個人関連情報集約システム、個人関連情報集約装置及び個人関連情報集約プログラム
【課題】精度の良い個人関連情報の集約を行う。
【解決手段】情報集約サーバ100は、PC200の利用者の基礎情報及び補助情報の入力を促す出力を行って、これら基礎情報及び補助情報を取得し、更に、基礎情報及び補助情報を用いて複数の医療健康機関DB300を検索し、検索結果である医療健康情報を取得する。また、情報集約サーバ100は、取得した医療健康情報がPC200の利用者に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得し、提示する。
【解決手段】情報集約サーバ100は、PC200の利用者の基礎情報及び補助情報の入力を促す出力を行って、これら基礎情報及び補助情報を取得し、更に、基礎情報及び補助情報を用いて複数の医療健康機関DB300を検索し、検索結果である医療健康情報を取得する。また、情報集約サーバ100は、取得した医療健康情報がPC200の利用者に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得し、提示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上に分散して配置される、複数の機関毎のデータベースに格納されている当該機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約システム、個人関連情報集約装置、及び、コンピュータにおいて実行される個人関連情報集約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの医療健康情報がレセプト(診療報酬明細書)コンピュータ、電子カルテシステム、医用画像装置等によって電子データの形式で管理されるようになっている。一人の個人に着目した場合、当該個人の医療健康情報は、通常、医療機関、薬局、健康保険機関、健康サービス業者等の各機関に散在している。このように、散在している個人の医療健康情報を集約(名寄せ)して活用することは非常に有用である。しかし、これらの情報は、ユニークなIDでは管理されておらず、集約できない。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、患者の氏名、性別、生年月日を識別情報として、複数の機関に散在する医療健康情報の名寄せを行う技術が開示されている。また、特許文献2には、名刺の画像認識を行って得られる名刺情報データを管理しておき、複数の名刺情報データが同一人に帰属すると判定される場合には、当該複数の名刺情報データを利用者に提示して、同一人に帰属するか否かの判定を促す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−147364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、婚姻等によって患者の氏名が変更された場合には、変更前の氏名と変更後の氏名とが異なる患者に帰属すると見なされてしまう。また、例えば、同姓同名の患者が複数存在する場合に、同一人物であると見なされてしまう場合がある。このため、精度の良い名寄せを行うことができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、精度の良い個人関連情報の集約を行うことが可能な個人関連情報集約システム、個人関連情報集約装置及び個人関連情報集約プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。本発明の特徴は、ネットワーク(インターネット150)上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベース(医療健康機関DB300)に格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約システムであって、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部(出力部121)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部(入力部122)と、前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部(入力情報DB130)と、前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部(検索部123)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部(確度情報取得部124)と、前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部(提示部125)と、前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部(確定部126)とを備えることを要旨とする。
【0008】
このように、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促して、これら基礎情報及び補助情報を入力した上で、基礎情報及び補助情報を用いて機関毎の複数のデータベースを検索することにより、個人に関連する多様な情報を取得でき、精度の良い個人関連情報の集約が可能となる。
【0009】
また、このように、取得した個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得し、提示することにより、利用者は、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて判断可能となり、個人関連情報の絞り込みを精度良く行うことが可能となる。
【0010】
本発明の特徴は、前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された前記個人関連情報から抽出される、前記所定の個人に帰属することの判断を支援する情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0011】
このように、取得された個人関連情報から所定の個人に帰属することの判断を支援する情報が抽出されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0012】
本発明の特徴は、前記検索部により取得された前記個人関連情報を補強するための情報であって、前記個人関連情報に対応する機関に係る情報と、前記個人関連情報に対応する時期に係る情報と、前記機関が提供するサービスに係る情報とである補強情報を記憶する補強情報記憶部(補強情報DB131)を備え、前記確度情報取得部は、前記補強情報記憶部に記憶された前記補強情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0013】
このように、取得された個人関連情報に対応する機関に係る情報、及び、当該個人関連情報に対応する時期に係る情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0014】
本発明の特徴は、前記確度情報取得部は、前記確定部により確定の入力が受け付けられた前記個人関連情報と、前記検索部により取得された前記個人関連情報との整合性の度合を数値化した情報である第1の整合性情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0015】
所定の個人のものであると確定済みである個人関連情報との整合性が高い他の個人関連情報は、当該所定の個人のものである可能性が高い。従って、整合性を示す情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0016】
本発明の特徴は、前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された複数の前記個人関連情報の平均的な傾向を示す数値と、前記検索部により取得された所定の前記個人関連情報の傾向を示す数値との差分を示す第2の整合性情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0017】
複数の個人関連情報のうちの1つの個人関連情報に着目した場合、複数の個人関連情報に含まれる数値情報の平均値と、着目している個人関連情報に含まれる数値情報との差分が小さい場合には、その着目している個人関連情報は、他の個人関連情報との整合性が高く、所定の個人のものである可能性が高い。従って、整合性を示す情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0018】
本発明の特徴は、前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報を記憶する他人検索記録情報記憶部(他人検索記録DB132)を備え、前記確度情報取得部は、前記他人検索記録情報記憶部に記憶された前記他人検索記録情報のうち、前記検索部により取得された前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す前記他人検索記録情報を、前記確度情報として取得し、前記確定部は、前記個人関連情報が前記検索部により取得されたことを示す情報を、前記他人検索記録情報として前記他人検索記録情報記憶部に記憶させることを要旨とする。
【0019】
他人のものとして取得された個人関連情報は、所定の個人のものである可能性が低い。従って、他人の個人関連情報としても取得されていることを示す情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。また、個人関連情報が検索部により取得されたことを示す情報が、他人検索記録情報として記憶されることで、この情報を、他人の個人関連情報の検索において考慮することができ、他人は、取得された個人関連情報が当該他人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0020】
本発明の特徴は、ネットワーク(インターネット150)上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベース(医療健康機関DB300)に格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報(医療健康情報)を集約する個人関連情報集約装置(情報集約サーバ100)であって、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部(出力部121)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部(入力部122)と、前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部(入力情報DB130)と、前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部(検索部123)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部(確度情報取得部124)と、前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部(提示部125)と、前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部(確定部126)とを備えることを要旨とする。
【0021】
本発明の特徴は、ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約するコンピュータに、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行うステップ(ステップS102)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力するステップ(ステップS103)と、入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶するステップ(ステップS104)と、記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得するステップ(ステップS105)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得するステップ(ステップS106)と、取得された前記個人関連情報と、取得された前記確度情報とを提示するステップ(ステップS107)と、提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付けるステップ(ステップS109)とを実行させる個人関連情報集約プログラムであることを要旨とする。
【0022】
本発明の特徴は、ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人情報集約システムにおける個人情報集約方法であって、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行うステップ(ステップS102)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力するステップ(ステップS103)と、入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶するステップ(ステップS104)と、記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得するステップ(ステップS105)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得するステップ(ステップS106)と、取得された前記個人関連情報と、取得された前記確度情報とを提示するステップ(ステップS107)と、提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付けるステップ(ステップS109)とを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、精度の良い個人関連情報の集約が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る医療健康情報システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報集約サーバの構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示画面の第1の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る取得情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る表示画面の第2の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る表示画面の第3の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る個人生涯カルテ情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る表示画面の第4の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る他人検索記録情報の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る表示画面の第5の例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る表示画面の第6の例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報集約サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、医療健康情報システムを例に、本発明の個人関連情報集約システムを説明する。具体的には、(1)医療健康情報システムの構成、(2)情報集約サーバの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0026】
