説明

使い捨て紙おむつ

【課題】排泄を確実に知ることができる使い捨て紙おむつとする。
【解決手段】体液透過性のトップシート1、体液吸収体3及び体液不透過性のバックシート2がこの順に積層される。そして、バックシート2が光透過性とされ、このバックシート2よりも肌面側に、グルコースオキシダーゼC1、被酸化性色素D1及びペルオキシダーゼC2が付与される。加えて、ブドウ糖、及び、体液との接触にともなってブドウ糖が生成される原材料のうち、少なくとも一方も付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄を知ることができる、いわゆるお知らせ機能付きの使い捨て紙おむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の使い捨て紙おむつとしては、加水分解酵素と、加水分解酵素の作用により分解して香料となる香料前駆体物質とを含有してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、香料は空気中に分散してしまう性質を有するため、排泄を知るに不確実である。そこで、健康管理を目的に開発された、体液中の成分に応じて呈色反応を示す反応試薬を含有し、かつ光透過率の高いバックシートが用いられた紙おむつ(例えば、特許文献2参照。)を、排泄を知ることができる紙おむつとして利用することが考えられる。本形態によれば、変色によって排泄を知ることができ、香料のように時間とともに消失してしまうものではないため、排泄を知るに確実性が増す。
しかしながら、特許文献2の紙おむつによると、着用者が健康で体液中の例えばブドウ糖等の成分濃度が低い場合や体液が少量である場合には、変色が生じず、排泄を知ることができない。特許文献2は、健康管理を目的とするものであり、それでも問題ないが、排泄を知ることができる紙おむつとするには、問題である。
【特許文献1】特開平8−126661号公報
【特許文献2】特開2005−152264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする主たる課題は、排泄を確実に知ることができる使い捨て紙おむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
体液透過性のトップシート、体液吸収体及び体液不透過性のバックシートがこの順に積層された使い捨て紙おむつであって、
前記バックシートが光透過性とされ、
このバックシートよりも肌面側に、ブドウ糖から過酸化水素が生成される反応を進行させる第1酵素、酸化すると変色する被酸化性色素、及び、この被酸化性色素が前記過酸化水素によって酸化される反応を進行させる第2酵素が付与されているとともに、
ブドウ糖又は/及び体液との接触にともなってブドウ糖が生成される原材料が付与されている、ことを特徴とする使い捨て紙おむつ。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
前記ブドウ糖生成原材料として、澱粉を主成分とするオブラートが備えられ、かつ前記澱粉からブドウ糖が生成される反応を進行させる第3酵素が付与されている、請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【0006】
〔請求項3記載の発明〕
前記ブドウ糖は、粉体状で前記体液吸収体内に分散して存在する、請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【0007】
〔請求項4記載の発明〕
前記ブドウ糖は、ブドウ糖水溶液を、塗布、含浸又は散布のいずれかの方法により、前記体液吸収体を構成する部材の少なくとも一つに付与される、請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、排泄を確実に知ることができる使い捨て紙おむつとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の使い捨て紙おむつは、テープ型の使い捨て紙おむつのほか、パンツ型の使い捨て紙おむつなどにも適用可能である。以下では、テープ型の使い捨て紙おむつを例に説明する。
【0010】
図1及び図2に、本形態のテープ型の使い捨て紙おむつ10を示した。本形態の紙おむつ10は、不織布や多孔フィルムなどからなる長方形状、砂時計形状などの形状とされた体液透過性のトップシート1、体液分散性を向上させるために適宜設けられた不織布などからなるセカンドシート6、高分子吸収性ポリマー4,4…が添加されるなどした綿状パルプなどからなり、長方形状や砂時計形状などの形状とされた、図示例では砂時計形状とされたある程度の剛性を有する体液吸収体3、ポリエチレンシートやポリラミ不織布、ミクロボイドを形成して蒸気は透過するが液は透過しないシートなどからなる体液不透液性のバックシート2が、この順に積層されて主になる。
