説明

保冷剤

【課題】 自然に回帰させることの出来る用済の保冷剤を提供すること。
【解決手段】 自然に回帰出来る植物性のデンプン粉より成る粉に水を吸収させてゲル状とし、予め該植物性のデンプン粉に自然に回帰出来る山葵又は炭素セラミック顆粒を混合して構成し課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生鮮食品の搬送や一時的保管時に用いる保冷剤に関するものであり、不用になった場合処分時において自然環境に悪影響を及ぼすことのない保冷剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の保冷剤はポリマー等の化学物質を水に溶解させたものを、化学物質のフイルム状の袋に入れ保冷剤とし、該保冷剤を冷凍して必要に応じて適宜使用していた。しかし用済みの場合処分するには、化学物質であるため産業廃棄物として処理する必要があった。しかしこの保冷剤は自然環境にとって好ましいものでなく、これを処理するには多くの労力と費用を要していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の保冷剤は前記したごとく使用後は産業廃棄物として処理しなければならず多くの費用と労力が掛っていた。そこで自然に回帰させることが出来る保水材及び保水材を包み込む袋材を共に自然に回帰する材料で構成し、保冷剤の産廃物としての処理費用と労力を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための請求項1の発明は、まず保冷剤の水を吸収し保水する材料に、植物性のデンプンを素材とする高分子結合により成る顆粒状の物質を用い、該顆粒状の物質を包む袋に紙を素材とする不織布を用いる。又顆粒状の物質の中には山葵の粉又は遠赤外線を発生させる炭素セラミックの粉を混合して入れ込む。山葵や遠赤外線を発生させる炭素セラミックは共に抗菌効果を有する。この組合せにより自然に回帰出来る保冷剤を提供することが出来る。又炭素セラミックは遠赤を発生させ多硬質で穴が多く、炭素セラミックの構造上抗菌と共に、消臭,脱臭効果も有するため、従来の単なる保冷の目的以外に消臭,脱臭効果を有することが出来る。植物性デンプンと山葵との混合物に水を吸着保水させ冷凍することによって食品,食料素材の保冷用として、又植物性デンプンと炭素セラミックの顆粒との混合物に水を吸着、保水させ冷凍することによって、腐敗の防止や悪臭の消臭,脱臭の効果を生む。
【発明の効果】
【0005】
本発明の保冷剤は自然界の環境にとって無害な物質の組合せによって構成されているため、使用後は自然界に放出しても何ら環境を破壊することがないため、その処分には多くの労力と費用を必要とせず、効果は大なるものがある。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は植物性デンプンの粉状のもの又は顆粒状のものに山葵を磨りつぶしたものを加えて混合し、該混合物に多量の水を加えてゲル状とし水を通さない紙製の袋に入れて保冷剤とし、該保冷剤を冷凍したものである。1は紙製の袋であり、2は植物性のデンプンに水を吸収させたゲル状のもの、3は山葵である。この構成の保冷剤は植物性のゲル状デンプン2と水の中に含まれる細菌の増殖を山葵3によって抑制することが出来るため長時間保冷中の抗菌効果を発揮することが出来る。図2は他の実施形態であり、紙製袋4の中に植物性デンプン粉に水を吸収させたゲル状物5に炭素セラミック顆粒6を混合したことによって構成される保冷剤7である。該保冷剤7は炭素セラミック顆粒より発生する遠赤外線効果によって抗菌効果を発揮し、同時に不快な臭いの消臭,脱臭効果も有するものである。
【0007】
以上の2種の冷凍剤はその素材が全て天然の人間にとって無害で、且自然環境にもやさしいもので自然に回帰させることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明の保冷剤は使用後廃棄処分する場合、自然に回帰させることが出来、且量産的に安価に製造することが出来るため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の実施例を示す一部断面正面図である。
【図2】 本発明の他の実施例を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
【0010】
1.……袋
2.……植物性デンプンに水を吸収させたゲル状物
3.……山葵
4.……袋
5.……植物性デンプンに水を吸収させたゲル状物
6.……炭素セラミック顆粒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性デンプンと山葵を磨り下ろした物と顆粒状の炭素セラミックの内すくなくとも2種類以上を混合し、該混合物に水分を吸着させてゲル状とし、該ゲル状物質を保水性のある袋に詰めて構成したことを特徴とする保冷剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−209319(P2007−209319A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60186(P2006−60186)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(503384340)
【出願人】(505153591)
【Fターム(参考)】