健康状態判定装置および健康状態判定用プログラム
【課題】 従来の健康状態判定装置には、過去の生体インピーダンス測定値等を有効な形態で基準として用いるものがなく、また、生体インピーダンス値等の日内変動を考慮したものもなかった。よって、より適正な健康状態の判定を期待できなかった。
【解決手段】 健康状態判定装置1は、被検者の身体のインピ−ダンス値等を測定する測定手段と、記憶手段と、基準値設定手段と、判定手段と、表示手段とを備える。記憶手段は、測定手段により測定された測定値を測定日時と共に記憶する。基準値設定手段は、過去に測定手段により測定されて記憶手段に記憶された過去の複数の測定値に基づいて基準値を設定する。判定手段は、基準値と、測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値等に基づいて設定される現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定する。表示手段は、判定手段による判定の結果を表示する。
【解決手段】 健康状態判定装置1は、被検者の身体のインピ−ダンス値等を測定する測定手段と、記憶手段と、基準値設定手段と、判定手段と、表示手段とを備える。記憶手段は、測定手段により測定された測定値を測定日時と共に記憶する。基準値設定手段は、過去に測定手段により測定されて記憶手段に記憶された過去の複数の測定値に基づいて基準値を設定する。判定手段は、基準値と、測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値等に基づいて設定される現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定する。表示手段は、判定手段による判定の結果を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定し、この測定されたインピーダンス値から被検者の現在の健康状態を判定する健康状態判定装置および健康状態判定用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる生体電気インピーダンス法を用いた体脂肪計が一般家庭に普及している。この体脂肪計を使えば、健康に関する指標等を簡易に知ることができるので、被検者が自分自身で健康管理を日常的に行うことができる。
【0003】
このような体脂肪計のなかには、被検者の身体特定情報(デ−タ)と、測定されたインピ−ダンス値(被検者の生体インピーダンス値)とに基づいて、体脂肪率や内臓脂肪面積指数等の脂肪分布に関する種健康指標や、水分量に関する健康指標を算出し、この算出結果を表示することができるものもある。
【0004】
生体の電気的特徴は次のようなものである。すなわち、生体における、血液、脳脊髄液
及び 筋肉のように多量の水分を含む組織は、高い導電性を示す導電性組織である。これに対し、脂肪、骨 及び 肺のように、空気で満たされた部位は、電気的に高い抵抗性を示す絶縁性組織である。
【0005】
生体電気インピーダンス法は、このような生体の電気的特徴を利用している。生体電気インピーダンス法は、体内に微弱な交流電流を流して生体インピーダンス値(抵抗値)を測定し、この測定値から身体組成を分析する方法である。なお、生体における電流経路は、主に生体中の最小のレジスタンス経路によって構成される。つまり、電流は主に、生体中の最小のレジスタンス経路を通る。よって、除脂肪組織のうちの大部分を占める筋肉や、細胞外液(例えば、間質液、血漿、脳脊髄液、リンパ液)などが主な電流経路となる。
【0006】
生体電気インピーダンス法は、元々は、1959年にNyboer.J(ニベア・ジェイ)が、ヒトの生理機能に関する様々な局面(例えば血流に関する機能)を研究するために使用し始めたものである。その当時は、主に、体内水分量の測定に利用されていた。
【0007】
生体電気インピーダンス法において、低周波数の交流電流を用いると、細胞外液に関する測定を有効に行うことができる。また、高周波数の交流電流を用いると、細胞内液に関する測定を有効に行うことができる。生体電気インピーダンス法は、体内水分量の詳細な研究には欠かせない手法となっている。
【0008】
近年では、体脂肪計の普及により、生体電気インピーダンス法が脂肪測定に利用されることが多くなっている。しかし、従来の体脂肪計では、現在の健康状態(水分や食事の摂取量やその影響度)を適格且つ簡単に知ることはでない。
【0009】
なぜなら、被検者の生体インピーダンス値や体重値は、日によって変動するし、さらに、同一日内の時刻によっても変動するものであるのに、従来の体脂肪計で、これらの変動が考慮されていないからである。
【0010】
人の生体内の水分量は、50〜60%(重量%)程度であり、時間的にほぼ一定しているが、わずかには変動する。その変動の大きさは、一般的には、約2%であると言われている。このわずかな変動は、腎機能障害等の重病患者の生体ではない限りは、最終的には
元どおりに回復する。
【0011】
しかし、このわずかな変動が、脱水やむくみ(水分過多)の原因となっているのである。
【0012】
脱水とは、細胞内外の水分に関して起こる疾患である。脱水による水分喪失の割合に応じて、疾患は、等張性脱水症(コレラ,熱傷等),水分欠乏型高張性脱水症(嘔吐,下痢等),ナトリウム欠乏型低張性脱水症(副腎皮質不全等)に分類される。
【0013】
むくみとは、体内に余分な水分が溜まっている状態の疾患である。むくみは、血管壁から細胞内外(皮下)に水分が漏れたときに生ずる。
【0014】
むくみも多種に分類されるが、全身性浮腫と呼ばれる心臓性,腎性,肝臓性のむくみは、ときとして重大疾患へと繋がる。
【0015】
以上の説明から理解されるように、体内水分量の変動を把握することは、重大な疾患を予防する上で、非常に重要である。
【0016】
図21は、生体電気インピーダンス法を使って、4名の被検者の右腕、左腕、体幹部、右脚、左脚のそれぞれの生体インピーダンス値を、連続して10日間に渡って1日に4回測定し、その4名の測定結果を平均化して示した図である。測定時刻は、8時30分、11時0分、13時30分および16時0分である。図では、朝(8時30分)のインピーダンス値を基準値(100%)として、その後のインピーダンス値を基準値(朝のインピーダンス値)に対する割合として表示している。なお、このときの生体電気インピーダンス法に用いた交流電流の周波数は、50kHzである。
【0017】
図21から理解されるように、生体の各部のインピーダンス値は、実際には、1日のうちでもかなり変動している。
【0018】
図21から理解されるように、腕や体幹部のインピーダンス値は、朝、低下している。これは、就寝時の水分バランスの偏りによるものである。脚に関しては、インピーダンス値の朝の低下は見られない。
【0019】
しかし、腕と体幹部は夕方もインピーダンス値が低下している。脚に関しては、夕方のインピーダンス値の低下が顕著である。
【0020】
なお、体幹部のインピーダンス値が11時0分から13時30分までの間に大きく変動しているのは、昼食を摂取した影響であると考えられる。
【0021】
下表(表1)は、被検者の右脚のインピーダンス値を連続して10日間に渡って朝の時間帯のうちの所定時刻と夕方の時間帯の所定時刻とに測定し、朝から夕方にかけてインピーダンス値がどのように変化するかを示すものである。この表では朝のインピーダンス値を基準値(100%)とし、夕方のインピーダンス値の基準値(朝のインピーダンス値)に対する割合を示している。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から理解されるように、右脚のインピーダンス値は日によってかなり変動している。大きな変化を示す日、すなわち表中で小さな数値が示されている日は、右脚に水分が多く溜まって、むくみが生じていると考えられる。
【0024】
なお、さらに右腕以外の部位の測定結果を含めて、さらに詳細にこれら測定結果を分析すると、朝から夕方にかけての右脚のインピーダンス値の変化率は、右脚のインピーダンス値の夕方における測定値とは相関が高く、右脚のインピーダンス値の朝における測定値とは相関が低いことが判明した。このことから、朝から夕方にかけての右脚のインピーダンス値の変化率は、夕方における右脚のインピーダンス値に大きく依存すると考えられる。
【0025】
下表(表2)は、被検者の両腕のインピーダンス値を連続して10日間に渡って、朝の時間帯のうちの所定時刻に測定し、その測定結果を表したものである。単位はオームである。
【0026】
【表2】
【0027】
表2から、被検者の両腕のインピーダンス値が日によってかなり大きく変動していることが理解される。
【0028】
表2において、4日目のインピーダンス値が比較的大きくなっているのは、前日の夜の多量の飲酒によるものと考えられる。9日目のインピーダンス値が比較的大きくなっているのは、体調不良によるものと考えられる。また、7日目のインピーダンス値が特に大きくなっているのは、前日の夜の多量の飲酒と体調不良とによるものと考えられる。
【0029】
なお、さらに朝以外の時間帯に測定した両腕のインピーダンス値も分析した。その結果、表2に表れている結果と同様に、朝以外の時間帯でも日によってかなり大きく両腕のインピーダンス値が変動していることが判明した。
【0030】
一方、体重値の管理も健康維持に有効である。体重値の日内変動(一日のうちの変動)
は、1日の食事量や運動量の管理することによる療法(食事運動療法)の効果を確認するための指標になる。起床時と就寝前に体重値の測定を行った場合、起床時の体重値に対する就寝前の体重値が100.7%以下であることは、体重が減少傾向にあることを示唆する。
【0031】
また、ある日の起床時の体重値を、過去の日の起床時の体重値と比較するだけでも、暴飲暴食や運動不足を防ぐための指標を得ることができる。
【0032】
このように、体重値の変化を把握することも、体調を良好に維持する上で有効であると考えられる。
【0033】
なお、過去の生体インピーダンス値の平均値を現在の生体インピーダンス値と比較することによりむくみの判定をする技術(例えば、特許文献1参照)や、過去に測定した生体インピーダンス値からむくみ指標値を算出し、過去のむくみ指標値の平均値を算出し、この平均値を現在のむくみ指標値と比較することによりむくみの度合いの判定をする技術(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0034】
しかし、これらの技術では、現在のインピーダンス値やむくみ指標値の比較対象となる基準値(平均インピーダンス値や平均むくみ指標値)を、生体インピーダンス値やむくみ指標値の日内変動を考慮せずに設定しているため、正確な判定は期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2001−187036号公報(5頁、図10)
【特許文献2】特開2001−198098号公報(6頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
本願発明が解決しようとする課題は、生体インピーダンスや体重値の過去の測定値をより有効に利用することにより、現在の被検者の健康状態をより適正に判定することができるような、健康状態判定装置および健康状態判定用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0037】
上記課題を解決するために、この出願に係る健康状態判定装置は、被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段と、記憶手段と、基準値設定手段と、判定手段と、表示手段とを備え、該記憶手段は、該測定手段により測定された測定値を測定日時と共に記憶し、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該表示手段は、該判定手段による該判定の結果を表示する。
【0038】
また、上記課題を解決するために、この出願に係る健康状態判定用プログラムは、被検者の現在の健康状態の判定演算を、演算手段としてのコンピュータに実行させるための健康状態判定用プログラムであって、記憶手段に記憶された過去の複数の測定値を読み込む読込工程と、読み込んだ該複数の測定値に基づいて基準値を設定する基準値設定工程と、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定する判定工程とを備え、該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段によって過去に測定された測定値であり、かつ、該測定手段による測定の日時と共に記憶されており、該現在値は、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される値である。
【発明の効果】
【0039】
本願発明は、上記のような構成であるため、被検者の生活習慣等が考慮された、より的確な健康状態の判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】健康状態判定装置の未使用時の外観図である。
【図2】体重測定部から本体部を離脱させたときの状態を示す、健康状態判定装置の外観図である。
【図3】本体部の正面図である。
【図4】健康状態判定装置1の電気的信号処理に関するブロック図である。
【図5】人体におけるインピーダンス構成を模式的に示す図である。
【図6】生体インピーダンス値の基準値を求めるためのフローチャートである。
【図7】生体インピーダンス値の基準値を求めるためのフローチャートである。
【図8】脱水状態判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示部の表示状態を示す図である。
【図10】表示器の表示状態を示す図である。
【図11】肥満傾向判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図12】表示部の表示状態を示す図である。
【図13】表示器の表示状態を示す図である。
【図14】生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を求めるためのフローチャートである。
【図15】むくみ判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図16】表示部の表示状態を示す図である。
【図17】表示器の表示状態を示す図である。
【図18】減量傾向判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図19】表示部の表示状態を示す図である。
【図20】表示器の表示状態を示す図である。
【図21】被検者の生体インピーダンス値を1日に4回測定したときの測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であってもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による生体インピーダンス値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、脱水度または飲み過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0042】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができ、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であってもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該表示手段は、脱水度または飲み過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0043】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値であってもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、肥満傾向度または食べ過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0044】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づ
いて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定されるようにしてもよい。このように、現在日におけるインピーダンス値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段により求められる、インピーダンス値の日内の変化指標値が、インピーダンス値の日内の変化率であり、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、むくみ度または疲労度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0045】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値の日内の変化指標値に基づいて設定されるようにしてもよい。このように、現在日における体重値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段により求められる、体重値の日内の変化指標値が、体重値の日内の変化率であり、現在日の体重値の日内の変化指標値が、現在日の体重値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、減量傾向度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0046】
また、以上に記載した全ての健康状態判定装置において、さらに、被検者の身体特定情報を入力するための入力手段をさらに備え、該判定手段は、該入力手段により入力された前記身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定するようにしてもよい。このように構成すると、被検者の個人的な身体特定情報が考慮されて、より的確に健康状態を判定することができる。ここに言う「身体特定情報」とは、被検者の身体の特徴を特定するための個人的な情報のことであり、例えば「性別」「年令」「身長」「体重」などのことである。
【0047】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であるようにしてもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による生体インピーダンス値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平
均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0048】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値 及び 体重値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であるようにしてもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。
【0049】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値であるようにしてもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0050】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定される値であるようにしてもよい。このように、現在日におけるインピーダンス値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、インピーダンス値の日内の変化率を、インピーダンス値の日内の変化指標値として求め、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0051】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値
の日内の変化指標値に基づいて設定される値であるようにしてもよい。このように、現在日における体重値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、体重値の日内の変化率を、体重値の日内の変化指標値として求め、現在日の体重値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日の体重値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0052】
また、以上に記載した全ての健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、被検者の身体特定情報を入力するための入力手段に入力された前記身体特定情報を読み込む身体特定情報読込工程をさらに備え、該判定工程では、該身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定するようにしてもよい。このようにすると、被検者の個人的な身体特定情報が考慮されて、より的確に健康状態を判定することができる。ここに言う「身体特定情報」とは、被検者の身体の特徴を特定するための個人的な情報のことであり、例えば「性別」「年令」「身長」「体重」などのことである。
【実施例1】
【0053】
