個装吸収性物品
【課題】開封時に開封しやすく、且つ使用済み吸収性物品の廃棄時に粘着剤層による止着が良好な封止テープとする。
【解決手段】封止テープ４は、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、包装シート３で包んで固定するための第３粘着剤層６ａを有し、中間部を折り畳むことにより包装シート３の外面から外方側に起立する開封用摘み部７を形成するとともに、前記開封用摘み部７より封止テープ４の先端側に連続して廃棄用摘み部８を形成し、開封用摘み部７の折り畳み部分のうち一方側の内面が第３粘着剤層６ａとされ、他方側の内面が第３粘着剤層６ａに対し剥離可能に接着された構造とする。個装吸収性物品１の開封時には、前記開封用摘み部７を摘んで該封止テープ４を引き上げることにより開封可能とされるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部８を摘んで先端側に引っ張ることにより前記粘着剤層６ａが露出可能とされている。
【解決手段】封止テープ４は、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、包装シート３で包んで固定するための第３粘着剤層６ａを有し、中間部を折り畳むことにより包装シート３の外面から外方側に起立する開封用摘み部７を形成するとともに、前記開封用摘み部７より封止テープ４の先端側に連続して廃棄用摘み部８を形成し、開封用摘み部７の折り畳み部分のうち一方側の内面が第３粘着剤層６ａとされ、他方側の内面が第３粘着剤層６ａに対し剥離可能に接着された構造とする。個装吸収性物品１の開封時には、前記開封用摘み部７を摘んで該封止テープ４を引き上げることにより開封可能とされるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部８を摘んで先端側に引っ張ることにより前記粘着剤層６ａが露出可能とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主には生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、医療用パッド、トイレタリー等に使用される吸収性物品を包装シートで包装し、開口側端縁を封止テープによって止着した個装吸収性物品に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、吸収性物品を個装するに際しては、吸収性物品の外面側に包装シートを配置し、吸収性物品及び包装シートを共に長手方向に三つ折り又は四つ折りとし、側縁部分をヒートシールするとともに、開口側端縁を封止テープにより止着するようにしている。
【０００３】
この封止テープは、個装の際に開口側端縁を止着するときだけでなく、使用済みの吸収性物品を、新しい吸収性物品を取り出した包装シートで包み込んで丸めた後、封止テープの粘着部を包装シートの外面に止着し丸めた状態を固定するときにも利用されている。
【０００４】
例えば、下記特許文献１では、止着テープは、その長さが延長可能に成され、吸収性物品の廃棄時において止着テープをその長さを延長させて用いることによって、吸収性物品を良好な止着性をもって包装材にくるんで封止することができるようにした吸収性物品の包装構造が開示されている。
【０００５】
また、下記特許文献２では、吸収性物品を個別に収納包装した包装シートの開封部に固着されるベース部と、粘着層を有する止着部からなる止着テープを配置し、該止着テープのベース部を包装シートの開封部近傍に固着し、該固着されたベース部の上面に止着部の粘着層を剥離自在に接着して取り付け、使用後の製品を包んだ包装シートを止着部により封止可能とした吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開平９−１０２５９号公報
【特許文献２】特開２００４−４９２６２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記特許文献１、２記載の個装吸収性物品では、開封時に手で摘む封止テープの摘み部分が封止テープの粘着面の先端側に延在して粘着面と平行になるように設けられているため、摘み部分が包装シートの上面に重なるように配置され、開封時に摘み部分が指で摘みにくく、開封しにくいという問題があった。この問題は封止テープ自体が小さいものであるため尚更であった。
【０００８】
また、包装シートが不織布の場合には剥離する際テープ粘着面に不織布の繊維が付着するため、廃棄時にこの剥離した封止テープの粘着面を包装シートの外面に再止着させようとしても、テープ粘着面の粘着性が低下しているため丸めた状態を固定できないという問題が発生していた。
【０００９】
そこで本発明の主たる課題は、開封時に開封しやすく、且つ使用済み吸収性物品の廃棄時に粘着剤層による止着が良好な封止テープを備えた個装吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するために請求項１に係る本発明として、吸収性物品を包装シートで包装し、開口側端縁を封止テープによって止着した個装吸収性物品において、
前記封止テープは、前記開口側端縁を跨いで一方側シートに接着する第１粘着剤層と、前記開口側端縁を跨いで他方側シートに接着する第２粘着剤層と、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、前記包装シートで包んで固定するための第３粘着剤層とを有し、
前記封止テープの中間を折り畳むことにより前記包装シートの外面から外方側に起立する開封用摘み部を形成するとともに、前記開封用摘み部より封止テープの先端側に連続して廃棄用摘み部を形成し、前記開封用摘み部の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層とされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層に対し剥離可能に接着され、
