健康、衛生、及び/又は環境用途のための両面パーソナルケア用品及び前記両面パーソナルケア用品を作る方法
皮膚の表層剥離を含む種々の用途に対する両面パーソナルケア用品が開示される。用品は、層の両面に3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を含む。これらの外形により、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するのが容易になる。更に、これらの外形により、第2の相互接着繊維層に接触させて取り付けるのが容易になる。第2の相互接着繊維層は、皮膚を優しく清浄化し、液体を保持し、泡を生成することができる嵩高の材料を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多数の健康、衛生、及び/又は環境用途には、種々の基層、及びそのような基層で作られたパーソナルケア用品が用いられる。
【背景技術】
【0002】
合成の擦り洗い用パッド又は軽石のようなパーソナルケア用品は、皮膚を清浄化し、刺激し、及び/又は表層剥離するのに用いることができる。ヒトの身体は、そのような領域に圧力、摩擦、又は傷害が与えられることに応答し、皮膚及び皮膚の下の身体構造を保護するために肥厚して硬化し、死んだ皮膚の領域を形成する。このような死んだ皮膚の領域は、典型的には、手及び足に形成され、通常、たこ又はうおのめとして一般に公知である。たこ及びうおのめは、痛みを引き起こすほど大きくなると問題になる可能性がある。
【0003】
痛みのあるたこ及びうおのめに対して容認されている家庭での医学的治療の要素の1つは、患部を温水に漬け、その後、軽石のような装置を用いて死んだ皮膚を注意深く研磨して除去することである。しかし、軽石を用いると、問題が起こる可能性がある。軽石は、破損する球形の形状のガラスの泡で構成される。この破損により、これに伴う空洞を備える鋭いスコップ状表面が生成される。これらの空洞は、石を用いた後に表層剥離した皮膚を保持しがちである。これらの空洞に保持される皮膚を完全に除去するのは困難であり、その結果、様々な種類の微生物が成長する可能性がある。更に、軽石は、うおのめ及びたこの表面を研磨するのには有効であるが、使用者によってはその指先が過度に研磨される可能性がある。また、使用者は、旅行時には、軽石を持って行くことを望まないであろう。
【0004】
従って、必要とされているのは、湿った皮膚を研磨するのに用いることができるパーソナルケア用品であって、1)限定的に使用することができる(例えば、1回または2回用いた後に廃棄することができる)ように十分に費用を安くし、家から離れた所で用いるのに便利であるとともに微生物の成長を防止又は減少させる目的で使用後に装置を洗浄する必要性をなくし、2)湿潤時の一体性を維持し、3)快適であるように指の表面に対して十分に優しい表面を有するが、たこ及びうおのめの表面を研磨するのに十分研磨用の別の表面も有し、(4)望むならば、清浄化及び/又は加湿組成物又は配合物を用いることができる用品である。更に、前記パーソナルケア用品を作るための工程が必要とされている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,849,241号公報
【特許文献2】米国特許第5,213,881号公報
【特許文献3】米国特許第5,382,400号公報
【特許文献4】米国特許第5,108,820号公報
【特許文献5】米国特許第4,795,668号公報
【特許文献6】米国特許第5,336,552号公報
【特許文献7】米国特許第4,663,220号公報
【特許文献8】米国特許第4,741,949号公報
【特許文献9】米国特許第4,803,117号公報
【特許文献10】米国特許第4,787,699号公報
【特許文献11】米国特許第4,209,593号公報
【特許文献12】米国特許第5,707,468号公報
【特許文献13】米国特許第5,336,552号公報
【特許文献14】米国特許公開番号第2005/0098256A1号報
【特許文献15】米国特許第3,658,985号公報
【特許文献16】米国特許第3,769,398号公報
【特許文献17】米国特許第4,329,335号公報
【特許文献18】米国特許第4,259,204号公報
【特許文献19】米国特許第4,329,334号公報
【特許文献20】米国特許第3,935,129号公報
【特許文献21】米国特許第4,129,515号公報
【特許文献22】米国特許第4,224,195号公報
【特許文献23】米国特許第4,154,706号公報
【特許文献24】米国特許第4,329,336号公報
【特許文献25】米国特許第4,013,789号公報
【特許文献26】米国特許第4,450,091号公報
【特許文献27】米国特許第4,595,526号公報
【特許文献28】米国特許第6,612,846号公報
【特許文献29】米国特許出願番号第6,896,521号公報
【特許文献30】米国特許出願番号第10/831476号公報
【特許文献31】米国特許出願番号第10/956763号公報
【特許文献32】米国特許出願番号第11/150957号公報
【特許文献33】米国特許出願(内部整理番号K−C 21999号)
【特許文献34】米国特許第US6774069 B2号公報
【特許文献35】米国特許第US6872784 B2号公報
【特許文献36】米国特許第US6887941 B2号公報
【特許文献37】米国特許第4,798,603号公報
【非特許文献1】Cosmetics & Toiletries第102巻第3号1987年3月;Balsam,M.S.ら編Cosmetics Science and Technology第2版第1巻27〜104頁及び179〜222頁Wiley−lnterscienceニューヨーク1972年第104巻67〜111頁1989年2月
【非特許文献2】Cosmetics & Toiletries第103巻第12号100〜129頁1988年12月、Nikitakis,J.M.編CTFA化粧品原料の手引き第1版、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association、Inc.出版ワシントンD.C.1988年、Mukhtar,H編皮膚の薬理学、CRC Press1992年
【非特許文献3】Green,FJ、染色、染料及び指標のSigma−Aldrich手引き書;ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Company1991年
【非特許文献4】Ernest W.FlickによりCosmetic and Toiletry Formulations、ISBN 0−8155−1218−X、第2版第XII章(707〜744頁)
【0006】
(発明の開示)
本発明者らは、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を含み、該第1の相互接着繊維層の3次元の外形(任意的には前記相互接着繊維層の形状成形された不連続部と隣接する)が嵩高の材料を含む第2の相互接着繊維層と相互にかみ合うようにされた両面パーソナルケア用品は、使用者がそのような用品に望む一見相反する特性のバランスを取ることができ、必要な場合には、このような用品の使用者が限定的に使用されるようにすることができることを見出した。このような両面パーソナルケア用品は、清浄化組成物又は他の配合物を塗布及び/又は利用する(用品に含まれるか別個に塗布されるかには関係ない)ために使用でき、典型的には、嵩高の材料を含む第2の相互接着繊維層がこの目的に使用され、使用者の皮膚又は組織を表層剥離させ、刺激し、及び/又は優しく研磨するために使用でき、この目的には、一般に、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を用いることができることを見出した。
【0007】
図1は、本発明のパーソナルケア用品1の一形態を代表的に示す。パーソナルケア用品は、3次元外形を含む第1の相互接着繊維層3と、嵩高の材料を含み前記第1の相互接着繊維層に相互にかみ合う第2の相互接着繊維層5と、からなる。本発明のパーソナルケア用品のこの形態では、第1の相互接着繊維層の3次元の外形は、外形及び繊維がパーソナルケア用品の使用者の皮膚を刺激及び/又は表層剥離するようにパーソナルケア用品から離れる方向に延び(即ち、3次元の外形は、第1の相互接着繊維層から外向きに、従って、パーソナルケア用品から外向きに配向された面又は表面を伴う)るとともに、第2の相互接着繊維層内にも延び、従って、前記第2の層の一部とフック係合及び/又は他の方法で相互にかみ合う(即ち、3次元の外形は、第1の相互接着層から内向きに、第1の相互接着層が取り付けられた第2の相互接着繊維層の表面又は面に向かって配向された対向する表面又は面を伴う)。図1に示していないが、付加的な要素である補強ストランドを形成し、該ストランドを第1の相互接着繊維層の少なくとも一部に取り付けることができることに留意されたい。補強ストランドは、以下の説明の節に更に詳細に論じる。
【0008】
図1A及び図1Bは、本発明のパーソナルケア用品の代表的な画像を示す(これらの図の数は、上の図1に示すものと同じ要素を示す)。図1Aでは、5という数は、パーソナルケア用品における嵩高の第2の相互接着繊維層の側部を示す。図1Aの3という数は、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層の上部を示す。図1Bでは、5という数は、パーソナルケア用品の嵩高の第2の相互接着繊維層の側部を示す。3という数は、図1Bでは、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層の側部を示す。これらの画像の両方で、接着剤(図示せず)を用いて、第1の相互接着繊維層の表面を第2の相互接着繊維層の表面に取り付けた。
【0009】
この用途では、「3次元の外形」又は「3次元の立体的形態」とは、ヒトの目で容易に識別可能な立体的形態を意味する(例えば、相互接着繊維層の表面の「谷」の基部から隣接する「畝」の上面まで約0.1ミリメートル又はそれ以上適切には約0.5ミリメートル又はそれ以上の高さの変化。「谷」とは、第1の層が取り付けられた第2の相互接着繊維層の表面に近い第1の相互接着繊維層の低い点又は陥凹を意味し、「畝」とは、第1の層が取り付けられた第2の相互接着繊維層の表面から遠い第1の相互接着繊維層の高い点又は隆起を意味する)。このような立体的形態は、筆記用紙の平坦なシート、又はトイレットティシュの平坦なエンボス加工されていないシートに付随する立体的形態に対比される。このような基層は、顕微鏡下では、顕微鏡的3次元立体的形態を有する表面が明らかになる。しかし、このような立体的形態は、相互接着繊維層の表面に関して本明細書に論じた3次元の立体的形態とは区別されることになる。
【0010】
本発明者らは、前述のパーソナルケア用品が、(1)3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を介して、パーソナルケア用品の使用者の皮膚を刺激及び/又は表層剥離及び/又は優しく研磨することができる構成要素及び/又は表面と、(2)嵩高の圧縮可能な材料で作られる第2の相互接着繊維層を介して液体を保持し、(例えば、使用中に層を「ポンピング」するか絞ることにより)泡を形成し、用品の使用者の皮膚を清浄化することができる層及び/又は表面と、をもたらすことを見出した。更に、第1の相互接着繊維層の谷又は陥凹部は、使用者の足、手、肘、又は他の身体部位から研磨された、死んだ皮膚を保持するのに役立つ可能性がある。また、第2の相互接着繊維層は、軟らかく柔軟で、保持するのが容易及び/又は快適である可能性がある。最後に、図示した実施形態では、第1の相互接着繊維層の3次元の外形は、第2の相互接着層内に延び、従って前記第2の相互接着繊維層とフッキング及び/又は相互にかみ合う。
【0011】
本発明の開発過程において、本発明者らは、通常コンベヤベルトとして用いられるゴムベルトを用いて3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を形成することができることを見出した。従来の形成ワイヤと異なり、このようなベルトは、(例えば、ベルトに開口部をダイカット、掘削、穿孔、又は他の方法で生成することによるほか、ベルトが開口部を有するように鋳造することにより)ベルトに開口部を形成するように容易に加工される。第1の相互接着繊維層がこの支持部(例えば、開口部を含むコンベヤベルト)上に形成される場合には、開口部の上又はその近傍の繊維層は、(この場合は真空によりしかし、正の圧力又は繊維層に力を与えるための他の機械的又は他の方法を用いることもできる)開口部に引き込んで繊維層に3次元の外形を生成することができる。即ち、第1の相互接着繊維層の3次元の外形の少なくとも一部は、支持ベルトの開口部に一致し、その中で形成された。これらの種々の肌理付き表面を備えたコンベヤベルト及びその類似物が利用可能である。異なる肌理を備えるコンベヤベルトを選択することにより、ベルトの肌理付き表面で第1の相互接着繊維層に付加的な3次元の外形を導入した。このように、コンベヤベルトを用いると、(例えば、花、動物、会社のロゴ又は商標、又は他のこのような記号又は画像のような認識可能な形状の切り抜きを含む)種々の大きさ、形状、及び位置の開口部又は陥凹部/谷をベルトに容易に組み入れ、相互接着繊維層の対応する形状成形された不連続部がベルトのこのような認識可能な形状を有するように)する能力が得られるだけでなく、ベルトの肌理付き表面に対応する相互接着繊維層に肌理付き表面を付与する能力も得られる。
本発明のこれら及び他の形態、実施形態、及び例は、本明細書の他所で論じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(定義)
本明細書においては、下の各用語又は語句は、以下の意味又は各意味を含む。
「取り付ける」及びその派生語は、2つの要素を接合する、接着剤接着する、連結する、接着する、縫い合わせる、堆積する、組み合わせること、及び同様なことをいう。2つの要素は、互いに一体化されるか、互いに直接取り付けられるか、各々が仲介要素に直接取り付けられるときのように互いに間接的に取り付けられるときに互いに取り付けられるとみなされることになる。「取り付ける」及びその派生語は、永久的、取外し可能、又は再締結可能な取り付けを含む。また、取り付けは、製造工程の間に、又は末端消費者によるかの何れかで完成することができる。
【0013】
「自原性接着」及びその派生語は、外部接着剤又は接着薬剤を塗布することなく繊維及び/又はフィラメントが融合及び/又は自己接着剤接着することにより生じる接着をいう。自原性接着は、繊維及び/又はフィラメントの少なくとも一部が半溶融又は粘着性である間に繊維及び/又はフィラメント間を接触させることにより生成することができる。また、自原性接着は、繊維及び/又はフィラメントを形成するのに用いられる熱可塑ポリマーに粘着性樹脂をブレンドすることにより生成することもできる。このようなブレンドから形成される繊維及び/又はフィラメントは、圧力及び/又は熱を印加するかどうかに関わり無く自己接着するようにすることができる。また、溶媒を用いて、溶媒が除去された後に残る繊維及びフィラメントを融合させることもできる。
【0014】
「接着する」及びその派生語は、2つの要素を接合する、接着剤接着する、連結する、取り付ける、縫い合わせる、等をいう。2つの要素は、互いに直接接着されるか、各々が仲介要素に直接接着されるときのように互いに間接的に接着されるときに互いに接着されるとみなされることになる。「接着する」及びその派生語は、永久的、取外し可能、又は再締結可能な接着を含む。上に記載するような「自原性接着」は、「接着」の一種である。「相互接着された」及びその派生語は、「接着」の一種である。
【0015】
「コフォーム」とは、メルトブローン繊維とセルロース繊維のような吸収性繊維とのブレンドをいい、これは、メルトブローンポリマー材料を空気形成し、同時に空気に浮遊させた繊維をメルトブローン繊維流内に吹き込むことにより形成することができる。また、コフォーム材料は、超吸収性材料のような他の材料を含むこともできる。メルトブローン繊維及び吸収性繊維は、小孔のあるベルトにより設けられるような形成表面上に収集される。形成表面は、形成表面上に配置された気体透過性材料を含むことができる。
【0016】
「清浄化組成物」、「清浄化配合物」又はその派生語は、固体、液体、ゲル、ペースト、発泡体等の形であるかに関係なく、パーソナルケア又は清浄化配合物又は組成物、シャンプー、ローション、ボディウォッシュ、手用殺菌剤、固形石鹸等をいう。また、「清浄化組成物」は、加湿配合物も含む。
【0017】
「結合する」及びその派生語は、2つの要素を接合する、接着剤接着する、接着する、取り付ける、縫い合わせること等をいう。2つの要素は、互いに直接結合されるか、各々が仲介要素に直接結合されるときのように互いに間接的に結合されるときに互いに結合されるとみなされることになる。「結合する」及びその派生語は、永久的、取外し可能、又は再締結可能な結合を含む。また、結合は、製造工程の間に、又は末端消費者によるかの何れかで完成することができる。
【0018】
「使い捨て」とは、洗濯するか又は他の方法で再使用のために復元しないで限定的な使用の後に廃棄されるように設計された物品をいう。
【0019】
「上に配置される」、「に沿って配置される」、「と共に配置される」又は「に向かって配置される」及びその派生語は、1つの要素が別の要素と一体化することができるか、1つの要素が別の要素に接着されるかそれと共に配置されるかその近傍に配置される別個の構造とすることができることを意味するものとする。
【0020】
「繊維」とは、長さ対直径又は幅比が大きな連続又は不連続部材をいう。従って、繊維は、フィラメント、糸、ストランド、ヤーン、又はあらゆる他の部材又はこれらの部材の組み合わせとすることができる。
【0021】
「親水性の」とは、繊維と接触する水性液体に濡れる繊維又は繊維の表面を表す。すると、材料の湿潤の程度は、液体及び用いる材料の接触角及び表面張力に関して表すことができる。特定の繊維材料又は繊維材料のブレンドの湿潤性を測定するのに適する機器及び技術は、Cahn SFA−222表面力分析システム、又は実質的に同等のシステムにより得ることができる。このシステムで測定する場合、接触角が90度未満である繊維は、「湿潤可能」又は親水性であるといわれ、接触角が90度より大きい繊維は、「非湿潤可能」又は疎水性であるといわれる。
【0022】
単数で用いる場合の「層」は、単一の要素又は複数の要素の二重の意味を有することができる。
【0023】
単層又は多層積層体を表すのに用いる場合の「液体不透過性」とは、液体が、通常の使用条件下で、液体が接触した点で層又は積層体の平面にほぼ垂直な方向に層又は積層体を通過しないことを意味する。
【0024】
「液体透過性」とは、液体不透過性でないあらゆる材料をいう。
【0025】
「メルトブローン」とは、複数の微細な、通常は円形のダイ毛管を通して、溶融熱可塑材料を一般に加熱された集束する高速ガス(例えば空気)流中に溶融糸又はフィラメントとして押し出し、この高速ガスが溶融熱可塑材料のフィラメントを細くしてその直径を減少させることにより形成された繊維をいう。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流により運ばれて集積表面又は支持部に堆積され、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウエブを形成する。このような工程は、例えば、Butinらに付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブロー法は、マクロ繊維(平均直径が約40から約100ミクロン)、テキスタイル状繊維(平均直径が約10と40ミクロンとの間)、及びミクロ繊維(平均直径が約10ミクロン未満)を含む種々の直径の繊維を形成するために用いることができる。メルトブロー法は、超微細ミクロ繊維(平均直径が約3ミクロン以下)を含むミクロ繊維を形成するのに特に適する。超微細ミクロ繊維を形成する例示的な工程の説明は、例えば、Timmonsらに付与された米国特許第5,213,881号に見ることができる。メルトブローン繊維は、連続又は非連続とすることができ、一般に、集積表面に堆積される時に自己接着する。
【0026】
単数で使用される場合の「部材」は、単一の要素又は複数の要素の2重の意味を有することができる。
【0027】
「不織」及び「不織ウエブ」は、布織り又は編み工程の介助なしに形成される材料及び材料のウエブをいう。例えば、不織材料、布又はウエブは、例えばメルトブロー法、スパンボンド法、空気堆積法、及びボンデッドカーデッドウエブ法などの多くの方法で形成されてきた。不織ウェブ又は材料の坪量は、通常、材料のオンス数/平方ヤード(osy)又はグラム/平方メートル(gsm)で表され、繊維の直径は、通常ミクロンで表される。(注:osyからgsmに変換するには、osyに33.91を掛ける。)
【0028】
「Z方向」とは、ウェブの配向平面の外側に配置された繊維をいう。ウェブは、機械方向にx軸、機械横方向にy軸、高さ方向にz軸を有し、その主平面又は表面は、x−y平面に平行に位置するとみなされることになる。「形成されたz方向繊維のように」という用語は、本明細書では、機械的捲縮又はしぼ寄せ又は他の方法で分裂された不織ウェブの場合のように不織ウェブの二次形成工程で得られるz方向成分を有する繊維とは区別し、不織ウェブを形成する間にz方向に配向する繊維をいうのに用いることができる。
【0029】
「実質的に連続な繊維」とは、不織ウェブ又は布に形成する前にその本来の長さから切断した繊維をいう。実質的に連続な繊維の平均長さは、約15センチメートルより大きい長さから1メートルを超え、形成されるウェブ又は布の長さまでの範囲とすることができる。「実質的に連続な繊維」の定義は、不織ウェブ又は布に形成される前に切断されないが、後に、不織ウェブ又は布が切断されるときに切断される繊維、及び実質的に直線状の、又は、捲縮された繊維を含む。
【0030】
「通気接着」又は「TAB」は、ウェブの繊維が作られるポリマーの1つを溶融するのに十分に熱い空気がウェブを通るように強制されることにより、不織ウェブ、例えば2成分繊維ウェブを接着する工程を意味する。
【0031】
「並列繊維」は、2成分又は複合繊維の分類に属する。「2成分繊維」という用語は、別個の押出し機から押し出されるが共に紡糸されて1つの繊維を形成する少なくとも2つのポリマーから形成された繊維をいう。また、2成分繊維は、複合繊維又は多成分繊維といわれることもある。2成分繊維は、例えば、Pikeらに付与された米国特許第5,382,400号で教示されている。複合繊維のポリマーは、通常、互いに異なるが、複合繊維は、単成分繊維であることもある。複合繊維は、Kanekoらに付与された米国特許第5,108,820号、Kruegerらに付与された米国特許第4,795,668号及びStrackらに付与された米国特許第5,336,552号に教示されている。複合繊維は、2つ(又はそれ以上)のポリマーを異なる割合で拡張及び収縮することにより繊維に捲縮を生じさせるのに用いることができる。
【0032】
「低機械方向配向」及び「高機械方向配向」は、本明細書で用いる場合、不織ウェブの繊維が、形成表面、例えばベルト又は他の支持部、又は小孔のあるワイヤの横方向に分配することができる程度をいう。低機械方向配向繊維は、ウェブを形成する間に形成表面の横方向に渡る分配が少ない高機械方向配向を示す繊維の集積より、横方向に渡って高い程度まで分散される。
【0033】
「約」、「実質的に」等のような程度の語は、本明細書では、「規定された環境に固有の製造及び材料許容差が与えられる場合には、その値、又はほぼその値」という意味で用いられ、悪意ある侵害者が、本発明の理解を助けるために正確又は絶対的な数字が述べられる本発明の開示事項を不正に利用しないようにするために用いられる。
【0034】
「機械方向」又はMDとは、生成される方向の布の長さを意味する。「機械横方向」又はCDとは、布の幅、即ち、MDにほぼ垂直な方向を意味する。
【0035】
「粒子」、「各粒子」、「微粒子」。「各微粒子」等は、個々の単位の形の材料をいう。粒子は、顆粒、微粉、粉末又は球体を含むことができる。従って、粒子は、例えば、立方体、ロッド様、多面体、球体又は半球体、円形又は半円形、角状、不規則、その他のようなあらゆる望ましい形状とすることができる。また、本明細書では、針、フレーク及び繊維のように最大寸法/最小寸法比が大きな形状を用いることも意図される。また、「粒子」又は「微粒子」は、2つ以上の粒子、微粒子等を含む集塊も表すことができる。
【0036】
(説明)
本発明の第1の相互接着繊維層を生成するための代表的な工程
図3は、本発明の第1の相互接着繊維層を形成するための方法の代表的な略図である。工程は、参照数字100により一般に表される。第1の相互接着繊維層に用いられる相互接着繊維層及び第1の相互接着繊維層に(少なくとも部分的に)取り付けられるあらゆる任意的な補強ストランドを形成するときには、押出し機106及び108のペレットホッパ102及び104に、押し出し可能ポリマーのペレット又はチップ等(図示せず)を導入する。(注:図3は、本発明の第2の相互接着繊維層を形成するための工程の代表的な図であり、これは、以下に更に詳細に記載される。)
【0037】
各押出し機は、通常の駆動モータ(図示せず)により駆動される押し出しスクリュー(図示せず)を有する。ポリマーが押出し機を進むと、駆動モータにより押し出しスクリューが回転するため、次第に加熱されて溶融状態になる。ポリマーが溶融状態まで加熱される段階は、ポリマーが、メルトブローダイ110に向かう押出し機106及び連続ストランド形成手段112(即ち、任意的な補強(各)ストランドのための補強ストランド形成手段)に向かう押出し機108の別個の加熱ゾーンを通って進むときに温度が次第に上昇する複数の別個の段階で達成することができる。メルトブローダイ110及び連続ストランド形成手段112は、熱可塑性樹脂の温度が押し出しのために高温レベルに維持される更に別の加熱ゾーンとすることができる。押出し機106及び108及びメルトブローダイ110及び連続ストランド形成手段112の種々のゾーンで加熱する段階は、種々の従来の加熱配列(図示せず)の何れで達成することもできる。
【0038】
