説明

個人情報登録端末

【課題】顧客が企業や店舗からサービスや商品情報等の提供を受けるためには、予め個人情報を開示するために、申込書や登録書等に記入するか、或いはパソコン等の入力端末から入力する必要があった。
【解決手段】ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報等のデータを活用できる端末装置であって、前記情報端末の登録内容等を表示する表示部と、前記情報記憶媒体からのデータ読み込み及び前記情報記憶媒体へのデータ書き込みを行なうリーダ/ライタ部と、個人情報の開示の承諾を行なうと共にサービス登録の確認を行なう入力手段と、から構成される読取・書込み装置と、該読取・書込み装置と通信手段等を介して接続される制御装置とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等における端末装置であって、とくに個人情報の利用が促進できる個人情報登録端末に関するものである
【背景技術】
【0002】
今日、インターネット等の普及により、個人情報の流通や蓄積が加速される一方、個人情報の不正な利用や漏洩、改ざん等の惧れが増加している。個人情報は、企業・店舗等において顧客の個人情報のデータベース化を行なうことにより、企業・店舗におけるマーケティングや販売戦略に活用することができ、データベース化された顧客の個人情報を管理することによって販売促進や顧客の囲い込み等に活用することができる。また個人情報を持つ顧客は、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報の利用を承諾し、企業や店舗に個人情報を提供することによって、企業や店舗からサービスや商品情報等を受け取る特典が受けられる。
【0003】
ところが、顧客が企業や店舗からサービスや商品情報等の提供を受けるためには、予め上記の個人情報を登録するために、申込書や登録書等に個人情報を記入するか、或いはパソコン等の入力端末から個人情報を入力する必要があり、複数のサービスや商品情報を受けるためには、その都度申込書や登録書に前記個人情報を記入するかもしくはパソコン等の入力端末から前記個人情報を入力する必要があった。また今後個人情報保護法の施行に伴い、個人情報は適正な取得(利用目的の明示と本人の了解を得て取得)以外では取得できない可能性があり、承諾を取らずに個人情報を入手するとトラブルが発生する危険性もある。
【0004】
これらの問題点を解決するために、事前に顧客が氏名、住所等の個人情報を「個人簡易入力確認サーバー」運営者に登録しておき、初めて訪れたインターネットサイトにおいても、「個人簡易入力承認サーバー」運営者とそのインターネットサイト運営者が提携等の関係を結んでおくことで、ユーザーID、パスワード等の少ない入力工数で自身の個人情報をクライアントの画面上に表示させる個人情報表示技法が提案されている(特許文献1参照。)。また、保護された通信環境内での個人識別と承認のチェックのためのセキュリティシステムであって、PCカードの形式をしたチップカードリーダと、個人データがその上に記憶されているチップカードと、該チップカードリーダに接続されている指紋センサーと、該チップカードから読取った個人情報を該指紋センサーにより与えられたデータに依存して批准するための批准手段とを備えたセキュリティシステムも開示されている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2002−183617号公報
【特許文献2】特表2002−522852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に提案されている個人情報表示技法の場合、予め個人簡易入力認証サーバー運営者に個人情報の登録が必要であり、また各インターネットサイト毎にIDコードやパスワード等の個人情報識別コードを入力して個人簡易入力認証サーバー運営者に送信し、前記個人情報識別コードと整合し、適合した個人情報を受信して初めて個人情報の入力ができるものであり、仮にIDコードやパスワードを忘れてしまうと、再度個人簡易認証サーバー運営者に登録をし直さなければならないという問題点がある。
【0006】
また、上記特許文献2のセキュリティシステムでは、チップカードに記憶されている個人データを批准する批准手段として指紋センサーを必要とし、また指紋センサーにより予め個人の指紋データ登録が必要となる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、個人情報を登録するため申込書や登録書等への個人情報の記入や、或いはパソコン等の入力端末からの個人情報の入力をせずに、個人情報の登録の承諾を行なうと共にサービス登録ができ、しかも店舗等からの各種のサービスが受けられる個人情報登録端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため本発明では、ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報等のデータを活用できる端末装置であって、前記端末で読取った個人情報等を表示する表示部と、前記情報記憶媒体からのデータ読み込み及び前記情報記憶媒体へのデータ書き込みを行なうリーダ/ライタ部と、個人情報の登録の承諾を行なうと共にサービス登録の確認を行なう入力手段と、から構成される読取・書込み装置と、該読取・書込み装置と通信手段等を介して接続される制御装置とで構成されることを第1の特徴とする。
