信号処理装置、信号処理方法、表示装置及びプログラム
【課題】左右画像の位相調整を容易に行うこと。
【解決手段】信号処理装置10は、人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部4を備える。また、操作部9によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変える位相調整部6を備える。位相調整部6は、左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。
【解決手段】信号処理装置10は、人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部4を備える。また、操作部9によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変える位相調整部6を備える。位相調整部6は、左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、視差を有して配される2台のカメラが同一の被写体を撮像して出力する画像の視差を変える場合に適用して好適な信号処理装置、信号処理方法、表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの左右の眼の視差に合わせて設置される2台のカメラが撮像した同一の被写体の画像を用いて、ユーザが立体視することができる3D画像を生成する技術がある。2台のカメラが撮像した画像は、ユーザの左右の眼に合わせて左画像と右画像(以下、左画像と右画像を「左右画像」とも総称する。)と呼ばれる。ここで、左右画像の色合いや輝度、撮像位置等の設定パラメータが2台のカメラで合っていなければ、3D画像として正しく表示できない。このため、カメラを操作するユーザは、左右又は上下に並べた2台のモニタ等に左右画像をそれぞれ映し出し、左右画像を比較しながら、設定パラメータを合わせていた。
【0003】
また、従来、3D画像を生成し、奥行きの付け方を変更するためには、左右画像が対称となる被写体の位置をずらす修正が必要であった。そして、ユーザは、修正を加えた被写体を撮像した画像を3Dモニタに表示して、奥行きの付け方が意図したものであるかどうかを確認していた。
【0004】
特許文献1には、左右画像を隣り合わせて表示する立体視装置であって、画像を水平移動して立体視位置を設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−125245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、3D画像を撮影する際には、3Dモニタで視差をシミュレーションした後、左右画像を撮像する2台のカメラが設置されるリグを調整することによって、カメラのメカ的な視差を調整している。ここで、水平方向で互いに反対向きに等距離を移動させた左右画像を表示する機能を3Dモニタに持たせることを想定する。このとき、ユーザは、変更対象となる被写体のみ注目するため、3Dモニタで被写体を立体視した上で修正効果を確認してから、実際のデータを修正する作業にとりかかっていた。このため、被写体が動くと、その都度リグを調整して、カメラの位置調整を行わなければならず、撮影時間が長くなる要因となっていた。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、左右画像の視差調整を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる。
次に、操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変える。
そして、左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。
【0009】
このようにしたことで、表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、所定の距離で移動させることが可能となった。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。このため、ユーザは、視差が変更された左画像及び右画像が表示される表示部を見ながら、操作部を操作して、視差を変更したことによる画像の立体視における変化を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態における2台のカメラが人間の両目の間隔に合わせて配置される例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態における信号処理装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における信号処理装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態における信号処理装置の各部の処理タイミングの例を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態における左右画像の位相の変位量を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態における画像データ書込み処理の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態における画像データ読出し処理の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態における書込みアドレスカウンタの処理の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態におけるアドレスサンプリング処理の例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態における第1のアドレス出力処理の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態における比較処理の例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態における第2のアドレス出力処理の例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態における読出しアドレスカウンタの処理の例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態における左右画像信号の読出しを遅らせる制御の例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態における左右画像の位相差を変更した場合の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(左右画像信号の出力制御:左右画像の位相を調整する例)
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[左右画像の位相を調整する例]
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態では、左右画像の位相を変えて出力する信号処理装置10及び信号処理装置10が使用する信号処理方法に適用した例について説明する。なお、以下の説明では、信号処理装置10と、3次元画像を表示可能な3次元モニタとしての表示部8を分離した形態に適用した例としているが、信号処理装置10と表示部8を組み合わせた表示装置に本発明を適用してもよい。
【0015】
図1は、2台のカメラ1L,1Rが人間の両目の間隔に合わせて配置される例を示す。
図1Aは、2台のカメラ1L,1Rの配置例を示す。
図1Bは、被写体2a〜2cの見え方の違いの例を示す。
【0016】
左画像信号を出力するカメラ1L(左カメラ)と、右画像信号を出力するカメラ1R(右カメラ)は、人間の両目の間隔に合わせて隣り合わせて配置され、同一の被写体を撮像する。表示部8(後述する図2参照)には、左画像信号が入力すると左画像を表示し、右画像信号が入力すると右画像を表示する。視差は、カメラ1L,1Rの焦点方向の交点を基準面とした場合に、基準面の交点とカメラ1L,1Rとの距離から求めることができる。
【0017】
ここで、被写体2bは、基準面に位置するため、表示部8に表示される画像をユーザが見ても立体視することはできない。しかし、被写体2aは、基準面に対してカメラ1L,1Rより奥に位置し、奥行き効果により、ユーザは、表示部8に表示される被写体2aが基準面より奥にあるように見える。一方、被写体2cは、基準面に対してカメラ1L,1Rより手前に位置し、飛び出し効果により、ユーザは、表示部8に表示される被写体2cが基準面より手間にあるように見える。
【0018】
2台のカメラの焦点の交点で作る面を基準面として、そこよりも被写体が手前にあると”飛び出し”効果を得て、奥側にあると”奥行き”効果を得ることが出来る。このとき2台のカメラの焦点のズレを”視差”といい、3D撮影時における重要な値となる。被写体の位置がどこまで来ると3D画像として破綻するかは、製作者が最も気にする点である。このため、位置関係を含めたカメラ1L,1Rのセッティングに一番時間が掛かっている。
【0019】
図2は、信号処理装置10の内部構成例を示す。
信号処理装置10は、カメラ1Lから入力した左画像(左画像信号)を左画像メモリ5Lに書込み、カメラ1Rから入力した右画像(右画像信号)を右画像メモリ5Rに書き込む書込み部3を備える。また、書込み部3から入力した左右画像の書込みタイミングに基づいて、人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラ(カメラ1L,1R)から入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部4を備える。
【0020】
また、操作部9によって指定された変位量に基づいて、水平方向における左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変える位相調整部6を備える。位相調整部6は、左画像信号及び右画像信号によって表示部8に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。また、左画像メモリ5Lから左画像を読出し、右画像メモリ5Rから右画像を読出して、読出した左右画像を表示部8に出力する読出し部7を備える。
【0021】
本例の左画像メモリ5Lと右画像メモリ5Rには、デュアルポートRAM(Random Access Memory)が用いられる。そして、操作部9には、例えば、ロータリースイッチが用いられ、ユーザの入力操作によって、左右画像のうち、移動させる画像を選択したり、移動量を設定したりすることができる。このとき、左画像又は右画像のみ移動させたり、左右画像を同時に移動させたりすることも可能である。
【0022】
次に、各部の動作を説明する。
カメラ1L,1Rからは、信号処理装置10に左右画像が入力する。書込み部3は、入力した左右画像を、それぞれ左画像メモリ5L、右画像メモリ5Rに書き込む。合わせて、書込み部3は、信号処理装置10に入力した左右画像の入力タイミングを位相合せ部4に出力する。
【0023】
位相合せ部4は、書込み部3から受け取った入力タイミングによって求めた、書込み部3が左画像メモリ5Lに左画像を書き込む左画像書込みアドレスを左画像メモリ5Lに出力する。同様に、位相合せ部4は、書込み部3が右画像メモリ5Rに右画像を書き込む右画像書込みアドレスを右画像メモリ5Rに出力する。合わせて、位相合せ部4は、読出し部7が左画像メモリ5Lから左画像を読出し、右画像メモリから右画像を読出すために用いる読出し開始アドレスと、後述する等価タイミングを位相調整部6に出力する。
【0024】
位相調整部6は、位相合せ部4から受け取った読出し開始アドレスに対して、操作部9から操作入力された遅延量を加算したりする。そして、位相調整部6は、読出し部7が左画像メモリ5Lから左画像を読出す左画像読出しアドレスと、右画像メモリ5Rから右画像を読出す右画像読出しアドレスを求め、これらの左画像読出しアドレスと右画像読出しアドレスを読出し部7に出力する。
【0025】
読出し部7は、位相調整部6から受け取った左画像読出しアドレスと右画像読出しアドレスに基づいて、左画像メモリ5Lから左画像を読出し、右画像メモリ5Rから右画像を読出して、表示部8に出力する。そして、表示部8は、左画像メモリ5Lから読出された左画像信号及び右画像メモリ5Rから読出された右画像信号に基づいて、被写体を3次元表示する3次元モニタである。
【0026】
図3は、信号処理装置10の更に詳細な内部構成例を示す。
信号処理装置10は、左画像信号と右画像信号の位相を調整するため、左画像信号と右画像信号はそれぞれ個別に処理を行う。
【0027】
図2に示したように、信号処理装置10は、左画像を保存する左画像メモリ5Lを備える。左画像メモリ5Lには、左画像信号によって定まる左画像データ(I_LEFT_DATA)と、左画像メモリ5Lへの書込みアドレスを指定する左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)が入力される。そして、左画像メモリ5Lには、読出し部7が読出す左画像の読出しアドレス(RE_ADRS_LEFT)が入力され、読出し部7によって位相が調整された左画像データ(O_LEFT_DATA)が読出される。
【0028】
