説明

健康枕

【課題】頭部、頚椎及び脊椎を伸ばして、良好な寝姿で快適な睡眠をとることができる健康枕を提供すること。
【解決手段】上部長辺部の角が丸みを帯びた台座20と、台座の上面に、使用者の頭部が置かれる窪み30と、台座の両端に左設置台40及び右設置台45を備え、香料等を置いて睡眠環境を向上させ、左側壁50と右側壁55を設けて、寝返りを打っても頭部が枕から外れないようにする。さらに、台座20の中央に頚椎支持体60及び脊髄支持体70を備えることにより良好な寝姿で睡眠をとることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間が睡眠するときに使用する枕であって、姿勢よく眠れて健康によい枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康は人間にとって重要な関心事であり、睡眠に対しては食品や運動と共に多くの関心が寄せられてきた。1日の約1/3は睡眠時間であり、脳を休ませる重要な時間である。そして、枕は、大切な脳を支え、快適な睡眠環境を作る役目を担っている。このため、健康によいとされる様々な構造の枕が提案されている。
【0003】
例えば、仰向けに眠るときの快適な睡眠をとるため、頭の高さを電動式に調整可能として、寝付きのときに頭の高さを高くしておき、タイマーで設定した時間後に電動式に枕の高さを低くする枕が提案されている(例えば特許文献1等参照)。
【0004】
また、背骨の位置に当て木をする脊柱枕の提案もある。脊柱の直下に脊柱枕が存在することであごを引き、肩と胸を広げ、脊柱を伸ばして姿勢を正すことができるため、呼吸・循環・消化等人体の機能の正常化・健全化を促し、真の安眠と休養を図るものである(例えば特許文献2等参照)。
【0005】
さらに、左右に寝返りを打ったときの頭の状態に合わせて、3種の窪みを並列に配置した健康枕の提案もある。使用者の頭部および首部が置かれる枕本体の表側に仰向きの姿勢で載せられる頭部と首部を受ける仰臥用座部と、右向きの横臥姿勢で載せられる頭部と首部を受ける右横臥用座部と、左向きの横臥姿勢で載せられる頭部と首部を受ける左横臥用座部とが、仰臥用座部の右隣に右横臥用座部が横並びで位置し、仰臥用座部の左隣に左横臥用座部が横並びで位置するかたちで配設されている健康枕である。仰臥と右横臥および左横臥の3つの寝相それぞれに適合した仰臥用座部と右横臥用座部と左横臥用座部の3つが同じ枕本体に併設されているため、仰臥と右横臥および左横臥のいずれの寝相の場合でも快適な睡眠ができるとしている(特許文献3等参照)。
【特許文献1】特開2000−270988号公報
【特許文献2】実開平6−31713号公報
【特許文献3】特開2005−46553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
枕の構造と眠りの深さは高い相関関係があり、合わない枕は頸椎に負荷がかかり、いろいろな症状を引き起こしている。高過ぎる枕は、首の下に隙間ができ、顎が引けた状態になるので、肩や首の筋肉へ負担がかかり、頭痛・肩こり・いびき等の原因になる。枕が適正でも柔らかすぎるマットレスの場合も同じ状態になる。低すぎる枕は、頸椎を支えられないので負担がかかり、寝違えや肩こりを誘発する原因にもなる。また、あごが上がる枕は、頭部が沈んで首は伸び、顎が上がった状態になるので、血液が頭部に下がり、脳への刺激が増えて眠りも浅くなり、口が開いた状態になるので口呼吸となり、いびきの原因にもなる。枕をしない場合は、頸椎を支えられないので負担がかかり、顔のむくみや肩こりを誘発し、頭部が落ち着かないので眠りが浅くなる。
【0007】
さらに考慮しなければならないのは、寝ている姿勢は一定ではないということである。すなわち、仰向けに正しい姿勢で寝ていても、同じ姿勢を続けると同じ箇所が圧迫されているため血液の循環が悪くなり返って熟睡できなくなる。このため、人間は睡眠時間中には、適当に寝返りを打っている。そうすると、寝返りを打って横伏臥状態での姿勢は個人差があり、横伏臥状態での睡眠時間がある程度必用な人と、寝返りが必要だとしても横伏臥状態となった場合に、脊柱が曲がって内臓を圧迫し、再度仰向けに寝姿を変えなければ健康に悪影響を与える人とがいる。
【0008】
