説明

保冷具

【課題】そのまま大量に積み上げて、凍らせて使用できる保冷具を提供する。
【解決手段】樹脂製ネット状の外袋1に保冷シート2が内装されて構成され、保冷シート2は、吸水樹脂を封入した袋部2a,2aを分包状に複数有し、各袋部2a内に吸水させて予冷できるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の保冷用あるいは日用品としても使用できる保冷具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているようなペット用冷却ベッドが存在し、吸水樹脂に吸水させて冷却した分包シートを、内袋および外袋内に入れて、ペット用冷却ベッドとして使用できるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−45899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているペット用冷却ベッドでは、分包シートに吸水させて冷凍庫に入れて冷却させる際に、多数枚を積み上げて冷却させようとすると、分包シートが互いに貼り付いて凍りつき、剥がれにくくなり、大量の分包シートを同時に冷却することはできないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、多数枚を積み上げて冷凍庫内で凍らせる際に、互いにくっ付くことがなく、使用が容易となる保冷具の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の保冷具は、樹脂製ネット状の外袋内に保冷シートが内装されて構成され、前記保冷シートは、吸水樹脂を封入した袋部を分包状に複数有し、各袋部内に吸水させて予冷できるように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の保冷具は、樹脂製ネット状の外袋内に保冷シートが内装されて構成され、積み重ねて大量に保存しておくことができ、樹脂製ネット状の外袋に入れたまま保冷シートを水に漬けて、保冷シートの吸水樹脂内に吸水させることができ、この状態で、冷凍庫内で予冷して保冷シートの袋部内に氷の塊を作ることができ、この状態で冷凍庫から取り出して、食品等の下側に敷くか、あるいは、食品等の上側に被せ、また、食品等の適部に当てて、食品等を良好に保冷することができ、保冷シートから冷気が発せられて、冷気はネット状の外袋を通り流れ出て、食品等を良好な保存状態に維持することができるものとなる。なお、保冷シートは分包状に袋部が形成されているため、袋部と袋部間に溝ができて、この溝が冷気の通路となり、全域に亘り冷気が良好に流れて、全体に冷気を循環させることができるものとなる。
また、保冷シートが徐々に温まって水滴が発生しても、水滴は外袋のネットの網目間に表面張力で付着し、外袋の外側に水滴が落下することがなく、食品等を濡らすことがない。
【0007】
また、本発明の保冷具において、前記外袋は、エラストマーまたはシリコンゴムで格子状の網目が形成されたネットであるものとすることもできる。
こうすれば、外袋は柔軟性があり、自由な形状に折り曲げ等して使用することができるものとなり、また、格子状の網目があるため、この網目に結露水等が表面張力で付着して、外側へボトボトと水滴が垂れることを良好に防ぐことができるものとなる。
【0008】
また、本発明の保冷具において、前記外袋を形成する樹脂内には、一定温度以上で警告色に変化する示温塗料が練り込まれているものとすることもできる。
こうすれば、例えば保冷具を食品等に被せて使用している状態で、徐々に保冷具の温度が上昇した時、即ち、冷気の効果が少なくなった状態で、示温塗料が色変化して、例えば赤や黄色等に変色するため、その状態を視認することで、新たな保冷具に取り換える時期を容易に確認することができ、新たに予冷した保冷具に取り換えて良好に食品等を保冷することができるものとなる。
【0009】
また、本発明の保冷具において、前記外袋を形成する樹脂内には、フェライト磁石の粉末が練り込まれているものとすることもできる。
こうすれば、外袋を冷蔵庫や扇風機などの金属部分に磁性によりワンタッチで取り付けることができ、保冷具の使用範囲を広げることができるものとなる。
【0010】
