便座シート
【課題】洋式便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ便座シートにおいて、保温性や衛生面で、従来のものよりもより優れた便座シートを提供すること。
【解決手段】表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、洋式便座の上面に着脱自在に取付けて用いられる便座シートにおいて、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維、例えば、遠赤外線放射効果を有する繊維を用いることを特徴とする便座シート。保温性に優れる他、抗菌防臭効果も有している。
【解決手段】表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、洋式便座の上面に着脱自在に取付けて用いられる便座シートにおいて、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維、例えば、遠赤外線放射効果を有する繊維を用いることを特徴とする便座シート。保温性に優れる他、抗菌防臭効果も有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洋式便器の便座の上面に着脱自在に装着して用いられる、遠赤外線効果等を有する便座シートに関する。
【背景技術】
【０００２】
不特定多数の人が使用する公共の場所における洋式便器の便座には、使用に際しての衛生上の目的から、紙製等の水溶性シートからなる使い捨て便座カバーを装着・使用する場合が多い。
かかる便座カバーは、通常、便座の上に置かれるだけであるため、使用時にズレたり落下したりするという問題がある。かかるズレを防止するために、例えば、水溶性シート基材の便座と接触する面に、水溶性、かつ、感圧性の粘着（接着）剤を設けた便座カバーも提案されている（例えば、特許文献１）。
【０００３】
一方、主に家庭用の洋式便器の便座では、衛生面の配慮だけでなく、座り心地や保温性を良くする観点から、立毛布帛等の布帛製の便座カバーを装着することが多く行われており、このような便座カバーとしては各種のものが市販されている。そして、一般に便座の上面形状としては、Ｏ型形状又はＵ型形状をなすものが殆どであるが、これらいずれの形状の便座に対しても装着できる便座カバーとして、図１に例示したような、便座カバーが便座１の平面形状に実質的に沿うよう、前後に長い左右対称の略半月形状に形成された一対のシートからなり、そのシート本体２が、表面繊維層３とこれの裏面に積層形成された粘着性を有する樹脂からなる粘着剤層４とからなるものが知られている（例えば、特許文献２〜４）。
【０００４】
前記便座シートは、粘着剤層を介して便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ、汚れた場合には、洗濯をして繰り返し継続使用できる便利なものである。従って、かかる便座シートの粘着剤層は、使用時にズレ動いたり外れ落ちない程度の粘着性が要求される一方で、洗濯時の取り替え時には簡単に便座から剥がせることが要求される。そして、かかる要求を満足させるために、シートの積層構成や粘着剤層の形成方法についても工夫がなされている（特許文献３と４参照）。しかしながら、前記のような便座シートの表面繊維層については、これまで特に注意が払われてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実開平７−３３２００号公報
【特許文献２】実開平２−１９２９８号公報
【特許文献３】特開平９−２３８８６８号公報
【特許文献４】特開平１０−３１４０７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の課題は、洋式便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ便座シートにおいて、保温性や衛生面で、従来のものよりもより優れた便座シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項１〜６に記載された本発明の各態様によって達成される。
【０００８】
請求項１に記載された発明の態様は、表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、洋式便座の上面に着脱自在に取付けて用いられる便座シートにおいて、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維を用いることを特徴とする便座シートである。
【０００９】
請求項２に記載された発明の態様は、温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１０】
請求項３に記載された発明の態様は、温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果と抗菌防臭効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１１】