任意的な補強ストランド構成要素は、種々の押し出し技術を用いて形成することができる。例えば、補強ストランドは、1つ又はそれ以上の従来のメルトブローダイ装置を、押出したストランドとほぼ同じ方向に流れて押出したストランドを細くするようになる加熱ガス流(即ち一次空気流)を除くように修正したものを用いて形成することができる。この修正メルトブローダイ配列112は、通常、集積表面又は支持部114が移動する方向を実質的に横断する方向に集積表面又は支持部114を横切って延びる。修正ダイ配列112は、ダイの横方向範囲に沿って位置合わせした直径の小さな毛管の線状列116を含み、このダイの横方向範囲は、生成されることになっている任意的な補強ストランドの平行列(又は他の位置合わせ)に望ましい幅とほぼ同じ長さである。即ち、ダイの横方向寸法は、ダイ毛管の直線状列により定められる寸法である。毛管の直径は、約0.01インチ〜約0.02インチまで、又は例えば約0.0145〜約0.018インチの桁とすることができる。しかし、大きな直径の毛管を用いて、第1の相互接着繊維層の表皮剥離特性を高めることもでき、第1の相互接着繊維層を補強するのを助けることもでき、その両方を行うこともできる。従って、補強ストランドは、有意に大きくすることができる(例えば、補強ストランドは、直径が約0.020インチと約0.050インチとの間、又はそれより大きい毛管を通して押し出すことができる)。ダイ面に直線で1インチ当たりに約1〜約50のこのような毛管が設けられることになる。典型的には、毛管の長さは、約0.05インチ〜約0.20インチ、例えば約0.113インチ〜約0.14インチ長さとされることになる。メルトブローダイの長さは、横方向に約10インチ〜約60又はそれ以上にわたって延びることができる。
【0039】
ダイ先端を過ぎて流れる加熱ガス流(即ち一次空気流)は、大幅に減少するかなくなるため、押し出したポリマーが、ダイ先端にある間に確実に溶融状態を保ち、流れることが可能であるように、ダイ先端を断熱するか又は加熱要素を設けることが望ましい可能性がある。ポリマーは、毛管の列116から修正ダイ112に押し出され、任意的な押し出し補強ストランド118を生成する。
【0040】
任意的な押し出された補強ストランド118は、修正ダイ112の毛管の列116を出る時に初期速度を有する。これらのストランド118は、表面114上に堆積されるが、これは、ストランド118の初期速度と少なくとも同じ速度で移動する必要がある。この表面又は支持部114は、慣習的にはローラ120で駆動されるエンドレスベルトである。図示する代表的な実施形態では、ストランド118は、図2の矢印122で示されるように回転するエンドレスベルト114の表面上に実質的に平行に位置合わせして堆積される。真空箱(図示せず)を用いて、ベルト114の表面にマトリクスを維持するのを助けることができる。ダイ112の先端は、補強ストランド118が集積されるベルト114の表面に可能な限り近づける必要がある。例えば、この形成距離は、約1インチ〜約10インチとすることができる。望ましくは、この距離は、約1インチ〜約8インチである。
【0041】
表面114は、ストランド118を実質的に平行な列に位置合わせするのを向上させるため、及び/又はフィラメント118を細長くし、望ましい直径を達成するようにするために補強ストランド118の初期速度より遥かに大きな速さで移動させることが望ましい可能性がある。例えば、ストランド118の位置合わせは、表面114をストランド118の初期速度より約2〜約10倍大きな速度で移動させることにより高めることができる。望むならば、更に大きな速度較差を用いることもできる。異なる因子が表面114に対する特定の速度の選択に影響を及ぼすことになるが、これは、典型的には、補強ストランド118の初期速度より約4〜約10倍速いことになる。
【0042】
望ましくは、理想的な補強ストランドは、材料の1インチ幅当りの密度がダイ面上の毛管の密度にほぼ一致するように形成される。例えば、材料の1インチ幅当りのストランド密度は、材料の1インチ幅当り約0〜約120フィラメントの範囲とすることができる。典型的には、低密度のフィラメント(例えば、1インチ幅当り0〜35フィラメント)は、1つのストランド形成ダイのみで達成することができる。高密度(例えば、1インチ幅当り35〜120ストランド)は、複数群のストランド形成機器を用いて達成することができる。
【0043】
図2の代表的な形態では、第1の相互接着繊維層は、メルトブローン繊維である。ここでは、メルトブローン繊維成分は、参照番号124で表される従来のメルトブロー工程を用いて形成される。メルトブロー工程は、一般に、熱可塑ポリマー樹脂をメルトブローダイの複数の小さな直径の毛管に通し、溶融糸として加熱ガス流(一次空気流)内に押し出し、このガス流が、押し出された糸とほぼ同じ方向に流れて押し出された糸が細くされ、即ち、延伸又は伸長され、その直径を減少させるようにする段階を含む。このようなメルトブロー技術及び装置は、米国特許第4,663,220号に完全に論じられており、この特許は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。
【0044】
メルトブローンダイ配列110では、ダイ部分と共にチャンバ及び間隙を定める空気プレートの位置は、縮径用ガス通路の幅を増大又は減少させてダイ部分に対して調節し、任意の期間の間に空気通路を通る縮径用ガスの容量が、縮径用ガスの速度を変化させることなく変化することができるようにすることができる。一般的にいえば、実施的に連続なメルトブローン繊維又はミクロ繊維を生成することになっている場合には、縮径用ガス速度が小さく、空気通路間隙の幅が広いことが好ましい。
【0045】
2つの縮径用ガス流は、集束し、オリフィスを出るときに溶融糸を連行して減衰し、通常オリフィスの直径より小さい小さな直径の繊維に、減衰の程度によっては、ミクロ繊維にするガス流を形成する。空気流は、以下の例の節では、一般に、「一次空気」という用語を用いて言及される。ガスに運ばれる繊維又はミクロ繊維126は、縮径用ガスの作用により集積配列上に吹き飛ばされるが、この集積配列は、図2に示す実施形態では、(任意的に補強ストランドを実質的に平行に位置合わせして運ぶ)エンドレスベルト114である。繊維又はミクロ繊維126は、繊維の密着したマトリクスとして、図2の矢印122で示されるように回転する支持部114の表面(又は、存在する場合には補強ストランド118)上に集積される。望むならば、メルトブローン繊維又はミクロ繊維126は、多数の衝突角でエンドレスベルト114上に集積することができる。真空箱140を用いて、メルトブローン繊維をエンドレスベルト又は支持部114の開口部142に引き込む。工程のパラメータ(例えば、真空の量、メルトブローン繊維がオリフィスを出る温度)を調節することにより、相互接着繊維層は、支持部114の開口部に引き込まれ、相互接着繊維層自身に形状成形された不連続部が形成されるようにする。即ち、相互接着繊維層の形状成形された不連続部は、支持部114の開口部に対応する。この形成工程では、穴又は他の開口部を直接相互接着繊維層に切り抜くときに特有の廃棄物量を生成しない(陥凹部/谷が穿孔される場合即ち、支持部の開口部内で繊維が引き離されて分離されるため開口部を有する場合)ことに留意されたい。本発明では、開口部142に近接する(即ちその上又は近傍の)メルトブローン繊維は、真空が繊維を開口部に引き込む作用により更に減衰される。望むならば、前述の工程パラメータを選択することにより開口部内の減衰された繊維の一部が分離し、それによって、相互接着繊維層の表面から生じる(及び相互接着繊維層自身の形状成形された開口部に隣接する)あらゆる突起の先端に穿孔又は開口部が形成される。
【0046】
図3に図示した支持部114の開口部142は、代表的なものであることに留意されたい。このような開口部の形状、大きさ、数、及び位置は、変えることができる。例えば、ベルトの開口部は、長方形、正方形、三角形、卵形、星型、十字形、五角形、六角形、八角形、他のこのような幾何学的形状、及びその種々の組み合わせとすることができる。更に、開口部、ダイカット又は別のものは、更に複雑にすることもでき、実際、種々の認識可能な生物又は非生物を図示することもできる。例えば、テディベアの形状を定める開口部を用いることもできる。或いは、チューリップ状、飛行機形、ロケット形、又は多数の他のそのような物体の形状を定める開口部を用いることもできる。或いは、上に論じたように、会社のロゴ、商品名、又は商標を支持部114に導入し、対応する画像が第1の相互接着繊維層に記入されるようにすることもできる。
【0047】
また、ベルト自身の表面に肌理をつけることができることにも留意されたい。種々の肌理をつけた表面の例には、じゃり肌表面、鋳造スクリーンの外観を有する個々のストランドが互いに差し込まれた表面、ダイアモンド形開口部を備える格子の外観を有する表面、その他が含まれる。更に、肌理をつけた表面は、複数の階層を備えた複雑な表面立体的形態を有することができる。ベルトの厚さは、ベルトの表面及びベルトの選択した開口部上に選択した肌理を収容するように変化させることができる。このような肌理のいくつかの代表的な形態は、図4、図4A、図5、図5A、図6、図6A、図7、及び図7Aに示される。
【0048】
図4は、極めて詳細に、斜視図で、図3のベルト114として用いることができる1つの形成表面を示す。ここに示すように、表面は、この場合には、表面から外向きに配置された円錐形のピン162を有する平坦なベルト160である。この実施形態では、ベルト160は、開口部164も含む。図4Aは、線4A〜4Aで取った断面で図4の形成表面を示す。図4の形成表面は、円錐形のピン162無しで用いることもでき、更に、開口部164の間に異なる肌理又は表面立体的形態を含むこともできる。上に記載したように、開口部は、円以外の種々の形状とすることができ、これらの開口部の位置は、望む通りに変化させることができる。図4及び図4Aに示す代表的な実施形態では、開口部は、ベルトの厚さを通して直径が均質であるが、ベルトの開口部は、ベルトの厚さを通して直径が変化するように作ることもできる。
【0049】
図5は、この場合は、外向きに延びる円錐台の形状のピン170及び開口部172を有する別の形成表面168の図である。図5Aは、線5A〜5Aに沿ってとった図5の表面の断面である。図5の形成表面は、円錐形のピン170無しで用いることができ、更に、開口部172の間に異なる肌理又は表面立体的形態を含むことができる。また、用いる場合には、ピンは、更に、ピンが全てなくなる手前で種々の程度先端を切ることができる。上に記載したように、開口部は、円以外の種々の形状とすることができ、これらの開口部の位置は、望むとおりに変化させることができる。図5及び図5Aに示す代表的な実施形態では、開口部は、ベルトの厚さを通して直径が均質であるが、ベルトの開口部は、ベルトの厚さを通して直径が変化するように作ることもできる。
【0050】
図6及び図6Aは、ベルトの表面にドーム180を有する更に別の形成表面178を示す図4及び図4Aと同様の図である。
図7は、本発明の相互接着繊維層を作るのに役立ち、この場合は六角形の開口部190を含む別のベルト構成188を示しており、図7Aは、線7A〜7Aでとった図7のベルトの断面を示す。先に記載したように、開口部の断面は、ベルトの厚さを通して均質である必要はない。図7Aは、六角形の内部表面が六角形自身の中心に向かって傾斜することを示す。また、開口部は、ベルトの厚さを通して複数の階層を有することもできる。即ち、内径(又は開口部の形状によっては他の距離)は、ベルトの厚さを通して(単調に増大又は減少する様式ではなく)段階的に変化させることができる。
【0051】
図面に数字140で識別されるような真空箱を用いて、一般に、ベルト114の表面にマトリクスを維持するのを助けることができる。典型的には、ダイ110の先端128は、繊維が集積されるベルト114の表面から約6インチ〜約14インチである。絡合繊維又はミクロ繊維126は、存在する場合には、補強ストランド118に堆積されるときに依然として幾分粘着性であるか融けているため補強ストランド118の少なくとも一部に自原的に接着し、これによって、基層130を形成する。
【0052】
この時点で、自原性接着を増強させるために第1の相互接着繊維層を軽くカレンダ加工することが望ましいこともある。この任意的なカレンダ加工する段階は、十分な圧力(及び、望む場合には温度)下で1対のパターン付き又はパターン無しピンチローラ132及び134で達成し、第1の相互接着繊維層(ここではメルトブローン層)を構成する繊維とあらゆる任意的な補強ストランドとの間の自原性接着を容易にするのを助けることができる。
【0053】
上に論じたように、任意的な補強ストランド及び第1の相互接着繊維層は、移動表面上に堆積される。本発明の実施形態の1つでは、メルトブローン繊維は、任意的な押し出された補強ストランドの上面上に直接形成される。これは、ストランド及び表面を相互接着繊維層(図2に示す工程の形態ではメルトブローン材料)を生成する機器の下に通過させることにより達成される。或いは、メルトブローン材料のような第1の相互接着繊維層を表面上に堆積することができ、第1の相互接着繊維層上に任意的な補強ストランドの実質的に平行な列(又は他の位置合わせ)を直接形成することができる。ストランド形成及び繊維形成機器の種々の組み合わせを設置し、異なる種類の基層を生成することができる。例えば、基層は、補強ストランド及び相互接着繊維層の交互層を含むことができる。また、相互接着繊維層を形成するか補強ストランドを生成するためのいくつかのダイを直列に配列し、繊維又はストランドを重ね合わせた層を生成することもできる。また、当然、第1の相互接着繊維層は、補強ストランドを用いずに作ることができる(例えば、補強ストランドを用いずにメルトブローン材料で構成される)。
【0054】
第1の相互接着繊維層を形成するための手段の位置に対する任意的な補強ストランドを形成するための手段の位置を(支持部114が移動する速度の範囲を考慮して)選択し、任意的な補強ストランドを押し出す時と第1の相互接着繊維層が補強ストランドに接触する時(又は、第1の相互接着繊維層が最初に形成され、第1の相互接着繊維層に補強ストランドが押し出される場合にはその逆)との間を望ましい時間間隔にすることができる。典型的には、この時間間隔により、補強ストランド、第1の相互接着繊維層、又は両方は、幾分粘着性であることになり、自原性接着することができるようになる。しかし、補強ストランド、相互接着繊維層、又は両方に接着剤を塗布して接着を促進することができることにも留意されたい。
【0055】
上に記載したように、本発明は、相互接着繊維層、補強ストランド、又は両方を形成するためにダイの複数の組を意図する。更に、前記毛管の線状列内、毛管の複数組の線状列の間、又は両方の個々の毛管は、異なる大きさとすることができる。また、毛管の所定の線状列のための動作パラメータ(例えば、溶融ポリマーが毛管から出る温度、出ている繊維又はストランドを運搬し、及び/又は減衰するのに用いられるあらゆる空気流の速度及び/又は温度、その他)は、前記直線状列にわたって、毛管の線状列の複数組の間で、又は両方で異なることができる。
【0056】
補強ストランド及び/又は第1の相互接着繊維層を作ることができる代表的な材料
第1の相互接着繊維層及びあらゆる任意的な補強ストランドは、このような繊維層及びストランドに製造することができるあらゆる材料で作ることができる。エラストマー特性が必要であるか、それから利益を得ることができるパーソナルケア用品では、基層は、相互接着繊維層に適切なエラストマー繊維形成樹脂又はそれを含むブレンドを用いて作ることができ、補強ストランドにはあらゆる適切なエラストマーストランド形成樹脂又はそれを含むブレンドを用いることができる。この繊維及びフィラメントは、同じ又は異なるエラストマー樹脂で形成することができる。
【0057】
例えば、相互接着繊維層及び/又は補強ストランドは、一般式A−B−A’(式中、A及びA’は各々、ポリ(ビニルアレーン)のようなスチレン成分を含む熱可塑ポリマー末端ブロックであり、Bは、共役ジエン又は低級アルケンポリマーのようなエラストマーポリマー中間ブロックである)を有するブロックコポリマーで作ることができる。ブロックコポリマーは、例えば、Shell Chemical Companyから商標KRATON Gで入手可能な(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン)ブロックコポリマーとすることができる。このようなブロックコポリマーの1つは、例えば、KRATON G−1657とすることができる。
【0058】
用いることができる他の例示的な材料には、例えば商標ESTANEでB.F.Goodrich & Co.から入手可能なもののようなポリウレタン材料、例えば商標PEBAXでRilsan Companyから入手可能なもののようなポリアミド材料、及び、例えば商標HytrelでE.I.DuPont De Nemours & Companyから入手可能なもののようなポリエステル材料が含まれる。メルトブローン繊維をポリエステル材料から形成する段階は、例えば、Mormanらに付与された米国特許第4,741,949号に開示されており、これは、本明細書に矛盾しないように引用によりそのまま本明細書に組み入れられる。また、有用なポリマーには、例えば、エチレンと、例えば、酢酸ビニル、不飽和脂肪族モノカルボン酸、及びそのようなモノカルボン酸のエステルのような少なくとも1つのビニルモノマーとのコポリマーが含まれる。コポリマー及びこれらのコポリマーからメルトブローン繊維を形成する段階は、例えば、米国特許第4,803,117号に開示されている。
【0059】
ポリマーには、加工助剤を加えることができる。例えば、ポリオレフィンをポリマー(例えばA−B−Aエラストマーブロックコポリマー)とブレンドして組成物の加工性を向上させることができる。ポリオレフィンは、このようにブレンドして高圧及び高温を適切に組み合わせた条件にすると、ブレンドした形でポリマーとともに押し出すことができるものである必要がある。有用なブレンドポリオレフィン材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテンを含み、これは、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー及びブテンコポリマーを含む。特に有用なポリエチレンは、U.S.I.Chemical Companyから商標Petrothene NA 601(本明細書ではPE NA 601又はポリエチレンNA 601ともいわれる)で入手することができる。2つ又はそれ以上のポリオレフィンを用いることができる。ポリマー及びポリオレフィンの押し出し可能なブレンドは、例えば、先に参照した米国特許第4,663,220号に開示されている。
【0060】
第1の相互接着繊維層及び/又は補強ストランドは、自原性接着を向上させるためにある程度の粘着性、付着性を有することができる。例えば、繊維及び/又はストランドに形成されるときにポリマー自身が粘着性を有することもでき、或いは、上に記載した押し出し可能な組成物に相溶性の粘着性付与樹脂を加え、自原的に接着する粘着性繊維及び/又はストランドを得ることもできる。粘着性付与樹脂及び粘着性押し出し可能組成物に関しては、この樹脂及び組成物が米国特許第4,787,699号に開示されており、本明細書と矛盾しないようにそのまま参照により組み入れられる。
【0061】
ポリマーと相溶性があり、加工(例えば押し出し)温度に耐えることができるあらゆる粘着付与剤樹脂を用いることができる。ポリマー(例えば、A−B−Aエラストマーブロックコポリマー)が、例えば、ポリオレフィン又は増量油のような加工助剤とブレンドされる場合には、粘着付与剤樹脂は、これらの加工助剤とも相溶性であることが必要である。一般に、水素化炭化水素樹脂は、温度安定性が良好であるため好ましい粘着性付与樹脂である。REGALREZ及びARKONシリーズの粘着付与剤は、水素化炭化水素樹脂の例である。ZONATAK 501 liteは、テルペン炭化水素の例である。REGALREZ炭化水素樹脂は、Hercules incorporatedから入手可能である。ARKONシリーズ樹脂は、Arakawa Chemical(U.S.A.)Incorporatedから入手可能である。当然、本発明は、このような3つの粘着性付与樹脂に限定されず、組成物の他の構成要素と相溶性であり、加工温度に耐えることができる他の粘着性付与樹脂を用いることもできる。
【0062】
典型的には、補強ストランド及び/又は相互接着繊維層の繊維を形成するのに用いられるブレンドには、例えば、重量で約40〜約80パーセントのポリマー、約5〜約40パーセントのポリオレフィン及び約5〜約40パーセントの樹脂粘着付与剤が含まれる。例えば、特に有用な組成物は、重量で約61〜約65パーセントのKRATON G−1657、約17〜約23パーセントのポリエチレンNA 601、及び約15〜約20パーセントのREGALREZ 1126を含むものであった。
【0063】
本発明の基層における第1の相互接着繊維層構成要素は、弾性及び非弾性繊維又は微粒子の混合物とすることができる。このような混合物の例として、エラストマー及び非エラストマー繊維が混和されてランダムに分散された繊維の単一の凝集ウェブを形成する米国特許第4,209,563号を参照し、この特許は、本明細書と矛盾しない範囲で引用により本明細書にそのまま組み入れる。このような複合体ウェブの別の例は、先に参照した米国特許第4,741,949号に開示されるような技術で作られるものとされることになる。この特許は、メルトブローン熱可塑性繊維及び他の材料の混合物を含む弾性不織材料を開示する。繊維及び他の材料は、メルトブローン繊維が運ばれるガス流で組み合わせられ、繊維が集積装置に集積される前に、メルトブローン繊維と、他の材料、例えば、木材パルプ、短繊維又は微粒子、例えば、活性炭、クレイ、デンプン、又は一般に超吸収体と呼ばれる親水コロイド(ヒドロゲル)微粒子と、の密接な絡合混和が起こり、ランダムに分散された繊維の凝集ウェブを形成するようにされる。
【0064】
基層及びそれから作られるパーソナルケア用品の湿潤回復性、強度、及び/又は表皮剥離特性を増大させるために、第1の相互接着繊維層及びあらゆる任意的な補強ストランドは、ポリプロピレンのようなポリオレフィンで作ることができる。補強繊維を形成するのに特に適切なポリマーには、ポリプロピレン及びポリプロピレン及びエチレンのコポリマーを含む。補強ストランド(及び/又は相互接着繊維層)を製造するのに有用な他のポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル及びポリアミドのような熱可塑ポリマーを更に含むことができる。また、弾性ポリマーを用いることもでき、これには、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、一般式A−B−A’又はA−Bを有するブロックコポリマー、例えばコポリ(スチレン/エチレン−ブチレン)、スチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−スチレン、スチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−スチレン、(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン、ポリ(スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン)等のようなブロックコポリマーが含まれる。
【0065】
また、時にメタロセン触媒と呼ばれる単点触媒を用いるポリオレフィンを用いて相互接着繊維層及び/又は補強ストランドを作ることもできる。多くのポリオレフィンが、繊維生成に利用可能であり、例えば、Dow ChemicalのASPUN76811A線状低密度ポリエチレン、2553 LLDPE及び25355及び12350高密度ポリエチレンのようなポリエチレンがこのような適切なポリマーである。ポリエチレンの溶融流れ速度は、それぞれ、約26、40、25及び12である。繊維形成ポリプロピレンには、Exxon Chemical Companyの3155ポリプロピレン及びMontell Chemical Co.のPF−304及び/又はPF−015を含む。多くの他のポリオレフィンが市販されている。
【0066】
また、相互接着繊維及び補強ストランド生成には生物分解可能ポリマーも利用可能であり、適切なポリマーには、ポリ乳酸(PLA)、及びBIONOLLE、アジピン酸及びUNITHOXのブレンド(BAU)が含まれる。PLAは、ブレンドではなく、ポリプロピレンのような純ポリマーである。BAUは、異なるパーセントのBIONOLLE、アジピン酸、及びUNITHOXのブレンドを表す。典型的には、短繊維のためのブレンドは、44.1パーセントBIONOLLE 1020、44.1パーセントBIONOLLE 3020、9.8パーセントアジピン酸及び2パーセントUNITHOX 480であるが、スパンボンドBAU繊維には、典型的には、約15パーセントアジピン酸を用いる。BIONOLLE 1020は、ポリブチレンサクシネートであり、BIONOLLE 3020は、ポリブチレンサクシネートアジペートコポリマーであり、UNITHOX 480は、エトキシル化アルコールである。BIONOLLEは、日本のShowa Highpolymer Co.の商標である。UNITHOXは、Baker Hughes Internationalの系列会社であるBaker Petroliteの商標である。
【0067】
ポリプロピレン、及び他のこのようなポリマー材料は、一般に、特に、繊維が大きな直径で作られる場合には硬くて強力な繊維を作る。更に、あらゆる任意的な補強ストランドが作られるポリマー材料は、補強ストランドが第1の相互接着繊維層が軟化する温度より高い温度で軟化するように選択することができる。あらゆる任意的な補強ストランドが支持部114の開口部を覆って押し出される実施形態では(図2を参照)、補強ストランドの材料又はそれを構成する材料をストランドの軟化点が第1の相互接着繊維層より高くなるように選択すると、真空142を与えても補強ストランドが開口部140に決して引き込まれないようにするのに役立つことができる。或いは、ダイの横方向寸法に沿う小さな直径の毛管の部位は、補強ストランドが支持部の開口部を覆って押し出されないように選択することができる。また、当然、あらゆる任意の補強ストランドを構成する材料は、開口部140近傍又はそれを覆うあらゆる補強ストランドが前記開口部に引き込まれるように選択することもできる。
【0068】
本発明の第2の相互接着繊維層を作るための代表的な方法
上に論じたように、図3は、嵩高の低密度材料を含む第2の相互接着繊維層を生成するための本発明の方法及び装置を示す概略図である。この場合、第2の相互接着繊維層は、A/B形態、即ち、左右対称構成、一般に並列又は偏心シース/コアの捲縮可能な2成分の実質的に連続な繊維を生成し、これらを無拘束環境で捲縮させることにより作られる。
【0069】
