説明

偏光板及びその製造方法

【課題】ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを構成層とし、耐久性に優れる偏光板小片を形成し得る偏光板であって、打ち抜き加工適性に優れる偏光板を提供する。
【解決手段】第1の保護フィルム(1)、第1の接着剤層(2)、ポリビニルアルコール系偏光子(3)、第2の接着剤層(4)及び第2の保護フィルム(5)がこの順序で積層されてなる偏光板であって、第1の接着剤層(2)が、ラジカル重合性組成物(A)を硬化してなる、ガラス転移温度が−80〜−20℃の接着剤層であり、第2の接着剤層(4)が、ラジカル重合性組成物(B)を硬化してなる、ガラス転移温度が−20〜180℃の接着剤層である偏光板(但し、第1の接着剤層(2)及び第2の接着剤層(4)のガラス転移温度が共に−20℃である場合を除く)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等に用いられる偏光板に関するものである
【背景技術】
【0002】
時計、携帯電話、個人用の携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TV等の用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光板においてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
【0003】
液晶表示関連分野などに用いられる偏光フィルムは、通常ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素や染料を吸着させたものを一軸延伸して製造される。このポリビニルアルコール系偏光フィルムは熱や水分により収縮し、偏光性能の低下をきたすため、その表面に保護フィルムが貼合されたものが偏光板である。
【0004】
偏光フィルムに保護フィルムを貼着するための接着剤としては、従来からポリビニルアルコール系樹脂の水溶液(PVA系接着剤)が広く使用されている(特許文献1、2参照)。
ところが、ポリビニルアルコール系接着剤のような水系接着剤は、乾燥に長時間を要するので、偏光板の生産性の点で好ましくない。
特に、偏光フィルムに水系接着剤を塗工し、乾燥せずに保護フィルムを重ね合わせ、その状態で乾燥させる、いわゆるウェットラミネーション法の場合には、接着剤層と偏光フィルムとの接着性を高めるために、偏光フィルムの水分率も相対的に高くしておかないと、接着性が良好な偏光板を得ることができない。
【0005】
特許文献3には、水性ウレタン系接着剤を用いてなる偏光板が開示されている。
しかし、特許文献3に記載される偏光板の場合、透湿性の低い保護フィルムを用いているため、水分の蒸散及び硬化に長時間を要する。しかも、透湿性の低い保護フィルムは疎水性なので、水性接着剤から形成される接着剤層との接着性が不十分であるという問題もある。
【0006】
ところで、水系接着剤を用いてなる偏光板は、高温や高温高湿度の環境下に置かれると、寸法が大きく変化してしまうという問題がある。寸法変化を抑えるには、偏光子の水分率を下げたり、透湿度の低い透明保護フィルムを用いたりするという対策が考えられる。
しかし、こうした対策では、乾燥工程における能率が下がったり、偏光特性が下がったり、または外観の不具合が発生し実質上有用な偏光板を得ることができない。
【0007】
また、特にTVで代表されるように、近年、画像表示装置の大画面化が進むにつれ、偏光板に対しても大型化の要求が高まり、生産性向上が非常に重要な課題になっている。
しかし、前述の水系接着剤を用いた偏光板では、バックライトの熱により偏光板の寸法が変化し、その寸法変化に起因するひずみが画面の一部に局在化し、その結果本来画面全体が黒く表示されるべき場合に、部分的に光がもれてしまう、いわゆる光抜け(ムラ)が顕著になってくるという問題がある。
【0008】
上記のような理由から、水系接着剤の代わりに、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤を使用することが提案されている(特許文献4参照)。しかしカチオン重合性紫外線硬化型接着剤は、紫外線照射後に暗反応があるので、長尺の硬化物を巻取りロール状にした場合、保管時に巻き癖がつきやすいという問題がある。しかも、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤は、硬化時の湿度の影響を受けやすく、硬化状態がバラつきやすいという問題がある。そこで、均一な硬化状態を発現するためには、環境湿度は言うに及ばず、PVA系偏光子の含水率を厳しく管理する必要がある。
ラジカル重合性紫外線硬化型接着剤にはこのような問題がないという点で優れる。
【0009】
ところで、偏光板は、大画面用TVに利用されるばかりではなく、携帯電話やパソコン等の比較的小さい画面にも利用される。裁断しても偏光板の積層状態が強固に保持されること(打ち抜き加工性)が要求される。以下、裁断後の偏光板を裁断前と区別して「偏光板小片」ということとする。
工業的には、先端に刃を具備する所定の大きさの四辺形の金型枠で偏光板を打ち抜き、「偏光板小片」を得る。そこで、このような裁断加工を「打ち抜き加工」という。極めて薄く、鋭い刃によって、対向する2辺を順次裁断する場合に比して、「打ち抜き加工」の場合、遥かに大きな負荷が接着剤層にかかる。従って、接着剤層には「打ち抜き加工」に耐える強靭さが求められる。
【0010】
そして、裁断前の偏光板と同様に「打ち抜き加工」後の偏光板小片にも、高温下や高温高湿下に置かれても、形状、接着状態、光学特性等を維持することが求められる。
接着剤層が固すぎたり、偏光子や保護フィルムと接着剤層との密着性が良くなかったりすると、裁断によって偏光板小片の端部が剥離することがある。この端部の剥離は、剥離部分の偏光性能を低下させるだけでなく、高温下や高温高湿下に置かれると偏光板小片の変形(主に収縮)のきっかけとなってしまう恐れがある。
つまり、裁断前の偏光板には打ち抜き加工性に優れることが要求され、裁断後の偏光板小片にも耐久性が要求される。
