健康情報処理装置および方法
【課題】健康促進のための対象者の行動変容をより効果的に支援できるようにする。
【解決手段】目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報、および健康情報記憶部115に記憶されている健康情報,対象者による目標値などのパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する。擬似他者生成部107は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部116に登録する。
【解決手段】目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報、および健康情報記憶部115に記憶されている健康情報,対象者による目標値などのパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する。擬似他者生成部107は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部116に登録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の健康のための行動変容による活動量促進を支援するための健康情報処理装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康促進を目的とした個人の習慣化された行動パターンを変える(行動変容)ための支援サービスとして、指導する側(指導者)とされる側(対象者)の各々をターゲットとしたものが提案されている。
【0003】
指導者をターゲットとした支援サービスでは、多くの対象者を担当できるように、作業効率を向上させるものとなっている。一方、対象者をターゲットとしたものは、日々の健康管理に対する負荷の低減などによって、対象者の健康促進への取り組みをより容易に継続できるようにする工夫をした支援サービスとなっている。
【0004】
例えば、指導者用のサービスとしては、エヌ・ティ・ティ アイティ株式会社による健康管理支援システム「HELSMEK」がある(非特許文献1参照)。このシステムは、対象者の健康情報を一元管理し、健康診査の準備・実施、判定・階層化までの作業で得られた情報を自動的に処理し、処理した情報を指導者の要求に合わせた形式で出力する。また、このシステムでは、対象者毎の指導経過を記録することで、個別の状況管理や全体集計などの業務を簡便化できるようにしている。
【0005】
また、例えば、対象者用のサービスとしては、歩数計や体重計で計測した情報や食事の内容などをインターネット上のサイトに登録し、健康情報を管理するといったサービスが存在している。この中でも、エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社のサービスである「gooからだログ」は、健康情報とあわせて日々の感想日記形式で記録することができる(非特許文献2参照)。また、このサービスでは、同じ取り組みを行う、あるいは同じ目標をめざす「コース」があり、既存のコースから参加したいコースを選ぶことができる。コースに参加すると、自分の値と、コースに参加している他の利用者の平均値とが比較表示される。
【0006】
また、株式会社NTTデータによる健康管理サービスである「クリエイティブヘルス三健人」では、登録された歩数をポイントとして変換し、提携する企業の商品と交換することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】http://www.ntt-it.co.jp/goods/hbj/HELSMEK/main.html
【非特許文献2】http://karada.goo.ne.jp/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、健康に向けた行動変容を個人が実現するためには、強い意思や高い動機付け(モチベーション)を対象者が持つことが重要である。これに対し、指導者ならびに支援する側には、取り組みに対するやる気や自信を対象者に効果的に提供することが要件として求められてくる。
【0009】
これらの観点で、健康に向けた個人の行動変容を目的とした既存のサービスを整理すると、各サービスに共通して満足していない点が見られる。
【0010】
まず、指導者向けサービスでは、定期指導の範囲外にある対象者の日々の取り組みや指導後のフォローにまでは至らない。また、対象者向けのサービスでは、対象者のモチベーション維持を考慮したシステム設計が見られず、全対象者への画一的なサービスとなっている。
【0011】
以上に示したように、従来の支援サービスでは、対象者による行動変容を効果的に支援できていないという問題があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、健康促進のための対象者の行動変容をより効果的に支援できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る健康情報処理装置は、ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別手段と、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録手段と、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録手段と、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録手段と、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定手段と、利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理手段と、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部に登録する擬似他者生成手段と、利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、指導方針記憶部に記憶されている指導者により設定された目標値と、健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価手段と、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示手段と、グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示手段と、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、少なくとも目標設定手段が生成した推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示手段とを少なくとも備える。
【0014】
上記健康情報処理装置において、指導方針登録手段は、対象者の運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、指導方針記憶部に記憶するようにすればよい。また、目標設定手段は、パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて推奨目標値を算出するようにすればよい。同様に、擬似他者生成手段は、予め設定されている計算式により、擬似他者情報を生成するようにすればよい。また、グループ情報管理手段は、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた擬似他者情報をグループ情報記憶部に登録するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明に係る健康情報処理方法は、ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別ステップと、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録ステップと、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録ステップと、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録ステップと、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定ステップと、利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理ステップと、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部に登録する擬似他者生成ステップと、利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、指導方針記憶部に記憶されている指導者により設定された目標値と、健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価ステップと、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示ステップと、グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示ステップと、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、少なくとも目標設定ステップが生成した推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示ステップとを少なくとも備える。
【0016】
上記健康情報処理方法において、指導方針登録ステップでは、対象者の運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、指導方針記憶部に記憶するようにすればよい。
【0017】
上記健康情報処理方法において、目標設定ステップでは、パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて推奨目標値を算出すればよい。同様に、擬似他者生成ステップでは、予め設定されている計算式により、擬似他者情報を生成すればよい。また、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた擬似他者情報をグループ情報記憶部に登録する擬似他者登録ステップを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したことにより、本発明によれば、健康促進のための対象者の行動変容をより効果的に支援できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における健康情報処理装置100の構成例を示す構成図である。
【図2】利用者識別部101の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図3】健康情報登録部102の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】健康情報提示部110の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】他者情報提示部108の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図6】目標提示部111および目標設定部105の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】健康情報提示部110の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図8】目標設定部105の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】指導方針登録部104の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図10】目標設定部105の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図11】グループ情報管理部106の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図12】擬似他者生成部107の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1における健康情報処理装置100の構成例を示す構成図である。健康情報処理装置100は、利用者識別部101,健康情報登録部102,対象者目標登録部103,指導方針登録部104,目標設定部105,グループ情報管理部106,擬似他者生成部107,他者情報提示部108,取組評価部109,健康情報提示部110,目標提示部111,通信部112,利用者情報記憶部113,指導方針記憶部114,健康情報記憶部115,およびグループ情報記憶部116を備える。
