説明

使い捨て排泄物処置装置

【課題】排泄物の改良管理を提供する排泄物を受け入れるために適した使い捨て排泄物処置装置を提供すること。
【解決手段】 製品内に堆積する可能性のある糞便もしくはその他の排泄物の物理的特性を変性させるように作用する1種以上の有効量の薬剤を含むことによって、または製品の装着者の皮膚から糞便のような排泄物の除去性を強化する上記の1種以上の組成物を含むことによって、排泄物の改良管理を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、成人用尿失禁製品、生理用ナプキン、排泄物用もしくは人工肛門用バッグのような使い捨て排泄物収容製品その他のような使い捨て吸収性製品を含む、排泄物を収容(すなわち、吸収および/または含有)する使い捨て製品に関する。より詳細には、本発明は製品内に堆積する可能性のある糞便もしくはその他の排泄物の物理的特性を変性させるように作用する1種以上の薬剤を含むことによって、または製品の装着者の皮膚から糞便のような排泄物の除去性を強化する上記の薬剤のような1種以上の組成物を含むことによって排泄物の改良管理を提供する使い捨て製品に関する。
【従来の技術】
【0002】
おむつ、成人用尿失禁パンツ、生理用ナプキンおよびその他の排泄物を収容するための使い捨て製品のような吸収性製品の主要機能は、そうした排泄物が衣類または装着者と接触する可能性のある寝具類のような他の製品を汚したり、濡らしたり、さもなければ汚染させたりすることを防止することである。近年、例えばBuellらへ発行された米国特許第5,151,092号に開示されているもののような使い捨ておむつは極めて人気が高く、それらの利便性および確実性のために耐久性の布製吸収性製品に取って代わってきた。しかし、そうした使い捨て吸収性製品の有効性にもかかわらず、排泄物はしばしばそれでもまだ漏れたり、あるいは装着者の皮膚を汚すおよび/または刺激するような方法で製品内に貯蔵されている。さらに、排泄物はしばしば皮膚に攻撃的に付着し、皮膚を清浄化する難しさを増加させ、慢性的残留汚染の可能性を増加させる。これらの基本的原因、および現行吸収性製品に関わるその他の重要な問題は、加えられた剪断応力下での移動性および糞便の粘着性にある。
【0003】
漏れおよび/または不適切な封じ込め、困難な皮膚の手入れ、および/または残留皮膚汚染の望ましくない作用は、製品内に堆積した糞便に関して特に明白である。装着者と接触する、または手入れが試みられた後に皮膚上に残されている製品内に含まれる糞便は、時間の経過に伴って装着者の皮膚を傷つけることがある。製品から漏れ出る糞便はほとんど常に、装着者だけではなく装着者と接触する可能性のある衣類もしくはその他の物体をきれいにする作業が不快で汚いことを示している。そこで、糞便がトップシートを越えて移動するのを制限するためおよび/または製品内に糞便をより上手に閉じ込めるために、例えばバリヤー、ポケット、スペーサー、横断バリヤー、開口トップシートその他のような装備を吸収性製品に付け加える幾つもの試みがなされてきた。
【0004】
しかし、これらの問題の基本的原因(すなわち、糞便の特性)を解決するための努力がなされていないこと、そしてそれらの費用および複雑さのためにそうした試みは概して不成功に終わっている。さらに、糞便を隔離もしくは含有するための手段の多くは、一定の物理的特性(例、粘度、自由水含量および粒径)を有する糞便に向けられており、極めて狭い範囲外の物理的特性を備えた排泄物には有効ではない。
【0005】
米国特許第4,790,836号は、吸収性コアと水溶性フィルムとの間に配置された薬用パウダーの層を含むおむつを開示している。薬用パウダーは、装着者がおむつを濡らした後に乳幼児の皮膚の乾燥を促進するために使用される。しかし、下記の表IIおよびVIIIに示されているように、この特許で開示される実施形態は本特許の糞便管理の利点を提供するようには機能しない。さらにまた、米国特許第5,607,760号、第5,609,587号、第5,635,191号および第5,643,588号において開示されているように、装着者の皮膚に移動できるローション組成物を使い捨て吸収性製品のトップシートに被覆することも知られている。しかし、そうしたローション組成物単独では、本発明の強化糞便除去性/清浄化の利益を提供することはできない可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、例えば望ましい糞便の変性および/または強化糞便除去性を提供する使い捨て製品のような改良排泄物管理特性を備えた使い捨て製品を提供することは望ましいであろう。さらに、装着者または養護者に糞便もしくはその他の粘性排泄物が及ぼすマイナスの影響を最小限に抑える能力を備えた経済的な使い捨て製品を提供することは有益であろう。また、製品内への糞便の受け入れ量および/または製品内での糞便の不動化を改良するためおよび/または糞便による装着者の皮膚の残留汚染を減少させるために、糞便と化学的もしくは物理的に相互作用するようにおよび糞便の特性を変化させるように設計されている製品を提供することも有益であろう。同様に、予想使用期間を通して物理的もしくは化学的に変性させた糞便を装着者の皮膚および/または衣類から安全かつ清潔に隔離して貯蔵するために十分な有効容量および保持能力を有する製品を提供することも望ましいであろう。さらにまた、装着者の皮膚から糞便の効果的な清浄化を強化する製品を提供することも望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記およびさもなければ先行技術の吸収性製品において所見される問題の少なくとも一部を解決するのに役立つために、本発明は製品内もしくは装着者の皮膚上に堆積した糞便もしくはその他の排泄物の一部もしくは全部を物理的もしくは化学的に変性させるために有効濃度で利用可能な薬剤を含むことによって排泄物の改良管理を提供する、または装着者の皮膚からの糞便もしくはその他の排泄物の除去性および清浄化を強化するために、例えば糞便変性剤のような1種以上の組成物を含んでいる製品を提供する。糞便の変性は、おむつ内で糞便が広がることを減少させるためおよび/または糞便が装着者の皮膚に付着する傾向を減少させるために、製品内での排泄物の受け入れおよび/または保持を改良する可能性がある。
【0008】
本発明はさらにまた、いったん排泄物が製品に吸収されると、排泄物が装着者の皮膚に向かって逆移動する可能性を減少させるために、それらの修正された形状内に排泄物を受け入れる、貯蔵するおよび/または不動化することのできる吸収性製品を提供することができる。従って、本発明の吸収性製品は、排便もしくは他の排泄物の排出と通常結び付いている装着者の皮膚にとって有害である可能性および/または養護者にとっての不便さを減少させることができる。
【0009】
本明細書において使用される「吸収性製品」なる語は、排泄物を吸収かつ含有するデバイスのことを言うが、さらにより詳細には、身体から排出された様々な排泄物を吸収かつ含有するために装着者の身体に接触させて、もしくは近くに置かれるデバイスのことを言う。本明細書において、「使い捨て」なる語は、吸収性製品として洗濯さもなければ復元もしくは再使用することが概して意図されていない(すなわち、それらは使用後に廃棄される、および好ましくはリサイクルされる、堆肥にされるさもなければ環境に適合する方法で廃棄されることが意図されている)吸収性製品を説明するために使用される。
【0010】
本明細書において使用される「配置された」なる語は、おむつの要素がおむつの他の要素との一体型構造として、またはおむつの別の要素に接合された個別要素として特定の場所もしくは位置に形成された(接合および配置された)ことを意味するために使用される。本明細書において使用された「接合された」なる語は、それにより1つの要素をもう1つの要素に直接に付着させることによってその要素が他の要素に直接的に固定されている形状、およびそれによりその要素を他の要素に順に付着させられる中間部材に付着させることによってその要素が他の要素に間接的に固定されている形状を包含する。「一体型」吸収性製品は、個別のホルダーおよびライナーのような別個に操作可能なパーツを必要としないように1つの調和した実体を形成するために一緒に結合された個別パーツから形成される吸収性製品を意味する。
【発明の実施の形態】
【0011】
本発明の吸収性製品のある好ましい実施形態は、図1に示されているおむつ20のような一体型使い捨て吸収性製品である。ここで使用するように「おむつ」は、乳幼児および尿失禁者によって概して下方胴部の周囲に装着される吸収性製品を意味する。しかし、本発明はまた例えば尿失禁用パンツ、尿失禁用下着、吸収性インサートを含むインサート、おむつホルダーおよびライナー、女性生理用衣料品、拭き取りティッシュー、モップ、包帯類およびその他のような他の吸収性製品にも適用可能である。本発明はさらにまた、例えば排泄物用バッグもしくは人工肛門用バッグのような、装着者の肛門周囲領域に個別に適用することのできる吸収性もしくは非吸収性糞便収集装置にも適用可能である。
【0012】
図1は、おむつ20の構成をより明確に示すために切り取られている構造の部分を伴って平たく広げられた状態にある本発明のおむつ20の平面図である。装着者に面するおむつ20の部分は図を見ている人に向けられている。図1に示されているように、おむつ20は好ましくは液体透過性トップシート24;液体不透過性バックシート26;好ましくはトップシート24の少なくとも1部分とバックシート26との間に配置されている吸収性コア28;サイドパネル30;弾性化レッグカフ32;弾性ウエスト装備34;および概して40と指定された留め具システムを備える。おむつ20は、第1ウエスト領域36、第1ウエスト領域36に対向する第2ウエスト領域および第1ウエスト領域と第2ウエスト領域との間に位置する股領域37を有するように図1に示されている。おむつ20の周囲はおむつ20の外縁によって限定されており、そこでは長手方向縁50が概しておむつ20の長手方向中心線100に平行に走っており、端縁52がおむつ20の側方中心線110に概して平行な長手方向縁50間を走っている。
【0013】
おむつ20のシャーシ22は、おむつ20の本体を備える。シャーシ22は、吸収性コア28の少なくとも1部分ならびに好ましくはトップシート24およびバックシート26を含む外側カバー層を備える。吸収性製品が個別のホルダーおよびライナーを備える場合は、シャーシ22が概してホルダーおよびライナーを備える。(例えば、ホルダーは製品の外側カバーを形成するために1つ以上の材料層を備えることができ、ライナーはトップシート、バックシート、および吸収性コアを含む吸収性組立体を備えることができる。そうした場合には、ホルダーおよび/またはライナーは使用時間を通して適所にライナーを保持するために使用される留め具要素を含むことができる。)
一体型吸収性製品については、シャーシ22は複合おむつ構造を形成するために追加された他の装備を伴うおむつの主要構造を備える。
【0014】
トップシート24、バックシート26、および吸収性コア28は様々なよく知られている形状で組み立てられてよいが、好ましいおむつ形状は概して1975年1月14日にKenneth B.Buellへ発行された「使い捨ておむつのための収縮性サイド部分(Contractible Side Portions For Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,860,003号;1992年9月9日にBuellへ発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellへ発行された米国特許第5,221,274号;および1996年9月10日にRoeらへ発行された「複数区域構造的ゴム様フィルムウエブ製伸張性ウエスト装備を備えた吸収性製品(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic−Like Film Web Extensible Waist Feature)」と題する米国特許第5,554,145号;1996年10月29日にBuellらへ発行された「使い捨て引き上げ装着型パンツ(Disposable Pull−On Pant)」と題する米国特許第5,569,234号;12月3日にNeaseらへ発行された「吸収性製品のためのサイドパネルを製造するためのゼロスクラップ法(Zero Scrap Method For Manufacturing Side Panels For Absorbent Articles)」と題する米国特許第5,580,411号に記載されており、それらは各々、本明細書の一部をなす。
【0015】
トップシート26は一般に、吸収かつ含有された排泄物が例えばベッドシーツおよび下着類のようなおむつ20に接触する可能性のある製品を汚すことを防止する、吸収性コア28の衣類に面する表面45に隣接して配置されるおむつ20の部分である。好ましい実施形態では、バックシート26は液体(例、尿)にとって不透過性であり、例えば約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムを備える。適切なバックシートフィルムには、インディアナ州テレホートに所在のTredegar Industries Inc.によって製造され、商標名X15306、X10962およびX10964を付けて販売されているものが含まれる。その他の適切なバックシート材料には、蒸気がおむつ20から漏れ出るのを許容しながら、それでも排泄物がバックシート26を通過することを防止する通気性材料が含まれる。
【0016】
代表的通気性材料には、織布ウェブ、不織布ウェブ、例えばフィルムコーティング不織布ウェブのような複合材料、例えばESPOIR NOの名称を付けて日本のMitsui Toatsu Co.によっておよびEXXAIREの名称を付けてテキサス州ベイシティ所在のEXXON Chemical Co.によって製造されているようなマイクロポーラス(微小細孔)フィルム、およびHYTRELブレンドP18−3097の名称を付けてオハイオ州シンシナティに所在のClopay Corporationによって製造されているようなモノリシックフィルムのような材料を含むことができる。一部の通気性複合材料は、E.I.DuPont社の名前で1995年6月22日に発行されたPCT出願第WO95/16746号、Curroの名前で1999年2月2日に発行された米国特許第5,865,823号、および1996年11月5日にDobrinらへ発行された米国特許第5,571,096号の中で極めて詳細に記載されている。これらの参考文献各々は、本明細書の一部をなす。
【0017】
バックシート26、またはそれのいずれかの部分は、1つ以上の方向において弾性的に伸張性であってよい。ある実施形態では、バックシート26は、本明細書の一部をなす1996年5月21日にChappellらへ発行された「ゴム様行動を示すウェブ材料(Web Materials Exhibitihg Elastic−Like Behavior)」と題する米国特許第5,518,801号により完全に記載されているように構造的ゴム様フィルム(「SELF」)ウェブを備えることができる。また別の実施形態では、バックシート26はエラストマーフィルム、フォーム、ストランド、またはこれらもしくはその他の適切な材料と不織布もしくは合成フィルムとの組み合わせを備えることができる。
【0018】
バックシート26は、この技術分野において知られているいずれかの取り付け手段によってトップシート24、吸収性コア28、またはおむつ20の他のいずれかの要素に接合されてよい。例えば、取り付け手段は接着剤の均一連続層、接着剤のパターン付き層、または接着剤の別々の線、らせん、もしくは斑点の配列を含むことができる。あるいはまた、取り付け手段は、熱接着法、圧力接着法、超音波接着法、動的機械的接着法、または他のいずれかの適切な取り付け手段もしくは技術において知られているこれらの取り付け手段の組み合わせを備えることもできる。
【0019】
トップシート24は、好ましくはコンプライアントで、感触が柔らかで、さらに装着者の皮膚に非刺激性である。さらに、トップシート24の少なくとも1部分は液体透過性であり、その全厚を通して液体が容易に浸透するのを許容する。適切なトップシート24は、例えばポーラスフォーム;網状フォーム;開口プラスチックフィルム;または天然繊維(例、木材もしくは綿繊維)、合成繊維(例、ポリエステルもしくはポリプロピレン繊維)、もしくは天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布ウェブまたは不織布ウェブのような広範囲の材料から製造することができる。
【0020】
トップシートが繊維を含む場合は、繊維はスパンボンド加工、カード加工、ウェットレイ加工、メルトブロウン加工、ハイドロエンタングル加工、またはさもなければこの技術分野において知られている別の方法で加工処理されてよい。ステープルポリプロピレン繊維のウェブを備える1つの適切なトップシート24は、名称P−8を付けてマサチューセッツ州ウォルポールに所在のVeratec.Inc.のDivision of International Paper Companyによって製造されている。
【0021】
適切な成形フィルムトップシートは、1975年12月30日にThompsonへ発行された「先細毛管を有する吸収性構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」と題する米国特許第3,929,135号;1982年4月13日にMullaneらへ発行された「汚れ抵抗性トップシートを有する使い捨て吸収性製品(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」と題する米国特許第4,324,246号;1982年8月3日にRadelらへ発行された「繊維様特性を示す弾力性プラスチックウェブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber−Like Properties)」と題する米国特許第4,342,314号;1984年7月31日にAhrらへ発行された「非光沢可視表面および布様触感を示す肉眼的に拡張させた三次元プラスチックウェブ(Macroscopically Expanded Three−Dimensional Plastic Web Exhibiting Non−Glossy Visible Surface and Cloth−Like Tactile Impression)」と題する米国特許第4,463,045号;および1991年4月9日にBairdへ発行された「多層ポリマーフィルム(Multilayer Polymeric Film)」と題する米国特許第5,006,394号に記載されている。
【0022】
その他の適切なトップシート30は、いずれも本明細書の一部をなす各々1986年9月2日および1986年12月16日にCurroらへ発行された米国特許第4,609,518号および第4,629,643号に従って製造される。そのような成形フィルムは「ドリウィーブ(DRI−WEAVE)」としてオハイオ州シンシナティに所在のThe Procter & Gamble Companyから、および「クリフ−T(CLIFF−T)」としてインディアナ州テレホートに所在のTredegar Corporationから入手可能である。
【0023】
トップシート24は、吸収性コア28に含まれた液体から装着者の皮膚を隔離するために疎水性材料から作られる、または疎水性にするために処理される。トップシート24が疎水性材料から作られている場合は、好ましくはトップシート24の少なくとも上面は液体がトップシートを通ってより急速に移動するように親水性にするために処理されている。これは排泄物がトップシート24を通って引き出されて吸収性コア28によって吸収されるよりむしろトップシート24から流出する可能性を減少させる。
【0024】
トップシート24は、それを界面活性剤処理することによって、またはトップシートに界面活性剤を組み込むことによって親水性にすることができる。トップシート24を界面活性剤処理する、またはトップシート内に界面活性剤を組み込むための方法は、1991年1月29日にReisingらへ発行された「多層吸収性層を備えた吸収性製品(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers)」と題する米国特許第4,988,344号および1991年1月29日にReisingへ発行された「急速収集性吸収性コアを備えた吸収性製品(Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores)」と題する米国特許第4,988,345号、およびAzizらの名前で1997年7月1日に発行された米国SIR(法定発明登録)第H1670号の中で記載されている。これらの参考文献各々は、本明細書の一部をなす。
【0025】
これは、例えば製造プロセスおよび/または下記で説明されるようなSCOTCHGUARDのようなポリテトラフルオロエチレン化合物または疎水性ローション組成物のようなトップシート24に疎水性化処理を適用する工程から親水化化処理工程を除去することによって達成できる。そうした実施形態では、アパーチャーは重大な抵抗を伴わずに尿のような水性液体の浸透を許容するのに十分な大きさであることが好ましい。
【0026】
トップシート24のいずれかの部分は、この技術分野において知られているようなローションでコーティングされてよい。適切なローションの例には、1997年3月4日にRoeへ発行された「皮膚軟化剤および多価アルコール系ポリエステル固定剤を含有するローション含有トップシートを有する使い捨て吸収性製品(Disposable Absorbent Article Having A Lotioned Topsheet Containing an Emollient and Polyol Polyester Immobilizing Agent)」と題する米国特許第5,607,760号;1997年3月11日にRoeへ発行された「液体多価アルコール系ポリエステル皮膚軟化剤および不動化剤を備えるローショントップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotion Topsheet Comprising A Liquid Polyol Polyester Emollient And An Immobilizing Agent)」と題する米国特許第5,609,587号;1997年6月3日にRoeらへ発行された「ポリシロキサン系皮膚軟化剤を含有するローション含有トップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet Containing A Polysiloxane Emollient)」と題する米国特許第5,635,191号;および1997年7月1日にRoeらへ発行された「ローション含有トップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet)」と題する米国特許第5,643,588号に記載されているものが含まれる。ローションは、上記の疎水性化処理として単独もしくは他の薬剤と結合して機能することができる。
【0027】
トップシートはさらにまた抗菌剤を含むことができる、または抗菌剤を用いて処理することができるが、それらの一部の例はTheresa Johnsonの名前で1995年9月14日に発行された「臭気制御のためにトップシート中に抗菌剤を含有する吸収性製品(Absorbent Articles Containing Antibacterial Agents in the Topsheet For Odor Control)」と題するPCT国際公開第WO95/24173号に開示されている。さらに、トップシート24、バックシート26またはトップシートもしくはバックシートのいずれかの部分はより布様外観を提供するためにエンボス加工および/またはマット仕上げ加工されてもよい。
【0028】
