信号処理装置、信号処理方法、並びにプログラム
【課題】複数の信号が多重化されている多重化信号から、所望の信号を適切に復調する。
【解決手段】複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号が検出される。そのプリアンブル信号に含まれる複数の信号をそれぞれ判別するための情報が、第1の信号であることを示す場合、復調部による復調を継続し、その第1の信号が復調される。またプリアンブル信号に含まれる複数の信号をそれぞれ判別するための情報が、第2の信号であることを示す場合、復調部による復調を停止させることで、復調を行わない。本技術は、デジタル放送の信号を処理する信号処理装置に適用できる。
【解決手段】複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号が検出される。そのプリアンブル信号に含まれる複数の信号をそれぞれ判別するための情報が、第1の信号であることを示す場合、復調部による復調を継続し、その第1の信号が復調される。またプリアンブル信号に含まれる複数の信号をそれぞれ判別するための情報が、第2の信号であることを示す場合、復調部による復調を停止させることで、復調を行わない。本技術は、デジタル放送の信号を処理する信号処理装置に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は信号処理装置、信号処理方法、並びにプログラムに関する。詳しくは、多重されて送信されてくる異なる放送信号から、所望の放送信号を選択的に処理できる信号処理装置、信号処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル信号を伝送する方式として、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式と呼ばれる変調方式が用いられている。このOFDM方式は、伝送帯域内に多数の直交するサブキャリアを用意し、それぞれのサブキャリアの振幅及び位相にデータを割り当て、PSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりデジタル変調する方式である。
【0003】
OFDM方式は、マルチパスの妨害の影響を強く受ける地上波デジタル放送に適用されることが多い。このようなOFDM方式を採用した地上波デジタル放送としては、例えば、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)やISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)等の規格がある。
【0004】
ところで、ETSI(European Telecommunication Standard Institute:欧州電気通信標準化機構)により、次世代の地上デジタル放送の規格としてDVB(Digital Video Broadcasting)-T.2が制定中である(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】DVB BlueBook A122 Rev.1,Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2) 平成20年9月1日、DVBのホームページ、[平成23年3月3日検索]、インターネット<URL:http://www.dvb.org/technology/standards/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DVB―T2の規格では、T2-frameと称されるフレームが送信されるが、そのT2-frameの間に、FEF(Future Extension Frame)と称されるフレームが時間方向に多重化されて送信されることが制定されている。
【0007】
受信装置側では、受信され、処理対象とされたフレームがT2-frameであるのか、FEFであるのかを判断し、対応する処理を実行する必要がある。T2-frameを専用に処理する処理部とFEFを専用に処理する処理部を、それぞれ独自に開発し、製品化するのは、コスト高となる。また、そのような2つの処理部を備える装置においては、回路規模が大きくなり、消費電力が大きくなる。
【0008】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、異なるフレームが多重化された信号を、共通して処理できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一側面の信号処理装置は、複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出する検出部と、前記多重化信号から所定の信号を復調する復調部と、前記検出部により検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を継続し、第2の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を停止させる制御部を備える。
【0010】
前記第2の信号を復調する設定の場合、前記判別情報から第1の信号であると解釈される場合、第2の信号であるとの解釈に変更し、前記判別情報から第2の信号であると解釈される場合、第1の信号であるとの解釈に変更する変更部をさらに備え、前記制御部は、前記変更部により変更された解釈に基づき、前記復調の継続または停止を制御するようにすることができる。
【0011】
前記第1の信号は、DVB-T2規格の信号であり、前記第2の信号は、DVB-NGH規格の信号であるようにすることができる。
【0012】
本技術の一側面の信号処理方法、またはプログラムは、複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出し、検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調を継続し、前記判別情報が、第2の信号であることを示す場合、復調を停止するステップを含む。
【0013】
本技術の一側面の信号処理装置、信号処理方法、およびプログラムにおいては、複数の信号が多重化されている多重化信号から、複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が検出され、その判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調が継続され、第2の信号であることを示す場合、復調が停止される。
【発明の効果】
【0014】
本技術の一側面によれば、異なるフレームが多重化された信号のうちの所望な信号を、適切に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】送受信される信号について説明するための図である。
【図3】プリアンブル信号について説明するための図である。
【図4】プリアンブル信号から読み取れるパターンについて説明するための図である。
【図5】受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】送受信される信号について説明するための図である。
【図7】プリアンブル信号について説明するための図である。
【図8】受信装置の他の実施の形態の構成を示す図である。
【図9】受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図10】解釈の変更について説明するための図である。
【図11】受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図12】記録媒体について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
[受信装置の構成について]
本実施の形態は、多重化された信号を処理する信号処理装置に適用することができるため、ここでは、信号処理装置としての受信装置を例にあげて説明を行う。図1は、OFDM(直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing))信号を受信する受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。また、図1に示した受信装置10は、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)2方式の放送信号を受信し、処理する装置である。
【0018】
図1に示した受信装置10は、チューナ11、BPF(バンドパスフィルタ)12、A/D(Analog/Digital)変換部13、直交復調部14、P1処理部15、フレーム同期部16、シンボル同期部17、FFT(Fast Fourier Transform)部18、等化部19、伝送路推定部20、および誤り訂正部21を含む構成とされている。
【0019】
受信装置10に接続されているアンテナ(不図示)は、放送局の送信装置から送信(放送)されてくるOFDM信号の放送波を受信し、その放送波を、RF(Radio Frequency)信号に変換して、チューナ11に供給する。チューナ11は、アンテナからのRF信号から、所定の周波数帯域の信号を抽出し、IF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換して、BPF12に供給する。
【0020】
BPF12は、チューナ11からのIF信号をフィルタリングし、A/D変換部13に供給する。A/D変換部13は、BPF12からのIF信号をA/D変換し、その結果得られるディジタル信号のIF信号を、直交復調部14に供給する。直交復調部14は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリアを用いて、A/D変換部13からのIF信号を直交復調し、その結果得られるベースバンドのOFDM信号を出力する。ここで、直交復調部14が出力するOFDM信号は、FFT演算がされる前(送信装置側で、IQコンスタレーション上の伝送シンボルがIFFT演算された直後)の時間領域の信号であり、以下、OFDM時間領域信号ともいう。
【0021】
OFDM時間領域信号は、実軸成分(I(In Phase)成分)と虚軸成分(Q(Quadrature Phase)成分)とを含む、複素数で表される複素信号である。OFDM時間領域信号は、直交復調部14からP1処理部15とFFT部18に供給される。なお、オフセットを補正する部を設け、直交復調部14からのOFDM時間領域信号を対象として、A/D変換部13でのサンプリングオフセット(サンプリングのタイミングのずれ)の補正や、直交復調部14のキャリアの周波数のオフセット(送信装置で用いられているキャリアの周波数とのずれ)の補正を行う構成としても良い。
【0022】
P1処理部15は、T2-frame(以下、T2フレームと記述する)に含まれるプリアンブル信号のP1を、OFDM時間領域信号から検出し、P1の位置情報を算出する。フレーム同期部16には、P1処理部15により処理されたS1やS2の情報と、誤り訂正部21からのP2の情報が供給される。フレーム同期部16は、供給された情報から、処理対象とされるフレームがT2-frameであるのか、FEF(Future Extension Frame)であるのかを判別し、復調処理を継続するか否かを表す復調停止フラグを発行する。なお、T2フレーム、FEF、P1、P2、S1、S2については、図2を参照して後述する。
【0023】
シンボル同期部17には、P1処理部15からのP1の位置情報と、フレーム同期部16からの復調停止フラグが供給される。シンボル同期部17は、復調停止フラグにより復調が停止されているとき以外、すなわち復調を行う場合、P1の検出位置からP2の有効シンボルの先頭を知り、FFTの演算の開始のタイミングを示すFFT Window triggerを算出する。
【0024】
FFT部18は、シンボル同期部17から供給されるFFT Window triggerに従って、直交復調部14から供給されるOFDM時間領域信号のFFT演算を行う。OFDM時間領域信号のFFT演算により、サブキャリアで送信されてきたデータ、すなわち、IQコンスタレーション上の伝送シンボルを表すOFDM信号が得られる。ここで、OFDM時間領域信号のFFT演算により得られるOFDM信号は、周波数領域の信号であり、以下、OFDM周波数領域信号ともいう。
【0025】
FFT部18は、FFT演算によって得られたOFDM周波数領域信号を、等化部19と伝送路推定部20に供給する。伝送路推定部20は、FFT部18からのOFDM周波数領域信号において、所定の位置に配置されたパイロット信号を用いて、OFDM信号の各サブキャリア(伝送シンボル)に対する伝送路特性を推定する。そして、伝送路推定部20は、その伝送路特性の推定値である伝送路特性データを、等化部19に供給する。
【0026】
等化部19は、FFT部18からのOFDM周波数領域信号を対象とし、OFDM信号のサブキャリアが伝送路で受けた振幅と位相の歪みを補正する歪み補正を、伝送路推定部20からの伝送路特性データを用いて行いて行う。例えば、OFDM周波数領域信号を、伝送路特性データで除算するといった処理を行うことで、OFDM周波数領域信号の歪み補正を行う。そして、等化部19は、歪み補正後のOFDM周波数領域信号を、誤り訂正部21に供給する。