(1)医療健康情報システムの構成
まず、本発明の実施形態に係る医療健康情報システムの構成について、(1.1)医療健康情報システムの全体概略構成、(1.2)医療健康情報システムを構成する情報集約サーバの構成の順に説明する。
【0027】
(1.1)医療健康情報システムの構成
図1は、本発明の実施形態に係る医療健康情報システムの全体概略構成図である。
【0028】
図1に示すように、医療健康情報システム10は、情報集約サーバ100、パーソナルコンピュータ(PC)200、医療健康機関データベース(DB)300−1、300−2、300−3(以下、これらをまとめて適宜「医療健康機関DB300」と称する)を含む。情報集約サーバ100、PC200、医療健康機関DB300は、インターネット150に接続されている。なお、情報集約サーバ100、PC200、医療健康機関DB300は、インターネット150以外のネットワークに接続されていてもよい。また、PC200に代えて、携帯電話機、モバイル用端末等の他の装置が備えられていてもよい。
【0029】
本実施形態において、情報集約サーバ100は、PC200を操作する利用者の要求に応じて、インターネット150上に分散配置された医療健康機関毎の複数の医療健康機関DB300に登録されている、当該医療健康機関に関連する者である所定の個人の情報である、当該所定の個人に関する医療行為や健康サービスの情報としての医療健康情報を個人関連情報として取得し、集約(名寄せ)を行う。
【0030】
(1.2)情報集約サーバの構成
図2は、情報集約サーバ100の構成図である。情報集約サーバ100は、制御部112、記憶部113、通信部116を含む。
【0031】
制御部112は、例えばCPUによって構成され、情報集約サーバ100が具備する各種機能を制御する。記憶部113は、例えばメモリによって構成され、情報集約サーバ100における制御などに用いられる各種情報を記憶する。通信部116は、インターネット150を介して、PC200及び医療健康機関DB300との間で通信を行う。
【0032】
制御部112は、出力部121、入力部122、検索部123、確度情報取得部124、提示部125、確定部126を含む。記憶部113は、入力情報データベース(DB)130、補強情報データベース(DB)131、他人検索記録データベース(DB)132、個人生涯カルテDB133を含む。
【0033】
PC200が情報集約サーバ100へのアクセスを行うと、出力部121は、検索前質問処理を行う。具体的には、出力部121は、PC200の利用者に対して、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う。
【0034】
ここで、基礎情報に含まれる個人を特定する情報とは、例えば、名前、生年月日、性別及び本籍である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の変更に関する情報とは、例えば、結婚、離婚、養子縁組、性別の変更、本籍の変更等があった場合の変更前の情報と、当該変更前の情報が適用される時期の情報である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の併用に関する情報とは、ニックネームの情報と、当該ニックネームの情報が適用される時期の情報である。
【0035】
また、補助情報とは、例えば、住所、健康保険証番号、学生証番号、社員番号、会員番号、所属機関の住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、健康サービス、レンタルショップ等の名称とそれらにおいて使用された登録番号、医療機関の名称と診察券番号等と、これらの情報が適用される地域及び時期の少なくとも何れかの情報である。
【0036】
出力部121は、基礎情報及び補助情報の入力を促す出力として、表示画面である検索前質問画面を生成し、当該検索前質問画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0037】
PC200は、出力部121からの検索前質問画面の情報を受信し、対応する検索前質問画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0038】
図3は、検索前質問画面の一例である。図3(a)に示すように、検索前質問画面は、基礎情報に含まれる、個人を特定する情報としての名前、生年月日、性別及び本籍の入力欄401と、基礎情報に含まれる、個人を特定する情報の変更に関する情報と、個人を特定する情報の併用に関する情報の入力欄402と、補助情報の入力欄403と、検索ボタン404を含む。
【0039】
PC200の利用者は、入力欄401及び入力欄402に基礎情報を入力する操作、入力欄403に補助情報を入力する操作を行う。図3(b)は、入力欄401乃至403に各種情報が入力された状態を示す図である。更に、PC200の利用者は、検索ボタン404を選択する操作を行う。この時、PC200は、入力された基礎情報及び補助情報を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0040】
図4は、PC200から情報集約サーバ100へ伝送される情報の構成を示す図である。図4(a)に示すように、伝送情報には、基礎情報及び補助情報が含まれる。図4(b)は、基礎情報及び補助情報の具体的な情報の一例を示す図である。
【0041】
情報集約サーバ100の制御部112内の入力部122は、通信部116を介してPC200からの基礎情報及び補助情報を取得する。更に、入力部122は、取得した基礎情報及び補助情報を入力情報DB130に記憶させる。
【0042】
その後、検索部123は、通信部116を介して、医療健康機関DB300にアクセスする。なお、ここでは、情報集約サーバ100は、医療健康機関DB300に対するアクセス権を有しているものとする。更に、検索部123は、入力情報DB130に記憶された基礎情報及び補助情報を用いて医療健康機関DB300に登録されている医療健康情報を検索する。ここで、検索部123は、医療健康情報の中に項目毎に管理される構造化データが含まれる場合には、基礎情報及び補助情報に対応する項目(例えば時期や地域)を特定し、当該項目を含んだ医療健康情報を取得する。更に、医療健康情報の中に構造化データでないデータが含まれる場合には、検索部123は、自然言語処理に基づく検索、例えば、基礎情報及び補助情報を検索キーワードとして用い、医療健康情報を取得する。更に、検索部123は、検索によって取得された医療健康情報に、医療健康情報システム10においてユニークなIDである医療健康情報IDを付与する。医療健康情報IDは、例えば、医療健康機関の固有のIDと、医療健康情報の分類(例えば、カルテ、レセプト、検査ドキュメント等)を示すIDと、医療健康機関において独自に医療健康情報に対して付与されたIDとにより構成される。
【0043】
確度情報取得部124は、検索部123によって取得された医療健康情報が所定の個人であるPC200の利用者に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する。
【0044】
具体的には、確度情報取得部124は、検索部123により取得された医療健康情報、換言すれば、PC200の利用者を含む患者の医療健康情報や、PC200の利用者のものである可能性がある医療健康情報から抽出される、所定の個人であるPC200の利用者に帰属することの判断を支援する情報(参考情報)を、確度情報として取得する。なお、参考情報には、補助情報が含まれる。
【0045】
例えば、参考情報は、患者が医療健康サービスを受けた日時、医療健康機関の特徴を表す情報(名称、所在地、設置されている診療科、提供している医療健康サービスの属性等)、患者の特徴を表す情報(健康保険証番号、学生証番号、会員番号、所属機関、住所、電話番号等)、患者が受けた医療健康サービスの特徴を表す情報(病名、検査名、検査結果、手術名、処置名、処置内容、投薬内容(薬品名、投薬量、服用期間)、現病歴、既往歴、家族の病歴、入院期間)等である。
【0046】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された確度情報としての参考情報を含んだ第1確度情報表示画面を生成し、当該第1確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0047】
PC200は、提示部125からの第1確度情報表示画面の情報を受信し、対応する第1確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0048】
図5は、第1確度情報表示画面の一例である。図5に示す第1確度情報表示画面は、検索により得られた医療健康情報毎の参考情報の表示411を含む。 PC200の利用者は、図5に示す第1確度情報表示画面に含まれる参考情報の表示411とを見ることで、自身に帰属する可能性のある医療健康情報を認識し、その医療健康情報に対応する参考情報の表示411を選択する操作を行う。この時、PC200は、PC200の利用者が選択した参考情報を特定する情報(特定情報)を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0049】
情報集約サーバ100の制御部112内の確度情報取得部124は、通信部116を介してPC200からの参考情報の特定情報を取得する。
【0050】
確度情報取得部124は、特定された参考情報に対応する医療健康情報(選択医療健康情報)毎に、当該選択医療健康情報を補強するための情報であって、当該選択医療健康情報に対応する医療健康機関に係る情報と、当該選択医療健康情報に対応する時期に係る情報と、当該医療健康機関が提供するサービスに係る情報とである補強情報を、補強情報DB131から取得する。
【0051】
補強情報DB131には、医療健康機関に関連する情報(名称、過去の名称、俗称、通称、外観の写真、近隣の目印となる建物、所在地、移転及び統合の情報、医師の名前、写真及び特徴、看護師の名前、写真及び特徴、スタッフの名前、写真及び特徴、医療健康機関の近隣の町や駅の情報等)と、各年月日及びその前後の年月日に関連する情報(当該年月日前後の全国ニュース、当該年月日前後の医療健康機関の近辺のニュース、当該年月日前後の天候等)と、医療健康サービスに関連する情報(典型的な症状、薬の名称及び写真等)が補強情報として登録されている。
【0052】
確度情報取得部124は、形態素解析等の自然言語処理によって、選択医療健康情報を解析する。更に、確度情報取得部124は、解析の結果得られるキーワードを用いて補強情報DB131に登録されている補強情報を検索し、検索キーワードを含んだ補強情報を、確度情報として取得する。
【0053】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された補強情報と、選択医療健康情報とを含んだ第2確度情報表示画面を生成し、当該第2確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0054】
PC200は、提示部125からの第2確度情報表示画面の情報を受信し、対応する第2確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0055】
図6は、第2確度情報表示画面の一例である。図6に示すように、第2確度情報表示画面は、選択医療健康情報の表示421と、補強情報の表示422と、画面遷移ボタン423を含む。なお、選択医療健康情報の表示421及び補強情報の表示422の一方は、別ウィンドウにより表示されてもよい。
【0056】
PC200の利用者は、図6に示す第2確度情報表示画面を見ることで、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に関連する補強情報とを認識し、画面遷移ボタン423を選択する操作を行う。この時、PC200は、操作に対応する応答を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0057】
情報集約サーバ100の制御部112内の確度情報取得部124は、通信部116を介してPC200からの応答を取得すると、次に、PC200の利用者のものであると確定している医療健康情報(確定医療健康情報)を、個人生涯カルテDB133から取得する。
【0058】
図7は、個人生涯カルテDB133に登録される生涯カルテ情報の一例を示す図である。図7(a)に示すように、個人生涯カルテ情報は、医療健康情報システム10において、利用者に付与されるユニークなIDである検索者IDと、当該利用者の基礎情報と、当該利用者に帰属する医療健康情報と、当該医療健康情報に付与された医療健康情報IDとが対応付けられて構成される。図7(b)は、個人生涯カルテ情報の具体的な情報の一例を示す図である。
【0059】
確度情報取得部124は、確定部126により確定の入力が受け付けられた医療健康情報(確定医療健康情報)と、選択医療健康情報との整合性の度合を数値化した情報である第1整合性情報を、確度情報として取得する。
【0060】
