説明

使い捨てのパンツ型おむつおよびその製造方法

【課題】前胴回り域および後胴回り域の少なくとも一方に中央非弾性域を有する使い捨てのパンツ型おむつおよびその製造方法の提供
【解決手段】使い捨てのパンツ型おむつの前後胴回り域2,3が弾性的に伸長することのない外層シート32と、弾性的に伸長可能な内層シート33とによって形成される。その胴回り域のうちの側方弾性域22においては、内層シート33が外層シート32の内面に伸長状態で接合し、中央非弾性域21においては、内層シート33が幅方向Bへ二分されていて、側方弾性域22に隣接する部位において弾性的に収縮して弛緩した状態にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使い捨てのパンツ型おむつおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前後胴回り域のうちの少なくとも一方の胴回り域が胴回り方向への弾性的な伸長性を有する使い捨てのパンツ型おむつは周知である。また、その胴回り域のうちで、体液吸収性部材と重なり合う中央部位が伸長状態にある弾性部材を含むことがなく、体液吸収性部材の両側に位置する側方部位が伸長状態にある弾性部材を含むことによって、中央部位にはギャザーが形成されていないが、側方部位にはギャザーが形成されているおむつも周知である。
【0003】
たとえば、特開2001−145666号公報(特許文献1)に記載された吸収性物品の一例は、使い捨てのパンツ型おむつであって、胴周囲弾性部材が吸収体の存在しない部位においては、弾性伸縮性が発現されるように伸長状態で固定され、吸収体が存在する部位においては、固定されずに切断されており、実質的に弾性伸縮性が発現されずかつギャザーが形成されていない。
【0004】
また、特開2001−286504号公報(特許文献2)に記載の吸収性物品の製造方法では、胴周囲弾性部材を2枚の外層不織布で狭持する。吸収体が存在しない部位の胴周囲弾性部材は接着剤を介して固定する。吸収体が存在する部位の胴周囲弾性部材は、加熱処理および加圧処理により切断するとともに固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−145666号公報
【特許文献2】特開2001−286504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の吸収性物品における胴周囲弾性部材は、吸収体が存在する部位においては他の部材に固定されておらず、胴周囲弾性部材を挟む弾性部材固定シートと補助シートともに切断されているから、これら両シートにはすべての胴周囲弾性部材と交差する方向へ延びる大きな開口が形成されることを避けることができない。また、その開口や胴周囲弾性部材の乱れたカットエンドを隠すための隠蔽シートが必要になる。
【0007】
また、特許文献2に記載の製造方法は、幅の広い帯状の胴周囲弾性部材に対して適用することができない。
【0008】
この発明では、このような従来技術の問題を解消することが可能な使い捨てのパンツ型おむつとその製造方法との提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するためのこの発明には、使い捨てのパンツ型おむつに係る第1発明と、使い捨てのパンツ型おむつの製造方法に係る第2発明とがある。
【0010】
前記第1発明が対象とするのは、前胴回り域と後胴回り域と股下域とを有し、体液吸収性部材が前記股下域から前記前後胴回り域それぞれにまで延び、前記前後胴回り域のうちの少なくとも一方の胴回り域は、前記体液吸収性部材の両側方それぞれに胴回り方向へ弾性的に伸長可能な側方弾性域を有するとともに、前記弾性域どうしの間に弾性的にも非弾性的にも伸長することのない中央非弾性域を有する使い捨てのパンツ型おむつである。
【0011】
前記第1発明が特徴とするところは、次のとおりである。すなわち、前記少なくとも一方の胴回り域は、その胴回り方向へ弾性的に伸長することのない外層シートと、その胴回り方向へ弾性的に伸長可能であって前記外層シートの内面側に位置する内層シートとを有する。前記側方弾性域においては、前記内層シートが前記外層シートの内面に伸長状態で接合し、前記中央非弾性域においては、前記内層シートが前記胴回り方向へ二分されていて前記側方弾性域に隣接する部位において弾性的に弛緩した状態にある。
【0012】
第1発明の実施態様の一つにおいて、前記中央非弾性域が前記体液吸収性部材の外側に形成されている。
【0013】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記体液吸収性部材が前記おむつの幅を二等分する中心線の両側に側縁部を有し、前記側縁部が前記側方弾性域に接合している。
【0014】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記体液吸収性部材が不透液性防漏シートを有し、前記中央非弾性域が前記防漏シートの外側から前記体液吸収性部材に接合している。
【0015】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記中央非弾性域と前記体液吸収性部材との間には、前記おむつにおいて尿が排泄されたことを知らせるためのインジケータが介在している。