また、本発明の保冷具において、前記外袋には、前記予冷時間や使用時間を計測するタイマーと、該タイマーで計測した時間の信号を送信する送信機が付設されているものとすることもできる。
こうすれば、水に浸して冷凍庫内で予冷する時に、タイマーにより時間が計測され、例えば12時間程度経過した時に、予冷時間が経過したことを、送信機を介して無線で外部に発信することができ、光やブザーで知らせたり、あるいはパソコン上に予冷時間が経過したことを表示することができるものとなり、多数枚の保冷具を冷凍庫内で順次予冷する時に、何れの保冷具が予冷完了状態であるかを管理することが容易なものとなる。
また、冷凍庫から取り出して食品等に被せる等して保冷具を使用する時にも、タイマーで使用時間を計測して、例えば12時間程度経過して冷気の発生が少なくなっていることを、送信機により外部に光や音等で知らせることができ、使用時における保冷具の取り換え時期を良好に管理できるものとなる。
【0011】
また、本発明の保冷具において、前記保冷シートの袋部内に、吸水樹脂とともに銀ゼオライトが混入されているものとすることもできる。
こうすれば、アルミナとシリカの結晶体であるゼオライトに安定的に銀イオンを結合させた銀ゼオライトが混入されているため、ゼオライトの細孔内に良好に臭い成分を吸着させ、また、イオン交換させて、臭気ガスの化学反応等により良好な消臭効果が得られるものとなり、アンモニアやアミン等を良好に吸着することができる。
また、銀イオンは水中でミネラル分とイオン交換し、銀イオンを放出するため、この放出された銀イオンにより、大腸菌,緑膿菌等のグラム陰性細菌類,黄色ぶどう球菌,MRSA等のグラム陽性細菌類,黒麹カビ,青カビ等のカビ類に対して抗菌効果が得られるものとなる。
【0012】
また、本発明の保冷具において、前記保冷シートには、該保冷シートの製造年月日が記されているものとすることもできる。
こうすれば、保冷具を何回も凍結させて、複数回再使用した後に廃棄する時に、製造年月日が記載されていれば、順次古いものから廃棄してゆくことができ、保冷具の管理が容易なものとなる。
【0013】
また、本発明の保冷具において、前記保冷シートの各袋部内にオゾン水を吸い込ませてなるものとすることもできる。
こうすれば、オゾン水を吸水樹脂に吸い込ませて凍結させることで、ノロウイルス,大腸菌0157,0111等のウイルスの殺菌も行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】保冷具を構成する外袋と保冷シートの分解斜視図である。
【図2】保冷シートの拡大斜視図である。
【図3】保冷シートの拡大断面図である。
【図4】保冷具の使用状態の断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、保冷具の分解斜視図であり、保冷具は、外袋1と、この外袋1内に内装される保冷シート2で構成されている。
外袋1は、樹脂ネット袋として形成されており、側面側から保冷シート2を入れておくことができ、この外袋1は、長方形状であっても円形状のものであっても種々の形状のものが用いられる。
この外袋1は、例えばオレフィン系エラストマー,スチレン系エラストマーあるいはウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーのチューブで、格子状の多数の方形あるいは菱形の網目が形成されたネット状の袋となっている。
【0016】
なお、この外袋1は、シリコンゴムで格子状の網目を形成させて構成することもでき、シリコンゴム製のネットであれば−60℃まで耐えることのできる耐寒性を備えているため、業務用の冷凍庫内で何回も繰り返して使用することができるものとなる。
なお、格子状の網目は、正方形状あるいは菱形の各網目内に表面張力で結露水等を保持できる程度の大きさの網目に形成されている。
【0017】
なお、熱可塑性エラストマーあるいはシリコンゴム内に予め示温塗料を練り込ませたチューブを用いてネット状に外袋1を形成させることもできる。
また、エラストマーあるいはシリコンゴム等の樹脂内に予めフェライト磁石の粉末を練り込んでおき、そのような樹脂でネット状にして外袋1を形成させておけば、外袋1は練り込まれたフェライト磁石により金属部分に貼り付けやすいものとなり、保冷具の使用が容易なものとなる。
【0018】
