説明

個人線量計

【課題】個人線量計において、コイン形のバッテリを確実に保持する。
【解決手段】収容部26はバッテリを収容するものである。収容部26にバッテリが差し込まれると、一対のコンタクト部材44,46によってバッテリがその左右側から保持される。これによって正電極の導通も図られる。バッテリがセットされた状態では、負電極コンタクト部材50がバッテリの下側に接触し、これにより負電極の導通が図られる。コンタクト部材50は弾性を有する複数の弾性片52によりバッテリをその下側から接触するものであるため、上下方向においてもバッテリのがたつき等を防止できる。すなわち水平方向及び垂直方向の両方向にバッテリを安定して保持することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型個人線量計に関し、特にコイン型バッテリを収容するバッテリ収容部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
個人線量計は、放射線や放射性物質を取り扱う施設において、個人被ばく管理のために、作業に従事する者により携帯されるものである(特許文献1、2参照)。通常、作業者の胸ポケットに挿入された状態で、その本体がクリップ留めされる。個人線量計は、一般に、交換可能なバッテリ(電池)により駆動される。そのバッテリは、通常、コイン型の形態を有し、所定のバッテリ収容部内に入れられている。詳しく説明すると、個人線量計本体からキャップ状のバッテリカバーが外され、それにより露出したバッテリの一部が摘まれ、当該バッテリが外部に引き出される。その後、バッテリ収容部に新しいバッテリが差し込まれ、最後にバッテリカバーが再び個人線量計本体に装着される。
【0003】
バッテリ収容部に挿入されるバッテリの広がり方向を水平方向と定義するならば、バッテリ収容部は全体として水平スリット状の形態を有する。バッテリ収容部においては、バッテリ挿入方向における手前側に差込み(抜出し)開口があり、バッテリ収容部は、その差込み開口から奥側へ広がる中空形態を有する。コイン型のバッテリにおいて、その上面及び側周面がプラス電極面として機能し、下面がマイナス電極面として機能する。同じ規格を満たすバッテリ間では、直径及び厚みは同じであるが、側周面の形態は必ずしも同一ではない。側周面が平坦な円筒面をなすものもあれば、側周面に段差があるものもある。後者のバッテリにおいては、例えば、上部が大径部であり、下部が小径部となる。個人線量計においては、そのような同じ規格内の複数種類のバッテリを使用できることが望まれる。
【0004】
なお、従来の個人線量計においては、一般に、バッテリ収容部における底面及び天井面にプラス端子及びマイナス端子が設けられている。すなわち、バッテリの上面に上方からプラス端子を接触させ、バッテリの下面にその下方からマイナス端子を接触させるのが一般的な構造といえる。つまり、バッテリが結果として上下方向から2つの端子により挟まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3380175号
【特許文献2】特開2005−69960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
個人線量計は作業者に長時間装着されるものであることから、また作業者の安全を管理するものであるから、それについては衝撃や振動に強い構造が求められる。特に、バッテリ収容部においてバッテリを安定して保持し、かつ、電気的な接触も確実であることが求められる。しかし、プラス端子とマイナス端子とでバッテリを挟むタイプの個人線量計においては、垂直方向において弾性的な保持作用を得られるとして、水平方向(左右方向)において弾性的な保持作用は格別生じていないので、バッテリ収容部内における左右の内壁とバッテリの側周面との間に生じる隙間が大きいならば、バッテリ収容部内においてバッテリを水平方向に安定的に保持できなくなってしまうおそれがある。そうでないとしても、バッテリの安定保持のために強い弾性作用によってそれを挟み持つことが望まれるが、バッテリ収容部内のバッテリの上側及び下側に複雑な構造物や厚みある部材を配置すると、個人線量計の薄形化の要請に反してしまう。
【0007】