以下、本願発明の一実施形態たる健康状態判定装置を図面を参照しつつ説明する。
【0054】
図1は、健康状態判定装置1の未使用時の外観図である。健康状態判定装置は、主に、本体部2と体重測定部4とにより構成されている。体重測定部4には本体部2を収納するための本体収納部が形成されており、ここに本体部2の脱着部2aを嵌め込むことができるようになっている。体重測定部4の本体収納部に、本体部2の脱着部2aを嵌め込むと、健康状態判定装置1は図1に示すような状態となる。本体部2は、体重測定部4から自在に脱着できる。
【0055】
図2は、体重測定部4から本体部2を離脱させたときの状態を示す、健康状態判定装置1の外観図である。健康状態判定装置1を使用するときは、このように体重測定部4から本体部2を離脱させ、本体部2を両手で保持する。
【0056】
図3は本体部2の正面図である。
【0057】
図4は、健康状態判定装置1の電気的信号処理に関するブロック図である。
【0058】
図1、図2、図3、図4を参照しつつ、健康状態判定装置1の概略構成を説明する。
【0059】
前述したように、健康状態判定装置1は、主に、本体部2と体重測定部4とにより構成されている。本体部2と体重測定部4とは信号ケ−ブル3によって接続されている。信号ケーブル3は多芯のケーブルである。本体部2が有する部材と体重測定部4が有する部材との間で必要となる電気信号の送受信や電流の送受は、すべて信号ケーブル3を介してなされる。
【0060】
図4に示されるように、健康状態判定装置1は、電気的には、主に、電極E1〜E8、インピーダンス測定回路8、操作部6、表示部5、ロードセル10、計時手段14、I/Oポート12、演算処理部13により構成されている。演算処理部13は、主に、CPUによって構成される中央処理部15と、半導体メモリによって構成される記憶部16とを有している。
【0061】
電極E5、E6、E7、E8 及び ロードセル10は、体重測定部4に設けられた部材である。電極E1、E2、E3、E4、インピーダンス測定回路8、操作部6、表示部5、計時手段14、I/Oポート12、演算処理部13は、本体部2に設けられた部材である。電極E5、E6、E7、E8とインピーダンス測定回路8との間、および、ロードセル10とI/Oポート12との間は、信号ケーブル3によって接続されている。また、インピーダンス測定回路8、操作部6、表示部5、ロードセル10 及び 計時手段14と、演算処理部13との間の電気信号やデータの伝送は、すべてI/Oポート12を介して行われる。また、図示してはいないが、各種信号やデ−タは、必要に応じてA/D変換器(図示せず)でディジタル化されて伝送される。演算処理部13での演算処理が、ディジタル処理だからである。
【0062】
インピ−ダンス測定回路8は、電極切換スイッチ部、電流源、電圧測定部等を備えている。インピ−ダンス測定回路8の電流源は、電極切換スイッチ部を介して電極E1、E4、E5、E8のうちの任意の二の電極に接続される。
【0063】
例えば、電極E1及びE5または電極E4及びE8を介して各々、人体の左手と左足または右手と右足を末端とする電流路を形成することができる。
【0064】
この電流源は交流周波数の電流を発生させるものである。電流源は、複数の所定の周波数のうちの選択された一の周波数の交流電流を発生させることができる。
【0065】
また、インピ−ダンス測定回路8の電圧測定部は、電極切換スイッチ部を介して四つの電極E2,E3,E6,E7のうちの任意の二の電極に接続される。電流源が接続される電極 及び 電圧測定部が接続される電極を、電極切換スイッチ部によって順次切替えてゆくことにより、身体の種々の部位の間の電位差(電圧)を検出することができる。電圧測定部が検出した電圧のデータは、I/Oポートを介して演算処理部13に伝送される。
【0066】
演算処理部13は電流源によって発生させる電流値を予め知っているので、電圧測定部からの電圧データを得ることによりインピーダンスを算出することができる。なお、インピーダンス算出のための演算は、演算処理部13の中央処理部15によってなされる。
【0067】
再度、図2、図3を参照すると理解されるように、本体部2は、比較的薄型の形状をなす。
【0068】
本体部2は携帯可能である。つまり、被検者(使用者)は本体部2を手で持つことができる。より詳細に説明すると、本体部2には、その左右端に左突出部7aと右突出部7bとが形成されている。両突出部7a,7bは、左右方向に突出した板状の部分である。比
被検者は左手で左突出部7aを、右手で右突出部7bを把持することによって、本体部2を保持することができる。左突出部7aの上端面には第一の電極E1が配設されている。左突出部7aの下端面には第二の電極E2が配設されている。右突出部7bの上端面には第四の電極E4が配設されている。右突出部7bの下端面には第三の電極E3が配設されている。
【0069】
被検者は本体部2の両突出部7a、7bを次のように把持する。つまり、被検者は、左手の人指し指が電極E1に接触するように、かつ、左手の親指が電極E2に接触するようにして、左手で左突出部7aを把持する。また、右手の人指し指が電極E4に接触するように、かつ、右手の親指が電極E3に接触するようにして、右手で右突出部7bを把持する。
【0070】
図2を参照すると、体重測定部4の上面は測定面9として構成されており、そこ(測定
面9)には電極E5、E6、E7、E8が配設されている。
【0071】
体重測定部4にはロードセル10が内蔵されていることを上述した。ロ−ドセル10は被検者の体重を測定するための体重値測定手段を構成する。よって被検者は自らの体重を測定するために、体重測定部4の測定面9上に乗る。被検者が測定面9上に乗ると、被検者の体重値がロ−ドセル10によって検出される。ロ−ドセル10によって検出された被検者の体重デ−タは、検出精度を保持するべく特に図示されないアンプによって増幅された後にA/D変換され、ディジタル信号としてI/Oポート12を介して演算処理部13に入力され、記憶部16に記憶される。
【0072】
また測定面9上に被検者が乗ると、被検者の足の裏が各電極E5、E6、E7、E8に接触する。より詳細に説明すると、体重測定部4に被検者が乗ると、被検者の左足の裏の土踏まずより前方部分(この部分を以下、「左足母指丘部分」とも呼ぶ)が電極E5に接触する。また、左足の裏の踵部分が電極E6に接触する。また、右足の裏の土踏まずより前方部分(この部分を以下、「右足母指丘部分」とも呼ぶ)が電極E8に接触する。また、右足の裏の踵部分が電極E7に接触する。
【0073】
本体部2や体重測定部4に配設された電極E1〜E8は後述するインピ−ダンス測定回路8とともに、被検者の身体の各部の生体インピ−ダンス値を測定するための、インピ−ダンス測定手段を構成する。
【0074】
これら電極E1〜E8のうちの、電極E1、E4、E5、E8は、被検者の身体に電流路を形成するための電流路形成用電極である。
【0075】
一方、電極E2、E3、E6、E7は、被検者の身体に生ずる電圧分布に応じて2極間の電圧を測定するための電圧測定用電極である。
【0076】
四の電流路形成用電極E1、E4、E5、E8の内の二の電極間で所定周波数の微弱な交流電流を流すと、この電流によって被検者の身体に電圧分布が生ずる。このような状態において、四の電圧測定用電極E2、E3、E6、E7の内の二の電極間の電圧を測定する。そして、被検者の身体を流れる電流の電流値と、測定された電圧値とから、生体インピーダンス値を算出することができる。この生体インピーダンス値の算出は、演算処理部13においてなされる。なお当然ながら、電極E1,E2,E3,E4、E5、E6、E7、E8は、インピ−ダンス測定回路8に電気的に接続されている。
【0077】
図5は、人体におけるインピーダンス構成を模式的に示す図である。この図を参照しつつ、電極E1〜E8にる被検者の身体各部の生体インピーダンス値の測定例を、以下に簡単に説明する。
図中のインピーダンスZ1は左腕の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ2は右腕の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ3は体幹部の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ4は左脚の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ5は右脚の生体インピーダンスに相当する。
【0078】
この図を参酌しつつ、被検者のある部位の生体インピーダンス値がどのようにして測定されるかを例示する。例えば、電極E1と電極E5との間に電流が流されると、左手の指と左足の裏を末端とした電流路が人体に形成される。このときの電流路は、図中のインピーダンスZ1、Z3およびZ4によって形成される。このような電流路が形成されているときに、電極E3と電極E7との間の電圧を測定すると、インピーダンスZ3、すなわち体幹部の生体インピーダンス値を求めることができる。
【0079】
また例えば、電極E1と電極E5との間に電流を流し、電極E2と電極E3との間の電圧を測定すると、インピーダンスZ1、すなわち左腕の生体インピーダンス値を求めることができる。
【0080】
これらの例から理解されるように、電流路形成用電極と、電圧測定用電極とを選択することにより、左腕の生体インピーダンス値、右腕の生体インピーダンス値、体幹部の生体インピーダンス値、左脚の生体インピーダンス値、右脚の生体インピーダンス値を各々測定することができる。
【0081】
このようにして、左腕、右腕、体幹部、左脚 及び 右脚の各部位毎の生体インピ−ダンス値を測定することができる。
【0082】
また、種々の周波数の交流電流による生体インピーダンス値の測定により、被検者の身体の細胞外液及び細胞内液の比率を求めることもできる。
【0083】
以上、電極E1〜E8にる被検者の身体各部の生体インピーダンス値の測定例を説明した。
【0084】
図3を参照すると、本体部2の外表面には、表示部5や操作部6が表れている。表示部5は、本体部2の正面の左側に配設されており、操作部6は、本体部2の正面の右側に配設されている。
【0085】
図3を参照しつつ、まず、操作部6について説明する。
【0086】
操作部6には、電源ON/OFFキ−6a、各種モード切替キー6b、各種個人デ−タの設定画面切り替えキー6c、前記個人デ−タ等及び測定データの登録キー6d、被検者の健康状態の判定を行う判定キー6e、前記個人デ−タの入力のためのテンキ−6f、被検者の体重や被検者の各部の生体インピーダンス値の測定を開始するための測定キー6gなどが含まれている。
【0087】
上記各種個人データとは、被検者の性別、年令、身長、体重別等に関するデータのことであり、「身体特定情報」に相当する。
【0088】
被検者は、操作部6を使って、自らの性別、年令、身長 及び 体重等の各種デ−タを健康状態判定装置1に入力することができる。
【0089】
健康状態判定装置1の操作はすべて操作部6を介して行われる。例えば、電源キ−6aを操作にすることで、健康状態判定装置1が待機状態になり、続いてモード切替キー6bにより複数の測定モ−ドから一の測定モードを選択できる。また、被検者が体重測定部4に載った状態で測定キ−6gを操作すると、被検者の体重値が測定され、その測定値が安定したか否かの判定が行われ、測定が安定したと判定されるとそのときの測定値が被検者の体重値として、記憶部16に記憶される。
【0090】
なお被検者の体重値は、体重測定部4の体重値測定手段(ロードセル10)により測定することもできるので、あえて登録キー6dやテンキー6fを使って体重データを入力する必要はない。しかし、被検者の体重が既知である場合に、登録キー6dやテンキー6fを使って体重データを入力することができるように、健康状態判定装置1は構成されている。
【0091】
以上、操作部6について簡単に説明した。
【0092】
次に表示部5について説明する。
【0093】
表示部5には、操作部6から入力された被検者の身体特定情報、つまり、被検者の身長、体重、年令、性別等が表示される。
【0094】
また表示部5には、体重測定部4のロ−ドセル10により検出された被検者の体重値も表示される。
【0095】
また表示部5には、演算処理部13による演算結果、判定結果等も表示される。具体的には、演算処理部13により演算された被検者の身体の各部の生体インピーダンス値、生体インピーダンス値の日内変化率、体重値の日内変化率、健康状態指数(健康状態判定結果)などが表示される。
【0096】
また表示部5には、過去の体重測定値や過去の生体インピーダンス測定値を表示することもできる。これらの過去の測定値は、演算処理部13の記憶部16に記憶されている。よって、演算処理部13が記憶部16からこれらのデータを読み出して表示部5に表示することができるのである。
【0097】
また、表示部5には、健康状態指数を表示することができる。健康状態指数とは、演算処理部13が、現在の体重値や現在の生体インピーダンス値を基準値と比較することにより算出する健康状態の判定結果である。例えば、食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等が健康状態指数として表示部5に表示される。なお基準値は、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づき演算処理部13によって算出され、記憶部16に記憶されている。基準値の詳細については、後述する。
【0098】
次に演算処理部13(図4参照)について説明する。
【0099】
健康状態判定装置1における各種デ−タの演算処理は、演算処理部13によって行われる。演算処理部13は、中央処理部15と記憶部16とを備えている。
【0100】
中央処理部15は、記憶部16に記憶されているデ−タや各種のプログラムル−チンに基づいて、演算及び判定処理等を行う。例えば、中央処理部15では、測定された現在の体重値や生体インピーダンス値を、基準値と比較することにより、各種健康状態指数(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)を求める。
【0101】
また中央処理部15は基準値の算出も行う。基準値は、過去に測定された体重値 及び/又は 過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて算出される。
【0102】
記憶部16には、操作部6の入力キ−6a〜6gの操作を介して入力された、身体特定情報の各々や、電極E1〜E8を介して測定された被検者の身体各部位の生体インピーダンス値、即ち左腕の生体インピーダンス値Z1、右腕の生体インピーダンス値Z2、体幹部の生体インピーダンス値Z3、左脚の生体インピーダンス値Z4、右脚の生体インピーダンス値Z5等を記憶することができる。
【0103】
さらに、測定された体重値や及び生体インピーダンス値を計時手段14から得られる時間情報(測定の日時に関する情報)と共に記憶することができる。また、前記各種健康状態(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)
の判定のために必要となる基準値をそれぞれ記憶することができる。
【0104】
さらに記憶部16には、生体インピーダンス値を算出するための計算式や、各種の基準値を演算するための演算式や、健康状態判定装置1の各動作モードに対応した動作ルーチンプログラム、各種判定のための動作ルーチンプログラムなどが記憶されている。
【0105】
健康状態判定装置1の有する主な動作モ−ドは、初期設定モ−ド、測定モ−ド、登録モ−ド、判定モード等である。これらの動作モードのうちのいずれの動作モードで健康状態判定装置1を動作させるかは、各種モード切替キー6bを操作することによって決定することができる。
【0106】
初期設定モ−ドは、現在時刻の設定及び変更を行うモ−ドである。
【0107】
測定モ−ドは、被検者の体重値及び身体各部位の生体インピーダンス値の測定を行うための動作モ−ドである。
【0108】
登録モ−ドは、身体特定情報(身長、体重、年齢、性別等)及び各種測定データの記憶部16への登録を行うためのモ−ドである。
【0109】
判定モードは、被検者の生体インピーダンス値や体重値に関する現在値を、過去の測定値から求めた基準値と比較することにより、被検者の健康状態を判定する動作モードである。
【0110】
健康状態判定装置1においては、電源キ−6aを操作すると電源OFFの状態から電源ONの状態になる。すると、健康状態判定装置1は、待機状態になる。健康状態判定装置1が待機状態にあるときに、モード切替キー6bを操作することによって、動作モ−ドを選択することができる。
【0111】
健康状態判定装置1は、新品の状態では、初期設定は全くなされていない。よって新品の健康状態判定装置1を購入した場合は、まず、初期設定を行う必要がある。初期設定は初期設定モードにおいて行うことができる。
【0112】
健康状態判定装置1を初期設定モードに設定すると、操作部6のテンキ−6fや設定画面切り替えキ−6cなどを使って、その時の年、月、日、時刻のデ−タを、順次、入力することができる。これら入力されたデータは計時手段が出力する日時情報の基礎になる。
【0113】
健康状態判定装置1が初期設定されている場合は、健康状態判定装置1を測定モ−ドに設定することによって、被検者の体重値及び身体の部位別の生体インピ−ダンス値を測定することができる。また、これらの測定値を、計時手段14から得た日時情報と共に記憶部16に記憶することができる。
【0114】
なお、前述したように、被検者の体重値を測定するには、被検者が体重測定部4に乗る必要がある。
【0115】
また、被検者の生体インピーダンス値を測定するには、被検者が体重測定部4に乗り、かつ、本体部2を両手で把持する必要がある。正確な生体インピーダンス値の測定のためには、体重測定部4の測定面9上に載せた足の状態がつぎのような状態でなければならない。つまり、左足母子丘部分が電極E5(図2参照)に接触しており、左足の裏の踵部分が電極E6に接触しており、右足母子丘部分が電極E8に接触しており、右足の裏の踵部分が電極E7に接触しており、左手の人指し指が電極E1に接触しており、左手の親指が
電極E2に接触しており、右手の人指し指が電極E4に接触しており、右手の親指が電極E3に接触していなければならない。
【0116】
各電極への接触が上記のように適正になされている状態で、測定キ−6g(図3参照)をON状態に操作すると、身体各部位の生体インピ−ダンス値の測定が開始される。
【0117】
この測定中に、電圧用電極から検出される電圧がまだ安定していないと判断されると、表示部に「測定中」と表示される。電圧用電極から検出される電圧が安定したと判断されると、このときの測定電圧に基づき、身体各部位の生体インピーダンス値が算出される。この算出は、演算処理部13が行う。
【0118】
次に、登録モ−ドについて説明する。
【0119】
健康状態判定装置1を登録モードに設定すると、身体特定情報を記憶部16に登録することができる。より具体的に説明すると、健康状態判定装置1が登録モードに設定されている状態において、設定画面切り替えキー6cを操作すると、健常状態判定装置1は、身長入力モード、年齢入力モード、性別選択モード等に順次切り換えられる。これら各入力モード(選択モード)において、テンキー6fからデータを入力するとこのデータが記憶部16に登録(記憶)される。
【0120】
健康状態判定装置1は、過去に測定した体重値や過去に測定した生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定し、この基準値と現在の測定値とを比較することによって、被検者の前記各種健康状態(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)を判定する。
【0121】
健康状態判定装置1が新品の状態では、体重値や生体インピーダンス値の過去の測定値が記憶部16に記憶されていない。しかし、健康状態判定装置1によって被検者の体重値測定や生体インピーダンス値測定が複数回行われると、これらの測定によって得られた測定値が測定日時データとともに、過去の測定値として記憶部16に蓄積されてゆく。そうすると、基準値の設定が可能となり、被検者の前記各種健康状態(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)を判定することができるようになる。
【0122】
次に、健康状態判定装置1によって、過去に複数回の体重値や生体インピーダンス値が測定されており、これら測定値が測定日時データと共に記憶部に記憶されていることを前提として、被検者の各種健康状態が具体的にどのように判定されるのかを説明する。これら判定は、健康状態判定装置1を判定モードにすることにより行なわれる。
【0123】
なお、被検者の各種健康状態判定項目のうちのいずれを判定するかは、操作部6を操作することにより選択することができる。
【0124】
まず一例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、脱水状態の有無がどのように判定されるのかを、図6、7、8、9、10を参照しつつ説明する。
【0125】
前述したとおり、現時点における被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。
【0126】
図6は、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の基準値を求めるためのフローチャートである。図6のフローチャートは、過去の測定値の中から、現時点の測定の測定時刻と同時刻に測定されたものを抽出し、これら抽出された
