説明

係止ハブを備えるドレナージカテーテル

縫合材14を受け取り且つ固定し得るようドレナージカテーテル10と共に使用されるドレナージカテーテルハブ12であって、ハブ12が(i)縫合材14を受容する通路56を有するハウジング18と、(ii)ハウジング18内に配置され且つ縫合材10を選択的に固定し得るようにされた双安定係止機構22と、(iii)双安定係止機構22と共に利用され且つハウジング18に連結された弾性的な外層20とを含む。双安定係止機構22は、(i)双安定係止機構22が第一の位置にあるとき、縫合材14が動くのを許容し、(ii)双安定係止機構22が第二の位置にあるとき、縫合材14の軸方向への動きを最小限にする形態とされている。弾性的な外層20は、ユーザが双安定係止機構22を第一の位置と第二の位置との間にて作動させ、縫合材14を選択的に固定し且つ解放することを許容し得るようにされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液を患者から排液するシステム及び装置に関する。特に、本発明は、排液カテーテルすなわちドレナージカテーテル(以下、ドレナージカテーテルと呼ぶ)、より具体的には、縫合材を選択的に固定し又は解放するドレナージカテーテルのハブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を患者の身体から排液するため多岐に渡る医療分野にてドレナージカテーテルが使用されている。例えば、患者は、負傷したり、身体組織に血液又はその他の身体血清のような、余剰な量の流体が溜まる医学状態を有することがある。流体が除去されなかったならば、組織の裂断又は感染のような更なる合併症が患者にて生じる可能性がある。従って、これらの流体を患者から除去して圧力を解放するか、又は流体の蓄積の結果、組織が損傷されないことを保証するため、ドレナージカテーテルが開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のドレナージカテーテルは、典型的に、ハブと、ハブと連通可能に接続された細長いカテーテル管と、複数のドレナージボアを含む可撓性の先端とを備えている。可撓性の先端のドレナージボアは、細長いカテーテル管を通して流体と連通することを許容する。医師は、先端及びカテーテル管を患者の体内に挿入し先端が組織又は流体の蓄積領域に入るようにする。次に、ユーザは、ハブから伸びて、カテーテル管の長さに沿って進み且つ、先端に固定される縫合材を引っ張る。医師が縫合材を引っ張り又は後退させると、先端はカテーテル本体に向けて内方に撓み、これにより流体の蓄積領域内にてドレナージボアを有する湾曲したループを形成する。
【0004】
カテーテル管の湾曲した形態を維持するため、縫合材をその位置に保持すべく、医師は、縫合材及びカテーテルを両手で把持するか又は、縫合材をハブの回りに巻くことにより縫合材をカテーテルハブに固定しなければならない。残念なことに、このようにしてカテーテルハブを固定することは、特に、カテーテルが長期間、その位置に止まらなければならない場合、かなり不確実で且つ不便である。カテーテル管の追加的な操作又は再位置決めを利用しなければならない場合、カテーテルの長さを適正に操作するため、縫合材をハブから巻き戻すことは難しいであろう。
【0005】
カテーテル管の先端が適正に配置されたとき、その後、余剰な流体は、先端の個々のドレナージボア内に流れ、カテーテル管の長さに沿って流れ且つ、カテーテルハブから排液される。その後、医師は、カテーテルを局所領域から除去する。残念なことに、先端がカテーテル管に対して湾曲した形態をしていることは、ドレナージカテーテルをその排液位置から除去することを困難にするであろう。特に、先端が依然として内方に撓んだ位置にある間、ドレナージカテーテルを除去することは、ドレナージカテーテルを裂断させたり、又は身体組織を損傷させる可能性がある。従って、医師は、典型的に、カテーテルを除去する前に、先端を真直ぐにしようとする。一般に、このためには、最初に先端が撓むようにした縫合材を少なくとも解放することを必要とする。ドレナージカテーテルの先端の湾曲した形態を維持するため、縫合材が巻き付けられた場合、縫合材を巻き戻すことは、難しく且つ時間が掛かることになろう。
【0006】
更に、医師が縫合材を解放したとき、従来のカテーテルの可撓性の先端は、カテーテル先端を実質的に真直ぐな位置まで操作することを許容する態様にて完全には解放されないであろう。これは、多岐に渡るファクタが原因である。例えば、ドレナージカテーテルが長期間、患者の体内に止まる場合、体液又は体液と関係した物及び材料が縫合材糸上に固着し、ドレナージカテーテルの先端の湾曲した形態が解放されるのを阻止することになる。これにより医師が例えば、縫合材をハンドルの回りにて巻き戻した後でさえ、縫合材は引っ張り可能な形態に止まることになろう。このため、医師は、カテーテルを除去するため、侵襲的外科手術のような、追加的な治療法を実行する必要があろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、体液を患者から排液するシステム及び装置に関する。特に、本発明は、ドレナージカテーテル、より具体的には、縫合材を選択的に固定し又は解放するドレナージカテーテルのハブ装置に関する。