本発明者は以上のような課題を解決し、仰向けに寝ている姿勢を適正に保つ枕であって、寝返りを打った横伏臥状態でも適正な姿勢が保て、横伏臥状態を仰向け状態に変えさせることができる場合にも対応した、安眠できる健康枕を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、眠りの状態を考察し、人間が適正な姿勢で眠れる健康枕を完成するに至ったので、以下に説明する。
【0010】
眠りは、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類の異なる性質から成り立っている。レム睡眠は、急速眼球運動を伴う眠りであり、眠っていても眼球が動き、脳は覚醒に近い浅い眠りである。ノンレム睡眠は、レム睡眠でない眠りであり、ぐっすりと熟睡した深い眠りをいう。
【0011】
一般には、眠りに入るとすぐに深い眠りのノンレム睡眠状態となり、これは、睡眠により脳を休息させている状態である。このとき体温(深温部)は下がり、体内の熱を出すため発汗作用が活発になる。このときの脳波は波型がゆるやかなデルタ波が主である。また、脳が休息しているので揺り起こしても容易には起きず、深い眠りの状態である。浅い眠りのレム睡眠状態のときに体温は上昇し、眼球は運動しているが、筋肉の緊張は解け、だらりとした状態になる。脳波はデータ波が主で、体のほうは休息している。また、時間が経つにつれノンレム睡眠の段階は少なくなり、レム睡眠の割合が多くなってくる。レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返される理由は、深い睡眠は体温が下がった状態で得られるのではなく、体温が下がっていく過程で得られることから、睡眠の途中にレム睡眠を入れて体温を上げ、ノンレム睡眠のときに体温を下げるというリズムによって深い眠りを得ようとしているからといわれている。
【0012】
睡眠中には、「中途覚醒」といって目が覚めた状態が何度もある。脳波の測定により、睡眠中に「中途覚醒」が何回起きるかを調べて報告された例では、20回程度の中途覚醒があった(NHK「ためしてガッテン」2008年2月6日放送)。中途覚醒は、睡眠の効率に影響し、中途覚醒があると睡眠効率は悪くなる。睡眠効率とは、床に入っている時間に対して実際に眠っている時間の割合のことである。中途覚醒を起こす原因には、生理的、心理的な内的要因と、睡眠環境による外的要因とがあり、これらの原因をできるだけ取り除くことが、睡眠効率を良くすることになる。ラベンダーなどの芳香剤を置くことは、気分を落ち着かせてリラックスさせる等の内的要因を除く方法である。
【0013】
外的要因としての睡眠環境としては、音や温度は勿論のこと、眠っているときの姿勢が重要な要素となる。睡眠姿勢が良好となる枕により安らかな睡眠状態に入れる。良好な睡眠姿勢は、睡眠中に十分首が休まっている状態であり、首の筋肉が緊張して頚椎の骨の隙間から伸びている神経を圧迫すると、片頭痛のような症状や、肩こり、腕のしびれの原因となる。また、睡眠時の頭部の角度は15度が適当(NHK「ためしてガッテン」2008年2月6日放送)とされ、後頭部から頚椎、脊髄に至る部分に、体に沿って、補助材を枕に付設することが効果的である。
【0014】
睡眠姿勢と共に考慮すべき重要な点は、寝返りである。いくら良い睡眠姿勢で寝ていたとしても、同じ姿勢を長時間続けると、特定の場所が圧迫され続けるので、血液の循環が悪くなって痛くなったり、体温で蒸れたりする。このため、睡眠中であっても脳からは寝返りを打って姿勢を変えるよう指令を出している。このような眠ったまま無意識のうちに打つ寝返りは、快適な睡眠を維持するための必要な動作である。
【0015】
寝返りが快適な睡眠に必要な動作だとすると、寝返りを打ったときの横伏臥状態をある程度の時間が必要な人と、横伏臥姿勢が続くと健康に悪影響を及ばす人とがいるため、それぞれの個人差を生ずることになる。このため、快適な睡眠を得るためには仰向けに眠るときの睡眠姿勢と寝返りを打ったときの睡眠姿勢の2つの状態で良好な睡眠姿勢となる健康枕と、寝返りを打ったときに仰向けに寝姿を矯正することができる健康枕とが必要となる。そして、この2つの状態、即ち、仰向けの状態と横伏臥状態との相互の移行がスムーズに行われることも必要である。これらの条件を満たすべく健康枕の発明がなされたものであり、以下に本発明での解決手段を説明する。
【0016】
(1) 上部長辺部の角が丸みを帯びた台座と、台座の上面に使用者の頭部が置かれる窪みと、台座の両端に側壁と、台座の中央に頚椎支持体及び脊髄支持体と、を備えた健康枕。
【0017】
