健康器具
【課題】皮膚のツボに押し付けたり体に接触又は近接させたりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、また皮膚に押し付けたときには適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができ使用性に優れ、また寝具や日用品等に載置したり装着したりするのが容易で応用性に優れるとともに携帯性に優れ、さらに構成が単純で耐久性に優れる健康器具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の健康器具1は、袋状に形成された収納室2と、放射性鉱物の粉末が固結されて所定形状に形成され収納室2内に線状又は面状に配列された放射性固結体3と、を備える。
【解決手段】本発明の健康器具1は、袋状に形成された収納室2と、放射性鉱物の粉末が固結されて所定形状に形成され収納室2内に線状又は面状に配列された放射性固結体3と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に近接させる又は接触させて用いる健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラジウム元素から放射される放射能が病気等の治療に効果のあることが知られており、そのためラジウムの効果を利用した各種の健康器具が提供されている。
従来の技術としては、例えば(特許文献1)に、「秋田県鹿角市八幡平の玉川温泉で採取される湯の花の粉末を生地に塗布し、この生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包み、これを従来から提供されている遠赤外線治療器に重ねて組み合わせた治療器」が開示されている。
(特許文献2)に、「内部を複数の袋体に分割した袋体と、該袋体における各部屋の内部に充填したラジウムを含む粉末と、前記ラジウムを含む粉体を充填した袋体を略真空状態で収容したカバー材と、を備えた治療器」が開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3080299号公報
【特許文献2】特開2004−147810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、生地に塗布される湯の花の粉末の量は少量なので、治療に必要なだけのラジウムの量を十分に確保することができず、そのため治療に必要な放射線を得ることができず治療効果が低いという課題を有していた。
(2)また、製造する際には、湯の花の粉末を生地に塗布する作業や、粉末を塗布した生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包む作業が煩雑で作業性に欠けるという課題を有していた。
(3)使用しているうちに、生地に塗布された湯の花の粉末が、生地から剥れて粉状化して通気性のある生地の縫い目等から生地の外に出て、辺りが湯の花の粉末で汚れてしてしまうとともに、湯の花の粉末は強酸性なので周囲の物を腐食させるおそれがあるという課題を有していた。また、生地から剥れた湯の花の粉末が、ポリエステル等の通気性のある生地内で片寄ってゴワゴワした感触になり快適性に欠けるという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に開示の技術は、ラジウムを含む湯の花等の粉末が袋体の各部屋の内部に充填され、袋体が略真空状態でカバー材に収容されているので、粉末が袋体内で片寄ったり、粉末がカバー材の外に漏れ出るのを防止できるが、袋体を略真空状態でカバー材に収容する作業が煩雑で生産性に欠ける。
(5)使用しているうちにカバー材が切れたり穴が開いたりすると、そこから一瞬の内にカバー材の中に空気が入り、カバー材の役目を果たすことができず、袋体に充填された粉末がカバー材の穴等から外に漏れ出し周囲を汚したり腐食させたりするため、細心の注意を払って治療具を使用しなければならず使用性に欠ける。
(6)袋体の部屋は粉末が充填されているだけのため、指で押したりすると変形する程度の硬さなので、温熱治療を行うには適度の硬さであり適しているが、治療器を皮膚のツボに押し当て押圧すると各部屋が変形するため圧力が小さくなり、指圧療法には適さないという課題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、皮膚のツボに押し付けたり体に接触又は近接させたりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、また皮膚に押し付けたときには適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができ使用性に優れ、また寝具や日用品等に載置したり装着したりするのが容易で応用性に優れるとともに携帯性に優れ、さらに構成が単純で耐久性に優れる健康器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために本発明の健康器具は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の健康器具は、袋状に形成された収納室と、放射性鉱物の粉末が固結されて所定形状に形成され前記収納室内に線状又は面状に配列された放射性固結体と、を備えた構成を有している。
これにより、以下のような作用が得られる。
(1)硬度の高い放射性固結体が収納室内に線状や面状に配列されているため、皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、放射性固結体から放射される微量の放射線(α線、β線、γ線)によって、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、さらに皮膚の表面に押し当てたときには、線状や面状に配列された放射性固結体が圧力を分散させて、適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができる。
(2)放射性鉱物の粉末の粒子間を固結して所定形状に形成した放射性固結体は、粉末と比べて粒径が大きいため、カバー材等を用いなくても収納室から外に漏れ出さないようにすることが簡単にでき、構成が単純なので耐久性に優れる。
(3)放射性固結体が収納室内に配列されているので、放射性固結体がばらばらにならないように一群にすることができ携帯性に優れ、また布団、ベッド、座布団、枕、クッション、椅子、車椅子、ソファ等の寝具や日用品、寝床を覆う蚊帳状の枠体等に載置したり装着したりするのが容易で、放射性固結体を体に密着させたり近接させたりして、放射性固結体から放射される微量の放射線による新陳代謝作用等を得ることができ応用性に優れる。
【0006】
ここで、収納室としては、放射性固結体が繊維間から漏れないような目の大きさに形成された織布,網布,不織布等の布状体、合成樹脂製繊維や天然繊維等でメッシュ状に形成された網状体、合成樹脂製フィルム等のフィルムやシート等で袋状に形成されたものを用いることができる。なかでも、メッシュ等の網状体で形成されたものが好適に用いられる。放射性固結体の表面が網状体の網目から露出するので、健康器具を皮膚に押し当てた際、硬度の高い放射性固結体の表面が皮膚に直接押し付けられ、高い指圧療法効果を得ることができるからである。また、放射性固結体の表面が網状体の網目から露出しているので、布状体と比較して、浴槽に入れた温水に浸漬して温泉水を生成したり、サウナ等の水蒸気中に曝して温泉効果を得ることができるとともに、素早く乾燥され使用性に優れるからである。
【0007】
収納室の平面形状としては、三角形状,四角形状やそれ以上の多角形状、円形状、直線や曲線を組み合わせた不定形状等が用いられ、単一の形状、単一の大きさのものだけでなく、異なる形状や大きさのものを組み合わせることもできる。
【0008】
収納室は、線状又は面状に配列された放射性固結体の全体の外縁より、わずかに大きめに形成されたものが用いられる。これにより、配列された放射性固結体を収納室内で位置を変えずに拘束させることができ、収納室内に配列させた全ての放射性固結体の表面を、皮膚に接触させたり近接させたりでき、放射性固結体が体に与える効果を最大限に活用することができる。
【0009】
放射性鉱物としては、ウラン系列、トリウム系列、アクチニウム系列等の放射性元素を含む天然の鉱物が用いられる。
放射線固結体としては、放射性鉱物を粉砕して得られた放射性鉱物粉末の粒子間をバインダー等で接着して所定形状に固結したもの、放射性鉱物粉末を所定形状に成形して焼結したものが用いられる。
【0010】
放射性固結体の形状としては、略球状、円筒状、三角柱,六角柱等の多面体状、ペレット状、円盤状、タブレット状等に形成されたものが用いられる。なかでも、略球状に形成されたものが好適に用いられる。収納室内に配列された際に密充填し易く拘束させ易く、また角がないので摩耗し難く耐久性に優れるからである。また指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、角がないので、痛みを与えずに適度な刺激を与えることができるからである。
放射性固結体が略球状の場合、粒径は5〜20mmのものが用いられる。収納室内に拘束させて配列させ易く、また指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、皮膚に適度な間隔で当たるので、ツボの正確な位置を知らなくてもツボがあると思われる箇所に押し当てれば、配列された放射性固結体のいずれかがツボを刺激するからである。なお、粒径が5mmより小さくなるにつれ収納室内で移動し易くなり片寄ったりする傾向がみられ、20mmより大きくなるにつれ指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、皮膚に当たる間隔が広くツボに当たらなくなる可能性が高くなるとともに、重量が増し携帯したり体に装着するのが苦痛になる傾向がみられ、いずれも好ましくない。
【0011】
放射性固結体は、その1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数が、1200〜8000カウント/分好ましくは3000〜6000カウント/分であり、微量の放射線を放射するものが好適に用いられる。症状や体力等に応じて、放射性固結体のカウント数や健康器具に配列される放射性固結体の数量を選択することができる。カウント数が3000カウント/分より小さくなるにつれ、皮膚に接触させたり近接させたりした際、腫れを抑えたり痛みを軽くしたりする消炎効果や新陳代謝作用が低下する傾向がみられ、6000カウント/分より大きくなるにつれ、個人差はあるが、血行が良くなり過ぎ火照りを感じ易くなる傾向がみられる。特に、1200カウント/分より小さくなるか8000カウント/分より大きくなると、これらの傾向が著しくなるため好ましくない。
【0012】