図3に示すように、2つのポリマーA及びBは、公知の熱可塑性繊維紡糸装置221でスパンボンドされ、2成分すなわちA/B形態の繊維223を形成する。繊維223は、次に、繊維延伸ユニット(FDU)225を通して移動させる。本発明の一実施形態によれば、当技術分野での標準法と異なり、FDUは加熱されず、周囲温度のままとする。繊維223は、実質的に連続な状態のままとされ、移動形成支持部227上に堆積される。繊維の堆積は、負の空気圧力ユニット又はワイヤ下排気機229により供給されるワイヤ下の真空により助けられる。
【0070】
次に、繊維223は、熱空気ナイフ(HAK)231又は熱空気拡散器233の1つの下を移動させることにより加熱され、これらは、両方とも図に示すが、二者択一的に通常の環境で用いられることは理解されると考える。通常の熱空気ナイフは、熱空気噴流を不織ウェブ表面上に吹付けるスロットを備えるマンドレルを含む。このような熱空気ナイフは、例えば、Arnoldらに付与された米国特許第5,707,468号に教示される。熱空気拡散器233は、同様の方式で作動するが、大きな表面積にわたって空気速度が小さく、従って、これに対応して空気温度が低い代替品である。繊維の群又は層は、これが第1の加熱ゾーンを通って移動する間に、外部皮膚溶融又は僅かな程度の非機能接着を受けることができる。「非機能接着」とは、本明細書の方法に従って加工するために繊維を適所に保持するのに対してのみ十分であるが、手動で操作されることになっている場合には繊維を互いに保持しないほど弱い接着である。このような接着は、付随的なものとすることもでき、望むならば完全に排除することもできる。
【0071】
次に、繊維は、熱空気ナイフ231又は熱空気拡散器233の第1の加熱ゾーンから第2のワイヤ235に渡され、そこで、繊維は、継続的に冷却され、捲縮を乱さないようにワイヤ下排出機229が除去される。繊維が冷却されると、z方向に、又はウェブの平面から出る方向に捲縮し、嵩高の低密度不織ウェブ237を形成することになる。ウェブ237は、次に、通気結合(タブ)ユニット239に運ばれ、望ましい程度の嵩高さ及び密度でウェブを硬化又は固定される。或いは、通気結合(タブ)ユニット239は、区域化し、熱空気ナイフ231又は熱空気拡散器233の代わりに第1の加熱ゾーンを設け、次に、冷却ゾーンを設け、この次には、ウェブを固定するのに十分な第2の加熱ゾーンを設けることができる。次に、固定ウェブ241は、後に本発明のパーソナルケア用品を構成するのに用いるために巻取りロール243等に収集することができる。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、第2の相互接着繊維層の実質的に連続な繊維は、2成分繊維である。本発明のウェブは、単一デニールの構造(即ち、1つの繊維の多きさ)を含むこともでき、混合デニール構造(即ち、複数の繊維の大きさ)を含むこともできる。適切な2成分繊維の構造成分を形成するのに特に適切なポリマーには、ポリプロピレン及びポリプロピレン及びエチレンのコポリマーが含まれ、2成分繊維の接着剤成分に特に適切なポリマーには、ポリエチレン、更に詳細には線状低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンが含まれる。また、接着剤成分は、捲縮可能性を向上させるか及び/又は繊維の接着温度を低下させるほか、得られるウェブの耐摩耗性、強度及び軟らかさを向上させる添加剤を含むことができる。本発明により加工するのに特に適切な2成分ポリエチレン/ポリプロピレン繊維は、PRISMとして公知である。PRISMの説明は、Strackらに付与された米国特許第5,336,552号に開示されている。本発明により作られたウェブは、更に、限定ではないが、PET、コポリ−PP+3%PE、PLA、PTT、ナイロン、PBT、等のようなPP/PEに変わる樹脂を有する繊維を含むことができる。繊維は、5葉性、トリ−T、中空、リボン、X、Y、H、及び非対称な断面を含む種々の別の形状及び対称性とすることができる。
【0073】
第2の相互接着繊維層を製造するのに有用なポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル及びポリアミドのような熱可塑ポリマーを更に含むことができる。また、弾性ポリマーを用いることもでき、これには、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、一般式A−B−A’又はA−Bを有するブロックコポリマー、例えばコポリ(スチレン/エチレン−ブチレン)、スチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−スチレン、スチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−スチレン、(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン、ポリ(スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン)等のようなブロックコポリマーが含まれる。
【0074】
また、時にメタロセン触媒と呼ばれる単点触媒を用いるポリオレフィンを用いることもできる。多くのポリオレフィンが、繊維生成に利用可能であり、例えば、Dow ChemicalのASPUN76811A線状低密度ポリエチレン、2553 LLDPE及び25355及び12350高密度ポリエチレンのようなポリエチレンがこのような適切なポリマーである。ポリエチレンの溶融流れ速度は、それぞれ、約26、40、25及び12である。繊維形成ポリプロピレンには、Exxon Chemical Companyの3155ポリプロピレン及びMontell Chemical Co.のPF−304及び/又はPF−015を含む。多くの他のポリオレフィンが市販されている。
【0075】
また、繊維生成には生物分解可能ポリマーも利用可能であり、適切なポリマーには、ポリ乳酸(PLA)、及びBIONOLLE、アジピン酸及びUNITHOXのブレンド(BAU)が含まれる。PLAは、ブレンドではなく、ポリプロピレンのような純ポリマーである。BAUは、異なるパーセントのBIONOLLE、アジピン酸、及びUNITHOXのブレンドを表す。典型的には、短繊維のためのブレンドは、44.1パーセントBIONOLLE 1020、44.1パーセントBIONOLLE 3020、9.8パーセントアジピン酸及び2パーセントUNITHOX 480であるが、スパンボンドBAU繊維には、典型的には、約15パーセントアジピン酸を用いる。BIONOLLE 1020は、ポリブチレンサクシネートであり、BIONOLLE 3020は、ポリブチレンサクシネートアジペートコポリマーであり、UNITHOX 480は、エトキシル化アルコールである。BIONOLLEは、日本のShowa Highpolymer Co.の商標である。UNITHOXは、Baker Hughes Internationalの系列会社であるBaker Petroliteの商標である。これらの生物分解可能ポリマーは、親水性であり、そのため、本発明の吸込み(intake)システム材料の表面に用いるのには好ましくないことに留意されたい。
【0076】
上記により、捲縮可能な2成分繊維は、HAK 231、熱空気拡散器233又は第1の加熱ゾーンの区域化タブ(図示せず)により、ポリエチレン結晶領域がその配向した分子鎖を弛緩し始め、場合によっては溶融を開始させ始めることになる温度まで加熱する。捲縮を起こすのに用いられる典型的な空気の温度は、約110〜260°Fの範囲であった。この温度範囲は、ポリマーの溶融温度を通して殆ど分子鎖が弛緩しない部分溶融温度(submelting degree)の温度を表す。HAK231から空気流の熱は、狭い加熱ゾーンを通る繊維の滞留時間が短いため、高くすることができる。更に、配向された繊維の分子鎖に熱が印加されると、分子鎖移動性が増大する。配向されるため余計に、鎖はランダム状態で弛緩することを優先する。従って、鎖が屈曲して折れ曲がると、付加的な縮化が引き起こされる。ウェブへの熱は、熱空気、IRランプ、マイクロウェーブ、又はポリエチレンの半結晶領域を加熱して弛緩させることができるあらゆる他の熱源により与えることができる。
【0077】
次に、ウェブは、ポリマーの温度をその結晶化温度より下に下げる冷却ゾーンを通過する。ポリエチレンは半結晶材料であるため、ポリエチレン鎖は、冷却されると再結晶し、ポリエチレンを縮化させる。他に繊維がどの方向にも自由に移動できないようにする主な力が存在しない場合には、この縮化により、並列型繊維の片側に捲縮又は巻き付きを起こす力が生じる。冷却FDUを用いることにより、繊維は、標準高温FDUを通して処理した繊維に標準的な密ならせん状に捲縮しないように構成される。その代わりに、繊維は、それより緩やかでランダムに捲縮され、それによって繊維のz方向を嵩高くする。
【0078】
捲縮の量及び種類に影響を及ぼす可能性がある因子には、第1の加熱ゾーンで加熱されるウェブの滞留時間が含まれる。捲縮に影響を及ぼす他の因子には、繊維デニール、ポリマーの種類、断面形状及び坪量のような材料特性を含むことができる。また、真空、吹き込み空気、又は接着の何れかで繊維を拘束しても、本発明の嵩高の低密度ウェブに達成されることが望ましい捲縮の量、従って嵩高さ、又は嵩に影響を及ぼすことになる。従って、繊維が冷却ゾーンに入ると、真空が印加され、形成ワイヤ227又は第2のワイヤ235に繊維が保持される。冷却ゾーンでは、吹き込み空気は、実際的又は望ましい程度まで制御又は排除される。
【0079】
繊維は、ワイヤ下真空の量、FDU圧力、及びFDUからワイヤ表面までの形成高さにより制御するとおりに、高度MD配向で形成ワイヤ上に堆積することができる。高度MD配向を用いて、以下に更に説明するように、ウェブを極めて嵩高にすることができる。更に、特定の繊維及び処理パラメータに応じて、FDUの空気ジェットは、固有周波数を示すことになり、ウェブの嵩高さにせり出し効果のような特定の形態特性を生じるのに役立つことができる。
【0080】
繊維223が第1の加熱ゾーンの空気流で加熱され形成ワイヤ227により第2のワイヤ235に渡される図3の例示的な実施形態によれば、理論に縛られないが、繊維の嵩高さに役立つように、いくつかの捲縮機構が起こると考えられている。即ち、ワイヤ下排出機がそれを通して周りの空気を引くことによりウェブを冷却することになり、これが、接着を防止して嵩高さの形成を制限する;ウェブが真空ゾーンから第2のワイヤまで移送されると、真空力が除去され、無制約の繊維が自由に捲縮することと、機械的に、高度MD配向表面層のMD表面層縮化により、表面繊維を座屈させることができることと、高度MD配向表面シャーリング及び接着により内層面繊維がせん断を続けるため、機械的せん断が引き起こされることになり、それによって層のせり出しを引き起こすことにより嵩高さを生成することと、FDUジェットの固有周波数で機械的座屈パターンを生成することができ、これにより加熱繊維が同じ周波数で嵩高くされることになることと、真空領域を離れるときに繊維が形成ワイヤ227から放出されると、機械的力が生成され、その後、真空ユニット229に向かって短時間に引き戻されることと、摩擦電気(摩擦)静電荷がウェブ上に蓄積し、繊維が互いに反発してウェブ内で更に嵩高くさせることと、である。
【0081】
上に記載する例示的な工程を用いて第2の相互接着繊維層を形成することに関する付加的な詳細は、「捲縮フィラメントの嵩高の低密度不織ウェブ及びそれを作る方法」と題され、発明者としてPolanco、Braulioらを列記する米国特許公開番号第2005/0098256A1号に見出すことができる。この米国特許公開は、本明細書と矛盾しないように引用によりそのまま組み入れられる。
【0082】
代表的な両面パーソナルケア用品
第1及び第2の相互接着繊維層は、多くの方法で組み合わせることができる。例えば、2つの層を接合する前に、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤、アタクチック及びアイソタクチックポリオレフィンのブレンド、又は他のそのような材料)を層の何れか又は両方の表面に塗布することができる。接着剤は、一方または両方の層の表面にスプレー、コーティング、印刷、又は他の方法で付随させることができる。或いは、例えば、熱の形のエネルギーを一方又両方の表面に誘導し、それによって、加熱表面又はその近傍でその繊維を軟化させるか他の方法で粘着性にすることができる。次に、2つの層は、前記加熱(各)表面で接合し、繊維の両方の表面が互いに融合又は接着することができる。接着剤の塗布又はエネルギーを入力した後、得られる積層体は、1つの層を他方の層に取り付けるのを助けるために2つのロールの間のニップを通して誘導することができる。
【0083】
第1及び第2の相互接着繊維層は、単一の動作ラインで作って互いに取り付けることができる。或いは、各層は、別個に作り、次に、巻き上げてロールを形成することができる。これらのロールは、次に、リールに配置され、接着剤で、エネルギーを与えて、又はその両方で層がその表面で互いに接合するように系統的に巻き戻すことができる。これらの層は、それが作られる同じ地理的位置で接合することができる。或いは、一方又は両方の層は、1つ又はそれ以上の地理的位置で作り、その後、層を接合する別の地理的位置に輸送することもできる。
【0084】
一般に、両面パーソナルケア用品は、用品の消費者、購入者、又は使用者が使用するのに適合する形及び形状にされることになる。従って、用品は、長方形、正方形、卵形等とすることができる。或いは、用品は、卵、星、六角形、八角形、又は他の同様な形状とすることができる。一般に、用品は、皮膚又は組織を清浄化及び/又は加湿及び/又は表層剥離、刺激、又は優しく研磨することができる限り、どのような形状を選択することもできる。
【0085】
選択した形状は、各相互接着繊維層から形状を切断するか又は他の方法で得て、その後、これらの切断するか他の方法で得た形状を互いに接合又は取り付けることにより生成することができる。或いは、第1及び第2の相互接着繊維層は、互いに接合することができ、その組み合わせが形成された後、その組み合わせから形状を切断又は他の方法で得ることにより望ましい形状が生成される。
【0086】
また、本発明は、第1の相互接着繊維層と第2の相互接着繊維層との間に挟まれる1つ又はそれ以上の層が意図される。基本的に、得られる用品が、各々本文書の他所に述べた構造及び特性を有する第1の相互接着繊維層及び第2の相互接着繊維層を含む限り、あらゆる構成又は様式の構造を用いることができる。
【0087】
積層体を作る前又は後、又は望ましい形状のパーソナルケア用品を切断するか得る前又は後に、繊維層の何れか又は両方に清浄化及び/又は加湿組成物を導入することができる。
【0088】
本発明の両面パーソナルケア用品に堆積させることができる代表的な清浄化組成物
本発明の両面パーソナルケア用品上に堆積又は他の方法で付随させることができる清浄化組成物には、石鹸、スキンローション、コロン、日焼け止め、シャンプー、ゲル、ボディーソープ等が含まれる。このような組成物は、固体、液体、ゲル、発泡体、又は他の形とすることができる。また、このような組成物は、保湿剤又は配合物を含むこともでき、それとすることもできる。
【0089】
多くの清浄化組成物は、水及び界面活性剤のような同様のコア原料を含む。また、これらは、油、洗剤、乳化剤、フィルム形成剤、ワックス、芳香剤、保存料、皮膚軟化剤、溶媒、増粘剤、湿潤剤、キレート剤、安定剤、pH調節剤等を含むこともできる。例えば、米国特許第3,658,985号では、陰イオンベースの組成物は、少量の脂肪酸アルカノールアミドを含む。米国特許第3,769,398号は、少量の非イオン性界面活性剤を含むベタインベース組成物を開示している。また、米国特許第4,329,335号は、主原料としてベタイン界面活性剤、及び少量の非イオン性界面活性剤及び脂肪酸モノ又はジ−エタノールアミドを含む組成物を開示している。米国特許第4,259,204号は、重量で0.8〜20%の陰イオン性リン酸エステル、及び陰イオン性、両性、又は非イオン性の何れかとすることができる1つの付加的な界面活性剤を含む組成物を開示している。米国特許第4,329,334号は、多量の陰イオン性界面活性剤及びそれより少量のベタイン及び非イオン性界面活性剤を含む陰イオン性両性ベースの組成物を開示している。
【0090】
米国特許第3,935,129号は、アルカリ金属シリケート、尿素、グリセリン、トリエタノールアミン、陰イオン性洗剤及び非イオン性洗剤を含む液体清浄化組成物を開示している。シリケート含量により、液体清浄化組成物中の陰イオン性及び/又は非イオン性洗剤の量が決まる。米国特許第4,129,515号は、実質的に等量の陰イオン性及び非イオン性界面活性剤、アルカノールアミン及びマグネシウム塩、及び、任意的に、石鹸水調節剤として双性イオン界面活性剤の混合物を含む液体洗剤を開示している。米国特許第4,224,195号は、特定の群の非イオン性洗剤、即ち、第二アルコールのエチレンオキシド、特定の群の陰イオン性洗剤、即ち、第二アルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、及びベタインとすることができる両性界面活性剤を含む水性洗剤組成物であって、陰イオン性又は非イオン性界面活性剤の何れかを主原料とすることができるものを開示している。全ての非イオン性界面活性剤を含む洗剤組成物は、米国特許第4,154,706号及び第4,329,336号に示されている。米国特許第4,013,787号は、コンディショニング及びシャンプー組成物のピペラジンベースポリマーを開示している。米国特許第4,450,091号は、両性ベタイン界面活性剤、ポリオキシブチレンポリオキシエチレン非イオン性洗剤、陰イオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステルのブレンドを含む高粘性組成物を開示している。米国特許第4,595,526号は、非イオン性界面活性剤、ベタイン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及びC12〜C14脂肪酸モノエタノールアミン発泡体安定剤を含む組成物を記載している。本明細書で論じる特許の内容は、本明細書にそのまま述べ、本明細書と矛盾しない範囲で引用により組み入れられる。
【0091】
これらの原料に関する別の情報は、例えば、Cosmetics & Toiletries第102巻第3号1987年3月;Balsam,M.S.ら編Cosmetics Science and Technology第2版第1巻27〜104頁及び179〜222頁Wiley−lnterscienceニューヨーク1972年第104巻67〜111頁1989年2月;Cosmetics & Toiletries第103巻第12号100〜129頁1988年12月、Nikitakis,J.M.編CTFA化粧品原料の手引き第1版、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association、Inc.出版ワシントンD.C.1988年、Mukhtar,H編皮膚の薬理学、CRC Press1992年;及びGreen,FJ、染色、染料及び指標のSigma−Aldrich手引き書;ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Company1991年を参照にすることにより得ることができ、その内容は、本明細書にそのまま述べ、本明細書と矛盾しない範囲で引用により組み入れられる。
【0092】
本発明を実施するのに用いることができる例示的な材料は、限定ではないが、Ernest W.FlickによりCosmetic and Toiletry Formulations、ISBN 0−8155−1218−X、第2版第XII章(707〜744頁)で論じられているものを更に含む。
【0093】
本発明の両面パーソナルケア用品に伴う組成物又は配合物に含むことができる他の原料には、乳化剤、界面活性剤、粘性調節剤、天然保湿因子、抗微生物活性剤、pH調節剤、酵素阻害剤/不活性化剤、懸濁剤、顔料、染料、着色剤、緩衝剤、芳香剤、抗菌活性剤、抗真菌活性剤、医薬活性剤、フィルム形成剤、脱臭剤、乳白剤、収斂剤、溶媒、有機酸、保存料、薬物、ビタミン、アロエベラ、その何らかの組み合わせ等が含まれる。
【0094】
このような組成物及び配合物は、両面パーソナルケア用品に種々の方法で塗布するか、配置するか、別の方法でそれに付随させることができる。例えば、組成物又は配合物は、第2の相互接着繊維層に注入することができる。或いは、組成物又は配合物は、第2の相互接着繊維層にスプレーするかコーティングすることもできる。また、組成物又は配合物は、パーソナルケア用品内又はその表面にスプレー、コーティング、印刷、押し出し、又は注入することもできる。
【0095】
典型的には、液体の形態の石鹸、組成物、又は他の配合物は、1又は2回用いると散逸することになる。言い換えると、パーソナルケア用品に付随する石鹸、組成物、又は他の配合物の初期量のかなりの部分は、最初に用いる間に用品から解離することになる。解離は、用品を用いる間に、石鹸、組成物、又は配合物が水に溶けるか他の方法で運ばれることにより起こるようである。パーソナルケア用品を2回目に用いる場合には、最初に用いたときに散逸した石鹸、組成物、又は他の配合物の部分は、2回目に用いるときには利用可能ではない。上に述べるように、数回用いた後には、パーソナルケア用品は、石鹸、組成物、又は他の配合物が殆ど又は全く残っていない。パーソナルケア用品が使用者により限定的に使用するようにされている場合には、付随するあらゆる石鹸、組成物、又は他の配合物が解離することにより、使用者に用品を廃棄することができるという合図となる。製品の製造業者及び/又は販売業者及び/又は小売業者は、購入者又は使用者に、付随する石鹸、組成物、又は他の配合物が解離すると用品を廃棄することができる合図となると明確に伝えることができる。
【0096】
パーソナルケア用品が限定的に使用されるようにする場合には、用品を用いることができる回数は多数の方法で変化させることができる。例えば、石鹸、組成物、又は他の配合物の物理的特性は、石鹸又は他の材料が溶解するか運ばれる速度が変更されるように変更することができる。例えば、材料の粘性を増大させることができる。或いは、組成物の親水性の/疎水性特性を変化させることができる。或いは、石鹸、組成物、又は他の配合物は、マイクロカプセル封入することができ、マイクロカプセルにより、何らかの外部刺激が与えられた後にその内容物が利用可能になる(例えば、マイクロカプセルが使用者が用品又は基層を用いるときに存在することになるような外部力が加わることにより破壊されるか、又は、マイクロカプセルが、水溶性であることが公知の材料を用いて作られ、マイクロカプセルの溶解速度が、使用中にマイクロカプセル封入材料の利用可能性が望ましい使用回数にわたって延長されるように選択される)。別の方法では、石鹸、組成物、又は他の配合物は、(液体と対照的に)固体又は半固体の形で利用可能であり、用品の使用回数を望ましいものにするために石鹸の溶解又は分解速度を選択する。固体又は半固体の形の石鹸、組成物、又は配合物は、何らかの方法で基層又はパーソナルケア用品に付着することができる(例えば、固体石鹸は、多孔性又は透過性材料に入れて基層又はパーソナルケア用品が用いられる間に水が固体石鹸に到達するようにすることができる)。このようにして、基層又はパーソナルケア用品は、約1〜約5回、適切には約2〜約7回、又は約10回未満使用するのに適合させることができる。
【0097】
組成物又は配合物が、少なくとも部分的に、用品の使用者が使用する間に用品から放出されるようにされる限り、組成物又は配合物を用品に塗布又は付随させるあらゆる方法を用いることができる。
【0098】
本発明の両面パーソナルケア用品を含む代表的な包装
本発明の両面パーソナルケア用品の製造業者(洗浄及び/又は表層剥離及び/又は加湿バフ又はパッド又は他のそのような用品であることに関係なく)は、前記用品の購入者、消費者、又は使用者に伝えるファッションメッセージ、説明、又は広告文案を作ることができる。このようなメッセージ、説明、又は広告文案は、用品の使用者の心で、本発明の用品又はその使用と、1つ又はそれ以上の精神状態、心理状態、又は健康状態との間を関連付けるのを容易にするか確立するのに役立つように作ることができる。情報、説明、又は広告文案には、例えば、リラックス、平和、活力、活力を与える、性、官能性、肉感的な、温泉、精神、霊的、清潔、新鮮、山、郊外、風味、海、空、健康、衛生、水、滝、水分、加湿、その派生語又はその組み合わせ、又は他のそのような状態を含む種々の英数字列を含むことができる。実施形態の1つでは、情報、説明、又は広告文案により、消費者の心で、本発明の両面パーソナルケア用品と、温泉又は温泉関連経験との間の精神的関連付けが生じる。
【0099】
上に挙げたような英数字列は、単独で用いることもでき、他の英数字列に隣接して、又はそれと組み合わせて用いることもできる。情報、説明、メッセージ、又は広告文案は、新聞広告、テレビ広告、ラジオ又は他の音声広告、住所に直接郵送される品目、住所に電子メールで送られる品目、インターネットウェブページ又は他のそのような投函物、独立型挿入紙、クーポン、種々の販売促進(例えば、取引促進)、他の会社との共同販売促進、広告文案等、製品(この場合は本発明の用品)を含む箱又は包装の形、及び消費者又は潜在的消費者に情報を宣伝する他のそのような形をとる(即ち、このようなメディアで実現する)ことができる。このような情報、説明、メッセージ及び/又は広告文案の他の例示的な形態は、例えば、両方とも「トイレトレーニング材料を表示するための方法及びそれを用いるディスプレイキオスク」と題される米国特許第6,612,846号及び第6,896,521号、;「接触に応答してトイレトレーニングに関する予め記録されたメッセージを発音する方法」と題される同時係属米国特許出願番号第10/831476号、;「各性に特化した液体処理特性を有する性限定的な吸収性物品を製造する方法及び市販する方法」と題される同時係属米国特許出願番号第10/956763号に見出すことができ、その各々は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。
【0100】
説明、広告文案、メッセージ、又は他の情報を(例えば、文、画像、記号、図形、(各)色等を包装に印刷することによるか、又は印刷した説明書を包装に入れることによるか、又はこのような説明書、クーポン、又は他の材料を包装に付随させるか付着させること等により)本発明の用品を含む包装に付随させるときには、前記包装の構成材料は、包装の少なくとも一部を通る水又は水蒸気の流れを減少、妨害、又は排除するように選択することができることに留意されたい。或いは、包装は、水蒸気の透過を容易にするように選択することもできる。
【0101】