保冷シート2は、片面が通気性を有する不織布で形成されており、縦方向および横方向に所定間隔をおいて多数の袋部2a,2a,2aが図2のように形成されており、各袋部2a,2a間に縦方向および横方向に交差し連続するシール部2b,2bが形成されたものである。この保冷シート2の断面拡大図を図3に示す。
【0019】
各袋部2a内には粒状の吸水樹脂3が封入されており、各袋部2aは、表側および裏側のシート材がシール部2bで熱シールされて形成されたものである。
このような保冷シート2は、例えば葬儀用のものでは、遺体の全体を包み込むことのできる大きさに形成させておいても良く、また、適宜シール部2bに沿って切断して、適当な寸法のものとして使用することができるものであり、外袋1の大きさに対応させた寸法の保冷シート2が外袋1の内部に内装され、この状態で、外袋1とともに保冷シート2が多数枚積み上げられて倉庫等に保存されるものである。
【0020】
使用する時には外袋1に入れたまま保冷シート2を水に漬けると、吸水樹脂3内に水が吸い込まれて各袋部2aが徐々に膨れて、各袋部2aが卵状に膨張する。
この状態で水から上げて、外袋1に入れたまま保冷シート2を多数枚積み上げて冷凍庫内で予冷することができるものであり、冷凍庫内で例えば12時間程度予冷することにより、各袋部2a内に吸い込まれた水は凍結して氷の塊となる。
【0021】
なお、冷凍庫内で多数積み重ねて凍結しても、外袋1が互いに当接しているため、保冷シート2同士が引っ付くことはなく、多数の保冷具を積み重ねて冷凍庫内で予冷し、1個ずつ良好に取り出して使用することができるものである。
また、外袋1は柔軟性があり、保冷シート2は縦横にシール部2bが形成されているため、折り曲げ等が容易であり、大型の大寸法のものでは、巻いて丸める等して冷凍庫内で凍らせることができ、冷凍庫から取り出して、平たい状態として使用することができるものである。
【0022】
使用する際には、例えば葬儀用のものでは、お棺内の遺体の底に敷設して用いることもでき、また、お棺内の遺体の上面全体に被せて使用することもでき、また、首の部分や胸の部分,背中の部分,足の部分等に複数の保冷具を配置させて使用することができるものである。
遺体に被せたり遺体の底に敷設して用いる際に、外袋1の外側を更に不織布で包んで使用することもできるものである。
なお、保冷シート2は凍結した状態でもシール部2b,2bを介して良好に曲げることができ、また、外袋1も柔らかい樹脂のネット状であるため、自由に曲げて遺体の部分に沿うように設置することができるものとなる。
【0023】
使用時には、袋部2a内で凍結した氷から冷気が発せられて、冷気は保冷シート2の通気性のある不織布から外部に流出し、保冷シート2のシール部2b,2bは袋部2a,2a間で谷状の溝を形成しているため、シール部2bを通り縦方向および横方向に冷気が全域に亘って流れ出し、ネット状の外袋1を通して外部に良好に冷気が流れ出し、お棺の内周に沿って冷気が循環し、お棺内を良好に保冷することができるものとなる。
なお、保冷シート2の氷が溶けてゆくと次第に結露水が生じてくるが、この結露水はネット状の外袋1の網目間に表面張力でくっ付き、外袋1のネット状の網目に結露水が溜まり、外部に結露水が流出することが少ないものとなる。
【0024】
なお、袋部2a内に吸い込ませる水は水道水であっても良いが、超酸性電解水を袋部2a内に吸い込ませておくと、ウイルス等に対する殺菌力が増大し、遺体の保存状態を良好化させることができるものとなる。
【0025】
また、保冷シート2の各袋部2a内に、吸水樹脂3とともに、ゼオライトに銀イオンが安定的にイオン結合された銀ゼオライトを混入させておいても良い。
この銀ゼオライトが混入されているタイプのものでは、水中に漬けて凍結させることにより、水中のミネラル分と銀イオンがイオン交換して銀イオンを水中に放出し、遺体に付着する微生物等の体内へ銀イオンが移行して、微生物の育成に必要な酵素と反応して代謝系を破壊し、酵素活性阻害を起こさせて、微生物の細胞の増殖を良好に阻止することができ、抗菌効果を高めて遺体の保存状態を良好なものとすることができるものである。
【0026】
なお、外袋1を構成するエラストマー内に予め示温塗料を練り込ませたチューブを用いてネット状に外袋1を形成させておけば、例えば黄色や赤色に一定温度以上で色が変化するような示温塗料が練り込まれていることにより、保冷具を遺体に被せる等して使用している状態で徐々に温められて冷気の発生が少なくなってくると、一定温度以上、例えば5℃,10℃,20℃,25℃で徐々に色が変化して、温度が上昇したことを目で確認することができ、良好に目視して、保冷具を取り換えることができるものとなる。
