値下げシール
【課題】商品に取り付けられたタグに貼付し、値下げ対象商品であることをあらゆる方向から確認でき、かつ商品に取付けられたタグに印字された商品情報を隠すことのない値下げシールを提供する。
【解決手段】値下げ情報13aが表示された第1の値下げ表示部2と、第1の値下げ表示部2に隣接し、値下げ情報13bが表示された第2の値下げ表示部3と、第1の値下げ表示部2または第2の値下げ表示部3のいずれか一方に設けられ、タグに貼付するための貼付部4と、を有することを特徴とする。
【解決手段】値下げ情報13aが表示された第1の値下げ表示部2と、第1の値下げ表示部2に隣接し、値下げ情報13bが表示された第2の値下げ表示部3と、第1の値下げ表示部2または第2の値下げ表示部3のいずれか一方に設けられ、タグに貼付するための貼付部4と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品価格の値下げに使用するシールに関し、特に商品に取り付けられ、商品化価格が印字されたタグ(下げ札)に貼付する値下げシールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から商品の販売促進を目的として時間帯割引などで「半額」や「30%OFF」等の値下げ情報を印刷した値下げシールを貼付し、商品価格の値下げが行われている。このような値下げによる販売促進において、商品価格が印字されたタグ(下げ札)に割引率などの値下げ情報を印字したシールをタグに貼付することで行われている。
商品の元価格を表示したラベルが貼付された商品に値下げ価格情報を表示した値下げシールを貼付することで販売促進を目的とした値下げ方法が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−43918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、衣料品の価格を表示するものとして一般的にタグが用いられ、厚紙のタグの上方に空いた孔に紐などで輪を形成し、この紐を衣料品のボタンなどに吊り下げる方法がとられている。この場合、タグはシールのように商品にしっかりと固定されていないため、価格を表示した表示面がどの方向を向くか分からず不安定であり、そのタグの表面に値下げシールを貼付しても、消費者が値下げ対象商品であることに気づかずに販売の機会を失ってしまうという問題があった。
また、タグには商品の情報(商品の価格や商品の色やサイズ、商品の管理情報やバーコード)等あらゆる情報が印字されており、このタグの上に値下げシールを貼付すると商品の情報を隠してしまう恐れがあった。
本発明は、値下げ対象製品であることをあらゆる方向から確認でき、かつタグに印字された商品情報を隠すことなく貼付できる値下げシールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る値下げシールは、シール基材と、このシール基材に設けられた粘着剤を有する値下げシールであって、前記シール基材は、第1の値下げ情報が表示された第1の値下げ表示部と、該第1の値下げ表示部に隣接し、第1の値下げ情報と同一内容の第2の値下げ情報が表示された第2の値下げ表示部と、第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部のいずれか一方に設けられた貼付部と、を有することを特徴とする。
また、前記貼付部には、貼替えを防止するための複数のスリットが形成されていることを特徴とする。
また、前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部は、同一形状であり、前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部の粘着剤を内側にし、第1の値下げ情報および第2の値下げ情報を外側にして貼り合わせたことを特徴とする。
また、前記貼付部および第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部の境界にミシン目を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1の値下げ表示部および第2の値下げ表示部を設けたので第1の値下げ情報と第2の値下げ情報によって商品が値下げ対象であることを顧客により一層アピールすることができる。
また、貼付部に複数のスリットを形成することによって値下げシールを値下げ対象外の商品に貼り替えられるのを防止することができる。
また、第1の値下げ情報および第2の値下げ情報を外側にして第1の値下げ表示部と第2の値下げ表示部を貼り合わせたことによって、2方向から値下げ情報を確認する事が可能となり、顧客に値下げ対象商品であることをアピールすることができる。
