説明

使い捨て着用物品

【課題】吸液構造体が横方向へ収縮することを防止し、吸液構造体の肌への密着力を向上することができる使い捨て着用物品を提供する。
【解決手段】おむつは、前ウエスト域12と後ウエスト域13とクロッチ域14と、前ウエスト域と後ウエスト域に配置されるウエスト部材20,30と、クロッチ域に配置されるクロッチ部材40と、クロッチ部材に設けられる吸液性構造体40Aと、ウエスト部材においウエスト弾性体60,70とを備える。ウエスト部材は、伸縮性の弾性シート55f,55bを含み、弾性シートは横方向Xのシート両側縁部55sと、縦方向Yに対向するシート外端縁部およびシート内端縁部とを有し、中央域においてシート内端縁部がクロッチ部材に固定され、シート両側縁部の間に引張力Fが加えられたとき、シート両側縁部における縦方向Yの寸法よりも、中央域における縦方向Yの寸法が小さくなる態様で中央域がくびれるように変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使い捨て着用物品に関し、より詳しくは、使い捨ておむつ、使い捨てトレーニングパンツ、使い捨て失禁パンツ、使い捨て生理用パンツ等の使い捨て着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに直交する縦方向および横方向と、肌対向面および非肌対向面とを有し、前記肌対向面において互いに対向する前ウエスト域および後ウエスト域と、前記縦方向において前記前ウエスト域および前記後ウエスト域との間に配置したクロッチ域と、前記前ウエスト域において横方向へ延びて伸縮性を有する前ウエスト弾性体と、前記後ウエスト域において横方向へ延びて伸縮性を有する後ウエスト弾性体と、クロッチ域に設けた体液を吸収する吸液構造体とを備える使い捨て着用物品は公知である。
【0003】
例えば、特許文献1には、後ウエスト弾性体が吸液構造体と重なる部分において切断された状態で配置してある使い捨ておむつが開示されている。
【0004】
この使い捨ておむつによれば、後ウエスト弾性体の収縮力によって吸液構造体が横方向に収縮することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4421012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている使い捨ておむつは、後ウエスト弾性体の一部が切断された状態で配置してあるため、吸液構造体の肌への密着力が低下し、おむつを着用した状態で吸液構造体が肌から離れる課題が存在した。
【0007】
そこで、この発明では、吸液構造体が横方向へ収縮することを防止するとともに、吸液構造体の肌への密着力を向上することができる使い捨て着用物品の提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、この発明は、互いに直交する横方向および縦方向と、肌対向面および非肌対向面とを有し、前記肌対向面において互いに対向する前ウエスト域および後ウエスト域と、前記縦方向において前記前ウエスト域および前記後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、前記前ウエスト域および前記後ウエスト域に配置されるウエスト部材と、前記クロッチ域に配置されるクロッチ部材と、前記クロッチ部材に設けられる吸液性構造体と、前記ウエスト部材において前記横方向へ延びるウエスト弾性体とを備える使い捨て着用物品を前提とする。
【0009】
この使い捨て着用物品において、この発明の特徴は、前記ウエスト部材は、前記縦方向に対向する外端縁部と内端縁部とを有し、少なくとも前記横方向において伸縮性の弾性シートを含み、前記ウエスト弾性体は、前記ウエスト部材の外端縁部の側に配置される第1ウエスト弾性体と、前記ウエスト部材の内端縁部の側に配置される第2ウエスト弾性体とを含み、前記第2ウエスト弾性体は、前記吸液性構造体の領域において存在しておらず、前記弾性シートは、前記横方向のシート両側縁部と、前記縦方向に対向するシート外端縁部およびシート内端縁部とを有し、前記少なくとも中央域において前記シート内端縁部が前記クロッチ部材に固定され、前記シート両側縁部の間に引張力が加えられたとき、前記シート両側縁部における前記縦方向の寸法よりも、前記中央域における前記縦方向の寸法が小さくなる態様で少なくとも前記中央域がくびれるように変形することである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る使い捨て着用物品によれば、第2ウエスト弾性体は、吸液性構造体の領域において存在していないため、前後第2ウエスト弾性体の収縮力によって吸液性構造体が横方向へ収縮することを防止することができる。
【0011】
加えて、弾性シートは、少なくとも中央域においてシート内端縁部がクロッチ部材に固定され、シート両側縁部の間に引張力が加えられたとき、シート両側縁部における縦方向の寸法よりも、中央域における縦方向の寸法が小さくなる態様で少なくとも中央域がくびれるように変形する。よって、使い捨て着用物品を着用することによって、中央域において弾性シートがくびれるため、クロッチ部材の中央域を弾性シートで上方へ持ち上げることができ、吸液性構造体の肌への密着力が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る使い捨て着用物品の一例としての使い捨ておむつの斜視図。
【図2】おむつの一部破断展開図。
【図3】クロッチ部材の一部を破断した図2と同様の図。
【図4】図2のIV−IV線拡大断面図。
【図5】弾性シートを示す説明図であって、(a)は引張力が加えられていない状態を示す説明図であり、(b)は横方向に互いに離間する引張力が加えられている状態を示す説明図。
【図6】おむつの後ウエスト部材の変形を示す説明図。
【図7】おむつの変形例を示す図3と同様の図。
【図8】(a)弾性シートの一例の平面図。(b)図8のVIIIb−VIIIb線断面図。
【図9】弾性シートの別の例の断面図。
【図10】弾性シートを横方向Xへ伸張した場合において、横方向Xへの伸びと収縮力との関係を示した図。
【図11】サンプル不織布を横方向Xへ伸張した場合において、横方向Xへの伸びと収縮力との関係を示した図。
【図12】弾性シートおよびサンプル不織布のかたさを測定する装置の検出部を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、この発明に係る使い捨て着用物品である使い捨ておむつ10の斜視図である。図1中、Xは横方向を示し、Yは横方向Xに直交する縦方向を示す。おむつ10は、着用者に対する肌対向面と、その反対面である非肌対向面とを有する。
【0014】
おむつ10は、着用者のウエスト回り方向へ延びる環状のウエスト部材11と、ウエスト部材11と連結され、縦方向Yへ延びるクロッチ部材40とを備えている。ウエスト部材11は、前ウエスト部材20と、後ウエスト部材30とを環状に連結することで形成してある。
【0015】
おむつ10は、前ウエスト部材20の後述する前外端縁部201および後ウエスト部材30の胴回り外端縁部311によって形成される胴回り開口15を有するとともに、クロッチ部材40の後述する両側縁部40sおよび前ウエスト部材20の前内端縁部202または後ウエスト部材30の胴回り内端縁部312によって構成される一対の脚回り開口16を有する。
