説明

保護部材

【課題】積載効率の低下を軽減可能な保護部材を提供することである。
【解決手段】面材30の角部31を保護するための保護部材1であって、略三角注状の保護部材本体3と、略円柱状の緩衝部材6とを有し、緩衝部材6は、その外周面17が保護部材本体3の側面11,12に接触する向きであって保護部材本体3における2つの側面11,12の交線13部分に配されており、緩衝部材6の天面15と底面16は、いずれも保護部材本体3の天面と底面に対して略面一であり、2つの側面11,12以外の側面10には面材30の角部31が挿入される開口7が設けられており、保護部材本体3の緩衝部材6に隣接する側面11,12にリブ4,5が立設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護部材に関し、さらに詳細には、積載効率の低下を軽減可能な保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築用材料の内、壁や天井を構成するパネルやボード、或いは窓を構成する硝子や鏡等、板状を成す材料は面材と呼ばれている。面材は、変形や破損すると、その価値を失う。現場への搬入や施工時には、面材の取り扱いに注意が必要である。例えば、長尺の面材は、狭い空間内での取り回しが難しく、角部をぶつけ易い。面材はダンボールで梱包されていることが多いが、ダンボールは角部への衝撃に弱い。つまり、ダンボールだけでは、面材の角部の保護は困難である。特許文献1には、板状部材の縁部保護材が開示されている。
【0003】
特許文献1の板状部材の縁部保護材は、弾性を有する発泡材で構成されており、長方形状を成している。発泡材の天面にはスリットが設けられている。スリットに板状部材の縁部を嵌めることで、板状部材の直線部の保護が可能である。また、発泡材の底面には切り込み部が設けられている。切り込み部で発泡材を折り曲げると、発泡材はL字状となる。L字状の発泡材は、板状部材の角部の保護が可能である。特許文献1の板状部材の縁部保護材は、直線部と角部の両方に共通して使用でき、汎用性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−45438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示された板状部材の縁部保護材は、弾性を有する発泡材で構成されており、分厚い。このため、前記縁部保護材で保護された板状部材(面材)も分厚くなり、倉庫等で管理する際に、積載効率が低くなる。
【0006】
そこで、本発明は、積載効率の低下を軽減可能な保護部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、面材の角部を保護するための保護部材であって、略三角注状の保護部材本体と、略円柱状の緩衝部材とを有し、緩衝部材は、その外周面が保護部材本体の側面に接触する向きであって保護部材本体における2つの側面の交線部分に配されており、緩衝部材の天面と底面は、いずれも保護部材本体の天面と底面に対して略面一であり、前記2つの側面以外の側面には面材の角部が挿入される開口が設けられており、保護部材本体の緩衝部材に隣接する側面にリブが立設されていることを特徴とする保護部材である。
【0008】
略円柱状の緩衝部材は、その外周面が保護部材本体の側面に接触する向きであって保護部材本体における2つの側面の交線部分に配されている。さらに、保護部材本体の緩衝部材に隣接する側面にリブが立設されている。すなわち、面材の角部の周囲を、略円柱状の緩衝部材とリブとで保護可能である。
【0009】
また、緩衝部材の天面と底面は、いずれも保護部材本体の天面と底面に対して略面一である。すなわち、保護部材を取り付けた面材が複数積載された際に、各面材の重み(静荷重)は、略円柱状の緩衝部材に加わる。つまり、保護部材を薄肉状とした場合に生じる緩衝能力の低下を、緩衝部材で補うことが可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の保護部材によれば、積載効率の低下を軽減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る保護部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は底面図である。
【図2】保護部材を面材に実装した実施例を示す図であり、(a)は面材の全体斜視図、(b)は(a)の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の保護部材の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本発明が制限して理解されるべきではない。
【0013】
図1(a)〜(d)に示すように、保護部材1は、保護部材本体3と、リブ4,5と、緩衝部材6とを有している。なお、面材の積載時には、保護部材1は、正面側が天面(上に向く方向)となる姿勢(基本姿勢)で用いられる。以下、基本姿勢に基いて説明する。