請求項４に記載された発明の態様は、温感効果を有する機能性繊維が、吸湿発熱効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１２】
請求項５に記載された発明の態様は、表面繊維層が、パイル布帛又は立毛布帛であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１３】
そして、請求項６に記載された発明の態様は、取付手段が、便座に吸着する吸着体層、又は、便座に粘着（又は接着）する粘着（又は接着）層であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項記載の便座シートである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明の便座シートは、従来公知の便座シートと同様、着脱が簡単であり、また、繰り返し洗濯も可能である。本発明において、取付手段として吸着体、例えば、小さな吸盤からなる吸着体を用いた場合には、粘着剤等ので糊残がない。あるいは、取付手段として粘着（又は接着）剤層を用いた場合でも、必要以上に粘着又は接着性のあるものにする必要がないような工夫がされているので、脱着しても粘着剤の糊残が少ない。本発明の便座シートは、表面繊維層に遠赤素材又は吸湿発熱繊維を使用しているので保温性に優れており、従来の便座シートに比べ節電効果がある。また、本発明の便座シートは、ＳＥＫ基準（繊維評価技術協議会の認定基準）の抗菌防臭効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ便座シートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
本発明の便座シートは、洋式便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられるものであって、表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維を用いた便座シートである。
【００１７】
本発明において用いられる、表面繊維層を形成する温感効果を有する機能性繊維として好ましいのは、優れた保温効果を有するという点で、遠赤外線放射効果を有する繊維、あるいは、吸湿発熱効果を有する繊維である。これらの繊維に、更に抗菌防臭効果を付与した機能性繊維であってもよい。
【００１８】
遠赤外線放射効果を有する繊維としては特に制限されるものではなく、公知のいかなる遠赤外線放射効果を有する繊維でも用いることができる。繊維としては、特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル等の合成繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、木綿、羊毛、絹、麻等の天然繊維、あるいはこれらの混合繊維等が用いられる。これらの繊維はフィラメント又は紡績糸として、更に織編物、不織布、起毛又は立毛布帛等のシート状の布帛として用いることができる。羊毛等のボアを用いた植毛布でもよい。本発明において、保温性や肌触り等の点で特に好ましいのは、起毛布帛、パイル布帛、カットパイル等の立毛布帛である。コスト的には不織布も好ましく用いられる。
【００１９】
遠赤外線は、体内深部に浸透し内部で発熱するため身体を芯から暖める効果を持ち、また、微細血管の拡張、血液循環を良くし新陳代謝を促進する効果をもつことが知られているが、本発明において用いられる遠赤外線放射性物質としては、特に限定されない。具体的には、例えば、Ａｌ、Ｓｉ、Ｍｇ、Ｚｒ、Ｃｒ、Ｔｉの珪化物、炭化物、酸化物又はこれらの混合物からなる遠赤外線放射性セラミックス、あるいは酸化鉄系のセラミックスが例示される。遠赤外線放射効果を有する繊維を得る方法は、前記遠赤外線放射性物質の微粒子、好ましくは粒径が０．３〜２．０μｍの範囲にある微粒子を、前記繊維の表面に樹脂加工剤と共に付着させる方法でも、繊維原材料中への練り込む方法でもよいが、洗濯耐久性が優れている点で練り込みが好ましい。繊維における遠赤外線放射性物質の含有率は０．３〜８質量％が好ましい。
【００２０】
遠赤外線放射性物質を付着又は練り込んだ繊維（遠赤外線放射性繊維）と、他の繊維を混合して本発明の遠赤外線放射効果を有する繊維とする場合には、遠赤外線放射性繊維の混合率が少なくとも３０質量％であるのが好ましい。混合率が３０質量％未満になると、遠赤外線放射量が不足しやすい。
【００２１】
吸湿発熱効果を有する繊維としては、特に制限はなく、吸湿発熱性を有する公知のどのような繊維でも使用できる。例えば、親水基を持つポリマーを架橋してなる化学変性体を有するアクリル酸系吸湿発熱繊維や、合成繊維やセルロース繊維にアミノ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基を導入した湿潤発熱性繊維が例示される。具体的には、吸湿時に吸着熱を発生するアクリレート系繊維である東洋紡社製の高吸湿発熱繊維モイスケア（東洋紡社商標）を挙げることができる。
【００２２】
