説明

個人の貴重品を保管するセーフティボックス、該セーフティボックスを固定するセーフティアンカー及び各種の他の対象物を固定するためのセーフティ締結具

移動困難な物体に取り付けられ、海岸あるいはキャンプ場又はお祭り場等のような公共の場所において、個人の貴重品を安全かつ便利に保管するために利用できるセーフティボックスを提供する。また、セーフティボックスを固定するための前記移動困難な物体として用いるセーフティアンカーと称される装置を提供する。最後に、本発明は、屋外及び屋内の各種対象物及びアイテムを、盗難及び許可を得ていない者による取り外しから効率よくかつ簡便に保護するために用いることができるセーフティ締結具を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(導入)
本発明は、海岸及び他の公又は半公の場所において、個人の貴重品を安全かつ簡便に保管するために、移動困難な対象物に物理的に取り付けられるボックス、いわゆるセーフティボックスを提供する。
【0002】
また、本発明は、前記セーフティボックス又は他の装置を固定するための移動困難な対象物であって、地中に簡単に据え付けられるが、許可されたユーザー以外の人が取り外すことが非常に困難な装置、いわゆるセーフティアンカーを提供する。
【0003】
本発明の別の側面において、前記セーフティアンカーの原理は、許可を得ていない者が取り外せないように、各種の対象物を固定するために使用できる新規な締結具を提供する。本発明のセーフティ締結具は、通常の締結具の特性に、多くの非常に簡単な操作うち、いずれかの操作によってセーフティ締結具に変更される可能性を結合させたものである。本発明に基づく締結具は、色々な標準工具を用いる通常の締結具として取り付けることができ、一旦、取り付けが完了すると、セーフティ締結具に変換され、許可を得ていない者によって簡単に取り外しができないようになっている。
【0004】
最後に、本発明は、錠セーフティ締結具と言われる特別のセーフティ締結具を提供する。該錠セーフティ締結具は、許可されたユーザーによっては貴重品を簡単に着脱できるが、許可を得ていない者によっては簡単に取り外しができないように、効果的に種々の対象物を固定するために用いることができる。
(背景)
【0005】
人は、一般的に、現金、クレジットカード、携帯電話、腕時計、電子機具等、泥棒に目を付けられ易い貴重品を、日常的に持ち歩いている。そのような貴重品は、たとえば持ち主が自分のポケットに入れている場合等、身に付けている場合であっても盗まれることがあり、ましてや、持ち主が貴重品を身から離れている場合、たとえば、ハンドバックに収納している場合、鍵を掛けていない引き出しに収納している場合、又はコートに入れっ放しの場合でも、盗まれる危険性は大きい。特に、レストラン又はオフィス等の公又は半公けの場所で、持ち主が貴重品を身から離している場合に盗難の危険性が大きくなる。特に、持ち主にとって貴重品の安全確保が問題となる場所は、夏季の混雑した海岸であり、日焼け、日光浴、ゲーム等、海岸での活動する場合の多くは、貴重品を携帯せず、又は携帯できず、しかも、常に監視することも困難だからである。
【0006】
日光浴用のサンベッド、日除けパラソル等を借りているような海岸の客(”レンターズ”)にサービスを提供する個人/会社は、従来、鉄道の駅等に設置されるような中央集中式の安全保管施設によって、前記海岸等における安全保管の問題に取り組んできた。
【0007】
しかし、この解決策は海岸においては実用性がない。すなわち、海岸においては、CD、ウォークマン、携帯電話、サングラス、現金等の貴重品は、所有者が海岸に持って行くことが多く、必要に応じて、一日中、気軽にかつ繰り返して利用するからである。したがって、海岸では、所有者が居りたい現場、またはその近くで、実効性ある安全保管が提供されなければならない(現場保管)。
【0008】
理論上、そのような現場保管は、ホテルの部屋に一般的に設置されているような従来の鉄製の金庫を、海岸の至るところに設置することによって実施可能である。しかしながら、それは明らかに非実用的で、商売としては成り立ちにくい。なぜなら、たとえば、金庫のコストが高いこと、多くの金庫を恒久的に固定しておくことが許されないか又は臨まれない海岸においては、日の出時と日没時にそれらの金庫を設置して回収しなければならないこと、及び前記金庫の通常のデザイン及び材料は、海岸の環境で使用するには不向きであること、等の各種問題又は困難が存在するからである。
【0009】
実際、以下に説明するように、海岸における安全保管は、海岸の客(ユーザー)、製造業者及び従来対策を講じていない貸し出し業者にとって、ある範囲の特別な問題(問題の幾つかは、一見対立している)が生じる。それらの問題は、多くの海岸において、安全保管手段を備えていないことによって発生する事実からも分かる。たとえば、
1.安全保管装置は、ユーザーが貴重品等を置いておきたい場所又はその近くに簡単に設置又は提供されるべきであり、その場所とは、許可されていない者がユーザー又は海岸の他の人に気付かれずに取り外すことが非常に困難で、好ましくは追跡された時に逃げにくい場所であるべきである。
【0010】
2.また、安全保管装置は、許可されていない者が破壊するには困難であるが、ユーザーがセーフティボックスを開ける手段を無くした場合に、許可された者が破壊するときには、簡単に開くことができるようにすべきである。
【0011】
3、さらに、安全保管装置は、日光や風雨に曝される条件下でも妥当な寿命を保てるように安価に製造できるようにすべきである。
【0012】
さらに、海岸で簡単に安全保管できる装置は、多くの場合、サンベッド及びサンパラソル毎にそれらの側に配置され、貸し出し業務に利用されると思われるので、そのような装置は、貸し業者が大量に取り扱うことになり、論理学的に簡素化される必要がある。
【0013】
上記内容に鑑み、本発明は、セーフティボックスと呼ばれる装置を提供するものであり、そのセーフティボックスは、たとえば海岸の環境において個人の貴重品を保管するのに必要な複数の機能を有し、かつ、サンベッド等の側のようにユーザーが置きたい場所に配置された移動困難な対象物に物理的に取り付けることにより、許可を得ていない者が人目に付かないように取り外すことができず、貴重品を護ることができる装置である。
【0014】
本発明の別の目的は、非常に大きなセーフティ締結具、いわゆるセーフティアンカーを提供することであり、該セーフティアンカーは、ユーザーによっては地中又は砂中に簡単に着脱できるが、許可を得ていない者によっては、周囲のかなりの注意を引くことなしには、取り外すことが非常に困難なセーフティアンカーである。該セーフティアンカーは、サンベッドに代わり、セーフティボックス用の移動困難な取り付けポイントとして機能させることができる。さらに、セーフティアンカーは、各種の他の対象物を固定するための携帯可能な取り付けポイントとしても機能させることができる。そして、また、公又は半公の場所において、許可を得ていない者による取り外し又は盗難を防止する装置として機能させることができる。
【0015】
前述のセーフティアンカーのように、回転することにより、地中に対して固定と取り外しが可能な装置であって、既知の各種対象物用の取り付けポイントとして使用される装置としては、たとえば、アースワームTM(www.theearthworm.com)及びビーチアンカー(www.beachstuf.com)がある。しかしながら、これらいずれの装置も、許可を得ていない者による取り外しから保護できるようにはなっていない。したがってそれらの装置は、泥棒の注意を惹くような貴重品を保護するための取り付けポイントとして機能するようにはなっていない。
【0016】
本発明のさらに別の側面において、セーフティアンカーの原理は、新規なセーフティ締結具を提供するために使用される。セーフティ締結具は、各種の対象物を、許可を得ていない者が取り外すことから保護するために用いることができる。今まで、そのような機能性を有する締結具は、以下の2つの取り組みのいずれかに基づいていた。
【0017】
1つの取り組みは、締結具のデザインであり、ふつうに取り扱うけれども、広く利用することができない特別の又は個別化された工具を使用することを必要となる締結具の設計であった。この原理に基づく締結具は、自動車の盗難防止のために車輪を一時的に固定する手段として一般に用いられている。そのようなセーフティ締結具は、必要な工具を有している者であれば、誰でもが簡単に固定及び取り外しが行えるので、それらが提供する盗難防止機能は明らかに限定される。
【0018】
別の取り組みは、標準的な工具によって取り付けることができるが、固定した前記工具と同じ手段によっては取り外すことができないセーフティ締結具を設計することであった。そのようなセーフティ締結具は、一旦固定した後は、締結具を取り外すことができないように、時計回りにのみ回転することができるスロット(溝)を有している。それにより、この原理に基づく締結具は、普通に取り扱うことはできるが特別の工具を必要とする締結具を比較して、盗難に対しては、より確実に保護することができる。しかし、前記締結具では、使用が制限されることによる多くの不都合を有している。第1に、一方向設計の締結具スロットは、取り付け工具が非常に簡単にスロットから滑り出すので、締結作業に手間がかかる。第2に、取り付け中に発生すると共にセーフティ締結具の全部又は部分的な取り外さなければならない失敗が、取り付け作業中に生じた場合、それを修正することが非常に困難である。第3に、一方向スロットの原理は、すべての現実的な目的のためには、アレンキー(六角レンチ)用の皿形締結具頭部、パーカー製締結具ドライバー等のように、ユーザーに親しまれている標準的な締結具スロットに限定されてしまい、スパナやモンキーレンチで操作される六角頭部を有するボルトには適用することができない。
【0019】
上記課題に鑑み、本発明の基本的な目的は、双方向に回転可能な一般的なねじ及びボルトのように扱うセーフティ締結具であって、色々な現在の締結工具によって締結でき、同時に、許可を得ていない者による取り外しから保護できるセーフティ締結具を提供することである。
【0020】
最後に、本発明の目的は、錠セーフティ締結具と呼ばれる特別のセーフティ締結具であって、許可を得た者に対しては貴重品の着脱を容易に行える一方、許可を得ていない者による取り外しに対しては、色々な対象物を効果的に保護するために使用できるセーフティ締結具を提供することでもある。
【0021】
[発明の説明]
本発明の目的は、たとえば海岸のような公の場所において、個人的な貴重品を安全かつ簡便に保管できるセーフティボックスと呼ばれる装置を提供することであり、本発明の第1の側面は、そのようなセーフティボックスに有用な錠を提供する。
【0022】
理論的には、セーフティボックスには、幾つかの異なった種類の鍵を用いることが可能である。たとえば、キーのような所定の工具(道具)によって開閉できる従来の錠を、セーフティボックスに備えることができる。しかしながら、そのようなキー等を利用する解決方法によると、セーフティボックスとしての魅力を減らしてしまう多くの欠点が伴う。たとえば、セーフティボックスを、レンタルサンベッドのようなレンタルビジネスの目的で使用しようとする者がいた場合、その者は、取り扱いが論理計算的に非常に難しい各セーフティボックス用に製作されたキーに基づく解決策を見つけなければならない。
【0023】
さらに、キーは、ユーザーが海岸で携帯するには非実用的であり、また、失う可能性もある。失ったキーが他人に発見されてしまうと、安全性は危うくなってしまう。所有者はセーフティボックスの最大限の安全性を望んでいるので、上記のようにキーを失った場合には、所有者は、簡単には無くなったキーをスペアキーに取り替えることができず、錠の構成を再設定すると共に新しいキーを製作しなければならなくなる。また、ユーザーにレンタルするセーフティボックスの安全性について特別の関心を必要とするレンタル業者にとっては、前記のようにキーが失われると、新たな費用が必要になると共に、収入においても潜在的な損失及び不都合が生じる。
【0024】
キーに基づいた解決策によると、ユーザーが事故によって彼らのキーを無くした時に、彼らの貴重品に手頃な時間枠内でアクセスできるように、万が一に備えたスペアキー又はすべてのセーフティボックスを開くことができるマスターキーを、レンタル業者が所持していることが必要となる。しかしながら、単なるスペアキー又はマスターキーの存在は、ユーザーのみが自分のセーフティボックスを簡単に開けられる手段(ユーザー専用アクセス)を有していることが要求される最善のセーフティボックスとしては、ユーザーに何らかの不安を与えることになる。
【0025】
そのような「ユーザー専用」アクセスは、電気的又は機械的な暗証符号錠(コードロック)を備えたセーフティボックスを提供することにより達成され、それにより、ユーザーは、ユーザー自身が選択したパスワードによってセーフティボックスを開閉することができる。ユーザーにとってこのような解決方法は、セーフティボックスを開閉するために、何か特別の物理的な物を持ち歩かなくともよいという利便性と共に、ユーザーのみが知っている個人的なパスワードによってのみ開閉できるという安心感を与える。同じく、そのような解決方法は、キーに基づく解決方法に関連する前記略述した多くの問題を解決するので、レンタル業者にとっては実用的である。