上に記載したように、本発明の実施形態のいくつかは、清浄化組成物、加湿組成物、その何らかの組み合わせ等を含む。このような組成物は、水を含むことができる。従って、それに含まれる用品から水又は水蒸気が蒸発又は透過するのを減少、最小化、又は排除する包装、容器、封筒、バッグ等が有利である可能性がある。更に、用品は、それに含まれる用品から水又は水蒸気が流れるか透過するのを阻害、減少、又は排除する容器、小包装、封筒、バッグ等に個別に包装することができる。本出願においては、「包装」、「容器」、「封筒」、「バッグ」、「小包装」等は、個々の用品(例えば、単一の用品を含む個々の小包装に入れる)、又は複数の用品(個々の用品の各々が別個の材料例えば個々の小包装に封入されて保持されているかどうかに関係なく、複数の用品を含むフィルムで作られた可撓性のあるバッグに入れる)の何れかを封入して保持するようにされたあらゆる材料をいう点で互換性がある。
【0102】
本発明の別の形態では、包装、容器、封筒、バッグ、小包装等を構成するための材料は、水又は水蒸気が容易に透過するように選択される。これは、用品を製造した後に、水ベースの清浄化組成物を含む両面パーソナルケア用品を系統的に乾燥することが望ましい場合である。
【0103】
本発明の実施形態のいくつかでは、包装は、1つ又はそれ以上の両面パーソナルケア用品だけでなく、他のパーソナルケア製品も含むことになる。実施形態の1つでは、清浄化及び/又は表層剥離及び/又は加湿バフ又はパッドのような本発明のパーソナルケア用品は、パーソナルケアに関する他の製品、特に、使用者の皮膚を清浄化、加湿、又は他の方法でケアすることに関する製品とともに販売、移送、流通、又は市販することができる。例えば、本発明の両面パーソナルケア用品は、使用者の皮膚(例えば、手、足、前腕、又は使用者の身体の他の部位)を加湿するためのパーソナルケア用品とともに販売、移送、流通、又は市販することができる。2005年7月26日にK.Closeらが出願した「組成物を送達するための用品」と題される同時係属米国特許出願(米国特許出願番号第11/190,597号)は、足を加湿するための組成物を含む靴下、及び手を加湿するための組成物を含む手袋を含むこのような用品を記載している。)この出願は、本明細書と矛盾しないように引用によりそのまま組み入れられる。本発明の別の形態では、本発明の両面パーソナルケア用品は、基層又は前記基層を含むパーソナルケア用品、例えば天然海綿の外観を有するプーフとともに販売される。「健康、衛生及び/又は環境(各)用途のための基層及びパーソナルケア用品、及び前記基層及びパーソナルケア用品を作る方法」と題され、K.Closeらにより2005年11月1日に出願された同時係属米国特許出願(米国特許出願番号はまだ割り当てられていない。内部整理番号K−C 21999)は、プーフを含むこのような用品を記載している。この出願は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。このようなパーソナルケア用品の他の組み合わせも可能で、本発明の範囲に含まれる。このような組み合わせは、先の段落に記載したように市販して包装することができることに留意されたい。本発明の形態の1つでは、これらの組み合わせは、この組み合わせを作り上げる個々の製品のデザイン、機能及び/又は外観が共通のテーマに関連するように市販される。例えば、テーマの1つは、各製品が、製品の使用者に温泉様、又は温泉関連の手当て又は経験を与えるものとすることができる。「温泉様」又は「温泉関連」とは、リフレッシュされ、リラクゼーションを求め、皮膚、毛髪、筋肉、手の爪、足の爪、顔、又は身体の他の部分等に有益な手当てを求める保養地、ホテル、又は他のそのような施設で客が受け取る可能性がある手当て又は経験に類似する流行の及び/又は有益な手当て又は経験に関するか、又はそのことをいう。
【0104】
これら及び本発明に対する他の変更形態及び変形形態は、添付の請求項に更に詳細に述べる本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者は実施することができる。更に、当業者には、前述の事項は、例を挙げたのみであり、このような添付の請求項で更に記載される本発明を制限することを意図しないことは理解されると考える。
【実施例】
【0105】
実施例1
嵩高の圧縮可能な材料である11オンス/平方ヤードのスペクトルスパンボンドをキンバリークラーク社から得た。この材料は、第2の相互接着繊維層に関して上に記載したように作られた。
【0106】
第1の相互接着繊維層は、補強ストランド/フィラメントを用いずに上に記載したように作った。この材料は、上に記載したようなメルトブローンユニット作業を用いて作られた。この層の一形態は、重量で97%の過酸化物を含まないポリプロピレンであるAchieve 3854(ルイジアナ州バトンルージュシーニックハイウェイ4999のExxonMobil)と、重量で3%のジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、ジョージア州ソーシャルサークルハイタワートレイル1196 30025のStandridge Color Corporationにより生成される)と、の乾燥ブレンドで作った。この層の別の形態は、重量で48.5%のポリプロピレン材料であるPro−Fax PF−015(Basell USA Inc.ウェストレイク108ハイウェイ4101)と、48.5%のAchieve 3854(ExxonMobil)と、3%ジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、Standridge Color Corporationにより生成される)と、の乾燥ブレンドで作った。この層の第3の形態は、重量で87%のPro−Fax PF−015(Basell USA)と、10%のVistamaxx PITD 1816と、3%ジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、Standridge Color Corporationにより生成される)と、の乾燥ブレンドで作った。
【0107】
本発明の基層を作るために、ウィスコンシン州グリーンビルのレビドライブW6470に営業所を置く会社であるMidwest Industrial Rubberからコンベヤベルトを得た。調製した基層に対しては、取得したベルトは、幅15.5インチ、長さ75インチであった(ベルト端部が共に接合してエンドレスベルトを形成する)。調達した各ベルトは、肌理付き表面を有していた。ベルトは、本明細書に従って、直径が0.25インチのダイカット円形穴を含むように製造業者により修正された。ダイカット穴の中心は、ベルトの幅寸法に0.375インチ離れており、列は、ベルトの長さ寸法に0.375インチ離れていた。取得したベルトの型番(ブラケットに製造業者により記載)は、MIR 7118[シリコーン;エンドレスベルト];MIR 1133[緑色、RT粗面上面;エンドレスベルト](このベルトを用いて以下に記載するように第1の相互接着繊維層を作る);MIR 1111[白色、陰のプロファイル;エンドレスベルト];及びMIR 1139[淡褐色、ダイアモンド上面;エンドレスベルト]であった。
【0108】
本発明の第1の相互接着繊維層は、図2に示したような工程を用いて作った。そこから相互接着繊維層が形成される毛管の先端は、移動支持部の表面から約8インチであった。更に、メルトブローダイの個々の毛管は、支持部が移動する方向に対して横方向に30穴/インチであるように配列した(支持部の移動方向に対して横方向に合計12インチの穴に相当)。これらのダイ毛管の直径は、約0.0145インチであった。
【0109】
相互接着繊維層のためのポリマー原料を押出し機に連結したホッパに加えた。次に、これらのポリマー原料は、ブレンドされて温度が約華氏500度に達するまで次第に加熱した。次に、溶融ポリマー材料を毛管を通して誘導することによりポリマー繊維を形成した。第1の相互接着繊維層のこの形態では、メルトブローン材料を形成するのに用いられる空気の一次空気温度は、コード1に対して約華氏600度、コード2及び3に対して約華氏500度であった。一次空気流がメルトブローダイを通して誘導される圧力は、約28ポンド/平方インチであった。ワイヤ下真空又は排出機は、3つ全てのコードに対して7インチ水であった。
【0110】
第1の相互接着繊維層の製造に対応する工程パラメータは、以下に与えられる。(「Mb融点」は、毛管の出口に近接する位置でのメルトブローン材料の華氏温度を与え、「Mb一次空気温度」は、材料が毛管を出るときにメルトブローン材料の周りに流れる加熱空気の華氏温度を与え、「MB一次空気圧」は、材料が毛管を出るときにメルトブローン材料の周りに流れる加熱空気の圧力(ポンド/平方インチ)を与えこの圧力を測定した位置は、毛管の組より上流で圧縮機源に近く、従って、毛管を出るメルトブローン材料の周りに実際に流れる空気の位置に近接する位置での圧力の期待される2〜3ポンド/平方インチより高く、「Mb PIH」とは、横方向に毛管の1直線インチを出るメルトブローン材料のポンド[質量]/時間をいい、「ライン速度」は、それを通して相互接着繊維層ここではメルトブローン材料が形成される毛管の組に対して横方向に移動するときの移動支持部/ベルトの線速度(フィート/分)を与え、「フィラメントPIH」とは、横方向に毛管の1直線インチを出るあらゆる任意的なフィラメント/補強ストランドのポンド[質量]/時間をいい、「フィラメント融点」は、対応する毛管の組から出るストランドに近接する位置でのあらゆる任意的なフィラメント/補強ストランドの温度を与え、「フィラメント:Mb比」は、フィラメントPIHのMb PIHに対する比を与え、「坪量」は、得られる基層の重量(グラム/平方メートル)を与える)。
【0111】
表1
*コード1〜3に対しては、顔料を用いなかった。これらの第1の相互接着繊維層の各々のポリマー組成は、コード1は、重量で100%のAchieve 3854、コード2は、重量で50%のAchieve 3854及び重量で50%のPro−Fax PF−015、コード3は、重量で90%のPro−Fax PF−015、10%のVistamaxx PITD 1816であった。染料で作られるコードは、類似の工程条件で作られ、本例1の第1段落に述べた組成を有するものであった。「NA」は、補強ストランドがコード1、2、及び3に対して形成されないという点で「適用されない」を表す。
**予想例。予想例4で用いられることになっているポリマー。即ち、メルトブローン/第1の相互接着繊維層=重量で97%のAchieve 3854(ルイジアナ州バトンルージュシーニックハイウェイ4999のExxonMobil)及び重量で3%のジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、Standridge Color Corporationにより生成される)であり、フィラメント/補強ストランド=Vistamaxx PLTD 1816(ExxonMobil;メタロセン触媒で作られるポリエチレン/ポリプロピレンエラストマーのブレンド)である。相互接着繊維層をフィラメント/補強ストランドとともに作ることに関する付加的な情報は、「健康、衛生及び/又は環境(各)用途のための基層及びパーソナルケア用品、及び前記基層及びパーソナルケア用品を作る方法」と題され、K.Closeらにより2005年11月1日に出願された同時係属米国特許出願(米国特許出願番号はまだ割り当てられていない;内部整理番号K−C21999)を参照されたい。この出願は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。
【0112】
第1の相互接着繊維層は、テキサス州ヒューストンに営業所を置く会社であるHuntsman Polymerから入手可能なポリプロピレンベースの接着剤であるSA−15を用いて第2の相互接着繊維層に接着した。この接着剤は、以下の同時係属米国特許出願及び特許、即ち、第US6774069 B2号、第US6872784 B2号、第US6887941 B2号に記載されており、その各々は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。ホットメルト接着剤を含む他の接着剤を用いることもでき、これには、Bostik Findleyから入手可能な接着剤であるH2840が含まれる。
【0113】
これらの代表的な例では、従来のホットメルト接着剤処理機器を用いて、SA−15接着剤は、流れることになるように温度約華氏400度まで加熱した。溶融接着剤は、次に、メルトブローンスプレー先端に導いて上に識別される嵩高のスペクトルスパンボンド材料(即ち、第2の相互接着繊維層)の表面又は面に接着剤をスプレーした。スペクトルスパンボンド材料及びメルトブローンされた第1の相互接着繊維層の両方は、ロールの形であり、ライン作業と同じ速度である50フィート/分の速度で巻き戻された。接着剤は、アドオンレベル20グラム/平方メートルで塗布した。接着剤を塗布したほぼ直後に(約1〜2秒未満)、接着剤を塗布した嵩高のスペクトルスパンボンド材料の表面又は面を第1の相互接着繊維層の表面又は面に接合し、その組合せを2つのロールのニップに誘導し、2つのロールの隙間は、1/2インチであった。この隙間幅を選択し、2つの材料を互いに接合するために十分であるが、得られる積層体(特に嵩高の材料)が過度に圧縮されない圧力をかける。得られる積層体は、次に巻き上げた。
【0114】
次に、卵形のダイを用いて、積層体から両面パーソナルケア用品を切断した。得られる用品は、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するため、皮膚を優しく清浄化するための両方に適合させた。
【0115】
実施例2
以下の原料は、特定された供給業者から入手し、以下の表の下の文に示されるように組み合わせた。
【0116】
列記した割合のデシルグルコシド、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、PEG−7グリセリルココエート、DMDMヒダントイン、ヨードプロピルブチルカルバメート、及びクエン酸及び水の溶液を列記した順で、Lightnin LabmasterミキサLIU10F(ニューヨーク集ロチェスターマウントリード大通り135)を用いて共に混合した。この界面活性剤溶液に、列記した質量の98%の水及び原料2〜12、14、及び17を加えて分散した。次に列記した量のパンテノールを列記した量の水の1%と混合して溶解した。次に、このパンテーノール混合物を先に調製した混合物に加えて混合した。次に、列記した質量の1パーセントの水を特定したクエン酸原料と組み合わせた。次に、得られるクエン酸溶液を用いて完成混合物のpHを5.5と6.5との間に調節した。次に、この完成され、PHを調節した混合物に、芳香剤を加えて分散した。
【0117】
次に、清浄化組成物を本発明のパーソナルケア用品に塗布するが、この場合は、4グラムの清浄化組成物を比較的均質にパーソナルケア用品の嵩高の基層(即ち、第2の相互接着繊維層)の表面に塗布することによる(上の例1に記載したコード1)。次に、パーソナルケア用品を第2の相互接着繊維層を上向きにして平坦な表面に配置し、清浄化組成物が用品に浸透するようにした、得られる上に記載した清浄化組成物で処理されたパーソナルケア用品は、皮膚を清浄化及び/又は手当て及び/又は加湿するのに有用な泡が形成されるとともに、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するようにされる。
【0118】
実施例3
以下の原料を、特定された供給業者から入手し、以下の表の下の文に示されるように組み合わせた。
【0119】
列記した割合のデシルグルコシド、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、PEG−7グリセリルココエート、DMDMヒダントイン、ヨードプロピルブチルカルバメート、及びクエン酸及び水の溶液を列記した順で、Lightnin LabmasterミキサLIU10F(ニューヨーク集ロチェスターマウントリード大通り135)を用いて共に混合した。この界面活性剤溶液に、列記した質量の98%の水及び原料2〜12、14、及び17を加えて分散した。次に列記した量のパンテノールを列記した量の水の1%と混合して溶解した。次に、このパンテーノール混合物を先に調製した混合物に加えて混合した。次に、列記した質量の1パーセントの水を特定したクエン酸原料と組み合わせた。次に、得られるクエン酸溶液を用いて完成混合物のpHを5.5と6.5との間に調節した。次に、この完成され、PHを調節した混合物に、芳香剤を加えて分散した。
【0120】
次に、清浄化組成物を本発明のパーソナルケア用品に塗布するが、この場合は、4グラムの清浄化組成物を比較的均質にパーソナルケア用品の嵩高の基層(即ち、第2の相互接着繊維層)の表面に塗布することによる(上の例1に記載したコード1)。次に、パーソナルケア用品を第2の相互接着繊維層を上向きにして平坦な表面に配置し、清浄化組成物が用品に浸透するようにした、得られる上に記載した清浄化組成物で処理されたパーソナルケア用品は、皮膚を清浄化及び/又は手当て及び/又は加湿するのに有用な泡が形成されるとともに、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するようにされる。
【0121】
実施例4:本発明の両面パーソナルケア用品の形態の物理特性
嵩高の第2の相互接着繊維層(例えば例1で引用したスペクトル材料)の直径は、画像分析により評価した。この層の繊維の平均直径は、18マイクロメートル(標準偏差1マイクロメートル)であった。
【0122】
第1の相互接着繊維層の2つの例の直径を求めた。これらの層は、一般に例1及び本明細書に記載するように作った。例の1つは、平均直径23マイクロメートル(標準偏差2マイクロメートル)を有する繊維を含んでいた。第2の例は、平均直径57マイクロメートル(標準偏差10マイクロメートル)の繊維を含んでいた。直径は、繊維の外周(側部)に垂直な線に沿う距離を測定することにより求めた。この距離は、二次元画像の2つの側部間の距離に一致する。
【0123】
各相互接着繊維層の相互接着繊維により定められる孔寸法を求めた。等価円形直径は、3回の反復分析に対して求め、各分析が300〜500の個々の測定を含んだ。嵩高の第2の相互接着繊維層の繊維により定められる孔の平均等価円形直径は、75マイクロメートル(標準偏差12マイクロメートル)であった。第1の相互接着繊維層(例1に記載したように作られる)の一例の繊維により定められる孔に対する平均等価円形直径は、57マイクロメートル(標準偏差3マイクロメートル)であった。第1の相互接着繊維層(例1に記載したように作られる)の第2の例の繊維により求められる孔の平均等価円形直径は、163マイクロメートル(標準偏差6マイクロメートル)であった。等価円形直径の分析に関する付加的な詳細は、「疎水性運搬層を有する吸収性物品」と題され、発明者としてStephen Meyerらが記載される米国特許第4,798,603号に示され、これは、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。本出願においては、この測定値は、「平均孔直径」又は「平均孔寸法」に一致する。
【0124】
一般に、孔が大きければ、表層剥離の間に皮膚表面から除去される破片、皮膚等を更に良好に受け取ることができると考えられているため、第2の相互接着繊維層の平均孔直径より大きな平均孔直径の孔を定める繊維を含む第1の相互接着繊維層が好まれる。また、一般に、第1の相互接着繊維層は、第2の相互接着繊維層の繊維の平均直径より平均直径が大きな繊維を含む。平均直径が大きいものは、一般に、皮膚の表層剥離及び/又は刺激を容易にするのに更に良好に適する硬い繊維に一致する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明のパーソナルケア用品の代表的形態を示す図である。
【図1A】本発明のパーソナルケア用品の代表的な形態を示す画像である。
【図1B】本発明のパーソナルケア用品の代表的な形態を示す画像である。
【図2】本発明の第1の相互接着繊維層(あらゆる任意的な補強ストランドを含む)を作るための工程の代表的な形態を示す図である。
【図3】本発明の第2の相互接着繊維層を作るための工程の代表的な形態の1つを示す図である。
【図4】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図4A】図4の線4A〜4Aで取った断面を示す図である。
【図5】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図5A】図5の線5A〜5Aで取った断面を示す図である。
【図6】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図6A】図6の線6A〜6Aで取った断面を示す図である。
【図7】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図7A】図7の線7A〜7Aで取った断面を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
1 パーソナルケア用品
3 第1の相互接着繊維層
5 第2の相互接着繊維層
【技術分野】
【0001】
多数の健康、衛生、及び/又は環境用途には、種々の基層、及びそのような基層で作られたパーソナルケア用品が用いられる。
【背景技術】
【0002】
合成の擦り洗い用パッド又は軽石のようなパーソナルケア用品は、皮膚を清浄化し、刺激し、及び/又は表層剥離するのに用いることができる。ヒトの身体は、そのような領域に圧力、摩擦、又は傷害が与えられることに応答し、皮膚及び皮膚の下の身体構造を保護するために肥厚して硬化し、死んだ皮膚の領域を形成する。このような死んだ皮膚の領域は、典型的には、手及び足に形成され、通常、たこ又はうおのめとして一般に公知である。たこ及びうおのめは、痛みを引き起こすほど大きくなると問題になる可能性がある。
【0003】
痛みのあるたこ及びうおのめに対して容認されている家庭での医学的治療の要素の1つは、患部を温水に漬け、その後、軽石のような装置を用いて死んだ皮膚を注意深く研磨して除去することである。しかし、軽石を用いると、問題が起こる可能性がある。軽石は、破損する球形の形状のガラスの泡で構成される。この破損により、これに伴う空洞を備える鋭いスコップ状表面が生成される。これらの空洞は、石を用いた後に表層剥離した皮膚を保持しがちである。これらの空洞に保持される皮膚を完全に除去するのは困難であり、その結果、様々な種類の微生物が成長する可能性がある。更に、軽石は、うおのめ及びたこの表面を研磨するのには有効であるが、使用者によってはその指先が過度に研磨される可能性がある。また、使用者は、旅行時には、軽石を持って行くことを望まないであろう。
【0004】
従って、必要とされているのは、湿った皮膚を研磨するのに用いることができるパーソナルケア用品であって、1)限定的に使用することができる(例えば、1回または2回用いた後に廃棄することができる)ように十分に費用を安くし、家から離れた所で用いるのに便利であるとともに微生物の成長を防止又は減少させる目的で使用後に装置を洗浄する必要性をなくし、2)湿潤時の一体性を維持し、3)快適であるように指の表面に対して十分に優しい表面を有するが、たこ及びうおのめの表面を研磨するのに十分研磨用の別の表面も有し、(4)望むならば、清浄化及び/又は加湿組成物又は配合物を用いることができる用品である。更に、前記パーソナルケア用品を作るための工程が必要とされている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,849,241号公報
【特許文献2】米国特許第5,213,881号公報
【特許文献3】米国特許第5,382,400号公報
【特許文献4】米国特許第5,108,820号公報
【特許文献5】米国特許第4,795,668号公報
【特許文献6】米国特許第5,336,552号公報
【特許文献7】米国特許第4,663,220号公報
【特許文献8】米国特許第4,741,949号公報
【特許文献9】米国特許第4,803,117号公報
【特許文献10】米国特許第4,787,699号公報
【特許文献11】米国特許第4,209,593号公報
【特許文献12】米国特許第5,707,468号公報
【特許文献13】米国特許第5,336,552号公報
【特許文献14】米国特許公開番号第2005/0098256A1号報
【特許文献15】米国特許第3,658,985号公報
【特許文献16】米国特許第3,769,398号公報
【特許文献17】米国特許第4,329,335号公報
【特許文献18】米国特許第4,259,204号公報
【特許文献19】米国特許第4,329,334号公報
【特許文献20】米国特許第3,935,129号公報
【特許文献21】米国特許第4,129,515号公報
【特許文献22】米国特許第4,224,195号公報
【特許文献23】米国特許第4,154,706号公報
【特許文献24】米国特許第4,329,336号公報
【特許文献25】米国特許第4,013,789号公報
【特許文献26】米国特許第4,450,091号公報
【特許文献27】米国特許第4,595,526号公報
【特許文献28】米国特許第6,612,846号公報
【特許文献29】米国特許出願番号第6,896,521号公報
【特許文献30】米国特許出願番号第10/831476号公報
【特許文献31】米国特許出願番号第10/956763号公報
【特許文献32】米国特許出願番号第11/150957号公報
【特許文献33】米国特許出願(内部整理番号K−C 21999号)
【特許文献34】米国特許第US6774069 B2号公報
【特許文献35】米国特許第US6872784 B2号公報
【特許文献36】米国特許第US6887941 B2号公報
【特許文献37】米国特許第4,798,603号公報
【非特許文献1】Cosmetics & Toiletries第102巻第3号1987年3月;Balsam,M.S.ら編Cosmetics Science and Technology第2版第1巻27〜104頁及び179〜222頁Wiley−lnterscienceニューヨーク1972年第104巻67〜111頁1989年2月
【非特許文献2】Cosmetics & Toiletries第103巻第12号100〜129頁1988年12月、Nikitakis,J.M.編CTFA化粧品原料の手引き第1版、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association、Inc.出版ワシントンD.C.1988年、Mukhtar,H編皮膚の薬理学、CRC Press1992年
【非特許文献3】Green,FJ、染色、染料及び指標のSigma−Aldrich手引き書;ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Company1991年