【0027】
誤り訂正部21は、等化部19からのOFDM周波数領域信号を対象として、必要な誤り訂正処理、すなわち、例えば、デインターリーブや、デパンクチャ(de-punctured)、ビタビ復号、拡散信号除去、LDPC(Low Density Parity Check)復号、RS(リードソロモン)復号を行い、その結果得られる復号データを図示していない後段に出力する。
【0028】
このような構成を有する受信装置10においては、フレーム同期部16が、復調を継続するか、または停止するといった制御を行うためのフラグを発行する制御部としての役割を有する。また、フラグを発行するために、P1処理部15から、処理対象とされている信号を判別するための判別情報(S1やS2)の供給を受ける。また、フレーム同期部16の制御に基づき復調の継続や停止を行う復調部は、シンボル同期部17、FFT部18、等化部19、伝送度推定部20、および誤り訂正部21から構成されている。
【0029】
[フレームについて]
次に、受信装置10で受信され、処理されるフレーム、換言すれば、送信装置側で生成され、送信される信号について図2を参照して説明する。DVB-T2においては、T2フレームと称される伝送フレーム単位にデータが伝送されるようになされている。また、DVB-T2においては、そのT2フレームに、T2フレームとは別の異なる構造を有するFEFと呼ばれる信号が時間的に多重化されて送信され、受信される。
【0030】
DVB‐T2においては、図2に示されるように、T2フレーム(図中、T2-frame)とFEFとが多重化されて送信可能になされている。すなわち、FEFは、複数のT2フレームでなる一定間隔(FEF interval)毎に、一定の長さ(FEF length)で、T2フレームに多重化されて送信され、受信される。
【0031】
T2フレームとFEFは、P1を有している。T2フレームの場合、P2も有し、P1はP2とともに、それぞれプリアンブル(preamble)信号とされ、そのプリアンブル信号には、OFDM信号の復調等の処理に必要な情報が含まれる。
【0032】
P1には、そのフレームがT2フレームであるのか、FEFであるのかを判別するための判別情報がシグナリング(Signaling)されている。したがって、T2フレームを受信する受信装置、FEFを受信する受信装置は、P1に含まれる情報を取得することによって、T2フレームおよびFEFを取り出して復調することができる。
【0033】
また、P1には、そのフレームがT2フレームの場合、さらに、P1以外のシンボルのFFT演算を行うときのFFTサイズ(1回のFFT演算の対象とするサンプル(シンボル)の数)等の復調処理に必要な情報がシグナリングされている。すなわち、そのフレームがT2フレームの場合、P1は、P2の復調に必要な伝送方式やFFTサイズ等を含むので、P2を復調するには、P1を復調する必要がある。
【0034】
T2フレームは、さらに、P1のシンボルの後に続いて、順にP2のシンボル、Normalと称されるシンボル、およびFC(Flame Closing)と称されるシンボルを有している。
【0035】
図3を参照し、P1に含まれるS1とS2について説明する。P1は、7ビットで構成される。そしてP1は、S1とS2から構成され、S1は、3ビット、S2は、4ビットで構成される。S1は、3ビットで構成されるため、取り得る値としては、“000”、“001”、“010”、“011”、“100”、“101”、“110”、および“111”がある。
【0036】
S1が“000”である場合、そのフレームは、T2 SISO(Single Input Single Output)であり、T2フレームであることを示している。S1が“001”である場合、そのフレームは、T2 MISO(Multiple Input Single Output)であり、T2フレームであることを示している。S1が、“010”、“011”、“100”、“101”、“110”、または“111”である場合、これらの値は、Reserved(予約)されているため、用途が未確定な値である。S1がこれらの値の場合、少なくともT2フレームではないことは受信装置側で認識できる。
【0037】
例えば、図2に示したようなT2フレームとFEFが多重化されている信号を受信する可能性がある場合、P1に含まれるS1が“000”または“001”であるときには、T2フレームであることがわかり、それ以外の値であるときには、FEFであることが、受信装置側ではS1を解釈することでわかる。
【0038】
P1に含まれるS2は、4ビットで構成される。4ビットのうち、LSB(Least Significant Bit)以外の3ビットは、FFT SIZE を表す値が記載されるため図3においては×で示している。S2のLSBが“0”の場合、その受信している信号は、“Not Mixed”であることを示している。“Not Mixed”とは、T2フレームだけの信号である、またはFEFだけの信号である場合であり、異なるフレームは多重化されていない信号であることを示している。
【0039】
S2のLSBが“1”の場合、その受信している信号は、“Mixed”であることを示している。“Mixed”とは、T2フレームとFEFといった異なるフレームが多重化されている信号であることを示している。
【0040】
このような情報が、S1とS2にそれぞれ含まれている。よって、S1とS2の情報の組み合わせには、図4に示すようなパターンがあり、それぞれのパターンにより受信されている信号がどのような信号(フレーム)であるのかが特定できる。
【0041】
パターンaは、S1が“000”または“001”であるために、受信された信号は、T2フレームであり、かつS2が“×××0”であるために、受信されている信号には異なるフレームは含まれない(Not Mixed)ことがわかるパターンである。パターンaの場合、受信される信号は、T2フレームだけが含まれる信号(Pure T2)であり、受信装置10としては、パターンaに適した処理を行う。
【0042】
パターンbは、S1が“000”または“001”であるために、受信された信号は、T2フレームであり、かつS2が“×××1”であるために、受信されている信号には異なるフレームが含まれる(Mixed)ことがわかるパターンである。またこのような状況は、処理対象とされているフレームが、T2フレームであり、そのT2フレームに含まれているP1が処理されていることもわかる状況である。このようなパターンbの場合、受信される信号は、T2フレームとFEFフレームが含まれる信号(FEFがあるT2)であり、受信装置10としては、パターンbに適した処理を行う。
【0043】
パターンcは、S1が“000”、“001”以外であるために、受信された信号は、T2フレーム以外(Not T2)であり、かつS2が“×××0”であるために、受信されている信号には異なるフレームは含まれない(Not Mixed)ことがわかるパターンである。パターンcの場合、受信される信号は、FEFだけが含まれる信号(Not T2)であるので、受信装置10としては、パターンcに適した処理を行う。
【0044】
パターンdは、S1が“000”、“001”以外であるために、受信された信号は、T2フレーム以外(Not T2)であり、かつS2が“×××1”であるために、受信されている信号には異なるフレームが含まれる(Mixed)ことがわかる状況である。またこのような状況は、処理対象とされているフレームが、FEFであり、そのFEFに含まれているP1が処理されていることもわかる状況である。このようなパターンdの場合、受信される信号は、T2フレームとFEFフレームが含まれる信号(FEFがあるT2)であるので、受信装置10としては、パターンdに適した処理を行う。
【0045】
このように、T2フレームとFEFに含まれるプリアンブル信号のP1を解読することで、受信信号の特徴(パターンa乃至d)を知ることができる。さらに、T2フレームには、P2と称されるプリアンブル信号が含まれる。このP2には、図2に示すようなFEF_LENGTHやFEF_INTERVALといったFEF区間をより正確に示した情報や、FEF_TYPEという関連情報が含まれている。また、P2にはT2フレームの復調処理に必要な情報がシグナリングされている。
【0046】
T2フレームを受信する受信装置では、P1,P2に含まれるFEFの情報を取得する事によって、T2フレームを抽出して復調することができ、FEFからの影響を排除して復調性能を向上することが出来るように構成されている。
【0047】
[受信装置の動作について]
図2に示したような信号を受信し、処理する受信装置としては、T2フレームのみを処理する装置、FEFのみを処理する装置、およびT2フレームとFEFを処理する装置が考えられる。図1に示した受信装置10が、T2フレームのみを処理する受信装置の構成である場合、図5のフローチャートに基づく処理が行われる。図5のフローチャートを参照し、受信装置10の処理、特に、T2フレームの復調に係わる処理について説明する。
【0048】
アンテナにより受信され、チューナ11、BPF12のそれぞれの処理を経て、A/D変換部13に供給された信号は、デジタル信号に変換され、直交復調部14に供給される。そして、直交復調部14に供給されたデジタル信号は、OFDM時間領域信号にされ、P1処理部15とFFT部18に供給される。
【0049】
ステップS11において、P1処理部15は、OFDM時間領域信号に含まれるP1を検出する。さらに、P1処理部15は、P1を検出した場合、P1の位置情報をシンボル同期部17に出力し、S1とS2のシグナリングを復号し、フレーム同期部16に供給する。ステップS12において、フレーム同期部16は、供給されたS1とS2から処理対象とされているOFDM時間領域信号(フレーム)が、T2フレームであるか否かを判断する。
【0050】
ステップS12において、T2フレームであると判断された場合、ステップS13に処理が進められる。ステップS13において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てない。復調停止フラグが立てられないことで、ステップS14において、復調処理が継続される。すなわち、シンボル同期部17は、P1検出位置からP2の有効シンボルの先頭を知ることができ、FFT演算開始タイミングを示すFFT Window triggerを算出する。そして、FFT部18が、そのFFT Window triggerに基づいてFFTを実行する。以下、FFT部18以降の後段の処理も順次継続して行われ、T2フレームに対する復調処理が継続して行われる。
【0051】
一方、ステップS12において、T2フレームではないと判断された場合、ステップS15に処理が進められる。ステップS15において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てる。復調停止フラグが立てられることで、ステップS16において、復調処理が停止される。すなわち、FEFが処理されているときには、復調停止フラグが立てられ、復調処理が停止されることになる。
【0052】
シンボル同期部17は、FFT演算開始タイミングを示すFFT Window triggerを算出するが、フレーム同期部16からの復調停止フラグが立てられているときには、その算出を停止する。シンボル同期部17が、FFT Window triggerを算出しないことで、FFT部18以降の後段の処理も停止される。
【0053】
このように、T2フレームを処理する受信装置10は、FEFが受信される区間では復調の処理が停止されるように構成されている。フレーム同期部16においては、S1とS2の情報から、図4を参照して説明したパターンa乃至dのいずれのパターンであるかを判断することができる。このことを利用し、例えば、ステップS12において、パターンa乃至dのいずれのパターンであるかを判断し、その判断に基づいて、ステップS12以降の処理が行われるようにしても良い。
【0054】
例えば、パターンbまたはパターンdであると判断されるときには、T2フレームとFEFが受信されある可能性があるため、パターンbまたはパターンdであると判断されるときだけ、T2フレームであるのか、またはFEFであるのかを判断する処理、すなわち、上記したステップS12の処理が行われるようにしても良い。
【0055】
また例えば、パターンaであると判断されるときには、T2フレームだけしか受信されないことがわかるので、復調停止フラグを立てない状態を維持し、復調が継続され、パターンcであると判断されるときには、FEFだけしか受信されないことがわかるので、復調停止フラグを立てた状態を維持し、復調が停止された状態が継続されるようにする処理の流れにしても良い。
【0056】
また、図5に示したフローチャートに基づき処理が行われる場合、ステップS12においてT2フレームであると判断されると、ステップS14において、復調の処理が継続される。復調の処理が継続されることで、誤り訂正部21によりP2が復調され、その復調されたP2に書き込まれていた情報が、フレーム同期部16に供給されることになる。このP2に書き込まれていた情報とは、例えば、FEF_LENGTHやFEF_INTERVALである。FEF_LENGTHやFEF_INTERVALといった情報が取得できることで、FEF区間を正確に把握することができるようになる。
