説明

使い捨てオムツ

【課題】 使い捨てオムツに出された排泄物が着用者の肌を汚すことを防ぐ。
【解決手段】 中央に開口部を持つ肌当て上面シートとその下にある上面シートの間に、スリットを持つカーテンシートを設け、水溶性フィルムのテープをスリットに貫通させて、テープの一端を肌当て上面シートに、他端を上面シートに取り付け、上面シートの下の吸液性のコアと外面シートにより構成される。外面シートに設けたバネに引っ張られた上面シートにより、テープが引っ張られて張り、カーテンシートのスリットが拡がる。排泄物がスリットを通って、バネにより拡大されたオムツ内部の空間に導かれる。そして、テープが排泄物の水分で溶けて、カーテンシートのスリットが閉じ、着用者の肌との接触をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物を吸収保持するための使い捨てオムツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実開昭49−120439号公報は、肌当て上面シートの中央部にその長さ方向へ長い開口部を形成し、その開口部の周縁に沿って長さ方向へ伸縮する弾性部材を環状に取り付けたオムツカバーを開示している。又、特開昭61−41304号公報は、肌当て上面シートの中央部にその長さ方向へ長い開口部を形成し、その開口部の両側縁に沿って弾性部材を取り付けた使い捨てオムツを開示している。こうしたオムツカバー及びオムツは、開口部から肌当て上面シートとその下面に位置するもう一つの上面シートとの間に形成される空間へ排泄物を流入させて保持しようとしている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実開昭49−120439号 公報
【特許文献2】 特開昭61−41304号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記開口部に確実に排泄物を流入させるには、前記開口部の面積を大きく形成すればよいが、そうすると、前記開口部を有する肌当て上面シートの下面に位置するもう一つの上面シートが露出する面積が大きくなり、前記肌当て上面シートを設けた効果が半減する、また、前記肌当て上面シートとその下面に位置するもう一つの上面シートとの間に形成される空間へ排泄物を流入させて保持しようとするが、空間の容積も小さく排泄物が人体に触れる。
【0005】
本発明は排泄物が人体に触れるのを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明ではバネを肌当て上面シート、上面シート、吸液性のコア、外面シートのいずれかに設けたものである。
【0007】
また、第2の解決手段は肌当て上面シートと上面シートとを結ぶ、又は、肌当て上面シートと外面シートとを結ぶようにカーテンシートを設けたものである。
【0008】
また、第3の解決手段は肌当て上面シートと上面シートの間にカーテンシートを設け、カーテンシートの中央にはスリットを切ってあり、水溶性紙、又は、水溶性フィルムからなるテープをカーテンシートのスリットを貫通させ、テープの一端を肌当て上面シートに、他端を前記上面シート、外面シートのいずれかに取り付けたものである。
【0009】
また、第4の解決手段は、上面シートを水溶性紙、又は、水溶性フィルムとし、そして、吸液性のコアの材質を水溶性の紙、おから、及び、コーンスターチ等を使った粒状物としたものである。
【0010】
上記第1の課題解決手段による作用は次のとうりである。すなわち、肌当て上面シートと上面シートと吸液性のコアと外面シートのいずれかに設けたバネが肌当て上面シートとその下面に位置するもう一つの上面シートとの間に形成される空間を拡大する。そして、排泄物を流入させて保持する。
【0011】
上記第2の課題解決手段による作用は、上面シートと外面シートとを結ぶように設けたカーテンシートの間はバネに引っ張られ広がり、反対に、外面シートが圧迫されるとバネの引っ張りがなくなり、カーテンシートがたわみ、カーテンシートの間がせばまる。
【0012】
上記第3の課題解決手段による作用は上記第2と同様であるが、肌当て上面シートと上面シートとの間にカーテンシートを設け、水溶性紙、又は、水溶性フィルムからなるテープをカーテンシートのスリットに貫通させ、テープの一端を肌当て上面シートに、他端を上面シートと吸液性のコアと外面シートのいずれかに取り付ける。バネが外面シートを張らせることで、テープを引っ張り、張ったテープがカーテンシートのスリットを拡張させる、反対に、外面シートが圧迫されるとバネが戻されテープがたるみ、カーテンシートのスリットが狭まる。また、排泄物の水分が水溶性のテープを溶かし、カーテンシートのスリットが閉じる。
【0013】