【0011】
体液吸収体3は、本紙おむつ10のほぼ中央部に配置されている。また、体液吸収体3は、ティシュペーパーやクレープ紙などからなる被覆シート3Aで被覆されて、形状保持が図られている。
【0012】
本形態では例示していないが、バックシート2の裏面側には、長方形状や砂時計形状などの形状とされた外形シートを備えることができる。外形シートは、紙おむつ10の外面全体に及んで製品形状を規定するものであり、連続シートからなる。外形シートは、ムレ防止などの観点から、体液不透過性(撥水性)を有するものの、通気性も有するのが好ましい。また、外形シートの素材は、適宜選択することができる。具体的には、例えば、ポリプロピレン主体の熱融着繊維及びレーヨン繊維を混綿したレーヨンスパンレース不織布と、ウレタンやイソプレンゴム系の材料を主体とするメルトブロー不織布とを熱融着、超音波接合、ホットメルトなどの接着剤による接合などして一体化したものを例示することができる。この素材を使用する場合においては、前者の不織布(レーヨンスパンレース不織布)が着用者の肌側となるようにするのが好ましい。本形態においては、外形シートの肌面側に、体液不透過性のバックシート2が設けられており、体液の裏抜けが防止されているので、外形シート自体は、体液透過性を有するものであってもよい。なお、符号9,9は、ファスニングテープなどからなる止着テープである。
【0013】
トップシート1の前後端部、バックシート2の前後端部で構成される紙おむつ10の前後端部の少なくとも一方の、図示例では後(背側)端部のフラップ部には、帯状ゴムや糸状ゴムなどからなる胴周り用弾性伸縮部材31,31…が伸張下で固定されて、幅方向に伸縮する胴周り伸縮部30が形成されている。胴周り用弾性伸縮部材31,31…は、例えば、シート1,2間に、1本を又は複数本を平行に備えることができる。胴周り伸縮部30は、使用にあたり、止着テープ9,9が側方に引っ張られるのにともなって、側方に引っ張られ、着用者の胴にフィットする。
【0014】
トップシート1の前後端部(フラップ部)表面(肌側面)上には、体液不透過性の、又は不織布を撥水処理した体液不透過性であるが通気性の図示しない前後フラップシートを設けることもできる。この前後フラップシートは、基端部(紙おむつ10の前方・後方側の端部)がトップシート1表面にホットメルトなどの接着剤などによって固定される。他方、この前後フラップシートの先端部(股間部側の端部)は、トップシート1表面に固定されない起立部とされる。この起立部の先端部には、帯状ゴムや糸状ゴムなどからなる弾性伸縮部材が伸張下でホットメルトなどの接着剤などによって固定される。したがって、使用状態においては、かかる弾性伸縮部材の収縮によって起立部がトップシート1表面から起立し、体液の前後漏れが防止される。この前後フラップシートは、トップシート1の前後端部両方に設けるのではなく、一方でもよい。もちろん、本形態においては、省略することもできる。
【0015】
一方、本形態において、トップシート1の側端部表面(肌側面)上には、横漏れ防止手段として、バリヤーカフスや立体ギャザーなどとも呼ばれる起立ギャザーなどを設けることができる。起立ギャザーは、基端部(紙おむつ10の側方側の端部)がトップシート1表面に固定され、この固定部と固定されていない起立部との境界が起立始点、つまり起立部の近位縁となる。また、起立ギャザーは、下層起立シート、不透液層及び上層起立シートがこの順に積層された積層構造とされるのが好ましい形態である。この形態によると、起立ギャザーを透過する滲み出しは完全に防止され、しかも、肌触りが悪化するおそれがない。また、積層構造とすると、防漏性が高まるばかりでなく、特に起立ギャザーとしての形状保持性が良好となり、着用中において、捲れなどが生じず、漏れ防止効果がより高いものとなる。起立ギャザーは、その先端縁(遠位縁)近傍に、帯状ゴムや糸状ゴムなどからなる単数又は複数の弾性伸縮部材が伸張下でホットメルトなどの接着剤などにより固定される。起立ギャザーは、かかる弾性伸縮部材の収縮によって起立し、先端縁近傍が着用者の脚に当接する。起立した起立ギャザーとトップシート1とで囲まれる、上方開口のほぼ台形の空間によって、尿や軟便などの体液の閉じ込め用ポケット空間が形成される。このポケット空間内に、尿や軟便などの体液が排泄されると、主に、尿などの液体はトップシート1を通過して体液吸収体3内に吸収され、他方、軟便などの固形分は起立ギャザーがバリヤー(障壁)になってその乗り越えが防止される。
