説明

側部駆動型ピンラッチ

【解決手段】 ピンラッチ(10)は長手方向軸線を有する取付ブロック(12)と、取付ブロック(12)の中にスライド可能に保持されたピン(14)と、取付ブロック(12)の中にスライド可能に保持されたスライディングプレート(16)とを含んでいる。プレート(16)は、スロット(84)を有し、長手方向軸線B−Bが、取付ブロック(12)の長手方向軸線と直交する方向に、前記スロットの第1及び第2端部(78)(80)から延びている。ピボットピン(74)はプレート(18)のスロット(84)に当接し、プレート(16)が長手方向軸線B−Bに沿って移動すると、ピン(12)は取付ブロック(12)の長手方向軸線の方向に移動する。複数のピンラッチ(10)は、リンクL1−L4により、並んだ状態又はコーナ部の周りに直列に接続される。アクチュエータ(290)から延びる1つのリンクがプレート(16)の1つに接続されるので、アクチュエータ(290)はピンラッチ(10)のピン(14)を同時に作動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の記載>
この出願は、2010年2月9日に出願した米国仮特許出願第61/337,615号、発明の名称「側部駆動型ピンラッチ」に関するもので、その全体が引用を以て本明細書に組み込まれるものとする。
<発明の技術分野>
本発明は、ピンラッチに関し、より具体的には、側部駆動型(side-driven action)のピンラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の乗客用キャビン等の空間に通じるアクセスドアには、複数のピンラッチが用いられている。マルチプルピンラッチは、これらのドアを、特にストレスの多い環境下でロック位置に固定しなければならない。ドアは速やかにロック解除される必要があるため、
マルチプルピンラッチに用いられるピンは、ドアの中の中央に配置されたピンラッチアクチュエータに接続された外部ハンドルが回転すると、同時に、ドアフレームから引き込まれなければならない。
【発明の概要】
【0003】
一実施例において、ピンラッチは、取付ブロックを含んでおり、該取付ブロックは、上面と、該上面とは反対側の下面と、前端部と、該前端部とは反対側の後端部と、第1側部と、該第1側部とは反対側の第2側部とを有するベースを含み、その長手方向軸線は、ベースの前端部から後端部に延びている。一実施例において、ピンラッチは、取付ブロックの中に摺動可能に保持されるピンを含んでおり、該ピンは、取付ブロックのベースの前端部の近傍位置にある第1端部と、該第1端部とは反対側にあって、取付ブロックのベースの後端部の近傍位置にある第2端部と、該第2端部の近傍位置にあるピボットピンとを含んでおり、ピンは、取付ブロックの長軸線と略同じ方向に延びている。一実施例において、ピンラッチは、取付ブロックの中にスライド可能に保持されたスライディングプレートを含んでおり、該スライディングプレートは、第1端部と、第1端部の反対側にある第2端部と、スロットとを含み、長軸線が、取付ブロックの長軸線と直交して、第1端部から第2端部まで延びている。
【0004】
一実施例において、ピンのピボットピンは、スライディングプレートのスロットに当接し、スライディングプレートがその長軸線に沿って移動すると、ピンは、取付ブロックの長軸線の方向に移動する。一実施例において、ピンは、第1端部が取付ブロックの中に引き込まれた位置にある後退位置と、第1端部が取付ブロックから外方向に延在した位置にある延出位置との間で移動可能である。
【0005】
一実施例において、複数のピンラッチは、リンク(例えば、ロッド)により、並べられた状態(side-by-side)及び/又はコーナ部の周りで鎖状に繋いだ状態(daisy-chain)で互いに直列接続される。ピンラッチは側部駆動型であるため、一実施例において、リンクは、ピンラッチの隣接するプレートを相互接続する。一実施例において、ピンラッチアクチュエータから延びる1つのリンクがプレートの1つに接続されているので、アクチュエータは、全てのピンラッチのピンを同時に作動(後退又は延出)させることができる。一実施例において、4つよりも多くのピンラッチをアクチュエータにより同時に作動させることができる。一実施例において、アクチュエータはピンラッチの中央部に位置していなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のより完全な理解のために、例示的実施例について、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0007】