トップシート24およびバックシート26は、この技術分野において知られている取り付け手段によって相互に、吸収性コア28に、またはおむつ20の他のいずれかの要素に接合されてよい。例えば、取り付け手段は接着剤の均一連続層、接着剤のパターン層、または接着剤の個別の線、らせんもしくは斑点の配列を含むことができる。あるいはまた、取り付け手段は熱接着法、圧力接着法、超音波接着法、動的機械的接着法、または他のいずれかの適切な取り付け手段もしくは技術において知られているこれらの取り付け手段の組み合わせを備えることもできる。
【0029】
吸収性コア28は技術において知られているいずれかの吸収性材料を備えることができる。吸収性コア28は、吸収性コア28は極めて様々なサイズおよび形状(例、長方形、砂時計形、「T」字形、非対称形等)で製造されてよく、さらに使い捨ておむつやその他の吸収性製品で一般に使用される概してエアフェルトと呼ばれる微粉砕木材パルプのような極めて様々な液体吸収性材料を備えていてよい。
【0030】
その他の適切な吸収性材料の例には、クレープセルロースワッディング;コフォームを含むメルトブロウンポリマー類;化学的剛性、変性もしくは架橋結合セルロース繊維;ティッシューラップおよびティッシューラミネートを含むティッシュー;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル化材料;またはその他の既知の吸収性材料または材料の組み合わせが含まれる。
【0031】
吸収性コア28の形状および構成はさらにまた様々であってよい(例えば、吸収性コアまたはその他の吸収性構造は様々な厚みの区域、親水性勾配、超吸収性勾配、または低平均密度および低平均坪量収集区域を有していてよい;または1つ以上の層もしくは構造を備えていてよい。)しかし、吸収性コア28の全吸収能力は、おむつ20の設計負荷および用途と適合しなければならない。
【0032】
吸収性コアとして使用するための代表的吸収性構造は、1986年9月9日にWesimanらへ発行された「高密度吸収性構造(High−Density Absorbent Structures)」と題する米国特許第4,610,678号;1987年6月16日にWesimanらへ発行された「2重層構造を備えた吸収性製品(Absorbent Articles With Dual−Layered Cores)」と題する米国特許第4,673,402号;1989年5月30日にAlemanyらへ発行された「低密度および低坪量収集性区域を有する高密度吸収性部材(High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」と題する米国特許第4,834,735号;1989年12月19日にAngstadtへ発行された「ダスティング層を有する吸収性コア(Absorbent Core Having A Dusting Layer)」と題する米国特許第4,888,231号;1992年8月11日にHerronらへ発行された「個別化されたポリカルボキシル酸架橋結合木材パルプセルロース繊維を含有する吸収性構造(Absorbent Structure Containing Individualized,Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」と題する米国特許第5,137,537号;1992年9月15日にYoungらへ発行された「尿失禁管理のための高効率吸収性製品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」と題する米国特許第5,147,345号;1994年8月30日にRoeへ発行された「低粘度糞便のための使い捨て吸収性製品(Disposable Absorbent Article For Low−Viscosity Fecal Material)」と題する米国特許第5,342,338号;1993年11月9日にDesMaraisらへ発行された「水性排泄物のための吸収性フォーム材料およびそうした材料を含有する吸収性製品(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」と題する米国特許第5,260,345号;1995年2月7日にDyerらへ発行された「水性排泄物のための湿潤するまでは薄い吸収性フォーム材料およびこれを製造するためのプロセス(Thin−Until−Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」と題する米国特許第5,387,207号;および1997年7月22日にDesMaraisらへ発行された「極めて高い水−油比を有する高内相エマルジョンから製造された水性液体のための吸収性フォーム材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From Hight Internal Phase Emulsions Having Very Hight Water−To−Oil Ratios)」と題する米国特許第5,625,222号に記載されている。これらの特許各々は、本明細書の一部をなす。
【0033】
おむつ20はさらにまた、改良フィットおよび封じ込めを提供するのに役立つ1つ以上の弾性ウエスト装備34を備えることができる。弾性ウエスト装備34は、1985年5月7日にKievitらへ発行された米国特許第4,515,595号;1987年12月1日にLashへ発行された米国特許第4,710,189号;1992年9月9日にBuellへ発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellへ発行された米国特許第5,221,274号に開示されているものを含む数多くの相違する形状で構成することができる。
【0034】
その他の適切なウエスト形状は、1991年6月25日にRobertsonへ発行された米国特許第5,026,364号および1989年3月28日にForemanへ発行された米国特許第4,816,025号に記載されているもののようなウエストキャップ装備を含むことができる。上記の参考文献は全て、本明細書の一部をなす。
【0035】
おむつ20はさらにまた留め具システム40を含むことができる。留め具システム40は、好ましくは装着者上におむつ20を保持するためにおむつ20の周囲の周りで側方張力を提供できるように重複構成で第1ウエスト領域36および第2ウエスト領域38を維持する。留め具システム40は、好ましくはテープタブおよび/またはフックおよびロープ留め具構成要素を備えるが、他のいずれかの既知の留め具手段も概して容認できる。
【0036】
一部の代表的留め具システムは、1974年11月19日にBuellへ発行された「使い捨てオムツのためのテープ留め具システム(Tape Fastening System for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,848,594号;1987年5月5日にHirotsuらへ発行された「吸収性製品(Absorbent Article)」と題する米国特許第B1 4,662,875号;1989年7月11日にScrippsへ発行された「改良留め具装置を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having An Improved Fastening Device)」と題する米国特許第4,846,815号;1990年1月16日にNestegardへ発行された「改良フック留め具を備えた使い捨ておむつ(Disposable Diaper With Improved Hook Fastener Portion)」と題する米国特許第4,894,060号;1990年8月7日にBattrellへ発行された「感圧接着剤留め具およびこれの製造方法(Pressure−Sensitive Adhesive Fastener And Method of Making Same)」と題する米国特許第4,946,527号;ならびにここで上記で参照された1992年9月9日にBuellへ発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellへ発行された米国特許第5,221,274号において開示されている。留め具システムはさらに1990年10月16日にRobertsonらへ発行された米国特許第4,963,140号に開示されているような使い捨て形状で製品を保持するための手段を用意することもできる。これらの特許各々は、本明細書の一部をなす。
【0037】
一部の代表的フックは、商標960Eおよび960Dを付されており、Aplix社から入手できる。代表的な適切なループは、商標EBLを付されて3Mからおよび商品番号18904を付されてGuiford社から入手できる。また別の実施形態では、製品を例えばトレーニングパンツのような引き上げ装着型おむつとして使用できるようにパンツを形成するために衣料品の対向する側が継ぎ合わされても、溶接されてもよい。
【0038】
おむつ20は、さらにまたいずれか適切な形状で形成されてシャーシに接合されたサイドパネル30を含むことができる。弾性化サイドパネルを備えたおむつの例は、1989年8月15日にWoodらへ発行された「シャーリング付き耳を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having Shirred Ears)」と題する米国特許第4,857,067号;1983年5月3日にSciaraffaらへ発行された米国特許第4,381,781号;1990年7月3日にVan Gompelらへ発行された米国特許第4,938,753号;ならびにここで上記で引用した1992年9月9日にBuellへ発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBellへ発行された米国特許第5,221,274号;1997年9月23日にLaVonらへ発行された「持続性動的フィットを提供する吸収性製品(Absorbent Articles Providing Sustained Dynamic Fit)」と題する米国特許第5,669,897号; 1995年5月26日に公開された「他方向伸張性サイドパネルを備えた吸収性製品(Absorbent Article With Multi−Directional Extensible Side Panels)」と題するEPO公開第WO95/13775 A1号において開示されており、これらは各々、本明細書の一部をなす。
【0039】
おむつ20は、好ましくはさらに液体およびその他の排泄物の改良封じ込めを提供するレッグカフ32を含む。レッグカフはさらにまたレッグバンド、サイドフラップ、バリヤーカフ、または弾性カフとも呼ばれることがある。米国特許第3,860,003号は、弾性化レッグカフ(ガスケッチングカフ)を提供するためにサイドフラップおよび1つ以上の弾性部材を有する収縮性レッグ(脚の付け根)開口部を提供する使い捨ておむつを記載している。各々1989年2月28日および1990年3月20日にAzizらへ発行された米国特許第4,808,178号および第4,909,803号は、レッグ領域の封じ込めを改良する「直立型(stand−up)」弾性化フラップ(バリヤーカフ)を有する使い捨ておむつを記載している。各々1987年9月22日にLawsonおよび1989年1月3日にDragooへ発行された米国特許第4,695,278号および第4,795,454号は、ガスケッチングカフおよびバリヤーカフを含む二重カフを有する使い捨ておむつを記載している。一部の実施形態では、レッグカフの全部または1部分を上記のようなローションを用いて処理することが望ましい場合がある。
【0040】
本発明の実施形態は、さらに排泄物を受け入れて含有するためのポケット、排泄物のための空間を提供するスペーサー、排泄物の移動を製品内に限定するためのバリヤー、おむつ内に配置された排泄物を受け入れて含有する区画もしくは空間等、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むこともできる。
【0041】
吸収性製品において使用するためのポケットおよびスペーサーの例は、1996年5月7日にRoeらへ発行された「排出性スペーサーを有するおむつ(Diaper Having Expulsive Spacer)」と題する米国特許第5,514,121号;1992年12月15日にDreierらへ発行された「コアスペーサーを有する使い捨て吸収性製品(Disposable Absorbent Article Having Core Spacer)」と題する米国特許第5,171,236号;1995年3月14日にDreierへ発行された「ポケットカフを有する吸収性製品(Absorbent Article Having A Pocket Cuff)」と題する米国特許第5,397,318号;1996年7月30日にDreierへ発行された「尖端を備えたポケットカフを有する吸収性製品(Absorbent Article Having A Pocket Cuff With An Apex)」と題する米国特許第5,540,671号;および1993年12月3日に公開された「衛生吸収性製品において使用するためのスペーサーおよびそうしたスペーサーを有する使い捨て吸収性製品(Spacers For Use In Hygienic Absorbent Articles And Disposable Absorbent Articles Having Such Spacer)」と題するPCT国際出願第WO93/25172号;および1994年4月26日にFreelandへ発行された「使い捨て吸収性製品において使用するための柔軟性スペーサー(Flexible Spacers For Use In Disposable Absorbent Articles)」と題する米国特許第5,306,266号に記載されている。
【0042】
区画または空間の例は、1990年11月6日にKhanへ発行された「使い捨て糞便区画化おむつ(Disposable Fecal Compartmenting Diaper)」と題する米国特許第4,968,312号;1991年2月5日にFreelandへ発行された「排泄物隔離のための弾性ライナーを備えた吸収性製品(Absorbent Article With Elastic Liner For Waste Material Isolation)」と題する米国特許第4,990,147号;1991年11月5日にHoltらへ発行された「使い捨ておむつ(Disposable Diapers)」と題する米国特許第5,62,480号;1993年12月14日にFreelandらへ発行された「使い捨て吸収性製品のための三等分トップシートおよびそうした三等分トップシートを有する使い捨て吸収性製品(Trisection Topsheets For Disposable Absorbent Articles And Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Topsheets)」と題する米国特許第5,269,755号に記載されている。
【0043】
適切な横断バリヤーの例は、Dreierらの名前で1996年9月10日に発行された「複数の実効高横断区分を有する吸収性製品(Absorbent Article Having Multiple Effective Height Transverse Partition)」と題する米国特許第5,554,142号;Freelandらの名前で1994年7月7日に公開された「直立横断区分を有する吸収性製品(Absorbent Article Having An Upstanding Transverse Partition)」と題するPCT国際特許第WO94/14395号;およびRoeらへ1997年8月5日に発行された「角直立横断区分を有する吸収性製品(Absorbent Article Having Angular Upstanding Transverse Partition)」と題する米国特許第5,653,703号に記載されている。上記に引用した参考文献は全て、本明細書の一部をなす。
【0044】
本発明の実施形態はさらにまた図21に示されているような排泄物処置装置110を含むことができる。排泄物処置装置110は、糞便、尿またはその両方を収集するための排泄物バッグ111を含むことができる。排泄物バッグ111は、装着者の肛門周囲領域に好ましくは粘着取り付けするための開口部121および開口部を取り囲むフランジ112を有することができる。さらに、排泄物処置装置110は、衣料品、またはおむつ、好ましくは使い捨ておむつと一緒に使用した場合に特に有用かつ有益であることが発見されている。排泄物バッグ111を含むおむつ120のような吸収性製品の1つの例は図22に示されている。おむつ120または他の衣料品と結び付けた場合は、排泄物バッグ111は製品上に配置されても、または製品のいずれかの表面に接合されてもよい。ある実施形態では、排泄物バッグ111はおむつ120のトップシート124に接合することができる。
【0045】
排泄物バッグ111は、好ましくは排泄された糞便または尿の封じ込めのための柔軟性容器である。従って、排泄物バッグ111は好ましくは液体不透過性であるが、それでもなお通気性であってよい。さらに、排泄物バッグ111は座ったりするような典型的な装着状態に抵抗するために十分な強さを備えて設計されている。
【0046】
排泄物バッグ111は、1つまたは複数の層を備えることができる。ある実施形態では、排泄物バッグ111は、好ましくは1つがフィルム層で2つが不織布層である3つの層を備えることができる。いずれかのフィルム層のために適切なフィルム材料は、好ましくは熱可塑性材料を備える。熱可塑性材料は、あらゆるタイプのホットメルト接着剤、特にポリエチレン、ポリプロピレン、無定形ポリオレフィンその他のようなポリオレフィン類;セルロース木材パルプ、綿、ジュート麻のような天然繊維;ガラスファイバー、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリアミド、アラミド、ポリテトラフルオロエチレン金属、ポリイミドのような合成繊維を含む繊維もしくはポリマー結合剤を備える溶融可能な成分を含有する材料;一部の成分材料が溶融できない混合物を備える材料である、二成分ハイメルト/ローメルトポリマー、コポリマーポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル/ポリ塩化ビニルコポリマー、コポリマーポリアミドのような結合剤;バックシートに関して上記で説明されたようなマイクロポーラスフィルムを含む空気および蒸気透過性材料並びにDuPont社から入手可能なHYTREL(登録商標)よびフランスのELF Atochem社から入手可能なPebax(登録商標)ようなモノリシック通気性材料から選択することができる。
【0047】
排泄物バッグ111はいずれかの形状またはサイズを有することができる。好ましい形状は、平坦な環状形バッグ、円錐形バッグ、切頭円錐形バッグおよびピラミッド形もしくは切頭ピラミッド形バッグおよび平坦なT字形バッグを含む。さらに、排泄物バッグ111は同一であっても相違していてもよく、それらの各々の周囲で密閉することのできる単一材料片または多数の個別材料片から用意することができる。
【0048】
排泄物バッグ111はさらにまた吸収性材料を含有することができる。吸収性材料は、液体を吸収かつ保持することのできるいずれかの吸収性材料を備えることができる。吸収性材料は、使い捨ておむつおよびその他の吸収性製品に一般に使用される広範囲の液体吸収性材料を備えていてよい。一部の例は吸収性コアに関連してここで記載されている。
【0049】
排泄物バッグ111には、バッグ空洞内に貯蔵される前にそれによって糞便または尿が身体から受け取られる開口部121が備えられる。開口部121は、好ましくはフランジ112によって取り囲まれており、例えば円形、長楕円形のようないずれかの形状またはサイズで用意され、対称性であっても非対称性であってもよいが、好ましくは開口部は長手方向または横断方向のいずれかに長楕円形の形状を有する。フランジは装着者の会陰、生殖器および/または尾骨領域に適合するように設計された張り出し部を備えることができる。
【0050】
フランジ112は、肛門周囲または泌尿生殖器領域にフランジ112を容易に配置できるように柔らかく柔軟性で適応性がある材料から作られなければならない。典型的な材料は、不織布材料、織布、オープンセル熱可塑性フォーム、クローズドセル熱可塑性フォーム、オープンセルフォームと伸縮性不織布のコンポジット、およびフィルムを含む。
【0051】
排泄物バッグ111は、好ましくはさらに装置を装着者に接合するための手段を備える。そうした手段には、ここで記載された、または技術において知られている接合/取り付け機構のいずれかを備えることができ、さらに例えばストラップ、ベルト、ひも、テープ、フック(もしくはフックとループ)構造、および/または排泄物バッグ111もしくはフランジの装着者に面する部分に適用される身体適合性感圧接着剤を備えることができる。装着者の肛門周囲または泌尿生殖器領域に装置を取り付けるためには、例えば親水コロイド接着剤およびヒドロゲル接着剤のようなあらゆる皮膚に優しい防水性感圧接着剤を使用することができる。比較的に無痛の適用および取り外しを可能にしながらフランジを敏感な肛門周囲領域で装着者の皮膚に固定するために望ましい粘着特性を提供することに特に有効な接着剤は、三次元基質を形成するためにポリマーと可塑剤を架橋結合させることから形成される。
【0052】
本発明の製品は、さらにまた例えば糞便および月経のような粘性排泄物の化学的もしくは物理的特性(例、付着性)を変性させることのできる1種以上の糞便変性剤(「FMA」、「粘性排泄物変性剤」、「変性剤」もしくは「薬剤」)を有効濃度で含むこともできる。ここで使用するように、「糞便変性剤」(もしくはFMA)は、下記のように硬さ試験法(Hardness Method)により測定したときに所定の糞便類似体、または好ましくは実際の糞便の硬さを少なくとも約100%増加させる、または少なくとも約25%低下させることのできるいずれかの化学組成物を意味する。しかし、特定製品の設計および糞便のタイプに依存して、糞便の有効粘度を増加もしくは減少させる、糞便の脱水の容易さを増加もしくは減少させる、糞便の粘着性を低下させる、糞便の粘着特性を減少させる、または上記のいずれかの組み合わせである実施形態は予想されている。
本発明の糞便変性剤は、固形糞便の特性を変性させられる可能性があるが、FMAは一般に制御応力流動計上の平行プレートを使用した制御応力流動度測定試験において、剪断速度が概して1l/sec(約35℃で)のときに約10cPより大きく約107cPより小さい粘度、およびより好ましくは剪断速度が1l/secのときに約102cP〜107cPの粘度を有する粘性流動性糞便の特性を変化させることに最も有効である。(参考のために、水は20℃で1.0cPであり、Jif Creamy ピーナッツバター(オハイオ州シンシナティ州に所在のProcter & Gamble Co.から入手可能)はこの同一剪断速度で25℃のときにおよそ4×105cPである。)ここで使用するような粘度を測定する方法は、下記の試験方法の部で詳細に説明されている。
【0053】
糞便への化学薬品の特定作用とは無関係に、化学薬品は、その機能を実行するためには糞便にとって利用可能でなければならない。ここで使用するように、FMA、もしくは糞便除去性を強化するための他の組成物の関連において、用語「利用可能」は、製品内もしくは装着者の皮膚上に堆積した糞便の少なくとも1部分に直接に接触するように、または薬品もしくは組成物を糞便の少なくとも1部分に移せるように、装着者の皮膚の少なくとも1部分に接触させられるように、製品の通常の装着の経過中に組成物/薬剤が製品内に配置されている、または製品もしくは製品の構成要素によって与えられることを意味している。組成物/薬剤が開口部内(例、トップシート下の吸収性層内)に配置されている場合は、その構造は実質的に糞便によって透過性でなければならない。そうした場合には、その構造が下記の方法の部で詳細に記載される受け入れ量測定法によって測定したときに約0.50g/cm/Jより大きい圧力下受け入れ量(Acceptance Under Pressure)を有する場合、および好ましくは約1.0g/cm/Jより大きい圧力下受け入れ量を有する場合に、薬剤は「利用可能」である。薬剤が被包されている場合は、糞便が製品内に噴出した時点もしくはほぼその時点に製品によって放出されなければならない。例えば、FMAは尿もしくは糞便水と接触するとFMAを溶解かつ放出して糞便および/または皮膚に接触させる水溶性フィルムによって保持されてよい。