【0016】
起立シートは、例えば、撥水処理した不織布や微細な通気用孔開き柔軟フィルムなどの、実質的に通気性を有する素材によって形成することができる。また、起立ギャザーを積層構造とする場合、どのようにして積層構造とするかは、特に限定されない。例えば、連続する起立シートを、不透液層を挟んで折り返し、この折り返し縁から一方が下層起立シートと、他方が上層起立シートとなるようにすることや、複数枚の起立シートを、不透液層を挟んで重ね合わせることなどにより、積層構造とすることができる。一方、起立シート間に介在される不透液層も、どのようにして形成するかが、特に限定されない。例えば、フィルムシートを起立シートにラミネートし、このラミネートされたフィルムシートが不透液層となるようにすることや、起立シートを、ホットメルトなどの接着剤を塗工して貼り合わせ、塗工したホットメルトなどの接着剤が固化して形成された層が不透液層となるようにすることができる。このホットメルトなどの接着剤の塗工は、スパイラル塗工によるのが好ましく、カーテン塗工によるのがより好ましく、ベタ塗工によるのが特に好ましい。
【0017】
本形態において、体液吸収体3の側方には、トップシート1及びバックシート2によってフラップ部が構成されている。このフラップ部のトップシート1とバックシート2との間には、単数又は複数の、図示例では3本の脚周り用弾性伸縮部材21,21…が、伸張下でホットメルトなどの接着剤などによって固定されて、脚周り用弾性伸縮部材21,21…の伸縮力により前後方向に伸縮するひだ状の脚周り伸縮部20が形成されている。この脚周り伸縮部20は、紙おむつ10の側端部に位置し、一般には、平面ギャザー、ガスケットカフスなどとも呼ばれるものである。脚周り用弾性伸縮部材21,21…は、トップシート1とバックシート2との間ではなく、バックシート2と図示しない外形シートとの間に備えることもできる。脚周り伸縮部20が形成されていると、仮に、体液が起立ギャザーなどを乗り越えたとしても、脚周り伸縮部20によって横漏れが防止される。
【0018】
ところで、以上のように脚周り伸縮部20が形成され、しかも前述したように、起立ギャザーが先端部に弾性伸縮部材が伸張下で固定されて起立するように構成されている場合においては、起立ギャザーの弾性伸縮部材の伸張率と脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸張率との差を小さくし、かつ起立ギャザーの弾性伸縮部材の伸張率が脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸張率と同じか若干高くなるようにするとよい。具体的には、起立ギャザーの弾性伸縮部材の伸張率/脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸張率(以下「伸張率比」ともいう。)が、1.0〜1.2とされているのが好ましく、1.0〜1.1とされているのがより好ましい。伸張率比が1.0を下回ると、脚周り伸縮部20が起立ギャザーに覆い被さろうとして起立ギャザーの起立が悪くなる。他方、伸張率比が1.2を上回ると、起立ギャザーが肌を強く圧迫して肌に跡つきが生じる。この際、起立ギャザーの弾性伸縮部材の伸張率は、230〜280%、好ましくは250〜260%、脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸張率は、220〜260%、好ましくは235〜245%、起立ギャザーの弾性伸縮部材の伸張率−脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸張率は、0〜40%、好ましくは10〜20%である。なお、弾性伸縮部材の伸張率(%)とは、「伸張固定されている状態における弾性伸縮部材の長さ/伸張されていない状態(自由状態)における弾性伸縮部材の長さ×100」を意味する。
【0019】
さらに、本形態においては、バックシート2が光透過性とされているとともに、バックシート2よりも肌面側に、ブドウ糖から過酸化水素が生成される反応(ブドウ糖+(空気中の)酸素→グルコン酸など+過酸化水素(H22))を進行させるグルコースオキシダーゼ(GOD)などの第1の酵素C1、酸化すると変色するo−トリジン、2,7−ジアミノフルオレン、o−ジアニシジン、ロイコンソドフェノールなどの被酸化性色素D1、及び、この被酸化性色素D1が前記過酸化水素によって酸化される反応(過酸化水素+被酸化性色素→酸化色素+H2O)を進行させるペルオキシダーゼ(POD)などの第2の酵素C2が付与されている。したがって、尿などの体液中にブドウ糖が含まれることに起因して、被酸化性色素D1が変色する。そして、この変色は、バックシート2が光透過性とされていることから、紙おむつ着用状態においても視認することができ、排泄を知ることができる。
