説明

個々のパウチを供給するための格納容器

格納容器3、3a、3b、3cが、個々のパウチ1、1aのスタックが配置される内部空間を画定する外箱2、2a、2b、3cを備える。個々のパウチは、製品、たとえば、シンフィルムストリップFSを容れ、スタックから個別に取り外されるポケット10を有する。外箱2、2a、2b、2cが、パウチ1、1aへアクセスを防止する/可能にするクロージャ26、26a、26b、26cを備え、パウチをスタックから取り外す際にポケット10へのアクセスを可能にするように、パウチ1、1aと相互作用する手段20、20a、20b、20cを備える。パウチとの相互作用のための手段20、20a、20b、20cが、パウチ1、1aをスタックから取り外す際、パウチが長手方向延長部の本質的な部分に沿って開かれ、外箱2、2a、2b、2cから完全に取り外され、パウチ1、1aの残りの部分が外箱内に残らない構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、1つまたは複数のシンフィルムストリップ、たとえば、薬のフィルムストリップなどの製品を容れる個々のパウチの供給を扱う。より具体的には、本発明は、その内部空間内に個々のパウチのスタックが配置されている外箱を備える、格納容器を扱う。本発明のさらなる態様は、外箱、ならびに外箱内に含まれている個々のパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品が、個々の1回使用量単位で処方されることができる。特に、パーソナルケア製品は、たとえば、飲み込まれるタブレットまたはカプセルとして、口腔内で溶解させるトローチまたは溶解可能なフィルムのストリップとして、または外傷を治療するための生体粘着性のフィルム組成のストリップとして形成されることができる。パーソナルケア製品以外の例はまた、口腔内で溶解させる可溶性のペパーミントストリップなどで知られている。各1回投与量が、他のものから分離されること、すなわち、1回投与量が、同じビンまたはバイアル内に保持されてはならない、または全部保持されるべきではないことが重要である、または望ましいことがある。このことは、たとえば、製剤が、湿度によって有害な影響を受ける可能性がある(たとえば、製剤が吸湿性である)場合、そうである。また1回使用量の形態は、1つのみの単位が処方されたときに、患者が容易にかつ知らずに、一度に2つの1回使用量単位を取る可能性があるような場合、1回投与量をそれぞれ個別に包装することが望ましい。
【0003】
これらの要求に対処する格納容器が、当技術分野ですでに知られている。このような格納容器に対する一例が、米国特許第6,708,826(B1)号明細書に記載されている。そこに開示されている格納容器は、底部部分、および底部部分にヒンジで取り付けられた2つの蓋部分から成る外箱を備える。底部部分および2つの蓋部分によって画定された内部空間内に、個々のパウチのスタックが、配置される。個々のパウチはそれぞれ、パウチ部分およびタブ部分を備える。各タブ部分は、直立した支柱によってそれぞれ貫通されている2つの孔を備える。個々のパウチのスタック全部のタブ部分が、外箱の2つの蓋のうちの1つによって押さえ付けられる。個々のパウチそれぞれのタブ部分とパウチ部分の間に、パウチ部分がタブ部分から剥ぎ取られることを可能にする、事前に設定された引裂き線がある。したがって、人がパウチの各自由端を把持し、かつそれをタブ部分から剥ぎ取ることが、可能である。パウチ部分をタブ部分から剥ぎ取っている間、ポケットが、引裂き線に沿って自動的に開かれてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引裂き線が、ポケットの横方向に走っているため、比較的に小さい寸法の開口が作成されるためにポケット内に含まれている製品にアクセスすることは困難である可能性がある。この理由で、パウチ内に含まれている製品へのアクセスを簡便に得るために、さらに長手方向に走っている事前に設定された引裂き線に沿って、パウチ部分を手でちぎることが、追加で示唆される。残念ながら、このことは、使用者にとって不都合である、追加の別個の操作ステップを必要とする。さらなる欠点は、個々のパウチのタブ部分が、常に外箱内に留まり、したがって、これらのタブ部分が、いったんすべてのパウチ部分がスタックから取り外された後、別個に廃棄されなければならないことである。別の欠点は、一番上のパウチから始めて、より多くのパッケージがスタックから取り外されるほど、上側のパウチの残っているタブ部分がそれより下のパウチを押さえるため、パウチのそれより下のものを把持することが、より難しくなることである。
【0005】
したがって、この不都合を克服すること、および従来技術の包装概念の上述の欠点を回避することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、格納容器を目的とする独立請求項の特徴によって特徴付けられるような格納容器によって達成される。格納容器の好ましい実施形態は、各従属請求項の主題である。パウチに関する限り、この目的は、パウチを対象とする独立請求項の特徴によって特徴付けられるようなパウチによって達成される。パウチの好ましい実施形態は、各従属請求項の主題である。最後に、外箱に関する限り、この目的は、箱を対象とする独立請求項の特徴によって特徴付けられるような箱によって達成される。箱の好ましい実施形態は、各従属請求項の主題である。
【0007】
特に、本発明による格納容器は、個々のパウチのスタックが配置される内部空間を画定する外箱を備える。個々のパウチはそれぞれ、製品、たとえば、薬のフィルムストリップなどの1つまたは複数のシンフィルムストリップを容れるポケットを有する。個々のパウチは、スタックから個別に取り外されるように設計されている。外箱が、個々のパウチへのアクセスを防止する/可能にするためのクロージャを備え、かつ、パウチをスタックから取り外す際に個々のパウチのポケットへのアクセスを可能にするような方式で、パウチと相互作用するための手段をさらに備える。パウチと相互作用するための手段が、パウチをスタックから取り外す際、パウチが、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放され、かつ外箱から完全に取り外され、パウチの残りの部分が外箱内に残らないように構成されている。
【0008】
したがって、個々のパウチのいかなる部分も外箱内に保持されることなく、パウチ全体をスタックから取り外すことが可能である。結果として、いったんすべてのパウチが箱から取り外された後、いずれかの残りのパウチを別個に廃棄することはもはや必要ない。また、構成要素の廃棄材料(たとえば、パウチのためのポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、外箱のためのポリプロピレン)の選択的な分別が可能であり、したがって、廃棄物管理をさらに改善する。また、パウチがその長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放されるため、製品、たとえば薬のフィルムストリップを容れるポケットが、製品へのアクセスを簡便に可能にする程度まで開放される。さらに重要な利点は、個々の一番上のパウチが常に、外箱から完全に取り外され、タブ部分が外箱内に残らないため、個々の一番上のパウチを把持し、かつそれを外箱から取り外すことが容易にされる。
【0009】