【0016】
図2は、そのおむつ10の一部を破断した展開図であり、図4は、図2のIV−IV線拡大断面図である。図2中、Pは、おむつ10を展開した状態において横方向Xの長さ寸法を二等分する仮想縦中心線を示し、Qは、おむつ10を展開した状態において縦方向Yの長さ寸法を二等分する仮想横中心線を示す。おむつ10は、仮想縦中心線Pに対して対称である。また、図4において、Zは、縦方向Yおよび横方向Xにそれぞれ直交する厚さ方向を示す。
【0017】
おむつ10は、図1に示す着用状態で、肌対向面において互いに対向する前ウエスト域12および後ウエスト域13を有している。前ウエスト域12には、前ウエスト部材20を配置し、後ウエスト域13には、後ウエスト部材30を配置してある。
【0018】
おむつ10は、縦方向Yにおいて、前ウエスト域12および後ウエスト域13の間に位置するクロッチ域14を有する。クロッチ域14には、クロッチ部材40を配置してある。
【0019】
前ウエスト部材20は、仮想横中心線Qに離間する側において横方向Xへ延びる前外端縁部201と、仮想横中心線Qに近接する側において横方向Xへ延びる前内端縁部202と、前外端縁部201および前内端縁部202をつないで縦方向Yへ延びる前両側縁部203とから矩形に画定してある。
【0020】
後ウエスト部材30は、縦方向Yの寸法よりも横方向Xの寸法が大きい矩形状を成す胴回りカバー部31と、胴回りカバー部31に連なる臀部カバー部32とで形成してある。
【0021】
胴回りカバー部31は、前ウエスト部材20と同形同大に形成してある。すなわち、胴回りカバー部31は、仮想横中心線Qに離間する側において横方向Xへ延びる胴回り外端縁部311と、仮想横中心線Qに近接する側において横方向Xへ延びる胴回り内端縁部312と、胴回り外端縁部311および胴回り内端縁部312をつないで縦方向Yへ延びる胴回り両側縁部313とから矩形に画定してある。
【0022】
臀部カバー部32は、胴回りカバー部31の胴回り内端縁部312から仮想横中心線Qの側へ延びるほぼ台形に形成してある。すなわち、臀部カバー部32は、胴回り内端縁部312と一致する臀部外端縁部321と、横方向Xへ延びる臀部内端縁部322と、臀部外端縁部321および臀部内端縁部322をつないで縦方向Yへ傾斜して延びる臀部両側縁部323とからほぼ台形に画定してある。この臀部カバー部32は、おむつ10を着用している着用者の臀部を覆う。
【0023】
肌対向面において互いに対向する、前ウエスト部材20の前両側縁部203と、後ウエスト部材30の胴回り両側縁部313とは、互いに重ね合わせて、縦方向Yへ間欠的に並ぶ溶着部17で接合してある。
【0024】
前ウエスト部材20および後ウエスト部材30は、横方向Xおよび縦方向Yにおいて実質的に非伸縮性の非弾性シート50と、横方向Xおよび縦方向Yにおいて伸縮性の弾性シート55とを含む。この例で説明するおむつ10においては、非弾性シート50を2枚用いてある。2枚の非弾性シート50に関して、厚さ方向Zで互いに対向する部位56において、肌対向面側に位置するものが第1非弾性シート51であり、非肌対向面側に位置するものが第2非弾性シート52である。
【0025】
前ウエスト部材20を形成する第1非弾性シート51fは、縦方向Yの寸法よりも横方向Xの寸法が大きい細長の矩形を有する。
【0026】
後ウエスト部材30を形成する第1非弾性シート51bは、臀部カバー部32の全域を含み、胴回りカバー部31の一部、具体的には、臀部カバー部32に隣接する胴回りカバー部31の胴回り内端縁部312から仮想横中心線Qに対して離間する側へ延びる部分を含む。
【0027】
前ウエスト部材20を形成する第2非弾性シート52fは、縦方向Yの寸法よりも横方向Xの寸法が長い細長の矩形を有する。
【0028】
後ウエスト部材30を形成する第2非弾性シート52bは、臀部カバー部32の全域を有し、胴回りカバー部31の全域を有する。
【0029】
これら第2非弾性シート52b,52fは、第1非弾性シート51の肌対向面側に対向する部位56から、仮想横中心線Qに対して離間するように縦方向Yへ延びる本体部53と、本体部53の外端縁部201,311から肌対向面側への折り曲げ部54とを有する。
【0030】
本体部53は、前後ウエスト部材20,30の非肌対向面側の全域を覆い、折り曲げ部54は、本体部53の肌対向面の一部(外端縁部201,311の側の肌対向面)を覆う。
【0031】
前ウエスト域12において、第1非弾性シート51fのシート外端縁部519fの肌対向面を弾性シート55fが覆う。弾性シート55fのシート外端縁部559fの肌対向面をクロッチ部材40の後述する前エンドフラップ47fが覆う。クロッチ部材40の前端縁40fの肌対向面を、第2非弾性シート52の折り曲げ部54が覆う。
【0032】
後ウエスト域13において、第1非弾性シート51bの外端縁部519bの肌対向面をクロッチ部材40の後述する後エンドフラップ47bが覆う。クロッチ部材40の後端縁40bの肌対向面を弾性シート55bが覆う。弾性シート55bのシート外端縁部559bを、第2非弾性シート52の折り曲げ部54が覆う。
【0033】
第1非弾性シート51b,51fおよび第2非弾性シート52b,52fは、それぞれ質量約15〜30g/mの実質的に非伸縮性のSMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布、スパンボンド繊維不織布若しくはエアスルー繊維不織布、若しくはプラスチックシート、またはそれらのラミネートシートなどを用いることができる。これらのシート51b,51f,52b,52fは、少なくとも一方のシート51b,51f,52b,52fの内面に塗布されたホットメルト接着剤等の接合手段によって接合してある。
【0034】
弾性シート55は、前ウエスト域12に配置する弾性シート55fと、後ウエスト域13に配置する弾性シート55bとを含む。これら弾性シート55b,55fは縦方向Yの寸法よりも横方向Xの寸法が長い細長の矩形を有する。
【0035】
弾性シート55b,55fには、伸縮性繊維不織布を使用してある。伸縮性繊維不織布としては、例えば、スパンボンド繊維不織布、メルトブローン繊維不織布、ヒートロール繊維不織布、SMS繊維不織布、エアレイド繊維不織布及びエアスルー繊維不織布など公知の繊維不織布を単独で又はそれらを組み合わせたものを用いることができる。また、伸縮性繊維不織布は、例えば、ポリスチレン系、ポリウレタン系等からなるエラストマー樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル等からなる熱可塑性樹脂、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレートによる芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維などから形成してある。なお、弾性シート55f,55bは、縦方向Yにおける伸び率よりも横方向Xにおける伸び率が大きいものを用いていることが好ましい。
【0036】
前ウエスト域12に位置する弾性シート55fは、仮想横中心線Qに離間する側において横方向Xへ延びるシート外端縁部559fと、仮想横中心線Qに近接する側において横方向Xへ延びるシート内端縁部557fと、シート外端縁部559fおよびシート内端縁部557fをつないで縦方向Yへ延びるシート両側縁部55sとから矩形に画定してある。シート外端縁部559fおよびシート内端縁部557fは、縦方向Yに対向している。