また、貼付部および第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部の境界にミシン目を設けることで貼付部から第1の値下げ表示部および第2の値下げ表示部を切り離すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。
値下げシール1は、図2に示すように上層からシール基材10と、シール基材10の下層の全面に設けられた粘着剤11からなり、粘着剤11により図示しない剥離紙上に複数の値下げシール1が仮着されている。また、値下げシール1は、図1に示すように 第1の値下げ表示部2と、この第1の値下げ表示部2の値下げシール1の長手方向に隣接する第2の値下げ表示部3と、第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の境界位置にある第1のミシン目5と、第2の値下げ表示部3の値下げシール1の長手方向に隣接し、第1の値下げ表示部2に対象(反対)の位置に設けられた貼付部4と、第2の表示部3と貼付部4の境界位置にある第2のミシン目6を有している。
【0009】
第1の値下げ表示部2には、その表面に例えば「この商品は表示価格よりレジにて半額」という値下げ情報13aが印刷されており、背景を赤色、文字を白抜きとする等の目立つような印刷が施されている。また、値下げ情報13aの文字の方向は、第1のミシン目5を下側としている。
【0010】
第2の値下げ表示部3には、第1の値下げ表示部2に印字された値下げ情報13aと同一の内容を第1のミシン目5を介して値下げ情報13aを180度反転させた値下げ情報13bが印刷されており、背景を赤色、文字を白抜きとする等の目立つような印刷が施されている。尚、第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の長手方向の長さおよび幅方向の長さは略同一の同一形状である。
【0011】
貼付部4には、値下げシール1の貼替え防止のためのスリット12が形成されている。スリット12は、値下げシール1の3辺の端部からそれぞれ内側に向かって設けられた複数の外側スリット14と、貼付部4の外側スリット14の内側に設けられ貼付部4の四隅方向から中心に斜め方向に向かって設けられた複数の内側スリット15を有している。
【0012】
第1のミシン目5は、シール基材10を適正な位置で折り曲げ可能とするために設けられ、第2のミシン目6は、シール基材10を切り取り可能とするために設けられている。
【0013】
このように構成した値下げシールをタグに貼付する方法について図3ないし図5に基づき説明する。図3は、値下げシールを折り曲げようとしている状態を示す図で、図4は値下げシールを貼る対象となるタグの平面図で、図5は図4のタグに値下げシールを貼り付けた状態を示す図である。
【0014】
まず、図3に示すように値下げシール1の第1のミシン目5を中心として、粘着剤11を内側にした状態で第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の裏面の粘着剤11同士を貼り合わせる。第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3は、同一形状であるためこの貼り合わせた状態において、第1の値下げ表示部2の端縁が第2のミシン目6に重なる位置に配置され、貼付部4の粘着剤11のみが露出する。
【0015】
このように第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3を貼りあわせた状態の値下げシール1を図5に示すようにタグ20の下端に貼付する。タグ20は、図4に示すように衣料品等の商品に吊り下げるための紐26を通す孔21と、少なくともいずれか一方の面に印字された商品情報22を有している。
【0016】
孔21は、タグ20の長手方向の一端部かつ幅方向の中央に位置し、紐26で吊り下げられた際にタグ20が幅方向に傾かないようにしている。
【0017】
商品情報22は、商品の内容情報23、正規価格情報24、バーコード25等からなり、この商品情報22は図示しないプリンタにより印字されている。例えば、図4に示す本実施の形態の商品は、服などの衣料品を想定しており、その商品の内容情報23として「No.123456789」として商品管理番号と、「SIZE M COLOR B」として服のサイズがMで色が青であることを示す情報と、「毛50%アクリル50%」としてその服の材質に関する情報が印字されている。また、正規価格情報24として「¥1980」の消費税込みの総額が印字されている。バーコード25は、商品管理番号等が記憶されており、このバーコード25をPOSレジに接続されたスキャナで読取り、商品の価格情報が記憶されたストアコントローラから価格情報を問い合わせるシステム構成となっている。
【0018】