【0016】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記中央非弾性域では、図柄の形成されたシート片が前記外層シートの前記内面に接合し、前記外層シートの外側から前記図柄が視認可能である。
【0017】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記内層シートは、弾性的に伸長可能な弾性糸と、弾性的に伸長することのない非弾性糸とによって形成されている弾性的に伸長可能な弾性不織布である。
【0018】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記内層シートが熱可塑性合成繊維で形成された不織布と、前記胴回り方向へ弾性的に伸長した状態で前記不織布に接合している複数条の糸状ゴムおよび帯状ゴムのいずれかで形成されている。
【0019】
第1発明の実施態様の他の一つにおいて、前記内層シートが前記胴回り方向へ弾性的に伸長可能な熱可塑性合成樹脂のフィルムで形成されている。
【0020】
前記第2発明が対象とするのは、体液吸収性部材が前記股下域から前記前後胴回り域それぞれにまで延び、前記前後胴回り域のうちの少なくとも一方の胴回り域は、前記体液吸収性部材の両側方それぞれに胴回り方向へ弾性的に伸長可能な側方弾性域を有するとともに、前記弾性域どうしの間に弾性的にも非弾性的にも伸長することのない中央非弾性域を有する使い捨てのパンツ型おむつの製造方法である。
【0021】
前記第2発明が特徴とするところは、次のとおりである。
【0022】
a.機械方向へ弾性的に伸長可能な第1ウエブを前記機械方向へ伸長状態で連続的に供給する工程と、
b.前記第1ウエブに対して、前記機械方向へ所要の長さを有するとともに前記機械方向に対する交差方向において所要の間隔で並ぶ互いに並行な複数条の第1カットラインによって構成されたカットライン群を形成するとともに、前記カットライン群が前記機械方向において前記おむつの幅に相当するピッチで並ぶ前記カットライン群の複数を形成することによって、前記第1ウエブから第1加工ウエブを得る工程と、
c.前記機械方向において弾性的に伸長することのない第2ウエブを前記機械方向へ緊張状態で供給する工程と、
d.前記第2ウエブに対して前記第1加工ウエブを重ねるとともに、隣り合う前記カットライン群どうしの間において前記第1ウエブと前記第2ウエブとが接合状態にある接合部位と、前記カットライン群の形成された部位およびそれに隣接する部位とにおいて前記第1加工ウエブと前記第2ウエブとが非接合状態にある非接合部位とを形成して、前記第1加工ウエブと前記第2ウエブとから第2加工ウエブを得る工程と、
e.前記第2加工ウエブに含まれた前記第1加工ウエブの前記カットライン群において、前記交差方向で隣り合う前記第1カットラインそれぞれと交差する第2カットラインと、前記第1加工ウエブにおいて前記機械方向へ延びる両側縁それぞれと前記両側縁それぞれに隣接する前記第1カットラインのそれぞれとに交差する第3カットラインとを前記機械方向において互いに離間する態様で形成して、前記第1加工ウエブを前記カットライン群の形成されている部位において前記機械方向へ分断して、前記機械方向において前記部位の両側に位置する第2,第3部位を互いに反対方向へ収縮させて第3加工ウエブを得る工程と、
f.前記第3加工ウエブに前記体液吸収性部材の一部分を接合する工程とを有し、
g.前記工程fの後に、前記機械方向における前記接合部位の中央で前記第3加工ウエブを分断して、前記第3加工ウエブにおける前記接合部位の一部分からは前記側方弾性域を形成し、前記カットライン群が形成されていた部位からは前記中央非弾性域を形成する。
【0023】
第2発明の実施態様の一つにおいて、前記第1ウエブが、弾性的に伸長可能な弾性糸と、弾性的に伸長することのない非弾性糸とによって形成されている弾性的に伸長可能な不織布である。
【0024】
第2発明の実施態様の他の一つにおいて、前記第1ウエブが、熱可塑性合成繊維で形成された不織布と、前記機械方向へ弾性的に伸長した状態で前記不織布に接合している複数条の糸状ゴムおよび帯状ゴムのいずれかで形成されている。
【0025】
第2発明の実施態様の他の一つにおいて、前記第1ウエブが、前記機械方向へ弾性的に伸長可能な熱可塑性合成樹脂のフィルムで形成されている。
【発明の効果】
【0026】
この発明の第1発明では、前後胴周り域のうちの少なくとも一方の胴回り域が弾性的に伸長することのない外層シートと、弾性的に伸長可能な内層シートとによって形成されている。胴回り域のうちの側方弾性域においては、内層シートが外層シートの内面に伸長状態で接合し、胴回り域のうちの中央非弾性域においては、内層シートが胴回り方向へ二分されていて側方弾性域に隣接する部位において弾性的に弛緩した状態にあるから、その弛緩した内層シートは外層シートの外側からは見え難く、おむつの外観を悪くすることがない。
【0027】