【非特許文献4】Ernest W.FlickによりCosmetic and Toiletry Formulations、ISBN 0−8155−1218−X、第2版第XII章(707〜744頁)
【0006】
(発明の開示)
本発明者らは、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を含み、該第1の相互接着繊維層の3次元の外形(任意的には前記相互接着繊維層の形状成形された不連続部と隣接する)が嵩高の材料を含む第2の相互接着繊維層と相互にかみ合うようにされた両面パーソナルケア用品は、使用者がそのような用品に望む一見相反する特性のバランスを取ることができ、必要な場合には、このような用品の使用者が限定的に使用されるようにすることができることを見出した。このような両面パーソナルケア用品は、清浄化組成物又は他の配合物を塗布及び/又は利用する(用品に含まれるか別個に塗布されるかには関係ない)ために使用でき、典型的には、嵩高の材料を含む第2の相互接着繊維層がこの目的に使用され、使用者の皮膚又は組織を表層剥離させ、刺激し、及び/又は優しく研磨するために使用でき、この目的には、一般に、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を用いることができることを見出した。
【0007】
図1は、本発明のパーソナルケア用品1の一形態を代表的に示す。パーソナルケア用品は、3次元外形を含む第1の相互接着繊維層3と、嵩高の材料を含み前記第1の相互接着繊維層に相互にかみ合う第2の相互接着繊維層5と、からなる。本発明のパーソナルケア用品のこの形態では、第1の相互接着繊維層の3次元の外形は、外形及び繊維がパーソナルケア用品の使用者の皮膚を刺激及び/又は表層剥離するようにパーソナルケア用品から離れる方向に延び(即ち、3次元の外形は、第1の相互接着繊維層から外向きに、従って、パーソナルケア用品から外向きに配向された面又は表面を伴う)るとともに、第2の相互接着繊維層内にも延び、従って、前記第2の層の一部とフック係合及び/又は他の方法で相互にかみ合う(即ち、3次元の外形は、第1の相互接着層から内向きに、第1の相互接着層が取り付けられた第2の相互接着繊維層の表面又は面に向かって配向された対向する表面又は面を伴う)。図1に示していないが、付加的な要素である補強ストランドを形成し、該ストランドを第1の相互接着繊維層の少なくとも一部に取り付けることができることに留意されたい。補強ストランドは、以下の説明の節に更に詳細に論じる。
【0008】
図1A及び図1Bは、本発明のパーソナルケア用品の代表的な画像を示す(これらの図の数は、上の図1に示すものと同じ要素を示す)。図1Aでは、5という数は、パーソナルケア用品における嵩高の第2の相互接着繊維層の側部を示す。図1Aの3という数は、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層の上部を示す。図1Bでは、5という数は、パーソナルケア用品の嵩高の第2の相互接着繊維層の側部を示す。3という数は、図1Bでは、3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層の側部を示す。これらの画像の両方で、接着剤(図示せず)を用いて、第1の相互接着繊維層の表面を第2の相互接着繊維層の表面に取り付けた。
【0009】
この用途では、「3次元の外形」又は「3次元の立体的形態」とは、ヒトの目で容易に識別可能な立体的形態を意味する(例えば、相互接着繊維層の表面の「谷」の基部から隣接する「畝」の上面まで約0.1ミリメートル又はそれ以上適切には約0.5ミリメートル又はそれ以上の高さの変化。「谷」とは、第1の層が取り付けられた第2の相互接着繊維層の表面に近い第1の相互接着繊維層の低い点又は陥凹を意味し、「畝」とは、第1の層が取り付けられた第2の相互接着繊維層の表面から遠い第1の相互接着繊維層の高い点又は隆起を意味する)。このような立体的形態は、筆記用紙の平坦なシート、又はトイレットティシュの平坦なエンボス加工されていないシートに付随する立体的形態に対比される。このような基層は、顕微鏡下では、顕微鏡的3次元立体的形態を有する表面が明らかになる。しかし、このような立体的形態は、相互接着繊維層の表面に関して本明細書に論じた3次元の立体的形態とは区別されることになる。
【0010】
本発明者らは、前述のパーソナルケア用品が、(1)3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を介して、パーソナルケア用品の使用者の皮膚を刺激及び/又は表層剥離及び/又は優しく研磨することができる構成要素及び/又は表面と、(2)嵩高の圧縮可能な材料で作られる第2の相互接着繊維層を介して液体を保持し、(例えば、使用中に層を「ポンピング」するか絞ることにより)泡を形成し、用品の使用者の皮膚を清浄化することができる層及び/又は表面と、をもたらすことを見出した。更に、第1の相互接着繊維層の谷又は陥凹部は、使用者の足、手、肘、又は他の身体部位から研磨された、死んだ皮膚を保持するのに役立つ可能性がある。また、第2の相互接着繊維層は、軟らかく柔軟で、保持するのが容易及び/又は快適である可能性がある。最後に、図示した実施形態では、第1の相互接着繊維層の3次元の外形は、第2の相互接着層内に延び、従って前記第2の相互接着繊維層とフッキング及び/又は相互にかみ合う。
【0011】
本発明の開発過程において、本発明者らは、通常コンベヤベルトとして用いられるゴムベルトを用いて3次元の外形を有する第1の相互接着繊維層を形成することができることを見出した。従来の形成ワイヤと異なり、このようなベルトは、(例えば、ベルトに開口部をダイカット、掘削、穿孔、又は他の方法で生成することによるほか、ベルトが開口部を有するように鋳造することにより)ベルトに開口部を形成するように容易に加工される。第1の相互接着繊維層がこの支持部(例えば、開口部を含むコンベヤベルト)上に形成される場合には、開口部の上又はその近傍の繊維層は、(この場合は真空によりしかし、正の圧力又は繊維層に力を与えるための他の機械的又は他の方法を用いることもできる)開口部に引き込んで繊維層に3次元の外形を生成することができる。即ち、第1の相互接着繊維層の3次元の外形の少なくとも一部は、支持ベルトの開口部に一致し、その中で形成された。これらの種々の肌理付き表面を備えたコンベヤベルト及びその類似物が利用可能である。異なる肌理を備えるコンベヤベルトを選択することにより、ベルトの肌理付き表面で第1の相互接着繊維層に付加的な3次元の外形を導入した。このように、コンベヤベルトを用いると、(例えば、花、動物、会社のロゴ又は商標、又は他のこのような記号又は画像のような認識可能な形状の切り抜きを含む)種々の大きさ、形状、及び位置の開口部又は陥凹部/谷をベルトに容易に組み入れ、相互接着繊維層の対応する形状成形された不連続部がベルトのこのような認識可能な形状を有するように)する能力が得られるだけでなく、ベルトの肌理付き表面に対応する相互接着繊維層に肌理付き表面を付与する能力も得られる。
本発明のこれら及び他の形態、実施形態、及び例は、本明細書の他所で論じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(定義)
本明細書においては、下の各用語又は語句は、以下の意味又は各意味を含む。
「取り付ける」及びその派生語は、2つの要素を接合する、接着剤接着する、連結する、接着する、縫い合わせる、堆積する、組み合わせること、及び同様なことをいう。2つの要素は、互いに一体化されるか、互いに直接取り付けられるか、各々が仲介要素に直接取り付けられるときのように互いに間接的に取り付けられるときに互いに取り付けられるとみなされることになる。「取り付ける」及びその派生語は、永久的、取外し可能、又は再締結可能な取り付けを含む。また、取り付けは、製造工程の間に、又は末端消費者によるかの何れかで完成することができる。
【0013】
「自原性接着」及びその派生語は、外部接着剤又は接着薬剤を塗布することなく繊維及び/又はフィラメントが融合及び/又は自己接着剤接着することにより生じる接着をいう。自原性接着は、繊維及び/又はフィラメントの少なくとも一部が半溶融又は粘着性である間に繊維及び/又はフィラメント間を接触させることにより生成することができる。また、自原性接着は、繊維及び/又はフィラメントを形成するのに用いられる熱可塑ポリマーに粘着性樹脂をブレンドすることにより生成することもできる。このようなブレンドから形成される繊維及び/又はフィラメントは、圧力及び/又は熱を印加するかどうかに関わり無く自己接着するようにすることができる。また、溶媒を用いて、溶媒が除去された後に残る繊維及びフィラメントを融合させることもできる。
【0014】
「接着する」及びその派生語は、2つの要素を接合する、接着剤接着する、連結する、取り付ける、縫い合わせる、等をいう。2つの要素は、互いに直接接着されるか、各々が仲介要素に直接接着されるときのように互いに間接的に接着されるときに互いに接着されるとみなされることになる。「接着する」及びその派生語は、永久的、取外し可能、又は再締結可能な接着を含む。上に記載するような「自原性接着」は、「接着」の一種である。「相互接着された」及びその派生語は、「接着」の一種である。
【0015】
「コフォーム」とは、メルトブローン繊維とセルロース繊維のような吸収性繊維とのブレンドをいい、これは、メルトブローンポリマー材料を空気形成し、同時に空気に浮遊させた繊維をメルトブローン繊維流内に吹き込むことにより形成することができる。また、コフォーム材料は、超吸収性材料のような他の材料を含むこともできる。メルトブローン繊維及び吸収性繊維は、小孔のあるベルトにより設けられるような形成表面上に収集される。形成表面は、形成表面上に配置された気体透過性材料を含むことができる。
【0016】
「清浄化組成物」、「清浄化配合物」又はその派生語は、固体、液体、ゲル、ペースト、発泡体等の形であるかに関係なく、パーソナルケア又は清浄化配合物又は組成物、シャンプー、ローション、ボディウォッシュ、手用殺菌剤、固形石鹸等をいう。また、「清浄化組成物」は、加湿配合物も含む。
【0017】
「結合する」及びその派生語は、2つの要素を接合する、接着剤接着する、接着する、取り付ける、縫い合わせること等をいう。2つの要素は、互いに直接結合されるか、各々が仲介要素に直接結合されるときのように互いに間接的に結合されるときに互いに結合されるとみなされることになる。「結合する」及びその派生語は、永久的、取外し可能、又は再締結可能な結合を含む。また、結合は、製造工程の間に、又は末端消費者によるかの何れかで完成することができる。
【0018】
「使い捨て」とは、洗濯するか又は他の方法で再使用のために復元しないで限定的な使用の後に廃棄されるように設計された物品をいう。
【0019】
「上に配置される」、「に沿って配置される」、「と共に配置される」又は「に向かって配置される」及びその派生語は、1つの要素が別の要素と一体化することができるか、1つの要素が別の要素に接着されるかそれと共に配置されるかその近傍に配置される別個の構造とすることができることを意味するものとする。
【0020】
「繊維」とは、長さ対直径又は幅比が大きな連続又は不連続部材をいう。従って、繊維は、フィラメント、糸、ストランド、ヤーン、又はあらゆる他の部材又はこれらの部材の組み合わせとすることができる。
【0021】
「親水性の」とは、繊維と接触する水性液体に濡れる繊維又は繊維の表面を表す。すると、材料の湿潤の程度は、液体及び用いる材料の接触角及び表面張力に関して表すことができる。特定の繊維材料又は繊維材料のブレンドの湿潤性を測定するのに適する機器及び技術は、Cahn SFA−222表面力分析システム、又は実質的に同等のシステムにより得ることができる。このシステムで測定する場合、接触角が90度未満である繊維は、「湿潤可能」又は親水性であるといわれ、接触角が90度より大きい繊維は、「非湿潤可能」又は疎水性であるといわれる。
【0022】
単数で用いる場合の「層」は、単一の要素又は複数の要素の二重の意味を有することができる。
【0023】
単層又は多層積層体を表すのに用いる場合の「液体不透過性」とは、液体が、通常の使用条件下で、液体が接触した点で層又は積層体の平面にほぼ垂直な方向に層又は積層体を通過しないことを意味する。
【0024】
「液体透過性」とは、液体不透過性でないあらゆる材料をいう。
【0025】
「メルトブローン」とは、複数の微細な、通常は円形のダイ毛管を通して、溶融熱可塑材料を一般に加熱された集束する高速ガス(例えば空気)流中に溶融糸又はフィラメントとして押し出し、この高速ガスが溶融熱可塑材料のフィラメントを細くしてその直径を減少させることにより形成された繊維をいう。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流により運ばれて集積表面又は支持部に堆積され、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウエブを形成する。このような工程は、例えば、Butinらに付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブロー法は、マクロ繊維(平均直径が約40から約100ミクロン)、テキスタイル状繊維(平均直径が約10と40ミクロンとの間)、及びミクロ繊維(平均直径が約10ミクロン未満)を含む種々の直径の繊維を形成するために用いることができる。メルトブロー法は、超微細ミクロ繊維(平均直径が約3ミクロン以下)を含むミクロ繊維を形成するのに特に適する。超微細ミクロ繊維を形成する例示的な工程の説明は、例えば、Timmonsらに付与された米国特許第5,213,881号に見ることができる。メルトブローン繊維は、連続又は非連続とすることができ、一般に、集積表面に堆積される時に自己接着する。
【0026】
単数で使用される場合の「部材」は、単一の要素又は複数の要素の2重の意味を有することができる。
【0027】
「不織」及び「不織ウエブ」は、布織り又は編み工程の介助なしに形成される材料及び材料のウエブをいう。例えば、不織材料、布又はウエブは、例えばメルトブロー法、スパンボンド法、空気堆積法、及びボンデッドカーデッドウエブ法などの多くの方法で形成されてきた。不織ウェブ又は材料の坪量は、通常、材料のオンス数/平方ヤード(osy)又はグラム/平方メートル(gsm)で表され、繊維の直径は、通常ミクロンで表される。(注:osyからgsmに変換するには、osyに33.91を掛ける。)
【0028】
「Z方向」とは、ウェブの配向平面の外側に配置された繊維をいう。ウェブは、機械方向にx軸、機械横方向にy軸、高さ方向にz軸を有し、その主平面又は表面は、x−y平面に平行に位置するとみなされることになる。「形成されたz方向繊維のように」という用語は、本明細書では、機械的捲縮又はしぼ寄せ又は他の方法で分裂された不織ウェブの場合のように不織ウェブの二次形成工程で得られるz方向成分を有する繊維とは区別し、不織ウェブを形成する間にz方向に配向する繊維をいうのに用いることができる。
【0029】
「実質的に連続な繊維」とは、不織ウェブ又は布に形成する前にその本来の長さから切断した繊維をいう。実質的に連続な繊維の平均長さは、約15センチメートルより大きい長さから1メートルを超え、形成されるウェブ又は布の長さまでの範囲とすることができる。「実質的に連続な繊維」の定義は、不織ウェブ又は布に形成される前に切断されないが、後に、不織ウェブ又は布が切断されるときに切断される繊維、及び実質的に直線状の、又は、捲縮された繊維を含む。
【0030】
「通気接着」又は「TAB」は、ウェブの繊維が作られるポリマーの1つを溶融するのに十分に熱い空気がウェブを通るように強制されることにより、不織ウェブ、例えば2成分繊維ウェブを接着する工程を意味する。
【0031】
「並列繊維」は、2成分又は複合繊維の分類に属する。「2成分繊維」という用語は、別個の押出し機から押し出されるが共に紡糸されて1つの繊維を形成する少なくとも2つのポリマーから形成された繊維をいう。また、2成分繊維は、複合繊維又は多成分繊維といわれることもある。2成分繊維は、例えば、Pikeらに付与された米国特許第5,382,400号で教示されている。複合繊維のポリマーは、通常、互いに異なるが、複合繊維は、単成分繊維であることもある。複合繊維は、Kanekoらに付与された米国特許第5,108,820号、Kruegerらに付与された米国特許第4,795,668号及びStrackらに付与された米国特許第5,336,552号に教示されている。複合繊維は、2つ(又はそれ以上)のポリマーを異なる割合で拡張及び収縮することにより繊維に捲縮を生じさせるのに用いることができる。
【0032】
「低機械方向配向」及び「高機械方向配向」は、本明細書で用いる場合、不織ウェブの繊維が、形成表面、例えばベルト又は他の支持部、又は小孔のあるワイヤの横方向に分配することができる程度をいう。低機械方向配向繊維は、ウェブを形成する間に形成表面の横方向に渡る分配が少ない高機械方向配向を示す繊維の集積より、横方向に渡って高い程度まで分散される。
【0033】
「約」、「実質的に」等のような程度の語は、本明細書では、「規定された環境に固有の製造及び材料許容差が与えられる場合には、その値、又はほぼその値」という意味で用いられ、悪意ある侵害者が、本発明の理解を助けるために正確又は絶対的な数字が述べられる本発明の開示事項を不正に利用しないようにするために用いられる。
【0034】
「機械方向」又はMDとは、生成される方向の布の長さを意味する。「機械横方向」又はCDとは、布の幅、即ち、MDにほぼ垂直な方向を意味する。
【0035】
「粒子」、「各粒子」、「微粒子」。「各微粒子」等は、個々の単位の形の材料をいう。粒子は、顆粒、微粉、粉末又は球体を含むことができる。従って、粒子は、例えば、立方体、ロッド様、多面体、球体又は半球体、円形又は半円形、角状、不規則、その他のようなあらゆる望ましい形状とすることができる。また、本明細書では、針、フレーク及び繊維のように最大寸法/最小寸法比が大きな形状を用いることも意図される。また、「粒子」又は「微粒子」は、2つ以上の粒子、微粒子等を含む集塊も表すことができる。
【0036】
(説明)
本発明の第1の相互接着繊維層を生成するための代表的な工程
図3は、本発明の第1の相互接着繊維層を形成するための方法の代表的な略図である。工程は、参照数字100により一般に表される。第1の相互接着繊維層に用いられる相互接着繊維層及び第1の相互接着繊維層に(少なくとも部分的に)取り付けられるあらゆる任意的な補強ストランドを形成するときには、押出し機106及び108のペレットホッパ102及び104に、押し出し可能ポリマーのペレット又はチップ等(図示せず)を導入する。(注:図3は、本発明の第2の相互接着繊維層を形成するための工程の代表的な図であり、これは、以下に更に詳細に記載される。)
【0037】
各押出し機は、通常の駆動モータ(図示せず)により駆動される押し出しスクリュー(図示せず)を有する。ポリマーが押出し機を進むと、駆動モータにより押し出しスクリューが回転するため、次第に加熱されて溶融状態になる。ポリマーが溶融状態まで加熱される段階は、ポリマーが、メルトブローダイ110に向かう押出し機106及び連続ストランド形成手段112(即ち、任意的な補強(各)ストランドのための補強ストランド形成手段)に向かう押出し機108の別個の加熱ゾーンを通って進むときに温度が次第に上昇する複数の別個の段階で達成することができる。メルトブローダイ110及び連続ストランド形成手段112は、熱可塑性樹脂の温度が押し出しのために高温レベルに維持される更に別の加熱ゾーンとすることができる。押出し機106及び108及びメルトブローダイ110及び連続ストランド形成手段112の種々のゾーンで加熱する段階は、種々の従来の加熱配列(図示せず)の何れで達成することもできる。
【0038】
任意的な補強ストランド構成要素は、種々の押し出し技術を用いて形成することができる。例えば、補強ストランドは、1つ又はそれ以上の従来のメルトブローダイ装置を、押出したストランドとほぼ同じ方向に流れて押出したストランドを細くするようになる加熱ガス流(即ち一次空気流)を除くように修正したものを用いて形成することができる。この修正メルトブローダイ配列112は、通常、集積表面又は支持部114が移動する方向を実質的に横断する方向に集積表面又は支持部114を横切って延びる。修正ダイ配列112は、ダイの横方向範囲に沿って位置合わせした直径の小さな毛管の線状列116を含み、このダイの横方向範囲は、生成されることになっている任意的な補強ストランドの平行列(又は他の位置合わせ)に望ましい幅とほぼ同じ長さである。即ち、ダイの横方向寸法は、ダイ毛管の直線状列により定められる寸法である。毛管の直径は、約0.01インチ〜約0.02インチまで、又は例えば約0.0145〜約0.018インチの桁とすることができる。しかし、大きな直径の毛管を用いて、第1の相互接着繊維層の表皮剥離特性を高めることもでき、第1の相互接着繊維層を補強するのを助けることもでき、その両方を行うこともできる。従って、補強ストランドは、有意に大きくすることができる(例えば、補強ストランドは、直径が約0.020インチと約0.050インチとの間、又はそれより大きい毛管を通して押し出すことができる)。ダイ面に直線で1インチ当たりに約1〜約50のこのような毛管が設けられることになる。典型的には、毛管の長さは、約0.05インチ〜約0.20インチ、例えば約0.113インチ〜約0.14インチ長さとされることになる。メルトブローダイの長さは、横方向に約10インチ〜約60又はそれ以上にわたって延びることができる。
【0039】
ダイ先端を過ぎて流れる加熱ガス流(即ち一次空気流)は、大幅に減少するかなくなるため、押し出したポリマーが、ダイ先端にある間に確実に溶融状態を保ち、流れることが可能であるように、ダイ先端を断熱するか又は加熱要素を設けることが望ましい可能性がある。ポリマーは、毛管の列116から修正ダイ112に押し出され、任意的な押し出し補強ストランド118を生成する。
【0040】
任意的な押し出された補強ストランド118は、修正ダイ112の毛管の列116を出る時に初期速度を有する。これらのストランド118は、表面114上に堆積されるが、これは、ストランド118の初期速度と少なくとも同じ速度で移動する必要がある。この表面又は支持部114は、慣習的にはローラ120で駆動されるエンドレスベルトである。図示する代表的な実施形態では、ストランド118は、図2の矢印122で示されるように回転するエンドレスベルト114の表面上に実質的に平行に位置合わせして堆積される。真空箱(図示せず)を用いて、ベルト114の表面にマトリクスを維持するのを助けることができる。ダイ112の先端は、補強ストランド118が集積されるベルト114の表面に可能な限り近づける必要がある。例えば、この形成距離は、約1インチ〜約10インチとすることができる。望ましくは、この距離は、約1インチ〜約8インチである。
【0041】
表面114は、ストランド118を実質的に平行な列に位置合わせするのを向上させるため、及び/又はフィラメント118を細長くし、望ましい直径を達成するようにするために補強ストランド118の初期速度より遥かに大きな速さで移動させることが望ましい可能性がある。例えば、ストランド118の位置合わせは、表面114をストランド118の初期速度より約2〜約10倍大きな速度で移動させることにより高めることができる。望むならば、更に大きな速度較差を用いることもできる。異なる因子が表面114に対する特定の速度の選択に影響を及ぼすことになるが、これは、典型的には、補強ストランド118の初期速度より約4〜約10倍速いことになる。
【0042】
望ましくは、理想的な補強ストランドは、材料の1インチ幅当りの密度がダイ面上の毛管の密度にほぼ一致するように形成される。例えば、材料の1インチ幅当りのストランド密度は、材料の1インチ幅当り約0〜約120フィラメントの範囲とすることができる。典型的には、低密度のフィラメント(例えば、1インチ幅当り0〜35フィラメント)は、1つのストランド形成ダイのみで達成することができる。高密度(例えば、1インチ幅当り35〜120ストランド)は、複数群のストランド形成機器を用いて達成することができる。
【0043】
図2の代表的な形態では、第1の相互接着繊維層は、メルトブローン繊維である。ここでは、メルトブローン繊維成分は、参照番号124で表される従来のメルトブロー工程を用いて形成される。メルトブロー工程は、一般に、熱可塑ポリマー樹脂をメルトブローダイの複数の小さな直径の毛管に通し、溶融糸として加熱ガス流(一次空気流)内に押し出し、このガス流が、押し出された糸とほぼ同じ方向に流れて押し出された糸が細くされ、即ち、延伸又は伸長され、その直径を減少させるようにする段階を含む。このようなメルトブロー技術及び装置は、米国特許第4,663,220号に完全に論じられており、この特許は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。
【0044】
メルトブローンダイ配列110では、ダイ部分と共にチャンバ及び間隙を定める空気プレートの位置は、縮径用ガス通路の幅を増大又は減少させてダイ部分に対して調節し、任意の期間の間に空気通路を通る縮径用ガスの容量が、縮径用ガスの速度を変化させることなく変化することができるようにすることができる。一般的にいえば、実施的に連続なメルトブローン繊維又はミクロ繊維を生成することになっている場合には、縮径用ガス速度が小さく、空気通路間隙の幅が広いことが好ましい。
【0045】
2つの縮径用ガス流は、集束し、オリフィスを出るときに溶融糸を連行して減衰し、通常オリフィスの直径より小さい小さな直径の繊維に、減衰の程度によっては、ミクロ繊維にするガス流を形成する。空気流は、以下の例の節では、一般に、「一次空気」という用語を用いて言及される。ガスに運ばれる繊維又はミクロ繊維126は、縮径用ガスの作用により集積配列上に吹き飛ばされるが、この集積配列は、図2に示す実施形態では、(任意的に補強ストランドを実質的に平行に位置合わせして運ぶ)エンドレスベルト114である。繊維又はミクロ繊維126は、繊維の密着したマトリクスとして、図2の矢印122で示されるように回転する支持部114の表面(又は、存在する場合には補強ストランド118)上に集積される。望むならば、メルトブローン繊維又はミクロ繊維126は、多数の衝突角でエンドレスベルト114上に集積することができる。真空箱140を用いて、メルトブローン繊維をエンドレスベルト又は支持部114の開口部142に引き込む。工程のパラメータ(例えば、真空の量、メルトブローン繊維がオリフィスを出る温度)を調節することにより、相互接着繊維層は、支持部114の開口部に引き込まれ、相互接着繊維層自身に形状成形された不連続部が形成されるようにする。即ち、相互接着繊維層の形状成形された不連続部は、支持部114の開口部に対応する。この形成工程では、穴又は他の開口部を直接相互接着繊維層に切り抜くときに特有の廃棄物量を生成しない(陥凹部/谷が穿孔される場合即ち、支持部の開口部内で繊維が引き離されて分離されるため開口部を有する場合)ことに留意されたい。本発明では、開口部142に近接する(即ちその上又は近傍の)メルトブローン繊維は、真空が繊維を開口部に引き込む作用により更に減衰される。望むならば、前述の工程パラメータを選択することにより開口部内の減衰された繊維の一部が分離し、それによって、相互接着繊維層の表面から生じる(及び相互接着繊維層自身の形状成形された開口部に隣接する)あらゆる突起の先端に穿孔又は開口部が形成される。