【0011】
上記したように、ラジカル重合性紫外線硬化型接着剤は、カチオン重合性硬化型接着剤に比して、種々の点で優れる。
しかし、ラジカル重合性紫外線硬化型接着剤を用いた場合、接着剤層が相対的に硬いことが多く、打ち抜き加工適性や耐久性の点で劣っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平09−258023号公報
【特許文献2】特開2005−208456号公報
【特許文献3】特開2004−37841号公報
【特許文献4】特開2008−233874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを構成層とし、製造後すぐに加工することができ、耐久性に優れる偏光板小片を形成し得る偏光板であって、打ち抜き加工適性に優れる偏光板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光板により前記目的に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1の保護フィルム(1)、第1の接着剤層(2)、ポリビニルアルコール系偏光子(3)、第2の接着剤層(4)及び第2の保護フィルム(5)がこの順序で積層されてなる偏光板であって、
第1の接着剤層(2)が、ラジカル重合性組成物(A)を硬化してなる、ガラス転移温度が−80〜−20℃の接着剤層であり、
第2の接着剤層(4)が、ラジカル重合性組成物(B)を硬化してなる、ガラス転移温度が−20〜180℃の接着剤層である偏光板に関する(但し、第1の接着剤層(2)及び第2の接着剤層(4)のガラス転移温度が共に−20℃である場合を除く)。
【0015】
また、本発明は、第1の保護フィルム(1)、第1の接着剤層(2)、ポリビニルアルコール系偏光子(3)、第2の接着剤層(4)及び第2の保護フィルム(5)がこの順序で積層されてなる偏光板の製造方法であって、
第1の保護フィルム(1)の一方の面に、ガラス転移温度が−80〜−20℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(A)を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルム(5)の一方の面に、ガラス転移温度が−20〜180℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(B)を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、
ポリビニルアルコール系偏光子(3)の各面に、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を、同時に/または順番に重ね合わせ、
第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射することを特徴とする、偏光板の製造方法に関する(但し、第1の接着剤層(2)及び第2の接着剤層(4)のガラス転移温度が共に−20℃である場合を除く)。
【0016】
さらにまた、本発明は、上記発明に記載の偏光板の第1の保護フィルム(1)側から偏光板をカットすることを特徴とする、偏光板小片の製造方法に関する。
【0017】
また、本発明は、上記発明に記載の製造方法により得られた偏光板に関する。
【0018】
さらにまた、本発明は、上記発明に記載の製造方法により得られた偏光板の第1の保護フィルム(1)側から偏光板をカットすることを特徴とする、偏光板小片の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを構成層とし、耐久性に優れる偏光板小片を形成し得る偏光板であって、打ち抜き加工適性に優れる偏光板を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の偏光板の一例を示す断面図(イメージ)である。
【図2】本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図(イメージ)である。
【図3】本発明の偏光板小片の製造方法の一例を示すフロー図(イメージ)である。コメント:図3として、裁断の方向を明記した図が必要です。
【発明を実施するための形態】
【0021】
簡単に述べると、本発明の偏光板は、ガラス転移温度(以下、Tgという)の相違する2つの接着剤層(2)、(4)を介して、PVA偏光子の両面に保護フィルムを貼り合せたものと言うことができる。
第1の接着剤層(2)のTgは、−80℃〜−20℃であり、低Tg接着剤層と言うこともあり、打ち抜き加工適性の点から、−75℃〜−20℃であることが好ましく、さらに−70℃〜−20℃であることが好ましい。
第2の接着剤層(4)のTgは、−20℃〜180℃以下であり、高Tg接着剤層と言うこともあり、偏光板小片の耐久性の点から、−15℃〜150℃であることが好ましく、さらには−15℃〜120℃であることが好ましい。
【0022】
本発明における2つの接着剤層(2)、(4)は、ラジカル重合性組成物(A)及び(B)から形成される硬化性接着層(2’)、(4’)に活性エネルギー線を照射し、硬化したものである。
ラジカル重合性組成物(A)及び(B)は、硬化物がそれぞれのTgとなるように、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物等の硬化性成分群から適宜2種類以上の化合物を選択してなるものである。単官能または二官能以上のいずれも用いることができる。硬化性成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適であり、アクリロイル基を有する化合物がより好適である。
【0023】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、単官能化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等があげられる。