【図1】本発明の一実施例に基づいて作られた側部駆動型ピンラッチの上面斜視図であり、ピンラッチに用いられる取付ブロックは明瞭化のために透視されている。
【0008】
【図2】図1に示されるピンラッチの上面斜視図であり、ピンラッチに用いられるプレートが取付ブロックの第1側部から延出し、ピンラッチに用いられるピンが取付ブロックの中に後退している状態を示している。
【0009】
【図3】図1に示されるピンラッチの上面斜視図であり、プレートが取付ブロックの第2側部から延出し、ピンが取付ブロックから延出した状態を示している。
【0010】
【図4】本発明の側部駆動型ピンラッチの他の実施例の上面斜視図である。
【0011】
【図5】図1及び図4に示されたピンラッチがリンク・チェーンによって接続されたピンラッチアクチュエータを含むピンラッチシステムの上面斜視図である。
【0012】
【図6】図5に示されるピンラッチシステムの上面斜視図であって、ピンラッチのピンが後退位置にあるときの状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図3は、本発明の一実施例に基づいて作製された側部駆動型(side-driven action)ピンラッチ(10)を示している。一実施例において、ピンラッチ(10)は、取付ブロック(12)と、該取付ブロック(12)内で摺動可能に保持されたピン(14)と、前記取付ブロック(12)内で摺動可能に保持されたスライディングプレート(16)とを含んでいる。一実施例において、取付ブロック(12)は、上面(20)及び下面(22)を有するベース(18)を含んでいる。一実施例において、ベース(18)の上面からペデスタル部(pedestal)(24)が外方向に突出し、ベース(18)の下面から複数の脚(26)が外向きに突出している。一実施例において、複数の脚(26)の各々には、例えばドア、アクセスパネル、又は他のあらゆる適当な外部表面又は構造体(図示せず)に取付ブロック(12)を取り付けるための取付ボルト又は他の適当な締結具(図示せず)を収容する孔(28)が配置されている。一実施例において、ベース(18)は、前端部(30)及び後端部(32)と、第1側部(34)及び第2側部(36)とをさらに含んでいる。一実施例において、取付ブロック(12)は、アルミニウムから作られることができる。他の実施例において、取付ブロック(12)は、当該分野で公知の他の適当な材料から作られることができる。
【0014】
図1乃至図3をさらに参照すると、一実施例において、取付ブロック(12)のペデスタル部(24)は、ベース(18)の後端部(32)の近傍に位置するあご部(38)と、ベース(18)の前端部の近傍に位置するハブ(40)とを含んでいる。一実施例において、あご部(38)は、平らな片持ち型プレート(cantilevered-plate)(42)と、ベース(18)の上面(20)よりも高い位置にある平らな段部(44)とを含んでいる。一実施例において、片持ち型プレート(42)の平面は、段部(44)の平面と平行であり、これによって、U字状のマウス部(46)が形成される。一実施例において、ベース(18)の後端部(32)に隣接するマウス部(46)は一部が開口しており、同様に、ベース(18)の第1側部(34)及び第2側部(36)に隣接するマウス部(46)の両側部も開口している。一実施例において、複数の孔(48)が片持ち型プレート(42)の中に形成され、孔(48)の軸線は、片持ち型プレート(42)の平面と垂直な方向である。一実施例において、複数の孔(50)が段部(44)の中に形成され、孔(50)の軸線は、段部(44)の平面と垂直な方向である。一実施例において、片持ち型プレート(42)の孔(48)の軸線の各々は、段部(44)の孔(50)の軸線の1つと一致している(即ち、対向する孔(48)(50)の対応する各孔は同一線上にある)。
一実施例において、ピボットピン(52)が、同一直線上にある孔(48)(50)の中に固定して取り付けられる。幾つかの実施例において、ピボットピン(52)は、リベット留め、プレス嵌合、接着、溶接、その他当該分野で公知の適当な手段により、孔(48)(50)の中で固定される。一実施例において、ローラ(54)が、ピボットピン(52)に配置され、該ローラ(54)は、後記する目的のために、ピボットピン(52)の周りで回転自由な大きさ及び形状に作られる。一実施例において、ピボットピン(52)とローラ(54)は、当該分野で公知の他の適当な材料から作ることができる。