【0014】
保護部材本体3は、略三角柱状である。保護部材本体3は、天面8と、底面9と、側面10〜12とを有している。側面10には、開口7が設けられている。換言すれば、保護部材本体3は、内側に空間を有している。なお、側面10は、側面11,12同士の交線13部分を含まない側面である。
【0015】
保護部材本体3は、保持片21,22を有している。保持片21は天面8側に位置し、保持片22は底面9側に位置している。換言すれば、保持片21と保持片22とは対向配置されている。なお、図1(b)に示すように、保持片21の厚みT1と、保持片22の厚みT2は、薄くなっており、薄肉状である。
【0016】
リブ4,5は、側面11,12にそれぞれ立設されている。リブ4,5は、側面11,12から突出している。リブ4,5は、側面11,12の長手方向に対して、それぞれ平行となるように位置している。リブ4,5同士の間には、緩衝部材6が位置している。換言すれば、リブ4,5は緩衝部材6に隣接している。さらに言えば、リブ4,5は側面11,12同士の交線13部分に隣接している。なお、リブ4,5は、緩衝部材6の外周面で連結されていてもよい。
【0017】
緩衝部材6は、側面11,12同士の交線13部分に設けられている。緩衝部材6の中心線は、側面11,12の長手方向に直交している。
【0018】
緩衝部材6は、天面15と、底面16と、外周面17とを有している。天面15と底面16は、保護部材本体3の天面8と底面9とそれぞれ面一である。また、外周面17(緩衝部材6)は、側面11,12に接触しており、リブ4,5の一部ともつながっている。
【0019】
図2(a),(b)は、本実施形態の保護部材1を用いた実施例である。
【0020】
図2(a)に示すように、面材30の4つの角部31に、保護部材1が取り付けられている。
【0021】
図2(b)に示すように、面材30の角部31は、保護部材本体3の側面10に設けられた開口7に挿入されている。面材30の角部31は、緩衝部材6の外周面17と、リブ4,5とで保護されている。
【0022】
保護部材本体3の天面8と底面9は、それぞれ面材30の天面32と底面33に平行である。つまり、緩衝部6の天面15と底面16は、それぞれ面材30の天面32と底面33に平行である。
【0023】
保護部材1の厚みT3は、面材30の厚みT4よりも少し大きいだけである。つまり、厚みT4に、保持片21,22の厚みT1,T2を加えたものが、厚みT3である。本実施形態では、厚みT1,T2を小さくすることができるので、厚みT3も結果的に小さくすることができる。
【0024】
略円柱状の緩衝部材6は、その外周面17が保護部材本体3の側面11,12に接触する向きであって保護部材本体3における2つの側面11,12の交線部分に配されている。さらに、保護部材本体3の緩衝部材6に隣接する側面11,12にリブ4,5が立設されている。すなわち、面材30の角部31の周囲を、略円柱状の緩衝部材6とリブ4,5とで保護可能である。
【0025】
また、緩衝部材6の天面15と底面16は、いずれも保護部材本体3の天面8と底面9に対して略面一である。すなわち、保護部材1を取り付けた面材30が複数積載された際に、各面材30の重み(静荷重)は、略円柱状の緩衝部材6に加わる。つまり、保護部材1を薄肉状とした場合に生じる緩衝能力の低下を、緩衝部材6で補うことが可能である。
【0026】
前述のように本発明の実施形態に係る保護部材1では、積載効率の低下を軽減できる。
【0027】
なお、保持片21と保持片22は、保護部材本体3の内側の空間に向かって撓ませる構成としても良い。例えば、面材30の厚みT4にバラつきがある場合にでも、撓ませた保持片21,22でバラつきを吸収可能であり、面材30を確実に保持できる。
【符号の説明】
【0028】
1 保護部材
3 保護部材本体
4,5 リブ
6 緩衝部材
7 開口
8 天面
9 底面
10,11,12 側面
13 交線
15 天面
16 底面
17 外周面
30 面材
31 角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面材の角部を保護するための保護部材であって、略三角注状の保護部材本体と、略円柱状の緩衝部材とを有し、緩衝部材は、その外周面が保護部材本体の側面に接触する向きであって保護部材本体における2つの側面の交線部分に配されており、緩衝部材の天面と底面は、いずれも保護部材本体の天面と底面に対して略面一であり、前記2つの側面以外の側面には面材の角部が挿入される開口が設けられており、保護部材本体の緩衝部材に隣接する側面にリブが立設されていることを特徴とする保護部材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−6636(P2012−6636A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144666(P2010−144666)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】