具体的には、確度情報取得部124は、PC200の利用者に付与されている検索者IDをキーとして個人生涯カルテDB133を検索し、当該PC200の利用者の検索者IDに対応付けられている医療健康情報を、確定医療健康情報として取得する。
【0061】
次に、確度情報取得部124は、選択医療健康情報と、確定医療健康情報とのうち、対応する日時が古い方に含まれる現病歴と新しい方に含まれる既往歴とが一致するか否かを判定し、一致する場合には、整合性が高いと判断し、その整合性の度合を数値化して第1整合性情報とする。また、確度情報取得部124は、選択医療健康情報と、確定医療健康情報のバイタルデータを比較し、両者が近似しているほど、整合性が高いと判断し、その整合性の度合を数値化して第1整合性情報とする。また、確度情報取得部124は、選択医療健康情報内と、確定医療健康情報内との患者に関する数値情報を比較し、整合性の度合としての一致の度合を数値化して第1整合性情報とする。一致の度合の数値化には、例えば、選択医療健康情報内の患者に関する数値情報をa(t)、確定医療健康情報内の患者に関する数値情報をb(t)とした場合(a(t)、b(t)はtの時系列で、tの範囲は1からTまで)、評価関数である
【数1】
【0062】
により算出される。なお、この評価関数は一例であり、確度情報取得部124は、他の評価関数を用いて、選択医療健康情報内と、確定医療健康情報内との患者に関する数値情報との一致の度合を数値化してもよい。
【0063】
なお、確度情報取得部124は、検索部123により取得された複数の医療健康情報の平均的な傾向を示す数値と、検索部123により取得された所定の医療健康情報の傾向を示す数値との差分を示す第2整合性情報を、確度情報として取得することもできる。
【0064】
具体的には、確度情報取得部124は、検索部123により取得された複数の医療健康情報に含まれる数値情報の平均値を算出する。次に、確度情報取得部124は、算出した平均値と選択医療健康情報に含まれる数値情報との差分を第2整合性情報として算出し、当該差分が小さいほど、整合性が高いと判断する。
【0065】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された第1整合性情報及び第2整合性情報の少なくとも一方と、選択医療健康情報とを含んだ第3確度情報表示画面を生成し、当該第3確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0066】
PC200は、提示部125からの第3確度情報表示画面の情報を受信し、対応する確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0067】
図8は、第3確度情報表示画面の一例である。図8に示すように、第3確度情報表示画面は、選択医療健康情報の表示431と、整合性情報の表示432と、画面遷移ボタン433を含む。なお、選択医療健康情報の表示431及び整合性情報の表示432の一方は、別ウィンドウにより表示されてもよい。
【0068】
PC200の利用者は、図8に示す第3確度情報表示画面を見ることで、選択医療健康情報についての整合性とを認識し、画面遷移ボタン433を選択する操作を行う。この時、PC200は、操作に対応する応答を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0069】
情報集約サーバ100の制御部112内の確度情報取得部124は、通信部116を介してPC200からの応答を取得する。他人検索記録DB132には、医療健康情報が他人の医療健康情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報が記憶されている。確度情報取得部124は、この他人検索記録DB132を検索し、選択医療健康情報が他人の医療健康情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報を、確度情報として取得する。
【0070】
図9は、他人検索記録DB132に記憶される他人検索記録情報の一例を示す図である。他人検索記録情報は、医療健康情報毎に用意されるものであり、当該医療健康情報が他人の医療健康情報として取得されていることを示す情報である。図9(a)に示すように、他人検索記録情報は、医療健康情報を一意に特定可能な情報としての医療健康情報IDと、当該医療健康情報が自分に帰属すると主張した利用者の検索者IDと、当該帰属の主張の度合である帰属主張度と、検索日時とが対応付けられて構成される。図9(b)は、他人検索記録情報の具体的な情報の一例を示す図である。なお、帰属主張度は、パーセンテージによる数値でもよく、他の量的な数値でもよい。更には、○、△、×の3段階評価の結果でもよい。
【0071】
確度情報取得部124は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDとをキーとして他人検索記録DB132を検索し、他人検索記録情報のうち、医療健康情報IDが選択医療健康情報と一致し、且つ、PC200の利用者の検索者IDと異なる検索者IDを含む他人検索記録情報を、確度情報として取得する。
【0072】
次に、確度情報取得部124は、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を、確度情報として算出する。例えば、確度情報取得部124は、予め記憶部113に記憶されている電話帳の情報により、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を算出することができる。
【0073】
具体的には、確度情報取得部124は、PC200の利用者の基礎情報に含まれる当該PC200の利用者の名前を抽出する。次に、確度情報取得部124は、電話帳の情報に含まれる名前のうち、PC200の利用者と同一の名前の件数Mを特定する。更に、確度情報取得部124は、予め記憶部113に記憶されている、全国民のうち、電話帳に名前を掲載している人の割合Aを取得する。次に、確度情報取得部124は、PC200の利用者と同姓同名の人数Nを、N=M/Aにより算出する。次に、確度情報取得部124は、生年月日の数Bを365日×100年=36500と仮定して、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確度情報としての確率Prを、Pr=1−BPN/(B^N)により算出する。ここで、BPNは順列である。
【0074】
更に、確度情報取得部124は、選択医療健康情報と確定医療健康情報との整合性や、他人による帰属主張度に基づき、所定の評価関数を用いて、選択医療健康情報がPC200の利用者に帰属する確率(帰属確率)を確度情報として算出する。
【0075】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された他人検索記録情報内の検索日時及び帰属主張度と、算出されたPC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率Prと、算出された帰属確率とを含んだ第4確度情報表示画面を生成し、当該第4確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0076】
PC200は、提示部125からの第4確度情報表示画面の情報を受信し、対応する第4確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0077】
図10は、第4確度情報表示画面の一例である。図10に示すように、第4確度情報表示画面は、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率の表示441と、他人による検索日時及び帰属主張度の表示442と、帰属確率443と、帰属主張度の入力欄444と、確定ボタン445と、非確定ボタン446とを含む。
【0078】
PC200の利用者は、図10に示す第4確度情報表示画面を見ることで、自身と他人とが同姓同名、且つ、同生年月日となる確率を認識するとともに、過去に他人が選択医療健康情報を検索した回数、更には、他人による帰属主張度を認識し、これらの情報に基づいて、選択医療健康情報が自身のものであるかの最終判断を行う。更に、PC200の利用者は、選択医療健康情報が自身のものであると判断する場合には、入力欄444に帰属主張度を入力し、更に、確定ボタン445を選択する操作を行う。この時、PC200は、操作に対応する、帰属主張度を含んだ確定応答を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0079】
情報集約サーバ100の制御部112内の確定部126は、提示部125により提示された選択医療健康情報が所定の個人であるPC200の利用者のものであることを確定するための入力を受け付ける。ここでは、確定部126は、通信部116を介してPC200からの確定応答を取得すると、提示部125によって提示された選択医療健康情報がPC200の利用者のものであることを確定する。具体的には、確定部126は、PC200の利用者の検索者IDと、PC200の利用者の基礎情報と、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDとを対応付けた個人生涯カルテ情報を生成する。更に、確定部126は、生成した個人生涯カルテ情報を個人生涯カルテDB133に登録する。
【0080】
ここで、PC200の利用者の検索者IDを含んだ個人生涯カルテ情報が、既に、個人生涯カルテDB133に登録されている場合には、確定部126は、その既に登録されている個人生涯カルテ情報に、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDとを追加する。
【0081】
更に、確定部126は、選択医療健康情報が検索部123によって取得されたことを示す情報を、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。
【0082】
具体的には、確定部126は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDと、確定応答に含まれる帰属主張度と、検索日時とを対応付けた情報を生成し、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。ここで、選択医療健康情報と同一の医療健康情報IDが付与された他人検索記録情報が、既に、他人検索記録DB132に記憶されている場合には、確定部126は、その既に記憶されている他人検索記録情報に、PC200の利用者の検索者IDと、選択医療健康情報と、帰属主張度と、検索日時とを対応付けた上で付加する。
【0083】
提示部125は、PC200の利用者の検索者IDを含んだ個人生涯カルテ情報の表示画面である個人生涯カルテ画面を生成し、当該個人生涯カルテ画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0084】
PC200は、提示部125からの個人生涯カルテ画面の情報を受信し、対応する個人生涯カルテ画面を図示しないディスプレイに表示する。図11は、個人生涯カルテ画面の一例を示す図である。
【0085】
(2)情報集約サーバの動作
図12は、情報集約サーバ100の動作を示すフローチャートである。ステップS102において、情報集約サーバ100は、PC200に対して、当該PC200の利用者の基礎情報及び補助情報の入力を促す出力を行う。
【0086】
その後、ステップ103において、情報集約サーバ100は、PC200からの基礎情報及び補助情報を取得する。
【0087】
ステップS104において、情報集約サーバ100は、取得した基礎情報及び補助情報を入力情報DB130に記憶させる。
【0088】
ステップS105において、情報集約サーバ100は、入力情報DB130に記憶された基礎情報及び補助情報を用いて医療健康機関DB300に登録されている医療健康情報を検索し、検索結果である医療健康情報を取得する。ここで、情報集約サーバ100は、検索によって取得された医療健康情報に、医療健康情報IDを付与する。
【0089】
ステップS106において、情報集約サーバ100は、取得した医療健康情報のうち、PC200の利用者によって選択された選択医療健康情報に基づく、確度情報としての参考情報、補強情報、第1整合性情報、第2整合性情報、他人検索記録情報、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率、帰属確率を取得する。更に、ステップS107において、情報集約サーバ100は、選択医療健康情報及び確度情報をPC200へ提示する。PC200では、これら確度情報の画面が表示される。
【0090】
PC200の利用者は、画面を見ることで、選択医療健康情報が自身のものであるかの最終判断を行う。ステップS108において、情報集約サーバ100は、PC200の利用者が選択医療健康情報の自身への帰属を指示したか否かを判定する。
【0091】
PC200の利用者が選択医療健康情報の自身への帰属を指示した場合、ステップS109において、情報集約サーバ100は、PC200の利用者の検索者IDと、PC200の利用者の基礎情報と、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDとを対応付けた個人生涯カルテ情報を生成し、登録する。
【0092】
更に、ステップS110において、情報集約サーバ100は、個人生涯カルテ情報をPC200へ出力する。PC200では、個人生涯カルテ情報の画面が表示される。
【0093】
更に、ステップS111において、情報集約サーバ100は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDと、確定応答に含まれる帰属主張度と、検索日時とを対応付けた情報を生成し、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。また、ステップS108において、PC200の利用者が選択医療健康情報の自身への帰属を指示していないと判定された場合も、ステップS111において、情報集約サーバ100は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDと、確定応答に含まれる帰属主張度と、検索日時とを対応付けた情報を生成し、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。
【0094】
(3)作用・効果
本実施形態では、情報集約サーバ100は、PC200の利用者の基礎情報及び補助情報の入力を促す出力を行って、これら基礎情報及び補助情報を取得し、更に、基礎情報及び補助情報を用いて複数の医療健康機関DB300を検索し、検索結果である医療健康情報を取得する。このため、PC200の利用者に関連する多様な医療健康情報を取得でき、精度の良い医療健康情報の集約が可能となる。
