説明

使い捨て着用物品を含む物品群およびその着用物品の形成に用いる接合装置

【課題】接合部のパターンによって着用物を識別することができる着用物品群およびその着用物品の接合部を形成するための接合装置を提供する。
【解決手段】おむつ1の前側部16aと後側部16bとは、縦方向Yに延びる接合部17によって連結され、ウエスト開口および一対のレッグ開口が形成されている。おむつ1は、表面シート18と、裏面シート19と、これら表裏面シート18,19の間に位置する吸液性のコア20とを含む。表裏面シート18,19は、熱可塑性合成樹脂を含む熱溶着性繊維不織布によって形成されている。おむつ1の接合部17は、複数の接着部位21と、これら接着部位21の間に位置する非接着部位22とによって形成されている。接合部17は、ほぼ正方形の整列した接着部位21のうち、その一部が欠落しており、各パターンによって欠落した部位が異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の使い捨て着用物品を含む物品群に関し、より詳しくは、着用物品として使い捨ておむつ、使い捨てのトイレット・トレーニングパンツ、使い捨て失禁パンツ、使い捨ての生理用パンツ等を用いた物品群に関する。また、これら着用物品の接合部を形成する接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前後ウエスト域と、これら前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域とを有する使い捨ておむつにおいて、前後ウエスト域の両側縁を互いに接合することは公知である。例えば、特許文献1には、前後ウエスト域の両側縁を互いに重ね合わせ、挟持ユニットで前後ウエスト域のそれぞれから挟持して超音波によってシールすることが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された加工装置では、ドラムの外周に沿って連続された使い捨ておむつを搬送する。ドラムの内側から突出する超音波装置と、ドラムの外側から超音波装置に当接するアンビルとによって、おむつの側縁を互いに接合するシール部を形成している。すなわち、超音波装置とアンビルとが一対になってシール部を形成するが、これら一対の超音波装置とアンビルとは、ドラムの外周に6対取り付けられて、連続的にシール部を形成することができるようにしている。また、アンビルの超音波装置当接面側には、複数の凸部が形成され、この凸部が超音波装置に押圧されることによって、形成された凸部と同じパターンのシール部がおむつの側部に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−205026公報(JP 2005−205026 A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された加工装置は、アンビルの凸部が欠損したり、磨耗したりすることがあり、また、超音波装置そのものが発振不良を起こすこともあり、そのためにシール部の接合強度が低下する可能性がある。シール部の強度が低下すると、おむつの側部が剥離しやすいという問題がある。通常、形成された複数のおむつの中から、いくつかを無造作に取り出し、実際にシール部を剥離させるように引っ張ってその強度を確認する。しかし、接合強度が低下したおむつを見つけたとしても、このおむつのシール部は、複数のアンビルの中のどれによって形成されたものであるのかを突き止めるには、全てのアンビルを検査しなければならず、その検査に手間がかかる。
【0006】
この発明では、接合部のパターンによって着用物品を識別することができる着用物品群およびその着用物品の接合部を形成するための接合装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の発明と第2の発明とを含む。
第1の発明は、間欠的に接合された一定複数の接合部を有する特定の複数の使い捨て着用物品によって構成される物品群の改良にかかわる。
【0008】
ここに「特定の複数の使い捨て着用物品」とは、例えば、物品が使い捨ておむつの場合、大人用、子供用、通常の排便用、昼間用、夜間用、排便トレーニング用等のサイズ・用途別、月齢別、外観デザイン・内部構造等の形態別、性能別、価格別、商標別等に識別される特定のおむつ群を意味する。
【0009】
第1の発明は、前記接合部は、接着部位で形成される複数のパターンを有し、前記使い捨て着用物品間で異なるパターンが形成されることによって、これら使い捨て着用物品を互いに識別可能にされていることを特徴とする。
【0010】
この発明の実施態様のひとつとして、前記接合部は、前記接着部位と、前記接着部位の間に位置する非接着部位とを有し、前記パターンは、前記使い捨て着用物品間の前記接着部位および前記非接着部位の配置位置を変えることによって形成される。
【0011】