【0009】
また、前記表示部は、ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報等のデータの、少なくとも該個人情報を情報端末に記録を承諾されたデータを表示することを第2の特徴とする。
【0010】
そして、前記読取・書込み装置と、前記制御装置が一体に構成されたことを第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る個人情報登録端末によれば、ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報のデータを情報端末に登録を承諾する場合にのみ前記個人情報の登録を承諾する内容を表示装置にて表示させて確認し、承諾ボタンを押すことによって個人情報の登録の承諾を行なうと共にサービス登録の確認ができるという優れた効果を有する。
【0012】
また、顧客が前記ICカード等の情報記憶媒体を前記読取・書込み装置に載置或いは翳すことによって、ICカード等に記憶されたサービスポイント等のデータの読み込み及び書き込みができ、ポイントサービスが受けられるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に示す実施例に基づいて説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明に係る個人情報登録端末の一実施例を示す斜視図、図2はICカードに記録されているデータの構成を示す図。図3は本発明に係る個人情報登録端末の制御ブロック図である。図4は本発明に係る個人情報登録端末のサービス登録手順を示すフローチャートである。
【実施例】
【0014】
図1に示すように、本発明に係る個人情報登録端末1は、読取・書込み装置2と、制御装置3と、通信ケーブル4とから構成されている。
【0015】
読取・書込み装置2は、筐体21の上面傾斜部の中央部に蛍光表示管等からなる客側表示部5と、客側表示部5の左右に配置された客側LED6と、上面中央部にICカード9に電力を供給すると共にICカード9に登録された個人情報等のデータを読み書きするR/W部(リーダ/ライタ部)7と、個人情報の登録の承諾を行なうと共にサービス登録の確認を行なう承諾ボタン8が設けられている。制御装置3は、筐体31の上面の上部に配置され端末操作とサービス及びエラー等のメッセージを表示する蛍光表示管等からなる表示部10と、CFカードアクセス表示LED11と、端末の電源のON/OFFを行なう電源スイッチ12と、上面の下部に配置され端末操作の選択と利用金額入力と端末設定の入力を行なう入力キー13と、正面の中央上部に登録情報を記録するCFカード19が着脱できるカードホルダー14が設けられている。本実施例においては読取・書込み装置2と制御装置3とは通信ケーブル4で接続され後述する登録手順にて個人情報等のデータの読取及び書き込みがなされる。尚本実施例においては上記読取・書込み装置2と制御装置3が各々独立して構成されているが、読取・書込み装置2と制御装置3が一体に構成されたものであってもよい。
【0016】
筐体21の内部には、図3に示すようにサブ基板15が設けられており、客側表示部5と客側LED6とR/W部7と承諾ボタン8とそれぞれ接続され、さらに通信ケーブル4を介して筐体31の内部に設置されているコントロール基板16に接続される。筐体31の内部のコントロール基板16にはマイクロプロセッサ(CPU)17と、システム設定値及び演算データが格納されている外部RAM18と、時刻データを格納し時刻表示をすると同時にCFカード19に取引時刻データとして参照し使用される時計IC20と、外部RAM18と時計IC20のメモリーを電池でバックアップするバックアップ回路22と、システム設定プログラムと演算処理プログラムが格納されている外部ROM23が設けられ、端末のメンテナンスモードとソフトウエアのダウンロード切替に使用するディップスイッチ24と、外部のホスト制御機25との通信インターフェイス回路EIA−574I/F26と、操作ミスやエラー時に警告音を出すブザー27が接続され、外部電源ACアダプタ(5V)28から電源スイッチ12を介して電気が供給される。また、制御装置3に登録された個人情報等はマイクロプロセッサ(CPU)17を介してCFカード19に記録され、外部のホスト制御機29にて管理される。
【0017】
図2は、ICカード9に記録されているデータの構成の一例を示しており、記録エリア9aには個人情報が記録され、また記録エリア9bにはサービス情報が記録されている。またICカード9には図示しないIDコードが記録されている。尚、データの構成は本実施例に限定されない。ICカード9に記録された個人情報は読取・書込み装置2のR/W部7から読み込まれ、一端客側表示部5にて個人情報が表示することも可能とされ、個人情報の登録を承諾する情報のみ登録を承諾する。この登録の承諾を行なう際に承諾ボタン8が使用される。また個人情報の登録と同時にサービス登録されサービス情報が記録エリア9bに記録される。
【0018】