【0095】
また、情報集約サーバ100は、取得した医療健康情報がPC200の利用者に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得し、提示する。従って、PC200の利用者は、取得された医療健康情報が自身に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて判断可能となり、医療健康情報の絞り込みを精度良く行うことが可能となり、例えば、同姓同名の他人が存在する場合等において、医療健康情報の絞り込みを精度良く行うことが可能となる。
【0096】
(4)その他の実施形態
本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0097】
例えば、上述した実施形態において、検索によって取得される医療健康情報が、病院等におけるカルテ情報であれば、当該カルテ情報には、診療科、病名、検査名、検査結果、手術名、処置名、投薬に関する情報(薬品名、投薬量、服用期間)、現病歴、既往歴、家族の病歴、入院期間等が含まれる。
【0098】
また、検索によって得られる医療健康情報が、薬局における薬歴の情報であれば、当該薬歴の情報には、各病気毎に処方されている薬品に関する情報(薬品名、錠剤及び粉薬の別、飲み薬及び塗り薬の別)等が含まれる。
【0099】
また、検索によって得られる医療健康情報が、スポーツクラブにおける管理情報であれば、当該管理情報には、血液、体重等のバイタルデータ、運動メニュー、運動のスケジュールの情報等が含まれる。
【0100】
また、上述した実施形態では、医療健康情報を集約する場合について説明したが、他の情報を集約する場合にも、同様に本発明を適用することができる。
【0101】
例えば、全国的あるいは世界的に会員制サービスを提供する業者が、一人の会員に対して支店毎に異なる会員情報を管理している場合や、異なる業者が、一人の会員に対して業者毎に異なる会員情報を管理している場合に、本発明を適用して会員毎に会員情報を集約することができる。
【0102】
支店毎に異なる会員情報を集約する場合には、以下のような処理が行われる。すなわち、情報集約サーバは、利用者に対して、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う。
【0103】
ここで、基礎情報に含まれる個人を特定する情報とは、例えば、名前、生年月日、性別及び本籍である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の変更に関する情報とは、例えば、結婚、離婚、養子縁組、性別の変更、本籍の変更等があった場合の変更前の情報と、当該変更前の情報が適用される時期の情報である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の併用に関する情報とは、ニックネームの情報と、当該ニックネームの情報が適用される時期の情報である。
【0104】
また、補助情報とは、例えば、住所、健康保険証番号、学生証番号、社員番号、会員番号、所属機関の住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、健康サービス、レンタルショップ等の名称とそれらにおいて使用された登録番号、医療機関の名称と診察券番号等と、これらの情報が適用される地域及び時期の少なくとも何れかの情報である。
【0105】
次に、情報集約サーバは、基礎情報及び補助情報を入力し、これら基礎情報及び補助情報を用いて、会員情報を登録している支店毎の会員情報DBを検索し、検索結果としての会員情報を取得する。
【0106】
更に、情報集約サーバは、補助情報を確度情報として取得するとともに、検索によって得られた会員情報から抽出される、所定の個人である利用者に帰属することの判断を支援する情報(参考情報)を、確度情報として取得する。例えば、参考情報は、住所、所属機関名、サービスの利用状況等である。また、情報集約サーバは、選択された会員情報(選択会員情報)を補強するための情報であって、選択会員情報に対応する機関に係る情報、及び、当該選択会員情報に対応する時期に係る情報である補強情報を、確度情報として取得する。例えば、補強情報は、支店の建物の写真、従業員の写真等である。また、情報集約サーバは、利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を確度情報として、利用者に提示する。また、情報集約サーバは、選択会員情報と利用者のものであると確定している会員情報(確定会員情報)との整合性の度合を数値化した情報である第1整合性情報を、確度情報として取得する。例えば、会員制のレンタルビデオサービスにおいて、一人の会員が複数の支店でビデオを借りた場合、情報集約サーバは、支店毎の会員情報のうち、利用者のものであると確定している会員情報と、他の会員情報とにおける貸借の日時、貸借の曜日、貸借期間、ビデオのタイトル、一度に借りた本数等を対比させて、整合性を判断することができる。また、情報集約サーバは、選択会員情報について他人が自分に帰属すると主張した場合の帰属の主張度を、確度情報として取得する。更に、情報集約サーバは、取得した確度情報を、利用者に提示する。
【0107】
また、業種の異なる業者が、それぞれ顧客情報を管理している場合に、本発明を適用して顧客毎に顧客情報を集約することができる。
【0108】
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、情報集約サーバは、利用者に対して、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う。
【0109】
ここで、基礎情報に含まれる個人を特定する情報とは、上述と同様、例えば、名前、生年月日、性別及び本籍である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の変更に関する情報とは、例えば、結婚、離婚、養子縁組、性別の変更、本籍の変更等があった場合の変更前の情報と、当該変更前の情報が適用される時期の情報である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の併用に関する情報とは、ニックネームの情報と、当該ニックネームの情報が適用される時期の情報である。
【0110】
また、補助情報とは、上述と同様、例えば、住所、健康保険証番号、学生証番号、社員番号、会員番号、所属機関の住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、健康サービス、レンタルショップ等の名称とそれらにおいて使用された登録番号、医療機関の名称と診察券番号等と、これらの情報が適用される地域及び時期の少なくとも何れかの情報である。
【0111】
次に、情報集約サーバは、基礎情報及び補助情報を入力し、これら基礎情報及び補助情報を用いて、顧客情報を登録している業者毎の顧客情報DBを検索し、検索結果としての顧客情報を取得する。
【0112】
更に、情報集約サーバは、補助情報を確度情報として取得するとともに、検索によって得られた顧客情報から抽出される、所定の個人である利用者に帰属することの判断を支援する情報(参考情報)を、確度情報として取得する。例えば、参考情報は、住所、所属機関名、サービスの利用状況等である。また、情報集約サーバは、選択された顧客情報(選択顧客情報)を補強するための情報であって、選択顧客情報に対応する機関に係る情報、及び、当該選択顧客情報に対応する時期に係る情報である補強情報を、確度情報として取得する。例えば、補強情報は、業者の建物の写真、従業員の写真等である。また、情報集約サーバは、利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を確度情報として、利用者に提示する。また、情報集約サーバは、選択顧客情報と利用者のものであると確定している顧客情報(確定顧客情報)との整合性の度合を数値化した情報である第1整合性情報を、確度情報として取得する。例えば、商店街やショッピングモールの各業者毎に顧客情報が管理されている場合、情報集約サーバは、業者毎の顧客情報のうち、利用者のものであると確定している顧客情報と、他の顧客情報とにおける、利用の日時、購入商品の価格帯、購入商品の色、購入商品の和風及び洋風の別等を対比させて、整合性を判断することができる。また、情報集約サーバは、選択顧客情報について他人が自分に帰属すると主張した場合の帰属の主張度を、確度情報として取得する。更に、情報集約サーバは、取得した確度情報を、利用者に提示する。
【0113】
上述した実施形態では、情報集約サーバ100は、複数の確度情報を、順次PC200へ出力するようにしたが、必ずしも全ての確度情報を出力する必要はなく、適宜所定の確度情報のみを出力するようにしてもよい。
【0114】
また、上述した実施形態では、基礎情報として、名前、生年月日、性別及び本籍を用いたが、他に住民基本台帳番号、社会保障番号及びパスポート番号についても基礎情報として用いることができる。
【0115】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0116】
10…医療健康情報システム、100…情報集約サーバ、112…制御部、113…記憶部、116…通信部、120…認証部、121…出力部、122…入力部、123…検索部、124…確度情報取得部、125…提示部、126…確定部、130…入力情報DB、131…補強情報DB、132…他人検索記録DB、133…個人生涯カルテDB、150…インターネット、200…PC、300−1、300−2、300−3…医療健康機関DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上に分散して配置される、複数の機関毎のデータベースに格納されている当該機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約システム、個人関連情報集約装置、及び、コンピュータにおいて実行される個人関連情報集約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの医療健康情報がレセプト(診療報酬明細書)コンピュータ、電子カルテシステム、医用画像装置等によって電子データの形式で管理されるようになっている。一人の個人に着目した場合、当該個人の医療健康情報は、通常、医療機関、薬局、健康保険機関、健康サービス業者等の各機関に散在している。このように、散在している個人の医療健康情報を集約(名寄せ)して活用することは非常に有用である。しかし、これらの情報は、ユニークなIDでは管理されておらず、集約できない。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、患者の氏名、性別、生年月日を識別情報として、複数の機関に散在する医療健康情報の名寄せを行う技術が開示されている。また、特許文献2には、名刺の画像認識を行って得られる名刺情報データを管理しておき、複数の名刺情報データが同一人に帰属すると判定される場合には、当該複数の名刺情報データを利用者に提示して、同一人に帰属するか否かの判定を促す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−147364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、婚姻等によって患者の氏名が変更された場合には、変更前の氏名と変更後の氏名とが異なる患者に帰属すると見なされてしまう。また、例えば、同姓同名の患者が複数存在する場合に、同一人物であると見なされてしまう場合がある。このため、精度の良い名寄せを行うことができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、精度の良い個人関連情報の集約を行うことが可能な個人関連情報集約システム、個人関連情報集約装置及び個人関連情報集約プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。本発明の特徴は、ネットワーク(インターネット150)上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベース(医療健康機関DB300)に格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約システムであって、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部(出力部121)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部(入力部122)と、前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部(入力情報DB130)と、前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部(検索部123)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部(確度情報取得部124)と、前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部(提示部125)と、前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部(確定部126)とを備えることを要旨とする。
【0008】
このように、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促して、これら基礎情報及び補助情報を入力した上で、基礎情報及び補助情報を用いて機関毎の複数のデータベースを検索することにより、個人に関連する多様な情報を取得でき、精度の良い個人関連情報の集約が可能となる。
【0009】
また、このように、取得した個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得し、提示することにより、利用者は、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて判断可能となり、個人関連情報の絞り込みを精度良く行うことが可能となる。
【0010】
本発明の特徴は、前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された前記個人関連情報から抽出される、前記所定の個人に帰属することの判断を支援する情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0011】