位相合せ部4は、書込み部3が左画像メモリ5Lに書き込む左画像信号の書込みアドレスをカウントする左画像書込みアドレスカウンタ11Lを備える。また、位相合せ部4は、書込み部3が右画像メモリ5Rに書き込む右画像信号の書込みアドレスをカウントする右画像書込みアドレスカウンタ11Rを備える。左画像書込みアドレスカウンタ11Lは、左画像メモリ5Lに書き込む左画像データのアドレスをカウントし、所定の値(例えば、10ビット(1023))を超えると、0にリセットし、再びカウントする処理を繰り返す。この処理は、右画像書込みアドレスカウンタ11Rにおいても同様に行われる。
【0029】
また、位相合せ部4は、書込みアドレスに基づいて、読出し部3が左画像メモリ5Lから左画像信号を読出すための左画像読出し開始アドレスを求める左画像アドレスサンプル部12Lを備える。また、位相合せ部4は、読出し部3が右画像メモリ5Rから右画像信号を読出すための右画像読出し開始アドレスを求める右画像アドレスサンプル部12Rを備える。
【0030】
また、位相合せ部4は、左画像信号の位相の可変量に基づいて決められた固定遅延量及び左画像読出し開始アドレスを加算した左画像加算アドレスを出力する第1の加算部13Lを備える。また、右画像信号の位相の可変量に基づいて決められた固定遅延量及び右画像読出し開始アドレスを加算した右画像加算アドレスを出力する第1の加算部13Rを備える。第1の加算部13Lには、固定遅延量が入力すると共に、左画像アドレスサンプル部12Lから左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)が入力する。第1の加算部13Lは、加算した左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)を出力する。この処理は、第1の加算部13Rにおいても同様に行われる。
【0031】
また、位相合せ部4は、左画像書込みアドレス及び左画像加算アドレスを比較し、左画像書込みアドレスにおける左画像加算アドレスの位置を、左画像信号及び右画像信号の位相が一致する等価タイミングとして出力する比較部14Lを備える。また、位相合せ部4は、右画像書込みアドレス及び右画像加算アドレスを比較し、右画像書込みアドレスにおける右画像加算アドレスの位置を、左画像信号及び右画像信号の位相が一致する等価タイミングとして出力する比較部14Rを備える。比較部14Lは、左画像書込みアドレスカウンタ11Lから入力する左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)と、第1の加算部13Lから入力する左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)を比較する。そして、比較部14Lは、比較結果を出力する。この比較結果を左画像読出しアドレスカウンタ17Lに入力することで、左右画像の位相を合わせることができる。この処理は、比較部14Rにおいても同様に行われる。
【0032】
左画像アドレスサンプル部12Lには、不図示のタイミングジェネレータから左画像書込みアドレスをサンプリングするためのタイミング信号(I_LEFT_TIMING)が入力される。また、左画像アドレスサンプル部12Lには、左画像書込みアドレスカウンタ11Lから左画像書込みアドレスが入力する。そして、左画像アドレスサンプル部12Lは、サンプルした左画像書込みアドレスに基づいて、位相調整部6に左画像信号の始めの位置を指示する左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)を出力する。
【0033】
位相調整部6は、操作部9の入力操作に基づいて、左画像メモリ5Lから読出す左画像信号及び右画像メモリ5Rから読出す右画像信号の読出し遅延量を制御する遅延量制御部15を備える。遅延量制御部15には、例えば、CPU(Central Processing Unit)が用いられる。操作部9は、例えば、ボリュームコントローラからなり、遅延量制御部15は、ユーザが操作したボリュームコントローラの指示に従って、左画像又は右画像の遅延量を決定する。
【0034】
また、位相調整部6は、左画像読出し遅延量及び左画像読出し開始アドレスを加算して、左画像メモリ5Lから読出す左画像信号5Lから読出す左画像信号の読出し位置を制御する左画像制御アドレスを出力する第2の加算部16Lを備える。また、位相調整部6は、右画像読出し遅延量及び右画像読出し開始アドレスを加算して、右画像メモリ5Rから読出す右画像信号5Rから読出す右画像信号の読出し位置を制御する右画像制御アドレスを出力する第2の加算部16Rを備える。
【0035】
第2の加算部16Lには、遅延量制御部15から左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)が入力し、左画像アドレスサンプル部12Lから左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)が入力する。そして、第2の加算部16Lは、基準アドレスとして用いる左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)に、ユーザ操作によって指示された位相変化量として用いる左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)を加算する。そして、この加算した左画像制御アドレス(LEFT ADRS_CONTROL)を出力する。ここで、位相変化量が固定遅延量と等しい場合、左画像の位相は変化しないため、表示部8に表示された左画像は移動しない。この処理は、第2の加算部16Rにおいても同様に行われる。
【0036】
なお、位相調整部7は、等価タイミング及び左画像制御アドレスに基づいて、読出し部7が左画像メモリ5Lから読出す左画像信号の左画像読出しアドレスをカウントする左画像読出しアドレスカウンタ17Lを備える。また、位相調整部7は、等価タイミング及び右画像制御アドレスに基づいて、読出し部7が右画像メモリ5Rから読出す右画像信号の右画像読出しアドレスをカウントする右画像読出しアドレスカウンタ17Rを備える。
【0037】
左画像読出しアドレスカウンタ17Lには、第2の加算部16Lから左画像制御アドレス(LEFT ADRS_CONTROL)が入力し、比較部14Lから比較結果が入力する。そして、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、比較結果に基づいて、読出しを遅らせた遅延量に相当する左画像読出しアドレスを左画像メモリ5Lと読出し部7に出力する。これにより、読出し部7は、左画像メモリ5Lから所定の遅延量で左画像データ(O_LEFT_DATA)を読出す。この処理は、右画像読出しアドレスカウンタ17Rにおいても同様に行われる。
【0038】
図4は、各処理部の動作タイミングの例を示す。
【0039】
図4A〜図4Fは、左画像メモリ5Lから左画像信号を書込み又は読出す処理のタイミングの例を示す。
図4Aは、左画像信号の構成例を示す。
左画像信号(I_LEFT_DATA)は、表示部8の画面に表示される期間を示すアクティブ期間(ACTIVE)と、画面に表示されない期間を示すブランキング期間(BLK)によって構成される。この左画像信号が左画像データとして左画像メモリ5Lに書き込まれる。
【0040】
図4Bは、左画像信号の水平ブランキング期間のタイミングを示す。
このタイミングは、図4Aに示す水平ブランキング期間(HD)の開始によって定まる。水平ブランキング期間が開始されると、“H”が立ち上がり、水平ブランキング期間が終了すると“L”に立ち下がる。
【0041】
図4Cは、左画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号の例を示す。
左画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号(I_LEFT_TIMING)は、左画像信号の水平ブランキング期間が開始した瞬間に“H”が立ち上がる。ただし、この“H”の値は、水平ブランキング期間の開始時のみ立ち上がり、すぐに“L”に立ち下がる。
【0042】
図4Dは、左画像信号の書込みアドレスを示す。
左画像メモリ5Lに左画像信号が書き込まれると、1水平画素毎に書込みアドレスがカウントされる。そして、左画像信号の書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)は、”0”から“1023”までカウントアップすると、再び”0”にリセットされてカウントアップする処理を繰り返す。
【0043】
図4Eは、左画像信号の読出し開始アドレスを示す。
書込み部3が左画像メモリ5Lに左画像(左画像信号)を書き込む動作に合わせて、左画像書込みアドレスカウンタ11Lが左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)をカウントする。ここで、左画像アドレスサンプル部12Lは、図4Cに示した立ち上がりエッジタイミング信号が“H”となったタイミングにおける、図4Dに示した書込みアドレスを左画像読出し開始アドレス(本例では、“585”)として取込む。
【0044】
図4Fは、左画像信号の読出しアドレスに固定遅延量を加算した例を示す。
第1の加算部13Lは、図4Eに示した左画像読出し開始アドレスに固定遅延量(本例では、“512”)を加算する。この結果、左画像読出し開始アドレスは、585+512=1097となるが、アドレスは“1023までしかカウントできないため、1097−1023=74の値が固定遅延量を加算した左画像読出し開始アドレスとして求まる。
【0045】
ここで、固定遅延量は、左画像メモリ5Lと右画像メモリ5Rのメモリサイズによって求まる値である。本例では、固定遅延量を“512”としているため、左右画像の1水平ラインが1024ピクセルである場合に、半画面である512ピクセルまで左右画像をずらすことが可能となる。このため、固定遅延量には、左右画像信号の位相のずれを吸収するだけの変位量と、ユーザが操作部9を用いて位相を変える際の可変量を合わせた値が予め決められる。例えば、可変量が“1000”とした場合には、固定遅延量は少なくとも“1000”より大きな値であることが必要となる。
【0046】
図4G〜図4Kは、右画像メモリ5Rから右画像信号を書込み又は読出す処理のタイミングの例を示す。
図4Gは、右画像データの構成例を示す。
右画像信号(I_RIGHT_DATA)は、表示部8の画面に表示される期間を示すアクティブ期間(ACTIVE)と、画面に表示されない期間を示すブランキング期間(BLK)によって構成される。なお、右画像信号と左画像信号は、各カメラ1L,1Rと信号処理装置10との接続線の長さが、わずかに異なるため、信号処理装置10に入力するタイミングもわずかに異なる場合がある。このため、信号処理装置10は、入力した左右画像の位相を合わせる必要がある。
【0047】
図4Hは、右画像信号の水平ブランキング期間のタイミングを示す。
このタイミングは、図4Gに示す水平ブランキング期間(HD)の開始によって定まる。水平ブランキング期間が開始されると、”H”が立ち上がり、水平ブランキング期間が終了すると”L”に立ち下がる。
【0048】
図4Iは、右画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号の例を示す。
右画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号(I_RIGHT_TIMING)は、右画像信号の水平ブランキング期間が開始した瞬間に”H”が立ち上がり、すぐに”L”に立ち下がる。
【0049】
図4Jは、右画像信号の書込みアドレスを示す。
右画像メモリ5Rに右画像信号が書き込まれると、1水平画素毎に書込みアドレスがカウントされる。そして、右画像信号の書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)は、”0”から“1023”までカウントアップすると、再び”0”にリセットされてカウントアップする処理を繰り返す。
【0050】
図4Kは、右画像信号の読出し開始アドレスを示す。
書込み部3が右画像メモリ5Rに右画像(右画像信号)を書き込む動作に合わせて、右画像書込みアドレスカウンタ11Rが右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)をカウントする。ここで、右画像アドレスサンプル部12Rは、図4Iに示した立ち上がりエッジタイミング信号が“H”となったタイミングにおける、図4Jに示した書込みアドレスを右画像読出し開始アドレス(本例では、“438”)として取込む。
【0051】
図4L〜図4Uは、左右画像の位相を調整する処理の例を示す。
図4Lは、左画像書込みアドレスと加算後の左画像書込みアドレスが等しくなる等価タイミングを示す。
ここでは、図4Dの左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)と、固定遅延量“512”を加算した図4Fの左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)が等しくなるときに“H”に立ち上がる等価タイミング(EQ_TIM1)を示している。
【0052】
図4Mは、左画像制御アドレスの例を示す。
左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は、図4Eに示す左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)を、図4Lに示す等価タイミング(EQ_TIM1)に合わせた例を示す。
【0053】
図4Nは、右画像制御アドレスの例を示す。
右画像制御アドレス(RIGHT_ADRS_CONTROL)は、図4Kに示す右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)を、図4Lに示す等価タイミング(EQ_TIM1)に合わせた例を示す。