図5(a)は、タグに値下げシールを貼り付けた状態においてタグの表面側から見た平面図で、図5(b)は、図5(a)におけるタグの裏面側から見た平面図である。図5(a)に示すように第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3を貼りあわせた値下げシール1の貼付部4の裏面の粘着剤11によりタグ20の商品情報22が印刷されていない面(裏面)側に貼付する。このとき、図5(b)に示すようにタグ20の孔21から離れた側のタグ20の端縁に値下げシール1の第2のミシン目6の位置を一致させて貼付する。このように商品情報22が印刷されていないタグの裏面側に値下げシールを貼付するので、タグ20の表面側にある商品情報22を値下げシール1(貼付部4)で隠すことがないので、タグ20の表面側に印字する商品情報のレイアウトを自由に設定することができる。
また、第1の表示部2および第2の値下げ表示部3を貼り合わせているので、タグ20が風で靡いて方向が変わったとしても、消費者は両面から値下げシール1の値下げ情報13a、13bを確認することができるので値下げ対象商品であることを十分にアピールすることができる。
【0019】
次に、タグに貼付した値下げシールを取り除く方法について図6および図7に基づき説明する。図6は、値下げシール取り外し過程のタグ裏面から見た説明図、図7は値下げシールをタグから取り除いた状態を示す平面図である。
商品のタイムセールやバーゲンセールが終了したあと等に商品価格を値下げ価格から正規価格に戻す必要があり、図6に示すように値下げシールの第2のミシン目6から引きちぎり、値下げシール1の第1の値下げ表示部2および第2の値下げ表示部3を取り除く。タグ20の孔21から離れた側のタグ20の端縁に値下げシール1の第2のミシン目6の位置を一致させて貼付しているため、容易に第2のミシン目6から切断することができる。
【0020】
図7(a)は値下げシール取り除き後のタグを表面側から見た平面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるタグの裏面側からみた平面図である。図7(a)に示すように第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3を取り除く事で、タグ20の商品情報22のみ目視可能となるので商品の価格を正規価格に戻すことができる。また、図7(b)に示すようにタグ20の裏面には貼付部4が残存する。
【0021】
また、このような値下げシール1は、一部の値下げ対象商品に対して貼付されるものであるため、値下げシール1が剥されて値下げ対象外の商品に貼替えられるのを防止する必要があり、このために貼付部4にはスリット12が形成されている。タグ20から値下げシール1を剥そうとすると貼付部4の外側スリット14をきっかけとして破れ、内側スリット15に繋がって破れるので、綺麗な状態で剥す事ができず、これをもって貼替えを防止している。
【0022】
また、貼付部4に形成されたスリットは任意の数、位置、形状とすることができ、例えば図8(a)に示すように前述したスリット12よりも多くスリットを設けたり、図8(b)に示すように内側スリット15を交差させて設けても良い。
【0023】
また、第1の値下げ表示部2および第2の値下げ表示部3には、それぞれ値下げ情報13a、13bを予め印刷したものとしたが、これに限らず、任意の値下げ情報をプリンタで印字できるようにしても良い。例えば図9は、第2の実施の形態を示す値下げシール30の平面図であり、図9(a)に示すように値下げ情報を予め印刷せず、値下げ情報を印字するための印字領域31a、31bを設けている。印字領域31a、31bはシール基材10上層に感熱発色層を設けたもので、図示しないプリンタのサーマルヘッドの発熱によって、任意に「30%OFF」や「60%OFF」などの値下げ情報13a、13bを印字することができる。図9(b)は印字領域31a、31bに「30%OFF」との値下げ情報を印字した例を示しているが、それ以外にセール期間等も印字することがきる。
【0024】
また、図1に示すように第2の値下げ表示部3の一方端に第1の値下げ表示部2を設け、この第1の値下げ表示部2の対象位置の第2の値下げ表示部3の他方端に貼付部4を隣接させて(第2の表示部3を第1の値下げ表示部2および貼付部4で挟みこむように)設けたが、これに限るものではない。例えば、図10は第3の実施の形態を示す値下げシール40の平面図であり、図10に示すように第1の値下げ表示部2および第2の値下げ表示部3を第1のミシン目5を介して隣接位置に設け、第1の値下げ表示部2の対象でない位置の第2の値下げ表示部3の端部に貼付部4を隣接させて設けても良い。この場合、貼付部4側を上側として第1の表示部2および第2の表示部3に印刷がされている。また、第2の実施の形態および第3の実施の形態にかかる構成について、前述した第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0025】
