使い捨て吸収性物品
【課題】吸収性パッドの装着位置を容易に確認できる使い捨て吸収性物品を提供する。
【解決手段】互いに大きさが異なる複数種類の吸収性パッドの端縁部に対応して、表面シート7側から目視可能な一対の色目印部36a,36a、色目印部36b,36b、および、色目印部36c,36cを、それぞれ異なる色で配設する。対応する吸収性パッドの種類を色によって容易に識別できるとともに、大きさが異なる吸収性パッドの角部を、対応する一対の色目印部36a〜36cに合わせるだけで、吸収性パッドを、容易に装着位置に位置合わせできる。
【解決手段】互いに大きさが異なる複数種類の吸収性パッドの端縁部に対応して、表面シート7側から目視可能な一対の色目印部36a,36a、色目印部36b,36b、および、色目印部36c,36cを、それぞれ異なる色で配設する。対応する吸収性パッドの種類を色によって容易に識別できるとともに、大きさが異なる吸収性パッドの角部を、対応する一対の色目印部36a〜36cに合わせるだけで、吸収性パッドを、容易に装着位置に位置合わせできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用、大人用あるいは失禁用の使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の使い捨て吸収性物品としては、表面シートと、裏面シートと、これら表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体とを有し、背側部、脚周り部および腹側部が長手方向に順次一体的に形成された吸収性物品本体を備え、背側部の両側部に配設された係止部を、腹側部に止着することで着用されるテープ止めのタイプ、あるいは、背側部と腹側部とのそれぞれの両側部が接合されて胴開口部と一対の脚周り開口部とを形成するパンツタイプなどの、いわゆるアウタと呼ばれるものがある。
【0003】
そして、最近では、吸収性物品本体の装着時に装着者の股下周りに位置する部分に、吸収性物品本体よりも小さい四角形状の、いわゆるインナと呼ばれる吸収性パッドを着脱自在に装着し、この吸収性パッドの効果により吸収性物品本体を経済的に使用できるようにしている。
【0004】
このような使い捨て吸収性物品では、より快適で経済的に使用するために、日中は小さめ、夜間は大きめの吸収性パッドを使用することがある。そして、このように大きさが異なる吸収性パッドでは、誤使用を防止するために、異なる色のパッド裏面シートを用いて、それぞれを区別可能としている。
【0005】
吸収性パッドの装着においては、その位置を示す目印として、吸収性物品本体と吸収性パッドとのそれぞれに長手方向、あるいは幅方向に沿って目印を設けたり、吸収性パッドと同じ大きさの枠線を吸収性物品本体に設けたりするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3667267号公報(第4−7頁、図1−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の使い捨て吸収性物品では、吸収性物品本体と吸収性パッドとのそれぞれに目印を設けることで、コスト高となってしまう場合や見栄えが悪くなってしまう場合がある。
【0007】
また、製造時にも、吸収性物品本体と吸収性パッドとを製造する両方の製造機に目印を設けるための設備が必要となり、設備費用が高くなってしまう問題がある。
【0008】
さらに、吸収性物品本体に吸収性パッドと同じ大きさの枠線を設ける場合には、1種類の大きさの吸収性パッドにしか対応できず、大きさが異なる吸収性パッドを用いる場合に対応できないという問題がある。
【0009】
そして、吸収性物品本体と吸収性パッドとの目印に対して位置がずれた場合の許容範囲が分からないので、吸収性パッドの位置を正確に目印に合わせなければならず、位置合わせ作業に手間が掛かる問題もある。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、吸収性パッドの装着位置を容易に確認できる使い捨て吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の使い捨て吸収性物品は、表面シートと、裏面シートと、これら表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体とを有し、長手方向に沿って背側部、脚周り部および腹側部が順次一体的に形成され、かつ、吸収性パッドを挿入して使用可能な使い捨て吸収性物品であって、前記背側部と前記腹側部との少なくともいずれか一方に、幅方向の中心線に対称な位置にて、前記表面シート側から目視可能な一対の色目印部が配設され、前記一対の色目印部は、互いに大きさが異なる複数種類の前記吸収性パッドの端縁部に対応してそれぞれ異なる色で複数配設されているものである。
【0012】
請求項2記載の使い捨て吸収性物品は、請求項1記載の使い捨て吸収性物品において、吸収性パッドは、パッド表面シートと、パッド裏面シートと、これらパッド表面シートとパッド裏面シートとの間に配設されたパッド吸収体とを備え、前記パッド裏面シートは、前記吸収性パッドの大きさに応じて複数の異なる色に着色され、色目印部は、前記パッド裏面シートの色と対応する同系色に着色されているものである。
【0013】
請求項3記載の使い捨て吸収性物品は、請求項1または2記載の使い捨て吸収性物品において、色目印部は、吸収性パッドの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、表面シート側から目視可能な一対の色目印部を、互いに大きさが異なる複数種類の吸収性パッドの端縁部に対応してそれぞれ異なる色で複数配設することで、対応する吸収性パッドの種類を色によって容易に識別できるとともに、大きさが異なる吸収性パッドの角部を、対応する一対の色目印部に合わせるだけで容易に装着位置に位置合わせできる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、パッド裏面シートと同系色の色目印部に吸収性パッドの端縁部を合わせるだけで吸収性パッドを容易に装着できるので、位置合わせが容易になるとともに、異なる吸収性パッドを誤って装着することを防止できる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、色目印部を、吸収性パッドの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成することで、吸収性パッドの端縁部を色目印部の面積内に収まるように装着すると、容易に吸収性パッドの位置ずれを防止でき、かつ、この位置ずれによる漏れをも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施の形態の使い捨て吸収性物品の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0018】