【0046】
図3に図示した支持部114の開口部142は、代表的なものであることに留意されたい。このような開口部の形状、大きさ、数、及び位置は、変えることができる。例えば、ベルトの開口部は、長方形、正方形、三角形、卵形、星型、十字形、五角形、六角形、八角形、他のこのような幾何学的形状、及びその種々の組み合わせとすることができる。更に、開口部、ダイカット又は別のものは、更に複雑にすることもでき、実際、種々の認識可能な生物又は非生物を図示することもできる。例えば、テディベアの形状を定める開口部を用いることもできる。或いは、チューリップ状、飛行機形、ロケット形、又は多数の他のそのような物体の形状を定める開口部を用いることもできる。或いは、上に論じたように、会社のロゴ、商品名、又は商標を支持部114に導入し、対応する画像が第1の相互接着繊維層に記入されるようにすることもできる。
【0047】
また、ベルト自身の表面に肌理をつけることができることにも留意されたい。種々の肌理をつけた表面の例には、じゃり肌表面、鋳造スクリーンの外観を有する個々のストランドが互いに差し込まれた表面、ダイアモンド形開口部を備える格子の外観を有する表面、その他が含まれる。更に、肌理をつけた表面は、複数の階層を備えた複雑な表面立体的形態を有することができる。ベルトの厚さは、ベルトの表面及びベルトの選択した開口部上に選択した肌理を収容するように変化させることができる。このような肌理のいくつかの代表的な形態は、図4、図4A、図5、図5A、図6、図6A、図7、及び図7Aに示される。
【0048】
図4は、極めて詳細に、斜視図で、図3のベルト114として用いることができる1つの形成表面を示す。ここに示すように、表面は、この場合には、表面から外向きに配置された円錐形のピン162を有する平坦なベルト160である。この実施形態では、ベルト160は、開口部164も含む。図4Aは、線4A〜4Aで取った断面で図4の形成表面を示す。図4の形成表面は、円錐形のピン162無しで用いることもでき、更に、開口部164の間に異なる肌理又は表面立体的形態を含むこともできる。上に記載したように、開口部は、円以外の種々の形状とすることができ、これらの開口部の位置は、望む通りに変化させることができる。図4及び図4Aに示す代表的な実施形態では、開口部は、ベルトの厚さを通して直径が均質であるが、ベルトの開口部は、ベルトの厚さを通して直径が変化するように作ることもできる。
【0049】
図5は、この場合は、外向きに延びる円錐台の形状のピン170及び開口部172を有する別の形成表面168の図である。図5Aは、線5A〜5Aに沿ってとった図5の表面の断面である。図5の形成表面は、円錐形のピン170無しで用いることができ、更に、開口部172の間に異なる肌理又は表面立体的形態を含むことができる。また、用いる場合には、ピンは、更に、ピンが全てなくなる手前で種々の程度先端を切ることができる。上に記載したように、開口部は、円以外の種々の形状とすることができ、これらの開口部の位置は、望むとおりに変化させることができる。図5及び図5Aに示す代表的な実施形態では、開口部は、ベルトの厚さを通して直径が均質であるが、ベルトの開口部は、ベルトの厚さを通して直径が変化するように作ることもできる。
【0050】
図6及び図6Aは、ベルトの表面にドーム180を有する更に別の形成表面178を示す図4及び図4Aと同様の図である。
図7は、本発明の相互接着繊維層を作るのに役立ち、この場合は六角形の開口部190を含む別のベルト構成188を示しており、図7Aは、線7A〜7Aでとった図7のベルトの断面を示す。先に記載したように、開口部の断面は、ベルトの厚さを通して均質である必要はない。図7Aは、六角形の内部表面が六角形自身の中心に向かって傾斜することを示す。また、開口部は、ベルトの厚さを通して複数の階層を有することもできる。即ち、内径(又は開口部の形状によっては他の距離)は、ベルトの厚さを通して(単調に増大又は減少する様式ではなく)段階的に変化させることができる。
【0051】
図面に数字140で識別されるような真空箱を用いて、一般に、ベルト114の表面にマトリクスを維持するのを助けることができる。典型的には、ダイ110の先端128は、繊維が集積されるベルト114の表面から約6インチ〜約14インチである。絡合繊維又はミクロ繊維126は、存在する場合には、補強ストランド118に堆積されるときに依然として幾分粘着性であるか融けているため補強ストランド118の少なくとも一部に自原的に接着し、これによって、基層130を形成する。
【0052】
この時点で、自原性接着を増強させるために第1の相互接着繊維層を軽くカレンダ加工することが望ましいこともある。この任意的なカレンダ加工する段階は、十分な圧力(及び、望む場合には温度)下で1対のパターン付き又はパターン無しピンチローラ132及び134で達成し、第1の相互接着繊維層(ここではメルトブローン層)を構成する繊維とあらゆる任意的な補強ストランドとの間の自原性接着を容易にするのを助けることができる。
【0053】
上に論じたように、任意的な補強ストランド及び第1の相互接着繊維層は、移動表面上に堆積される。本発明の実施形態の1つでは、メルトブローン繊維は、任意的な押し出された補強ストランドの上面上に直接形成される。これは、ストランド及び表面を相互接着繊維層(図2に示す工程の形態ではメルトブローン材料)を生成する機器の下に通過させることにより達成される。或いは、メルトブローン材料のような第1の相互接着繊維層を表面上に堆積することができ、第1の相互接着繊維層上に任意的な補強ストランドの実質的に平行な列(又は他の位置合わせ)を直接形成することができる。ストランド形成及び繊維形成機器の種々の組み合わせを設置し、異なる種類の基層を生成することができる。例えば、基層は、補強ストランド及び相互接着繊維層の交互層を含むことができる。また、相互接着繊維層を形成するか補強ストランドを生成するためのいくつかのダイを直列に配列し、繊維又はストランドを重ね合わせた層を生成することもできる。また、当然、第1の相互接着繊維層は、補強ストランドを用いずに作ることができる(例えば、補強ストランドを用いずにメルトブローン材料で構成される)。
【0054】
第1の相互接着繊維層を形成するための手段の位置に対する任意的な補強ストランドを形成するための手段の位置を(支持部114が移動する速度の範囲を考慮して)選択し、任意的な補強ストランドを押し出す時と第1の相互接着繊維層が補強ストランドに接触する時(又は、第1の相互接着繊維層が最初に形成され、第1の相互接着繊維層に補強ストランドが押し出される場合にはその逆)との間を望ましい時間間隔にすることができる。典型的には、この時間間隔により、補強ストランド、第1の相互接着繊維層、又は両方は、幾分粘着性であることになり、自原性接着することができるようになる。しかし、補強ストランド、相互接着繊維層、又は両方に接着剤を塗布して接着を促進することができることにも留意されたい。
【0055】
上に記載したように、本発明は、相互接着繊維層、補強ストランド、又は両方を形成するためにダイの複数の組を意図する。更に、前記毛管の線状列内、毛管の複数組の線状列の間、又は両方の個々の毛管は、異なる大きさとすることができる。また、毛管の所定の線状列のための動作パラメータ(例えば、溶融ポリマーが毛管から出る温度、出ている繊維又はストランドを運搬し、及び/又は減衰するのに用いられるあらゆる空気流の速度及び/又は温度、その他)は、前記直線状列にわたって、毛管の線状列の複数組の間で、又は両方で異なることができる。
【0056】
補強ストランド及び/又は第1の相互接着繊維層を作ることができる代表的な材料
第1の相互接着繊維層及びあらゆる任意的な補強ストランドは、このような繊維層及びストランドに製造することができるあらゆる材料で作ることができる。エラストマー特性が必要であるか、それから利益を得ることができるパーソナルケア用品では、基層は、相互接着繊維層に適切なエラストマー繊維形成樹脂又はそれを含むブレンドを用いて作ることができ、補強ストランドにはあらゆる適切なエラストマーストランド形成樹脂又はそれを含むブレンドを用いることができる。この繊維及びフィラメントは、同じ又は異なるエラストマー樹脂で形成することができる。
【0057】
例えば、相互接着繊維層及び/又は補強ストランドは、一般式A−B−A’(式中、A及びA’は各々、ポリ(ビニルアレーン)のようなスチレン成分を含む熱可塑ポリマー末端ブロックであり、Bは、共役ジエン又は低級アルケンポリマーのようなエラストマーポリマー中間ブロックである)を有するブロックコポリマーで作ることができる。ブロックコポリマーは、例えば、Shell Chemical Companyから商標KRATON Gで入手可能な(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン)ブロックコポリマーとすることができる。このようなブロックコポリマーの1つは、例えば、KRATON G−1657とすることができる。
【0058】
用いることができる他の例示的な材料には、例えば商標ESTANEでB.F.Goodrich & Co.から入手可能なもののようなポリウレタン材料、例えば商標PEBAXでRilsan Companyから入手可能なもののようなポリアミド材料、及び、例えば商標HytrelでE.I.DuPont De Nemours & Companyから入手可能なもののようなポリエステル材料が含まれる。メルトブローン繊維をポリエステル材料から形成する段階は、例えば、Mormanらに付与された米国特許第4,741,949号に開示されており、これは、本明細書に矛盾しないように引用によりそのまま本明細書に組み入れられる。また、有用なポリマーには、例えば、エチレンと、例えば、酢酸ビニル、不飽和脂肪族モノカルボン酸、及びそのようなモノカルボン酸のエステルのような少なくとも1つのビニルモノマーとのコポリマーが含まれる。コポリマー及びこれらのコポリマーからメルトブローン繊維を形成する段階は、例えば、米国特許第4,803,117号に開示されている。
【0059】
ポリマーには、加工助剤を加えることができる。例えば、ポリオレフィンをポリマー(例えばA−B−Aエラストマーブロックコポリマー)とブレンドして組成物の加工性を向上させることができる。ポリオレフィンは、このようにブレンドして高圧及び高温を適切に組み合わせた条件にすると、ブレンドした形でポリマーとともに押し出すことができるものである必要がある。有用なブレンドポリオレフィン材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテンを含み、これは、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー及びブテンコポリマーを含む。特に有用なポリエチレンは、U.S.I.Chemical Companyから商標Petrothene NA 601(本明細書ではPE NA 601又はポリエチレンNA 601ともいわれる)で入手することができる。2つ又はそれ以上のポリオレフィンを用いることができる。ポリマー及びポリオレフィンの押し出し可能なブレンドは、例えば、先に参照した米国特許第4,663,220号に開示されている。
【0060】
第1の相互接着繊維層及び/又は補強ストランドは、自原性接着を向上させるためにある程度の粘着性、付着性を有することができる。例えば、繊維及び/又はストランドに形成されるときにポリマー自身が粘着性を有することもでき、或いは、上に記載した押し出し可能な組成物に相溶性の粘着性付与樹脂を加え、自原的に接着する粘着性繊維及び/又はストランドを得ることもできる。粘着性付与樹脂及び粘着性押し出し可能組成物に関しては、この樹脂及び組成物が米国特許第4,787,699号に開示されており、本明細書と矛盾しないようにそのまま参照により組み入れられる。
【0061】
ポリマーと相溶性があり、加工(例えば押し出し)温度に耐えることができるあらゆる粘着付与剤樹脂を用いることができる。ポリマー(例えば、A−B−Aエラストマーブロックコポリマー)が、例えば、ポリオレフィン又は増量油のような加工助剤とブレンドされる場合には、粘着付与剤樹脂は、これらの加工助剤とも相溶性であることが必要である。一般に、水素化炭化水素樹脂は、温度安定性が良好であるため好ましい粘着性付与樹脂である。REGALREZ及びARKONシリーズの粘着付与剤は、水素化炭化水素樹脂の例である。ZONATAK 501 liteは、テルペン炭化水素の例である。REGALREZ炭化水素樹脂は、Hercules incorporatedから入手可能である。ARKONシリーズ樹脂は、Arakawa Chemical(U.S.A.)Incorporatedから入手可能である。当然、本発明は、このような3つの粘着性付与樹脂に限定されず、組成物の他の構成要素と相溶性であり、加工温度に耐えることができる他の粘着性付与樹脂を用いることもできる。
【0062】
典型的には、補強ストランド及び/又は相互接着繊維層の繊維を形成するのに用いられるブレンドには、例えば、重量で約40〜約80パーセントのポリマー、約5〜約40パーセントのポリオレフィン及び約5〜約40パーセントの樹脂粘着付与剤が含まれる。例えば、特に有用な組成物は、重量で約61〜約65パーセントのKRATON G−1657、約17〜約23パーセントのポリエチレンNA 601、及び約15〜約20パーセントのREGALREZ 1126を含むものであった。
【0063】
本発明の基層における第1の相互接着繊維層構成要素は、弾性及び非弾性繊維又は微粒子の混合物とすることができる。このような混合物の例として、エラストマー及び非エラストマー繊維が混和されてランダムに分散された繊維の単一の凝集ウェブを形成する米国特許第4,209,563号を参照し、この特許は、本明細書と矛盾しない範囲で引用により本明細書にそのまま組み入れる。このような複合体ウェブの別の例は、先に参照した米国特許第4,741,949号に開示されるような技術で作られるものとされることになる。この特許は、メルトブローン熱可塑性繊維及び他の材料の混合物を含む弾性不織材料を開示する。繊維及び他の材料は、メルトブローン繊維が運ばれるガス流で組み合わせられ、繊維が集積装置に集積される前に、メルトブローン繊維と、他の材料、例えば、木材パルプ、短繊維又は微粒子、例えば、活性炭、クレイ、デンプン、又は一般に超吸収体と呼ばれる親水コロイド(ヒドロゲル)微粒子と、の密接な絡合混和が起こり、ランダムに分散された繊維の凝集ウェブを形成するようにされる。
【0064】
基層及びそれから作られるパーソナルケア用品の湿潤回復性、強度、及び/又は表皮剥離特性を増大させるために、第1の相互接着繊維層及びあらゆる任意的な補強ストランドは、ポリプロピレンのようなポリオレフィンで作ることができる。補強繊維を形成するのに特に適切なポリマーには、ポリプロピレン及びポリプロピレン及びエチレンのコポリマーを含む。補強ストランド(及び/又は相互接着繊維層)を製造するのに有用な他のポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル及びポリアミドのような熱可塑ポリマーを更に含むことができる。また、弾性ポリマーを用いることもでき、これには、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、一般式A−B−A’又はA−Bを有するブロックコポリマー、例えばコポリ(スチレン/エチレン−ブチレン)、スチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−スチレン、スチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−スチレン、(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン、ポリ(スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン)等のようなブロックコポリマーが含まれる。
【0065】
また、時にメタロセン触媒と呼ばれる単点触媒を用いるポリオレフィンを用いて相互接着繊維層及び/又は補強ストランドを作ることもできる。多くのポリオレフィンが、繊維生成に利用可能であり、例えば、Dow ChemicalのASPUN76811A線状低密度ポリエチレン、2553 LLDPE及び25355及び12350高密度ポリエチレンのようなポリエチレンがこのような適切なポリマーである。ポリエチレンの溶融流れ速度は、それぞれ、約26、40、25及び12である。繊維形成ポリプロピレンには、Exxon Chemical Companyの3155ポリプロピレン及びMontell Chemical Co.のPF−304及び/又はPF−015を含む。多くの他のポリオレフィンが市販されている。
【0066】
また、相互接着繊維及び補強ストランド生成には生物分解可能ポリマーも利用可能であり、適切なポリマーには、ポリ乳酸(PLA)、及びBIONOLLE、アジピン酸及びUNITHOXのブレンド(BAU)が含まれる。PLAは、ブレンドではなく、ポリプロピレンのような純ポリマーである。BAUは、異なるパーセントのBIONOLLE、アジピン酸、及びUNITHOXのブレンドを表す。典型的には、短繊維のためのブレンドは、44.1パーセントBIONOLLE 1020、44.1パーセントBIONOLLE 3020、9.8パーセントアジピン酸及び2パーセントUNITHOX 480であるが、スパンボンドBAU繊維には、典型的には、約15パーセントアジピン酸を用いる。BIONOLLE 1020は、ポリブチレンサクシネートであり、BIONOLLE 3020は、ポリブチレンサクシネートアジペートコポリマーであり、UNITHOX 480は、エトキシル化アルコールである。BIONOLLEは、日本のShowa Highpolymer Co.の商標である。UNITHOXは、Baker Hughes Internationalの系列会社であるBaker Petroliteの商標である。
【0067】
ポリプロピレン、及び他のこのようなポリマー材料は、一般に、特に、繊維が大きな直径で作られる場合には硬くて強力な繊維を作る。更に、あらゆる任意的な補強ストランドが作られるポリマー材料は、補強ストランドが第1の相互接着繊維層が軟化する温度より高い温度で軟化するように選択することができる。あらゆる任意的な補強ストランドが支持部114の開口部を覆って押し出される実施形態では(図2を参照)、補強ストランドの材料又はそれを構成する材料をストランドの軟化点が第1の相互接着繊維層より高くなるように選択すると、真空142を与えても補強ストランドが開口部140に決して引き込まれないようにするのに役立つことができる。或いは、ダイの横方向寸法に沿う小さな直径の毛管の部位は、補強ストランドが支持部の開口部を覆って押し出されないように選択することができる。また、当然、あらゆる任意の補強ストランドを構成する材料は、開口部140近傍又はそれを覆うあらゆる補強ストランドが前記開口部に引き込まれるように選択することもできる。
【0068】
本発明の第2の相互接着繊維層を作るための代表的な方法
上に論じたように、図3は、嵩高の低密度材料を含む第2の相互接着繊維層を生成するための本発明の方法及び装置を示す概略図である。この場合、第2の相互接着繊維層は、A/B形態、即ち、左右対称構成、一般に並列又は偏心シース/コアの捲縮可能な2成分の実質的に連続な繊維を生成し、これらを無拘束環境で捲縮させることにより作られる。
【0069】
図3に示すように、2つのポリマーA及びBは、公知の熱可塑性繊維紡糸装置221でスパンボンドされ、2成分すなわちA/B形態の繊維223を形成する。繊維223は、次に、繊維延伸ユニット(FDU)225を通して移動させる。本発明の一実施形態によれば、当技術分野での標準法と異なり、FDUは加熱されず、周囲温度のままとする。繊維223は、実質的に連続な状態のままとされ、移動形成支持部227上に堆積される。繊維の堆積は、負の空気圧力ユニット又はワイヤ下排気機229により供給されるワイヤ下の真空により助けられる。
【0070】
次に、繊維223は、熱空気ナイフ(HAK)231又は熱空気拡散器233の1つの下を移動させることにより加熱され、これらは、両方とも図に示すが、二者択一的に通常の環境で用いられることは理解されると考える。通常の熱空気ナイフは、熱空気噴流を不織ウェブ表面上に吹付けるスロットを備えるマンドレルを含む。このような熱空気ナイフは、例えば、Arnoldらに付与された米国特許第5,707,468号に教示される。熱空気拡散器233は、同様の方式で作動するが、大きな表面積にわたって空気速度が小さく、従って、これに対応して空気温度が低い代替品である。繊維の群又は層は、これが第1の加熱ゾーンを通って移動する間に、外部皮膚溶融又は僅かな程度の非機能接着を受けることができる。「非機能接着」とは、本明細書の方法に従って加工するために繊維を適所に保持するのに対してのみ十分であるが、手動で操作されることになっている場合には繊維を互いに保持しないほど弱い接着である。このような接着は、付随的なものとすることもでき、望むならば完全に排除することもできる。
【0071】
次に、繊維は、熱空気ナイフ231又は熱空気拡散器233の第1の加熱ゾーンから第2のワイヤ235に渡され、そこで、繊維は、継続的に冷却され、捲縮を乱さないようにワイヤ下排出機229が除去される。繊維が冷却されると、z方向に、又はウェブの平面から出る方向に捲縮し、嵩高の低密度不織ウェブ237を形成することになる。ウェブ237は、次に、通気結合(タブ)ユニット239に運ばれ、望ましい程度の嵩高さ及び密度でウェブを硬化又は固定される。或いは、通気結合(タブ)ユニット239は、区域化し、熱空気ナイフ231又は熱空気拡散器233の代わりに第1の加熱ゾーンを設け、次に、冷却ゾーンを設け、この次には、ウェブを固定するのに十分な第2の加熱ゾーンを設けることができる。次に、固定ウェブ241は、後に本発明のパーソナルケア用品を構成するのに用いるために巻取りロール243等に収集することができる。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、第2の相互接着繊維層の実質的に連続な繊維は、2成分繊維である。本発明のウェブは、単一デニールの構造(即ち、1つの繊維の多きさ)を含むこともでき、混合デニール構造(即ち、複数の繊維の大きさ)を含むこともできる。適切な2成分繊維の構造成分を形成するのに特に適切なポリマーには、ポリプロピレン及びポリプロピレン及びエチレンのコポリマーが含まれ、2成分繊維の接着剤成分に特に適切なポリマーには、ポリエチレン、更に詳細には線状低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンが含まれる。また、接着剤成分は、捲縮可能性を向上させるか及び/又は繊維の接着温度を低下させるほか、得られるウェブの耐摩耗性、強度及び軟らかさを向上させる添加剤を含むことができる。本発明により加工するのに特に適切な2成分ポリエチレン/ポリプロピレン繊維は、PRISMとして公知である。PRISMの説明は、Strackらに付与された米国特許第5,336,552号に開示されている。本発明により作られたウェブは、更に、限定ではないが、PET、コポリ−PP+3%PE、PLA、PTT、ナイロン、PBT、等のようなPP/PEに変わる樹脂を有する繊維を含むことができる。繊維は、5葉性、トリ−T、中空、リボン、X、Y、H、及び非対称な断面を含む種々の別の形状及び対称性とすることができる。
【0073】
第2の相互接着繊維層を製造するのに有用なポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル及びポリアミドのような熱可塑ポリマーを更に含むことができる。また、弾性ポリマーを用いることもでき、これには、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、一般式A−B−A’又はA−Bを有するブロックコポリマー、例えばコポリ(スチレン/エチレン−ブチレン)、スチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−スチレン、スチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−スチレン、(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン、ポリ(スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン)等のようなブロックコポリマーが含まれる。
【0074】
また、時にメタロセン触媒と呼ばれる単点触媒を用いるポリオレフィンを用いることもできる。多くのポリオレフィンが、繊維生成に利用可能であり、例えば、Dow ChemicalのASPUN76811A線状低密度ポリエチレン、2553 LLDPE及び25355及び12350高密度ポリエチレンのようなポリエチレンがこのような適切なポリマーである。ポリエチレンの溶融流れ速度は、それぞれ、約26、40、25及び12である。繊維形成ポリプロピレンには、Exxon Chemical Companyの3155ポリプロピレン及びMontell Chemical Co.のPF−304及び/又はPF−015を含む。多くの他のポリオレフィンが市販されている。
【0075】
また、繊維生成には生物分解可能ポリマーも利用可能であり、適切なポリマーには、ポリ乳酸(PLA)、及びBIONOLLE、アジピン酸及びUNITHOXのブレンド(BAU)が含まれる。PLAは、ブレンドではなく、ポリプロピレンのような純ポリマーである。BAUは、異なるパーセントのBIONOLLE、アジピン酸、及びUNITHOXのブレンドを表す。典型的には、短繊維のためのブレンドは、44.1パーセントBIONOLLE 1020、44.1パーセントBIONOLLE 3020、9.8パーセントアジピン酸及び2パーセントUNITHOX 480であるが、スパンボンドBAU繊維には、典型的には、約15パーセントアジピン酸を用いる。BIONOLLE 1020は、ポリブチレンサクシネートであり、BIONOLLE 3020は、ポリブチレンサクシネートアジペートコポリマーであり、UNITHOX 480は、エトキシル化アルコールである。BIONOLLEは、日本のShowa Highpolymer Co.の商標である。UNITHOXは、Baker Hughes Internationalの系列会社であるBaker Petroliteの商標である。これらの生物分解可能ポリマーは、親水性であり、そのため、本発明の吸込み(intake)システム材料の表面に用いるのには好ましくないことに留意されたい。