また、貼替え防止の構成としてスリット12を設けたが、疑似接着によって剥すと粘着性を失わせるようにしても良い。例えば図11は、第4の実施の形態の値下げシール50の断面図で、図12はタグ20に貼付された値下げシール50を剥そうとした状態を示す説明図である。また、上述した構成と同一の構成には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0026】
図11に示すように値下げシール50は、上層からシール基材10と、シール基材10の下層の全面に設けられた疑似接着層51と、疑似接着層51によってシール基材10に接着された中間基材52と、中間基材52の下層の全面に設けられた粘着剤11を有し、図示しない剥離紙上に複数の値下げシール50が仮着されている。中間基材52は、例えば70μm以下の厚みの上質紙やコート紙で、シール基材10は中間基材52よりも厚みのある基材で、粘着剤11は粘着力の強い粘着剤であることが好ましい。
【0027】
このように、構成した値下げシール50において、第1のミシン目5を中心として粘着剤11を内側にした状態で第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の裏面の粘着剤11同士を貼り合わせ、貼付部4のみの粘着剤11を露出させる。この貼付部4の粘着剤11により図12に示すようにタグ20の商品情報22が印字されていない面(裏面)側に貼付する。貼付された値下げシール50を剥そうとすると、貼付部4の粘着剤11によってタグ20に強固に貼付されているので、疑似接着層51から剥がれ、シール基材10と中間基材52が分離する。分離後のシール基材10は疑似接着層51により粘着力が失われているので値下げシール50を他の商品に貼り替えられることを防止することができる。疑似接着構造を用いた値下げシール50においては、貼付部4にスリット12を設けなくても良いが、より一層貼り替え防止効果を高めるためにスリット12を形成しても良い。
【0028】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上述した各種構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】値下げシールを折り曲げようとしている状態を示す図。
【図4】タグの平面図。
【図5】タグに値下げシールを貼り付けた状態を示す図。
【図6】値下げシール取り外し過程のタグ裏面から見た状態を表す説明図。
【図7】値下げシールをタグから取り除いた状態を示す平面図。
【図8】貼付部4のスリットの他の例を示す平面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る値下げシールの裏面側の断面図。
【図12】タグに貼付された値下げシールを剥そうとした状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0030】
1 値下げシール
2 第1の値下げ表示部
3 第2の値下げ表示部
4 貼付部
5 第1のミシン目
6 第2のミシン目
10 シール基材
11 粘着剤
12 スリット
13a、13b 値下げ情報
14 外側スリット
15 内側スリット
20 タグ
21 孔
22 商品情報
23 内容情報
24 正規価格情報
25 バーコード
26 紐
30 値下げシール(第2の実施の形態)
31a、31b 印字領域
40 値下げシール(第3の実施の形態)
50 値下げシール(第4の実施の形態)
51 疑似接着層
52 中間基材
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品価格の値下げに使用するシールに関し、特に商品に取り付けられ、商品化価格が印字されたタグ(下げ札)に貼付する値下げシールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から商品の販売促進を目的として時間帯割引などで「半額」や「30%OFF」等の値下げ情報を印刷した値下げシールを貼付し、商品価格の値下げが行われている。このような値下げによる販売促進において、商品価格が印字されたタグ(下げ札)に割引率などの値下げ情報を印字したシールをタグに貼付することで行われている。
商品の元価格を表示したラベルが貼付された商品に値下げ価格情報を表示した値下げシールを貼付することで販売促進を目的とした値下げ方法が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−43918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、衣料品の価格を表示するものとして一般的にタグが用いられ、厚紙のタグの上方に空いた孔に紐などで輪を形成し、この紐を衣料品のボタンなどに吊り下げる方法がとられている。この場合、タグはシールのように商品にしっかりと固定されていないため、価格を表示した表示面がどの方向を向くか分からず不安定であり、そのタグの表面に値下げシールを貼付しても、消費者が値下げ対象商品であることに気づかずに販売の機会を失ってしまうという問題があった。