図1は、使い捨て吸収性物品を示し、この使い捨て吸収性物品は、いわゆるインナである略長方形状の吸収性パッド1a,1b,1c(図2)を着脱自在に装着して使用される、いわゆるアウタである吸収性物品本体2を備えている。
【0019】
図2(a)ないし図2(c)に示すように、吸収性パッド1a〜1cは、例えば幅寸法が互いに異なり長手寸法が互いに等しい長方形状に形成されており、それぞれ長手方向および幅方向を有する透液性のパッド表面シート3a,3b,3cと、これらパッド表面シート3a,3b,3cと略等しい長方形状に形成され透液性のパッド裏面シート4a,4b,4cと、これらシート3a,4a間、シート3b,4b間、および、シート3c,4c間に封着されるパッド吸収体5a,5b,5cとで構成されている。このため、パッド吸収体5a,5b,5cの周囲には、シート3a,4a、シート3b,4b、および、シート3c,4cによりパッドフラップ部6a,6b,6cが形成されている。
【0020】
そして、パッド裏面シート4a,4b,4cは、互いに異なる色、例えばパッド裏面シート4aは青系の色に、パッド裏面シート4bは赤系の色に、パッド裏面シート4cは緑系の色に、それぞれ着色されている。なお、これらパッド裏面シート4a,4b,4cは、便宜上、図面においてハッチングの相違により着色の相違を表している。また、これらパッド裏面シート4a,4b,4cの色は、パッドフラップ部6a,6b,6cにおいてパッド表面シート3a,3b,3c側からも目視確認できることが好ましい。
【0021】
一方、図1に示すように、吸収性物品本体2は、各吸収性パッド1a〜1c(図2)よりも平面視で大きく形成され、表面シート7、裏面シート8、および、これら各シート7,8の間に配設された液保持性を有する吸収体9を有し、図1に示す展開状態で幅方向の中心部を中心として線対称の左右対称に形成されて細長略四角形状を呈している。
【0022】
さらに、この吸収性物品本体2には、長手方向に沿って、装着者の背側となる背側部11、脚周りに位置する脚周り部12、および、装着者の腹側となる腹側部13が順次形成されている。
【0023】
そして、吸収性物品本体2には、背側部11の両側部、脚周り部12の両側部および腹側部13の両側部に亘って、吸収体9の側方に位置して、サイドフラップ部15,15が形成されているとともに、背側部11および腹側部13のそれぞれの外方である長手方向両端部に、サイドフラップ部15,15と連続するエンドフラップ部16,17がそれぞれ形成されている。
【0024】
表面シート7は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム、合成繊維などにて形成され、親水性、あるいは、尿などの排泄物を吸収体9に透過できる液透過性を有している。
【0025】
裏面シート8は、上面周縁部が表面シート7の下面周辺部に接着剤などで接合されている。また、この裏面シート8は、撥水性、あるいは尿などの排泄液が透過できない液不透過性を有し、例えばポリエチレン樹脂のようなポリオレフィンなどの合成樹脂のフィルム状シートにて成形されている。
【0026】
吸収体9は、尿などの排泄物を吸収できる、例えばパルプを主材料として一部に高分子吸収体などの物質を含んだ材料にて形成されており、脚周り部12に位置する両側部に切欠凹部19,19が設けられている。
【0027】
また、脚周り部12の両側部には、装着時に装着者の脚周りに密着する脚周り切欠部24,24が形成されている。これら脚周り切欠部24,24は、切欠凹部19,19と対応する凹状に形成されている。
【0028】
さらに、背側部11側に位置するサイドフラップ部15,15の幅方向の外方には、パネル部27,27が配設されている。
【0029】
各パネル部27は、吸収性物品本体2の長手方向に沿って長手方向を有する略長方形状のパネル本体31と、このパネル本体31の外方に突設された一対のファスニング部32とを有している。
【0030】
各パネル本体31は、一側部が表面シート7上、裏面シート8上、あるいはこれら表面シート7と裏面シート8との間などに接合されている。また、各パネル本体31の長手方向の端部は、吸収性物品本体2の背側部11側の端部よりも内方に位置している。
【0031】
また、ファスニング部32は、各パネル本体31の吸収性物品本体2と反対側の側部にて、長手方向の両端部よりも内方に設けられ、このパネル本体31の長手方向に互いに離間されている。さらに、各ファスニング部32は、面ファスナとしてのフックファスナ33がそれぞれ貼着されており、このフックファスナ33は、裏面シート8の裏面側すなわち吸収体9と反対側の面に配設された面ファスナとしての横長のループファスナ34に止着されることで、背側部11と腹側部13とを係止するものである。
【0032】
そして、吸収性物品本体2には、吸収性パッド1a,1b,1c(図2)のそれぞれに対応する一対ずつの色目印部36a,36a,36b,36b,36c,36cがそれぞれ表面シート7側から目視可能に配設されている。なお、これら色目印部36a〜36cは、便宜上、図面においてハッチングの相違により着色の相違を表している。
【0033】
色目印部36a,36aは、例えば四角形状に形成され、吸収性パッド1a(図2(a))のパッド裏面シート4aに対応する色で着色され、吸収性パッド1aの端縁部、すなわち幅方向両側縁部と長手方向両端縁部との交わる位置、換言すれば吸収性パッド1aの少なくとも長手方向の一端部の2つの角部に対応して配設されている。また、これら色目印部36a,36aは、吸収性物品本体2の幅方向の中心線Lに対して互いに線対称な位置に設けられている。
【0034】