【0008】
本発明に従い、ドレナージカテーテルハブは、縫合材を固定する双安定係止機構を含む。1つの実施の形態において、双安定係止機構は、縫合材を便宜に固定するのを容易にする一方、該縫合材は、カテーテルを患者の体内に保持することを容易にする。双安定係止機構は、安全且つ便宜な仕方にてカテーテルを患者の体内にて再位置決めし且つカテーテルを患者の体内から除去するのを容易にする。一例としての実施の形態において、ドレナージカテーテルは、その内部に配置された双安定係止機構を有するハブを備えている。双安定係止機構は、(i)細長い部材と、(ii)ボール継手構成要素部材と、(iii)ソケット構成要素部材とを備えている。
【0009】
本発明は、また、カテーテルのドレナージ先端が弛緩してカテーテルの先端を患者の身体から除去し又は患者の身体内に再位置決めすることを許容することを確実に可能にする解放機構にも関する。本発明の1つの実施の形態において、縫合材は、ハブ内部から双安定係止機構の一部分を通ってカテーテル管の長さに沿って伸びて且つ、カテーテル先端から出て、管の末端部分における取り付け箇所の固定ワイヤーにて終端となる。双安定係止部が非係止形態にあるとき、医師は、縫合材の基端を引っ張りドレナージ先端が管に向けて実質的に湾曲した形態にて撓むようにすることができる。次に、医師は、双安定係止機構を押して係止した形態にし、ドレナージ先端が管に向けて実質的に湾曲した態様にて撓むようにする。次に、医師は、双安定係止機構を押して係止した形態にし、縫合材を双安定係止機構内に固定する。縫合材を固定することは、ドレナージ先端をループ状のすなわち湾曲した形態に保持することを容易にする。次に、体液はドレナージ先端に入り、管を通って流れ且つ、管の基端部分から出る。
【0010】
カテーテルの再位置決めが必要とされるとき、医師は、双安定係止機構を非係止位置すなわち弛緩した第一の位置に変位させ、縫合材が最早、固定されないようにすることができる。このように、弛緩した縫合材は、カテーテル管のドレナージ先端を真直ぐにし、医師がカテーテルを再位置決めすることを許容する。カテーテルが適正に再位置決めされたとき、医師は、双安定係止機構を係止位置まで戻し、患者の身体内のカテーテルの位置を効果的に保持する。
【0011】
治療法が完了したとき、医師は、双安定係止機構を非係止の第一の位置に操作し、これにより縫合材を弛緩させることができる。これと代替的に、医師は、固定ワイヤーを除去して、縫合材を管の末端における取り付け箇所から非係合状態にすることができる。このように、カテーテル管のドレナージ先端は、除去する前に、縫合材を弛緩させるか又は、固定ワイヤーをカテーテルから除去することの何れかにより、真直ぐにすることができる。
【0012】
本発明の一例としての実施の形態の追加的な特徴及び有利な効果は、以下の説明に記載され、また、一部分、この説明から明らかになり、又は、かかる一例としての実施の形態を実施することにより理解することができる。かかる実施の形態の特徴及び有利な効果は、特許請求の範囲に特定的に指摘した実施例及びその組み合わせにより実現し且つ達成することができる。上記及びその他の特徴は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載からより完全に明らかになるか又は、以下に記載したかかる一例としての実施の形態を実施することにより理解されよう。
【0013】
本発明の上述し且つその他の有利な効果及び特徴が実現できる態様を説明するため、添付図面に示したその特定の実施の形態に関して、上記に簡単に説明した本発明をより特定的に説明する。これらの図面は、本発明の典型的な例のみを示すものであり、このため、その範囲を限定するものとみなされるべきではないとの理解の下、本発明は、添付図面を用いて更に特定的に且つ詳細に記載し且つ説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、縫合材を固定し得るようカテーテルのハブ内に配置された3部分の双安定係止機構を有するドレナージカテーテルに関する。双安定係止機構は、縫合材を便宜に固定するのを容易にする一方、縫合材はカテーテルを患者の体内にて保持することを容易にする。双安定性機構は、また、(i)カテーテルが患者の体内に挿入されたとき、カテーテルの位置を管理し、(ii)カテーテルを安全に且つ便宜な仕方にて患者の身体から除去すること、を容易にすべく縫合材を便宜に解放し得るようにもされている。一例としての実施の形態において、ドレナージカテーテルは、双安定係止機構を有するハブを備え、該係止機構は、ハブのハウジング内に配置されている。双安定係止機構は、安定性係止機構の一部分に隣接して又はその一部分内に配置された縫合材を選択的に固定し且つ解放する形態とされている。双安定係止機構は、縫合材が動くのを許容する非係止の第一の位置におけるものと、縫合材の軸方向への動きを最小限にする係止した第二の位置における別のものという2つの平衡位置を有するようにされている。
【0015】