【0027】
なお、図4の使用状態の断面図で示すように、外袋1に、電子タイマー5と電源ボックス6と無線送信機7を付設させておくこともでき、このような構成では、遺体に保冷具を被せた時からタイマー5を作動させて、例えば12時間程度経過した時に、この電子タイマー5から送信機7を通して外部に無線で時間が経過したことを知らせることができるものとなる。
例えば送信機7からパソコンに送信して保冷具の取り換え時期を知らせ、各保冷具の使用状態を良好に管理できるものとなる。
【0028】
なお、送信機7からの信号でLEDやブザーが作動するように構成して、光や音で保冷具の交換時期を知らせるようにしても良い。
また、水に漬けて冷凍庫内で予冷する際にも、電子タイマー5を作動させれば、例えば12時間後に、凍結完了を知らせる信号を送信機7から無線で外部に発信させることができるものとなり、多数の保冷具を冷凍庫内で順次予冷している時に、どの保冷具が凍結完了状態にあるかを良好に管理することができるものとなる。
【0029】
なお、図4に示すように、外袋1の内側に、薄くスライスしたドライアイス4,4を入れて使用することもでき、このドライアイス4を外袋1と保冷シート2の間に挟み込んで包み込むように保冷具全体を折り曲げたり巻き付けたりして使用することもできる。
ドライアイス4を包み込んで使用することにより、ドライアイス4が気化する際に−74℃程度の超低温となり、保冷具全体を−1℃程度のパーシャルフリージング帯に長時間維持することができ、遺体の冷え過ぎによる部分凍結もなくなり、気管支や肺,動脈の凍結による防腐処理の妨げにはならないものとなる。
また、ドライアイス4から発生する炭酸ガスにより偏性好気状態となり、酸素がなくなり、好気性菌の増殖を抑制することができ、さらに、発生する炭酸ガスによりPHが弱酸性になるため、PH調整により遺体の鮮度保持効果が得られるものとなる。
【0030】
なお、本例の保冷具は何回も繰り返し使用することができるものであり、電子レンジ内に入れて加熱すれば、良好に加熱殺菌される。
保冷シート2にはインクジェット等で製造年月日を印刷しておくことができ、製造年月日が記入されていると、何回も使用した後に古いものから捨ててゆく時に、廃棄処理の管理がしやすいものとなる。なお、保冷シート2は焼却しても何ら有害ガスは発生しない。
【0031】
なお、本例の保冷具は、上述した葬儀用に遺体を保冷するために用いることができる他、検視解剖用の遺体の保冷にも良好に使用することができ、検視解剖用の遺体の下側に敷設して用いることにより、良好に遺体を保冷できるとともに、流出する血を吸水樹脂で良好に吸い取ることもでき、また、臭いも吸い取ることができるものである。
【0032】
本例の保冷具の他の用途としては、凍らせた状態で扇風機の裏側や扇風機の上部に付設して、保冷具から発せられる冷気を扇風機の風とともに送り出し、良好な冷風を得ることができる。
なお、扇風機の裏側にくっ付ける場合は、外袋1および保冷シート2に切り込みを入れる等して特別な形状にし、扇風機に引っ掛けたり、金具を用いて取り付けることができるものである。
【0033】
また、本例の保冷具はスダレとして使用することもでき、スダレとして使用する場合は、凍らせて使用しても良いが、凍らせることなく、吊り下げて水をホース等で吹き付け、吸水樹脂に水を吸水させて、この吸水させた水により気化熱を奪うことができ、良好に周囲の温度を下げることができるものとなる。
【0034】
また、本例の保冷具は、クーリングタワーの外周に巻き付けて取り付けることにより、気化熱を奪い、冷房効果を向上させることができるものとなる。即ち、気化熱によりクーリングタワーの水温を下げることができ、また、クーリングタワーの水に放射性物質が溶け込むのを防ぐこともできるものである。
即ち、本例の保冷具では、ヨウ素131,セシウム137,133を保冷シート2内に混入させた銀ゼオライトで吸収することができるものである。
なお、銀ゼオライトに代えて天然ゼオライトや合成ゼオライトを保冷シート2の吸水樹脂3内に混入させておいても良く、ゼオライトは多数の微細な細孔を有する鉱物であり、この細孔のサイズがセシウム原子の大きさに近く、セシウムを吸収しやすいものである。