本発明においては、また、前記のような温感効果を有する機能性繊維が、温感効果に加えて抗菌防臭効果を有するものであってもよい。繊維に抗菌防臭効果を付与する方法は、特に制限されるものではなく、抗菌防臭剤を繊維の表面に樹脂加工剤と共に付着させる方法でも、繊維原材料中への練り込む方法でもよいが、洗濯耐久性が優れている点で練り込みが好ましい。本発明において特に好ましく用いられるのは、遠赤外線放射性物質と抗菌防臭剤を原糸段階で練り込んだ繊維である。具体的には、例えば、アクリル繊維に遠赤外線放射性物質の微粒子セラミックと有機系の抗菌剤を原綿段階で付与した、日本エクスラン社製のセラムエクスフレッシュ（日本エクスラン社商標）が挙げられる。
【００２３】
本発明においては、前記のようなシート状の布帛からなる表面繊維層の裏面に、シートを便座に取付けるための取付手段が設けられている。取付手段は、便座シートを洋式便座の上面に着脱自在に取付けるためのものであって、本発明における取付手段として好ましいのは、便座に吸着するタイプの吸着体層からなるもの、あるいは、便座に粘着（又は接着）する粘着（又は接着）層からなるものである。その他、取付手段は、便座シートを便座に紐止めして取付ける紐あるいはゴム部材であってもよい。
【００２４】
前記吸着体層又は粘着（又は接着）層は、表面繊維層の裏面（パイル布帛等の場合は基布）に直接設けても、不織布等のシートを介して設けてもよい。後者の場合には、便座シートに適度のクッション性を与えることができるので好ましい。
【００２５】
吸着体としては、少なくとも表面に真空吸着力を有する多数の気孔を備えた吸着層を有するものを利用できる。例えば、タイルマットの滑り止め層として用いられている、シートの片面に塗布された発泡合成樹脂組成物であって、多数の気孔を備える真空吸着力を有する滑り止め層が挙げられる（特許第２８４１０１８号参照）。かかる滑り止め層は、便座への押圧により気孔内の空気が排出され、これらの気孔内が負圧になって吸着力が生じるもので、この吸着力により便座シートを便座に吸着させることができる。そして、この吸着体は、少しの力で便座から容易に脱着することができる。
【００２６】
前記吸着体層は、表面繊維層の裏面に直接、発泡合成樹脂組成物を塗布して設けてもよく、あるいは、不織布等のシートに発泡合成樹脂組成物を塗布したものを、塗布面と反対の面で、接着剤を用いて、あるいは、高周波接着等の手段で、表面繊維層の裏面に接合して作製することもできる。
【００２７】
前記粘着（又は接着）層は、表面繊維層の裏面（パイル布帛等の場合は基布）に直接粘着剤を塗布して粘着剤層を形成せしめるのが便利であるが、前記吸着体の場合と同様、不織布等のシートに粘着剤を塗布したものを、塗布面と反対の面で、接着剤を用いて、あるいは、高周波接着等の手段で、表面繊維層の裏面に接合して作製してもよい。粘着剤（接着剤も含む）としては、使用時にズレ動いたり外れ落ちない程度の粘着性が要求される一方で、洗濯時の取り替え時には簡単に便座から剥がせることが要求されるので、適度な接着又は粘着力を有するものでなければならない。かかる条件を満足する限り、公知のどのような粘着剤（又は接着剤）であってもよい。好ましいのは、感圧性のアクリル系やポリウレタン系の粘着剤（又は接着剤）であり、発泡剤を含んだものでもよい。
【００２８】
本発明の便座シートは、図１に示すごとく、シート本体２が、便座１の上面形状に実質的に沿うよう、前後に長い略半月形状を呈していて、表面繊維層３の裏面側に粘着剤層４が積層形成されている。そして、吸着体の吸着力と剥離力、あるいは、粘着剤の粘着力と剥離力のバランスの取れた便座シートとしては、例えば、特許文献３等において提案されているような、吸着体層あるいは粘着層に多数の横溝、あるいは縦溝を入れた構造のものも好ましく用いられる。具体的には、粘着剤層４には、図１に示すごとく、前後の長手方向に沿う仮想軸線に対してこれとほぼ直交するよう多数の横溝５を、前後間に亘って等ピッチで平行に入れたものが好ましい。あるいは、横溝５と直交する方向の縦溝を入れたものであってもよい。溝を形成するには、例えば、表面繊維層３の基布の表面に粘着剤を連続的に塗布し、この塗工時にスクレパーで平行溝を入れて溝部分で粘着剤を掻き取り、加熱乾燥して粘着剤層４を形成すればよい。この横は溝幅が０．５〜４ｍｍ、溝間距離が１０〜４５ｍｍ程度が好ましい。
【００２９】
図１では、溝は直線状とされているが、例えば、横溝の場合には、前後の長手方向にほぼ直交する横方向に全体として延びていればよく、ノコ歯状のようなジグザク状、サインカーブ状、曲線状（円弧状）、矩形波状等とされていてもよい。溝の存在は、粘着剤等の材料低減化のためにも役立つだけでなく、シート全体に適度のクッション性を付与する働きもある。また、吸着体層や粘着（又は接着）層は必ずしも連続した層である必要は無く、多数のスポットとして配置されていてもよい。以下、実施例により本発明を詳述する。
【実施例１】
【００３０】
遠赤外線放射効果を有する繊維としては、アクリル繊維に遠赤外線放射性セラミックスを練り込んだものを用いた（セラムＡ、日本エクスラン工業社商標）。かかる繊維（３．３ｄｔｅｘ、７６〜１２７ｍｍ長）と遠赤外線放射性セラミックスを含まない同種の繊維の５０／５０の混合綿から紡績糸作製した。この紡績糸をパイル糸とし、地糸にアクリル紡績糸（１／５２番手）とポリエステルフィラメント（１５０ｄ）を用いて、丸編機でパイル編物を作製した。得られたパイル編物のパイル長は４〜５ｍｍ、生地幅は１２２ｃｍ、目付は４３０ｇ／ｍ２、厚さは４．３ｍｍであった。