なお、図4Mに示す左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)と、図4Nに示す右画像制御アドレス(RIGHT_ADRS_CONTROL)は、共に遅延量制御部15によって設定される位相の変化量が“0”である。
【0054】
図4Oは、左画像読出しアドレスのアドレス値の例を示す。
図4Mに示したように、左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は読出しカウンタを“585”から開始する。そして、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、読出しカウンタを“1”ずつカウントアップする。
【0055】
図4Pは、左画像信号の構成例を示す。
左画像信号(O_LEFT_DATA)のブランキング期間の開始位置は、図4Lの等価タイミングで示される位置であることが示される。
【0056】
図4Qは、右画像読出しアドレスのアドレス値の例を示す。
図4Mに示したように、右画像制御アドレス(RIGHT_ADRS_CONTROL)は読出しカウンタを“438”から開始する。そして、右画像読出しアドレスカウンタ17Rは、読出しカウンタを“1”ずつカウントアップする。
【0057】
図4Rは、右画像信号の構成例を示す。
右画像信号(O_RIGHT_DATA)のブランキング期間の開始位置は、図4Lの等価タイミングで示される位置であることが示される。
図4Pと図4Rより、左右画像信号の位相が一致し、ズレが生じていないことが示される。
【0058】
次に、ユーザが操作部9を操作して左画像信号の位相を変えた場合について説明する。ここでは、位相の変化量が“+150”で設定された例を示す。
【0059】
図4Sは、左画像制御アドレスの例を示す。
左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は、図4Eに示す左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)を、図4Lに示す等価タイミングの位置に合わせた例を示す。本例では、位相の変化量が“+150”に設定されたため、左画像アドレスは、585+150=735となる。
【0060】
図4Tは、左画像読出しアドレスのアドレス値の例を示す。
図4Sに示したように、左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は読出しカウンタを“735”から開始する。そして、読出しカウンタを“1”ずつカウントアップする。
【0061】
図4Uは、左画像信号の構成例を示す。
読出しタイミングが変わったことにより、図4Lに示す等価タイミングに対して、左画像信号(O_LEFT_DATA)の出力タイミングが遅れることが示される。
【0062】
図5は、表示部8に表示された左右画像の位相を調整する例を示す。
表示部8には、左画像21、右画像23に加えて、左画像21と右画像23を重畳した重畳画像22が表示される。ユーザは、操作部9として用いられるボリュームコントローラを“+”又は“−”方向に動かして左右画像の位相を調整する。
【0063】
図5A〜図5Eは、左画像21、右画像23を水平方向に移動させた場合の見え方の例を示す。
ここで、図中の「第1及び第2の元の位置」とは、左右画像信号の位相を合わせた状態における左右画像の両端の位置を示す。そして、位相調整部6は、操作部9によって指定された位相の変位量又はカメラから入力するメタデータを計算した値を表示部8に表示する制御を行う。「ズーム」とは、カメラのパラメータの一例であり、どのパラメータを可変すれば現在の基準面になるかを示している。本例では、左右画像の移動量が10ピクセルである場合に、カメラ1L,1Rのズーム設定を現在の設定値に対して“+3”したときの見え方と同じになることを示す情報が表示部8に表示される。また、パラメータを「距離」として、移動量10ピクセルが基準面を手前、または奥側にX「m」動くことをユーザーに通知してもよい。
【0064】
図5Aは、左画像21の表示例を示す。
図5Bは、右画像23の表示例を示す。
図5Cは、基準面における重畳画像22のうち、左画像21だけ移動した際の表示例を示す。
図5Dは、基準面における重畳画像22のうち、右画像23だけ移動した際の表示例を示す。
図5Eは、基準面における重畳画像22のうち、左画像21と右画像23を共に移動した際の表示例を示す。
なお、図5C〜図5Eは、左画像21と右画像23の位相が互いに合った状態としている。
【0065】
図5F〜図5Hは、基準面以外の場所における左画像21と右画像2を左に移動させた場合の見え方の例を示す。
図5Fは、左画像21を左に移動した際の表示例を示す。
このとき、第1の元の位置より左側には、左画像21が見える。そして、第2の元の位置の左側には、移動した左画像21に相当する範囲の右画像23が見える。
【0066】
図5Gは、右画像23を左に移動した際の表示例を示す。
このとき、第1の元の位置より左側には、右画像23が見える。そして、第2の元の位置の左側には、移動した右画像23に相当する範囲の左画像21が見える。
図5Hは、左画像21を左に移動し、右画像23を右に移動した際の表示例を示す。
左画像21と右画像23の移動方向は互いに逆であるが、移動量は等しい。このとき、奥行き効果を得ることができ、移動した左画像21と右画像23の距離を視差としている。
【0067】
図5I〜図5Kは、基準面以外の場所における左画像21と右画像2を右に移動させた場合の見え方の例を示す。
図5Iは、左画像21を右に移動した際の表示例を示す。
このとき、第2の元の位置より右側には、左画像21が見える。そして、第1の元の位置の右側には、移動した左画像21に相当する範囲の右画像23が見える。
【0068】
図5Jは、右画像23を右に移動した際の表示例を示す。
このとき、第2の元の位置より右側には、右画像23が見える。そして、第1の元の位置の右側には、移動した右画像23に相当する範囲の左画像21が見える。
図5Kは、左画像21を右に移動し、右画像23を右に移動した際の表示例を示す。
左画像21と右画像23の移動方向は互いに逆であるが、移動量は等しい。このとき、飛び出し効果を得ることができ、移動した左画像21と右画像23の距離を視差としている。
【0069】
次に、各部の処理例を説明する。
図6は、画像データの書込み処理の例を示す。
始めに、書込み部3は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS1)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0070】
電源がオンされていれば、書込み部3は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS2)。以下の説明において、クロックとは映像信号を処理するために使用するクロックを意味しており、例として立ち上がりエッジで動作する回路を前提にしている。
【0071】
クロックの立上がりエッジであれば、書込み部3は、以下の処理を行う(ステップS3)。すなわち、左画像メモリ5Lに左画像データ(I_LEFT_DATA)を左画像の書込み番地(WR_ADRS_LEFT)に保存する。一方、右画像メモリ5Rに右画像データ(I_RIGHT_DATA)を右画像の書込み番地(WR_ADRS_RIGHT)に保存する。
【0072】
図7は、画像データの読出し処理の例を示す。
始めに、読出し部7は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS11)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0073】
電源がオンされていれば、読出し部7は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS12)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0074】
クロックの立上がりエッジであれば、読出し部7は、以下の処理を行う(ステップS13)。すなわち、左画像メモリ5Lから読出し番地(RE_ADRS_LEFT)における左画像データ(I_LEFT_DATA)を読出す。一方、右画像メモリ5Rから右画像の読出し番地(RE_ADRS_RIGHT)における右画像データ(I_RIGHT_DATA)を読出す。
【0075】
図8は、書込みアドレスカウンタ(左画像書込みアドレスカウンタ11Lと右画像書込みアドレスカウンタ11Rの総称)が行うアドレスカウント処理の例を示す。
【0076】
始めに、書込みアドレスカウンタは、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS21)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0077】
電源がオンされていれば、書込みアドレスカウンタは、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS22)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0078】
クロックの立上がりエッジであれば、書込みアドレスカウンタは、以下の処理を行う(ステップS23)。すなわち、左画像書込みアドレスカウンタ11Lは、左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)をカウントアップし、このアドレス値を左画像メモリ5Lに出力する。一方、右画像書込みアドレスカウンタ11Rは、右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)をカウントアップし、このアドレス値を右画像メモリ5Rに出力する。
【0079】
図9は、アドレスサンプル部(左画像アドレスサンプル部12Lと右画像アドレスサンプル部12Rの総称)が行うアドレスサンプリング処理の例を示す。
【0080】
始めに、アドレスサンプル部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS31)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0081】
電源がオンされていれば、アドレスサンプル部は、タイミング(I_LEFT_TIMING又はI_RIGHT_TIMING)が“1”に等しいか否かを判断する(ステップS32)。タイミングが“1”に等しくない場合、アドレスサンプル部は、タイミングが“1”に等しくなるまで待つ。
【0082】
タイミングが“1”に等しければ、アドレスサンプル部は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS33)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0083】
クロックの立上がりエッジであれば、アドレスサンプル部は、以下の処理を行う(ステップS34)。すなわち、左画像アドレスサンプル部12Lは、左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)のアドレス値を、左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)として第2の加算部16L,17Lに出力する。一方、右画像アドレスサンプル部12Rは、右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)のアドレス値を、右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)として第2の加算部16Rと第1の加算部13Rに出力する。
【0084】
図10は、第1の加算部(第1の加算部13L,17Rを総称する。)が行う第2のアドレス出力処理の例を示す。
【0085】
始めに、第1の加算部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS41)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0086】
電源がオンされていれば、第1の加算部は、以下の処理を行う(ステップS42)。すなわち、第1の加算部13Lは、左画像アドレスサンプル部12Lから受け取った左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)と、固定遅延量(本例では、“512”)を加算する。そして、この加算値を、左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)として左画像読出しアドレスカウンタ17Lに出力する。
【0087】
一方、第1の加算部13Rは、右画像アドレスサンプル部12Rから受け取った右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)と、固定遅延量を加算する。そして、この加算値を、右画像加算アドレス(ADD_ADRS_RIGHT)として右画像読出しアドレスカウンタ17Rに出力する。
【0088】
図11は、比較部(比較部14L,18Rを総称する。)が行うアドレス比較処理の例を示す。
【0089】
始めに、比較部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS51)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0090】