測定値から基準値を設定する工程を示している。過去の複数の日において測定がされていたとしても、毎回、同時刻に測定がされていることはまれである。通常は、測定時刻は測定日によってまちまちである。一日の内でも時刻によって生体インピーダンス値が変化することは前述したとおりである。よって、測定時刻を考慮することなく、単純に過去の測定値を平均化して基準値を設定するよりも、現時点の測定時刻と同時刻での測定による測定値のみを用いて基準値を設定した方が、より適正な判定ができるのである。例えば、現時点の時刻(現時点における測定の測定時刻)が午後3時であるとすれば、過去の複数日における測定から得られた複数の測定値の中から、午後3時又はそれに近い時刻での測定によって得られた測定値のみを用いて、基準値を設定するのである。基準値の設定の方法は、特に限定する必要はないが、例えば最頻値を基準値としてもよいし、中央値を基準値として設定してもよいし、平均値を基準値としてもよい。
【0127】
このフローチャートに示される工程を実行するためのフログラムは記憶部16に格納されており、このプログラムを中央処理部15が実行する。
【0128】
図6のフローチャートに従って説明すると、まず、脱水異常を判定しようとする現時点における時刻を計時手段14から読み込む(ステップ1)。
【0129】
次に、記憶部16に記憶されている、過去の測定による生体インピーダンス値の測定値のなかから、現在の測定の測定時刻と略同時刻の測定によって得られた測定値のみを抽出する(ステップ2)。
【0130】
次に、これらの抽出された測定値の最頻値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ3)。被検者は操作部6を操作することにより、最頻値を基準値とするか否かを決定する。
【0131】
被検者が最頻値を基準値とすることを決定すると、ステップ2で抽出された過去の測定値の最頻値が基準値として演算される(ステップ4)。
【0132】
ステップ3において、被検者が最頻値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ2で抽出された測定値の中央値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ5)。被検者は操作部6を操作することにより、中央値を基準値とするか否かを決定する。
【0133】
被検者が中央値を基準値とすることを決定すると、抽出された過去の測定値の中央値が基準値として演算される(ステップ6)。
【0134】
ステップ5において、被検者が中央値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ2で抽出された測定値の平均値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ7)。被検者は操作部を操作することにより、平均値を基準値とするか否かを決定する。
【0135】
被検者が平均値を基準値とすることを決定すると、抽出された過去の測定値の平均値が基準値として演算される(ステップ8)。
【0136】
そしてステップ4、ステップ6 又は ステップ8によって演算された基準値(生体インピーダンス値の基準値)が、記憶部16に記憶される(ステップ9)。
【0137】
ステップ7において、被検者が平均値を基準値とはしないと決定すると、再度、現時点の時刻の読み込みからやり直す(ステップ1)。
【0138】
なお、基準値算出のためには、過去の測定値を用いるのであるが、どの程度の長さの期
間から、基準値の基礎となる過去の測定値を抽出するのかを選択できるようにすることが望ましい。例えば、週単位で過去1〜12週間のうちから任意の期間(つまり、1週間、
2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間 および 12週間のうちからの任意の一の期間)を選ぶことができるようにしてもよいし、月単位で過去4ヶ月〜6ヶ月のうちから任意の期間(つまり、4ヶ月、5ヶ月 および 6ヶ月のうちからの任意の一の期間)を選ぶことができるようにしてもよいし、3ヶ月を単位として、過去6ケ月〜24ケ月月のうちから任意の期間(つまり、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、21ヶ月 および 24ヶ月のうちからの任意の一の期間)を選ぶことができるようにしてもよい。
【0139】
以上、図6により、生体インピーダンス値の基準値を設定する工程を示したが、生体インピーダンス値の基準値は、図7のフローチャートに示される工程によって設定してもよい。
【0140】
図7のフローチャートで示す工程では、過去に測定された体重値と生体インピーダンス値とに基づいて、生体インピーダンス値の基準値が設定される。より具体的に説明すると、まず、過去に測定された体重値の最頻値を求める。次に、該最頻値が測定されたときの、生体インピーダンス値の測定値から生体インピーダンス値の基準値を設定するのである。
【0141】
これにより仮想的に体重変化のないときの生体インピーダンス値を基準値とすることができる。つまり、体重変化の影響を除去して、適正な健康状態判定を行うことができる。
【0142】
例えば、健康状態判定装置1により、過去の連続した9日間に渡って体重値と生体インピーダンス値とを測定したとする。下表(表3)は、その測定結果を示す表である。
【0143】
【表3】
【0144】
表3中の「IMP」とは、測定された生体インピーダンス値のことである。表3に示す生体インピーダンス値(単位はオーム)と体重値のデータは、測定日時とともに、全て記憶部16に記憶されている。なお、測定された生体インピーダンス値や体重値は、後に最頻値を選びやすくするように、四捨五入などによる丸め処理をしてから記憶部16に記憶させるようにしてもよい。
【0145】
表3からも理解されるように、9回の体重測定によって得られた体重値の測定値の最頻値は70kgである。体重値の測定値が70kgとなった日は、1日目と3日目と5日目と6日目と8日目である。1日目における生体インピーダンス値の測定値は675オームであり、3日目における生体インピーダンス値の測定値は685オームであり、5日目における生体インピーダンス値の測定値は660オームであり、6日目における生体インピ
ーダンス値の測定値は680オームであり、8日目における生体インピーダンス値の測定値は685オームである。
【0146】
このような場合、図7のフローチャートに示す工程によれば、1日目の675オームと、3日目の685オームと、5日目の660オームと、6日目の680オームと、8日目の685オームと基づき、生体インピーダンス値の基準値が設定される。
【0147】
図7のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16から過去の測定による体重値の測定値と生体インピーダンス値の測定値とを読み込む(ステップ1)。
【0148】
次に、ステップ1で読み込んだ体重値の測定値から、最頻値を求める(ステップ2)。
【0149】
次に、最頻値の体重値が測定されたときに、同時に測定された生体インピーダンス値のみを抽出する(ステップ3)。
【0150】
次に、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の最頻値を生体インピーダンス値の基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ4)。被検者は操作部6を操作することにより、この最頻値を基準値とするか否かを決定する。
【0151】
被検者が最頻値を基準値とすることを決定すると、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の最頻値が基準値として演算される(ステップ5)。表3に示す測定例において、最頻値は685オームである。
【0152】
ステップ4において、被検者が、抽出された生体インピーダンス値の最頻値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の中央値を生体インピーダンス値の基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ6)。被検者は操作部6を操作することにより、この中央値を基準値とするか否かを決定する。
【0153】
被検者が中央値を基準値とすることを決定すると、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の中央値が基準値として演算される(ステップ7)。表3に示す測定例において、中央値は680オームである。
【0154】
ステップ6において、被検者が、抽出された生体インピーダンス値の中央値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の平均値を生体インピーダンス値の基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ8)。被検者は操作部6を操作することにより、この平均値を基準値とするか否かを決定する。
【0155】
被検者が平均値を基準値とすることを決定すると、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の平均値が基準値として演算される(ステップ9)。表3に示す測定例において、平均値は677オームである。
【0156】
そして、ステップ5、ステップ7 または ステップ9により演算された基準値が、記憶部16に記憶される(ステップ10)。
【0157】
なお、ステップ8において、被検者が平均値を基準値とはしないと決定すると、再度、記憶部から過去の測定による体重値の測定値と生体インピーダンス値の測定値とを読み込むことからやり直す(ステップ1)。
【0158】
以上、図7により、生体インピーダンス値の基準値を設定する工程を示した。
【0159】
図6や図7のフローチャートに示すような工程により、生体インピーダンス値の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、脱水状態にあるか否かを判定する。
【0160】
図8は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0161】
このフローチャートが実行される前提として、現時点での生体インピーダンス値が測定されており、その測定値が記憶部16に記憶されているものとする。
【0162】
図8に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bにより脱水異常判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0163】
図8のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現時点での生体インピーダンス値を、記憶部16から読み込む(ステップ1)。
【0164】
次に、記憶部16に記憶されている、生体インピーダンス値の基準値を記憶部から読み込む(ステップ2)。
【0165】
次に、測定された現在の生体インピーダンス値(Z)と基準値(Zs)とを比較する(ステップ3)。
【0166】
そして、現在の生体インピーダンス値(Z)が基準値(Zs)よりも小さいか、もしくは等しければ、被検者に脱水異常は認められないと判定し、表示部に「正常」との表示がなされる(ステップ4)。
【0167】
一方、現在の生体インピーダンス値(Z)が基準値(Zs)よりも大きければ、被検者は脱水状態にあると判定し、表示部に「体調注意」との表示がなされる(ステップ5)。
【0168】
図9は、図8のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図9における「測定値」とは、測定された現在の生体インピーダンス値(Z)のことである。図9の表示状態をより詳細に説明する。例えば、両腕のインピーダンス測定値によって脱水状態の判断をする場合には、現時点で両腕のインピーダンス値の測定を行う。そしての測定結果が745オームであり、両腕のインピーダンス値の基準値として695オームが得られたとする。すると、現時点の測定値が基準値よりも大きいこととなる。よって、脱水状態と判断され、判定結果として「体調注意」と表示されているのである。特に複数の周波数の交流電流を使用して測定した場合は、細胞内外の水分変動を把握することが容易であるので、より具体的な表示も可能となる。例えば、測定結果によって「二日酔い注意」と表示することもできる。
【0169】
なお、図9のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0170】
図10は、脱水異常をより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図10の表示では、脱水異常の状態を4段階に分類している。そして、図10では、脱水度が「やや多い」との判定結果が示されている。
【0171】
このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0172】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、脱水状態の有無がどのように判定されるのかを、図6、7、8、9、10を参照しつつ説明した。
【0173】
なお、脱水状態と飲み過ぎ状態(飲酒過多状態)とは、密接に関係するので、図8のフローチャートと同様のフローチャート、又は、図8のフローチャートと類似のフローチャートによって、飲み過ぎ度を判定するようにしてもよい。
【0174】
次に他の例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、肥満傾向の有無がどのように判定されるのかを、図11、12、13を参照しつつ説明する。
【0175】
前述したとおり、被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。ここでの肥満傾向の有無の判定においては、過去に測定された体重値に基づいて基準値を設定する。
【0176】
図6のフローチャートを参照しつつ、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の基準値を設定するための工程を説明した。図6のフローチャートに示す工程と同様の工程により、体重値の基準値を設定することができる。体重値の基準値の設定のためには、もちろん、測定対象項目が生体インピ−ダンス値ではなく、体重値でなければならない。
【0177】
より詳細に説明すると、体重値の基準値の設定のためには、まず、計時手段14から時刻を読み込む。次に、記憶部16から過去の測定による体重値の測定値を、その測定がされた測定時刻とともに読み込み、現在の時刻と略同時刻の測定によって得られた測定値を抽出する。次に、この抽出された測定値の最頻値、中央値、平均値のいずれを基準値とするかを被検者に選択させる。そして、被検者が選択した値を基準値として算出し、この算出結果を基準値として記憶部16に記憶させるのである。
【0178】
このように、図6に示すフローチャートと同様の工程によって体重値の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、肥満傾向の状態にあるか否かを判定する。
【0179】
図11は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0180】
このフローチャートが実行される前提として、現時点での体重値が測定されており、その測定値が記憶部16に記憶されているものとする。
【0181】
図11に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bにより肥満傾向判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0182】
図11のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現時点での体重値(W)を、記憶部16から読み込む(ステップ1)。
【0183】
次に、記憶部16に記憶(設定)されている、体重値の基準値を記憶部16から読み込む(ステップ2)。
【0184】
次に、測定された現在の体重値(W)と基準値(Ws)とを比較する(ステップ3)。
【0185】
そして、現在の体重値(W)が基準値(Ws)よりも小さいか、もしくは等しければ、被検者に肥満傾向は認められないと判定し、表示部5に「正常」との表示がなされる(ステップ4)。
【0186】
一方、現在の体重値(W)が基準値(Ws)よりも大きければ、被検者は肥満傾向にあると判定し、表示部5に「食べ過ぎ」との表示がなされる(ステップ5)。
【0187】
図12は、図11のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図12における「測定値」とは、測定された現在の体重値(W)のことである。図12の表示状態をより詳細に説明すると、基準値が70kgであるところ、現時点の測定値が72kgであったので、現時点の測定値が基準値よりも大きいことになる。よって、判定結果として「食べ過ぎ」と表示されているのである。
【0188】
なお、図12のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0189】
図13は、肥満傾向をより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図13の表示では、肥満傾向の度合いを4段階に分類している。そして、図13では、肥満傾向が「やや多い」との判定結果が示されている。このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の種健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0190】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、肥満傾向度がどのように判定されるのかを、図11、12、13を参照しつつ説明した。
【0191】
次に他の例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、むくみの有無がどのように判定されるのかを、図14、15、16、17を参照しつつ説明する。
【0192】
前述したとおり、被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。
【0193】
図14は、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を求めるためのフローチャートである。図14のフローチャートは、過去の測定日に測定された体重値や生体インピーダンス値から日内変化率の基準値を設定する工程を示している。日内変化率とは、一日のうちのより早い時刻における測定値に対する、より遅い時刻における測定値の変化率のことである。例えば、過去の複数の日において、朝(又は起床時)と夕方(又は就寝前)とに体重値と生体インピーダンス値とが測定されているとする。そうすると、過去の各測定日毎に、朝(又は起床時)から夕方(又は就寝前)にかけて、体重値や生体インピーダンス値がどのような割合で変化したかを求めることができる。被検者にむくみが生じている場合は、朝(又は起床時)よりも夕方(又は就寝前)の方が、身体中の水分量が多くなる傾向が強くなる。身体中の水分量が多くなると、生体インピーダンス値は低くなる。よって、過去の日における生体インピーダンス値の日内変化率を基準として、これと現在日における生体インピーダンス値の日内変化率とを比較することにより、被検者にむくみが生じているか否かを判定することができるのである。例えば、過去の複数日において、朝の時間帯(又は起床時)と夕方の時間帯(又は就寝前)において、体重値と生体インピーダンス値とが測定され、これら測定値が記憶部16に記憶されているとする。すると、過去の日内変化率を複数求めることができる。この複数の日内変化率を用いて、日内変化率の基準値を設定するのである。基準値の設定の方法は、特に限定する必要はないが、例えば最頻値を基準値としてもよいし、中央値を基準値としてもよいし、平均値を基準値としてもよい。
【0194】
図14のフローチャートに示される工程を実行するためのフログラムは記憶部16に格納されており、このプログラムを中央処理部15が実行する。
【0195】
図14のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている、過去の測定による生体インピーダンス値の測定値を用いて、複数の過去の日内変化率を求める(ステップ1)。
【0196】
次に、これら複数の過去の日内変化率の最頻値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ2)。被検者は操作部6を操作することにより、最頻値を基準値とするか否かを決定する。
【0197】
被検者が最頻値を基準値とすることを決定すると、最頻値が基準値として演算される(ステップ3)。
【0198】
ステップ2において、被検者が最頻値を基準値とはしないと決定すると、次に、中央値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ4)。被検者は操作部6を操作することにより、中央値を基準値とするか否かを決定する。
【0199】
被検者が中央値を基準値とすることを決定すると、中央値が基準値として演算される(ステップ5)。
【0200】
ステップ4において、被検者が中央値を基準値とはしないと決定すると、次に、平均値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ6)。被検者は操作部6を操作することにより、平均値を基準値とするか否かを決定する。