図1Aには、縫合材14を選択的に固定し且つ解放するためのカテーテルハブ12を有するドレナージカテーテル10が示されている。図示した実施の形態において、ドレナージカテーテル10は、(i)カテーテル管16と、(ii)カテーテル管に連結されたカテーテルハブ12と、(iii)縫合材14とを含む。カテーテルハブ12は、(i)ハウジング18と、(ii)ハウジング18に連結された弾性的な外層20と、(iii)ハウジング18内に配置された3部分の双安定係止機構22とを含む。双安定係止機構22及びそのハウジング18内の位置は、ユーザが縫合材14を選択的に固定し且つ解放することを許容する。双安定係止機構22は、医師が患者の体内におけるカテーテル管16の位置を安全に且つ効率的に管理することを許容するため縫合材14を固定する便宜で且つ効率的な機構を提供する。同様に、ハウジング18内の双安定係止機構22の位置は、ユーザが双安定係止機構22に便宜に接触し且つ該係止機構22を操作することを可能にする。
【0016】
図示した実施の形態において、双安定係止機構22は、非係止の第一の位置におけるものと、係止した第二の位置における別のものという2つの平衡位置を含む形態とされている。双安定係止機構22の形態は、ユーザが平衡位置の間にて切り換える(toggle)ことを許容する。平衡位置において、外力による作用を受ける迄、双安定係止機構22の形態が維持される。このことは、双安定係止機構がユーザの助けを受けることなく、平衡位置を維持することを許容する。第一の位置において、双安定係止機構22は縫合材14が動くのを許容する。第二の位置において、双安定係止機構22は、縫合材14の動きを最小限にし且つ(又は)制御する。ドレナージカテーテルの性能に関し第一及び第二の位置の作用について以下により詳細に説明する。図1A及び図1Bには、第一の位置及び第二の位置にある双安定係止機構22がそれぞれ示されている。このため、双安定係止機構22は、双安定係止機構22が第一の位置(図1A)にあるとき、縫合材14を解放し、また、双安定係止機構22が第二の位置(図1B)にあるとき、縫合材14を固定することを可能にする。
【0017】
図示した実施の形態において、弾性的な外層20は、双安定係止機構22を被覆する仕方にてハウジング18と連結される。弾性的な外層20は、双安定係止機構22を第一の位置と第二の位置との間にて作動させることを容易にする形態とされている。図示した実施の形態において、弾性的な外層20は、(i)リセス40部と、(ii)縫合材14を受容し得る形態とされた通路42と、(iii)押し可能なボタン50とを含む。リセス部40は、双安定係止機構22の少なくとも一部分を受け入れ得る形態とされている。押し可能なボタン50は、双安定係止機構22を第二の位置から第一の位置まで動かすのを容易にし得るようにされている。
【0018】
図示した実施の形態において、カテーテル管16は、基端24と、末端26とを有している。末端26は、流体がカテーテル管16の外側からカテーテル管の主管腔まで通るのを許容する形態とされている。末端26は、(i)複数のドレナージボア28と、(ii)縫合材開口30とを含む。複数のドレナージボア28は、末端26と基端24との間にてカテーテル管16上に配置され且つ、カテーテル管16上にて実質的に直線状の態様にて向き決めさている。複数のドレナージボア28は、カテーテル管26の基端24と流体的に連通し、複数のドレナージボア28により受け取った流体がカテーテル管16の基端24まで実質的に妨害されない仕方にて流れることができるようにする。
【0019】
図示した実施の形態において、縫合材14は、カテーテルハブ12の一部分内に配置され、カテーテル管16の長さに沿って伸び、縫合材開口30にてカテーテル管16から出て、カテーテル管16の末端26の接続点又は取り付け点46にて終端となる。図示した実施の形態において、縫合材14の端部は、カテーテル管16の末端26付近にてスタイレット44と接続されている。別の実施の形態において、縫合材14の一端は、カテーテル管16の末端26と接続されている。ユーザは、縫合材14を位置決めすることにより、縫合材14を緊張させ又は弛緩させてカテーテル管16の末端26の形状を操作する。別の実施の形態において、縫合材は、カテーテル管16の末端26から出て且つ、カテーテル管16の末端の基端側の位置に固定される。
【0020】
図1Aに図示したように、カテーテル管16及び縫合材14は、双安定係止機構22が第一の位置にあるとき、弛緩した状態にある。カテーテル管16の末端26は、明確化のため、また、本発明をより明確に説明するため、真直ぐな状態で示されている。カテーテル管16の末端26が弛緩した状態にあるとき、該末端は、患者に挿入し又は患者から引き出すため、真直ぐにすることができる。しかし、カテーテル管16の末端26の自然の形態は、典型的なドレナージカテーテルの場合のように、図1Aに示した真直ぐにした形態を実現すべく要求されるように曲げ又は湾曲させることができる。1つの実施の形態において、カテーテル管16及び縫合材14の弛緩した状態は、カテーテル管16の末端26をカテーテル管16の基端24に対し実質的に真直ぐであるようにすることを許容する。縫合材14を引っ張ると、カテーテル管16の先端は、実質的に湾曲した形態にてカテーテル管16の軸部に向けて曲げられる。カテーテル管16の末端26の湾曲した向きは、ドレナージカテーテル10を患者の体内にて保持することを容易にする。
【0021】