電源がオンされていれば、比較部は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS52)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0091】
クロックの立上がりエッジであれば、比較部は、以下の処理を行う(ステップS53)。すなわち、比較部14Lは、左画像書込みアドレスカウンタ11Lから入力する左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)と、第1の加算部13Lから入力する左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)を比較する。そして、これらのアドレスが等しければ、比較部は、等価タイミング(EQ_TIM)=1であると判断し、等しくなければ等価タイミング(EQ_TIM)≠1であると判断する。
【0092】
一方、比較部14Rは、右画像書込みアドレスカウンタ11Rから入力する右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)と、第1の加算部13Rから入力する右画像加算アドレス(ADD_ADRS_RIGHT)を比較する。そして、これらのアドレスが等しければ、比較部は、等価タイミング(EQ_TIM)=1であると判断し、等しくなければ等価タイミング(EQ_TIM)≠1であると判断する。
【0093】
図12は、第2の加算部(第2の加算部16L,16Rを総称する。)が行う第1のアドレス出力処理の例を示す。
【0094】
始めに、第2の加算部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS61)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0095】
電源がオンされていれば、第2の加算部は、以下の処理を行う(ステップS62)。すなわち、第2の加算部16Lは、左画像アドレスサンプル部12Lから受け取った左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)と、遅延量制御部15から受け取った左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)を加算する。そして、この加算値を、左画像制御アドレス値(LEFT_ADRS_CONTROL)として左画像読出しアドレスカウンタ17Lに出力する。
【0096】
一方、第2の加算部16Rは、右画像アドレスサンプル部12Rから受け取った右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)と、遅延量制御部15から受け取った右画像読出し遅延量(RE_RIGHT_DELAY)を加算する。そして、この加算値を、右画像制御アドレス値(RIGHT_ADRS_CONTROL)として右画像読出しアドレスカウンタ17Rに出力する。
【0097】
図13は、読出しアドレスカウンタ(左画像読出しアドレスカウンタ17L,右画像読出しアドレスカウンタ17Rを総称する。)が行う読出しアドレスカウントの例を示す。
【0098】
始めに、読出しアドレスカウンタは、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS71)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0099】
電源がオンされていれば、読出しアドレスカウンタは、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS72)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0100】
クロックの立上がりエッジであれば、読出しアドレスカウンタは、等価タイミング(EQ_TIM)=1であるか否か判断する(ステップSS73)。等価タイミング(EQ_TIM)=1である場合、読出しアドレスカウンタは、以下の処理を行う(ステップS74)。すなわち、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、左画像制御アドレス(LEFT ADRS_CONTROL)の値を、左画像読出しアドレス(RE_ADRS_LEFT)として出力する。一方、右画像読出しアドレスカウンタ17Rは、右画像制御アドレス(RIGHT ADRS_CONTROL)の値を、右画像読出しアドレス(RE_ADRS_RIGHT)として出力する。
【0101】
ステップS73の処理において、等価タイミング(EQ_TIM)≠1である場合、読出しアドレスカウンタは、以下の処理を行う(ステップS75)。すなわち、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、左画像読出しアドレス(RE_ADRS_LEFT)をカウントアップして出力する。一方、右画像読出しアドレスカウンタ17Rは、右画像読出しアドレス(RE_ADRS_RIGHT)をカウントアップして出力する。
【0102】
図14は、遅延量制御部15が行う左右画像信号の読出しを遅らせる制御の例を示す。
【0103】
始めに、遅延量制御部15は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS81)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0104】
電源がオンされていれば、遅延量制御部15は、ユーザが操作部9を用いて、左画像と右画像を水平移動させる操作があったか否かを判別する(ステップS82)。水平移動させる操作がなければ、操作の入力を待つ。
【0105】
水平移動させる操作があれば、遅延量制御部15は、ユーザが設定した水平移動操作に応じて、左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)又は右画像読出し遅延量(RE_RIGHT_DELAY)を設定する。そして、設定した読出し遅延量を第2の加算部16L,16Rに出力する(ステップS83)。
【0106】
図15に、左画像と右画増を水平移動させた場合の表示例を示す。
図15Aは修正前の3Dモニタ表示を示している。
図15Aを2Dモニタで表示させたならば、図15Dの様に映る。四角形と円形の2つの被写体が映っていて、3Dモニタ表示では左画像21と右画像23が映り、両者には視差31がある。
【0107】
図15Bは、図15Aの四角形で示した被写体のみ、奥行き効果によって遠くに見せようとした場合の結果の3Dモニタ表示を示している。このように、視差を広げる修正を加えれば、3Dモニタを見るユーザは被写体が画面の奥にあるように感じることができる。ここで問題になるのは、どれくらい視差を広げれば、意図していた奥行き感を出せるか、ということを知るか、ということである。
【0108】
図15Eに従来の方法を示す。
従来は、遠くにみせたい被写体のデータを修正して図15Eのような表示にしてそれを確認するという作業を行っていた。いちいちデータの修正を行い、その都度確認することになるため、確認作業に時間がかかっていた。
【0109】
図15Cに、本発明での方法を示す。
本発明の機能を使い、全ての被写体の視差を広げてしまい、図15Fに示したように、修正を加えたい四角形の被写体のみに着目し、円形の被写体は無視して奥行き効果を確認する。そして、視差量が決まった後に、被写体のデータを修正する。このようにして、ユーザは簡単な操作で実際に奥行き効果を感じた上で適切に被写体のデータを修正できるため、視差を修正する処理を早く終えることができる。
【0110】
以上説明した本実施の形態に係る信号処理装置10によれば、2台のカメラ1L,1Rから入力する左右画像信号の位相を制御することにより、表示部8に表示した左右画像に視差を作って3D効果のシミュレーションを行うことが出来る。このため、ユーザは、操作部9を操作して、視差の変更による画像の変化を容易に確認することができる。このとき、どれほどの視差距離の変更を行えば、意図した効果が出せるか、ということを簡易的に実現できるため、コンテンツ制作時の撮影時間を大幅に短くすることが可能となるという効果がある。
【0111】
また、画面表示がモニタでの視差値を加えたものである場合、「シミュレーション状態」であることを示す画面表示を行う。表示している画像データに視差メタデータがある場合、それを表示し、加えてシミュレーションで与えた視差値も画面表示する。このため、左右画像の移動量に対する視差の変化を容易に認識しやすくなり、視差を適切に付けることができるという効果がある。
【0112】
また、ある視差で撮影された左右画像を、後処理としての視差調整を行うための、試験的に簡単な処理で表せて変更後の効果を確認できる。このとき、左右どちらかの画像は不動としてもう片方を水平移動させる場合と、両者を共に水平方向反対向きに移動させてもよい。また、調整という意味合いではなく、ある特定の被写体に対して積極的に撮影時よりも視差を付けたり、減らしたりすることが可能である。
【0113】
また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、信号処理装置10に供給してもよい。また、信号処理装置10が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
【0114】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0115】
また、信号処理装置10が読出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、信号処理装置10上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0116】
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0117】
1L,1R…カメラ、3…書込み部、5L…左画像メモリ、5R…右画像メモリ、6…位相調整部、7…読出し部、8…表示部、9…操作部、10…信号処理装置、11L…左画像書込みアドレスカウンタ、11R…右画像書込みアドレスカウンタ、12L…左画像アドレスサンプル部、12R…右画像アドレスサンプル部、13L,13R…第1の加算部、14L,14R…比較部、15…遅延量制御部、16L,16R…第2の加算部、17L…左画像読出しアドレスカウンタ、17R…右画像読出しアドレスカウンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、視差を有して配される2台のカメラが同一の被写体を撮像して出力する画像の視差を変える場合に適用して好適な信号処理装置、信号処理方法、表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの左右の眼の視差に合わせて設置される2台のカメラが撮像した同一の被写体の画像を用いて、ユーザが立体視することができる3D画像を生成する技術がある。2台のカメラが撮像した画像は、ユーザの左右の眼に合わせて左画像と右画像(以下、左画像と右画像を「左右画像」とも総称する。)と呼ばれる。ここで、左右画像の色合いや輝度、撮像位置等の設定パラメータが2台のカメラで合っていなければ、3D画像として正しく表示できない。このため、カメラを操作するユーザは、左右又は上下に並べた2台のモニタ等に左右画像をそれぞれ映し出し、左右画像を比較しながら、設定パラメータを合わせていた。
【0003】
また、従来、3D画像を生成し、奥行きの付け方を変更するためには、左右画像が対称となる被写体の位置をずらす修正が必要であった。そして、ユーザは、修正を加えた被写体を撮像した画像を3Dモニタに表示して、奥行きの付け方が意図したものであるかどうかを確認していた。
【0004】
特許文献1には、左右画像を隣り合わせて表示する立体視装置であって、画像を水平移動して立体視位置を設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−125245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、3D画像を撮影する際には、3Dモニタで視差をシミュレーションした後、左右画像を撮像する2台のカメラが設置されるリグを調整することによって、カメラのメカ的な視差を調整している。ここで、水平方向で互いに反対向きに等距離を移動させた左右画像を表示する機能を3Dモニタに持たせることを想定する。このとき、ユーザは、変更対象となる被写体のみ注目するため、3Dモニタで被写体を立体視した上で修正効果を確認してから、実際のデータを修正する作業にとりかかっていた。このため、被写体が動くと、その都度リグを調整して、カメラの位置調整を行わなければならず、撮影時間が長くなる要因となっていた。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、左右画像の視差調整を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる。
次に、操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変える。
そして、左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。
【0009】