前記個装吸収性物品の開封時には、前記開封用摘み部を摘んで該封止テープを引き上げることにより開封可能とされるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部を摘んで先端側に引っ張ることにより前記第３粘着剤層が露出可能とされていることを特徴とする個装吸収性物品が提供される。
【００１１】
上記請求項１記載の発明では、個装吸収性物品の開口側端縁を止着する封止テープとして、開口側端縁を跨いで一方側シートに接着する第１粘着剤層と、開口側端縁を跨いで他方側シートに接着する第２粘着剤層と、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、包装シートで包んで固定するための第３粘着剤層とを有し、前記封止テープの中間を折り畳むことにより前記包装シートの外面から外方側に起立する開封用摘み部を形成するとともに、前記開封用摘み部より封止テープの先端側に連続して廃棄用摘み部を形成し、前記開封用摘み部の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層とされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層に対し剥離可能に接着された構造としている。このため、個装吸収性物品の開封時には、前記開封用摘み部を摘んで封止テープを引き上げることにより、前記他方側シートに接着した第２粘着剤層が剥離され開封可能となり、開封がしやすくなるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部を摘んで先端側に引っ張ることにより前記開封用摘み部の折り畳み状態が解除されて内面側の粘着剤層が露出するため、この新たに露出した第３粘着剤層による止着が良好となる。
【００１２】
請求項２に係る本発明として、前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部は、他の部分より相対的に高剛性とされることにより、前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部の成す角度が９０度以上に設定されている請求項１記載の個装吸収性物品が提供される。
【００１３】
上記請求項２記載の発明では、開封用摘み部及び廃棄用摘み部を他の部分より相対的に高剛性とすることによって、開封用摘み部が廃棄用摘み部側に折れにくくなり、開封用摘み部及び廃棄用摘み部の成す角度が９０度以上となるため、両摘み部が混同しにくくなるとともに、開封時及び廃棄時に各摘み部をそれぞれ引っ張りやすくなる。
【００１４】
請求項３に係る本発明として、前記封止テープは、廃棄用摘み部の先端で内側に折り返して前記廃棄用摘み部から開封用摘み部に亘って二重シートとされている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【００１５】
上記請求項３記載の発明では、封止テープを廃棄用摘み部の先端で内側に折り返して廃棄用摘み部から開封用摘み部に亘って二重シートとすることによって、開封用摘み部及び廃棄用摘み部が他の部分より相対的に高剛性とされるとともに、開封用摘み部の内面側に備えられた粘着剤層の対向面側が封止テープの表面側となるため、封止テープの基材としてプラスチックを用いた場合には特別な剥離処理を施さなくても前記粘着剤層に対して剥離可能となる。
【００１６】
請求項４に係る本発明として、前記封止テープは、開封用摘み部から廃棄用摘み部に亘って相対的に高剛性の別部材が用いられている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【００１７】
上記請求項４記載の発明では、封止テープとして開封用摘み部から廃棄用摘み部に亘って相対的に高剛性の別部材を用いることによって、開封用摘み部及び廃棄用摘み部が他の部分より相対的に高剛性に形成されるようになる。
【発明の効果】
【００１８】
以上詳説のとおり本発明によれば、開封時に開封しやすく、且つ使用済み吸収性物品の廃棄時に粘着剤層による止着が良好な封止テープを備えた個装吸収性物品が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明に係る個装吸収性物品１を示す個装状態の斜視図である。
【図２】封止テープ４の断面図である。
【図３】廃棄時の折り畳み状態の解除要領を示す封止テープ４の断面図である。
【図４】封止テープ４の斜視図である。
【図５】他の形態に係る封止テープ４の断面図である。
【図６】封止テープ４の平面形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【００２１】
本発明に係る個装吸収性物品１は、図１に示されるように、吸収性物品２と、この吸収性物品２を個装する包装シート３と、前記包装シート３の開口側端縁３ａを止着する封止テープ４とから構成されている。なお、前記吸収性物品２の外面側に下着などに装着する際のズレ止め粘着剤層が形成される場合には、必要に応じて前記ズレ止め粘着剤層に対応する領域の前記包装シート３の内面側に剥離紙が固設されている（図示せず）。
【００２２】
前記吸収性物品２としては、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、医療用パッド、トイレタリーなどが挙げられる。例えば生理用ナプキンの代表的な構造は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シートと、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シートと、これら両シート間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体と、この吸収体の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体を囲繞する被包シートと、表面側の両側部に配設された左右一対のサイド不織布とから主に構成されている。