【0021】
また、健康情報処理装置100は、インターネットなどのネットワーク120を介し、端末A131,端末B132,端末C133と接続している。端末A131および端末B132は、例えば、対象者が使用している端末装置であり、端末C133は、指導者が使用している端末装置である。
【0022】
利用者識別部101は、通信部112がサービスの提供要求を受け付けると、利用者情報記憶部113に記憶されている利用者属性と比較することで、要求元が対象者であるか指導者であるかを識別する。健康情報登録部102は、対象者が使用している端末装置である端末A131および端末B132より通信部112が受け付けた、対象者の健康情報を、健康情報記憶部115に記憶(登録)する。健康情報は、血圧値および体重などの対象者の身体情報、歩数および消費カロリーなどの対象者の運動情報,食事などの対象者の摂取カロリー情報を含むものである。健康情報登録部102は、例えば、1日単位で、対象者の健康情報を受け付けて健康情報記憶部115に登録する。
【0023】
対象者目標登録部103は、端末A131および端末B132より通信部112が受け付けた対象者により設定された目標値(対象者設定目標値)を、健康情報記憶部115に登録する。対象者目標登録部103は、歩数,消費カロリー,および食事などの、対象者が実施可能な健康情報(運動情報,摂取カロリー情報)に関する対象者設定目標値を、健康情報記憶部115に登録する。
【0024】
指導方針登録部104は、指導者が使用している端末装置である端末C133より通信部112が受け付けた、指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部114に登録する。指導方針登録部104は、例えば、対象者の運動内容(運動情報)などの取り組み内容、運動内容の長期目標、長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含むグループ属性などを指導方針情報として受け付け、指導方針記憶部114に記憶する。
【0025】
目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報、および健康情報記憶部115に記憶されている健康情報,対象者による対象者設定目標値などのパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する。目標設定部105は、上述したパラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて推奨目標値を算出する。例えば、目標設定部105は、例えば、指導方針情報の中に、指導者による短期目標値(指導者設定短期目標値)が設定されていない場合、指導者設定短期目標値として推奨目標値を算出する。
【0026】
グループ情報管理部106は、利用者情報記憶部113に対象者として記憶(登録)されている対象者の中より、指導者に設定された指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部116に登録する。また、グループ情報管理部106は、端末C133よりネットワーク120を介して通信部112が受け付けた擬似他者情報をグループ情報記憶部116に登録する。
【0027】
擬似他者生成部107は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部116に登録する。擬似他者生成部107は、予め設定されている計算式により、擬似他者情報を生成する。他者情報提示部108は、グループ情報記憶部116に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の対象者の端末A131もしくは端末B132に通知する。
【0028】
取組評価部109は、利用者情報記憶部113に記憶されている対象者により設定された対象者設定目標値、指導方針記憶部114に記憶されている指導者により設定された指導者設定目標値と、健康情報記憶部115に記憶された健康情報の対象者により実施されている項目(運動情報および摂取カロリー情報)の値とを比較し、対象者設定目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する。
【0029】
健康情報提示部110は、例えば、端末A131,端末B132からの要求に対応し、健康情報記憶部115に記憶されている健康情報を、要求元の端末端末A131および端末B132に通知する。目標提示部111は、指導者により設定された指導者設定短期目標値、もしくは目標設定部105が生成した目標値(推奨目標値)を、対象者に対応する端末A131および端末B132に通知する。
【0030】
利用者情報記憶部113は、対象者の年齢,性別,体型,症状,趣味などの対象者情報と対象者の識別情報、指導者の職種,所属,性別,年齢などの指導者情報と指導者の識別情報、指導者と対象者との関係を示す情報を利用者属性として記憶している。
【0031】
次に、より詳細に説明する。
【0032】
まず、端末A131,端末B132および端末C133からのサービス提供要求がネットワーク120を介して通信部112で受け付けられると、図2のフローチャートに示すように、ステップS201で利用者識別部101が、利用者情報記憶部113に記憶されている情報を参照し、受け付けた要求もとが、対象者であるか指導者であるかを判定する。この判定の前に、利用者情報記憶部113に記憶されている対象者の識別情報や指導者の識別情報などの認証情報をもとに、受け付けた要求元の認証を行うようにしてもよい。
【0033】
受け付けた要求元が対象者である場合、ステップS202に移行し、対象者用の機能(サービス)の提供が開始される。一方、受け付けた要求元が指導者である場合、ステップS203に移行し、指導者用の機能の提供が開始される。対象者用の機能には、健康情報の登録、対象者目標登録、目標提示、他者情報閲覧、健康情報(取り組み結果)閲覧などがある。また、指導者用の機能には、指導方針登録、健康情報閲覧などがある。
【0034】
対象者用の機能としての健康情報の登録では、図3のフローチャートに示すように、ステップS301で、対象者が使用している端末装置である端末A131および端末B132より通信部112が受け付けた、対象者の血圧,体重,歩数,消費カロリー,食事,および摂取カロリーなどの健康情報を、健康情報登録部102が収集する。次に、ステップS302で、収集した健康情報を送出元の端末A131もしくは端末B132に返送し、いずれかの端末で利用者(対象者)に視認可能な状態とする。
【0035】
以上のようにして、受け付けた健康情報を対象者に視認可能な状態とした後、健康情報登録部102は、要求元の端末A131もしくは端末B132からの内容変更の指示受け付けを待つ(ステップS303)。内容変更の指示を受け付けると、ステップS301に戻り、健康情報登録部102は、変更された健康情報を収集し、再度送出元の端末に返送する。
【0036】
内容変更の指示がない場合(ステップS303)、健康情報登録部102は、受け付けられて収集した健康情報を、健康情報記憶部115に記憶(登録)する(ステップS304)。なお、対象者による対象者設定目標値の登録・変更についても同様であり、この場合、対象者目標登録部103が、対象者設定目標値について、上述同様に動作する。
【0037】
次に、対象者の操作による端末A131または端末B132からの健康情報閲覧要求に対する対応について説明する。図4のフローチャートに示すように、ステップS401で、いずれかの端末A131,端末B132より、通信部112が健康情報の閲覧要求を受け付けると、ステップS402で、健康情報提示部110が、閲覧対象の健康情報に関する情報の送出(送信)を要求する。例えば、閲覧対象の項目などの情報を対象となる端末に送出し、対象者に視認可能な状態とすることで、閲覧対象となる健康情報の送出を要求する。送出した各項目の中より閲覧対象に対して入力がなされると(ステップS403)、健康情報提示部110は、閲覧対象の対象となる期間に関する情報の送出要求を、対象となる端末に送出し、対象者に視認可能な状態とする(ステップS404)。
【0038】
送出した期間要求に対して対象となる期間が入力されると(ステップS405)、健康情報提示部110が、対象となる期間の対象となる健康情報の項目に関する情報を、健康情報記憶部115に記憶されている情報より収集して集計する(ステップS406)。この後、健康情報提示部110は、集計した情報を、対象となる端末に対して送出する(ステップS407)。この結果、対象者は、要求した期間の要求した項目の健康情報が、自身が操作している端末(端末A131,端末B132)で閲覧可能となる。
【0039】
次に、対象者の操作による端末A131または端末B132からの他者情報閲覧要求に対する対応について説明する。
【0040】
図5のフローチャートに示すように、他者情報提示部108が、他者情報の閲覧希望に関する情報の送出を要求する(ステップS501)。例えば、他者情報の閲覧を希望する選択肢を備えた項目などの情報を対象となる端末に送出し、対象者に視認可能な状態とすることで、他者情報の閲覧希望の送出を要求する。送出した要求に対して閲覧希望が受け付けられると(ステップS502)、他者情報提示部108は、指導方針記憶部114に記憶されている要求元の対象者に関する指導方針情報に、擬似他者の追加指定の有無を確認する(ステップS503)。
【0041】
指導方針情報に擬似他者の追加指定が確認されると(ステップS503のY)、擬似他者生成部107が、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部116に登録する(ステップS504)。一方、指導方針情報に擬似他者の追加指定がない場合(ステップS503のN)、ステップS505に移行する。
【0042】
ステップS505で、他者情報提示部108は、グループ情報記憶部116に記憶されている要求元の対象者が含まれるグループを検索し、当該グループ内の要求元の対象者以外の対象者の情報を、利用者情報記憶部113に記憶されている情報より収集して集計し、集計した情報を、対象となる端末に対して送出する。この結果、要求元の対象者は、指導者によって設定されたグループ内の他の対象者の健康情報が、自身が操作している端末(端末A131,端末B132)で閲覧可能となる。
【0043】
次に、指導者の操作による端末C133からの、自身が担当している対象者の健康情報の閲覧要求への対応について説明する。図7のフローチャートに示すように、ステップS701で、端末C133より、通信部112が、指導者が担当する対象者の健康情報閲覧要求を受け付けると、ステップS702で、健康情報提示部110が、閲覧対象の健康情報に関する情報の送出を要求する。例えば、個人の健康情報の閲覧要求か、複数の対象者を集計した健康情報の閲覧要求かを問い合わせる。
【0044】
この問い合わせに対し、個人情報の送出が要求された場合(ステップS703のY)、健康情報提示部110は、要求された対象者の健康情報を、健康情報記憶部115に記憶されている情報より収集する(ステップS704)。
【0045】
一方、複数対象者の送出が要求された場合(ステップS703のN)、健康情報提示部110は、閲覧対象の健康情報の集計条件の送出を、端末C133に要求する(ステップS705)。この要求に対し、端末C133より集計条件が通知されると(ステップS706)、健康情報提示部110は、通知された集計条件で、健康情報記憶部115に記憶されている情報より健康情報を収集して集計する(ステップS707)。
