説明

側面漏光用光ファイバ、および光ファイバの側面処理方法

【課題】漏光ムラを抑制し、均一に光を漏光できる側面漏光用光ファイバ、および光ファイバの側面処理方法を実現する。
【解決手段】コア層11と、該コア層11の外周に同心円状に形成された単層または複層構造のクラッド層12とを備えた側面漏光用光ファイバ10において、前記クラッド層12の内面13の周方向の少なくとも一部が、当該側面漏光用光ファイバ10の長さ方向pに沿って凹凸状であり、かつ、前記コア層11が露出していないことを特徴とする側面漏光用光ファイバ10、および、コア層と、該コア層の外周に同心円状に形成された単層または複層構造のクラッド層とを備えた光ファイバに、前記コア層を穿孔しないようにレーザー光を光ファイバの長さ方向に照射し、前記クラッド層を溶融させて凹凸状にすることを特徴とする光ファイバの側面処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面漏光用光ファイバ、および光ファイバの側面処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは、芯材(コア層)と、該芯材の外周を覆う鞘材(クラッド層)とを備えて構成されている。
光ファイバは、芯材および鞘材としてガラスを用いたガラス光ファイバと、プラスチックを用いたプラスチック光ファイバ(以下、「POF」と略す。)とに大別される。
ガラス光ファイバは、伝送損失が小さく、長距離高速伝送に適している。一方、POFは、ガラス光ファイバに比べて伝送損失は大きいが、端面加工や取り扱いが容易であると共に、安価で軽量であり、曲げに強い。
【0003】
近年、照明や看板などの広告の用途として、意匠性に富んだ側面漏光用光ファイバが考えられている。そのような側面漏光用光ファイバとして、積極的に光ファイバの側面から光が漏れるように、光ファイバの側面を傷つける方法が提案されている。
このような方法としては、例えばサンドペーパーや、ブラスト処理等で表面に微細な凹凸を形成させた金型など、表面を粗面化したもので光ファイバの側面を擦ったり、圧着させたりして、コア層に達する傷を設ける方法、刃物などで光ファイバのコア層に達する傷を設ける方法などが提案されている。
【0004】
また、特許文献1には、光ファイバの側面にレーザーを当てて、コア層に達する深さの傷を設ける方法が開示されている。
【特許文献1】特開2006−351436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のように、光ファイバの側面から光を漏光させるために、クラッド層からコア層に達するまでの傷を設けてコア層を露出する方法では、この露出した部分から多くの光が漏光し、コア層が露出していない部分との漏光の差が極端に大きくなり、漏光ムラが発生しやすかった。
また、コア層に達するまでの傷が設けられた光ファイバでは、光が通過する際に、光源に近いほど光が必要以上に漏光しやすかった。このように光が必要以上に漏光すると、光源から離れるに連れて十分に光が伝播しにくくなり、光ファイバの側面に傷を設けても、十分な量の光が漏光しにくかった。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、漏光ムラを抑制し、均一に光を漏光できる側面漏光用光ファイバ、および光ファイバの側面処理方法の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の側面漏光用光ファイバは、コア層と、該コア層の外周に同心円状に形成された単層または複層構造のクラッド層とを備えた側面漏光用光ファイバにおいて、前記クラッド層の内面の周方向の少なくとも一部が、当該側面漏光用光ファイバの長さ方向に沿って凹凸状であり、かつ、前記コア層が露出していないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の光ファイバの側面処理方法は、コア層と、該コア層の外周に同心円状に形成された単層または複層構造のクラッド層とを備えた光ファイバに、前記コア層を穿孔しないようにレーザー光を光ファイバの長さ方向に照射し、前記クラッド層を溶融させて凹凸状にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の側面漏光用光ファイバによれば、漏光ムラを抑制し、均一に光を漏光できる。