【0037】
後ウエスト域13に位置する弾性シート55bは、仮想横中心線Qに離間する側において横方向Xへ延びるシート外端縁部559bと、仮想横中心線Qに近接する側において横方向Xへ延びるシート内端縁部557bと、シート外端縁部559bおよびシート内端縁部557bをつないで縦方向Yへ延びるシート両側縁部55sとから矩形に画定してある。シート外端縁部559bおよびシート内端縁部557bは、縦方向Yに対向している。
【0038】
弾性シート55の一例は、例えば図8(a)および図8(b)に示すように、ウレタン繊維551とポリオレフィン繊維552とが混ざり合うように形成してある。なお、図8(a)と参考写真とは同一の被写体を撮影したものであるが、これらの写真および図において、ウレタン繊維551を赤色に染めてあり、且つウレタン繊維551およびポリオレフィン繊維552を50倍に拡大してある。ウレタン繊維551は、縦方向Yおよび横方向Xへ伸縮性を有するものであって、厚さ方向Zにおいて主として中央に位置する。ポリオレフィン繊維552は、強度を保つとともに、風合いをよくするためのものであって、厚さ方向Zにおいて主として表面側および裏面側に位置する。図示するように、弾性シート55を表面側または裏面側から見た場合には、ウレタン繊維551が表面側および裏面側に現れるとともに、ウレタン繊維551の間からポリオレフィン繊維552が表面側および裏面側に現れてポリオレフィン繊維552とウレタン繊維551とが混在している。
【0039】
図8(a),(b)に示す弾性シート55は、好ましくは質量約25〜60g/m、より好ましくは26〜34g/mであり、弾性シート55を構成する繊維551,552の径が好ましくは約20〜25μmであって、繊維551,552の太さが約2.5〜5.0dtexである。
【0040】
弾性シート55の他の一例は、例えば図9に示すように、シート状のウレタン繊維で形成した不織布553と、二枚のシート状のポリオレフィン繊維で形成した不織布554とを厚さ方向に積層するように形成してある。より具体的には、二枚の不織布554で不織布553を挟むように積層することで弾性シート55を形成してある。不織布553と不織布554とは、例えば熱エンボスによって接合してある。
【0041】
前ウエスト域12において、非弾性シート51f,52fと、弾性シート55fとは、例えば力が加えられていない弾性シート55fに、力が加えられていない非弾性シート51f,52fを不図示のホットメルト接着剤を介して接合してある。なお、後述するようにシート両側縁部55sの間に引張力を加え、シート両側縁部55sにおける縦方向Yの寸法よりも、中央域55cにおける縦方向Yの寸法が小さくなる態様で中央域55cがくびれるように変形させた状態の弾性シート55fに、力が加えられていない非弾性シート51f、52fを不図示のホットメルト接着剤を介して接合してもよい。
【0042】
後ウエスト域13において、非弾性シート52bと、弾性シート55bとは、例えば力が加えられていない弾性シート55bに、力が加えられていない非弾性シート52bを不図示のホットメルト接着剤を介して接合してある。なお、後述するようにシート両側縁部55sの間に引張力を加え、シート両側縁部55sにおける縦方向Yの寸法よりも、中央域55cにおける縦方向Yの寸法が小さくなる態様で中央域55cがくびれるように変形させた状態の弾性シート55bに、力が加えられていない非弾性シート52bを不図示のホットメルト接着剤を介して接合してもよい。
【0043】
なお、弾性シート55fと非弾性シート51f,52fとの接合、および弾性シート55bと非弾性シート52bとの接合は、ホットメルト接着剤に限られず、ソニックシール、ヒートシール等で接合してもよい。
【0044】
弾性シート55は、図5(a)に示すように、力が加えられていない自然状態においては矩形を有する。このときの横方向Xの寸法はW0であり、縦方向Yの寸法はL0である。
【0045】
一方、図5(b)に示すように、弾性シート55の横方向Xの両側縁部55sの間に仮想縦中心線Pから対向離間するように横方向X(弾性シート55の長さ方向)へ引張力Fを加えたときには、両側縁部55sにおける縦方向Yの寸法L1よりも、仮想縦中心線Pが位置する少なくとも中央域55cにおける縦方向Yの寸法L2が小さくなる態様で中央域55cにくびれ(ネッキング)が発生するように変形する。また、両側縁部55sの間に引張力Fを加えたときの縦方向Yの寸法L1は、自然状態における縦方向Yの寸法L0よりもわずかに小さくなる。
【0046】
このおむつ10に使用する弾性シート55の一例を以下に示す。この弾性シート55は、自然状態における横方向Xの寸法W0が150mm以上であり、縦方向Yの寸法L0が80mmである。この弾性シート55は、図8で示したように、ウレタン繊維551とポリオレフィン繊維552とが混ざり合うように形成してある。
【0047】
この弾性シート55の変形を測定するときには、弾性シート55の両側縁部55sをそれぞれ引張試験機(株式会社島津製作所製 AG−I)の一対のチャック(不図示)に取り付け(一対のチャック間の初期状態における距離は150mm)、いずれか一方のチャックを移動することによって、これら一対のチャックを互いに離間する方向へ徐々に移動させる。
【0048】
一対のチャック間の距離が200mmとなったとき、中央域55cにおける縦方向Yの寸法L2は68mmである。よって、くびれの縦方向Yの寸法は、12mmである。この弾性シート55を、前ウエスト部材20および後ウエスト部材20の横方向Xの寸法が、400mmのおむつ10に適用することを想定して、上記のチャック間の距離を想定している。
【0049】
チャック間の距離が250mmとなったとき、中央域55cにおける縦方向Yの寸法L2は55mmである。よって、くびれの縦方向Yの寸法は、25mmである。この弾性シート55を、前ウエスト部材20および後ウエスト部材20の横方向Xの寸法が、500mmのおむつ10に適用することを想定して、上記のチャック間の距離を想定している。
【0050】
チャック間の距離が300mmとなったとき、中央域55cにおける縦方向Yの寸法L2は47mmである。よって、くびれの縦方向Yの寸法は、33mmである。この弾性シート55を、前ウエスト部材20および後ウエスト部材20の横方向Xの寸法が、600mmのおむつ10に適用することを想定して、上記のチャック間の距離を想定している。
【0051】
チャック間の距離が325mmとなったとき、中央域55cにおける縦方向Yの寸法L2は42mmである。よって、くびれの縦方向Yの寸法は、38mmである。この弾性シート55を、前ウエスト部材20および後ウエスト部材20の横方向Xの寸法が、650mmのおむつ10に適用することを想定して、上記のチャック間の距離を想定している。
【0052】
この弾性シート55は、自然状態での横方向Xの寸法W0が150mmであり、それを横方向Xの寸法W1が325mmとなるように引張力を加えた場合、換言すれば、自然状態に対する横方向Xの寸法W1が2.17倍となるように引張力を加えた場合、中央域55cにおける縦方向Yの寸法は80mmから42mmとなり、自然状態の中央域55cに対する縦方向Yの寸法は47.5%減少する。
【0053】
第1非弾性シート51と第2非弾性シート52とは、互いに対向する部位56の全域において、少なくともいずれか一方のシート51,52に塗布したホットメルト接着剤で接合してある。