カテーテル管16の末端26が自然に湾曲した形態である場合、カテーテル管16及び縫合材14が弛緩した状態にあるとき、張力を縫合材14に加えることは、湾曲した形態を向上させ且つその形態を維持することを助けることになる。このことは、ドレナージカテーテルが偶発的に患者の身体から引き出されるのを防止するのを助けることになる。更に、カテーテル管16の末端26は、該末端が患者の身体から引き抜かれるときにのみ真直ぐな形態となるように付勢される。しかし、縫合材14及びカテーテル管16が弛緩した状態にあるとき、ドレナージカテーテル10は患者の身体内に安全に且つ効果的に再位置決めし又は患者の身体から除去することができる。
【0022】
カテーテル管16の末端26は天然ゴム又は合成ゴム、可撓性プラスチック等のような可撓性の弾性を提供する任意の型式の材料から成るものとすることができる。また、縫合材14は、図面にて示したように、ストリングとなるように巻かれた天然繊維又は合成繊維等のような、典型的な引っ張り応力の下、延伸又は塑性変形を最小限にするのに十分な引っ張り強度及び弾性を維持する、引っ張り、解放し、緊張し又は弛緩可能である任意の材料から成るものとすることができる。
【0023】
図1Bには、引っ張り状態にあるドレナージカテーテルが示されている。引っ張り状態は、ユーザが縫合材14を後方向に向けて後退させ、カテーテル管16の先端が実質的に湾曲した態様にてカテーテル管16に向けて弛緩するようにするときに形成される。湾曲した向きが実現されたとき、ユーザは双安定係止機構22を第二の位置まで操作し縫合材14を固定し、従ってカテーテル管16の湾曲した向きを維持することができる。カテーテル管が双安定係止機構を利用することを通して湾曲した向きに固定されたとき、曲率はドレナージカテーテルが患者の身体から引き出されるのを阻止するため、患者の身体から偶発的に除去されることが制御される。
【0024】
図2Aには、カテーテルハブ12及び双安定係止機構22の拡大図が示されている。双安定係止機構22は、(i)細長い部材32と、(ii)ボール継手構成要素部材36と、(iii)ソケット構成要素部材34とを含む。図示した実施の形態において、細長い部材32は、開口38を含む閉じた丸味を付けた第一の端部と、外方に伸びる張り出し部を有する開放した対向した側の第二の端部とを有して実質的に円筒状である。細長い部材32は、弾性的な外層20のリセス40部内に配置可能であり、細長い部材32の丸味を付けた第一の端部は弾性的な外層20の表面と回動接触状態にある。ボール継手構成要素部材36は、弾性的な外層40及び(又は)ハウジング18の少なくとも一方と接触した第一の端部と、丸味を付けた構成要素を有する第二の端部とを含む。
【0025】
1つの実施の形態において、ボール継手構成要素部材の第一の端部は、ハウジングの表面に回動可能に連結され、また、別の実施の形態において、ボール継手構成要素部材の第一の端部は、弾性的な外層の表面(図示せず)に回動可能に連結されている。更に別の実施の形態において、ボール継手構成要素部材の第一の端部は、ハウジングの面に摺動可能に連結されるか又は代替例において、弾性的な外層の面に摺動可能に連結される。
【0026】
ソケット構成要素部材34は、細長い部材32の第二の端部内に受け入れ且つ該第二の端部と協働可能に係合し得る形態とされた第一の端部を含む。ソケット構成要素部材34は、またボール継手構成要素部材36の丸味を付けた構成要素を受け入れ且つ回動可能に保持する形態とされたソケットを有する第二の端部も含む。ソケットの内面は、ボール継手構成要素部材36の丸味を付けた構成要素をソケット構成要素部材34のソケット内に受け入れるのを容易にし得るよう半径方向に配置された複数の均一なニップル54を含む。ソケットの全体形状は、ボール継手構成要素部材36の丸味を付けた構成要素を保持することも容易にする。
【0027】
好ましい実施の形態において、双安定係止機構22の形態及びその形態がハウジング18及び弾性的な外層20と協働することは、双安定係止機構22が第一の位置及び第二の位置の双方にて平衡な状態を有することを許容する。平衡位置は、双安定係止機構22を第一の位置から第二の位置まで再位置決めするのに十分な外力が双安定係止機構22に加わらないとき、双安定係止機構22の3つの構成要素のそれぞれの向きを変更されないままに保つことを許容する。
【0028】
細長い部材32の丸味を付けた第一の端部と弾性的な外層20との間の接触は、(i)双安定係止機構22の構成要素を連結した態様にて保持し且つ(ii)双安定係止機構22の構成要素に対し第一の位置又は第二の位置の何れかにてそれらの向きを保持するのに必要な力を提供するのに十分な可撓性を提供する。1つの代替的な実施の形態において、細長い部材32の丸味を付けた第一の端部は、ハウジング18に回動可能に連結され、細長い部材32、ソケット構成要素部材34及びボール継手構成要素部材36の少なくとも1つは、双安定係止機構22に十分な力が加わったとき、弾性的な部材が第一の位置と第二の位置との間にて双安定係止機構22を再向き決めし得るよう偏向するのを許容するのに十分な弾性材料から成っている。更に別の実施の形態において、細長い部材32の丸味を付けた第一の端部は、ハウジング18に連結され、ボール継手構成要素部材36の第一の端部は弾性的な外層20の面に連結されている。