【0046】
次に、ステップS708で、健康情報提示部110は、要求された健康情報を、端末C133に対して送出する(ステップS708)。この結果、対象者は、要求した対象者の健康情報が、自身が操作している端末C133で閲覧可能となる。
【0047】
次に、指導者による対象者の推奨目標値(指導者設定短期目標値)設定について説明する。図8のフローチャートに示すように、目標設定部105が、指導者が操作している端末C133に対し、ステップS801で、自身が担当している対象者の健康情報を送出する。次いで、ステップS802で、端末C133に対し、担当している対象者の長期目標値を送出する。これらの情報送出により、指導者は、自身が担当している対象者の健康情報および長期目標値が視認可能な状態となる。
【0048】
次いで、目標設定部105が、指導者設定短期目標値の入力要求を端末C133に対して送出する(ステップS803)。この要求に対し、端末C133より、指導者設定短期目標値の入力(送出)があると(ステップS804)、目標設定部105は、指導方針記憶部114の対象となる対象者の指導方針情報の指導者設定短期目標値に、入力された値を登録する(ステップS805)。このようにして指導者設定短期目標値が指導方針情報に登録されることで、推奨目標値として対象者に提案することができるようになる。
【0049】
次に、指導者による支援方針の登録について説明する。図9のフローチャートに示すように、ステップS901で、指導方針登録部104が、端末C133に対して対象者の選択を要求する。この要求に対し、端末C133より指導方針登録の対象となる対象者の情報(対象者識別情報)を受け付けると(ステップS902)、指導方針登録部104は、端末C133に対し、推奨目標値を生成するためのパラメータの入力を要求する(ステップS903)。この要求に対し、端末C133よりパラメータを受け付けると(ステップS904)、受け付けたパラメータを指導方針記憶部114に記憶されている対象者の指導方針に登録する(ステップS905)。
【0050】
次に、ステップS906で、指導方針登録部104は、対象者のグループ分けのための条件(パラメータ)の入力を要求する。この要求に対し、端末C133よりグループ分け条件を受け付けると(ステップS907)、受け付けたグループ分け条件を指導方針記憶部114に記憶されている対象者の指導方針に登録する(ステップS908)。
【0051】
次に、ステップS909で、指導方針登録部104は、擬似他者生成のためのパラメータの入力を要求する。この要求に対し、端末C133よりパラメータを受け付けると(ステップS910)、受け付けたパラメータを指導方針記憶部114に記憶されている対象者の指導方針に登録する(ステップS911)。
【0052】
ここで、推奨目標値を生成するためのパラメータは、以下の表1に示すように、対象者ごとの取組内容と長期的な目標に対し、段階的な目標値(推奨目標値)設定のための目標到達時期、取組に対するモチベーションの違いを反映させるための達成時上乗せ値および失敗時補正値を設定することができる。
【0053】
【表1】
【0054】
次に、推奨目標値の生成について、図10のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS1001で、目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報に、指導者による指導者設定短期目標値の設定の有無を確認する。指導方針情報に、指導者による指導者設定短期目標値が設定されていない場合(ステップS1001のN)、ステップS1002で、目標設定部105が、健康情報記憶部115に記憶されている健康情報より対象者の取り組み状況を取得する。
【0055】
次に、ステップS1003で、目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より設定されている長期目標値を取得する。次に、ステップS1004で、目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より設定されている目標値生成のためのパラメータを取得する。
【0056】
以上のようにして、目標設定部105が、取り組み状況,長期目標値,および目標値生成のためのパラメータを取得すると、ステップS1005で、目標設定部105は、推奨目標値を算出する。一方、指導者による指導者設定短期目標値が設定されてる場合(ステップS1001のY)、ステップS1006で、目標設定部105は、設定されている指導者設定短期目標値を推奨目標値として取得する。
【0057】
ここで、目標設定部105による推奨目標値の算出について説明する。目標設定部105は、指導者により設定された指導方針に含まれる推奨目標値生成用のパラメータ(指導者設定パラメータ)と対象者の取り組み内容(対象者取り組み考慮パラメータ)から推奨目標値(Short)を生成する。
【0058】
[指導者設定パラメータ]
1.指導者が提案する長期目標(Long)。
2.長期目標到達までの段階(Step)。
3.対象者の取り組み状況による2つの補正値(a, b)。
4.取り組み内容の下限値(min),および上限値(max)。
【0059】
[対象者取り組み考慮パラメータ]
1.対象者の過去の取り組み内容の平均値(AVE)。取り組み内容は、対象者より収集された健康情報に含まれるものであり、歩数などの運動や摂取カロリーなどの食事に関するものである。従って、例えば、「1日に歩いた歩数の平均値」などが対象者取り組み考慮パラメータとなる。なお、以降では、例えば過去1週間の取り組み内容平均値をAVEn1とする。これは、前述した擬似他者生成の場合と同様である。
【0060】
また、推奨目標値(Short)の生成において、まず、1週を単位期間とし、推奨目標として提案される内容は前週の内容を基にする。ただし、単位期間の始めと終わりの曜日は任意に変えられるものとする。例えば、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1は、1月21日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容の平均値とする。また、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1-n3は、1月7日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容平均値である。例えば、2月6日(土曜日)に健康データを登録しても、AVEn1,AVEn1-n3は同じである。
【0061】
加えて、対象者の取り組み内容の平均値を4段階に分け,4つの式を用いる。
【0062】
[計算式]
ケース1−1:AVEn1-n3が、設定する下限値より下回る(AVEn1-n3<min)。
Short=min ・・・(1)
【0063】
ケース1−2:AVEn1-n3が、設定する下限値より上回り,長期目標Longより下回る(l≦AVEn1-n3<Long)。
【数1】
【0064】
ケース1−3:AVEn1-n3が、長期目標Longより上回り,設定する上限値より下回る(Long≦AVEn1-n3<max)。
【数2】
【0065】
ケース1−4:AVEn1-n3が、設定する上限値より上回る(max≦AVEn1-n3)。
Short=max ・・・(4)
【0066】
以下、推奨目標値(Short)の生成例について説明する。
【0067】
[例1]歩数。
指導者により設定されているパラメータが、Long=10000、Step=3、a=1(AVEn1≧AVEn1-n3)、a=0(AVEn1<AVEn1-n3)、b=500、min=2500、max=25000であり、対象者取り組み考慮パラメータが、AVEn1=9000、AVEn1-n3=7000の場合。この場合は、上述したケース1−2に該当する。従って、これらのパラメータを(2)式に投入する。この結果、推奨目標値(Short)として、10500歩が生成される。なお、100以下は繰り上げて計算している。
【0068】
[例2]食事。
指導者により設定されているパラメータが、Long=300、Step=3、a=1(AVEn1≧AVEn1-n3),a=0(AVEn1<AVEn1-n3)、b=20、min=30、max=500であり、対象者取り組み考慮パラメータが、AVEn1=310、AVEn1-n3=330の場合、この場合は、上述したケース1−3に該当する。従って、これらのパラメータを(3)式に投入すると、推奨目標値(Short)として、420kcalが生成される。なお10以下は繰り上げて計算している。
【0069】
次に、指導者より設定される指導方針としてのグループ分け条件について説明する。対象者を分配するためのグループ分け条件は、以下の表2に示す対象者配分リストを基に、対象者が所属するグループの条件を設定することができる。対象者配分リストは、予め設定されているものである。
【0070】
【表2】
【0071】
表2に示されている各条件を、以下の表3の設定テーブルに示すように指導者が設定することで、グループ情報管理部106が、設定テーブルをもとにグループ分けを行う。
【0072】
【表3】
【0073】
次に、グループ情報管理部106によるグループ分けについて説明する。図11のフローチャートに示すように、まず、ステップS1101で、グループ情報管理部106は、指導方針記憶部114に記憶されている対象となる対象者の指導方針の中のグループ分けの設定条件の中より、期間に関する条件を取得する。次に、ステップS1102で、グループ情報管理部106は、取得した期間中における分配歴情報の存在を、グループ情報記憶部116の中に検索する。この検索で、分配履歴情報が存在してない場合(ステップS1102のN)、ステップS1103で、グループ情報管理部106は、期間以外の他の分配条件を取得する。
【0074】
次に、グループ情報管理部106は、ステップS1104で、取得した各条件に適合する対象者を検索する。グループ情報管理部106は、指導方針記憶部114に記憶されている情報より、対象者を検索する。この後、グループ情報管理部106は、検索した対象者の群を1つのグループとして設定してグループ化し、グループ情報記憶部116に登録する(ステップS1105)。
【0075】
一方、取得した期間中における分配歴情報の存在の検索で、分配履歴情報が存在している場合(ステップS1102のY)、グループ情報管理部106は、ステップS1106で、グループ情報記憶部116より最新のグループ(グループ情報)を取得する。この後、グループ情報管理部106は、ステップS1105で新たに設定したグループもしくはステップS1106で取得した最新のグループに、対象となる対象者を登録する(ステップS1107)。このようにして、対象者は、対象者全員で構成されたグループの一員となり、全員の健康情報を閲覧することができるようになる。また、期間を1週間、取組内容を運動(歩行など)、対象者との関係を近似と設定すると、対象者と運動(歩行など)の量が近似した他者を毎週新規にグループ化することができる。
【0076】
次に、擬似他者パラメータについて説明する。擬似他者パラメータは、グループ形成条件の結果が指導者の想定したグループ規模に達しない場合や、取組の目標となるような他者、競争意識の発生を促すことを目的として生成する。擬似他者パラメータは、以下の表4に例示する擬似他者リストに設定することができる。また、擬似他者パラメータが設定された擬似他者に関する情報は、以下の表5に例示するように、対象者毎に設定テーブルに設定される。擬似他者パラメータは、指導者によって修正が可能である。指導者により擬似他者パラメータを修正することで、特性を変化させることができる。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
擬似他者生成部107は、上述したように設定された擬似他者パラメータを用いて擬似他者情報を生成する。図12のフローチャートに示すように、擬似他者生成部107は、ステップS1201で、生成する擬似他者の人数に関する情報を取得する。次に、ステップS1202で、擬似他者生成部107は、擬似他者パラメータを取得する。この後、擬似他者生成部107は、取得した擬似他者パラメータを用い、必要な人数分の擬似他者情報を生成する(ステップS1203,ステップS1204)。