【0201】
被検者が平均値を基準値とすることを決定すると、平均値が基準値として演算される(ステップ7)。
【0202】
そして、ステップ3、ステップ5 または ステップ7により演算された基準値が、記憶部16に記憶される(ステップ8)。
【0203】
なお、ステップ6において、被検者が平均値を基準値とはしないと決定すると、再度、記憶部16からの過去の測定値の読み込みからやり直す(ステップ1)。
【0204】
以上、図14により、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を設定する工程を示した。
【0205】
図14のフローチャートに示すような工程により、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、むくみの状態にあるか否かを判定する。
【0206】
図15は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0207】
このフローチャートが実行される前提として、現在日の生体インピーダンス値が、朝の時間帯(又は起床時)と夕方の時間帯(又は就寝前)において測定されており、これら測定値(現在日の朝の時間帯(又は起床時)の生体インピーダンス値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の生体インピーダンス値の測定値)が記憶部16に記憶されているものとする。
【0208】
図15に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bによりむくみ判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0209】
図15のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現在
日の朝の時間帯(又は起床時)の生体インピーダンス値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の生体インピーダンス値の測定値)とが、記憶部16から読み込まれ、現在日の生体インピーダンス値の日内変化率が算出される(ステップ1)。
【0210】
次に、記憶部16に記憶されている、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を記憶部16から読み出す(ステップ2)。
【0211】
次に、現在日の生体インピーダンス値の日内変化率と基準値とを比較する(ステップ3)。
【0212】
そして、現在日の日内変化率が基準値よりも大きいか、もしくは等しければ、被検者にむくみは認められないと判定し、表示部5に「正常」との表示がなされる(ステップ4)。
【0213】
一方、現在日の日内変化率が基準値よりも小さければ、被検者はむくみ状態にあると判定し、表示部5に「むくみぎみ」との表示がなされる(ステップ5)。
【0214】
図16は、図15のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図16における「測定値」とは、測定された現在日の生体インピーダンス値の変化率のことである。図16の表示状態をより詳細に説明する。例えば、起床時に右脚のインピーダンス値が測定され、その日の夕方に再度右脚のインピーダンス値が測定されたとする。起床時の測定値が227オームで、夕方の測定値が208オームであったとする。するとその日の日内変化率(夕方のインピーダンス値÷起床時のインピーダンス値)は、91.6%となる。基準値が95%であるので、その日の日内変化率が基準値よりも低いことになり、むくみが生じていると判定され、判定結果として「むくみぎみ」と表示されている。
【0215】
なお、仮に、起床時の測定値が236オームで、夕方の測定値が233オームであったとすれば、その日の日内変化率(夕方のインピーダンス値÷起床時インピーダンス値)は、98.7%である。基準値が95%であるから、その日の日内変化率が基準値よりも高いことになり、むくみが生じていないと判定され、判定結果としては「正常」と表示される。
【0216】
なお、図16のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0217】
図17は、むくみの度合いをより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図17の表示では、むくみの度合いを4段階に分類している。そして、図17では、むくみ度が「やや多い」との判定結果が示されている。
【0218】
このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の種健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0219】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、むくみの有無がどのように判定されるのかを、図14、15、16、17を参照しつつ説明した。
【0220】
なお、むくみの度合いと疲労度とは、密接に関係するので、図15のフローチャートと同様のフローチャート、又は、図15のフローチャートと類似のフローチャートによって、疲労度を判定するようにしてもよい。
【0221】
次に他の例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、減量傾向度がどのように判定されるのかを、図18、19、20を参照しつつ説明する。
【0222】
前述したとおり、被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。ここでの減量傾向度の判定においては、過去に測定された体重値に基づいて基準値を設定する。
【0223】
図14のフローチャートを参照しつつ、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を設定するための工程を説明した。図14のフローチャートに示す工程と同様の工程により、体重値の日内変化率の基準値を設定することができる。体重値の日内変化率の基準値の設定のためには、もちろん、測定対象項目が生体インピ−ダンス値ではなく、体重値でなければならない。
【0224】
より詳細に説明すると、体重値の日内変化率の基準値を設定するには、まず、記憶部16から、過去の測定による体重値の測定値を読み込み、読み込んだ測定値から、複数の過去の日内変化率を求める。次に、このようにして求めた複数の過去の日内変化率の最頻値、中央値、平均値のいずれを基準値とするかを被検者に選択させる。そして、被検者が選択した値を基準値として算出し、この算出結果を基準値として記憶部16に記憶させるのである。
【0225】
このように、図14に示すフローチャートと同様の工程によって体重値の日内変化率の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、減量傾向の状態にあるか否かを判定する。
【0226】
図18は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0227】
このフローチャートが実行される前提として、現在日の体重値が、朝の時間帯(又は起床時)と夕方の時間帯(又は就寝前)において測定されており、これら測定値(現在日の朝の時間帯(又は起床時)の体重値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の体重値の測定値)が記憶部16に記憶されているものとする。
【0228】
図18に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bにより減量傾向度判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0229】
図18のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現在日の朝の時間帯(又は起床時)の体重値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の体重値の測定値とが、記憶部16から読み込まれ、現在日の体重値の日内変化率が算出される(ステップ1)。
【0230】
次に、記憶部16に記憶(設定)されている、体重値の日内変化率の基準値を記憶部16から読み出す(ステップ2)。
【0231】
次に、算出された現在日の体重値の日内変化率(ΔW)と基準値(ΔWs)とを比較する(ステップ3)。
【0232】
そして、現在日の体重値の日内変化率(ΔW)が基準値(ΔWs)よりも大きいか、もしくは等しければ、被検者に減量傾向は認められないと判定し、表示部5に「変化なし」との表示がなされる(ステップ4)。
【0233】
一方、現在日の体重値の日内変化率(ΔW)が基準値(ΔWs)よりも小さければ、被検者は減量傾向にあると判定し、表示部5に「減量ぎみ」との表示がなされる(ステップ5)。
【0234】
図19は、図18のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図19における「測定値」とは、現在日の体重値の日内変化率(ΔW)のことである。図19の表示状態をさらに詳細に説明すると、基準値が70%であり、現在日の体重値の日内変化率(ΔW=就寝前の体重値÷起床時の体重値)が69%であり、その結果「減量ぎみ」との判定結果が表示されているのである。
【0235】
なお、図19のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0236】
図20は、減量傾向をより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図20の表示では、減量傾向の度合いを4段階に分類している。そして、図20では、減量傾向が「やや多い」との判定結果が示されている。このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の種健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0237】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、減量傾向度がどのように判定されるのかを、図18、19、20を参照しつつ説明した。
【0238】
以上、被検者の生体インピーダンス値 及び/又は 体重値の測定値に基づいて、被検者の健康状態(脱水状態、飲み過ぎ度、肥満傾向(食べ過ぎ度)、むくみ、疲労度、減量傾向度など)を判定する判定装置 及び 判定プログラムの例を説明した。
【0239】
しかし、健康状態をより的確に判定するために、被検者の生体インピーダンス値や体重値のみならず、被検者の身体特定情報をも、健康状態判定の基礎として用いてもよい。身体特定情報とは、例えば、被検者の性別、身長、年令など、被検者の個人的な身体に関する情報である。この身体特定情報を健康状態判定の基礎とすることにより、被検者の健康状態をより的確に判定することが期待できる。
【0240】
身体特定情報を被検者の健康状態判定の基礎とするためには、例えば、健康状態判定装置の操作部6を、身体特定情報を入力するための入力手段として利用すればよい。
【0241】
以上、本願発明の実施例を図面を参照しつつ説明した。
【産業上の利用可能性】
【0242】
本願の健康状態判定装置および健康状態判定用プログラムによれば、現在の被検者の健康状態をより適正に判定できるので、健康管理装置の技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0243】
1 健康状態判定装置
2 本体部
3 信号ケーブル
4 体重測定部
5 表示部
6 操作部
7a 左突出部
7b 右突出部
8 インピーダンス測定回路
9 測定面
10 ロードセル
12 I/Oポート
13 演算処理部
14 計時手段
15 中央処理部
16 記憶部
E1〜E8 電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定し、この測定されたインピーダンス値から被検者の現在の健康状態を判定する健康状態判定装置および健康状態判定用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる生体電気インピーダンス法を用いた体脂肪計が一般家庭に普及している。この体脂肪計を使えば、健康に関する指標等を簡易に知ることができるので、被検者が自分自身で健康管理を日常的に行うことができる。
【0003】
このような体脂肪計のなかには、被検者の身体特定情報(デ−タ)と、測定されたインピ−ダンス値(被検者の生体インピーダンス値)とに基づいて、体脂肪率や内臓脂肪面積指数等の脂肪分布に関する種健康指標や、水分量に関する健康指標を算出し、この算出結果を表示することができるものもある。
【0004】
生体の電気的特徴は次のようなものである。すなわち、生体における、血液、脳脊髄液
及び 筋肉のように多量の水分を含む組織は、高い導電性を示す導電性組織である。これに対し、脂肪、骨 及び 肺のように、空気で満たされた部位は、電気的に高い抵抗性を示す絶縁性組織である。
【0005】
生体電気インピーダンス法は、このような生体の電気的特徴を利用している。生体電気インピーダンス法は、体内に微弱な交流電流を流して生体インピーダンス値(抵抗値)を測定し、この測定値から身体組成を分析する方法である。なお、生体における電流経路は、主に生体中の最小のレジスタンス経路によって構成される。つまり、電流は主に、生体中の最小のレジスタンス経路を通る。よって、除脂肪組織のうちの大部分を占める筋肉や、細胞外液(例えば、間質液、血漿、脳脊髄液、リンパ液)などが主な電流経路となる。
【0006】
生体電気インピーダンス法は、元々は、1959年にNyboer.J(ニベア・ジェイ)が、ヒトの生理機能に関する様々な局面(例えば血流に関する機能)を研究するために使用し始めたものである。その当時は、主に、体内水分量の測定に利用されていた。
【0007】
生体電気インピーダンス法において、低周波数の交流電流を用いると、細胞外液に関する測定を有効に行うことができる。また、高周波数の交流電流を用いると、細胞内液に関する測定を有効に行うことができる。生体電気インピーダンス法は、体内水分量の詳細な研究には欠かせない手法となっている。
【0008】
近年では、体脂肪計の普及により、生体電気インピーダンス法が脂肪測定に利用されることが多くなっている。しかし、従来の体脂肪計では、現在の健康状態(水分や食事の摂取量やその影響度)を適格且つ簡単に知ることはでない。
【0009】
なぜなら、被検者の生体インピーダンス値や体重値は、日によって変動するし、さらに、同一日内の時刻によっても変動するものであるのに、従来の体脂肪計で、これらの変動が考慮されていないからである。
【0010】
人の生体内の水分量は、50〜60%(重量%)程度であり、時間的にほぼ一定しているが、わずかには変動する。その変動の大きさは、一般的には、約2%であると言われている。このわずかな変動は、腎機能障害等の重病患者の生体ではない限りは、最終的には
元どおりに回復する。
【0011】
しかし、このわずかな変動が、脱水やむくみ(水分過多)の原因となっているのである。
【0012】
脱水とは、細胞内外の水分に関して起こる疾患である。脱水による水分喪失の割合に応じて、疾患は、等張性脱水症(コレラ,熱傷等),水分欠乏型高張性脱水症(嘔吐,下痢等),ナトリウム欠乏型低張性脱水症(副腎皮質不全等)に分類される。
【0013】
むくみとは、体内に余分な水分が溜まっている状態の疾患である。むくみは、血管壁から細胞内外(皮下)に水分が漏れたときに生ずる。
【0014】
むくみも多種に分類されるが、全身性浮腫と呼ばれる心臓性,腎性,肝臓性のむくみは、ときとして重大疾患へと繋がる。
【0015】
以上の説明から理解されるように、体内水分量の変動を把握することは、重大な疾患を予防する上で、非常に重要である。
【0016】
図21は、生体電気インピーダンス法を使って、4名の被検者の右腕、左腕、体幹部、右脚、左脚のそれぞれの生体インピーダンス値を、連続して10日間に渡って1日に4回測定し、その4名の測定結果を平均化して示した図である。測定時刻は、8時30分、11時0分、13時30分および16時0分である。図では、朝(8時30分)のインピーダンス値を基準値(100%)として、その後のインピーダンス値を基準値(朝のインピーダンス値)に対する割合として表示している。なお、このときの生体電気インピーダンス法に用いた交流電流の周波数は、50kHzである。
【0017】
図21から理解されるように、生体の各部のインピーダンス値は、実際には、1日のうちでもかなり変動している。
【0018】
図21から理解されるように、腕や体幹部のインピーダンス値は、朝、低下している。これは、就寝時の水分バランスの偏りによるものである。脚に関しては、インピーダンス値の朝の低下は見られない。
【0019】
しかし、腕と体幹部は夕方もインピーダンス値が低下している。脚に関しては、夕方のインピーダンス値の低下が顕著である。
【0020】
なお、体幹部のインピーダンス値が11時0分から13時30分までの間に大きく変動しているのは、昼食を摂取した影響であると考えられる。
【0021】
下表(表1)は、被検者の右脚のインピーダンス値を連続して10日間に渡って朝の時間帯のうちの所定時刻と夕方の時間帯の所定時刻とに測定し、朝から夕方にかけてインピーダンス値がどのように変化するかを示すものである。この表では朝のインピーダンス値を基準値(100%)とし、夕方のインピーダンス値の基準値(朝のインピーダンス値)に対する割合を示している。
【0022】
【表1】
【0023】
表1から理解されるように、右脚のインピーダンス値は日によってかなり変動している。大きな変化を示す日、すなわち表中で小さな数値が示されている日は、右脚に水分が多く溜まって、むくみが生じていると考えられる。
【0024】
なお、さらに右腕以外の部位の測定結果を含めて、さらに詳細にこれら測定結果を分析すると、朝から夕方にかけての右脚のインピーダンス値の変化率は、右脚のインピーダンス値の夕方における測定値とは相関が高く、右脚のインピーダンス値の朝における測定値とは相関が低いことが判明した。このことから、朝から夕方にかけての右脚のインピーダンス値の変化率は、夕方における右脚のインピーダンス値に大きく依存すると考えられる。
【0025】
下表(表2)は、被検者の両腕のインピーダンス値を連続して10日間に渡って、朝の時間帯のうちの所定時刻に測定し、その測定結果を表したものである。単位はオームである。
【0026】
【表2】
【0027】
表2から、被検者の両腕のインピーダンス値が日によってかなり大きく変動していることが理解される。
【0028】
表2において、4日目のインピーダンス値が比較的大きくなっているのは、前日の夜の多量の飲酒によるものと考えられる。9日目のインピーダンス値が比較的大きくなっているのは、体調不良によるものと考えられる。また、7日目のインピーダンス値が特に大きくなっているのは、前日の夜の多量の飲酒と体調不良とによるものと考えられる。
【0029】
なお、さらに朝以外の時間帯に測定した両腕のインピーダンス値も分析した。その結果、表2に表れている結果と同様に、朝以外の時間帯でも日によってかなり大きく両腕のインピーダンス値が変動していることが判明した。
【0030】
一方、体重値の管理も健康維持に有効である。体重値の日内変動(一日のうちの変動)
は、1日の食事量や運動量の管理することによる療法(食事運動療法)の効果を確認するための指標になる。起床時と就寝前に体重値の測定を行った場合、起床時の体重値に対する就寝前の体重値が100.7%以下であることは、体重が減少傾向にあることを示唆する。
【0031】
また、ある日の起床時の体重値を、過去の日の起床時の体重値と比較するだけでも、暴飲暴食や運動不足を防ぐための指標を得ることができる。
【0032】
このように、体重値の変化を把握することも、体調を良好に維持する上で有効であると考えられる。
【0033】
なお、過去の生体インピーダンス値の平均値を現在の生体インピーダンス値と比較することによりむくみの判定をする技術(例えば、特許文献1参照)や、過去に測定した生体インピーダンス値からむくみ指標値を算出し、過去のむくみ指標値の平均値を算出し、この平均値を現在のむくみ指標値と比較することによりむくみの度合いの判定をする技術(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0034】
しかし、これらの技術では、現在のインピーダンス値やむくみ指標値の比較対象となる基準値(平均インピーダンス値や平均むくみ指標値)を、生体インピーダンス値やむくみ指標値の日内変動を考慮せずに設定しているため、正確な判定は期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2001−187036号公報(5頁、図10)
【特許文献2】特開2001−198098号公報(6頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
本願発明が解決しようとする課題は、生体インピーダンスや体重値の過去の測定値をより有効に利用することにより、現在の被検者の健康状態をより適正に判定することができるような、健康状態判定装置および健康状態判定用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0037】