【００３１】
前記で得られたパイル編物の裏面に、アクリル樹脂系の粘着剤を約０．５ｍｍの厚さに均一に塗布し、テンターで乾燥処理後、ブラッシング、ポリッシャ等の工程を経て、本発明の便座シートの原反を製造した。この原反から、便座シートの形に型抜きして、本発明の便座シートを作製した。
【実施例２】
【００３２】
[表面繊維層の熱再放射特性]
本発明において用いられる表面繊維層と、遠赤外線放射性物質を含まない同種の繊維からなる表面繊維層の、熱再放射特性の比較を行った。発明において用いられる表面繊維層は、実施例１において用いた、アクリル繊維に遠赤外線放射性セラミックスを練り込んだ繊維からなるボア生地である（目付：４３０ｇ／ｍ２、厚さ：４．３ｍｍ）。比較として用いた表面繊維層は、遠赤外線放射性セラミックスを含まない同種のアクリル繊維からなるボア生地を用いた（目付：３６２ｇ／ｍ２、厚さ：４．０ｍｍ）。
【００３３】
試験方法は、（社）遠赤外線協会の認定規則熱再放射特性の４５度パラレル再放射法によった。具体的には、試験環境：２０℃、４０％ＲＨで、４５度に傾斜した試料台に、試験試料と対照試料（１０×７ｃｍ）を並べて取り付け、その１５ｃｍ前に熱板（９０℃）を平行にセットする。サーモビュアにより両試料の表面温度を測定し、両試料の温度差を求める。試料は１枚のボア生地の表面温度を測定した（ｎ＝５）。その結果、本発明において用いられる表面繊維層の方が、比較対照用の表面繊維層よりも平均的に温度が０．９℃高かった。この結果は、１２０秒後のサーモグラフィによる表面温度の比較でも明瞭に確認された。
【実施例３】
【００３４】
実施例１と同じパイル糸と地糸を使用して、ダブルラッセル編機でカットパイル編物を得た（カットパイル長が４〜５ｍｍ、目付けが約４００ｇ／ｍ２）。これを本発明の表面繊維層とした。一方、取付手段としては、ポリエステル繊維の不織布（厚さ約３ｍｍ）の片面に、発泡剤を含んだアクリル系樹脂を均一に塗布し（厚さ約０．５ｍｍ）、テンターで乾燥処理して、粘着層と不織布からなるものを作製した。そして、前記表面繊維層の裏面（非カットパイル面）と、前記不織布の面を合わせて本発明の便座シートの原反を製造した。次いで、この原反を便座シートに型抜きしたものを作製し、得られた型の周辺を熱可塑性樹脂を接着剤として高周波接着を行い、本発明の便座シートを製造した。
【実施例４】
【００３５】
アクリル繊維に遠赤外線放射性物質の微粒子セラミックと有機系の抗菌剤を原綿段階で付与した、日本エクスラン社製のセラムエクスフレッシュ（日本エクスラン社商標）（抗菌「セラムＡ」ボア）を用いて、実施例１の場合と同様にしてパイル編物（本発明の表面繊維層）を得た。
【００３６】
[表面繊維層の抗菌性試験]
本発明において用いられる表面繊維層と、遠赤外線放射性物質を含まない同種の繊維からなる表面繊維層の、抗菌性の比較を行った。本発明の前記表面繊維層（但しパイル部から１ｍｍにカットしたものを使用）を用い、比較のための繊維層としては、標準綿布を用いた。
【００３７】
試験方法は、試験菌株として黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P)を用い、ＪＩＳ・Ｌ・１９０２：２００８の定量試験（菌液吸収法）によった。但し、洗濯方法は、ＪＩＳ・Ｌ・０２１７・１０３号の試験方法によった（洗剤はＪＡＦＥＴ標準洗剤を使用）。
生菌数の測定法は、混釈平板培養法によった。試験結果は表１に示したとおりであった。
【００３８】
【表１】
【００３９】
表１において、植菌数（ａ）は、２．４×１０４（log a ＝４．４）で、無加工布（標準綿布）の菌数（ｂ）は、７．８×１０６（log b ＝６．９）であった。殺菌活性値＝log a − log cで表され、静菌活性値＝(log b − log a )−(log c − log o)で表される。いずれの値とも、本発明の表面繊維層は洗濯前はもちろん、洗濯１０回後でも優れた抗菌性を有していた。
【符号の説明】
【００４０】
１ 便座
２ シート本体
３ 表面繊維層
４ 粘着剤層
５ 横溝
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洋式便器の便座の上面に着脱自在に装着して用いられる、遠赤外線効果等を有する便座シートに関する。
【背景技術】
【０００２】
不特定多数の人が使用する公共の場所における洋式便器の便座には、使用に際しての衛生上の目的から、紙製等の水溶性シートからなる使い捨て便座カバーを装着・使用する場合が多い。
かかる便座カバーは、通常、便座の上に置かれるだけであるため、使用時にズレたり落下したりするという問題がある。かかるズレを防止するために、例えば、水溶性シート基材の便座と接触する面に、水溶性、かつ、感圧性の粘着（接着）剤を設けた便座カバーも提案されている（例えば、特許文献１）。
【０００３】