また、タグには商品の情報(商品の価格や商品の色やサイズ、商品の管理情報やバーコード)等あらゆる情報が印字されており、このタグの上に値下げシールを貼付すると商品の情報を隠してしまう恐れがあった。
本発明は、値下げ対象製品であることをあらゆる方向から確認でき、かつタグに印字された商品情報を隠すことなく貼付できる値下げシールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る値下げシールは、シール基材と、このシール基材に設けられた粘着剤を有する値下げシールであって、前記シール基材は、第1の値下げ情報が表示された第1の値下げ表示部と、該第1の値下げ表示部に隣接し、第1の値下げ情報と同一内容の第2の値下げ情報が表示された第2の値下げ表示部と、第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部のいずれか一方に設けられた貼付部と、を有することを特徴とする。
また、前記貼付部には、貼替えを防止するための複数のスリットが形成されていることを特徴とする。
また、前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部は、同一形状であり、前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部の粘着剤を内側にし、第1の値下げ情報および第2の値下げ情報を外側にして貼り合わせたことを特徴とする。
また、前記貼付部および第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部の境界にミシン目を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1の値下げ表示部および第2の値下げ表示部を設けたので第1の値下げ情報と第2の値下げ情報によって商品が値下げ対象であることを顧客により一層アピールすることができる。
また、貼付部に複数のスリットを形成することによって値下げシールを値下げ対象外の商品に貼り替えられるのを防止することができる。
また、第1の値下げ情報および第2の値下げ情報を外側にして第1の値下げ表示部と第2の値下げ表示部を貼り合わせたことによって、2方向から値下げ情報を確認する事が可能となり、顧客に値下げ対象商品であることをアピールすることができる。
また、貼付部および第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部の境界にミシン目を設けることで貼付部から第1の値下げ表示部および第2の値下げ表示部を切り離すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。
値下げシール1は、図2に示すように上層からシール基材10と、シール基材10の下層の全面に設けられた粘着剤11からなり、粘着剤11により図示しない剥離紙上に複数の値下げシール1が仮着されている。また、値下げシール1は、図1に示すように 第1の値下げ表示部2と、この第1の値下げ表示部2の値下げシール1の長手方向に隣接する第2の値下げ表示部3と、第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の境界位置にある第1のミシン目5と、第2の値下げ表示部3の値下げシール1の長手方向に隣接し、第1の値下げ表示部2に対象(反対)の位置に設けられた貼付部4と、第2の表示部3と貼付部4の境界位置にある第2のミシン目6を有している。
【0009】
第1の値下げ表示部2には、その表面に例えば「この商品は表示価格よりレジにて半額」という値下げ情報13aが印刷されており、背景を赤色、文字を白抜きとする等の目立つような印刷が施されている。また、値下げ情報13aの文字の方向は、第1のミシン目5を下側としている。
【0010】
第2の値下げ表示部3には、第1の値下げ表示部2に印字された値下げ情報13aと同一の内容を第1のミシン目5を介して値下げ情報13aを180度反転させた値下げ情報13bが印刷されており、背景を赤色、文字を白抜きとする等の目立つような印刷が施されている。尚、第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の長手方向の長さおよび幅方向の長さは略同一の同一形状である。
【0011】
貼付部4には、値下げシール1の貼替え防止のためのスリット12が形成されている。スリット12は、値下げシール1の3辺の端部からそれぞれ内側に向かって設けられた複数の外側スリット14と、貼付部4の外側スリット14の内側に設けられ貼付部4の四隅方向から中心に斜め方向に向かって設けられた複数の内側スリット15を有している。