色目印部36b,36bは、色目印部36a,36aと同様に、例えば四角形状に形成され、吸収性パッド1b(図2(b))のパッド裏面シート4bに対応する色で着色され、吸収性パッド1bの端縁部、すなわち幅方向両側縁部と長手方向両端縁部との交わる位置、換言すれば吸収性パッド1bの少なくとも長手方向の一端部の2つの角部に対応して配設されている。また、これら色目印部36b,36bは、吸収性物品本体2の幅方向の中心線Lに対して互いに線対称な位置に設けられている。
【0035】
色目印部36c,36cは、色目印部36a,36aおよび色目印部36b,36bと同様に、例えば四角形状に形成され、吸収性パッド1c(図2(c))のパッド裏面シート4cに対応する色で着色され、吸収性パッド1cの端縁部、すなわち幅方向両側縁部と長手方向両端縁部との交わる位置、換言すれば吸収性パッド1cの少なくとも長手方向の一端部の2つの角部に対応して配設されている。また、これら色目印部36c,36cは、吸収性物品本体2の幅方向の中心線Lに対して互いに線対称な位置に設けられている。
【0036】
したがって、色目印部36a〜36cは、吸収性パッド1a〜1c(図2)の長手寸法が互いに等しく幅寸法が互いに異なることにより、吸収性物品本体2に幅方向に沿って配設されている。なお、互いに隣り合う色目印部36a,36b、および、色目印部36b,36cは、図1に示すように隙間なく隣接していても、互いに重なっていても、あるいは互いに離間されていてもよい。
【0037】
また、色目印部36a〜36cは、吸収性パッド1a〜1c(図2)の端縁部に対応する位置に配設されているため、背側部11、あるいは腹側部13、あるいはその両方に配設されていてもよいが、特にフックファスナ33とループファスナ34との係合により着用するテープ止めタイプのアウタである吸収性物品本体2においては、装着者が寝た状態での装着の際に、インナである吸収性パッド1a〜1c(図2)をまず背側部11に当ててから装着することや、腹側よりも背側からの方が一般的に漏れの発生が多いことを考慮すると、色目印部36a〜36cは、少なくとも背側部11に配設されている方が好ましい。
【0038】
さらに、色目印部36a〜36cとしては、印刷、あるいはホットメルト接着剤などで表面シート7などに直接塗布する方法、あるいは、着色フィルム、着色不織布などのシート体を表面シート7などに接着剤、熱シール、超音波などにより固着する方法などがある。例えば、シート体を固着して色目印部36a〜36cを形成する場合には、色目印部36a〜36cをそれぞれに固着するよりも、複数の色目印部を予め一体としてシート体を形成し、そのシート体を表面シート7などに固着して形成する方が好ましい。
【0039】
そして、色目印部36a〜36cは、表面シート7側から目視可能であれば、その配設する位置などは特に限定されるものではないが、表面シート7の表面側に位置していると、装着時の肌触りが悪くなるおそれがあり、また、吸収体9よりも裏面シート8側に位置していると色目印部36a〜36cが目立ちにくくなるので、例えば、表面シート7と吸収体9との間、あるいは表面シート7の裏面すなわち吸収体9側の面など、表面シート7の表面側以外の位置に配設することが好ましい。
【0040】
また、色目印部36a〜36cは、対応するパッド裏面シート4a〜4c(図2)と同じ色であることが好ましいが、例えば材質や着色方法が異なる場合などには、全く同じ色とすることは容易でないことがあるため、互いに他の色目印部と裏面シートとの組み合わせと区別ができる程度で略同様な色合い、すなわち同系色とすれば、必ずしも全く同じ色としなくてもよい。
【0041】
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0042】
使用に際しては、図1に示す展開状態にて、図2(a)ないし図2(b)に示す吸収性パッド1a〜1cのいずれか一つを対応する色目印部36a〜36cのいずれかに位置合わせして吸収性物品本体2に配設し、この吸収性物品本体2を適宜折り曲げて装着者の股下に着用させ、ファスニング部32を引っ張りつつフックファスナ33を腹側部13のループファスナ34に止着することにより、吸収性物品本体2が装着される。
【0043】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、互いに大きさが異なる複数種類の吸収性パッド1a〜1cの端縁部に対応して、表面シート7側から目視可能な一対の色目印部36a,36a、色目印部36b,36b、および、色目印部36c,36cを、それぞれ異なる色で配設することで、対応する吸収性パッド1a〜1cの種類を色によって容易に識別できるとともに、大きさが異なる吸収性パッド1a〜1cの角部を、対応する一対の色目印部36a〜36cに合わせるだけで、吸収性パッド1a〜1cを、容易に装着位置に位置合わせできる。
【0044】
また、吸収性パッド1a〜1c側に目印部を設ける従来の場合と比較して、製造コストを抑制できるとともに、吸収性パッド1a〜1cなどの見栄えが悪化することもない。
【0045】
さらに、各吸収性パッド1a〜1cのパッド裏面シート4a〜4cと同系色の色目印部36a〜36cに吸収性パッド1a〜1cの端縁部を合わせるだけで吸収性パッドを容易に装着できるので、位置合わせが容易になるとともに、異なる吸収性パッド1a〜1cを誤って装着することを防止できる。
【0046】
そして、吸収性パッド1a〜1cは、パッド裏面シート4a〜4cの色が異なるだけなので、製造時に特別な設備が必要なく、予め着色されているパッド裏面シート4a〜4cで製造すればよく、設備費用が必要以上にかかることもない。
【0047】
なお、上記第1の実施の形態において、図3、図4(a)、図4(b)および図4(c)に示す第2の実施の形態のように、幅寸法が互いに等しく、長手寸法が互いに異なる吸収性パッド1a,1b,1cを用いる場合、例えば吸収性パッド1aの長手寸法が最も短く吸収性パッド1cの長手寸法が最も長い場合には、色目印部36a〜36cを吸収性物品本体2の長手方向に沿って配設することで、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
