで形成された切込み(422)が,前記弾性伸縮部材(42)の長手方向に複数形成されており,
伸長状態において,前記切込み(422)が開き,前記空隙(421)を形成する弾性伸縮部材(42)である
請求項1に記載の使い捨ておむつ。

【請求項3】
前記弾性伸縮部材(42)は,前記切込み(422)が形成された上端縁が,前記サイドシート(40)の折返部(41)に接するように,前記サイドシート(40)の間に接合されている
請求項2に記載の使い捨ておむつ。

【請求項4】
前記折返部(41)において折り返された前記サイドシート(40)の間には,前記弾性伸縮部材(42)が,前記立体ギャザー(4)の長手方向に沿って,前記立体ギャザー(4)の幅方向に振幅する凸状曲線部(426)と凹状曲線部(427)が連続した波状をなして,配設されており,
前記弾性伸縮部材(42)は,
伸長状態において,前記波状をなす前記凸状曲線部(426)の間,及び前記凹状曲線部(427)の間には,前記空隙(421)が形成され,
収縮状態において,前記空隙(421)が,前記弾性伸縮部材(42)の伸長状態における状態と比較して幅狭となる弾性伸縮部材(42)である
請求項1に記載の使い捨ておむつ。

【請求項5】
前記弾性伸縮部材(42)が収縮した状態において,
前記立体ギャザー(4)の上端縁には,複数のダーツ(423)が形成される
請求項1から請求項4のいずれかに記載の使い捨ておむつ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−196298(P2012−196298A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61936(P2011−61936)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】