一方、主に家庭用の洋式便器の便座では、衛生面の配慮だけでなく、座り心地や保温性を良くする観点から、立毛布帛等の布帛製の便座カバーを装着することが多く行われており、このような便座カバーとしては各種のものが市販されている。そして、一般に便座の上面形状としては、Ｏ型形状又はＵ型形状をなすものが殆どであるが、これらいずれの形状の便座に対しても装着できる便座カバーとして、図１に例示したような、便座カバーが便座１の平面形状に実質的に沿うよう、前後に長い左右対称の略半月形状に形成された一対のシートからなり、そのシート本体２が、表面繊維層３とこれの裏面に積層形成された粘着性を有する樹脂からなる粘着剤層４とからなるものが知られている（例えば、特許文献２〜４）。
【０００４】
前記便座シートは、粘着剤層を介して便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ、汚れた場合には、洗濯をして繰り返し継続使用できる便利なものである。従って、かかる便座シートの粘着剤層は、使用時にズレ動いたり外れ落ちない程度の粘着性が要求される一方で、洗濯時の取り替え時には簡単に便座から剥がせることが要求される。そして、かかる要求を満足させるために、シートの積層構成や粘着剤層の形成方法についても工夫がなされている（特許文献３と４参照）。しかしながら、前記のような便座シートの表面繊維層については、これまで特に注意が払われてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実開平７−３３２００号公報
【特許文献２】実開平２−１９２９８号公報
【特許文献３】特開平９−２３８８６８号公報
【特許文献４】特開平１０−３１４０７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の課題は、洋式便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ便座シートにおいて、保温性や衛生面で、従来のものよりもより優れた便座シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項１〜６に記載された本発明の各態様によって達成される。
【０００８】
請求項１に記載された発明の態様は、表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、洋式便座の上面に着脱自在に取付けて用いられる便座シートにおいて、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維を用いることを特徴とする便座シートである。
【０００９】
請求項２に記載された発明の態様は、温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１０】
請求項３に記載された発明の態様は、温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果と抗菌防臭効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１１】
請求項４に記載された発明の態様は、温感効果を有する機能性繊維が、吸湿発熱効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１２】
請求項５に記載された発明の態様は、表面繊維層が、パイル布帛又は立毛布帛であることを特徴とする請求項１記載の便座シートである。
【００１３】
そして、請求項６に記載された発明の態様は、取付手段が、便座に吸着する吸着体層、又は、便座に粘着（又は接着）する粘着（又は接着）層であることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項記載の便座シートである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明の便座シートは、従来公知の便座シートと同様、着脱が簡単であり、また、繰り返し洗濯も可能である。本発明において、取付手段として吸着体、例えば、小さな吸盤からなる吸着体を用いた場合には、粘着剤等ので糊残がない。あるいは、取付手段として粘着（又は接着）剤層を用いた場合でも、必要以上に粘着又は接着性のあるものにする必要がないような工夫がされているので、脱着しても粘着剤の糊残が少ない。本発明の便座シートは、表面繊維層に遠赤素材又は吸湿発熱繊維を使用しているので保温性に優れており、従来の便座シートに比べ節電効果がある。また、本発明の便座シートは、ＳＥＫ基準（繊維評価技術協議会の認定基準）の抗菌防臭効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられ便座シートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
本発明の便座シートは、洋式便座の上面に着脱自在に貼り付けて用いられるものであって、表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維を用いた便座シートである。
【００１７】
本発明において用いられる、表面繊維層を形成する温感効果を有する機能性繊維として好ましいのは、優れた保温効果を有するという点で、遠赤外線放射効果を有する繊維、あるいは、吸湿発熱効果を有する繊維である。これらの繊維に、更に抗菌防臭効果を付与した機能性繊維であってもよい。
【００１８】