【００２３】
この吸収性物品２を個装する包装シート３としては、素材的には、不織布、紙又はプラスチックフィルムなどを使用することができるが、好ましくは柔軟性の高い不織布とするのがよい。かかる包装シート３の形状は、前記吸収性物品２の両側部にウイング状フラップやヒップホールド用フラップが形成される場合には、これらを折り返した状態の幅寸法よりも大きく、かつ吸収性物品２の長手方向の少なくとも一方側端部よりも若干外方に延在させた長さとした矩形状のシートとされる。
【００２４】
包装シート３による吸収性物品２の個装方法は、必要に応じてズレ止め粘着剤層を剥離紙で覆った吸収性物品２を包装シート３上に配置するとともに、前記剥離紙と包装シート３とをホットメルト接着剤等により堅固に固着する。その後、吸収性物品２の幅方向に沿う折り線位置にて吸収性物品２の後端側及び前端側を三つ折り、四つ折り等の複数折りで折り畳み、図１に示されるように、包装シート３の開口した側縁部分３ｂ、３ｂをエンボス圧着、加熱融着、接着剤等、適宜の封鎖手段の単独または組み合わせによって封鎖するようにする。また、包装シート３の開口側端縁３ａは、必要に応じて接着剤により接合した後、封止テープ４により封止する。
【００２５】
前記封止テープ４は、図２に示されるように、プラスチック、ポリラミ不織布、不織布、紙等、好ましくはプラスチックからなる基材５の一方側面に粘着剤層６が形成されたものである。具体的には、開口側端縁３ａを跨いで一方側の包装シート３に接着する第１粘着剤層６ｃと、開口側端縁３ａを跨いで他方側の包装シート３に接着する第２粘着剤層６ｂと、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、包装シート３で包んで固定するための第３粘着剤層６ａとを有している。かかる封止テープ４は、好ましくは包装シート３の幅方向中央部に開口側端縁３ａから外側に延在して設けられている。
【００２６】
前記封止テープ４は、包装シート３の外面側に接着される部分より先端側で所定の形状に折り畳まれた摘み部を有している。即ち、図２に示されるように、連続的に形成された封止テープ４の中間を折り畳むことにより包装シート３の外面から外方側に起立する開封用摘み部７を形成するとともに、この開封用摘み部７より封止テープ４の先端側に連続して廃棄用摘み部８を形成してある。ここで、開封用摘み部７の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層６ａとされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層６ａに対し剥離可能に接着されている。なお、「連続的に形成された」とは、図２に示されるように、封止テープ４が１枚の連続したシートによって形成される場合の他、図５に示されるように、異なるシートを先端部で連結して連続状に形成した場合も含むものである。
【００２７】
図２に示される例では、プラスチックからなる基材５の一方側の全面に粘着剤層６が形成された封止テープ４を用い、廃棄用摘み部８の先端で内側に折り返して粘着剤層６同士を接合することによって、廃棄用摘み部８から開封用摘み部７の頂部に亘って二重シートとされている。その後、二重シートの折り返し端部４ａを頂点の内側にして折り畳むことにより、この折り畳み部分の一方側の内面に位置する粘着剤層６が、前述の第３粘着剤層６ａとなり、その対向面側がテープ表面であるプラスチック製の基材５となるから特別な剥離処理を施さなくても前記第３粘着剤層６ａに対して剥離可能となる。なお、プラスチック製の基材５でも剥離性を調整したい場合又は基材５を第３粘着剤層６ａに対して剥離性を示さない素材で構成した場合などには、第３粘着剤層６ａに接着する部分又は基材５の表面側全面にシリコン加工などの剥離処理を施しても良い。
【００２８】
この封止テープ４を備えた個装吸収性物品１の開封に当たっては、図２に示されるように、封止テープ４の開封用摘み部７を摘んで該封止テープ４を引き上げることにより前記第２粘着剤層６ｂが包装シート３から剥離して開封可能となっている。従来の封止テープのように摘み部分が封止テープの粘着面の先端側に延在して粘着面と平行に設けられているものに比べ、開封用摘み部７が外面側に突出して設けられているので、開封時に開封用摘み部７が摘みやすく、開封しやすくなっている。
【００２９】
一方、使用済み吸収性物品の廃棄に当たっては、新しい吸収性物品１を取り出した後の包装シート３によって使用済み吸収性物品を包み込んで丸めた後、図３(A)に示されるように、廃棄用摘み部８を摘んで先端側に引っ張ることにより、同図３(B)に示されるように、開封用摘み部７の折り畳み状態を解除して内面の第３粘着剤層６ａを露出させ、この第３粘着剤層６ａ及び開封時に包装シート３から剥離した第２粘着剤層６ｂを包装シート３の外面側に止着し、丸めた状態を固定する。このように、個装時に包装シート３の外面側に止着してある第２粘着剤層６ｂは、開封時に包装シート３から剥離することによって包装シート３（不織布）の繊維が付着して、再接着時の粘着性が低下するが、廃棄時に新たな第３粘着剤層６ａを露出させることにより、廃棄時にも粘着剤層による止着が良好にできるようになる。
【００３０】
前記封止テープ４の寸法について、図４に基づいて説明すると、テープ幅ａは、５mm以上とし、７〜２０mmが好ましい。廃棄用摘み部８及び開封用摘み部７のテープ長手方向長さｂ、ｃは、それぞれ２mm以上とし、３〜２０mmが好ましい。第２粘着剤層６ｂの形成領域である開口側端縁３ａから開封用摘み部７の基端までのテープ長手方向長さｄは、５mm以上とし、７〜１５mmが好ましい。第１粘着剤層６ａの形成領域である開口側端縁３ａより基端側の包装シート３との固定部分のテープ長手方向長さｅは、５mm以上とし、ｄよりも長く設定してｄ部分より粘着力を高めることが好ましい。