上記第4の課題解決手段による作用は、排泄物が上面シートを溶かし、排泄物が吸液性のコアの粒状物に接触し、包み込まれ固まる。
【発明の効果】
【0014】
上述したように本発明の使い捨てオムツは、排泄物が人体に触れるのを防止でき、排泄物を容易に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】第2の実施形態の断面図である。
【図4】第3の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を発明の実施形態に基づいて詳細に説明する
【0017】
実施例について図面を参照して説明すると、図1〜図2のように上面シート3と、外面シート5と、上面シート3及び外面シート5の間に位置する吸液性のコア4と、上面シート3の上面に位置する肌当て上面シート2とから構成し、肌当て上面シートの中央部にその長さ方向へ長い開口部を形成し、開口部の両側縁に沿って弾性部材10を取り付け、前後端でギャザー8につなげる、そしてバネ1を外面シート5に設けたものである。なを、11はファスニングテープである。
【0016】
開口部の両側縁の弾性部材10がおしりを開き排泄物がオムツに流入し易くする、そして、人間が寝ている状態では、バネ1が伸びようとして、外面シート5を引っ張るため、吸液性のコア4と上面シート3も引っ張られ、肌当て上面シート2とその下面に位置するもう一つの上面シート3との空間を拡大し、排泄物を流入させて保持する。
【0017】
更に、上面シート3を水溶性紙、又は、水溶性フィルムとし、吸液性のコア4の材質を、水溶性の紙、おから、及び、コーンスターチ等を使った粒状物とすることにより、流入した排泄物の水分が上面シート3を溶かし、排泄物が吸液性のコア4の粒状物に包み込まれ固まる。そして、オムツを処理する際に、外面シート5のバネ1を引きはがして外面シート5の破れから、排泄物を包み込み固まった吸液性のコア4の粒状物をトイレに流す。
【0018】
他の実施例としては図3のように、肌当て上面シート2と外面シート5とを結ぶようにカーテンシート6を設ける。カーテンシート6はバネ1に引っ張られ開いており、排泄物を流入させる、反対に、バネ1を含む外面シート5が圧迫されると、カーテンシート6の張りがなくなり、たるんで排泄物にかぶさり、更に左右カーテンシート6のすき間がせばまる。
【0019】
他の実施例としては図4のように、肌当て上面シート2と上面シート3との間に、スリットを切ったカーテンシート6を設け、スリットを貫通させて、水溶性紙、又は水溶性フィルムからなるテープ7の一端を肌当て上面シートに、他端を上面シートに取り付ける。バネ1に引っ張られた上面シートにより、テープ7が引っ張られて張り、カーテンシート6のスリットが拡がる。そして、排泄物が入り込むと、排泄物の水分がテープ7を溶かし、スリットが閉じ、カーテンシート6が排泄物をおおう。
【符号の説明】
【0020】
1 バネ
2 肌当て上面シート
3 上面シート
4 コア
5 外面シート
6 カーテンシート
7 テープ
8 ギャザー
9 ファスニングテープ
10 弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性の上面シートと、外面シートと、前記上面シート及び前記外面シートの間に位置する吸液性のコアと、前記上面シートの上面に位置する肌当て上面シートとから構成し、前記肌当て上面シートの中央部にその長さ方向へ長い開口部を形成し、そして、バネを前記肌当て上面シート、前記上面シート、前記吸液性のコア、前記外面シートのいずれかに設けてある使い捨てオムツ。
【請求項2】
前記肌当て上面シートと前記上面シート、又は、前記肌当て上面シートと前記外面シートとを結ぶようにカーテンシートを設けた請求項1の使い捨てオムツ。
【請求項3】
前記上面シートと前記肌当て上面シートの間にカーテンシートを設け、前記カーテンシートの中央にスリットを設け、そして、水溶性紙、又は水溶性フィルムからなるテープを前記カーテンシートの前記スリットに貫通させ前記テープの一端を前記肌当て上面シートに、他端を前記上面シート、前記外面シートのいずれかに取り付けた請求項1の使い捨てオムツ。
【請求項4】
前記上面シートを水溶性紙、又は水溶性フィルム等とし、吸液性のコアの材質を水溶性の紙、おから、及び、コーンスターチ等を使った粒状物とした請求項1〜3の使い捨てオムツ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−269106(P2010−269106A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140581(P2009−140581)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000198503)
【Fターム(参考)】