本発明による格納容器の好ましい実施形態では、外箱が、底部、2つの側壁、任意選択の端部壁、蓋、およびクロージャが開いているときパウチへのアクセスを可能にする開端部を備える。パウチと相互作用するための手段が、外箱の開端部に近接する領域内の外箱の底部上に配置された直立した支柱を備える。直立した支柱が、パウチのそれぞれの端部領域内に設けられた孔を通って延びる。この実施形態は製造することが容易であり、かつ取り扱うことも同様に容易である。
【0010】
直立した支柱が、好ましい実施形態では、パウチの長手方向延長部の方向に面している尖った縁部を有する。このことは、取外し中にパウチが裂けることを容易にする。
【0011】
本発明による格納容器のさらに好ましい実施形態では、クロージャが、外箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている。このことは、外箱内に含まれている個々のパウチへのアクセスを得るために、外箱を容易に開閉することを可能にする。
【0012】
格納容器の別の実施形態によると、クロージャが、外箱とは別個に製造された部片であり、横方向に配置されたヒンジを用いて外箱の残りの部分に枢動自在に取り付けられている。別法として、クロージャが、外箱の残りの部分と一体に形成され、かつ一体蝶番によって箱の開端部の縁部に取り付けられた部片である。両任意選択は、製造することが比較的容易である。
【0013】
本発明による格納容器のさらに好ましい実施形態では、クロージャならびに外箱の残りの部分が共に、パウチへのアクセスを防止するようにクロージャをロックされた状態に保持すること、およびパウチへのアクセスを可能にするためにクロージャを解放することを可能にする、相互係合手段を備える。このことは、意図的でない開放またはロック解除に対する格納容器の安全性を改善する。
【0014】
好ましくは、クロージャならびに外箱の残りの部分が共に、複数の相互係合手段のすべてが操作されたときにのみ、クロージャがロックされた状態から解放可能であるように構成されている、複数の空間的に分離された相互係合手段を備える。このことは、意図的でない開放またはロック解除に対する格納容器の安全性をさらに改善し、かつ特に良好な小児安全性を提供する。
【0015】
たとえば、複数の相互係合手段が、複数の相互係合手段のすべてが同時に操作されたとき、クロージャがロックされた状態から解放可能であるように構成されてもよい。この実施形態は、製造するのが容易であり、特に良好な小児安全性を提供する格納容器の例である。
【0016】
特に、上記で説明された相互係合手段の実施形態は、解放可能なスナップ嵌めを備える。
【0017】
本発明による格納容器のさらに好ましい実施形態では、蓋ならびにクロージャが共に、アクセスを防止するためにクロージャをロックされた状態に保持すること、および箱の内部空間へのアクセスを可能にするためにクロージャを解放することを可能にする、追加の相互係合手段を備える。このような相互係合手段は、意図的でない開放またはロック解除に対する格納容器の安全性をさらに改善し、かつ特に、優れた小児安全性を提供する。
【0018】
好ましくは、蓋が、クロージャを蓋から解放するために圧力を加えるために、使用者の指を受けるための受け手段を備える。このようにして、使用者が蓋を正しい位置で押すことが保証されることができ、クロージャをロックされた状態から容易に解放することを可能にする。
【0019】
箱がロックされた状態にあるときクロージャの縁部と隣接して配置されている蓋の縁部が、好ましくはクロージャの縁部の上方に突き出す。このことは、箱が複数回開閉された場合、箱の適切な閉鎖を保証する。特に、このことは、箱を繰り返し使用することによって蓋とクロージャの縁部の間に隙間が発生することを防止する。このような隙間は、クロージャの蓋からの意図的でない解放を結果として生じさせ、小児安全性の劣化に至ることがある。
【0020】
本発明による格納容器のさらに好ましい実施形態では、外箱の蓋が、外箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている。このことは、簡単な方式で箱の蓋を開けること、および個々のパウチのスタックを挿入することによって外箱を「装填」することを可能にする。外箱が次に、容易に再び閉じられることができ、かつ使用のために準備される。特に、蓋が、箱の残りの部分と一体に形成され、かつ一体蝶番を介して端部壁の縁部に取り付けられる。これは、製造を容易にする実施形態である。
【0021】
本発明による格納容器のさらなる実施形態では、その開端部での外箱ならびにそれらの各端部でのパウチの両方が、パウチが直立した支柱が配置されているその側で露出されるように形成されている。このようにして、使用者が、支柱が配置されているその側のパウチへのアクセスを有して、それを把持し、それを外箱から引き出す。このことは、使用者がパウチを箱から取り出すために、必要とされる最小の力が加えられなければならない位置でパウチを把持し、引っ張り、一方それと同時に(支柱のパウチとの相互作用によって)開けるため、個々のパウチの取外しを容易にする。
【0022】
パウチを外箱から取り外すために彼/彼女がパウチを引くことを使用者に示すために、本発明による格納容器のさらに好ましい実施形態では、個々のパウチが、パウチが外箱から引き出される方向を示すその上部側面上に標示(たとえば、矢印)を有する。
【0023】
個々のパウチに関する限り、本発明によるパウチは、製品、たとえば、薬のフィルムストリップなどの1つまたは複数のシンフィルムストリップを容れる。パウチが、製品を収容するためのポケットを形成するように互いに接続された上側シートおよび下側シートを備える。さらに、パウチが、ポケットの外側にかつパウチの長手方向端部に近接して配置された孔をさらに備える。孔が、パウチをその長手方向端部で引く際に、パッケージが、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って、かつその対向して配置された長手方向端部を通って裂けるようにパウチと相互作用するための手段を収容するように構成されている。上記で述べたように、パウチは、各相互作用手段(たとえば支柱など)と相互作用したとき、パウチがその長手方向延長部の本質的な部分に沿って裂けるため、ポケット内に含まれている製品に簡便にアクセスすることを可能にする。また、パウチの部分は、外箱内に残らず、むしろパウチ全体が、完全に外箱から取り外される。
【0024】
裂けることを容易にするために、本発明によるパウチの好ましい実施形態は、孔からパウチの長手方向に延び、事前に設定された引裂き線に沿ってパウチを裂けさせる、事前に設定された引裂き線をさらに備える。
【0025】
さらなる特定の実施形態では、使用者が相互作用手段(たとえば支柱)に長円形の孔の端部でパウチと係合させ、パウチを裂け始めさせるようにパウチを引っ張ることができるように、孔が、その長手方向端部の1つが事前に設定された引裂き線に直接隣接して配置されている長円形の孔である。裂けることをさらに容易にするために、孔、たとえば長円形の孔が、本引裂き線と隣接して配置されたその端部に設けられ、スリットが、事前に設定された引裂き線に向かう方向に延びている。
【0026】
パウチのさらなる実施形態では、孔、たとえば長円形の孔が、事前に設定された引裂き線の方向に対して横方向に延びる追加のスリットを備え、それによって、これが望ましいと判明した場合パッケージが横方向に走る線に沿って裂けることを可能にする。
【0027】