また、図5、図6(a)、図6(b)および図6(c)に示す第3の実施の形態のように、幅寸法および長手寸法が互いに異なる吸収性パッド1a,1b,1cを用いる場合、例えば吸収性パッド1aの幅寸法および長手寸法が最も短く吸収性パッド1cの幅寸法および長手寸法が最も長い場合には、色目印部36a,36b,36cは、吸収性物品本体2の長手方向および幅方向に対してそれぞれ傾斜状、かつ、吸収性パッド1aから吸収性パッド1cへと、吸収性物品本体2の長手方向および幅方向の中心側から吸収性物品本体2の端縁側へと配設することで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
さらに、上記各実施の形態において、図7に示す第4の実施の形態のように、各色目印部36a〜36cを、吸収性パッド1a〜1cの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成することも可能である。すなわち、吸収性パッド1a〜1cの装着位置は略決まっていることが望ましいものの、装着者の性別や体形などが様々であるように、理想的な吸収性パッド1a〜1cの装着位置も必ずしも一点とは限らないので、長手方向および幅方向に装着位置がずれた場合でもそれが許容範囲内である部分の端縁部の集合体を表した面積として色目印部36a〜36cを設定する。この場合には、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、吸収性パッド1a〜1cの端縁部を色目印部36a〜36cの面積内に収まるように装着すると、容易に吸収性パッド1a〜1cの装着位置のずれを防止でき、かつ、この位置ずれによる漏れをも防止できる。
【0050】
そして、上記第4の実施の形態において、図8に示す第5の実施の形態のように、各色目印部36a〜36cは、吸収性パッド1a〜1cの装着位置ずれの許容範囲が異なる構成、すなわち、各色目印部36a〜36cの面積が異なる構成、例えば色目印部36aの面積を最も広くし、色目印部36cの面積を最も狭くする構成なども可能である。
【0051】
また、上記各実施の形態において、吸収性パッド1a〜1cには、吸収性物品本体2とのずれを防止するための粘着材やフックファスナなどの一般的なずれ止め防止手段を、パッド裏面シート4a〜4cのいずれかの部分に配設してもよい。好ましくは、ずれ防止手段を端縁部近傍に配設することにより、吸収性パッド1a〜1cの端縁部を色目印部36a〜36cに合わせて装着位置決めをするとともにずれ止め防止手段を粘着、あるいは係合させることができるので、装着時の位置合わせが、より確実にかつ容易になる。
【0052】
さらに、吸収性パッド1a〜1cのパッド裏面シート4a〜4cの色は、互いに区別できれば任意の色とすることが可能であり、色目印部36a〜36cは、それぞれに対応する吸収性パッド1a〜1cのパッド裏面シート4a〜4cの色に応じて適宜設定する。
【0053】
そして、上記各実施の形態では、吸収性パッドを3種類としたが、吸収性パッドの種類に色目印部の種類を対応させることで、2種類以上の任意の種類の吸収性パッドに対応できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図2】(a)は同上使い捨て吸収性物品に用いる吸収性パッドの一実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(b)は同上吸収性パッドの他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(c)は同上吸収性パッドのさらに他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図4】(a)は同上使い捨て吸収性物品に用いる吸収性パッドの一実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(b)は同上吸収性パッドの他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(c)は同上吸収性パッドのさらに他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図6】(a)は同上使い捨て吸収性物品に用いる吸収性パッドの一実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(b)は同上吸収性パッドの他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(c)は同上吸収性パッドのさらに他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態の要部を示す平面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b,1c 吸収性パッド
3a,3b,3c パッド表面シート
4a,4b,4c パッド裏面シート
5a,5b,5c パッド吸収体
7 表面シート
8 裏面シート
9 吸収体
11 背側部
12 脚周り部
13 腹側部
36a,36b,36c 色目印部
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用、大人用あるいは失禁用の使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の使い捨て吸収性物品としては、表面シートと、裏面シートと、これら表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体とを有し、背側部、脚周り部および腹側部が長手方向に順次一体的に形成された吸収性物品本体を備え、背側部の両側部に配設された係止部を、腹側部に止着することで着用されるテープ止めのタイプ、あるいは、背側部と腹側部とのそれぞれの両側部が接合されて胴開口部と一対の脚周り開口部とを形成するパンツタイプなどの、いわゆるアウタと呼ばれるものがある。
【0003】
そして、最近では、吸収性物品本体の装着時に装着者の股下周りに位置する部分に、吸収性物品本体よりも小さい四角形状の、いわゆるインナと呼ばれる吸収性パッドを着脱自在に装着し、この吸収性パッドの効果により吸収性物品本体を経済的に使用できるようにしている。
【0004】
このような使い捨て吸収性物品では、より快適で経済的に使用するために、日中は小さめ、夜間は大きめの吸収性パッドを使用することがある。そして、このように大きさが異なる吸収性パッドでは、誤使用を防止するために、異なる色のパッド裏面シートを用いて、それぞれを区別可能としている。
【0005】