【0026】
したがって、本発明の好ましい実施の形態においては、セーフティボックス用に組み合わせ錠を備えており、該錠は、
ロック状態とアンロック状態との間で切替可能なロック遂行手段と、
暗証符号を入力することにより、前記ロック遂行手段をロック状態からアンロック状態に切り替える暗証符号入力手段と、
錠アクチュエータを受け入れている時に、ユーザーが決定した暗証符号を受諾し保存するように前記暗証符号入力手段を作動させる錠発動手段と、を備えたセーフティボックス用の錠において、
ロック状態とアンロック状態とを切り替えるための錠の能力は、錠の発動作用によって変化するようになっている。
【0027】
ロック状態とアンロック状態を切り替える錠の能力は、錠の発動作用によって変化するという事実により、錠によってレンタルサービスを十分に補佐することができる。一例として、たとえば、セーフティボックスを備えたビーチチェアに用いられる錠が、一時間又は一日当たり大量に貸し出されるような状況において、ユーザーは、ビーチの見張りのためのレンタル料を支払うことによって、1つのセーフティボックスの錠を発動することができる錠アクチュエータが貸与されることになる。
【0028】
ロック遂行手段は、たとえば、ロッキング要素、リング、クランプボルト又はそれらに類似した機械的な装置等の形態で提供することができ、それらは、蓋又はフレームの対応する凹部又は端部に係合するようになっているか、又は南京錠風に開閉されるようになっている。
【0029】
暗証符号入力手段は、ディジタルキーボード、単一又は複数の機械式ダイヤル等の形態として提供することができ、正しい暗証符号を入力したときに、ロック状態からアンロック状態に切り替える制御手段を備えることができる。
【0030】
電気的又は機械的な暗証符号錠が、たとえばホテルの部屋、オフィス及び個人の家屋における安全確保に用いられていることは知られている。そのような安全確保は、しばしば、何時間あるいは何日もの長い期間、監視しない状態に置かれることがあるので、その対策として、暗証符号の複雑化により彼らの暗証符号錠の開閉操作を複雑化して、それにより長い時間を掛けても暗証番号を見破ることができないようにするか、又は、三つ又はそれ以上の間違った符号が入力された場合に、錠を閉塞するかあるいは盗難警報を発するように構成することにより、耐タンパリング性を向上させる必要がある。
【0031】
前述のような錠の複雑化は従来の安全確保には必要であるが、セーフティボックスにおいては、要求されることも要望されることもない。
【0032】
第1に、海岸での盗難は、通常は、所有者が注意を払っていない時に、その地点の傍まで歩いて近づき、手で掴み取ることによって行われている。そのため、セーフティボックス用に実用的な錠の特別な特徴として、何時間又は何日もの長期間に亘って監視をしない状態で置く場合に講じられる防犯機能は必要ない。実際、セーフティボックス自体が、海岸の他のユーザー又は他の人の目を引くことなく持ち去ることが非常に難しい状況では、セーフティボックスの錠は、せいぜい五分程度の防犯機能(対侵入性)を有しておればよい。
【0033】
第2に、従来の安全確保における複雑化された暗証符号錠とは対称的に、海岸で使用されるセーフティボックス用の錠は、意図した方法によっては開くことができなくなるというユーザー側の潜在的な問題により、妥当な時間枠内で速やかに”正当な解錠”を行うことが望まれることがある。たとえば、ユーザーがその暗証番号を忘れてしまい、ユーザーの貴重品を如何にして回収しようかという問題に対面する場合がある。セーフティボックスは、安全性確保のためには、正しい暗証符号を知っているユーザーだけが開閉操作可能でなければならないので、ユーザーが暗証符号を忘れてしまった時の唯一の選択は、その錠の考えられるすべての暗証符号を系列的に試してみることである。
【0034】
このように、本発明の暗証符号錠は、ユーザー又はレンタル業者が、可能なすべての暗証符号を妥当な時間内で試すことができるように、簡素な構造にすることが意図されている。好ましい実施の形態として、暗証符号錠(暗証番号錠)は、50〜1000の符号(番号)の組み合わせを有するように設計される。この程度のサンプル数は、すべての組み合わせを試す場合に、簡単過ぎることも、また、困難過ぎることもない。暗証符号入力手段型の場合には、錠を開けるのに10〜30分程度かかるようにすべきである。そのような機能は、たとえば、多くのスーツケースに設けられているような3〜4桁の機械式暗証符号錠、又は3〜4桁の暗証符号式南京錠、又は3〜4桁の電気式暗証符号錠によって賄えることができる。
【0035】
本発明の好ましい暗証符号錠は、いかなる複雑化された耐タンパリング性も備えておらず、また、可能なすべての暗証符号を試みる可能性を損なわせることも、又、錠が破壊される場合に警報装置を作動させることもない。したがって、海岸のセーフティボックス用の暗証符号錠は、従来の安全確保に使用する暗証符号錠と比べて、非常に廉価に製造することができる。
【0036】
錠は、新たな別のユーザーが、後に続いて錠を使用できるように、ユーザーによって暗証符号を再設定できるようになっているべきである。これは、たとえば、アクチュエータを挿入することにより、新たな暗証符号を設定できるようにすることにより達成される。
【0037】
いかなるセーフティボックスも、ロック状態で放置されないことを確実にするために、錠は、アクチュエータを取り外すことによりロック状態からアンロック状態に切り替わるようにすることができる。アクチュエータは、一例として、保証金が払われることにより海岸の客にレンタルされる。保証金は、アクチュエータが返却される時に前記客に戻される。一日の終わりには、責任者は、すべての利用可能なアクチュエータを手元に所有していることにより、いずれの錠もロック状態で放置されていないことが分かる。
【0038】
錠は、純粋に機械式であることが望ましい。すなわち、電力の供給無しで開閉操作できることが好ましい。しかし、電力消耗又は電力の再供給に関係なく、ユーザーが決定した暗証符号が維持できる電力式の錠を提供することも1つの有利な点であるかも知れない。
【0039】
シンプルで、かつ信頼性の有る錠の発動は、特別の外形を有するキーを差し込むためのキー孔を有する発動手段によって行うことができる。錠は取替可能な形状テンプレートを備えることができ、それにより、錠の所有者が頻繁にアクチュエータの形状を変更し、錠による安全な保管性を保証することができる。複数の錠を製造できるようにするために、すべての錠は、同じ形状のテンプレートを備え、それにより、同じ形状のアクチュエータによって発動できるようにすることができる。盗難に対する安全性は、ユーザーが決定した暗証符号によって確保でき、それにより、同じ形状のアクチュエータの使用を妨げるものは何もない。
【0040】
別の実施の形態により、発動手段とアクチュエータは、アクチュエータの特定の重量に基づいて錠を発動するように協同作業を行うことができる。
【0041】
たとえば、海岸において耐久性のある錠を提供するためには、プラスチックのような耐腐食性を有する性質の錠を提供することが好都合である。
【0042】
先に述べたように、多くの場合におけるセーフティボックスは、サンベッドやサンパラレルと並んで、レンタルビジネスの主体となると思われる。したがって、本発明の特別の目的は、使用したユーザーが、次のユーザーが簡単に利用できる状態でセーフティボックスを残して置けることができるような構造に、セーフティボックスを組み立てることである。言い換えると、ユーザーが、使用後、閉じた状態でセーフティボックスを残していくことがないように、かつ、使用期間の終わりでもユーザーの個人的な暗証符号が有効であるように、セーフティボックスは設計されるべきである。
【0043】
これを達成する一つの手段は、工具を用いることなしに、暗証符号式錠の機能が発揮できるようにすることであり、これにより、使用期間終了後にレンタル業者に上記工具を返却することでユーザーに返還される工具保証金を、レンタル業者に預ける必要がなくなる。これは、たとえば次のように暗証符号錠を設計することにより達成される。
【0044】
・たとえば、セーフティボックスが開いている時のみアクセス可能な錠機構内位置に差し込まれるピンを備え、
・上記ピンの差し込み時に、ユーザーが決定した暗証符号を受け入れることができるように、錠を発動し、
・ピンを取り外している時には、暗証符号を無力(無効)にする。
【0045】
前述のように、安全性のために、セーフティボックスが開いているとき、たとえばセーフティボックスをユーザーが利用しているときのみ、錠内のピン用の挿入ポイントへのアクセスが可能となっている。この場合は、たとえば、すべてのセーフティボックスに適合する1つのピンを作ることができ、レンタル業者が、所有する多くのビーチセーフティ装置を取り扱う場合に、論理数値的に非常に有利である。
【0046】
しかしながら、上記のように利用されるピンは、他のすべてのアイテムと同様に、ユーザーが紛失して他の人に拾われたり、又は盗まれるかも知れない。このように許可を得ていない者が所有することになるピンは、そのピンがセーフティボックスの内部にアクセスするのに必要なものであっても、セーフティボックスのユーザーにいかなるリスクを与えることもないが、そのような許可を得ていない者がピンを所有すると、その者は、手数料を支払うことなく空いているセーフティボックスを開閉操作することができるので、レンタル業者にとっては、潜在的に収入の損失になることがある。
【0047】
セーフティボックスの好ましい実施の形態において、暗証符号式錠は、簡単な手動操作により、たとえば、2〜10種の多くの異なったピンを受け入れることができるように、レンタル業者によってセットできる方式に設計される。この場合には、レンタル業者が簡単に新しいピンを得ることによって、レンタル業者のセーフティボックスレンタリングビジネスに清潔感を持たせることができる。
【0048】
多くの場合、レンタル業者は、セーフティボックス使用料をユーザーに課しているようである。そのような場合、レンタル業者は、たとえば、ユーザーが工具を返す時に、ユーザーがピンを借りる時に最初に支払った保証金からレンタル料金を差し引いている。しかし、他の場合、サンベッドやサンパラレル等がしばしば顧客に対して無料で提供されているホテルと同様に、無料でセーフティボックスを提供することを選択するかも知れない。そのような場合、暗証符号式錠を発動させるためのピンシステムは、ピンを所有者に返却するための誘因が、保証金の支払いに頼っているので、最適なシステムとはいえない。本発明の好ましい実施の形態において、暗証符号式錠は、ピンの代わりに、ピンと同じ機能を備えた錠であって、ユーザーが、最後に使った後、再度使用する場合に価値が出るコインによって開閉操作される暗証符号式錠である。
【0049】
本発明の1つの実施の形態は、機械式又は電気式のどちらでも可能な暗証符号錠であって、セーフティボックス内に組み付けられ、たとえばピン又はコインの挿入又は取り外しにより、活動又は活動解除されう暗証符号式錠である。
【0050】
また、別の実施の形態において、暗証符号式錠は、たとえば、暗証符号式南京錠のように分離したアイテムとして提供される。その様な設計のセーフティボックスは、暗証符号式錠が一体的に設けられたセーフティボックスに比べると、安価である。しかし、南京錠は、切断工具によって簡単に破壊されるので、許可を得ていない者が取り壊そうとした場合に、セーフティボックス内に暗証符号式錠を組み込んだ構造の物と、同程度の安全性は確保できない。
【0051】
本発明の好ましい実施の形態において、セーフティボックスは、切断工具によるアクセスに対して物理的に保護されている南京錠の脆弱な部分のように設計されている。図1に示すように、これは、たとえば、南京錠の脆弱部は、有効な切断工具が入り込むことができないように、セーフティボックスに形成された溝にはめ込まれるか、あるいは突出部によって覆われるように、セーフティボックスを設計することにより達成される。
【0052】
前述のセーフティボックスは、海岸において実用的であることを説明してきたが、読者にとって、個人の小さな貴重品を盗人から護る必要があるような場所、たとえば、キャンプ場や、コンサート又はゲームを観覧又は観戦するために多くの人が集まる場所等、各種状況の場所で使用することが可能である。
【0053】
第2の観点により、本発明は、個人的なアイテムを保管するための閉塞可能な中空部を有するセーフティボックスを備えたビーチチェアに関する。好ましくは、ボックスは、ロッキング手段を備えており、該ロッキング手段は、ボックスが開けられるのを阻止し、そして、好ましくは、ロッキング手段は、前記組み合わせ錠の形態を採っている。
【0054】
組み合わせ錠を砂及び水から護るために、暗証符号式錠の暗証符号入力部分は、カバーによって覆うことができ、該カバーは、積極的に持ち上げていない場合には、自動的に下降して暗証符号式錠の暗証符号入力部分を覆う。
【0055】