事前に設定された引裂き線が、スコーリングによって、たとえば、レーザースコーリングによって製造されてもよい。これらは、当分野で十分に確立されている技術である。
【0028】
シンフィルムストリップなどのパウチのポケット内に含まれている製品が、パウチを裂けさせる際に損傷されることを防ぐために、本発明によるパウチのさらなる実施形態は、パウチの上側および下側シートが接続されている(たとえば、密封されている)所に(すなわちその接続領域に)、引裂き線に沿った追加の接続領域を備えることができる。このことは、シンフィルムストリップなどの製品が、パウチが裂けている間に損傷されることができないように、事前に設定された引裂き線から離れたある距離でポケット内に常に配置されることを確実にする。
【0029】
箱に関する限り、本発明による箱は、前に説明されたような個々のパウチのスタックを収容するための内部空間を画定する。箱は、底部、2つの側壁、任意選択の端部壁、蓋、および、クロージャが開いているとき箱の内部空間へのアクセスを可能にする開端部を備える。さらに、箱は、箱の開端部に近接する領域内の箱の底部上に配置された直立した支柱を備える。支柱が、パウチの長手方向端部を箱から引き出したとき、支柱が、パウチをパウチの長手方向に裂けさせ、それによって個々のパウチをスタックから取り外し、パウチのポケットへのアクセスを可能にするように、各パウチの孔を通って延びるように配置されている。このような箱の利点は、格納容器およびパウチに関して上記ですでに説明されており、したがってここでは繰り返されない。
【0030】
本発明による箱の好ましい実施形態では、直立した支柱が、箱の開端部と反対の方向に面している尖った縁部を有する。このことは、さらに上記ですでに説明されたように、パウチを裂くことを容易にする。
【0031】
本発明による箱のさらなる実施形態によると、クロージャが、箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている。これを達成するためのある方法は、箱とは別個に製造された部片であり、かつ横方向に配置されたヒンジを用いて箱の残りの部分に枢動自在に取り付けられているクロージャを使用することである。これを達成するための別の方法は、箱の残りの部分と一体に形成された部片であり、かつ一体蝶番によって開端部の縁部に取り付けられているクロージャを使用することである。
【0032】
本発明による箱のさらなる実施形態では、クロージャならびに箱の残りの部分が共に、アクセスを防止するためにクロージャをロックされた状態に保持すること、および箱の内部空間ヘのアクセスを可能にするために解放することを可能にする、相互係合手段を備える。このことは、技術的に簡単であり、かつ他方では、意図的でない箱の開放を回避するための信頼性の高い方法である。
【0033】
好ましくは、クロージャならびに箱の残りの部分が共に、複数の相互係合手段のすべてが操作されたときにのみ、クロージャがロックされた状態から解放可能であるように構成されている、複数の空間的に分離された相互係合手段を備える。このことは、意図的でない開放またはロック解除に対する格納容器の安全性をさらに改善し、かつ特に、良好な小児安全性を提供する。
【0034】
たとえば、複数の相互係合手段が、複数の相互係合手段のすべてが同時に操作されたとき、クロージャがロックされた状態から解放可能であるように構成されている。この実施形態は特に良好な小児安全性を提供する、製造することが容易な格納容器の例である。
【0035】
特に、上記で説明された相互係合手段の実施形態は、解放可能なスナップ嵌めを備える。
【0036】
本発明による箱のさらなる好ましい実施形態では、蓋ならびにクロージャが共に、アクセスを防止するためにクロージャをロックされた状態に保持すること、および箱の内部空間へのアクセスを可能にするためにクロージャを解放することを可能にする追加の相互係合手段を備える。このような相互係合手段は、意図的でない開放またはロック解除に対する格納容器の安全性をさらに改善し、かつ特に、優れた小児安全性を提供する。
【0037】
好ましくは、蓋が、クロージャを蓋から解放するために圧力を加えるために、使用者の指を受けるための受け手段を備える。このようにして、使用者が蓋を正しい位置で押すことが保証されることができ、クロージャをロックされた状態から容易に解放することを可能にする。
【0038】
箱がロックされた状態にあるときクロージャの縁部と隣接して配置されている蓋の縁部が、好ましくはクロージャの縁部の上方に突き出す。このことは、箱が複数回開閉された場合でさえも、箱の適切な閉鎖を保証する。特に、このことは、箱を繰り返し使用することによって蓋とクロージャの縁部の間に隙間が発生することを防止する。このような隙間は、クロージャの蓋からの意図的でない解放を結果として生じさせ、小児安全性の劣化に至ることがある。
【0039】
上記ですでに議論されたように、箱の蓋が、箱の残りの部分にヒンジで取り付けられ、このようにして、パウチのスタックを挿入することによって外箱を「装填」することを容易にする。蓋が、箱の残りの部分と一体に形成され、かつ一体蝶番を介して端部壁の縁部に取り付けられてもよい。
【0040】
他の有利な実施形態が、図面の助けによって、本発明による格納容器、パウチおよび箱の実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1は、たとえばヒートシールによって互いに接続された上側シートおよび下側シートを本質的に備える、パウチ1の実施形態を示している。パウチの密封された領域が、図1で黒く示されており、その中に水溶性の薬のシンフィルムストリップFSなどの製品が含まれることができる、ポケット10を画定している。図1に示されているように、パウチ1は、それを通って外箱2の支柱20(図3参照)が延びる孔、たとえば長円形の孔11を備える。長円形の孔11は、図1に示されている形状以外の形状も有してもよい、たとえば、形状が矩形などであってよい。この孔は、パウチが簡単な方式で把持されること、およびパウチが裂け始める前に、短い距離だけ箱から引き出されることを可能にする。長円形の孔11が、図2で拡大図に示されており、その図から、ポケット10の隣の長円形の孔11の長手方向端部の所に、長手方向に延びるスリット110があり、一方、そこから横方向に延びるスリット111もあることが、見ることができる。図1から見ることができるように、たとえばレーザースコーリングによって製造されることができる、事前に設定された引裂き線12が設けられている。また、パウチ1の上端部で、矢印13がパウチ1の表面上に設けられ、彼/彼女が外箱2からパウチ1を引き出さなければならないことを使用者に示している。パウチ1を矢印13の方向へ引っ張っている間に、パウチ1が、事前に設定された引裂き線12に沿って裂ける。長円形の孔11の長手方向端部に配置されたスリット110が、パウチ1の裂けの開始を容易にすることを可能にする。図1で見ることができるように、ポケット10内に含まれている製品、たとえば、シンフィルムストリップFSが、パウチが裂けるときに損傷されることを防止するために、追加の接続領域14が、事前に設定された引裂き線12に沿って設けられてもよい。というのは、接続領域により、製品、たとえばシンフィルムストリップFSが、事前に設定された引裂線12から離れた距離でポケット10内に配置されることが確実になるからである。
【0042】