【0012】
第1のミシン目5は、シール基材10を適正な位置で折り曲げ可能とするために設けられ、第2のミシン目6は、シール基材10を切り取り可能とするために設けられている。
【0013】
このように構成した値下げシールをタグに貼付する方法について図3ないし図5に基づき説明する。図3は、値下げシールを折り曲げようとしている状態を示す図で、図4は値下げシールを貼る対象となるタグの平面図で、図5は図4のタグに値下げシールを貼り付けた状態を示す図である。
【0014】
まず、図3に示すように値下げシール1の第1のミシン目5を中心として、粘着剤11を内側にした状態で第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の裏面の粘着剤11同士を貼り合わせる。第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3は、同一形状であるためこの貼り合わせた状態において、第1の値下げ表示部2の端縁が第2のミシン目6に重なる位置に配置され、貼付部4の粘着剤11のみが露出する。
【0015】
このように第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3を貼りあわせた状態の値下げシール1を図5に示すようにタグ20の下端に貼付する。タグ20は、図4に示すように衣料品等の商品に吊り下げるための紐26を通す孔21と、少なくともいずれか一方の面に印字された商品情報22を有している。
【0016】
孔21は、タグ20の長手方向の一端部かつ幅方向の中央に位置し、紐26で吊り下げられた際にタグ20が幅方向に傾かないようにしている。
【0017】
商品情報22は、商品の内容情報23、正規価格情報24、バーコード25等からなり、この商品情報22は図示しないプリンタにより印字されている。例えば、図4に示す本実施の形態の商品は、服などの衣料品を想定しており、その商品の内容情報23として「No.123456789」として商品管理番号と、「SIZE M COLOR B」として服のサイズがMで色が青であることを示す情報と、「毛50%アクリル50%」としてその服の材質に関する情報が印字されている。また、正規価格情報24として「¥1980」の消費税込みの総額が印字されている。バーコード25は、商品管理番号等が記憶されており、このバーコード25をPOSレジに接続されたスキャナで読取り、商品の価格情報が記憶されたストアコントローラから価格情報を問い合わせるシステム構成となっている。
【0018】
図5(a)は、タグに値下げシールを貼り付けた状態においてタグの表面側から見た平面図で、図5(b)は、図5(a)におけるタグの裏面側から見た平面図である。図5(a)に示すように第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3を貼りあわせた値下げシール1の貼付部4の裏面の粘着剤11によりタグ20の商品情報22が印刷されていない面(裏面)側に貼付する。このとき、図5(b)に示すようにタグ20の孔21から離れた側のタグ20の端縁に値下げシール1の第2のミシン目6の位置を一致させて貼付する。このように商品情報22が印刷されていないタグの裏面側に値下げシールを貼付するので、タグ20の表面側にある商品情報22を値下げシール1(貼付部4)で隠すことがないので、タグ20の表面側に印字する商品情報のレイアウトを自由に設定することができる。
また、第1の表示部2および第2の値下げ表示部3を貼り合わせているので、タグ20が風で靡いて方向が変わったとしても、消費者は両面から値下げシール1の値下げ情報13a、13bを確認することができるので値下げ対象商品であることを十分にアピールすることができる。
【0019】
次に、タグに貼付した値下げシールを取り除く方法について図6および図7に基づき説明する。図6は、値下げシール取り外し過程のタグ裏面から見た説明図、図7は値下げシールをタグから取り除いた状態を示す平面図である。
商品のタイムセールやバーゲンセールが終了したあと等に商品価格を値下げ価格から正規価格に戻す必要があり、図6に示すように値下げシールの第2のミシン目6から引きちぎり、値下げシール1の第1の値下げ表示部2および第2の値下げ表示部3を取り除く。タグ20の孔21から離れた側のタグ20の端縁に値下げシール1の第2のミシン目6の位置を一致させて貼付しているため、容易に第2のミシン目6から切断することができる。
【0020】
図7(a)は値下げシール取り除き後のタグを表面側から見た平面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるタグの裏面側からみた平面図である。図7(a)に示すように第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3を取り除く事で、タグ20の商品情報22のみ目視可能となるので商品の価格を正規価格に戻すことができる。また、図7(b)に示すようにタグ20の裏面には貼付部4が残存する。