遠赤外線放射効果を有する繊維としては特に制限されるものではなく、公知のいかなる遠赤外線放射効果を有する繊維でも用いることができる。繊維としては、特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル等の合成繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、木綿、羊毛、絹、麻等の天然繊維、あるいはこれらの混合繊維等が用いられる。これらの繊維はフィラメント又は紡績糸として、更に織編物、不織布、起毛又は立毛布帛等のシート状の布帛として用いることができる。羊毛等のボアを用いた植毛布でもよい。本発明において、保温性や肌触り等の点で特に好ましいのは、起毛布帛、パイル布帛、カットパイル等の立毛布帛である。コスト的には不織布も好ましく用いられる。
【００１９】
遠赤外線は、体内深部に浸透し内部で発熱するため身体を芯から暖める効果を持ち、また、微細血管の拡張、血液循環を良くし新陳代謝を促進する効果をもつことが知られているが、本発明において用いられる遠赤外線放射性物質としては、特に限定されない。具体的には、例えば、Ａｌ、Ｓｉ、Ｍｇ、Ｚｒ、Ｃｒ、Ｔｉの珪化物、炭化物、酸化物又はこれらの混合物からなる遠赤外線放射性セラミックス、あるいは酸化鉄系のセラミックスが例示される。遠赤外線放射効果を有する繊維を得る方法は、前記遠赤外線放射性物質の微粒子、好ましくは粒径が０．３〜２．０μｍの範囲にある微粒子を、前記繊維の表面に樹脂加工剤と共に付着させる方法でも、繊維原材料中への練り込む方法でもよいが、洗濯耐久性が優れている点で練り込みが好ましい。繊維における遠赤外線放射性物質の含有率は０．３〜８質量％が好ましい。
【００２０】
遠赤外線放射性物質を付着又は練り込んだ繊維（遠赤外線放射性繊維）と、他の繊維を混合して本発明の遠赤外線放射効果を有する繊維とする場合には、遠赤外線放射性繊維の混合率が少なくとも３０質量％であるのが好ましい。混合率が３０質量％未満になると、遠赤外線放射量が不足しやすい。
【００２１】
吸湿発熱効果を有する繊維としては、特に制限はなく、吸湿発熱性を有する公知のどのような繊維でも使用できる。例えば、親水基を持つポリマーを架橋してなる化学変性体を有するアクリル酸系吸湿発熱繊維や、合成繊維やセルロース繊維にアミノ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基を導入した湿潤発熱性繊維が例示される。具体的には、吸湿時に吸着熱を発生するアクリレート系繊維である東洋紡社製の高吸湿発熱繊維モイスケア（東洋紡社商標）を挙げることができる。
【００２２】
本発明においては、また、前記のような温感効果を有する機能性繊維が、温感効果に加えて抗菌防臭効果を有するものであってもよい。繊維に抗菌防臭効果を付与する方法は、特に制限されるものではなく、抗菌防臭剤を繊維の表面に樹脂加工剤と共に付着させる方法でも、繊維原材料中への練り込む方法でもよいが、洗濯耐久性が優れている点で練り込みが好ましい。本発明において特に好ましく用いられるのは、遠赤外線放射性物質と抗菌防臭剤を原糸段階で練り込んだ繊維である。具体的には、例えば、アクリル繊維に遠赤外線放射性物質の微粒子セラミックと有機系の抗菌剤を原綿段階で付与した、日本エクスラン社製のセラムエクスフレッシュ（日本エクスラン社商標）が挙げられる。
【００２３】
本発明においては、前記のようなシート状の布帛からなる表面繊維層の裏面に、シートを便座に取付けるための取付手段が設けられている。取付手段は、便座シートを洋式便座の上面に着脱自在に取付けるためのものであって、本発明における取付手段として好ましいのは、便座に吸着するタイプの吸着体層からなるもの、あるいは、便座に粘着（又は接着）する粘着（又は接着）層からなるものである。その他、取付手段は、便座シートを便座に紐止めして取付ける紐あるいはゴム部材であってもよい。
【００２４】
前記吸着体層又は粘着（又は接着）層は、表面繊維層の裏面（パイル布帛等の場合は基布）に直接設けても、不織布等のシートを介して設けてもよい。後者の場合には、便座シートに適度のクッション性を与えることができるので好ましい。
【００２５】
吸着体としては、少なくとも表面に真空吸着力を有する多数の気孔を備えた吸着層を有するものを利用できる。例えば、タイルマットの滑り止め層として用いられている、シートの片面に塗布された発泡合成樹脂組成物であって、多数の気孔を備える真空吸着力を有する滑り止め層が挙げられる（特許第２８４１０１８号参照）。かかる滑り止め層は、便座への押圧により気孔内の空気が排出され、これらの気孔内が負圧になって吸着力が生じるもので、この吸着力により便座シートを便座に吸着させることができる。そして、この吸着体は、少しの力で便座から容易に脱着することができる。
【００２６】
前記吸着体層は、表面繊維層の裏面に直接、発泡合成樹脂組成物を塗布して設けてもよく、あるいは、不織布等のシートに発泡合成樹脂組成物を塗布したものを、塗布面と反対の面で、接着剤を用いて、あるいは、高周波接着等の手段で、表面繊維層の裏面に接合して作製することもできる。
【００２７】