図4は、箱2が、以下でより詳細に説明されるように、パウチ1のスタックのための格納容器の外箱として働く、本発明による箱2の第1の実施形態を示している。箱2は、底部21(図5参照)、2つの側壁22および23、端部壁24(一般に不可欠なものではないが、説明された実施形態では存在している)、蓋25およびクロージャ26を備える。クロージャ26が開いているとき(図7参照)、開端部27が画定され、それを通って、使用者が、パウチ1a(波形形状のパウチが「1a」と称されるが、これらは、矩形形状のパウチ1と極めて類似している)が配置されている、箱の内部空間へのアクセスを得ることができる。
【0043】
図4に戻ると、箱2は、ロックされた状態にある。箱2をロックされた状態に保持するために、相互係合の手段が、クロージャ26に、および側壁22、23内に同様に設けられている。これらの相互係合手段は、クロージャ26に弾力的に取り付けられた2つのカム260、ならびに側壁22および23内の2つの孔220および230を備える。クロージャ26は、箱と一体に形成され、かつ一体蝶番28によって箱2の開端部27で、底部21の縁部に取り付けられている。尖った縁部200を有する直立した支柱20が、底部21から延びている。端部壁24の所で、蓋25が、さらなる一体蝶番29を用いて取り付けられている。
【0044】
外箱2、ならびに1つまたは複数の、好ましくは個々のパウチ1aのスタックを含む格納容器3を形成するように外箱2を「装填する」ために、外箱2が、図5にこれが示されているように、完全に開けられる。次に、パウチのスタック1aが、図6にこれが示されているように、箱2の中に挿入される。装填を完了した後、箱2の底部21上に設けられた直立した支柱20が、パウチ1aの長円形の孔11を通って延びる。
【0045】
いったん個々のパウチ1aのスタックが挿入された後(図6参照)、蓋25が、一体蝶番29の周りに枢動されて、閉じられる。このことが図7に表されており、クロージャ26はまだ開いている。蓋が、閉じられた状態で解放可能に保持されることを可能にするために、弾力性のカム251(図5および図6参照)が、蓋25の所に設けられ、かつ対応する溝(図示せず)および231が、弾力性のカム251を収容するために側壁22、23内に設けられる。また、小さいペグ252が、直立した支柱20の上部表面内に設けられたそれぞれの孔202内へ嵌合し、このようにして、蓋25が閉鎖されるとき、蓋25の箱の残りの部分に対する正確な位置決めを助け、さらにパウチ1aが、直立した支柱20上端部と蓋25の間で確実に「逃げられない」ようにするために蓋25から延びている。
【0046】
図7に示されている位置では、パウチ1aのスタックを含んでいる外箱2を備える格納容器3は、いつでも使用できる。図7で見ることができるように、パウチ1aならびに外箱2の両方が、その開いた27端部で、波形形状を有するが、しかし、パウチ1aの波形は、外箱2の波形と反対である。このことは、直立した支柱20が外箱2内に配置されている側で、パウチ1aをその長手方向端部で露出させる働きをし、それにより個々のパウチ1aをそれが露出された位置で把持することにより、単一の個々のパウチ1aを外箱2から取り外すことが容易になる。一番上に位置されたパウチ1aを把持し、かつそれを箱から引き出したときに、直立した支柱20が、パウチ1aを、事前に設定された引裂き線12に沿って、すなわちパウチ1aの長手方向延長部の方向に裂けさせる。パウチ1aが、このようにして、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放され、したがって、パウチ1aのポケット内に含まれているフィルムストリップFSへの簡便なアクセスを可能にする(図1と同様)。また、パウチ1aは、外箱2から完全に取り外され、パウチの残りが外箱2内に保持されない。
【0047】
パウチ1aを外箱2から取り外した後、外箱2が再び閉じられてもよい。このことは、クロージャ26を、一体蝶番28の周りに枢動させて、図4に示されている閉じられた位置へ戻すことによって行われる。外箱2が閉じられたロックされた状態にあるとき、弾力的に取り付けられたカム260が、孔220および230内へ折れ、このようにしてクロージャ26をその位置に保持し、かつパウチ1aが配置されている箱2の内部空間への意図的でないアクセスを防止する。
【0048】
本発明による箱の、および本発明による格納容器の第2の実施形態が、図8〜11を参照にしてここで説明される。使用される符号は、第1の実施形態のものとほぼ同様であるが、各符号が格納容器または箱の第2の実施形態に属することを識別するために、「a」という文字が追加される。したがって、図8および図9は、底部21a、2つの側壁22aおよび23a、端部壁24a、蓋25aおよびクロージャ26aを備える外箱2aを示している。図9から見ることができるように、クロージャ26aは、小さい軸28aおよびクロージャ26aと一体に形成されたそれぞれのスリーブ261aを用いて箱2aの残りの部分に枢動自在に取り付けられる、別個に製造された部片である。
【0049】
図8に戻ると、箱2aは、ロックされた状態にある。箱2aをロックされた状態に保持するために、2つのカム260aが、クロージャ26aに弾力的に取り付けられている。2つの孔250aおよび210aが、それぞれ、蓋25aおよび底部21a内に設けられている(カムおよび孔がそれぞれ、横方向に配置されたスナップ嵌め相互係合を形成するように取り付けられている、第1の実施形態とは違う)。尖った縁部200aを有する直立した支柱20aが、底部21aから延びている。端部壁24aの所で、蓋25aが、さらなる一体蝶番29a(図9参照)を用いて取り付けられている。
【0050】
1つまたは複数の、好ましくはパウチ1aのスタックを含む外箱2aを備える格納容器3aを形成するように外箱2aを「装填」するために、図9に示されているように、外箱2aが完全に開けられる。リブ222aおよび232aが、それぞれ側壁22aおよび23aに設けられ、これらが、一方では箱2aの追加の安定性を、他方では外箱2a内へのパウチ1aの潤滑な中央への挿入を提供する。次に図10に示されているように、パウチ1aのスタックが箱2aの中に挿入される。装填の後、箱2aの底部21a上に設けられた直立した支柱20aが、パウチ1aの長円形の孔11を通って延びる。
【0051】
いったんパウチ1aのスタックが挿入された後(図10参照)、蓋25aが、一体蝶番29aの周りに枢動されて、閉じられる。このことが図11に表されており、クロージャ26はまだ開いている。蓋25aが、閉じられた状態で解放可能に保持されることを可能にするために、弾力性のカム251(図9および図10参照)が、蓋25aの所に設けられ、かつ対応する溝221a(図示せず)および231aが、カム251aを収容するために側壁22aおよび23a内に設けられる。また、小さいペグ252aが、直立した支柱20aの上部表面内に設けられたそれぞれの孔202a内へ嵌合し、このようにして、蓋25aが閉鎖されるとき、蓋25aの箱の残りの部分に対する正確な位置決めを助け、さらにパウチ1aが、直立した支柱20a上端部と蓋25aの間で確実に「逃げられない」ようにするために、蓋25aから延びている。また、小さな終端スリーブ253aが、クロージャ26aが「逃げる」可能性があることを回避するように、蓋25aを閉めるとき、軸28aの上端部を収容する蓋25a一体に形成される。
【0052】