【0029】
図2Aに示したように、ユーザの指は、可撓性で弾性的な外層20の上にて垂直方向力を使用して双安定係止機構22を押し、双安定係止機構22が第二の位置となるようにする。弾性的な外層20は、弾性金属、金属合金、弾性ゴム又はプラスチック等を含む任意の天然又は合成の可撓性の弾性材料から成るものとすることができる。図示した実施の形態において、弾性的な外層20の可撓性は、双安定係止機構22が第一の位置から第二の位置まで動くのを容易にする。
【0030】
図2A及び図2Bから更に理解し得るように、双安定係止機構22の構成要素32、34、36は協働して縫合材14を固定し又は解放する。特に、図2A、図2Bには、縫合材14がカテーテル10の管16からハウジング18の通路56を通ってハブ12に入り、次に、開口38を通って細長い部材32に入ることが示されている。次に、縫合材14は、細長い部材32の開放した第二の端部を通って細長い部材32から出て、縫合材14にはソケット構成要素部材34の面が接触することができる。次に、縫合材14は、弾性的な外層20の開口部42を通って伸びる。
【0031】
図示した実施の形態において、縫合材14は、細長い部材32の内面とソケット構成要素部材34の外面との間に配置され、双安定係止機構22が第二の位置にあるとき、縫合材14は、細長い部材32及びソケット構成要素部材34によりその位置に確実に保持される。第二の位置にあるとき、細長い部材32とソケット構成要素部材34との相対的な向きは、次のようにされる、すなわち、縫合材14が細長い部材32の内面の一部分とソケット構成要素部材34の外面の一部分との間に挟持され、縫合材14を軸方向に動かないように効果的に固定するようなものとする。これと逆に、双安定係止機構22が図2Bに示した第一の位置にあるとき、細長い部材32とソケット構成要素部材34との相対的な向きは、縫合材14が双安定係止機構22の構成要素に対し十分自由に摺動するのを許容する。
【0032】
図2Bには、双安定係止機構22が第一の位置にある図2Aのカテーテルハブ12が示されている。双安定係止機構22は、弾性的な押し可能なボタン50に力を加えて、双安定係止機構22を上向きの形態となるまで動くようにすることにより第一の位置まで動かすことができる。弾性的な押し可能なボタン50は、弾性的な外層20に連結され且つ、ボール継手構成要素部材36に隣接する位置に配置されている。図2Bに示したように、弾性的なボタン50は、弾性的なボタン50を双安定係止機構22に向けて押すことにより、ボール継手構成要素部材36は上昇した向きすなわち非係止状態となる向きまで又は換言すれば、第一の位置まで上方に変位する。全体として、弾性的なボタン50は、外層20について本明細書にて説明したように、任意の可撓性の弾性材料から成るものとすることができ、このことは、ユーザが双安定係止機構22に直接圧力を加えることを許容する。従って、弾性的なボタン50に加えられた圧力によって双安定係止機構22は第二の位置から第一の位置まで変位する。
【0033】
当該技術の当業者により理解されるように、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに多岐に渡る型式及び形態の双安定性機構を利用することができる。例えば、1つの実施の形態において、双安定性機構は、上向きの形態にあるとき、縫合材を固定し、また、下向きの形態にあるとき、縫合材が動くのを許容する。別の実施の形態において、双安定性機構は2つの主要部材から成っている。別の実施の形態において、双安定性機構は3つ以上の主要部材から成っている。別の実施の形態において、双安定性機構は第二の構成要素を双安定性機構と独立的に係止し又は解放することを許容する。別の実施の形態において、双安定性機構は上下方向ではなくて側方向に動く。
【0034】
図3には、カテーテルハブ12と、双安定係止機構22の相応する構成要素との分解図が示されている。図3に示したように、ドレナージカテーテルハブ12は、管16からカテーテルハブ12の基端まで伸びる内側管腔52を備えている(図1参照)。双安定係止機構22は、内側管腔52の上方に配置されている。双安定係止機構は、上述したように、協働可能な態様にて配置された細長い部材32と、ソケット構成要素部材34と、ボール継手構成要素部材36とを備えている。弾性的な外層20は、双安定係止機構22を包被して第一の位置と第二の位置との間にて双安定係止機構22の動きを容易にする。図示した実施の形態において、弾性的な外層は、双安定係止機構22が第二の位置から第一の位置まで動くのを容易にすべく利用することができる押し可能なボタン50を含む。
【0035】
図3には、スタイレット44を保持する通路が更に示されている。少なくとも1つの実施の形態において、スタイレット44は、ハブ12から管16に沿ってカテーテル16の末端26の取り付け点46まで伸びている(図1参照)。スタイレット44は、ニチノール(Nitinol)ワイヤーのような形状記憶材料から成っており、また、縫合材14に対する取り付け境界面として作用することができる。スタイレット44は、縫合材14をスタイレット44から取り外すのを容易にし得るよう基端方向に向けて引っ張り、また、カテーテル10の末端26を弛緩させ且つ実質的に真直ぐな形態となるように操作することができる。