【0054】
本明細書において使用されている、FMAの「有効濃度」なる語は、製品内もしくは装着者の皮膚上で糞便の少なくとも1部分の硬さ(下記で記載される硬さ試験法で測定されるような)に測定可能な作用を有するために必要とされる薬剤の相対量のことを言う。「有効濃度」を例示するデータは、下記に提供されている。好ましくは、処理される糞便の少なくとも約0.01重量パーセントのFMA濃度が望ましく、さらにより典型的にはFMAの約0.1と約50重量パーセントの間が糞便に利用可能である。例えば、5重量パーセントレベルでおむつ内の全25gの糞便負荷を処理(すなわち、「バルク」処理)するためには、糞便塊に1.25gのFMA(糞便の比重を1.0と仮定して)が利用可能でなければならない。従って、FMAは、好ましくは製品内において製品の重量で約0.001%〜約50%の範囲内の濃度で存在する。しかし、典型的には、濃度は製品の重量で約0.01%〜約20%である。
【0055】
FMAは、好ましくは室温(20〜25℃)で処理される糞便の約20重量パーセント以下の濃度で糞便類似体、および好ましくは実際の糞便の硬さを約25%低下させることができる、または、硬さを約100%増加させることができる。より好ましくは、FMAは処理される糞便の約10重量パーセント以下の濃度で糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約25%低下させることができる、または、硬さを約100%増加させることができる。いっそうより好ましくは、FMAは処理される糞便の約5重量パーセント以下の濃度で糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約25%低下させることができる、または、硬さを約100%増加させることができる。別の好ましい実施形態では、FMAは処理される糞便の約1重量パーセント以下の濃度で糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約25%低下させることができる、または、硬さを約100%増加させることができる。さらにまた別の好ましい実施形態では、FMAは処理される糞便の約0.5重量パーセント以下の濃度で糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約25%低下させることができる、または硬さを約100%増加させることができる。典型的には、FMAは処理される糞便の約0.1〜約10重量パーセントの濃度で糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約25%低下させることができる、または硬さを約100%増加させることができる。
【0056】
好ましくは、硬さにおける明確な低下もしくは増加は、糞便との接触後の約30分間以内、より好ましくは約15分間以内、いっそう好ましくは約5分間以内、よりいっそう好ましくは約3分間以内の範囲内、および最も好ましくは約1分間後に引き起こされる。典型的には、望ましい硬さの変化は約1分間〜約10分間の範囲内で引き起こされる。より好ましい実施形態では、硬さにおける明確な低下もしくは増加は、処理される糞便の重量で約5パーセント以下のFMA濃度で約3分間以内に、または処理される糞便の重量で約1.5パーセントのFMA濃度で3分間以内に引き起こされる。別の好ましい実施形態では、FMAは約5%以下の濃度で約3分間以内に糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約200%増加させることができる。さらに別の好ましい実施形態では、FMAは約5%以下の濃度で約3分間以内に糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約400%増加させることができる。
【0057】
別の好ましい実施形態では、FMAは約5%以下の濃度で約3分間以内に糞便類似体もしくは実際の糞便の硬さを約50%低下させることができる。
【0058】
2種類の合成糞便類似体材料の基準硬さ値は表Iに示されている。(硬さは、糞便の複素弾性率に極めて密接に関連していることが発見されている。)類似体Aは典型的な「柔らかな液状(runny)」糞便の含水量、硬さ、および粘着特性を表しており、他方類似体Bは典型的な「かゆ状(pasty)」糞便を表している。これら2種の糞便の濃度は、FMAの活性をより明確に例示できるようにシミュレートされている。類似体AおよびBを調製する方法は、下記の試験方法の部で記載されている。
【0059】
【表1】

【0060】
糞便類似体AおよびBは、FMAの性能を評価するためのしっかりした繰り返し可能な手段を提供する。しかし、実際の糞便は極めて複雑な物質である。一定の化学的処理に対して、実際の糞便に対するFMAの作用は上記の類似体のいずれに対する作用よりも大きい可能性がある。評価された薬剤の1種について、硬さ試験データは処理に対する相対反応における類似性を証明するために糞便類似体および実際の糞便についての硬さの変化に関して提示されている。これらの実験で使用された実際の糞便は、複合「柔らかな液状」糞便サンプルと複合「かゆ状」糞便サンプルの両方から構成された。
複合「柔らかな液状」糞便サンプルは、2人の米国の母乳栄養の生後4ヵ月の男児によって生じた数回の排便(尿によって汚染されていない)を使用してプールされた。複合「かゆ状」サンプルは、2人の米国の乳児−生後4ヵ月の調合乳栄養男児および母乳から食卓での食事への「移行」食を摂っている生後12ヵ月の男児−によって生じた数回の排便(尿によって汚染されていない)を使用してプールされた。糞便のプーリングは、英国ロンドンに所在のSeward Medical,Ltd.によるSeward Stomacher 400 Lab Systemによって遂行された。参考のために、未処理(すなわち、収集されたまま)でプールされた「柔らかな液状」糞便サンプルの硬さは28グラムであり、未処理でプールされた「かゆ状」糞便サンプルの硬さは297グラムであった。
【0061】
数種の比較サンプルと糞便類似体を混合する作用は下記の表IIに例示されている。全ての比較材料は、下記のサンプル調製方法の部に記載されているように糞便類似体と混合された。上記のデータにおいて明白であるように、硬さにおける望ましい変化は比較材料によっては達成されなかった。
【0062】
【表2】

【0063】
本発明の糞便変性剤は、糞便の固体構造から糞便の液体部分(すなわち、水)を分離することができるおよび/または固体糞便成分への糞便水の「結合」度を低下させることができる1種以上の「水遊離」剤を含むことができる。理論によって結び付けることを望まなくとも、糞便は数種類の状態で水を備えると考えられる。例えば、糞便は遊離水、結合水(結合水はポリマー「ゲル」構造内に組織化された、または糞便基質中の他の荷電素子と結び付けられている粒子の表面上の電気的二重層によって「コロイド状」構造内に保持される可能性がある)、および閉じ込め水(例えば、細菌の内側に)を含んでいる。さらにまた、糞便の固体およびポリマー成分は遊離水もしくは「非結合」水と比較して結合水をより高いエネルギー状態(即ち、基質から水を分離するためにはより多くのエネルギーが必要とされる)へ組織化するように作用すると考えられる。
(糞便(可溶性および不溶性)の固体成分は、一般に下記のうちの1種以上を含んでいる;未消化食物(例、繊維)、細菌、長鎖多糖類、脂肪、石鹸類、たんぱく質小球その他)。糞便のような粘性排泄物の含水量は相当に高く、一般には重量で50%より高く、さらにしばしば約60%〜約95%の間である。しかし、従来型吸収性製品は糞便基質からほとんどの水分を分離することはできない。(ここで使用するように、用語「糞便基質」は生体高分子のような何らかの固体もしくは可溶性成分を含む、全体としての糞便を意味する。)従って、適正に含有できるように実際に吸収されるのは極めて僅かな糞便(一般には遊離水のほんの1部分)に過ぎない。
【0064】
本発明のFMAもしくはその他の組成物中に糞便基質から結合水および/または閉じ込め水を分離するように作用する「水遊離」剤を含めると、糞便に関する吸収性構造の有効性および/または装着者の皮膚からの糞便の除去性を改良することができる。糞便もしくは類似体中の「遊離した水」は糞便粘度の低下を生じさせながら糞便塊内に留まることができる、または水と残りの糞便の2つの別個の層を形成して糞便から完全に分離することができる。水が完全に分離した場合は、残りの糞便は有意により硬くなり、粘着性がより低くなる。糞便と接触している吸収性材料が存在しない場合には、糞便基質からの水の遊離は糞便の液体部分がより自由に流れることを許容することによって糞便塊全体の粘度を低下させる。しかし、遊離した水が完全に糞便塊から分離させられると、残りの糞便の粘度もしくは硬さは上昇させられるであろう。さらに、水の除去は糞便固体を基質内に維持されていたときより概して相互により強度に結び付いているよりバラバラの固体粒子に凝塊形成させるために役立つ(粒子間斥力の減少は粒子の凝塊形成を惹起してそれらの間に保持されていた水を遊離させると考えられる)。糞便の粘度の低下は一般に皮膚への付着を減少させ、吸収性構造内への浸透を促進する。従って、吸収性製品の総合的性能は重大に改良される可能性がある。
【0065】
糞便のコロイド状もしくはゲル状の性質の不安定化によって惹起される水の遊離は、好ましくは糞便の粘度および付着を低下させ、さらに糞便が吸収性構造内へ流入する能力を増加させるが、これはさらに処理された糞便と接触しているいずれかの吸収性材料が脱水して糞便を不動化する能力を増強する可能性がある。しかし、一部の実施形態では吸収性構造の表面上で不動化を発生させることが望ましくない場合があるが、それは糞便の固体分画がまだ使用者に接近できる可能性があるためである。そこで、糞便が使用者から離れて不動化されるためにその構造の望ましい深さもしくは場所へ浸透するまでは粘性排泄物が吸収性媒体と接触することを制限することがおそらく好ましいであろう。そうした実施形態では、吸収性構造の表面上で、または吸収性構造と接触する前に糞便粘度は好ましくは低下させられ、それが十分に構造内に浸透したら脱水および/または不動化させられる。
【0066】
上記のように糞便の粘度を低下させるように作用する糞便変性剤には次のものが含まれるが、それらに限定されない:有機および無機凝集剤類、およびその他。無機凝集剤には、鉄、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、およびそれらの混合物の塩類を含むがそれらに限定されない二価および三価金属塩が含まれるがそれらに限定されない。そうした塩類は、糞便コロイド構造において粒子状物質の荷電表面と結合した結果として凝集(すなわち、上記の機序のいずれかによる凝集)を生じさせる加水分解産物を形成と考えられる。一部の例には、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム水酸化物、アルミン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、ポリケイ酸硫酸アルミニウム(商標PASSを付けてケベックに所在のHandy Chemical社から入手できる)、硫酸鉄、炭酸カルシウム、およびその他が含まれる。
【0067】
有機凝集剤には、アルブミン、キサンタンゴム、およびグアールゴムのような天然物質が含まれるが、それらに限定されない。合成凝集剤は、概して非架橋結合水溶性分子もしくはポリマーであり、アクリルおよびアクリルアミドポリマー類ならびにそれらの誘導体類(極めて低濃度(1重量パーセントの数百分の1)で)、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート類、ポリアミド類、ポリ酸化エチレン、およびアリルアミンポリマー類を含むことができる。好ましくは、これらはカチオン性ポリマー種である。(出願人は理論によって結び付けられることを望んでいないが、これらの物質は糞便粒子分画の負に荷電した領域と結び付き、さらに正味粒子間反発荷電を減少させることによって機能すると考えられる。)一部の合成凝集剤は高濃度で使用されると水溶液の粘度を増加させるように作用し、下記では糞便増粘剤として考察される。さらに、一部の有機凝集剤は高過ぎる濃度で使用されると、それらの作用が逆転させられる可能性があることを言及しておくことも重要である。従って、これらの薬剤が荷電粒子と結び付くために必要な量を超えて使用された場合はゲルを形成する傾向を有するので、水が糞便によってより緊密に保持される可能性がある。
【0068】
理論によって結び付けられることを望まなくとも、凝集剤は電荷の中和、架橋、および静電パッチングを含む多数の機序のいずれかによって基質内での構成粒子の凝集を増強することによってコロイドを不安定化させると考えられる。電荷の中和によるコロイド系の凝集は、薬剤が構成粒子の表面に吸着して電気的二重層ポテンシャルを低下させたときに発生する。薬剤は理論的には粒子の荷電界面で累積して粒子が凝集するのを許容することによって基質の固体粒子の表面上での安定化反発表面電荷を低下させるように機能する。こうして、基質内に「結合されて」保持された(すなわち、粒子間に保持された)水は、構造がつぶれるにつれて遊離させられる。「架橋」は、長鎖高分子電解質がコロイド状基質内の粒子に吸着して基質のバルク内に伸長し、そこで基質内の他の粒子の最も近い近接距離に及ぶことができたときに発生すると考えられる。これは結果として粒子の凝集および結合水の遊離を生じさせる。「静電パッチング」は、凝集ポリマーが完全に粒子に吸着するにつれて幾何学的制限が完全な電荷の中和を妨害する場合に発生する可能性がある。これは、衝突すると他の粒子上の負のパッチに攻撃する粒子上で正の「パッチ」もしくは領域の形成を生じさせる可能性がある。これはさらにまた、粒子間の電気的反発における正味減少を原因とする粒子の凝集を生じさせる。
【0069】
合成有機凝集剤(例、ポリアクリレート類)の一部の架橋結合誘導体類またはそれらの誘導体類は、この技術分野において超吸収性ポリマー類として知られており、例えば尿および月経のような極めて低粘性水性排泄物に接触すると水に不溶性のゲルを形成するように機能する。しかし、これらの架橋結合種は容易には解離(すなわち、溶解)することも糞便基質内の粒子状物質種に吸着することもできないので、それらは凝集剤としては機能しない。
【0070】
数種の代表的な水遊離剤の粘度低下性能は、表IIIに記載されたデータに例示されている。この物質と糞便類似体もしくは糞便との混合については下記のサンプル調製方法の部で記載されている。
【0071】
【表3】

【0072】
上記のような糞便の粘度および/または付着を低下させるように作用する糞便変性剤は、さらにまた還元剤を含むこともできる。例えば、結腸粘液(コロミン酸粘液は概してジスルフィド結合によって結合された高分子糖たんぱく質類を備える)中で発見されるようなジスルフィド結合(−S−S−結合)を還元する物質は、高粘液含量を有する糞便中で重大な粘度低下を引き起こすことができる。理論によって結合されることを望まなくとも、ムチンジスルフィド結合(ムチンポリマー鎖間の架橋として機能する)の還元は「柔らかな液状」糞便のような糞便中の糖タンパク質構造の平均分子量をムチンの「ゲル点」よりはるかに下のレベルまで大きく低下させる(すなわち、糖タンパク質のサイズが相当に小さいために長距離構造が不可能になる)。代表的還元剤には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムのような亜硫酸塩類および亜ジオチン酸ナトリウム、チオール類およびチオールアルコール類(例、2−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、およびジチオエリトリトール)、メルカプト酢酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオ乳酸、チオグリコールアミド、モノチオグリコール酸グリセロール、ホウ化水素類(例、ホウ化水素ナトリウム)、第3級アミン類、チオシアン酸ナトリウムのようなチオシアン酸塩類、チオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩類、チオリン酸ナトリウムのようなチオリン酸塩類、亜ヒ酸ナトリウムのような亜ヒ酸塩類、チフェニルホスフィンのようなホスフィン類、チオフェノールおよびp−ニトロフェノールのようなフェノール類、ベタイン類、ならびに水素化アルミニウムリチウム、塩化アルミニウム、塩酸グアニジン、塩化スズ、ヒドロキシルアミンおよびLiHB(C2H5)3を含むがそれらに限定されないその他のものが含まれる。
【0073】
代表的還元剤(下記の試験方法の部におけるサンプル調製方法に記載されている糞便類似体および実際の糞便と混合した場合における)の粘度低下性能は表IVに記載のデータに例示されている。
【0074】
【表4】

【0075】
本発明の他の特に好ましい実施形態では、糞便の粘度を増加させて付着および移動性を低下させるために、一般に水結合度を増加させることによって糞便の構造を増加させる変性剤が使用される。これは増粘剤を適切な濃度で使用することによって遂行できる。増粘剤は天然であっても合成でってもよく、例えばCMC(カルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸およびその誘導体類、カラゲナン、ポリアクリルアミドおよびその誘導体類、(ポリエチレン)イミン類、ゴム類(キサンタン、グアール、カラヤ、アーガー、イナゴマメゴム、ペクチン、およびガッチゴム(インドゴム)、もしくはそれらの混合物)およびその他の類似材料のような一般に水溶性の(典型的には非架橋結合)ポリマー類である。
カチオン性ポリマー類は、糞便細菌およびバイオポリマーの表面がアニオン性であるために好ましい。増粘剤は、糞便中に遊離水を溶解させ、浸透圧的に水を「結合し」、それによって糞便の固体「構造」を増加させることによって糞便の粘度を増加させる。一般に、従来型超吸収体のような大きな不溶性の高分子電解質性ポリマー粒子は糞便遊離水中に溶解して分子レベルで糞便内に基質を作り出すことができない。一部のFMAは様々なタイプの糞便に相違する方法で遂行することができる(例、1つのタイプの糞便上では凝集剤として作用するFMAが、特定タイプの糞便の構造的特徴における変動のために別のタイプには増粘剤として作用できる場合がある)。これの1つの例は、柔らかな液状糞便類似体に対しては凝集剤として機能するが、かゆ上糞便類似体に対しては同一濃度で増粘剤として機能する水酸化カルシウムである。
【0076】
表Vは、糞便類似体および/または糞便上に増粘剤として作用する様々なFMAの濃度の作用を示している。薬剤と糞便類似体または糞便との混合については、下記のサンプル調製方法の部で記載されている。
【0077】
【表5】

【0078】
さらにまた別の好ましい実施形態では、変性剤はイオン性錯化剤を備える。イオン性錯化剤は、糞便内で構造および剛性の高い領域を形成するためにそれ自体もしくは水もしくは糞便中の他の化学的実体と合成する何らかの単一成分を含むことができる。結果として生じる錯体は、安定化させるため、または糞便内で水とより緊密に結合するために作用する。代表的なイオン性錯化剤には、ZnO、MgO、MnO、CaO、水酸化カルシウム、Al2O3、アルミニウム塩、酢酸亜鉛およびグルコン酸亜鉛のような亜鉛塩、ゼラチン、第四級アンモニウム塩、エタノールアミン類、アルギン酸、臭化アンモニウムセチルトリメチルおよびその他が含まれる)。
あるいはまた、イオン性錯化剤は2種(もしくはそれ以上)の成分系を備えることができるが、このとき錯体(すなわち、長距離構造)は2種の添加された成分(例、アルミニウム、カルシウム、または亜鉛塩類+アルギン酸および/またはそれらの塩類)の相互作用によって作り出される。イオン性錯化剤は、水と合成したときに結晶水化物を形成する場合がある。一般に、カルシウム含有化合物もしくは系(例、CaO、水酸化カルシウム、およびアルギン酸カルシウム等)は最も有効な糞便変性剤の一部である。
【0079】
表VIは、様々なイオン性錯化剤が糞便類似体もしくは糞便の硬さに及ぼす作用を示している。(糞便類似体および/または糞便の混合は、下記のサンプル調製方法で既定されている通りに実施された。)
【表6】

【0080】
さらにまた別の好ましい実施形態では、FMAは糞便の成分上の官能基もしくはそれ自体と反応して糞便基質内で長距離構造を形成することのできる架橋剤を含んでいる。この架橋作用は、長距離ネットワーク構造を形成するために糞便成分を多官能(例、二官能)変性剤によって一緒に結合される「モノマー類」として使用する。そうした変性剤は、アミン基類(例、ジアルデヒド類、アルデヒドジスターチ類)、ヒドロキシル基類(例、エピクロロヒドリン)、および/またはカルボキシル基類(例、ジアミン類)を標的とする場合がある。その他の代表的FMA架橋剤は、Kymene 557−H、557−LX、および2064(デラウェア州ウィルミントンに所在のHercules,Inc.から入手可能)である。表VIIは、代表的架橋剤が15分後に糞便類似体の硬さに及ぼす作用を示している(下記のサンプル調製方法の部で記載されているように、t=攪拌プロセスの開始後15分間)。
【0081】
【表7】

【0082】
一定の実施形態では製品内の糞便の塊全体を処理することが望ましいが(すなわち「バルク」処理)、一部の好ましい実施形態では糞便の1部分だけがFMAを用いて処理される。これらの実施形態では、FMAは糞便内に比較的に短距離しか浸透せず、それによって相当に硬く非粘着性(すなわち、有意に低接着性)である変性外層を形成する。これはFMA利用の観点から、またはFMAを糞便塊内に混合する必要性を排除するために好ましい可能性がある。変性外層は、糞便塊の残りの部分とは相違する物理的特性を備えた糞便塊の表面もしくは近くの1つの領域もしくは層である。好ましくは、変性層は残りの糞便に比較してより硬い(すなわち、より高い降伏応力を有する)、より低粘着性である、および/または糞便中に含まれる揮発性分子の拡散に対するより高い抵抗性を有しており、その結果糞便塊の低い拡延性/運動性および/または装着者の皮膚への糞便塊の低い付着および/または低い糞便臭を生じさせる。好ましくは、変性外層領域は厚さが約1と約1,000ミクロンの間であり、糞便塊の全部もしくはいずれかの部分を被覆することができる。例えば、皮膚/糞便界面にある糞便だけを処理することが適切な場合がある(例、付着を低下させるおよび/または清浄化を促進するまたは装着者の皮膚全体への拡延を低下させるまたは製品内への吸収を促進または拡延を低下させる)。従って、皮膚もしくは製品トップシートの30cm2に渡って10重量%レベルで厚さ1mmの糞便塊の層を処理するためには、糞便と接触する領域において0.30gのFMAが糞便に利用可能でなければならない(糞便の比重を1.0と仮定して)。
【0083】
様々の実施形態で、FMAは本質的に有機もしくは無機の低分子量分子もしくはポリマーであってよく、および/または液状、固体(例、粉末、繊維、フィルム、ウェブ)、または半固体、もしくはそれらの組み合わせであってよい。FMAは、例えばTEFLON微粒子のような技術において知られているあらゆる付着防止剤を含んでいても、またはそれらと組み合わされてもよい。FMAは、水/油もしくは油/水エマルジョン、懸濁液、または混合物中に存在していてもよい。FMAは、個々の個別要素として製品内に配置されても(例、製品内もしくは製品に取り付けられた繊維芯もしくは層として)、またはローションもしくはスキンケア組成物(下記で説明される)のような担体賦形剤、ウェブ、フィルム、ブラシのような繊維構造、上記のようなループ留め具構成要素のために使用されるようなループ構造と一緒に、またはFMAを放出可能に被包するパケット、セルもしくはエンベロープ(外皮)中で結び付けられてもよい(例、少なくとも一時的にその中もしくは上に保持される)。
【0084】