吸収性パッドの装着においては、その位置を示す目印として、吸収性物品本体と吸収性パッドとのそれぞれに長手方向、あるいは幅方向に沿って目印を設けたり、吸収性パッドと同じ大きさの枠線を吸収性物品本体に設けたりするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3667267号公報(第4−7頁、図1−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の使い捨て吸収性物品では、吸収性物品本体と吸収性パッドとのそれぞれに目印を設けることで、コスト高となってしまう場合や見栄えが悪くなってしまう場合がある。
【0007】
また、製造時にも、吸収性物品本体と吸収性パッドとを製造する両方の製造機に目印を設けるための設備が必要となり、設備費用が高くなってしまう問題がある。
【0008】
さらに、吸収性物品本体に吸収性パッドと同じ大きさの枠線を設ける場合には、1種類の大きさの吸収性パッドにしか対応できず、大きさが異なる吸収性パッドを用いる場合に対応できないという問題がある。
【0009】
そして、吸収性物品本体と吸収性パッドとの目印に対して位置がずれた場合の許容範囲が分からないので、吸収性パッドの位置を正確に目印に合わせなければならず、位置合わせ作業に手間が掛かる問題もある。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、吸収性パッドの装着位置を容易に確認できる使い捨て吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の使い捨て吸収性物品は、表面シートと、裏面シートと、これら表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体とを有し、長手方向に沿って背側部、脚周り部および腹側部が順次一体的に形成され、かつ、吸収性パッドを挿入して使用可能な使い捨て吸収性物品であって、前記背側部と前記腹側部との少なくともいずれか一方に、幅方向の中心線に対称な位置にて、前記表面シート側から目視可能な一対の色目印部が配設され、前記一対の色目印部は、互いに大きさが異なる複数種類の前記吸収性パッドの端縁部に対応してそれぞれ異なる色で複数配設されているものである。
【0012】
請求項2記載の使い捨て吸収性物品は、請求項1記載の使い捨て吸収性物品において、吸収性パッドは、パッド表面シートと、パッド裏面シートと、これらパッド表面シートとパッド裏面シートとの間に配設されたパッド吸収体とを備え、前記パッド裏面シートは、前記吸収性パッドの大きさに応じて複数の異なる色に着色され、色目印部は、前記パッド裏面シートの色と対応する同系色に着色されているものである。
【0013】
請求項3記載の使い捨て吸収性物品は、請求項1または2記載の使い捨て吸収性物品において、色目印部は、吸収性パッドの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、表面シート側から目視可能な一対の色目印部を、互いに大きさが異なる複数種類の吸収性パッドの端縁部に対応してそれぞれ異なる色で複数配設することで、対応する吸収性パッドの種類を色によって容易に識別できるとともに、大きさが異なる吸収性パッドの角部を、対応する一対の色目印部に合わせるだけで容易に装着位置に位置合わせできる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、パッド裏面シートと同系色の色目印部に吸収性パッドの端縁部を合わせるだけで吸収性パッドを容易に装着できるので、位置合わせが容易になるとともに、異なる吸収性パッドを誤って装着することを防止できる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、色目印部を、吸収性パッドの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成することで、吸収性パッドの端縁部を色目印部の面積内に収まるように装着すると、容易に吸収性パッドの位置ずれを防止でき、かつ、この位置ずれによる漏れをも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施の形態の使い捨て吸収性物品の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0018】
図1は、使い捨て吸収性物品を示し、この使い捨て吸収性物品は、いわゆるインナである略長方形状の吸収性パッド1a,1b,1c(図2)を着脱自在に装着して使用される、いわゆるアウタである吸収性物品本体2を備えている。
【0019】
図2(a)ないし図2(c)に示すように、吸収性パッド1a〜1cは、例えば幅寸法が互いに異なり長手寸法が互いに等しい長方形状に形成されており、それぞれ長手方向および幅方向を有する透液性のパッド表面シート3a,3b,3cと、これらパッド表面シート3a,3b,3cと略等しい長方形状に形成され透液性のパッド裏面シート4a,4b,4cと、これらシート3a,4a間、シート3b,4b間、および、シート3c,4c間に封着されるパッド吸収体5a,5b,5cとで構成されている。このため、パッド吸収体5a,5b,5cの周囲には、シート3a,4a、シート3b,4b、および、シート3c,4cによりパッドフラップ部6a,6b,6cが形成されている。
【0020】
そして、パッド裏面シート4a,4b,4cは、互いに異なる色、例えばパッド裏面シート4aは青系の色に、パッド裏面シート4bは赤系の色に、パッド裏面シート4cは緑系の色に、それぞれ着色されている。なお、これらパッド裏面シート4a,4b,4cは、便宜上、図面においてハッチングの相違により着色の相違を表している。また、これらパッド裏面シート4a,4b,4cの色は、パッドフラップ部6a,6b,6cにおいてパッド表面シート3a,3b,3c側からも目視確認できることが好ましい。
【0021】
一方、図1に示すように、吸収性物品本体2は、各吸収性パッド1a〜1c(図2)よりも平面視で大きく形成され、表面シート7、裏面シート8、および、これら各シート7,8の間に配設された液保持性を有する吸収体9を有し、図1に示す展開状態で幅方向の中心部を中心として線対称の左右対称に形成されて細長略四角形状を呈している。
【0022】