他の実施態様のひとつとして、前記接着部位は、前記着用物品の縦方向および横方向の少なくとも一方に整列して形成され、前記パターンは、前記接着部位の少なくともひとつが欠落されて形成される。
【0012】
他の実施態様のひとつとして、前記パターンは、前記着用物品間の前記接着部位の形状を変えることによって形成される。
【0013】
他の実施態様のひとつとして、ひとつのパッケージに異なる複数のパターンの前記接合部を有する前記着用物品が収納されている。
【0014】
第2の発明は、環状の回転体と、前記回転体の周面の外側および内側のいずれか一方に位置する複数のアンビルユニットと、いずれか他方に位置し前記アンビルユニットに対向する複数の超音波ユニットとを有し、前記アンビルユニットおよび前記超音波ユニットが接触して、前記超音波ユニットから前記アンビルユニットへと超音波を発振する接合装置の改良にかかわる。
【0015】
第2の発明は、前記アンビルユニットが、前記超音波ユニットに接触可能な挟持面と、前記挟持面に形成された複数の凸部とを有し、前記凸部のパターンが、前記アンビルユニット間で異なることを特徴とする。
【0016】
この発明の実施態様のひとつとして、前記アンビルユニットは、前記回転体と同方向に回転する支持台に取り付けられた固定アームと、前記固定アームに対して揺動可能な揺動アームとを含み、前記アンビルユニットは、前記回転体の外側に取り付けられる。
【0017】
他の実施態様のひとつとして、前記超音波ユニットは、超音波発生装置と、超音波を発振する発振面とを有し、前記発振面は、前記アンビルユニットの挟持面に接触可能にされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の特にそのひとつ以上の実施態様によれば、接合部が、接着部位で形成される複数のパターンを有し、使い捨て着用物品間で異なるパターンが形成されることによって、これら使い捨て着用物品を互いに識別可能にすることができる。接合部を形成するための接合装置において、そのパターンを形成する複数のアンビルを使用することによって、パターンに対応するアンビルを容易に見つけることができる。したがって、アンビルに不具合が生じた場合には、この検査も容易におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】使い捨て着用物品の一例である使い捨ておむつの斜視図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】おむつの一部破断展開平面図。
【図4】接合部のパターン説明図。
【図5】接合装置の斜視図。
【図6】ウェブの概要斜視図。
【図7】挟持面の凸部のパターンの説明図。
【図8】接合部の他のパターンの説明図。
【図9】接合部の他のパターンの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明に係る使い捨て着用物品の一例として示す、使い捨ておむつ1の斜視図、図2は、図1のII−II線断面図、図3は、おむつ1の一部を破断した展開図、図4は、接合部のパターン説明図である。おむつ1は、横方向Xの長さ寸法を二等分した仮想縦中心線P−P、横方向Yの長さ寸法を二等分した仮想横中心線Q−Qを有し、仮想縦中心線P−Pに関してほぼ対称とされている。対称の部分では、その一方にのみ符号を付し、他方では一部省略している。
【0021】
おむつ1は、着用者の身体側およびその反対側である着衣側と、前ウエスト域11と、後ウエスト域12と、前後ウエスト域11,12間に位置するクロッチ域13と、互いに仮想横中心線Q−Qに関して対向し、横方向Xに延びる前後端部14,15と、互いに仮想縦中心線P−Pに関して対向し、縦方向Yへ延びる両側部とを有する。両側部は、前ウエスト域11に位置する前側部16aと、後ウエスト域12に位置する後側部16bと、クロッチ域13に位置するクロッチ側部16cとを有する。
【0022】
前後側部16a,16bは、仮想縦中心線P−Pにほぼ平行に延びるとともに、クロッチ側部16cは、着用者の大腿部に沿ってフィットするように凹曲状に形成されている。前側部16aと後側部16bとは、縦方向Yに延びる接合部17によって連結され、ウエスト開口および一対のレッグ開口が形成されている。
【0023】
おむつ1は、身体側を形成する表面シート18と、その反対側である着衣側を形成する裏面シート19と、これら表裏面シート18,19の間に位置する吸液性のコア20とを含む。表裏面シート18,19は、互いにホットメルト接着剤等によって間欠的に接合され、コア20と表裏面シート18,19とも、互いにホットメルト接着剤等によって間欠的に接合されている。表裏面シート18,19の間には、前後端部14,15およびクロッチ側部16cに沿って、それぞれ複数条の弾性部材29a,29bが伸長状態で収縮可能に取り付けられ、おむつ1を着用者の身体に密着させるようにしている。