FMAがスキンケア組成物によって糞便および/または皮膚に送達される実施形態では、FMAはスキンケア組成物中で可溶性であっても、または懸濁液中に保持されても,もしくは単純混合物として保持されていてもよい。大きなFMA粒子(例、好ましくは最大寸法で約250ミクロンより大きい)は、スキンケア組成物によって少なくとも部分的に包埋されても、または粘着性に保持されてもよい。本発明の実施形態で使用することのできるスキンケア組成物において有用な一部の代表的材料は、米国食品医薬品局(FDA)のヒトに使用するための店頭販売用皮膚保護薬物製品に関する暫定的最終モノグラフ(U.S.Federal Food and Drug Administration‘s Tentative Final Monograph on Skin Protectant Drug Products for Over−the−Counter Human Use)によって定義されているカテゴリーI活性剤を含むが、それらには現在次のものが含まれている:アラントイン、水酸化アルミニウムゲル、カラミン、カカオバター、ジメチコーン、タラ肝油(組み合わせて)、グリセリン、カオリン、ワセリン、ラノリン、鉱油、サメ肝油、白色ワセリン、タルク、膏薬デンプン、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、およびその他。その他の有用な可能性のある材料は、米国食品医薬品局(FDA)のヒトに使用するための店頭販売用皮膚保護薬物製品に関する暫定的最終モノグラフ(U.S.Federal Food and Drug Administration’s Tentative Final Monograph on Skin Protectant Drug Products for Over−the−Counter Human Use)によって定義されているカテゴリーIII活性剤を含むが、それらには現在次のものが含まれている:生きている酵母菌細胞誘導体類、アルジオキサ、酢酸アルミニウム、マイクロポーラスセルロース、コレカルシフェロール、コロイド状オートミール、塩酸システイン、デクスパンタノール、ペルーバルサム油、タンパク質加水分解物、ラセメチオニン、重炭酸ナトリウム、ビタミンA、およびその他。FDAモノグラフに記載されているスキンケア成分の多くは現在、例えばA and D(登録商標)Ointment(軟膏)、VASELINE(登録商標)Petroleum Jelly(ワセリンゼリー)、DESITIN(登録商標)Diaper Rash Ointment(おむつかぶれ用軟膏)およびDaily Care Ointment(日常のケア用軟膏)、GOLD BOND(登録商標)Medicated Baby Powder(薬用ベビーパウダー)、AQUAPHOR(登録商標)Healing Ointment(膏薬)、BABY MAGIC(登録商標)Baby Lotion(ベビーローション)、JOHNSON’S ULTRA SENSITIVE(登録商標)Baby Cream(ベビークリーム)、Johnson‘s ベビーローション、リップクリーム等のような市販で入手可能なスキンケア製品において利用されている。その他の適切なスキンケア組成物は、米国特許第5,643,588号、米国特許第5,607,760号、米国特許第5,609,587号、および米国特許第5,635,191号に記載されている。これらの特許各々の開示は、本明細書の一部をなす。
【0085】
本発明において有用なスキンケア組成物は、好ましくはそれらが室温で相当に不動性であって製品の装着者に接触する表面上に位置し、体温で装着者に容易に移動可能であり、さらにそれでも極端な貯蔵条件下で完全には液状とはならないような溶融プロフィールを有する。好ましくは,これらの組成物は通常の接触、装着者の運動、および/または体温によって皮膚に容易に移動することができる。
【0086】
好ましい実施形態では、ここで有用なスキンケア組成物は20℃、すなわち周囲温度で固体である、またはよりしばしば半固体である。「半固体」とは、その組成物が偽塑性もしくは塑性液体に典型的なレオロジーを有することが意味される。剪断が全く適用されないときには、それらの組成物は半固体の外観を有するが、剪断速度が上昇するに従って流れるようにさせることができる。これは、それらの組成物が主として固体成分を有している可能性があるが、それらは一部の僅かな液体成分も含んでいる可能性があると言う事実のためである。好ましくは、本発明の組成物は約1.0×106センチポアズと約1.0×108センチポアズの間のゼロ剪断粘度を有する。より好ましくは、ゼロ剪断粘度が約5×106センチポアズと約5×107センチポアズの間である。ここで使用するように用語「ゼロ剪断粘度」は、プレート・アンド・コーン粘度計(適切な器械は型番号CSL100としてデラウェア州ニューキャッスルに所在のTA Instruments社から入手可能である)を使用して極めて低い剪断速度(例、l/秒)で測定された粘度を意味する。当業者であれば、匹敵する粘度を生じさせるために高融点成分以外の手段を使用することも可能であることを認識するであろう。例えば、ローションに高ゼロ剪断粘度を有する構造を備えさせることができるであろうが、剪断が適用されるとそうした構造はつぶれて結果として粘度低下を生じる(このタイプの組成物は降伏値を有すると言われている)。
そうした構造は、例えばベントナイト粘度もしくはモンモリロナイト粘度のような一定の粘度材料、およびヒュームドシリカによって用意することができる。特に好ましいのはGAB−O−SILとしてイリノイ州タスコラに所在のCabot Corp.,Cab−O−Sil Div.から入手可能であるようなヒュームドシリカである。当業者であれば同様にそうした組成物のゼロ剪断粘度は粘度対剪断速度のプロットをゼロの剪断速度へ外挿することによって測定できることも認識するであろう。そうした粘度測定は、約20℃の温度で実施されなければならない。
【0087】
スキンケア組成物担体賦形剤は、1種以上の皮膚保護剤または皮膚軟化剤のような有用な活性成分を含むことができる。ここで使用するように、用語「皮膚軟化剤」は、皮膚を湿潤もしくは刺激から保護する、軟化する、鎮静する、柔軟にする、被覆する、潤滑する、水分補給する、保護および/または清浄化する材料を意味する。(上記に列挙したモノグラフに記載された活性剤の数種は、その用語がここで使用されているように、「皮膚軟化剤」である。)好ましい実施形態では、皮膚軟化剤は周囲温度、すなわち約20℃で可塑性もしくは液状いずれかの粘稠度を有するであろう。そうした粘稠度は組成物に柔らかく、ツルツルしたローション様感触を与えることができる。
【0088】
本発明において有用な代表的皮膚軟化剤には、石油および/または蝋のような石油を基剤とする皮膚軟化剤;ショ糖脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールおよびそれの誘導体類;湿潤剤類;脂肪酸エステル型;アルキルエトキシレート型;脂肪酸エステルエトキシレート;脂肪アルコール型;シリコーン油および/または蝋のようなポリシロキサン型;プロピレングリコールおよびその誘導体類;グリセリド、アセトグリセリド類、およびC12−C28脂肪酸のエトキシル化グリセリド類のようなグリセリンおよびその誘導体類;トリエチレングリコールおよびその誘導体類;鯨蝋もしくはその他の蝋類;脂肪酸類;例えばステアリン酸のような特にそれらの脂肪鎖内に12〜28個の炭素原子を有する脂肪アルコールエーテル類;プロポキシル化脂肪アルコール類;その他のポリヒドロキシアルコール類の脂肪エステル類;ラノリンおよびその誘導体類;カオリンおよびその誘導体類;上記に列挙されたモノグラフに記載されたスキンケア剤のいずれか;またはこれらの皮膚軟化剤の混合物類が含まれるが、それらに限定されない。
【0089】
本発明において有用なスキンケア組成物担体賦形剤の別の好ましい成分は、処理される製品内もしくは上における望ましい位置に組成物(好ましい皮膚軟化剤および/またはその他の皮膚のコンディショニング剤、治療剤もしくは保護剤および/または組成物中に存在するFMA)を不動化することのできる物質である。不動化剤は、組成物が適用される製品の表面上もしくは領域内に主として置かれた皮膚軟化剤を維持することによって皮膚軟化剤が移動もしくは流動する傾向を妨害することができる。これは、一部には不動化剤が組成物の融点および/または粘度を皮膚軟化剤の融点および/または粘度より上方に上昇させるという事実のためであると考えられている。不動化剤は好ましくは皮膚軟化剤と混和可能である(または適切な乳化剤を用いて皮膚軟化剤中に溶解させられる、またはその中で分散させられる)ので、不動化剤は皮膚軟化剤を製品の装着者に接触する表面上またはそれが適用される領域内に閉じ込める。
【0090】
さらにまた、製品の装着者に接触する表面上またはそれが適用される領域内に不動化剤を「固定する」ことも有益である。これは製品に適用されると急速に硬化する(すなわち、固化する)不動化剤を使用することによって遂行できる。さらに、処理された製品の送風機、ファン、常温ロール等による外部の冷却は不動化剤の結晶化をスピードアップする。
【0091】
皮膚軟化剤と混和性である(またはその中に溶解される)ことに加えて、不動化剤は好ましくは周囲温度で固体もしくは半固体である組成物を提供する溶融プロフィールを有する。この点について、好ましい不動化剤は少なくとも約35℃の融点を有する。これは不動化剤が移動もしくは流動する傾向を有することを防止する。好ましい不動化剤は、少なくとも約40℃、およびより典型的には約50℃〜約150℃の範囲内の融点を有するであろう。
【0092】
本発明において使用するために適切な不動化剤は、スキンケア組成物の好ましい特性がここで記載される皮膚にとっての利点を提供する限りにおいて、多数の薬剤のいずれかから選択することができる。好ましい不動化剤は、一般にC14−C22脂肪アルコール類、C12−C22脂肪酸類、および2〜約30の範囲内の平均エトキシル化度を有するC12−C22脂肪アルコールエトキシレート類、およびそれらの混合物からなる群から選択される部材を備える。好ましい不動化剤には、好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびそれらの混合物から選択された結晶状高融点材料であるC16−C18脂肪アルコール類が含まれる。(これらの材料の線形構造は処理された吸収性製品上の固化をスピードアップすることができる。)その他の好ましい不動化剤には、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択されるC16−C18脂肪酸類が含まれる。さらにまた別の好ましい不動化剤には、約5〜約20の範囲内の平均エトキシル化度を有するC16−C18脂肪アルコールエトキシレート類が含まれる。好ましくは、脂肪アルコール類、脂肪酸類および脂肪アルコール類は線形である。重要なことに、例えばC16−C18脂肪アルコールのようなこれらの好ましい不動化剤は組成物が基質の表面上で迅速に結晶化することを惹起することで組成物の結晶化の速度を増加させる。単独で、または上記の不動化剤と組み合わせてのいずれかで不動化剤として使用するために適切なさらにまた別のタイプの成分には、ブラジルロウヤシ、オゾケライト、蜜蝋、カンデリラ、パラフィン、セレシン、アフリカハネガヤ、オーリクリー、レゾ蝋、イソパラフィン、およびその他の既知の地蝋および鉱蝋のような蝋類が含まれる。
【0093】
糞便変性剤は、糞便へのFMAの移動によって直接に糞便に送達されてもよいが、または糞便に移動させられる前に最初に装着者の皮膚もしくは製品の他の要素へ移動させられてもよい。単体賦形剤は使い捨て製品と統合されていても、またはおむつ、トレーニングパンツ、下着、もしくはその他の製品の前に、またはその代わりに装着者に(好ましくは少なくとも肛門周囲領域に渡って)適用される個別製品の構成要素を構成していても、構成要素であってもよい。
【0094】
FMAを担体賦形剤に接合させる手段には、例えば接着剤(特に水溶性接着剤)、水素結合、放出可能な被包化、噴霧法、コーティング法、およびその他のような技術において知られているいずれかの手段を含むことができる。基質へのFMAの水素結合は、FMAまたは基質の少なくとも1部分のいずれかを水で僅かに湿潤させることによって実施することができる。乾燥すると、FMAは放出可能に基質に付着させられている(すなわち、引続いて水と接触すると結合を壊すであろう)。この作用は、湿潤すると「ゲル化」して粘着性になるFMA(例、CMC、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸および誘導体類等)について強化される。湿潤は、接触させる前もしくは接触の時点にFMAおよび基質のどちらか、またはその両方を高湿度環境(例、80%RH[相対湿度]以上)に暴露させることによって遂行できる。あるいはまた、それらの接触の前もしくは接触の時点に薬剤もしくは基質のいずれかの少なくとも1部分の上に水をスプレーしても、霧吹きしても、または噴霧してもよい。そうした場合には、この構造は好ましくは製品内に組み込まれる前に乾燥させられる。
【0095】
FMAは、製品の表面もしくは表面の近くで(例、トップシート/糞便界面で)、製品内で(下記で説明されるように排泄物管理要素120内でのように)、または糞便塊の体側表面(すなわち、最初は皮膚または製品の平面の上方の他の表面に移動させられる)で糞便に接触することができる。典型的には、FMAは装着者の肛門と結び付いている製品の領域(例、おむつの状況では股領域)において糞便と接触するであろう。糞便はあるいはまた、それが開口部、フランジ、弁もしくはその他を通過するにつれて装着者の肛門もしくはその近くでFMAに接触する場合もある。そうした場合には、FMAは糞便が身体から出てくるにつれて糞便の通過圧によって開口部もしくは弁から(例、リザーバーから)絞り出されるもしくは引き出されてよい。開口部は、身体からの糞便の出口点の近くに配置されたFMAもしくはFMAを備える組成物を含有するシート、エンベロープ、パケットもしくはその他の構造内にスリット、スロット、もしくは穿孔部を備えることができる。開口部は、糞便との接触によって溶解されて薬剤もしくは組成物を遊離させる可溶性フィルムによって最初は密封されていてよい。あるいはまた開口部は、その構造が糞便の通過もしくは圧力によって変形させられるにつれて開口させられてもよい。FMAが開口部を通って糞便へ絞り出されるためには身体の圧力および運動に加えて、糞便圧力が役立つ可能性がある。
【0096】
他の好ましい実施形態では、FMAはレッグカフ、ウエストバリヤー、ウエストバンド、排泄物ポケットのようなガスケットまたは糞便スペーサー要素と結び付けることができる。FMAがレッグカフ、ウエストバリヤー、またはウエストポケットのようなガスケッチング要素と結び付けられている実施形態では、FMAは装着者からの排泄物の出口点(例、糞便の出る肛門)の最も近くに配置されたガスケットの部分と結び付けられるのが好ましい。一定の好ましい実施形態では、FMAは糞便の処理および/または皮膚とガスケットとの接触を促進できるようにガスケット材料の表面に放出可能に取り付けられる。FMAは、上記の手段のいずれかまたは技術において知られている他のいずれかの手段によってガスケット表面に放出可能に取り付けることができる。
他の実施形態では、FMAはガスケット表面の少なくとも1部分もしくはその近くで放出可能に被包化されている。糞便スペーサー要素を含む実施形態では、スペーサー要素のいずれかの部分は1種以上のFMAを備えることができる。スペーサー要素は、上記のように薬剤で放出可能にコーティングされてもよい、または少なくとも部分的に水溶性もしくは糞便可溶性フィルムを用いて被覆された(上記のように)薬剤のセル、パケット、またはパウチを備えていてもよい。
【0097】
FMAは、受動的に(例、糞便が通常の装着条件中に流動してそれに接触する、またはFMAが通常の装着者の運動および/または圧力の結果として糞便および/または皮膚に放出される)、能動的に(例、製品内の1要素が信号に反応して糞便にFMAを送達/放出する)、または二次担体(例、最初に装着者の皮膚に移動させられたパウダーもしくはその他のスキンケア組成物)によって送達することができる。糞便へのFMAの送達は、糞便の押出圧力、重量、温度、酵素活性、含水量、および/またはpH;尿の存在(例、尿が排便に反応してもしくは排便を予想して薬剤の放出を誘発する);身体の運動、圧力、もしくは体温;または製品の装着周期中の他のいずれかの誘発因子もしくはイベントの結果として発生する可能性がある。
【0098】
FMAは、最初は製品もしくはそれのいずれかの部分内もしくは上に貯蔵され、引続いてここで記載される誘発イベントのいずれかによって放出されてもよい。一定の好ましい実施形態では、FMAは製品が糞便による噴出を受ける前に薬剤の移動および/または消失を防止できるように、および/または使用中に糞便と接触させるためにFMAを配置するのに役立つようにフィルムの下、セル、パケット、エンベロープその他の中に放出可能に被包化されている。薬剤のためのフィルムカバー、セル、パケットもしくはその他の「容器類」は少なくとも容器の糞便接触表面領域の上に水溶性フィルムを備えることができる。尿、糞便またはその他の糞便からの水は、薬剤を糞便に接触させて糞便を処理するためにフィルムを溶解させて薬剤を放出させる(すなわち、放出を誘発する)。本発明において有用な水溶性フィルムの例は、イリノイ州サウスホランドに所在のChris Craft Industrial Products社からMONOSOL M7031として入手可能なポリビニルアルコールフィルム、またはミネソタ州セントポールに所在のH.B.Fuller Co.からのHL 1636として入手可能なポリビニルアルコールフィルムである。あるいはまた、フィルムは一定の糞便酵素類(例、トリプシン)が存在する場合または一定のpH範囲内においてのみ可溶性であってよい。
【0099】
薬剤の放出は、糞便をその薬剤で包埋もしくは被覆するために急速であってよい(尿もしくは糞便水をガス発生組成物に接触させることによって作り出される爆発性ガス放出を用いた場合のように)。ガス発生組成物は、水と混合された場合もしくは水が一緒に存在した場合にガスを発生する1種以上の物質の粒子、小球その他を備えることができる(例、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムとクエン酸)。粒子は水溶性基質(例、PVA[ポリ酢酸ビニル])中に包埋されてよい。FMAは、フィルムの排泄物接触表面上に配置もしくは付着させられても、またはガス発生組成物と糞便接触表面との間で水溶性フィルム内に包埋されてもよい。従って、例えば糞便中に存在する水が水溶性フィルムを溶解させたときに、ガス発生組成物が活性化され(すなわち、成分が水と混合する)てガスが急速に発生し、FMAと糞便との混合を強制する。粒子は、水と混合されたときに急速に二酸化炭素ガスを遊離させるクエン酸と重炭酸ナトリウムのような組み合わせを備えることができる。あるいはまた、ガス発生組成物は圧縮ガスとFMAを含有する水溶性カプセルを備えることもできる。カプセルと接触する糞便からの水はフィルムを溶解させてガスを爆発的に放出させるように作用することができ、同様に糞便と薬剤との混合または糞便中への薬剤の包埋を強制する。その他の組成物およびガス発生もしくは放出系は、本発明の範囲内に予定されており、従って含まれている。
【0100】
本発明の製品はさらにまたセンサー66、アクチュエーター67、および糞便にFMAを輸送するため、薬剤と糞便を混合するため、または薬剤が糞便と接触するために絞り出されることを惹起するために使用される貯蔵エネルギーを備える反応システム65を含むことができる。1つの好ましい実施形態は、図8に示されているような水溶性ポリビニルアルコールフィルム下に圧縮されて保持されている例えばオハイオ州ハミルトンに所在のPCF Foam CorporationからPG14848T20として入手可能で、1平方インチ当たり20個の孔を有する網状ポリウレタンフォームのような成形圧縮マクロポーラスフォーム68を備えている。フォーム68は追加してFMA75を備える。糞便水との接触は、PVAフィルムの少なくとも1部分の溶解を生じさせ、その結果としてフォーム68内の貯蔵機械的エネルギーが放出され、さらに薬剤が糞便塊の内部へ向かって機械的に輸送される。一定の実施形態では、混合はより多くの比率の糞便塊の処理を容易にするために、上記のように製品内に組み込まれた機構(例、反応システム)、装着者の体重および/または運動からの機械的作用、および/または排便中もしくは排便の作用に引続いての糞便の流動(特に低粘性糞便)によって発生する可能性がある。その他の反応システムについては、1998年6月28日にRoeらの名前で出願された「Disposable Article Having A Discontinuous Responsive System(不連続反応システムを有する使い捨て製品)」(P&G事件7197)と題する同時係属出願の米国特許出願第09/106,424号の中に詳細に記載されている;これはこれにより参照してここに組み込まれる。
【0101】
また別の実施形態では、FMAは吸収性製品の他の要素に接合された、またはそれらから分離された三次元構造上に配置するもしくはそれらに結び付けることができる。例えば、吸収性製品は糞便に接触させてFMAを利用可能にするために役立つ突出部、隆起部、ループその他を備えた要素を含むことができる。ある好ましい実施形態では、糞便変性剤を含むホットメルト樹脂の「ヘアー」もしくはストランドを基質82上にプリントすることができる。(FMAを備えるヘアーを含む基質の例は図7に示されている。)薬剤は、ヘアーの表面に移動して糞便に利用可能になるように樹脂内に組み込むことができる。あるいはまた、薬剤は上記の技術のいずれかによって放出可能にヘアーに接合することもできる。適切なヘアーおよびフックの例は、1991年10月22日にThomasらへ発行された米国特許第5,058,247号;1992年5月26日にThomasらへ発行された米国特許第5,116,563号;1994年7月5日にThomasらへ発行された米国特許第5,326,415号;および1998年6月9日にPeckらへ発行された米国特許第5,762,645号により詳細に記載されている。これらの特許各々は参照してここに組み込まれる。
【0102】
さらにまた別の実施形態では、FMAはブラシ構造60によって糞便および/または皮膚に送達することができるが、その1つの実施例は図6に示されている。ブラシ構造は、複数の実質的に整列したストランド、繊維、撚糸、ストリング、または基質に付着させられたその他のフィラメント状材料を含むことができる。基質は、平面状、曲線状、リボン様であっても、または複合湾曲部を有していても、さらに多孔質(ポーラス)であっても非多孔質(ノンポーラス)であってもよい。ブラシフィラメント62は、糞便がフィラメント62の中もしくは間を容易に通過できるように排泄中に糞便が発揮する力を受けて好ましくは容易に折れ曲がることができる。ブラシフィラメント62は、永続的もしくは放出可能に基質に付加させられていてよい。フィラメント62は、植物もしくは動物起源(例、綿等)、セルロース系もしくは合成系でのものであってよく、さらに相違する長さもしくは類似の長さを有していてよい。FMAは、糞便がブラシフィラメント62を押しのけて進むにつれて薬剤が放出されて糞便と混合されるように、ブラシ構造60のフィラメント62に放出可能に付着させられている。ブラシ構造60は、製品と統合されていても、装着者の肛門周囲領域に個別に適用されてもよく、さらに任意で装着者もしくは製品に付着させるために接着剤もしくはその他の接合手段を備えていてもよい。ブラシ構造60は、処理された糞便が占めるためのスペースを提供できるようにフィラメント62の下にボイドを有するスペーサーの上方に取り付けられてもよい(上記のように)。
【0103】
FMAはさらにまたpH、含水量における一定の変化および/または一部の他のトリガーに反応して相転移または形状もしくは容積の変化を経験する「スマート」ゲルの使用によって送達されてもよい。適切な温度変化を前提に薬剤を糞便と接触もしくは混合する位置に移動させるために、形状記憶材料(すなわち、温度が既定閾値に到達したときに前もって設定された形状もしくは外形へ復帰する金属合金もしくはプラスチック)も使用することができる。さらに、糞便がFMAと接触するのを促進するために、例えば超吸収性ポリマーもしくはフォームのような膨潤可能な材料も使用することができる。そうした膨潤可能な材料を含有する構造が糞便からであろうと尿からであろうと水を吸収すると、その膨潤可能な材料はその構造の体側表面と結び付けられているFMAを糞便塊に向かって輸送する、および/または糞便との混合を促進する。フォーム形成材料は、さらにまたFMAを輸送して製品内の糞便との接触を促進することができる。この場合には、フォーム形成材料はFMAを備えており(または薬剤と結び付けられており)、フォームが発生させられてその容積が増加するにつれて糞便塊を被覆する。