【００３１】
封止テープ４の包装シート３に対する位置は、包装シート３の開口側端縁３ａを封止できる位置であれば任意であるが、好ましくは包装シート３の幅方向中央部に設けるようにする。また、廃棄時に廃棄用摘み部８を摘んで引っ張ったとき開封用摘み部７の折り畳み状態が容易に解除できるように、開封用摘み部７の内面に形成される第３粘着剤層６ａとこの第３粘着剤層６ａに対して剥離可能に形成された対向面との接着強度よりも、包装シート３と第１粘着剤層６ｃとの接着強度の方が大きくなるように設定することが好ましい。封止テープ４の開口側端縁３ａより基端側の第１粘着剤層６ｃの接着強度（ｅ部分の接着強度）並びに開封用摘み部７の内面側に形成される第３粘着剤層６ａとこの第３粘着剤層６ａに対して剥離可能に形成された対向面との接着強度（ｃ部分の接着強度）はそれぞれ、開口側端縁３ａから開封用摘み部７の基端までの部分の第２粘着剤層６ｂの接着強度（ｄ部分の接着強度）よりも大きいことが好ましい。このような接着強度を調整するには、各部に設けられる粘着剤層６の種類を変えたり、接着面の剥離処理を変えたりすることができる。
【００３２】
また、前述の通り、封止テープ４は、廃棄用摘み部８の先端で内側に折り返して廃棄用摘み部８から開封用摘み部７に亘って二重シートに形成されることによって、開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８が他の部分（二重シート以外の部分）より相対的に高剛性とされることにより、開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８の成す角度α（図４参照）が９０度以上に設定されている。なお、開封用摘み部７は前述の通り包装シート３の外面から外方側に起立して形成されるので、上述の角度αは１８０度未満に設定されている。
【００３３】
ところで、開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８を、他の部分より相対的に高剛性とするには、前述の通り二重シートを形成する他、図５に示されるように、基材５及び粘着剤層６からなる部分を開封用摘み部７の折り返し頂部から先端側に少し越えた位置までの基端側とし、この先端部に連続的に、開封用摘み部７の途中（折り返し頂部近傍）から廃棄用摘み部８に亘って、他の部分（基材５及び粘着剤層６からなる部分）より相対的に高剛性の高剛性部材９を別途設けるようにすることもできる。かかる高剛性部材９としては、前記封止テープ４の基材５より肉厚の同一素材からなる部材を用いたり、剛性の大きい他の素材を用いることができる。高剛性部材９は、必要に応じて前記第３粘着剤層６ａと対向する面に対して部分的に又は前記第３粘着剤層６ａと対向する面側の全面に、シリコン加工などの剥離処理を施すようにする。
【００３４】
図６に示されるように、封止テープ４の平面形状は、(A)、(B)の長方形のみでなく、(C)、(D)のリボン型や、(E)ジグザグ形、(F)波形などのようにテープ幅方向及び／又は長手方向に非対称な非対称型とすることもできる。ここで、(B)の幅広い長方形とした場合は(A)の幅狭の長方形とした場合に比べ固定性が向上する。また、前記リボン型や非対称型とした場合は、封止テープ４にデザイン性を付与することができる。更に、リボン型とした場合は、開封用摘み部７を長くして下側の包装シート３と止着された封止テープ４の部分と同一形状とすることが好ましく、これによって、この包装シート３との止着部分を開封用摘み部７で覆い隠すことができるようになる。
【００３５】
前記封止テープ４の製造方法は、封止テープ４を幅方向（短手方向）に連続させたような封止テープ４の長さ方向の幅を有する基材の連続状シートの一方側面に粘着剤層６を形成し、所定位置で連続状シートを幅方向に折り畳んで開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８を形成した後、所定の封止テープ４の幅（短手方向長さ）で切断する。
【符号の説明】
【００３６】
１…個装吸収性物品、２…吸収性物品、３…包装シート、４…封止テープ、５…基材、６…粘着剤層、６ａ…第３粘着剤層、６ｂ…第２粘着剤層、６ｃ…第１粘着剤層、７…開封用摘み部、８…廃棄用摘み部、９…高剛性部材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主には生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、医療用パッド、トイレタリー等に使用される吸収性物品を包装シートで包装し、開口側端縁を封止テープによって止着した個装吸収性物品に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、吸収性物品を個装するに際しては、吸収性物品の外面側に包装シートを配置し、吸収性物品及び包装シートを共に長手方向に三つ折り又は四つ折りとし、側縁部分をヒートシールするとともに、開口側端縁を封止テープにより止着するようにしている。
【０００３】
この封止テープは、個装の際に開口側端縁を止着するときだけでなく、使用済みの吸収性物品を、新しい吸収性物品を取り出した包装シートで包み込んで丸めた後、封止テープの粘着部を包装シートの外面に止着し丸めた状態を固定するときにも利用されている。
【０００４】
例えば、下記特許文献１では、止着テープは、その長さが延長可能に成され、吸収性物品の廃棄時において止着テープをその長さを延長させて用いることによって、吸収性物品を良好な止着性をもって包装材にくるんで封止することができるようにした吸収性物品の包装構造が開示されている。
【０００５】