図11に示されている位置では、パウチ1aのスタックを含んでいる外箱2aを備える格納容器3が、いつでも使用できる。図11で見ることができるように、パウチ1aならびに外箱の両方が、その開端部で、波形形状を有するが、しかし、パウチ1aの波形は、外箱2aの波形と反対である。このことは、パウチ1aをその長手方向端部で、かつ直立した支柱20aが外箱2a内に配置されているその側で、露出させる働きをし、それによりパウチ1aをそれが露出された位置で把持することにより、パウチ1aを外箱2aから取り外すことが容易になる。容易に理解されるように、外箱2aの波形形状が、パウチ1aの波形形状の反対であることが必ずしも不可欠ではない。意図するものは、単に、直立した支柱20aが配置されるその側で、パウチ1aを露出させることである。一番上に位置されたパウチ1aを把持し、かつそれを箱2aから引き出す際に、直立した支柱20aが、パウチ1aを、事前に設定された引裂き線12に沿って、すなわちパウチ1aの長手方向延長部の方向に裂けさせる。パウチ1aが、このようにしてその長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放され、したがって、パウチ1aに含まれているフィルムストリップFSへの簡便なアクセスを可能にする(図1参照)。また、パウチ1aは、外箱2aから完全に取り外され、パウチの残りが外箱2a内に保持されない。
【0053】
パウチ1aを外箱2aから取り外した後、外箱2aが再び閉じられ、再びロックされてもよい。このことは、クロージャ26aを、軸28aおよびスリーブ261aによって形成された横方向に配置されたヒンジの周りに枢動させて、図8に示されているロックされた位置へ戻すことによって行われる。外箱2aがロックされた状態にあるとき、弾力的に取り付けられたカム260aが、孔250aおよび210a内へスナップされ、このようにしてクロージャ26aをロックされた位置に保持し、かつパウチ1aが配置されている箱2aの内部空間への意図的でないアクセスを防止する。
【0054】
本発明による箱の、および本発明による格納容器の第3の実施形態が、図12〜15を参照にしてここで説明される。使用される符号は、第1の実施形態のものとほぼ同様であるが、各符号が、それぞれ、格納容器または箱の第3の実施形態に属することを識別するために、「b」という文字が追加される。したがって、図12および図13は、底部21b、2つの側壁22bおよび23b、端部壁24b、蓋25bおよびクロージャ26bを備える外箱2bを示している。クロージャ26bは、外箱2bと一体に形成され、一体蝶番(図示せず、しかし図5と同様)によって箱2bの残りにヒンジで取り付けられている。
【0055】
図12に戻ると、箱2bは、閉じられた状態にある。箱2bを閉じられた状態に保持するために、2つのカム220bおよび230bが、側壁22bおよび23bに弾力的に取り付けられ、かつ対応する孔260bが、クロージャ26bに設けられる。尖った縁部200bを有する直立した支柱20bが、底部21bから延びている。蓋25bは、別個に製造される部品であり、弾力的に取り付けられたカム251bを用いて側壁22bおよび23bの中にそれぞれ設けられた対応する溝221b(図示せず)および231bとの相互係合を通して、箱2bの残りに取り付けられ、およびそこから脱着される。
【0056】
外箱2bならびに1つまたは複数の、好ましくはパウチ1のスタックを含む格納容器3bを形成するように外箱2bを「装填する」ために、外箱2bが、図12にこれが示されているように、完全に開けられる。リブ222b、232bが、それぞれ側壁22bおよび23bに設けられ、これらが、一方では箱2bの追加の安定性を、他方では外箱2b内へのパウチ1の潤滑な中央への挿入を提供する。パウチ1のスタックが次に、図14にこれが示されているように、箱2bの中に挿入される。装填の後、箱2bの底部21bの上に設けられた直立した支柱20bが、パウチ1の長円形の孔11を通って延びる。
【0057】
いったんパウチ1のスタックが挿入された後(図14参照)、蓋25bが、カム251bと、溝221b(図示せず)および231bとのスナップ嵌合を用いて、箱の残りの部分に取り付けられる。このことが図15に表されており、クロージャ26bはまだ開いている。
【0058】
図15に示されている位置では、外箱2bを備える格納容器3bならびにパウチ1のスタックは、いつでも使用できる。図15で見ることができるように、外箱2bが、その開端部で、波形形状を有するが、パウチ1の形状は、波形ではない。このことは、パウチ1aをその長手方向端部で、かつ直立した支柱20bが外箱2b内に配置されているその側で、露出させる働きをし、それによりパウチ1をそれが露出された位置で把持することにより、パウチ1を外箱2bから取り外すことが容易になる。パウチ1の上部表面上の矢印13は、外箱2bからパウチ1を引き出すことを、使用者に示している。一番上に位置されたパウチ1を把持し、かつ箱からそれを引き出す際に、直立した支柱20bが、パウチ1を、事前に設定された引裂き線12に沿って、すなわち、パウチ1の長手方向延長部の方向に裂けさせる。パウチ1が、このようにして、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放され、したがって、パウチ1内に含まれているフィルムストリップFS(図1参照)への簡便なアクセスを可能にする。また、パウチ1は、外箱2bから完全に取り外され、パウチの残りが外箱2b内に保持されない。
【0059】
パウチ1を外箱2bから取り外した後、外箱2bが再び閉じられてもよい。このことは、クロージャ26bを、一体蝶番の周りに枢動させて、図12に示されている閉じられた位置へ戻すことによって行われる。外箱2bがロックされた状態にあるとき、弾力的に取り付けられたカム220bおよび230bが、孔260b内へスナップされ、このようにしてクロージャ26bをその位置に保持し、かつパウチ1が配置されている箱2bの内部空間への意図的でないアクセスを防止する。
【0060】
本発明による箱の、および本発明による封入容器の第4の実施形態が、図16〜19を参照にして以下で説明される。使用される符号は、第1の実施形態のものとほぼ同様であるが、しかし、「c」という文字が、各符号が、それぞれ、格納容器または箱の第4の実施形態に属することを識別するために追加される。したがって、図16および図17は、底部21c、2つの側壁22cおよび23c、端部壁24c、蓋25cおよびクロージャ26cを備える外箱2cを示している。クロージャ26cは、外箱2cの残りの部分と一体に形成され、一体蝶番28cによって箱2cの残りの部分にヒンジで取り付けられている。
【0061】
図16では、箱2cは、閉じられた状態で示されている。箱2cを閉じられた状態に保持するために、2つのカム220cおよび230cが、側壁22cおよび23cに弾力的に取り付けられ、かつ対応する孔260cが、クロージャ26cに設けられる。さらに、クロージャ26cは、ペグ263c(図18および19参照)を有し、かつ蓋25cは、通し孔256cを有する。閉じられた状態では、カム220cおよび230cが、対応する孔260c内にスナップ嵌めされ、かつペグ263cが、通し孔256c内へ延びる。箱2cを開けるためにクロージャ26cを解放するために、クロージャ26cは、2つのリリースボタン262cを有する。前記リリースボタン262cを押し、かつ蓋25cを箱2cの内部空間に向かう方向にさらに押すことにより、カム220cおよび230cならびにペグ263cが、それぞれ、対応する孔260cまたは通し孔256cから出るように移動され、それによって、クロージャ26cが非ロック状態になり、開けられる準備がされる。
【0062】