簡素でかつ信頼性のあるシステムを提供するために、組み合わせ南京錠で蓋とロックできるように、ボックス及び閉塞蓋に、協同作業用の孔又は環を形成することができる。しかしながら、好ましい実施の形態によると、組み合わせ錠は、チェア又はボックスに一体化された部分となっている。好ましくは、組み合わせ錠のアクチュエータは、ボックスに対して、ボックスの内側から挿入及び取り出し可能である。この方式において、暗証符号を知っているユーザー以外のいかなる人も、アクチュエータに直接アクセスすることはできない。1つの好ましい実施の形態によると、アクチュエータは、空洞の外側から錠内に差し込まれ、空洞の内側からのみ錠に対して着脱することができる。この方式において、海岸におけるすべてのボックスは、所有者がロック状態で置いておくことができる。ユーザーがアクチュエータを借りたとき、ユーザーは、前記アクチュエータをロック状態のボックスの錠を差し込むことができる。アクチュエータを差し込んだ後、ユーザーは、ユーザー自身の暗証符号を設定してボックスを開けることができる。使用後、ユーザーは、アクチュエータを抜き取り、それにより、錠をロック状態に切り替え、そしてチェアから離れる時、ボックスの蓋はボックスに自動的に下降し、錠のラッチが蓋をロックする。
【0056】
セーフティボックス内に収納された貴重品を湿気や埃から保護するために、セーフティボックスには、空洞内の換気用に、1つ又は複数の換気孔を形成することができる。簡素化された手段において、換気孔は、側壁と閉塞蓋の間に形成することができる。たとえば、側壁の上端縁を凸凹形状として、側壁に対して閉塞蓋が密封状態に閉じられないようにすることができる。換気孔は、天候の影響、特に雨や砂から保護されることができる。
【0057】
ボックスの底部には、空洞内のドレン用に1つ又は複数のドレン孔を形成することができる。乾燥した面上に置かれたボックス内に収納される貴重品を支持するために、ボックス内に格子枠を配置することができ、該格子枠は、該格子枠と開口との間に個人的な品物を保持する。
【0058】
ドレン孔に水の流れ等を導き、ボックスの空洞を乾いた状態に保つために、ボックスの底部に、ドレン孔に向かって下向きに傾斜した面を設けることができる。
【0059】
本発明の好ましい実施の形態(図1及び図2参照)において、暗証符号式南京錠を用いることによりロックすることができるセーフティボックスは、簡素な装置であり、
サンベッド又はセーフティアンカーに容易に取り付けるための孔を有するボックスと、 蓋と、
該蓋を前記ボックスに開閉自在に連結する金属又はプラスチック製のヒンジピンと、
セーフティボックスをサンベッド又はセーフティアンカーにしっかりと取り付けるための取り付け台と、を備え、
前記ボックスと蓋は、サンベッド用にそれらを使用するような海岸の条件に適した安価なプラスチック材料、又は塗装のように適切な保護層によって海岸における湿気や砂から保護できる薄い金属板のいずれかで製作されており、
前記ヒンジピンは、ヒンジの一方の片がボックスに支持され、他方の片が蓋に支持されており、
前記取り付け台は、ビーチセーフティボックスが機能的で、ユーザーによって簡単に操作できるようになっている。
【0060】
電気製品及び携帯電話のように、セーフティボックスで保管しようとする貴重品の多くは、水や砂によって損傷することが多い。本発明の別の目的は、セーフティボックス内に、水や砂が簡単に浸入しないように、しかも仮に侵入した場合でも容易に排出できるように設計することである。これは、図1及び図2に示されているように、セーフティボックスの蓋を、ボックスに対して大きくオーバーハングするように構成し、ボックスの底部の中央部に、たとえば、1つ又は複数の孔やスリット等を形成すると共に、ボックスの底部を前記孔やスリットに向けて少し下向きに傾斜するように構成することにより達成される。前記底部の孔又はスリットは、偶然にボックス内に侵入した砂や水の排出口としての適切な寸法を備えている。前記のような傾斜状のボックス底部を備えている場合に、ユーザーがユーザー自身の貴重品を置く平面状の底部を提供するために、水や砂が通過自在な水平な格子枠を、前記セーフティボックスの傾斜状の底部の上方に配置することができる。
【0061】
本発明の別の実施の形態において、海岸用のセーフティボックスは、暗証符号式錠と一体的なものとして製造される。この場合、前記暗証符号式錠が、水、湿気、塩分及び砂による浸食作用から保護されることが重要である。
【0062】
可動部分を含んでいる機械式の暗証符号式錠を、セーフティボックスに使用するとき、水、湿気、塩分及び砂による浸食作用からの保護は、たとえば、プラスチックやアルミニウムのような非腐食性材料により、あるいは覆い蓋で暗証符合式錠をカバーすることによって、達成することができる。好ましくは、図3に示すように、ユーザーが敢えて持ち上げていない限り、蓋は自重により自動的に落下して暗証符号式錠を覆うように構成されている。好ましくは、また、暗証符号式錠は、水、湿気、塩分及び砂に晒されない限りにおいて、セーフティボックスの上というよりもむしろ側方に配置される。
【0063】
電気式の暗証符号式錠がセーフティボックスに使用されるとき、暗証符号式錠の機能を維持するためには、バッテリによって供給されるように、継続的な電力供給が必要である。暗証符号式錠における電力供給及び電子技術の特有の両機能は、湿気や水に敏感であるので、本発明のひとつの観点は、バッテリと電子回路との間の耐水及び耐湿気性接続部及び暗証符号式錠用の耐水性キーボードのように、適切に保護された部品を使用することである。当業者であれば、そのような水や湿気から保護するための手段のいくつかは知っているであろう。
【0064】
水や湿気の増加は、機械式の暗証符号式錠、電子式暗証符号式錠の電力供給及び電子技術に損傷を与えるが、本発明のさらに別の観点は、上記のような水や湿気の増加を最小限に抑えるように、セーフティボックスを設計することである。水分の増加は、勿論、既に述べているように、セーフティボックスの底部に水出口を形成することによって、阻止することができる。他方、湿気の増加は、ボックス内部を適当に空気に曝すこと、すなわち、暴気が必要となる。そのような暴気は、壁及び又は蓋にエア入り口を有するセーフティボックスを提供することにより実現でき、上記エア入り口は、底部に形成された排水口との組み合わせにより、エアを、ボックス内部を通過させるように循環させることができる。好ましくない砂が前記エア入り口を通ってボックス内に入るかも知れないので、本発明の特別な観点のひとつは、換気を容易に行えるようにしながらも、エア入り口から砂が入る危険性を最小化するように設計することである。これは、図1〜図3に示すように、たとえば、蓋とボックスとの合わせ面にエア入り口を有する特大の蓋を結合させることにより達成できる。
【0065】
電子式暗証符号式錠の電力供給装置が消耗されると、当然のごとく、暗証符合式錠の作動は停止するが、電力供給装置は、ユーザー又は他の誰によっても開けことができない。そのようなことが発生する確率は、電力容量が少なくなった時に警告発する警告装置を備えることにより減らすことはできるが、完全になくすことは、明らかにできない。そのような場合、許可を得た者が開くことができるようにするためには、ユーザーにとっての安全性を保持すると同時に、本発明の特別の目的は、i)バッテリが切れた後でも有効なユーザーのパスワードを、暗証符号式錠が記憶していることと、ii)セーフティボックスの設計において、外部からの電力補充によって暗証符号式錠の再生を可能することである。そのような再生可能性は、たとえば、電力ドッキング装置を、内部の電力供給装置と電子回路との間に差し込むことにより、実施できる。上記電力ドッキング装置は、外部の電力装置によってアクセスすることができる。しかし、当業者であれば、本発明の精神の範囲内で、同様な機能を発揮できる他の設計も存在することは認識しているであろう。
【0066】
セーフティボックスは、ビーチチェア又はビーチアンカーのようなその他の移動困難な物に、物理的に取り付けられようになっている。そのような物理的な取り付けは、たとえば、移動困難な物体に直接取り付けたり、あるいは、切断困難な金属製のチェーンを介して繋ぐことによって達成される。セーフティボックスには、水や砂の出口及びエアの入り口を提供するための色々な開口を形成することが前述のように望まれると共に、各開口がそれらの機能を発揮するためにはセーフティボックスが適切な空間に配置される必要があるので、ビーチセーフティボックスの好ましい取り付けモードは、水や砂の浸入を阻止するために海岸の地面より上方に持ち上げられると共に、ユーザーによってた易く操作できるように、直接に移動困難な物体に取り付けられる。図1〜図3に示されたセーフティボックスは、図4〜図7に示すビーチアンカーに容易に取り付けられるように、又は、別体の取り付け台を介してビーチチェア(図2)に取り付けられるように設計されている。しかし、当業者であれば、本発明の精神から逸脱しない範囲での他の取り付け構造又は設計が考えられるであろう。
【0067】
第3の観点によると、本発明は、ビーチチェアに関連付けられる上述のボックスに似たセーフティボックスに関する。ボックスは締結手段を備えており、該締結手段は、ビーチチェアのような周囲の物体又はビーチにアイテムを締結するためのアンカー装置に、ボックスを取り外し可能に締結するために、締結及び非締結状態の間で切り替え可能になっている。
【0068】
ボックスが、ユーザー以外のいかなる者によっても取り外すことができないことを確実にするために、締結手段は、空洞内部からのみアクセス可能な固定及び解除制御機構を備えるべきである。一例とし、締結手段は、ばね作動式のロッキング要素を備えることができ、該ロッキング要素は、ビーチチェアもしくはセーフティアンカー又はそれらに似て海岸から容易に取り外すことができないアイテムに設けられた対応するロッキング部材に係合するようになっている。ばね作動ロッキング要素は、ボックスが開かれるまではボックスを取り外すことができないように、ボックスの内部の空洞から解除可能とすべきである。
【0069】
ボックスの換気口と排出口を上方及び下方にそれぞれ確実に向けた状態で締結できるように、締結手段は、ビーチチェアやセーフティアンカー等に対して1つの決まった方向でのみ、ボックスの締結が行えるように行えるようにすることができる。しかしながら、問題になっている装置にボックスを簡単かつ迅速に取り付けることができるようにするために、締結具は、また、装置に対して、いかなる取り付け方向でも取り付けられるようにすることもできる。
【0070】
前記概略説明のように、許可を得ていない者によって気付かないうちにボックスが取り外されることに対し、サンベッドやセーフティアンカーのような移動困難な物体に、物理的にボックスをつなぐことによりセーフティボックスを保護することが本発明の目的の一つである。本発明の他の実施の形態は、セーフティボックスに盗難警告装置を設けることにより、前述のような気付かないうちに取り外されることから保護できるようにすることである。そのような機能は、セーフティボックスをたとえば電子式の盗難警告装置に適合させることにより与えられる。前記盗難警告装置は、もし、セーフティボックスが物理的に振動したり、または3次元スペース内での向きが変化した場合に、警告音を発するようになっている。夕方の回収時のように、許可を得た者によるボックスの取り外しを容易にするためには、盗難警告装置の作動は、セーフティボックスが開かれた時、そしてその時のみ、アクセス可能なオンオフスイッチによって制御される。
【0071】
さらに本発明の別の目的は、セーフティアンカーと呼ばれる装置を提供することであり、このセーフティアンカーは、ユーザーにとっては簡単に据付及び取り外しができるが、許可を得ていない者にとっては、かなりの注意を惹くことなしの取り外すことは非常に困難な物となっており、それにより、セーフティボックスの移動困難な取り付けポイントとして容易に使用することができる。
【0072】
セーフティアンカーは、締結によって固定される。要するに、図4に示されているように、セーフティアンカーは、ねじ山を有するチップと多機能ロッドから構成されており、該多機能ロッドは、ギヤボックスを介してチップに連結され、ギヤボックスは、ある伝達可能位置において、多機能ロッドの時計回り及び反時計回りのいずれの回転もねじ山を有するチップに伝達し、別の非伝達位置において、上記伝達を切断するようになっている。上記伝達位置では、ユーザーは、セーフティアンカーを、多機能ロッド(ルーズな据付バーを用いている)を回転することによって、取り外す場合と同様に、容易に、しっかりと地面に締結することができ、これに対して、非締結モードでは、上記いずれの操作も不可能となっている。かくて、一旦、セーフティアンカーがしっかりと地中に埋め込まれると、セーフティアンカーは、許可を得ていない者による取り外し対し、i)地面から上方に出ている多機能ロッドの端部に位置するギヤハンドルを用いてギヤボックスを非締結位置に切り替え、そして、ii)許可を得ていない者によって操作できないように前記ギヤハンドルをロックすることにより、かなり保護することができる。図6及び図7に示すように、許可を得ていない者によるセーフティアンカーの取り外しを阻止するためのギヤハンドルの上記のようなロッキングは、たとえばセーフティボックスを取り付けることにより又は南京錠を使用することにより達成することができる。
【0073】
許可を得ていない者によるセーフティアンカーの取り外しに対する最大の保護を提供するために、ギヤボックスを、セーフティアンカーのチップの近くに配置して、許可を得ていない者がセーフティアンカー上でねじ山を有するチップ(地中にセーフティアンカーを固定している)が非締結状態となる上記位置に到達するためには地中深く掘り下げなければならないようにすることも、本発明の特別の観点である。