本発明の目的は、個人線量計において、バッテリが有する2つの電極面への確実なコンタクトを図りつつもバッテリを安定して保持できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上面及び側周面が正電極面をなし且つ下面が負電極面をなすコイン型のバッテリを備え、当該バッテリからの電力により動作する携帯型の個人線量計において、前記バッテリを受け入れる差し込み開口を有し、当該差し込み開口を介して前記バッテリが水平方向から差し込まれるバッテリ収容部と、前記バッテリ収容部内の底面上に設けられ、弾性を有する導電部材で構成された負電極コンタクト部材と、前記バッテリ収容部が有する一方側の内壁及び他方側の内壁に沿って設けられ、弾性を有する導電部材で構成された一対の正電極コンタクト部材と、を含み、前記負電極コンタクト部材は、前記収容部に収容されたバッテリの下面に対してその下方から弾性作用をもって接触し、前記各正電極コンタクト部材は、前記バッテリ収容部の奥側に固定された固定端から、前記バッテリ収容部に収容されたバッテリの側周面に沿って湾曲した中間部を経て、前記差し込み開口の近傍に位置した作用端まで伸長した形態を有し、前記差し込み開口への前記バッテリの差し込み時に、前記一対の正電極コンタクト部材の作用端が前記バッテリの側周面に当たって前記一対の正電極コンタクト部材が両者離れる方向に押し広げられ、その後、前記一対の正電極コンタクト部材の中間部間に前記バッテリが捕獲され、その捕獲状態が前記一対の正電極コンタクト部材の弾性作用によって維持される、ことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、バッテリが差し込み開口を介してバッテリ収容部に差し込まれる。そのセット状態では、バッテリがその左右側から一対の正電極コンタクト部材によって弾性的に狭持され、バッテリの正電極面の導通が図られると同時にバッテリが保持される。同時に、バッテリの下側の負極面には負電極コンタクト部材が接触するので、それにより負電極についての導通も図られる。一対の正電極コンタクト部材は弾性的にバッテリをその両側から保持するので、個人線量計の使用時において水平方向(前後方向、左右方向)にバッテリが動いたり振動したりすることを防止できる。同時に、負電極コンタクト部材はバッテリの下側からその負電極面に弾性的に当接されるので、負電極についても確実に導通を図ることができ、また垂直方向についての動き防止あるいは振動防止の作用を得ることが可能となる。負電極コンタクト部材の弾性作用は、正電極コンタクト部材の弾性作用に比べて小さくてもよい。一対の正電極コンタクト部材の弾性力は バッテリの飛び出しや脱落、あるいは正電極接触不良を生じさせないように大きいもの、つまり個人線量計に対してバッテリを一体化可能な程度のものであって手でバッテリを抜き差し可能な程度のもの、としておくのが望ましい。上記構成では、バッテリの保持と正電極導通とを同じ部材で行えるので部品点数を削減でき、個人線量計の小型化に寄与できる。また、左右からの当接及び下からの当接の組み合わせ、つまりT形接触となるので、水平方向及び上下方向のいずれの方向についても振動やがたつきあるいは接触不良を防止又は軽減できる。
【0010】
望ましくは、前記各正電極コンタクト部材における中間部には、前記中間部の内面よりも突出した接触片が設けられる。接触片がバッテリ側周面に当接されるならば、電気的な接続を確実にできる。
【0011】
望ましくは、前記各正電極コンタクト部材における中間部には、当該中間部の伸長方向に沿って伸長したスリットが設けられ、前記各接触片は前記各スリットの縁から伸長して折り曲げられた小片である。スリットは弾性力を調整する構造としても機能し、またスリットにより接触片の成形が容易となる。
【0012】
望ましくは、前記バッテリ収容部が有する一方側の内壁面及び他方側の内壁面は、前記一対の正電極コンタクト部材が開き運動した場合において前記一対の正電極コンタクト部材を部分的に受け入れる窪みを有する。それらの窪みは望ましくは正電極コンタクト部材の作用端を(それが開き運動する場合に)受け入れるものであるのが望ましい。
【0013】
望ましくは、前記バッテリ収容部が有する一方側の内壁面及び他方側の内壁面は、前記一対の正電極コンタクト部材における中間部の外面に接触する部分であって当該中間部の湾曲形態に沿って湾曲している湾曲部分を有する。この構成によれば、湾曲部分によって中間部の外面を部分的に保持して必要以上に正電極コンタクト部材が外側へ動いてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、個人線量計において、バッテリが有する2つの電極面への確実なコンタクトを図りつつもバッテリを安定して保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る個人線量計の好適な実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す個人線量計の側面図である。
【図3】カバーを外した状態を示す背面図である。
【図4】カバーを外した状態を示す側面図である。
【図5】カバーを外した状態を示す斜視図である。
【図6】バッテリが引き出された状態を示す斜視図である。