また、下記特許文献２では、吸収性物品を個別に収納包装した包装シートの開封部に固着されるベース部と、粘着層を有する止着部からなる止着テープを配置し、該止着テープのベース部を包装シートの開封部近傍に固着し、該固着されたベース部の上面に止着部の粘着層を剥離自在に接着して取り付け、使用後の製品を包んだ包装シートを止着部により封止可能とした吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開平９−１０２５９号公報
【特許文献２】特開２００４−４９２６２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記特許文献１、２記載の個装吸収性物品では、開封時に手で摘む封止テープの摘み部分が封止テープの粘着面の先端側に延在して粘着面と平行になるように設けられているため、摘み部分が包装シートの上面に重なるように配置され、開封時に摘み部分が指で摘みにくく、開封しにくいという問題があった。この問題は封止テープ自体が小さいものであるため尚更であった。
【０００８】
また、包装シートが不織布の場合には剥離する際テープ粘着面に不織布の繊維が付着するため、廃棄時にこの剥離した封止テープの粘着面を包装シートの外面に再止着させようとしても、テープ粘着面の粘着性が低下しているため丸めた状態を固定できないという問題が発生していた。
【０００９】
そこで本発明の主たる課題は、開封時に開封しやすく、且つ使用済み吸収性物品の廃棄時に粘着剤層による止着が良好な封止テープを備えた個装吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するために請求項１に係る本発明として、吸収性物品を包装シートで包装し、開口側端縁を封止テープによって止着した個装吸収性物品において、
前記封止テープは、前記開口側端縁を跨いで一方側シートに接着する第１粘着剤層と、前記開口側端縁を跨いで他方側シートに接着する第２粘着剤層と、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、前記包装シートで包んで固定するための第３粘着剤層とを有し、
前記封止テープの中間を折り畳むことにより前記包装シートの外面から外方側に起立する開封用摘み部を形成するとともに、前記開封用摘み部より封止テープの先端側に連続して廃棄用摘み部を形成し、前記開封用摘み部の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層とされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層に対し剥離可能に接着され、
前記個装吸収性物品の開封時には、前記開封用摘み部を摘んで該封止テープを引き上げることにより開封可能とされるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部を摘んで先端側に引っ張ることにより前記第３粘着剤層が露出可能とされていることを特徴とする個装吸収性物品が提供される。
【００１１】
上記請求項１記載の発明では、個装吸収性物品の開口側端縁を止着する封止テープとして、開口側端縁を跨いで一方側シートに接着する第１粘着剤層と、開口側端縁を跨いで他方側シートに接着する第２粘着剤層と、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、包装シートで包んで固定するための第３粘着剤層とを有し、前記封止テープの中間を折り畳むことにより前記包装シートの外面から外方側に起立する開封用摘み部を形成するとともに、前記開封用摘み部より封止テープの先端側に連続して廃棄用摘み部を形成し、前記開封用摘み部の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層とされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層に対し剥離可能に接着された構造としている。このため、個装吸収性物品の開封時には、前記開封用摘み部を摘んで封止テープを引き上げることにより、前記他方側シートに接着した第２粘着剤層が剥離され開封可能となり、開封がしやすくなるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部を摘んで先端側に引っ張ることにより前記開封用摘み部の折り畳み状態が解除されて内面側の粘着剤層が露出するため、この新たに露出した第３粘着剤層による止着が良好となる。
【００１２】
請求項２に係る本発明として、前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部は、他の部分より相対的に高剛性とされることにより、前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部の成す角度が９０度以上に設定されている請求項１記載の個装吸収性物品が提供される。
【００１３】
上記請求項２記載の発明では、開封用摘み部及び廃棄用摘み部を他の部分より相対的に高剛性とすることによって、開封用摘み部が廃棄用摘み部側に折れにくくなり、開封用摘み部及び廃棄用摘み部の成す角度が９０度以上となるため、両摘み部が混同しにくくなるとともに、開封時及び廃棄時に各摘み部をそれぞれ引っ張りやすくなる。
【００１４】
請求項３に係る本発明として、前記封止テープは、廃棄用摘み部の先端で内側に折り返して前記廃棄用摘み部から開封用摘み部に亘って二重シートとされている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【００１５】
上記請求項３記載の発明では、封止テープを廃棄用摘み部の先端で内側に折り返して廃棄用摘み部から開封用摘み部に亘って二重シートとすることによって、開封用摘み部及び廃棄用摘み部が他の部分より相対的に高剛性とされるとともに、開封用摘み部の内面側に備えられた粘着剤層の対向面側が封止テープの表面側となるため、封止テープの基材としてプラスチックを用いた場合には特別な剥離処理を施さなくても前記粘着剤層に対して剥離可能となる。