この発明の第2発明では、弾性的に伸長させた状態の第1ウエブと弾性的に伸長することがなく緊張状態にある第2ウエブとが形成する第2加工ウエブにおいて、それに含まれる第1加工ウエブの複数条の第1カットラインと交差し、機械方向において互いに離間している第2,第3カットラインを形成して第1加工ウエブをその第1部位において分断して弾性的に収縮させるから、第2加工ウエブにおける第2ウエブは第1部位に相当する部位が胴回り域方向へ弾性的に収縮することがなく、体液吸収性部材の外側に位置させる中央非弾性域として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】使い捨てのパンツ型おむつの部分破断斜視図。
【図2】伸展おむつの部分破断平面図。
【図3】図2のIII−III線切断面を示す図。
【図4】図2のIV−IV線切断面を示す図。
【図5】図2のV−V線切断面を示す図。
【図6】図2のVI−VI線切断面を示す図。
【図7】伸展おむつの分解組立図。
【図8】(I)〜(IV)によって、前胴回り域を連続的に製造する工程を示す図。
【図9】第4加工ウエブの部分図。
【図10】実施態様の一例を示すカットライン群の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面を参照してこの発明の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0030】
図1は、おむつ1の斜視図であって、前胴回り域2と、後胴回り域3と、股下域4とを有し、前後胴回り域2,3が互いの側縁部7,8で合掌状に重なり合い、間欠的に形成された接合部9において溶着することにより容易に剥がれることがないように接合している。股下域4は、体液吸収部材であるパッド11によって形成され、そのパッド11が股下域4から前胴回り域2と後胴回り域3とにまで延びていて、股下域4の両側には脚回り開口12が形成され、前後胴回り域2,3の間には胴回り開口13が形成されている。前後胴回り域2,3における胴回り開口13の周縁部には、後記胴回り弾性部材16が収縮することによってギャザー17が形成されている。前胴回り域2は、おむつ1の幅方向Bの中央域であってパッド11に重なる中央非弾性域21と、幅方向Bにおいてパッド11の両側それぞれに位置する側方弾性域22とを有し、中央非弾性域21にはギャザーが殆ど形成されておらず、魚の図柄24aが見えている。側方弾性域22には前胴回り域2が幅方向Bにおいて収縮することによって多数のギャザー23が形成されている。図1には、おむつの前後方向と上下方向とが双頭矢印A,Cで示されている。なお、おむつ1において、幅方向Bを胴回り方向と呼ぶことがある。
【0031】
図2は、図1のおむつ1の接合部9における接合を解いて、おむつ1を平面上に伸展して得られる伸展おむつ1aの部分破断平面図である。図示例も前胴回り域2と後胴回り域3とは、外層シート32と、外層シート32の内面にホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合する内層シート33とを有し、外層シート32は端縁部32f,32rが胴回り開口13(図1参照)の周縁に沿っておむつ1の内側に折り返されて、パッド11の前後端縁部11a,11bを覆っている。折り返された外層シート32どうしの間には複数条の胴回り弾性部材16が伸長状態で介在している。外層シート32は、幅方向Bへ弾性的に伸長することのない、好ましくは弾性的にも非弾性的にも伸長することのない非伸長性のシート片によって形成されている。そのようなシート片の一例には単位面積当たりの質量が10〜40g/m、より好ましくは15〜30g/mのスパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布(SMS不織布)、エアスルー不織布がある。
【0032】
内層シート33は、幅方向Bにおいて弾性的に伸長、収縮可能なシート片によって形成されているもので、側方弾性域22においては、収縮して弛緩状態にあるそのシート片の幅方向Bにおける寸法L(図示せず)が1.5〜3.5倍となるように、より好ましくは2〜2.8倍となるようにシート片が寸法Lの50〜250%に相当する分だけ伸長された状態で、質量2〜4g/mの割合で外層シート32に塗布されたホットメルト接着剤(図示せず)を介してその外層シート32に接合している。ただし、図2における内層シート33の伸長倍率は、図2の状態にある内層シート33の寸法をLとし、図2の外層シート32から剥がして収縮させた内層シート33の寸法をLとし、これらLとLとの比、L/Lによって求められる値である。弾性的に伸長、収縮可能なシート片の一例には、弾性的に伸長、収縮可能な繊維によって形成された不織布、たとえば熱融着性のエラストマー繊維で形成されていて単位面積当たりの質量が15〜50g/m、より好ましくは25〜40g/mである弾性的に伸長、収縮可能なエアスルー不織布やスパンボンド不織布等がある。内層シート33は、おむつ着用者(図示せず)の肌に触れるものであるから、内層シート33として使用する不織布は柔軟なものであることが好ましく、その不織布を形成するエラストマー繊維やエラストマー繊維と混合または積層される繊維は、繊維どうしが機械的に交絡している加熱融着することが好ましい。そのような不織布は繊維どうしがホットメルト接着剤を介して交絡している不織布よりも一般的に柔軟で肌を刺激することが少ない。