【0021】
また、このような値下げシール1は、一部の値下げ対象商品に対して貼付されるものであるため、値下げシール1が剥されて値下げ対象外の商品に貼替えられるのを防止する必要があり、このために貼付部4にはスリット12が形成されている。タグ20から値下げシール1を剥そうとすると貼付部4の外側スリット14をきっかけとして破れ、内側スリット15に繋がって破れるので、綺麗な状態で剥す事ができず、これをもって貼替えを防止している。
【0022】
また、貼付部4に形成されたスリットは任意の数、位置、形状とすることができ、例えば図8(a)に示すように前述したスリット12よりも多くスリットを設けたり、図8(b)に示すように内側スリット15を交差させて設けても良い。
【0023】
また、第1の値下げ表示部2および第2の値下げ表示部3には、それぞれ値下げ情報13a、13bを予め印刷したものとしたが、これに限らず、任意の値下げ情報をプリンタで印字できるようにしても良い。例えば図9は、第2の実施の形態を示す値下げシール30の平面図であり、図9(a)に示すように値下げ情報を予め印刷せず、値下げ情報を印字するための印字領域31a、31bを設けている。印字領域31a、31bはシール基材10上層に感熱発色層を設けたもので、図示しないプリンタのサーマルヘッドの発熱によって、任意に「30%OFF」や「60%OFF」などの値下げ情報13a、13bを印字することができる。図9(b)は印字領域31a、31bに「30%OFF」との値下げ情報を印字した例を示しているが、それ以外にセール期間等も印字することがきる。
【0024】
また、図1に示すように第2の値下げ表示部3の一方端に第1の値下げ表示部2を設け、この第1の値下げ表示部2の対象位置の第2の値下げ表示部3の他方端に貼付部4を隣接させて(第2の表示部3を第1の値下げ表示部2および貼付部4で挟みこむように)設けたが、これに限るものではない。例えば、図10は第3の実施の形態を示す値下げシール40の平面図であり、図10に示すように第1の値下げ表示部2および第2の値下げ表示部3を第1のミシン目5を介して隣接位置に設け、第1の値下げ表示部2の対象でない位置の第2の値下げ表示部3の端部に貼付部4を隣接させて設けても良い。この場合、貼付部4側を上側として第1の表示部2および第2の表示部3に印刷がされている。また、第2の実施の形態および第3の実施の形態にかかる構成について、前述した第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0025】
また、貼替え防止の構成としてスリット12を設けたが、疑似接着によって剥すと粘着性を失わせるようにしても良い。例えば図11は、第4の実施の形態の値下げシール50の断面図で、図12はタグ20に貼付された値下げシール50を剥そうとした状態を示す説明図である。また、上述した構成と同一の構成には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0026】
図11に示すように値下げシール50は、上層からシール基材10と、シール基材10の下層の全面に設けられた疑似接着層51と、疑似接着層51によってシール基材10に接着された中間基材52と、中間基材52の下層の全面に設けられた粘着剤11を有し、図示しない剥離紙上に複数の値下げシール50が仮着されている。中間基材52は、例えば70μm以下の厚みの上質紙やコート紙で、シール基材10は中間基材52よりも厚みのある基材で、粘着剤11は粘着力の強い粘着剤であることが好ましい。
【0027】
このように、構成した値下げシール50において、第1のミシン目5を中心として粘着剤11を内側にした状態で第1の値下げ表示部2と第2の値下げ表示部3の裏面の粘着剤11同士を貼り合わせ、貼付部4のみの粘着剤11を露出させる。この貼付部4の粘着剤11により図12に示すようにタグ20の商品情報22が印字されていない面(裏面)側に貼付する。貼付された値下げシール50を剥そうとすると、貼付部4の粘着剤11によってタグ20に強固に貼付されているので、疑似接着層51から剥がれ、シール基材10と中間基材52が分離する。分離後のシール基材10は疑似接着層51により粘着力が失われているので値下げシール50を他の商品に貼り替えられることを防止することができる。疑似接着構造を用いた値下げシール50においては、貼付部4にスリット12を設けなくても良いが、より一層貼り替え防止効果を高めるためにスリット12を形成しても良い。