さらに、この吸収性物品本体2には、長手方向に沿って、装着者の背側となる背側部11、脚周りに位置する脚周り部12、および、装着者の腹側となる腹側部13が順次形成されている。
【0023】
そして、吸収性物品本体2には、背側部11の両側部、脚周り部12の両側部および腹側部13の両側部に亘って、吸収体9の側方に位置して、サイドフラップ部15,15が形成されているとともに、背側部11および腹側部13のそれぞれの外方である長手方向両端部に、サイドフラップ部15,15と連続するエンドフラップ部16,17がそれぞれ形成されている。
【0024】
表面シート7は、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム、合成繊維などにて形成され、親水性、あるいは、尿などの排泄物を吸収体9に透過できる液透過性を有している。
【0025】
裏面シート8は、上面周縁部が表面シート7の下面周辺部に接着剤などで接合されている。また、この裏面シート8は、撥水性、あるいは尿などの排泄液が透過できない液不透過性を有し、例えばポリエチレン樹脂のようなポリオレフィンなどの合成樹脂のフィルム状シートにて成形されている。
【0026】
吸収体9は、尿などの排泄物を吸収できる、例えばパルプを主材料として一部に高分子吸収体などの物質を含んだ材料にて形成されており、脚周り部12に位置する両側部に切欠凹部19,19が設けられている。
【0027】
また、脚周り部12の両側部には、装着時に装着者の脚周りに密着する脚周り切欠部24,24が形成されている。これら脚周り切欠部24,24は、切欠凹部19,19と対応する凹状に形成されている。
【0028】
さらに、背側部11側に位置するサイドフラップ部15,15の幅方向の外方には、パネル部27,27が配設されている。
【0029】
各パネル部27は、吸収性物品本体2の長手方向に沿って長手方向を有する略長方形状のパネル本体31と、このパネル本体31の外方に突設された一対のファスニング部32とを有している。
【0030】
各パネル本体31は、一側部が表面シート7上、裏面シート8上、あるいはこれら表面シート7と裏面シート8との間などに接合されている。また、各パネル本体31の長手方向の端部は、吸収性物品本体2の背側部11側の端部よりも内方に位置している。
【0031】
また、ファスニング部32は、各パネル本体31の吸収性物品本体2と反対側の側部にて、長手方向の両端部よりも内方に設けられ、このパネル本体31の長手方向に互いに離間されている。さらに、各ファスニング部32は、面ファスナとしてのフックファスナ33がそれぞれ貼着されており、このフックファスナ33は、裏面シート8の裏面側すなわち吸収体9と反対側の面に配設された面ファスナとしての横長のループファスナ34に止着されることで、背側部11と腹側部13とを係止するものである。
【0032】
そして、吸収性物品本体2には、吸収性パッド1a,1b,1c(図2)のそれぞれに対応する一対ずつの色目印部36a,36a,36b,36b,36c,36cがそれぞれ表面シート7側から目視可能に配設されている。なお、これら色目印部36a〜36cは、便宜上、図面においてハッチングの相違により着色の相違を表している。
【0033】
色目印部36a,36aは、例えば四角形状に形成され、吸収性パッド1a(図2(a))のパッド裏面シート4aに対応する色で着色され、吸収性パッド1aの端縁部、すなわち幅方向両側縁部と長手方向両端縁部との交わる位置、換言すれば吸収性パッド1aの少なくとも長手方向の一端部の2つの角部に対応して配設されている。また、これら色目印部36a,36aは、吸収性物品本体2の幅方向の中心線Lに対して互いに線対称な位置に設けられている。
【0034】
色目印部36b,36bは、色目印部36a,36aと同様に、例えば四角形状に形成され、吸収性パッド1b(図2(b))のパッド裏面シート4bに対応する色で着色され、吸収性パッド1bの端縁部、すなわち幅方向両側縁部と長手方向両端縁部との交わる位置、換言すれば吸収性パッド1bの少なくとも長手方向の一端部の2つの角部に対応して配設されている。また、これら色目印部36b,36bは、吸収性物品本体2の幅方向の中心線Lに対して互いに線対称な位置に設けられている。
【0035】
色目印部36c,36cは、色目印部36a,36aおよび色目印部36b,36bと同様に、例えば四角形状に形成され、吸収性パッド1c(図2(c))のパッド裏面シート4cに対応する色で着色され、吸収性パッド1cの端縁部、すなわち幅方向両側縁部と長手方向両端縁部との交わる位置、換言すれば吸収性パッド1cの少なくとも長手方向の一端部の2つの角部に対応して配設されている。また、これら色目印部36c,36cは、吸収性物品本体2の幅方向の中心線Lに対して互いに線対称な位置に設けられている。
【0036】
したがって、色目印部36a〜36cは、吸収性パッド1a〜1c(図2)の長手寸法が互いに等しく幅寸法が互いに異なることにより、吸収性物品本体2に幅方向に沿って配設されている。なお、互いに隣り合う色目印部36a,36b、および、色目印部36b,36cは、図1に示すように隙間なく隣接していても、互いに重なっていても、あるいは互いに離間されていてもよい。
【0037】
また、色目印部36a〜36cは、吸収性パッド1a〜1c(図2)の端縁部に対応する位置に配設されているため、背側部11、あるいは腹側部13、あるいはその両方に配設されていてもよいが、特にフックファスナ33とループファスナ34との係合により着用するテープ止めタイプのアウタである吸収性物品本体2においては、装着者が寝た状態での装着の際に、インナである吸収性パッド1a〜1c(図2)をまず背側部11に当ててから装着することや、腹側よりも背側からの方が一般的に漏れの発生が多いことを考慮すると、色目印部36a〜36cは、少なくとも背側部11に配設されている方が好ましい。
【0038】
さらに、色目印部36a〜36cとしては、印刷、あるいはホットメルト接着剤などで表面シート7などに直接塗布する方法、あるいは、着色フィルム、着色不織布などのシート体を表面シート7などに接着剤、熱シール、超音波などにより固着する方法などがある。例えば、シート体を固着して色目印部36a〜36cを形成する場合には、色目印部36a〜36cをそれぞれに固着するよりも、複数の色目印部を予め一体としてシート体を形成し、そのシート体を表面シート7などに固着して形成する方が好ましい。
【0039】