【0054】
前ウエスト域12において、弾性シート55fは、シート外端縁部559fの全域が、第2非弾性シート52fの本体部53にホットメルト接着剤などの固定手段(不図示)で取り付けてある。換言すれば、弾性シート55fは、少なくとも中央域55cにおいて、シート外端縁部559fを第2非弾性シート52fに固定手段で取り付けてある。
【0055】
後ウエスト域13において、弾性シート55bは、シート外端縁部559bの全域が、第2非弾性シート52bの本体部53および折り曲げ部54にホットメルト接着剤などの固定手段(不図示)で取り付けてある。換言すれば、弾性シート55bは、少なくとも中央域55cにおいて、シート外端縁部559bを第2非弾性シート52bに固定手段で取り付けてある。
【0056】
前ウエスト域12において、弾性シート55fは、図3において、波線で示すように、クロッチ部材40と重なる箇所の全域を、クロッチ部材40の非肌対向面にホットメルト接着剤などの固定手段801で取り付けてある。換言すれば、弾性シート55fは、少なくともシート内端縁部557fをクロッチ部材40に固定手段801で固定してある。また、固定手段801によって弾性シート55fとクロッチ部材40との接合領域80fを形成する。
【0057】
後ウエスト域13において、弾性シート55bは、図3において、波線で示すように、クロッチ部材40と重なる箇所であって、且つシート内端縁部557bの側を、クロッチ部材40の肌対向面にホットメルト接着剤などの固定手段802で取り付けてある。換言すれば、弾性シート55bは、少なくともシート内端縁部557bをクロッチ部材40に固定手段802で固定してある。また、固定手段802によって弾性シート55bとクロッチ部材40との接合領域80bを形成する。
【0058】
クロッチ部材40は、図3に示すように、横方向Xの寸法よりも縦方向Yの寸法が大きい矩形を有し、横方向Xへ延びる前端縁40fと、横方向Xへ延びる後端縁40bと、前端縁40fと後端縁40bとをつなぎ縦方向Yへ延びる両側縁部40sとから画定してある。
【0059】
クロッチ部材40には、吸液性構造体40Aを設けてある。吸液性構造体40Aは、図3および図4に示すように、肌対向面側に位置する表面シート41と、非肌対向面側に位置する裏面シート42と、表面シート41および裏面シート42の間に介在する体液を吸収する芯材43とを備えている。
【0060】
表面シート41は、芯材43の肌対向面の全域を覆い、透液性の繊維不織布を用いることができる。
【0061】
裏面シート42は、芯材43の非肌側表面の全域を覆い、難透液性もしくは不透液性の繊維不織布、またはフィルムを用いることができる。
【0062】
表面シート41および裏面シート42には、例えばスパンボンド繊維不織布、若しくはスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)繊維不織布、エアスルー繊維不織布、ポイントボンド繊維不織布などを用いることができる。
【0063】
表面シート41および裏面シート42は、芯材43の両端縁43f,43bから縦方向Yへ延出し、該延出部どうしが互いに重ね合されてホットメルト接着剤で接合されることによって、芯材43の両側縁43sから延出する前後エンドフラップ47f,47bを形成する。
【0064】
表面シート41および裏面シート42は、芯材43の両側縁43sから横方向Xへ延出し、該延出部どうしが互いに重ね合されてホットメルト接着剤で接合されることによって、芯材43の両側縁43sから延出するサイドフラップ47sを形成する。
【0065】
芯材43は、横方向Xの寸法よりも縦方向Yの寸法が大きい矩形を有し、クロッチ域14において縦方向Yへ延びるように形成してあり、例えば吸収性ポリマー粒子48および吸収性繊維49によって形成してある。吸収性ポリマー粒子48には、例えばデンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系等の粒子状または繊維状であって、自己質量の少なくとも数10倍以上の吸収能を有する水不溶性で水膨潤性のポリマーを用いることができる。
【0066】
吸収性繊維49には、木材フラッフパルプ等の天然パルプ繊維、レーヨンステープル等の再生繊維、およびこれらを混合したものを使用することができる。
【0067】
クロッチ部材40の両側縁部40sには、表面シート41と裏面シート42との間に複数のレッグ弾性体44を配置してある。レッグ弾性体44は、ストリング状またはストランド状であって、伸長状態で縦方向Yへ延びるように配置してあり、表面シート41および裏面シート42の少なくとも一方にホットメルト接着剤(不図示)で取り付けてある。
【0068】
クロッチ部材40には、仮想縦中心線Pに関して対称となるように一対の防漏シート45を設けてある。一対の防漏シート45は、仮想縦中心線Pに近接する側がそれぞれ折り返してあり、縦方向Yへ延びる一対のスリーブ45aを形成している。スリーブ45aの内側には、複数のストリング状またはストランド状のカフ弾性体46が伸長状態で取り付けてある。各カフ弾性体46は、縦方向Yへ延び、肌対向面側の防漏シート45および非肌対向面側の防漏シート45の少なくとも一方にホットメルト接着剤(不図示)で固定してある。
【0069】
クロッチ部材40の前後エンドフラップ47f,47bのうち、前ウエスト域12に位置する前エンドフラップ47fは、図4に示すように、厚さ方向Zにおいて、弾性シート55fと、第2非弾性シート52の折り曲げ部54との間に挿入してある。前エンドフラップ47fは、その肌対向面を第2非弾性シート52fの折り曲げ部54にホットメルト接着剤で接合してあるとともに、その非肌対向面を弾性シート55fにホットメルト接着剤で接合してある。
【0070】
後ウエスト域13に位置する後エンドフラップ47bは、厚さ方向Zにおいて、弾性シート55bと、第2非弾性シート52bの本体部53との間に挿入してある。後エンドフラップ47bは、その肌対向面を弾性シート55bにホットメルト接着剤で接合してあるとともに、その非肌対向面を第2非弾性シート52bの本体部53にホットメルト接着剤で接合してある。
【0071】
前ウエスト部材20には、図3に示すように、横方向Xへ延びるストリング状またはストランド状の前ウエスト弾性体60を伸長状態で取り付けてある。
【0072】
前ウエスト弾性体60は、外端縁部201の側に位置する前第1ウエスト弾性体61と、内端縁部202の側に位置する前第2ウエスト弾性体62とを含む。
【0073】
前第1ウエスト弾性体61は、第2非弾性シート52fの本体部53と折り曲げ部54との間に伸長状態で取り付けてあり、これら本体部53および折り曲げ部54の少なくとも一方に塗布したホットメルト接着剤で固定してある。
【0074】
第2非弾性シート52fの横方向Xの長さ寸法は、弾性シート55fの横方向Xの長さ寸法よりも大きいが、前第1ウエスト弾性体61の収縮力によって、弾性シート55fの横方向Xの長さ寸法と実質的に同一である。
【0075】
前第2ウエスト弾性体62は、第1非弾性シート51fと、第2非弾性シート52fの本体部53との間に伸長状態で取り付けてあり、これらのシート51f,52fの少なくとも一方に塗布したホットメルト接着剤で固定してある。
【0076】