【0033】
パッド11は、透液性シート41と防漏シート42との間に体液吸収性の芯材43を介在させた吸収体40の他に、防漏シート42の外面に接合してパッド11の外面を布様の肌触りにするための熱可塑性合成繊維で形成された不織布44とを有し、パッド11の両側縁部46には、防漏堤47が形成されている。防漏堤47は、不透液性の不織布を折り重ねることによって形成されていて、近位縁48が防漏シート42と不織布44とに接合し、遠位縁49が股下域4において着用者の肌に向かって起立可能に形成されている。防漏堤47は、折り重ねた不織布どうしの間において前後方向Aへ伸長状態で延びる弾性部材47aを有し、その弾性部材47aが収縮すると遠位縁49が起立する。
【0034】
図3は、図2のIII−III線切断面を示す図である。図3において、後胴回り域3は、外層シート32と、幅方向Bの中央域において外層シート32の内面にホットメルト接着剤50aを介して接合する図柄入りシート24と、ホットメルト接着剤50bを介して外層シート32の側方部分に接合している内装シート33とを有している。外層シート32と内層シート33とは、幅方向Bにおいて、側縁部8にまで延びていて、接合部9(図1,2参照)では前胴回り域2に対して溶着することにより剥離することがないように接合している。ただし、図3では、接合部9の図示が省略されている。なお、図3および図4〜6では外層シート32等の各部材と各ホットメルト接着剤とを明示するために、互いに接触すべき部材のいくつかが離間した状態で示されている。内層シート33は、幅方向Bへ弾性的に伸長された状態で外層シート32と図柄入りシート24とに接合して、これらシート32,24とともに前胴回り域2における側方弾性域22を形成している。後記図7において明らかなように、幅方向Bの中央域では、内層シート33が伸長した状態ではなくて弛緩した状態にあって外層シート32と図柄シート24とに接合しておらず、その中央域では外層シート32とそれに接合する図柄入りシート24とが中央非弾性域21を形成している。なお、図柄入りシート24は、弾性的に伸長、収縮することのないものであって、図柄入りシート24に熱可塑性合成繊維で形成された不織布、プラスチックフィルム、紙等が使用されている。
【0035】
図3における後胴回り域3の内面側では、吸収体40に対して防漏シート42がホットメルト接着剤50cを介して接合している。また、パッド11における防漏堤47は、その近位縁48が防漏シート42の外面にホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合している。そのパッド11が後胴回り域3に対して接合する態様は、次のとおりである。パッド11では、その両側縁部46において吸収体40と、防漏シート42と、防漏堤47の近位縁48とがホットメルト接着剤(図示せず)を介して一体となるように接合している。その両側縁部46は、後胴回り域3における側方弾性域22を形成している部分の内層シート33に対して幅方向Bの寸法が5〜30mm程度となる範囲において重なり、ホットメルト接着剤50cを介して接合している。それゆえ、着用したおむつ1において、側方弾性域22に対して幅方向Bへ、または胴回り方向へ弾性的に伸長させる力が作用すると、その力がパッド11にも作用して、パッド11を着用者の肌に接近、または密着させることができる。なお、図示してはいないが、前胴回り域2において内層シート33を横断して幅方向Bへ延びている切断面は、図3に例示の構造と同じ構造を有している。すなわち、前胴回り域2にも側方弾性域32と中央非弾性域21とが形成されていて、パッド11の側縁部46が側方弾性域22における内層シート33に対して接合されている。それゆえ、前胴回り域2においてもまた、側方弾性域22を伸長させるときの力をパッド11に作用させることができる。
【0036】
図3において、内層シート33と接合している図柄入りシート24が不織布ではなくてプラスチックフィルムで形成されているときには、ホットメルト接着剤50bの使用量が少なくても内層シート33と図柄入りシート24とを容易に剥離することがないように接合しておくことができる場合がある。その場合の側方弾性域22における内層シート33は接合部9における外層シート32と図柄入りシート24のプラスチックフィルムとに対して強固に接合しているので、側方弾性域22においてホットメルト接着剤50bの使用量を少なくして、そのホットメルト接着剤50bが内層シート33を通り抜けて着用者の肌に接触するという問題の発生を防ぐことができる。
【0037】
図4は、図2におけるIV−IV線切断面を示す図である。伸展おむつ1aの股下域4は、パッド11と、パッド11の防漏シート42にホットメルト接着剤50dを介して接合する第2外層シート44とによって形成されている。
【0038】
図5は、図2におけるV−V線切断面を示す図であって、V−V線は図1の前後胴回り域2,3における側方弾性域22を縦断している。側方弾性域22における内装シート33は、ホットメルト接着剤50bを介して外層シート32と図柄入りシート24とに接合している。外層シート32と図柄入りシート24とは、内装シート33の縁部33aから延出している。