【0036】
図示した実施の形態において、取り外し可能な下側キャップ48がスタイレット44と共に提供される。取り外し可能な下側キャップ48はヒンジ止め又はスナップ嵌め態様の何れかにてハブ12に固定されている。スタイレット44は取り外し可能な下側キャップ48に固定され、ユーザは下側キャップ48をハブ12に対して除去し又は落下させることによりスタイレット44を後退させることができる。ユーザが下側キャップ48を後方向に向けて引っ張り、これによりスタイレット44を後方に向けて後退させると、縫合材14は解放され、カテーテル先端は弛緩する。従って、スタイレット44は縫合材14を弛緩させてカテーテル10を患者の身体から除去することを許容する便宜な冗長的な手段を提供することができる。
【0037】
例えば、相応する図面から理解されるように、本発明に従ったドレナージカテーテルは、弛緩した形態及び引っ張り可能な形態という2つの形態にある場合について説明した。弛緩した形態にあるとき(図1A参照)、ドレナージカテーテルは真直ぐにすることができ、また、主としてカテーテルの基端から末端まで1つの軸線に沿って順応する。全体として、ドレナージカテーテルを患者の身体内に挿入し、再位置決めし且つ患者の身体から除去するため弛緩した形態にあることの方が好ましい。これに反して、体液を排液するためには、引っ張り可能な形態にあることが一般に好ましい(例えば図1B)。例えば、引っ張り可能な形態において、ドレナージカテーテルの末端は、縫合材を緊張させる結果、ドレナージカテーテルの管に向けて撓んでいる。撓み又は湾曲した向きは、カテーテルを患者の身体内にて保持するのを助けることになる。
【0038】
ドレナージカテーテル10を患者の体内に挿入するため、医師は弛緩した実質的に真直ぐとなった形態にある間、ドレナージカテーテル10の末端26を余剰な流体が存在するであろう適宜な身体組織又は体腔内に挿入する。適当な位置となったならば、次に、医師は、縫合材14を緊張させ、末端26を管16に向けて内方に撓ませる(図1B参照)。次に、体液は管16のドレナージボア28を通ってドレナージカテーテル10の主管腔内に流れ、カテーテルハブの管腔52から出る。縫合材14の張力を保持するため、従って管16に対する末端26の形態を保持するため、双安定係止機構22は、第二の位置(図1Bに図示)まで操作することができる。この係合した向き又は係止した向き(すなわち第二の位置)にあるとき、縫合材14は、管16及びドレナージ先端14に沿って基端方向又は末端方向の何れかに動くことが効果的に阻止される。
【0039】
しかし、ユーザは、カテーテルの再位置決めが望まれ又は排液が完了した後、双安定係止機構を第一の位置まで動かして縫合材14を解放することができる。例えば、説明したように、医師は、ボタン50を双安定係止機構22に向けて内方に押して双安定係止機構22が押された向きから上昇した向きまで、又は換言すれば第二の位置から第一の位置まで切り換えるようにする。このようにしてハブ12が非係止状態とされたとき、縫合材14は、自然に弛緩して末端26が弛緩し且つ実質的に真直ぐな形態となるように操作することを許容する。弛緩した向きは、ユーザが、(i)カテーテルを適正な位置まで再位置決めすることにより患者の身体内のカテーテルの位置を管理し、(ii)カテーテルを患者の身体から安全に且つ効果的な仕方にて除去することを許容する。このように、本発明は、医師がドレナージ先端14を管16に対して便宜に且つ確実に固定し又は解放し、ハブ12における張力を選択的に維持し又は解放することを許容する。
【0040】
本発明は、その精神又は必須の特徴から逸脱せずにその他の特定的な形態にて具体化可能である。説明した実施の形態は、全ての点にて単に説明であり且つ限定的なものではないものと見なされる。このため、本発明の範囲は、上記の説明ではなくて特許請求の範囲により規定される。特許請求の等価物の意義及び範囲に属する全ての変更例がその範囲に包含されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】弛緩した位置にあるカテーテル管の末端を示す、双安定係止機構を有するドレナージカテーテルの斜視図である。
【図1B】カテーテル管の末端が引っ張り可能な形態にある、図1Aのドレナージカテーテルの図である。
【図2A】双安定係止機構が係止位置にあるときの、双安定係止機構の構成要素を示すカテーテルハブの側面図である。
【図2B】双安定係止機構が非係止位置にあるときの、双安定係止機構の構成要素を示すカテーテルハブの側面図である。
【図3】双安定係止機構の構成要素を示す、カテーテルハブの分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレナージカテーテルであって、体液を患者の体腔又は組織から排液すべく流体経路を提供するときに使用され、縫合材がドレナージカテーテルと共に利用されて、カテーテルの末端をアンカーの形態にて選択的に固定する形態とされた前記ドレナージカテーテルと共に使用されて、縫合材を受け入れ且つ固定するドレナージカテーテルハブにおいて、
縫合材を受容する通路を有するハウジングと、