【0104】
FMAはさらにまた、下記で説明されるように、マクロ粒子要素170上もしくは内に保持されてもよい。これらのマクロ粒子要素170は、排泄物管理要素120内に含有されても、製品のトップシート、カフ、もしくはその他の装備(放出可能に、または放出不能に)に、または身体に独立して取り付けられる別個の製品内に緩やかに取り付けられてもよい。一部の代表的マクロ粒子構造は図2〜4に示されている。さらに、FMAを保持、運搬、送達、もしくは混合する構造のいずれかはFMAと糞便の接触領域を増加させるおよび/または混合を促進するために設計された突出部もしくはその他の三次元形状を備えることができる。
【0105】
好ましい実施形態では、FMAは吸収性構造もしくは製品のトップシートと結び付けられている。しかし、FMAは例えば収集層のようなトップシートの下の層と結び付けられてもよい。排泄物管理要素120におけるようにFMAがトップシートの下の層に配置されている実施形態では、糞便はトップシート、下層、および薬剤を有効量で利用可能にさせるための他のいずれかの上に乗っている構造に容易に浸透しなければならない。そこで、そうした構造は下記の試験方法の部で記載されるように少なくとも約0.50g/cm2/J、および好ましくは少なくとも約1.0g/cm2/Jの圧力下受け入れ量(Acceptance Under Pressure)を有することが好ましい。いずれの場合においても、薬剤は好ましくは装着者の肛門周囲領域と概して結び付けられた製品の領域の近くに配置される。
【0106】
図2に示されているように、本発明は排泄物管理要素120を含む場合がある。排泄物管理要素120は、粘性液状排泄物の受け入れ、貯蔵および/または不動化を管理するのに役立つように設計されている。排泄物管理要素120は、股領域もしくはウエスト領域のいずれかを含む製品内のどこかへ配置することができる、または例えばコア28、レッグカフ等のようないずれかの構造もしくは要素と結び付ける、もしくはその中に含めることができる。好ましい実施形態では、排泄物管理要素120は装着されたときに装着者の肛門周囲領域に近い製品の領域に置かれている。これは、排泄された排泄物が排泄物管理要素120上もしくはその近くに堆積することを保証するのに役立つ。
【0107】
粘性液状排泄物を受け入れる、貯蔵するおよび不動化する構造が好ましいが、本発明の一定の実施形態では、排泄物管理要素120は受け入れ要素、貯蔵要素もしくは不動化要素のいずれか1つだけを備える場合がある、またはそれらの要素の内の2種の要素の組み合わせを含むが第3の要素を含まない場合がある。同様に、一定の実施形態では1つの要素が2種以上の機能を実行する(例えば、貯蔵要素が貯蔵および不動化の両方の機能を実行する)場合がある。例えば、本発明の吸収性製品は本質的に別個の不動化要素を含まずに粘性排泄物を管理するための受け入れ要素および貯蔵要素を含む場合がある。
【0108】
受け入れ要素150は、排泄物を受け入れることのできる何らかの材料もしくは構造であってよい。(ここで使用するように、用語「受け入れる」もしくは「受け入れ」は、その上に配置された材料による構造への浸透を意味する。浸透は、その上に材料が配置された構造の表面を通る材料の通過であると定義されている。非均一構造の浸透は、その上に材料が配置された構造の表面を限定する平面を通る材料の通過であると定義されている。)受け入れ要素150は、単一材料もしくは相互に操作可能に結び付けられた多数の材料を含む場合がある。さらに、受け入れ要素150はおむつ20の他の要素と統合されていても、またはおむつ20の1種以上の要素と直接的もしくは間接的に接合された1種以上の個別要素であってもよい。さらに、受け入れ要素150のいずれかもしくは全部が、望ましい場合に個別廃棄のために吸収性製品から取り外し可能であってもよい。
【0109】
受け入れ要素150は、好ましくはコア28の体側表面47に隣接するおむつ20の股領域37に少なくとも部分的に配置されるが、一部の別の実施形態では、受け入れ要素150はレッグカフ、ウエストバンド、糞便排泄物封じ込めポケットその他の少なくとも1部分を含んでいても、またはいずれかのそうした装備と操作可能に結び付けられていてもよい。好ましくは、少なくとも使用中に装着者の肛門に近いおむつ20の領域に置かれる受け入れ要素150の部分は、例えばトップシート24のような構造の上に乗っている層によって遮られない。こうして、装着者の肛門の近くに置かれてその領域において身体側ライナーとしての受け入れ要素150を提供することが意図される製品の領域においてはトップシート24の1部分を切り抜くことが望ましい場合がある。あるいはまた、トップシート24のいずれかもしくは全部が受け入れ要素150として機能するように作成もしくは処理されてもよい。ある実施形態では、図2に示されているように、受け入れ要素150はトップシート24の少なくとも1部分を含む。他の実施形態では、受け入れ要素150は例えば吸収性コア28もしくは貯蔵要素のようなおむつの他の要素の少なくとも1部分を含むことができる(下記で説明される)。
【0110】
一部の実施形態では、おむつの相違する部分において相違する受け入れ能力を備えたおむつ20を提供することが望ましい場合がある。これはおむつ20の相違する領域において相違する受け入れ要素を提供することによって、または相違する受け入れ特性の領域を有するように製造もしくは処理されている単一受け入れ要素150を提供することによって達成できる。さらに、受け入れ要素150は、粘性液状排泄物をより良好に制御できるように製品の体側表面の平面より上方に持ち上げることもできる。一部の実施形態では、受け入れ要素150を粘性排泄物減の近く(例、肛門周囲領域)で装着者の皮膚と接触させることが望ましい場合さえある。
【0111】
受け入れ要素150として使用するために適切な材料および構造は吸収性もしくは非吸収性であってよく、さらに開口不織布ウェブ、開口フィルム、開口成形フィルム、スクリム、織布ウェブ、スクリム、ネット製品、マクロポーラス薄層フォーム、およびその他を含むことができる。1つの特に好ましい材料は、約27.3g/m2の坪量、約60%の有効開口面積および約5.0mm2の一次アパーチャーサイズを有する織布ナイロンネット製品である(有効開口面積および一次アパーチャーサイズは、これにより参照してここに組み込まれる米国特許第5,342,338号に記載されているように測定される)。1つのそうした材料は、ヴァージニア州ノーフォークに所在のDollar Tree Dist.社からToy Tub Bagとして入手できる。さらに、受け入れ要素150、またはそれのいずれかの部分は要素の性能もしくはその他の特性を添加する、強化するもしくは変化させるためにローションもしくはその他の既知の物質で被覆することができる。例えば、受け入れ要素150は疎水性であっても親水性であっても、またはそのいずれかにするために処理されてもよい。
【0112】
上記のように、FMAは好ましくは装着者の肛門周囲領域で受け入れ要素と結び付けることができる。一定の好ましい実施形態では、FMAは上記の手段によって受け入れ要素に放出可能に取り付けられている。また別の実施形態では、薬剤は受け入れ要素150の少なくとも1部分と結び付けられた構造に放出可能に被包されている。薬剤は、水、熱、もしくは圧力/装着者の運動と接触すると糞便へ放出される可能性がある。薬剤は、あるいはまた糞便上に配置される前に最初に装着者の皮膚もしくは製品の別の部分に移動させることもできる。例えば、尿は放出可能に被包された薬剤もしくは組成物の放出を実施させることができる。薬剤は、身体の接触および/または圧力によって装着者の皮膚に移動させられる場合がある。引続いて糞便と接触すると、薬剤は皮膚から糞便の表面に移動するであろう。
【0113】
粘性排泄物がいったん排泄物管理要素120に浸透すると、装着周期の残りの期間は排泄物を装着者から隔離して、および交換プロセス中は養護者から隔離して貯蔵もしくは保持することが望ましい。ここで使用するように、用語「貯蔵する」はおむつに堆積した物質が装着者の皮膚と直ちに接触しないもしくは近づかないようにおむつに堆積した物質の製品の体側表面からの物理的隔離に関する。適正な貯蔵能力は、貯蔵された粘性排泄物が漏れおよび製品内での移動のために構造の体側表面に利用可能になることがありそうもないように漏れの可能性および粘性排泄物で汚染された皮膚の面積を低下させるために不可欠である。
【0114】
貯蔵要素152はおむつ20内のいずれかにおくことができる。しかし、貯蔵要素152は、できれば受け入れ要素150によって受け入れられた粘性排泄物が貯蔵要素152内に入るように、受け入れ要素150および/またはトップシート24と操作可能に結び付けられていることが好ましい。(おむつ20がトップシート24も受け入れ要素150も有していない実施形態が予期されている。そうした場合には、排泄物はいずれかの上に乗っている構造を通過することなく貯蔵要素152内に直接に入ることができる。)いずれの場合においても、おむつ20が装着された場合には貯蔵要素152が装着者の肛門の近くに位置するおむつ20の領域に置かれていることが好ましい。従って、貯蔵要素152の少なくとも1部分が吸収性製品の股領域37に配置されることが好ましい。しかし、一部の別の実施形態では、貯蔵要素152はウエスト領域、レッグカフ、ウエストバンド、糞便排泄物封じ込めポケットまたはその他のいずれかの少なくとも1部分を含んでいてよい、またはいずれかのそうした装備と操作可能に結び付けられてよい。さらに、貯蔵要素152は粘性排泄物をより良好に管理できるように製品の体側表面の平面より上方に持ち上げられてもよい。一部の実施形態では、貯蔵要素152を粘性排泄物減の近く(例、肛門周囲領域)で装着者の皮膚と接触させることがいっそう望ましい場合がある。
【0115】
貯蔵要素152の貯蔵能力は均一であっても、またはおむつ20の全体を通して変化してもよい。そうした変化は、おむつ20において複数の貯蔵要素152を使用することによって、または相違する貯蔵特性の領域を備えた単一貯蔵要素152を提供することによって達成できる。さらに、貯蔵要素152のいずれかもしくは全部は、望ましい場合には個別に廃棄するために吸収性製品から取り外し可能であってよい。
【0116】
貯蔵要素152は、上記のように排泄物を貯蔵することのできる材料もしくは構造であってよい。従って、貯蔵要素152は単一材料、または相互に操作可能に結び付けられた多数の材料を含むことができる。さらに、貯蔵要素152はおむつ20の別の要素と統合されていても、またはおむつ20の1種以上の要素と直接的もしくは間接的に接合された1種以上の個別要素であってもよい。ある実施形態では、図2に示されているように、貯蔵要素152はコア28から離れている構造を含む。しかし、その中で貯蔵要素152がコア28の少なくとも1部分を含む実施形態が予期されている。
【0117】
貯蔵要素152として使用するために適切な材料は、ラージセルオープンフォーム、マクロポーラス圧縮抵抗性不織布ハイロフト、オープンセルおよびクローズドセルフォームの大きなサイズの粒子状フォーム(マクロポーラスおよび/またはマイクロポーラス)、ハイロフト不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタンフォームもしくは粒子、複数の垂直に方向付けられたループ状繊維ストランドを備える構造、パンチ孔もしくは凹部を有する上記の吸収性コア構造およびその他を含むことができる。(ここで使用するように、用語「マイクロポーラス」は、毛細管作用によって液体を輸送することのできる材料に関する。用語「マクロポーラス」は、液体の毛細管輸送を実行するためには大き過ぎる孔を有する、一般に径が約0.5mmより大きい孔を有する、より詳細には径が約1.0mmより大きい孔を有する材料に関する。
【0118】
ある実施形態は、ミネソタ州ミネアポリスに所在の3M CorporationからXPL−7124として入手できる約1.5mmの非圧縮厚さを有する機械的留め具ループ巻立要素を含んでいる。別の実施形態は、ジョージア州レンズに所在のGlit Companyから入手可能な1平方メートル当たり110gの坪量および7.9mmの非圧縮厚さを有する6デニールのクリンプ加工されて樹脂接着された不織布ハイロフトを含んでいる。貯蔵要素152、またはそのいずれかの部分は要素の性能もしくはその他の特性を添加する、強化するもしくは変化させるためにローションもしくはその他の既知の物質を含むことができる、もしくはそれらでコーティングすることができる。
【0119】
貯蔵要素152の別の実施形態は、複数の個別粒子172を備えるマクロ粒子状構造170を含んでおり、それらの非限定的実施例は図2〜4として示されている。マクロ粒子172は、好ましくは、約1.0mmと約25.4mmの間、およびより好ましくは約2mmと約16mmの間の公称サイズを有する。しかし、0.5mm以下のような小さい粒子および約25.4mmを超える粒子は予期されている。約1.0mm以上の公称サイズを有する粒子は、一般に米国標準第18番メッシュふるいの表面上に保持される粒子である。約25.4mm未満の公称サイズを有する粒子は、一般に米国標準25.4mmふるいを通過する粒子である。16mm以上の公称サイズを有する粒子は、一般に米国標準第16番メッシュふるいの表面上に保持される粒子である。公称粒子寸法は、それらの粒子を試験もしくは使用するために貯蔵要素152内へ組み込む前に測定される。8mm以上の公称サイズを有する粒子は、一般に米国標準8mmふるいの表面上に保持される粒子である。
【0120】
マクロ粒子構造170は、いずれかの数の粒子172を含むことができる。さらに、粒子172は構造170に接合されずにその中へ自由に移動できても、または既知の手段によって相互に接合されていてもよい。あるいはまた、構造170は例えばメルトブロウンホットメルト糊、ウェブ、ネット製品、スクリム、糸またはその他の接着性もしくは非接着性エンタングル加工サポートのような外部サポートを含んでいてもよい。粒子172のいずれかは、例えばトップシートもしくはコアのようなおむつ構造の他のいずれかの部分と一緒に接合されていてもよい。粒子172はさらにまた、例えばプリーツ、「ピロー」、およびポケットのようなパターン付き三次元領域に拘束されていてもよい。
【0121】
個別粒子172は、吸収性コア18もしくは貯蔵要素152に関して上記の材料を含む吸収性製品において使用するために適切ないずれかの材料から作ることができる。粒子172において使用される材料は、吸収性、非吸収性、マイクロポーラス、マクロポーラス、弾力性、非弾力性等であってよい、または他のいずれかの望ましい特性を有していてよい。粒子172に使用するために適切なマクロポーラス吸収性材料の実施例には、ハイロフト不織布、オープンセルフォーム、繊維の束、スポンジおよびその他が含まれる。その他の吸収性材料には、セルロース芯、毛管路繊維、超吸収性ポリマー等のような浸透圧性貯蔵材料が含まれる。非吸収性粒子172は、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、クローズドセルフォーム、カラム充填材料、合成繊維、ゲル、封入ガス、液体およびその他を備えることができる。さらに、粒子172のいずれかもしくは全部は臭気吸収剤、ローション、スキンケア調製物、抗菌剤、pH緩衝剤、酵素阻害剤、およびその他を備えることができる。
【0122】
貯蔵要素152は単一タイプの粒子172(サイズ、形状、材料等)を備えることができる、または相違する粒子の混合物172を含むことができる。混合物は均質であっても;相違する特性を有する粒子172が貯蔵要素152の一定領域に配置されたときのように異質であっても;層状であっても;または他のいずれかの望ましい構成であってもよい。一部の実施形態では、2種以上の混合物を使用することができる(例、1つの層の中にマクロポーラスかつ非吸収性粒子172を均質に混合することができ、他の層は吸収性粒子だけを含有する)。相違する粒子の層は相互に直接に隣接させてもよいし、または例えばネット製品、スクリム、不織布もしくは織布ウェブ、フィルム、フォーム、接着剤およびその他のような1種以上の材料によって隔離されてもよい。
【0123】
マクロ粒子構造170は、好ましくは粒子172間のスペースによって限定される連続的隙間ボイドスペース174を含む。隙間ボイドスペース174は、粒子172のサイズおよび/または形状を変化させることによって制御することができる。粒子は、球、扁球、長方形および多角形固体およびその他を含むいずれかの既知の形状であってよい。
【0124】
貯蔵要素152は、貯蔵機能に加えて、吸収性製品20内の粘性排泄物を概してバックシート26の平面に平行な方向で輸送することができる。この輸送は、毛管もしくはその他の力が粘性排泄物もしくはその成分(例、自由水)の移動を生じさせるように活性であってよい。他の実施形態では、輸送はそれによって粘性排泄物もしくはそれの成分が例えば重力、装着者の圧迫もしくは装着者の運動のような外部から適用された力の影響下で構造を通って移動するように受動性であってよい。受動的輸送の場合には、貯蔵要素152は、粘性排泄物が最小エネルギー入力で構造を通って容易に移動できるように、相当に大きい相互連絡経路を有していなければならない。
【0125】
本発明のFMAは、マクロ粒子構造を含む貯蔵要素152のいずれかの部分と結び付けられてよい。貯蔵要素152が持ち上げられた領域を有する一定の好ましい実施形態では、FMAは要素の持ち上げられた領域と結び付けられている。受け入れ要素に浸透する粘性排泄物は、FMAと接触してそれを貯蔵要素152の「下方」領域へ輸送して強化混合を提供することができる。例えば、ループタイプの貯蔵要素の持ち上げられた上部は、FMAを持ち上げられた部分に放出可能に付着させるために僅かに湿潤もしくは湿らされ、引続きFMAと接触させられ、さらにその後乾燥させられる。放出可能な取り付けは、水溶性接着剤によって実行することができる。マクロ粒子実施形態では、薬剤はマクロポーラス粒子内に保持することができる。また別の実施形態では、薬剤は粒子要素の外面に放出可能に付着させることができる。FMAとの糞便接触は、好ましくは貯蔵要素からの薬剤の放出を実行させ、糞便との混合を可能にする。
【0126】
吸収性製品によって受け入れられる、または吸収性製品に浸透する粘性排泄物は、好ましくはおむつの中で装着者から隔離して保持される。排泄物、特に粘性排泄物を保持するための1つの好ましい方法は、排泄物を装着者から離れた場所で不動化することである。ここで使用するように、用語「不動化する」は、貯蔵された粘性排泄物を適用圧力および/または重力の影響下で保持するための材料もしくは構造に関する。
【0127】
不動化要素154は、不動化要素154に浸透した粘性排泄物が構造を離れる傾向を低下させることのできるいずれかの材料もしくは構造であってよい。従って、不動化要素154は単一材料または相互に操作可能に結び付けられた多数の材料を含むことができる。さらに、不動化要素154はおむつ20の他の要素と統合されていても、またはおむつ20の1種以上の要素と直接的もしくは間接的に接合された1種以上の個別要素であってもよい。例えば、不動化要素154は貯蔵要素152下に配置された材料の非接合層であってもよいし、または上記のような粘性排泄物を不動化および保持することのできる貯蔵要素152の全部もしくは1部分を含んでいてもよい。いずれの場合にも、不動化要素154は貯蔵要素152および受け入れ要素150と操作可能に結び付けられることが好ましい。これは、製品によって受け入れられたおよび/または貯蔵された粘性排泄物が不動化要素154内に通過するもしくは接触することを保証するために必要である。従って、不動化要素154は、少なくとも製品の股領域の1部分では貯蔵要素152および受け入れ要素150の下方に配置することが望ましい。しかし、上記のように貯蔵要素152が輸送能力を有している場合、不動化要素154は受け入れられたおよび/または貯蔵された粘性排泄物を不動化要素154へ輸送できるようにおむつ20のいずれかに置くことができる。さらに、受け入れ要素および貯蔵要素150および152を用いた場合と同様に、おむつ20は均一もしくは非均一不動化能力を有することができる。従って、1種以上の不動化要素154を相違する不動化および/または保持性能の領域を有する製品内に組み込むことができる。さらに、不動化要素154のいずれかもしくは全部は、望ましい場合には個別に廃棄するために吸収性製品から取り外すことができる。
【0128】
不動化要素154において使用するために適切な材料には、マイクロポーラスフォーム、超吸収性ポリマー粒子もしくは繊維、セルロース繊維、毛管路繊維、エンタングル加工合成繊維芯およびその他が含まれる。一部の好ましい材料には、例えば米国特許第5,260,345号;第5,387,207号;および第5,625,222号に記載されているもののようなフォーム吸収性材料が含まれる。その他の好ましい材料には、例えば1992年9月15日にYoungらへ発行された「尿失禁管理のための高効率吸収性製品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」と題する米国特許第5,147,345号に記載されているもののような吸収性ゲル化材料が含まれる。これらの特許各々はこれにより参照してここに組み込まれる。
【0129】
FMAは、不動化要素154と結び付けられてよい。これらの実施形態では、変性剤は糞便からの水の除去を容易にし、さらにそれによって不動化プロセスの速度を増加させるおよび/または糞便の残っている固形分画の最終運動性を低下させることによって不動化要素154の有効性および効率を強化するために作用することができる。FMAは、あるいはまた直接的増粘機序によって不動化の範囲内で糞便の粘度を増加させるために役立つこともできる。FMAは、不動化要素と緩やかに結び付けられても、不動化要素1542放出可能に付着させられてもよい(すなわち、糞便水がその遊離を実行できるように)。
【0130】
本発明の製品は、装着者の皮膚からの糞便もしくはその他の排泄物の除去性を向上させ、さらに従って排泄後の皮膚を清浄化することの有効性を強化することができる。一般に、極めて柔らかもしくは液状である(すなわち、低い硬さ値を有する)糞便は、低い粘度および高含水量を有するので皮膚から取り除くことが比較的に容易である。高い硬さ値を有する(すなわち、固体である)糞便もまた、固体様であるので皮膚に攻撃的に付着しないために比較的に取り除くのが容易である。しかし、かゆ状糞便(すなわち、しばしば約25〜約800gの範囲内の中間硬さ値を有するもの)は、皮膚から取り除くのが相当に困難である。
【0131】
ここで使用するように、「かゆ状糞便」は一般に重力下では自然に流動することはないが、しかしおむつの上に座っている乳幼児によって加えられる圧力に類似する圧力に対する容易に可塑性の流動反応を特徴とする相当に広範囲の粘稠度に関しており、さらにここで記載されるように下記で説明される清浄化の有効性測定において使用される類似体BおよびFluorescing類似体Bによって密接に表される。かゆ状糞便は一般に、内凝集力がかゆ状糞便の皮膚への接着力より小さいので、装着者の皮膚から取り除くことが困難である。これは、養護者が例えば使い捨てウェットティッシューを用いた場合のように糞便を取り除こうと試みたときに「剪断」作用(すなわち、糞便の凝集性が不足し、皮膚上に残りの糞便を残す)を生じさせる。このため養護者はより完全な清浄化を実行するためには拭き取りプロセスを繰り返さなければならなくなる。乳幼児用おむつの場合、大多数の親たちは乳幼児の皮膚上にも使用された最後のウェットティッシュー上のどちらにも目に見える残留物がなくなるまで拭き取りを続けるであろう。このプロセスは極めて冗漫でかつ時間を消費し、多数のウェットティッシューの使用を必要とし、清浄化するための費用を増大させる可能性がある。
【0132】