PVA系偏光子との接着性向上の点から、水酸基を有するものが好ましい。硬化物のTgを低くできるという点で、ラジカル重合性組成物(A)には、4−ヒドロキシブチルアクリレートを用いることが好ましい。ラジカル重合性組成物(B)には、4−ヒドロキシブチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとイソボニルアクリレートを用いることが好ましい。
【0024】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、2官能化合物としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20−エイコサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、3−エチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートウレタン基含有ジ(メタ)アクリレート等があげられる。
【0025】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、3官能以上の化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート等があげられる。
【0026】
本発明における硬化性組成物(A)、(B)は、さらに必要であれば適宜添加剤を添加してもよい。活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線硬化型、紫外線硬化型の態様で用いることができる。前記接着剤を電子線硬化型として用いる場合には、前記接着剤には光重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型として用いる場合には、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤の使用量は硬化性成分100重量部あたり、通常0.01〜10重量部程度、好ましくは、0.1〜1重量部である。
光重合開始剤としては特に制限はなく、例えばイルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369,261、DAROCUR-TPO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ダロキュア-1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)、カヤキュアBMS(日本化薬製)等が挙げられる。
【0027】
また、その他の添加剤の例としては、カルボニル化合物などで代表される活性エネルギー線による硬化速度や感度を上がる増感剤、シランカップリング剤やエチレンオキシドで代表される接着促進剤、透明保護フィルムとの濡れ性を向上させる添加剤、アクリロキシ基化合物や炭化水素系(天然、合成樹脂)などに代表され、機械的強度や加工性などを向上させる添加剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤(金属化合物フィラー以外)、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止割などがあげられる。
【0028】
本発明における硬化性組成物(A)、(B)は、活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類(いわゆるイナートポリマー)、たとえばその他のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン樹脂、グアナミン樹脂、天然及び合成ゴム、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びこれらの変性物を含むこともできる。
【0029】
[偏光子]
本発明の偏光板に用いられるポリビニルアルコール系偏光子(3)について説明する。
偏光子を形成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体などが挙げられるが、耐水性の点から、エチレン・ビニルアルコール共重合体が好ましい。ポリビニルアルコールとしては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコールや、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールや、水酸基が変性された変性ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。ポリビニルアルコール系樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を併用することもできる。
【0030】
上記ポリビニルアルコールの具体例としては、(株)クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業(株)製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)などが挙げられる。ポリビニルアルコールは、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルの重合体を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。
【0031】
上記エチレン・ビニルアルコール共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものであり、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されない。
【0032】