【0080】
ここで、擬似他者生成部107による擬似他者情報の生成についてより詳細に説明する。擬似他者生成部107は、指導者により設定された指導方針に含まれる擬似他者生成用のパラメータと対象者の取り組み内容より得られるパラメータ(対象者取り組み考慮パラメータ)から擬似他者情報を生成する。
【0081】
[擬似他者生成用パラメータ]
1.対象者との差(Relate)。
2.対象者健康情報反映値(a)。
3.変動幅下限値(l)および上限値(h)。
4.取り組み内容の下限値(min)。
【0082】
[対象者取り組み考慮パラメータ]
1.対象者の過去の取り組み内容の平均値(AVE)。取り組み内容は、対象者より収集された健康情報に含まれるものであり、歩数などの運動や摂取カロリーなどの食事に関するものである。従って、例えば、「1日に歩いた歩数の平均値」などが対象者取り組み考慮パラメータとなる。なお、以降では、例えば過去1週間の取り組み内容平均値をAVEn1とする。
【0083】
また、擬似他者生成においては、まず、健康情報の取り扱いに関しては1週を単位期間とする。ただし、単位期間の始めと終わりの曜日は任意に変えられるものとする。例えば、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1は、1月21日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容平均値とする。また、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1-n3は、1月7日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容平均値である。
【0084】
加えて、対象者の取り組み内容の平均値を2段階に分け、2つの式を用いる。
【0085】
[計算式]
ケース2−1:AVEn1が設定する下限値より下回る(AVEn1-n3<min)。
Dummy=a×min+Relate+rand(l,h) ・・・(5)
【0086】
ケース2−2:AVEn1が設定する下限値より上回る(AVEn1-n3>min)。
Dummy=a×AVEn1+Relate+rand(l,h) ・・・(6)
【0087】
以下、擬似他者情報の生成例について説明する。
【0088】
[例1]歩数。
指導者により設定されているパラメータが、Relate=1000、a=0.9、l=1000、h=500、min=2500、AVEn1=8000の場合。この場合は、上述したケース2−2に該当する。従って、これら各パラメータを(5)式に投入する。この結果、擬似他者情報として、「8700〜9200歩」が生成される。
【0089】
[例2]食事。
指導者により設定されているパラメータが、Relate=50、a=1.0、l=−50、h=50、min=200、AVEn1=150の場合、この場合は、上述したケース2−1に該当する。従って、これらの各パラメータを(6)式に投入する。この結果、擬似他者情報として、「200〜300kcal」が生成される。
【0090】
なお、上述したように擬似他者生成部107により生成したものに限らず、端末C133よりネットワーク120を介して通信部112が受け付けられてグループ情報管理部106に登録された擬似他者情報を、他者情報提示部108が、要求元の対象者の端末A131もしくは端末B132に通知するようにしてもよい。
【0091】
次に、対象者による短期目標の修正について説明する。図6のフローチャートに示すように、ステップS601で、目標提示部111が、指導方針記憶部114に記憶されている推奨目標値を、対応する対象者の端末(端末A131,端末B132)に送出する(ステップS601)。この通知に対し、送出先の端末より目標値の修正要求を受け付けると(ステップS602)、目標設定部105が、指導方針記憶部114に登録されている推奨目標値を修正する(ステップS603)。
【符号の説明】
【0092】
100…健康情報処理装置、101…利用者識別部、102…健康情報登録部、103…対象者目標登録部、104…指導方針登録部、105…目標設定部、106…グループ情報管理部、107…擬似他者生成部、108…他者情報提示部、109…取組評価部、110…健康情報提示部、111…目標提示部、112…通信部、113…利用者情報記憶部、114…指導方針記憶部、115…健康情報記憶部、116…グループ情報記憶部、120…ネットワーク、131…端末A、132…端末B、133…端末C。
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の健康のための行動変容による活動量促進を支援するための健康情報処理装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康促進を目的とした個人の習慣化された行動パターンを変える(行動変容)ための支援サービスとして、指導する側(指導者)とされる側(対象者)の各々をターゲットとしたものが提案されている。
【0003】
指導者をターゲットとした支援サービスでは、多くの対象者を担当できるように、作業効率を向上させるものとなっている。一方、対象者をターゲットとしたものは、日々の健康管理に対する負荷の低減などによって、対象者の健康促進への取り組みをより容易に継続できるようにする工夫をした支援サービスとなっている。
【0004】
例えば、指導者用のサービスとしては、エヌ・ティ・ティ アイティ株式会社による健康管理支援システム「HELSMEK」がある(非特許文献1参照)。このシステムは、対象者の健康情報を一元管理し、健康診査の準備・実施、判定・階層化までの作業で得られた情報を自動的に処理し、処理した情報を指導者の要求に合わせた形式で出力する。また、このシステムでは、対象者毎の指導経過を記録することで、個別の状況管理や全体集計などの業務を簡便化できるようにしている。
【0005】
また、例えば、対象者用のサービスとしては、歩数計や体重計で計測した情報や食事の内容などをインターネット上のサイトに登録し、健康情報を管理するといったサービスが存在している。この中でも、エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社のサービスである「gooからだログ」は、健康情報とあわせて日々の感想日記形式で記録することができる(非特許文献2参照)。また、このサービスでは、同じ取り組みを行う、あるいは同じ目標をめざす「コース」があり、既存のコースから参加したいコースを選ぶことができる。コースに参加すると、自分の値と、コースに参加している他の利用者の平均値とが比較表示される。
【0006】
また、株式会社NTTデータによる健康管理サービスである「クリエイティブヘルス三健人」では、登録された歩数をポイントとして変換し、提携する企業の商品と交換することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】http://www.ntt-it.co.jp/goods/hbj/HELSMEK/main.html
【非特許文献2】http://karada.goo.ne.jp/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、健康に向けた行動変容を個人が実現するためには、強い意思や高い動機付け(モチベーション)を対象者が持つことが重要である。これに対し、指導者ならびに支援する側には、取り組みに対するやる気や自信を対象者に効果的に提供することが要件として求められてくる。
【0009】
これらの観点で、健康に向けた個人の行動変容を目的とした既存のサービスを整理すると、各サービスに共通して満足していない点が見られる。
【0010】
まず、指導者向けサービスでは、定期指導の範囲外にある対象者の日々の取り組みや指導後のフォローにまでは至らない。また、対象者向けのサービスでは、対象者のモチベーション維持を考慮したシステム設計が見られず、全対象者への画一的なサービスとなっている。
【0011】
以上に示したように、従来の支援サービスでは、対象者による行動変容を効果的に支援できていないという問題があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、健康促進のための対象者の行動変容をより効果的に支援できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る健康情報処理装置は、ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別手段と、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録手段と、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録手段と、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録手段と、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定手段と、利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理手段と、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部に登録する擬似他者生成手段と、利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、指導方針記憶部に記憶されている指導者により設定された目標値と、健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価手段と、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示手段と、グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示手段と、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、少なくとも目標設定手段が生成した推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示手段とを少なくとも備える。
【0014】
上記健康情報処理装置において、指導方針登録手段は、対象者の運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、指導方針記憶部に記憶するようにすればよい。また、目標設定手段は、パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて推奨目標値を算出するようにすればよい。同様に、擬似他者生成手段は、予め設定されている計算式により、擬似他者情報を生成するようにすればよい。また、グループ情報管理手段は、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた擬似他者情報をグループ情報記憶部に登録するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明に係る健康情報処理方法は、ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別ステップと、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録ステップと、対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録ステップと、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた、指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録ステップと、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定ステップと、利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理ステップと、指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部に登録する擬似他者生成ステップと、利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、指導方針記憶部に記憶されている指導者により設定された目標値と、健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価ステップと、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示ステップと、グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示ステップと、ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、少なくとも目標設定ステップが生成した推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示ステップとを少なくとも備える。