さらに、残留糞便酵素および大腸菌によって検出されるような残留している目に見えない「ミクロレベル」の汚染が糞便を清浄化した後に実質的に全部の乳幼児上に残っていることが発見されている。測定可能な残留糞便汚染は、使い捨てウェットティッシュー、ウェットペーパータオルおよびコットンボール、および水および/または石鹸を用いての入浴を含む様々な清浄化するプロトコルおよび補助具を用いて清浄化した後に乳幼児の皮膚上で発見されている。残留糞便汚染は、一般に酵素(例、トリプシン、キモトリプシン、ロイシンアミノペプチターゼ、およびリパーゼ)、胆汁酸、およびそれらの多くは発赤、おむつ皮膚炎およびカンジダ症に関係している微生物(例、Candida albicans(カンジダ・アルビカンス)およびE.coliを含む糞便大腸菌類)を含む糞便の全部もしくはほとんどの成分を備える。さらに、高濃度の残留糞便汚染がおむつが装着された皮膚の炎症領域において発見されている。そこで、皮膚の健康、便利性および費用便益性を入手するために強化されたレベルの皮膚からの糞便除去性を提供することが高度に望ましい。
【0133】
例えば、これまで説明されたように受け入れ製品においてFMAを使用することによってその硬さを重大に増加もしくは低下させるのいずれかによってかゆ状糞便を変性させることは、一般に糞便除去性の改良および清浄化の有効性の強化を生じさせるであろう。製品は、さらに好ましくは装着者の皮膚に接触してローションもしくはその他のスキンケア組成物の少なくとも1部分の皮膚への移動を実行できる製品の1種以上の要素上に配置されたローションもしくはその他のスキンケア組成物を個別に、もしくはFMAのための担体としてのどちらかで含むが、そうした移動は理想的には排泄物の排泄の前に発生する。例えば、おむつ、尿失禁パンツ、または生理用ナプキンに関して、ローションもしくはその他のスキンケア組成物は、装着者の肛門周囲領域の近くに配置されてそこへ移動するように、好ましくはトップシート、カフ、排泄物受け入れポケット(存在する場合)、または製品の股領域におけるその他の要素の1部分上に配置されるであろう。適切なローションもしくはその他のスキンケア組成物の例はここで説明されている。
【0134】
清浄化レジメンの状況においてマクロおよびミクロレベルの糞便除去性をシミュレートするために、下記の試験方法の部で詳細に説明されるin vitro試験方法が開発されてきた。糞便除去性は、装着者の皮膚上の残留糞便(すなわち、残留汚染)の程度もしくは量に関して特徴付けることができる。強化レベルの除去性は、残留糞便汚染の面積および/または質量を含むレベルの低下を生じさせ、さらにそれによって定量することができる。本試験は、実際の乳幼児のかゆ状糞便を代表する粘性、弾性、および粘着特性を有する合成糞便類似体を使用する。本試験は、追加して糞便類似体、合成皮膚類似体、および拭き取り装置内に組み込まれた蛍光マーカーを含む。明確な拭き取りプロトコール後に皮膚類似体上に残っている糞便は、紫外線光線下の皮膚類似体上の蛍光の面積および強度(すなわち、皮膚の単位面積当たりの残留糞便類似体の相対量)に関して報告される。ここで使用するように、用語「廃棄物汚染面積」は明確な拭き取りプロトコール後に測定された皮膚類似体の汚染面積を意味する。さらにここで使用するように、用語「廃棄物汚染質量」は、「廃棄物汚染面積」および皮膚の単位面積当たりの残留糞便の量を使用して計算される、皮膚類似体上に残っている糞便の相対質量を意味する。代表的データは表VIIIに示されている。
【0135】
本発明の好ましい使い捨て製品は、約15cm未満の廃棄物汚染面積によって測定される皮膚からの糞便の除去性を強化する1種以上の組成物を含んでいる。本発明のより好ましい使い捨て製品は、約12cm未満の廃棄物汚染面積によって測定される皮膚からの糞便の除去性を強化する1種以上の組成物を含んでいる。本発明のさらにいっそうより好ましい使い捨て製品は、約10cm未満の廃棄物汚染面積によって測定される皮膚からの糞便の除去性を強化する1種以上の組成物を含んでいる。
【0136】
本発明の好ましい使い捨て製品は、約14質量単位未満の排泄物汚染質量を生じさせる糞便の除去性を強化する1種以上の組成物を含んでいる。より好ましくは、使い捨て製品は約10質量単位未満の排泄物汚染質量を生じさせる糞便の除去性を強化する1種以上の組成物を含んでいる。さらにいっそうより好ましくは、使い捨て製品は約8質量単位未満の排泄物汚染質量を生じさせる糞便の除去性を強化する1種以上の組成物を含んでいる。
【0137】
糞便除去性における改良(装着者の皮膚からの糞便の清浄化する可能性および残留汚染における低下を強化することにおける製品の有効性に関連する)は、下記の表VIIIにおいていくつかの実施例を用いて例示されている。表VIIIにおいて参照に挙げられているローション組成物は、米国特許第5,643,588号の実施例5に従って、表VIIIに記載されているものと一致するようにローション組成物の重量パーセンテージ/成分を変化させて調製することができる。
【0138】
【表8】

【0139】
上記の表VIIIから容易に読み取ることができるように、ローション組成物およびベビーパウダーは未処理の皮膚に対してせいぜい控え目な除去性/清浄化の利益しか提供しない。他方、製品がローション組成物に加えて糞便および/または皮膚にFMA組成物を送達する実施例(E)では、はるかに多くの重大かつ予想外の利益レベルが達成された。これは例えば糞便および周囲の皮膚領域に接触させるためにトップシートの装着者に面する側に適用されて、即時であろうと長時間に渡ってであろうと引続いてFMAが放出させられる、例えばここで説明されるローションを備えるトップシートによって装着者の皮膚に移動させられるローションのようなスキンケア組成物をシミュレートしている。表VIIIの実施例(F)および(G)は、本発明の利点がローションを含まないFMA組成物の使用を通しても入手できることを例示している。
【0140】
好ましい実施形態
上記のように、本発明は例えばおむつ、トレーニングパンツ、尿失禁用パンツ、尿失禁用下着もしくはパッド、吸収性インサートを含むインサート類、おむつホルダーおよびライナー、女性用生理用衣類、拭き取りティッシュー、使い捨てモップ、包帯類およびその他のような多数のタイプの吸収性製品および例えば人工肛門用バッグのような肛門周囲領域の上方で装着者に取り付けられる個別製品に適用可能である。従って、本発明の好ましい実施形態の下記の実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
【0141】
本発明の1つの好ましい実施形態は、図2に示されているおむつ20の形での吸収性製品である。おむつ20は、第1ウエスト領域36、第2ウエスト領域38および第1ウエスト領域36と第2ウエスト領域38との間に置かれた股領域37を有する。おむつ20は、トップシート24、バックシート26およびトップシート24とバックシート26との間に配置された吸収性コア28を含む。トップシート24は、コア28の体側表面47に隣接する第1ウエスト領域36の少なくとも1部分に配置されている。おむつ20はさらにまた、トップシート24と接合されていて股領域37の少なくとも1部分および第2ウエスト領域38の少なくとも1部分を通ってトップシート24から長手方向に伸長している受け入れ要素150を含んでいる。受け入れ要素150は、バージニア州ノーフォークに所在のDollar Tree Dist.からTub Toy Bagとして入手可能な織布ネット製品を含む。
【0142】
おむつ20は、好ましくはさらに受け入れ要素150とバックシート26との間に置かれた貯蔵要素152を含んでいる。貯蔵要素152は股領域37の少なくとも1部分および第2ウエスト領域の少なくとも1部分に置かれる。この実施形態では、貯蔵要素152は粒子172を備えるマクロ粒子構造170を含んでいる。詳細には、マクロ粒子構造170は、米国特許第5,260,345号に記載されているように1平方メートル当たり45gの坪量を有するフォーム吸収性材料の約0.35gのストリップと混合された約2gのスクラバー粒子を含む。(スクラバー粒子は、スクラビングパッド(例、イリノイ州アーコラに所在のLibman CompanyからLight Duty Scrubbers #00065として入手可能)の研磨性不織布ハイロフト側を約8mm×約7mm×約5mmの粒子に切り刻むことによって製造することができる。)ストリップは長さ約19mm、幅6.4mm、および厚さ2mmの寸法を有する。
【0143】
スクラバー粒子は、1平方メートル当たり126gの坪量を有する厚さ約0.8mmの「湿潤するまでは薄い」フォーム吸収性材料の製品(参照してここに組み込まれる米国特許第5,387,207号に記載されている)の長手方向軸に沿って配置された2.5インチ×6.4インチ(16平方インチ)に渡って分布させられる。スクラバー粒子は、吸収性フォームストリップと相当均質に混合させられ、「湿潤するまでは薄い」フォーム吸収性材料の層によって取り囲まれた領域内へ自由に移動させられる。粒子およびストリップは、好ましくは織布ネット製品トップシートもしくは他のいずれかの層には結合させられない。FMAは、好ましくは上記のいずれかの手段によって貯蔵層の粒子状要素と結び付けられている。受け入れ要素150は、「湿潤するまでは薄い」フォーム吸収性材料の層の周囲の外側で下に置かれている層に結合させられる。
【0144】
本発明の別の好ましい実施形態は、図11に示されているおむつ200の形状である吸収性製品である。この実施形態のトップシートの装着者に面する表面は上記の表VIIIに参照されているローション組成物(57%ワセリン、42%ステアリルアルコール、1%アロエエキス)を備える。ローション186は、ここでローション含有トップシートに関して参照され、さらに参照してここに組み込まれる米国特許第5,643,588号の実施例5と結び付けて記載されるようにトップシート24に適用することができる。
【0145】
図11および12に示されているように、おむつ200はさらにまた担体180に適用されるFMAのような表VIおよびVIIIと結び付けて上記で説明された有効量(約3.5g)のアルギン酸、アンモニウム−カルシウム塩組成物190(ミズーリ州セントルイスに所在のSigma Chemical Co.から入手可能なSigma A−7253)を含んでいる。担体180は、例えばポリプロピレンから作られる任意の熱可塑性基材184へ結合させることのできる装着者に面する繊維ループ材料182を備えている。この性質の材料は、本明細書の一部をなす米国特許出願(P&G事件CM1642FQ)に対応する、1997年11月14日に出願された「糞便管理部材を有する使い捨て吸収性製品(Disposable Absorbent Article Having Fecal Management Member)」と題するPCT特許出願第US97/20840号の中に記載されている。アルギン酸、アンモニウム−カルシウム塩組成物190は、水素結合によってループ材料182に放出可能に付着させられている。
【0146】
さらにまた別の実施形態では、アルギン酸、アンモニウムカルシウム塩は密封されたエンベロープ内に被包されており、それの身体に面する側の少なくとも1部分は可溶性フィルム(例、上記のMONOSOL7031)を備える。アルギン酸塩を含有するエンベロープは上記のおむつ実施例のトップシート表面上に付着させられても、または十分なサイズ(例、最長寸法が少なくとも約1mm)の開口部を備えるトップシート24の1部分の下に配置されてもよい。水(例えば、排尿からの)もしくは排泄物の他の成分がエンベロープの可溶性領域の少なくとも1部分を溶解させ、アルギン酸をトップシート24の装着者に面する側へ、そして引続いて皮膚および/または糞便へ遊離させるであろう。あるいはまた、アルギン酸、アンモニウム−カルシウム塩(もしくはその他のFMA組成物)/担体構造は、その少なくとも1部分が可溶性フィルム(例、MONOSOL 7031)を備えているバッグ内において真空下で前記弾力性要素の装着者に面する側もしくはその近くで保持されたFMAを備える圧縮弾力性要素(例、上記で参照した米国特許第5,260,345号および第5,625,222号に記載されているマクロポーラスフォームもしくは高内層エマルジョンフォーム)を備える上記でより詳細に記載された反応システムを含むことができる。水(例、尿中の)と接触すると、可溶性フィルムは溶解し、真空を解放して圧縮弾力性要素が拡張してFMAを皮膚および/または糞便に送達することを可能にするであろう。
【0147】
さらにまた別の実施形態では、図5に示されているように、本発明の吸収性製品はインサート21、生理用ナプキン、または装着者に個別に適用されるもしくは装着者の下着、外側カバーもしくはその他に配置されることが意図される他の吸収性製品であってよい。従って、インサート21は一般にパンツの形を取ることは意図されておらず、むしろ装着者の周囲でインサート21を適所に保持するパンツもしくはその他の構造と一緒に使用される予定である。吸収性インサート21は中央領域137によって分離される1対の対向する端領域135を有しており、吸収性コア28、受け入れ要素150、貯蔵要素152、不動化要素154および/または上記のようなアルギン酸、アンモニウム−カルシウム塩/ループ担体構造を含むことのできる吸収性組立体27を含んでいる。取り付け要素41は、接着剤、粘着剤、フック、スナップ、バックル、ボタン、ひも、磁石、電子器具および/または吸収性製品を下着類に取り付けるための他のいずれか既知の手段を備えることができる。
【0148】
試験方法
粘度
粘度は、制御応力流動計によって測定できる。適切な流動計は、型番号SC2100として、デラウェア州ニューキャッスルに所在のT.A.Instruments社から入手できる。流動計はステンレススチール製平行プレート固定具を利用する。この流動計は、第2プレートの軸が第1プレートに垂直であるように、その上にサンプルが置かれる剛性水平第1プレートと第1プレートの上方に取り付けられた第2プレートとを有する。第2プレートは径が2もしくは4cmである。硬い、かゆ状、もしくは高度に粘液状サンプルに対しては2cm平行プレートが使用されるが、他方極めて柔らかな液状もしくは「水様」糞便サンプルに対しては4cm平行プレートが使用される。第1および第2プレートは、測定プロセス中は2,000ミクロンまで間隔が空けられる。第2プレートは軸回転するために駆動軸に接続されている。駆動軸には、駆動モーターおよび歪みセンサーもまた取り付けられている。
【0149】
試験される類似体の適切なサンプル(典型的には2〜3g)は第1プレート上の中央に置かれ、さらに概して第2プレートの軸の下の中央に置かれる。試験前に、未消化食物材料(例、種子類)の大きな部分は取り除かれる。第1プレートが所定位置へ上昇させられる。第2プレートの径を越えて外れている過剰量のサンプルは、スパチュラを用いて取り除かれる。その後測定プロセス中の水分消失を原因とするエッジ効果を防止するために、サンプルの縁の周囲に水が噴霧される。かゆ状および硬いサンプルに対しては流動計によって50〜50,000dynes/cm2のプログラミングされた剪断応力がサンプルへ適用される。柔らかな液状および水様サンプルに対しては、その代わりに5〜5,000dynes/cm2の範囲内の剪断応力が使用された。データは指数法則関数へ適合させられるが、このとき見かけの粘度=kj(n−1)であり、k=粘稠度(単位:cP×sec(n−1))、j=剪断速度(単位:l/秒)、およびn=剪断指数(無次元)である。このため、j=1l/秒であるとき、粘度=kである。(プレートは試験を通して35℃で維持される。)
【0150】
硬さ試験法
硬さは、Stevens−Farnell QTS−25 Texture Analyzer(テクスチャー分析計)、7113−5kg型および486プロセッサー以上を有するIntelを搭載したマシン上で関連ソフトウエアを使用して測定される。1/2インチのステンレススチール製球形プローブおよび類似体容器が用意される。適切なプローブは、英国ハットフィールドに所在のLeonard Farnell Co.から入手できるTA18プローブである。類似体容器は、7mm線形低密度ポリエチレン製シンチレーション用バイアル(0.55インチ±0.005インチの内径を有する)を長さ約16mmへカットすることによって作製することができる。適切なバイアルは、#58503−7としてニュージャージー州バインランドに所在のKimble Glass Companyから入手できる。類似体容器には、試験される類似体(下記で説明されるような類似体AもしくはB)または糞便が上縁(レベル)まで充填される。変性剤を評価する場合、サンプルは下記で説明されるサンプル調製方法によって調製される。バイアルは1/2インチ球形ステンレススチール製プローブの下の中央に置かれる。プローブは、バイアル内の類似体の表面にちょうど接触するように下げられる。プローブ162は、1分当たり約100mmの速度で7mm下方へ動かされ、そこで停止させられる。(部屋および類似体の温度は、測定経過中は華氏約65〜75度でなければならない。)参考のために、硬さは、材料の粘性率と弾性率の組み合わせである材料の複素弾性率に強度に関連していることが発見されている。
【0151】
類似体Aの製造方法
1.5gのUltra Dawn食器用洗剤(オハイオ州シンシナティに所在のProcter & Gamble Co.から入手可能)が空の金属製ミキシングボウルに添加される。Dawnを含有するボウルに各10gずつのFeclone FPS−2およびFeclone FPS−4が添加される。(どちらのFeclone材料もペンシルバニア州バレーフォージに所在のSiliclone Studiosから入手可能である。)その後200°Fに加熱された200mlの蒸留水がミキシングボウルに添加される。結果として生じた混合物は、その後均質となるまでゴム製もしくはプラスチック製スパチュラを使用して、混合物内に気泡が入るのを避けるために手で注意深く攪拌される(通常は約3〜5分間)。適正に調製された場合、類似体Aは上記の硬さ試験法によって測定したときに約7〜10gの硬さを有する。
【0152】
類似体Bの製造方法
各5gずつのFECLONE BFPS−4、FECLONE BFPS−6、およびFECLONE BFPS−7が空の金属製ミキシングボウルに添加される。(FECLONE材料はペンシルバニア州バレーフォージに所在のSiliclone Studiosから入手可能である。)その後0.67gのCarbopol 941(オハイオ州ブレックスビルに所在のB.F.Goodrich Corp.から入手可能である)がボウル内に添加され、これら4種の成分はその後、水中に混合すると粉末材料の適正な分散を保証するために均質に混合されるまでゴム製もしくはプラスチック製スパチュラを使用して攪拌される。次に200°Fに加熱された60mlの水がミキシングボウルに添加される。結果として生じた混合物はその後均質になるまでゴム製もしくはプラスチック製スパチュラを使用して手で混合され、混合物内に気泡が入るのを避けるために注意深く攪拌される(通常は約3〜5分間)。適正に調製された場合、類似体Bは上記の硬さ試験法によって測定したときに約600〜650gの硬さを有する。
【0153】
Fluorescing類似体Bの製造方法
下記の排泄物汚染試験法において使用される類似体Bのfluorescingバージョンは、上記の類似体Bに関連して記載されているように水が添加される前に、ノースカロライナ州ハイポイントに所在のCiba Specialty Chemicals Corp.から入手可能なBrighterner 49 − Tinopal CBS−Xである0.40gのfluorescing剤が添加され、乾燥FeClone混合物およびCarbopol 941と一緒に混合されること以外は上記の類似体Bについて記載された方法に従って製造される。
【0154】
類似体Cの製造方法
類似体Cは、オハイオ州ブレックスビルに所在のB.F.Goodrich Corp.から入手可能である10gのCarbopol 941または等価のアクリル系ポリマーを900mlの蒸留水中で混合することによって製造される糞便類似体である。Carpobol 941および蒸留水は、個別に計量され、測定される。蒸留水を攪拌するためには、2インチ径のパドルを有する3枚刃の船用プロペラ(オハイオ州シンシナティに所在のVWR Scientific Products Corp.から、製品番号#BR4553−64として入手可能、3/8”攪拌軸BR4553−52に取り付けられている)が使用される。プロペラの回転速度は、混合中は450rpmで一定でなければならない。ミキサーは跳ねを上げずに渦を形成しなければならない。Carbopolは、渦の中に引き込まれて白色の塊、もしくは「フィッシュアイ(白点)」を形成せずに混合されるように、水中にゆっくりとふるいにかけて添加されなければならない。この混合物は、Carbopol全部が添加されるまで、およびその後2分間に渡って攪拌されなければならない。混合物を含有しているボウルの側面は擦り落とされなければならず、ボウルは均質な混合物を達成するための必要に応じて回転させられなければならない。(混合物は気泡によって僅かにぼやけて見えるであろう。)ニュージャージー州フィリップスバーグに所在のJ.T.Baker Co.から入手可能な1.0N容積のNaOH液がその後混合物内にゆっくりと量り入れられ、混合物は均質になるまで攪拌される。混合物は濃くかつ透明にならなければならない。混合物はアルカリ液の添加後2分間は攪拌されなければならない。中和化された混合液は少なくとも12時間に渡って平衡するに任され、圧力下受け入れ量(Acceptance Under Pressure)試験のためにその後96時間以内に使用されなければならない。Carbopol混合物が使用される前には、混合物が均質であることを保証するために容器内で約1分間低速(約50rpm)で攪拌されなければならない。
【0155】
類似体Cは、正確に調製された場合は、55と65gの間の「硬さ」値を有する。硬さは、Stevens−Farnell QTS−25 Texture Analyzer(テクスチャー分析計)、7113−5kg型および486プロセッサー以上を有するIntelを搭載したマシン上の関連ソフトウエアを使用して測定される。1/2インチのステンレススチール製球形プローブおよび類似体容器が用意される。適切なプローブは英国ハットフィールドに所在のLeonard Farnell Co.から入手できるTA18プローブである。類似体容器は、7mm線形低密度ポリエチレン製シンチレーション用バイアル(0.55インチ±0.005インチの内径を有する)を長さ約15mmへカットすることによって作製することができる。適切なバイアルは、#58503−7としてニュージャージー州バインランドに所在のKimble Glass Companyから入手できる。類似体容器には、試験される類似体が上縁から2mm以内まで充填される。バイアルは1/2インチ球形ステンレススチール製プローブの下の中央に置かれる。プローブは、バイアル内の類似体の表面から約1mmの距離まで下げられる。プローブ162は、1分当たり約100mmの速度で7mm下方へ動かされ、そこで停止させられる。硬さは、7mmのストロークでプローブが経験した最高記録抵抗力である。(部屋および類似体の温度は、測定経過中は華氏約65〜75度でなければならない。)
【0156】
サンプル調製方法
250mLのPrecleaned VWRbrand TraceClean Jar(VWR#15900−196)が秤上に置かれ、風袋が計量される。望ましい量の化学薬品がカップ内に量り入れられ、その正確な重量が記録される。化学重量が記録された後に、再び秤の風袋が計量される。望ましい量の糞便もしくは糞便類似体が化学薬品を含有するカップ内に量り入れられる。糞便もしくは糞便類似体の正確な量が記録され、化学薬品および糞便もしくは糞便類似体が均質となるまでStandard Ayre Cervi−Scraper(VWR#15620−009)のスパチュラ端を使用して力強く攪拌される(総攪拌時間は一般に約2分間である)。本方法のために、攪拌プロセスの開始はt=0分間と定義される。サンプルが混合された後、サンプルは望ましい反応時間の残りの時間放置される。ここで提示されるデータについては、この反応時間はt=攪拌プロセスの開始から経過した3分間と設定される。サンプルにはその後、Standard Ayre Cervi−Scraperのスパチュラ端を用いて上記の硬さ試験法で記載された16mm容器内に負荷され、硬さ試験が実行される(上記のように、t=攪拌プロセスの開始から経過した3分間で開始する)。