そして、色目印部36a〜36cは、表面シート7側から目視可能であれば、その配設する位置などは特に限定されるものではないが、表面シート7の表面側に位置していると、装着時の肌触りが悪くなるおそれがあり、また、吸収体9よりも裏面シート8側に位置していると色目印部36a〜36cが目立ちにくくなるので、例えば、表面シート7と吸収体9との間、あるいは表面シート7の裏面すなわち吸収体9側の面など、表面シート7の表面側以外の位置に配設することが好ましい。
【0040】
また、色目印部36a〜36cは、対応するパッド裏面シート4a〜4c(図2)と同じ色であることが好ましいが、例えば材質や着色方法が異なる場合などには、全く同じ色とすることは容易でないことがあるため、互いに他の色目印部と裏面シートとの組み合わせと区別ができる程度で略同様な色合い、すなわち同系色とすれば、必ずしも全く同じ色としなくてもよい。
【0041】
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0042】
使用に際しては、図1に示す展開状態にて、図2(a)ないし図2(b)に示す吸収性パッド1a〜1cのいずれか一つを対応する色目印部36a〜36cのいずれかに位置合わせして吸収性物品本体2に配設し、この吸収性物品本体2を適宜折り曲げて装着者の股下に着用させ、ファスニング部32を引っ張りつつフックファスナ33を腹側部13のループファスナ34に止着することにより、吸収性物品本体2が装着される。
【0043】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、互いに大きさが異なる複数種類の吸収性パッド1a〜1cの端縁部に対応して、表面シート7側から目視可能な一対の色目印部36a,36a、色目印部36b,36b、および、色目印部36c,36cを、それぞれ異なる色で配設することで、対応する吸収性パッド1a〜1cの種類を色によって容易に識別できるとともに、大きさが異なる吸収性パッド1a〜1cの角部を、対応する一対の色目印部36a〜36cに合わせるだけで、吸収性パッド1a〜1cを、容易に装着位置に位置合わせできる。
【0044】
また、吸収性パッド1a〜1c側に目印部を設ける従来の場合と比較して、製造コストを抑制できるとともに、吸収性パッド1a〜1cなどの見栄えが悪化することもない。
【0045】
さらに、各吸収性パッド1a〜1cのパッド裏面シート4a〜4cと同系色の色目印部36a〜36cに吸収性パッド1a〜1cの端縁部を合わせるだけで吸収性パッドを容易に装着できるので、位置合わせが容易になるとともに、異なる吸収性パッド1a〜1cを誤って装着することを防止できる。
【0046】
そして、吸収性パッド1a〜1cは、パッド裏面シート4a〜4cの色が異なるだけなので、製造時に特別な設備が必要なく、予め着色されているパッド裏面シート4a〜4cで製造すればよく、設備費用が必要以上にかかることもない。
【0047】
なお、上記第1の実施の形態において、図3、図4(a)、図4(b)および図4(c)に示す第2の実施の形態のように、幅寸法が互いに等しく、長手寸法が互いに異なる吸収性パッド1a,1b,1cを用いる場合、例えば吸収性パッド1aの長手寸法が最も短く吸収性パッド1cの長手寸法が最も長い場合には、色目印部36a〜36cを吸収性物品本体2の長手方向に沿って配設することで、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
また、図5、図6(a)、図6(b)および図6(c)に示す第3の実施の形態のように、幅寸法および長手寸法が互いに異なる吸収性パッド1a,1b,1cを用いる場合、例えば吸収性パッド1aの幅寸法および長手寸法が最も短く吸収性パッド1cの幅寸法および長手寸法が最も長い場合には、色目印部36a,36b,36cは、吸収性物品本体2の長手方向および幅方向に対してそれぞれ傾斜状、かつ、吸収性パッド1aから吸収性パッド1cへと、吸収性物品本体2の長手方向および幅方向の中心側から吸収性物品本体2の端縁側へと配設することで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
さらに、上記各実施の形態において、図7に示す第4の実施の形態のように、各色目印部36a〜36cを、吸収性パッド1a〜1cの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成することも可能である。すなわち、吸収性パッド1a〜1cの装着位置は略決まっていることが望ましいものの、装着者の性別や体形などが様々であるように、理想的な吸収性パッド1a〜1cの装着位置も必ずしも一点とは限らないので、長手方向および幅方向に装着位置がずれた場合でもそれが許容範囲内である部分の端縁部の集合体を表した面積として色目印部36a〜36cを設定する。この場合には、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、吸収性パッド1a〜1cの端縁部を色目印部36a〜36cの面積内に収まるように装着すると、容易に吸収性パッド1a〜1cの装着位置のずれを防止でき、かつ、この位置ずれによる漏れをも防止できる。
【0050】
そして、上記第4の実施の形態において、図8に示す第5の実施の形態のように、各色目印部36a〜36cは、吸収性パッド1a〜1cの装着位置ずれの許容範囲が異なる構成、すなわち、各色目印部36a〜36cの面積が異なる構成、例えば色目印部36aの面積を最も広くし、色目印部36cの面積を最も狭くする構成なども可能である。
【0051】
また、上記各実施の形態において、吸収性パッド1a〜1cには、吸収性物品本体2とのずれを防止するための粘着材やフックファスナなどの一般的なずれ止め防止手段を、パッド裏面シート4a〜4cのいずれかの部分に配設してもよい。好ましくは、ずれ防止手段を端縁部近傍に配設することにより、吸収性パッド1a〜1cの端縁部を色目印部36a〜36cに合わせて装着位置決めをするとともにずれ止め防止手段を粘着、あるいは係合させることができるので、装着時の位置合わせが、より確実にかつ容易になる。
【0052】
さらに、吸収性パッド1a〜1cのパッド裏面シート4a〜4cの色は、互いに区別できれば任意の色とすることが可能であり、色目印部36a〜36cは、それぞれに対応する吸収性パッド1a〜1cのパッド裏面シート4a〜4cの色に応じて適宜設定する。