【0015】
図1乃至図3をさらに参照すると、一実施例において、ハブ(40)は、長手方向軸線A−Aを有し、取付ブロック(12)の長手方向軸線と同じ方向に延びるボア(58)を含んでいる。片持ち型プレート(42)及び段部(44)には夫々、半円形凹部(60)(62)が形成され、これら凹部の長手方向軸線は、ボア(58)の長手方向軸線A−Aに一致しており、ボア(58)の対応する半円形部と同じ大きさ及び形状である。一実施例において、ハブ(40)のボア(58)には、ブッシング(64)が配備され、プレス嵌合又は当該分野で公知の他の適当な手段(例えば、接着又は溶接)により固定されている。幾つかの実施例において、ブッシング(64)は、黄銅、青銅又は当該分野で公知の他の適当な材料から作られる。一実施例において、ピンラッチ(10)はブッシング(64)を含む必要はない。
【0016】
図1乃至図3をさらに参照すると、一実施例において、取付ブロック(12)には、ピン(14)とプレート(16)が格納される。一実施例において、ピン(14)は、ベース(18)の前端部(30)の近傍位置にある第1端部(66)と、ベース(18)の後端部(32)の近傍位置にある第2端部(68)とを含んでいる。一実施例において、ピン(14)は、その軸線がボア(58)の軸線A−Aと一致するように、ボア(58)のブッシング(64)の中に配置される。一実施例において、ピン(14)は、ブッシング(64)内の軸線A−Aに沿って自由にスライドできる大きさ及び形状である。一実施例において、ブッシング(64)は、ピン(14)が取付ブロック(12)のボア(58)内を直接スライドしたときに生じる金属摩擦摩耗を減少させる。一実施例において、ピン(14)の第2端部には、溝(70)が、ピン(14)の中に軸方向に形成される。一実施例において、ピン(14)の第2端部(68)の近傍位置に、一対の孔(72)が同一直線上に形成され、孔(72)はピン(14)を横断する。一実施例において、孔(72)の中には、ピボットピン(74)が収容される。一実施例において、ピボットピン(74)は、リベット留め、プレス嵌合、接着、溶接、その他当該分野で公知の適当な手段により、孔(72)の中で固定される。一実施例において、ピボットピン(74)にローラ(76)が配置され、該ローラ(76)は、溝(70)の中に嵌まる大きさ及び形状であり、ピボットピン(74)の周りで回転自由である。一実施例において、ピボットピン(74)、プレート(16)及びローラ(76)は、ステンレス鋼から作られる。他の実施例において、ピボットピン(74)、プレート(16)及びローラ(76)は、他の適当な材料から作られる。一実施例において、片持ち型プレート(42)及び段部(44)の凹状の半円形部(60)(62)の前述した位置、大きさ及び形状は、ピン(14)がボア(58)の長手方向軸線A−A方向を移動する間、ピン(14)と、片持ち型プレート(42)及び段部(44)との間で金属接触が生じないようにしている。
【0017】
図1乃至図3をさらに参照すると、一実施例において、プレート(16)は、第1端部(78)と第2端部(80)を含んでいる。一実施例において、プレート(16)の第1端部(78)及び第2端部(80)には、リンクをプレート(16)に締結するための孔(82)が形成され、これについては後でより詳しく説明する(図5及び図6を参照)。他の実施例において、必ずしも孔(82)を含む必要はなく、プレート(16)の第1端部(78)及び第2端部(80)は、リンクに取り付けるための他の取付手段を含むこともできる。一実施例において、プレート(16)は、チャンネル(86)を有するスロット(84)を含んでいる。一実施例において、チャンネル(86)は、プレート(16)の長手方向軸線B−B及びボア(58)の長手方向軸線A−A、即ちピン(14)の長軸に対して斜めに形成されている。一実施例において、ピン(14)の溝(70)はプレート(16)の一部を収容できる大きさ及び形状である。一実施例において、プレート(16)の厚さは、[a] ピン(14)のローラ(76)の高さよりも小さく、かつ、[b] ピン(14)の溝(70)の幅よりも小さく、これによって、ローラ(76)は、プレート(16)のスロット(84)の中に入ることができる。一実施例において、ピン(16)のスライド移動は、あご部(38)のマウス部(46)に配置されたローラ(54)によって促進され、プレート(16)は、ボア(58)の長手方向軸線A−Aと直交する向きにある長手方向軸線B−Bに沿ってスライドする。