【0074】
当業者であれば、セーフティアンカーの機能は、本発明の精神を逸脱しない範囲において、ロッドや、ねじ山を有するチップの長さ、厚さ、直径、チップのねじの条数、ねじの傾斜および深さ等を各種変更することにより広い範囲で得られることは、認識できるであろう。また、セーフティアンカーは、プラスチック、ポリマー及び金属またはそれらの混合物のような異なった材料から、製造することができる。
【0075】
セーフティアンカーは、壁に固定される通常のボルト又は締結具と同様な方法で、地中に固定することができる。ロッド部分は、好ましくは、アンカーの回転挿入部を支持する締結具支持手段を備えており、たとえば、横断状のハンドル部材又はスロット締結具のようなスロットを備えている。締結具支持手段は、たとえば、ロッドの先端部、すなわちねじ山を有するチップに取り付けられる端部とは反対側の端部に備えられている。
【0076】
アンカーは、セーフティボックスよりも、各種の物体及び装置を固定するのに有益である。ビーチ傘、ゲームポール、バッグ、水上乗り物、自転車、モータサイクル、釣竿、鉄砲、その他フィールドで使用される武器、アウトドアで使用される工具や機械、ショーや屋外店で展示される製品、庭に設置した彫刻や陶器、動物、芝刈り機、はたまた車の保護にさえも利用することができる。
【0077】
本発明の好ましい実施の形態において、セーフティアンカーは、アンカーに周囲の物を固定するための留め具手段、たとえば、小孔(はと目)、フック又は他の方式の取り付け具であって、一つ又は複数のほかの装置又はアイテムを維持及び又は固定するために有用な留め具手段を備えている。当業者であれば、本発明の精神を逸脱しない範囲において、そのような他機能能を提供する多機能ロッドの設計的変更は、認識できるであろう。
【0078】
ロッドとチップは2つの部材に分割され、軸受を介してロッドとチップが相対的に独立して回転するように連結されている。アンカーを挿入する前に、ロッドの回転がねじ山を有するチップに伝達されるように回転継ぎ手をロックする。ロッキングは、ロッキング要素を、ロッド及びねじ山を有するチップの回転方向のロッキング係合部に挿入することにより、実施することができる。ロッキング要素は、ねじ山を有するチップとロッドの間の結合のような「溝と突起」の機能を果たす。
【0079】
好ましくは、ロッドは、ロッキング要素を収納すると共に、その要素が第1の位置と第2の位置の間で移動できるように、中空のチューブの形態で提供される。第1の位置において、要素は、ねじ山を有するチップに対して非係合状態となり、第2の位置において、ロッキング要素はねじ山を有するチップに対して回転方向に係合する。要素が、第1の位置から第2の位置へまたはその逆にスライド移動することが可能となったとき、ユーザーは、アンカーを固定し又は取り外すために、ロック状態とアンロック状態の間で、それぞれアンカーを切り替えることができる。
【0080】
アンカーはまた、ロッドの先端部、すなわち、ねじ山を有するチップに取り付けられているロッドの端部とは反対側の端部から、ロッキング要素の移動を制御するように配置されたハンドル部材を備えている。ハンドル部材は、第1及び又は第2のいずれの位置においてもロッキング要素の定着を行うことができる定着手段より協同操作できるようにすることができる。アンカーは、ある位置又は第1及び第2の位置のいずれかの位置において、ロッキング要素をロックするために、南京錠の使用を停止するロッキング手段を備えることができる。
【0081】
本発明の特別の観点において、セーフティアンカーは、基礎のユニットに他のユニットを取り付けてなる2分割構造とすることができる。たとえば、セーフティアンカーのロッドは、携えることができ、該自在取り付け台は、一連の他のユニット(一連の異なった機能を提供する)をセーフティアンカーに簡単に取り付けることができる。すなわち、セーフティアンカーにロックすることができる。
【0082】
本発明の特別の実施の形態において、セーフティアンカーの原理を利用することにより、現在のセーフティ締結具の不具合や障害を解消する新たなセーフティ締結具を提供することができる。特に、本発明は、通常のセーフティ締結具の性質に、多くの非常に単純な操作のいくつかによって前記能力を結合することによって、通常のセーフティ締結具を新たなセーフティ締結具に改変することができる。したがって、本発明に基づく締結具は、各種の標準の工具を用いる通常の締結具と同様に取り付けることができ、一旦、満足に取り付けた後は、許可を得ていない者によっては、簡単に取り外すことができないセーフティ締結具に改変される。
【0083】
好ましい実施の形態において、本発明のセーフティ締結具は、少なくともロッドとねじ山を有するチップからなり、両者は継ぎ手で連結され、該継ぎ手は、あるロック状態(操作状態)においてロッドからねじ山を有するチップへ回転動力を伝達でき、別のアンロック状態(セーフティ状態)では、そのような回転動力の伝達は切断されるようになっている。
【0084】
上記操作状態(ロック状態)において、セーフティ締結具は、締結具の頭部にトルクを掛けるのに適した工具を使用して締結具を時計回り又は反時計回りの一方に回転することにより着脱される通常の締結具と、同様に作動する。そして、一旦、満足に締結具が固定されれば、ロッドとねじ山を有するチップの間の回転動力が切断されるセーフティ状態(アンロック状態)に切り替えることにより、セーフティ締結具に変えられる。
【0085】
操作状態とセーフティ状態の間で切り替える能力は、たとえば、ロッドの長さ方向に貫通してねじ山を有するチップ内に至る中空チャンネルを有するようにセーフティ締結を構成し、そして、その中空チャンネル内にロッキング要素を挿入することにより達成され、該ロッキング要素のチェンネル内の位置を変更することにより、両部材間の回転動力の伝達を、結合(操作状態)と切断(セーフティ状態)の一方の状態に切り替える。セーフティ締結具の内部チャンネルは、角形の孔に形成することができる。チャンネル内に挿入されるロッキング要素は、基端部(締結具頭部側)が円筒形で、先端部(ねじ山を有するチップ側)が、前記角孔に嵌合する角形に形成されている。ロッキング要素の角形断面部分が、ロッドとねじ山を有するチップとの間の継ぎ手に位置している時、両部分は回転方向にロックされ、セーフティ締結具が操作状態になる。反対に、ロッキング要素の角形断面部分の全体が、ロッド又はねじ山を有するチップのいずれか一方の部材内に位置した時、又は、ロッキング要素がセーフティ締結具から完全に取り除かれた時は、ロッドとねじ山を有するチップは回転方向に動力切断され、セーフティ締結具はセーフティ状態となる。
【0086】
本発明の一つの実施の形態において、セーフティ締結具は、ロッキング要素が締結具頭部側からアクセス可能であり、セーフティ状態は、ロッキング要素をより深くセーフティ締結具内に打ち込むことにより(図8のように、セーフティ締結具を押し下げる)ことにより達成される。通常の締結具をセーフティ締結具に変化させるのと同時に、上記作動によって、別のロッキング要素を挿入することによって回転のロックが再確立されるのを防止している。セーフティ締結具のこのような設計(不逆性のセーフティ締結具)は、一旦締結してしまうと取り外すことは非常に困難であり、これは、延長された長い期間、監視をしない状態で貴重品及びそのほかの物を保護するには、理想的である。
【0087】
本発明の別の実施の形態は、予め設定された値のトルクが締結具にかかった時に、ロッキング要素が破壊されるように設計された不逆性のセーフティ締結具を提供する(図9のトルク式セーフティ締結具)。この場合、ロッキング要素を収納する内部チャンネルは、継ぎ手から、ロッド内及びねじ山を有するチップ内にそれぞれに少しずつ延長することだけが必要となる。異なる材料と寸法のロッキング要素を用いることによって、広範囲に適応トルク値を選択することが可能に、締結具をセーフティ締結具に製作することができる。プラスチックもしくはポリマー又は銅や鉛等の軟らかい金属をロッキング要素の材料として使用した場合には、最初は変形して、その後にゆっくりと破壊されるであろう。反対に、ロッキング要素として、セラミック又は硬い金属を使用した場合には、破壊工程は突然発生するであろう。ロッキング要素を破壊するのに必要な力の大きさは、たとえば、必要なトルク値を示す数字あるいはカラーコードのような多くの方法により、締結具に表示することができる。特別の設計において、セーフティ締結具は、ロッキング要素とは分離された状態で供給される。該ロッキング要素は、ユーザーが、多くの異なったロッキング要素の中から選択することによって締結具をセーフティ締結具に変えるために必要なトルク値を決定することができる。この設計において、回転継ぎ手は、セーフティ締結具の側方からアクセス可能なスロット内に、ロッキング要素をスロット内に挿入することによりロックされる。
【0088】
幾つかの場合において、可逆性を有するセーフティ締結具が、操作状態とセーフティ状態の間で切り替え可能となっており、それにより、ユーザーは、セーフティ締結具によって固定された対象物を、締結に利用した手段と同じ手段によって取り外すことができる。本発明の好ましい実施の形態において、セーフティ状態が、ロッキング要素の取り外しにより(図10のように、セーフティ締結具からの引き出し)により達成されるように、セーフティ締結具は設計されている。本物のロッキング要素を所持していない人は、セーフティ締結具を取り外すことはできないが、本物のロッキング要素の所持者は、ロッキング要素を再挿入することによりいつでもセーフティ締結具を取り外すことができる。この実施の形態における安全性能を向上させるために、セーフティ締結具内のチャンネルとそれに収納されるロッキング要素は、非常に多くの異なった設計にすることができる。
【0089】
可逆性を有するセーフティ締結具の他の実施の形態において、暗証符号を入力したり、キーを使用することによって発動する錠を携えたロッドにより、操作状態とセーフティ状態(図11参照)との間の切り替えを行うようにすることができる。
【0090】
本発明に基づくセーフティ締結具(セーフティアンカーのような締結具)は、多くの製造方法を選択できるように広い範囲で種々に設計することができる。図12は、そのような設計の1つを示している。しかし、当業者であれば、本発明によるセーフティ締結具の機能が、本発明の精神を逸脱いない範囲内において、色々と設計できることは認識しているであろう。一つの設計において、ロッドとねじ山を有するチップの間の回転継ぎ手は、閉じたフランジを有する継ぎ手(図12a)となっている。この場合、互いに適合する2つの部材の端部同士を突き合わせて押し込むことにより、セーフティ締結具を組み立てることができる。選択的に、そのような組立工程は、ロッドを冷却すると共にねじ山を加熱する処理、あるいはその逆の処理を含むことがある。変形例として、ロッドとねじ山を有するチップは、一旦、セーフティ締結具が取り付けられてしまうと、互いに相対的に側方へスライドできないので、ロッドとねじ山を有するチップとの間のフランジ付継ぎ手は、側部同士の組み付けが容易にできるように、開口させることができる(図12b)。
【0091】
ロッドとねじ山を有するチップは、ロッキングリング(図12c)を用いて組み立てるように設計することもでき、また、ロッドとねじ山を有するチップは、別部材の連結部分(図12d)を介して端部同士又は側部同士を組み付けることができるフランジを備えるように設計することもできる。前記連結部分は、たとえば、プラスチック、ポリマー、金属など、各種広範囲の材料で製作することができる。ロッドとねじ山を有するチップの端部同士を組み合わせる場合に使用する連結部分を製造するには、可撓性を有する材料が最も適しており、一方、ロッドとねじ山を有するチップの側部同士を組み合わせる場合に使用する連結部分を製造する場合には、可撓性を有しない材料が最も適している。
【0092】
ロッドもしくはチップ又はそれら両者は、複数の部品によって製造することができる。たとえば、ロッドを、ねじ山を有するチップに対して、側部同士の突き合わせにより組み付けられる2つ部品から構成することができる(図12e)。この場合、2つのロッド分割片は、たとえば、対応するフランジ同士又は一つあるいは複数のロッキングリングによって、一体的に保持することができる。また、ロッドとねじ山を有するチップは、締結手段によってそれらを組み立てることもできる。この場合、両分割片は、一旦組み立てられた後は、両分割片を分解することができないように、一方向ねじを形成することができる(図12f)。
【0093】