第1非弾性シート51fの横方向Xの長さ寸法は、弾性シート55fの横方向Xの長さ寸法よりも大きいが、前第2ウエスト弾性体62の収縮力によって、弾性シート55fの横方向Xの長さ寸法と実質的に同一である。
【0077】
前ウエスト弾性体60には、太さ約470〜780dtexであって、伸長倍率約2.5〜3.0倍で用いることができる。
【0078】
後ウエスト部材30の胴回りカバー部31には、横方向Xへ延びるストリング状またはストランド状の後ウエスト弾性体70を伸長状態で取り付けてある。
【0079】
後ウエスト弾性体70は、外端縁部311の側に位置する後第1ウエスト弾性体71と、内端縁部312の側に位置する後第2ウエスト弾性体72とを含む。
【0080】
後第1ウエスト弾性体71は、第2非弾性シート52bの本体部53と折り曲げ部54との間に伸長状態で取り付けてあり、これら本体部53および折り曲げ部54の少なくとも一方に塗布したホットメルト接着剤で固定してある。
【0081】
第2非弾性シート52bの横方向Xの長さ寸法は、弾性シート55bの横方向Xの長さ寸法よりも大きいが、後第1ウエスト弾性体71の収縮力によって、弾性シート55bの横方向Xの長さ寸法と実質的に同一である。
【0082】
後第2ウエスト弾性体72は、第1非弾性シート51bと、第2非弾性シート52bの本体部53との間に伸長状態で取り付けてあり、これらのシート51b,52bの少なくとも一方に塗布したホットメルト接着剤で固定してある。
【0083】
第1非弾性シート51bの横方向Xの長さ寸法は、弾性シート55bの横方向Xの長さ寸法よりも大きいが、後第2ウエスト弾性体72の収縮力によって、弾性シート55bの横方向Xの長さ寸法と実質的に同一である。
【0084】
後ウエスト弾性体70には、太さ約470〜780dtexであって、伸長倍率約2.5〜3.0倍で用いることができる。
【0085】
臀部カバー部32にも、横方向Xへ延びるストリング状またはストランド状の臀部カバー弾性体73を伸長状態で取り付けてある。
【0086】
臀部カバー弾性体73には、太さ約470〜780dtexであって、伸長倍率約1.5〜2.5倍で用いることができる。
【0087】
第2ウエスト弾性体62,72および臀部カバー弾性体73は、収縮力が作用しないように、図2に×で示す該弾性体73の不存在領域79f,79b、具体的には、厚さ方向において芯材43と重なる領域79f,79bにおいて切除することで不存在領域79f,79bを設けてある。
【0088】
前ウエスト域12において、不存在領域79fの横方向Xの寸法は、接合領域80fの横方向Xの寸法よりも小さい。
【0089】
後ウエスト域13において、不存在領域79bの横方向Xの寸法は、接合領域80bの横方向Xの寸法よりも小さい。
【0090】
この発明に係るおむつ10によれば、第2ウエスト弾性体62,72は、吸液性構造体40Aの領域79f,79bにおいて存在していないため、前後第2ウエスト弾性体62,72の収縮力によって吸液性構造体40Aが横方向Xへ収縮することを防止することができる。
【0091】
加えて、弾性シート55は、少なくとも中央域55cにおいてシート内端縁部557f,557bがクロッチ部材40に固定され、シート両側縁部55sの間に引張力Fが加えられたとき、シート両側縁部55sにおける縦方向Yの寸法L1よりも、中央域55cにおける縦方向Yの寸法L2が小さくなる態様で少なくとも中央域55cがくびれるように変形する。よって、おむつ10を着用することによって、中央域55cにおいて弾性シート55f,55bがくびれるため、クロッチ部材40の中央域を弾性シート55f,55bで上方へ持ち上げることができ、吸液性構造体40Aの肌への密着力が低下することを防止することができる。
【0092】
加えて、第1ウエスト弾性体61,71は、第2非弾性シート52f,52bに取り付けてあるため、第1ウエスト弾性体61,71によって第2非弾性シート52f,52bの剛性を向上することができる。また、クロッチ部材40の中央域を弾性シート55f,55bの収縮力で上方へ持ち上げることができるため、吸液性構造体40Aの肌への密着力が低下することを確実に防止することができる。
【0093】
さらに、横方向Xにおいて、弾性シート55f,55bとクロッチ部材40とが重なり、かつクロッチ部材40に固定した弾性シート55f,55bの横方向Xの寸法が、第2ウエスト弾性体62,72の不存在領域79f,79bの横方向Xの寸法よりも大きいため、不存在領域79f,79bにおいても弾性シート55f,55bの収縮力によって、クロッチ部材40を肌に押し当てることができる。
【0094】
また、ウエスト部材20,30は、少なくとも横方向Xにおいて実質的に非伸縮性の非弾性シート52f,52bを含み、該非弾性シート52f,52bに第1ウエスト弾性体61,71が配置されているため、第1ウエスト弾性体61,71の存在によって非弾性シート52f,52bの剛性を向上することができる。しかも、弾性シート55f,55bのシート外端縁部559の少なくとも中央域55cが前記非弾性シート52f,52bに固定されているため、弾性シート55f,55bが変形したとき、一層、クロッチ部材40の中央域を仮想横中心線Qから離間するように持ち上げることができる。
【0095】
加えて、伸縮性繊維不織布から形成された弾性シート55f,55bを前後ウエスト部材20,30に配置してあるため、前後ウエスト弾性体60,70の伸長力を比較的に小さく設定しても、前後ウエスト域13,14において所望のフィット性を付与することができる。したがって、ストリング状又はストランド状の弾性材料から形成された前後ウエスト弾性体60,70によって局所的圧迫痕が肌に付くおそれを低減することができる。
【0096】
なお、前ウエスト部材と、後ウエスト部材と、クロッチ部材とで形成するいわゆるスリーピースタイプのおむつにおいて、クロッチ域14でクロッチ部材40のみが縦方向Yに延びるものは、尿等の排泄物が排泄されたときには、クロッチ部材40が肌から離れやすいが、このおむつ10によれば、弾性シート55f,55bの変形を利用することによって、排泄物が排泄されたときでも、肌からクロッチ部材40が離れることを抑えることができる。
【0097】
また、弾性シート55に以下に示すような力を加えて伸長させ、その伸長した状態における収縮力を測定する実験を行った。この実験では、力が加えられていない自然状態において、縦方向Yの寸法が50mmであり、横方向Xの寸法が100mmである弾性シート55を、横方向Xへ引張ることによって、横方向Xの寸法が200mmとなるように(換言すれば、横方向Xの寸法が2倍に長くなるように)伸長させた後、力を徐々に取り除くことによって、横方向Xの寸法が100mmであるように復帰させる。このサイクルを繰り返した実験の結果を表1の上欄および図10に示す。なお、図10における実線は、1サイクル目を表示し、破線は2サイクル目を表示している。また、表1における数値は、それぞれの条件において、自然状態の横方向Xの長さが50mmの弾性シートの収縮力(単位N)の大きさである。また、この弾性シート55は、図8で示したように、ウレタン繊維551とポリオレフィン繊維552とが混ざり合うように形成してあり、ウレタン繊維551の含有率が47%であり、厚さ方向の長さが0.98mmであり、質量が32.58g/mである。
【0098】