このように、取得された個人関連情報から所定の個人に帰属することの判断を支援する情報が抽出されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0012】
本発明の特徴は、前記検索部により取得された前記個人関連情報を補強するための情報であって、前記個人関連情報に対応する機関に係る情報と、前記個人関連情報に対応する時期に係る情報と、前記機関が提供するサービスに係る情報とである補強情報を記憶する補強情報記憶部(補強情報DB131)を備え、前記確度情報取得部は、前記補強情報記憶部に記憶された前記補強情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0013】
このように、取得された個人関連情報に対応する機関に係る情報、及び、当該個人関連情報に対応する時期に係る情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0014】
本発明の特徴は、前記確度情報取得部は、前記確定部により確定の入力が受け付けられた前記個人関連情報と、前記検索部により取得された前記個人関連情報との整合性の度合を数値化した情報である第1の整合性情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0015】
所定の個人のものであると確定済みである個人関連情報との整合性が高い他の個人関連情報は、当該所定の個人のものである可能性が高い。従って、整合性を示す情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0016】
本発明の特徴は、前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された複数の前記個人関連情報の平均的な傾向を示す数値と、前記検索部により取得された所定の前記個人関連情報の傾向を示す数値との差分を示す第2の整合性情報を、前記確度情報として取得することを要旨とする。
【0017】
複数の個人関連情報のうちの1つの個人関連情報に着目した場合、複数の個人関連情報に含まれる数値情報の平均値と、着目している個人関連情報に含まれる数値情報との差分が小さい場合には、その着目している個人関連情報は、他の個人関連情報との整合性が高く、所定の個人のものである可能性が高い。従って、整合性を示す情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0018】
本発明の特徴は、前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報を記憶する他人検索記録情報記憶部(他人検索記録DB132)を備え、前記確度情報取得部は、前記他人検索記録情報記憶部に記憶された前記他人検索記録情報のうち、前記検索部により取得された前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す前記他人検索記録情報を、前記確度情報として取得し、前記確定部は、前記個人関連情報が前記検索部により取得されたことを示す情報を、前記他人検索記録情報として前記他人検索記録情報記憶部に記憶させることを要旨とする。
【0019】
他人のものとして取得された個人関連情報は、所定の個人のものである可能性が低い。従って、他人の個人関連情報としても取得されていることを示す情報が取得されることで、利用者は、この情報を参照して、取得された個人関連情報が所定の個人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。また、個人関連情報が検索部により取得されたことを示す情報が、他人検索記録情報として記憶されることで、この情報を、他人の個人関連情報の検索において考慮することができ、他人は、取得された個人関連情報が当該他人に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて、より的確な判断が可能となる。
【0020】
本発明の特徴は、ネットワーク(インターネット150)上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベース(医療健康機関DB300)に格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報(医療健康情報)を集約する個人関連情報集約装置(情報集約サーバ100)であって、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部(出力部121)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部(入力部122)と、前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部(入力情報DB130)と、前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部(検索部123)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部(確度情報取得部124)と、前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部(提示部125)と、前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部(確定部126)とを備えることを要旨とする。
【0021】
本発明の特徴は、ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約するコンピュータに、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行うステップ(ステップS102)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力するステップ(ステップS103)と、入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶するステップ(ステップS104)と、記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得するステップ(ステップS105)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得するステップ(ステップS106)と、取得された前記個人関連情報と、取得された前記確度情報とを提示するステップ(ステップS107)と、提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付けるステップ(ステップS109)とを実行させる個人関連情報集約プログラムであることを要旨とする。
【0022】
本発明の特徴は、ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人情報集約システムにおける個人情報集約方法であって、個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行うステップ(ステップS102)と、前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力するステップ(ステップS103)と、入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶するステップ(ステップS104)と、記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得するステップ(ステップS105)と、前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得するステップ(ステップS106)と、取得された前記個人関連情報と、取得された前記確度情報とを提示するステップ(ステップS107)と、提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付けるステップ(ステップS109)とを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、精度の良い個人関連情報の集約が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る医療健康情報システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報集約サーバの構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示画面の第1の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る取得情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る表示画面の第2の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る表示画面の第3の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る個人生涯カルテ情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る表示画面の第4の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る他人検索記録情報の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る表示画面の第5の例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る表示画面の第6の例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報集約サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、医療健康情報システムを例に、本発明の個人関連情報集約システムを説明する。具体的には、(1)医療健康情報システムの構成、(2)情報集約サーバの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0026】
(1)医療健康情報システムの構成
まず、本発明の実施形態に係る医療健康情報システムの構成について、(1.1)医療健康情報システムの全体概略構成、(1.2)医療健康情報システムを構成する情報集約サーバの構成の順に説明する。
【0027】
(1.1)医療健康情報システムの構成
図1は、本発明の実施形態に係る医療健康情報システムの全体概略構成図である。
【0028】
図1に示すように、医療健康情報システム10は、情報集約サーバ100、パーソナルコンピュータ(PC)200、医療健康機関データベース(DB)300−1、300−2、300−3(以下、これらをまとめて適宜「医療健康機関DB300」と称する)を含む。情報集約サーバ100、PC200、医療健康機関DB300は、インターネット150に接続されている。なお、情報集約サーバ100、PC200、医療健康機関DB300は、インターネット150以外のネットワークに接続されていてもよい。また、PC200に代えて、携帯電話機、モバイル用端末等の他の装置が備えられていてもよい。
【0029】
本実施形態において、情報集約サーバ100は、PC200を操作する利用者の要求に応じて、インターネット150上に分散配置された医療健康機関毎の複数の医療健康機関DB300に登録されている、当該医療健康機関に関連する者である所定の個人の情報である、当該所定の個人に関する医療行為や健康サービスの情報としての医療健康情報を個人関連情報として取得し、集約(名寄せ)を行う。
【0030】
(1.2)情報集約サーバの構成
図2は、情報集約サーバ100の構成図である。情報集約サーバ100は、制御部112、記憶部113、通信部116を含む。
【0031】
制御部112は、例えばCPUによって構成され、情報集約サーバ100が具備する各種機能を制御する。記憶部113は、例えばメモリによって構成され、情報集約サーバ100における制御などに用いられる各種情報を記憶する。通信部116は、インターネット150を介して、PC200及び医療健康機関DB300との間で通信を行う。
【0032】
制御部112は、出力部121、入力部122、検索部123、確度情報取得部124、提示部125、確定部126を含む。記憶部113は、入力情報データベース(DB)130、補強情報データベース(DB)131、他人検索記録データベース(DB)132、個人生涯カルテDB133を含む。
【0033】
PC200が情報集約サーバ100へのアクセスを行うと、出力部121は、検索前質問処理を行う。具体的には、出力部121は、PC200の利用者に対して、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う。
【0034】
ここで、基礎情報に含まれる個人を特定する情報とは、例えば、名前、生年月日、性別及び本籍である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の変更に関する情報とは、例えば、結婚、離婚、養子縁組、性別の変更、本籍の変更等があった場合の変更前の情報と、当該変更前の情報が適用される時期の情報である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の併用に関する情報とは、ニックネームの情報と、当該ニックネームの情報が適用される時期の情報である。
【0035】
また、補助情報とは、例えば、住所、健康保険証番号、学生証番号、社員番号、会員番号、所属機関の住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、健康サービス、レンタルショップ等の名称とそれらにおいて使用された登録番号、医療機関の名称と診察券番号等と、これらの情報が適用される地域及び時期の少なくとも何れかの情報である。
【0036】
出力部121は、基礎情報及び補助情報の入力を促す出力として、表示画面である検索前質問画面を生成し、当該検索前質問画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0037】
PC200は、出力部121からの検索前質問画面の情報を受信し、対応する検索前質問画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0038】
図3は、検索前質問画面の一例である。図3(a)に示すように、検索前質問画面は、基礎情報に含まれる、個人を特定する情報としての名前、生年月日、性別及び本籍の入力欄401と、基礎情報に含まれる、個人を特定する情報の変更に関する情報と、個人を特定する情報の併用に関する情報の入力欄402と、補助情報の入力欄403と、検索ボタン404を含む。