【0016】
上記健康情報処理方法において、指導方針登録ステップでは、対象者の運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、指導方針記憶部に記憶するようにすればよい。
【0017】
上記健康情報処理方法において、目標設定ステップでは、パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて推奨目標値を算出すればよい。同様に、擬似他者生成ステップでは、予め設定されている計算式により、擬似他者情報を生成すればよい。また、指導者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた擬似他者情報をグループ情報記憶部に登録する擬似他者登録ステップを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したことにより、本発明によれば、健康促進のための対象者の行動変容をより効果的に支援できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における健康情報処理装置100の構成例を示す構成図である。
【図2】利用者識別部101の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図3】健康情報登録部102の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】健康情報提示部110の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】他者情報提示部108の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図6】目標提示部111および目標設定部105の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】健康情報提示部110の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図8】目標設定部105の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】指導方針登録部104の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図10】目標設定部105の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図11】グループ情報管理部106の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図12】擬似他者生成部107の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1における健康情報処理装置100の構成例を示す構成図である。健康情報処理装置100は、利用者識別部101,健康情報登録部102,対象者目標登録部103,指導方針登録部104,目標設定部105,グループ情報管理部106,擬似他者生成部107,他者情報提示部108,取組評価部109,健康情報提示部110,目標提示部111,通信部112,利用者情報記憶部113,指導方針記憶部114,健康情報記憶部115,およびグループ情報記憶部116を備える。
【0021】
また、健康情報処理装置100は、インターネットなどのネットワーク120を介し、端末A131,端末B132,端末C133と接続している。端末A131および端末B132は、例えば、対象者が使用している端末装置であり、端末C133は、指導者が使用している端末装置である。
【0022】
利用者識別部101は、通信部112がサービスの提供要求を受け付けると、利用者情報記憶部113に記憶されている利用者属性と比較することで、要求元が対象者であるか指導者であるかを識別する。健康情報登録部102は、対象者が使用している端末装置である端末A131および端末B132より通信部112が受け付けた、対象者の健康情報を、健康情報記憶部115に記憶(登録)する。健康情報は、血圧値および体重などの対象者の身体情報、歩数および消費カロリーなどの対象者の運動情報,食事などの対象者の摂取カロリー情報を含むものである。健康情報登録部102は、例えば、1日単位で、対象者の健康情報を受け付けて健康情報記憶部115に登録する。
【0023】
対象者目標登録部103は、端末A131および端末B132より通信部112が受け付けた対象者により設定された目標値(対象者設定目標値)を、健康情報記憶部115に登録する。対象者目標登録部103は、歩数,消費カロリー,および食事などの、対象者が実施可能な健康情報(運動情報,摂取カロリー情報)に関する対象者設定目標値を、健康情報記憶部115に登録する。
【0024】
指導方針登録部104は、指導者が使用している端末装置である端末C133より通信部112が受け付けた、指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部114に登録する。指導方針登録部104は、例えば、対象者の運動内容(運動情報)などの取り組み内容、運動内容の長期目標、長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含むグループ属性などを指導方針情報として受け付け、指導方針記憶部114に記憶する。
【0025】
目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報、および健康情報記憶部115に記憶されている健康情報,対象者による対象者設定目標値などのパラメータをもとに、対象者に提示する推奨目標値を生成する。目標設定部105は、上述したパラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて推奨目標値を算出する。例えば、目標設定部105は、例えば、指導方針情報の中に、指導者による短期目標値(指導者設定短期目標値)が設定されていない場合、指導者設定短期目標値として推奨目標値を算出する。
【0026】
グループ情報管理部106は、利用者情報記憶部113に対象者として記憶(登録)されている対象者の中より、指導者に設定された指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部116に登録する。また、グループ情報管理部106は、端末C133よりネットワーク120を介して通信部112が受け付けた擬似他者情報をグループ情報記憶部116に登録する。
【0027】
擬似他者生成部107は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部116に登録する。擬似他者生成部107は、予め設定されている計算式により、擬似他者情報を生成する。他者情報提示部108は、グループ情報記憶部116に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の対象者の端末A131もしくは端末B132に通知する。
【0028】
取組評価部109は、利用者情報記憶部113に記憶されている対象者により設定された対象者設定目標値、指導方針記憶部114に記憶されている指導者により設定された指導者設定目標値と、健康情報記憶部115に記憶された健康情報の対象者により実施されている項目(運動情報および摂取カロリー情報)の値とを比較し、対象者設定目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する。
【0029】
健康情報提示部110は、例えば、端末A131,端末B132からの要求に対応し、健康情報記憶部115に記憶されている健康情報を、要求元の端末端末A131および端末B132に通知する。目標提示部111は、指導者により設定された指導者設定短期目標値、もしくは目標設定部105が生成した目標値(推奨目標値)を、対象者に対応する端末A131および端末B132に通知する。
【0030】
利用者情報記憶部113は、対象者の年齢,性別,体型,症状,趣味などの対象者情報と対象者の識別情報、指導者の職種,所属,性別,年齢などの指導者情報と指導者の識別情報、指導者と対象者との関係を示す情報を利用者属性として記憶している。
【0031】
次に、より詳細に説明する。
【0032】
まず、端末A131,端末B132および端末C133からのサービス提供要求がネットワーク120を介して通信部112で受け付けられると、図2のフローチャートに示すように、ステップS201で利用者識別部101が、利用者情報記憶部113に記憶されている情報を参照し、受け付けた要求もとが、対象者であるか指導者であるかを判定する。この判定の前に、利用者情報記憶部113に記憶されている対象者の識別情報や指導者の識別情報などの認証情報をもとに、受け付けた要求元の認証を行うようにしてもよい。
【0033】
受け付けた要求元が対象者である場合、ステップS202に移行し、対象者用の機能(サービス)の提供が開始される。一方、受け付けた要求元が指導者である場合、ステップS203に移行し、指導者用の機能の提供が開始される。対象者用の機能には、健康情報の登録、対象者目標登録、目標提示、他者情報閲覧、健康情報(取り組み結果)閲覧などがある。また、指導者用の機能には、指導方針登録、健康情報閲覧などがある。
【0034】
対象者用の機能としての健康情報の登録では、図3のフローチャートに示すように、ステップS301で、対象者が使用している端末装置である端末A131および端末B132より通信部112が受け付けた、対象者の血圧,体重,歩数,消費カロリー,食事,および摂取カロリーなどの健康情報を、健康情報登録部102が収集する。次に、ステップS302で、収集した健康情報を送出元の端末A131もしくは端末B132に返送し、いずれかの端末で利用者(対象者)に視認可能な状態とする。
【0035】
以上のようにして、受け付けた健康情報を対象者に視認可能な状態とした後、健康情報登録部102は、要求元の端末A131もしくは端末B132からの内容変更の指示受け付けを待つ(ステップS303)。内容変更の指示を受け付けると、ステップS301に戻り、健康情報登録部102は、変更された健康情報を収集し、再度送出元の端末に返送する。
【0036】
内容変更の指示がない場合(ステップS303)、健康情報登録部102は、受け付けられて収集した健康情報を、健康情報記憶部115に記憶(登録)する(ステップS304)。なお、対象者による対象者設定目標値の登録・変更についても同様であり、この場合、対象者目標登録部103が、対象者設定目標値について、上述同様に動作する。
【0037】
次に、対象者の操作による端末A131または端末B132からの健康情報閲覧要求に対する対応について説明する。図4のフローチャートに示すように、ステップS401で、いずれかの端末A131,端末B132より、通信部112が健康情報の閲覧要求を受け付けると、ステップS402で、健康情報提示部110が、閲覧対象の健康情報に関する情報の送出(送信)を要求する。例えば、閲覧対象の項目などの情報を対象となる端末に送出し、対象者に視認可能な状態とすることで、閲覧対象となる健康情報の送出を要求する。送出した各項目の中より閲覧対象に対して入力がなされると(ステップS403)、健康情報提示部110は、閲覧対象の対象となる期間に関する情報の送出要求を、対象となる端末に送出し、対象者に視認可能な状態とする(ステップS404)。