また、セシウム137は水溶液中ではプラスイオンとなっており、ゼオライトの細孔中のナトリウムの方がセシウムよりもイオン化傾向が大きいため、ナトリウムイオンとなって溶液中に溶け出し、セシウム137がゼオライトの細孔中に良好に吸着されるものである。このようにクーリングタワーの水に放射性物質が溶け込むのを良好に防ぐことができる。
【0035】
さらに、保冷シート2内に炭化ホウ素(αボロン,βボロン)を混入させておけば、放射線汚染水を良好に吸着させて回収することができるものとなる。
例えば、放射線汚染水の溜まっている場所に、本例の保冷具を浸して汚染水を吸水させ、ロボット等でこれを回収して、金属缶等の中で密閉保管して地中深く保管し、セシウム等の半減期終了を待つようにして使用することもできるものである。
なお、本例の保冷具で野菜や果実等を包んで、野菜や果実等に残存する放射性物質を良好に吸着することもできるものである。
【0036】
また、本例の保冷具は冷蔵庫内に敷設して、冷蔵庫内の消臭,抗菌を行うことができ、凍らした状態で冷蔵庫内に入れて食品等の上に被せておけば、停電等がおきた時にも、食品の鮮度を落とすことなく良好に食品を0℃程度に温度維持させることができる。
【0037】
なお、本例の保冷具はマグロ等や鮨ネタの外側に巻き付ける等して使用しても、外袋1に包まれているため、保冷シート2が直接食品と接触することはなく、食品を冷気により保冷しながら、食品のアンモニアやアミン等を吸着することができるものである。
その他、混入したゼオライトにより、硫化水素やメチルメルカプタン,トリエチルアミン等を良好に吸着して、消臭効果が得られるものとなる。
【0038】
なお、オゾン水を吸水樹脂に吸わせた場合には、オゾン水が気化する際に酸化作用により微生物を死滅分解させて、食品等を抗菌,殺菌しながら良好に保冷することができるものとなる。
【符号の説明】
【0039】
1 外袋
2 保冷シート
2a 袋部
2b シール部
3 吸水樹脂
4 ドライアイス
5 電子タイマー
6 電源ボックス
7 送信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製ネット状の外袋内に保冷シートが内装されて構成され、前記保冷シートは、吸水樹脂を封入した袋部を分包状に複数有し、各袋部内に吸水させて予冷できるように構成されていることを特徴とする保冷具。
【請求項2】
前記外袋は、エラストマーまたはシリコンゴムで格子状の網目が形成されたネットであることを特徴とする請求項1に記載の保冷具。
【請求項3】
前記外袋を形成する樹脂内には、一定温度以上で警告色に変化する示温塗料が練り込まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保冷具。
【請求項4】
前記外袋を形成する樹脂内には、フェライト磁石の粉末が練り込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れかに記載の保冷具。
【請求項5】
前記外袋には、前記予冷時間や使用時間を計測するタイマーと、該タイマーで計測した時間を送信する送信機が付設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載の保冷具。
【請求項6】
前記保冷シートの袋部内に、吸水樹脂とともに銀ゼオライトが混入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5何れかに記載の保冷具。
【請求項7】
前記保冷シートには、該保冷シートの製造年月日が記されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6何れかに記載の保冷具。
【請求項8】
前記保冷シートの各袋部内にオゾン水を吸い込ませてなる請求項1乃至請求項7何れかに記載の保冷具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−247115(P2012−247115A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118535(P2011−118535)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(592122432)
【出願人】(000132862)株式会社タイヘイ産商 (3)
【Fターム(参考)】