なお、放射性固結体に加え、収納室内に、麦飯石や石英を収納させ配列させることもできる。収納室が通水性を有する布状体や網状体等で形成されている場合、麦飯石や石英が収納されると、健康器具を浴槽に入れた温水に浸漬した際に、温浴治療効果を高めることができる。麦飯石は遠赤外線の放射効率が高いだけでなく、水中の塩素,マグネシウム,カルシウム等を吸着し水を軟水化するとともに各種ミネラル成分を溶出するので、皮膚への刺激を少なくすることができるからである。また、石英が放射性固結体と一緒に収納されると、放射性固結体との相乗作用によって、理由は不明であるが、打ち身等の腫れを抑えたり痛みを軽くしたりする消炎効果を増大させることができるからである。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の健康器具であって、前記収納室が、同一面方向に連設された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室が同一面方向に連設されているので、頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に包帯やベルトのように巻き付けたりすることができ、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにし新陳代謝機能を高めるとともに、うっ血やむくみ等をなくしたり、放射性固結体が殺菌作用を有するため外傷を治すこともできる。
【0014】
ここで、収納室は、同一面方向に連設するのであれば、縦方向に数cm〜数mの長さの紐状に連設したり、縦横方向に帯状のベルトのように連設したりすることができる。
収納室を連設する手段としては、筒状に形成された長尺の布状体等を縫い目,接着剤,溶着等で複数の収納室に区画する手段、収納室同士を縫着,接着,溶着等で繋ぎ合わせ連設する手段等を用いることができる。収納室間に適度な間隔を開けて区画したり繋ぎ合わせたりすることもできる。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の健康器具であって、前記収納室の端部に連結部材が配設されている、又は、前記収納室の両端を環状連結した環状連結部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室の端部に配設された連結部材や収納室の両端を環状連結した環状連結部を備えているので、連結部材や環状連結部を用いて頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に収納室に配列された放射性固結体を配置固定することができ自在性に優れる。
【0016】
ここで、連結部材としては、収納室の端部に配設された紐,紐ゴム,ホック,ボタン,ファスナー,面ファスナー等を用いることができる。
環状連結部としては、収納室の両端を環状連結した帯状や紐状のゴム等を用いることができる。
収納室が複数連設されている場合は、連設された収納室の端部や両端に連結部材や環状連結部が配設される。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の健康器具であって、前記収納室が配設され若しくは収装され身体に密着して装着される装着部材を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室が配設若しくは収装され身体に密着して装着される装着部材を備えているので、放射性固結体が配列された収納室を、頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等に密着して装着することができ自在性に優れる。
【0018】
ここで、装着部材としては、靴下、シャツ等の下着、手袋、指サック、腹巻、ベルト、帽子の内周、ズボンやスカートの内側の腰周り、ネクタイ、スカーフ、ブレスレット、アンクレット、アイマスク等の身体に密着して装着されるものが用いられる。
【0019】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の健康器具であって、前記放射性鉱物が、ウラン鉱物である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ウラン鉱物中にはラジウムが存在しているので、ラジウムから放射される放射線によって神経痛,リウマチ,肉腫,その他の痛みを沈静化することができ、またラジウムから水溶性のラドンが生成されるので、浴槽内の温水に浸漬したりサウナ等の水蒸気中に曝したりしてラドンを温水や水蒸気に溶解させることができ、血行を良くする、新陳代謝を高める、各種の疾病の治療ができる等の温泉水を生成し温泉効果を得ることができる。
【0020】
ここで、ウラン鉱物としては、ピッチブレンド等のセンウラン鉱、コフィン石、ブランネル石、リン灰ウラン石、リン銅ウラン石、ウラノフェン、カルノー石、北投石等のウラン含有鉱物が用いられる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の噴霧器であって、前記放射性固結体が、前記放射性鉱物の粉末の成形体が800〜1200℃で焼結された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)放射性固結体が放射性鉱物の粉末の成形体が800〜1200℃で焼結されているので、機械的強度が高く、収納室に配列された放射性固結体が互いに擦れ合っても摩耗し難く耐久性を高めることができる。
(2)放射性鉱物を粉砕して生成された多数の放射性鉱物粒子が焼結されているので、粒子間を接着するバインダー等の量を少なくできるため、放射性鉱物粉末の含有率を高めることができ、放射性固結体から放射される放射線の量を増加させることができ製品の品質を向上させることができる。
【0022】
ここで、放射性鉱物を粉砕して生成した粉末の粒度分布としては、粒径0.5〜100μm、好ましくは粒径5〜50μmの粒子が10〜30重量%、粒径5μm以下の粒子が90〜70重量%に調整されたものが好適に用いられる。粒径が5〜50μmの粒子によって成形性を高めることができ、粒径5μm以下の微細な粒子によって粒子間の焼結を促進し焼結体の機械的強度を高めることができるからである。
粒径5〜50μmの粒子が10重量%より少なくなり粒径5μm以下の粒子が90重量%より多くなるにつれ、粉砕効率が低下し生産性が低下する傾向がみられる。粒径5〜50μmの粒子が30重量%より多くなり粒径5μm以下の粒子が70重量%より少なくなるにつれ、粒子同士の焼結が進行し難く放射性固結体の機械的強度が低下し壊れ易くなる傾向がみられる。特に、放射性鉱物粉末の粒径が0.5μmより小さくなるか100μmより大きくなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
【0023】
また、焼結温度が800℃より低くなるにつれ焼結体の機械的強度が低下し、摩耗したり破損し易くなり耐久性が低下する傾向がみられ、1200℃より高くなるにつれ機械的強度は上がるが、焼結過程においてラジウムの蒸発量が多くなり放射性固結体の放射性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
なお、放射性鉱物粉末に粘土等の焼結助剤を添加して焼結することもできる。これにより、より低い温度での焼結を実現することができ省エネルギー性に優れる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の健康器具によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、放射性固結体から放射される微量の放射線(α線、β線、γ線)によって、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、さらに皮膚の表面に押し当てたときには、線状や面状に配列された放射性固結体が圧力を分散させて、適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができる健康器具を提供することができる。特に、従来のラドン治療法の好適な治療対象である各神経組織、リンパ線、生殖腺、腎臓、脾臓、副腎等の内臓疾患、筋軟骨、血管の疾患や関節炎等の症状を短時間で軽減させることができる。
(2)カバー材等を用いなくても放射性固結体を収納室から外に漏れ出さないようにすることが簡単にでき、構成が単純なので耐久性に優れた健康器具を提供することができる。
(3)放射性固結体がばらばらにならないように一群にすることができ携帯性に優れ、また布団、ベッド、座布団、枕、クッション、椅子、車椅子、ソファ等の寝具や日用品、寝床を覆う蚊帳状の枠体等に載置したり装着したりするのが容易で、放射性固結体を体に密着させたり近接させたりして、放射性固結体から放射される微量の放射線による新陳代謝作用等を得ることができ応用性に優れた健康器具を提供することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に包帯やベルトのように巻き付けたりすることができ、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにし新陳代謝機能を高めるとともに、うっ血やむくみ等をなくしたり、放射性固結体が殺菌作用を有するため外傷を治すこともできる応用性に優れた健康器具を提供することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)連結部材や環状連結部を用いて頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に収納室に配列された放射性固結体を配置固定することができ自在性に優れた健康器具を提供することができる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)放射性固結体が配列された収納室を、頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等に密着して装着することができ自在性に優れた健康器具を提供することができる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)神経痛,リウマチ,肉腫,その他の痛みを沈静化することができ、また水溶性のラドンが生成されるので、浴槽内の温水に浸漬したりサウナ等の水蒸気中に曝したりしてラドンを温水や水蒸気に溶解させることができ、血行を良くする、新陳代謝を高める、各種の疾病の治療ができる等の温泉水を生成し温泉効果を得ることができる健康器具を提供することができる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)機械的強度が高く、収納室に配列された放射性固結体が互いに擦れ合っても摩耗し難く耐久性に優れた健康器具を提供することができる。
(2)放射性鉱物粉末の含有率を高め、放射性固結体から放射される放射線の量を増加させることができ製品の品質の安定性に優れた健康器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における健康器具の平面図である。