【0018】
一実施例において、ピン(14)のローラ(76)はプレート(16)のスロット(84)に拘束されてスロット(84)の中で転動するので、プレート(16)が長軸線B−Bに沿う方向にスライド移動すると、ローラ(76)とピン(14)は、ボア(58)の長軸線A−Aの方向に移動する。図3を参照すると、一実施例において、プレート(16)の第1端部(78)がベース(18)の第1側部(34)の方へ距離D1を移動すると、ピン(14)は、ベース(18)の前側部(30)から離れる方向に距離D2を移動する。即ち、ピン(14)は取付ブロック(12)のボア(58)の外側へ突出する(即ち、延出する)。
【0019】
図4は、本発明の他の実施例を示している。図4に示される要素について、図1乃至図3に示された実施例に関して記載した要素と同一又は実質的に同じ要素は、同じ引用番号に100を加えた番号を付している。特に記載しない限り、図4に示された実施例は、図1乃至図3に示された実施例と同じ要領で構築され、組み立てられる。
【0020】
図4を参照すると、一実施例において、側部駆動型ピンラッチ(110)は、取付ブロック(112)を含んでおり、該取付ブロックの中にピン(114)とスライディングプレート(116)がスライド可能に保持される。一実施例において、プレート(116)は、第1端部(178)及び第2端部(180)と、第1端部(178)及び第2端部(180)に形成されてリンクを締結するための孔(182)を含んでおり、これについては後で詳しく説明する(図5及び図6参照)。一実施例において、プレート(116)は、チャンネル(186)を有するスロット(184)を含み、前記チャンネル(186)は、プレート(116)の長軸に対して斜めに形成されている。一実施例において、プレート(116)の第1端部(178)が取付ブロック(112)の方へ移動すると、ピン(114)は取付ブロック(112)の方向に移動する。即ち、ピン(114)は取付ブロック(112)の中に引き込まれる。
【0021】
一実施例において、図5は、ピンラッチシステム(210)を示しており、該システムは、3つのピンラッチ(10)がチェーンC1を構成し、3つのピンラッチ(110)がチェーンC2を構成する。ピンラッチ(10)(110)のピン(14)(114)の位置は全て延出した状態が示されている。一実施例において、システム(210)は、ピンラッチアクチュエータ(290)と該ピンラッチアクチュエータに取り付けられたハンドル(292)を含んでおり、ピンラッチアクチュエータ(290)からリンクL1とL3が反対方向に延びている。一実施例において、3つのピンラッチ(10)が位置1、位置2及び位置3に配置され、位置1と位置2の間には、可動アームA1、A2を有するベルクランク(294)が配置される。一実施例において、チェーンC1の要素は、次の要領にて連続的に連結されている。[a] リンクL1の一端部は、位置1にあるピンラッチ(10)のプレート(16)の第1端部(78)に回動可能に接続され、[b] 位置1にあるピンラッチ(10)のプレート(16)の第2端部(80)は、位置1と位置2の間にあるベルクランク(294)のアームA1の一端部に回動可能に接続され、[c] アームA2の一端部は、位置2にあるピンラッチ(10)のプレート(16)の第1端部(78)に回動可能に接続され、[d] リンクL2の一端部は、位置2にあるピンラッチ(10)のプレート(16)の第2端部(80)に回動可能に接続され、リンクL2の反対側端部は、位置3にあるピンラッチ(10)のプレート(16)の第1端部(78)に回動可能に接続されている。
【0022】
