説明

保管箱

【課題】一般市民が小区画の農地を借りて農園や菜園を営む場合、農具や肥料、水を農作業の度、離れた場所から農地まで車で運搬しなければならないという不便を解消する手段を提供すること
【解決手段】保管箱10を野天に置いておくことで、蓋体12の表面に降った雨水が溝12bを通って貯水タンク15に貯まる。そのため、この保管箱10を農地に置いておけば、農地に降る雨水を農作業に効率的に利用できる。従って、農地から離れた水源から農地まで貯水タンク15を車で運搬する手間を省略できる。リング金具18に杭を通し、杭を農地に打ち込んで固定することで、保管箱の盗難を防止できる。また、本体11に鍬21、鋤22、肥料23等を収納し、鍵前20で蓋体12を施錠することにより農具類の盗難を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保管箱に関し、より詳しくは農園や菜園で使用する鋤や鍬のような長尺の農具若しくは肥料を保管するに好適な保管箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、耕作放棄された農地を小区画に区切って一般市民に貸し出し、一般市民がこれを農園や菜園として利用する農地の利用方法が広く普及している。
一般市民が小区画の農地を借りて農作業を行う場合、水が不可欠であるが、農地の近辺に利用可能な水源が無い場合、水道等離れた場所にある水源から貯水タンクを使って水を農地まで車で運搬しなければならず、甚だ不便である。
【0003】
また、一般市民が農地を借りた場合、借りた農地に農具小屋のような建物を勝手に建築することはできない。そのため、農作業に必要な鋤、鍬の農具や肥料等を自宅等農地か羅離れた場所で保管し、農作業の都度、そこから農地まで車のトランクに入れて運搬しなければならず、甚だ不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は一般市民が小区画の農地を借りて農園や菜園を営む場合、農具や肥料、水を農作業の度、離れた場所から農地まで車で運搬しなければならないという不便を解消する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上面に保管物を出し入れするための開口を形成した本体と、本体の上面開口を開閉可能に覆蓋する蓋体を備えた保管箱であって、
前記蓋体に、蓋体表面に降り注いだ雨水が流入する溝と、この溝に流入した雨水を貯水タンク類へ排出する排出口を形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の保管箱において、前記本体が鋤又は鍬に類する長尺農具が収納可能な形状及び寸法を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の保管箱において、前記溝を蓋体の略全周に沿って形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の保管箱において、前記蓋体を前記本体に施錠するロック手段と、地面に固定したアンカー部材と前記本体とを連結するチェーン類を連結するための連結金具を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、保管箱を野天に置いておくことで、蓋体の表面に降った雨水を貯水タンクやバケツに貯めることができる。そのため、この保管箱を農地に置いておけば、農地に降る雨水を農作業に効率的に利用できるので、農地から離れた水源から農地まで貯水タンクの水を車で運搬する手間を省略できる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、鋤や鍬のような長尺農具又は肥料等を保管箱に収納し、この保管箱を農地に置いておくことにより、鋤、鍬、肥料等を離れた保管場所から農地まで運搬する手間を省略できる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、蓋体の略全周に溝を形成したので、蓋体の表面に降り注ぐ雨水の殆どを貯水タンクに効率的に貯めることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、保管箱に収納した農具や肥料の盗難をロック手段によって防止でき、また保管箱とアンカーをチェーン類で連結することにより保管箱そのものの盗難を防止できる。そのため、保管箱を農地に置いたままで農地を離れることができる。従って、農作業の度に保管箱を自宅から農地まで車で運搬する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係る保管箱を示す背面側から見た斜視図である。
【図2】同保管箱を正面側から見た斜視図である。
【図3】図1の3−3線から切断した断面図である。
【実施例】
【0015】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図には本発明の一実施例に係る保管箱が示されている。当該保管箱10は上面に開口11aを形成した中空長方体形状の本体11と、本体11の上面開口11aを開閉可能に覆蓋する蓋体12から成る。
【0016】