また、本発明の光ファイバの側面処理方法によれば、漏光ムラを抑制し、均一に光を漏光できる側面漏光用光ファイバが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[側面漏光用光ファイバ]
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の側面漏光用光ファイバの一例を示す断面模式図である。この例の側面漏光用光ファイバ10は、コア層11と、該コア層11の外周に同心円状に形成されたクラッド層12とを備える。クラッド層12は、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。
【0011】
側面漏光用光ファイバ10をガラス光ファイバとして用いる場合、コア層11およびクラッド層12を形成する材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば石英ガラス、酸化珪素の他に酸化ナトリウム、酸化カルシウムなどの多くのガラス成分を主成分とする多成分ガラスなどが挙げられる。また、コア層11とクラッド層12に屈折率差を設ける場合は、コア層11には屈折率を上げるためにゲルマニウムやリンを、クラッド層12には屈折率を下げるためにホウ素やフッ素などを添加してもよい。
【0012】
側面漏光用光ファイバ10をプラスチック光ファイバ(以下、「POF」と略す。)として用いる場合、コア層11を形成する材料としては、公知の材料を用いることができ、例えばメタクリル酸メチルの単独重合体(PMMA)または共重合体などが主成分として適している。また、耐熱性に優れる観点から、材料としてポリカーボネート系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂なども好適である。特に、ポリカーボネート系樹脂は、PMMAより屈折率が高く、POFの開口数を大きくできる。開口数とは、POFの「光を集める性能」のことであり、開口数が大きいほど受光量を増やすことが可能となり、シートを屈曲させた際に光の漏れを抑えることができる。
【0013】
一方、クラッド層12を形成する材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば含フッ素オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物などが適している。含フッ素オレフィン系樹脂としては、例えばフッ化ビニリデン系共重合体が挙げられ、具体的にはフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロアセトンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの2元共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンとの3元共重合体などが挙げられる。
【0014】
図1に示すように、本発明の側面漏光用光ファイバ10は、クラッド層12の内面13の周方向の少なくとも一部が、当該側面漏光用光ファイバ10の長さ方向pに沿って凹凸状であり、かつ、コア層11が露出していない。
クラッド層12の内面13、すなわちコア層11とクラッド層12との界面が凹凸状であることにより、側面漏光用光ファイバ10内を伝播する光の入射角が反射位置によって変化する。
【0015】
ところで、図2に示すような、クラッド層22の内面23(すなわち、コア層21とクラッド層22との界面)が平坦な光ファイバ20は、クラッド層22よりもコア層21の屈折率を高くすることで、屈折率の異なる界面で生じる全反射により、光を漏光することなくコア層21内の遠くまで伝播させることができる。
光が全反射するかどうかは、コア層とクラッド層の屈折率の比で表される臨界角と、光の入射角とによって決まる。すなわち、臨界角よりも光の入射角が小さい場合は、光はコア層とクラッド層の界面で全反射し、臨界角よりも入射角が大きい場合は、光はクラッド層の外へ放射しながら(漏光しながら)、コア層内を伝播する。
【0016】
上述したように、本発明の側面漏光用光ファイバ10は、光の入射角が反射位置によって変化するので、入射角が臨界角よりも大きくなった部分にて光が漏光しやすくなる。
なお、本発明においては、クラッド層12の内面13の周方向の少なくとも一部が、側面漏光用光ファイバ10の長さ方向pに沿って凹凸状であれば、クラッド層12の外面14(すなわち、側面漏光用光ファイバ10の側面)は平坦であってもよく、図1に示すような凹凸状であってもよい。
【0017】