図中、1は実施の形態1における健康器具、2は合成樹脂製繊維や天然繊維等で形成された網状体が袋状に形成された収納室である。収納室2は配列された後述する放射性固結体3の全体の外縁より、わずかに大きめに形成されている。なお、本実施の形態においては、収納室2は、各々が長さ約15〜60mm、幅約5〜20mmの矩形状に形成され、長手方向の端部同士が逢着等され全体として1〜3m程度の長さの紐状に連設されている。3は収納室2内に一列の線状に配列された略球状の放射性固結体である。なお、本実施の形態においては、放射性固結体3は北投石等のウラン鉱物を粉砕して製造した粉末を略球状に成形し800〜1200℃で焼結した直径が約5〜20mmの焼結体であり、収納室2の各々に3個ずつ一列に並べて収納されている。また、放射性固結体3は、その1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数が、1200〜8000カウント/分好ましくは3000〜6000カウント/分であるものを用いている。
【0031】
以上のように構成された実施の形態1における健康器具によれば、以下のような作用が得られる。
(1)硬度の高い放射性固結体3が収納室2内に線状に配列されているため、皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、放射性固結体3から放射される微量の放射線(α線、β線、γ線)によって、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、さらに皮膚の表面に押し当てたときには、線状に配列された放射性固結体3が圧力を分散させて、適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができる。
(2)放射性固結体3が配列された収納室2が1〜3mの長さの紐状に連設されているので、体全体に包帯のように巻き付けたりすることができ、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにすることができる。
(3)放射性鉱物としてウラン鉱物の粉末を略球状に固結した放射性固結体3を用いているので、粉末と比べて粒径が大きいため、網状体で形成された収納室2から外に漏れ出さないようにすることが容易で、構成が単純なので耐久性に優れる。
(4)収納室2は網状体で形成されているので、放射性固結体3の表面が収納室2の網状体の網目から露出し、健康器具1を皮膚に押し当てた際、硬度の高い放射性固結体3の表面が皮膚に直接押し付けられ、高い指圧療法効果を得ることができる。
(5)収納室2が、配列された放射性固結体3の全体の外縁より、わずかに大きめに形成されているので、放射性固結体3を収納室2内で位置を変えずに拘束させ定位置に配列させることができ、収納室2内に配列させた全ての放射性固結体3の表面を、皮膚に接触させたり近接させたりでき、放射性固結体3が体に与える効果を最大限に活用することができる。
(6)放射性固結体3が、角のない略球状に形成されているので、収納室2内に配列された際に摩耗し難く耐久性に優れる。また指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、角がないので、痛みを与えずに適度な刺激を与えることができる。
(7)放射性固結体3は略球状で粒径が5〜20mmなので、指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、皮膚に適度な間隔で当たるので、ツボの正確な位置を知らなくてもツボがあると思われる箇所に押し当てれば、配列された放射性固結体3のいずれかでツボを刺激することができ、誰でも簡単に指圧療法を行うことができる。また粒径が5〜20mmのため、軽量なので携帯性に優れるとともに、体力の乏しい老人等の体に装着したときにも重量を感じ難く使用性に優れる。
(8)放射性固結体3は、その1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数が、1200〜8000カウント/分好ましくは3000〜6000カウント/分なので、皮膚に接触させたり近接させたりした際、個人差はあるが、火照りを感じることなく15分程度の短時間で消炎効果や新陳代謝作用を得ることができる。
(9)ウラン鉱物中にはラジウムが存在しているので、神経痛,リウマチ,肉腫,その他の痛みを沈静化することができ、またラジウムから水溶性のラドンが生成されるので、浴槽内の温水に浸漬させるとラドンを温水に溶解させることができ、血行を良くする、新陳代謝を高める、各種の疾病の治療ができる等の温泉水を生成し温泉効果を得ることができる。
(10)放射性固結体3が放射性鉱物粉末の成形体が800〜1200℃で焼結されているので、機械的強度が高く、収納室2に配列された放射性固結体3が互いに擦れ合っても摩耗し難く耐久性を高めることができる。また、焼結過程においてラジウムの蒸発量が少なく高い放射性を得ることができ、製品の品質を安定化できる。
【0032】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における健康器具の平面図である。
図中、1aは実施の形態2における健康器具、4は合成樹脂製繊維や天然繊維等で形成された網状体が略矩形状の袋状に形成され、縦横の同一面方向に逢着等で連設された収納室である。5は収納室4の各々に一列の線状に配列された略球状の放射性固結体、6は複数連設された収納室4の端部に配設された紐等の連結部材である。
【0033】
以上のように構成された実施の形態2における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室4が縦横の同一面方向に連設され帯状に形成されているので、体にベルトのように巻き付けたりすることで、面状に配列された放射性固結体5が、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにすることができる。
(2)収納室4の端部に連結部材6が配設されているので、胴,脚,足首,腕,手首等の任意の位置に収納室4に配列された放射性固結体5を配置固定することができ自在性に優れる。
【0034】
なお、本実施の形態においては、連結部材6として紐を用いた場合について説明したが、紐ゴム、ホック,ボタン,ファスナー,面ファスナー等を用いる場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
【0035】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における健康器具の斜視図である。なお、実施の形態2で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1bは実施の形態3における健康器具、7は複数連設された収納室4の両端を環状連結した帯ゴム等の環状連結部である。
【0036】
以上のように構成された実施の形態3における健康器具によれば、実施の形態1や2に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室4の両端が帯ゴム等の環状連結部7で連結されているので、手首,足首等に簡単に装着することができ使用性に優れる。
【0037】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における健康器具の平面図である。
図中、1cは実施の形態4における健康器具、8は網状体で略正六角形状の袋状に形成され一方向に連設された収納室、9は各々の収納室8内に7個ずつ密充填され面状に配列された略球状の放射性固結体である。
【0038】
以上のように構成された実施の形態4における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)各々の収納室8が略正六角形状の幅広に形成されているので、実施の形態1や実施の形態2で説明したように収納室を縦横に連設しなくても、放射性固結体9を面状に幅広く配列させることができ、健康器具1cを体に巻き付けたりあてがったりすることで、収納室8に面状に密充填し配列された放射性固結体9で体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにすることができる。
(2)略正六角形状に形成された収納室8に、7個の略球状の放射性固結体9が密充填されているので、放射性固結体9を収納室8内で位置を変えずに拘束させ定位置に配列させることができ、収納室8内に配列させた全ての放射性固結体9の表面を、皮膚に接触させたり近接させたりでき、放射性固結体9が体に与える効果を最大限に活用することができる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、収納室8が略正六角形状に形成され放射性固結体9が略球状に形成された場合について説明したが、略三角柱状に形成された放射性固結体を用いる場合もある。この場合も、放射性固結体が収納室8内で密充填され面状に配列されるので、同様の作用を得ることができる。また、収納室8が略正六角形状に形成された場合について説明したが、略正三角形、略正五角形等に形成することもできる。これらの場合も、略球状や三角柱状等に形成された放射性固結体を密充填させて面状に配列させることができ、同様の作用が得られる。
【0040】
(実施の形態5)
図5(a)は本発明の実施の形態5における健康器具の斜視図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線における断面図である。なお、実施の形態4で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1dは実施の形態5における健康器具、10は放射性固結体9が面状に配列された収納室8が内側に配設された指サック等の装着部材である。
【0041】
以上のように構成された実施の形態5における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)装着部材10を備えているので、手指等に装着すれば身体に容易に放射性固結体9を配置固定させ、体の不調を訴える他者の患部を押圧等することで指圧療法を行うことができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、放射性固結体9が面状に配列された収納室8を指サックに配設した場合について説明したが、装着部材として、靴下、シャツ等の下着、手袋、腹巻、ベルト、帽子の内周、ズボンやスカートの内側の腰周り、ネクタイ、スカーフ、ブレスレット、アンクレット、アイマスク等を用いる場合もある。これらの場合も、身体に密着させて、又は、下着等の薄い生地を介在させて、放射性固結体を身体の表面に配置固定させることができる。
【0043】
(実施の形態6)
図6(a)は本発明の実施の形態6における健康器具の平面図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線における断面図である。