一実施例において、図5をさらに参照すると、チェーンC2は、位置4、位置5及び位置6に3つのピンラッチ(110)が配列され、位置4及び位置5の間にある可動アームA3及びA4を有するベルクランク(296)を含んでいる。一実施例において、チェーンC2の要素は、次の要領にて連続的に連結されている。[a] リンクL3の一端部は、位置4にあるピンラッチ(110)のプレート(116)の第2端部(180)に回動可能に接続され、[b] 位置4にあるピンラッチ(110)のプレート(116)の第1端部(178)は、位置4と位置5の間にあるベルクランク(296)のアームA3の一端部に回動可能に接続され、[c] アームA4の一端部は、位置5にあるピンラッチ(110)のプレート(116)の第2端部(180)に回動可能に接続され、[d] リンクL4の一端部は、位置5にあるピンラッチ(110)のプレート(116)の第1端部(178)に回動可能に接続され、リンクL4の反対側端部は、位置6にあるピンラッチ(110)のプレート(116)の第2端部(180)に回動可能に接続されている。
【0023】
図5及び図6を参照すると、一実施例において、使用者がハンドルを、図5に示される位置から、矢印Hの方向に向けて、図6に示される位置まで回転させると、ピンラッチアクチュエータ(290)はリンクL1、L3を後退させる。一実施例において、チェーンC1、C2は次に、リンクL1、L3の移動を、ピンラッチ(10)(110)の側部駆動型のプレート(16)(116)に伝達する。一実施例において、プレート(16)(116)の側部駆動作用により、システム(210)のピン(14)(114)が全て後退する。
【0024】
一実施例において、ピンラッチ(10)(110)は側部駆動型(side-driven action)であるため、ピンラッチ(10)(110)の隣接プレート(16)(116)は、連続的に又はチェーン列に相互接続される。このようにして、一実施例において、5以上のピンラッチ(10)(及び/又はピンラッチ(110))が、ピンラッチアクチュエータによって同時に作動されることになる。また、一実施例において、ピンラッチアクチュエータ(290)は、ピンラッチ(10)(110)の中央位置にある必要はない。一又は2以上の他の実施例において、システム(210)には、4又は3以下のピンラッチ(10)(及び/又はピンラッチ(110))を使用し、作動させることができる。
【0025】
本発明は、多くの変形又は変更が可能であることは留意されるべきである。例えば、一実施例において、システム(210)は、ピンラッチ(10)(110)について、他の多くの変更、組合せ、個数及び/又は形態が可能である。一実施例において、リンクL1−L4は、システム(210)内でのピンラッチ(10)(110)の位置決めを容易にするためにターンバックルを含むこともできる。また、コーナ部で屈曲するリンクL1−L4を用いることにより(例えば、適当サイズのスロットルケーブルリンクを用いることにより)、ベルクランク(294)(296)のシステム(210)での使用を省略することができる。一実施例において、ピンラッチ(10)(110)は、例えば、航空機の機体、エンジン室等のドア及びアクセスパネルに用いられることができる。他の実施例において、ピンラッチ(10)(110)は、他の適当な環境及び他の構造体に用いることができる。
【0026】
ここに記載した実施例は単なる例示であって、当該分野の専門家であれば発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更及び変形をなし得るであろう。そのような変更及び変形は全て特許請求の範囲に規定された発明の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び該上面とは反対側の下面と、前端部及び該前端部とは反対側の後端部と、第1側部及び該第1側部とは反対側の第2側部とを有するベースを含み、長手方向軸線がベースの前端部から後端部に延びる取付ブロックと、
取付ブロックの中にスライド可能に保持され、取付ブロックのベースの前端部の近傍位置にある第1端部と、該第1端部とは反対側にあって、取付ブロックのベースの後端部の近傍位置にある第2端部と、該第2端部の近傍位置にあるピボットピンとを含み、取付ブロックの長手方向軸線と略同じ方向に延びるピンと、
取付ブロックの中にスライド可能に保持され、第1端部と、第1端部の反対側にある第2端部と、スロットとを含み、長手方向軸線が、取付ブロックの長手方向軸線と直交し、前記第1端部から前記第2端部まで延びるスライディングプレートと、を含んでおり、
ピンのピボットピンは、スライディングプレートのスロットに当接し、スライディングプレートがその長手方向軸線に沿って移動すると、ピンは、取付ブロックの長手方向軸線の方向に移動するように構成され、ピンは、該ピンの第1端部が取付ブロックの中に引き込まれた位置にある後退位置と、該ピンの第1端部が取付ブロックから外方向に延在した位置にある延出位置との間で移動可能である、ピンラッチ。