【００１６】
請求項４に係る本発明として、前記封止テープは、開封用摘み部から廃棄用摘み部に亘って相対的に高剛性の別部材が用いられている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【００１７】
上記請求項４記載の発明では、封止テープとして開封用摘み部から廃棄用摘み部に亘って相対的に高剛性の別部材を用いることによって、開封用摘み部及び廃棄用摘み部が他の部分より相対的に高剛性に形成されるようになる。
【発明の効果】
【００１８】
以上詳説のとおり本発明によれば、開封時に開封しやすく、且つ使用済み吸収性物品の廃棄時に粘着剤層による止着が良好な封止テープを備えた個装吸収性物品が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明に係る個装吸収性物品１を示す個装状態の斜視図である。
【図２】封止テープ４の断面図である。
【図３】廃棄時の折り畳み状態の解除要領を示す封止テープ４の断面図である。
【図４】封止テープ４の斜視図である。
【図５】他の形態に係る封止テープ４の断面図である。
【図６】封止テープ４の平面形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【００２１】
本発明に係る個装吸収性物品１は、図１に示されるように、吸収性物品２と、この吸収性物品２を個装する包装シート３と、前記包装シート３の開口側端縁３ａを止着する封止テープ４とから構成されている。なお、前記吸収性物品２の外面側に下着などに装着する際のズレ止め粘着剤層が形成される場合には、必要に応じて前記ズレ止め粘着剤層に対応する領域の前記包装シート３の内面側に剥離紙が固設されている（図示せず）。
【００２２】
前記吸収性物品２としては、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッド、医療用パッド、トイレタリーなどが挙げられる。例えば生理用ナプキンの代表的な構造は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シートと、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シートと、これら両シート間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体と、この吸収体の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体を囲繞する被包シートと、表面側の両側部に配設された左右一対のサイド不織布とから主に構成されている。
【００２３】
この吸収性物品２を個装する包装シート３としては、素材的には、不織布、紙又はプラスチックフィルムなどを使用することができるが、好ましくは柔軟性の高い不織布とするのがよい。かかる包装シート３の形状は、前記吸収性物品２の両側部にウイング状フラップやヒップホールド用フラップが形成される場合には、これらを折り返した状態の幅寸法よりも大きく、かつ吸収性物品２の長手方向の少なくとも一方側端部よりも若干外方に延在させた長さとした矩形状のシートとされる。
【００２４】
包装シート３による吸収性物品２の個装方法は、必要に応じてズレ止め粘着剤層を剥離紙で覆った吸収性物品２を包装シート３上に配置するとともに、前記剥離紙と包装シート３とをホットメルト接着剤等により堅固に固着する。その後、吸収性物品２の幅方向に沿う折り線位置にて吸収性物品２の後端側及び前端側を三つ折り、四つ折り等の複数折りで折り畳み、図１に示されるように、包装シート３の開口した側縁部分３ｂ、３ｂをエンボス圧着、加熱融着、接着剤等、適宜の封鎖手段の単独または組み合わせによって封鎖するようにする。また、包装シート３の開口側端縁３ａは、必要に応じて接着剤により接合した後、封止テープ４により封止する。
【００２５】
前記封止テープ４は、図２に示されるように、プラスチック、ポリラミ不織布、不織布、紙等、好ましくはプラスチックからなる基材５の一方側面に粘着剤層６が形成されたものである。具体的には、開口側端縁３ａを跨いで一方側の包装シート３に接着する第１粘着剤層６ｃと、開口側端縁３ａを跨いで他方側の包装シート３に接着する第２粘着剤層６ｂと、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、包装シート３で包んで固定するための第３粘着剤層６ａとを有している。かかる封止テープ４は、好ましくは包装シート３の幅方向中央部に開口側端縁３ａから外側に延在して設けられている。
【００２６】
前記封止テープ４は、包装シート３の外面側に接着される部分より先端側で所定の形状に折り畳まれた摘み部を有している。即ち、図２に示されるように、連続的に形成された封止テープ４の中間を折り畳むことにより包装シート３の外面から外方側に起立する開封用摘み部７を形成するとともに、この開封用摘み部７より封止テープ４の先端側に連続して廃棄用摘み部８を形成してある。ここで、開封用摘み部７の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層６ａとされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層６ａに対し剥離可能に接着されている。なお、「連続的に形成された」とは、図２に示されるように、封止テープ４が１枚の連続したシートによって形成される場合の他、図５に示されるように、異なるシートを先端部で連結して連続状に形成した場合も含むものである。
【００２７】