【0024】
表裏面シート18,19は、熱可塑性合成樹脂を含む熱溶着性繊維不織布によって形成されている。例えば、熱溶着繊維としてポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維を含むスパンボンド繊維不織布を用いることができる。また、表面シート18は透液性を有し、裏面シート19は不透液性を有していることが好ましい。
【0025】
コア20は、少なくともクロッチ域13に位置するとともに、前後ウエスト域11,12に向かって縦方向Yに延びている。コア20は、クロッチ域13において、横方向Xの長さ寸法が小さくなり、仮想横中心線Q−Qに向かってくびれた形状を有している。このようなコア20は、フラッフパルプと超吸収性ポリマー粒子等との混合からなる吸液性の芯材を液拡散性シート(図示せず)で覆うことによって形成される。
【0026】
図4には、特定のおむつ(着用物品)群に属するおむつにおける接合部17のパターンの例を示している。この図では、説明のため、一対の接合部17の一方のみを示している。各おむつ1の接合部17は、複数の接着部位21と、これら接着部位21の間に位置する非接着部位22とによって形成されている。接着部位21は、一辺が1mmのほぼ正方形であり、縦方向Yおよび横方向Xにそれぞれ複数、整列して形成されている。このような接着部位21では、超音波溶着によって、表裏面シート18,19の繊維の一部が溶着し、互いに接合されることによって形成される。接着部位21の間には、非接着部位22を介在させることによって、接合部17の肌触りが悪くなるのを防止し、さらに、接合力および剛性を調節している。
【0027】
上記のような各おむつ1は、サイズ毎に製造され、その複数がひとつのパッケージに収められる。この実施形態では、ひとつのパッケージに異なる複数のパターンの接合部17を有するおむつが収納されている。
【0028】
接合部17は、ほぼ正方形の整列した接着部位21のうち、その一部が欠落しており、各パターンによって欠落した部位が異なる。すなわち、図4(a)の第1パターン23では、2列2段目の位置の接着部位21が欠落し、図4(b)の第2パターン24では2列3段目、図4(c)の第3パターン25では2列4段目、図4(d)の第4パターン26では2列5段目、図4(e)の第5パターン27では2列6段目、図4(f)の第6パターン28では2列7段目の接着部位21が、それぞれ欠落し、その欠落した部分では非接着部位22を形成している。
【0029】
図5は、上記のような接合部17を有するおむつ1の接合装置3を示したものであり、図6は、接合装置3に搬送されるウェブ5を示したものである。機械方向MDに延びる連続したウェブ5は、仮想切断線54に沿って切断することでおむつ1が形成される。ウェブ5は、おむつ1の前後端部14,15に対応する両側縁51,52が互いに重なるように折り畳まれた状態で搬送される。このようなウェブ5に、接合装置3によって接合部17を形成する。なお、ウェブ5には、クロッチ側縁16cに対応する開孔53が形成され、これら開孔53の間に、機械方向MDに間欠的にコア20が取り付けられている。接合部17は、開孔53およびコア20の間で形成され、仮想切断線54は、一対の接合部17の間に位置する。
【0030】
接合装置3は、繊維ウェブ5をその外周面にまきつけて搬送する環状の回転体31と、回転体31の外側に位置する複数のアンビルユニット32と、回転体31の内側に位置しアンビルユニット32に対向して位置する複数の超音波ユニット33とを含む。この実施形態では、アンビルユニット32と超音波ユニット33とは、それぞれ等間隔に6箇所形成されている。
【0031】
回転体31は、矢印Z方向に回転するとともに、アンビルユニット32および超音波ユニット33も、回転体31に同期して矢印Z方向に回転するようにそれぞれ支持台34,35に取り付けられて制御されている(図示せず)。回転体31および支持台34,35は、それぞれ図示しないモータ等の駆動原によって回転されている。
【0032】
ウェブ5は回転体31の上流側に位置する案内ローラ36によって、回転体31へと搬送され、搬送されたウェブ5は、回転体31の外周面にまきつけられながら、機械方向MDに搬送され、さらに回転体31の下流側に位置する案内ローラ37によって、接合装置3外へと搬送される。
【0033】
超音波ユニット33は、超音波発生装置38と、アンビルユニット32に対向する発振面39とを有する。発振面39は、回転体31に形成された貫通孔31aを介して回転体31内側から外側へと突出し、超音波発生装置38によって発生された超音波をアンビルユニット32側へと発振する。
【0034】