【0039】
PC200の利用者は、入力欄401及び入力欄402に基礎情報を入力する操作、入力欄403に補助情報を入力する操作を行う。図3(b)は、入力欄401乃至403に各種情報が入力された状態を示す図である。更に、PC200の利用者は、検索ボタン404を選択する操作を行う。この時、PC200は、入力された基礎情報及び補助情報を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0040】
図4は、PC200から情報集約サーバ100へ伝送される情報の構成を示す図である。図4(a)に示すように、伝送情報には、基礎情報及び補助情報が含まれる。図4(b)は、基礎情報及び補助情報の具体的な情報の一例を示す図である。
【0041】
情報集約サーバ100の制御部112内の入力部122は、通信部116を介してPC200からの基礎情報及び補助情報を取得する。更に、入力部122は、取得した基礎情報及び補助情報を入力情報DB130に記憶させる。
【0042】
その後、検索部123は、通信部116を介して、医療健康機関DB300にアクセスする。なお、ここでは、情報集約サーバ100は、医療健康機関DB300に対するアクセス権を有しているものとする。更に、検索部123は、入力情報DB130に記憶された基礎情報及び補助情報を用いて医療健康機関DB300に登録されている医療健康情報を検索する。ここで、検索部123は、医療健康情報の中に項目毎に管理される構造化データが含まれる場合には、基礎情報及び補助情報に対応する項目(例えば時期や地域)を特定し、当該項目を含んだ医療健康情報を取得する。更に、医療健康情報の中に構造化データでないデータが含まれる場合には、検索部123は、自然言語処理に基づく検索、例えば、基礎情報及び補助情報を検索キーワードとして用い、医療健康情報を取得する。更に、検索部123は、検索によって取得された医療健康情報に、医療健康情報システム10においてユニークなIDである医療健康情報IDを付与する。医療健康情報IDは、例えば、医療健康機関の固有のIDと、医療健康情報の分類(例えば、カルテ、レセプト、検査ドキュメント等)を示すIDと、医療健康機関において独自に医療健康情報に対して付与されたIDとにより構成される。
【0043】
確度情報取得部124は、検索部123によって取得された医療健康情報が所定の個人であるPC200の利用者に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する。
【0044】
具体的には、確度情報取得部124は、検索部123により取得された医療健康情報、換言すれば、PC200の利用者を含む患者の医療健康情報や、PC200の利用者のものである可能性がある医療健康情報から抽出される、所定の個人であるPC200の利用者に帰属することの判断を支援する情報(参考情報)を、確度情報として取得する。なお、参考情報には、補助情報が含まれる。
【0045】
例えば、参考情報は、患者が医療健康サービスを受けた日時、医療健康機関の特徴を表す情報(名称、所在地、設置されている診療科、提供している医療健康サービスの属性等)、患者の特徴を表す情報(健康保険証番号、学生証番号、会員番号、所属機関、住所、電話番号等)、患者が受けた医療健康サービスの特徴を表す情報(病名、検査名、検査結果、手術名、処置名、処置内容、投薬内容(薬品名、投薬量、服用期間)、現病歴、既往歴、家族の病歴、入院期間)等である。
【0046】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された確度情報としての参考情報を含んだ第1確度情報表示画面を生成し、当該第1確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0047】
PC200は、提示部125からの第1確度情報表示画面の情報を受信し、対応する第1確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0048】
図5は、第1確度情報表示画面の一例である。図5に示す第1確度情報表示画面は、検索により得られた医療健康情報毎の参考情報の表示411を含む。 PC200の利用者は、図5に示す第1確度情報表示画面に含まれる参考情報の表示411とを見ることで、自身に帰属する可能性のある医療健康情報を認識し、その医療健康情報に対応する参考情報の表示411を選択する操作を行う。この時、PC200は、PC200の利用者が選択した参考情報を特定する情報(特定情報)を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0049】
情報集約サーバ100の制御部112内の確度情報取得部124は、通信部116を介してPC200からの参考情報の特定情報を取得する。
【0050】
確度情報取得部124は、特定された参考情報に対応する医療健康情報(選択医療健康情報)毎に、当該選択医療健康情報を補強するための情報であって、当該選択医療健康情報に対応する医療健康機関に係る情報と、当該選択医療健康情報に対応する時期に係る情報と、当該医療健康機関が提供するサービスに係る情報とである補強情報を、補強情報DB131から取得する。
【0051】
補強情報DB131には、医療健康機関に関連する情報(名称、過去の名称、俗称、通称、外観の写真、近隣の目印となる建物、所在地、移転及び統合の情報、医師の名前、写真及び特徴、看護師の名前、写真及び特徴、スタッフの名前、写真及び特徴、医療健康機関の近隣の町や駅の情報等)と、各年月日及びその前後の年月日に関連する情報(当該年月日前後の全国ニュース、当該年月日前後の医療健康機関の近辺のニュース、当該年月日前後の天候等)と、医療健康サービスに関連する情報(典型的な症状、薬の名称及び写真等)が補強情報として登録されている。
【0052】
確度情報取得部124は、形態素解析等の自然言語処理によって、選択医療健康情報を解析する。更に、確度情報取得部124は、解析の結果得られるキーワードを用いて補強情報DB131に登録されている補強情報を検索し、検索キーワードを含んだ補強情報を、確度情報として取得する。
【0053】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された補強情報と、選択医療健康情報とを含んだ第2確度情報表示画面を生成し、当該第2確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0054】
PC200は、提示部125からの第2確度情報表示画面の情報を受信し、対応する第2確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0055】
図6は、第2確度情報表示画面の一例である。図6に示すように、第2確度情報表示画面は、選択医療健康情報の表示421と、補強情報の表示422と、画面遷移ボタン423を含む。なお、選択医療健康情報の表示421及び補強情報の表示422の一方は、別ウィンドウにより表示されてもよい。
【0056】
PC200の利用者は、図6に示す第2確度情報表示画面を見ることで、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に関連する補強情報とを認識し、画面遷移ボタン423を選択する操作を行う。この時、PC200は、操作に対応する応答を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0057】
情報集約サーバ100の制御部112内の確度情報取得部124は、通信部116を介してPC200からの応答を取得すると、次に、PC200の利用者のものであると確定している医療健康情報(確定医療健康情報)を、個人生涯カルテDB133から取得する。
【0058】
図7は、個人生涯カルテDB133に登録される生涯カルテ情報の一例を示す図である。図7(a)に示すように、個人生涯カルテ情報は、医療健康情報システム10において、利用者に付与されるユニークなIDである検索者IDと、当該利用者の基礎情報と、当該利用者に帰属する医療健康情報と、当該医療健康情報に付与された医療健康情報IDとが対応付けられて構成される。図7(b)は、個人生涯カルテ情報の具体的な情報の一例を示す図である。
【0059】
確度情報取得部124は、確定部126により確定の入力が受け付けられた医療健康情報(確定医療健康情報)と、選択医療健康情報との整合性の度合を数値化した情報である第1整合性情報を、確度情報として取得する。
【0060】
具体的には、確度情報取得部124は、PC200の利用者に付与されている検索者IDをキーとして個人生涯カルテDB133を検索し、当該PC200の利用者の検索者IDに対応付けられている医療健康情報を、確定医療健康情報として取得する。
【0061】
次に、確度情報取得部124は、選択医療健康情報と、確定医療健康情報とのうち、対応する日時が古い方に含まれる現病歴と新しい方に含まれる既往歴とが一致するか否かを判定し、一致する場合には、整合性が高いと判断し、その整合性の度合を数値化して第1整合性情報とする。また、確度情報取得部124は、選択医療健康情報と、確定医療健康情報のバイタルデータを比較し、両者が近似しているほど、整合性が高いと判断し、その整合性の度合を数値化して第1整合性情報とする。また、確度情報取得部124は、選択医療健康情報内と、確定医療健康情報内との患者に関する数値情報を比較し、整合性の度合としての一致の度合を数値化して第1整合性情報とする。一致の度合の数値化には、例えば、選択医療健康情報内の患者に関する数値情報をa(t)、確定医療健康情報内の患者に関する数値情報をb(t)とした場合(a(t)、b(t)はtの時系列で、tの範囲は1からTまで)、評価関数である
【数1】
【0062】
により算出される。なお、この評価関数は一例であり、確度情報取得部124は、他の評価関数を用いて、選択医療健康情報内と、確定医療健康情報内との患者に関する数値情報との一致の度合を数値化してもよい。
【0063】
なお、確度情報取得部124は、検索部123により取得された複数の医療健康情報の平均的な傾向を示す数値と、検索部123により取得された所定の医療健康情報の傾向を示す数値との差分を示す第2整合性情報を、確度情報として取得することもできる。
【0064】
具体的には、確度情報取得部124は、検索部123により取得された複数の医療健康情報に含まれる数値情報の平均値を算出する。次に、確度情報取得部124は、算出した平均値と選択医療健康情報に含まれる数値情報との差分を第2整合性情報として算出し、当該差分が小さいほど、整合性が高いと判断する。
【0065】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された第1整合性情報及び第2整合性情報の少なくとも一方と、選択医療健康情報とを含んだ第3確度情報表示画面を生成し、当該第3確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0066】
PC200は、提示部125からの第3確度情報表示画面の情報を受信し、対応する確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0067】
図8は、第3確度情報表示画面の一例である。図8に示すように、第3確度情報表示画面は、選択医療健康情報の表示431と、整合性情報の表示432と、画面遷移ボタン433を含む。なお、選択医療健康情報の表示431及び整合性情報の表示432の一方は、別ウィンドウにより表示されてもよい。
【0068】
PC200の利用者は、図8に示す第3確度情報表示画面を見ることで、選択医療健康情報についての整合性とを認識し、画面遷移ボタン433を選択する操作を行う。この時、PC200は、操作に対応する応答を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0069】
情報集約サーバ100の制御部112内の確度情報取得部124は、通信部116を介してPC200からの応答を取得する。他人検索記録DB132には、医療健康情報が他人の医療健康情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報が記憶されている。確度情報取得部124は、この他人検索記録DB132を検索し、選択医療健康情報が他人の医療健康情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報を、確度情報として取得する。
【0070】
図9は、他人検索記録DB132に記憶される他人検索記録情報の一例を示す図である。他人検索記録情報は、医療健康情報毎に用意されるものであり、当該医療健康情報が他人の医療健康情報として取得されていることを示す情報である。図9(a)に示すように、他人検索記録情報は、医療健康情報を一意に特定可能な情報としての医療健康情報IDと、当該医療健康情報が自分に帰属すると主張した利用者の検索者IDと、当該帰属の主張の度合である帰属主張度と、検索日時とが対応付けられて構成される。図9(b)は、他人検索記録情報の具体的な情報の一例を示す図である。なお、帰属主張度は、パーセンテージによる数値でもよく、他の量的な数値でもよい。更には、○、△、×の3段階評価の結果でもよい。
【0071】
確度情報取得部124は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDとをキーとして他人検索記録DB132を検索し、他人検索記録情報のうち、医療健康情報IDが選択医療健康情報と一致し、且つ、PC200の利用者の検索者IDと異なる検索者IDを含む他人検索記録情報を、確度情報として取得する。
【0072】
次に、確度情報取得部124は、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を、確度情報として算出する。例えば、確度情報取得部124は、予め記憶部113に記憶されている電話帳の情報により、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を算出することができる。
【0073】
具体的には、確度情報取得部124は、PC200の利用者の基礎情報に含まれる当該PC200の利用者の名前を抽出する。次に、確度情報取得部124は、電話帳の情報に含まれる名前のうち、PC200の利用者と同一の名前の件数Mを特定する。更に、確度情報取得部124は、予め記憶部113に記憶されている、全国民のうち、電話帳に名前を掲載している人の割合Aを取得する。次に、確度情報取得部124は、PC200の利用者と同姓同名の人数Nを、N=M/Aにより算出する。次に、確度情報取得部124は、生年月日の数Bを365日×100年=36500と仮定して、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確度情報としての確率Prを、Pr=1−BPN/(B^N)により算出する。ここで、BPNは順列である。