【請求項2】
スライディングピンの第1端部が取付ブロックの方へ移動すると、ピンは延出位置へ移動する請求項1のピンラッチ。
【請求項3】
スライディングピンの第1端部が取付ブロックの方へ移動すると、ピンは後退位置へ移動する請求項1のピンラッチ。
【請求項4】
スライディングピンラッチのスロットは、取付ブロックの長手方向軸線及びスライディングプレートの長手方向軸線に対して斜めの向きにあるチャンネルを含んでいる請求項1のピンラッチ。
【請求項5】
取付ブロックは、ベースの上面から外方向に突出するペデスタル部を含んでおり、該ペデスタル部は、ベースの後端部の近傍に位置するあご部を含み、該あご部は、片持ち型プレートと、ベースの上面よりも高い位置にある平らな段部とを含んでおり、片持ち型プレートと段部は、スライディングプレートをスライド可能に収容できる大きさ及び形状のマウス部を形成する請求項4のピンラッチ。
【請求項6】
片持ち型プレートは第1の複数の孔を含み、段部は第2の複数の孔を含み、片持ち型プレートの第1の複数の孔は各々が、段部の第2の複数の孔の対応する孔と同一直線上に整列され、整列された第1及び第2の複数の孔の各対の孔にピボットピンが収容される請求項5のピンラッチ。
【請求項7】
ピボットピンの各々は、スライディングプレートの移動を容易にするためのローラが取り付けられている請求項6のピンラッチ。
【請求項8】
ペデスタル部は、取付ブロックのベースの前端部の近傍位置にハブを含んでおり、該ハブは、ピンをスライド可能に収容できる大きさ及び形状のボアを含んでいる請求項7のピンラッチ。
【請求項9】
ペデスタル部のハブのボアの長手方向軸線は、取付ブロックの長手方向軸線と略同じ方向である請求項8のピンラッチ。
【請求項10】
ハブはボアの中に配置されたブッシングを含み、ピンはブッシングの中にスライド可能に収容される請求項9のピンラッチ。
【請求項11】
ピンは、該ピンの第2の端部の中に軸方向に形成された溝を含んでおり、該溝はスライディングプレートを収容できる大きさ及び形状である請求項9のピンラッチ。
【請求項12】
ピンは、該ピンのの第2端部の近傍にて、一対の孔が、ピンを横断するように同一直線上に形成され、前記一対の孔は、ピンのピボットピンを収容できる大きさ及び形状である請求項11のピンラッチ。
【請求項13】
ピンのピボットピンはローラを含んでいる請求項12のピンラッチ。
【請求項14】
取付ブロックは、ベースの下面から突出する複数の脚を含んでおり、複数の脚の各々は、ピンラッチを構造体に取り付けるための締結具を収容できる孔を含んでいる請求項13のピンラッチ。
【請求項15】
スライディングプレートの第1端部及び第2端部は、リンクに接続することができる請求項1のピンラッチ。
【請求項16】
複数のピンラッチの組合せであって、各ピンラッチは、
上面及び該上面とは反対側の下面と、前端部及び該前端部とは反対側の後端部と、第1側部及び該第1側部とは反対側の第2側部とを有するベースを含み、長手方向軸線がベースの前端部から後端部に延びる取付ブロックと、
取付ブロックの中にスライド可能に保持され、取付ブロックのベースの前端部の近傍位置にある第1端部と、該第1端部とは反対側にあって、取付ブロックのベースの後端部の近傍位置にある第2端部と、該第2端部の近傍位置にあるピボットピンとを含み、取付ブロックの長手方向軸線と略同じ方向に延びるピンと、
取付ブロックの中にスライド可能に保持され、第1端部と、第1端部の反対側にある第2端部と、スロットとを含み、長手方向軸線が、取付ブロックの長手方向軸線と直交し、前記第1端部から前記第2端部まで延びるスライディングプレートと、を含み、
ピンのピボットピンは、スライディングプレートのスロットに当接し、スライディングプレートがその長手方向軸線に沿って移動すると、ピンは、取付ブロックの長手方向軸線の方向に移動するように構成され、ピンは、該ピンの第1端部が取付ブロックの中に引き込まれた位置にある後退位置と、該ピンの第1端部が取付ブロックから外方向に延在した位置にある延出位置との間で移動可能であり、
複数のピンラッチの少なくとも1つに接続されたピンラッチアクチュエータを含んでいる、複数のピンラッチの組合せ。
【請求項17】
ピンラッチアクチュエータは、リンクにより、複数のピンラッチの少なくとも1つに接続されている請求項16の組合せ。