【0057】
フレーム同期部16がFEF区間を正確に把握することで、復調停止フラグを立てている区間を正確に把握することができることになり、FEF区間における復調の停止を正確に実行することが可能となる。FEF区間を正確に把握し、その区間内は復調を停止することで、T2フレームの復調に対するFEF区間の影響を排除することができる。これにより、T2フレームの復調性能を向上させることができる。
【0058】
[DVB-NGHについて]
上記したFEFは、図2を参照して説明したようにT2フレームとFEFとが多重化されて送信可能になされている。ところで、DVB-T2とは別の規格として、DVB-NGHが規格策定中である。このDVB-NGH規格では、DVB-T2に準拠した互換性のある方式が検討されている。そして、DVB-NGH規格におけるフレーム(以下、適宜、NGHフレームと記述する)を、FEFを用いて送信することが提案されている。
【0059】
図6Aは、DVB-T2規格のFEFの部分を用いて、NGHフレームを送信するときの送信例を示している。図6Aに示した例では、NGHフレームの後に、T2フレームが3フレーム送信され、その後、NGHフレームが送信され、その後、T2フレームが3フレーム送信されといったように、時間的にNGHフレームとT2フレームが多重化されて送信される例を示している。
【0060】
図6Bは、DVB-T2規格のFEFの部分を用いて、NGHフレームを送信するときの送信例であるが、NGHフレームが単独で送信される場合を示している。図6Bに示した例では、NGHフレームが連続的に送信される例である。
【0061】
このように、NGHフレームは、T2フレームと多重化されて送信される可能性もあるし、NGHフレームのみが単独で送信される可能性もある。
【0062】
ここで、参考のために再度図2を参照する。図2において、T2フレームは、プリアンブル信号としてP1とP2を含んでいる。一方、FEFは、プリアンブル信号として、P1は含むが、P2は含んでいない。このように信号の構成が異なる場合、T2フレームを処理するための処理部(T2処理部とする)とFEFを処理するための処理部(FEF処理部とする)は、それぞれ処理する信号に適した設計となるように別々に設計され、それぞれの装置に備えられる。よって、例えば、T2フレームとFEFを選択的に処理できる装置の場合、T2処理部とFEF処理部の両方を備える構成とされる。
【0063】
このことから、NGHフレームをFEFの代わりに送信する場合、以下のようなことになると想定される。受信装置側としては、T2フレームのみを処理する装置、NGHフレームのみを処理する装置、T2フレームとNGHフレームとを選択的に処理する装置が考えられる。受信装置が、T2フレームのみを処理する装置である場合、T2フレームを処理するT2処理部を有する。同じく、受信装置が、NGHフレームのみを処理する装置である場合、NGHフレームを処理する処理部(NGH処理部とする)を有する。受信装置が、T2フレームとNGHフレームを選択的に処理する装置である場合、T2処理部とNGH処理部をそれぞれ備え、受信されたフレームに適した処理部で処理を行うことになる。
【0064】
しかしながら、上記したように、DVB-NGH規格では、DVB-T2に準拠した互換性のある方式であるため、DVB-NGHの信号の構成は、DVB-T2の構成をそのまま踏襲したものとされている。換言すれば、T2フレームの信号の構成と、NGHフレームの信号の構成は、同様な構成とされている。図7を参照して、このことについて説明する。T2フレームは、プリアンブル信号としてP1とP2を含んでいる。同様に、NGHフレームも、プリアンブル信号としてP1とP2を含んでいる。
【0065】
T2フレームに含まれるP1とNGHフレームに含まれるP1は、それぞれ異なる値を含むが、記載される事項は同じとされている。すなわち、図3を参照して説明したように、P1には、S1とS2があり、S1には、自己がT2フレームであるか否かの情報が含まれ、S2には、受信される信号に異なるフレームが混合されているか否かの情報が含まれる。
【0066】
同様に、T2フレームに含まれるP2とNGHフレームに含まれるP2は、それぞれ異なる値を含むが、記載される事項は同じとされている。P2には、FEFの場合、例えば、FEF_LENGTHやFEF_INTERVALといった情報が含まれるが、そのような情報に対応する情報が、NGHの場合にもP2には含まれている。
【0067】
このように、T2フレームとNGHフレームとは、同一の構成とされているため、基本的に、T2フレームの同期再生/復調を行う処理と、NGHフレームの同期再生/復調を行う処理は、同様の処理である。このことを利用することで、T2処理部とNGH処理部の共有化をはかることが可能となる。T2処理部とNGH処理部を1つの処理部とすることができれば、T2フレームのみを処理する装置、NGHフレームのみを処理する装置、およびT2フレームとNGHフレームとを選択的に処理する装置の全てに対して適用できることになる。このことにより、回路規模が増大になることを防ぎ、消費電力を低減させることが可能となる。
【0068】
T2処理部とNGH処理部を1つの処理部とするために、以下の実施の形態においては、T2フレームとNGHフレームを検出するための情報が記載されているP1のSignaling(S1,S2)の解釈を変更することで、受信装置においては、あたかもDVB-T2の信号を受信しているかのように処理が実行される。すなわち、T2フレームをFEF(NGH)として解釈し、FEF(NGH)をT2フレームとして解釈の変更を行うことで、T2フレーム、NGHフレームのどちらに対しても対応可能とする。
【0069】
[DVB-NGH規格のフレームを処理する受信装置の構成について]
図8は、このようなことを考慮した受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。図8に示した受信装置100は、図1に示した受信装置10に解釈変更部101を追加した構成とされている。図1に示した受信装置10と図8に示した受信装置100において、同一の機能を有する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
解釈変更部101は、P1処理部15とフレーム同期部16の間に設けられる。解釈変更部101は、P1処理部15により処理されたP1の情報を取得し、T2フレームであるのか、NGHフレームであるのかを判断する。そして、解釈変更部101は、T2フレームであると判断したときには、解釈の変更をせずに、P1の情報をフレーム同期部16に供給し、NGHフレームであると判断したとき、後述するような解釈の変更を行い、変更後のP1の情報をフレーム同期部16に供給する。フレーム同期部16は、供給されたP1の情報を基に、復調の停止/開始/継続を行う。
【0071】
次に、受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、NGHフレームを処理する装置であった場合、またはT2フレームとNGHフレームを選択的に処理する装置であった場合のそれぞれにおける受信装置100の動作について説明を加える。
【0072】
[T2フレームを処理する受信装置の動作について]
受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、その動作は、図5のフローチャートに基づいて行われる。T2フレームを処理する装置であった場合、T2フレームが受信されているときには、その受信されているT2フレームを復調し、NGHフレームが受信されているときには、復調を停止する。このような動作は、FEFが受信されているときには復調を停止する場合と同様であるため、上記した図5のフローチャートに基づいて処理が行われるようにすることができる。ここでは、図5のフローチャートに基づいて処理が行われるとし、既に説明した処理については適宜省略して説明する。
【0073】
受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、解釈変更部101は、P1処理部15からP1の情報を、解釈を変更することなく、フレーム同期部16に供給するように設定される。よって、フレーム同期部16は、T2フレームが処理されているときには、ステップS12(図5)において、T2フレームであると判断し、ステップS13において、フラグを立てない処理を実行する。よってこの場合、ステップS14において、復調が継続される。
【0074】
一方で、フレーム同期部16は、NGHフレームが処理されているときには、ステップS12(図5)において、T2フレームではないと判断し、ステップS15において、フラグを立てる。よってこの場合、ステップS16において、復調が停止される。
【0075】
このように、受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、解釈変更部101が、供給されるP1の情報の解釈を変更することなく処理するで、T2フレームを適切に復調し、NGHフレームのときには復調を適切に停止するといった処理を行うことが可能となる。
【0076】
[NGHフレームを処理する受信装置の動作について]
次に、受信装置100が、NGHフレームを処理する装置であった場合、その動作は、図9のフローチャートに基づいて行われる。受信装置100が、NGHフレームを処理する装置である場合、NGHフレームのときには復調し、T2フレームのときには復調を停止するといった処理が行われる。
【0077】
ステップS31において、P1処理部15は、OFDM時間領域信号に含まれるP1を検出する。さらに、P1処理部15は、P1を検出した場合、P1の位置情報をシンボル同期部17に出力し、S1とS2のシグナリングを復号し、解釈変更部101に供給する。ステップS32において、解釈変更部101は、解釈の変更を行う。
【0078】
図10に、解釈変更前後のフレームの一例を示す。図10Aの上段に示したフレームは、NGHフレームの後に、T2フレームが3フレーム続き、その後、NGHフレームがあり、その後、T2フレームが3フレーム続きといったようにフレームが続いている。このようなフレームが受信された場合、解釈変更部101は、NGHフレームであるという解釈を、T2フレームであるという解釈に変更し、T2フレームであるという解釈を、FEFであるという解釈に変更する。
【0079】
このような変更が行われることで、解釈変更後のフレームは、図10Aの下段に示したようなフレームとして扱われることになる。図10Aの下段に示したフレームは、T2フレームの後に、FEFが3フレーム続き、その後、T2フレームがあり、その後、FEFが3フレーム続きといったようにフレームが続いている。
【0080】
このような変更が行われる場合、図10Bの上段に示したように、NGHフレームのみから構成される信号が受信された場合、図10Bの下段に示すように、T2フレームのみから構成される信号として処理されることになる。以下に、さらに具体的に説明を加える。
【0081】
解釈変更部101は、NGHフレームが処理対象とされているときには、そのNGHフレームがT2フレームと同等の処理が行われるようにS1およびS2の解釈を変更する。例えば、HGHフレームが処理されているときには、S1の値は“000”または“001”以外の値であるが、そのS1の値を、“000”または“001”の値、例えば、“000”であると解釈を変更し、その変更後の解釈結果を後段のフレーム同期部16に出力する。このように、解釈変更部101において、NGHフレームであるがT2フレームであるとの解釈に、解釈の変更が実行されることで、後段の処理においては、NGHフレームであるがT2フレームとして扱われることになる。
【0082】
よってこのような場合、ステップS33において、NGHフレームが処理対象とされているにも係わらず、解釈変更部101における解釈の変更が実行されているため、T2フレームであると判断され、ステップS34に処理が進められる。ステップS34において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てない。復調停止フラグが立てられないことで、ステップS35において、復調処理が継続される。
【0083】
すなわち、シンボル同期部17は、P1検出位置からP2の有効シンボルの先頭を知ることができ、FFT演算開始タイミングを示すFFT Window triggerを算出する。そして、FFT部18が、そのFFT Window triggerに基づいてFFTを実行する。以下、FFT部18以降の後段の処理も順次継続して行われるため、擬似的にT2フレームとされたNGHフレームに対する復調処理が行われる。
【0084】