図中、1eは実施の形態6における健康器具、11はベルト状に形成された装着部材、12は木綿等の天然繊維やポリエステル等の合成繊維で形成された布状体等で平面形状が長方形の袋状に形成された収装部、12aは収装部12の内側の一面に配設された補強材であり、収装部12の長さと略同一の長さの合成樹脂製板等で形成されている。13は補強材12aが配設された面と反対面の収装部12の略中央に所定の大きさに形成された開口部、14,14は収装部13の両端に配設された伸縮自在な帯ゴム等の長さ調整部、15,15は木綿等の天然繊維やポリエステル等の合成繊維で形成された布状体等で形成され長さ調整部14,14の各々の端部に連設された端部材、16は端部材15,15の表面と裏面とに各々配設された面ファスナー等の係止部材、17は合成樹脂製繊維や天然繊維等で形成された網状体が略矩形状の袋状に形成され、縦横の同一面方向に逢着等で連設された収納室である。連設された収納室17の長さ及び幅は、収装部12の長さ及び幅より少し小さめに形成されている。18は収納室17の各々に一列の線状に配列された略球状の放射性固結体である。放射性固結体18が各々に配列され連設された収納室17は、開口部13から収装部12の内側に収装されており、収装部12の全長に渡って放射性固結体18が配列された状態になっている。
【0044】
以上のように構成された実施の形態6における健康器具1eは、腰痛等を訴える患者が、補強材12aが配設された面を外側にして収装部12を腰等にあてがい、端部材16,16を持って長さ調整部14,14を引張りながら腰等の回りに巻き付け、係止部材16,16を用いて係止することができる。
【0045】
以上のように構成された実施の形態6における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ベルト状の装着部材11を有しているので、腰等の回りに簡単に装着することができ使用性に優れる。
(2)装着部材11の収装部12は補強材12aが配設されているので、患者が椅子に座ったり立ったりしても収装部12が幅方向に押し潰されることがなく、放射性固結体18を収装部12の全長に渡って配列された状態で保つことができ、腰痛等の痛みを鎮静化することができる。
【0046】
(実施の形態7)
図7(a)は本発明の実施の形態7における健康器具の斜視図であり、図7(b)は実施の形態7における健康器具を膝に装着した使用状態を示す図である。なお、実施の形態1で説明したのと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1fは実施の形態7における健康器具、20,20は帯状のゴム等で形成され放射性固結体3が配列され連設された収納室2が一端部に配設された膝等の関節の側方から後部の窩部に向かってあてがわれる装着部材の窩部装着部、21,21は帯状のゴム等で形成され窩部装着部20,20の他端部から斜め上方に配設され放射性固結体3が配列され連設された収納室2が配設された膝等の関節の側方から膝頭の突出部の上方に向かってあてがわれる装着部材の関節上方装着部、22,22は帯状のゴム等で形成され窩部装着部20,20の他端部から斜め下方に配設され放射性固結体3が配列され連設された収納室2が配設された膝等の関節の側方から膝頭の突出部の下方に向かってあてがわれる装着部材の関節下方装着部である。
【0047】
以上のように構成された実施の形態7における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)装着部材が、窩部装着部20から二又状に配設された関節上方装着部21、関節下方装着部22を備えているので、放射性固結体3を膝等の関節の周りに安定して固定することができ、また窩部装着部20に配設された収納室2内の放射性固結体3が関節の窩部のツボ(委中等)や、関節上方装着部21や関節下方装着部22に配設された収納室2内の放射性固結体3が関節の膝頭等の突出部の周囲のツボを刺激して、関節炎等の症状を軽減させることができる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、膝に装着した場合について説明したが、肘や肩等の関節に装着することができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
放射性鉱物としての北投石を粉砕し、その粉末を略球状に成形した成形体を800℃で焼結し直径約8mmの略球状の放射性固結体を得た。得られた放射性固結体の1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数は、3000カウント/分であった。この放射性固結体を、メッシュ等の網状体で形成された直径約10mm、長さ約1.5mの筒状体の一端から次々と一列に入れた後、筒状体を複数の収納室に区画して、各々の収納室に3個ずつの放射性固結体が配列された実施の形態1で説明したような健康器具を製造した。
この健康器具を、関節炎の痛みで右手を上げることができなかった女性(69歳)の右手の指、掌、手首から右腕、右肩まで、ツボを押さえるようにして包帯のように巻き付けたところ、巻き付けている間にも少しずつ痛みが和らぎ、5〜10分程度経過すると、右手を頭上に上げることができた。巻き付けた健康器具を取り外しても、この状態が維持されていた。
【0050】
(実施例2)
実施例1で説明した健康器具を、メニエル病の発作がみられた女性(61歳)の目から耳、後頭部に渡って、ツボを押さえるようにして数回巻き付け、さらに首の周りに軽く巻き付けた。15〜20分経過すると、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴等の症状がなくなり、巻き付けた健康器具を取り外しても、症状が再発することはなかった。
【0051】
(実施例3)
肘の関節が痛くて動かせないというリューマチの症状がみられ布団に横たわっていた女性(65歳)について、実施例1で説明した健康器具を、手の指から肘、腕、肩にツボを押さえるようにして巻き付け、さらに首を経由させて背骨に沿わせたところ、15分程度経過すると、肘の痛みが和らぎ動かすことができるようになった。
【0052】
(実施例4)
実施例1で説明した健康器具を、むち打ち症の女性(57歳)の首に複数回巻き付け、軽く縛って首の周りに固定した。4時間程度経過すると、首の痛みが和らぎ動かすことができるようになった。
【0053】
(実施例5)
実施例1で説明した健康器具を、偏頭痛で悩む女性(37歳)の首の後側から髪の生え際に沿ってこめかみの上を通過させ、頭の前部の髪の生え際で鉢巻のように縛って固定した。10分程度経過すると頭痛が和らいだ。
【0054】
(実験例1)
放射性鉱物の粉末を略球状に成形した成形体を700℃で焼結し略球状の放射性固結体を得た以外は、実施例1と同様にして、実験例1の健康器具を得た。
実験例1の健康器具の放射性固結体は、放射性固結体同士が収納室内で擦れ合うたびに摩耗し、耐久性に乏しいことが明らかになった。
【0055】
(実験例2)
放射性鉱物の粉末を略球状に成形した成形体を1300℃で焼結し略球状の放射性固結体を得た以外は、実施例1と同様にして、実験例2の健康器具を得た。
得られた放射性固結体の1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数は、700カウント/分であった。焼結過程においてラジウムの蒸発量が多く放射性が低下したものと推察された。
実験例2の健康器具を、肘の関節痛を訴える女性(39歳)の手の指、掌、手首から肘、肩までツボを押さえるようにして包帯のように巻き付けたが、1時間程度経過しても痛みが軽減されなかった。放射性固結体の焼成温度が高く、焼結過程においてラジウムの蒸発量が多いため放射性が低下し、個人差にもよるが、症状を軽減させることができなかったと推察された。
【0056】
以上のように、本実施例の健康器具によれば、皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高め、各神経組織、リンパ線等の内臓疾患、筋軟骨、血管の疾患や関節炎等の症状を短時間で軽減させることができることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、身体に近接させる又は接触させて用いる健康器具に関し、皮膚のツボに押し付けたり体に近接させたりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、また皮膚に押し付けたときには適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができ使用性に優れ、また寝具や日用品等に載置したり装着したりするのが容易で応用性に優れるとともに携帯性に優れ、さらに構成が単純で耐久性に優れた健康器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1における健康器具の平面図
【図2】実施の形態2における健康器具の平面図
【図3】実施の形態3における健康器具の斜視図
【図4】実施の形態4における健康器具の平面図
【図5】(a)実施の形態5における健康器具の斜視図 (b)図5(a)のA−A線における断面図
【図6】(a)実施の形態6における健康器具の平面図 (b)図6(a)のB−B線における断面図
【図7】(a)実施の形態7における健康器具の斜視図 (b)実施の形態7における健康器具を膝に装着した使用状態を示す図
【符号の説明】
【0059】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f 健康器具
2 収納室
3 放射性固結体
4 収納室
5 放射性固結体
6 連結部材
7 環状連結部
8 収納室
9 放射性固結体
10,11 装着部材
12 収装部
12a 補強材
13 開口部
14 長さ調整部
15 端部材
16 係止部材
17 収納室
18 放射性固結体
20 窩部装着部
21 関節上方装着部
22 関節下方装着部
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に近接させる又は接触させて用いる健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラジウム元素から放射される放射能が病気等の治療に効果のあることが知られており、そのためラジウムの効果を利用した各種の健康器具が提供されている。
従来の技術としては、例えば(特許文献1)に、「秋田県鹿角市八幡平の玉川温泉で採取される湯の花の粉末を生地に塗布し、この生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包み、これを従来から提供されている遠赤外線治療器に重ねて組み合わせた治療器」が開示されている。
(特許文献2)に、「内部を複数の袋体に分割した袋体と、該袋体における各部屋の内部に充填したラジウムを含む粉末と、前記ラジウムを含む粉体を充填した袋体を略真空状態で収容したカバー材と、を備えた治療器」が開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3080299号公報