アンビルユニット32は、支持台35に固定された固定アーム40と、固定アーム40に連結されるとともに、該固定アーム40に対して90度旋回し超音波ユニット33の発振面39に接触可能な揺動アーム41とを有する。揺動アーム41は、図示しないカム機構によって固定アーム40に対して旋回されるとともに、その先端であって発振面39に対向する挟持面42を有し、発振面39と挟持面42とによって、ウェブ5を挟持することができる。挟持面42には複数の凸部43が形成され、凸部43と発振面39とが接触し、これらの押圧によって凸部43に対応した接着部位が、ウェブ5に形成される。
【0035】
上記のように接着部位を形成するアンビルユニット32および超音波ユニット33は、回転体31周面に沿って複数対形成されている。したがって、ウェブ5に対して連続的に接合部17を形成することができる。図6に示したように、接合部17は、機械方向MDに間欠的に並ぶ、コア20とコア20との間に形成されるから、接合装置3においては、コア20の間隔に合わせて、アンビルユニット32および超音波ユニット33の間隔が決められている。
【0036】
図7は、挟持面42の凸部43の説明図である。凸部43は、一辺が約1mmのほぼ正方形であり、機械方向MDおよび交差方向CDにそれぞれ0.5〜2.0mm離間して並んでいる。挟持面42は、交差方向MDの長さ寸法を二等分する仮想縦中心線R−Rを境界に左右でそれぞれ異なるパターンの凸部43の配列となっている。
【0037】
図7(a)〜(f)は、機械方向MDの上流から下流に向かって隣接して並ぶ挟持面42の凸部43の配列パターンである。図7(a)の挟持面42において、仮想縦中心線R−Rの図面左側の第1パターン44では、挟持面42の端部42aから2段目の位置の凸部43のひとつが欠落し、図面右側の第2パターン45では4断面の位置の凸部43のひとつが欠落している。図7(b)では、仮想縦中心線R−Rの図面左側は、図7(a)と同じ第2パターン45が形成されている。すなわち、端部42aから3段目の凸部43のひとつが欠落している。図7(b)の仮想縦中心線R−Rの図面右側は、端部42aから4段目の凸部43のひとつが欠落した第3パターン46が形成されている。
【0038】
図7(c)では、仮想縦中心線R−Rの図面左側は、図7(b)と同じ第3パターン46が形成され、図面右側には、端部42aから5段目の凸部43のひとつが欠落した第4パターン47が形成されている。図7(d)では、仮想縦中心線R−Rの図面左側は、図7(c)と同じ第4パターン47が形成され、図面右側には、端部42aから6段目の凸部43のひとつが欠落した第5パターン48が形成されている。図7(e)では、仮想縦中心線R−Rの図面左側は、図7(d)と同じ第5パターン48が形成され、図面右側には、端部42aから7段目の凸部43のひとつが欠落した第6パターン49が形成されている。図7(f)では、仮想縦中心線R−Rの図面左側は、図7(e)と同じ第6パターン49が形成され、図面右側には、第1パターン44が形成されている。
【0039】
上記のような複数の凸部43によって接合部17が形成されたウェブ5は、仮想縦中心線R−Rに仮想切断線54を一致させて切断され、個々のおむつ1となる。したがって、上記のように、凸部43を形成することによって、おむつ1を形成した際に、一対の両側縁において、同パターンの接合部17を形成することができる。
【0040】
上記のような接合装置3によっておむつ1を形成した際には、接合装置3の回転体31の一回転によって、凸部43の第1〜第6パターン44〜46に対応する第1〜第6パターンの接合部17を有するおむつ1が形成される。製造された複数のおむつ1の中からひとつを抜き出した場合であっても、その接合部17のパターンを見ることによって、どのアンビルユニット32の挟持面42によって形成されたものであるかを判断することができる。したがって、接合部17の接合強度が弱く、アンビルユニット32または超音波ユニット33に不具合があると判断される場合には、容易にその不具合のあるアンビルユニット32または超音波ユニット33を突き止めることができる。したがって、すべてのアンビルユニット32および超音波ユニット33を検査する必要がなく、修理や交換を簡単におこなうことができる。
【0041】
上記の実施形態では、接着部位21の形状を矩形としているが、これに限られることなく、例えば三角形の接着部位21とすることもできるし、矩形と三角形等の異なる形の接着部位21を組み合わせることもできる。
また、接着部位21を形成する方法として、超音波による接合をその一例として説明しているが、加圧または加熱による接合であってもよい。このような場合でも、接合装置に接着部位21形成用の凸部を有するアンビルが使用され、凸部のパターンを変えることによって、その検査等を容易におこなうことができる。なお、加圧によって接合する場合には、接着部位21が形成されるシートは、熱可塑性合成樹脂を含まなくてもよい。
【0042】