一方で解釈変更部101は、T2フレームが処理対象とされているときには、そのT2フレームがFEFフレームと同等の処理が行われるようにS1およびS2の解釈を変更する。例えば、T2フレームが処理されているときには、S1の値は“000”または“001”であるが、そのS1の値を、“000”または“001”以外の値、例えば、“010”であると解釈を変更し、その変更後の解釈結果を後段のフレーム同期部16に出力する。このように、解釈変更部101において、T2フレームであるがFEFであるとの解釈に、解釈の変更が実行されることで、後段の処理においては、T2フレームであるがFEFフレームとして扱われることになる。
【0085】
よってこのような場合、ステップS33において、T2フレームが処理対象とされているにも係わらず、解釈変更部101における解釈の変更が実行されているため、T2フレームではないと判断され、ステップS36に処理が進められる。ステップS36において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てる。復調停止フラグが立てられることで、ステップS37において、復調処理が停止される。
【0086】
このように解釈変更部101において、T2フレームまたはNGHフレームに含まれるプリアンブル信号であるP1に含まれるS1、S2の解釈を変更することで、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにすることができ、NGHフレームをT2フレームとして復調することが可能となる。また、T2フレームをFEFとして扱われるようにすることができ、T2フレームのときには復調を停止させることが可能となる。
【0087】
[T2フレームとNGHフレームを処理する受信装置の動作について]
次に、受信装置100が、T2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理する装置であった場合、その動作は、図11のフローチャートに基づいて行われる。ここでT2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理することについて説明する。例えば、T2フレームで提供される番組と、NGHフレームで提供される番組が同一の番組である場合、いわゆるサイマル放送であった場合を考える。NGHフレームで提供される番組は、T2フレームで提供される番組よりも解像度が低くデータ処理も少ない放送番組であるとする。
【0088】
また例えば、モバイル端末のように放送番組の受信状態が変化する可能性のある端末を考える。そのような端末が、T2フレームとNGHフレームの両方を処理できる端末であった場合、受信状態が良い時には、解像度の高いT2フレームを処理し、T2フレームで提供される番組をユーザに提供し、受信状態が悪い時には、解像度の低いNGHフレームを処理し、NGHフレームで提供される番組をユーザに提供するといったことが可能になる。このような端末においては、受信状態により、T2フレームを処理するか、NGHフレームを処理するかを決定し、その決定に基づいて処理を実行する。このような端末(装置)を、ここでは、T2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理する装置であるとする。
【0089】
このような定義の場合、例えば、家庭内に据え置きされるテレビジョン受像機は、比較的受信状態が良い状態で信号を受信し続けることができるため、T2フレームのみを処理する装置に該当する。このようなテレビジョン受像機が該当するT2フレームのみを処理する装置における処理については既に説明した。
【0090】
一方で、携帯電話機などのモバイル端末は、比較的受信状態が悪い状態で信号を受信し続ける可能性が高いため、NGHフレームのみを処理する装置に該当する。このモバイル端末などが該当するNGHフレーム飲みを処理する装置における処理については、図9のフローチャート等を参照して既に説明した。
【0091】
すなわち、本実施の形態における受信装置100は、テレビジョン受像機やモバイル端末といった異なる装置であっても適用できるため、それらの端末毎にチップなどを設計したり、製造したりする必要がない。さらに、図11のフローチャートを参照して説明するように、T2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理する装置に対しても適用できる。
【0092】
図11のフローチャートの説明に戻り、ステップS51において、P1が検出される。このステップS51の処理は、ステップS31(図9)と同様に行われるため、その説明は省略する。ステップS52において、解釈変更部101は、設定はT2フレームモードであるか否かを判断する。ここで、T2フレームモードとは、T2フレームを処理するモードであるとする。また、NGHフレームを処理するモードは、NGHフレームモードとする。
【0093】
このT2フレームモードとNGHフレームモードのどちらを設定するかは、例えば、信号の受信状態、ユーザからの指示等により行われる。信号の受信状態により設定されるようにした場合、信号の受信状態が良いか悪いかを判断し、受信状態が良い場合には、T2フレームモードに設定され、受信状態が悪い場合には、NGHフレームモードに設定される。
【0094】
ステップS52において、設定はT2フレームモードではないと判断された場合、ステップS53に処理が進められる。ステップS53において、解釈の変更が行われる。すなわち、ステップS53に処理が進められるのは、NGHフレームモードに設定されている場合であるので、解釈変更部101において、T2フレームがFEFとして扱われ、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにするための解釈の変更が行われる。このステップS53以降の処理は、図9のフローチャートにおけるステップS32以降の処理と同様に行われるため、その説明は省略する。
【0095】
一方、ステップS52において、設定はT2フレームモードであると判断された場合、ステップS53の処理をスキップし、ステップS54に処理が進められる。この場合、解釈変更部101における解釈の変更は行われないため、T2フレームはT2フレームとして扱われ、NGHフレームはNGHフレーム(FEF)として扱われる。このステップS54以降の処理は、図5のフローチャートにおけるステップS12以降の処理と同様に行われるため、その説明は省略する。
【0096】
このようにNGHフレームモードのときには、解釈変更部101において、T2フレームまたはNGHフレームに含まれるプリアンブル信号であるP1に含まれるS1、S2の解釈を変更することで、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにすることができる。よって、NGHフレームをT2フレームとして復調することが可能となる。また、T2フレームをFEFとして扱われるようにすることができ、T2フレームのときには復調を停止させることが可能となる。
【0097】
一方で、T2フレームモードのときには、T2フレームまたはNGHフレームに含まれるプリアンブル信号であるP1に含まれるS1、S2の解釈を変更することなく処理を行うことができるため、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにすることができる。よってT2フレームをT2フレームとして復調することが可能となる。また、NGHフレームをFEFとして扱われるようにすることができ、NGHフレームのときには復調を停止させることが可能となる。
【0098】
このように、本実施の形態によれば、DVB-T2の信号だけではなく、DVB-NGHの信号も受信し、処理できるようになる。また、DVB-T2の信号とDVB-NGHの信号をそれぞれ処理するための回路を、別々に設ける必要がなく、共用できるようにしたため、2つの異なる信号を処理するための回路の規模の増大を防ぐことが可能となる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、例えば、受信装置100をチップで構成した場合、上記したように、テレビジョン受像機などの主に据え置きで用いられる装置、携帯電話機、ノート型のパーソナルコンピュータなどのモバイル装置など、異なる装置であっても、共通して用いることができるチップを提供することが可能となる。
【0100】
なお、上記説明においては、アナログ信号を受信する例を説明してきたが、デジタル信号を受信する場合には、各装置は、AD変換器が除かれる構成となることが異なるだけであり、その他は同様に構成される。
【0101】
また、上述した実施の形態においては、T2フレームとFEFが多重化された多重化信号が受信される例、またはT2フレームとNGHフレームが多重化された多重化信号が受信される例にあげて説明したが、これらの信号に本技術の適用範囲が限定されるわけではない。例えば、同一の構造を有する複数の信号が多重化された多重化信号を処理する場合であっても、本技術を適用することができる。また、多重化される信号の数も2つに限定されるわけではなく、複数であっても良い。
【0102】
[記録媒体について]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0103】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、及びドライブ1010が接続されている。
【0104】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
【0105】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0106】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0107】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0108】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0109】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0110】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0111】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0112】
(1) 複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出する検出部と、
前記多重化信号から所定の信号を復調する復調部と、
前記検出部により検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を継続し、第2の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を停止させる制御部
を備える信号処理装置。
【0113】
(2) 前記第2の信号を復調する設定の場合、
前記判別情報から第1の信号であると解釈される場合、第2の信号であるとの解釈に変更し、前記判別情報から第2の信号であると解釈される場合、第1の信号であるとの解釈に変更する変更部をさらに備え、
前記制御部は、前記変更部により変更された解釈に基づき、前記復調の継続または停止を制御する
前記(1)に記載の信号処理装置。
【0114】
(3) 前記第1の信号は、DVB-T2規格の信号であり、前記第2の信号は、DVB-NGH規格の信号である
前記(1)または前記(2)に記載の信号処理装置。
【符号の説明】
【0115】
10 受信装置, 11 チューナ, 12 BPF, 13 A/D変換部, 14 直交復調部, 15 P1処理部, 16 フレーム同期部, 17 シンボル同期部, 18 FFT部, 19 等化部, 20 伝送路推定部, 21 誤り訂正部, 100 受信装置, 101 解釈変更部
【技術分野】
【0001】
本技術は信号処理装置、信号処理方法、並びにプログラムに関する。詳しくは、多重されて送信されてくる異なる放送信号から、所望の放送信号を選択的に処理できる信号処理装置、信号処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル信号を伝送する方式として、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式と呼ばれる変調方式が用いられている。このOFDM方式は、伝送帯域内に多数の直交するサブキャリアを用意し、それぞれのサブキャリアの振幅及び位相にデータを割り当て、PSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりデジタル変調する方式である。
【0003】
OFDM方式は、マルチパスの妨害の影響を強く受ける地上波デジタル放送に適用されることが多い。このようなOFDM方式を採用した地上波デジタル放送としては、例えば、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)やISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)等の規格がある。
【0004】