(1)に記載の発明は、横伏臥姿勢でも快適な睡眠が取れる使用者に好適な健康枕であって、使用者が睡眠をとる場合において、仰向けに寝るときは、枕の中央部に位置して仰向けに寝るので、台座の窪み部に後頭部が置かれ、頚椎に沿った突起部と、それに続いて脊椎に沿ってなだらかに低くなる支持体に体が載るため、良好な寝姿での姿勢が取れる。頭の角度を適正な15度とするためには、使用者の体型に合わせてタオルや布団等の補助体を枕の下において調整する。これにより、自然な姿勢で睡眠をとることができるので、首の筋肉が緊張すること無く快適な睡眠がとれる。
【0018】
寝返りを打つ場合は、使用者の頭部が載せられている台座の窪みが左右方向に長いので、頭部の回転の障害となるものが無く、平面上を頭部が回転運動を伴って移動することになり、スムーズな寝返りが打てる。更に、同方向に寝返りを打ったとしても、この場合は、台座の両側部に設けられた側壁が障害となり、枕から頭が外れることは無い。寝返りを打つことにより、体が寝返りを打った方向にずれるので、脊椎に当てられていた支持体から離れて体は布団の上にくるから、脊椎支持体がじゃまにならない。このとき首は健康枕の前面上部の端に位置しており、枕の前面側部に肩がくるので、窪みに頭部をおくことで良好な横伏臥姿勢となる。更に、健康枕の台座端部には側壁が設けられているので、寝返りにより枕から頭部が外れることはない。側壁が存在することで、更に寝返りを打っても側壁を障害として感じ、逆方向に寝返りを打つことになる。これにより、「中途覚醒」の外的要因が取り除かれる。
【0019】
(2) 台座の側壁は、開口部又は段差が設けられていること、を特徴とする(1)に記載の健康枕。
【0020】
(3) 台座の側壁の開口部又は段差には、芳香剤が置かれていること、を特徴とする(2)に記載の健康枕。
【0021】
(2)及び(3)に記載の発明によれば、健康枕の側壁に開口部又は段差がついており、その部分に芳香剤が置かれているので、匂いにより気分が落ち着きリラックスできるので、中途覚醒の内的要因が取り除かれる。
【0022】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の健康枕において、台座に、肩を載せる肩甲骨支持体をさらに備えたこと、を特徴とする健康枕。
【0023】
(4)に記載の発明は、横伏臥姿勢を続けると健康に悪影響を及ぼす人に適した健康枕であって、横伏臥姿勢を矯正するため、両肩の部分に支持体を備えている。仰向けの寝姿では、左右の肩甲骨が肩甲骨支持体の上に置かれているので良好な寝姿となるが、寝返りを打って横伏臥姿勢となると、肩甲骨支持体が肩に当たって障害となり、使用者は窮屈な姿勢となるので、無意識のうちに再度寝返りを打ち、仰向けの姿勢に寝姿を変えることになる。肩甲骨の部分に支持体が設けられているので、より一層均等に力が加わり、仰向けの寝姿で快適な睡眠をとることができ、寝返りを打っても、横伏臥姿勢を長時間維持することなく、ほとんどの時間を仰向けの寝姿で睡眠をとることができる。
【0024】
肩甲骨支持体は、健康枕本体と別の体として製作し、必要に応じて取り付けて使用してもよい。
【0025】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の健康枕において、さらに台座を覆う布カバーを備え、布カバーの内部に使用者の頭部及び左右の肩甲骨の位置に中素材を有する健康枕。
【0026】
(5)に記載の発明によれば、健康枕を木又は陶器で製作した場合に、痛さを感じることがあっても、頭部及び両肩の位置に対応して中素材の入った布カバーを重ねた二重構造とすることにより、柔らかで、優しい使用感を得ることができる。中素材の量は、健康枕の外形を損ねない程度に留める。頚椎支持体及び脊椎支持体の部分は、中素材を必要とせず、布のみとして、本発明の特徴である頚椎及び脊椎を伸ばした良好な姿勢を維持することができるようにする。
【発明の効果】
【0027】
本発明による健康枕によれば、仰向けに寝ている姿勢を適正に保つともに、スムーズな寝返り動作ができ、寝返りを打った横伏臥状態でも適正な姿勢が保て、しかも、芳香剤により気分が安らぎリラックスした状態で快適に睡眠できる効果がある。さらに、肩甲骨支持体を備えることにより、横伏臥姿勢を強制的に仰向け姿勢とする効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0029】
<実施例1>