【0053】
そして、上記各実施の形態では、吸収性パッドを3種類としたが、吸収性パッドの種類に色目印部の種類を対応させることで、2種類以上の任意の種類の吸収性パッドに対応できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図2】(a)は同上使い捨て吸収性物品に用いる吸収性パッドの一実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(b)は同上吸収性パッドの他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(c)は同上吸収性パッドのさらに他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図4】(a)は同上使い捨て吸収性物品に用いる吸収性パッドの一実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(b)は同上吸収性パッドの他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(c)は同上吸収性パッドのさらに他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図6】(a)は同上使い捨て吸収性物品に用いる吸収性パッドの一実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(b)は同上吸収性パッドの他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図、(c)は同上吸収性パッドのさらに他の実施例を一部を切り欠いて示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態の要部を示す平面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の使い捨て吸収性物品の展開状態を一部を切り欠いて示す平面図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b,1c 吸収性パッド
3a,3b,3c パッド表面シート
4a,4b,4c パッド裏面シート
5a,5b,5c パッド吸収体
7 表面シート
8 裏面シート
9 吸収体
11 背側部
12 脚周り部
13 腹側部
36a,36b,36c 色目印部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シートと、裏面シートと、これら表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体とを有し、長手方向に沿って背側部、脚周り部および腹側部が順次一体的に形成され、かつ、吸収性パッドを挿入して使用可能な使い捨て吸収性物品であって、
前記背側部と前記腹側部との少なくともいずれか一方に、幅方向の中心線に対称な位置にて、前記表面シート側から目視可能な一対の色目印部が配設され、
前記一対の色目印部は、互いに大きさが異なる複数種類の前記吸収性パッドの端縁部に対応してそれぞれ異なる色で複数配設されている
ことを特徴とした使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
吸収性パッドは、
パッド表面シートと、
パッド裏面シートと、
これらパッド表面シートとパッド裏面シートとの間に配設されたパッド吸収体とを備え、
前記パッド裏面シートは、前記吸収性パッドの大きさに応じて複数の異なる色に着色され、
色目印部は、前記パッド裏面シートの色と対応する同系色に着色されている
ことを特徴とした請求項1記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
色目印部は、吸収性パッドの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成されている
ことを特徴とした請求項1または2記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項1】
表面シートと、裏面シートと、これら表面シートと裏面シートとの間に配設された吸収体とを有し、長手方向に沿って背側部、脚周り部および腹側部が順次一体的に形成され、かつ、吸収性パッドを挿入して使用可能な使い捨て吸収性物品であって、
前記背側部と前記腹側部との少なくともいずれか一方に、幅方向の中心線に対称な位置にて、前記表面シート側から目視可能な一対の色目印部が配設され、
前記一対の色目印部は、互いに大きさが異なる複数種類の前記吸収性パッドの端縁部に対応してそれぞれ異なる色で複数配設されている
ことを特徴とした使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
吸収性パッドは、
パッド表面シートと、
パッド裏面シートと、
これらパッド表面シートとパッド裏面シートとの間に配設されたパッド吸収体とを備え、
前記パッド裏面シートは、前記吸収性パッドの大きさに応じて複数の異なる色に着色され、
色目印部は、前記パッド裏面シートの色と対応する同系色に着色されている
ことを特徴とした請求項1記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
色目印部は、吸収性パッドの装着位置のずれ許容範囲に対応する面積に形成されている
ことを特徴とした請求項1または2記載の使い捨て吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−229199(P2007−229199A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54419(P2006−54419)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(391047503)白十字株式会社 (64)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(391047503)白十字株式会社 (64)
【Fターム(参考)】
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