ところで、ETSI(European Telecommunication Standard Institute:欧州電気通信標準化機構)により、次世代の地上デジタル放送の規格としてDVB(Digital Video Broadcasting)-T.2が制定中である(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】DVB BlueBook A122 Rev.1,Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2) 平成20年9月1日、DVBのホームページ、[平成23年3月3日検索]、インターネット<URL:http://www.dvb.org/technology/standards/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DVB―T2の規格では、T2-frameと称されるフレームが送信されるが、そのT2-frameの間に、FEF(Future Extension Frame)と称されるフレームが時間方向に多重化されて送信されることが制定されている。
【0007】
受信装置側では、受信され、処理対象とされたフレームがT2-frameであるのか、FEFであるのかを判断し、対応する処理を実行する必要がある。T2-frameを専用に処理する処理部とFEFを専用に処理する処理部を、それぞれ独自に開発し、製品化するのは、コスト高となる。また、そのような2つの処理部を備える装置においては、回路規模が大きくなり、消費電力が大きくなる。
【0008】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、異なるフレームが多重化された信号を、共通して処理できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の一側面の信号処理装置は、複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出する検出部と、前記多重化信号から所定の信号を復調する復調部と、前記検出部により検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を継続し、第2の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を停止させる制御部を備える。
【0010】
前記第2の信号を復調する設定の場合、前記判別情報から第1の信号であると解釈される場合、第2の信号であるとの解釈に変更し、前記判別情報から第2の信号であると解釈される場合、第1の信号であるとの解釈に変更する変更部をさらに備え、前記制御部は、前記変更部により変更された解釈に基づき、前記復調の継続または停止を制御するようにすることができる。
【0011】
前記第1の信号は、DVB-T2規格の信号であり、前記第2の信号は、DVB-NGH規格の信号であるようにすることができる。
【0012】
本技術の一側面の信号処理方法、またはプログラムは、複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出し、検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調を継続し、前記判別情報が、第2の信号であることを示す場合、復調を停止するステップを含む。
【0013】
本技術の一側面の信号処理装置、信号処理方法、およびプログラムにおいては、複数の信号が多重化されている多重化信号から、複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が検出され、その判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調が継続され、第2の信号であることを示す場合、復調が停止される。
【発明の効果】
【0014】
本技術の一側面によれば、異なるフレームが多重化された信号のうちの所望な信号を、適切に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】送受信される信号について説明するための図である。
【図3】プリアンブル信号について説明するための図である。
【図4】プリアンブル信号から読み取れるパターンについて説明するための図である。
【図5】受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】送受信される信号について説明するための図である。
【図7】プリアンブル信号について説明するための図である。
【図8】受信装置の他の実施の形態の構成を示す図である。
【図9】受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図10】解釈の変更について説明するための図である。
【図11】受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図12】記録媒体について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
[受信装置の構成について]
本実施の形態は、多重化された信号を処理する信号処理装置に適用することができるため、ここでは、信号処理装置としての受信装置を例にあげて説明を行う。図1は、OFDM(直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing))信号を受信する受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。また、図1に示した受信装置10は、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)2方式の放送信号を受信し、処理する装置である。
【0018】
図1に示した受信装置10は、チューナ11、BPF(バンドパスフィルタ)12、A/D(Analog/Digital)変換部13、直交復調部14、P1処理部15、フレーム同期部16、シンボル同期部17、FFT(Fast Fourier Transform)部18、等化部19、伝送路推定部20、および誤り訂正部21を含む構成とされている。
【0019】
受信装置10に接続されているアンテナ(不図示)は、放送局の送信装置から送信(放送)されてくるOFDM信号の放送波を受信し、その放送波を、RF(Radio Frequency)信号に変換して、チューナ11に供給する。チューナ11は、アンテナからのRF信号から、所定の周波数帯域の信号を抽出し、IF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換して、BPF12に供給する。
【0020】
BPF12は、チューナ11からのIF信号をフィルタリングし、A/D変換部13に供給する。A/D変換部13は、BPF12からのIF信号をA/D変換し、その結果得られるディジタル信号のIF信号を、直交復調部14に供給する。直交復調部14は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリアを用いて、A/D変換部13からのIF信号を直交復調し、その結果得られるベースバンドのOFDM信号を出力する。ここで、直交復調部14が出力するOFDM信号は、FFT演算がされる前(送信装置側で、IQコンスタレーション上の伝送シンボルがIFFT演算された直後)の時間領域の信号であり、以下、OFDM時間領域信号ともいう。
【0021】
OFDM時間領域信号は、実軸成分(I(In Phase)成分)と虚軸成分(Q(Quadrature Phase)成分)とを含む、複素数で表される複素信号である。OFDM時間領域信号は、直交復調部14からP1処理部15とFFT部18に供給される。なお、オフセットを補正する部を設け、直交復調部14からのOFDM時間領域信号を対象として、A/D変換部13でのサンプリングオフセット(サンプリングのタイミングのずれ)の補正や、直交復調部14のキャリアの周波数のオフセット(送信装置で用いられているキャリアの周波数とのずれ)の補正を行う構成としても良い。
【0022】
P1処理部15は、T2-frame(以下、T2フレームと記述する)に含まれるプリアンブル信号のP1を、OFDM時間領域信号から検出し、P1の位置情報を算出する。フレーム同期部16には、P1処理部15により処理されたS1やS2の情報と、誤り訂正部21からのP2の情報が供給される。フレーム同期部16は、供給された情報から、処理対象とされるフレームがT2-frameであるのか、FEF(Future Extension Frame)であるのかを判別し、復調処理を継続するか否かを表す復調停止フラグを発行する。なお、T2フレーム、FEF、P1、P2、S1、S2については、図2を参照して後述する。
【0023】
シンボル同期部17には、P1処理部15からのP1の位置情報と、フレーム同期部16からの復調停止フラグが供給される。シンボル同期部17は、復調停止フラグにより復調が停止されているとき以外、すなわち復調を行う場合、P1の検出位置からP2の有効シンボルの先頭を知り、FFTの演算の開始のタイミングを示すFFT Window triggerを算出する。
【0024】
FFT部18は、シンボル同期部17から供給されるFFT Window triggerに従って、直交復調部14から供給されるOFDM時間領域信号のFFT演算を行う。OFDM時間領域信号のFFT演算により、サブキャリアで送信されてきたデータ、すなわち、IQコンスタレーション上の伝送シンボルを表すOFDM信号が得られる。ここで、OFDM時間領域信号のFFT演算により得られるOFDM信号は、周波数領域の信号であり、以下、OFDM周波数領域信号ともいう。
【0025】
FFT部18は、FFT演算によって得られたOFDM周波数領域信号を、等化部19と伝送路推定部20に供給する。伝送路推定部20は、FFT部18からのOFDM周波数領域信号において、所定の位置に配置されたパイロット信号を用いて、OFDM信号の各サブキャリア(伝送シンボル)に対する伝送路特性を推定する。そして、伝送路推定部20は、その伝送路特性の推定値である伝送路特性データを、等化部19に供給する。
【0026】
等化部19は、FFT部18からのOFDM周波数領域信号を対象とし、OFDM信号のサブキャリアが伝送路で受けた振幅と位相の歪みを補正する歪み補正を、伝送路推定部20からの伝送路特性データを用いて行いて行う。例えば、OFDM周波数領域信号を、伝送路特性データで除算するといった処理を行うことで、OFDM周波数領域信号の歪み補正を行う。そして、等化部19は、歪み補正後のOFDM周波数領域信号を、誤り訂正部21に供給する。
【0027】
誤り訂正部21は、等化部19からのOFDM周波数領域信号を対象として、必要な誤り訂正処理、すなわち、例えば、デインターリーブや、デパンクチャ(de-punctured)、ビタビ復号、拡散信号除去、LDPC(Low Density Parity Check)復号、RS(リードソロモン)復号を行い、その結果得られる復号データを図示していない後段に出力する。
【0028】
このような構成を有する受信装置10においては、フレーム同期部16が、復調を継続するか、または停止するといった制御を行うためのフラグを発行する制御部としての役割を有する。また、フラグを発行するために、P1処理部15から、処理対象とされている信号を判別するための判別情報(S1やS2)の供給を受ける。また、フレーム同期部16の制御に基づき復調の継続や停止を行う復調部は、シンボル同期部17、FFT部18、等化部19、伝送度推定部20、および誤り訂正部21から構成されている。
【0029】
[フレームについて]
次に、受信装置10で受信され、処理されるフレーム、換言すれば、送信装置側で生成され、送信される信号について図2を参照して説明する。DVB-T2においては、T2フレームと称される伝送フレーム単位にデータが伝送されるようになされている。また、DVB-T2においては、そのT2フレームに、T2フレームとは別の異なる構造を有するFEFと呼ばれる信号が時間的に多重化されて送信され、受信される。
【0030】
DVB‐T2においては、図2に示されるように、T2フレーム(図中、T2-frame)とFEFとが多重化されて送信可能になされている。すなわち、FEFは、複数のT2フレームでなる一定間隔(FEF interval)毎に、一定の長さ(FEF length)で、T2フレームに多重化されて送信され、受信される。
【0031】
T2フレームとFEFは、P1を有している。T2フレームの場合、P2も有し、P1はP2とともに、それぞれプリアンブル(preamble)信号とされ、そのプリアンブル信号には、OFDM信号の復調等の処理に必要な情報が含まれる。
【0032】
P1には、そのフレームがT2フレームであるのか、FEFであるのかを判別するための判別情報がシグナリング(Signaling)されている。したがって、T2フレームを受信する受信装置、FEFを受信する受信装置は、P1に含まれる情報を取得することによって、T2フレームおよびFEFを取り出して復調することができる。
【0033】