本体11は硬質プラスチックの成形品で、鋤や鍬などの長尺農具を上面開口11aから収納できる寸法を備えている。本実施例に係る本体11は横幅約1,500mm、奥行き幅400mm、深さ400mmの寸法を有する。
【0017】
蓋体12は本体11と同じく硬質プラスチックの成形品で、長方形の平坦な表面12aを有し、全周に断面U字形の溝12bが形成され、溝12bの一箇所の角隅部の底面に溝12bから雨水を排出する排水口12cが形成されている。この排水口12cには短尺の排水パイプ13が接続されている。そして、この排水パイプ13にはエルボーパイプ14を介し溝12bの雨水を貯める貯水タンク15を接続することができる。硬質プラスチック製の本体11と蓋体12は、本体11の上面開口11aを覆蓋している蓋体12に大人が着座しても変形したり破損することのないように所要の強度をもたせている。
【0018】
蓋体12は2個のヒンジ金具16で本体11の上面開口部11aに開閉可能に組み付けられている。このヒンジ金具16は第1ヒンジプレート16aと第2ヒンジプレート16b及び両プレート16a,16bを連結するヒンジピン16cから成り、第1ヒンジプレート16aが蓋体12の溝12aの底面裏側に固定され、第2ヒンジプレート16bが本体11の背面上端部に固定されている。また、第2ヒンジプレート16bには盗難防止用チェーン17の一端が連結されている。このチェーン17の他端にはリング金具18が取り付けられている。
【0019】
蓋体12の正面側に2個のロック金具19が取り付けられている。このロック金具19は第1ロックプレート19a、第2ロックプレート19b、両ロックプレート19a,19bを連結するヒンジピン19c及び第3ロックプレート19dから成り、第1ロックプレート19aが蓋体12の溝12aの底面裏側に固定されている。第2ロックプレート19bにはロック穴が形成されている。第3ロックプレート19dは本体11の正面上端部に固定されている。この第3ロックプレート19dにはロック穴に着脱可能に挿入されるロックブロック19eが一体に凸設されている。このロックブロック19eに錠前20を取り付けることにより蓋体12を施錠できる。
【0020】
本実施例に係る保管箱の構造は以上の通りであって、リング金具18に杭を通し、杭を農地に打ち込んで固定することで、保管箱の盗難を防止できる。また、本体11に鍬21、鋤22、肥料23等を収納し、鍵前20で蓋体12を施錠することにより農具類の盗難を防止できる。また、農作業の合間に蓋体に腰掛けて休息できる。
【0021】
本実施例に係る保管箱10によれば、保管箱10を野天に置いておくことで、蓋体12の表面に降った雨水を貯水タンク15に貯めることができる。そのため、この保管箱10を農地に置いておけば、農地に降る雨水を農作業に効率的に利用できる。従って、農地から離れた水源から農地まで貯水タンク15を車で運搬する手間を省略できる。
【0022】
鋤22や鍬21のような長尺農具又は肥料23等を保管箱10に収納し、この保管箱10を農地に置いておくことにより、鋤22、鍬21、肥料23等を離れた保管場所から農地まで運搬する手間を省略できる。
【0023】
蓋体12の略全周に溝12aを形成したので、蓋体12の表面に降り注ぐ雨水の殆どを貯水タンク15に効率的に貯めることができる。
【0024】
なお、本実施例の保管箱10ではもっぱら長尺農具21,22の保管の用途について説明したが、長尺農具21,22に限らず、ベンチや金槌等の短尺道具の保管に用いることができる。
また、保管箱10の盗難防止にチェーン17を用いたが、ワイヤを利用することも可能である。
更にまた、蓋体12の表面を平坦に形成し、溝12aを蓋12の全周に形成したが、蓋体12の表面に複数条の溝を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
10…保管箱
11…本体
11a…上面開口
12…蓋体
12b…溝
12c…排出口
15…貯水タンク
17…チェーン
19…ロック金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に保管物を出し入れするための開口を形成した本体と、本体の上面開口を開閉可能に覆蓋する蓋体を備えた保管箱であって、
前記蓋体に、蓋体表面に降り注いだ雨水が流入する溝と、この溝に流入した雨水を貯水タンク類へ排出する排出口を形成したことを特徴とする保管箱。
【請求項2】
前記本体が鋤又は鍬に類する長尺農具が収納可能な形状及び寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の保管箱。
【請求項3】
前記溝を蓋体の略全周に沿って形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の保管箱。
【請求項4】
前記蓋体を前記本体に施錠するロック手段と、地面に固定したアンカー部材と前記本体とを連結するチェーン類を連結するための連結金具を備えたことを特徴とする請求項2に記載の保管箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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