偏光子は、上述のポリビニルアルコール系樹脂をキャスティング成形法等の方法によって、成形することにより得られる。前記偏光子は、ホウ酸等による架橋や、延伸をされたものであってもよい。偏光子の形状としては、特に限定されないが、例えば、フィルム等が挙げられる。なお、本明細書において、「フィルム」の語は、厚みが小さいもの(厚みが1mm未満のもの)の他、厚手のシート(例えば、厚みが1〜5mmのもの)も含むものとする。偏光子の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜40μm程度が好ましい。
【0033】
[保護フィルム]
本発明の偏光板に用いられる保護フィルムについて説明する。
保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。
【0034】
セルロース樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としでは、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等があげられる。これらのなかでも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例としては、富士写真フイルム社製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカ社製の「KCシリーズ」等があげられる。一般的にこれらセルローストリアセテートは、面内位相差(Re)はほぼゼロであるが、厚み方向位相差(Rth)は、〜60nm程度を有している。
【0035】
なお、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムは、例えば、上記セルロース樹脂を処理することにより得られる。
例えばシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤を塗工したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ステンレスなどの基材フィルムを、一般的なセルロース系フィルムに貼り合わせ、加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、基材フィルムを剥離する方法;ノルボルネン系樹脂などをシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解した溶液を一般的なセルロース樹脂フィルムに塗工し加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、塗工フィルムを剥離する方法などがあげられる。 また、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムとしては、脂肪置換度を制御した脂肪酸セルロース系樹脂フィルムを用いることができる。一般的に用いられるトリアセチルセルロースでは酢酸置換度が2.8程度であるが、好ましくは酢酸置換度を1.8〜2.7に制御することによって厚み方向位相差(Rth)を小さくすることができる。
上記脂肪酸置換セルロース系樹脂に、ジブチルフタレート、p−トルエンスルホンアニリド、クエン酸アセチルトリエチル等の可塑剤を添加することにより、Rthを小さく制御することができる。可塑剤の添加量は、脂肪酸セルロース系樹脂100重量部に対して、好ましく40重量部以下、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
【0036】
環状ポリオレフィン樹脂の具体的としては、好ましくはノルボルネン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などがあげられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」が挙げられる。
【0037】
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
【0038】
本発明の偏光板は、以下のようにして得ることができる。
即ち、第1の保護フィルム(1)の一方の面に、ガラス転移温度が−80〜−20℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(A)を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルム(5)の一方の面に、ガラス転移温度が−20〜180℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(B)を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の各面に、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を、同時に、または順番に重ね合わせ、
第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造することが好ましい。
【0039】
以下、図2に基づいて、工程ごとに説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、図2の(a)に示されるように、保護フィルム(1)および(5)のそれぞれ片面に、接着剤層形成用のラジカル重合性組成物(A)および(B)を塗布し、必要に応じて乾燥等を行って、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を具備する積層体(1’)、(5’)を得る工程である。
ラジカル重合性組成物(A)および(B)の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばダイコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法などが挙げられる。
【0040】
[工程(b)]
工程(b)は、図2の(b)に示されるように、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面(図では上面)に、保護フィルム(1)と硬化性接着剤層(2’)とを具備する積層体(1’)を、
ポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面(図では下面)に、保護フィルム(5)と硬化性接着剤層(4’)とを具備する積層体(5’)を、それぞれ重ね合わせる工程である。
【0041】
[工程(c)]
工程(c)は、図2の(c)に示されるように、活性エネルギー線(6)を照射することにより、保護フィルム(1)、(5)とポリビニルアルコール系偏光子(3)とに挟まれた硬化性接着剤層(2’)、(4’)を硬化させ、接着剤層(2),(4)を形成させる工程である。
具体的には、保護フィルム(5)の側、即ち第2の接着剤層=高Tg接着剤層(4)形成用の硬化性組成物層(4’)の側から活性エネルギー線(6)を照射する。保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線(6)を照射することによって、第二の接着剤層の硬化率が良くなり、耐久性にさらに優れるので好ましい。また、第一の接着剤層の硬化率が低くなり、打ち抜き加工性がさらに向上するので好ましい。
活性エネルギー線の照射量は、特に限定されるものではないが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜1000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。照射する活性エネルギー線の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
活性エネルギー線(6)照射後、室温で1週間程度エージングすることもできる。
工程(c)を経ることにより、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を硬化させて接着剤層(2),(4)とし、偏光子(3)と保護フィルム(1)および(5)とが接着剤層(2),(4)を介して接着されてなる偏光板が完成する(図1、図2中の(d)参照)。
【0042】
また、本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面に、ガラス転移温度が−80〜−20℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(A)を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、形成された第1の硬化性接着剤層(2’)の表面を第1の保護フィルム(1)で覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面に、ガラス転移温度が−20〜180℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(B)を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、形成された第2の硬化性接着剤層(4’)の表面を第2の保護フィルム(2)で覆い、それから、第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造することもできる。
【0043】
さらに、本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面に、ガラス転移温度が−20〜180℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(B)を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、形成された第2の硬化性接着剤層(4’)の表面を第2の保護フィルム(2)で覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面に、ガラス転移温度が−80〜−20℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(A)を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、形成された第1の硬化性接着剤層(2’)の表面を第1の保護フィルム(1)で覆い、それから、第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造することもできる。
【0044】
次に、上記のようにして得た偏光板を裁断して、偏光板小片を製造する方法について説明する。
偏光板小片は、第1の保護フィルム(1)側から上記偏光板をカットすることにより製造することが好ましい。第1の保護フィルム(1)側とは、第一の接着剤層(2)、即ち低Tg接着剤層(2)側という意味であり、活性エネルギー線の入射の反対側と言い換えることもできる。
低Tg接着剤層(2)側から裁断することによって、加工時の衝撃が緩和されることにより剥がれが起きにくくなるので好ましい。
【実施例】
【0045】
[保護フィルム]の製造例
セルロースアセテート(酸化度60.8%)100重量部、トリフェニルホスフェート12重量部、塩化メチレン300重量部、メタノール50重量部を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解した。次にこの溶液を濾過し、冷却して30℃に保ち、カラス基板に貼り付けたPETフィルム上に15ミルのアプリケーターで塗布した。この状態で5分間静置した後、更に100℃のオーブンで1時間乾燥を終了させ、PETフィルムから剥がし、膜厚80μmの保護フィルムを得た。
【0046】
[ポリビニルアルコール系偏光子]の製造例
ホウ酸20重量部、ヨウ素0.2重量部、ヨウ化カリウム0.5重量部を水480重量部に溶解させて染色液を調製した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVA系偏光子を得た。
【0047】
[実施例1]
300W・min/mの放電量で上記保護フィルムの表面にコロナ放電処理を行い、保護フィルム(1)とし、表面処理後1時間以内に、表1に示すラジカル重合組成物(A)をワイヤーバーコーター#2を用いて塗工し、硬化性接着剤層(2’)を形成し、その硬化性接着剤層(2’)に上記のPVA偏光子を重ね合わせた。