次に図4により、本名発明に係る個人情報登録端末の個人情報登録の手順を説明する。まず店員が制御装置3の電源スイッチ12をオンすると(S1)、読取・書込み装置2の客側表示部5に販売待機画面が表示され(S2)、次に客がICカード9を読取・書込み装置2のR/W部7の上に置くか翳す(S3)、次に店員が入力キー13でポイントサービス登録を選択し(S4)、客側表示部5に操作待ち画面を表示する(S5)。さらに入力キー13でポイントサービスを選択し(S6)、客側表示部5にポイントサービス登録画面を表示する(S7)。この際客側表示部5にはICカード9に記録されている客の個人情報を表示することも可能であり、内容を確認できる。次に客はポイントサービス登録をすると同時に、店舗が顧客の個人情報を顧客管理等の情報として使用することに同意するか意思確認をし、同意する場合には個人情報を登録する承諾ボタン8を客が押す(S8)。登録された個人情報はサービス登録情報として制御装置3からCFカード19に記録される(S9)。またサービス登録されると客のICカード9にポイントサービスが記録され、客はICカード9を使用することによって店舗からポイントサービスが受けられる。尚、ICカードを組み込んだ携帯電話についても同様の運用が可能であるが、説明は省略する。
【0019】
このように本実施例では、ICカード9に記録された個人情報データを読取・書込み装置2のR/W部7から読取り、客側表示部5で個人情報データを表示させて個人情報の登録の意思確認ができるため個人情報の適正な取得(利用目的の明示と本人の了解を得て取得)ができる。また登録が終了するとポイントサービスが個人のICカード9に記録されるため、店舗からのポイントサービス等のサービスがICカード9を読取・書込み装置2に載せるだけで受けることができる。また店舗では、客が登録した個人情報のデータを顧客管理用プログラムにより管理し、次のような運用がなされる。
(1)サービス管理 :顧客の利用履歴やサービス状況の把握ができる。
(2)ダイレクトメール発行:顧客への販売や顧客の利用履歴を管理し、特定の顧客へのダイレクトメール発行ができる。
(3)メール発信 :最新の情報を顧客の携帯電話やパソコン等にネットワークを通じ発信できる。
(4)その他1 :個人情報と利用履歴を組合せ、効果的なマーケティングやピンポイントサービスが可能になる。
(5)その他2 :承諾ボタンをイベントの企画への参加/不参加の意思確認が可能になる。
【0020】
以上、本発明による個人情報登録端末によれば、ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報のデータの登録を承諾する場合にのみ前記個人情報の登録を承諾する内容を表示装置にて表示させて確認し、承諾ボタンを押すことによって個人情報の登録を承諾を行なうと共にサービス登録の確認ができるため、予め前記個人情報を登録するために、申込書や登録書等に個人情報を記入したりパソコン等の入力端末から個人情報を入力する必要がない。また個人情報を登録すると同時にサービス登録がされるためICカード等を個人情報登録端末に載置或いは翳すだけでサービスポイント等のデータが読書きできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る個人情報登録端末の一実施例を示す斜視図である。
【図2】ICカードに記録されているデータの構成を示す図である。
【図3】本発明に係る個人情報登録端末の制御ブロック図である。
【図4】本発明に係る個人情報登録端末のサービス登録手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
1 個人情報登録端末
2 読取・書込み装置
3 制御装置
4 通信ケーブル
5 客側表示部
6 客側LED
7 R/W部
8 承諾ボタン
9 ICカード
9a、9b 記録エリア
10 表示部
11 CFカードアクセス表示LED
12 電源スイッチ
13 入力キー
14 カードホルダー
15 サブ基板
16 コントロール基板
17 マイクロプロセッサ(CPU)
18 外部RAM
19 CFカード
20 時計IC
21、31 筐体
22 バックアップ回路
23 外部ROM
24 ディップスイッチ
25、29 ホスト制御機
26 EIA−574I/F
27 ブザー
28 ACアダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報等のデータを活用できる端末装置であって、前記情報端末の登録内容等を表示する表示部と、前記情報記憶媒体からのデータ読み込み及び前記情報記憶媒体へのデータ書き込みを行なうリーダ/ライタ部と、個人情報の登録の承諾を行なう入力手段と、から構成される読取・書込み装置と、該読取・書込み装置と通信手段等を介して接続される制御装置とで構成される個人情報登録端末。
【請求項2】
前記表示部は、ICカード等の情報記憶媒体に登録された個人情報等のデータの、少なくとも該個人情報を情報端末に記録を承諾されたデータを表示することを特徴とする請求項1記載の個人情報登録端末。
【請求項3】
前記読取・書込み装置と、前記制御装置が一体に構成されたことを特徴とする請求項1記載の個人情報登録端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−11975(P2006−11975A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190196(P2004−190196)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000177346)三和ニューテック株式会社 (35)
【Fターム(参考)】