【図7】バッテリがまだセットされていない状態を示す背面図である。
【図8】バッテリがまだセットされていない状態を示す側面図である。
【図9】バッテリ収容部の断面図である。
【図10】バッテリがセットされていない状態におけるバッテリ収容部の断面図である。
【図11】コンタクト部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本発明に係る個人線量計の好適な実施形態が示されている。個人線量計10は、放射線や放射性物質を取り扱う施設において作業に従事する者に携帯される個人被ばく管理用の測定器である。個人線量計10は、例えば、作業者の胸ポケット等に装着されて、作業者に携帯されるものである。
【0018】
図1において、個人線量計10は、それ全体としてX方向に伸長した形態を有し、X方向及びY方向に直交するZ方向の厚みは薄く構成されている。個人線量計10は、本体12及びカバー14を有する。カバー14は後に説明する収容部を塞ぐための部材である。本体12内には図示されていない放射線測定器としての半導体センサ22が設けられている。またその内部にはセンサからの信号を処理する電子回路基板等が収容されている。本体12における正面には表示器16、複数の発光素子18及びボタン20等が設けられている。本体12内には後に説明する収容部が構成されており、その収容部内にはコイン形を有するバッテリが収容される。ちなみに、バッテリの広がっている方向を水平方向と定義した場合、X方向が第1の水平方向であり、Y方向が第2の水平方向となる。Z方向は垂直方向となる。バッテリは後に説明するようにX方向から収容部内に差し込まれるものである。
【0019】
図2は図1に示した個人線量計10の側面図である。個人線量計10は上述したように本体12及びカバー14を有し、本体12の背面側にはクリップ24が設けられている。このクリップ24を利用してクリップ24と本体12の背面との間にポケットの布等が挟み込まれる。
【0020】
図3及び図4にはカバーを取り外した状態が示されている。図3は背面図であり、図4は側面図である。図3及び図4において、本体12には収容部26が設けられており、収容部26はバッテリホルダとして機能するものである。図3及び図4には収容部26にコイン形を有するバッテリ28が差し込まれてセットされている状態が示されている。ちなみに図4におけるA‐A断面が後に説明する図9である。
【0021】
図5及び図6には個人線量計、特にカバーを外した状態における個人線量計の斜視図が示されている。図5においては、収容部26内にバッテリ28がセットされており、図6に示す状態では、収容部26からバッテリ28が手前側に引き出されている。バッテリ28は上面28A、側周面28B及び底面28Cを有する。上面28A及び側周面28Bは同じ金属部材により構成され、それらは正電極面をなす。底面28Cは負電極面をなし、それは正電極面に対して絶縁されている。
【0022】
図7及び図8には本体12からバッテリを取り外した状態が示されている。図7は背面図であり、図8は側面図である。図7及び図8において、収容部26はバッテリの差し込み口としてのスリット30を有している。またバッテリを保持するためのホルダ34を有し、ホルダ34の根本には金具36が巻き付けられている。ホルダ34はその中間部分が切り取られており、すなわち切欠き部32が形成されている。そのような切欠き部32が
あることにより、その部分に親指及び人差し指を差し込んでバッテリをつまみ出したりバッテリを差し込んだりすることが可能となる。図7及び図8に示す構造それ自体は公知のものである。なお、図8に示すB‐B断面が後に説明する図10である。
【0023】
図9には、収容部26の水平断面が示されている。ここでバッテリ28は簡略的に示されている。収容部26は、上述したようにホルダを有し、そのホルダは側壁40,42を有する。側壁40はバッテリ28を差し込む方向から見た場合において左側の側壁であり、側壁42は右側の側壁である。その他にホルダは底面壁及び天井壁を有している。収容部26の内部には一対のコンタクト部材44,46が設けられている。具体的には、それらのコンタクト部材44,46は正電極コンタクト部材であり、コンタクト部材44はバッテリ28から見て左側に位置しており、コンタクト部材46はバッテリ28から見て右側に位置している。それぞれのコンタクト部材44,46は、後に図10を用いて説明するように、固定端から中間部を経て作用端まで伸長した形態を有し、それは金属からなる弾性部材により構成されている。一対のコンタクト部材44,46は、バッテリ28をその左右から挟んで強固に保持し、かつその状態を維持する作用を発揮する。すなわち一対のコンタクト部材44,46によりバッテリ28が保持された状態においては、バッテリ28の水平方向の運動が規制され、すなわち左右方向及び前後方向にバッテリ28が動くことは基本的にない。なお、符号38はバッテリ28が突き当たってその位置を定めるためのストッパを表している。