【0039】
図6は、図2におけるVI−VI線切断面を示す図であって、V−V線は図1の前後胴回り域2,3における中央非弾性域21を縦断している。前後胴回り域2,3のそれぞれにおいて、外層シート32の内面には、図柄入りシート24がホットメルト接着剤50aを介して接合するとともに、弾性部材16もホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合している。図柄入りシート24は、股下域4寄りの端縁部24bがホットメルト接着剤50eを介して第2外層シート44に接合しており、好ましいおむつ1では図5における端縁部24bも第2外層シート44に接合している。図柄入りシート24と第2外層シート44とのこのような接合は、おむつ1を着用したときなどにおいて、前胴回り域2とパッド11との間や後胴回り域3とパッド11の間に着用者等の指先が入ることを防いでいる。なお、図柄入りシート24が使用されていないおむつ1や外層シート32が図柄入りシート24から股下域4に向かって延出しているおむつ1では、外層シート32と第2外層シート44とを接合することができる。ただし、この発明におけるおむつ1は、第2外層シート44と図柄入りシート24とが接合していない態様や第2外層シート44と外層シート32とが接合していない態様のものであってもよい。胴回り開口13の縁部で折り返されている外層シート32の端縁部33f,33rはそれと向かい合う外層シート32に対してホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合している。
【0040】
図7は、伸展おむつ1aについての分解斜視図である。前胴回り域2における外層シート32には、複数条の弾性部材16と内装シート33とが取り付けられていて、図では斜めに起立した状態で示されている端縁部32fを有する。端縁部32fは伸展おむつ1aの内面側に向かうように矢印Eで示される方向へ折曲される。内装シート33は、外層シート32における幅方向Bの両側にあって、幅方向Bへ弾性的に伸長された状態にある緊張部位33aと、幅方向Bへの弾性的な伸長から解放された状態(図8参照)にある弛緩部位33bとに分けられている。緊張部位33aは、ホットメルト接着剤50b(図3参照)を介して外層シート32に接合して側方弾性域22を形成している。弛緩部位33bは、側方弾性域23に隣接する部位であるが外層シート32には接合しておらず、ひだを形成している。前胴回り域2において、幅方向Bで対向する弛緩部位33bと弛緩部位33bとの間の部位とこれら両弛緩部位33bとを含む部位は中央非弾性域21であって、その中央非弾性域21における外層シート32の内面には図柄入りシート24(図3参照)が接合している。
【0041】
外層シート32に対して内装シート33をかように配置する方法の詳細は、後記図8,9のとおりであるが、それを図7を参照しながら略述すると次のとおりである。すなわち、内装シート33は、その原反となる弾性的に伸長可能な第1ウエブ201(図8参照)を幅方向Bへたとえば150〜350%伸長した状態で、幅方向Bへ緊張させてある外層シート32のうちの側方弾性域22とすべき部位にホットメルト接着剤50bを使用して接合し、かつ中央非弾性域21とすべき部位には接合することなく重ねる。図7における仮想線56,57は、その第1ウエブ201の両縁部を示している。しかる後に、中央非弾性域21とすべき部位にある第1ウエブ201を切断して第1ウエブ201を幅方向Bにおいて二分する。二分された第1ウエブ201は、中央非弾性域21に存在していた部分が互いに反対方向へ収縮して、内装シート33における弛緩部位33bを形成する。側方弾性域22に存在していた第1ウエブ201は、内装シート33における緊張部位33aを形成する。
【0042】
図7の後胴回り域3における外層シート32は、股下域4の一部分をも形成しているもので、複数条の弾性部材16と、内装シート33とが取り付けられていて、図では斜めに起立している端縁部32rを有する。端縁部32rは、伸展おむつ1aの内面側に向かうように矢印Fで示される方向へ折曲される。内装シート33は、外層シート32の両側にあって、緊張部位33aと、弛緩部位33bとに分けられている。緊張部位33aは、ホットメルト接着剤50bを介して外層シート32に接合して側方弾性域22を形成している。弛緩部位33bは、側方弾性域22に隣接しているが外層シート32には接合しておらず、ひだを形成している。後胴回り域3において幅方向Bで対向する弛緩部位33bと弛緩部位33bとの間の部位と、これら両弛緩部位33bとを含む部位は中央非弾性域21であって、その中央非弾性域21における外層シート32の内面には図柄入りシート24が接合している。後胴回り域3における内装シート33のこのような配置は、前胴回り域2における内装シート33の場合と同様にして得ることができる。
【0043】
図7に仮想線58で示されているのは、パッド11の平面形状である。前胴回り域2と後胴回り域3との内面に載せたパッド11は、前後方向Aへ延びる部分の仮想線58の内側で側方弾性域22のそれぞれにホットメルト接着剤50c(図3参照)を介して接合される。中央非弾性域21に対しても、ホットメルト接着剤50cを介して接合される。