この実験において、横方向Xの寸法が100mmである弾性シート55を横方向Xへ伸張させている状態で横方向Xへかかる収縮力は、おむつ10を着用する場合、またはおむつ10を着用させる場合、胴回り開口15を大きくするのに必要な力に相当する。一方、弾性シート55を横方向Xへ2倍に伸長させた後、力を徐々に取り除いている状態における横方向Xへの収縮力は、おむつ10を着用している場合に、着用者の体に加えられる力に相当する。
【0099】
加えて、力が加えられていない状態で縦方向Yの寸法および横方向Xの寸法が弾性シート55と同一である不織布を用意する。この不織布には、上記サイクルの2回目において、力が加えられていない状態から、横方向Xへ2倍に長くなるような力を加えた状態で弾性シート55に発生する収縮力とほぼ同じ収縮力が発生するように、横方向Xへ延びる糸ゴムを縦方向Yへ等間隔に取り付けて構成したサンプル不織布を用意し、上記と同様のサイクルを繰り返した実験の結果を表1の下欄および図11に示す。糸ゴムは、乾式紡糸法によって形成したポリウレタン弾性繊維であり、サンプル不織布には、1本の太さが470dtexのウレタン弾性繊維を4mm間隔で11本配置してある。サンプル不織布の厚さ方向Zの長さは約2.5mmであり、質量は約70g/mである。なお、図11における実線は、1サイクル目を表示し、破線は2サイクル目を表示している。
【0100】
【表1】

【0101】
表1において、「1st」は、上記サイクルの一回目を示し、「2nd」は、上記サイクルの二回目を示す。また、「行き」は、力が加えられていない弾性シート55を、横方向Xへ引張ることによって、横方向Xの寸法が200mmとなるように伸長させている途中で、横方向Xへかかる収縮力を示す。さらに、「戻り」は、横方向Xの寸法が200mmとなるように伸長した弾性シート55に加えられた力を徐々に取り除くことによって、横方向Xの寸法が100mmであるように戻している途中で、横方向Xへかかる収縮力を示す。また、「%」は、横方向Xの寸法が100mmである状態を基準にし、収縮力を測定する際の弾性シート55およびサンプル不織布が伸長した横方向Xの長さ寸法の割合を示す。よって、表1における%と、図10,11における横軸の伸びmmとが対応する。
【0102】
表1に示すように、2サイクル目において、横方向Xへ2倍に伸長した状態の弾性シート55を75%に収縮した状態では、弾性シート55の収縮力が1.01Nであるのに対して、サンプル不織布の収縮力が1.71Nである。換言すれば、サンプル不織布の収縮力は、弾性シート55の収縮力の約1.7倍である。
【0103】
また、2サイクル目において、横方向Xへ2倍に伸長した状態の弾性シート55を50%に収縮した状態では、弾性シート55の収縮力が0.47Nであるのに対して、サンプル不織布の収縮力が1.22Nである。換言すれば、サンプル不織布の収縮力は、弾性シート55の収縮力の約2.6倍である。
【0104】
以上説明したように、伸長した状態から収縮する場合、弾性シート55の収縮力は、2サイクル目において100%である場合には、サンプル不織布のそれと同一であるが、サンプル不織布および弾性シート55に加わる力が小さくなり自然状態に近づくに従って、弾性シート55に加わる収縮力が、サンプル不織布に加わる収縮力よりも小さくなる。換言すれば、おむつ10を着用するときの収縮力は、弾性シートのそれと、サンプル不織布のそれとはほぼ同一であるものの、伸長した状態から収縮する場合、つまりはおむつ10を着用した状態での弾性シート55の収縮力はサンプル不織布のそれよりも小さい。この弾性シート55は、力が加えられていない自然状態から、横方向Xへ長さ寸法が2倍となるように伸長した状態から50%収縮した状態に戻る場合の収縮力が0.05〜0.5N、より好ましくは0.10〜0.35Nであるため、適度な収縮力で着用者の肌に押し当てることができ、着用者の肌に弾性シート55が食い込むことを防止することができる。
【0105】
なお、シート状のウレタン繊維で形成した不織布553と、二枚のシート状のポリオレフィン繊維で形成した不織布554とを厚さ方向に積層するように形成した図9に示す弾性シート55で、上記と同一の条件で収縮力を測定した。その結果を表2に示す
【0106】
【表2】

【0107】
この弾性シート55も上記と同様、横方向Xへ長さ寸法が2倍となるように伸長した状態から50%収縮した状態に戻る場合の収縮力が0.05〜0.5N、より好ましくは0.10〜0.35Nであるため、適度な収縮力で着用者の肌に押し当てることができ、着用者の肌に弾性シート55が食い込むことを防止することができる。
【0108】
上述した弾性シート55およびサンプル不織布において、以下に説明する実験を行った。
【0109】
弾性シート55およびサンプル不織布は、力が加えられていない状態で縦方向の長さが20mmであって横方向Xの長さが25mmである。これら弾性シート55およびサンプル不織布を、横方向Xの長さおよび縦方向Yの長さが、弾性シート55およびサンプル不織布のそれよりも大きい取付板に取り付けて、弾性シート55およびサンプル不織布のシート端縁部のかたさを測定した。なお、取付板の縦方向の端部と、弾性シート55およびサンプル不織布の縦方向のシート端縁部とが一致するように、弾性シート55およびサンプル不織布を取付板に取り付ける。また、取付板には、弾性シート55およびサンプル不織布を取り付けるための凹部を形成してある。凹部は、横方向へ延びる第1凹部と、第1凹部の両端部から縦方向へ延びる一対の第2凹部とで構成してある。第1凹部は、取付板において、取付板の端部と、弾性シート55およびサンプル不織布のシート端縁部とを一致させた箇所から8mm離れた位置に形成してある。一対の第2凹部は、取付板において、相互の間隔が17mm離れるように形成してある。これら第1凹部および第2凹部において、弾性シート55およびサンプル不織布をテープで固定した。
【0110】
弾性シート55およびサンプル不織布のシート端縁部のかたさは、デジタルフォースゲージ(日本電産シンポ株式会社製:SHIMPO FGP−0.2)を用いて測定した。このかたさ測定装置は、図12に示すように、直径が6mmの円柱状の検知部81を有し、検知部81の先端側は、サンプル不織布および弾性シート55に、一方の端部と他方の端部とが接触するように、基端側から先端側に2つに分かれた第1接触部81aと第2接触部81bとを有している。また、かたさ測定装置を100m/minの速度で弾性シート55およびサンプル不織布のシート端縁部に押し当てて、それら弾性シート55およびサンプル不織布のシート端縁部のかたさを測定する。
【0111】
上述したかたさ測定装置によって、弾性シート55およびサンプル不織布のシート端縁部のかたさを測定した結果を表3に示す。
【0112】
【表3】

【0113】
表3に示すように、弾性シート55のシート端縁部は、平均値において、サンプル不織布の端部よりも約30%やわらかい。
【0114】
上述したように、弾性シート55の端部は、サンプル不織布の端部よりもやわらかいため、はき心地を向上することができる。
【0115】
ところで、この発明に係るおむつ10において、クロッチ部材40に固定した後ウエスト部材30に用いた弾性シート55の一例を図6および表4を用いて以下に示す。この弾性シート55は、自然状態における横方向Xの寸法W0が150mm以上であり、縦方向Yの寸法L0が80mmである。また、弾性シート55は、おむつ10と同様、非弾性シート51,52およびクロッチ部材40に接合してある。
【0116】