【0024】
図10には、バッテリが収容されていない状態での収容部26の断面が示されている。収容部26は、上述したようにホルダを有し、そのホルダは側壁40,42を有する。コンタクト部材44,46は、固定端44A,46A、中間部44B,46B、及び、作用端44C,46Cを有している。固定端44A,46Aはそれぞれのコンタクト部材44,46を本体に対して固定するための部分であり、それぞれのコンタクト部材44,46は固定端44A,46Aを起点として運動可能であるが、それぞれが有する弾性作用により、コンタクト部材44,46は側壁40,42の内面に密着した状態において位置決められている。但し、自然状態で両者が接触していなくてもよい。
【0025】
固定端44A,46Aは屈曲した形態を有し、そこから中間部44B,46Bが伸長しており、それらは湾曲した形態を有している。その湾曲の度合いはバッテリの側周面の湾曲の度合いに相当している。そのような中間部44B,46Bを経て、作用端44C,46Cは、バッテリがセットされた場合において、そのバッテリの中心よりも出口側に位置しており、しかも作用端44C,46Cは内側に絞り込むように成形されているため、バッテリは確実に2つのコンタクト部材44,46の間に保持される。各作用端44C,46Cはその端部において外側に開いた形態を有しており、このような形態によりバッテリを差し込む場合においてバッテリの側周面に各作用端44C,46Cを滑らかに当接させることが可能である。バッテリをさらに奥側に押し込むと、作用端44C,46Cが側周面を滑ってそれらが両者離れる方向に運動し、すなわち開き運動をし、バッテリの直径に相当する分だけ広がるとバッテリに対して今度はそれを内側に引き込む作用が生じて、バッテリが2つのコンタクト部材44,46の間に強固に保持されることになる。
【0026】
側壁40,42はコンタクト部材44,46の外面に接触する内面を有している。すなわちその内面は垂直な内壁面である。それらの内面は、中間部44B,46Bにおける湾曲した一部分(外面)に密着する形態を有し、すなわち中間部44B,46Bの湾曲形態と同じ湾曲形態をもった部分が存在している。そのような湾曲部分よりも出口側にはくぼみ40A,42Aが形成されている。それらのくぼみ40A,42Aは上述した作用端44C,46Cが外側に開き運動した場合においてそれを受け入れるためのものである。すなわちそのようなくぼみ40A,42Aにより各作用端44C,46Cを十分に外側に広げられるように構成することが可能である。
【0027】
収容部26における底面にはコンタクト部材50が設置されている。このコンタクト部材50は弾性を有する金属部材からなり、それは負電極コンタクト部材を構成する。コンタクト部材50は、3つの弾性片52を有し、それらの弾性片52は斜めに傾斜しながら立ち上がっている。それぞれの弾性片52の先端部分がバッテリの下面すなわち負電極面に接触することになり、これによって負電極についての導通が図られている。各弾性片52の弾性作用はかなり弱いものではあるが、バッテリを下側から弾性的に突き上げる作用により、上下方向におけるバッテリのがたつきや振動を抑制あるいは緩和することが可能となる。すなわち本実施形態の収容部26によれば、水平方向(前後方向、左右方向)の振動やがたつきが一対のコンタクト部材44,46によって抑制され、同時に、垂直方向におけるがたつきや振動がコンタクト部材50の弾性作用によって抑制される。その際、バッテリの上面が天井面に接しても接しなくてもよい。収容部26内においてバッテリを安定して保持できるので、接触不良といった問題も生じず、安定した電源供給状態を確保できるという利点がある。
【0028】
図11には、コンタクト部材44が斜視図として示されている。もうひとつのコンタクト部材も図11に示すものと同様の(対称の)形態を有しているので、コンタクト部材44を代表してその具体的構成を説明する。コンタクト部材44は、上述したように固定端44A、中間部44B及び作用端44Cを有している。固定端44Aから折り曲げられつつ伸長形成された中間部44Bはバッテリの側周面の湾曲に沿って湾曲した形態を有しており、その上下方向の中間位置にはスリット56が形成されている。スリット56は中間部44Bの伸長方向に沿った形態を有しており、スリット56における出口側の縁58から突片60が連なって伸長している。突片60は内面54からバッテリ側へ突き出た接触片であり、このような構成によれば収容部内にバッテリを挿入した状態において突片60がバッテリの側周面に確実に接触することになるので、電気的な接続及びバッテリ保持を安定して行えるという利点がある。