【特許文献2】特開2004−147810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、生地に塗布される湯の花の粉末の量は少量なので、治療に必要なだけのラジウムの量を十分に確保することができず、そのため治療に必要な放射線を得ることができず治療効果が低いという課題を有していた。
(2)また、製造する際には、湯の花の粉末を生地に塗布する作業や、粉末を塗布した生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包む作業が煩雑で作業性に欠けるという課題を有していた。
(3)使用しているうちに、生地に塗布された湯の花の粉末が、生地から剥れて粉状化して通気性のある生地の縫い目等から生地の外に出て、辺りが湯の花の粉末で汚れてしてしまうとともに、湯の花の粉末は強酸性なので周囲の物を腐食させるおそれがあるという課題を有していた。また、生地から剥れた湯の花の粉末が、ポリエステル等の通気性のある生地内で片寄ってゴワゴワした感触になり快適性に欠けるという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に開示の技術は、ラジウムを含む湯の花等の粉末が袋体の各部屋の内部に充填され、袋体が略真空状態でカバー材に収容されているので、粉末が袋体内で片寄ったり、粉末がカバー材の外に漏れ出るのを防止できるが、袋体を略真空状態でカバー材に収容する作業が煩雑で生産性に欠ける。
(5)使用しているうちにカバー材が切れたり穴が開いたりすると、そこから一瞬の内にカバー材の中に空気が入り、カバー材の役目を果たすことができず、袋体に充填された粉末がカバー材の穴等から外に漏れ出し周囲を汚したり腐食させたりするため、細心の注意を払って治療具を使用しなければならず使用性に欠ける。
(6)袋体の部屋は粉末が充填されているだけのため、指で押したりすると変形する程度の硬さなので、温熱治療を行うには適度の硬さであり適しているが、治療器を皮膚のツボに押し当て押圧すると各部屋が変形するため圧力が小さくなり、指圧療法には適さないという課題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、皮膚のツボに押し付けたり体に接触又は近接させたりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、また皮膚に押し付けたときには適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができ使用性に優れ、また寝具や日用品等に載置したり装着したりするのが容易で応用性に優れるとともに携帯性に優れ、さらに構成が単純で耐久性に優れる健康器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために本発明の健康器具は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の健康器具は、袋状に形成された収納室と、放射性鉱物の粉末が固結されて所定形状に形成され前記収納室内に線状又は面状に配列された放射性固結体と、を備えた構成を有している。
これにより、以下のような作用が得られる。
(1)硬度の高い放射性固結体が収納室内に線状や面状に配列されているため、皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、放射性固結体から放射される微量の放射線(α線、β線、γ線)によって、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、さらに皮膚の表面に押し当てたときには、線状や面状に配列された放射性固結体が圧力を分散させて、適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができる。
(2)放射性鉱物の粉末の粒子間を固結して所定形状に形成した放射性固結体は、粉末と比べて粒径が大きいため、カバー材等を用いなくても収納室から外に漏れ出さないようにすることが簡単にでき、構成が単純なので耐久性に優れる。
(3)放射性固結体が収納室内に配列されているので、放射性固結体がばらばらにならないように一群にすることができ携帯性に優れ、また布団、ベッド、座布団、枕、クッション、椅子、車椅子、ソファ等の寝具や日用品、寝床を覆う蚊帳状の枠体等に載置したり装着したりするのが容易で、放射性固結体を体に密着させたり近接させたりして、放射性固結体から放射される微量の放射線による新陳代謝作用等を得ることができ応用性に優れる。
【0006】
ここで、収納室としては、放射性固結体が繊維間から漏れないような目の大きさに形成された織布,網布,不織布等の布状体、合成樹脂製繊維や天然繊維等でメッシュ状に形成された網状体、合成樹脂製フィルム等のフィルムやシート等で袋状に形成されたものを用いることができる。なかでも、メッシュ等の網状体で形成されたものが好適に用いられる。放射性固結体の表面が網状体の網目から露出するので、健康器具を皮膚に押し当てた際、硬度の高い放射性固結体の表面が皮膚に直接押し付けられ、高い指圧療法効果を得ることができるからである。また、放射性固結体の表面が網状体の網目から露出しているので、布状体と比較して、浴槽に入れた温水に浸漬して温泉水を生成したり、サウナ等の水蒸気中に曝して温泉効果を得ることができるとともに、素早く乾燥され使用性に優れるからである。
【0007】
収納室の平面形状としては、三角形状,四角形状やそれ以上の多角形状、円形状、直線や曲線を組み合わせた不定形状等が用いられ、単一の形状、単一の大きさのものだけでなく、異なる形状や大きさのものを組み合わせることもできる。
【0008】
収納室は、線状又は面状に配列された放射性固結体の全体の外縁より、わずかに大きめに形成されたものが用いられる。これにより、配列された放射性固結体を収納室内で位置を変えずに拘束させることができ、収納室内に配列させた全ての放射性固結体の表面を、皮膚に接触させたり近接させたりでき、放射性固結体が体に与える効果を最大限に活用することができる。
【0009】
放射性鉱物としては、ウラン系列、トリウム系列、アクチニウム系列等の放射性元素を含む天然の鉱物が用いられる。
放射線固結体としては、放射性鉱物を粉砕して得られた放射性鉱物粉末の粒子間をバインダー等で接着して所定形状に固結したもの、放射性鉱物粉末を所定形状に成形して焼結したものが用いられる。
【0010】
放射性固結体の形状としては、略球状、円筒状、三角柱,六角柱等の多面体状、ペレット状、円盤状、タブレット状等に形成されたものが用いられる。なかでも、略球状に形成されたものが好適に用いられる。収納室内に配列された際に密充填し易く拘束させ易く、また角がないので摩耗し難く耐久性に優れるからである。また指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、角がないので、痛みを与えずに適度な刺激を与えることができるからである。
放射性固結体が略球状の場合、粒径は5〜20mmのものが用いられる。収納室内に拘束させて配列させ易く、また指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、皮膚に適度な間隔で当たるので、ツボの正確な位置を知らなくてもツボがあると思われる箇所に押し当てれば、配列された放射性固結体のいずれかがツボを刺激するからである。なお、粒径が5mmより小さくなるにつれ収納室内で移動し易くなり片寄ったりする傾向がみられ、20mmより大きくなるにつれ指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、皮膚に当たる間隔が広くツボに当たらなくなる可能性が高くなるとともに、重量が増し携帯したり体に装着するのが苦痛になる傾向がみられ、いずれも好ましくない。
【0011】
放射性固結体は、その1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数が、1200〜8000カウント/分好ましくは3000〜6000カウント/分であり、微量の放射線を放射するものが好適に用いられる。症状や体力等に応じて、放射性固結体のカウント数や健康器具に配列される放射性固結体の数量を選択することができる。カウント数が3000カウント/分より小さくなるにつれ、皮膚に接触させたり近接させたりした際、腫れを抑えたり痛みを軽くしたりする消炎効果や新陳代謝作用が低下する傾向がみられ、6000カウント/分より大きくなるにつれ、個人差はあるが、血行が良くなり過ぎ火照りを感じ易くなる傾向がみられる。特に、1200カウント/分より小さくなるか8000カウント/分より大きくなると、これらの傾向が著しくなるため好ましくない。
【0012】
なお、放射性固結体に加え、収納室内に、麦飯石や石英を収納させ配列させることもできる。収納室が通水性を有する布状体や網状体等で形成されている場合、麦飯石や石英が収納されると、健康器具を浴槽に入れた温水に浸漬した際に、温浴治療効果を高めることができる。麦飯石は遠赤外線の放射効率が高いだけでなく、水中の塩素,マグネシウム,カルシウム等を吸着し水を軟水化するとともに各種ミネラル成分を溶出するので、皮膚への刺激を少なくすることができるからである。また、石英が放射性固結体と一緒に収納されると、放射性固結体との相乗作用によって、理由は不明であるが、打ち身等の腫れを抑えたり痛みを軽くしたりする消炎効果を増大させることができるからである。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の健康器具であって、前記収納室が、同一面方向に連設された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室が同一面方向に連設されているので、頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に包帯やベルトのように巻き付けたりすることができ、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにし新陳代謝機能を高めるとともに、うっ血やむくみ等をなくしたり、放射性固結体が殺菌作用を有するため外傷を治すこともできる。
【0014】
ここで、収納室は、同一面方向に連設するのであれば、縦方向に数cm〜数mの長さの紐状に連設したり、縦横方向に帯状のベルトのように連設したりすることができる。
収納室を連設する手段としては、筒状に形成された長尺の布状体等を縫い目,接着剤,溶着等で複数の収納室に区画する手段、収納室同士を縫着,接着,溶着等で繋ぎ合わせ連設する手段等を用いることができる。収納室間に適度な間隔を開けて区画したり繋ぎ合わせたりすることもできる。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の健康器具であって、前記収納室の端部に連結部材が配設されている、又は、前記収納室の両端を環状連結した環状連結部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室の端部に配設された連結部材や収納室の両端を環状連結した環状連結部を備えているので、連結部材や環状連結部を用いて頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に収納室に配列された放射性固結体を配置固定することができ自在性に優れる。