また、P1には、そのフレームがT2フレームの場合、さらに、P1以外のシンボルのFFT演算を行うときのFFTサイズ(1回のFFT演算の対象とするサンプル(シンボル)の数)等の復調処理に必要な情報がシグナリングされている。すなわち、そのフレームがT2フレームの場合、P1は、P2の復調に必要な伝送方式やFFTサイズ等を含むので、P2を復調するには、P1を復調する必要がある。
【0034】
T2フレームは、さらに、P1のシンボルの後に続いて、順にP2のシンボル、Normalと称されるシンボル、およびFC(Flame Closing)と称されるシンボルを有している。
【0035】
図3を参照し、P1に含まれるS1とS2について説明する。P1は、7ビットで構成される。そしてP1は、S1とS2から構成され、S1は、3ビット、S2は、4ビットで構成される。S1は、3ビットで構成されるため、取り得る値としては、“000”、“001”、“010”、“011”、“100”、“101”、“110”、および“111”がある。
【0036】
S1が“000”である場合、そのフレームは、T2 SISO(Single Input Single Output)であり、T2フレームであることを示している。S1が“001”である場合、そのフレームは、T2 MISO(Multiple Input Single Output)であり、T2フレームであることを示している。S1が、“010”、“011”、“100”、“101”、“110”、または“111”である場合、これらの値は、Reserved(予約)されているため、用途が未確定な値である。S1がこれらの値の場合、少なくともT2フレームではないことは受信装置側で認識できる。
【0037】
例えば、図2に示したようなT2フレームとFEFが多重化されている信号を受信する可能性がある場合、P1に含まれるS1が“000”または“001”であるときには、T2フレームであることがわかり、それ以外の値であるときには、FEFであることが、受信装置側ではS1を解釈することでわかる。
【0038】
P1に含まれるS2は、4ビットで構成される。4ビットのうち、LSB(Least Significant Bit)以外の3ビットは、FFT SIZE を表す値が記載されるため図3においては×で示している。S2のLSBが“0”の場合、その受信している信号は、“Not Mixed”であることを示している。“Not Mixed”とは、T2フレームだけの信号である、またはFEFだけの信号である場合であり、異なるフレームは多重化されていない信号であることを示している。
【0039】
S2のLSBが“1”の場合、その受信している信号は、“Mixed”であることを示している。“Mixed”とは、T2フレームとFEFといった異なるフレームが多重化されている信号であることを示している。
【0040】
このような情報が、S1とS2にそれぞれ含まれている。よって、S1とS2の情報の組み合わせには、図4に示すようなパターンがあり、それぞれのパターンにより受信されている信号がどのような信号(フレーム)であるのかが特定できる。
【0041】
パターンaは、S1が“000”または“001”であるために、受信された信号は、T2フレームであり、かつS2が“×××0”であるために、受信されている信号には異なるフレームは含まれない(Not Mixed)ことがわかるパターンである。パターンaの場合、受信される信号は、T2フレームだけが含まれる信号(Pure T2)であり、受信装置10としては、パターンaに適した処理を行う。
【0042】
パターンbは、S1が“000”または“001”であるために、受信された信号は、T2フレームであり、かつS2が“×××1”であるために、受信されている信号には異なるフレームが含まれる(Mixed)ことがわかるパターンである。またこのような状況は、処理対象とされているフレームが、T2フレームであり、そのT2フレームに含まれているP1が処理されていることもわかる状況である。このようなパターンbの場合、受信される信号は、T2フレームとFEFフレームが含まれる信号(FEFがあるT2)であり、受信装置10としては、パターンbに適した処理を行う。
【0043】
パターンcは、S1が“000”、“001”以外であるために、受信された信号は、T2フレーム以外(Not T2)であり、かつS2が“×××0”であるために、受信されている信号には異なるフレームは含まれない(Not Mixed)ことがわかるパターンである。パターンcの場合、受信される信号は、FEFだけが含まれる信号(Not T2)であるので、受信装置10としては、パターンcに適した処理を行う。
【0044】
パターンdは、S1が“000”、“001”以外であるために、受信された信号は、T2フレーム以外(Not T2)であり、かつS2が“×××1”であるために、受信されている信号には異なるフレームが含まれる(Mixed)ことがわかる状況である。またこのような状況は、処理対象とされているフレームが、FEFであり、そのFEFに含まれているP1が処理されていることもわかる状況である。このようなパターンdの場合、受信される信号は、T2フレームとFEFフレームが含まれる信号(FEFがあるT2)であるので、受信装置10としては、パターンdに適した処理を行う。
【0045】
このように、T2フレームとFEFに含まれるプリアンブル信号のP1を解読することで、受信信号の特徴(パターンa乃至d)を知ることができる。さらに、T2フレームには、P2と称されるプリアンブル信号が含まれる。このP2には、図2に示すようなFEF_LENGTHやFEF_INTERVALといったFEF区間をより正確に示した情報や、FEF_TYPEという関連情報が含まれている。また、P2にはT2フレームの復調処理に必要な情報がシグナリングされている。
【0046】
T2フレームを受信する受信装置では、P1,P2に含まれるFEFの情報を取得する事によって、T2フレームを抽出して復調することができ、FEFからの影響を排除して復調性能を向上することが出来るように構成されている。
【0047】
[受信装置の動作について]
図2に示したような信号を受信し、処理する受信装置としては、T2フレームのみを処理する装置、FEFのみを処理する装置、およびT2フレームとFEFを処理する装置が考えられる。図1に示した受信装置10が、T2フレームのみを処理する受信装置の構成である場合、図5のフローチャートに基づく処理が行われる。図5のフローチャートを参照し、受信装置10の処理、特に、T2フレームの復調に係わる処理について説明する。
【0048】
アンテナにより受信され、チューナ11、BPF12のそれぞれの処理を経て、A/D変換部13に供給された信号は、デジタル信号に変換され、直交復調部14に供給される。そして、直交復調部14に供給されたデジタル信号は、OFDM時間領域信号にされ、P1処理部15とFFT部18に供給される。
【0049】
ステップS11において、P1処理部15は、OFDM時間領域信号に含まれるP1を検出する。さらに、P1処理部15は、P1を検出した場合、P1の位置情報をシンボル同期部17に出力し、S1とS2のシグナリングを復号し、フレーム同期部16に供給する。ステップS12において、フレーム同期部16は、供給されたS1とS2から処理対象とされているOFDM時間領域信号(フレーム)が、T2フレームであるか否かを判断する。
【0050】
ステップS12において、T2フレームであると判断された場合、ステップS13に処理が進められる。ステップS13において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てない。復調停止フラグが立てられないことで、ステップS14において、復調処理が継続される。すなわち、シンボル同期部17は、P1検出位置からP2の有効シンボルの先頭を知ることができ、FFT演算開始タイミングを示すFFT Window triggerを算出する。そして、FFT部18が、そのFFT Window triggerに基づいてFFTを実行する。以下、FFT部18以降の後段の処理も順次継続して行われ、T2フレームに対する復調処理が継続して行われる。
【0051】
一方、ステップS12において、T2フレームではないと判断された場合、ステップS15に処理が進められる。ステップS15において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てる。復調停止フラグが立てられることで、ステップS16において、復調処理が停止される。すなわち、FEFが処理されているときには、復調停止フラグが立てられ、復調処理が停止されることになる。
【0052】
シンボル同期部17は、FFT演算開始タイミングを示すFFT Window triggerを算出するが、フレーム同期部16からの復調停止フラグが立てられているときには、その算出を停止する。シンボル同期部17が、FFT Window triggerを算出しないことで、FFT部18以降の後段の処理も停止される。
【0053】
このように、T2フレームを処理する受信装置10は、FEFが受信される区間では復調の処理が停止されるように構成されている。フレーム同期部16においては、S1とS2の情報から、図4を参照して説明したパターンa乃至dのいずれのパターンであるかを判断することができる。このことを利用し、例えば、ステップS12において、パターンa乃至dのいずれのパターンであるかを判断し、その判断に基づいて、ステップS12以降の処理が行われるようにしても良い。
【0054】
例えば、パターンbまたはパターンdであると判断されるときには、T2フレームとFEFが受信されある可能性があるため、パターンbまたはパターンdであると判断されるときだけ、T2フレームであるのか、またはFEFであるのかを判断する処理、すなわち、上記したステップS12の処理が行われるようにしても良い。
【0055】
また例えば、パターンaであると判断されるときには、T2フレームだけしか受信されないことがわかるので、復調停止フラグを立てない状態を維持し、復調が継続され、パターンcであると判断されるときには、FEFだけしか受信されないことがわかるので、復調停止フラグを立てた状態を維持し、復調が停止された状態が継続されるようにする処理の流れにしても良い。
【0056】
また、図5に示したフローチャートに基づき処理が行われる場合、ステップS12においてT2フレームであると判断されると、ステップS14において、復調の処理が継続される。復調の処理が継続されることで、誤り訂正部21によりP2が復調され、その復調されたP2に書き込まれていた情報が、フレーム同期部16に供給されることになる。このP2に書き込まれていた情報とは、例えば、FEF_LENGTHやFEF_INTERVALである。FEF_LENGTHやFEF_INTERVALといった情報が取得できることで、FEF区間を正確に把握することができるようになる。
【0057】
フレーム同期部16がFEF区間を正確に把握することで、復調停止フラグを立てている区間を正確に把握することができることになり、FEF区間における復調の停止を正確に実行することが可能となる。FEF区間を正確に把握し、その区間内は復調を停止することで、T2フレームの復調に対するFEF区間の影響を排除することができる。これにより、T2フレームの復調性能を向上させることができる。
【0058】
[DVB-NGHについて]
上記したFEFは、図2を参照して説明したようにT2フレームとFEFとが多重化されて送信可能になされている。ところで、DVB-T2とは別の規格として、DVB-NGHが規格策定中である。このDVB-NGH規格では、DVB-T2に準拠した互換性のある方式が検討されている。そして、DVB-NGH規格におけるフレーム(以下、適宜、NGHフレームと記述する)を、FEFを用いて送信することが提案されている。
【0059】
図6Aは、DVB-T2規格のFEFの部分を用いて、NGHフレームを送信するときの送信例を示している。図6Aに示した例では、NGHフレームの後に、T2フレームが3フレーム送信され、その後、NGHフレームが送信され、その後、T2フレームが3フレーム送信されといったように、時間的にNGHフレームとT2フレームが多重化されて送信される例を示している。
【0060】
図6Bは、DVB-T2規格のFEFの部分を用いて、NGHフレームを送信するときの送信例であるが、NGHフレームが単独で送信される場合を示している。図6Bに示した例では、NGHフレームが連続的に送信される例である。
【0061】
このように、NGHフレームは、T2フレームと多重化されて送信される可能性もあるし、NGHフレームのみが単独で送信される可能性もある。
【0062】
ここで、参考のために再度図2を参照する。図2において、T2フレームは、プリアンブル信号としてP1とP2を含んでいる。一方、FEFは、プリアンブル信号として、P1は含むが、P2は含んでいない。このように信号の構成が異なる場合、T2フレームを処理するための処理部(T2処理部とする)とFEFを処理するための処理部(FEF処理部とする)は、それぞれ処理する信号に適した設計となるように別々に設計され、それぞれの装置に備えられる。よって、例えば、T2フレームとFEFを選択的に処理できる装置の場合、T2処理部とFEF処理部の両方を備える構成とされる。
【0063】