セーフティ締結具はその用途により、ロッドの長さを、ねじ山を有するチップの長さに対して、長くも、短くもあるいは等しくもすることができ、また、ロッドにねじ部を形成することも、ねじ部を形成しない構成とすることもできる。適切なセーフティ締結具を選択するガイダンスとして、締結されたセーフティ締結具を、許可を得ていない者が取り外そうとした場合に、ねじ山を有するチップに回転方向に連結されるセーフティ締結具が挿入された素材を、相当奥深い位置まで掘り下げなければならないことを理解すればよい。たとえばドアや窓に防犯取り付け台のような物を据え付けるためにセーフティ締結具を用いる時、金属の取り付け台によると、取り付け台自体で、掘り下げられるのを阻止することができる。したがって、短いロッドと、強力なアンカリングを発揮する長いねじ山を有するチップと。を備えたセーフティ締結具を用いることができる。反対に、セーフティ締結具が、対象物を軟らかい素材内に固定するために使用される時、及び又はセーフティ締結具の周囲が掘り下げに対する保護機能を有していない対象物を固定する時には、長いロッドが、より有用である。好ましい実施の形態において、長さと寸法の異なるロッドとねじ山を有するチップのセットは、ユーザーによって、すぐに課題に合うように、自由に、かつ、簡単に組み立てることができるように設計される。
【0094】
本発明のセーフティ締結具を製造するために、プラスチック、ポリマー及び金属のような各種材料を用いることができると共に、一つのセーフティ締結具について複数の材料を用いることもできる。同様に、本発明のセーフティ締結具は、たとえば、スパナやモンキーレンチ用の通常の六角ボルト頭部のように、すべて標準的なグリップ手段を用いて製造することができるが、それ以外にも、アレンキー(六角棒)、通常の締結ドライバー、パークス締結ドライバー等で把持されるスロットを有する皿形締結頭部にも適用できる。
【0095】
本発明の原理、すなわち、ロッドとねじ山を有するチップを回転方向に連結する要素が位置変更され、取り外され又は破壊されることにより、セーフティ締結具に変わるまでは、通常の締結具として取り扱われる締結具は、非常に大きな締結具と同様に非常に小さな締結具にも良く利用される。締結具の用途によって、セーフティ締結具の寸法は、数ミリの径方向の寸法及び数センチの長さから0.25〜0.5mの径方向の寸法と数mの長さを有するものまで、広範囲に亘る。
【0096】
本発明のさらに別の目的は、たとえばねじのような締結具と錠からなる錠セーフティ締結具と称する装置を提供することである。該締結具は、たとえば壁や床等にように硬い素材内に締結具をアンカリングするための部位と、錠の着脱を可能にする部位と、たとえばトルクを掛ける締結具頭部のような部分を締結具に取り付けるための手段を備えている。たとえば壁に取り付けられる時には、錠支持部位が壁から突出し、それにより錠を取り付けることが可能となる。
【0097】
錠セーフティ締結具の錠は、
アンロック時には締結具の錠支持部位に取り付けることができ、
ロック時には締結具の錠支持部位から取り外すことができず、
そして、締結具の錠支持部位と締結具頭部とは、ロック時には、把持工具によってアクセスができないようになっている。
【0098】
好ましい実施の形態において、錠セーフティ締結具の締結具部分は、ねじ山を有する部位とねじ頭部を備えており、ねじ頭部に係合してトルクを付与する適当な工具によって、時計回り又は反時計回りのいずれかに回転することにより、着脱できるようになっている。一旦、締結具が満足な状態に固定されると、許可を得ていない者による取り外しから保護される対象物又は装置は、その後の錠の取り付け及びロッキングによって、錠支持部位に取り付けられる。
【0099】
一旦、据え付けられると、錠セーフティ締結具は、許可を得ていない者によって前記対象物又は装置が取り外されるのを確実に防ぐことができると同時に、許可を得たユーザーによっては、工具を用いること無く対象物又は装置を容易に着脱することができる。このように、錠セーフティ締結具は、貴重品及び対象物を保護するのに非常に適しており、典型的には、固定された設置位置を有している。ただし、その位置は、所有者が、工具を使用することなしに、定期的に、かつ、容易に移動できることを望む位置である。前記保護される対象物としては、限定はされないが、コンピュータ、コンピュータスクリーン、プリンタ、テレビ、絵画、ステレオ装置、音響スピーカー等であって、平常は、床、テーブル、壁等の所定位置に配置されるが、洗浄、修理等のために時々取り外すことが必要な装置又はアイテムを含んでいる。
【0100】
当業者であれば、上述の締結具及び錠の各種機能が、本発明の精神を逸脱しない範囲で、各様に変更可能であることは認識できるであろう。
【0101】
好ましい実施の形態において、錠は、2個〜12個の数字盤、好ましくは3個〜8個の数字盤、さらに好ましくは3個〜5個の数字盤を備えた暗証符号式錠として、設計することができる。図13はそのような設計にされた錠の一つを示している。要するに、錠セーフティ締結具の締結具部分はねじ山部位を備えており、該ねじ山部位は、締結具が素材内の適切な深さまで正確に挿入できるように、固定ディスクによって錠支持部位から分けられている。錠支持部位は、一つ又は複数のペグ(杭)を有する円筒形に形成されると共に、締結具に回転トルクを付与するための締結具頭部を備えている。暗証符号式錠は幾つかの数字盤(環)を備えており、各数字盤は、前記ペグが十分に通過可能な大きさの切欠きをそれぞれ有している。正しい暗証符号(暗証番号)が入力された時、各切欠きは、締結具の錠支持部位上で前記ペグと一直線状に整列し、それにより、締結具の錠支持部位に対して錠を着脱できるようになっている。反対に、正しくない暗証符号が入力された時は、各ペグは各数字盤の間断の無い部分の背後に位置し、それにより、暗証符号式錠を取り外すことができなくなっている。また、暗証符号式錠は、締結具の錠支持部位内で自由に回転できるようになっているので、締結具は、暗証符号式錠を回転することによっても取り外すことはできない。
【0102】
特に好ましい実施の形態において、暗証符号式錠は、錠の所有者が暗証符号を変更できるようになっている。図14は、そのような暗証符号式錠がいかに構成されているかを示している。要するに、錠は、複数の数字盤と複数の小径盤を交互に保持している中心ロッドを備えており、各小径盤の外周面には、一部を切除することにより小さなくぼみが形成されている。数字盤は、該数字盤を回転した時に小径盤も一体的に回転するように、小径盤に係合している。各小径盤の外周面にはばね作動ピンの一端部が押し付けられ、ばね作動ピンの他端部は、締結具の錠支持部位が挿入可能な円筒形の空洞内に突出している。締結具の錠支持部位は、円筒形空洞内に突出可能な前記作動ピンの先端部分に係合してロックすることができる切欠きが、周方向に延びるように形成されている。正しい暗証符号が入力された時は、小径盤はピンが前記くぼみに嵌入するように整列する。この位置において、各ピンは、円筒形空洞内には突出しておらず、錠は締結具から取り外し可能な状態となっている。正しくない暗証符号を入力した時は、小径盤は、作動ピンを締結具の錠支持部位に係合固定する状態に押圧し、それにより、締結具は取り外し不可能な状態となる。暗証符号を変更するためには、正しい暗証符号を入力すると共に、小径盤と数字盤との係合が解除されるように、数字盤に対し、該数字盤を保持している中心ロッドと小径盤を移動する。それから、希望する暗証符号(暗証番号)に合わせるように、数字盤を回転し、その後、数字盤が小径盤に係合して再度ロックされるように、中心ロッドを元の位置に戻す。
【0103】
多くの好ましい実施の形態において、暗証符号式錠は、ユーザーが暗証符号を設定できるように、かつ、締結具のロッキング部位が錠の中央部に挿入されるように、設計される。要するに、図15に示すように、錠は、錠ケースによって交互に所定位置に保持された3個又は4個の数字盤(環)及び小径盤(環)を備えており、該数字盤(環)と小径盤(環)とは、両者とも回転できると共に長さ方向に移動できるようになっている。各小径盤は、互いに接触し(最後の小径盤はばねに押し付けられている)、数字盤を通過して移動できるようになっている。したがって、第1番目の小径盤に外部の力が掛かった時には、第一番目の小径盤は対応する数字盤から外れ、それに伴って、他のすべての小径盤はそれぞれ対応する数字盤から外れ、それにより、錠の暗証符号の再設定が容易に行えるようになる。反対に、外部からの力が解除された時には、最後の小径盤を押圧しているばねの作用により、小径盤と数字盤を再び係合状態に戻す。小径盤はそれぞれ切欠きを有しており、該切欠きは、締結具の錠支持部位のペグが丁度通過できる大きさに形成されている。正しい暗証符号が入力された時は、切欠きは締結具の錠支持部位のペグと一直線状になるように整列し、それにより、締結具の錠支持部位に対して、錠を着脱できるようになっている。反対に、正しくない暗証符号が入力された時は、ペグは、小径盤の間断の無い部分の背後に位置して、これにより暗証符号錠の取り外しを阻止し、いかなる対象物又は装置もそれによって保護されるようになっている。
【0104】
上記例の錠は、純粋に機械式であり、盤組み合わせ型の錠である。しかし、幾つかの他の型の錠を備えることも可能であり、ダイヤル組み合わせ型又は押しボタン組み合わせ型の錠、電力式の暗証符号錠又は該錠に使用するキーに制限されることはない。
【0105】
典型的な状況において、錠セーフティ締結具の締結具部分は壁の中に固定され、その後、固定される装置は、締結具の突出状の錠支持部位に取り付けられ、錠が装着される。幾つかの例において、固定されるべき装置にドリルによって孔を開けることは可能であるが、装置に孔を開けることが無理な場合もある。装置に孔を開けることが無理な場合は、特別な型のアイテムや装置の締結のために特別に設計された取り付け台を使用することも可能である。
【0106】
広範囲に実用化するために、錠セーフティ締結具は、所有者が保護したい色々なアイテム及び装置の材料厚さの相違に対して、互換性を有していなければならない。たとえば、取り付けられた錠の底部と締結具の固定ディスクの間の隙間の寸法を、一方では、異なった材料厚さに適応させるように十分大きくしなければならず、他方では、許可を得ていない者により取り外しが行えないようにするため、グリップ手段によって操作可能な程度まで締結具の錠支持部位の部分が露出しないように、上記隙間を十分に小さくしなければならない。これを達成するための一つの方法は、取り付けられた錠の底部と固定ディスクの間にたとえば1cmから2cm程度の隙間が存在するように、そして、装置の取り付け後に前記隙間を埋めるためのスペーサリングを用いるように、錠セーフティ締結具を設計する。当業者であれば、本発明の精神を逸脱しない範囲で、他の解決手段が存在することは認識できる。
【0107】
当業者であれば、さらに、錠を取り付けるための錠支持部位を、締結具と一体的な部分として構成せずに、たとえば、壁、床、テーブル等に締結できるいかなる物を利用できることや、錠の付属物と互換性のあるアクセス可能部位を表示できることも認識できるであろう。
【0108】
好ましい実施の形態において、錠セーフティ締結具は、異なった寸法を有する締結具であって、錠支持部位は統一された寸法を有する多くの締結具と、暗証符号式錠と、スペーサリングのセットとを備えたキットとして提供することができる。たとえば、プラスチック、ポリマー及び金属のような各種の材料を、錠セーフティ締結具の締結具部分及び暗証符錠部分の製作に用いることができると共に、複数の材料を用いることもできる。同様に、本発明の錠セーフティ締結具の締結具部分は、スパナやモンキーレンチ用の通常の六角ボルト頭部のように、すべて標準的なグリップ手段を用いて製造することができ、それ以外にも、アレンキー(六角棒)、通常の締結ドライバー、パークス締結ドライバー等で把持される皿形締結頭部にも適用できる。また、本発明の原理は、たとえばねじ、ボルト等、すべての型の締結具にも同様に適用することができる。
【0109】
(発明の詳細な説明)
図1〜図15を参照することにより、以下の詳細な開示に則り、本発明による各種セーフティボックス、セーフティアンカー、セーフティ締結具及び錠セーフティ締結具を最も良く理解することができる。図面及び以下の詳細な開示は、本発明を十分に開示している。しかし、本発明は、本発明の範囲内において、別の構造を適用することもできる。
【0110】
図1は、暗証符号式(コード式)南京錠が用いられるセーフティボックスの実施の形態の正面及び側面を示す図である。南京錠でロックするための小孔がくぼみ部分に形成されたチャンバー部1と、南京錠でロックするための小孔がくぼみ部分に形成された蓋部2と、該蓋部2に形成されたオーバーハング部3と、ピンの挿入により蓋部2とチャンバー部1とを結合する役目を果たすヒンジ部4と、取り付けの便宜を図るための溝5と、水と砂を通過させることができる水平な格子6と、はからずもセーフティボックス内に侵入した水及び砂を排出するためのスリット7と、オーバーハング状の蓋2によって保護されるエア入口8が開示されている。
【0111】
図2のAは、セーフティボックスをサンチェアに着脱可能に取り付けることができるアタッチメントを示している。Bは、図1のセーフティボックスの背面図及びサンベッドにセーフティボックスを取り付けるために用いる取り付け台が示されている。蓋部2とチャンバー部1とをピンによって結合するヒンジ部4と、南京錠によってロックするためのくぼんだ小孔を有する蓋部2と、オーバーハング状の蓋部2によって保護されるエア入口8と、サンベッドにセーフティボックスを取り付けるためのナット配置用のくぼみ9と、取り付けの便宜を図るための溝5と、高位置(非結合位置)にギヤを変位させるハンドルを動かないように固定する溝10と、南京錠によってロックするための小孔がくぼみ部分に形成されたチャンバー部1と、セーフティボックスをサンベッドに取り付けるための取り付け台11と、サンベッドに取り付け台11を取り付けるためのナット及び丸形頭部を有するボルト12が開示されている。該ボルト12は、セーフティボックスが装着された時に取り付け台11が取り外せないように、挿入される。