【0016】
ここで、連結部材としては、収納室の端部に配設された紐,紐ゴム,ホック,ボタン,ファスナー,面ファスナー等を用いることができる。
環状連結部としては、収納室の両端を環状連結した帯状や紐状のゴム等を用いることができる。
収納室が複数連設されている場合は、連設された収納室の端部や両端に連結部材や環状連結部が配設される。
【0017】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の健康器具であって、前記収納室が配設され若しくは収装され身体に密着して装着される装着部材を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室が配設若しくは収装され身体に密着して装着される装着部材を備えているので、放射性固結体が配列された収納室を、頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等に密着して装着することができ自在性に優れる。
【0018】
ここで、装着部材としては、靴下、シャツ等の下着、手袋、指サック、腹巻、ベルト、帽子の内周、ズボンやスカートの内側の腰周り、ネクタイ、スカーフ、ブレスレット、アンクレット、アイマスク等の身体に密着して装着されるものが用いられる。
【0019】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の健康器具であって、前記放射性鉱物が、ウラン鉱物である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ウラン鉱物中にはラジウムが存在しているので、ラジウムから放射される放射線によって神経痛,リウマチ,肉腫,その他の痛みを沈静化することができ、またラジウムから水溶性のラドンが生成されるので、浴槽内の温水に浸漬したりサウナ等の水蒸気中に曝したりしてラドンを温水や水蒸気に溶解させることができ、血行を良くする、新陳代謝を高める、各種の疾病の治療ができる等の温泉水を生成し温泉効果を得ることができる。
【0020】
ここで、ウラン鉱物としては、ピッチブレンド等のセンウラン鉱、コフィン石、ブランネル石、リン灰ウラン石、リン銅ウラン石、ウラノフェン、カルノー石、北投石等のウラン含有鉱物が用いられる。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の噴霧器であって、前記放射性固結体が、前記放射性鉱物の粉末の成形体が800〜1200℃で焼結された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)放射性固結体が放射性鉱物の粉末の成形体が800〜1200℃で焼結されているので、機械的強度が高く、収納室に配列された放射性固結体が互いに擦れ合っても摩耗し難く耐久性を高めることができる。
(2)放射性鉱物を粉砕して生成された多数の放射性鉱物粒子が焼結されているので、粒子間を接着するバインダー等の量を少なくできるため、放射性鉱物粉末の含有率を高めることができ、放射性固結体から放射される放射線の量を増加させることができ製品の品質を向上させることができる。
【0022】
ここで、放射性鉱物を粉砕して生成した粉末の粒度分布としては、粒径0.5〜100μm、好ましくは粒径5〜50μmの粒子が10〜30重量%、粒径5μm以下の粒子が90〜70重量%に調整されたものが好適に用いられる。粒径が5〜50μmの粒子によって成形性を高めることができ、粒径5μm以下の微細な粒子によって粒子間の焼結を促進し焼結体の機械的強度を高めることができるからである。
粒径5〜50μmの粒子が10重量%より少なくなり粒径5μm以下の粒子が90重量%より多くなるにつれ、粉砕効率が低下し生産性が低下する傾向がみられる。粒径5〜50μmの粒子が30重量%より多くなり粒径5μm以下の粒子が70重量%より少なくなるにつれ、粒子同士の焼結が進行し難く放射性固結体の機械的強度が低下し壊れ易くなる傾向がみられる。特に、放射性鉱物粉末の粒径が0.5μmより小さくなるか100μmより大きくなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
【0023】
また、焼結温度が800℃より低くなるにつれ焼結体の機械的強度が低下し、摩耗したり破損し易くなり耐久性が低下する傾向がみられ、1200℃より高くなるにつれ機械的強度は上がるが、焼結過程においてラジウムの蒸発量が多くなり放射性固結体の放射性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
なお、放射性鉱物粉末に粘土等の焼結助剤を添加して焼結することもできる。これにより、より低い温度での焼結を実現することができ省エネルギー性に優れる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の健康器具によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、放射性固結体から放射される微量の放射線(α線、β線、γ線)によって、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、さらに皮膚の表面に押し当てたときには、線状や面状に配列された放射性固結体が圧力を分散させて、適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができる健康器具を提供することができる。特に、従来のラドン治療法の好適な治療対象である各神経組織、リンパ線、生殖腺、腎臓、脾臓、副腎等の内臓疾患、筋軟骨、血管の疾患や関節炎等の症状を短時間で軽減させることができる。
(2)カバー材等を用いなくても放射性固結体を収納室から外に漏れ出さないようにすることが簡単にでき、構成が単純なので耐久性に優れた健康器具を提供することができる。
(3)放射性固結体がばらばらにならないように一群にすることができ携帯性に優れ、また布団、ベッド、座布団、枕、クッション、椅子、車椅子、ソファ等の寝具や日用品、寝床を覆う蚊帳状の枠体等に載置したり装着したりするのが容易で、放射性固結体を体に密着させたり近接させたりして、放射性固結体から放射される微量の放射線による新陳代謝作用等を得ることができ応用性に優れた健康器具を提供することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に包帯やベルトのように巻き付けたりすることができ、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにし新陳代謝機能を高めるとともに、うっ血やむくみ等をなくしたり、放射性固結体が殺菌作用を有するため外傷を治すこともできる応用性に優れた健康器具を提供することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)連結部材や環状連結部を用いて頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等の任意の位置や体全体に収納室に配列された放射性固結体を配置固定することができ自在性に優れた健康器具を提供することができる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)放射性固結体が配列された収納室を、頭,首,胴,背中,腰,脚,膝,足首,腕,手首等に密着して装着することができ自在性に優れた健康器具を提供することができる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)神経痛,リウマチ,肉腫,その他の痛みを沈静化することができ、また水溶性のラドンが生成されるので、浴槽内の温水に浸漬したりサウナ等の水蒸気中に曝したりしてラドンを温水や水蒸気に溶解させることができ、血行を良くする、新陳代謝を高める、各種の疾病の治療ができる等の温泉水を生成し温泉効果を得ることができる健康器具を提供することができる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)機械的強度が高く、収納室に配列された放射性固結体が互いに擦れ合っても摩耗し難く耐久性に優れた健康器具を提供することができる。
(2)放射性鉱物粉末の含有率を高め、放射性固結体から放射される放射線の量を増加させることができ製品の品質の安定性に優れた健康器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における健康器具の平面図である。
図中、1は実施の形態1における健康器具、2は合成樹脂製繊維や天然繊維等で形成された網状体が袋状に形成された収納室である。収納室2は配列された後述する放射性固結体3の全体の外縁より、わずかに大きめに形成されている。なお、本実施の形態においては、収納室2は、各々が長さ約15〜60mm、幅約5〜20mmの矩形状に形成され、長手方向の端部同士が逢着等され全体として1〜3m程度の長さの紐状に連設されている。3は収納室2内に一列の線状に配列された略球状の放射性固結体である。なお、本実施の形態においては、放射性固結体3は北投石等のウラン鉱物を粉砕して製造した粉末を略球状に成形し800〜1200℃で焼結した直径が約5〜20mmの焼結体であり、収納室2の各々に3個ずつ一列に並べて収納されている。また、放射性固結体3は、その1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数が、1200〜8000カウント/分好ましくは3000〜6000カウント/分であるものを用いている。
【0031】
以上のように構成された実施の形態1における健康器具によれば、以下のような作用が得られる。
(1)硬度の高い放射性固結体3が収納室2内に線状に配列されているため、皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、放射性固結体3から放射される微量の放射線(α線、β線、γ線)によって、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、さらに皮膚の表面に押し当てたときには、線状に配列された放射性固結体3が圧力を分散させて、適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができる。
(2)放射性固結体3が配列された収納室2が1〜3mの長さの紐状に連設されているので、体全体に包帯のように巻き付けたりすることができ、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにすることができる。