【0044】
図2〜7に示された伸展おむつ1aは、パッド11が内側となるように、前後方向Aの寸法を二等分する中心線Q(図1参照)に沿って折り重ねられ、前後胴回り域2,3の側縁部7,8を接合部9(図1参照)で接合することにより、図1のおむつ1となる。
【0045】
図8は、図7における前胴回り域2を例にとって、その前胴回り域2に中央非弾性域21と側方弾性域22とを形成する一連の工程を示す図である。
【0046】
工程Iでは、内層シート33を得るための第1ウエブ201を機械方向MDへ連続的に供給する。第1ウエブ201は、内層シート33と同じ弾性的な伸長性を有するもので、工程Iでは、その第1ウエブ201を機械方向MDにおいて1.5〜3.5倍の寸法となるように伸長した状態で供給する。工程Iではまた、伸長状態にある第1ウエブ201に対して、カットライン群300を一定のピッチMで形成して第1加工ウエブ211を得る。カットライン群300では、機械方向MDへ直状に延びる複数条の第1カットライン301が機械方向MDに対する交差方向CDに所要の間隔をあけて並んでいる。ピッチMは、おむつ1の幅に等しい寸法を有している。第1加工ウエブ211では、機械方向MDにおける伸長倍率や第1カットライン301の長さの如何によって、隣り合う第1カットライン301と301との間に位置する部分の交差方向CDにおける寸法が小さくなるように変化する、いわゆる幅入りの現象が顕著になる場合がある。その場合には、機械方向MDへ直状に延びていた第1カットライン301が長円形の開孔301a(図10参照)を形成するように変化することがある。
【0047】
工程IIでは、外層シート32を製造するための第2ウエブ202を機械方向MDへ緊張させながら連続的に供給する。第2ウエブ202は、外層シート32と同じように弾性的に伸長することがない。また、工程IIでは、第2ウエブ202に対してホットメルト接着剤50b(図3参照)の塗布域306を一定のピッチMで形成して、第2加工ウエブ212を得る。ホットメルト接着剤50bは、後記工程IIIにおいて第2ウエブ202に接合される第1ウエブ201の弾性的な伸長、収縮を妨げることがないように、間欠的に塗布されていることが好ましい。しかし、そのための塗工機の種類には格別の規定がない。塗布域306の機械方向MDにおける寸法は、図7の伸展おむつ1aにおける側方弾性域22の幅方向Bの寸法の約2倍である。
【0048】
工程IIIでは、第1加工ウエブ211を第2加工ウエブ212に重ねてホットメルト接着剤50bによって両ウエブ211と212とを接合して第3加工ウエブ213を得る。そのときに、両ウエブ211と212とは、カットライン群300が隣り合う塗布域306と306との間の中央に来るように位置合わせしておく。
【0049】
工程IVでは、第3加工ウエブ213における第1加工ウエブ211のカットライン群300のそれぞれに対して、第2カットライン302と、第3カットライン303とを形成する。第2カットライン302は、交差方向CDにおいて隣り合う第1カットライン301のそれぞれと交差するように形成するものである。第3カットライン303には、第1加工ウエブ211の側縁211aと、その側縁211aに隣接する第1カットライン301とに交差するように形成する場合と、第1加工ウエブ211の側縁211bと、その側縁211bに隣接する第1カットライン301とに交差するように形成する場合とがある。これら第2,第3カットライン302,303は、機械方向MDにおいて互いに離間するように形成する。このように第2,第3カットライン302,303を形成すると、第1加工ウエブ211では、図の上下に位置する第3カットライン303どうしが第1カットライン301と第2カットライン302を介してつながり、第1加工ウエブ211を機械方向MDにおいて分断することができる。分断後の第1加工ウエブ211は、カットライン群300の両側それぞれに位置していた部位313,314が互いに反対方向へ弾性的に収縮して、第1,第2加工ウエブ211,212が接合している塗布域306の手前で停止する。
【0050】
図9は、図8の工程IVにおいて第1加工ウエブ211の部位313,314が収縮することによって得られる第4加工ウエブ214の部分図である。図9にはまた、第4加工ウエブ214に対して取り付けられるパッド11の平面形状が仮想線で示されている。また、第4加工ウエブ214における塗布域306を機械方向MDにおいて二等分する線が中心線Sで示されている。かような第4加工ウエブ224では、機械方向MDにおいて、塗布域306が図7における側方弾性域22の幅の約2倍の寸法を有し、塗布域306と306との間の部位が図7における中央非弾性域21の幅と同じ寸法を有している。それゆえ、第4加工ウエブ214に対して、パッド11を仮想線の如くに置いて、塗布域306における第1加工ウエブ211に対してホットメルト接着剤50c(図3参照)を使用して接合した後、第4加工ウエブ214を塗布域306における中心線Sにおいて切断すると、図7における前胴回り域2にパッド11が接合している複合体を得ることができる。その複合体においては、二等分された塗布域306を含む部位が図7における側方弾性域22を形成し、塗布域306と306との間の部位が中央非弾性域21を形成し、弾性的に収縮した部位313,314のそれぞれが図7における弛緩部位33bとなる。ちなみに、部位313と314とは、それらを中央非弾性域21の中央に向かって伸長すると、カットライン群300が存在していた部位で互いに接触する。