【0112】
図3は機械式の暗証符号式錠を一体的に備えたセーフティボックスの正面及び側面を示す図である。3輪型の機械式の暗証符号(暗証番号)式錠13と、暗証符号式錠を覆う保護カバー蓋14と、ロッキング片15と、暗証符号式錠作動ピンを挿入する挿入ポイント16と、ロッキング片挿入孔17と、オーバーハング状の蓋部2によって保護されるエア入口8と、蓋部とチャンバー部とをピンによって結合するヒンジ部4と、取り付けの便宜を図るための溝5と、水と砂を通過させることができる水平な格子6と、はからずもセーフティボックス内に侵入した水及び砂を排出するためのスリット7と、が開示されている。
【0113】
図4は、セーフティボックスやサンパラソル等を取り付けるのに適した多機能型セーフティアンカーを示している。該セーフティアンカーは、地中に打ち込んで地中に固定するのに適したねじ山を有するチップ17と、ギヤボックス18と、多機能型のロッド19と、ギヤピン20と、セーフティアンカーが所定の正しい深さまで到達した状態を認識すると共にセーフティアンカーの上下方向の位置を安定させるためのストップ板21と、サンパラレルのロッドを挿入するための孔22(符号8の小孔と共同で作用する)と、ユーザーがセーフティアンカーを地中に打ち込む時に利用する取り外し自由な据え付けバー23と、サンパラソルのロッドを挿入するための孔24と、据え付けバー23を保管するための空洞25と、締結キャップ26と、セーフティボックス用の取り付け台27と、ギヤチェンジ用のハンドル28と、バッグ、ペット等をセーフティアンカーに取り付けるための小孔29を備えている。
【0114】
図5は、セーフティアンカーのギヤボックスの詳細を示しており、該ギヤボックスは、ねじ山を有するチップ17と、多機能型ロッド19と、角形のチップ30を有するギヤピン20と、多機能型ロッド19内及びねじ山を有するチップ17内に並置されると共にギヤピンの角形チップ30を介してセーフティアンカーの2つの分割部材(ロッドとチップ)を連結する1対の角孔31と、はからずもセーフティボックス内に侵入した少量の砂によりギヤピン20の動作が妨げられるのを防ぐために前記砂を収納する砂溜め用のチャンバー32と、を備えている。図5のAはギヤピンが高位置に位置し、それにより多機能型ロッド19の回転がねじ山を有するチップ17に伝達されない状態を示している。図5のBは、ギヤピンが低位置に位置し、それにより多機能型ロッド19の回転がねじ山を有するチップ17に伝達される状態を示している。
【0115】
図6は、セーフティアンカーの上端部の詳細図であり、ギヤピン20と、ギヤピン20を切り替えるためのハンドル28と、このハンドル28に形成された孔33と、セーフティボックス用の取り付け台27と、据え付けバー用の保管孔25と、締結具キャップ26とを備えている。前記ハンドル28の孔33は、前記セーフティボックス取り付け台の上側の孔と組み合わされ、両孔に南京錠を組み込むことにより、セーフティボックスが取り付けられていない場合に許可を得ていない者によるセーフティアンカーの取り外しができないように、セーフティアンカーを非伝達モードに固定する孔33である。
【0116】
図7は、セーフティボックスを取り付けた状態で示すセーフティアンカーの平面図である。セーフティボックス34と、セーフティアンカーの多機能型ロッド19と、多機能型ロッド19内及びねじ山を有するチップ17内に並置されると共にギヤピンの角形チップによってセーフティアンカーの2つの分割部材(ロッドとチップ)を連結する1対の角孔31と、ギヤピン20と、ギヤピン20を切り替えるためのハンドル28と、セーフティボックス用の取り付け台27と、セーフティボックスを締結するためのロッキング片35と、取り付けの便宜を図るための溝5と、高位置(非結合位置)にギヤを変位させているハンドルを動かないように固定する溝10とが開示されている。
【0117】
図8は押し下げ式のセーフティ締結具の側面図である。該セーフティ締結具は、ねじ山36を有するチップ36と、継ぎ手37と、締結具の回転運動を行う工具又は装置が係合可能な締結頭部39を有するロッド38と、ロッキング要素40と、を備えている。該ロッキング要素40は、ロッキングチャンネル41内で自由に回転できる中間部と、ロッキングチャンネル41に係合(嵌合)すると共にロッド38とねじ山を有するチップ36との間の回転動力伝達を断続できる先端拡大部42と、ロッキングチャンネル41に嵌合すると共に締結具頭部からアクセス可能な基端拡大部43であって、移動によりロッキング要素40を操作する基端拡大部43と、を備えている。先端拡大部42がロッド38とねじ山を有するチップ36との間の継ぎ手37を横断するように位置している時、ロッド38の回転力はねじ山を有するチップに伝達される。Bにおいて、ロッキングチャンネル41は、ロッキング要素40の先端拡大部42の全体を収納できるように、ねじ山を有するチップ36の奥深くまで延設されている。したがって、セーフティ締結具が満足な状態で取り付けられている時には、ロッキング要素の基端部が、ねじ山を有するチップのチャンネル内に収納されるように、ロッキング要素の基端部を押し込むことにより、ロッドとチップとの間の回転動力伝達を切断され、それにより、セーフティ締結具が取り外されないように保護することができる。
【0118】
図9は、トルク式セーフティ締結具の側面図である。Aは第1の締結具の構成を示し、ねじ山36を有するチップ36と、継ぎ手37と、締結具を回転させるための工具又は装置が係合可能な締結頭部39を有するロッド38と、ロッキングチャンネル41内に嵌合するトルク式ロッキング要素44と、を備えている。該トルク式ロッキング要素44は、ロッドとねじ山を有するチップとを、ロッドからねじ山を有するチップへ回転動力が伝達されるよう連結すると共に、予め決められたトルクに達した時に破断するようになっている。Bは第2の締結具の構成を示し、ねじ山36を有するチップ36と、継ぎ手37と、締結具の回転させるための工具又は装置が係合可能な締結頭部39を有するロッド38と、トルク式ロッキング要素44と、を備えている。該トルク式ロッキング要素44はロッド38に一体形成されており、ロッド端面から突出すると共にねじ山を有するチップ36の係合空洞45に係合しており、予め決められたトルクに達した時に破断するようになっている。
【0119】
図10は、引き抜き式のセーフティ締結具の側面図である。該セーフティ締結具は、ねじ山を有するチップ36と、継ぎ手37と、締結具の回転させるための工具又は装置が係合可能な締結頭部39を有するロッド38と、ロッキングチャンネル41に嵌合するロッキング要素40と、を備えている。該ロッキング要素40は、ロッド38とねじ山を有するチップ36との間を回転動力伝達可能に結合すると共に、頭部46を有しており、締結具頭部側から、アクセス可能で、かつ、取り外せるようになっている。Bは締結具頭部の平面図であり、ロッキング要素40の頭部46と、ロッキング要素40の取り外しを容易にするための溝47を示している。Cは引き抜き式のセーフティ締結具の側面図であり、ロッキング要素は許可を得ていない者によるセーフティ締結具の取り外しを阻止するために、取り外されている。
【0120】
図11は、錠によって操作されるセーフティ締結具の側面図である。該セーフティ締結具は、ねじ山を有するチップ36と、継ぎ手37と、締結具の回転させるための工具又は装置が係合可能な締結頭部39を有するロッド38とチャンネル41内に配置されたロッキング要素40と、錠48と、を備えている。該錠48は、たとえばキーが差し込まれた状態において、前記ロッキング要素40を、回転方向のロック位置とアンロック位置との間で回転させる機能を有している。Aは、ロッキング要素40がロッド38とねじ山を有するチップ36との間で継ぎ手37を横断するように延びているロック位置の状態のセーフティ締結具を示している。Bは、ロッキング要素40がセーフティ締結具のロッド部分内に退いたアンロック位置の状態のセーフティ締結具を示している。
【0121】
図12は、ねじ山を有するチップとロッドを、別々に製造し、組み立てる工程を容易にするための、各種例を示している。Aは、ねじ山を有するチップ36と、端部同士を連結するための閉塞されたフランジ継ぎ手49と、ロッド38とを備えている。Bは、ねじ山を有するチップ36と、端部同士を連結するための開口状のフランジ継ぎ手50と、ロッド38とを備えている。Cは、ねじ山を有するチップ36と、端部同士を連結するためのロッキングリング51を有する開口継ぎ手と、ロッド38とを備えている。Dは、ねじ山を有するチップ36と、該チップ36とロッド38の各端部に形成されたフランジを連結するための連結部材52とを備えている。Eは、ねじ山を有するチップ36と、第1及び第2の半割部材52、54から構成されたロッドとを備え、ねじ山を有するチップ36のフランジの外周に、前記半割部材が横方向から組み付けられるようになっている。Fは、一方向ねじ55を有するチップ36と、該一方向ねじ55に適合する一方向ねじ56を有するロッドとを備え、両一方向ねじで締結することより、組み付けは容易であるが、分解はできないように構成している。
【0122】
図13は、単純な錠セーフティ締結具を示している。該錠セーフティ締結具は、ねじ山部位57と、締結具を素材内の所定の深さまで確実に挿入するための固定ディスク58と、締結具の回転動作を容易に行うための工具又は装置又が係合可能な締結具頭部60を有するロッキング部位59と、暗証符号式錠(番号錠)用のアンカーポイント(固定ポイント)となる1又は複数のペグ(杭)61とを備えている。基本的な形状において、暗証符号式錠は中央ハウジング63により構成されており、該中央ハウジング63は、チャンネル64と1つ又は複数の数字盤(環)65を有している。チャンネル64は、締結具のロッキング部位59上にペグ61によって決定される外径よりもわずかに大きい直径を有しており、数字盤65は、締結具のペグ61の幅よりもわずかに大きい軸方向の内部ディスク間隔66を有している。各数字盤65の中央部にはペグを除いたロッキング部位の直径に嵌合する円形孔67が形成されており、数字盤65に記載された各数字のうちの一つの背後には切欠き68が形成され、該切欠き68はペグ61が十分に通り抜けることができる大きさに形成されている。正しい暗証符号(暗証番号)が入力された時には、暗証符号式錠内の各切欠き68は、締結具のロッキング部位59上のペグ61と一致するように整列し、それにより、締結具のロッキング部位59に対して錠を着脱できるようになっている。反対に、正しくない暗証符号(暗証番号)が入力された時には、数字盤65の間断していない部分がペグ61に対向するよう位置し、それにより、取り付け状態の暗証符号式錠は締結具から取り外すことができないようになっている。Bは、暗証符号式錠が取り付けられた状態の締結具を示しており、一旦取り付けられた暗証符号式錠の数字盤65により、ペグ61は、外部から見えないように隠されている。取り付け状態の暗証符号式錠と締結具の固定ディスク58との間に隙間44が存在することにより、錠セーフティ締結具が、異なった取り付け台及び装置にも使用できるようにしている。
【0123】
図14は、締結具のロッキング部位に非対称の状態で暗証符号式錠が装着されると共に、ユーザーによって暗証符号を任意に決定できる錠セーフティ締結具を示している。錠は、中心ロッド70を保持する中央ハウジング63備えており、前記中心ロッド70には、複数の数字盤65と複数の小径盤71が交互に取り付けられており、小径盤71には、外周面の一部を切除することによりくぼみ72が形成されている。数字盤65は、該数字盤が回転した時に小径盤71も回転するように小径盤に係合している。各小径盤には、ばね作動ピン73の一端部がばねによりそれぞれ押し付けられており、前記作動ピン73の他端部は、締結具のロッキング部位が挿入可能な円筒状の空洞74内に突出している。締結具のロッキング部位は切欠き75を有しており、該切欠き75は周方向に延び、円筒状の空洞内に突出可能な前記作動ピンに係合可能となっている。正しい暗証符号(暗証番号)が入力された時には、小径盤は、各作動ピンに小径盤のくぼみが当接するように整列する。この状態において、各作動ピンは、円筒状の空洞内には突出しておらず、従って錠を締結具から取り外すことができる。正しい暗証符号が入力されていない時には、小径盤は各作動ピンを締結具のロッキング部位の各切欠きに係合させており、締結部から錠が取り外せないようになっている。暗証符号(暗証番号)を変更する場合には、まず、既存の正しい暗証符号(暗証番号)を入力すると共に、中心ロッド70を底部ばね76に抗して内方に押し込む。この中心ロッド70の内方への移動により、数字盤と小径盤との回転方向の係合を解除する。そうして、数字盤を所望の新しい暗証符号(暗証番号)になるように回転し、その後、中心ロッドを元の位置に戻すことにより、小径盤と数字盤とを再度係合状態とする。
【0124】