【0076】
上記により、捲縮可能な2成分繊維は、HAK 231、熱空気拡散器233又は第1の加熱ゾーンの区域化タブ(図示せず)により、ポリエチレン結晶領域がその配向した分子鎖を弛緩し始め、場合によっては溶融を開始させ始めることになる温度まで加熱する。捲縮を起こすのに用いられる典型的な空気の温度は、約110〜260°Fの範囲であった。この温度範囲は、ポリマーの溶融温度を通して殆ど分子鎖が弛緩しない部分溶融温度(submelting degree)の温度を表す。HAK231から空気流の熱は、狭い加熱ゾーンを通る繊維の滞留時間が短いため、高くすることができる。更に、配向された繊維の分子鎖に熱が印加されると、分子鎖移動性が増大する。配向されるため余計に、鎖はランダム状態で弛緩することを優先する。従って、鎖が屈曲して折れ曲がると、付加的な縮化が引き起こされる。ウェブへの熱は、熱空気、IRランプ、マイクロウェーブ、又はポリエチレンの半結晶領域を加熱して弛緩させることができるあらゆる他の熱源により与えることができる。
【0077】
次に、ウェブは、ポリマーの温度をその結晶化温度より下に下げる冷却ゾーンを通過する。ポリエチレンは半結晶材料であるため、ポリエチレン鎖は、冷却されると再結晶し、ポリエチレンを縮化させる。他に繊維がどの方向にも自由に移動できないようにする主な力が存在しない場合には、この縮化により、並列型繊維の片側に捲縮又は巻き付きを起こす力が生じる。冷却FDUを用いることにより、繊維は、標準高温FDUを通して処理した繊維に標準的な密ならせん状に捲縮しないように構成される。その代わりに、繊維は、それより緩やかでランダムに捲縮され、それによって繊維のz方向を嵩高くする。
【0078】
捲縮の量及び種類に影響を及ぼす可能性がある因子には、第1の加熱ゾーンで加熱されるウェブの滞留時間が含まれる。捲縮に影響を及ぼす他の因子には、繊維デニール、ポリマーの種類、断面形状及び坪量のような材料特性を含むことができる。また、真空、吹き込み空気、又は接着の何れかで繊維を拘束しても、本発明の嵩高の低密度ウェブに達成されることが望ましい捲縮の量、従って嵩高さ、又は嵩に影響を及ぼすことになる。従って、繊維が冷却ゾーンに入ると、真空が印加され、形成ワイヤ227又は第2のワイヤ235に繊維が保持される。冷却ゾーンでは、吹き込み空気は、実際的又は望ましい程度まで制御又は排除される。
【0079】
繊維は、ワイヤ下真空の量、FDU圧力、及びFDUからワイヤ表面までの形成高さにより制御するとおりに、高度MD配向で形成ワイヤ上に堆積することができる。高度MD配向を用いて、以下に更に説明するように、ウェブを極めて嵩高にすることができる。更に、特定の繊維及び処理パラメータに応じて、FDUの空気ジェットは、固有周波数を示すことになり、ウェブの嵩高さにせり出し効果のような特定の形態特性を生じるのに役立つことができる。
【0080】
繊維223が第1の加熱ゾーンの空気流で加熱され形成ワイヤ227により第2のワイヤ235に渡される図3の例示的な実施形態によれば、理論に縛られないが、繊維の嵩高さに役立つように、いくつかの捲縮機構が起こると考えられている。即ち、ワイヤ下排出機がそれを通して周りの空気を引くことによりウェブを冷却することになり、これが、接着を防止して嵩高さの形成を制限する;ウェブが真空ゾーンから第2のワイヤまで移送されると、真空力が除去され、無制約の繊維が自由に捲縮することと、機械的に、高度MD配向表面層のMD表面層縮化により、表面繊維を座屈させることができることと、高度MD配向表面シャーリング及び接着により内層面繊維がせん断を続けるため、機械的せん断が引き起こされることになり、それによって層のせり出しを引き起こすことにより嵩高さを生成することと、FDUジェットの固有周波数で機械的座屈パターンを生成することができ、これにより加熱繊維が同じ周波数で嵩高くされることになることと、真空領域を離れるときに繊維が形成ワイヤ227から放出されると、機械的力が生成され、その後、真空ユニット229に向かって短時間に引き戻されることと、摩擦電気(摩擦)静電荷がウェブ上に蓄積し、繊維が互いに反発してウェブ内で更に嵩高くさせることと、である。
【0081】
上に記載する例示的な工程を用いて第2の相互接着繊維層を形成することに関する付加的な詳細は、「捲縮フィラメントの嵩高の低密度不織ウェブ及びそれを作る方法」と題され、発明者としてPolanco、Braulioらを列記する米国特許公開番号第2005/0098256A1号に見出すことができる。この米国特許公開は、本明細書と矛盾しないように引用によりそのまま組み入れられる。
【0082】
代表的な両面パーソナルケア用品
第1及び第2の相互接着繊維層は、多くの方法で組み合わせることができる。例えば、2つの層を接合する前に、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤、アタクチック及びアイソタクチックポリオレフィンのブレンド、又は他のそのような材料)を層の何れか又は両方の表面に塗布することができる。接着剤は、一方または両方の層の表面にスプレー、コーティング、印刷、又は他の方法で付随させることができる。或いは、例えば、熱の形のエネルギーを一方又両方の表面に誘導し、それによって、加熱表面又はその近傍でその繊維を軟化させるか他の方法で粘着性にすることができる。次に、2つの層は、前記加熱(各)表面で接合し、繊維の両方の表面が互いに融合又は接着することができる。接着剤の塗布又はエネルギーを入力した後、得られる積層体は、1つの層を他方の層に取り付けるのを助けるために2つのロールの間のニップを通して誘導することができる。
【0083】
第1及び第2の相互接着繊維層は、単一の動作ラインで作って互いに取り付けることができる。或いは、各層は、別個に作り、次に、巻き上げてロールを形成することができる。これらのロールは、次に、リールに配置され、接着剤で、エネルギーを与えて、又はその両方で層がその表面で互いに接合するように系統的に巻き戻すことができる。これらの層は、それが作られる同じ地理的位置で接合することができる。或いは、一方又は両方の層は、1つ又はそれ以上の地理的位置で作り、その後、層を接合する別の地理的位置に輸送することもできる。
【0084】
一般に、両面パーソナルケア用品は、用品の消費者、購入者、又は使用者が使用するのに適合する形及び形状にされることになる。従って、用品は、長方形、正方形、卵形等とすることができる。或いは、用品は、卵、星、六角形、八角形、又は他の同様な形状とすることができる。一般に、用品は、皮膚又は組織を清浄化及び/又は加湿及び/又は表層剥離、刺激、又は優しく研磨することができる限り、どのような形状を選択することもできる。
【0085】
選択した形状は、各相互接着繊維層から形状を切断するか又は他の方法で得て、その後、これらの切断するか他の方法で得た形状を互いに接合又は取り付けることにより生成することができる。或いは、第1及び第2の相互接着繊維層は、互いに接合することができ、その組み合わせが形成された後、その組み合わせから形状を切断又は他の方法で得ることにより望ましい形状が生成される。
【0086】
また、本発明は、第1の相互接着繊維層と第2の相互接着繊維層との間に挟まれる1つ又はそれ以上の層が意図される。基本的に、得られる用品が、各々本文書の他所に述べた構造及び特性を有する第1の相互接着繊維層及び第2の相互接着繊維層を含む限り、あらゆる構成又は様式の構造を用いることができる。
【0087】
積層体を作る前又は後、又は望ましい形状のパーソナルケア用品を切断するか得る前又は後に、繊維層の何れか又は両方に清浄化及び/又は加湿組成物を導入することができる。
【0088】
本発明の両面パーソナルケア用品に堆積させることができる代表的な清浄化組成物
本発明の両面パーソナルケア用品上に堆積又は他の方法で付随させることができる清浄化組成物には、石鹸、スキンローション、コロン、日焼け止め、シャンプー、ゲル、ボディーソープ等が含まれる。このような組成物は、固体、液体、ゲル、発泡体、又は他の形とすることができる。また、このような組成物は、保湿剤又は配合物を含むこともでき、それとすることもできる。
【0089】
多くの清浄化組成物は、水及び界面活性剤のような同様のコア原料を含む。また、これらは、油、洗剤、乳化剤、フィルム形成剤、ワックス、芳香剤、保存料、皮膚軟化剤、溶媒、増粘剤、湿潤剤、キレート剤、安定剤、pH調節剤等を含むこともできる。例えば、米国特許第3,658,985号では、陰イオンベースの組成物は、少量の脂肪酸アルカノールアミドを含む。米国特許第3,769,398号は、少量の非イオン性界面活性剤を含むベタインベース組成物を開示している。また、米国特許第4,329,335号は、主原料としてベタイン界面活性剤、及び少量の非イオン性界面活性剤及び脂肪酸モノ又はジ−エタノールアミドを含む組成物を開示している。米国特許第4,259,204号は、重量で0.8〜20%の陰イオン性リン酸エステル、及び陰イオン性、両性、又は非イオン性の何れかとすることができる1つの付加的な界面活性剤を含む組成物を開示している。米国特許第4,329,334号は、多量の陰イオン性界面活性剤及びそれより少量のベタイン及び非イオン性界面活性剤を含む陰イオン性両性ベースの組成物を開示している。
【0090】
米国特許第3,935,129号は、アルカリ金属シリケート、尿素、グリセリン、トリエタノールアミン、陰イオン性洗剤及び非イオン性洗剤を含む液体清浄化組成物を開示している。シリケート含量により、液体清浄化組成物中の陰イオン性及び/又は非イオン性洗剤の量が決まる。米国特許第4,129,515号は、実質的に等量の陰イオン性及び非イオン性界面活性剤、アルカノールアミン及びマグネシウム塩、及び、任意的に、石鹸水調節剤として双性イオン界面活性剤の混合物を含む液体洗剤を開示している。米国特許第4,224,195号は、特定の群の非イオン性洗剤、即ち、第二アルコールのエチレンオキシド、特定の群の陰イオン性洗剤、即ち、第二アルコールのエチレンオキシド付加物の硫酸エステル塩、及びベタインとすることができる両性界面活性剤を含む水性洗剤組成物であって、陰イオン性又は非イオン性界面活性剤の何れかを主原料とすることができるものを開示している。全ての非イオン性界面活性剤を含む洗剤組成物は、米国特許第4,154,706号及び第4,329,336号に示されている。米国特許第4,013,787号は、コンディショニング及びシャンプー組成物のピペラジンベースポリマーを開示している。米国特許第4,450,091号は、両性ベタイン界面活性剤、ポリオキシブチレンポリオキシエチレン非イオン性洗剤、陰イオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステルのブレンドを含む高粘性組成物を開示している。米国特許第4,595,526号は、非イオン性界面活性剤、ベタイン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及びC12〜C14脂肪酸モノエタノールアミン発泡体安定剤を含む組成物を記載している。本明細書で論じる特許の内容は、本明細書にそのまま述べ、本明細書と矛盾しない範囲で引用により組み入れられる。
【0091】
これらの原料に関する別の情報は、例えば、Cosmetics & Toiletries第102巻第3号1987年3月;Balsam,M.S.ら編Cosmetics Science and Technology第2版第1巻27〜104頁及び179〜222頁Wiley−lnterscienceニューヨーク1972年第104巻67〜111頁1989年2月;Cosmetics & Toiletries第103巻第12号100〜129頁1988年12月、Nikitakis,J.M.編CTFA化粧品原料の手引き第1版、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association、Inc.出版ワシントンD.C.1988年、Mukhtar,H編皮膚の薬理学、CRC Press1992年;及びGreen,FJ、染色、染料及び指標のSigma−Aldrich手引き書;ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrich Chemical Company1991年を参照にすることにより得ることができ、その内容は、本明細書にそのまま述べ、本明細書と矛盾しない範囲で引用により組み入れられる。
【0092】
本発明を実施するのに用いることができる例示的な材料は、限定ではないが、Ernest W.FlickによりCosmetic and Toiletry Formulations、ISBN 0−8155−1218−X、第2版第XII章(707〜744頁)で論じられているものを更に含む。
【0093】
本発明の両面パーソナルケア用品に伴う組成物又は配合物に含むことができる他の原料には、乳化剤、界面活性剤、粘性調節剤、天然保湿因子、抗微生物活性剤、pH調節剤、酵素阻害剤/不活性化剤、懸濁剤、顔料、染料、着色剤、緩衝剤、芳香剤、抗菌活性剤、抗真菌活性剤、医薬活性剤、フィルム形成剤、脱臭剤、乳白剤、収斂剤、溶媒、有機酸、保存料、薬物、ビタミン、アロエベラ、その何らかの組み合わせ等が含まれる。
【0094】
このような組成物及び配合物は、両面パーソナルケア用品に種々の方法で塗布するか、配置するか、別の方法でそれに付随させることができる。例えば、組成物又は配合物は、第2の相互接着繊維層に注入することができる。或いは、組成物又は配合物は、第2の相互接着繊維層にスプレーするかコーティングすることもできる。また、組成物又は配合物は、パーソナルケア用品内又はその表面にスプレー、コーティング、印刷、押し出し、又は注入することもできる。
【0095】
典型的には、液体の形態の石鹸、組成物、又は他の配合物は、1又は2回用いると散逸することになる。言い換えると、パーソナルケア用品に付随する石鹸、組成物、又は他の配合物の初期量のかなりの部分は、最初に用いる間に用品から解離することになる。解離は、用品を用いる間に、石鹸、組成物、又は配合物が水に溶けるか他の方法で運ばれることにより起こるようである。パーソナルケア用品を2回目に用いる場合には、最初に用いたときに散逸した石鹸、組成物、又は他の配合物の部分は、2回目に用いるときには利用可能ではない。上に述べるように、数回用いた後には、パーソナルケア用品は、石鹸、組成物、又は他の配合物が殆ど又は全く残っていない。パーソナルケア用品が使用者により限定的に使用するようにされている場合には、付随するあらゆる石鹸、組成物、又は他の配合物が解離することにより、使用者に用品を廃棄することができるという合図となる。製品の製造業者及び/又は販売業者及び/又は小売業者は、購入者又は使用者に、付随する石鹸、組成物、又は他の配合物が解離すると用品を廃棄することができる合図となると明確に伝えることができる。
【0096】
パーソナルケア用品が限定的に使用されるようにする場合には、用品を用いることができる回数は多数の方法で変化させることができる。例えば、石鹸、組成物、又は他の配合物の物理的特性は、石鹸又は他の材料が溶解するか運ばれる速度が変更されるように変更することができる。例えば、材料の粘性を増大させることができる。或いは、組成物の親水性の/疎水性特性を変化させることができる。或いは、石鹸、組成物、又は他の配合物は、マイクロカプセル封入することができ、マイクロカプセルにより、何らかの外部刺激が与えられた後にその内容物が利用可能になる(例えば、マイクロカプセルが使用者が用品又は基層を用いるときに存在することになるような外部力が加わることにより破壊されるか、又は、マイクロカプセルが、水溶性であることが公知の材料を用いて作られ、マイクロカプセルの溶解速度が、使用中にマイクロカプセル封入材料の利用可能性が望ましい使用回数にわたって延長されるように選択される)。別の方法では、石鹸、組成物、又は他の配合物は、(液体と対照的に)固体又は半固体の形で利用可能であり、用品の使用回数を望ましいものにするために石鹸の溶解又は分解速度を選択する。固体又は半固体の形の石鹸、組成物、又は配合物は、何らかの方法で基層又はパーソナルケア用品に付着することができる(例えば、固体石鹸は、多孔性又は透過性材料に入れて基層又はパーソナルケア用品が用いられる間に水が固体石鹸に到達するようにすることができる)。このようにして、基層又はパーソナルケア用品は、約1〜約5回、適切には約2〜約7回、又は約10回未満使用するのに適合させることができる。
【0097】
組成物又は配合物が、少なくとも部分的に、用品の使用者が使用する間に用品から放出されるようにされる限り、組成物又は配合物を用品に塗布又は付随させるあらゆる方法を用いることができる。
【0098】
本発明の両面パーソナルケア用品を含む代表的な包装
本発明の両面パーソナルケア用品の製造業者(洗浄及び/又は表層剥離及び/又は加湿バフ又はパッド又は他のそのような用品であることに関係なく)は、前記用品の購入者、消費者、又は使用者に伝えるファッションメッセージ、説明、又は広告文案を作ることができる。このようなメッセージ、説明、又は広告文案は、用品の使用者の心で、本発明の用品又はその使用と、1つ又はそれ以上の精神状態、心理状態、又は健康状態との間を関連付けるのを容易にするか確立するのに役立つように作ることができる。情報、説明、又は広告文案には、例えば、リラックス、平和、活力、活力を与える、性、官能性、肉感的な、温泉、精神、霊的、清潔、新鮮、山、郊外、風味、海、空、健康、衛生、水、滝、水分、加湿、その派生語又はその組み合わせ、又は他のそのような状態を含む種々の英数字列を含むことができる。実施形態の1つでは、情報、説明、又は広告文案により、消費者の心で、本発明の両面パーソナルケア用品と、温泉又は温泉関連経験との間の精神的関連付けが生じる。
【0099】
上に挙げたような英数字列は、単独で用いることもでき、他の英数字列に隣接して、又はそれと組み合わせて用いることもできる。情報、説明、メッセージ、又は広告文案は、新聞広告、テレビ広告、ラジオ又は他の音声広告、住所に直接郵送される品目、住所に電子メールで送られる品目、インターネットウェブページ又は他のそのような投函物、独立型挿入紙、クーポン、種々の販売促進(例えば、取引促進)、他の会社との共同販売促進、広告文案等、製品(この場合は本発明の用品)を含む箱又は包装の形、及び消費者又は潜在的消費者に情報を宣伝する他のそのような形をとる(即ち、このようなメディアで実現する)ことができる。このような情報、説明、メッセージ及び/又は広告文案の他の例示的な形態は、例えば、両方とも「トイレトレーニング材料を表示するための方法及びそれを用いるディスプレイキオスク」と題される米国特許第6,612,846号及び第6,896,521号、;「接触に応答してトイレトレーニングに関する予め記録されたメッセージを発音する方法」と題される同時係属米国特許出願番号第10/831476号、;「各性に特化した液体処理特性を有する性限定的な吸収性物品を製造する方法及び市販する方法」と題される同時係属米国特許出願番号第10/956763号に見出すことができ、その各々は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。
【0100】
説明、広告文案、メッセージ、又は他の情報を(例えば、文、画像、記号、図形、(各)色等を包装に印刷することによるか、又は印刷した説明書を包装に入れることによるか、又はこのような説明書、クーポン、又は他の材料を包装に付随させるか付着させること等により)本発明の用品を含む包装に付随させるときには、前記包装の構成材料は、包装の少なくとも一部を通る水又は水蒸気の流れを減少、妨害、又は排除するように選択することができることに留意されたい。或いは、包装は、水蒸気の透過を容易にするように選択することもできる。
【0101】
上に記載したように、本発明の実施形態のいくつかは、清浄化組成物、加湿組成物、その何らかの組み合わせ等を含む。このような組成物は、水を含むことができる。従って、それに含まれる用品から水又は水蒸気が蒸発又は透過するのを減少、最小化、又は排除する包装、容器、封筒、バッグ等が有利である可能性がある。更に、用品は、それに含まれる用品から水又は水蒸気が流れるか透過するのを阻害、減少、又は排除する容器、小包装、封筒、バッグ等に個別に包装することができる。本出願においては、「包装」、「容器」、「封筒」、「バッグ」、「小包装」等は、個々の用品(例えば、単一の用品を含む個々の小包装に入れる)、又は複数の用品(個々の用品の各々が別個の材料例えば個々の小包装に封入されて保持されているかどうかに関係なく、複数の用品を含むフィルムで作られた可撓性のあるバッグに入れる)の何れかを封入して保持するようにされたあらゆる材料をいう点で互換性がある。
【0102】
本発明の別の形態では、包装、容器、封筒、バッグ、小包装等を構成するための材料は、水又は水蒸気が容易に透過するように選択される。これは、用品を製造した後に、水ベースの清浄化組成物を含む両面パーソナルケア用品を系統的に乾燥することが望ましい場合である。
【0103】
本発明の実施形態のいくつかでは、包装は、1つ又はそれ以上の両面パーソナルケア用品だけでなく、他のパーソナルケア製品も含むことになる。実施形態の1つでは、清浄化及び/又は表層剥離及び/又は加湿バフ又はパッドのような本発明のパーソナルケア用品は、パーソナルケアに関する他の製品、特に、使用者の皮膚を清浄化、加湿、又は他の方法でケアすることに関する製品とともに販売、移送、流通、又は市販することができる。例えば、本発明の両面パーソナルケア用品は、使用者の皮膚(例えば、手、足、前腕、又は使用者の身体の他の部位)を加湿するためのパーソナルケア用品とともに販売、移送、流通、又は市販することができる。2005年7月26日にK.Closeらが出願した「組成物を送達するための用品」と題される同時係属米国特許出願(米国特許出願番号第11/190,597号)は、足を加湿するための組成物を含む靴下、及び手を加湿するための組成物を含む手袋を含むこのような用品を記載している。)この出願は、本明細書と矛盾しないように引用によりそのまま組み入れられる。本発明の別の形態では、本発明の両面パーソナルケア用品は、基層又は前記基層を含むパーソナルケア用品、例えば天然海綿の外観を有するプーフとともに販売される。「健康、衛生及び/又は環境(各)用途のための基層及びパーソナルケア用品、及び前記基層及びパーソナルケア用品を作る方法」と題され、K.Closeらにより2005年11月1日に出願された同時係属米国特許出願(米国特許出願番号はまだ割り当てられていない。内部整理番号K−C 21999)は、プーフを含むこのような用品を記載している。この出願は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。このようなパーソナルケア用品の他の組み合わせも可能で、本発明の範囲に含まれる。このような組み合わせは、先の段落に記載したように市販して包装することができることに留意されたい。本発明の形態の1つでは、これらの組み合わせは、この組み合わせを作り上げる個々の製品のデザイン、機能及び/又は外観が共通のテーマに関連するように市販される。例えば、テーマの1つは、各製品が、製品の使用者に温泉様、又は温泉関連の手当て又は経験を与えるものとすることができる。「温泉様」又は「温泉関連」とは、リフレッシュされ、リラクゼーションを求め、皮膚、毛髪、筋肉、手の爪、足の爪、顔、又は身体の他の部分等に有益な手当てを求める保養地、ホテル、又は他のそのような施設で客が受け取る可能性がある手当て又は経験に類似する流行の及び/又は有益な手当て又は経験に関するか、又はそのことをいう。
【0104】
これら及び本発明に対する他の変更形態及び変形形態は、添付の請求項に更に詳細に述べる本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者は実施することができる。更に、当業者には、前述の事項は、例を挙げたのみであり、このような添付の請求項で更に記載される本発明を制限することを意図しないことは理解されると考える。
【実施例】
【0105】
実施例1
嵩高の圧縮可能な材料である11オンス/平方ヤードのスペクトルスパンボンドをキンバリークラーク社から得た。この材料は、第2の相互接着繊維層に関して上に記載したように作られた。
【0106】
第1の相互接着繊維層は、補強ストランド/フィラメントを用いずに上に記載したように作った。この材料は、上に記載したようなメルトブローンユニット作業を用いて作られた。この層の一形態は、重量で97%の過酸化物を含まないポリプロピレンであるAchieve 3854(ルイジアナ州バトンルージュシーニックハイウェイ4999のExxonMobil)と、重量で3%のジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、ジョージア州ソーシャルサークルハイタワートレイル1196 30025のStandridge Color Corporationにより生成される)と、の乾燥ブレンドで作った。この層の別の形態は、重量で48.5%のポリプロピレン材料であるPro−Fax PF−015(Basell USA Inc.ウェストレイク108ハイウェイ4101)と、48.5%のAchieve 3854(ExxonMobil)と、3%ジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、Standridge Color Corporationにより生成される)と、の乾燥ブレンドで作った。この層の第3の形態は、重量で87%のPro−Fax PF−015(Basell USA)と、10%のVistamaxx PITD 1816と、3%ジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、Standridge Color Corporationにより生成される)と、の乾燥ブレンドで作った。
【0107】