【0074】
更に、確度情報取得部124は、選択医療健康情報と確定医療健康情報との整合性や、他人による帰属主張度に基づき、所定の評価関数を用いて、選択医療健康情報がPC200の利用者に帰属する確率(帰属確率)を確度情報として算出する。
【0075】
提示部125は、確度情報取得部124によって取得された他人検索記録情報内の検索日時及び帰属主張度と、算出されたPC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率Prと、算出された帰属確率とを含んだ第4確度情報表示画面を生成し、当該第4確度情報表示画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0076】
PC200は、提示部125からの第4確度情報表示画面の情報を受信し、対応する第4確度情報表示画面を図示しないディスプレイに表示する。
【0077】
図10は、第4確度情報表示画面の一例である。図10に示すように、第4確度情報表示画面は、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率の表示441と、他人による検索日時及び帰属主張度の表示442と、帰属確率443と、帰属主張度の入力欄444と、確定ボタン445と、非確定ボタン446とを含む。
【0078】
PC200の利用者は、図10に示す第4確度情報表示画面を見ることで、自身と他人とが同姓同名、且つ、同生年月日となる確率を認識するとともに、過去に他人が選択医療健康情報を検索した回数、更には、他人による帰属主張度を認識し、これらの情報に基づいて、選択医療健康情報が自身のものであるかの最終判断を行う。更に、PC200の利用者は、選択医療健康情報が自身のものであると判断する場合には、入力欄444に帰属主張度を入力し、更に、確定ボタン445を選択する操作を行う。この時、PC200は、操作に対応する、帰属主張度を含んだ確定応答を、インターネット150を介して、情報集約サーバ100へ送信する。
【0079】
情報集約サーバ100の制御部112内の確定部126は、提示部125により提示された選択医療健康情報が所定の個人であるPC200の利用者のものであることを確定するための入力を受け付ける。ここでは、確定部126は、通信部116を介してPC200からの確定応答を取得すると、提示部125によって提示された選択医療健康情報がPC200の利用者のものであることを確定する。具体的には、確定部126は、PC200の利用者の検索者IDと、PC200の利用者の基礎情報と、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDとを対応付けた個人生涯カルテ情報を生成する。更に、確定部126は、生成した個人生涯カルテ情報を個人生涯カルテDB133に登録する。
【0080】
ここで、PC200の利用者の検索者IDを含んだ個人生涯カルテ情報が、既に、個人生涯カルテDB133に登録されている場合には、確定部126は、その既に登録されている個人生涯カルテ情報に、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDとを追加する。
【0081】
更に、確定部126は、選択医療健康情報が検索部123によって取得されたことを示す情報を、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。
【0082】
具体的には、確定部126は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDと、確定応答に含まれる帰属主張度と、検索日時とを対応付けた情報を生成し、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。ここで、選択医療健康情報と同一の医療健康情報IDが付与された他人検索記録情報が、既に、他人検索記録DB132に記憶されている場合には、確定部126は、その既に記憶されている他人検索記録情報に、PC200の利用者の検索者IDと、選択医療健康情報と、帰属主張度と、検索日時とを対応付けた上で付加する。
【0083】
提示部125は、PC200の利用者の検索者IDを含んだ個人生涯カルテ情報の表示画面である個人生涯カルテ画面を生成し、当該個人生涯カルテ画面の情報を、通信部116及びインターネット150を介してPC200へ送信する。
【0084】
PC200は、提示部125からの個人生涯カルテ画面の情報を受信し、対応する個人生涯カルテ画面を図示しないディスプレイに表示する。図11は、個人生涯カルテ画面の一例を示す図である。
【0085】
(2)情報集約サーバの動作
図12は、情報集約サーバ100の動作を示すフローチャートである。ステップS102において、情報集約サーバ100は、PC200に対して、当該PC200の利用者の基礎情報及び補助情報の入力を促す出力を行う。
【0086】
その後、ステップ103において、情報集約サーバ100は、PC200からの基礎情報及び補助情報を取得する。
【0087】
ステップS104において、情報集約サーバ100は、取得した基礎情報及び補助情報を入力情報DB130に記憶させる。
【0088】
ステップS105において、情報集約サーバ100は、入力情報DB130に記憶された基礎情報及び補助情報を用いて医療健康機関DB300に登録されている医療健康情報を検索し、検索結果である医療健康情報を取得する。ここで、情報集約サーバ100は、検索によって取得された医療健康情報に、医療健康情報IDを付与する。
【0089】
ステップS106において、情報集約サーバ100は、取得した医療健康情報のうち、PC200の利用者によって選択された選択医療健康情報に基づく、確度情報としての参考情報、補強情報、第1整合性情報、第2整合性情報、他人検索記録情報、PC200の利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率、帰属確率を取得する。更に、ステップS107において、情報集約サーバ100は、選択医療健康情報及び確度情報をPC200へ提示する。PC200では、これら確度情報の画面が表示される。
【0090】
PC200の利用者は、画面を見ることで、選択医療健康情報が自身のものであるかの最終判断を行う。ステップS108において、情報集約サーバ100は、PC200の利用者が選択医療健康情報の自身への帰属を指示したか否かを判定する。
【0091】
PC200の利用者が選択医療健康情報の自身への帰属を指示した場合、ステップS109において、情報集約サーバ100は、PC200の利用者の検索者IDと、PC200の利用者の基礎情報と、選択医療健康情報と、当該選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDとを対応付けた個人生涯カルテ情報を生成し、登録する。
【0092】
更に、ステップS110において、情報集約サーバ100は、個人生涯カルテ情報をPC200へ出力する。PC200では、個人生涯カルテ情報の画面が表示される。
【0093】
更に、ステップS111において、情報集約サーバ100は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDと、確定応答に含まれる帰属主張度と、検索日時とを対応付けた情報を生成し、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。また、ステップS108において、PC200の利用者が選択医療健康情報の自身への帰属を指示していないと判定された場合も、ステップS111において、情報集約サーバ100は、選択医療健康情報に付与された医療健康情報IDと、PC200の利用者の検索者IDと、確定応答に含まれる帰属主張度と、検索日時とを対応付けた情報を生成し、他人検索記録情報として、他人検索記録DB132に記憶させる。
【0094】
(3)作用・効果
本実施形態では、情報集約サーバ100は、PC200の利用者の基礎情報及び補助情報の入力を促す出力を行って、これら基礎情報及び補助情報を取得し、更に、基礎情報及び補助情報を用いて複数の医療健康機関DB300を検索し、検索結果である医療健康情報を取得する。このため、PC200の利用者に関連する多様な医療健康情報を取得でき、精度の良い医療健康情報の集約が可能となる。
【0095】
また、情報集約サーバ100は、取得した医療健康情報がPC200の利用者に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得し、提示する。従って、PC200の利用者は、取得された医療健康情報が自身に帰属するものとして、どの程度確からしいのかについて判断可能となり、医療健康情報の絞り込みを精度良く行うことが可能となり、例えば、同姓同名の他人が存在する場合等において、医療健康情報の絞り込みを精度良く行うことが可能となる。
【0096】
(4)その他の実施形態
本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0097】
例えば、上述した実施形態において、検索によって取得される医療健康情報が、病院等におけるカルテ情報であれば、当該カルテ情報には、診療科、病名、検査名、検査結果、手術名、処置名、投薬に関する情報(薬品名、投薬量、服用期間)、現病歴、既往歴、家族の病歴、入院期間等が含まれる。
【0098】
また、検索によって得られる医療健康情報が、薬局における薬歴の情報であれば、当該薬歴の情報には、各病気毎に処方されている薬品に関する情報(薬品名、錠剤及び粉薬の別、飲み薬及び塗り薬の別)等が含まれる。
【0099】
また、検索によって得られる医療健康情報が、スポーツクラブにおける管理情報であれば、当該管理情報には、血液、体重等のバイタルデータ、運動メニュー、運動のスケジュールの情報等が含まれる。
【0100】
また、上述した実施形態では、医療健康情報を集約する場合について説明したが、他の情報を集約する場合にも、同様に本発明を適用することができる。
【0101】
例えば、全国的あるいは世界的に会員制サービスを提供する業者が、一人の会員に対して支店毎に異なる会員情報を管理している場合や、異なる業者が、一人の会員に対して業者毎に異なる会員情報を管理している場合に、本発明を適用して会員毎に会員情報を集約することができる。
【0102】
支店毎に異なる会員情報を集約する場合には、以下のような処理が行われる。すなわち、情報集約サーバは、利用者に対して、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う。
【0103】
ここで、基礎情報に含まれる個人を特定する情報とは、例えば、名前、生年月日、性別及び本籍である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の変更に関する情報とは、例えば、結婚、離婚、養子縁組、性別の変更、本籍の変更等があった場合の変更前の情報と、当該変更前の情報が適用される時期の情報である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の併用に関する情報とは、ニックネームの情報と、当該ニックネームの情報が適用される時期の情報である。
【0104】
また、補助情報とは、例えば、住所、健康保険証番号、学生証番号、社員番号、会員番号、所属機関の住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、健康サービス、レンタルショップ等の名称とそれらにおいて使用された登録番号、医療機関の名称と診察券番号等と、これらの情報が適用される地域及び時期の少なくとも何れかの情報である。
【0105】
次に、情報集約サーバは、基礎情報及び補助情報を入力し、これら基礎情報及び補助情報を用いて、会員情報を登録している支店毎の会員情報DBを検索し、検索結果としての会員情報を取得する。
【0106】
更に、情報集約サーバは、補助情報を確度情報として取得するとともに、検索によって得られた会員情報から抽出される、所定の個人である利用者に帰属することの判断を支援する情報(参考情報)を、確度情報として取得する。例えば、参考情報は、住所、所属機関名、サービスの利用状況等である。また、情報集約サーバは、選択された会員情報(選択会員情報)を補強するための情報であって、選択会員情報に対応する機関に係る情報、及び、当該選択会員情報に対応する時期に係る情報である補強情報を、確度情報として取得する。例えば、補強情報は、支店の建物の写真、従業員の写真等である。また、情報集約サーバは、利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を確度情報として、利用者に提示する。また、情報集約サーバは、選択会員情報と利用者のものであると確定している会員情報(確定会員情報)との整合性の度合を数値化した情報である第1整合性情報を、確度情報として取得する。例えば、会員制のレンタルビデオサービスにおいて、一人の会員が複数の支店でビデオを借りた場合、情報集約サーバは、支店毎の会員情報のうち、利用者のものであると確定している会員情報と、他の会員情報とにおける貸借の日時、貸借の曜日、貸借期間、ビデオのタイトル、一度に借りた本数等を対比させて、整合性を判断することができる。また、情報集約サーバは、選択会員情報について他人が自分に帰属すると主張した場合の帰属の主張度を、確度情報として取得する。更に、情報集約サーバは、取得した確度情報を、利用者に提示する。
【0107】
また、業種の異なる業者が、それぞれ顧客情報を管理している場合に、本発明を適用して顧客毎に顧客情報を集約することができる。
【0108】
例えば、以下のような処理が行われる。すなわち、情報集約サーバは、利用者に対して、個人を特定する情報、及び、当該個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う。
【0109】
ここで、基礎情報に含まれる個人を特定する情報とは、上述と同様、例えば、名前、生年月日、性別及び本籍である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の変更に関する情報とは、例えば、結婚、離婚、養子縁組、性別の変更、本籍の変更等があった場合の変更前の情報と、当該変更前の情報が適用される時期の情報である。また、基礎情報に含まれる個人を特定する情報の併用に関する情報とは、ニックネームの情報と、当該ニックネームの情報が適用される時期の情報である。
【0110】