図15は、締結具のロッキング部位に対称の状態で暗証符号式錠が装着されると共に、ユーザーによって暗証符号(暗証番号)を任意に決定できる錠セーフティ締結具を示している。錠ハウジングは、前部品77と、独立した3つの中間部品78と、後部品79から構成されており、これら部品77,78,79は、締結具80により一体的に保持されており、前記締結具80は、4つの数字盤65と4つの小径環71も支持している。数字盤65は回転自在であり、数字盤に形成されたくぼみに小さなばね作動ボール81が係合することにおり、所定位置に係止保持されている。小径環は、回転自在、かつ、長さ方向スライド可能となっている。また、各小径環は互いに接触しており(最後の小径環はばね82に押し付けられている)、数字盤の内部を通り抜けるように移動可能となっている。したがって、第1の小径環に対して長手方向に外力が加わった時には、第1の小径環が対応する数字盤から外れ、それに伴って、残りのすべての小径環もそれぞれ対応する数字盤から外れ、それにより、錠の暗証符号を容易に再設定できる。逆に、第1の小径環への外部からの圧力が解除された時には、ばね82により最後の小径環が押され、各小径環と各数字盤とが再び係合状態に戻る。前記外部からの押圧力は、たとえば前部品77の孔に挿通できるような各種手段によって加えることができる。
【0125】
錠ハウジングを構成する前部品77、中間部品78及び後部品79は長円形に形成されており、ユーザーが数字盤を操作できるように、数字盤65の外径よりも小さい短径を有すると共に、錠ハウジングの組立時に用いられる締結具80の配置スペースを確保するために、数字盤65の外径よりもかなり大きい長径を有している。小径環71はそれぞれ切欠きを有しており、各切欠きは、締結具の錠収納部位59のペグ61が通り抜けられる十分な大きさに形成されている。正しい暗証符号(暗証番号)が入力された時には、全前記切欠きは、締結具のロッキング部位のペグに一致するように整列し、それにより、締結具のロッキング部位に対して錠の着脱が可能となる。反対に、正しい暗証符号が入力されていない時には、ペグは小径盤の間断の無い部分に対向するように位置し、それにより、締結具のロッキング部位から錠を取り外すことができないようになっている。
【0126】
暗証符号式錠がプラスチック又はポリマーで製作される時は、金属環83を、最後の小径盤と底部ばねの間、あるいは、後部品の底部に配置することにより、ドリルによって後部品の端部を貫通して締結具頭部に簡単にアクセスできないようにし、それにより盗難を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明が適用されるセーフティボックスの正面及び側面を示す図である。
【図2】サンチェアに取り付けられたセーフティボックスと同様、図5のセーフティボックスの背面図である。
【図3】一体化された機械的な暗証符号式錠を備えたセーフティボックスの正面及び側面図である。
【図4】本発明によるセーフティアンカーの実施可能な形態を示す図である。
【図5】図4に示すセーフティアンカーのギヤボックスの詳細図である。
【図6】図4に示すセーフティアンカーの上端部の詳細図である。
【図7】セーフティボックスが取り付けられた図4に示すセーフティアンカーの平面図である。
【図8】押し下げ方式のセーフティ締結具、たとえば、操作状態とセーフティ状態との間の切り換えが、ロッキング要素をセーフティ締結具内に打ち込むことにより制御される不逆性のセーフティ締結具の側面図である。
【図9】2トルク方式のセーフティ締結具、たとえば、予め決められたトルクが締結具に掛かった時に自動的にセーフティ締結具に変わる不逆性のセーフティ締結具の側面図である。
【図10】引き抜き方式のセーフティ締結具、たとえば、操作状態とセーフティ状態との間の切り換えが、ロッキング要素の取り外し及び挿入によって制御される可逆性のセーフティ締結具の側面図である。
【図11】可逆性のセーフティ締結具、たとえば、操作状態とセーフティ状態との間の切り換えが、暗証符号式錠によって制御される可逆性のセーフティ締結具の側面図である。
【図12】ねじ山を有するチップとロッドが、別々に製造され、組み立てられる工程の多くの例を示す図である。
【図13】単一の錠セーフティ締結具を示す図である。
【図14】錠の所有者が暗証符号を変更することができ、暗証符号式錠が、締結具のロッキング部位で非対称に取り付けられた錠セーフティ締結具の詳細図である。
【図15】錠の所有者が暗証符号を変更することができ、暗証符号式錠が、締結具のロッキング部位で対称に取り付けられた錠セーフティ締結具の詳細図である。
【図16】締結具の側面図である。
【図17】締結具の側面図である。
【図18】締結具の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック状態とアンロック状態との間で切替可能なロック遂行手段と、
暗証符号を入力することにより、前記ロック遂行手段をロック状態からアンロック状態に切り替える暗証符号入力手段と、
錠アクチュエータを受け入れている時に、ユーザーが決定した暗証符号を受諾し保存するように前記暗証符号入力手段を作動させる錠発動手段と、を備えたセーフティボックス用の錠において、
ロック状態とアンロック状態とを切り替えるための錠の能力は、錠の発動作用によって変化するようになっていることを特徴とするセーフティボックス用の錠。
【請求項2】
暗証符号入力手段は、すべての可能な暗証符号を組織的に入力して試すために、多くの暗証符号の入力が行えるようになっている請求項1に記載の錠。
【請求項3】
暗証符号入力手段は、50−1000の範囲に亘って、暗証符号のサンプルスペースを備えている請求項1又は2に記載の錠。
【請求項4】
ユーザーが決定した暗証符号は、アクチュエータの取り外しと再挿入によって変更できる前記いずれかの請求項に記載の錠。
【請求項5】
アクチュエータを取り出すことにより、錠をアンロック位置に変更するようにした前記いずれかの請求項に記載の錠。
【請求項6】
ユーザーが決定した暗証符号は、電力供給装置が空になって新しい電力供給装置により再生された時にも維持されるようになっている前記いずれかの請求項に記載の電動式の錠。
【請求項7】
前記錠発動手段は、特定の形状を有する錠アクチュエータを受け入れることができるように構成された錠発動テンプレートを備えている前記いずれかの請求項に記載の錠。
【請求項8】
前記錠発動手段は、特定の重量を有する錠アクチュエータを受け入れることができるように構成された錠発動テンプレートを備えている前記いずれかの請求項に記載の錠。
【請求項9】
前記錠発動手段は、多くの異なった錠アクチュエータを受け入れることができるように構成された錠発動テンプレートを備えている前記いずれかの請求項に記載の錠。
【請求項10】
前記錠は、非腐食性材料でできている前記いずれかの請求項に記載の錠。
【請求項11】
前記錠は、プラスチックでできている請求項9に記載の錠。
【請求項12】
請求項1−8及び10−11のいずれかに記載の複数の錠を備えたロッキングシステム。
【請求項13】
異なった形状の複数のアクチュエータを受け入れられるように、複数の錠発動テンプレートを備えた請求項12に記載のロッキングシステム。
【請求項14】
個人のアイテムを保管するための閉塞可能な空洞部を有するセーフティボックスを備えたビーチチェア。
【請求項15】
セーフティボックスは、セーフティボックスが開くのを阻止するロッキング手段を備えている請求項14に記載のチェア。
【請求項16】
セーフティボックスは、請求項1−13のいずれかに記載の暗証符号錠を備えている請求項14又は15に記載のチェア。
【請求項17】
暗証符号式錠の暗証符号入力部分は、セーフティボックス側に配置してある請求項16に記載のチェア。
【請求項18】
暗証符号式錠の暗証符号入力部分は、カバー蓋によって保護されており、該カバー蓋は、持ち上げていない場合には自重により下降して暗証符号式錠の暗証符号入力部分を覆うようになっている請求項16又は17に記載のチェア。
【請求項19】
セーフティボックスロッキング手段は、南京錠と共に用いるように構成されている請求項14又は15に記載のチェア。
【請求項20】
セーフティボックスは、
底壁及び開口と、
前記底壁と前記開口の間に延設された側壁と、
前記開口を閉じる閉塞物と、
セーフティボックスの開口を阻止するロッキング手段と、を備えている、
前記請求項1−19のいずれかに記載のチェア。
【請求項21】
セーフティボックスは、空洞内を換気するための1つ又は複数の換気口を備えている請求項14−20のいずれかに記載のチェア。
【請求項22】
セーフティボックス内の前記換気口は、側壁と閉塞物の間に配設されている請求項21に記載のチェア。
【請求項23】
セーフティボックス内の前記換気口は、天気の影響、特に雨や砂が侵入しないようにシールドされている請求項21又は22に記載のチェア。
【請求項24】
セーフティボックスの空洞内をドレンするための1つ又は複数のドレン口を備えている請求項14−23のいずれかに記載のチェア。
【請求項25】
前記セーフティボックスのドレン口は、側壁の下部又は底部に備えられている請求項24に記載のチェア。
【請求項26】
前記セーフティボックスは、ボックス内に格子枠を備えており、該格子枠は、前記ドレン口から隔離されると共に、前記開口と底部の間の位置に個人のアイテムを保持するようになっている請求項24又は25に記載のチェア。
【請求項27】
前記セーフティボックスの底部はドレン開口へ流体を導くようになっている請求項24−26のいずれかに記載のチェア。
【請求項28】
前記ボックスは締結手段を備え、該締結手段は、複数の対象物に対して解除可能にボックスを締結できるように、締結状態と非締結状態の間で切り替わるようになっている請求項14−27のいずれかに記載のボックスと同様にセーフティボックス。
【請求項29】
前記締結手段は、空洞の内部からのみアクセス可能な締結及び非締結制御装置を備えている請求項28に記載のボックスと同様のセーフティボックス。
【請求項30】
前記締結手段は、ばね作動のロッキング要素を備えており、該ばね作動のロッキング要素は、対応するビーチチェア又はセーフティアンカーのロッキング要素に係合する請求項28又は29に記載のボックス。
【請求項31】
前記締結手段は、ビーチチェア又はセーフティアンカーにボックスを締結する場合に、ビーチチェア又はセーフティアンカーに対して1方向からのみ締結できるようになっている請求項28−30のいずれかに記載のボックス。
【請求項32】
請求項28−30のいずれかに記載のボックスと同様なセーフティボックスを固定するための取り付け台を備えているチェア。
【請求項33】
チェアと請求項28−31のいずれかに記載のボックスと同様なボックスとに締結するための手段を備えた取り付け台であって、前記手段は、後からボックスを取り付けることによって、取り付け台を引き離すことができなくなるように、前記チェアに取り付け台を締結するようになっている取り付け台。
【請求項34】
締結によって固定されるセーフティアンカーであって、少なくともねじ山を有するチップとロッドとを備えており、ねじ山を有するチップとロッドとは継ぎ手を介して連結され、該継ぎ手は、ロック状態において、ロッドからねじ山を有するチップへ回転動力を伝達し、アンロック状態において、ロッドからねじ山を有するチップへの回転動力を切断するようになっているセーフティアンカー。
【請求項35】
ロック状態とアンロック状態の間で可逆的に切り替え可能となっている請求項34に記載のセーフティアンカー。
【請求項36】
ロッキング要素を、ロッドとねじ山を有するチップとの回転方向の係合部に挿入することにより、継ぎ手がロックされるようになっている請求項34又は35に記載のセーフティアンカー。
【請求項37】
ロッドにトルクを付与するために、ねじ山を有するチップと反対方向に延びるグリップ手段を備えている請求項34−36のいずれかに記載のセーフティアンカー。
【請求項38】
ロッキング要素は、グリップ手段によってロック状態とアンロック状態の間で切り替えられるように、グリップ手段からアクセス可能となっている請求項36に記載のセーフティアンカー。
【請求項39】
継ぎ手は、ロッキング要素を継ぎ手から取り外すことにより、ロック状態からアンロック状態へ又はその逆向きの切り替えが行えるようになっている請求項36−38のいずれかに記載のセーフティアンカー。
【請求項40】
継ぎ手は、アンカー内でのロッキング要素の軸方向の位置を変更することにより、ロック状態からアンロック状態への切り替え又はその逆の切り替えが行えるようになっている請求項39に記載のセーフティアンカー。
【請求項41】
ロッキング要素は、ロッドからねじ山部分へ向かう方向に転位可能となっている請求項40に記載のセーフティアンカー。
【請求項42】
ロッキング要素は、ねじ山部分からロッドへ向かう方向に転位可能となっている請求項40に記載のセーフティアンカー。
【請求項43】
ねじ山部分は、少なくとも5ピッチのねじ山を有している請求項36−38のいずれかに記載のセーフティアンカー。
【請求項44】
ねじ山部分の長さは、セーフティアンカー全体の長さの少なくとも50%である請求項34−43のいずれかに記載のセーフティアンカー。
【請求項45】
ロッドは、ロッキング要素を収納する中空のチューブを備えている請求項36に記載のセーフティアンカー。
【請求項46】
ロッキング要素の運動を、ロッドの、ねじ山を有するチップ側とは反対側の上端部から制御するために配置されたハンドル部材を備えている請求項45に記載のセーフティアンカー。
【請求項47】