図２に示される例では、プラスチックからなる基材５の一方側の全面に粘着剤層６が形成された封止テープ４を用い、廃棄用摘み部８の先端で内側に折り返して粘着剤層６同士を接合することによって、廃棄用摘み部８から開封用摘み部７の頂部に亘って二重シートとされている。その後、二重シートの折り返し端部４ａを頂点の内側にして折り畳むことにより、この折り畳み部分の一方側の内面に位置する粘着剤層６が、前述の第３粘着剤層６ａとなり、その対向面側がテープ表面であるプラスチック製の基材５となるから特別な剥離処理を施さなくても前記第３粘着剤層６ａに対して剥離可能となる。なお、プラスチック製の基材５でも剥離性を調整したい場合又は基材５を第３粘着剤層６ａに対して剥離性を示さない素材で構成した場合などには、第３粘着剤層６ａに接着する部分又は基材５の表面側全面にシリコン加工などの剥離処理を施しても良い。
【００２８】
この封止テープ４を備えた個装吸収性物品１の開封に当たっては、図２に示されるように、封止テープ４の開封用摘み部７を摘んで該封止テープ４を引き上げることにより前記第２粘着剤層６ｂが包装シート３から剥離して開封可能となっている。従来の封止テープのように摘み部分が封止テープの粘着面の先端側に延在して粘着面と平行に設けられているものに比べ、開封用摘み部７が外面側に突出して設けられているので、開封時に開封用摘み部７が摘みやすく、開封しやすくなっている。
【００２９】
一方、使用済み吸収性物品の廃棄に当たっては、新しい吸収性物品１を取り出した後の包装シート３によって使用済み吸収性物品を包み込んで丸めた後、図３(A)に示されるように、廃棄用摘み部８を摘んで先端側に引っ張ることにより、同図３(B)に示されるように、開封用摘み部７の折り畳み状態を解除して内面の第３粘着剤層６ａを露出させ、この第３粘着剤層６ａ及び開封時に包装シート３から剥離した第２粘着剤層６ｂを包装シート３の外面側に止着し、丸めた状態を固定する。このように、個装時に包装シート３の外面側に止着してある第２粘着剤層６ｂは、開封時に包装シート３から剥離することによって包装シート３（不織布）の繊維が付着して、再接着時の粘着性が低下するが、廃棄時に新たな第３粘着剤層６ａを露出させることにより、廃棄時にも粘着剤層による止着が良好にできるようになる。
【００３０】
前記封止テープ４の寸法について、図４に基づいて説明すると、テープ幅ａは、５mm以上とし、７〜２０mmが好ましい。廃棄用摘み部８及び開封用摘み部７のテープ長手方向長さｂ、ｃは、それぞれ２mm以上とし、３〜２０mmが好ましい。第２粘着剤層６ｂの形成領域である開口側端縁３ａから開封用摘み部７の基端までのテープ長手方向長さｄは、５mm以上とし、７〜１５mmが好ましい。第１粘着剤層６ａの形成領域である開口側端縁３ａより基端側の包装シート３との固定部分のテープ長手方向長さｅは、５mm以上とし、ｄよりも長く設定してｄ部分より粘着力を高めることが好ましい。
【００３１】
封止テープ４の包装シート３に対する位置は、包装シート３の開口側端縁３ａを封止できる位置であれば任意であるが、好ましくは包装シート３の幅方向中央部に設けるようにする。また、廃棄時に廃棄用摘み部８を摘んで引っ張ったとき開封用摘み部７の折り畳み状態が容易に解除できるように、開封用摘み部７の内面に形成される第３粘着剤層６ａとこの第３粘着剤層６ａに対して剥離可能に形成された対向面との接着強度よりも、包装シート３と第１粘着剤層６ｃとの接着強度の方が大きくなるように設定することが好ましい。封止テープ４の開口側端縁３ａより基端側の第１粘着剤層６ｃの接着強度（ｅ部分の接着強度）並びに開封用摘み部７の内面側に形成される第３粘着剤層６ａとこの第３粘着剤層６ａに対して剥離可能に形成された対向面との接着強度（ｃ部分の接着強度）はそれぞれ、開口側端縁３ａから開封用摘み部７の基端までの部分の第２粘着剤層６ｂの接着強度（ｄ部分の接着強度）よりも大きいことが好ましい。このような接着強度を調整するには、各部に設けられる粘着剤層６の種類を変えたり、接着面の剥離処理を変えたりすることができる。
【００３２】
また、前述の通り、封止テープ４は、廃棄用摘み部８の先端で内側に折り返して廃棄用摘み部８から開封用摘み部７に亘って二重シートに形成されることによって、開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８が他の部分（二重シート以外の部分）より相対的に高剛性とされることにより、開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８の成す角度α（図４参照）が９０度以上に設定されている。なお、開封用摘み部７は前述の通り包装シート３の外面から外方側に起立して形成されるので、上述の角度αは１８０度未満に設定されている。
【００３３】
ところで、開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８を、他の部分より相対的に高剛性とするには、前述の通り二重シートを形成する他、図５に示されるように、基材５及び粘着剤層６からなる部分を開封用摘み部７の折り返し頂部から先端側に少し越えた位置までの基端側とし、この先端部に連続的に、開封用摘み部７の途中（折り返し頂部近傍）から廃棄用摘み部８に亘って、他の部分（基材５及び粘着剤層６からなる部分）より相対的に高剛性の高剛性部材９を別途設けるようにすることもできる。かかる高剛性部材９としては、前記封止テープ４の基材５より肉厚の同一素材からなる部材を用いたり、剛性の大きい他の素材を用いることができる。高剛性部材９は、必要に応じて前記第３粘着剤層６ａと対向する面に対して部分的に又は前記第３粘着剤層６ａと対向する面側の全面に、シリコン加工などの剥離処理を施すようにする。
【００３４】
図６に示されるように、封止テープ４の平面形状は、(A)、(B)の長方形のみでなく、(C)、(D)のリボン型や、(E)ジグザグ形、(F)波形などのようにテープ幅方向及び／又は長手方向に非対称な非対称型とすることもできる。ここで、(B)の幅広い長方形とした場合は(A)の幅狭の長方形とした場合に比べ固定性が向上する。また、前記リボン型や非対称型とした場合は、封止テープ４にデザイン性を付与することができる。更に、リボン型とした場合は、開封用摘み部７を長くして下側の包装シート３と止着された封止テープ４の部分と同一形状とすることが好ましく、これによって、この包装シート３との止着部分を開封用摘み部７で覆い隠すことができるようになる。