箱2cの使用者によって蓋25cを押すことを簡単にするために、蓋25cは、ペグ263cを通し孔256cから取り外すために加えられる圧力が最小にされることができるように、通し孔256cの近くに配置されている指受け254cを有する。さらに、クロージャの縁部と隣接して配置されている蓋255cの縁部は、箱が閉じられた状態にあるとき、クロージャ26cの縁部の上に突き出すように、クロージャ26cの縁部よりも厚い。蓋255cの縁部のこの配置は、蓋が複数回押された後でさえも、2つの縁部の間に隙間が形成されないことを確実にする。
【0063】
クロージャ26cをロックするための説明された手段は、箱2cの安全な閉鎖を可能にし、かつ箱2cの内部空間への意図的でないアクセスを防止する。特に、箱2cは、箱2cのいかなる内容物も、大人の補助なしでは子供によってアクセスされることができないような、小児安全クロージャ26cを提供する。
【0064】
図17に戻ると、尖った縁部を有する直立した支柱20cが底部21cから延びている。蓋25cは、別個に製造された部品であり、弾力的に取り付けられた円錐状のピン258cを用いて箱2cの残りの部分に取り付けられる、およびそこから脱着される。ピン258cは、箱2cの残りの部分の側壁22cおよび23cに配置されている対応するピン受け223cおよび233cによって受けられるように意図されている。
【0065】
外箱2cならびに1つまたは複数のパウチ1、好ましくはパウチ1のスタックを含む格納容器3cを形成するように外箱2cを「装填する」ために、箱2cが、図17および19にこれが示されているように、完全に開けられ、蓋25cが取り外される。側壁22cおよび23cに、または端部壁24cに配置されているピン223cおよび233cならびにリブ242cがそれぞれ、一方では箱2cの追加の安定性を、他方では、箱2c内へのパウチ1の潤滑な中央への挿入を提供する。次に、図19に示されているように、パウチ1のスタックが箱2cの中に挿入される。装填の後、箱2cの底部21cの上に設けられた直立した支柱20cが、パウチ1の長円形の孔11を通って延びる。
【0066】
いったんパウチ1のスタックが挿入された後(図19参照)、蓋25cが、対応するピン受け223cおよび233c内のピン258cを用いて、箱の残りの部分に取り付けられる。このことが、図18に表されており、クロージャ26cはまだ開いている。
【0067】
図18に示されている位置では、外箱2cならびにパウチ1のスタックを備える格納容器3cが、いつでも使用できる。図18で見ることができるように、外箱2cは、その開端部で、波形形状を有するが、パウチ1の形状は、波形ではない。このことは、パウチ1をその長手方向端部で、かつ直立した支柱20cが外箱2c内に配置されているその側で、露出させる働きをし、それにより個々のパウチ1をそれが露出された位置で把持することにより、パウチ1を外箱2cから取り外すことが容易になる。パウチ1の上部表面上の矢印13は、外箱2cからパウチ1を引き出すことを、使用者に示している(矢印は、最終設計では保持されない、これをそこに保持することは論点ではないのではないか?)。一番上に位置するパウチ1を把持し、かつ箱2cからそれを引き出す際に、直立した支柱20cが、パウチ1を、事前に設定された引裂き線12に沿って、すなわち、パウチ1の長手方向延長部の方向に裂けさせる(上記の矢印と同様に、この引裂き線は、最終設計で保持されなくてもよい)。パウチ1が、このようにして、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放され、したがって、パウチ1に含まれているフィルムストリップFS(図1参照)への簡便なアクセスを可能にする。また、パウチ1は、外箱2cから完全に取り外され、パウチの残りが箱2c内に保持されない。
【0068】
パウチ1を箱2cから取り外した後、箱2cが再び閉じられてもよい。このことは、クロージャ26cを、一体蝶番28cの周りに枢動させて、図16に示されている閉じられた位置へ戻すことによって行われる。外箱2cがロックされた状態にあるとき、弾力的に取り付けられたカム220cおよび230cが、孔260c内へスナップされ、ペグ263が通し孔256c内へ延び、このようにしてクロージャ26bをその位置に保持する。
【0069】
様々な実施形態が、図面を参照して上記で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多くの変更および修正が行われることができることを理解されたい。
【0070】
さらに、好ましいロッキング機構を備える上記で説明された箱が、パウチを備えること以外の目的のために同様に使用されることができることを理解されたい。これは、上記で説明されていない様々な実施形態で、特に、支柱のない実施形態、たとえばブリスターパッケージまたはチューインガムを装填される実施形態で構成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明によるパウチの実施形態を示す図である。
【図2】図1に示されているパウチの長円形の孔の拡大図である。
【図3】外箱内に配置された図1によるパウチを示す図である。
【図4】閉じた状態での本発明による箱の第1の実施形態を示す図である。
【図5】完全に開いた状態での図4による箱を示す図である。
【図6】完全に開いた状態での本発明による格納容器の第1の実施形態を示す図であり、格納容器が、外箱および外箱内に配置されたパウチのスタックとしての図4の箱を備える図である。
【図7】クロージャのみが開いている状態での、パウチを容れる図6の格納容器を示す図である。
【図8】閉じた状態での本発明による箱の第2の実施形態を示す図である。
【図9】別個のクロージャが取り外されている、完全に開いた状態での図8による箱を示す図である。
【図10】完全に開いた状態での本発明による格納容器の第2の実施形態を示す図であり、格納容器が、外箱および外箱内に配置されたパウチのスタックとしての図8の箱を備える図である。
【図11】クロージャのみが開いている状態での、パウチを容れる図10の格納容器を示す図である。
【図12】本発明による箱の第3の実施形態を示す図である。
【図13】別個の蓋が取り外されている、完全に開いた状態での図12による箱を示す図である。
【図14】外箱および外箱内に配置されたパウチのスタックとして図12による箱を備える本発明による格納容器の第3の実施形態を示す図である。
【図15】クロージャのみが開いている状態での、パウチを容れる図14の格納容器を示す図である。
【図16】本発明による箱の第4の実施形態を示す図である。
【図17】別個の蓋が取り外されている、完全に開いた状態での図16による箱を示す図である。
【図18】外箱および外箱内に配置されたパウチのスタックとしての、図16による箱を備える本発明による格納容器の第4の実施形態を示す図である。