【0020】
ここで、バックシート2は、全面が光透過性とされている必要はなく、被酸化性色素D1の変色を視認することができる範囲で光透過性とされていれば足りる。他方、バックシート2の裏面側に外形シートなどを設ける場合は、この外形シートなども、被酸化性色素D1の変色を視認することができる範囲で光透過性とされている必要がある。
【0021】
本形態において、バックシート2などの光透過性は、JIS K 7105に基づく光透過率が40%以上とされているのが好ましく、60%以上とされているのがより好ましい。光透過率が40%未満とされていると、被酸化性色素D1の変色を視認することが困難となる。
【0022】
ところで、紙おむつ10に、単に酵素C1,C2及び被酸化性色素D1が付与されているのみであると、体液中に含まれるブドウ糖の濃度が低い場合に、被酸化性色素D1の変色が弱くなる。そこで、本形態においては、あらかじめ、ブドウ糖、及び、体液との接触にともなってブドウ糖が生成される原材料(ブドウ糖生成原材料)のうち、少なくとも一方も、紙おむつ10に付与されている。これにより、ブドウ糖の濃度が高くなるため、被酸化性色素D1の変色が強くなる。したがって、被酸化性色素D1の変色を確実に視認することができ、排泄を確実に知ることができる。
【0023】
もっとも、紙おむつ10に、単にブドウ糖を付与しておく場合は、このブドウ糖をグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ等の酵素C1,C2や被酸化性色素D1と接触させておくと、被酸化性色素D1の変色が生じてしまうため、両者を接触させておくことができない。したがって、体液の流れを利用して接触を図る必要があり、ある程度の量の体液が必要になる。つまり、体液の排出が極めて少量である場合は、排泄を知ることができない可能性がある。そこで、本形態においては、ブドウ糖生成原材料として、澱粉を主成分とする例えばシート状のオブラート5が備えられ、かつかかる澱粉からブドウ糖が生成される反応を進行させるアミラーゼなどの第3の酵素C3が付与されている。したがって、尿などの体液がオブラート5に接触し、このオブラート5が溶けて澱粉として分散することに起因して、ブドウ糖が生成される。そして、オブラート5は、当然ブドウ糖ではなく澱粉を主成分とするため、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ等の酵素C1,C2や被酸化性色素D1と接触させておいても、被酸化性色素D1の変色が生じるおそれがない。結果、オブラート5を利用する本形態においては、極めて少量の体液で被酸化性色素D1の変色を生じさせることができ、排泄を確実に知ることができる。
【0024】
ここで、本形態において、各種酵素C1〜3や被酸化性色素D1の付与位置や付与方法などは、特に限定されない。例えば、図2に示すように、吸収体3の裏面側に、肌面側から、第3の酵素C3が含有されたオブラート5、第1及び第2の酵素C1,C2、被酸化性色素D1の順に付与することができる。また、この形態を適宜変更し、例えば、図3に示すように、第3の酵素C3のほか、第1及び第2の酵素C1,C2もオブラート5に含有させることができる。この場合、オブラート5は、図示例では、被覆シート3A内の裏面側端部に配置しているが、被覆シート3Aとバックシート2との間に配置することもできる。さらに、オブラート5は、図4に示すように、被酸化性色素D1をも含有させ、図示例のように、被覆シート3A内の裏面側端部に配置することや、被覆シート3Aとバックシート2との間に配置(図示せず)することもできる。これらの形態においては、被酸化性色素D1の付与位置を工夫して、被酸化性色素D1の変色にともなって、バックシート2の裏面側に絵柄が浮かび上がるようにすることもできる。
【0025】
一方、各種酵素C1〜3や被酸化性色素D1の付与方法としては、例えば、粉体として散布する方法や、バックシート2や被覆シート3Aなどにインキ化して塗工する方法などを、例示することができる。なお、インキ化するためには、各種薬剤と、セルロースやセルロースの誘導体とを有機溶媒中で分散、あるいは溶解する。具体的には、各種薬剤に、セルロースやセルロースの誘導体であるワニス、ヒドロキシプロピルセルロースなどを加え、メタノール、エタノール、トルエン、水酸化ナトリウムなどの有機溶媒中で分散、あるいは溶解する。