ハウジング内に配置され且つ縫合材を選択的に固定し得るようにされた双安定係止機構であって、双安定係止機構が第一の位置にあるとき、縫合材が動くのを許容し、双安定係止機構が第二の位置にあるとき、縫合材の動きを最小限にし得るよう縫合材を固定する前記双安定係止機構と、
双安定係止機構と共に利用され且つハウジングに連結された弾性的な外層であって、ユーザが双安定係止機構を第一の位置と第二の位置との間にて作動させ、縫合材を選択的に固定し且つ解放することを許容し得るようにされた前記弾性的な外層とを備える、ドレナージカテーテルハブ。
【請求項2】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、双安定係止機構は、第二の位置にあるとき、縫合材を挟む形態とされ、第一の位置にあるとき、縫合材を解放する形態とされた、ドレナージカテーテル。
【請求項3】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、双安定係止機構は、縫合材が縫うように進められる細長い部材と、ハウジングに回動可能に連結されたボール継手構成要素部材と、細長い部材とボール継手構成要素部材との間に配置され且つ細長い部材とボール継手構成要素部材に連結されたソケット構成要素部材とを備える、ドレナージカテーテル。
【請求項4】
請求項3に記載のドレナージカテーテルにおいて、細長い部材及びソケット構成要素部材は、双安定係止機構が第二の位置にあるとき、共同して作用して縫合材を固定する、ドレナージカテーテル。
【請求項5】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、弾性的な外層の回りに配置された押し可能なボタンを更に備え、前記押し可能なボタンは、双安定係止機構が第二の位置から第一の位置まで変位するのを許容する形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項6】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、弾性的な外層は、弾性的な外側部材の少なくとも一部分に圧力を加えることにより、双安定係止機構を第一の位置から第二の位置まで動かすことができるような形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項7】
請求項1に記載のドレナージカテーテルにおいて、ニチノールのような形状記憶材料から成る固定ワイヤーを更に備える、ドレナージカテーテル。
【請求項8】
請求項7に記載のドレナージカテーテルにおいて、ハブの回りに配置された取り外し可能な下側キャップを更に備え、下側キャップが取り外されたとき、下側キャップはユーザが固定ワイヤーに接近することを可能にする形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項9】
縫合材を選択的に固定することを許容するようドレナージカテーテル内にて使用されるドレナージカテーテルハブにおいて、
縫合材を受容する通路を有するハウジングと、
ハウジングに連結された弾性的な外層と、
ハウジング内に配置され且つ弾性的な外層と共に利用され、縫合材を選択的に固定する双安定係止機構であって、双安定係止機構が第一の位置にあるとき、縫合材が動くのを許容し、また、双安定係止機構が第二の位置にあるとき、縫合材が末端方向に動くのを最小限にし得るようにされた、前記双安定係止機構とを備え、前記双安定係止機構は、
弾性的な外層の面に当接する第一の端部と、対向する側の第二の端部とを有する細長い部材と、
ハウジング及び弾性的な外層の一方と当接する第一の端部と、丸味を付けた構成要素を備える第二の端部とを有するボール継手構成要素部材と、
細長い部材とボール継手構成要素部材との間に配置されたソケット構成要素部材であって、細長い部材の第二の端部と協働可能に係合する形態とされた第一の端部と、ボール継手構成要素部材の丸味を付けた構成要素を受け入れ且つ保持する形態とされたソケットを形成する第二の端部とを有する前記ソケット構成要素とを備える、ドレナージカテーテルハブ。
【請求項10】
請求項9に記載のハブにおいて、縫合材は、双安定係止機構が第一の位置にあるとき、双安定係止機構の少なくとも一部分を通って可動である、ハブ。
【請求項11】
請求項9に記載のハブにおいて、ユーザが第一の位置と第二の位置との間にて双安定係止機構を作動させ、縫合材を選択的に固定し且つ解放することを許容し得るようにされた弾性的な外層を更に備え、前記弾性的な外層は縫合材を受容する通路を備え、細長い部材は、縫合材を受容し得るよう細長い部材の第一の端部内に配置された開口を備える、ハブ。
【請求項12】
請求項11に記載のハブにおいて、縫合材は、細長い部材の開口を通してハウジグの通路内に配置され、細長い部材の第二の端部から、また、次に、弾性的な外層の通路から出る、ハブ。
【請求項13】
請求項9に記載のドレナージカテーテルにおいて、双安定係止機構は、第二の位置にあるとき、縫合材を固定する形態とされ、第一の位置にあるとき、縫合材を解放する形態とされた、ドレナージカテーテル。
【請求項14】
請求項13に記載のドレナージカテーテルにおいて、細長い部材の面及びソケット構成要素部材の面は、双安定係止機構が第二の位置にあるとき、縫合材を固定する、ドレナージカテーテル。
【請求項15】