上記課題を解決するために、この出願に係る健康状態判定装置は、被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段と、記憶手段と、基準値設定手段と、判定手段と、表示手段とを備え、該記憶手段は、該測定手段により測定された測定値を測定日時と共に記憶し、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該表示手段は、該判定手段による該判定の結果を表示する。
【0038】
また、上記課題を解決するために、この出願に係る健康状態判定用プログラムは、被検者の現在の健康状態の判定演算を、演算手段としてのコンピュータに実行させるための健康状態判定用プログラムであって、記憶手段に記憶された過去の複数の測定値を読み込む読込工程と、読み込んだ該複数の測定値に基づいて基準値を設定する基準値設定工程と、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定する判定工程とを備え、該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段によって過去に測定された測定値であり、かつ、該測定手段による測定の日時と共に記憶されており、該現在値は、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される値である。
【発明の効果】
【0039】
本願発明は、上記のような構成であるため、被検者の生活習慣等が考慮された、より的確な健康状態の判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】健康状態判定装置の未使用時の外観図である。
【図2】体重測定部から本体部を離脱させたときの状態を示す、健康状態判定装置の外観図である。
【図3】本体部の正面図である。
【図4】健康状態判定装置1の電気的信号処理に関するブロック図である。
【図5】人体におけるインピーダンス構成を模式的に示す図である。
【図6】生体インピーダンス値の基準値を求めるためのフローチャートである。
【図7】生体インピーダンス値の基準値を求めるためのフローチャートである。
【図8】脱水状態判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示部の表示状態を示す図である。
【図10】表示器の表示状態を示す図である。
【図11】肥満傾向判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図12】表示部の表示状態を示す図である。
【図13】表示器の表示状態を示す図である。
【図14】生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を求めるためのフローチャートである。
【図15】むくみ判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図16】表示部の表示状態を示す図である。
【図17】表示器の表示状態を示す図である。
【図18】減量傾向判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【図19】表示部の表示状態を示す図である。
【図20】表示器の表示状態を示す図である。
【図21】被検者の生体インピーダンス値を1日に4回測定したときの測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であってもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による生体インピーダンス値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、脱水度または飲み過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0042】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができ、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であってもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該表示手段は、脱水度または飲み過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0043】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値であってもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、肥満傾向度または食べ過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0044】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づ
いて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定されるようにしてもよい。このように、現在日におけるインピーダンス値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段により求められる、インピーダンス値の日内の変化指標値が、インピーダンス値の日内の変化率であり、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、むくみ度または疲労度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0045】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定装置において、さらに、該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、該現在値は、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値の日内の変化指標値に基づいて設定されるようにしてもよい。このように、現在日における体重値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段により求められる、体重値の日内の変化指標値が、体重値の日内の変化率であり、現在日の体重値の日内の変化指標値が、現在日の体重値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該基準値設定手段は、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。また前記健康状態判定装置において、該表示手段は、減量傾向度を、該判定手段の判定の結果として表示するようにしてもよい。
【0046】
また、以上に記載した全ての健康状態判定装置において、さらに、被検者の身体特定情報を入力するための入力手段をさらに備え、該判定手段は、該入力手段により入力された前記身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定するようにしてもよい。このように構成すると、被検者の個人的な身体特定情報が考慮されて、より的確に健康状態を判定することができる。ここに言う「身体特定情報」とは、被検者の身体の特徴を特定するための個人的な情報のことであり、例えば「性別」「年令」「身長」「体重」などのことである。
【0047】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であるようにしてもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による生体インピーダンス値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平
均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0048】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値 及び 体重値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値であるようにしてもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。
【0049】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値であるようにしてもよい。このように構成すると、被検者の生活習慣等による体重値の日内の変動の影響を除去して、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0050】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定される値であるようにしてもよい。このように、現在日におけるインピーダンス値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、インピーダンス値の日内の変化率を、インピーダンス値の日内の変化指標値として求め、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0051】
また、上記「課題を解決するための手段」に記載した健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値
の日内の変化指標値に基づいて設定される値であるようにしてもよい。このように、現在日における体重値の日内変化を、過去の日内変化と比較するようにすることにより、単なる、一の時点における測定に基づく判定よりも、より的確に健康状態を判定することができる。前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、体重値の日内の変化率を、体重値の日内の変化指標値として求め、現在日の体重値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日の体重値の日内の変化率であるようにしてもよい。また前記健康状態判定用プログラムにおいて、該基準値設定工程では、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定するようにしてもよい。
【0052】
また、以上に記載した全ての健康状態判定用プログラムにおいて、さらに、被検者の身体特定情報を入力するための入力手段に入力された前記身体特定情報を読み込む身体特定情報読込工程をさらに備え、該判定工程では、該身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定するようにしてもよい。このようにすると、被検者の個人的な身体特定情報が考慮されて、より的確に健康状態を判定することができる。ここに言う「身体特定情報」とは、被検者の身体の特徴を特定するための個人的な情報のことであり、例えば「性別」「年令」「身長」「体重」などのことである。
【実施例1】
【0053】
以下、本願発明の一実施形態たる健康状態判定装置を図面を参照しつつ説明する。
【0054】
図1は、健康状態判定装置1の未使用時の外観図である。健康状態判定装置は、主に、本体部2と体重測定部4とにより構成されている。体重測定部4には本体部2を収納するための本体収納部が形成されており、ここに本体部2の脱着部2aを嵌め込むことができるようになっている。体重測定部4の本体収納部に、本体部2の脱着部2aを嵌め込むと、健康状態判定装置1は図1に示すような状態となる。本体部2は、体重測定部4から自在に脱着できる。
【0055】
図2は、体重測定部4から本体部2を離脱させたときの状態を示す、健康状態判定装置1の外観図である。健康状態判定装置1を使用するときは、このように体重測定部4から本体部2を離脱させ、本体部2を両手で保持する。
【0056】
図3は本体部2の正面図である。
【0057】
図4は、健康状態判定装置1の電気的信号処理に関するブロック図である。
【0058】
図1、図2、図3、図4を参照しつつ、健康状態判定装置1の概略構成を説明する。
【0059】
前述したように、健康状態判定装置1は、主に、本体部2と体重測定部4とにより構成されている。本体部2と体重測定部4とは信号ケ−ブル3によって接続されている。信号ケーブル3は多芯のケーブルである。本体部2が有する部材と体重測定部4が有する部材との間で必要となる電気信号の送受信や電流の送受は、すべて信号ケーブル3を介してなされる。
【0060】
図4に示されるように、健康状態判定装置1は、電気的には、主に、電極E1〜E8、インピーダンス測定回路8、操作部6、表示部5、ロードセル10、計時手段14、I/Oポート12、演算処理部13により構成されている。演算処理部13は、主に、CPUによって構成される中央処理部15と、半導体メモリによって構成される記憶部16とを有している。
【0061】
電極E5、E6、E7、E8 及び ロードセル10は、体重測定部4に設けられた部材である。電極E1、E2、E3、E4、インピーダンス測定回路8、操作部6、表示部5、計時手段14、I/Oポート12、演算処理部13は、本体部2に設けられた部材である。電極E5、E6、E7、E8とインピーダンス測定回路8との間、および、ロードセル10とI/Oポート12との間は、信号ケーブル3によって接続されている。また、インピーダンス測定回路8、操作部6、表示部5、ロードセル10 及び 計時手段14と、演算処理部13との間の電気信号やデータの伝送は、すべてI/Oポート12を介して行われる。また、図示してはいないが、各種信号やデ−タは、必要に応じてA/D変換器(図示せず)でディジタル化されて伝送される。演算処理部13での演算処理が、ディジタル処理だからである。
【0062】
インピ−ダンス測定回路8は、電極切換スイッチ部、電流源、電圧測定部等を備えている。インピ−ダンス測定回路8の電流源は、電極切換スイッチ部を介して電極E1、E4、E5、E8のうちの任意の二の電極に接続される。
【0063】
例えば、電極E1及びE5または電極E4及びE8を介して各々、人体の左手と左足または右手と右足を末端とする電流路を形成することができる。
【0064】
この電流源は交流周波数の電流を発生させるものである。電流源は、複数の所定の周波数のうちの選択された一の周波数の交流電流を発生させることができる。
【0065】
また、インピ−ダンス測定回路8の電圧測定部は、電極切換スイッチ部を介して四つの電極E2,E3,E6,E7のうちの任意の二の電極に接続される。電流源が接続される電極 及び 電圧測定部が接続される電極を、電極切換スイッチ部によって順次切替えてゆくことにより、身体の種々の部位の間の電位差(電圧)を検出することができる。電圧測定部が検出した電圧のデータは、I/Oポートを介して演算処理部13に伝送される。
【0066】
演算処理部13は電流源によって発生させる電流値を予め知っているので、電圧測定部からの電圧データを得ることによりインピーダンスを算出することができる。なお、インピーダンス算出のための演算は、演算処理部13の中央処理部15によってなされる。
【0067】
再度、図2、図3を参照すると理解されるように、本体部2は、比較的薄型の形状をなす。
【0068】
本体部2は携帯可能である。つまり、被検者(使用者)は本体部2を手で持つことができる。より詳細に説明すると、本体部2には、その左右端に左突出部7aと右突出部7bとが形成されている。両突出部7a,7bは、左右方向に突出した板状の部分である。比
被検者は左手で左突出部7aを、右手で右突出部7bを把持することによって、本体部2を保持することができる。左突出部7aの上端面には第一の電極E1が配設されている。左突出部7aの下端面には第二の電極E2が配設されている。右突出部7bの上端面には第四の電極E4が配設されている。右突出部7bの下端面には第三の電極E3が配設されている。
【0069】
被検者は本体部2の両突出部7a、7bを次のように把持する。つまり、被検者は、左手の人指し指が電極E1に接触するように、かつ、左手の親指が電極E2に接触するようにして、左手で左突出部7aを把持する。また、右手の人指し指が電極E4に接触するように、かつ、右手の親指が電極E3に接触するようにして、右手で右突出部7bを把持する。
【0070】
図2を参照すると、体重測定部4の上面は測定面9として構成されており、そこ(測定
面9)には電極E5、E6、E7、E8が配設されている。
【0071】
体重測定部4にはロードセル10が内蔵されていることを上述した。ロ−ドセル10は被検者の体重を測定するための体重値測定手段を構成する。よって被検者は自らの体重を測定するために、体重測定部4の測定面9上に乗る。被検者が測定面9上に乗ると、被検者の体重値がロ−ドセル10によって検出される。ロ−ドセル10によって検出された被検者の体重デ−タは、検出精度を保持するべく特に図示されないアンプによって増幅された後にA/D変換され、ディジタル信号としてI/Oポート12を介して演算処理部13に入力され、記憶部16に記憶される。
【0072】
また測定面9上に被検者が乗ると、被検者の足の裏が各電極E5、E6、E7、E8に接触する。より詳細に説明すると、体重測定部4に被検者が乗ると、被検者の左足の裏の土踏まずより前方部分(この部分を以下、「左足母指丘部分」とも呼ぶ)が電極E5に接触する。また、左足の裏の踵部分が電極E6に接触する。また、右足の裏の土踏まずより前方部分(この部分を以下、「右足母指丘部分」とも呼ぶ)が電極E8に接触する。また、右足の裏の踵部分が電極E7に接触する。
【0073】
本体部2や体重測定部4に配設された電極E1〜E8は後述するインピ−ダンス測定回路8とともに、被検者の身体の各部の生体インピ−ダンス値を測定するための、インピ−ダンス測定手段を構成する。
【0074】
これら電極E1〜E8のうちの、電極E1、E4、E5、E8は、被検者の身体に電流路を形成するための電流路形成用電極である。
【0075】
一方、電極E2、E3、E6、E7は、被検者の身体に生ずる電圧分布に応じて2極間の電圧を測定するための電圧測定用電極である。
【0076】
四の電流路形成用電極E1、E4、E5、E8の内の二の電極間で所定周波数の微弱な交流電流を流すと、この電流によって被検者の身体に電圧分布が生ずる。このような状態において、四の電圧測定用電極E2、E3、E6、E7の内の二の電極間の電圧を測定する。そして、被検者の身体を流れる電流の電流値と、測定された電圧値とから、生体インピーダンス値を算出することができる。この生体インピーダンス値の算出は、演算処理部13においてなされる。なお当然ながら、電極E1,E2,E3,E4、E5、E6、E7、E8は、インピ−ダンス測定回路8に電気的に接続されている。
【0077】
図5は、人体におけるインピーダンス構成を模式的に示す図である。この図を参照しつつ、電極E1〜E8にる被検者の身体各部の生体インピーダンス値の測定例を、以下に簡単に説明する。
図中のインピーダンスZ1は左腕の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ2は右腕の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ3は体幹部の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ4は左脚の生体インピーダンスに相当し、
インピーダンスZ5は右脚の生体インピーダンスに相当する。
【0078】
この図を参酌しつつ、被検者のある部位の生体インピーダンス値がどのようにして測定されるかを例示する。例えば、電極E1と電極E5との間に電流が流されると、左手の指と左足の裏を末端とした電流路が人体に形成される。このときの電流路は、図中のインピーダンスZ1、Z3およびZ4によって形成される。このような電流路が形成されているときに、電極E3と電極E7との間の電圧を測定すると、インピーダンスZ3、すなわち体幹部の生体インピーダンス値を求めることができる。
【0079】
また例えば、電極E1と電極E5との間に電流を流し、電極E2と電極E3との間の電圧を測定すると、インピーダンスZ1、すなわち左腕の生体インピーダンス値を求めることができる。
【0080】
これらの例から理解されるように、電流路形成用電極と、電圧測定用電極とを選択することにより、左腕の生体インピーダンス値、右腕の生体インピーダンス値、体幹部の生体インピーダンス値、左脚の生体インピーダンス値、右脚の生体インピーダンス値を各々測定することができる。
【0081】
このようにして、左腕、右腕、体幹部、左脚 及び 右脚の各部位毎の生体インピ−ダンス値を測定することができる。
【0082】
また、種々の周波数の交流電流による生体インピーダンス値の測定により、被検者の身体の細胞外液及び細胞内液の比率を求めることもできる。
【0083】
以上、電極E1〜E8にる被検者の身体各部の生体インピーダンス値の測定例を説明した。
【0084】
図3を参照すると、本体部2の外表面には、表示部5や操作部6が表れている。表示部5は、本体部2の正面の左側に配設されており、操作部6は、本体部2の正面の右側に配設されている。
【0085】
図3を参照しつつ、まず、操作部6について説明する。
【0086】
操作部6には、電源ON/OFFキ−6a、各種モード切替キー6b、各種個人デ−タの設定画面切り替えキー6c、前記個人デ−タ等及び測定データの登録キー6d、被検者の健康状態の判定を行う判定キー6e、前記個人デ−タの入力のためのテンキ−6f、被検者の体重や被検者の各部の生体インピーダンス値の測定を開始するための測定キー6gなどが含まれている。
【0087】
上記各種個人データとは、被検者の性別、年令、身長、体重別等に関するデータのことであり、「身体特定情報」に相当する。
【0088】
被検者は、操作部6を使って、自らの性別、年令、身長 及び 体重等の各種デ−タを健康状態判定装置1に入力することができる。