このようにしたことで、表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、所定の距離で移動させることが可能となった。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。このため、ユーザは、視差が変更された左画像及び右画像が表示される表示部を見ながら、操作部を操作して、視差を変更したことによる画像の立体視における変化を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態における2台のカメラが人間の両目の間隔に合わせて配置される例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態における信号処理装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における信号処理装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態における信号処理装置の各部の処理タイミングの例を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態における左右画像の位相の変位量を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態における画像データ書込み処理の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態における画像データ読出し処理の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態における書込みアドレスカウンタの処理の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態におけるアドレスサンプリング処理の例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態における第1のアドレス出力処理の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態における比較処理の例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態における第2のアドレス出力処理の例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態における読出しアドレスカウンタの処理の例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態における左右画像信号の読出しを遅らせる制御の例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態における左右画像の位相差を変更した場合の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(左右画像信号の出力制御:左右画像の位相を調整する例)
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[左右画像の位相を調整する例]
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態では、左右画像の位相を変えて出力する信号処理装置10及び信号処理装置10が使用する信号処理方法に適用した例について説明する。なお、以下の説明では、信号処理装置10と、3次元画像を表示可能な3次元モニタとしての表示部8を分離した形態に適用した例としているが、信号処理装置10と表示部8を組み合わせた表示装置に本発明を適用してもよい。
【0015】
図1は、2台のカメラ1L,1Rが人間の両目の間隔に合わせて配置される例を示す。
図1Aは、2台のカメラ1L,1Rの配置例を示す。
図1Bは、被写体2a〜2cの見え方の違いの例を示す。
【0016】
左画像信号を出力するカメラ1L(左カメラ)と、右画像信号を出力するカメラ1R(右カメラ)は、人間の両目の間隔に合わせて隣り合わせて配置され、同一の被写体を撮像する。表示部8(後述する図2参照)には、左画像信号が入力すると左画像を表示し、右画像信号が入力すると右画像を表示する。視差は、カメラ1L,1Rの焦点方向の交点を基準面とした場合に、基準面の交点とカメラ1L,1Rとの距離から求めることができる。
【0017】
ここで、被写体2bは、基準面に位置するため、表示部8に表示される画像をユーザが見ても立体視することはできない。しかし、被写体2aは、基準面に対してカメラ1L,1Rより奥に位置し、奥行き効果により、ユーザは、表示部8に表示される被写体2aが基準面より奥にあるように見える。一方、被写体2cは、基準面に対してカメラ1L,1Rより手前に位置し、飛び出し効果により、ユーザは、表示部8に表示される被写体2cが基準面より手間にあるように見える。
【0018】
2台のカメラの焦点の交点で作る面を基準面として、そこよりも被写体が手前にあると”飛び出し”効果を得て、奥側にあると”奥行き”効果を得ることが出来る。このとき2台のカメラの焦点のズレを”視差”といい、3D撮影時における重要な値となる。被写体の位置がどこまで来ると3D画像として破綻するかは、製作者が最も気にする点である。このため、位置関係を含めたカメラ1L,1Rのセッティングに一番時間が掛かっている。
【0019】
図2は、信号処理装置10の内部構成例を示す。
信号処理装置10は、カメラ1Lから入力した左画像(左画像信号)を左画像メモリ5Lに書込み、カメラ1Rから入力した右画像(右画像信号)を右画像メモリ5Rに書き込む書込み部3を備える。また、書込み部3から入力した左右画像の書込みタイミングに基づいて、人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラ(カメラ1L,1R)から入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部4を備える。
【0020】
また、操作部9によって指定された変位量に基づいて、水平方向における左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変える位相調整部6を備える。位相調整部6は、左画像信号及び右画像信号によって表示部8に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、左画像及び右画像の視差を変えた左画像信号及び右画像信号を出力する。また、左画像メモリ5Lから左画像を読出し、右画像メモリ5Rから右画像を読出して、読出した左右画像を表示部8に出力する読出し部7を備える。
【0021】
本例の左画像メモリ5Lと右画像メモリ5Rには、デュアルポートRAM(Random Access Memory)が用いられる。そして、操作部9には、例えば、ロータリースイッチが用いられ、ユーザの入力操作によって、左右画像のうち、移動させる画像を選択したり、移動量を設定したりすることができる。このとき、左画像又は右画像のみ移動させたり、左右画像を同時に移動させたりすることも可能である。
【0022】
次に、各部の動作を説明する。
カメラ1L,1Rからは、信号処理装置10に左右画像が入力する。書込み部3は、入力した左右画像を、それぞれ左画像メモリ5L、右画像メモリ5Rに書き込む。合わせて、書込み部3は、信号処理装置10に入力した左右画像の入力タイミングを位相合せ部4に出力する。
【0023】
位相合せ部4は、書込み部3から受け取った入力タイミングによって求めた、書込み部3が左画像メモリ5Lに左画像を書き込む左画像書込みアドレスを左画像メモリ5Lに出力する。同様に、位相合せ部4は、書込み部3が右画像メモリ5Rに右画像を書き込む右画像書込みアドレスを右画像メモリ5Rに出力する。合わせて、位相合せ部4は、読出し部7が左画像メモリ5Lから左画像を読出し、右画像メモリから右画像を読出すために用いる読出し開始アドレスと、後述する等価タイミングを位相調整部6に出力する。
【0024】
位相調整部6は、位相合せ部4から受け取った読出し開始アドレスに対して、操作部9から操作入力された遅延量を加算したりする。そして、位相調整部6は、読出し部7が左画像メモリ5Lから左画像を読出す左画像読出しアドレスと、右画像メモリ5Rから右画像を読出す右画像読出しアドレスを求め、これらの左画像読出しアドレスと右画像読出しアドレスを読出し部7に出力する。
【0025】
読出し部7は、位相調整部6から受け取った左画像読出しアドレスと右画像読出しアドレスに基づいて、左画像メモリ5Lから左画像を読出し、右画像メモリ5Rから右画像を読出して、表示部8に出力する。そして、表示部8は、左画像メモリ5Lから読出された左画像信号及び右画像メモリ5Rから読出された右画像信号に基づいて、被写体を3次元表示する3次元モニタである。
【0026】
図3は、信号処理装置10の更に詳細な内部構成例を示す。
信号処理装置10は、左画像信号と右画像信号の位相を調整するため、左画像信号と右画像信号はそれぞれ個別に処理を行う。
【0027】
図2に示したように、信号処理装置10は、左画像を保存する左画像メモリ5Lを備える。左画像メモリ5Lには、左画像信号によって定まる左画像データ(I_LEFT_DATA)と、左画像メモリ5Lへの書込みアドレスを指定する左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)が入力される。そして、左画像メモリ5Lには、読出し部7が読出す左画像の読出しアドレス(RE_ADRS_LEFT)が入力され、読出し部7によって位相が調整された左画像データ(O_LEFT_DATA)が読出される。
【0028】
位相合せ部4は、書込み部3が左画像メモリ5Lに書き込む左画像信号の書込みアドレスをカウントする左画像書込みアドレスカウンタ11Lを備える。また、位相合せ部4は、書込み部3が右画像メモリ5Rに書き込む右画像信号の書込みアドレスをカウントする右画像書込みアドレスカウンタ11Rを備える。左画像書込みアドレスカウンタ11Lは、左画像メモリ5Lに書き込む左画像データのアドレスをカウントし、所定の値(例えば、10ビット(1023))を超えると、0にリセットし、再びカウントする処理を繰り返す。この処理は、右画像書込みアドレスカウンタ11Rにおいても同様に行われる。
【0029】
また、位相合せ部4は、書込みアドレスに基づいて、読出し部3が左画像メモリ5Lから左画像信号を読出すための左画像読出し開始アドレスを求める左画像アドレスサンプル部12Lを備える。また、位相合せ部4は、読出し部3が右画像メモリ5Rから右画像信号を読出すための右画像読出し開始アドレスを求める右画像アドレスサンプル部12Rを備える。
【0030】
また、位相合せ部4は、左画像信号の位相の可変量に基づいて決められた固定遅延量及び左画像読出し開始アドレスを加算した左画像加算アドレスを出力する第1の加算部13Lを備える。また、右画像信号の位相の可変量に基づいて決められた固定遅延量及び右画像読出し開始アドレスを加算した右画像加算アドレスを出力する第1の加算部13Rを備える。第1の加算部13Lには、固定遅延量が入力すると共に、左画像アドレスサンプル部12Lから左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)が入力する。第1の加算部13Lは、加算した左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)を出力する。この処理は、第1の加算部13Rにおいても同様に行われる。
【0031】
また、位相合せ部4は、左画像書込みアドレス及び左画像加算アドレスを比較し、左画像書込みアドレスにおける左画像加算アドレスの位置を、左画像信号及び右画像信号の位相が一致する等価タイミングとして出力する比較部14Lを備える。また、位相合せ部4は、右画像書込みアドレス及び右画像加算アドレスを比較し、右画像書込みアドレスにおける右画像加算アドレスの位置を、左画像信号及び右画像信号の位相が一致する等価タイミングとして出力する比較部14Rを備える。比較部14Lは、左画像書込みアドレスカウンタ11Lから入力する左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)と、第1の加算部13Lから入力する左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)を比較する。そして、比較部14Lは、比較結果を出力する。この比較結果を左画像読出しアドレスカウンタ17Lに入力することで、左右画像の位相を合わせることができる。この処理は、比較部14Rにおいても同様に行われる。
【0032】
左画像アドレスサンプル部12Lには、不図示のタイミングジェネレータから左画像書込みアドレスをサンプリングするためのタイミング信号(I_LEFT_TIMING)が入力される。また、左画像アドレスサンプル部12Lには、左画像書込みアドレスカウンタ11Lから左画像書込みアドレスが入力する。そして、左画像アドレスサンプル部12Lは、サンプルした左画像書込みアドレスに基づいて、位相調整部6に左画像信号の始めの位置を指示する左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)を出力する。
【0033】
位相調整部6は、操作部9の入力操作に基づいて、左画像メモリ5Lから読出す左画像信号及び右画像メモリ5Rから読出す右画像信号の読出し遅延量を制御する遅延量制御部15を備える。遅延量制御部15には、例えば、CPU(Central Processing Unit)が用いられる。操作部9は、例えば、ボリュームコントローラからなり、遅延量制御部15は、ユーザが操作したボリュームコントローラの指示に従って、左画像又は右画像の遅延量を決定する。
【0034】