図1(a)は、本発明による実施例1である。図1(b)は図1(a)に示した実施例1の正面図である。本発明の健康枕10の台座20には、頭部を支持する横長の窪み30を有し、窪み30の両側に芳香剤等を置く左設置台40と右設置台45、及び、頭部が健康枕10から外れるのを防止するための左側壁50と右側壁55とがある。左側壁50と右側壁55にはそれぞれ左開口穴80及び右開口穴85が設けられている。そして、台座20の中央部からは、頚椎支持体60と、それに続いて脊椎支持体70がある。脊椎支持体70は健康枕10の台座20から離れるに従い、高さが低くなるようにして、脊椎の形に合わせている。
【0030】
図2に、人が睡眠するときの状態と本発明の健康枕の断面図を示している。窪み30に人間100の頭部110を置き、頚椎120は、健康枕10の頚椎支持体60で支持され、続いて脊椎は脊椎支持体70で支持されており、足140は伸ばした寝姿である。図2に示したように人間100が仰向けに寝ている姿勢では、頭部110、頚椎120及び脊椎の形に添って支持体が添えられているので、好適な姿勢で快適な睡眠ができる。
【0031】
寝返りを打つときは、図1に示したように窪み30が横長の形状をしているので、頭部110の回転の障害となるものが無く、左右いずれの方向にもスムーズに回転できる。そして肩130の部分は、左右いずれの方向に寝返りを打っても、頚椎支持体60及び脊椎支持体70から外れるので無理なく横伏臥姿勢が取れる。更に同方向に寝返りを打っても、台座20の両端部にある左側壁50及び右側壁55により移動が妨害されるので、頭部110が健康枕10から外れることは無い。
【0032】
図1における、左設置台50と右設置台55、又は、左開口部80と右開口部85には、芳香剤等を置いて、快適な睡眠ができる環境を整えることができる。芳香剤としては、例えば、好みの香りのハーブを設置しておくことができる。
【0033】
本発明の実施例1として制作した健康枕は、材質を木としている。その他、陶器でもよく、固いものならこれらに限られるものではない。固い材質では頭が痛い等の寝心地が悪いと感じた場合は、タオル等で覆い、“柔らかさ”を加えても良い。
【0034】
実際に本発明による健康枕のモニタをした人の意見では、本発明の健康枕を使用することによる健康への効果としては、頭、肩、背、腰が快適な状態となり、姿勢も良くなることから、歩くのが楽になったとの報告がある。また、年配の方は、夜中にトイレに行く場合でも目覚めがよくすぐに起きて行くことができたという。さらには、疲れた部分に湿布等を貼っていたのが、本発明の健康枕を使用することで、血液の循環が良くなり疲れが取れたとの報告もある。
【0035】
<実施例2>
図3は、本発明の実施例2として、肩甲骨支持体をさらに備えた健康枕210を示している。台座220には、角に丸みを持たせた長方形状の窪み230を有し、左設置台240と右設置台245、及び、左側壁250と右側壁255が備えられている。そして、台座220の中央部から、頚椎支持体260と、それに続いて脊椎支持体270を備えている。さらに、台座220の頚椎支持体260と脊椎支持体270の両側に、人間の肩甲骨を載せるための、左肩甲骨支持体310と右肩甲骨支持体320を備えた健康枕210である。
【0036】
図2を参照して図3の健康枕210を使用した場合について説明すると、人体100が仰向けの姿勢をとって睡眠しているとき、肩甲骨130は健康枕210の右肩甲骨支持体320及び左肩甲骨支持体310に支えられている。このため、重さが体全体により均等にかかるので、好適な姿勢で睡眠ができる。そして、仰向けに寝ているときに、右に寝返りを打つと、肩甲骨130が、右肩甲骨支持体320の上にくるので、横伏臥姿勢を維持することは肩甲骨130が下に来るため、右肩甲骨支持体320が障害となり、不自然な寝姿となるので、無意識のうちに仰向け姿勢となる。即ち、人間が睡眠中に寝返りが必要だとしても、横伏臥状態を維持せず、左右の肩甲骨支持体が障害となり直ちに仰向け姿勢とさせる効果がある。
【0037】
<実施例3>
図4は、本発明における仰向けの姿勢での寝姿を重視した健康枕410の実施例3である。台座420に頭部を支持する窪み430を有し、台座420の中央部から、頚椎支持体460と脊椎支持体470が備えられている。本実施例は、疲れがひどいときなど、30分から2時間くらい睡眠をとり疲労を回復するときに簡易な構造で小型、軽量の健康枕として利用することができる。また、持ち運び用としての利用も可能である。