【0028】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上述した各種構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】値下げシールを折り曲げようとしている状態を示す図。
【図4】タグの平面図。
【図5】タグに値下げシールを貼り付けた状態を示す図。
【図6】値下げシール取り外し過程のタグ裏面から見た状態を表す説明図。
【図7】値下げシールをタグから取り除いた状態を示す平面図。
【図8】貼付部4のスリットの他の例を示す平面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る値下げシール表面側の平面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る値下げシールの裏面側の断面図。
【図12】タグに貼付された値下げシールを剥そうとした状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0030】
1 値下げシール
2 第1の値下げ表示部
3 第2の値下げ表示部
4 貼付部
5 第1のミシン目
6 第2のミシン目
10 シール基材
11 粘着剤
12 スリット
13a、13b 値下げ情報
14 外側スリット
15 内側スリット
20 タグ
21 孔
22 商品情報
23 内容情報
24 正規価格情報
25 バーコード
26 紐
30 値下げシール(第2の実施の形態)
31a、31b 印字領域
40 値下げシール(第3の実施の形態)
50 値下げシール(第4の実施の形態)
51 疑似接着層
52 中間基材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール基材と、このシール基材に設けられた粘着剤を有する値下げシールであって、
前記シール基材は、第1の値下げ情報が表示された第1の値下げ表示部と、
該第1の値下げ表示部に隣接し、第1の値下げ情報と同一内容の第2の値下げ情報が表示された第2の値下げ表示部と、
第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部のいずれか一方に設けられた貼付部と、を有することを特徴とする値下げシール。
【請求項2】
前記貼付部には、貼替えを防止するための複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の値下げシール。
【請求項3】
前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部は、同一形状であり、前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部の粘着剤を内側にし、第1の値下げ情報および第2の値下げ情報を外側にして貼り合わせたことを特徴とする請求項1または2に記載の値下げシール。
【請求項4】
前記貼付部および第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部の境界にミシン目を設けたことを特徴とする請求項3に記載の値下げシール。
【請求項1】
シール基材と、このシール基材に設けられた粘着剤を有する値下げシールであって、
前記シール基材は、第1の値下げ情報が表示された第1の値下げ表示部と、
該第1の値下げ表示部に隣接し、第1の値下げ情報と同一内容の第2の値下げ情報が表示された第2の値下げ表示部と、
第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部のいずれか一方に設けられた貼付部と、を有することを特徴とする値下げシール。
【請求項2】
前記貼付部には、貼替えを防止するための複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の値下げシール。
【請求項3】
前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部は、同一形状であり、前記第1の値下げ表示部と前記第2の値下げ表示部の粘着剤を内側にし、第1の値下げ情報および第2の値下げ情報を外側にして貼り合わせたことを特徴とする請求項1または2に記載の値下げシール。
【請求項4】
前記貼付部および第1の値下げ表示部または第2の値下げ表示部の境界にミシン目を設けたことを特徴とする請求項3に記載の値下げシール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−83633(P2008−83633A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266519(P2006−266519)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
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