【0089】
健康状態判定装置1の操作はすべて操作部6を介して行われる。例えば、電源キ−6aを操作にすることで、健康状態判定装置1が待機状態になり、続いてモード切替キー6bにより複数の測定モ−ドから一の測定モードを選択できる。また、被検者が体重測定部4に載った状態で測定キ−6gを操作すると、被検者の体重値が測定され、その測定値が安定したか否かの判定が行われ、測定が安定したと判定されるとそのときの測定値が被検者の体重値として、記憶部16に記憶される。
【0090】
なお被検者の体重値は、体重測定部4の体重値測定手段(ロードセル10)により測定することもできるので、あえて登録キー6dやテンキー6fを使って体重データを入力する必要はない。しかし、被検者の体重が既知である場合に、登録キー6dやテンキー6fを使って体重データを入力することができるように、健康状態判定装置1は構成されている。
【0091】
以上、操作部6について簡単に説明した。
【0092】
次に表示部5について説明する。
【0093】
表示部5には、操作部6から入力された被検者の身体特定情報、つまり、被検者の身長、体重、年令、性別等が表示される。
【0094】
また表示部5には、体重測定部4のロ−ドセル10により検出された被検者の体重値も表示される。
【0095】
また表示部5には、演算処理部13による演算結果、判定結果等も表示される。具体的には、演算処理部13により演算された被検者の身体の各部の生体インピーダンス値、生体インピーダンス値の日内変化率、体重値の日内変化率、健康状態指数(健康状態判定結果)などが表示される。
【0096】
また表示部5には、過去の体重測定値や過去の生体インピーダンス測定値を表示することもできる。これらの過去の測定値は、演算処理部13の記憶部16に記憶されている。よって、演算処理部13が記憶部16からこれらのデータを読み出して表示部5に表示することができるのである。
【0097】
また、表示部5には、健康状態指数を表示することができる。健康状態指数とは、演算処理部13が、現在の体重値や現在の生体インピーダンス値を基準値と比較することにより算出する健康状態の判定結果である。例えば、食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等が健康状態指数として表示部5に表示される。なお基準値は、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づき演算処理部13によって算出され、記憶部16に記憶されている。基準値の詳細については、後述する。
【0098】
次に演算処理部13(図4参照)について説明する。
【0099】
健康状態判定装置1における各種デ−タの演算処理は、演算処理部13によって行われる。演算処理部13は、中央処理部15と記憶部16とを備えている。
【0100】
中央処理部15は、記憶部16に記憶されているデ−タや各種のプログラムル−チンに基づいて、演算及び判定処理等を行う。例えば、中央処理部15では、測定された現在の体重値や生体インピーダンス値を、基準値と比較することにより、各種健康状態指数(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)を求める。
【0101】
また中央処理部15は基準値の算出も行う。基準値は、過去に測定された体重値 及び/又は 過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて算出される。
【0102】
記憶部16には、操作部6の入力キ−6a〜6gの操作を介して入力された、身体特定情報の各々や、電極E1〜E8を介して測定された被検者の身体各部位の生体インピーダンス値、即ち左腕の生体インピーダンス値Z1、右腕の生体インピーダンス値Z2、体幹部の生体インピーダンス値Z3、左脚の生体インピーダンス値Z4、右脚の生体インピーダンス値Z5等を記憶することができる。
【0103】
さらに、測定された体重値や及び生体インピーダンス値を計時手段14から得られる時間情報(測定の日時に関する情報)と共に記憶することができる。また、前記各種健康状態(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)
の判定のために必要となる基準値をそれぞれ記憶することができる。
【0104】
さらに記憶部16には、生体インピーダンス値を算出するための計算式や、各種の基準値を演算するための演算式や、健康状態判定装置1の各動作モードに対応した動作ルーチンプログラム、各種判定のための動作ルーチンプログラムなどが記憶されている。
【0105】
健康状態判定装置1の有する主な動作モ−ドは、初期設定モ−ド、測定モ−ド、登録モ−ド、判定モード等である。これらの動作モードのうちのいずれの動作モードで健康状態判定装置1を動作させるかは、各種モード切替キー6bを操作することによって決定することができる。
【0106】
初期設定モ−ドは、現在時刻の設定及び変更を行うモ−ドである。
【0107】
測定モ−ドは、被検者の体重値及び身体各部位の生体インピーダンス値の測定を行うための動作モ−ドである。
【0108】
登録モ−ドは、身体特定情報(身長、体重、年齢、性別等)及び各種測定データの記憶部16への登録を行うためのモ−ドである。
【0109】
判定モードは、被検者の生体インピーダンス値や体重値に関する現在値を、過去の測定値から求めた基準値と比較することにより、被検者の健康状態を判定する動作モードである。
【0110】
健康状態判定装置1においては、電源キ−6aを操作すると電源OFFの状態から電源ONの状態になる。すると、健康状態判定装置1は、待機状態になる。健康状態判定装置1が待機状態にあるときに、モード切替キー6bを操作することによって、動作モ−ドを選択することができる。
【0111】
健康状態判定装置1は、新品の状態では、初期設定は全くなされていない。よって新品の健康状態判定装置1を購入した場合は、まず、初期設定を行う必要がある。初期設定は初期設定モードにおいて行うことができる。
【0112】
健康状態判定装置1を初期設定モードに設定すると、操作部6のテンキ−6fや設定画面切り替えキ−6cなどを使って、その時の年、月、日、時刻のデ−タを、順次、入力することができる。これら入力されたデータは計時手段が出力する日時情報の基礎になる。
【0113】
健康状態判定装置1が初期設定されている場合は、健康状態判定装置1を測定モ−ドに設定することによって、被検者の体重値及び身体の部位別の生体インピ−ダンス値を測定することができる。また、これらの測定値を、計時手段14から得た日時情報と共に記憶部16に記憶することができる。
【0114】
なお、前述したように、被検者の体重値を測定するには、被検者が体重測定部4に乗る必要がある。
【0115】
また、被検者の生体インピーダンス値を測定するには、被検者が体重測定部4に乗り、かつ、本体部2を両手で把持する必要がある。正確な生体インピーダンス値の測定のためには、体重測定部4の測定面9上に載せた足の状態がつぎのような状態でなければならない。つまり、左足母子丘部分が電極E5(図2参照)に接触しており、左足の裏の踵部分が電極E6に接触しており、右足母子丘部分が電極E8に接触しており、右足の裏の踵部分が電極E7に接触しており、左手の人指し指が電極E1に接触しており、左手の親指が
電極E2に接触しており、右手の人指し指が電極E4に接触しており、右手の親指が電極E3に接触していなければならない。
【0116】
各電極への接触が上記のように適正になされている状態で、測定キ−6g(図3参照)をON状態に操作すると、身体各部位の生体インピ−ダンス値の測定が開始される。
【0117】
この測定中に、電圧用電極から検出される電圧がまだ安定していないと判断されると、表示部に「測定中」と表示される。電圧用電極から検出される電圧が安定したと判断されると、このときの測定電圧に基づき、身体各部位の生体インピーダンス値が算出される。この算出は、演算処理部13が行う。
【0118】
次に、登録モ−ドについて説明する。
【0119】
健康状態判定装置1を登録モードに設定すると、身体特定情報を記憶部16に登録することができる。より具体的に説明すると、健康状態判定装置1が登録モードに設定されている状態において、設定画面切り替えキー6cを操作すると、健常状態判定装置1は、身長入力モード、年齢入力モード、性別選択モード等に順次切り換えられる。これら各入力モード(選択モード)において、テンキー6fからデータを入力するとこのデータが記憶部16に登録(記憶)される。
【0120】
健康状態判定装置1は、過去に測定した体重値や過去に測定した生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定し、この基準値と現在の測定値とを比較することによって、被検者の前記各種健康状態(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)を判定する。
【0121】
健康状態判定装置1が新品の状態では、体重値や生体インピーダンス値の過去の測定値が記憶部16に記憶されていない。しかし、健康状態判定装置1によって被検者の体重値測定や生体インピーダンス値測定が複数回行われると、これらの測定によって得られた測定値が測定日時データとともに、過去の測定値として記憶部16に蓄積されてゆく。そうすると、基準値の設定が可能となり、被検者の前記各種健康状態(食べ過ぎ度、飲み過ぎ度、肥満傾向度、減量傾向度、脱水度、むくみ度、疲労度等)を判定することができるようになる。
【0122】
次に、健康状態判定装置1によって、過去に複数回の体重値や生体インピーダンス値が測定されており、これら測定値が測定日時データと共に記憶部に記憶されていることを前提として、被検者の各種健康状態が具体的にどのように判定されるのかを説明する。これら判定は、健康状態判定装置1を判定モードにすることにより行なわれる。
【0123】
なお、被検者の各種健康状態判定項目のうちのいずれを判定するかは、操作部6を操作することにより選択することができる。
【0124】
まず一例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、脱水状態の有無がどのように判定されるのかを、図6、7、8、9、10を参照しつつ説明する。
【0125】
前述したとおり、現時点における被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。
【0126】
図6は、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の基準値を求めるためのフローチャートである。図6のフローチャートは、過去の測定値の中から、現時点の測定の測定時刻と同時刻に測定されたものを抽出し、これら抽出された
測定値から基準値を設定する工程を示している。過去の複数の日において測定がされていたとしても、毎回、同時刻に測定がされていることはまれである。通常は、測定時刻は測定日によってまちまちである。一日の内でも時刻によって生体インピーダンス値が変化することは前述したとおりである。よって、測定時刻を考慮することなく、単純に過去の測定値を平均化して基準値を設定するよりも、現時点の測定時刻と同時刻での測定による測定値のみを用いて基準値を設定した方が、より適正な判定ができるのである。例えば、現時点の時刻(現時点における測定の測定時刻)が午後3時であるとすれば、過去の複数日における測定から得られた複数の測定値の中から、午後3時又はそれに近い時刻での測定によって得られた測定値のみを用いて、基準値を設定するのである。基準値の設定の方法は、特に限定する必要はないが、例えば最頻値を基準値としてもよいし、中央値を基準値として設定してもよいし、平均値を基準値としてもよい。
【0127】
このフローチャートに示される工程を実行するためのフログラムは記憶部16に格納されており、このプログラムを中央処理部15が実行する。
【0128】
図6のフローチャートに従って説明すると、まず、脱水異常を判定しようとする現時点における時刻を計時手段14から読み込む(ステップ1)。
【0129】
次に、記憶部16に記憶されている、過去の測定による生体インピーダンス値の測定値のなかから、現在の測定の測定時刻と略同時刻の測定によって得られた測定値のみを抽出する(ステップ2)。
【0130】
次に、これらの抽出された測定値の最頻値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ3)。被検者は操作部6を操作することにより、最頻値を基準値とするか否かを決定する。
【0131】
被検者が最頻値を基準値とすることを決定すると、ステップ2で抽出された過去の測定値の最頻値が基準値として演算される(ステップ4)。
【0132】
ステップ3において、被検者が最頻値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ2で抽出された測定値の中央値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ5)。被検者は操作部6を操作することにより、中央値を基準値とするか否かを決定する。
【0133】
被検者が中央値を基準値とすることを決定すると、抽出された過去の測定値の中央値が基準値として演算される(ステップ6)。
【0134】
ステップ5において、被検者が中央値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ2で抽出された測定値の平均値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ7)。被検者は操作部を操作することにより、平均値を基準値とするか否かを決定する。
【0135】
被検者が平均値を基準値とすることを決定すると、抽出された過去の測定値の平均値が基準値として演算される(ステップ8)。
【0136】
そしてステップ4、ステップ6 又は ステップ8によって演算された基準値(生体インピーダンス値の基準値)が、記憶部16に記憶される(ステップ9)。
【0137】
ステップ7において、被検者が平均値を基準値とはしないと決定すると、再度、現時点の時刻の読み込みからやり直す(ステップ1)。
【0138】
なお、基準値算出のためには、過去の測定値を用いるのであるが、どの程度の長さの期
間から、基準値の基礎となる過去の測定値を抽出するのかを選択できるようにすることが望ましい。例えば、週単位で過去1〜12週間のうちから任意の期間(つまり、1週間、
2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間 および 12週間のうちからの任意の一の期間)を選ぶことができるようにしてもよいし、月単位で過去4ヶ月〜6ヶ月のうちから任意の期間(つまり、4ヶ月、5ヶ月 および 6ヶ月のうちからの任意の一の期間)を選ぶことができるようにしてもよいし、3ヶ月を単位として、過去6ケ月〜24ケ月月のうちから任意の期間(つまり、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、21ヶ月 および 24ヶ月のうちからの任意の一の期間)を選ぶことができるようにしてもよい。
【0139】
以上、図6により、生体インピーダンス値の基準値を設定する工程を示したが、生体インピーダンス値の基準値は、図7のフローチャートに示される工程によって設定してもよい。
【0140】
図7のフローチャートで示す工程では、過去に測定された体重値と生体インピーダンス値とに基づいて、生体インピーダンス値の基準値が設定される。より具体的に説明すると、まず、過去に測定された体重値の最頻値を求める。次に、該最頻値が測定されたときの、生体インピーダンス値の測定値から生体インピーダンス値の基準値を設定するのである。
【0141】
これにより仮想的に体重変化のないときの生体インピーダンス値を基準値とすることができる。つまり、体重変化の影響を除去して、適正な健康状態判定を行うことができる。
【0142】
例えば、健康状態判定装置1により、過去の連続した9日間に渡って体重値と生体インピーダンス値とを測定したとする。下表(表3)は、その測定結果を示す表である。
【0143】
【表3】
【0144】
表3中の「IMP」とは、測定された生体インピーダンス値のことである。表3に示す生体インピーダンス値(単位はオーム)と体重値のデータは、測定日時とともに、全て記憶部16に記憶されている。なお、測定された生体インピーダンス値や体重値は、後に最頻値を選びやすくするように、四捨五入などによる丸め処理をしてから記憶部16に記憶させるようにしてもよい。
【0145】
表3からも理解されるように、9回の体重測定によって得られた体重値の測定値の最頻値は70kgである。体重値の測定値が70kgとなった日は、1日目と3日目と5日目と6日目と8日目である。1日目における生体インピーダンス値の測定値は675オームであり、3日目における生体インピーダンス値の測定値は685オームであり、5日目における生体インピーダンス値の測定値は660オームであり、6日目における生体インピ
ーダンス値の測定値は680オームであり、8日目における生体インピーダンス値の測定値は685オームである。
【0146】
このような場合、図7のフローチャートに示す工程によれば、1日目の675オームと、3日目の685オームと、5日目の660オームと、6日目の680オームと、8日目の685オームと基づき、生体インピーダンス値の基準値が設定される。
【0147】
図7のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16から過去の測定による体重値の測定値と生体インピーダンス値の測定値とを読み込む(ステップ1)。
【0148】
次に、ステップ1で読み込んだ体重値の測定値から、最頻値を求める(ステップ2)。
【0149】
次に、最頻値の体重値が測定されたときに、同時に測定された生体インピーダンス値のみを抽出する(ステップ3)。
【0150】
次に、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の最頻値を生体インピーダンス値の基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ4)。被検者は操作部6を操作することにより、この最頻値を基準値とするか否かを決定する。
【0151】
被検者が最頻値を基準値とすることを決定すると、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の最頻値が基準値として演算される(ステップ5)。表3に示す測定例において、最頻値は685オームである。
【0152】
ステップ4において、被検者が、抽出された生体インピーダンス値の最頻値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の中央値を生体インピーダンス値の基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ6)。被検者は操作部6を操作することにより、この中央値を基準値とするか否かを決定する。
【0153】
被検者が中央値を基準値とすることを決定すると、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の中央値が基準値として演算される(ステップ7)。表3に示す測定例において、中央値は680オームである。
【0154】
ステップ6において、被検者が、抽出された生体インピーダンス値の中央値を基準値とはしないと決定すると、次に、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の平均値を生体インピーダンス値の基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ8)。被検者は操作部6を操作することにより、この平均値を基準値とするか否かを決定する。
【0155】
被検者が平均値を基準値とすることを決定すると、ステップ3で抽出された生体インピーダンス値の測定値の平均値が基準値として演算される(ステップ9)。表3に示す測定例において、平均値は677オームである。
【0156】
そして、ステップ5、ステップ7 または ステップ9により演算された基準値が、記憶部16に記憶される(ステップ10)。
【0157】
なお、ステップ8において、被検者が平均値を基準値とはしないと決定すると、再度、記憶部から過去の測定による体重値の測定値と生体インピーダンス値の測定値とを読み込むことからやり直す(ステップ1)。
【0158】
以上、図7により、生体インピーダンス値の基準値を設定する工程を示した。
【0159】
図6や図7のフローチャートに示すような工程により、生体インピーダンス値の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、脱水状態にあるか否かを判定する。
【0160】
図8は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0161】
このフローチャートが実行される前提として、現時点での生体インピーダンス値が測定されており、その測定値が記憶部16に記憶されているものとする。
【0162】
図8に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bにより脱水異常判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0163】
図8のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現時点での生体インピーダンス値を、記憶部16から読み込む(ステップ1)。
【0164】