(3)放射性鉱物としてウラン鉱物の粉末を略球状に固結した放射性固結体3を用いているので、粉末と比べて粒径が大きいため、網状体で形成された収納室2から外に漏れ出さないようにすることが容易で、構成が単純なので耐久性に優れる。
(4)収納室2は網状体で形成されているので、放射性固結体3の表面が収納室2の網状体の網目から露出し、健康器具1を皮膚に押し当てた際、硬度の高い放射性固結体3の表面が皮膚に直接押し付けられ、高い指圧療法効果を得ることができる。
(5)収納室2が、配列された放射性固結体3の全体の外縁より、わずかに大きめに形成されているので、放射性固結体3を収納室2内で位置を変えずに拘束させ定位置に配列させることができ、収納室2内に配列させた全ての放射性固結体3の表面を、皮膚に接触させたり近接させたりでき、放射性固結体3が体に与える効果を最大限に活用することができる。
(6)放射性固結体3が、角のない略球状に形成されているので、収納室2内に配列された際に摩耗し難く耐久性に優れる。また指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、角がないので、痛みを与えずに適度な刺激を与えることができる。
(7)放射性固結体3は略球状で粒径が5〜20mmなので、指圧療法を行うため皮膚に押圧した際、皮膚に適度な間隔で当たるので、ツボの正確な位置を知らなくてもツボがあると思われる箇所に押し当てれば、配列された放射性固結体3のいずれかでツボを刺激することができ、誰でも簡単に指圧療法を行うことができる。また粒径が5〜20mmのため、軽量なので携帯性に優れるとともに、体力の乏しい老人等の体に装着したときにも重量を感じ難く使用性に優れる。
(8)放射性固結体3は、その1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数が、1200〜8000カウント/分好ましくは3000〜6000カウント/分なので、皮膚に接触させたり近接させたりした際、個人差はあるが、火照りを感じることなく15分程度の短時間で消炎効果や新陳代謝作用を得ることができる。
(9)ウラン鉱物中にはラジウムが存在しているので、神経痛,リウマチ,肉腫,その他の痛みを沈静化することができ、またラジウムから水溶性のラドンが生成されるので、浴槽内の温水に浸漬させるとラドンを温水に溶解させることができ、血行を良くする、新陳代謝を高める、各種の疾病の治療ができる等の温泉水を生成し温泉効果を得ることができる。
(10)放射性固結体3が放射性鉱物粉末の成形体が800〜1200℃で焼結されているので、機械的強度が高く、収納室2に配列された放射性固結体3が互いに擦れ合っても摩耗し難く耐久性を高めることができる。また、焼結過程においてラジウムの蒸発量が少なく高い放射性を得ることができ、製品の品質を安定化できる。
【0032】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における健康器具の平面図である。
図中、1aは実施の形態2における健康器具、4は合成樹脂製繊維や天然繊維等で形成された網状体が略矩形状の袋状に形成され、縦横の同一面方向に逢着等で連設された収納室である。5は収納室4の各々に一列の線状に配列された略球状の放射性固結体、6は複数連設された収納室4の端部に配設された紐等の連結部材である。
【0033】
以上のように構成された実施の形態2における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室4が縦横の同一面方向に連設され帯状に形成されているので、体にベルトのように巻き付けたりすることで、面状に配列された放射性固結体5が、体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにすることができる。
(2)収納室4の端部に連結部材6が配設されているので、胴,脚,足首,腕,手首等の任意の位置に収納室4に配列された放射性固結体5を配置固定することができ自在性に優れる。
【0034】
なお、本実施の形態においては、連結部材6として紐を用いた場合について説明したが、紐ゴム、ホック,ボタン,ファスナー,面ファスナー等を用いる場合もある。この場合も同様の作用が得られる。
【0035】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における健康器具の斜視図である。なお、実施の形態2で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1bは実施の形態3における健康器具、7は複数連設された収納室4の両端を環状連結した帯ゴム等の環状連結部である。
【0036】
以上のように構成された実施の形態3における健康器具によれば、実施の形態1や2に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)収納室4の両端が帯ゴム等の環状連結部7で連結されているので、手首,足首等に簡単に装着することができ使用性に優れる。
【0037】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における健康器具の平面図である。
図中、1cは実施の形態4における健康器具、8は網状体で略正六角形状の袋状に形成され一方向に連設された収納室、9は各々の収納室8内に7個ずつ密充填され面状に配列された略球状の放射性固結体である。
【0038】
以上のように構成された実施の形態4における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)各々の収納室8が略正六角形状の幅広に形成されているので、実施の形態1や実施の形態2で説明したように収納室を縦横に連設しなくても、放射性固結体9を面状に幅広く配列させることができ、健康器具1cを体に巻き付けたりあてがったりすることで、収納室8に面状に密充填し配列された放射性固結体9で体の広範囲の神経を刺激し血行を盛んにすることができる。
(2)略正六角形状に形成された収納室8に、7個の略球状の放射性固結体9が密充填されているので、放射性固結体9を収納室8内で位置を変えずに拘束させ定位置に配列させることができ、収納室8内に配列させた全ての放射性固結体9の表面を、皮膚に接触させたり近接させたりでき、放射性固結体9が体に与える効果を最大限に活用することができる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、収納室8が略正六角形状に形成され放射性固結体9が略球状に形成された場合について説明したが、略三角柱状に形成された放射性固結体を用いる場合もある。この場合も、放射性固結体が収納室8内で密充填され面状に配列されるので、同様の作用を得ることができる。また、収納室8が略正六角形状に形成された場合について説明したが、略正三角形、略正五角形等に形成することもできる。これらの場合も、略球状や三角柱状等に形成された放射性固結体を密充填させて面状に配列させることができ、同様の作用が得られる。
【0040】
(実施の形態5)
図5(a)は本発明の実施の形態5における健康器具の斜視図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線における断面図である。なお、実施の形態4で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1dは実施の形態5における健康器具、10は放射性固結体9が面状に配列された収納室8が内側に配設された指サック等の装着部材である。
【0041】
以上のように構成された実施の形態5における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)装着部材10を備えているので、手指等に装着すれば身体に容易に放射性固結体9を配置固定させ、体の不調を訴える他者の患部を押圧等することで指圧療法を行うことができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、放射性固結体9が面状に配列された収納室8を指サックに配設した場合について説明したが、装着部材として、靴下、シャツ等の下着、手袋、腹巻、ベルト、帽子の内周、ズボンやスカートの内側の腰周り、ネクタイ、スカーフ、ブレスレット、アンクレット、アイマスク等を用いる場合もある。これらの場合も、身体に密着させて、又は、下着等の薄い生地を介在させて、放射性固結体を身体の表面に配置固定させることができる。
【0043】
(実施の形態6)
図6(a)は本発明の実施の形態6における健康器具の平面図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線における断面図である。
図中、1eは実施の形態6における健康器具、11はベルト状に形成された装着部材、12は木綿等の天然繊維やポリエステル等の合成繊維で形成された布状体等で平面形状が長方形の袋状に形成された収装部、12aは収装部12の内側の一面に配設された補強材であり、収装部12の長さと略同一の長さの合成樹脂製板等で形成されている。13は補強材12aが配設された面と反対面の収装部12の略中央に所定の大きさに形成された開口部、14,14は収装部13の両端に配設された伸縮自在な帯ゴム等の長さ調整部、15,15は木綿等の天然繊維やポリエステル等の合成繊維で形成された布状体等で形成され長さ調整部14,14の各々の端部に連設された端部材、16は端部材15,15の表面と裏面とに各々配設された面ファスナー等の係止部材、17は合成樹脂製繊維や天然繊維等で形成された網状体が略矩形状の袋状に形成され、縦横の同一面方向に逢着等で連設された収納室である。連設された収納室17の長さ及び幅は、収装部12の長さ及び幅より少し小さめに形成されている。18は収納室17の各々に一列の線状に配列された略球状の放射性固結体である。放射性固結体18が各々に配列され連設された収納室17は、開口部13から収装部12の内側に収装されており、収装部12の全長に渡って放射性固結体18が配列された状態になっている。
【0044】
以上のように構成された実施の形態6における健康器具1eは、腰痛等を訴える患者が、補強材12aが配設された面を外側にして収装部12を腰等にあてがい、端部材16,16を持って長さ調整部14,14を引張りながら腰等の回りに巻き付け、係止部材16,16を用いて係止することができる。
【0045】
以上のように構成された実施の形態6における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ベルト状の装着部材11を有しているので、腰等の回りに簡単に装着することができ使用性に優れる。
(2)装着部材11の収装部12は補強材12aが配設されているので、患者が椅子に座ったり立ったりしても収装部12が幅方向に押し潰されることがなく、放射性固結体18を収装部12の全長に渡って配列された状態で保つことができ、腰痛等の痛みを鎮静化することができる。
【0046】
(実施の形態7)