なお、表4中、自然状態において、後ウエスト部材30における仮想横中心線Qから最も離間する胴回り外端縁部311を基準線L9とした場合において、A,B,C,D,Eは、基準線L9から、引張力Fが加えられたときとの後述するおむつ10の特定の部位までの距離mmを示している。
【0117】
Aに関して、おむつ10の自然状態において、弾性シート55におけるシート外端縁部559にマークaをしておく。次に、おむつ10に一対のチャック91が対向離間するように引張力Fを加えた場合において、基準線L9から、マークaまでの距離mmがAである。
【0118】
Bに関して、おむつ10の自然状態において、弾性シート55のシート外端縁部559と、弾性シート二等分線55mとの縦方向Yの中間位置にマークbをしておく。次に、おむつ10に一対のチャック91が対向離間するように引張力Fを加えた場合において、基準線L9から、マークbまでの距離mmがBである。
【0119】
Cに関して、おむつ10の自然状態において、弾性シート55の縦方向Yの寸法を二等分する弾性シート二等分線55mの位置にマークcをしておく。次に、おむつ10に一対のチャック91が対向離間するように引張力Fを加えた場合において、基準線L9から、マークcまでの距離mmがCである。
【0120】
Dに関して、おむつ10の自然状態において、弾性シート55のシート内端縁部557と、弾性シート二等分線55mとの縦方向Yの中間位置にマークdをしておく、次に、おむつ10に一対のチャック91が対向離間するように引張力Fを加えた場合において、基準線L9から、マークdまでの距離mmがDである。
【0121】
Eに関して、おむつ10の自然状態において、弾性シート55における仮想横中心線Qに近接する側における弾性シート55のシート内端縁部557にマークeをしておく。次に、おむつ10に一対のチャック91が対向離間するように引張力Fを加えた場合において、基準線L9から、マークeまでの距離mmがEである。
【0122】
一対のチャック91の間の対向距離と、A〜Eとの関係は、表4に示すようになる。なお、表4における最も左の欄が一対のチャック91の間の対向距離mmを示している。
【0123】
【表4】

【0124】
表4に示すように、弾性シート55のシート外端縁部559では変化が小さい一方、弾性シート55のシート内端縁部557に近接するに従って、変化が大きくなる。
【0125】
なお、上述した弾性シート55f,55bには、伸縮性繊維不織布のみを使用するもので説明した。しかし、この発明に係る弾性シートは、上述したものに限られない。例えば、伸縮性繊維不織布と、実質的に非伸縮性の繊維不織布とを厚さ方向に積層して構成した弾性シートを用いることができる。
【0126】
この弾性シートに対して上述した引張試験機を使用し、弾性シートの縦方向Yの寸法のみ50mmに変更し、他の条件を同一として行った結果を以下に示す。
【0127】
一対のチャック間の対向距離が200mmとなった場合、中央域における縦方向Yの寸法は49mmである。また、中央域におけるシート内端縁側では、内方に1mmくびれる一方、シート外端縁側では、変化しなかった。
【0128】
一対のチャック間の対向距離が250mmとなった場合、中央域における縦方向Yの寸法は47mmである。また、中央域におけるシート内端縁側では、内方に3mmくびれる一方、シート外端縁側では、変化しなかった。
【0129】
一対のチャック間の対向距離が300mmとなった場合、中央域における縦方向Yの寸法は43mmである。また、中央域におけるシート内端縁側では、内方に4mmくびれる一方、シート外端縁側では、内方に3mmくびれた。
【0130】
一対のチャック間の対向距離が325mmとなった場合、中央域における縦方向Yの寸法は39mmである。また、中央域におけるシート内端縁側では、内方に6mmくびれる一方、シート外端縁側では、内方に5mmくびれた。
【0131】
なお、上述した実施の形態には、弾性シート55f,55bの非肌対向面に非弾性シート52f,52bを取り付けるもので説明したが、この発明はそれに限られない。例えば、弾性シート55f,55bの肌対向面に非弾性シートを取り付けてもよい。ただし、弾性シート55f,55bの非肌対向面に非弾性シート52f,52bを取り付ければ、着用状態において、弾性シート55f,55bのシート内端縁部557およびシート外端縁部559が外部に露出することを防止することができるため、弾性シート55f,55bが剥がれることを防ぐことができる。
【0132】
この発明の使い捨ておむつ10を構成する各構成部材には、この発明の明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種の公知の材料を制限なく用いることができる、また、この発明の明細書及び特許請求の範囲において、「第1」および「第2」の用語は、同様の要素、位置などを単に区別するために用いられている。
【0133】
図7に、この発明に係るおむつ100の変形例を示す。図7に示すおむつ100の基本的構成は、上述したおむつ10と同様であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
【0134】
おむつ10では、弾性シート55と、第2非弾性シート52とは、例えば互いに対向する部位の全域に塗布したホットメルト接着剤で接合してある。一方、このおむつ100では、図中、波線で示す箇所にホットメルト接着剤805を塗布することで、弾性シート55と、第2非弾性シート52とを接合してある。具体的には、弾性シート55f,55bのシート両側縁部55sと、第2非弾性シート52の両側縁部52sとを接合し、弾性シート55f,55bのシート外端縁部559f,559bと、第2非弾性シート52の本体部53とを接合し、これ以外の箇所では、弾性シート55と非弾性シート52とを接合していない。
【0135】
このように弾性シート55と、非弾性シート52とを接合すれば、引張力を加えたときの弾性シート55の中央域55cに発生するくびれを、上述した対向する部位の全域で接合したものに発生するくびれよりも大きくすることができるため、クロッチ部材40を一層上方へ引き上げることができる。
【0136】
以上に記載したこの発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0137】
おむつ10は、互いに直交する横方向Xおよび縦方向Yと、肌対向面および非肌対向面とを有し、肌対向面において互いに対向する前ウエスト域12および後ウエスト域13と、縦方向Yにおいて前ウエスト域12および後ウエスト域13の間に位置するクロッチ域14と、前ウエスト域12および後ウエスト域13に配置されるウエスト部材20,30と、クロッチ域14に配置されるクロッチ部材40と、クロッチ部材40に設けられる吸液性構造体40Aと、ウエスト部材20,30において横方向Xへ延びるウエスト弾性体60,70とを備える。ウエスト部材20,30は、縦方向Yに対向する外端縁部201,311と内端縁部202,312とを有し、少なくとも前記横方向Xにおいて伸縮性の弾性シート55f,55bを含む。ウエスト弾性体60,70は、ウエスト部材20,30の外端縁部201,311の側に配置される第1ウエスト弾性体61,71と、ウエスト部材20,30の内端縁部202,312の側に配置される第2ウエスト弾性体62,72とを含む。第2ウエスト弾性体62,72は、吸液性構造体の領域79f,79bにおいて存在していない。弾性シートは、横方向Xのシート両側縁部55sと、縦方向Yに対向するシート外端縁部559およびシート内端縁部557とを有し、少なくとも中央域55cにおいてシート内端縁部557がクロッチ部材40に固定され、シート両側縁部55sの間に引張力Fが加えられたとき、シート両側縁部55sにおける縦方向Yの寸法よりも、中央域55cにおける縦方向Yの寸法が小さくなる態様で少なくとも中央域55cがくびれるように変形する。