【0157】
圧力下受け入れ量(Acceptance Under Pressure)試験
圧力下受け入れ量(Acceptance Under Pressure)は、図9に示されている装置139を使用する下記の試験によって測定される。厚さ約9.5mmのステンレススチール製プレート142上に取り付けられた中空プレキシガラス製シリンダー140が用意される。プレート142は、約10.16cm×10.16cm(約4インチ×4インチ)の正方形である。シリンダー140とプレートの組み合わせは、7.6cm(約3.0インチ)の高さ、5.08cmの内径(約2.00インチ)および6.3cm(約2.48インチ)の外径を有する。シリンダー140の底部は、プレート142の下方に約3.5mmの距離だけ伸長している。リップ143は、試験液166が指定試験領域の外へ漏れることを防止する。2個の625gの重り156もまた用意されており、これらは各々5.08cm(約2.0インチ)の径を有する。
【0158】
円筒形の24.6gプレキシガラス製重り144が用意される。重り144は5.08cmの径(約2.0インチ)を有するので、重り144はシリンダー140内に精密許容差で適合するが、シリンダー140内の穴141を通して自由にスライドすることができる。この配列は、約119パスカル(Pa)(1平方インチ当たり約0.017ポンド)の圧力および約20.27平方cm(約3.142平方インチ)の試験面積を提供する。望ましい場合は、重り144はそれをシリンダー140内に容易に挿入したり取り出したりできるように取っ手145を有することができる。そうした場合には、取っ手145と円筒形重り144の結合質量が24.6gでなければならない。
【0159】
圧力下受け入れ量特性について試験される構造のサンプル146が用意される。サンプル146は、存在するおむつから切断されても、またはおむつに成形されていない材料から構成されてもよい。サンプル146は、製品内で使用することが意図されている全構造またはトップ層161を含む評価される製品の全構造を含んでいる。(上記の受け入れ要素の項で記載されたように、個別受け入れ要素の圧力下受け入れ量性能を測定するためには、いずれかの下にある構造もしくは層の代わりに標準貯蔵要素147を使用して圧力下受け入れ量試験が実行される。ここで使用される標準貯蔵要素147は、図10に示されているように、153個の規則的に間隔をあけた4.3mm径の穴168のパターンを有する4平方インチ、厚さ1.6mmのアルミニウムプレートを含む。これらの穴は、1平方インチ当たり約26個の穴があるように配列されている。)サンプル146は、10.16cm×10.16cm(約4インチ×4インチ)のサイズの正方形にカットされなければならない。
【0160】
サイズが4インチ×4インチの5層の高坪量吸い取り紙149が用意される。サンプル146の上層161は取り除かれ、サンプル146の残りの成分、もしくは層(複数の成分もしくは層がある場合)および5枚の吸い取り紙材料149が0.01gの単位まで計量される。従って、サンプル146がおむつから切り取られている場合、トップシート、第2トップシート、収集層、吸収性コア等のようなおむつの層は計量する前に分離されなければならない。(一部の場合には、単一層が2種以上の永続的に接着された成分を備える場合がある。)そのように行うときには、サンプル146を破壊しないように、またはサンプル146のいずれかの部分の目に見える変形を故意ではなく惹起しないように注意を払わなければならない。サンプル146の層は、サンプル146の隣接層からの分離に役立つように冷凍されてもよい。冷凍は、マサチューセッツ州ウォルサムに所在のPhilips ECG,Inc.によって製造されたPH100−15循環冷却剤を使用して遂行することができる。
【0161】
サンプル146は、装着者に面することが意図されるサンプル146の側を上に向けて吸い取り紙材料149からそらすように配置して吸い取り紙材料149の5枚の積み重ね層の一番上で最初に構成されていたように再組立てされなければならない。吸い取り紙材料149は、好ましくは1平方メートル当たり約90gの坪量を有する、#632−025としてペンシルバニア州マウントホリースプリングスに所在のAhlstrom Filtrationから入手可能な濾過紙である。
【0162】
サンプル146と吸い取り紙材料149との結合組立体は、プローブ162の下方で、Stevens−Farnell QTS−25 7113−5kg型 Texture Analyzer(英国ハットフィールドに所在のLeonard Farnell Co.から入手できる)の作業表面164上の中央に置かれる。適切なプローブ162は、英国ハットフィールドに所在のLeonard Farnell Co.から入手できる100cm平面円筒形アルミニウム製延長ロッド「QTSM3100」である。シリンダー140は、サンプル146上の中央に置かれる。2個の625gの重り156はプレート142を安定化させるためにそれの対向する隅(対角線上)に配置される。約4〜6mmの開口部を有するシリンジを使用して、サンプル146の上部のシリンダー140内の穴141を通して約10立方cmの粘性液状排泄物類似体166(下記で説明される類似体C)が小分けされる。
【0163】
適正量の糞便類似体166(類似体C)がシリンダー140内に量り入れられたら、24.6gの重り144が類似体の表面上に静止するまでシリンダー140内の穴140内にゆっくりと静かに挿入され、さらに引続いて静かに時計回りに1回回転させられ、その後反時計方向に1回回転させられるが、どちらの回転もおもりの上に下向きの力が適用されないように注意しながら実行される。テクスチャーアナライザー160は、約144.6gの抵抗力に達するまでプローブ162が円筒形重り144を1分間当たり10mmの速度で押すように作動させられる。テクスチャーアナライザー160は、144.6gの抵抗力に達すると下向きのストロークを停止させるように設定される。記録装置は、5gの抵抗力で作動するように設定される。(144.6gの最高抵抗力は、1平方インチ当たり700パスカルもしくは0.1ポンドの適用圧力に相当する。)144.6gの抵抗力に達すると、プローブ162は開始位置へ引き戻される。
【0164】
重り144はシリンダー140から取り外され、その後シリンダー140は、シリンダー140内に残っている類似体Cがサンプル上に滴下しないように注意を払いながらサンプル146の表面から取り除かれる。サンプル146の上層161はその後、できれば吸い取り紙上に類似体Cが滴下しないように注意を払いながら、下になっている層の表面に対して平行に上層161を引きずることによってサンプル146の下になっている層から取り除かれる。上層161が下になっている層の表面に対して平行に引きずることによって取り除くのが困難である一定の構造に対しては、上層161はサンプル146の下になっている層から引き剥がされても、または持ち上げられてもよい。サンプル146が単一層しか備えていない場合は、下記で説明される標準受け入れ要素151がサンプル146の上層161として利用される。その後サンプル146の下になっている層および吸い取り紙材料149が計量される。サンプル146によって受け入れられる試験類似体Cの量は単位面積ベースで実施される単位作業(ミリジュールで)当たりのサンプル146の最上表面層を通して浸透する試験類似体Cによって惹起されるサンプル146の下になっている層と吸い取り紙材料149の結合重量における増加に等しい。単位作業を計算するときに使用される力対距離曲線下面積は、最高力144.6gが記録されるまで進行する総距離に渡ってその下向きのストローク上のプローブに抵抗する力を積算することによって計算される。単位作業は、下記の方程式を使用して計算される:
単位作業(mJ)=力対距離曲線下面積(g/mm)(9.81m/s2)/(1,000mm/m)
【0165】
排泄物汚染面積および質量試験法
排泄物汚染面積および質量は、下記の方法、図13〜20に示されている方法で使用される一定の組立体および装置によって測定される。
【0166】
皮膚組立体の調製
図13に示されているように、皮膚組立体201は皮膚類似体203および裏紙205から調製される。皮膚類似体は、テキサス州アーリントンに所在のJohnson & Johnson Medicalから入手できる10.2×12.7cm(4×5インチ)のBIOCLUSIVE自己接着性透明ドレッシング材(これ以後は、BIOCLUSIVEフィルムと言う)である。裏紙は、黒色背景紙(オハイオ州シンシナティに所在のJohnston Paper Companyから入手できるEpic BLACK CLASSICリンネル紙)から切り取られた15.2×20.3cm(6×8インチ)の部分である。皮膚組立体は、BIOCLUSIVEフィルムから外側包装紙および剥離紙を注意深く取り除き、そのフィルムを裏紙上の中央に置き(各長手方向縁を平行にして)、さらにその後フィルムの接着剤を使用してフィルムを裏紙に付着させることによって形成される。フィルムを裏紙に付着させるときにはできる限りフィルムの皺を残さないように注意を払わなければならない。付着させた後に裸眼で累積長さが約2cmを超えるフィルムの皺が見える場合は、その皮膚組立体を廃棄して、新しい皮膚組立体を調製しなければならない。
【0167】
本発明の製品が上記で説明されたように製品から(例えばおむつのローション含有トップシートから)装着者の皮膚の1部分に移動するローションもしくはその他のスキンケア組成物を含有する場合には、皮膚組立体はin vivoで発生するように装着者の皮膚へのそうした組成物の移動をシミュレートするために皮膚組立体へのローションもしくはその他のスキンケア組成物の薄層コーティングを適用することによって修正されなければならない。ローションもしくはその他のスキンケア組成物が例えばFMAのような薬剤を含む追加の組成物のための担体として機能する場合には、この追加の組成物/薬剤はそれが薄層コーティングが適用される前に製品内に存在するようにローションもしくはその他のスキンケア組成物と結合されなければならない。さもなければ、直ぐ下記の段落で記載される皮膚組立体を修正するための手順は実行される必要はなく、次のステップは皮膚組立体へのFluorescing糞便類似体Bの適用となるであろう。
【0168】
ローションもしくはその他のスキンケア組成物を用いて皮膚組立体201を修正するためには、皮膚組立体201はまず最初に0.0001gの単位まで計量され、この初期重量が記録される。皮膚組立体は、例えばテーブルのような平坦な表面上のペーパータオル上に黒色裏紙がタオルに面するように置かれる。図14に示されているように、上記で記載された黒色背景紙から7.6×20.3cm(3×8インチ)の紙区間を切断し、その後その紙区間の中央に5×13cm(2×5インチ)の長方形の開口部を切断することによって作られたテンプレート207が中心に配置され、皮膚組立体201のBIOCLUSIVEフィルム203上に置かれる。ローションもしくはその他のスキンケア組成物の薄層209(ローションもしくはその他のスキンケア組成物が追加の組成物/薬剤のための担体として機能する場合には、追加の組成物/薬剤と結合された)が、実質的にフィルムの全露出部分を被覆している実質的に均一なローションもしくはその他のスキンケア組成物層を作り出せるようにテンプレート207における開口部を通して露出している皮膚組立体201のBIOCLUSIVEフィルム203の部分上に配置される。そうした薄層は、例えば指先を用いてローションもしくはその他のスキンケア組成物のサンプルをこすることによって、およびその後指先をBIOCLUSIVEフィルムの露出部分上に擦り付けることによって配置することができる。テンプレート207が取り外され、ローションもしくはその他のスキンケア組成物が適用された修正皮膚組立体が計量される。修正皮膚組立体重量と初期重量との差は、皮膚組立体上に存在するローションもしくはその他のスキンケア組成物の重量を表す。この量が0.0045gより下である場合は、テンプレート207は上記のように再び皮膚組立体上に配置され、追加のローションもしくはその他のスキンケア組成物が適用され、さらにその量が0.0045g〜0.0065gになるまで修正皮膚組立体が再計量されなければならない。その量が0.0065gを超えた場合は、その皮膚組立体は廃棄され、既定範囲内のローションもしくはその他のスキンケア組成物の量を有する組立体が入手されるまで上記の手順が再開されなければならない。皮膚組立体201はその後、ローションが組立体から移動しない方法で、組立体をヒトの体温にするために38〜39℃のインキュベーター(例、イリノイ州メルローズパークに所在のLabeline Instruments Inc.から入手できるLabeline Model 120)で1時間貯蔵される。これはローションもしくはその他のスキンケア組成物の粘度を低下させる可能性があり、さらにBIOCLUSIVEフィルム上でさらにもう1層のローションもしくはその他のスキンケア組成物の形成を可能にする可能性がある。下記で説明されるようなfluorescing糞便類似体の適用前に、皮膚組立体201はインキュベーターから取り出される。
【0169】
図15に示されているように、Fluorescing類似体211は、テキサス州ダラスに所在のCuDerm Corp.から入手できるREPLICA R120自己接着性位置決めリング213を使用して皮膚組立体201の露出したBIOCLUSIVEフィルム203(先行段落で説明された薄層209を含む場合がある)の1部分上に配置される。その剥離紙が取り除かれ、位置決めリング213は、リングの外縁がフィルムの露出した横断縁215と接するように整列させて接着剤側を下に向けて皮膚組立体201の露出したBIOCLUSIVEフィルム203上に配置される。木製もしくは金属製スパチュラを用いて、位置決めリング213の内部にFluorescing類似体Bが溢れんばかりに充填される。過剰な類似体は、類似体のいずれかがリング内部の外側にあるフィルム上に堆積しないように注意を払いながら、位置決めリング213の上部と類似体を水平にするために擦り落とされる。位置決めリング213は、およそ径19mmおよび高さ1.1mmのFluorescing類似体B 211の水平円柱を残して注意深く皮膚組立体から取り出される。
【0170】
本発明の製品が、いずれかのローションもしくはその他のスキンケア組成物担体とは独立した手段を通して装着者の皮膚もしくは排泄物へ移動することのできる例えばFMAのような薬剤を含む組成物を含有している場合は、上記のFluorescing類似体B211を用いて皮膚組立体201へそうした組成物/薬剤を添加するための直ぐ下の段落で説明される方法が実施されなければならない。そうした独立組成物/薬剤が存在しない場合は、直ぐ下の段落で説明される方法は実施されるべきではなく、次のステップは拭き取り試験の遂行になるであろう。
【0171】
例えばFMAのような組成物を皮膚組立体201へ添加するためには、皮膚組立体は例えばテーブルのような平坦な表面上のペーパータオル上に黒色裏紙がタオルに面するように置かれる。上記で記載された黒色背景紙から15.2×20.3cm(6×8インチ)の紙区間をカットし、その後その紙区間の中央に5×13cm(2×5インチ)の長方形の開口部を切断することによって作られた薬剤テンプレート217が中心に配置され、皮膚組立体201のBIOCLUSIVEフィルム203上に置かれる。図16における要素219として示されている質量0.5gの組成物/薬剤が、実質的にフィルムおよびfluorescing類似体の全露出部分を被覆できるように薬剤テンプレート217における開口部を通して露出している皮膚組立体201のBIOCLUSIVEフィルム203の部分上、並びにFluorescing類似体B211上に実質的に均一に分布させられる。組成物/薬剤の形状に依存して、組成物/薬剤は当業者に知られている適切な手段を使用して均一に分布させることができる。例えば、および制限なしに、粉末形の組成物/薬剤はストレーナーを通してフィルム上に移動させることができる;液体形を有する組成物/薬剤はフィルム上にスプレーすることができる;および高粘度を有する組成物/薬剤は上記のようにローションもしくはその他のスキンケア組成物と結び付けてフィルム上に手で擦り付けることができる。組成物/薬剤の分布後には、薬剤テンプレート217は注意深く取り除かれる。
【0172】
上記の方法は単一皮膚組立体の調製と結び付けて説明されているが、これらの方法は追加の皮膚組立体を調製するために繰り返すことができる。下記で説明されるように、確実なデータが入手されることを保証するためには同一組成物の少なくとも6つの組立体が調製されて分析されなければならない。
【0173】
拭き取り試験
上記の通りに1つもしくは複数の適切な皮膚組立体が調製されたら直ぐに、皮膚組立体は拭き取り試験を受ける。拭き取り試験は、図17〜19に示されているように拭き取りスレッド(そり)221を利用する。スレッド221は、12.7cm(5インチ)の横断寸法Tを有する平坦滑走面223、12.7cm(5インチ)伸長している長手方向寸法Lを有するサイド縁225を有する。図17に示されているように、スレッド221の正面227は平坦滑走面223から上向きに湾曲しており、その湾曲は1.6cm(0.62インチ)の半径を有し、スレッドのサイド縁からサイド縁へ伸びている。図18に示されているように、スレッド221の正面227はさらにまた12.7cm(5インチ)の半径を有する横断方向に伸長している陥凹部229を含んでいる。スレッド221は、例えばテーブル面のような平坦な水平面上に置かれたときにスレッドの平坦滑走面(スレッドが下記で説明される取り付け棒およびワイパーを含む場合)が実質的に均一な0.324kPa(0.047psi)の下向き圧力を適用するようにアルミニウムもしくはその他の適切な材料から製造することができる。当業者には認識されるであろうように、規定均一圧力が適用されるように1つ以上のおもりをスレッド221に適切に追加することができる。引きひも231が、スレッド221の各サイド縁225に取り付けられたハーネス233に取り付けられる。引きひも231は、スレッド221を1秒当たり17cmの実質的定速で皮膚組立体201の上方を直線的に引っ張る(下記で説明されるワイパーと一緒に)ことのできるいずれかの適切な引っ張り装置235(例えば、引きひもを巻き取る伝導装置)まで伸びている。
【0174】
拭き取り試験はさらにまた、1パッケージのPAMPERS BABY FRESH拭き取りティッシュー(無香、アルコール無含有、モイスチャーピロー付き;オハイオ州シンシナティに所在のProcter & Gamble Copamyから入手可能)もしくは同等の拭き取りティッシューを利用する。そうしたPAMPERS BABY FRESH拭き取りティッシューの製造方法は、その出願が参照してここに組み込まれるGorelyの名前で1997年8月22日に出願された「不透明薬剤を有する使い捨て前湿潤化拭き取りティッシュー(Disposable Premoistened Wipe Having Opacity Agent)」と題する米国特許出願第08/915,349号の実施例の部に開示されており、下記で説明されるように変更されている。上記の特許出願における実施例は、基質ウェブ中に約76.4%セルロース繊維、12.9%ポリエステル繊維、および10.7%粘着性結合剤(結合剤は二酸化チタンを含有していない)を含めることによって上記に参照したPAMPERS BABY FRESH拭き取りティッシューを製造するように変更される。ウェブは、約18%のランドエリアを有するエンボシングロールを使用して、下記で説明されるパターンを用いてエンボス加工される。ウェブ上にスプレーされる粘着性結合剤の量は、固体の乾燥重量結合剤で約10.7%を有する乾燥ウェブを提供するために充分である。上記の実施例において指摘されたように、ウェブは、約97%の水と残り3%のその他の列挙された僅かな成分とを備える液体組成物を用いて前湿潤化させられる。PAMPERS BABY FRESH拭き取りティッシューのためのエンボス加工パターンは、同様に参照してここに組み込まれる1998年11月10日に発行された米国意匠特許第400,716号に描出されており、その拭き取りティッシューは16.0cm(6.3インチ)のエンボスパターンの繰り返しを有し、ハイライト線の太さは0.081cm(0.032インチ)であり、さらに楕円は0.28cm(0.11インチ)の大径および0.14cm(0.055インチ)の小計を有する。
【0175】
上記の拭き取りティッシューは、およそ幅10.8cm×長さ17.8cm(4.25×7インチ)の拭き取りティッシュー区間237に長手方向軸に沿ってカットされる。図19に示されているように、拭き取りティッシュー区間237は、拭き取りティッシュー区間がスレッド221の横断方向の中央にあり、取り付け棒239から伸びてスレッド後縁241で終了するように横断方向に延びているプラスチック製取り付け棒239(固定ネジ240によって所定位置に保持することができる)を用いてスレッド221に付着させられる。
【0176】
さらに図19に示されているように、皮膚組立体201は、裏紙が下に面してスレッド221の正面の中央にあるように、テーブル面のような平坦な水平面243に取り付けられる。その上にFluorescing類似体B211が配置されている皮膚組立体の端はスレッド221の正面227に向けて方向付けられ、さらに皮膚組立体の横断縁はスレッドが引っ張られる方向に対して垂直に方向付けられる。下記で説明されるようにスレッドを引っ張る前に、スレッド正面227と類似体211との距離は、拭き取りティッシュー区間237が類似体2112接触する前に引っ張り中に過度の水分を失わないことを保証するために、約15cm(5.9インチ)を超えてはならない。平坦面243への皮膚組立体201の取り付けは、拭き取り試験中の皮膚組立体の位置ずれを防止するために十分なものでなければならない。適切な取り付けは、テープ幅の半分が裏紙にしっかりと付着しており、残り半分が平坦面にしっかりと付着しているように、スレッド221に最も近い皮膚組立体の縁の上方で横断方向に伸びているマスキングテープを用いて行われる。
【0177】
拭き取り試験は、引っ張り中にスレッド221の横断中心線を皮膚組立体201の横断中心線と整列させて、1秒当たり17cmの実質的に定速で皮膚組立体201の上方でスレッド221および固定された拭き取りティッシュー区間237を直線的に引っ張るために引っ張り装置235、引っ張りひも231およびハーネス233を使用して実施される。スレッド221は、それが皮膚組立体を清浄化した後に停止させられる。拭き取り済み皮膚組立体は適切に表示され、下記で説明される画像収集および解析方法を用いて解析される前に、約21℃および約53%相対湿度で8時間乾燥させられる。
【0178】
画像収集および解析装置
画像収集および解析装置には、付属のFuji 7.5−105mmズームビデオレンズVCL714BCEA型付きSony 3−CCD DXC−9000モデル順次走査カラーカメラが含まれる。このカメラは、レンズを下に向け、コピースタンドベース上にマーキングされたグリッド上で中央に配置されて、ニュージャージー州リンデンに所在のBeseler Co.から入手可能なBeseler BECS−21に取り付けられる。カメラからのビデオ出力は、Intel 486演算処理装置以上を有するIBM−PC互換性コンピューターシステムに設置されたVCR(ビデオカセットレコーダー)/VCRモニター(例、Panasonic PV−M2048VCR/ニュージャージー州セコーカスに所在のPanasonic Co.から入手可能なモニター)およびビデオインターフェース(カナダのケベック州に所在のCORECO社から入手可能な、2MBディスプレイ制御装置および画像緩衝装置、並びにRGB収集モジュールを有するUltra IIフレームグラバー)の両方に伝送される。このコンピューターシステムには、さらにメリーランド州シルバースプリングスに所在のMedia Cybernetics社から入手できるOPTIMASバージョン6.21.19画像解析ソフトウエア、およびワシントン州オリンピアに所在のMicrosoft Corporationから入手できるMicrosoft EXCELバージョン7.0aスプレッドシートソフトウエアもまたインストールされる。