【0038】
送出した期間要求に対して対象となる期間が入力されると(ステップS405)、健康情報提示部110が、対象となる期間の対象となる健康情報の項目に関する情報を、健康情報記憶部115に記憶されている情報より収集して集計する(ステップS406)。この後、健康情報提示部110は、集計した情報を、対象となる端末に対して送出する(ステップS407)。この結果、対象者は、要求した期間の要求した項目の健康情報が、自身が操作している端末(端末A131,端末B132)で閲覧可能となる。
【0039】
次に、対象者の操作による端末A131または端末B132からの他者情報閲覧要求に対する対応について説明する。
【0040】
図5のフローチャートに示すように、他者情報提示部108が、他者情報の閲覧希望に関する情報の送出を要求する(ステップS501)。例えば、他者情報の閲覧を希望する選択肢を備えた項目などの情報を対象となる端末に送出し、対象者に視認可能な状態とすることで、他者情報の閲覧希望の送出を要求する。送出した要求に対して閲覧希望が受け付けられると(ステップS502)、他者情報提示部108は、指導方針記憶部114に記憶されている要求元の対象者に関する指導方針情報に、擬似他者の追加指定の有無を確認する(ステップS503)。
【0041】
指導方針情報に擬似他者の追加指定が確認されると(ステップS503のY)、擬似他者生成部107が、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報としてグループ情報記憶部116に登録する(ステップS504)。一方、指導方針情報に擬似他者の追加指定がない場合(ステップS503のN)、ステップS505に移行する。
【0042】
ステップS505で、他者情報提示部108は、グループ情報記憶部116に記憶されている要求元の対象者が含まれるグループを検索し、当該グループ内の要求元の対象者以外の対象者の情報を、利用者情報記憶部113に記憶されている情報より収集して集計し、集計した情報を、対象となる端末に対して送出する。この結果、要求元の対象者は、指導者によって設定されたグループ内の他の対象者の健康情報が、自身が操作している端末(端末A131,端末B132)で閲覧可能となる。
【0043】
次に、指導者の操作による端末C133からの、自身が担当している対象者の健康情報の閲覧要求への対応について説明する。図7のフローチャートに示すように、ステップS701で、端末C133より、通信部112が、指導者が担当する対象者の健康情報閲覧要求を受け付けると、ステップS702で、健康情報提示部110が、閲覧対象の健康情報に関する情報の送出を要求する。例えば、個人の健康情報の閲覧要求か、複数の対象者を集計した健康情報の閲覧要求かを問い合わせる。
【0044】
この問い合わせに対し、個人情報の送出が要求された場合(ステップS703のY)、健康情報提示部110は、要求された対象者の健康情報を、健康情報記憶部115に記憶されている情報より収集する(ステップS704)。
【0045】
一方、複数対象者の送出が要求された場合(ステップS703のN)、健康情報提示部110は、閲覧対象の健康情報の集計条件の送出を、端末C133に要求する(ステップS705)。この要求に対し、端末C133より集計条件が通知されると(ステップS706)、健康情報提示部110は、通知された集計条件で、健康情報記憶部115に記憶されている情報より健康情報を収集して集計する(ステップS707)。
【0046】
次に、ステップS708で、健康情報提示部110は、要求された健康情報を、端末C133に対して送出する(ステップS708)。この結果、対象者は、要求した対象者の健康情報が、自身が操作している端末C133で閲覧可能となる。
【0047】
次に、指導者による対象者の推奨目標値(指導者設定短期目標値)設定について説明する。図8のフローチャートに示すように、目標設定部105が、指導者が操作している端末C133に対し、ステップS801で、自身が担当している対象者の健康情報を送出する。次いで、ステップS802で、端末C133に対し、担当している対象者の長期目標値を送出する。これらの情報送出により、指導者は、自身が担当している対象者の健康情報および長期目標値が視認可能な状態となる。
【0048】
次いで、目標設定部105が、指導者設定短期目標値の入力要求を端末C133に対して送出する(ステップS803)。この要求に対し、端末C133より、指導者設定短期目標値の入力(送出)があると(ステップS804)、目標設定部105は、指導方針記憶部114の対象となる対象者の指導方針情報の指導者設定短期目標値に、入力された値を登録する(ステップS805)。このようにして指導者設定短期目標値が指導方針情報に登録されることで、推奨目標値として対象者に提案することができるようになる。
【0049】
次に、指導者による支援方針の登録について説明する。図9のフローチャートに示すように、ステップS901で、指導方針登録部104が、端末C133に対して対象者の選択を要求する。この要求に対し、端末C133より指導方針登録の対象となる対象者の情報(対象者識別情報)を受け付けると(ステップS902)、指導方針登録部104は、端末C133に対し、推奨目標値を生成するためのパラメータの入力を要求する(ステップS903)。この要求に対し、端末C133よりパラメータを受け付けると(ステップS904)、受け付けたパラメータを指導方針記憶部114に記憶されている対象者の指導方針に登録する(ステップS905)。
【0050】
次に、ステップS906で、指導方針登録部104は、対象者のグループ分けのための条件(パラメータ)の入力を要求する。この要求に対し、端末C133よりグループ分け条件を受け付けると(ステップS907)、受け付けたグループ分け条件を指導方針記憶部114に記憶されている対象者の指導方針に登録する(ステップS908)。
【0051】
次に、ステップS909で、指導方針登録部104は、擬似他者生成のためのパラメータの入力を要求する。この要求に対し、端末C133よりパラメータを受け付けると(ステップS910)、受け付けたパラメータを指導方針記憶部114に記憶されている対象者の指導方針に登録する(ステップS911)。
【0052】
ここで、推奨目標値を生成するためのパラメータは、以下の表1に示すように、対象者ごとの取組内容と長期的な目標に対し、段階的な目標値(推奨目標値)設定のための目標到達時期、取組に対するモチベーションの違いを反映させるための達成時上乗せ値および失敗時補正値を設定することができる。
【0053】
【表1】
【0054】
次に、推奨目標値の生成について、図10のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS1001で、目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報に、指導者による指導者設定短期目標値の設定の有無を確認する。指導方針情報に、指導者による指導者設定短期目標値が設定されていない場合(ステップS1001のN)、ステップS1002で、目標設定部105が、健康情報記憶部115に記憶されている健康情報より対象者の取り組み状況を取得する。
【0055】
次に、ステップS1003で、目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より設定されている長期目標値を取得する。次に、ステップS1004で、目標設定部105は、指導方針記憶部114に記憶されている指導方針情報より設定されている目標値生成のためのパラメータを取得する。
【0056】
以上のようにして、目標設定部105が、取り組み状況,長期目標値,および目標値生成のためのパラメータを取得すると、ステップS1005で、目標設定部105は、推奨目標値を算出する。一方、指導者による指導者設定短期目標値が設定されてる場合(ステップS1001のY)、ステップS1006で、目標設定部105は、設定されている指導者設定短期目標値を推奨目標値として取得する。
【0057】
ここで、目標設定部105による推奨目標値の算出について説明する。目標設定部105は、指導者により設定された指導方針に含まれる推奨目標値生成用のパラメータ(指導者設定パラメータ)と対象者の取り組み内容(対象者取り組み考慮パラメータ)から推奨目標値(Short)を生成する。
【0058】
[指導者設定パラメータ]
1.指導者が提案する長期目標(Long)。
2.長期目標到達までの段階(Step)。
3.対象者の取り組み状況による2つの補正値(a, b)。
4.取り組み内容の下限値(min),および上限値(max)。
【0059】
[対象者取り組み考慮パラメータ]
1.対象者の過去の取り組み内容の平均値(AVE)。取り組み内容は、対象者より収集された健康情報に含まれるものであり、歩数などの運動や摂取カロリーなどの食事に関するものである。従って、例えば、「1日に歩いた歩数の平均値」などが対象者取り組み考慮パラメータとなる。なお、以降では、例えば過去1週間の取り組み内容平均値をAVEn1とする。これは、前述した擬似他者生成の場合と同様である。
【0060】
また、推奨目標値(Short)の生成において、まず、1週を単位期間とし、推奨目標として提案される内容は前週の内容を基にする。ただし、単位期間の始めと終わりの曜日は任意に変えられるものとする。例えば、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1は、1月21日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容の平均値とする。また、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1-n3は、1月7日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容平均値である。例えば、2月6日(土曜日)に健康データを登録しても、AVEn1,AVEn1-n3は同じである。
【0061】
加えて、対象者の取り組み内容の平均値を4段階に分け,4つの式を用いる。
【0062】
[計算式]
ケース1−1:AVEn1-n3が、設定する下限値より下回る(AVEn1-n3<min)。
Short=min ・・・(1)
【0063】
ケース1−2:AVEn1-n3が、設定する下限値より上回り,長期目標Longより下回る(l≦AVEn1-n3<Long)。
【数1】
【0064】
ケース1−3:AVEn1-n3が、長期目標Longより上回り,設定する上限値より下回る(Long≦AVEn1-n3<max)。
【数2】
【0065】
ケース1−4:AVEn1-n3が、設定する上限値より上回る(max≦AVEn1-n3)。
Short=max ・・・(4)
【0066】
以下、推奨目標値(Short)の生成例について説明する。
【0067】
[例1]歩数。
指導者により設定されているパラメータが、Long=10000、Step=3、a=1(AVEn1≧AVEn1-n3)、a=0(AVEn1<AVEn1-n3)、b=500、min=2500、max=25000であり、対象者取り組み考慮パラメータが、AVEn1=9000、AVEn1-n3=7000の場合。この場合は、上述したケース1−2に該当する。従って、これらのパラメータを(2)式に投入する。この結果、推奨目標値(Short)として、10500歩が生成される。なお、100以下は繰り上げて計算している。
【0068】
[例2]食事。
指導者により設定されているパラメータが、Long=300、Step=3、a=1(AVEn1≧AVEn1-n3),a=0(AVEn1<AVEn1-n3)、b=20、min=30、max=500であり、対象者取り組み考慮パラメータが、AVEn1=310、AVEn1-n3=330の場合、この場合は、上述したケース1−3に該当する。従って、これらのパラメータを(3)式に投入すると、推奨目標値(Short)として、420kcalが生成される。なお10以下は繰り上げて計算している。
【0069】
次に、指導者より設定される指導方針としてのグループ分け条件について説明する。対象者を分配するためのグループ分け条件は、以下の表2に示す対象者配分リストを基に、対象者が所属するグループの条件を設定することができる。対象者配分リストは、予め設定されているものである。