前記粘着（又は接着）層は、表面繊維層の裏面（パイル布帛等の場合は基布）に直接粘着剤を塗布して粘着剤層を形成せしめるのが便利であるが、前記吸着体の場合と同様、不織布等のシートに粘着剤を塗布したものを、塗布面と反対の面で、接着剤を用いて、あるいは、高周波接着等の手段で、表面繊維層の裏面に接合して作製してもよい。粘着剤（接着剤も含む）としては、使用時にズレ動いたり外れ落ちない程度の粘着性が要求される一方で、洗濯時の取り替え時には簡単に便座から剥がせることが要求されるので、適度な接着又は粘着力を有するものでなければならない。かかる条件を満足する限り、公知のどのような粘着剤（又は接着剤）であってもよい。好ましいのは、感圧性のアクリル系やポリウレタン系の粘着剤（又は接着剤）であり、発泡剤を含んだものでもよい。
【００２８】
本発明の便座シートは、図１に示すごとく、シート本体２が、便座１の上面形状に実質的に沿うよう、前後に長い略半月形状を呈していて、表面繊維層３の裏面側に粘着剤層４が積層形成されている。そして、吸着体の吸着力と剥離力、あるいは、粘着剤の粘着力と剥離力のバランスの取れた便座シートとしては、例えば、特許文献３等において提案されているような、吸着体層あるいは粘着層に多数の横溝、あるいは縦溝を入れた構造のものも好ましく用いられる。具体的には、粘着剤層４には、図１に示すごとく、前後の長手方向に沿う仮想軸線に対してこれとほぼ直交するよう多数の横溝５を、前後間に亘って等ピッチで平行に入れたものが好ましい。あるいは、横溝５と直交する方向の縦溝を入れたものであってもよい。溝を形成するには、例えば、表面繊維層３の基布の表面に粘着剤を連続的に塗布し、この塗工時にスクレパーで平行溝を入れて溝部分で粘着剤を掻き取り、加熱乾燥して粘着剤層４を形成すればよい。この横は溝幅が０．５〜４ｍｍ、溝間距離が１０〜４５ｍｍ程度が好ましい。
【００２９】
図１では、溝は直線状とされているが、例えば、横溝の場合には、前後の長手方向にほぼ直交する横方向に全体として延びていればよく、ノコ歯状のようなジグザク状、サインカーブ状、曲線状（円弧状）、矩形波状等とされていてもよい。溝の存在は、粘着剤等の材料低減化のためにも役立つだけでなく、シート全体に適度のクッション性を付与する働きもある。また、吸着体層や粘着（又は接着）層は必ずしも連続した層である必要は無く、多数のスポットとして配置されていてもよい。以下、実施例により本発明を詳述する。
【実施例１】
【００３０】
遠赤外線放射効果を有する繊維としては、アクリル繊維に遠赤外線放射性セラミックスを練り込んだものを用いた（セラムＡ、日本エクスラン工業社商標）。かかる繊維（３．３ｄｔｅｘ、７６〜１２７ｍｍ長）と遠赤外線放射性セラミックスを含まない同種の繊維の５０／５０の混合綿から紡績糸作製した。この紡績糸をパイル糸とし、地糸にアクリル紡績糸（１／５２番手）とポリエステルフィラメント（１５０ｄ）を用いて、丸編機でパイル編物を作製した。得られたパイル編物のパイル長は４〜５ｍｍ、生地幅は１２２ｃｍ、目付は４３０ｇ／ｍ２、厚さは４．３ｍｍであった。
【００３１】
前記で得られたパイル編物の裏面に、アクリル樹脂系の粘着剤を約０．５ｍｍの厚さに均一に塗布し、テンターで乾燥処理後、ブラッシング、ポリッシャ等の工程を経て、本発明の便座シートの原反を製造した。この原反から、便座シートの形に型抜きして、本発明の便座シートを作製した。
【実施例２】
【００３２】
[表面繊維層の熱再放射特性]
本発明において用いられる表面繊維層と、遠赤外線放射性物質を含まない同種の繊維からなる表面繊維層の、熱再放射特性の比較を行った。発明において用いられる表面繊維層は、実施例１において用いた、アクリル繊維に遠赤外線放射性セラミックスを練り込んだ繊維からなるボア生地である（目付：４３０ｇ／ｍ２、厚さ：４．３ｍｍ）。比較として用いた表面繊維層は、遠赤外線放射性セラミックスを含まない同種のアクリル繊維からなるボア生地を用いた（目付：３６２ｇ／ｍ２、厚さ：４．０ｍｍ）。
【００３３】
試験方法は、（社）遠赤外線協会の認定規則熱再放射特性の４５度パラレル再放射法によった。具体的には、試験環境：２０℃、４０％ＲＨで、４５度に傾斜した試料台に、試験試料と対照試料（１０×７ｃｍ）を並べて取り付け、その１５ｃｍ前に熱板（９０℃）を平行にセットする。サーモビュアにより両試料の表面温度を測定し、両試料の温度差を求める。試料は１枚のボア生地の表面温度を測定した（ｎ＝５）。その結果、本発明において用いられる表面繊維層の方が、比較対照用の表面繊維層よりも平均的に温度が０．９℃高かった。この結果は、１２０秒後のサーモグラフィによる表面温度の比較でも明瞭に確認された。
【実施例３】
【００３４】
実施例１と同じパイル糸と地糸を使用して、ダブルラッセル編機でカットパイル編物を得た（カットパイル長が４〜５ｍｍ、目付けが約４００ｇ／ｍ２）。これを本発明の表面繊維層とした。一方、取付手段としては、ポリエステル繊維の不織布（厚さ約３ｍｍ）の片面に、発泡剤を含んだアクリル系樹脂を均一に塗布し（厚さ約０．５ｍｍ）、テンターで乾燥処理して、粘着層と不織布からなるものを作製した。そして、前記表面繊維層の裏面（非カットパイル面）と、前記不織布の面を合わせて本発明の便座シートの原反を製造した。次いで、この原反を便座シートに型抜きしたものを作製し、得られた型の周辺を熱可塑性樹脂を接着剤として高周波接着を行い、本発明の便座シートを製造した。