図8,9は、接合部17の他のパターンを示したものである。これら図8,9では、説明のため、おむつ1の接合部17の一方のみを示している。図8に示したように、接合部17は、ひとつの着用物品群の中で、第1パターン23として長方形、第2パターン24として楕円形、第3パターン25として六角形、第4パターン26として三角形、第5パターン27として菱形、第6パターン28としてハート型等のパターンを有する。また、図9に示したように、例えば2段目における熱溶着部21の個数をそれぞれ変えるものであってもよい。いずれにしても、各アンビルユニットにそれぞれ異なるパターンの凸部を形成することによって、一群のおむつにおいて複数のパターンの接合部を有するものとすることができる。
【0043】
上記のような過程で製造された複数のおむつ1をパッケージに納めて販売するような場合には、複数のパターンの接合部17を有する複数のおむつ1がひとつのパッケージに入っていることとなる。接合部17のパターンが、おむつを使用する毎に異なることによって、使用者はおむつを選ぶ楽しさを得ることができる。
【0044】
接着部位21のパターンは、接合部17の接合強度に関係するから、この強度を考慮して決めることが望ましい。例えば、接着部位21の一部を欠落させる場合には、欠落部を縦方向Yおよび横方向Xの中央部分に位置させることによって、接合強度の低下を防止することができる。また、個々の接着部位21の面積を小さくすることによって、これを欠落させた場合でも、接合部17全体の接合強度に大きな影響を与えることなくパターンを変えることができる。また、製品構成上、前後ウエスト域を形成するシートの重なり枚数が多い部分などで、接合強度が高くなりすぎる部分において、接着部位21の一部を欠落させることで、接合強度を部分的に調整することも可能である。
【0045】
おむつ1を構成する各構成部材には、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 おむつ(使い捨ての着用物品)
3 接合装置
17 接合部
21 接着部位
22 非接着部位
23〜28 第1〜第6パターン
31 回転体
32 アンビルユニット
33 超音波ユニット
35 支持台
38 超音波発生装置
39 発振面
40 固定アーム
41 揺動アーム
42 挟持面
43 凸部
44〜49 第1〜第6パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的に接合された一定複数の接合部を有する特定の複数の使い捨て着用物品によって構成される物品群において、
前記接合部は、接着部位で形成される複数のパターンを有し、前記使い捨て着用物品間で異なるパターンが形成されることによって、これら使い捨て着用物品を互いに識別可能にされていることを特徴とする前記物品群。
【請求項2】
前記接合部は、前記接着部位と、前記接着部位の間に位置する非接着部位とを有し、
前記パターンは、前記使い捨て着用物品間の前記接着部位および前記非接着部位の配置位置を変えることによって形成される請求項1記載の物品群。
【請求項3】
前記接着部位は、前記着用物品の縦方向および横方向の少なくとも一方に整列して形成され、前記パターンは、前記接着部位の少なくともひとつが欠落されて形成される請求項2記載の物品群。
【請求項4】
前記パターンは、前記着用物品間の前記接着部位の形状を変えることによって形成される請求項1記載の物品群。
【請求項5】
ひとつのパッケージに異なる複数のパターンの前記接合部を有する前記着用物品が収納されている請求項1〜4のいずれかに記載の物品群。
【請求項6】
環状の回転体と、前記回転体の周面の外側および内側のいずれか一方に位置する複数のアンビルユニットと、いずれか他方に位置し前記アンビルユニットに対向する複数の超音波ユニットとを有し、前記アンビルユニットおよび前記超音波ユニットが接触して、前記超音波ユニットから前記アンビルユニットへと超音波を発振する接合装置において、
前記アンビルユニットは、前記超音波ユニットに接触可能な挟持面と、前記挟持面に形成された複数の凸部とを有し、前記凸部のパターンが、前記アンビルユニット間で異なることを特徴とする前記接合装置。
【請求項7】
前記アンビルユニットは、前記回転体と同方向に回転する支持台に取り付けられた固定アームと、前記固定アームに対して揺動可能な揺動アームとを含み、前記アンビルユニットは、前記回転体の外側に取り付けられる請求項6記載の接合装置。
【請求項8】
前記超音波ユニットは、超音波発生装置と、超音波を発振する発振面とを有し、前記発振面は、前記アンビルユニットの挟持面に接触可能にされる請求項6または7記載の接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−161041(P2011−161041A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27855(P2010−27855)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】