また、補助情報とは、上述と同様、例えば、住所、健康保険証番号、学生証番号、社員番号、会員番号、所属機関の住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、健康サービス、レンタルショップ等の名称とそれらにおいて使用された登録番号、医療機関の名称と診察券番号等と、これらの情報が適用される地域及び時期の少なくとも何れかの情報である。
【0111】
次に、情報集約サーバは、基礎情報及び補助情報を入力し、これら基礎情報及び補助情報を用いて、顧客情報を登録している業者毎の顧客情報DBを検索し、検索結果としての顧客情報を取得する。
【0112】
更に、情報集約サーバは、補助情報を確度情報として取得するとともに、検索によって得られた顧客情報から抽出される、所定の個人である利用者に帰属することの判断を支援する情報(参考情報)を、確度情報として取得する。例えば、参考情報は、住所、所属機関名、サービスの利用状況等である。また、情報集約サーバは、選択された顧客情報(選択顧客情報)を補強するための情報であって、選択顧客情報に対応する機関に係る情報、及び、当該選択顧客情報に対応する時期に係る情報である補強情報を、確度情報として取得する。例えば、補強情報は、業者の建物の写真、従業員の写真等である。また、情報集約サーバは、利用者と他人とが同姓同名、且つ、同一の生年月日となる確率を確度情報として、利用者に提示する。また、情報集約サーバは、選択顧客情報と利用者のものであると確定している顧客情報(確定顧客情報)との整合性の度合を数値化した情報である第1整合性情報を、確度情報として取得する。例えば、商店街やショッピングモールの各業者毎に顧客情報が管理されている場合、情報集約サーバは、業者毎の顧客情報のうち、利用者のものであると確定している顧客情報と、他の顧客情報とにおける、利用の日時、購入商品の価格帯、購入商品の色、購入商品の和風及び洋風の別等を対比させて、整合性を判断することができる。また、情報集約サーバは、選択顧客情報について他人が自分に帰属すると主張した場合の帰属の主張度を、確度情報として取得する。更に、情報集約サーバは、取得した確度情報を、利用者に提示する。
【0113】
上述した実施形態では、情報集約サーバ100は、複数の確度情報を、順次PC200へ出力するようにしたが、必ずしも全ての確度情報を出力する必要はなく、適宜所定の確度情報のみを出力するようにしてもよい。
【0114】
また、上述した実施形態では、基礎情報として、名前、生年月日、性別及び本籍を用いたが、他に住民基本台帳番号、社会保障番号及びパスポート番号についても基礎情報として用いることができる。
【0115】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0116】
10…医療健康情報システム、100…情報集約サーバ、112…制御部、113…記憶部、116…通信部、120…認証部、121…出力部、122…入力部、123…検索部、124…確度情報取得部、125…提示部、126…確定部、130…入力情報DB、131…補強情報DB、132…他人検索記録DB、133…個人生涯カルテDB、150…インターネット、200…PC、300−1、300−2、300−3…医療健康機関DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約システムであって、
個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部と、
前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部と、
前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部と、
前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部と、
前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部と、
前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部と、
前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部と
を備える個人関連情報集約システム。
【請求項2】
前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された前記個人関連情報から抽出される、前記所定の個人に帰属することの判断を支援する情報を、前記確度情報として取得する請求項1に記載の個人関連情報集約システム。
【請求項3】
前記検索部により取得された前記個人関連情報を補強するための情報であって、前記個人関連情報に対応する機関に係る情報と、前記個人関連情報に対応する時期に係る情報と、前記機関が提供するサービスに係る情報とである補強情報を記憶する補強情報記憶部を備え、
前記確度情報取得部は、前記補強情報記憶部に記憶された前記補強情報を、前記確度情報として取得する請求項1又は2に記載の個人関連情報集約システム。
【請求項4】
前記確度情報取得部は、前記確定部により確定の入力が受け付けられた前記個人関連情報と、前記検索部により取得された前記個人関連情報との整合性の度合を数値化した情報である第1の整合性情報を、前記確度情報として取得する請求項1乃至3の何れかに記載の個人関連情報集約システム。
【請求項5】
前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された複数の前記個人関連情報の平均的な傾向を示す数値と、前記検索部により取得された所定の前記個人関連情報の傾向を示す数値との差分を示す第2の整合性情報を、前記確度情報として取得する請求項1乃至4の何れかに記載の個人関連情報集約システム。
【請求項6】
前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報を記憶する他人検索記録情報記憶部を備え、
前記確度情報取得部は、前記他人検索記録情報記憶部に記憶された前記他人検索記録情報のうち、前記検索部により取得された前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す前記他人検索記録情報を、前記確度情報として取得し、
前記確定部は、前記個人関連情報が前記検索部により取得されたことを示す情報を、前記他人検索記録情報として前記他人検索記録情報記憶部に記憶させる請求項1乃至5の何れかに記載の個人関連情報集約システム。
【請求項7】
ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約装置であって、
個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部と、
前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部と、
前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部と、
前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部と、
前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部と、
前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部と
前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部と
を備える個人関連情報集約装置。
【請求項8】
ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約するコンピュータに、
個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行うステップと、
前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力するステップと、
入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶するステップと、
記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得するステップと、
前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得するステップと、
取得された前記個人関連情報と、取得された前記確度情報とを提示するステップと、
提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付けるステップと、
を実行させる個人関連情報集約プログラム。
【請求項1】
ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約システムであって、
個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部と、
前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部と、
前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部と、
前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部と、
前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部と、
前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部と、
前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部と
を備える個人関連情報集約システム。
【請求項2】
前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された前記個人関連情報から抽出される、前記所定の個人に帰属することの判断を支援する情報を、前記確度情報として取得する請求項1に記載の個人関連情報集約システム。
【請求項3】
前記検索部により取得された前記個人関連情報を補強するための情報であって、前記個人関連情報に対応する機関に係る情報と、前記個人関連情報に対応する時期に係る情報と、前記機関が提供するサービスに係る情報とである補強情報を記憶する補強情報記憶部を備え、
前記確度情報取得部は、前記補強情報記憶部に記憶された前記補強情報を、前記確度情報として取得する請求項1又は2に記載の個人関連情報集約システム。
【請求項4】
前記確度情報取得部は、前記確定部により確定の入力が受け付けられた前記個人関連情報と、前記検索部により取得された前記個人関連情報との整合性の度合を数値化した情報である第1の整合性情報を、前記確度情報として取得する請求項1乃至3の何れかに記載の個人関連情報集約システム。
【請求項5】
前記確度情報取得部は、前記検索部により取得された複数の前記個人関連情報の平均的な傾向を示す数値と、前記検索部により取得された所定の前記個人関連情報の傾向を示す数値との差分を示す第2の整合性情報を、前記確度情報として取得する請求項1乃至4の何れかに記載の個人関連情報集約システム。
【請求項6】
前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す情報である他人検索記録情報を記憶する他人検索記録情報記憶部を備え、
前記確度情報取得部は、前記他人検索記録情報記憶部に記憶された前記他人検索記録情報のうち、前記検索部により取得された前記個人関連情報が他人の個人関連情報として取得されたことを示す前記他人検索記録情報を、前記確度情報として取得し、
前記確定部は、前記個人関連情報が前記検索部により取得されたことを示す情報を、前記他人検索記録情報として前記他人検索記録情報記憶部に記憶させる請求項1乃至5の何れかに記載の個人関連情報集約システム。
【請求項7】
ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約する個人関連情報集約装置であって、
個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行う出力部と、
前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力する入力部と、
前記入力部によって入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶する入力情報記憶部と、
前記入力情報記憶部に記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得する検索部と、
前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得する確度情報取得部と、
前記検索部により取得された前記個人関連情報と、前記確度情報取得部により取得された前記確度情報とを提示する提示部と
前記提示部により提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付ける確定部と
を備える個人関連情報集約装置。
【請求項8】
ネットワーク上に分散して配置される、機関毎の複数のデータベースに格納されている前記機関に関連する者の情報である個人関連情報を集約するコンピュータに、
個人を特定する情報、及び、前記個人を特定する情報の変更又は併用に関する情報である基礎情報と、特定の地域及び時期の少なくとも何れかにおいて前記個人に紐付けがなされる情報である補助情報との入力を促す出力を行うステップと、
前記出力に対する応答としての前記基礎情報及び前記補助情報を入力するステップと、
入力された前記基礎情報及び前記補助情報を記憶するステップと、
記憶された前記の基礎情報及び前記補助情報を用いて、前記機関毎の複数のデータベースを検索し、検索結果である前記個人関連情報を取得するステップと、
前記個人関連情報が所定の個人に帰属することについての確度を提供する情報である確度情報を取得するステップと、
取得された前記個人関連情報と、取得された前記確度情報とを提示するステップと、
提示された前記個人関連情報が所定の個人のものであることを確定するための入力を受け付けるステップと、
を実行させる個人関連情報集約プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−175373(P2011−175373A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37732(P2010−37732)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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