【００３５】
前記封止テープ４の製造方法は、封止テープ４を幅方向（短手方向）に連続させたような封止テープ４の長さ方向の幅を有する基材の連続状シートの一方側面に粘着剤層６を形成し、所定位置で連続状シートを幅方向に折り畳んで開封用摘み部７及び廃棄用摘み部８を形成した後、所定の封止テープ４の幅（短手方向長さ）で切断する。
【符号の説明】
【００３６】
１…個装吸収性物品、２…吸収性物品、３…包装シート、４…封止テープ、５…基材、６…粘着剤層、６ａ…第３粘着剤層、６ｂ…第２粘着剤層、６ｃ…第１粘着剤層、７…開封用摘み部、８…廃棄用摘み部、９…高剛性部材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
吸収性物品を包装シートで包装し、開口側端縁を封止テープによって止着した個装吸収性物品において、
前記封止テープは、前記開口側端縁を跨いで一方側シートに接着する第１粘着剤層と、前記開口側端縁を跨いで他方側シートに接着する第２粘着剤層と、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、前記包装シートで包んで固定するための第３粘着剤層とを有し、
前記封止テープの中間を折り畳むことにより前記包装シートの外面から外方側に起立する開封用摘み部を形成するとともに、前記開封用摘み部より封止テープの先端側に連続して廃棄用摘み部を形成し、前記開封用摘み部の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層とされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層に対し剥離可能に接着され、
前記個装吸収性物品の開封時には、前記開封用摘み部を摘んで該封止テープを引き上げることにより開封可能とされるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部を摘んで先端側に引っ張ることにより前記第３粘着剤層が露出可能とされていることを特徴とする個装吸収性物品。
【請求項２】
前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部は、他の部分より相対的に高剛性とされることにより、前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部の成す角度が９０度以上に設定されている請求項１記載の個装吸収性物品。
【請求項３】
前記封止テープは、廃棄用摘み部の先端で内側に折り返して前記廃棄用摘み部から開封用摘み部に亘って二重シートとされている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項４】
前記封止テープは、開封用摘み部から廃棄用摘み部に亘って相対的に高剛性の別部材が用いられている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項１】
吸収性物品を包装シートで包装し、開口側端縁を封止テープによって止着した個装吸収性物品において、
前記封止テープは、前記開口側端縁を跨いで一方側シートに接着する第１粘着剤層と、前記開口側端縁を跨いで他方側シートに接着する第２粘着剤層と、使用済みの吸収性物品を廃棄する際に、前記包装シートで包んで固定するための第３粘着剤層とを有し、
前記封止テープの中間を折り畳むことにより前記包装シートの外面から外方側に起立する開封用摘み部を形成するとともに、前記開封用摘み部より封止テープの先端側に連続して廃棄用摘み部を形成し、前記開封用摘み部の折り畳み部分のうち一方側の内面が前記第３粘着剤層とされ、他方側の内面が前記第３粘着剤層に対し剥離可能に接着され、
前記個装吸収性物品の開封時には、前記開封用摘み部を摘んで該封止テープを引き上げることにより開封可能とされるとともに、使用済み吸収性物品の廃棄時には、前記廃棄用摘み部を摘んで先端側に引っ張ることにより前記第３粘着剤層が露出可能とされていることを特徴とする個装吸収性物品。
【請求項２】
前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部は、他の部分より相対的に高剛性とされることにより、前記開封用摘み部及び廃棄用摘み部の成す角度が９０度以上に設定されている請求項１記載の個装吸収性物品。
【請求項３】
前記封止テープは、廃棄用摘み部の先端で内側に折り返して前記廃棄用摘み部から開封用摘み部に亘って二重シートとされている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項４】
前記封止テープは、開封用摘み部から廃棄用摘み部に亘って相対的に高剛性の別部材が用いられている請求項１、２いずれかに記載の個装吸収性物品。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１３−７５０１２（Ｐ２０１３−７５０１２Ａ）
【公開日】平成２５年４月２５日（２０１３．４．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２１６５２１（Ｐ２０１１−２１６５２１）
【出願日】平成２３年９月３０日（２０１１．９．３０）
【出願人】（３９００２９１４８）大王製紙株式会社 (2,041)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月２５日（２０１３．４．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月３０日（２０１１．９．３０）
【出願人】（３９００２９１４８）大王製紙株式会社 (2,041)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]