【実施例４】
【００３５】
アクリル繊維に遠赤外線放射性物質の微粒子セラミックと有機系の抗菌剤を原綿段階で付与した、日本エクスラン社製のセラムエクスフレッシュ（日本エクスラン社商標）（抗菌「セラムＡ」ボア）を用いて、実施例１の場合と同様にしてパイル編物（本発明の表面繊維層）を得た。
【００３６】
[表面繊維層の抗菌性試験]
本発明において用いられる表面繊維層と、遠赤外線放射性物質を含まない同種の繊維からなる表面繊維層の、抗菌性の比較を行った。本発明の前記表面繊維層（但しパイル部から１ｍｍにカットしたものを使用）を用い、比較のための繊維層としては、標準綿布を用いた。
【００３７】
試験方法は、試験菌株として黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P)を用い、ＪＩＳ・Ｌ・１９０２：２００８の定量試験（菌液吸収法）によった。但し、洗濯方法は、ＪＩＳ・Ｌ・０２１７・１０３号の試験方法によった（洗剤はＪＡＦＥＴ標準洗剤を使用）。
生菌数の測定法は、混釈平板培養法によった。試験結果は表１に示したとおりであった。
【００３８】
【表１】
【００３９】
表１において、植菌数（ａ）は、２．４×１０４（log a ＝４．４）で、無加工布（標準綿布）の菌数（ｂ）は、７．８×１０６（log b ＝６．９）であった。殺菌活性値＝log a − log cで表され、静菌活性値＝(log b − log a )−(log c − log o)で表される。いずれの値とも、本発明の表面繊維層は洗濯前はもちろん、洗濯１０回後でも優れた抗菌性を有していた。
【符号の説明】
【００４０】
１ 便座
２ シート本体
３ 表面繊維層
４ 粘着剤層
５ 横溝
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、洋式便座の上面に着脱自在に取付けて用いられる便座シートにおいて、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維を用いることを特徴とする便座シート。
【請求項２】
温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項３】
温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果と抗菌防臭効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項４】
温感効果を有する機能性繊維が、吸湿発熱効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項５】
表面繊維層が、パイル布帛又は立毛布帛であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項６】
取付手段が、便座に吸着する吸着体層からなる、又は、便座に粘着する粘着層からなることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項記載の便座シート。
【請求項１】
表面繊維層とその裏面に形成された取付手段とからなり、洋式便座の上面に着脱自在に取付けて用いられる便座シートにおいて、表面繊維層を形成する繊維として、温感効果を有する機能性繊維を用いることを特徴とする便座シート。
【請求項２】
温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項３】
温感効果を有する機能性繊維が、遠赤外線放射効果と抗菌防臭効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項４】
温感効果を有する機能性繊維が、吸湿発熱効果を有する繊維であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項５】
表面繊維層が、パイル布帛又は立毛布帛であることを特徴とする請求項１記載の便座シート。
【請求項６】
取付手段が、便座に吸着する吸着体層からなる、又は、便座に粘着する粘着層からなることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項記載の便座シート。
【図１】
【公開番号】特開２０１１−１９５８２（Ｐ２０１１−１９５８２Ａ）
【公開日】平成２３年２月３日（２０１１．２．３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１６５２００（Ｐ２００９−１６５２００）
【出願日】平成２１年７月１４日（２００９．７．１４）
【出願人】（０００１１５９６８）レック株式会社 (49)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年２月３日（２０１１．２．３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年７月１４日（２００９．７．１４）
【出願人】（０００１１５９６８）レック株式会社 (49)
【Ｆターム（参考）】
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