【0070】
【表2】
【0071】
表2に示されている各条件を、以下の表3の設定テーブルに示すように指導者が設定することで、グループ情報管理部106が、設定テーブルをもとにグループ分けを行う。
【0072】
【表3】
【0073】
次に、グループ情報管理部106によるグループ分けについて説明する。図11のフローチャートに示すように、まず、ステップS1101で、グループ情報管理部106は、指導方針記憶部114に記憶されている対象となる対象者の指導方針の中のグループ分けの設定条件の中より、期間に関する条件を取得する。次に、ステップS1102で、グループ情報管理部106は、取得した期間中における分配歴情報の存在を、グループ情報記憶部116の中に検索する。この検索で、分配履歴情報が存在してない場合(ステップS1102のN)、ステップS1103で、グループ情報管理部106は、期間以外の他の分配条件を取得する。
【0074】
次に、グループ情報管理部106は、ステップS1104で、取得した各条件に適合する対象者を検索する。グループ情報管理部106は、指導方針記憶部114に記憶されている情報より、対象者を検索する。この後、グループ情報管理部106は、検索した対象者の群を1つのグループとして設定してグループ化し、グループ情報記憶部116に登録する(ステップS1105)。
【0075】
一方、取得した期間中における分配歴情報の存在の検索で、分配履歴情報が存在している場合(ステップS1102のY)、グループ情報管理部106は、ステップS1106で、グループ情報記憶部116より最新のグループ(グループ情報)を取得する。この後、グループ情報管理部106は、ステップS1105で新たに設定したグループもしくはステップS1106で取得した最新のグループに、対象となる対象者を登録する(ステップS1107)。このようにして、対象者は、対象者全員で構成されたグループの一員となり、全員の健康情報を閲覧することができるようになる。また、期間を1週間、取組内容を運動(歩行など)、対象者との関係を近似と設定すると、対象者と運動(歩行など)の量が近似した他者を毎週新規にグループ化することができる。
【0076】
次に、擬似他者パラメータについて説明する。擬似他者パラメータは、グループ形成条件の結果が指導者の想定したグループ規模に達しない場合や、取組の目標となるような他者、競争意識の発生を促すことを目的として生成する。擬似他者パラメータは、以下の表4に例示する擬似他者リストに設定することができる。また、擬似他者パラメータが設定された擬似他者に関する情報は、以下の表5に例示するように、対象者毎に設定テーブルに設定される。擬似他者パラメータは、指導者によって修正が可能である。指導者により擬似他者パラメータを修正することで、特性を変化させることができる。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
擬似他者生成部107は、上述したように設定された擬似他者パラメータを用いて擬似他者情報を生成する。図12のフローチャートに示すように、擬似他者生成部107は、ステップS1201で、生成する擬似他者の人数に関する情報を取得する。次に、ステップS1202で、擬似他者生成部107は、擬似他者パラメータを取得する。この後、擬似他者生成部107は、取得した擬似他者パラメータを用い、必要な人数分の擬似他者情報を生成する(ステップS1203,ステップS1204)。
【0080】
ここで、擬似他者生成部107による擬似他者情報の生成についてより詳細に説明する。擬似他者生成部107は、指導者により設定された指導方針に含まれる擬似他者生成用のパラメータと対象者の取り組み内容より得られるパラメータ(対象者取り組み考慮パラメータ)から擬似他者情報を生成する。
【0081】
[擬似他者生成用パラメータ]
1.対象者との差(Relate)。
2.対象者健康情報反映値(a)。
3.変動幅下限値(l)および上限値(h)。
4.取り組み内容の下限値(min)。
【0082】
[対象者取り組み考慮パラメータ]
1.対象者の過去の取り組み内容の平均値(AVE)。取り組み内容は、対象者より収集された健康情報に含まれるものであり、歩数などの運動や摂取カロリーなどの食事に関するものである。従って、例えば、「1日に歩いた歩数の平均値」などが対象者取り組み考慮パラメータとなる。なお、以降では、例えば過去1週間の取り組み内容平均値をAVEn1とする。
【0083】
また、擬似他者生成においては、まず、健康情報の取り扱いに関しては1週を単位期間とする。ただし、単位期間の始めと終わりの曜日は任意に変えられるものとする。例えば、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1は、1月21日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容平均値とする。また、単位期間が日曜から土曜までであり、現時点が2月1日(水曜日)とすると、AVEn1-n3は、1月7日(日曜日)〜1月27日(土曜日)の取り組み内容平均値である。
【0084】
加えて、対象者の取り組み内容の平均値を2段階に分け、2つの式を用いる。
【0085】
[計算式]
ケース2−1:AVEn1が設定する下限値より下回る(AVEn1-n3<min)。
Dummy=a×min+Relate+rand(l,h) ・・・(5)
【0086】
ケース2−2:AVEn1が設定する下限値より上回る(AVEn1-n3>min)。
Dummy=a×AVEn1+Relate+rand(l,h) ・・・(6)
【0087】
以下、擬似他者情報の生成例について説明する。
【0088】
[例1]歩数。
指導者により設定されているパラメータが、Relate=1000、a=0.9、l=1000、h=500、min=2500、AVEn1=8000の場合。この場合は、上述したケース2−2に該当する。従って、これら各パラメータを(5)式に投入する。この結果、擬似他者情報として、「8700〜9200歩」が生成される。
【0089】
[例2]食事。
指導者により設定されているパラメータが、Relate=50、a=1.0、l=−50、h=50、min=200、AVEn1=150の場合、この場合は、上述したケース2−1に該当する。従って、これらの各パラメータを(6)式に投入する。この結果、擬似他者情報として、「200〜300kcal」が生成される。
【0090】
なお、上述したように擬似他者生成部107により生成したものに限らず、端末C133よりネットワーク120を介して通信部112が受け付けられてグループ情報管理部106に登録された擬似他者情報を、他者情報提示部108が、要求元の対象者の端末A131もしくは端末B132に通知するようにしてもよい。
【0091】
次に、対象者による短期目標の修正について説明する。図6のフローチャートに示すように、ステップS601で、目標提示部111が、指導方針記憶部114に記憶されている推奨目標値を、対応する対象者の端末(端末A131,端末B132)に送出する(ステップS601)。この通知に対し、送出先の端末より目標値の修正要求を受け付けると(ステップS602)、目標設定部105が、指導方針記憶部114に登録されている推奨目標値を修正する(ステップS603)。
【符号の説明】
【0092】
100…健康情報処理装置、101…利用者識別部、102…健康情報登録部、103…対象者目標登録部、104…指導方針登録部、105…目標設定部、106…グループ情報管理部、107…擬似他者生成部、108…他者情報提示部、109…取組評価部、110…健康情報提示部、111…目標提示部、112…通信部、113…利用者情報記憶部、114…指導方針記憶部、115…健康情報記憶部、116…グループ情報記憶部、120…ネットワーク、131…端末A、132…端末B、133…端末C。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別手段と、
前記対象者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録手段と、
前記対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた前記対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録手段と、
前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録手段と、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および前記対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、前記対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定手段と、
前記利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、前記指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理手段と、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報として前記グループ情報記憶部に登録する擬似他者生成手段と、
前記利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、前記指導方針記憶部に記憶されている前記指導者により設定された目標値と、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、前記対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価手段と、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示手段と、
前記グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示手段と、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、少なくとも前記目標設定手段が生成した前記推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示手段と
を少なくとも備えることを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の健康情報処理装置において、
前記指導方針登録手段は、前記対象者の前記運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、前記指導方針記憶部に記憶する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の健康情報処理装置において、
前記目標設定手段は、前記パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて前記推奨目標値を算出する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康情報処理装置において、
前記擬似他者生成手段は、予め設定されている計算式により、前記擬似他者情報を生成する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の健康情報処理装置において、
前記グループ情報管理手段は、前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた擬似他者情報を前記グループ情報記憶部に登録する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別ステップと、
前記対象者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録ステップと、
前記対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた前記対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録ステップと、