【図19】クロージャが開いており、かつ蓋が取り外された状態での、パウチを容れる図18の格納容器を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々のパウチ(1、1a)のスタックが配置される内部空間を画定する外箱(2、2a、2b、2c)を備える格納容器(3、3a、3b、3c)であって、個々のパウチが、製品、たとえば、薬のフィルムストリップなどの1つまたは複数のシンフィルムストリップ(FS)を容れるポケット(10)をそれぞれ有し、かつスタックから個別に取り外されるように設計され、外箱(2、2a、2b、2c)が、個々のパウチ(1、1a)へのアクセスを防止する/可能にするためのクロージャ(26、26a、26b、26c)を備え、かつ、パウチをスタックから取り外す際に個々のパウチのポケット(10)へのアクセスを可能にするような方式で、パウチ(1、1a)と相互作用するための手段(20、20a、20b、20c)をさらに備え、パウチと相互作用するための手段(20、20a、20b、20c)が、パウチ(1、1a)をスタックから取り外す際に、パウチが、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って開放され、かつ外箱(2、2a、2b、2c)から完全に取り外され、パウチ(1、1a)の残りの部分が外箱内に残らない、格納容器。
【請求項2】
外箱(2、2a、2b、2c)が、底部(21、21a、21b、21c)、2つの側壁(22、23、22a、23a、22b、23b、22c、23c)、任意選択の端部壁(24、24a、24b、24c)、蓋(25、25a、25b、25c)、およびクロージャが開いているときパウチ(1、1a)へのアクセスを可能にする開端部(27)を備え、かつ、パウチと相互作用するための手段が、外箱の開端部(27)に近接する領域内の外箱の底部(21、21a、21b、21c)上に配置された直立した支柱(20、20a、20b、20c)を備え、直立した支柱(20、20a、20b、20c)が、パウチ(1、1a)のそれぞれの端部領域内に設けられた孔(11)を通って延びる、請求項1に記載の格納容器。
【請求項3】
直立した支柱(20、20a、20b、20c)が、パウチ(1、1a)の長手方向延長部の方向に面している尖った縁部(200、200a、200b)を有する、請求項2に記載の格納容器。
【請求項4】
クロージャ(26、26a、26b、26c)が、外箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項5】
クロージャ(26a)が、外箱とは別個に製造された部片であり、かつ横方向に配置されたヒンジ(28a、261a)を用いて外箱の残りの部分に枢動自在に取り付けられている、請求項4に記載の格納容器。
【請求項6】
クロージャ(26、26b、26c)が、外箱の残りの部分と一体に形成された部片であり、かつ一体蝶番(28、28c)によって外箱の開端部(27)で縁部に取り付けられている、請求項4に記載の格納容器。
【請求項7】
クロージャ(26、26a、26b、26c)ならびに外箱の残りの部分が共に、パウチ(1、1a)へのアクセスを防止するようにクロージャ(26、26a、26b、26c)をロックされた状態に保持すること、およびパウチへのアクセスを可能にするためにクロージャを解放することを可能にする、相互係合手段(260、220、230、260a、210a、250a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項8】
クロージャ(26、26a、26b、26c)ならびに外箱の残りの部分が共に、複数の相互係合手段(260、220、230、260a、210a、250a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)のすべてが操作されたときにのみ、クロージャ(26、26a、26b、26c)がロックされた状態から解放可能であるように構成されている、複数の空間的に分離された相互係合手段(260、220、230、260a、210a、250a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)を備える、請求項7に記載の格納容器。
【請求項9】
複数の相互係合手段(260、220、230、260a、210a、250a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)が、複数の相互係合手段(260、220、230、260a、210a、250a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)のすべてが同時に操作されたとき、クロージャ(26、26a、26b、26c)がロックされた状態から解放可能であるように構成されている、請求項8に記載の格納容器。
【請求項10】
相互係合手段(260、220、230、260a、210a、250a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)が、解放可能なスナップ嵌めを備える、請求項7から9のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項11】
蓋(25c)ならびにクロージャ(26c)が共に、アクセスを防止するためにクロージャ(26c)をロックされた状態に保持すること、および箱(2c)の内部空間へのアクセスを可能にするためにクロージャを解放することを可能にする、追加の相互係合手段(256c、263c)を備える、請求項7から10のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項12】
蓋(25c)が、追加の相互係合手段(256c、263c)を操作し、クロージャ(26c)を蓋(25c)から解放するために、使用者の指を受けて圧力を加えるための受け手段(254c)を有する、請求項11に記載の格納容器。
【請求項13】
箱(2c)がロックされた状態にあるときクロージャ(26c)の縁部と隣接して配置されている蓋(255c)の縁部が、クロージャ(26c)の縁部の上方に突き出す、請求項11または12のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項14】
外箱の蓋(25、25a)が、外箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている(29、29a)、請求項2から13のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項15】
蓋(25、25a)が、外箱の残りの部分と一体に形成され、かつ一体蝶番(29、29a)を介して端部壁(24、24a)の縁部に取り付けられている、請求項14に記載の格納容器。
【請求項16】
その開端部(27)での外箱(2、2a、2b、2c)ならびにそれらの各端部でのパウチ(1、1a)の両方が、パウチ(1a)が直立した支柱(20、20a、20b、20c)が配置されているその側で露出されるように形成されている、請求項2から15のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項17】
パウチ(1)が、パウチが外箱から引き出される方向を示す、その上部側面上の標示(13)を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の格納容器。
【請求項18】
製品、たとえば、薬のフィルムストリップなどの1つまたは複数のシンフィルムストリップ(FS)を容れるパウチ(1、1a)であって、製品を収容するためのポケット(10)を形成するように互いに接続された上側シートおよび下側シートを備え、かつポケット(10)の外側にかつパウチ(1、1a)の長手方向端部に近接して配置された孔(11)をさらに備え、孔が、パウチをその長手方向端部で引く際に、パッケージが、その長手方向延長部の本質的な部分に沿って、かつその対向して配置された長手方向端部を通って裂けるようにパウチ(1、1a)と相互作用するための手段(20、20a、20b、20c)を収容するように構成されている、パウチ。