【0179】
画像収集および解析装置はさらにまた、紫外線(UV)照射システムも含んでいる。UV照射システムは、ニューハンプシャー州セーレムに所在のStocker and Yale Inc.からの25kHz安定器を備えた2基の35.6cm(14インチ)F8T5線形照明設備(ディフューザーを取り外して)を備えているが、これらの設備は各々2個のSylvania 8W BlacklightBlue FBW/BLB電球(ピーク波長356nm)を含有しており、フレームに取り付けられている。フレームは、コピースタンドベースのグリッド上の中央に置かれた皮膚組立体がUV電球に対して横断方向および長手方向において中央に位置するようにコピースタンドベース上に配置される。フレームは、電球をコピースタンドベースの約10cm(4インチ)上方に配置でき、さらに照明設備を相互におよそ20cm(8インチ)横断方向に離れさせるように構成されている。各照明設備は、各設備が光線をコピースタンドベースの中央に向かって集束させるようにその長軸の周囲で回転させられる(約45度の角度で)。
【0180】
カメラのピント合わせおよび明るさの校正
それを使用してカメラの焦点およびズームを設定するベースライン画像を生じさせるためには、fluorescing糞便類似体を含有する乾燥皮膚組立体が使用される。皮膚組立体は、裏紙を下に向け、作動させたUV光線下で、さらに室内を暗くしてコピースタンドグリッド上の中央に置かれる。カメラ、コンピューターおよびTVモニターのスイッチが入れられ、明るい画像を生み出すためにカメラの絞りは最高度に開かれる。カメラはその後ピント合わせされ、fluorescing部分にピントが合うようにして皮膚組立体のBIOCLUSIVEフィルムの最大画像をVCRモニターおよびコンピュータースクリーン上で見ることができるまでレンズのズームが調整される。その後皮膚組立体が取り外される。カメラのピントおよびズームは、画像収集セッションの残りの間これらの設定のままで維持される。
【0181】
その後、UV光線が望ましい照明を生じさせることを検証するためにUV校正が行われる。Heavy Duty Ultraviolet Light Meter Model No.40736A(UVA)(マサチューセッツ州ウォルサムに所在のExtech Instruments社から入手可能)を使用して、UV読み取り値はコピースタンドグリッドの中央、およびグリッド中心から各照明設備に向かって各々直接約2.5インチであるグリッド上の他の2ヵ所(すなわち、中心の両側上で各1つの読み取り値)で読み取られる。読み取り値のいずれかが約0.25ミリワット/cm2より下の場合は、UV電球の1個以上を取り替えなければならない。
【0182】
皮膚組立体の画像収集
図20に示されているように、上記で記載された黒色背景紙から7.6×20.3cm(3×8インチ)の紙区間をカットし、さらにその後その紙区間の中央に3×13cm(1.2×5インチ)の長方形の開口部をカットすることによって作成されたROI(関心領域)テンプレート245が用意される。マークが収集された画像内に現われ、一貫したサイズのROIを確立するために使用されるように、テンプレート上の長方形の開口部の直接に隣接する各隅に白色マーク247が付けられる。解析される各皮膚組立体は、裏紙を下に向け、UV照明システムを作動させてコピースタンドグリッド上の中央に置かれる。図20に示されているように、ROIテンプレート245は、塗抹標本が長方形開口部の横断方向の中央に置かれ、さらに長方形開口部の横断縁253がBIOCLUSIVEフィルムの縁215と整列する(すなわち、先に適用されたfluorescing糞便類似体円柱に縁が隣接する)ようにFluorescing類似体B211の塗抹標本251の上方に置かれる。OPTIMASを用いて、この配列の画像が収集され、コンピューターに適切に識別されたTIFFファイルとして保存される。このプロセスが解析される各皮膚組立体について繰り返される。
【0183】
全部の皮膚組立体の画像が収集かつ保存された後に、UV照明のスイッチが切られ、室内の照明は再び通常に戻される。コピースタンドグリッドの中央にあるコピースタンド上に定規が置かれ、画像は8ビットTIFF RGBフォーマットで距離校正参照画像として収集かつ保存される(全画像はこのTIFFフォーマットで保存される)。
【0184】
画像解析
OPTIMASを使用して、皮膚組立体画像に対する距離校正を展開させるために距離校正参照画像が開かれる。Microsoft EXCELがその後実行され、新規のスプレッドシートが開かれる。OPTIMASに戻って、領域形態計測データ収集セット(Area Morphometry Data Collection Set)が選択される。このセットは、必要な場合にはmArArea(領域対象の方形校正単位での面積)を除く全測定値を取り除くこと、および測定値mArGVを加えること(領域境界内のピクセルの平均尺度の輝度)によって編集される。Microsoft EXCELは、エクスポートデータファイルとして選択され、[ブック1]シート1と呼ばれる新規スプレッドシートにリンクされる。OPTIMASでは、その後に望ましい皮膚組立体画像ファイルが開かれ、長方形開口部の各コーナーを配置するための補助具としてROIテンプレート参照マークを使用して、その皮膚組立体画像に現われたROIテンプレートの長方形開口部に対応させるために長方形ROIが引き出される。その後、蛍光類似体塗抹標本と背景との間のコントラストを最大化する青色チャンネルが選択される。上方平均輝度閾値は174に設定される。その後、領域サンプリングパラメーターは、最小境界長を2へ、穴処理を「全穴を無視する」へ、そして境界を「周囲ピクセル中心上」へ変化させることによって調整される。OPTIMASソフトウエアはその後、上方平均輝度閾値を超える平均輝度を有するfluorescing糞便類似体の領域を識別するように指示される。距離校正は、その後距離校正参照画像に基づいた校正に変更される。OPTIMASはその後、皮膚組立体画像からmArAreaおよびmArGV測定値を作成するように指示され、それらは実行中のスプレッドシート[ブック1]シート1へエクスポートされる。測定値セットスプレッドシートはその後、測定された皮膚組立体と一致させてMicrosoft EXCELで名前が付けられ、さらにスプレッドシートはコンピューター上で保存される。解析される各皮膚組立体画像に対して上記のプロセスが繰り返される。
【0185】
計算
拭き取り後に皮膚組立体上に残っているfluorescing糞便類似体の面積は、単位cm2での各mArAreaの測定値から決定される。排泄物汚染面積は、解析される特定皮膚組立体についての全mArArea値を合計し、さらにその後同一組成物を含む解析された皮膚組立体から入手された合計の算術平均を計算することによって計算される。上記のように、少なくとも6個の皮膚組立体が解析されなければならない。
【0186】
拭き取り後に皮膚組立体上に残っているfluorescing糞便類似体の質量は、方程式(mArArea×mArGV)/255から計算されるが、式中mArGVは各領域によって境界が付けられたピクセルの平均輝度(すなわち、各mArAreaに残っている残留糞便類似体の蛍光の強度)であり、最小輝度値は0および最大輝度値は255である。1つの領域内に残っている糞便類似体が一定以上の濃さを有する場合、255の輝度値が常に測定され、残っている類似体の濃い領域の質量は実際より薄いものとして計算されるであろう。質量単位で表される排泄物汚染質量は、解析される特定皮膚組立体についての全(mArArea × mArGV)/255値を合計し、さらにその後後同一組成物を含む解析された皮膚組立体から入手された合計の算術平均を計算することによって計算される。
【0187】
下記は、計算欄を備えたEXCELスプレッドシートで、特定皮膚組立体を解析するステップから入手されたOPTIMAS測定値のサンプル表である。
【0188】
【表9】

【0189】
本発明の特定の非限定的実施形態および/または個別の特徴が例示かつ説明されてきたが、当業者には本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および修飾を加えることが可能であることは明白であろう。さらに、そうした実施形態および特徴の全ての組み合わせが可能であり、本発明の好ましい履行を生じさせ得ることは明白である。このため、添付のクレームにおいては本発明の範囲内にある全てのそうした変更および修飾を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】おむつの体側表面が図を見ている人に面している、基底構造を明らかにするために切り取られた部分を有する本発明の吸収性製品実施形態の平面図。
【図2】おむつの体側表面が図を見ている人に面している、基底構造を明らかにするために切り取られた部分を有する本発明の吸収性製品実施形態の平面図。
【図3】本発明の吸収性製品実施形態の線3−3に沿った断面図。
【図4】本発明の吸収性製品のまた別の実施形態の断面図。
【図5】基底構造を調べるために切り取られた部分を有する本発明の生理用ナプキン実施形態の平面図。
【図6】本発明のまた別の実施形態の平面図。
【図7】本発明のある実施形態の拡大断面図。
【図8】おむつの体側表面が図を見ている人に面している、基底構造を明らかにするために切り取られた部分を有する本発明の吸収性製品実施形態の平面図。
【図9】一定構造の圧力下受け入れ量(Acceptance Under Pressure)特性を測定するために使用できる装置の略正面図。
【図10】図9に示されている装置の一部の平面図。
【図11】おむつの体側表面が図を見ている人に面している、基底構造を明らかにするために切り取られた部分を有する本発明の吸収性製品実施形態の平面図。
【図12】製品の追加部分が取り除かれている、本発明の吸収性製品実施形態の1部分の図11の切断線12−12を通る断面図。
【図13】排泄物汚染面積(Waste Contamination Area)および排泄物汚染質量(Waste Contamination Mass)の特性を測定するときに使用できる組立体の平面図。
【図14】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる組立体および装置の平面図。
【図15】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる組立体および装置の平面図。
【図16】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる組立体および装置の平面図。
【図17】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる装置の平面図。
【図18】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる装置の側面図。
【図19】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる組立体および装置の斜視図。
【図20】排泄物汚染面積および排泄物汚染質量の特性を測定するときに使用できる組立体および装置の平面図。
【図21】本発明の排泄物バッグ実施形態の斜視図。
【図22】排泄物バッグを含む吸収性製品の斜視図。
【符号の説明】
【0191】
20…おむつ
22…シャーシ
24…トップシート
26…バックシート
28…吸収性コア
30…サイドパネル
32…レッグカフス
34…ウエスト
36…第1ウエスト領域
37…股領域
38…第2ウエスト領域
40…留め具システム
50…長手方向エッジ
52…端部エッジ
100…長手方向中心線
110…側方中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ウエスト領域、第1ウエスト領域に対向する第2ウエスト領域、第1ウエスト領域と第2ウエスト領域との間に配置された股領域を有する吸収性製品であって、さらに
トップシート、
トップシートの少なくとも1部分に接合されたバックシート、
トップシートの少なくとも1部分とバックシートとの間に配置された吸収性コア、および
有効量の糞便変性剤
を備える吸収性製品。
【請求項2】
糞便変性剤が粘度低下剤である請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項3】
糞便変性剤が糞便水遊離剤である請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項4】
糞便水遊離剤が凝集剤である請求項3に記載の吸収性製品。
【請求項5】
糞便水遊離剤が無機凝集剤を含む請求項3に記載の吸収性製品。
【請求項6】
無機凝集剤が二価および三価金属塩類を含む群から選択される請求項5に記載の吸収性製品。
【請求項7】
金属塩類が、鉄、アルミニウム、カルシウム、およびナトリウム塩類およびそれらの混合物類からなる群から選択される請求項6に記載の吸収性製品。
【請求項8】
金属塩類が、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸鉄、塩化アルミニウム水酸化物、およびポリケイ酸硫酸アルミニウムからなる群から選択される請求項6に記載の吸収性製品。
【請求項9】
糞便水遊離剤が有機凝集剤を含む請求項3に記載の吸収性製品。
【請求項10】
有機凝集剤が水溶性ポリアミド類および誘導体類、ポリアクリル類および誘導体類、ポリアミン類、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される請求項9に記載の吸収性製品。
【請求項11】
糞便水遊離剤が粘度増加剤を含む請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項12】
粘度増加剤が増粘剤を含む請求項11に記載の吸収性製品。
【請求項13】
増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸およびそれの塩類、ポリアクリルアミド、およびポリエチレンイミン類からなる群から選択される請求項12に記載の吸収性製品。
【請求項14】
粘度増加剤が無機錯化剤を含む請求項11に記載の吸収性製品。
【請求項15】
イオン性錯化剤が、ZnO、MgO、MnO、CaO、水酸化カルシウム、エタノールアミン類、第四級アンモニウム塩類、およびAl2O3、アルギン酸塩類、亜鉛塩類、アルミニウム塩類およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項14に記載の吸収性製品。
【請求項16】
イオン性錯化剤が架橋剤を含む請求項14に記載の吸収性製品。
【請求項17】
糞便変性剤が約0.5重量パーセント以下の濃度で糞便の硬さを少なくとも約25%低下させる請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項18】
糞便変性剤が約0.5重量パーセント以下の濃度で糞便の硬さを約100%以上増加させる請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項19】
糞便変性剤が製品の重量で約0.01%以上の濃度で存在する請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項20】
さらに吸収性製品の1つの要素に接合されている、もしくはそれから伸長している少なくとも1つの三次元構造を含み、その三次元構造が糞便変性剤を備えており、このときその三次元構造が薬剤と糞便との接触を促進する請求項1に記載の吸収性製品。
【請求項21】
三次元構造の少なくとも一部がループ構造およびプリントされたヘアーを備える構造からなる群から選択される請求項20に記載の吸収性製品。
【請求項22】
第1ウエスト領域、第1ウエスト領域に対向する第2ウエスト領域、第1ウエスト領域と第2ウエスト領域との間に配置された股領域を有する吸収性製品であって、さらに
液体透過性トップシート、
トップシートの少なくとも1部分に接合された液体不透過性バックシート、
トップシートの少なくとも1部分とバックシートとの間に配置された吸収性コア、
1ミリジュールのエネルギー入力当たり1インチの排泄物管理要素当たり約0.05を超える粘性液状排泄物の圧力下受け入れ量を有する排泄物管理要素、および
有効濃度の糞便変性剤
を備える吸収製品。
【請求項23】
装着者の衣類内に配置されるインサートであって、
第1端領域、
前記第1端領域に対向する第2端領域、
前記第1端領域と前記第2端領域とを分離する中央領域、および
有効量の糞便変性剤
を備えるインサート。
【請求項24】
糞便変性剤が粘度低下剤である請求項23に記載のインサート。
【請求項25】
糞便変性剤が糞便水遊離剤である請求項23に記載のインサート。
【請求項26】
糞便変性剤が粘度増加剤を含む請求項23に記載のインサート。
【請求項27】
さらにインサートの1つの要素に接合されている、もしくはそれから伸長している少なくとも1つの三次元構造を含み、その三次元構造が糞便変性剤を備えており、このときその三次元構造が薬剤と糞便との接触を促進する請求項23に記載のインサート。
【請求項28】
装着者によって装着されるのに適した使い捨て製品において、
装着者の皮膚から糞便排泄物の除去性を強化するための1種以上の組成物であって、前記糞便排泄物の1つの少なくとも1部分および前記装着者の前記皮膚に利用可能である前記1種以上の組成物を備え、
前記1種以上の組成物は、本明細書において説明されている試験方法によって測定される、
a)約15cm未満の排泄物汚染面積、および
b)約14質量単位未満の排泄物汚染質量
を提供する使い捨て製品。
【請求項29】
前記1種以上の組成物が約12cm未満の排泄物汚染面積を提供する請求項28に記載の使い捨て製品。
【請求項30】
前記1種以上の組成物が約10cm未満の排泄物汚染面積を提供する請求項29に記載の使い捨て製品。
【請求項31】
前記1種以上の組成物が約10質量単位未満の排泄物汚染質量を提供する請求項29に記載の使い捨て製品。
【請求項32】
前記1種以上の組成物が約8質量単位未満の排泄物汚染質量を提供する請求項31に記載の使い捨て製品。
【請求項33】
前記1種以上の組成物が約12cm未満の排泄物汚染面積および約10質量単位未満の排泄物汚染質量を提供する請求項31に記載の使い捨て製品。
【請求項34】
前記組成物の少なくとも1種が有効量の糞便変性剤を備える請求項28に記載の使い捨て製品。
【請求項35】
前記組成物の少なくとも1種がスキンケア組成物を備える請求項34に記載の使い捨て製品。
【請求項36】
装着者に接触する表面上にスキンケア組成物を備える請求項28に記載の使い捨て製品。
【請求項37】
前記スキンケア組成物が、石油、石油蝋、シリコーン油、およびシリコーンワックスからなる群から選択される材料を備える請求項35もしくは36に記載の使い捨て製品。
【請求項38】
糞便変性剤が粘度低下剤である請求項34に記載の使い捨て製品。
【請求項39】
糞便変性剤が糞便水遊離剤である請求項34に記載の使い捨て製品。
【請求項40】
糞便変性剤が粘度増加剤を含む請求項34に記載の使い捨て製品。
【請求項41】
粘度増加剤が増粘剤を含む請求項40に記載の使い捨て製品。
【請求項42】
増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸およびそれの塩類、ポリアクリルアミド、およびポリエチレンイミン類からなる群から選択される請求項41に記載の吸収性製品。
【請求項43】
粘度増加剤がイオン性錯化剤を含む請求項40に記載の吸収性製品。
【請求項44】
イオン性錯化剤が、ZnO、MgO、MnO、CaO、水酸化カルシウム、エタノールアミン類、第四級アンモニウム塩類、およびAl2O3、アルギン酸塩類、亜鉛塩類、アルミニウム塩類およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項43に記載の吸収性製品。
【請求項45】
糞便変性剤が約0.5重量パーセント以下の濃度で糞便の硬さを少なくとも約25%低下させる請求項34に記載の吸収性製品。
【請求項46】
糞便変性剤が約0.5重量パーセント以下の濃度で糞便の硬さを約100%以上増加させる請求項34に記載の吸収性製品。
【請求項47】
前記糞便変性剤が個々の個別要素として製品内に配置される請求項34に記載の使い捨て製品。
【請求項48】
前記糞便変性剤が、材料のウェブ、フィルム、繊維構造、ループ材料、ブラシ構造、および前記糞便変性剤を放出可能に被包している構造からなる群から選択される構成要素を含む担体構造と組合わされている請求項34に記載の使い捨て製品。
【請求項49】
さらに製品に操作可能に接続されている入力を検出するために適したセンサー、およびセンサーが入力を検出したときに前記装着者から排泄された前記糞便排泄物の少なくとも1部分に前記1以上の組成物を送達するために適したアクチュエーターを含む反応システムを備えている請求項28に記載の使い捨て製品。
【請求項50】
装着者から排泄物を受け入れるための使い捨て製品であって、
開口部を含むバッグ、
装着者にバッグを接合するための手段、および
有効量の糞便変性剤
を含む使い捨て製品。
【請求項51】
糞便変性剤が粘度低下剤である請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項52】
糞便変性剤が糞便水遊離剤である請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項53】
糞便変性剤がカルシウムを基剤とする編成剤である請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項54】
糞便変性剤が粘度増加剤を含む請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項55】
糞便変性剤が約0.5重量パーセント以下の濃度で糞便の硬さを少なくとも約25%低下させる請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項56】
製品が人工肛門用バッグもしくは排泄物用バッグから選択される請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項57】
接合手段が身体適合性感圧接着剤を備える請求項50に記載の使い捨て製品。
【請求項58】
使い捨て製品の装着者の皮膚からの排泄物の除去性を強化する方法であって、
装着者によって装着されるために適した使い捨て製品を提供する工程、
前記1種以上の組成物が前記排泄物および前記装着者の前記皮膚の1つの少なくとも1部分に利用可能となるように装着者の皮膚から糞便排泄物の除去性を強化するために1種以上の組成物を前記使い捨て製品と組合わせる工程、および
前記1種以上の組成物が本明細書において説明されている試験方法によって決定される下記の1つ以上を提供する工程
a)約15cm未満の排泄物汚染面積、および
b)約14質量単位未満の排泄物汚染質量
を具備する方法。
【請求項59】
前記組成物の少なくとも1種が有効量の糞便変性剤を備える請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記組成物の少なくとも1種がスキンケア組成物を備える請求項59に記載の使い捨て製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−194342(P2010−194342A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−127047(P2010−127047)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【分割の表示】特願2000−556811(P2000−556811)の分割
【原出願日】平成11年6月29日(1999.6.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】