前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録ステップと、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、前記対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定ステップと、
前記利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、前記指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理ステップと、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報として前記グループ情報記憶部に登録する擬似他者生成ステップと、
前記利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、前記指導方針記憶部に記憶されている前記指導者により設定された目標値と、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、前記対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価ステップと、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示ステップと、
前記グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示ステップと、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、前記目標設定ステップが生成した前記推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示ステップと
を少なくとも備えることを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項7】
請求項6記載の健康情報処理方法において、
前記指導方針登録ステップでは、前記対象者の前記運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、前記指導方針記憶部に記憶する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項8】
請求項6または7記載の健康情報処理方法において、
前記目標設定ステップでは、前記パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて前記推奨目標値を算出する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の健康情報処理方法において、
前記擬似他者生成ステップでは、予め設定されている計算式により、前記擬似他者情報を生成する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1項に記載の健康情報処理方法において、
前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた擬似他者情報を前記グループ情報記憶部に登録する擬似他者登録ステップを有する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項1】
ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別手段と、
前記対象者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録手段と、
前記対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた前記対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録手段と、
前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録手段と、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および前記対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、前記対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定手段と、
前記利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、前記指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理手段と、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報として前記グループ情報記憶部に登録する擬似他者生成手段と、
前記利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、前記指導方針記憶部に記憶されている前記指導者により設定された目標値と、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、前記対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価手段と、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示手段と、
前記グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示手段と、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、少なくとも前記目標設定手段が生成した前記推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示手段と
を少なくとも備えることを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の健康情報処理装置において、
前記指導方針登録手段は、前記対象者の前記運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、前記指導方針記憶部に記憶する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の健康情報処理装置において、
前記目標設定手段は、前記パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて前記推奨目標値を算出する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康情報処理装置において、
前記擬似他者生成手段は、予め設定されている計算式により、前記擬似他者情報を生成する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の健康情報処理装置において、
前記グループ情報管理手段は、前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた擬似他者情報を前記グループ情報記憶部に登録する
ことを特徴とする健康情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して受け付けたサービス提供の要求元を、利用者情報記憶部に記憶されている利用者属性と比較することで、対象者および指導者のいずれかに識別する利用者識別ステップと、
前記対象者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記対象者の身体情報,運動情報,摂取カロリー情報を含む健康情報を、健康情報記憶部に記憶する対象者情報登録ステップと、
前記対象者が使用している端末装置よりネットワークを介して受け付けた前記対象者により設定された目標値を、健康情報記憶部に登録する対象者目標登録ステップと、
前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた、前記指導者が担当する対象者の指導方針情報を指導方針記憶部に登録する指導方針登録ステップと、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報,前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報,および対象者により設定された目標値を含むパラメータをもとに、前記対象者に提示する推奨目標値を生成する目標設定ステップと、
前記利用者情報記憶部に登録されている対象者の中より、前記指導方針記憶部に登録されている指導方針情報に含まれる対象者の属性やグループ設定情報をもとにグループを生成し、生成したグループの情報をグループ情報記憶部に登録するグループ情報管理ステップと、
前記指導方針記憶部に記憶されている指導方針情報より擬似他者情報を生成し、生成した擬似他者情報を、対応するグループに含まれる対象者の擬似の情報として前記グループ情報記憶部に登録する擬似他者生成ステップと、
前記利用者情報記憶部に記憶されている対象者により設定された目標値、前記指導方針記憶部に記憶されている前記指導者により設定された目標値と、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報の運動情報および摂取カロリー情報の値とを比較し、前記対象者により設定された目標値に対する達成の度合いを取り組みの評価結果として生成する取組評価ステップと、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、前記健康情報記憶部に記憶されている健康情報を、要求元の端末装置に通知する健康情報提示ステップと、
前記グループ情報記憶部に記憶されている要求元の対象者と同一グループ内の他の対象者の情報を、要求元の端末装置に通知する他者情報提示ステップと、
前記ネットワークを介して受け付けた要求に対応し、前記目標設定ステップが生成した前記推奨目標値を、要求元の端末装置に通知する目標提示ステップと
を少なくとも備えることを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項7】
請求項6記載の健康情報処理方法において、
前記指導方針登録ステップでは、前記対象者の前記運動情報、長期目標、この長期目標の到達時期、目標達成時の補正値、目標が達成できなかったときの補正値、取り組み内容の下限値、取り組み内容の上限値、取り組みの期間、および擬似他者の追加指定の情報を含む情報を指導方針情報として受け付け、前記指導方針記憶部に記憶する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項8】
請求項6または7記載の健康情報処理方法において、
前記目標設定ステップでは、前記パラメータを用い、予め設定されている計算式を用いて前記推奨目標値を算出する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の健康情報処理方法において、
前記擬似他者生成ステップでは、予め設定されている計算式により、前記擬似他者情報を生成する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1項に記載の健康情報処理方法において、
前記指導者が使用している端末装置より前記ネットワークを介して受け付けた擬似他者情報を前記グループ情報記憶部に登録する擬似他者登録ステップを有する
ことを特徴とする健康情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−48745(P2011−48745A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198160(P2009−198160)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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