請求項9に記載のドレナージカテーテルにおいて、弾性的な外層の回りに配置された押し可能なボタンを更に備え、前記押し可能なボタンは、双安定係止機構が第二の位置から第一の位置まで動くのを容易にする形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項16】
請求項9に記載のドレナージカテーテルにおいて、弾性的な外層は、弾性的な外側部材の少なくとも一部分に圧力を加えることにより、ユーザが双安定係止機構を第一の位置から第二の位置まで動かすことを許容する形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項17】
請求項9に記載のドレナージカテーテルにおいて、ニチノールのような形状記憶材料から成る固定ワイヤーを更に備える、ドレナージカテーテル。
【請求項18】
請求項17に記載のドレナージカテーテルにおいて、ハブの回りに配置された取り外し可能な下側キャップを更に備え、下側キャップが取り外されたとき、下側キャップはユーザが固定ワイヤーに接近することを可能にする形態とされる、ドレナージカテーテル。
【請求項19】
縫合材を選択的に固定することを許容すべくドレナージカテーテル内にて使用されるドレナージカテーテルハブにおいて、
縫合材を受容する通路を有するハウジングと、
ハウジングに連結された弾性的な外層であって、縫合材を受容する通路を有する前記弾性的な外層と、
ハウジング内に配置され且つ弾性的な外層によって覆われて縫合材を選択的に固定する3部分の双安定係止機構であって、双安定係止機構が第一の位置にあるとき、縫合材が動くのを許容し、また、双安定係止機構が第二の位置にあるとき、縫合材が末端方向に動くのを最小限にし得るようにされた前記3部分の双安定係止機構とを備え、
前記3部分の双安定係止機構は、
内部に配置された開口を有する第一の丸味を付けた端部と、開口と連通した開口部を有する対向した側の第二の端部とを有し、第一の丸味を付けた端部は弾性的な外層の一部分と接触した、中空の細長い部材と、
ハウジング及び弾性な外層の一方と当接する第一の端部と、丸味を付けた構成要素を備える第二の端部とを有するボール継手構成要素部材と、
細長い部材とボール継手構成要素部材との間に配置され且つ細長い部材及びボール継手構成要素部材に連結されて双安定係止機構を形成するソケット構成要素部材であって、中空の細長い部材の第二の端部の開口部内に受け入れる形態とされた第一の端部と、ボール継手構成要素部材の丸味を付けた端部構成要素を受け入れ且つ回動可能に保持する形態とされたソケットを形成する第二の端部とを有する前記ソケット構成要素部材とを備え、
前記縫合材は、中空の細長い部材の開口から細長い部材の長さに沿って伸び、細長い部材の開口部から出て、双安定係止機構が第一の位置にあるとき、縫合材は細長い中空部材に対して動くことができ、また、双安定係止機構が第二の位置にあるとき、中空の細長い部材の面及びソケット構成要素部材の面が縫合材と接触する際に、縫合材が固定されるようにした、ドレナージカテーテルハブ。
【請求項20】
体液を患者の体腔又は組織から排液する流体経路を提供するときに使用されるドレナージカテーテルであって、縫合材がドレナージカテーテルと共に利用され、カテーテルの末端をアンカーの形態にて選択的に固定するような形態とされたドレナージカテーテルにおいて、
流体を受け取る末端と、末端から受け取った流体を分散させる基端とを有するカテーテル管と、
カテーテル管に沿って伸び且つ取り付け点にて固定されて、カテーテル管の末端をアンカーの形態にて固定する縫合材と、
カテーテル管に連結されて、縫合材を受け入れ且つ固定する形態とされたカテーテルハブとを備え、
前記ハブは、
縫合材を受容する通路を有するハウジングと、
縫合材を選択的に固定し得るようにハウジング内に配置された双安定係止機構であって、(i)双安定係止機構が第一の位置にあるとき、縫合材が動くのを許容し、(ii)双安定係止機構が第二の位置にあるとき、縫合材が末端方向に動くのを最小限にする形態とされ、双安定係止機構の形態は、双安定係止機構を第一の位置又は第二の位置の何れかに偏倚させるようにした前記双安定係止機構と、
双安定係止機構と共に利用され且つ縫合材の選択的な固定を容易にし得るようハウジングに連結された弾性的な外層であって、ユーザが双安定係止機構を第一の位置と第二の位置との間にてトグルし、縫合材を選択的に固定し且つ解放することを許容し得るようにされた前記弾性的な外層とを備える、ドレナージカテーテル。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−504317(P2009−504317A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526954(P2008−526954)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/029303
【国際公開番号】WO2007/021490
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(500173402)メリット・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】