【0051】
図7における後胴回り域3における中央非弾性域21と側方弾性域22もまた、前胴回り域2における場合と同様の工程によって得ることができる。
【0052】
前胴回り域2や後胴回り域3に中央非弾性域21と側方弾性域22を形成するために図8に例示の工程を採用すると、側方弾性域22においてのみ使用する弾性的な内層シート33を、外層シート32の連続体である第2加工ウエブ212に載せて搬送することができるので、おむつ1における内装シート33の搬送が容易になり、おむつ1の生産速度を向上させることができる。
【0053】
第1加工ウエブ211を第1〜第3カットライン301〜303によって分断するときには、第1加工ウエブ211に重なる第2加工ウエブ212に対しても第2,第3カットライン302,303を形成することもあるが、互いに離間している第2,第3カットライン302,303によっては第1加工ウエブ211を分断したり、第2加工ウエブ212に大きな開口を形成したりすることがないので、おむつ1における外層シート33の外観や、外層シート33に接合している図柄入りシート24の図柄24aに著しい損傷を与えることがない。なお、外層シート32に形成された第2,第3カットライン302,303の存在が目立つことを避けるために、第2,第3カットライン302,303は、中央非弾性域21の幅方向Bの中心から、すなわちおむつ1の幅方向Bの中心から幅方向Bへ偏倚した部位に形成されることが好ましい。
【0054】
図10は、図8の工程IVにおける第3加工ウエブ213の一例を示すための第3加工ウエブ213の部分拡大図である。図10における第1カットライン301は、面積の大きい開孔301aを形成している。このような第3加工ウエブ213では、第1カットライン301が単なる直状のものである場合の第3加工ウエブ213と比べて、第1スリット301と301との間の部分である開孔301aと開孔301aとの間の部分301bの幅が狭くなるように変化しているので、第2、第3、第4カットライン312,313,314の長さを短くすることができるようになるとともに、交差方向CDへ大きく離間させることができるようになる。その場合の第3加工ウエブ213および図8の第4加工ウエブ214では、第2、第3、第4カットライン302,303,304によって生じる第2加工ウエブ212の損傷を軽微にすることができる。
【0055】
図示例のおむつ1においては、弾性部材の使用によってパッド11そのものにギャザーが生じるということがなく、また前後胴回り域2,3の中央非弾性域21にギャザーの生じることも確実に防ぐことができるから、おむつ1は図柄24aの視認性がよいものになる。おむつ1において尿が排泄されたことを知らせるためのインジケータをパッド11における防漏シート42の内側に取り付けた場合においても、そのインジケータの視認性は良好である。ただし、この発明に係るおむつ1は、図柄入りシート24やインジケータを使用することのないものでもよく、また、中央非弾性域21と側方弾性域22とが前胴回り域2と後胴回り域3とのいずれか一方にのみ形成されているものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 おむつ
2 前胴回り域
3 後胴回り域
4 股下域
11 体液吸収性部材(パッド)
21 中央非弾性域
22 側方弾性域
24a 図柄
32 外層シート
33 内層シート
42 防漏シート
46 側縁部
201 第1ウエブ
202 第2ウエブ
211 第1加工ウエブ
211a 側縁
211b 側縁
212 第2加工ウエブ
213 第3加工ウエブ
300 カットライン群
301 第1カットライン
302 第2カットライン
303 第3カットライン
306 接合部位(塗布域)
313 第2部位
314 第3部位
B 胴回り方向(幅方向)
MD 機械方向
CD 交差方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前胴回り域と後胴回り域と股下域とを有し、体液吸収性部材が前記股下域から前記前後胴回り域それぞれにまで延び、前記前後胴回り域のうちの少なくとも一方の胴回り域は、前記体液吸収性部材の両側方それぞれに胴回り方向へ弾性的に伸長可能な側方弾性域を有するとともに、前記側方弾性域どうしの間に弾性的に伸長することのない中央非弾性域を有する使い捨てのパンツ型おむつであって、
前記少なくとも一方の胴回り域は、その胴回り方向へ弾性的に伸長することのない外層シートとその胴回り方向へ弾性的に伸長可能であって前記外層シートの内面側に位置する内層シートとを有し、前記側方弾性域においては前記内層シートが前記外層シートの内面に伸長状態で接合し、前記中央非弾性域においては、前記内層シートが前記胴回り方向へ二分されていて前記側方弾性域に隣接する部位において弾性的に弛緩した状態にあることを特徴とする前記おむつ。
【請求項2】
前記中央非弾性域が前記体液吸収性部材の外側に形成されている請求項1記載のおむつ。