図7(a)は本発明の実施の形態7における健康器具の斜視図であり、図7(b)は実施の形態7における健康器具を膝に装着した使用状態を示す図である。なお、実施の形態1で説明したのと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1fは実施の形態7における健康器具、20,20は帯状のゴム等で形成され放射性固結体3が配列され連設された収納室2が一端部に配設された膝等の関節の側方から後部の窩部に向かってあてがわれる装着部材の窩部装着部、21,21は帯状のゴム等で形成され窩部装着部20,20の他端部から斜め上方に配設され放射性固結体3が配列され連設された収納室2が配設された膝等の関節の側方から膝頭の突出部の上方に向かってあてがわれる装着部材の関節上方装着部、22,22は帯状のゴム等で形成され窩部装着部20,20の他端部から斜め下方に配設され放射性固結体3が配列され連設された収納室2が配設された膝等の関節の側方から膝頭の突出部の下方に向かってあてがわれる装着部材の関節下方装着部である。
【0047】
以上のように構成された実施の形態7における健康器具によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)装着部材が、窩部装着部20から二又状に配設された関節上方装着部21、関節下方装着部22を備えているので、放射性固結体3を膝等の関節の周りに安定して固定することができ、また窩部装着部20に配設された収納室2内の放射性固結体3が関節の窩部のツボ(委中等)や、関節上方装着部21や関節下方装着部22に配設された収納室2内の放射性固結体3が関節の膝頭等の突出部の周囲のツボを刺激して、関節炎等の症状を軽減させることができる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、膝に装着した場合について説明したが、肘や肩等の関節に装着することができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
放射性鉱物としての北投石を粉砕し、その粉末を略球状に成形した成形体を800℃で焼結し直径約8mmの略球状の放射性固結体を得た。得られた放射性固結体の1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数は、3000カウント/分であった。この放射性固結体を、メッシュ等の網状体で形成された直径約10mm、長さ約1.5mの筒状体の一端から次々と一列に入れた後、筒状体を複数の収納室に区画して、各々の収納室に3個ずつの放射性固結体が配列された実施の形態1で説明したような健康器具を製造した。
この健康器具を、関節炎の痛みで右手を上げることができなかった女性(69歳)の右手の指、掌、手首から右腕、右肩まで、ツボを押さえるようにして包帯のように巻き付けたところ、巻き付けている間にも少しずつ痛みが和らぎ、5〜10分程度経過すると、右手を頭上に上げることができた。巻き付けた健康器具を取り外しても、この状態が維持されていた。
【0050】
(実施例2)
実施例1で説明した健康器具を、メニエル病の発作がみられた女性(61歳)の目から耳、後頭部に渡って、ツボを押さえるようにして数回巻き付け、さらに首の周りに軽く巻き付けた。15〜20分経過すると、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴等の症状がなくなり、巻き付けた健康器具を取り外しても、症状が再発することはなかった。
【0051】
(実施例3)
肘の関節が痛くて動かせないというリューマチの症状がみられ布団に横たわっていた女性(65歳)について、実施例1で説明した健康器具を、手の指から肘、腕、肩にツボを押さえるようにして巻き付け、さらに首を経由させて背骨に沿わせたところ、15分程度経過すると、肘の痛みが和らぎ動かすことができるようになった。
【0052】
(実施例4)
実施例1で説明した健康器具を、むち打ち症の女性(57歳)の首に複数回巻き付け、軽く縛って首の周りに固定した。4時間程度経過すると、首の痛みが和らぎ動かすことができるようになった。
【0053】
(実施例5)
実施例1で説明した健康器具を、偏頭痛で悩む女性(37歳)の首の後側から髪の生え際に沿ってこめかみの上を通過させ、頭の前部の髪の生え際で鉢巻のように縛って固定した。10分程度経過すると頭痛が和らいだ。
【0054】
(実験例1)
放射性鉱物の粉末を略球状に成形した成形体を700℃で焼結し略球状の放射性固結体を得た以外は、実施例1と同様にして、実験例1の健康器具を得た。
実験例1の健康器具の放射性固結体は、放射性固結体同士が収納室内で擦れ合うたびに摩耗し、耐久性に乏しいことが明らかになった。
【0055】
(実験例2)
放射性鉱物の粉末を略球状に成形した成形体を1300℃で焼結し略球状の放射性固結体を得た以外は、実施例1と同様にして、実験例2の健康器具を得た。
得られた放射性固結体の1個の表面をガイガーミュラー式サーベイメータ(ROTEM社製RAM GENE−1)で測定したときのカウント数は、700カウント/分であった。焼結過程においてラジウムの蒸発量が多く放射性が低下したものと推察された。
実験例2の健康器具を、肘の関節痛を訴える女性(39歳)の手の指、掌、手首から肘、肩までツボを押さえるようにして包帯のように巻き付けたが、1時間程度経過しても痛みが軽減されなかった。放射性固結体の焼成温度が高く、焼結過程においてラジウムの蒸発量が多いため放射性が低下し、個人差にもよるが、症状を軽減させることができなかったと推察された。
【0056】
以上のように、本実施例の健康器具によれば、皮膚のツボに押し付けたり体に装着したりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高め、各神経組織、リンパ線等の内臓疾患、筋軟骨、血管の疾患や関節炎等の症状を短時間で軽減させることができることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、身体に近接させる又は接触させて用いる健康器具に関し、皮膚のツボに押し付けたり体に近接させたりすることで、血液循環や新陳代謝作用を高めたり各種の疾病の症状を軽減させることができ、また皮膚に押し付けたときには適度の圧力でツボやその周囲を押圧することができ、神経を刺激し血行を盛んにする指圧療法効果を得ることができ使用性に優れ、また寝具や日用品等に載置したり装着したりするのが容易で応用性に優れるとともに携帯性に優れ、さらに構成が単純で耐久性に優れた健康器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1における健康器具の平面図
【図2】実施の形態2における健康器具の平面図
【図3】実施の形態3における健康器具の斜視図
【図4】実施の形態4における健康器具の平面図
【図5】(a)実施の形態5における健康器具の斜視図 (b)図5(a)のA−A線における断面図
【図6】(a)実施の形態6における健康器具の平面図 (b)図6(a)のB−B線における断面図
【図7】(a)実施の形態7における健康器具の斜視図 (b)実施の形態7における健康器具を膝に装着した使用状態を示す図
【符号の説明】
【0059】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f 健康器具
2 収納室
3 放射性固結体
4 収納室
5 放射性固結体
6 連結部材
7 環状連結部
8 収納室
9 放射性固結体
10,11 装着部材
12 収装部
12a 補強材
13 開口部
14 長さ調整部
15 端部材
16 係止部材
17 収納室
18 放射性固結体
20 窩部装着部
21 関節上方装着部
22 関節下方装着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状に形成された収納室と、放射性鉱物の粉末が固結されて所定形状に形成され前記収納室内に線状又は面状に配列された放射性固結体と、を備えていることを特徴とする健康器具。
【請求項2】
前記収納室が、同一面方向に連設されていることを特徴とする請求項1に記載の健康器具。
【請求項3】
前記収納室の端部に連結部材が配設されている、又は、前記収納室の両端を環状連結した環状連結部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の健康器具。
【請求項4】
前記収納室が配設され若しくは収装され身体に密着して装着される装着部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の健康器具。
【請求項5】
前記放射性鉱物が、ウラン鉱物であることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の健康器具。
【請求項6】
前記放射性固結体が、前記放射性鉱物の粉末の成形体が800〜1200℃で焼結されたものであることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の健康器具。
【請求項1】
袋状に形成された収納室と、放射性鉱物の粉末が固結されて所定形状に形成され前記収納室内に線状又は面状に配列された放射性固結体と、を備えていることを特徴とする健康器具。
【請求項2】
前記収納室が、同一面方向に連設されていることを特徴とする請求項1に記載の健康器具。
【請求項3】
前記収納室の端部に連結部材が配設されている、又は、前記収納室の両端を環状連結した環状連結部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の健康器具。
【請求項4】
前記収納室が配設され若しくは収装され身体に密着して装着される装着部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の健康器具。
【請求項5】
前記放射性鉱物が、ウラン鉱物であることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の健康器具。
【請求項6】
前記放射性固結体が、前記放射性鉱物の粉末の成形体が800〜1200℃で焼結されたものであることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の健康器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2006−55221(P2006−55221A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237603(P2004−237603)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(302041730)株式会社あかざ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(302041730)株式会社あかざ (1)
【Fターム(参考)】
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