【請求項18】
リンクの一端部は、複数のピンラッチのうちの少なくとも1つのピンラッチのスライディングプレートの第1端部及び第2端部の一方に接続されている請求項17の組合せ。
【請求項19】
リンクは、ピンラッチアクチュエータ及び複数のピンラッチの少なくとも1つに回動可能に接続されている請求項18の組合せ。
【請求項20】
複数のピンラッチのうちの少なくとも1つのピンラッチのスライディングプレートの第1端部及び第2端部の他方に接続され、複数のピンラッチの他方のピンラッチのスライディングプレートの第1端部及び第2端部の1つに接続されたベルクランクをさらに具えている請求項19の組合せ。
【請求項21】
ピンラッチアクチュエータは、複数のピンラッチの第1ピンラッチ及び第2ピンラッチに接続され、ピンラッチアクチュエータは、第1リンクにより、第1ピンラッチのスライディングプレートの第1端部に接続され、第2リンクにより、第2ピンラッチのスライディングプレートの第2端部に接続されている請求項16の組合せ。
【請求項22】
第1ピンラッチのスライディングプレートの第2端部に接続された第1ベルクランクと、第2ピンラッチのスライディングプレートの第1端部に接続された第2ベルクランクとをさらに具えている請求項21の組合せ。
【請求項23】
複数のピンラッチは、第3ピンラッチと第4ピンラッチとを含んでおり、第1ベルクランクは、第3ピンラッチのスライディングプレートの第1端部に接続され、第2ベルクランクは、第4ピンラッチのスライディングプレートの第2端部に接続されている請求項22の組合せ。
【請求項24】
複数のピンラッチは、第5ピンラッチと第6ピンラッチとを含んでおり、第3ピンラッチは第3リンクにより第5ピンラッチに接続され、第4ピンラッチは第4リンクにより第6ピンラッチに接続されている請求項23の組合せ。
【請求項25】
第3リンクの一方の端部は、第3ピンラッチのスライディングプレートの第2端部に接続され、第3リンクの反対側端部は、第4ピンラッチのスライディングプレートの第1端部に接続され、第4リンクの一方の端部は、第4ピンラッチのスライディングプレートの第1端部に接続され、第4リンクの反対側端部は、第6ピンラッチのスライディングプレートの第2端部に接続されている請求項24の組合せ。
【請求項26】
ピンラッチアクチュエータは、複数のピンラッチのピンの各々を、その後退位置と延出位置との間で同時に作動させる請求項25の組合せ。
【請求項27】
複数のピンラッチを同時に作動させるハンドルを含んでいる請求項26の組合せ。
【請求項28】
前記スライディングプレートの第1端部の各々が、第1、第3及び第5ピンラッチの各々の対応する取付ブロックの方へ移動すると、第1、第3及び第5ピンラッチの対応するピンの各々がその延出位置に移動し、前記スライディングプレートの第2端部の各々が、第2、第4及び第6ピンラッチの各々の対応する取付ブロックの方へ移動すると、第2、第4及び第6ピンラッチの対応するピンの各々がその延出位置に移動する請求項26の組合せ。
【請求項29】
複数のピンラッチは、第3ピンラッチと第4ピンラッチとを含んでおり、第1ピンラッチのスライディングプレートの第2端部は、第3リンクにより、第3ピンラッチの第1端部に接続され、第2ピンラッチのスライディングプレートの第1端部は、第4リンクにより、第4ピンラッチのスライディングプレートの第2端部に接続されている請求項21の組合せ。
【請求項30】
複数のピンラッチは、第5ピンラッチと第6ピンラッチとを含んでおり、第3ピンラッチは第5リンクにより第5ピンラッチに接続され、第4ピンラッチは第6リンクにより第6ピンラッチに接続されている請求項29の組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518772(P2013−518772A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552149(P2012−552149)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2011/024031
【国際公開番号】WO2011/100235
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(500277629)アルコア インコーポレイテッド (49)