【0026】
また、ブドウ糖を付与する場合、この付与位置・付与方法も以上と同様にすることができるが、ブドウ糖の場合は、粉体として体液吸収体3内に混在させるのが好ましい形態である。この場合、ブドウ糖粉体は体液吸収体内のバックシート側に偏在させるとより好ましい。また、ブドウ糖は、ブドウ糖水溶液を、塗布、含浸又は散布のいずれかの方法により、体液吸収体を構成する部材の少なくとも一つ、例えば被覆シート3Aや、体液吸収体3のトップシート1側に取り付けられる、体液拡散用のいわゆるセカンドシート6に付与してもよいし、ブドウ糖を付与したシート材を、体液吸収体内部好ましくはバックシート2側に配置してもよい。ただし、これらの方法を取る場合は、第1及び第2の酵素C1,C2および色素D1は、被覆シート3Aとバックシート2の間に配置することが望ましい。
【0027】
〔その他〕
(1)本形態において、各弾性伸縮部材は、その素材が天然ゴムであっても合成ゴムであってもよい。また、弾性伸縮部材の数、太さ、形状なども特に限定されない。直線状ではなく曲線状、波線状に配置固定することなどもできる。
【0028】
(2)本形態においては、胴周り伸縮部30と体液吸収体3とが重なっていない形態を示したがこれに限定する趣旨ではない。胴周り伸縮部30と体液吸収体3とが重なっていてもよい。また、胴周り伸縮部30と体液吸収体3とが重なるように配置しつつも、重なった部分の胴周り用弾性伸縮部材31,31…を切断除去することなどもできる。
【0029】
(3)本形態において、止着テープ9は、その形状が特に限定されず、例えば、1枚のシートを波線状にカットして切り出した山形形状とすることや、四角形状などとすることができる。
【0030】
(4)第1及び第2の酵素C1,C2や被酸化性色素D1は、ろ紙やクレープ紙などの他のシートに塗工あるいは含浸させて、付与することもできる。また、この際、他のシートは、被覆シート3A内の裏面側端部に配置することや、バックシート2と被覆シート3Aとの間に配置することなどができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、排泄を知ることができる、いわゆるお知らせ機能付きの使い捨て紙おむつとして、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】使い捨て紙おむつの平面図である。
【図2】使い捨て紙おむつの断面図、形態例である。
【図3】使い捨て紙おむつの断面図、形態例である。
【図4】使い捨て紙おむつの断面図、形態例である。
【符号の説明】
【0033】
1…トップシート、2…バックシート、3…体液吸収体、3A…被覆シート、4…高吸収性ポリマー、5…オブラート、C1〜3…酵素、D1…被酸化性色素。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液透過性のトップシート、体液吸収体及び体液不透過性のバックシートがこの順に積層された使い捨て紙おむつであって、
前記バックシートが光透過性とされ、
このバックシートよりも肌面側に、ブドウ糖から過酸化水素が生成される反応を進行させる第1酵素、酸化すると変色する被酸化性色素、及び、この被酸化性色素が前記過酸化水素によって酸化される反応を進行させる第2酵素が付与されているとともに、
ブドウ糖又は/及び体液との接触にともなってブドウ糖が生成される原材料が付与されている、ことを特徴とする使い捨て紙おむつ。
【請求項2】
前記ブドウ糖生成原材料として、澱粉を主成分とするオブラートが備えられ、かつ前記澱粉からブドウ糖が生成される反応を進行させる第3酵素が付与されている、請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【請求項3】
前記ブドウ糖は、粉体状で前記体液吸収体内に分散して存在する、請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【請求項4】
前記ブドウ糖は、ブドウ糖水溶液を、塗布、含浸又は散布のいずれかの方法により、前記体液吸収体を構成する部材の少なくとも一つに付与される、請求項1記載の使い捨て紙おむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−86507(P2008−86507A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269696(P2006−269696)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】