本発明の基層を作るために、ウィスコンシン州グリーンビルのレビドライブW6470に営業所を置く会社であるMidwest Industrial Rubberからコンベヤベルトを得た。調製した基層に対しては、取得したベルトは、幅15.5インチ、長さ75インチであった(ベルト端部が共に接合してエンドレスベルトを形成する)。調達した各ベルトは、肌理付き表面を有していた。ベルトは、本明細書に従って、直径が0.25インチのダイカット円形穴を含むように製造業者により修正された。ダイカット穴の中心は、ベルトの幅寸法に0.375インチ離れており、列は、ベルトの長さ寸法に0.375インチ離れていた。取得したベルトの型番(ブラケットに製造業者により記載)は、MIR 7118[シリコーン;エンドレスベルト];MIR 1133[緑色、RT粗面上面;エンドレスベルト](このベルトを用いて以下に記載するように第1の相互接着繊維層を作る);MIR 1111[白色、陰のプロファイル;エンドレスベルト];及びMIR 1139[淡褐色、ダイアモンド上面;エンドレスベルト]であった。
【0108】
本発明の第1の相互接着繊維層は、図2に示したような工程を用いて作った。そこから相互接着繊維層が形成される毛管の先端は、移動支持部の表面から約8インチであった。更に、メルトブローダイの個々の毛管は、支持部が移動する方向に対して横方向に30穴/インチであるように配列した(支持部の移動方向に対して横方向に合計12インチの穴に相当)。これらのダイ毛管の直径は、約0.0145インチであった。
【0109】
相互接着繊維層のためのポリマー原料を押出し機に連結したホッパに加えた。次に、これらのポリマー原料は、ブレンドされて温度が約華氏500度に達するまで次第に加熱した。次に、溶融ポリマー材料を毛管を通して誘導することによりポリマー繊維を形成した。第1の相互接着繊維層のこの形態では、メルトブローン材料を形成するのに用いられる空気の一次空気温度は、コード1に対して約華氏600度、コード2及び3に対して約華氏500度であった。一次空気流がメルトブローダイを通して誘導される圧力は、約28ポンド/平方インチであった。ワイヤ下真空又は排出機は、3つ全てのコードに対して7インチ水であった。
【0110】
第1の相互接着繊維層の製造に対応する工程パラメータは、以下に与えられる。(「Mb融点」は、毛管の出口に近接する位置でのメルトブローン材料の華氏温度を与え、「Mb一次空気温度」は、材料が毛管を出るときにメルトブローン材料の周りに流れる加熱空気の華氏温度を与え、「MB一次空気圧」は、材料が毛管を出るときにメルトブローン材料の周りに流れる加熱空気の圧力(ポンド/平方インチ)を与えこの圧力を測定した位置は、毛管の組より上流で圧縮機源に近く、従って、毛管を出るメルトブローン材料の周りに実際に流れる空気の位置に近接する位置での圧力の期待される2〜3ポンド/平方インチより高く、「Mb PIH」とは、横方向に毛管の1直線インチを出るメルトブローン材料のポンド[質量]/時間をいい、「ライン速度」は、それを通して相互接着繊維層ここではメルトブローン材料が形成される毛管の組に対して横方向に移動するときの移動支持部/ベルトの線速度(フィート/分)を与え、「フィラメントPIH」とは、横方向に毛管の1直線インチを出るあらゆる任意的なフィラメント/補強ストランドのポンド[質量]/時間をいい、「フィラメント融点」は、対応する毛管の組から出るストランドに近接する位置でのあらゆる任意的なフィラメント/補強ストランドの温度を与え、「フィラメント:Mb比」は、フィラメントPIHのMb PIHに対する比を与え、「坪量」は、得られる基層の重量(グラム/平方メートル)を与える)。
【0111】
表1
*コード1〜3に対しては、顔料を用いなかった。これらの第1の相互接着繊維層の各々のポリマー組成は、コード1は、重量で100%のAchieve 3854、コード2は、重量で50%のAchieve 3854及び重量で50%のPro−Fax PF−015、コード3は、重量で90%のPro−Fax PF−015、10%のVistamaxx PITD 1816であった。染料で作られるコードは、類似の工程条件で作られ、本例1の第1段落に述べた組成を有するものであった。「NA」は、補強ストランドがコード1、2、及び3に対して形成されないという点で「適用されない」を表す。
**予想例。予想例4で用いられることになっているポリマー。即ち、メルトブローン/第1の相互接着繊維層=重量で97%のAchieve 3854(ルイジアナ州バトンルージュシーニックハイウェイ4999のExxonMobil)及び重量で3%のジェイド顔料(SCC 05SAM06233は、Standridge Color Corporationにより生成される)であり、フィラメント/補強ストランド=Vistamaxx PLTD 1816(ExxonMobil;メタロセン触媒で作られるポリエチレン/ポリプロピレンエラストマーのブレンド)である。相互接着繊維層をフィラメント/補強ストランドとともに作ることに関する付加的な情報は、「健康、衛生及び/又は環境(各)用途のための基層及びパーソナルケア用品、及び前記基層及びパーソナルケア用品を作る方法」と題され、K.Closeらにより2005年11月1日に出願された同時係属米国特許出願(米国特許出願番号はまだ割り当てられていない;内部整理番号K−C21999)を参照されたい。この出願は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。
【0112】
第1の相互接着繊維層は、テキサス州ヒューストンに営業所を置く会社であるHuntsman Polymerから入手可能なポリプロピレンベースの接着剤であるSA−15を用いて第2の相互接着繊維層に接着した。この接着剤は、以下の同時係属米国特許出願及び特許、即ち、第US6774069 B2号、第US6872784 B2号、第US6887941 B2号に記載されており、その各々は、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。ホットメルト接着剤を含む他の接着剤を用いることもでき、これには、Bostik Findleyから入手可能な接着剤であるH2840が含まれる。
【0113】
これらの代表的な例では、従来のホットメルト接着剤処理機器を用いて、SA−15接着剤は、流れることになるように温度約華氏400度まで加熱した。溶融接着剤は、次に、メルトブローンスプレー先端に導いて上に識別される嵩高のスペクトルスパンボンド材料(即ち、第2の相互接着繊維層)の表面又は面に接着剤をスプレーした。スペクトルスパンボンド材料及びメルトブローンされた第1の相互接着繊維層の両方は、ロールの形であり、ライン作業と同じ速度である50フィート/分の速度で巻き戻された。接着剤は、アドオンレベル20グラム/平方メートルで塗布した。接着剤を塗布したほぼ直後に(約1〜2秒未満)、接着剤を塗布した嵩高のスペクトルスパンボンド材料の表面又は面を第1の相互接着繊維層の表面又は面に接合し、その組合せを2つのロールのニップに誘導し、2つのロールの隙間は、1/2インチであった。この隙間幅を選択し、2つの材料を互いに接合するために十分であるが、得られる積層体(特に嵩高の材料)が過度に圧縮されない圧力をかける。得られる積層体は、次に巻き上げた。
【0114】
次に、卵形のダイを用いて、積層体から両面パーソナルケア用品を切断した。得られる用品は、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するため、皮膚を優しく清浄化するための両方に適合させた。
【0115】
実施例2
以下の原料は、特定された供給業者から入手し、以下の表の下の文に示されるように組み合わせた。
【0116】
列記した割合のデシルグルコシド、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、PEG−7グリセリルココエート、DMDMヒダントイン、ヨードプロピルブチルカルバメート、及びクエン酸及び水の溶液を列記した順で、Lightnin LabmasterミキサLIU10F(ニューヨーク集ロチェスターマウントリード大通り135)を用いて共に混合した。この界面活性剤溶液に、列記した質量の98%の水及び原料2〜12、14、及び17を加えて分散した。次に列記した量のパンテノールを列記した量の水の1%と混合して溶解した。次に、このパンテーノール混合物を先に調製した混合物に加えて混合した。次に、列記した質量の1パーセントの水を特定したクエン酸原料と組み合わせた。次に、得られるクエン酸溶液を用いて完成混合物のpHを5.5と6.5との間に調節した。次に、この完成され、PHを調節した混合物に、芳香剤を加えて分散した。
【0117】
次に、清浄化組成物を本発明のパーソナルケア用品に塗布するが、この場合は、4グラムの清浄化組成物を比較的均質にパーソナルケア用品の嵩高の基層(即ち、第2の相互接着繊維層)の表面に塗布することによる(上の例1に記載したコード1)。次に、パーソナルケア用品を第2の相互接着繊維層を上向きにして平坦な表面に配置し、清浄化組成物が用品に浸透するようにした、得られる上に記載した清浄化組成物で処理されたパーソナルケア用品は、皮膚を清浄化及び/又は手当て及び/又は加湿するのに有用な泡が形成されるとともに、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するようにされる。
【0118】
実施例3
以下の原料を、特定された供給業者から入手し、以下の表の下の文に示されるように組み合わせた。
【0119】
列記した割合のデシルグルコシド、コカミドプロピルベタイン、グリセリン、PEG−7グリセリルココエート、DMDMヒダントイン、ヨードプロピルブチルカルバメート、及びクエン酸及び水の溶液を列記した順で、Lightnin LabmasterミキサLIU10F(ニューヨーク集ロチェスターマウントリード大通り135)を用いて共に混合した。この界面活性剤溶液に、列記した質量の98%の水及び原料2〜12、14、及び17を加えて分散した。次に列記した量のパンテノールを列記した量の水の1%と混合して溶解した。次に、このパンテーノール混合物を先に調製した混合物に加えて混合した。次に、列記した質量の1パーセントの水を特定したクエン酸原料と組み合わせた。次に、得られるクエン酸溶液を用いて完成混合物のpHを5.5と6.5との間に調節した。次に、この完成され、PHを調節した混合物に、芳香剤を加えて分散した。
【0120】
次に、清浄化組成物を本発明のパーソナルケア用品に塗布するが、この場合は、4グラムの清浄化組成物を比較的均質にパーソナルケア用品の嵩高の基層(即ち、第2の相互接着繊維層)の表面に塗布することによる(上の例1に記載したコード1)。次に、パーソナルケア用品を第2の相互接着繊維層を上向きにして平坦な表面に配置し、清浄化組成物が用品に浸透するようにした、得られる上に記載した清浄化組成物で処理されたパーソナルケア用品は、皮膚を清浄化及び/又は手当て及び/又は加湿するのに有用な泡が形成されるとともに、皮膚を表層剥離及び/又は刺激及び/又は優しく研磨するようにされる。
【0121】
実施例4:本発明の両面パーソナルケア用品の形態の物理特性
嵩高の第2の相互接着繊維層(例えば例1で引用したスペクトル材料)の直径は、画像分析により評価した。この層の繊維の平均直径は、18マイクロメートル(標準偏差1マイクロメートル)であった。
【0122】
第1の相互接着繊維層の2つの例の直径を求めた。これらの層は、一般に例1及び本明細書に記載するように作った。例の1つは、平均直径23マイクロメートル(標準偏差2マイクロメートル)を有する繊維を含んでいた。第2の例は、平均直径57マイクロメートル(標準偏差10マイクロメートル)の繊維を含んでいた。直径は、繊維の外周(側部)に垂直な線に沿う距離を測定することにより求めた。この距離は、二次元画像の2つの側部間の距離に一致する。
【0123】
各相互接着繊維層の相互接着繊維により定められる孔寸法を求めた。等価円形直径は、3回の反復分析に対して求め、各分析が300〜500の個々の測定を含んだ。嵩高の第2の相互接着繊維層の繊維により定められる孔の平均等価円形直径は、75マイクロメートル(標準偏差12マイクロメートル)であった。第1の相互接着繊維層(例1に記載したように作られる)の一例の繊維により定められる孔に対する平均等価円形直径は、57マイクロメートル(標準偏差3マイクロメートル)であった。第1の相互接着繊維層(例1に記載したように作られる)の第2の例の繊維により求められる孔の平均等価円形直径は、163マイクロメートル(標準偏差6マイクロメートル)であった。等価円形直径の分析に関する付加的な詳細は、「疎水性運搬層を有する吸収性物品」と題され、発明者としてStephen Meyerらが記載される米国特許第4,798,603号に示され、これは、本明細書と矛盾しない範囲で引用によりそのまま組み入れられる。本出願においては、この測定値は、「平均孔直径」又は「平均孔寸法」に一致する。
【0124】
一般に、孔が大きければ、表層剥離の間に皮膚表面から除去される破片、皮膚等を更に良好に受け取ることができると考えられているため、第2の相互接着繊維層の平均孔直径より大きな平均孔直径の孔を定める繊維を含む第1の相互接着繊維層が好まれる。また、一般に、第1の相互接着繊維層は、第2の相互接着繊維層の繊維の平均直径より平均直径が大きな繊維を含む。平均直径が大きいものは、一般に、皮膚の表層剥離及び/又は刺激を容易にするのに更に良好に適する硬い繊維に一致する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明のパーソナルケア用品の代表的形態を示す図である。
【図1A】本発明のパーソナルケア用品の代表的な形態を示す画像である。
【図1B】本発明のパーソナルケア用品の代表的な形態を示す画像である。
【図2】本発明の第1の相互接着繊維層(あらゆる任意的な補強ストランドを含む)を作るための工程の代表的な形態を示す図である。
【図3】本発明の第2の相互接着繊維層を作るための工程の代表的な形態の1つを示す図である。
【図4】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図4A】図4の線4A〜4Aで取った断面を示す図である。
【図5】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図5A】図5の線5A〜5Aで取った断面を示す図である。
【図6】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図6A】図6の線6A〜6Aで取った断面を示す図である。
【図7】異なる肌理及び/又は立体的形態を有する形成表面の代表的な形態を極めて詳細に示す図である。
【図7A】図7の線7A〜7Aで取った断面を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
1 パーソナルケア用品
3 第1の相互接着繊維層
5 第2の相互接着繊維層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の平均直径を有する繊維を含み、各々が3次元の立体的形態を有する第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を含むとともに、第1の平均孔寸法を定めるようになった第1の相互接着繊維層と、
第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を含む第2の相互接着繊維層と、
を有し、
前記第2の相互接着繊維層の前記第1の面が、前記第1の相互接着繊維層の前記第2の面の前記3次元の立体的形態に取り付けられて実質的にそれに合致しており、前記第2の相互接着繊維層が、第2の平均孔寸法を定め、第2の平均直径の繊維を含む
ことを特徴とする両面パーソナルケア用品。
【請求項2】
前記第1の相互接着層が、形状成形不連続部を定めることを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項3】
前記第1の相互接着層が、補強ストランドを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項4】
前記形状成形不連続部が、前記第1の相互接着繊維層の円形陥凹部又は開口部であることを特徴とする請求項2に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項5】
前記第1の相互接着繊維層の前記第2の面と前記第2の相互接着繊維層の前記第1の面との間に接着剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項6】
清浄化組成物を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項7】
前記清浄化組成物が、前記第2の相互接着繊維層に配置されることを特徴とする請求項6に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項8】
前記第1の平均孔寸法が前記第2の平均孔寸法より大きく、前記第1の平均直径が前記第2の平均直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項9】
両面パーソナルケア用品を作る方法であって、前記方法が、
(a)開口部を有する移動支持部に第1の相互接着繊維層を形成する段階と、
(b)前記開口部の少なくともいくつかに隣接する前記第1の相互接着繊維層の少なくともある部分を前記開口部の少なくともいくつか内に動かし、それによって、前記相互接着繊維層に形状成形された不連続部を形成する段階と、
(c)前記第1の相互接着繊維層を嵩高の不織基質に取り付ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記移動支持部が、肌理付き表面を有し、前記肌理付き表面が、前記第1の相互接着繊維層に3次元の立体的形態を付与することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
補強ストランドを形成する段階と、前記ストランドの少なくともある部分を前記第1の相互接着繊維層の少なくともある部分に取り付ける段階と、を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
容器と、
前記容器内に収納された請求項1に記載の両面パーソナルケア用品の1つ又はそれ以上と、
を含む包装。
【請求項13】
前記容器が、水及び水蒸気に不透過性であることを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項14】
各パーソナルケア用品が、別個の封筒に更に含まれ、各封筒が、水及び水蒸気に不透過性であることを特徴とする請求項13に記載の包装。
【請求項15】
前記包装の表面又は内部に説明を更に含み、前記説明が、前記用品を温泉関連活動又は経験に関連付けることを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項16】
前記用品が前記用品の使用者の限定的な使用のためのものであることに関する説明を前記包装の表面又は内部に更に含むことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項17】
以下の英数字列、即ち、リラックス、平和、活力、活力を与える、性、官能性、肉感的な、温泉、精神、霊的、清潔、新鮮、山、郊外、風味、海、空、健康、衛生、水、滝、水分、加湿、又はその特定の組み合わせの1つ又はそれ以上を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項18】
皮膚を加湿するためのパーソナルケア用品、皮膚を洗浄するためのパーソナルケア用品、又は両方を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項19】
皮膚を洗浄するための前記パーソナルケア用品がプーフであり、皮膚を加湿するための前記パーソナルケア用品が足を加湿するためのソックス又は手を加湿するための手袋であることを特徴とする請求項18に記載の包装。
【請求項20】
前記容器が、水及び水蒸気に透過性であり、それに含まれるパーソナルケア用品から水又は水蒸気が透過するのを容易にするものであることを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項21】
各パーソナルケア用品が、別個の封筒に更に含まれ、各封筒が、水及び水蒸気に透過性であり、それに含まれるパーソナルケア用品から水又は水蒸気が容易に透過するようにされたことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項1】
第1の平均直径を有する繊維を含み、各々が3次元の立体的形態を有する第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を含むとともに、第1の平均孔寸法を定めるようになった第1の相互接着繊維層と、
第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を含む第2の相互接着繊維層と、
を有し、
前記第2の相互接着繊維層の前記第1の面が、前記第1の相互接着繊維層の前記第2の面の前記3次元の立体的形態に取り付けられて実質的にそれに合致しており、前記第2の相互接着繊維層が、第2の平均孔寸法を定め、第2の平均直径の繊維を含む
ことを特徴とする両面パーソナルケア用品。
【請求項2】
前記第1の相互接着層が、形状成形不連続部を定めることを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項3】
前記第1の相互接着層が、補強ストランドを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項4】
前記形状成形不連続部が、前記第1の相互接着繊維層の円形陥凹部又は開口部であることを特徴とする請求項2に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項5】
前記第1の相互接着繊維層の前記第2の面と前記第2の相互接着繊維層の前記第1の面との間に接着剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項6】
清浄化組成物を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項7】
前記清浄化組成物が、前記第2の相互接着繊維層に配置されることを特徴とする請求項6に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項8】
前記第1の平均孔寸法が前記第2の平均孔寸法より大きく、前記第1の平均直径が前記第2の平均直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の両面パーソナルケア用品。
【請求項9】
両面パーソナルケア用品を作る方法であって、前記方法が、
(a)開口部を有する移動支持部に第1の相互接着繊維層を形成する段階と、
(b)前記開口部の少なくともいくつかに隣接する前記第1の相互接着繊維層の少なくともある部分を前記開口部の少なくともいくつか内に動かし、それによって、前記相互接着繊維層に形状成形された不連続部を形成する段階と、
(c)前記第1の相互接着繊維層を嵩高の不織基質に取り付ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記移動支持部が、肌理付き表面を有し、前記肌理付き表面が、前記第1の相互接着繊維層に3次元の立体的形態を付与することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
補強ストランドを形成する段階と、前記ストランドの少なくともある部分を前記第1の相互接着繊維層の少なくともある部分に取り付ける段階と、を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
容器と、
前記容器内に収納された請求項1に記載の両面パーソナルケア用品の1つ又はそれ以上と、
を含む包装。
【請求項13】
前記容器が、水及び水蒸気に不透過性であることを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項14】
各パーソナルケア用品が、別個の封筒に更に含まれ、各封筒が、水及び水蒸気に不透過性であることを特徴とする請求項13に記載の包装。
【請求項15】
前記包装の表面又は内部に説明を更に含み、前記説明が、前記用品を温泉関連活動又は経験に関連付けることを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項16】
前記用品が前記用品の使用者の限定的な使用のためのものであることに関する説明を前記包装の表面又は内部に更に含むことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項17】
以下の英数字列、即ち、リラックス、平和、活力、活力を与える、性、官能性、肉感的な、温泉、精神、霊的、清潔、新鮮、山、郊外、風味、海、空、健康、衛生、水、滝、水分、加湿、又はその特定の組み合わせの1つ又はそれ以上を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項18】
皮膚を加湿するためのパーソナルケア用品、皮膚を洗浄するためのパーソナルケア用品、又は両方を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項19】
皮膚を洗浄するための前記パーソナルケア用品がプーフであり、皮膚を加湿するための前記パーソナルケア用品が足を加湿するためのソックス又は手を加湿するための手袋であることを特徴とする請求項18に記載の包装。
【請求項20】
前記容器が、水及び水蒸気に透過性であり、それに含まれるパーソナルケア用品から水又は水蒸気が透過するのを容易にするものであることを特徴とする請求項12に記載の包装。
【請求項21】
各パーソナルケア用品が、別個の封筒に更に含まれ、各封筒が、水及び水蒸気に透過性であり、それに含まれるパーソナルケア用品から水又は水蒸気が容易に透過するようにされたことを特徴とする請求項12に記載の包装。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図7A】
【公表番号】特表2009−513298(P2009−513298A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538866(P2008−538866)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024262
【国際公開番号】WO2007/053204
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024262
【国際公開番号】WO2007/053204
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
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