また、位相調整部6は、左画像読出し遅延量及び左画像読出し開始アドレスを加算して、左画像メモリ5Lから読出す左画像信号5Lから読出す左画像信号の読出し位置を制御する左画像制御アドレスを出力する第2の加算部16Lを備える。また、位相調整部6は、右画像読出し遅延量及び右画像読出し開始アドレスを加算して、右画像メモリ5Rから読出す右画像信号5Rから読出す右画像信号の読出し位置を制御する右画像制御アドレスを出力する第2の加算部16Rを備える。
【0035】
第2の加算部16Lには、遅延量制御部15から左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)が入力し、左画像アドレスサンプル部12Lから左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)が入力する。そして、第2の加算部16Lは、基準アドレスとして用いる左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)に、ユーザ操作によって指示された位相変化量として用いる左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)を加算する。そして、この加算した左画像制御アドレス(LEFT ADRS_CONTROL)を出力する。ここで、位相変化量が固定遅延量と等しい場合、左画像の位相は変化しないため、表示部8に表示された左画像は移動しない。この処理は、第2の加算部16Rにおいても同様に行われる。
【0036】
なお、位相調整部7は、等価タイミング及び左画像制御アドレスに基づいて、読出し部7が左画像メモリ5Lから読出す左画像信号の左画像読出しアドレスをカウントする左画像読出しアドレスカウンタ17Lを備える。また、位相調整部7は、等価タイミング及び右画像制御アドレスに基づいて、読出し部7が右画像メモリ5Rから読出す右画像信号の右画像読出しアドレスをカウントする右画像読出しアドレスカウンタ17Rを備える。
【0037】
左画像読出しアドレスカウンタ17Lには、第2の加算部16Lから左画像制御アドレス(LEFT ADRS_CONTROL)が入力し、比較部14Lから比較結果が入力する。そして、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、比較結果に基づいて、読出しを遅らせた遅延量に相当する左画像読出しアドレスを左画像メモリ5Lと読出し部7に出力する。これにより、読出し部7は、左画像メモリ5Lから所定の遅延量で左画像データ(O_LEFT_DATA)を読出す。この処理は、右画像読出しアドレスカウンタ17Rにおいても同様に行われる。
【0038】
図4は、各処理部の動作タイミングの例を示す。
【0039】
図4A〜図4Fは、左画像メモリ5Lから左画像信号を書込み又は読出す処理のタイミングの例を示す。
図4Aは、左画像信号の構成例を示す。
左画像信号(I_LEFT_DATA)は、表示部8の画面に表示される期間を示すアクティブ期間(ACTIVE)と、画面に表示されない期間を示すブランキング期間(BLK)によって構成される。この左画像信号が左画像データとして左画像メモリ5Lに書き込まれる。
【0040】
図4Bは、左画像信号の水平ブランキング期間のタイミングを示す。
このタイミングは、図4Aに示す水平ブランキング期間(HD)の開始によって定まる。水平ブランキング期間が開始されると、“H”が立ち上がり、水平ブランキング期間が終了すると“L”に立ち下がる。
【0041】
図4Cは、左画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号の例を示す。
左画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号(I_LEFT_TIMING)は、左画像信号の水平ブランキング期間が開始した瞬間に“H”が立ち上がる。ただし、この“H”の値は、水平ブランキング期間の開始時のみ立ち上がり、すぐに“L”に立ち下がる。
【0042】
図4Dは、左画像信号の書込みアドレスを示す。
左画像メモリ5Lに左画像信号が書き込まれると、1水平画素毎に書込みアドレスがカウントされる。そして、左画像信号の書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)は、”0”から“1023”までカウントアップすると、再び”0”にリセットされてカウントアップする処理を繰り返す。
【0043】
図4Eは、左画像信号の読出し開始アドレスを示す。
書込み部3が左画像メモリ5Lに左画像(左画像信号)を書き込む動作に合わせて、左画像書込みアドレスカウンタ11Lが左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)をカウントする。ここで、左画像アドレスサンプル部12Lは、図4Cに示した立ち上がりエッジタイミング信号が“H”となったタイミングにおける、図4Dに示した書込みアドレスを左画像読出し開始アドレス(本例では、“585”)として取込む。
【0044】
図4Fは、左画像信号の読出しアドレスに固定遅延量を加算した例を示す。
第1の加算部13Lは、図4Eに示した左画像読出し開始アドレスに固定遅延量(本例では、“512”)を加算する。この結果、左画像読出し開始アドレスは、585+512=1097となるが、アドレスは“1023までしかカウントできないため、1097−1023=74の値が固定遅延量を加算した左画像読出し開始アドレスとして求まる。
【0045】
ここで、固定遅延量は、左画像メモリ5Lと右画像メモリ5Rのメモリサイズによって求まる値である。本例では、固定遅延量を“512”としているため、左右画像の1水平ラインが1024ピクセルである場合に、半画面である512ピクセルまで左右画像をずらすことが可能となる。このため、固定遅延量には、左右画像信号の位相のずれを吸収するだけの変位量と、ユーザが操作部9を用いて位相を変える際の可変量を合わせた値が予め決められる。例えば、可変量が“1000”とした場合には、固定遅延量は少なくとも“1000”より大きな値であることが必要となる。
【0046】
図4G〜図4Kは、右画像メモリ5Rから右画像信号を書込み又は読出す処理のタイミングの例を示す。
図4Gは、右画像データの構成例を示す。
右画像信号(I_RIGHT_DATA)は、表示部8の画面に表示される期間を示すアクティブ期間(ACTIVE)と、画面に表示されない期間を示すブランキング期間(BLK)によって構成される。なお、右画像信号と左画像信号は、各カメラ1L,1Rと信号処理装置10との接続線の長さが、わずかに異なるため、信号処理装置10に入力するタイミングもわずかに異なる場合がある。このため、信号処理装置10は、入力した左右画像の位相を合わせる必要がある。
【0047】
図4Hは、右画像信号の水平ブランキング期間のタイミングを示す。
このタイミングは、図4Gに示す水平ブランキング期間(HD)の開始によって定まる。水平ブランキング期間が開始されると、”H”が立ち上がり、水平ブランキング期間が終了すると”L”に立ち下がる。
【0048】
図4Iは、右画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号の例を示す。
右画像信号の立ち上がりエッジタイミング信号(I_RIGHT_TIMING)は、右画像信号の水平ブランキング期間が開始した瞬間に”H”が立ち上がり、すぐに”L”に立ち下がる。
【0049】
図4Jは、右画像信号の書込みアドレスを示す。
右画像メモリ5Rに右画像信号が書き込まれると、1水平画素毎に書込みアドレスがカウントされる。そして、右画像信号の書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)は、”0”から“1023”までカウントアップすると、再び”0”にリセットされてカウントアップする処理を繰り返す。
【0050】
図4Kは、右画像信号の読出し開始アドレスを示す。
書込み部3が右画像メモリ5Rに右画像(右画像信号)を書き込む動作に合わせて、右画像書込みアドレスカウンタ11Rが右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)をカウントする。ここで、右画像アドレスサンプル部12Rは、図4Iに示した立ち上がりエッジタイミング信号が“H”となったタイミングにおける、図4Jに示した書込みアドレスを右画像読出し開始アドレス(本例では、“438”)として取込む。
【0051】
図4L〜図4Uは、左右画像の位相を調整する処理の例を示す。
図4Lは、左画像書込みアドレスと加算後の左画像書込みアドレスが等しくなる等価タイミングを示す。
ここでは、図4Dの左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)と、固定遅延量“512”を加算した図4Fの左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)が等しくなるときに“H”に立ち上がる等価タイミング(EQ_TIM1)を示している。
【0052】
図4Mは、左画像制御アドレスの例を示す。
左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は、図4Eに示す左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)を、図4Lに示す等価タイミング(EQ_TIM1)に合わせた例を示す。
【0053】
図4Nは、右画像制御アドレスの例を示す。
右画像制御アドレス(RIGHT_ADRS_CONTROL)は、図4Kに示す右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)を、図4Lに示す等価タイミング(EQ_TIM1)に合わせた例を示す。
なお、図4Mに示す左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)と、図4Nに示す右画像制御アドレス(RIGHT_ADRS_CONTROL)は、共に遅延量制御部15によって設定される位相の変化量が“0”である。
【0054】
図4Oは、左画像読出しアドレスのアドレス値の例を示す。
図4Mに示したように、左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は読出しカウンタを“585”から開始する。そして、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、読出しカウンタを“1”ずつカウントアップする。
【0055】
図4Pは、左画像信号の構成例を示す。
左画像信号(O_LEFT_DATA)のブランキング期間の開始位置は、図4Lの等価タイミングで示される位置であることが示される。
【0056】
図4Qは、右画像読出しアドレスのアドレス値の例を示す。
図4Mに示したように、右画像制御アドレス(RIGHT_ADRS_CONTROL)は読出しカウンタを“438”から開始する。そして、右画像読出しアドレスカウンタ17Rは、読出しカウンタを“1”ずつカウントアップする。
【0057】
図4Rは、右画像信号の構成例を示す。
右画像信号(O_RIGHT_DATA)のブランキング期間の開始位置は、図4Lの等価タイミングで示される位置であることが示される。
図4Pと図4Rより、左右画像信号の位相が一致し、ズレが生じていないことが示される。
【0058】
次に、ユーザが操作部9を操作して左画像信号の位相を変えた場合について説明する。ここでは、位相の変化量が“+150”で設定された例を示す。
【0059】
図4Sは、左画像制御アドレスの例を示す。
左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は、図4Eに示す左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)を、図4Lに示す等価タイミングの位置に合わせた例を示す。本例では、位相の変化量が“+150”に設定されたため、左画像アドレスは、585+150=735となる。
【0060】
図4Tは、左画像読出しアドレスのアドレス値の例を示す。
図4Sに示したように、左画像制御アドレス(LEFT_ADRS_CONTROL)は読出しカウンタを“735”から開始する。そして、読出しカウンタを“1”ずつカウントアップする。
【0061】
図4Uは、左画像信号の構成例を示す。
読出しタイミングが変わったことにより、図4Lに示す等価タイミングに対して、左画像信号(O_LEFT_DATA)の出力タイミングが遅れることが示される。
【0062】
図5は、表示部8に表示された左右画像の位相を調整する例を示す。
表示部8には、左画像21、右画像23に加えて、左画像21と右画像23を重畳した重畳画像22が表示される。ユーザは、操作部9として用いられるボリュームコントローラを“+”又は“−”方向に動かして左右画像の位相を調整する。
【0063】
図5A〜図5Eは、左画像21、右画像23を水平方向に移動させた場合の見え方の例を示す。
ここで、図中の「第1及び第2の元の位置」とは、左右画像信号の位相を合わせた状態における左右画像の両端の位置を示す。そして、位相調整部6は、操作部9によって指定された位相の変位量又はカメラから入力するメタデータを計算した値を表示部8に表示する制御を行う。「ズーム」とは、カメラのパラメータの一例であり、どのパラメータを可変すれば現在の基準面になるかを示している。本例では、左右画像の移動量が10ピクセルである場合に、カメラ1L,1Rのズーム設定を現在の設定値に対して“+3”したときの見え方と同じになることを示す情報が表示部8に表示される。また、パラメータを「距離」として、移動量10ピクセルが基準面を手前、または奥側にX「m」動くことをユーザーに通知してもよい。
【0064】
図5Aは、左画像21の表示例を示す。
図5Bは、右画像23の表示例を示す。