このことから、NGHフレームをFEFの代わりに送信する場合、以下のようなことになると想定される。受信装置側としては、T2フレームのみを処理する装置、NGHフレームのみを処理する装置、T2フレームとNGHフレームとを選択的に処理する装置が考えられる。受信装置が、T2フレームのみを処理する装置である場合、T2フレームを処理するT2処理部を有する。同じく、受信装置が、NGHフレームのみを処理する装置である場合、NGHフレームを処理する処理部(NGH処理部とする)を有する。受信装置が、T2フレームとNGHフレームを選択的に処理する装置である場合、T2処理部とNGH処理部をそれぞれ備え、受信されたフレームに適した処理部で処理を行うことになる。
【0064】
しかしながら、上記したように、DVB-NGH規格では、DVB-T2に準拠した互換性のある方式であるため、DVB-NGHの信号の構成は、DVB-T2の構成をそのまま踏襲したものとされている。換言すれば、T2フレームの信号の構成と、NGHフレームの信号の構成は、同様な構成とされている。図7を参照して、このことについて説明する。T2フレームは、プリアンブル信号としてP1とP2を含んでいる。同様に、NGHフレームも、プリアンブル信号としてP1とP2を含んでいる。
【0065】
T2フレームに含まれるP1とNGHフレームに含まれるP1は、それぞれ異なる値を含むが、記載される事項は同じとされている。すなわち、図3を参照して説明したように、P1には、S1とS2があり、S1には、自己がT2フレームであるか否かの情報が含まれ、S2には、受信される信号に異なるフレームが混合されているか否かの情報が含まれる。
【0066】
同様に、T2フレームに含まれるP2とNGHフレームに含まれるP2は、それぞれ異なる値を含むが、記載される事項は同じとされている。P2には、FEFの場合、例えば、FEF_LENGTHやFEF_INTERVALといった情報が含まれるが、そのような情報に対応する情報が、NGHの場合にもP2には含まれている。
【0067】
このように、T2フレームとNGHフレームとは、同一の構成とされているため、基本的に、T2フレームの同期再生/復調を行う処理と、NGHフレームの同期再生/復調を行う処理は、同様の処理である。このことを利用することで、T2処理部とNGH処理部の共有化をはかることが可能となる。T2処理部とNGH処理部を1つの処理部とすることができれば、T2フレームのみを処理する装置、NGHフレームのみを処理する装置、およびT2フレームとNGHフレームとを選択的に処理する装置の全てに対して適用できることになる。このことにより、回路規模が増大になることを防ぎ、消費電力を低減させることが可能となる。
【0068】
T2処理部とNGH処理部を1つの処理部とするために、以下の実施の形態においては、T2フレームとNGHフレームを検出するための情報が記載されているP1のSignaling(S1,S2)の解釈を変更することで、受信装置においては、あたかもDVB-T2の信号を受信しているかのように処理が実行される。すなわち、T2フレームをFEF(NGH)として解釈し、FEF(NGH)をT2フレームとして解釈の変更を行うことで、T2フレーム、NGHフレームのどちらに対しても対応可能とする。
【0069】
[DVB-NGH規格のフレームを処理する受信装置の構成について]
図8は、このようなことを考慮した受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。図8に示した受信装置100は、図1に示した受信装置10に解釈変更部101を追加した構成とされている。図1に示した受信装置10と図8に示した受信装置100において、同一の機能を有する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
解釈変更部101は、P1処理部15とフレーム同期部16の間に設けられる。解釈変更部101は、P1処理部15により処理されたP1の情報を取得し、T2フレームであるのか、NGHフレームであるのかを判断する。そして、解釈変更部101は、T2フレームであると判断したときには、解釈の変更をせずに、P1の情報をフレーム同期部16に供給し、NGHフレームであると判断したとき、後述するような解釈の変更を行い、変更後のP1の情報をフレーム同期部16に供給する。フレーム同期部16は、供給されたP1の情報を基に、復調の停止/開始/継続を行う。
【0071】
次に、受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、NGHフレームを処理する装置であった場合、またはT2フレームとNGHフレームを選択的に処理する装置であった場合のそれぞれにおける受信装置100の動作について説明を加える。
【0072】
[T2フレームを処理する受信装置の動作について]
受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、その動作は、図5のフローチャートに基づいて行われる。T2フレームを処理する装置であった場合、T2フレームが受信されているときには、その受信されているT2フレームを復調し、NGHフレームが受信されているときには、復調を停止する。このような動作は、FEFが受信されているときには復調を停止する場合と同様であるため、上記した図5のフローチャートに基づいて処理が行われるようにすることができる。ここでは、図5のフローチャートに基づいて処理が行われるとし、既に説明した処理については適宜省略して説明する。
【0073】
受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、解釈変更部101は、P1処理部15からP1の情報を、解釈を変更することなく、フレーム同期部16に供給するように設定される。よって、フレーム同期部16は、T2フレームが処理されているときには、ステップS12(図5)において、T2フレームであると判断し、ステップS13において、フラグを立てない処理を実行する。よってこの場合、ステップS14において、復調が継続される。
【0074】
一方で、フレーム同期部16は、NGHフレームが処理されているときには、ステップS12(図5)において、T2フレームではないと判断し、ステップS15において、フラグを立てる。よってこの場合、ステップS16において、復調が停止される。
【0075】
このように、受信装置100が、T2フレームを処理する装置であった場合、解釈変更部101が、供給されるP1の情報の解釈を変更することなく処理するで、T2フレームを適切に復調し、NGHフレームのときには復調を適切に停止するといった処理を行うことが可能となる。
【0076】
[NGHフレームを処理する受信装置の動作について]
次に、受信装置100が、NGHフレームを処理する装置であった場合、その動作は、図9のフローチャートに基づいて行われる。受信装置100が、NGHフレームを処理する装置である場合、NGHフレームのときには復調し、T2フレームのときには復調を停止するといった処理が行われる。
【0077】
ステップS31において、P1処理部15は、OFDM時間領域信号に含まれるP1を検出する。さらに、P1処理部15は、P1を検出した場合、P1の位置情報をシンボル同期部17に出力し、S1とS2のシグナリングを復号し、解釈変更部101に供給する。ステップS32において、解釈変更部101は、解釈の変更を行う。
【0078】
図10に、解釈変更前後のフレームの一例を示す。図10Aの上段に示したフレームは、NGHフレームの後に、T2フレームが3フレーム続き、その後、NGHフレームがあり、その後、T2フレームが3フレーム続きといったようにフレームが続いている。このようなフレームが受信された場合、解釈変更部101は、NGHフレームであるという解釈を、T2フレームであるという解釈に変更し、T2フレームであるという解釈を、FEFであるという解釈に変更する。
【0079】
このような変更が行われることで、解釈変更後のフレームは、図10Aの下段に示したようなフレームとして扱われることになる。図10Aの下段に示したフレームは、T2フレームの後に、FEFが3フレーム続き、その後、T2フレームがあり、その後、FEFが3フレーム続きといったようにフレームが続いている。
【0080】
このような変更が行われる場合、図10Bの上段に示したように、NGHフレームのみから構成される信号が受信された場合、図10Bの下段に示すように、T2フレームのみから構成される信号として処理されることになる。以下に、さらに具体的に説明を加える。
【0081】
解釈変更部101は、NGHフレームが処理対象とされているときには、そのNGHフレームがT2フレームと同等の処理が行われるようにS1およびS2の解釈を変更する。例えば、HGHフレームが処理されているときには、S1の値は“000”または“001”以外の値であるが、そのS1の値を、“000”または“001”の値、例えば、“000”であると解釈を変更し、その変更後の解釈結果を後段のフレーム同期部16に出力する。このように、解釈変更部101において、NGHフレームであるがT2フレームであるとの解釈に、解釈の変更が実行されることで、後段の処理においては、NGHフレームであるがT2フレームとして扱われることになる。
【0082】
よってこのような場合、ステップS33において、NGHフレームが処理対象とされているにも係わらず、解釈変更部101における解釈の変更が実行されているため、T2フレームであると判断され、ステップS34に処理が進められる。ステップS34において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てない。復調停止フラグが立てられないことで、ステップS35において、復調処理が継続される。
【0083】
すなわち、シンボル同期部17は、P1検出位置からP2の有効シンボルの先頭を知ることができ、FFT演算開始タイミングを示すFFT Window triggerを算出する。そして、FFT部18が、そのFFT Window triggerに基づいてFFTを実行する。以下、FFT部18以降の後段の処理も順次継続して行われるため、擬似的にT2フレームとされたNGHフレームに対する復調処理が行われる。
【0084】
一方で解釈変更部101は、T2フレームが処理対象とされているときには、そのT2フレームがFEFフレームと同等の処理が行われるようにS1およびS2の解釈を変更する。例えば、T2フレームが処理されているときには、S1の値は“000”または“001”であるが、そのS1の値を、“000”または“001”以外の値、例えば、“010”であると解釈を変更し、その変更後の解釈結果を後段のフレーム同期部16に出力する。このように、解釈変更部101において、T2フレームであるがFEFであるとの解釈に、解釈の変更が実行されることで、後段の処理においては、T2フレームであるがFEFフレームとして扱われることになる。
【0085】
よってこのような場合、ステップS33において、T2フレームが処理対象とされているにも係わらず、解釈変更部101における解釈の変更が実行されているため、T2フレームではないと判断され、ステップS36に処理が進められる。ステップS36において、フレーム同期部16は、復調停止フラグを立てる。復調停止フラグが立てられることで、ステップS37において、復調処理が停止される。
【0086】
このように解釈変更部101において、T2フレームまたはNGHフレームに含まれるプリアンブル信号であるP1に含まれるS1、S2の解釈を変更することで、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにすることができ、NGHフレームをT2フレームとして復調することが可能となる。また、T2フレームをFEFとして扱われるようにすることができ、T2フレームのときには復調を停止させることが可能となる。
【0087】
[T2フレームとNGHフレームを処理する受信装置の動作について]
次に、受信装置100が、T2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理する装置であった場合、その動作は、図11のフローチャートに基づいて行われる。ここでT2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理することについて説明する。例えば、T2フレームで提供される番組と、NGHフレームで提供される番組が同一の番組である場合、いわゆるサイマル放送であった場合を考える。NGHフレームで提供される番組は、T2フレームで提供される番組よりも解像度が低くデータ処理も少ない放送番組であるとする。
【0088】
また例えば、モバイル端末のように放送番組の受信状態が変化する可能性のある端末を考える。そのような端末が、T2フレームとNGHフレームの両方を処理できる端末であった場合、受信状態が良い時には、解像度の高いT2フレームを処理し、T2フレームで提供される番組をユーザに提供し、受信状態が悪い時には、解像度の低いNGHフレームを処理し、NGHフレームで提供される番組をユーザに提供するといったことが可能になる。このような端末においては、受信状態により、T2フレームを処理するか、NGHフレームを処理するかを決定し、その決定に基づいて処理を実行する。このような端末(装置)を、ここでは、T2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理する装置であるとする。