次に、記憶部16に記憶されている、生体インピーダンス値の基準値を記憶部から読み込む(ステップ2)。
【0165】
次に、測定された現在の生体インピーダンス値(Z)と基準値(Zs)とを比較する(ステップ3)。
【0166】
そして、現在の生体インピーダンス値(Z)が基準値(Zs)よりも小さいか、もしくは等しければ、被検者に脱水異常は認められないと判定し、表示部に「正常」との表示がなされる(ステップ4)。
【0167】
一方、現在の生体インピーダンス値(Z)が基準値(Zs)よりも大きければ、被検者は脱水状態にあると判定し、表示部に「体調注意」との表示がなされる(ステップ5)。
【0168】
図9は、図8のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図9における「測定値」とは、測定された現在の生体インピーダンス値(Z)のことである。図9の表示状態をより詳細に説明する。例えば、両腕のインピーダンス測定値によって脱水状態の判断をする場合には、現時点で両腕のインピーダンス値の測定を行う。そしての測定結果が745オームであり、両腕のインピーダンス値の基準値として695オームが得られたとする。すると、現時点の測定値が基準値よりも大きいこととなる。よって、脱水状態と判断され、判定結果として「体調注意」と表示されているのである。特に複数の周波数の交流電流を使用して測定した場合は、細胞内外の水分変動を把握することが容易であるので、より具体的な表示も可能となる。例えば、測定結果によって「二日酔い注意」と表示することもできる。
【0169】
なお、図9のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0170】
図10は、脱水異常をより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図10の表示では、脱水異常の状態を4段階に分類している。そして、図10では、脱水度が「やや多い」との判定結果が示されている。
【0171】
このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0172】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、脱水状態の有無がどのように判定されるのかを、図6、7、8、9、10を参照しつつ説明した。
【0173】
なお、脱水状態と飲み過ぎ状態(飲酒過多状態)とは、密接に関係するので、図8のフローチャートと同様のフローチャート、又は、図8のフローチャートと類似のフローチャートによって、飲み過ぎ度を判定するようにしてもよい。
【0174】
次に他の例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、肥満傾向の有無がどのように判定されるのかを、図11、12、13を参照しつつ説明する。
【0175】
前述したとおり、被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。ここでの肥満傾向の有無の判定においては、過去に測定された体重値に基づいて基準値を設定する。
【0176】
図6のフローチャートを参照しつつ、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の基準値を設定するための工程を説明した。図6のフローチャートに示す工程と同様の工程により、体重値の基準値を設定することができる。体重値の基準値の設定のためには、もちろん、測定対象項目が生体インピ−ダンス値ではなく、体重値でなければならない。
【0177】
より詳細に説明すると、体重値の基準値の設定のためには、まず、計時手段14から時刻を読み込む。次に、記憶部16から過去の測定による体重値の測定値を、その測定がされた測定時刻とともに読み込み、現在の時刻と略同時刻の測定によって得られた測定値を抽出する。次に、この抽出された測定値の最頻値、中央値、平均値のいずれを基準値とするかを被検者に選択させる。そして、被検者が選択した値を基準値として算出し、この算出結果を基準値として記憶部16に記憶させるのである。
【0178】
このように、図6に示すフローチャートと同様の工程によって体重値の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、肥満傾向の状態にあるか否かを判定する。
【0179】
図11は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0180】
このフローチャートが実行される前提として、現時点での体重値が測定されており、その測定値が記憶部16に記憶されているものとする。
【0181】
図11に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bにより肥満傾向判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0182】
図11のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現時点での体重値(W)を、記憶部16から読み込む(ステップ1)。
【0183】
次に、記憶部16に記憶(設定)されている、体重値の基準値を記憶部16から読み込む(ステップ2)。
【0184】
次に、測定された現在の体重値(W)と基準値(Ws)とを比較する(ステップ3)。
【0185】
そして、現在の体重値(W)が基準値(Ws)よりも小さいか、もしくは等しければ、被検者に肥満傾向は認められないと判定し、表示部5に「正常」との表示がなされる(ステップ4)。
【0186】
一方、現在の体重値(W)が基準値(Ws)よりも大きければ、被検者は肥満傾向にあると判定し、表示部5に「食べ過ぎ」との表示がなされる(ステップ5)。
【0187】
図12は、図11のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図12における「測定値」とは、測定された現在の体重値(W)のことである。図12の表示状態をより詳細に説明すると、基準値が70kgであるところ、現時点の測定値が72kgであったので、現時点の測定値が基準値よりも大きいことになる。よって、判定結果として「食べ過ぎ」と表示されているのである。
【0188】
なお、図12のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0189】
図13は、肥満傾向をより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図13の表示では、肥満傾向の度合いを4段階に分類している。そして、図13では、肥満傾向が「やや多い」との判定結果が示されている。このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の種健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0190】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、肥満傾向度がどのように判定されるのかを、図11、12、13を参照しつつ説明した。
【0191】
次に他の例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、むくみの有無がどのように判定されるのかを、図14、15、16、17を参照しつつ説明する。
【0192】
前述したとおり、被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。
【0193】
図14は、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を求めるためのフローチャートである。図14のフローチャートは、過去の測定日に測定された体重値や生体インピーダンス値から日内変化率の基準値を設定する工程を示している。日内変化率とは、一日のうちのより早い時刻における測定値に対する、より遅い時刻における測定値の変化率のことである。例えば、過去の複数の日において、朝(又は起床時)と夕方(又は就寝前)とに体重値と生体インピーダンス値とが測定されているとする。そうすると、過去の各測定日毎に、朝(又は起床時)から夕方(又は就寝前)にかけて、体重値や生体インピーダンス値がどのような割合で変化したかを求めることができる。被検者にむくみが生じている場合は、朝(又は起床時)よりも夕方(又は就寝前)の方が、身体中の水分量が多くなる傾向が強くなる。身体中の水分量が多くなると、生体インピーダンス値は低くなる。よって、過去の日における生体インピーダンス値の日内変化率を基準として、これと現在日における生体インピーダンス値の日内変化率とを比較することにより、被検者にむくみが生じているか否かを判定することができるのである。例えば、過去の複数日において、朝の時間帯(又は起床時)と夕方の時間帯(又は就寝前)において、体重値と生体インピーダンス値とが測定され、これら測定値が記憶部16に記憶されているとする。すると、過去の日内変化率を複数求めることができる。この複数の日内変化率を用いて、日内変化率の基準値を設定するのである。基準値の設定の方法は、特に限定する必要はないが、例えば最頻値を基準値としてもよいし、中央値を基準値としてもよいし、平均値を基準値としてもよい。
【0194】
図14のフローチャートに示される工程を実行するためのフログラムは記憶部16に格納されており、このプログラムを中央処理部15が実行する。
【0195】
図14のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている、過去の測定による生体インピーダンス値の測定値を用いて、複数の過去の日内変化率を求める(ステップ1)。
【0196】
次に、これら複数の過去の日内変化率の最頻値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ2)。被検者は操作部6を操作することにより、最頻値を基準値とするか否かを決定する。
【0197】
被検者が最頻値を基準値とすることを決定すると、最頻値が基準値として演算される(ステップ3)。
【0198】
ステップ2において、被検者が最頻値を基準値とはしないと決定すると、次に、中央値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ4)。被検者は操作部6を操作することにより、中央値を基準値とするか否かを決定する。
【0199】
被検者が中央値を基準値とすることを決定すると、中央値が基準値として演算される(ステップ5)。
【0200】
ステップ4において、被検者が中央値を基準値とはしないと決定すると、次に、平均値を基準値とするか否かが被検者に問われる(ステップ6)。被検者は操作部6を操作することにより、平均値を基準値とするか否かを決定する。
【0201】
被検者が平均値を基準値とすることを決定すると、平均値が基準値として演算される(ステップ7)。
【0202】
そして、ステップ3、ステップ5 または ステップ7により演算された基準値が、記憶部16に記憶される(ステップ8)。
【0203】
なお、ステップ6において、被検者が平均値を基準値とはしないと決定すると、再度、記憶部16からの過去の測定値の読み込みからやり直す(ステップ1)。
【0204】
以上、図14により、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を設定する工程を示した。
【0205】
図14のフローチャートに示すような工程により、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、むくみの状態にあるか否かを判定する。
【0206】
図15は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0207】
このフローチャートが実行される前提として、現在日の生体インピーダンス値が、朝の時間帯(又は起床時)と夕方の時間帯(又は就寝前)において測定されており、これら測定値(現在日の朝の時間帯(又は起床時)の生体インピーダンス値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の生体インピーダンス値の測定値)が記憶部16に記憶されているものとする。
【0208】
図15に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bによりむくみ判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0209】
図15のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現在
日の朝の時間帯(又は起床時)の生体インピーダンス値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の生体インピーダンス値の測定値)とが、記憶部16から読み込まれ、現在日の生体インピーダンス値の日内変化率が算出される(ステップ1)。
【0210】
次に、記憶部16に記憶されている、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を記憶部16から読み出す(ステップ2)。
【0211】
次に、現在日の生体インピーダンス値の日内変化率と基準値とを比較する(ステップ3)。
【0212】
そして、現在日の日内変化率が基準値よりも大きいか、もしくは等しければ、被検者にむくみは認められないと判定し、表示部5に「正常」との表示がなされる(ステップ4)。
【0213】
一方、現在日の日内変化率が基準値よりも小さければ、被検者はむくみ状態にあると判定し、表示部5に「むくみぎみ」との表示がなされる(ステップ5)。
【0214】
図16は、図15のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図16における「測定値」とは、測定された現在日の生体インピーダンス値の変化率のことである。図16の表示状態をより詳細に説明する。例えば、起床時に右脚のインピーダンス値が測定され、その日の夕方に再度右脚のインピーダンス値が測定されたとする。起床時の測定値が227オームで、夕方の測定値が208オームであったとする。するとその日の日内変化率(夕方のインピーダンス値÷起床時のインピーダンス値)は、91.6%となる。基準値が95%であるので、その日の日内変化率が基準値よりも低いことになり、むくみが生じていると判定され、判定結果として「むくみぎみ」と表示されている。
【0215】
なお、仮に、起床時の測定値が236オームで、夕方の測定値が233オームであったとすれば、その日の日内変化率(夕方のインピーダンス値÷起床時インピーダンス値)は、98.7%である。基準値が95%であるから、その日の日内変化率が基準値よりも高いことになり、むくみが生じていないと判定され、判定結果としては「正常」と表示される。
【0216】
なお、図16のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0217】
図17は、むくみの度合いをより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図17の表示では、むくみの度合いを4段階に分類している。そして、図17では、むくみ度が「やや多い」との判定結果が示されている。
【0218】
このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の種健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0219】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、むくみの有無がどのように判定されるのかを、図14、15、16、17を参照しつつ説明した。
【0220】
なお、むくみの度合いと疲労度とは、密接に関係するので、図15のフローチャートと同様のフローチャート、又は、図15のフローチャートと類似のフローチャートによって、疲労度を判定するようにしてもよい。
【0221】
次に他の例として、被検者の健康状態判定項目の一つであるである、減量傾向度がどのように判定されるのかを、図18、19、20を参照しつつ説明する。
【0222】
前述したとおり、被検者の健康状態を判定するには、過去に測定された体重値や生体インピーダンス値に基づいて基準値を設定する必要がある。ここでの減量傾向度の判定においては、過去に測定された体重値に基づいて基準値を設定する。
【0223】
図14のフローチャートを参照しつつ、過去に測定された生体インピーダンス値に基づいて、生体インピーダンス値の日内変化率の基準値を設定するための工程を説明した。図14のフローチャートに示す工程と同様の工程により、体重値の日内変化率の基準値を設定することができる。体重値の日内変化率の基準値の設定のためには、もちろん、測定対象項目が生体インピ−ダンス値ではなく、体重値でなければならない。
【0224】
より詳細に説明すると、体重値の日内変化率の基準値を設定するには、まず、記憶部16から、過去の測定による体重値の測定値を読み込み、読み込んだ測定値から、複数の過去の日内変化率を求める。次に、このようにして求めた複数の過去の日内変化率の最頻値、中央値、平均値のいずれを基準値とするかを被検者に選択させる。そして、被検者が選択した値を基準値として算出し、この算出結果を基準値として記憶部16に記憶させるのである。
【0225】
このように、図14に示すフローチャートと同様の工程によって体重値の日内変化率の基準値が設定されると、次に、この基準値を利用して、被検者が現在、減量傾向の状態にあるか否かを判定する。
【0226】
図18は、この判定のための工程の一例を示すフローチャートである。
【0227】
このフローチャートが実行される前提として、現在日の体重値が、朝の時間帯(又は起床時)と夕方の時間帯(又は就寝前)において測定されており、これら測定値(現在日の朝の時間帯(又は起床時)の体重値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の体重値の測定値)が記憶部16に記憶されているものとする。
【0228】
図18に示すフローチャートの工程は、モード切替キー6bにより減量傾向度判定モードを選択した上で、判定キー6eを押すことで開始される。
【0229】
図18のフローチャートに従って説明すると、まず、記憶部16に記憶されている現在日の朝の時間帯(又は起床時)の体重値の測定値と、現在日の夕方の時間帯(又は就寝前)の体重値の測定値とが、記憶部16から読み込まれ、現在日の体重値の日内変化率が算出される(ステップ1)。
【0230】
次に、記憶部16に記憶(設定)されている、体重値の日内変化率の基準値を記憶部16から読み出す(ステップ2)。
【0231】
次に、算出された現在日の体重値の日内変化率(ΔW)と基準値(ΔWs)とを比較する(ステップ3)。
【0232】
そして、現在日の体重値の日内変化率(ΔW)が基準値(ΔWs)よりも大きいか、もしくは等しければ、被検者に減量傾向は認められないと判定し、表示部5に「変化なし」との表示がなされる(ステップ4)。
【0233】
一方、現在日の体重値の日内変化率(ΔW)が基準値(ΔWs)よりも小さければ、被検者は減量傾向にあると判定し、表示部5に「減量ぎみ」との表示がなされる(ステップ5)。
【0234】
図19は、図18のステップ5に対応した、表示部5の表示状態を示す図である。図19における「測定値」とは、現在日の体重値の日内変化率(ΔW)のことである。図19の表示状態をさらに詳細に説明すると、基準値が70%であり、現在日の体重値の日内変化率(ΔW=就寝前の体重値÷起床時の体重値)が69%であり、その結果「減量ぎみ」との判定結果が表示されているのである。
【0235】
なお、図19のような表示よりもさらに詳細に判定結果を表示するようにしてもよい。
【0236】
図20は、減量傾向をより詳細に判定したときの、表示器5の表示状態を示す図である。図20の表示では、減量傾向の度合いを4段階に分類している。そして、図20では、減量傾向が「やや多い」との判定結果が示されている。このように判定結果のランクをより詳細に分類すると、被検者の種健康状態を、より詳細に判定することができ、より適正な健康管理を行うことができる。
【0237】
以上、被検者の健康状態の一つであるである、減量傾向度がどのように判定されるのかを、図18、19、20を参照しつつ説明した。
【0238】
以上、被検者の生体インピーダンス値 及び/又は 体重値の測定値に基づいて、被検者の健康状態(脱水状態、飲み過ぎ度、肥満傾向(食べ過ぎ度)、むくみ、疲労度、減量傾向度など)を判定する判定装置 及び 判定プログラムの例を説明した。
【0239】
しかし、健康状態をより的確に判定するために、被検者の生体インピーダンス値や体重値のみならず、被検者の身体特定情報をも、健康状態判定の基礎として用いてもよい。身体特定情報とは、例えば、被検者の性別、身長、年令など、被検者の個人的な身体に関する情報である。この身体特定情報を健康状態判定の基礎とすることにより、被検者の健康状態をより的確に判定することが期待できる。
【0240】
身体特定情報を被検者の健康状態判定の基礎とするためには、例えば、健康状態判定装置の操作部6を、身体特定情報を入力するための入力手段として利用すればよい。
【0241】
以上、本願発明の実施例を図面を参照しつつ説明した。
【産業上の利用可能性】
【0242】
本願の健康状態判定装置および健康状態判定用プログラムによれば、現在の被検者の健康状態をより適正に判定できるので、健康管理装置の技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0243】