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係る個人線量計によれば、コイン形のバッテリを収容する収容部において、一対のコンタクト部材によって水平方向からバッテリを強固に保持するとともに、下側から負電極部材によってバッテリが下側から突き上げられることになるので、水平方向及び垂直方向の両方において保持及び導通を安定化させることができるという利点がある。また一対のコンタクト部材によりバッテリへの正電極導通とともにその保持を行えるので、保持のためにあるいは導通のために別部材を用意する必要がないという利点が得られる。すなわち部品点数を削減して個人線量計の薄型化に寄与することが可能となる。また上述した実施形態においては、収容部における左右の側壁に湾曲部やくぼみが形成され、それらによってコンタクト部材を外側から支持できるとともに必要な可動域を確保できるので、長期間に亘ってコンタクト部材を使用したような場合においてもその劣化を軽減できるという利点がある。これはひいては電源供給の確実性を向上させるものである。
【符号の説明】
【0030】
10 個人線量計、12 本体、14 カバー、26 収容部、28 バッテリ、40 側壁、42 側壁、44,46 コンタクト部材、50 コンタクト部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び側周面が正電極面をなし且つ下面が負電極面をなすコイン型のバッテリを備え、当該バッテリからの電力により動作する携帯型の個人線量計において、
前記バッテリを受け入れる差し込み開口を有し、当該差し込み開口を介して前記バッテリが水平方向から差し込まれるバッテリ収容部と、
前記バッテリ収容部内の底面上に設けられ、弾性を有する導電部材で構成された負電極コンタクト部材と、
前記バッテリ収容部が有する一方側の内壁及び他方側の内壁に沿って設けられ、弾性を有する導電部材で構成された一対の正電極コンタクト部材と、
を含み、
前記負電極コンタクト部材は、前記収容部に収容されたバッテリの下面に対してその下方から弾性作用をもって接触し、
前記各正電極コンタクト部材は、前記バッテリ収容部の奥側に固定された固定端から、前記バッテリ収容部に収容されたバッテリの側周面に沿って湾曲した中間部を経て、前記差し込み開口の近傍に位置した作用端まで伸長した形態を有し、
前記差し込み開口への前記バッテリの差し込み時に、前記一対の正電極コンタクト部材の作用端が前記バッテリの側周面に当たって前記一対の正電極コンタクト部材が両者離れる方向に押し広げられ、その後、前記一対の正電極コンタクト部材の中間部間に前記バッテリが捕獲され、その捕獲状態が前記一対の正電極コンタクト部材の弾性作用によって維持される、
ことを特徴とする個人線量計。
【請求項2】
請求項1記載の個人線量計において、
前記各正電極コンタクト部材における中間部には、前記中間部の内面よりも突出した接触片が設けられた、ことを特徴とする個人線量計。
【請求項3】
請求項1又は2記載の個人線量計において、
前記各正電極コンタクト部材における中間部には、当該中間部の伸長方向に沿って伸長したスリットが設けられ、
前記各接触片は前記各スリットの縁から伸長して折り曲げられた小片である、ことを特徴とする個人線量計。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の個人線量計において、
前記バッテリ収容部が有する一方側の内壁面及び他方側の内壁面は、前記一対の正電極コンタクト部材が開き運動した場合において前記一対の正電極コンタクト部材を部分的に受け入れる窪みを有する、ことを特徴とする個人線量計。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の個人線量計において、
前記バッテリ収容部が有する一方側の内壁面及び他方側の内壁面は、前記一対の正電極コンタクト部材における中間部の外面に接触する部分であって当該中間部の湾曲形態に沿って湾曲している湾曲部分を有する、ことを特徴とする個人線量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−243380(P2010−243380A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93603(P2009−93603)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(390029791)アロカ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】