【0089】
このような定義の場合、例えば、家庭内に据え置きされるテレビジョン受像機は、比較的受信状態が良い状態で信号を受信し続けることができるため、T2フレームのみを処理する装置に該当する。このようなテレビジョン受像機が該当するT2フレームのみを処理する装置における処理については既に説明した。
【0090】
一方で、携帯電話機などのモバイル端末は、比較的受信状態が悪い状態で信号を受信し続ける可能性が高いため、NGHフレームのみを処理する装置に該当する。このモバイル端末などが該当するNGHフレーム飲みを処理する装置における処理については、図9のフローチャート等を参照して既に説明した。
【0091】
すなわち、本実施の形態における受信装置100は、テレビジョン受像機やモバイル端末といった異なる装置であっても適用できるため、それらの端末毎にチップなどを設計したり、製造したりする必要がない。さらに、図11のフローチャートを参照して説明するように、T2フレームまたはNGHフレームを選択的に処理する装置に対しても適用できる。
【0092】
図11のフローチャートの説明に戻り、ステップS51において、P1が検出される。このステップS51の処理は、ステップS31(図9)と同様に行われるため、その説明は省略する。ステップS52において、解釈変更部101は、設定はT2フレームモードであるか否かを判断する。ここで、T2フレームモードとは、T2フレームを処理するモードであるとする。また、NGHフレームを処理するモードは、NGHフレームモードとする。
【0093】
このT2フレームモードとNGHフレームモードのどちらを設定するかは、例えば、信号の受信状態、ユーザからの指示等により行われる。信号の受信状態により設定されるようにした場合、信号の受信状態が良いか悪いかを判断し、受信状態が良い場合には、T2フレームモードに設定され、受信状態が悪い場合には、NGHフレームモードに設定される。
【0094】
ステップS52において、設定はT2フレームモードではないと判断された場合、ステップS53に処理が進められる。ステップS53において、解釈の変更が行われる。すなわち、ステップS53に処理が進められるのは、NGHフレームモードに設定されている場合であるので、解釈変更部101において、T2フレームがFEFとして扱われ、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにするための解釈の変更が行われる。このステップS53以降の処理は、図9のフローチャートにおけるステップS32以降の処理と同様に行われるため、その説明は省略する。
【0095】
一方、ステップS52において、設定はT2フレームモードであると判断された場合、ステップS53の処理をスキップし、ステップS54に処理が進められる。この場合、解釈変更部101における解釈の変更は行われないため、T2フレームはT2フレームとして扱われ、NGHフレームはNGHフレーム(FEF)として扱われる。このステップS54以降の処理は、図5のフローチャートにおけるステップS12以降の処理と同様に行われるため、その説明は省略する。
【0096】
このようにNGHフレームモードのときには、解釈変更部101において、T2フレームまたはNGHフレームに含まれるプリアンブル信号であるP1に含まれるS1、S2の解釈を変更することで、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにすることができる。よって、NGHフレームをT2フレームとして復調することが可能となる。また、T2フレームをFEFとして扱われるようにすることができ、T2フレームのときには復調を停止させることが可能となる。
【0097】
一方で、T2フレームモードのときには、T2フレームまたはNGHフレームに含まれるプリアンブル信号であるP1に含まれるS1、S2の解釈を変更することなく処理を行うことができるため、NGHフレームがT2フレームとして扱われるようにすることができる。よってT2フレームをT2フレームとして復調することが可能となる。また、NGHフレームをFEFとして扱われるようにすることができ、NGHフレームのときには復調を停止させることが可能となる。
【0098】
このように、本実施の形態によれば、DVB-T2の信号だけではなく、DVB-NGHの信号も受信し、処理できるようになる。また、DVB-T2の信号とDVB-NGHの信号をそれぞれ処理するための回路を、別々に設ける必要がなく、共用できるようにしたため、2つの異なる信号を処理するための回路の規模の増大を防ぐことが可能となる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、例えば、受信装置100をチップで構成した場合、上記したように、テレビジョン受像機などの主に据え置きで用いられる装置、携帯電話機、ノート型のパーソナルコンピュータなどのモバイル装置など、異なる装置であっても、共通して用いることができるチップを提供することが可能となる。
【0100】
なお、上記説明においては、アナログ信号を受信する例を説明してきたが、デジタル信号を受信する場合には、各装置は、AD変換器が除かれる構成となることが異なるだけであり、その他は同様に構成される。
【0101】
また、上述した実施の形態においては、T2フレームとFEFが多重化された多重化信号が受信される例、またはT2フレームとNGHフレームが多重化された多重化信号が受信される例にあげて説明したが、これらの信号に本技術の適用範囲が限定されるわけではない。例えば、同一の構造を有する複数の信号が多重化された多重化信号を処理する場合であっても、本技術を適用することができる。また、多重化される信号の数も2つに限定されるわけではなく、複数であっても良い。
【0102】
[記録媒体について]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0103】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、及びドライブ1010が接続されている。
【0104】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
【0105】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0106】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0107】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0108】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0109】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0110】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0111】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0112】
(1) 複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出する検出部と、
前記多重化信号から所定の信号を復調する復調部と、
前記検出部により検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を継続し、第2の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を停止させる制御部
を備える信号処理装置。
【0113】
(2) 前記第2の信号を復調する設定の場合、
前記判別情報から第1の信号であると解釈される場合、第2の信号であるとの解釈に変更し、前記判別情報から第2の信号であると解釈される場合、第1の信号であるとの解釈に変更する変更部をさらに備え、
前記制御部は、前記変更部により変更された解釈に基づき、前記復調の継続または停止を制御する
前記(1)に記載の信号処理装置。
【0114】
(3) 前記第1の信号は、DVB-T2規格の信号であり、前記第2の信号は、DVB-NGH規格の信号である
前記(1)または前記(2)に記載の信号処理装置。
【符号の説明】
【0115】
10 受信装置, 11 チューナ, 12 BPF, 13 A/D変換部, 14 直交復調部, 15 P1処理部, 16 フレーム同期部, 17 シンボル同期部, 18 FFT部, 19 等化部, 20 伝送路推定部, 21 誤り訂正部, 100 受信装置, 101 解釈変更部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出する検出部と、
前記多重化信号から所定の信号を復調する復調部と、
前記検出部により検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を継続し、第2の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を停止させる制御部
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記第2の信号を復調する設定の場合、
前記判別情報から第1の信号であると解釈される場合、第2の信号であるとの解釈に変更し、前記判別情報から第2の信号であると解釈される場合、第1の信号であるとの解釈に変更する変更部をさらに備え、
前記制御部は、前記変更部により変更された解釈に基づき、前記復調の継続または停止を制御する
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記第1の信号は、DVB-T2規格の信号であり、前記第2の信号は、DVB-NGH規格の信号である
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項4】
複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出し、
検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調を継続し、
前記判別情報が、第2の信号であることを示す場合、復調を停止する
ステップを含む信号処理方法。
【請求項5】
複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出し、
検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調を継続し、
前記判別情報が、第2の信号であることを示す場合、復調を停止する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出する検出部と、
前記多重化信号から所定の信号を復調する復調部と、
前記検出部により検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を継続し、第2の信号であることを示す場合、前記復調部による復調を停止させる制御部
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記第2の信号を復調する設定の場合、
前記判別情報から第1の信号であると解釈される場合、第2の信号であるとの解釈に変更し、前記判別情報から第2の信号であると解釈される場合、第1の信号であるとの解釈に変更する変更部をさらに備え、
前記制御部は、前記変更部により変更された解釈に基づき、前記復調の継続または停止を制御する
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記第1の信号は、DVB-T2規格の信号であり、前記第2の信号は、DVB-NGH規格の信号である
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項4】
複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出し、
検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調を継続し、
前記判別情報が、第2の信号であることを示す場合、復調を停止する
ステップを含む信号処理方法。
【請求項5】
複数の信号が多重化されている多重化信号から、プリアンブル信号を検出し、
検出された前記プリアンプル信号に含まれる前記複数の信号をそれぞれ判別するための判別情報が、第1の信号であることを示す場合、第1の信号の復調を継続し、
前記判別情報が、第2の信号であることを示す場合、復調を停止する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−191505(P2012−191505A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54390(P2011−54390)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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