【0138】
上記段落[0136]に開示したこの発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1) ウエスト部材20,30は、少なくとも前記横方向Xにおいて実質的に非伸縮性の非弾性シート52f,52bを含み、非弾性シート52f,52bに第1ウエスト弾性体61,71が配置され、弾性シート55f,55bのシート外端縁部559の少なくとも中央域55cが非弾性シート52f,52bに固定されている。
(2) 弾性シート55f,55bとクロッチ部材40とが重なり、クロッチ部材40に取り付けた弾性シート55f,55bの横方向Xの寸法が、第2ウエスト弾性体62,72が存在しない領域79f,79bの横方向Xの寸法よりも大きい。
(3) 弾性シート55f,55bの横方向Xにおける収縮力は、第1ウエスト弾性体の横方向Xにおける収縮力よりも小さい。
(4) 吸液性構造体40Aは、肌対向面側に位置する透液性の表面シート41と、非肌対向面側に位置する裏面シート42と、表面シート41および裏面シート42との間に介在して排泄物を吸収する芯材43とを備えるとともに、縦方向Yの両端縁部に表面シート41と裏面シート42とによって形成される前後エンドフラップ47f,47bを有し、弾性シート55f,55bは、吸液性構造体40Aの縦方向Yにおける前後エンドフラップ47f,47bの両端縁部を跨ぐように前ウエスト域12および後ウエスト域13にそれぞれ配置されている。
(5) 弾性シート55f,55bは、縦方向Yにおける伸び率よりも横方向Xにおける伸び率が大きい。
(6) 弾性シート55f,55bは、クロッチ部材40の縦方向Yにおける前端縁40fおよび後端縁40bを覆い、力が加えられていない自然状態に対して横方向Xへ2倍に伸長した状態から、収縮した状態に戻る場合の収縮力が0.05〜0.50Nである。
【符号の説明】
【0139】
10 使い捨ておむつ(使い捨て着用物品)
11 ウエスト部材
12 前ウエスト域
13 後ウエスト域
14 クロッチ域
20 前ウエスト部材
21 後ウエスト部材
40 クロッチ部材
40A 吸液性構造体
40f 前端縁
40b 後端縁
50 非弾性シート
51 第1非弾性シート
51f 第1非弾性シート
51b 第1非弾性シート
52 第2非弾性シート
52f 第2非弾性シート
52b 第2非弾性シート
55 弾性シート
55f 弾性シート
55b 弾性シート
55c 中央域
55s シート両側縁部
60 前ウエスト弾性体
61 前第1ウエスト弾性体(第1ウエスト弾性体)
62 前第2ウエスト弾性体(第2ウエスト弾性体)
70 後ウエスト弾性体
71 後第1ウエスト弾性体(第1ウエスト弾性体)
72 後第2ウエスト弾性体(第2ウエスト弾性体)
79f 不存在領域
79b 不存在領域
557 シート外端縁部
557f シート外端縁部
557b シート外端縁部
559 シート内端縁部
559f シート内端縁部
559b シート内端縁部
X 横方向
Y 縦方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する横方向および縦方向と、肌対向面および非肌対向面とを有し、前記肌対向面において互いに対向する前ウエスト域および後ウエスト域と、前記縦方向において前記前ウエスト域および前記後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、前記前ウエスト域および前記後ウエスト域に配置されるウエスト部材と、前記クロッチ域に配置されるクロッチ部材と、前記クロッチ部材に設けられる吸液性構造体と、前記ウエスト部材において前記横方向へ延びるウエスト弾性体とを備える使い捨て着用物品であって、
前記ウエスト部材は、前記縦方向に対向する外端縁部と内端縁部とを有し、少なくとも前記横方向において伸縮性の弾性シートを含み、
前記ウエスト弾性体は、前記ウエスト部材の外端縁部の側に配置される第1ウエスト弾性体と、前記ウエスト部材の内端縁部の側に配置される第2ウエスト弾性体とを含み、
前記第2ウエスト弾性体は、前記吸液性構造体の領域において存在しておらず、
前記弾性シートは、前記横方向のシート両側縁部と、前記縦方向に対向するシート外端縁部およびシート内端縁部とを有し、少なくとも前記中央域において前記シート内端縁部が前記クロッチ部材に固定され、前記シート両側縁部の間に引張力が加えられたとき、前記シート両側縁部における前記縦方向の寸法よりも、前記中央域における前記縦方向の寸法が小さくなる態様で少なくとも前記中央域がくびれるように変形することを特徴とする前記使い捨て着用物品。
【請求項2】
前記ウエスト部材は、少なくとも前記横方向において実質的に非伸縮性の非弾性シートを含み、該非弾性シートに前記第1ウエスト弾性体が配置され、
前記弾性シートの前記シート外端縁部の少なくとも前記中央域が前記非弾性シートに固定されている請求項1に記載の使い捨て着用物品。
【請求項3】
前記弾性シートと前記クロッチ部材とが重なり、前記クロッチ部材に取り付けた前記弾性シートの前記横方向の寸法が、前記第2ウエスト弾性体が存在しない領域の前記横方向の寸法よりも大きい請求項1または2に記載の使い捨て着用物品。
【請求項4】
前記弾性シートの前記横方向における収縮力は、前記第1ウエスト弾性体の前記横方向における収縮力よりも小さい請求項2または3に記載の使い捨て着用物品。
【請求項5】
前記吸液性構造体は、前記肌対向面側に位置する透液性の表面シートと、前記非肌対向面側に位置する裏面シートと、前記表面シートおよび前記裏面シートとの間に介在して排泄物を吸収する芯材とを備えるとともに、前記縦方向の両端縁部に前記表面シートと前記裏面シートとによって形成される前後フラップを有し、
前記弾性シートは、前記吸液性構造体の前記縦方向における前記前後フラップの両端縁部を跨ぐように前記前ウエスト域および前記後ウエスト域にそれぞれ配置されている請求項1〜4のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項6】
前記弾性シートは、前記縦方向における伸び率よりも前記横方向における伸び率が大きい請求項1〜5のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項7】
前記弾性シートは、前記クロッチ部材の前記縦方向における前端部および後端部を覆い、力が加えられていない自然状態に対して前記横方向へ2倍に伸長した状態から、収縮した状態に戻る場合の収縮力が0.05〜0.50Nである請求項1〜6のいずれかに記載の使い捨て着用物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−81752(P2013−81752A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113797(P2012−113797)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】