【0038】
<実施例4>
図5は、図4に示した簡易型の健康枕に、簡単な構造の左肩甲骨支持体540と右肩甲骨支持体550をさらに有した健康枕である。肩甲骨全体が支持体に支えられていなくても、肩に続く肩甲骨の一部が支えられている場合でも効果があり、寝返りによる横伏臥姿勢を再度仰向け姿勢に強制するにも十分な効果である。
【0039】
<実施例5>
図6は、本発明の健康枕の布カバー600を示している。健康枕はその本体を固い木や陶器で製作するため、どうしても頭部や肩甲骨の部分が痛い場合がある。そこで、頭部及び肩甲骨にかけて中素材を入れた部分610を有した布カバー600を一体として使用する。頚椎支持体及び脊椎支持体に対応する部分620には中素材はいれず、寝姿を良好に維持できるようにしている。中素材は、健康枕の形状が維持できる程度の量として、良好な寝姿を保てるようにする。
【0040】
図7は、健康枕210と布カバー600を一体として使用する二重構造健康枕の実施例4である。これにより柔らかな感触を得て快適な睡眠を行うことができる。この場合の健康枕としては、実施例2で示した健康枕210の他、実施例1で示した健康枕10、及び実施例3で示した健康枕410が使用可能である。
【0041】
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。例えば、健康枕の素材を固いものに限らず、本発明の構造となるように布を縫って、中素材、例えば蕎麦殻、綿や中空のプラスチックチップ等を入れても本発明の構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の健康枕を示す図であり、仰向けの寝姿に好適な実施例1を示している図である。
【図2】人間の仰向け姿勢と頭部、頚椎及び脊椎の好適な支持構造を示す図である。
【図3】本発明の健康枕を示す図であり、実施例1の健康枕に肩甲骨支持体を設けた実施例2を示している図である。
【図4】本発明の簡易な構造の実施例3を示す図である。
【図5】本発明の簡易な構造の実施例4を示す図である。
【図6】本発明の布カバーを示す図である。
【図7】本発明の健康枕と布カバーを一体とした二重構造健康枕を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
10 実施例1の健康枕
20 健康枕の台座
30 頭部を支持する窪み
40 左設置台
45 右設置台
50 左側壁
55 右側壁
60 頚椎支持体
70 脊椎支持体
80 左開口部
85 右開口部
100 人体
110 頭部
120 頚椎
130 肩
140 足
210 実施例2の健康枕
310 左肩甲骨支持体
320 右肩甲骨支持体
410 実施例3の健康枕
510 実施例4の健康枕
600 布カバー
610 中素材部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部長辺部の角が丸みを帯びた台座と、
前記台座の上面に使用者の頭部が置かれる窪みと、
前記台座の両端に側壁と、
前記台座の中央に頚椎支持体及び脊髄支持体と、
を備えた健康枕。
【請求項2】
前記台座の側壁は、開口部又は段差が設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の健康枕。
【請求項3】
前記台座の側壁の開口部又は段差には、芳香剤が置かれていること、
を特徴とする請求項2に記載の健康枕。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の健康枕において、
前記台座に、肩を載せる肩甲骨支持体をさらに備えたこと、
を特徴とする健康枕。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の健康枕において、
さらに前記台座を覆う布カバーを備え、
前記布カバーの内部に使用者の頭部及び左右の肩甲骨の位置に中素材を有する健康枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−63674(P2010−63674A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233414(P2008−233414)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(500280113)
【Fターム(参考)】