図5Cは、基準面における重畳画像22のうち、左画像21だけ移動した際の表示例を示す。
図5Dは、基準面における重畳画像22のうち、右画像23だけ移動した際の表示例を示す。
図5Eは、基準面における重畳画像22のうち、左画像21と右画像23を共に移動した際の表示例を示す。
なお、図5C〜図5Eは、左画像21と右画像23の位相が互いに合った状態としている。
【0065】
図5F〜図5Hは、基準面以外の場所における左画像21と右画像2を左に移動させた場合の見え方の例を示す。
図5Fは、左画像21を左に移動した際の表示例を示す。
このとき、第1の元の位置より左側には、左画像21が見える。そして、第2の元の位置の左側には、移動した左画像21に相当する範囲の右画像23が見える。
【0066】
図5Gは、右画像23を左に移動した際の表示例を示す。
このとき、第1の元の位置より左側には、右画像23が見える。そして、第2の元の位置の左側には、移動した右画像23に相当する範囲の左画像21が見える。
図5Hは、左画像21を左に移動し、右画像23を右に移動した際の表示例を示す。
左画像21と右画像23の移動方向は互いに逆であるが、移動量は等しい。このとき、奥行き効果を得ることができ、移動した左画像21と右画像23の距離を視差としている。
【0067】
図5I〜図5Kは、基準面以外の場所における左画像21と右画像2を右に移動させた場合の見え方の例を示す。
図5Iは、左画像21を右に移動した際の表示例を示す。
このとき、第2の元の位置より右側には、左画像21が見える。そして、第1の元の位置の右側には、移動した左画像21に相当する範囲の右画像23が見える。
【0068】
図5Jは、右画像23を右に移動した際の表示例を示す。
このとき、第2の元の位置より右側には、右画像23が見える。そして、第1の元の位置の右側には、移動した右画像23に相当する範囲の左画像21が見える。
図5Kは、左画像21を右に移動し、右画像23を右に移動した際の表示例を示す。
左画像21と右画像23の移動方向は互いに逆であるが、移動量は等しい。このとき、飛び出し効果を得ることができ、移動した左画像21と右画像23の距離を視差としている。
【0069】
次に、各部の処理例を説明する。
図6は、画像データの書込み処理の例を示す。
始めに、書込み部3は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS1)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0070】
電源がオンされていれば、書込み部3は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS2)。以下の説明において、クロックとは映像信号を処理するために使用するクロックを意味しており、例として立ち上がりエッジで動作する回路を前提にしている。
【0071】
クロックの立上がりエッジであれば、書込み部3は、以下の処理を行う(ステップS3)。すなわち、左画像メモリ5Lに左画像データ(I_LEFT_DATA)を左画像の書込み番地(WR_ADRS_LEFT)に保存する。一方、右画像メモリ5Rに右画像データ(I_RIGHT_DATA)を右画像の書込み番地(WR_ADRS_RIGHT)に保存する。
【0072】
図7は、画像データの読出し処理の例を示す。
始めに、読出し部7は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS11)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0073】
電源がオンされていれば、読出し部7は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS12)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0074】
クロックの立上がりエッジであれば、読出し部7は、以下の処理を行う(ステップS13)。すなわち、左画像メモリ5Lから読出し番地(RE_ADRS_LEFT)における左画像データ(I_LEFT_DATA)を読出す。一方、右画像メモリ5Rから右画像の読出し番地(RE_ADRS_RIGHT)における右画像データ(I_RIGHT_DATA)を読出す。
【0075】
図8は、書込みアドレスカウンタ(左画像書込みアドレスカウンタ11Lと右画像書込みアドレスカウンタ11Rの総称)が行うアドレスカウント処理の例を示す。
【0076】
始めに、書込みアドレスカウンタは、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS21)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0077】
電源がオンされていれば、書込みアドレスカウンタは、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS22)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0078】
クロックの立上がりエッジであれば、書込みアドレスカウンタは、以下の処理を行う(ステップS23)。すなわち、左画像書込みアドレスカウンタ11Lは、左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)をカウントアップし、このアドレス値を左画像メモリ5Lに出力する。一方、右画像書込みアドレスカウンタ11Rは、右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)をカウントアップし、このアドレス値を右画像メモリ5Rに出力する。
【0079】
図9は、アドレスサンプル部(左画像アドレスサンプル部12Lと右画像アドレスサンプル部12Rの総称)が行うアドレスサンプリング処理の例を示す。
【0080】
始めに、アドレスサンプル部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS31)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0081】
電源がオンされていれば、アドレスサンプル部は、タイミング(I_LEFT_TIMING又はI_RIGHT_TIMING)が“1”に等しいか否かを判断する(ステップS32)。タイミングが“1”に等しくない場合、アドレスサンプル部は、タイミングが“1”に等しくなるまで待つ。
【0082】
タイミングが“1”に等しければ、アドレスサンプル部は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS33)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0083】
クロックの立上がりエッジであれば、アドレスサンプル部は、以下の処理を行う(ステップS34)。すなわち、左画像アドレスサンプル部12Lは、左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)のアドレス値を、左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)として第2の加算部16L,17Lに出力する。一方、右画像アドレスサンプル部12Rは、右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)のアドレス値を、右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)として第2の加算部16Rと第1の加算部13Rに出力する。
【0084】
図10は、第1の加算部(第1の加算部13L,17Rを総称する。)が行う第2のアドレス出力処理の例を示す。
【0085】
始めに、第1の加算部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS41)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0086】
電源がオンされていれば、第1の加算部は、以下の処理を行う(ステップS42)。すなわち、第1の加算部13Lは、左画像アドレスサンプル部12Lから受け取った左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)と、固定遅延量(本例では、“512”)を加算する。そして、この加算値を、左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)として左画像読出しアドレスカウンタ17Lに出力する。
【0087】
一方、第1の加算部13Rは、右画像アドレスサンプル部12Rから受け取った右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)と、固定遅延量を加算する。そして、この加算値を、右画像加算アドレス(ADD_ADRS_RIGHT)として右画像読出しアドレスカウンタ17Rに出力する。
【0088】
図11は、比較部(比較部14L,18Rを総称する。)が行うアドレス比較処理の例を示す。
【0089】
始めに、比較部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS51)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0090】
電源がオンされていれば、比較部は、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS52)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0091】
クロックの立上がりエッジであれば、比較部は、以下の処理を行う(ステップS53)。すなわち、比較部14Lは、左画像書込みアドレスカウンタ11Lから入力する左画像書込みアドレス(WR_ADRS_LEFT)と、第1の加算部13Lから入力する左画像加算アドレス(ADD_ADRS_LEFT)を比較する。そして、これらのアドレスが等しければ、比較部は、等価タイミング(EQ_TIM)=1であると判断し、等しくなければ等価タイミング(EQ_TIM)≠1であると判断する。
【0092】
一方、比較部14Rは、右画像書込みアドレスカウンタ11Rから入力する右画像書込みアドレス(WR_ADRS_RIGHT)と、第1の加算部13Rから入力する右画像加算アドレス(ADD_ADRS_RIGHT)を比較する。そして、これらのアドレスが等しければ、比較部は、等価タイミング(EQ_TIM)=1であると判断し、等しくなければ等価タイミング(EQ_TIM)≠1であると判断する。
【0093】
図12は、第2の加算部(第2の加算部16L,16Rを総称する。)が行う第1のアドレス出力処理の例を示す。
【0094】
始めに、第2の加算部は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS61)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0095】
電源がオンされていれば、第2の加算部は、以下の処理を行う(ステップS62)。すなわち、第2の加算部16Lは、左画像アドレスサンプル部12Lから受け取った左画像読出し開始アドレス(RE_START_LEFT)と、遅延量制御部15から受け取った左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)を加算する。そして、この加算値を、左画像制御アドレス値(LEFT_ADRS_CONTROL)として左画像読出しアドレスカウンタ17Lに出力する。
【0096】
一方、第2の加算部16Rは、右画像アドレスサンプル部12Rから受け取った右画像読出し開始アドレス(RE_START_RIGHT)と、遅延量制御部15から受け取った右画像読出し遅延量(RE_RIGHT_DELAY)を加算する。そして、この加算値を、右画像制御アドレス値(RIGHT_ADRS_CONTROL)として右画像読出しアドレスカウンタ17Rに出力する。
【0097】
図13は、読出しアドレスカウンタ(左画像読出しアドレスカウンタ17L,右画像読出しアドレスカウンタ17Rを総称する。)が行う読出しアドレスカウントの例を示す。
【0098】
始めに、読出しアドレスカウンタは、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS71)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0099】
電源がオンされていれば、読出しアドレスカウンタは、クロックの立上がりエッジであるか否かを判断する(ステップS72)。クロックの立上がりエッジでない場合、クロックの立上がりエッジまで待つ。
【0100】
クロックの立上がりエッジであれば、読出しアドレスカウンタは、等価タイミング(EQ_TIM)=1であるか否か判断する(ステップSS73)。等価タイミング(EQ_TIM)=1である場合、読出しアドレスカウンタは、以下の処理を行う(ステップS74)。すなわち、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、左画像制御アドレス(LEFT ADRS_CONTROL)の値を、左画像読出しアドレス(RE_ADRS_LEFT)として出力する。一方、右画像読出しアドレスカウンタ17Rは、右画像制御アドレス(RIGHT ADRS_CONTROL)の値を、右画像読出しアドレス(RE_ADRS_RIGHT)として出力する。
【0101】