300W・min/mの放電量で上記保護フィルムの表面にコロナ放電処理を行い、保護フィルム(5)とし、表面処理後1時間以内に、表1に示すラジカル重合組成物(B)をワイヤーバーコーター#2を用いて塗工し、硬化性接着剤層(4’)を形成し、その硬化性接着剤層(4’)を、硬化性接着剤層(2’)付きPVA偏光子のPVA偏光子面と重ね合わせ、保護フィルム(1)/硬化性接着剤層(2’)/PVA系偏光子/硬化性接着剤層(4’)/保護フィルム(5)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で照度500mW/cm2、照射光量1000mJ/cmの紫外線を保護フィルム(5)側から照射して、偏光板を作製した。
各接着剤層の厚みは、4μmであり、下記の方法で求めた接着剤層(2)のTgは−56℃、接着剤層(4)のTgは−10℃だった。
【0048】
<Tg:ガラス転移温度>
各組成物を適当量プラスチック製の容器に入れ、紫外線を照射し、硬化させたもの、10mgを測定用試料とし、示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。
【0049】
[実施例2〜7]、[比較例1〜4]
ラジカル重合組成物(A)およびラジカル重合組成物(B)を表1のように変えた以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
【0050】
各実施例及び比較例で得た偏光板について、打ち抜き加工適性、耐久性を以下のようにして評価した。
<打ち抜き加工性>
ダンベル社製の100mm×100mmの刃を用い、作製した偏光板を保護フィルム(1)側から打ち抜き、偏光板小片を得た。
打ち抜いた偏光板の周辺の剥がれ状態を目視で観察した。偏光板の面積(100cm)に対して剥がれた面積の割合(%)が0〜1%未満のものを◎、1〜3%未満のものを○、剥離面積が3%以上のものを×とした。
【0051】
<収縮率>
上記偏光板小片を60℃−ドライと60℃−90RH%の恒温恒湿機中に放置し、75時間後の延伸方向の縮み量を測定し、元の長さ(100mm)に対する縮み量の割合を収縮率とし求めた。
収縮率が0.2%以下のものを◎、0.2%より大きくて0.4%より小さいものを○、0.4%以上のものを×とした。
【0052】
【表1】

【0053】
表1から、実施例1〜7の偏光板は、打ち抜き加工適性と収縮率が共に優れていることがわかる。一方、比較例1〜4の偏光板は、打ち抜き加工適性または収縮率のどちらかが劣る。
【符号の説明】
【0054】
(1)第1の保護フィルム
(1’)第1の保護フィルム(1)と硬化性接着剤層(2’)とを具備する積層体
(2)第1の接着剤層
(2’)硬化性組成物(A)から形成された硬化性接着剤層
(3)ポリビニルアルコール系偏光子
(4)第2の接着剤層
(4’)硬化性組成物(B)から形成された硬化性接着剤層
(5)第2の保護フィルム
(5’)第2の保護フィルム(5)と硬化性接着剤層(4’)とを具備する積層体
(6)活性エネルギー線
(7)打ち抜き加工の刃の進入
(8)打ち抜き加工後の偏光板小片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の保護フィルム(1)、第1の接着剤層(2)、ポリビニルアルコール系偏光子(3)、第2の接着剤層(4)及び第2の保護フィルム(5)がこの順序で積層されてなる偏光板であって、
第1の接着剤層(2)が、ラジカル重合性組成物(A)を硬化してなる、ガラス転移温度が−80℃〜−20℃の接着剤層であり、
第2の接着剤層(4)が、ラジカル重合性組成物(B)を硬化してなる、ガラス転移温度が−20℃〜180℃の接着剤層である偏光板(但し、第1の接着剤層(2)及び第2の接着剤層(4)のガラス転移温度が共に−20℃である場合を除く)。
【請求項2】
第1の保護フィルム(1)、第1の接着剤層(2)、ポリビニルアルコール系偏光子(3)、第2の接着剤層(4)及び第2の保護フィルム(5)がこの順序で積層されてなる偏光板の製造方法であって、
第1の保護フィルム(1)の一方の面に、ガラス転移温度が−80〜−20℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(A)を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルム(5)の一方の面に、ガラス転移温度が−20℃〜180℃の硬化物を形成し得るラジカル重合性組成物(B)を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、
ポリビニルアルコール系偏光子(3)の各面に、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を、同時に/または順番に重ね合わせ、
第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射することを特徴とする、偏光板の製造方法(但し、第1の接着剤層(2)及び第2の接着剤層(4)のガラス転移温度が共に−20℃である場合を除く)。
【請求項3】
請求項1記載の偏光板の第1の保護フィルム(1)側から偏光板をカットすることを特徴とする、偏光板小片の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の製造方法により得られた偏光板。
【請求項5】
請求項4記載の偏光板の第1の保護フィルム(1)側から偏光板をカットすることを特徴とする、偏光板小片の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−286737(P2010−286737A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141561(P2009−141561)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】