【請求項19】
孔(11)からパウチの長手方向に延び、事前に設定された引裂き線(12)に沿ってパウチを裂けさせる、事前に設定された引裂き線(12)をさらに備える、請求項18に記載のパウチ。
【請求項20】
孔(11)が、その長手方向端部の1つが事前に設定された引裂き線(12)と直接隣接して配置されている長円形の孔である、請求項19に記載のパウチ。
【請求項21】
孔(11)が、本引裂き線と隣接して位置して、その端部に設けられ、スリット(110)が、事前に設定された引裂き線(12)に向かう方向に延びている、請求項19または20に記載のパウチ。
【請求項22】
孔(11)が、事前に設定された引裂き線(12)の方向に対して横方向に延びる追加のスリット(111)を備える、請求項21に記載のパウチ。
【請求項23】
事前に設定された引裂き線(12)が、スコーリングによって、たとえばレーザースコーリングによって製造される、請求項19から22のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項24】
パウチが、パウチの上側および下側シートが接続される、事前に設定された引裂き線(12)に沿った追加の接続領域(14)を備える、請求項19から23のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項25】
請求項18から24のいずれか一項に記載の個々のパウチ(1、1a)のスタックを収容するための内部空間を画定する箱(2、2a、2b、2c)であって、箱(2、2a、2b、2c)が、底部(21、21a、21b、21c)、2つの側壁(22、23、22a、23a、22b、23b、22c、23c)、任意選択の端部壁(24、24a、24b、24c)、蓋(25、25a、25b、25c)、および、クロージャ(26、26a、26b、26c)が開いているとき箱の内部空間へのアクセスを可能にする開端部(27)を備え、かつ、箱の開端部(27)に近接する領域内の箱の底部(21、21a、21b、21c)上に配置された直立した支柱(20、20a、20b、20c)をさらに備え、支柱(20、20a、20b、20c)が、パウチ(1、1a)の長手方向端部を箱(2、2a、2b、2c)から引き出した際、支柱(20、20a、20b、20c)が、パウチ(1、1a)をパウチの長手方向に裂けさせ、それによって個々のパウチ(1、1a)をスタックから取り外し、かつパウチのポケット(10)へのアクセスを可能にするように、各パウチ(1、1a)の孔(11)を通って延びるように配置されている、箱。
【請求項26】
直立した支柱(20、20a、20b、20c)が、箱の開端部(27)と反対の方向に面している尖った縁部(200、200a、200b)を有する、請求項25に記載の箱。
【請求項27】
クロージャ(26、26a、26b、26c)が、箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている、請求項25または26のいずれか一項に記載の箱。
【請求項28】
クロージャ(26a)が、箱とは別個に製造された部片であり、かつ横方向に配置されたヒンジ(28a、261a)を用いて箱の残りの部分に枢動自在に取り付けられている、請求項27に記載の箱。
【請求項29】
クロージャ(26、26b、26c)が、箱の残りの部分と一体に形成された部片であり、かつ一体蝶番(28、28c)によって開端部の縁部に取り付けられている、請求項27に記載の箱。
【請求項30】
クロージャ(26、26a、26b、26c)ならびに箱の残りの部分が共に、アクセスを防止するためにクロージャ(26、26a、26b、26c)をロックされた状態に保持すること、および箱の内部空間ヘのアクセスを可能にするために解放することを可能にする、相互係合手段(260、220、260a、250a、210a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)を備える、請求項25から29のいずれか一項に記載の箱。
【請求項31】
クロージャ(26、26a、26b、26c)ならびに箱の残りの部分が共に、複数の相互係合手段(260、220、260a、250a、210a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)のすべてが操作されたときにのみ、クロージャ(26、26a、26b、26c)がロックされた状態から解放可能であるように構成されている、複数の空間的に分離された相互係合手段(260、220、260a、250a、210a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)を備える、請求項30に記載の箱。
【請求項32】
複数の相互係合手段(260、220、260a、250a、210a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)が、複数の相互係合手段(260、220、260a、250a、210a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)のすべてが同時に操作されたとき、クロージャ(26、26a、26b、26c)がロックされた状態から解放可能であるように構成されている、請求項31に記載の箱。
【請求項33】
相互係合手段(260、220、260a、250a、210a、260b、220b、230b、260c、220c、230c)が、解放可能なスナップ嵌めを備える、請求項30から32のいずれか一項に記載の箱。
【請求項34】
蓋(25c)ならびにクロージャ(26c)が共に、アクセスを防止するためにクロージャ(26c)をロックされた状態に保持すること、および箱(2c)の内部空間へのアクセスを可能にするためにクロージャを解放することを可能にする、追加の相互係合手段(256c、263c)を備える、請求項30から33のいずれか一項に記載の箱。
【請求項35】
蓋(25c)が、クロージャ(26c)を蓋(25c)から解放するために圧力を加えるために、使用者の指を受けるための受け手段(254c)を備える、請求項34に記載の箱。
【請求項36】
箱(2c)がロックされた状態にあるときクロージャの縁部と隣接して配置されている蓋(255c)の縁部が、クロージャの縁部の上方に突き出す、請求項34または35のいずれか一項に記載の箱。
【請求項37】
箱の蓋(25、25a)が、箱の残りの部分にヒンジで取り付けられている(29、29a)、請求項25から36のいずれか一項に記載の箱。
【請求項38】
蓋(25、25a)が、箱の残りの部分と一体に形成され、かつ一体蝶番(29、29a)を介して端部壁(24、24a)の縁部に取り付けられている、請求項37に記載の箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2008−543682(P2008−543682A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516239(P2008−516239)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005782
【国際公開番号】WO2006/133948
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】