ステップS73の処理において、等価タイミング(EQ_TIM)≠1である場合、読出しアドレスカウンタは、以下の処理を行う(ステップS75)。すなわち、左画像読出しアドレスカウンタ17Lは、左画像読出しアドレス(RE_ADRS_LEFT)をカウントアップして出力する。一方、右画像読出しアドレスカウンタ17Rは、右画像読出しアドレス(RE_ADRS_RIGHT)をカウントアップして出力する。
【0102】
図14は、遅延量制御部15が行う左右画像信号の読出しを遅らせる制御の例を示す。
【0103】
始めに、遅延量制御部15は、信号処理装置10に電源がオンされたか否かを判断する(ステップS81)。電源がオンされていなければ、電源の入力を待つ。
【0104】
電源がオンされていれば、遅延量制御部15は、ユーザが操作部9を用いて、左画像と右画像を水平移動させる操作があったか否かを判別する(ステップS82)。水平移動させる操作がなければ、操作の入力を待つ。
【0105】
水平移動させる操作があれば、遅延量制御部15は、ユーザが設定した水平移動操作に応じて、左画像読出し遅延量(RE_LEFT_DELAY)又は右画像読出し遅延量(RE_RIGHT_DELAY)を設定する。そして、設定した読出し遅延量を第2の加算部16L,16Rに出力する(ステップS83)。
【0106】
図15に、左画像と右画増を水平移動させた場合の表示例を示す。
図15Aは修正前の3Dモニタ表示を示している。
図15Aを2Dモニタで表示させたならば、図15Dの様に映る。四角形と円形の2つの被写体が映っていて、3Dモニタ表示では左画像21と右画像23が映り、両者には視差31がある。
【0107】
図15Bは、図15Aの四角形で示した被写体のみ、奥行き効果によって遠くに見せようとした場合の結果の3Dモニタ表示を示している。このように、視差を広げる修正を加えれば、3Dモニタを見るユーザは被写体が画面の奥にあるように感じることができる。ここで問題になるのは、どれくらい視差を広げれば、意図していた奥行き感を出せるか、ということを知るか、ということである。
【0108】
図15Eに従来の方法を示す。
従来は、遠くにみせたい被写体のデータを修正して図15Eのような表示にしてそれを確認するという作業を行っていた。いちいちデータの修正を行い、その都度確認することになるため、確認作業に時間がかかっていた。
【0109】
図15Cに、本発明での方法を示す。
本発明の機能を使い、全ての被写体の視差を広げてしまい、図15Fに示したように、修正を加えたい四角形の被写体のみに着目し、円形の被写体は無視して奥行き効果を確認する。そして、視差量が決まった後に、被写体のデータを修正する。このようにして、ユーザは簡単な操作で実際に奥行き効果を感じた上で適切に被写体のデータを修正できるため、視差を修正する処理を早く終えることができる。
【0110】
以上説明した本実施の形態に係る信号処理装置10によれば、2台のカメラ1L,1Rから入力する左右画像信号の位相を制御することにより、表示部8に表示した左右画像に視差を作って3D効果のシミュレーションを行うことが出来る。このため、ユーザは、操作部9を操作して、視差の変更による画像の変化を容易に確認することができる。このとき、どれほどの視差距離の変更を行えば、意図した効果が出せるか、ということを簡易的に実現できるため、コンテンツ制作時の撮影時間を大幅に短くすることが可能となるという効果がある。
【0111】
また、画面表示がモニタでの視差値を加えたものである場合、「シミュレーション状態」であることを示す画面表示を行う。表示している画像データに視差メタデータがある場合、それを表示し、加えてシミュレーションで与えた視差値も画面表示する。このため、左右画像の移動量に対する視差の変化を容易に認識しやすくなり、視差を適切に付けることができるという効果がある。
【0112】
また、ある視差で撮影された左右画像を、後処理としての視差調整を行うための、試験的に簡単な処理で表せて変更後の効果を確認できる。このとき、左右どちらかの画像は不動としてもう片方を水平移動させる場合と、両者を共に水平方向反対向きに移動させてもよい。また、調整という意味合いではなく、ある特定の被写体に対して積極的に撮影時よりも視差を付けたり、減らしたりすることが可能である。
【0113】
また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、信号処理装置10に供給してもよい。また、信号処理装置10が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
【0114】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0115】
また、信号処理装置10が読出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、信号処理装置10上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0116】
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0117】
1L,1R…カメラ、3…書込み部、5L…左画像メモリ、5R…右画像メモリ、6…位相調整部、7…読出し部、8…表示部、9…操作部、10…信号処理装置、11L…左画像書込みアドレスカウンタ、11R…右画像書込みアドレスカウンタ、12L…左画像アドレスサンプル部、12R…右画像アドレスサンプル部、13L,13R…第1の加算部、14L,14R…比較部、15…遅延量制御部、16L,16R…第2の加算部、17L…左画像読出しアドレスカウンタ、17R…右画像読出しアドレスカウンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部と、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力する位相調整部と、を備える
信号処理装置。
【請求項2】
前記位相合せ部は、
書込み部が左画像メモリに書き込む前記左画像信号の書込みアドレス、及び右画像メモリに書き込む前記右画像信号の書込みアドレスをカウントする書込みアドレスカウンタと、
前記書込みアドレスに基づいて、読出し部が前記左画像メモリから前記左画像信号を読出し、前記右画像メモリから前記右画像信号を読出すための読出し開始アドレスを求めるアドレスサンプル部と、
前記左画像信号及び右画像信号の位相の可変量に基づいて決められた固定遅延量及び前記読出し開始アドレスを加算した加算アドレスを出力する第1の加算部と、
前記書込みアドレス及び前記加算アドレスを比較し、前記書込みアドレスにおける前記加算アドレスの位置を、前記左画像信号及び右画像信号の位相が一致する等価タイミングとして出力する比較部と、を備え、
前記位相調整部は、
前記操作部の入力操作に基づいて、前記左画像メモリから読出す前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出す前記右画像信号の読出し遅延量を制御する遅延量制御部と、
前記読出し遅延量及び前記読出し開始アドレスを加算して、前記左画像メモリから読出す前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出す前記右画像信号の読出し位置を制御する制御アドレスを出力する第2の加算部と、
前記等価タイミング及び前記制御アドレスに基づいて、前記読出し部が前記左画像メモリから読出す前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出す前記右画像信号の読出しアドレスをカウントする読出しアドレスカウンタと、を備える
請求項1記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記位相調整部は、前記操作部によって指定された位相の変位量又は前記カメラから入力するメタデータを前記表示部に表示する制御を行う
請求項1又は2記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記左画像メモリから読出された前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出された前記右画像信号に基づいて、前記被写体を3次元表示する3次元モニタである
請求項3記載の信号処理装置。
【請求項5】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせるステップと、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力するステップと、を含む
信号処理方法。
【請求項6】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部と、
前記左画像信号及び右画像信号によって左画像及び右画像を表示する表示部と、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力する位相調整部と、を備える
表示装置。
【請求項7】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる手順、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力する手順と、を
コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部と、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力する位相調整部と、を備える
信号処理装置。
【請求項2】
前記位相合せ部は、
書込み部が左画像メモリに書き込む前記左画像信号の書込みアドレス、及び右画像メモリに書き込む前記右画像信号の書込みアドレスをカウントする書込みアドレスカウンタと、
前記書込みアドレスに基づいて、読出し部が前記左画像メモリから前記左画像信号を読出し、前記右画像メモリから前記右画像信号を読出すための読出し開始アドレスを求めるアドレスサンプル部と、
前記左画像信号及び右画像信号の位相の可変量に基づいて決められた固定遅延量及び前記読出し開始アドレスを加算した加算アドレスを出力する第1の加算部と、
前記書込みアドレス及び前記加算アドレスを比較し、前記書込みアドレスにおける前記加算アドレスの位置を、前記左画像信号及び右画像信号の位相が一致する等価タイミングとして出力する比較部と、を備え、
前記位相調整部は、
前記操作部の入力操作に基づいて、前記左画像メモリから読出す前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出す前記右画像信号の読出し遅延量を制御する遅延量制御部と、
前記読出し遅延量及び前記読出し開始アドレスを加算して、前記左画像メモリから読出す前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出す前記右画像信号の読出し位置を制御する制御アドレスを出力する第2の加算部と、
前記等価タイミング及び前記制御アドレスに基づいて、前記読出し部が前記左画像メモリから読出す前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出す前記右画像信号の読出しアドレスをカウントする読出しアドレスカウンタと、を備える
請求項1記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記位相調整部は、前記操作部によって指定された位相の変位量又は前記カメラから入力するメタデータを前記表示部に表示する制御を行う
請求項1又は2記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記左画像メモリから読出された前記左画像信号及び前記右画像メモリから読出された前記右画像信号に基づいて、前記被写体を3次元表示する3次元モニタである
請求項3記載の信号処理装置。
【請求項5】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせるステップと、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力するステップと、を含む
信号処理方法。
【請求項6】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる位相合せ部と、
前記左画像信号及び右画像信号によって左画像及び右画像を表示する表示部と、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力する位相調整部と、を備える
表示装置。
【請求項7】
人間の両目の間隔に合わせて配置され、同一の被写体を撮像する2台のカメラから入力する左画像信号及び右画像信号の位相を合わせる手順、
操作部によって指定された位相の変位量に基づいて、水平方向における前記左画像信号及び/又は右画像信号の位相を変えることにより、前記左画像信号及び右画像信号によって表示部に表示される左画像及び右画像の両方又はいずれかの画像を、水平方向に所定の距離で移動させて、前記左画像及び右画像の視差を変えた前記左画像信号及び右画像信号を出力する手順と、を
コンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−223214(P2011−223214A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88957(P2010−88957)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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