ロッキング要素を第1又は第2の位置のいずれかに定着させることができる定着手段を備えている請求項45又は46に記載のセーフティアンカー。
【請求項48】
アンカーのロック状態又はアンロック状態のいずれかの状態にロッキング要素をロックするための南京錠を受け入れることができるロッキング手段を備えている請求項34−47のいずれかに記載のセーフティアンカー。
【請求項49】
ロッドは、周辺にある対象物をアンカーに固定するためのアタッチメントを備えている請求項34−48のいずれかに記載のセーフティアンカー。
【請求項50】
前記対象物は、請求項28−31のいずれかによるビーチセーフティボックス、請求項14−21のいずれかによるビーチチェア、パラソル、自転車、モータサイクル、ボート、動物、釣り竿、鉄砲、彫刻、芝刈り機、ガーデンポット及び自動車のグループから選択される請求項49に記載のセーフティアンカー。
【請求項51】
少なくともねじ山を有するチップとロッドを備えたセーフティ締結具であって、ねじ山を有するチップとロッドは、ロック状態において、ロッドからねじ山を有するチップへ回転動力を伝達し、別のアンロック状態において、ロッドからねじ山を有するチップへの回転動力を切断する、継ぎ手によって連動連結されているセーフティ締結具。
【請求項52】
ロッドの、ねじ山を有するチップ側とは反対側の端部は、ロッドにトルクを付与するためのグリップ手段を備えている請求項51に記載のセーフティ締結具。
【請求項53】
ロッキング要素を、ロッドとねじ山を有するチップとの回転方向の係合部に挿入することにより、継ぎ手がロックされるようになっている請求項51又は52に記載のセーフティ締結具。
【請求項54】
ロッドとねじ山を有するチップは、ロッキング要素を収納する中空のチャンネルを備えている請求項53に記載のセーフティ締結具。
【請求項55】
ロッキング要素は、設置されたセーフティ締結具をロック状態とアンロック状態の間で切り替えることができるように、ロッドのねじ山を有するチップ側とは反対側の上端部からアクセス可能となっている請求項53又は54に記載のセーフティ締結具。
【請求項56】
ロッキング要素を締結具の軸方向に移動することによってロック状態とアンロック状態との間で双方向に切り替え可能となっている請求項53−55のいずれかに記載のセーフティ締結具。セーフティ締結具。
【請求項57】
ロッドの、ねじ山を有するチップ側とは反対側の上端部から、ロッキング要素の運動を制御するように配置されたハンドル部材を備えている請求項55又は56に記載のセーフティ締結具。
【請求項58】
ロッキング要素を第1又は第2の位置のいずれかに定着させることができる定着手段を備えている請求項55−57のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項59】
継ぎ手は、ロッキング要素をセーフティ締結具内に挿入したりセーフティ締結具内から取り外したりすることにより、ロック状態からアンロック状態の間で切り替えが行えるようになっている請求項55−57のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項60】
継ぎ手は、ロッキング要素を、ロッドからねじ山を有するチップへ向かう方向に移動させることにより、ロック状態からアンロック状態へ切り替えられるようになっている請求項51−55のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項61】
継ぎ手は、ロッキング要素を非可逆的に破断することにより、ロック状態からアンロック状態に切り替えられるようになっている請求項51−54のいずれか記載のセーフティ締結具。
【請求項62】
ロッキング要素は、予め設定された所定のトルクで破断するようになっている請求項61に記載のセーフティ締結具。
【請求項63】
ねじ山部分は、少なくとも5ピッチのねじ山を有している請求項51−62のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項64】
ねじ山部分の長さは、セーフティ締結具全体の長さの少なくとも50%である請求項51−63のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項65】
締結具と錠を備えた錠セーフティ締結具であって、前記締結具は、硬い素材の中に取り付けるために用いることができる挿入部位と、硬い素材から突出する錠支持部位と、を備えているセーフティ締結具において、
前記錠支持部位への錠の取り付け及びロッキングにより、締結具が緩む可能性をなくすようにしてある錠セーフティ締結具。
【請求項66】
締結具の挿入部位にはねじ山が形成されており、錠支持部位は、締結具がねじ止めによって固定できるように締結具にトルクを付与するグリップ手段を備えている請求項65に記載のセーフティ締結具。
【請求項67】
錠は、
アンロック状態の時に、締結具の錠支持部位に取り付けることができ、
ロック状態の時に、締結具の錠支持部位から取り外すことができず、
ロック状態の時に、締結具の錠支持部位に対して自由に回転することができ、
ロック状態の時に、締結具の錠支持部位と締結具頭部が、把持工具によってアクセスできないようになっている、
請求項65又は66に記載のセーフティ締結具。
【請求項68】
錠は、暗証符号式錠である請求項67に記載の錠セーフティ締結具。
【請求項69】
錠は、2個−12個の数字盤を備えている請求項68に記載のセーフティ締結具。
【請求項70】
ユーザーは、錠をプログラミングできる請求項68又は69に記載のセーフティ締結具。
【請求項71】
許可を得ていない者による取り外しから対象物を保護するために、前述の請求項34−70のいずれかに記載のセーフティアンカー、セーフティ締結具又は錠セーフティ締結具を使用する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結によって固定されるセーフティ締結具であって、少なくともねじ山を有するチップとロッドとを備えており、ねじ山を有するチップとロッドとは継ぎ手を介して連結され、該継ぎ手は、ロック状態において、ロッドからねじ山を有するチップへ回転動力を伝達し、アンロック状態において、ロッドからねじ山を有するチップへの回転動力を切断するようになっているセーフティ締結具において、
使用時にセーフティ締結具が締結される物の表面から距離をおいた下方に、継ぎ手と少なくともロッキング要素の一部が位置せしめられているセーフティ締結具。
【請求項2】
ロック状態とアンロック状態の間で可逆的に切り替え可能となっている請求項1に記載のセーフティ締結具。
【請求項3】
継ぎ手は、ロッキング要素を、ロッドとねじ山を有するチップとの回転方向の係合部に挿入することにより、ロックされるようになっている請求項1又は2に記載のセーフティ締結具。
【請求項4】
ロッドにトルクを付与するために、ねじ山を有するチップ側と反対方向に延びるグリップ手段を備えている請求項1−3のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項5】
ロッキング要素は、設置されたセーフティ締結具をロック状態とアンロック状態の間で切り替えることができるように、ロッドのねじ山を有するチップ側とは反対側の上端部からアクセス可能となっている請求項3又は4に記載のセーフティ締結具。
【請求項6】
継ぎ手は、ロッキング要素を継ぎ手から取り外すことにより、ロック状態からアンロック状態へ又はその逆向きの切り替えが行えるようになっている請求項3−5のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項7】
継ぎ手は、ロッキング要素を非可逆的に破断することにより、ロック状態からアンロック状態に切り替えられるようになっている請求項3−5のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項8】
ロッキング要素は、予め設定された所定のトルクで破断するようになっている請求項7に記載のセーフティ締結具。
【請求項9】
ロッキング要素を締結具の軸方向に転位させることにより、ロック状態からアンロック状態への切り替え又はその逆向きの切り替えが行えるようになっている請求項3−8のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項10】
ロッキング要素は、ロッドからねじ山部分へ向かう方向に転位される請求項9に記載のセーフティ締結具。
【請求項11】
ロッキング要素は、ねじ山部分からロッドへ向かう方向に転位される請求項9に記載のセーフティ締結具。
【請求項12】
ねじ山部分は、少なくとも5ピッチのねじ山を有している前記請求項のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項13】
ねじ山部分の長さは、セーフティ締結具全体の長さの少なくとも50%である前記請求項のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項14】
ロッドは、ロッキング要素を収納する中空チューブを備えている請求項3−13のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項15】
ロッドとねじ山を有するチップは、ロッキング要素を収納する中空チャンネルを備えている請求項3−14のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項16】
ロッキング要素の運動をロッドのねじ山を有するチップ側とは反対側の上端部から制御するために配置されたハンドル部材を備えている請求項15に記載にセーフティ締結具。
【請求項17】
ロッキング要素を第1又は第2の位置のいずれかの位置に定着させることができる定着手段を備えている請求項15又は16に記載のセーフティ締結具。
【請求項18】
締結具のロック状態及び又はアンロック状態のどちらにでもロッキング要素をロックする南京錠を受け入れることができるロッキング手段を備えている前記請求項のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項19】
ロッドは、周辺にある対象物を締結具に固定するための着脱手段を備えている前記請求項のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項20】
前記対象物は、ここで定義されるようなビーチセーフティボックス、ここで定義されるようなビーチチェア、パラソル、自転車、モータサイクル、ボート、動物、釣り竿、鉄砲、彫刻、芝刈り機、ガーデンポット及び自動車のグループから選択される請求項19に記載のセーフティ締結具。
【請求項21】
継ぎ手は、ロッキング要素をセーフティ締結具内に挿入したりセーフティ締結具内から取り外したりすることにより、ロック状態とアンロック状態の間で切り替えが行えるようになっている請求項3−20のいずれかに記載のセーフティ締結具。
【請求項22】
締結具と錠を備えた錠セーフティ締結具であって、前記締結具は、固い素材の中に取り付けるために用いることができる挿入部位と、固い素材から突出する錠支持部位と、を備えている錠セーフティ締結具において、
ロック状態の錠が錠支持部位回りに自由に回転するように、前記錠支持部位へ錠を取り付け、ロッキングすることにより、締結具が殆ど緩まないようにしてある錠セーフティ締結具。
【請求項23】
締結具の挿入部位にはねじ山が形成されており、錠支持部位は、締結具がねじ止めによって固定できるように締結具にトルクを付与するグリップ手段を備えている請求項22に記載の錠セーフティ締結具。
【請求項24】
錠は、
アンロック状態の時に、締結具の錠支持部位に取り付けることができ、
ロック状態の時に、締結具の錠支持部位から取り外すことができず、
ロック状態の時に、締結具の錠支持部位に対して自由に回転することができ、
ロック状態の時に、締結具の錠支持部位と締結具頭部が、把持工具によってアクセスすることができないようになっている、
請求項22又は23に記載の錠セーフティ締結具。
【請求項25】
錠は、暗証符号式錠である請求項24に記載の錠セーフティ締結具。
【請求項26】
錠は、2個−12個の数字盤を備えている請求項25に記載の錠セーフティ締結具。
【請求項27】
ユーザーは、錠をプログラミングできる請求項25又は26記載の錠セーフティ締結具。
【請求項28】
許可を得ていない者による取り外しから対象物を保護するために、前記請求項のいずれかに記載のセーフティ締結具又は錠セーフティ締結具を使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2006−502332(P2006−502332A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502014(P2005−502014)
【出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000546
【国際公開番号】WO2004/016886
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(505056904)プロアック・アンパルトセルスカブ (1)
【氏名又は名称原語表記】ProAc ApS