1 健康状態判定装置
2 本体部
3 信号ケーブル
4 体重測定部
5 表示部
6 操作部
7a 左突出部
7b 右突出部
8 インピーダンス測定回路
9 測定面
10 ロードセル
12 I/Oポート
13 演算処理部
14 計時手段
15 中央処理部
16 記憶部
E1〜E8 電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段と、
記憶手段と、
基準値設定手段と、
判定手段と、
表示手段とを備え、
該記憶手段は、該測定手段により測定された測定値を測定日時と共に記憶し、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該表示手段は、該判定手段による該判定の結果を表示する、健康状態判定装置。
【請求項2】
該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項3】
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項2記載の健康状態判定装置。
【請求項4】
該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができ、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項5】
該表示手段は、脱水度または飲み過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項2乃至4のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項6】
該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値である、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項7】
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項6記載の健康状態判定装置。
【請求項8】
該表示手段は、肥満傾向度または食べ過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項6又は7記載の健康状態判定装置。
【請求項9】
該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定される、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項10】
該基準値設定手段により求められる、インピーダンス値の日内の変化指標値が、インピーダンス値の日内の変化率であり、
現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率である、請求項9記載の健康状態判定装置。
【請求項11】
該基準値設定手段は、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項9又は10記載の健康状態判定装置。
【請求項12】
該表示手段は、むくみ度または疲労度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項9乃至11のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項13】
該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値の日内の変化指標値に基づいて設定される、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項14】
該基準値設定手段により求められる、体重値の日内の変化指標値が、体重値の日内の変化率であり、
現在日の体重値の日内の変化指標値が、現在日の体重値の日内の変化率である、請求項13記載の健康状態判定装置。
【請求項15】
該基準値設定手段は、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項13又は14記載の健康状態判定装置。
【請求項16】
該表示手段は、減量傾向度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項13乃
至15のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項17】
被検者の身体特定情報を入力するための入力手段をさらに備え、
該判定手段は、該入力手段により入力された前記身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定する、請求項1乃至16のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項18】
被検者の現在の健康状態の判定演算を、演算手段としてのコンピュータに実行させるための健康状態判定用プログラムであって、
記憶手段に記憶された過去の複数の測定値を読み込む読込工程と、
読み込んだ該複数の測定値に基づいて基準値を設定する基準値設定工程と、
該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定する判定工程とを備え、
該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段によって過去に測定された測定値であり、かつ、該測定手段による測定の日時と共に記憶されており、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される値である、健康状態判定用プログラム。
【請求項19】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項20】
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項19記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項21】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値 及び 体重値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項22】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項23】
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による
複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項22記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項24】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定される値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項25】
該基準値設定工程では、インピーダンス値の日内の変化率を、インピーダンス値の日内の変化指標値として求め、
現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率である、請求項24記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項26】
該基準値設定工程では、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項24又は25記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項27】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値の日内の変化指標値に基づいて設定される値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項28】
該基準値設定工程では、体重値の日内の変化率を、体重値の日内の変化指標値として求め、
現在日の体重値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日の体重値の日内の変化率である、請求項27記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項29】
該基準値設定工程では、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項27又は28記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項30】
被検者の身体特定情報を入力するための入力手段に入力された前記身体特定情報を読み込む身体特定情報読込工程をさらに備え、
該判定工程では、該身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定する、請求項18乃至29のいずれか一の項に記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項1】
被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段と、
記憶手段と、
基準値設定手段と、
判定手段と、
表示手段とを備え、
該記憶手段は、該測定手段により測定された測定値を測定日時と共に記憶し、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該表示手段は、該判定手段による該判定の結果を表示する、健康状態判定装置。
【請求項2】
該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項3】
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項2記載の健康状態判定装置。
【請求項4】
該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができ、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項5】
該表示手段は、脱水度または飲み過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項2乃至4のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項6】
該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、
該基準値設定手段は、過去に該測定手段により測定されて該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値である、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項7】
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項6記載の健康状態判定装置。
【請求項8】
該表示手段は、肥満傾向度または食べ過ぎ度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項6又は7記載の健康状態判定装置。
【請求項9】
該測定手段は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができ、
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定される、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項10】
該基準値設定手段により求められる、インピーダンス値の日内の変化指標値が、インピーダンス値の日内の変化率であり、
現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率である、請求項9記載の健康状態判定装置。
【請求項11】
該基準値設定手段は、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項9又は10記載の健康状態判定装置。
【請求項12】
該表示手段は、むくみ度または疲労度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項9乃至11のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項13】
該測定手段は、被検者の体重値を測定することができ、
該基準値設定手段は、該記憶手段に記憶された過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該判定手段は、該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定し、
該現在値は、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値の日内の変化指標値に基づいて設定される、請求項1記載の健康状態判定装置。
【請求項14】
該基準値設定手段により求められる、体重値の日内の変化指標値が、体重値の日内の変化率であり、
現在日の体重値の日内の変化指標値が、現在日の体重値の日内の変化率である、請求項13記載の健康状態判定装置。
【請求項15】
該基準値設定手段は、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項13又は14記載の健康状態判定装置。
【請求項16】
該表示手段は、減量傾向度を、該判定手段の判定の結果として表示する、請求項13乃
至15のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項17】
被検者の身体特定情報を入力するための入力手段をさらに備え、
該判定手段は、該入力手段により入力された前記身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定する、請求項1乃至16のいずれか一の項に記載の健康状態判定装置。
【請求項18】
被検者の現在の健康状態の判定演算を、演算手段としてのコンピュータに実行させるための健康状態判定用プログラムであって、
記憶手段に記憶された過去の複数の測定値を読み込む読込工程と、
読み込んだ該複数の測定値に基づいて基準値を設定する基準値設定工程と、
該基準値と現在値とを比較することにより、被検者の現在の健康状態を判定する判定工程とを備え、
該記憶手段に記憶された過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 又は/及び 体重値を測定するための測定手段によって過去に測定された測定値であり、かつ、該測定手段による測定の日時と共に記憶されており、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点の、または、現在日のインピーダンス値 又は/及び 体重値に基づいて設定される値である、健康状態判定用プログラム。
【請求項19】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項20】
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項19記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項21】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値 及び 体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値 及び 体重値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの最頻値が測定されたときに測定されたインピーダンス値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点のインピーダンス値の測定値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項22】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された測定値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段により測定された現時点の体重値の測定値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項23】
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による
複数の測定値うちの、現時点の時刻と略同時刻に測定された複数の測定値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項22記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項24】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の身体のインピ−ダンス値を測定することができる測定手段によって過去に測定されたインピーダンス値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回のインピ−ダンス値の測定による測定値から、一日の内に複数回のインピーダンス値の測定が行われた過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値を求め、該インピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回のインピーダンス値の測定によって得られる、現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値に基づいて設定される値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項25】
該基準値設定工程では、インピーダンス値の日内の変化率を、インピーダンス値の日内の変化指標値として求め、
現在日のインピーダンス値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日のインピーダンス値の日内の変化率である、請求項24記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項26】
該基準値設定工程では、過去の複数日におけるインピーダンス値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項24又は25記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項27】
該読込工程において読み込んだ過去の複数の測定値は、被検者の体重値を測定することができる測定手段によって過去に測定された体重値の測定値であり、
該基準値設定工程では、該読込工程で読み込んだ、過去の複数回の体重値の測定による測定値から、一日の内に複数回の体重値の測定が行われた過去の複数日における体重値の日内の変化指標値を求め、該体重値の日内の変化指標値に基づいて基準値を設定し、
該現在値は、該測定手段による、現在日の内の複数回の体重値の測定によって得られる、現在日の体重値の日内の変化指標値に基づいて設定される値である、請求項18記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項28】
該基準値設定工程では、体重値の日内の変化率を、体重値の日内の変化指標値として求め、
現在日の体重値の日内の変化指標値として得られる値が、現在日の体重値の日内の変化率である、請求項27記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項29】
該基準値設定工程では、過去の複数日における体重値の日内の変化指標値の最頻値、中央値または平均値のいづれかを基準値として設定する、請求項27又は28記載の健康状態判定用プログラム。
【請求項30】
被検者の身体特定情報を入力するための入力手段に入力された前記身体特定情報を読み込む身体特定情報読込工程をさらに備え、
該判定工程では、該身体特定情報に基づいて被検者の現在の健康状態を判定する、請求項18乃至29のいずれか一の項に記載の健康状態判定用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−148971(P2010−148971A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86259(P2010−86259)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【分割の表示】特願2004−28547(P2004−28547)の分割
【原出願日】平成16年2月4日(2004.2.4)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【分割の表示】特願2004−28547(P2004−28547)の分割
【原出願日】平成16年2月4日(2004.2.4)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】
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