【請求項3】
前記体液吸収性部材が前記おむつの幅を二等分する中心線の両側に側縁部を有し、前記側縁部が前記側方弾性域に接合している請求項1または2記載のおむつ。
【請求項4】
前記体液吸収性部材が不透液性防漏シートを有し、前記中央非弾性域が前記防漏シートの外側から前記体液吸収性部材に接合している請求項1〜3のいずれかに記載のおむつ。
【請求項5】
前記中央非弾性域と前記体液吸収性部材との間には、前記おむつにおいて尿が排泄されたことを知らせるためのインジケータが介在している請求項1〜4のいずれかに記載のおむつ。
【請求項6】
前記中央非弾性域では、図柄の形成されたシート片が前記外層シートの前記内面に接合し、前記外層シートの外側から前記図柄が視認可能である請求項1〜5のいずれかに記載のおむつ。
【請求項7】
前記内層シートは、弾性的に伸長可能な弾性糸と弾性的に伸長することのない非弾性糸とによって形成されている弾性的に伸長可能な弾性不織布である請求項1〜6のいずれかに記載のおむつ。
【請求項8】
前記内層シートが、熱可塑性合成繊維で形成された不織布と、前記胴回り方向へ弾性的に伸長した状態で前記不織布に接合している複数条の糸状ゴムおよび帯状ゴムのいずれかで形成されている請求項1〜6のいずれかに記載のおむつ。
【請求項9】
前記内層シートが、前記胴回り方向へ弾性的に伸長可能な熱可塑性合成樹脂のフィルムで形成されている請求項1〜6のいずれかに記載のおむつ。
【請求項10】
前胴回り域と後胴回り域と股下域とを有し、体液吸収性部材が前記股下域から前記前後胴回り域それぞれにまで延び、前記前後胴回り域のうちの少なくとも一方の胴回り域は、前記体液吸収性部材の両側方それぞれに胴回り方向へ弾性的に伸長可能な側方弾性域を有するとともに、前記側方弾性域どうしの間に弾性的に伸長することのない中央非弾性域を有する使い捨てのパンツ型おむつの製造方法であって、
a.機械方向へ弾性的に伸長可能な第1ウエブを前記機械方向へ伸長状態で連続的に供給する工程と、
b.前記第1ウエブに対して、前記機械方向へ所要の長さを有するとともに前記機械方向に対する交差方向において所要の間隔で並ぶ互いに並行な複数条の第1カットラインによって構成されたカットライン群を形成するとともに、前記カットライン群が前記機械方向において前記おむつの幅に相当するピッチで並ぶ前記カットライン群の複数を形成することによって、前記第1ウエブから第1加工ウエブを得る工程と、
c.前記機械方向において弾性的に伸長することのない第2ウエブを前記機械方向へ緊張状態で供給する工程と、
d.前記第2ウエブに対して前記第1加工ウエブを重ねるとともに、隣り合う前記カットライン群どうしの間において前記第1ウエブと前記第2ウエブとが接合状態にある接合部位と、前記カットライン群の形成された部位およびそれに隣接する部位とにおいて前記第1加工ウエブと前記第2ウエブとが非接合状態にある非接合部位とを形成して、前記第1加工ウエブと前記第2ウエブとから第2加工ウエブを得る工程と、
e.前記第2加工ウエブに含まれた前記第1加工ウエブの前記カットライン群において、前記交差方向で隣り合う前記第1カットラインそれぞれと交差する第2カットラインと、前記第1加工ウエブにおいて前記機械方向へ延びる両側縁それぞれと前記両側縁それぞれに隣接する前記第1カットラインのそれぞれとに交差する第3カットラインとを前記機械方向において互いに離間する態様で形成して、前記第1加工ウエブを前記カットライン群の形成されている部位において前記機械方向へ分断して、前記機械方向において前記部位の両側に位置する第2,第3部位を互いに反対方向へ収縮させて第3加工ウエブを得る工程と、
f.前記第3加工ウエブに前記体液吸収性部材の一部分を接合する工程とを有し、
g.前記工程fの後に、前記機械方向における前記接合部位の中央で前記第3加工ウエブを分断して、前記第3加工ウエブにおける前記接合部位の一部分からは前記側方弾性域を形成し、前記カットライン群が形成されていた部位からは前記中央非弾性域を形成する
ことを特徴とする前記製造方法。
【請求項11】
前記第1ウエブが、弾性的に伸長可能な弾性糸と、弾性的に伸長することのない非弾性糸とによって形成されている弾性的に伸長可能な不織布である請求項10記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1ウエブが熱可塑性合成繊維で形成された不織布と、前記機械方向へ弾性的に伸長した状態で前記不織布に接合している複数条の糸状ゴムおよび帯状ゴムのいずれかで形成されている請求項10記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1ウエブが前記機械方向へ弾性的に伸長可能な熱可塑性合成樹脂のフィルムで形成されている請求項10記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−157661(P2012−157661A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21250(P2011−21250)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】