また、クラッド層の内面のうち、長さ方向pに沿って凹凸状になっている部分は、周方向の一部であってもよく、全周であってもよい。だたし、周方向の一部が長さ方向pに沿って凹凸状であれば(すなわち、1本の線状になるように凹凸が形成されていれば)、凹凸状になっている部分にて反射した光は、他の部分におけるコア層とクラッド層との界面からも漏光するように、概ね全周に亘って側面漏光の効果が発現するようになる。
【0018】
さらに、本発明の側面漏光用光ファイバ10は、コア層11が露出していないので、漏光ムラを抑制できると共に、光が必要以上に漏光しないので、光源から離れた部分においても十分に光が伝播し、均一に光を漏光できる。
このような本発明の側面漏光用光ファイバ10は、例えば以下に示すような方法によって光ファイバの側面を処理することで得られる。ここで、本発明の光ファイバの側面処理方法の一例を説明する。
【0019】
[光ファイバの側面処理方法]
図3は、本発明の光ファイバの側面処理方法(以下、「側面処理方法」と略す。)の一例を説明する概略図である。
本発明の側面処理方法は、図2に示すような光ファイバ20に、レーザー装置30からレーザー光31を照射することを特徴とする。
【0020】
本発明においては、光ファイバ20に、レーザー光31を照射して光ファイバ20の側面を処理し、側面漏光用光ファイバを得る。その際、光ファイバ20のコア層を穿孔しないように、かつ、光ファイバ20の長さ方向pに沿うようにレーザー光を照射する。
レーザーの種類としては、COレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、紫外線レーザー、He−Neレーザー、YVOレーザーなどが挙げられ、光ファイバの種類(ガラス光ファイバまたはPOF)によって適したものを使い分ければよい。これらの中でもCOレーザーは、ガラス光ファイバにもPOFにも好適に使用できる点で好ましい。
【0021】
レーザー光の光源となるレーザー装置としては、公知のレーザー装置を用いることができ、例えばキーエンス社製の3次元制御COレーザーマーカー「ML−Z9520T」などが挙げられる。特に、3次元制御COレーザーマーカーは、ワーク加工範囲が広く、加工対象を移動させることなく広範囲にわたってレーザー光を照射できるので好適である。
【0022】
本発明においては、光ファイバの側面を処理するに際して、光ファイバのコア層を穿孔しないようにレーザー光を照射する。コア層を穿孔しないようにレーザー光を照射するには、レーザー光の波長および出力(W)などの条件を調節すればよいが、これら条件はコア層やクラッド層を形成する材料の種類や、使用するレーザーの種類によって異なる。従って、側面処理する光ファイバやレーザーの種類によって、光ファイバのコア層を穿孔しないように、波長および出力などの最適条件を適宜設定してレーザー光を照射すればよい。
【0023】
また、光ファイバの側面を処理するに際して、光ファイバの長さ方向に沿うようにレーザー光を照射する。このような方法としては、例えば図3に示すように、レーザー装置30に内蔵された鏡(図示略)を使って、照射されるレーザー光31の焦点位置を光ファイバ20の長さ方向pに沿って移動させる方法が挙げられる。この際、光ファイバ20は溝などが設けられた固定板(図示略)に固定しておくのがよい。このような方法により、光ファイバ20の一定範囲、かつ長さ方向に沿ってレーザー光を照射できる。
【0024】
レーザー光の照射方法としては、上述した方法に限定されず、例えば次のような方法を用いてもよい。すなわち、図4に示すように、レーザー装置30から照射されるレーザー光31の焦点位置を固定する。一方、光ファイバ20を一軸移動ステージ40上に固定し、レーザー光31の直下を光ファイバ20が通過するように、一軸移動ステージ40を光ファイバ20の長さ方向pと同じ方向にスライドさせることで、光ファイバ20の一定範囲、かつ長さ方向に沿ってレーザー光を照射できる。
【0025】
なお、レーザー装置から照射されるレーザー光は1本でもよく、複数本でもよい。複数本の場合、光ファイバの長さ方向に沿って平行な複数の箇所を側面処理できる。また、上述したような方法で、レーザー光を光ファイバに照射した後、光ファイバを回転させるなどして照射位置を変えて再度レーザー光を照射し、複数の箇所を側面処理してもよい。
ただし、照射位置を変えて再度側面処理したり、複数本のレーザー光を用いたりしなくても、1本のレーザー光を光ファイバの長さ方向に沿って1回照射すれば、本発明の効果が十分に発現するので、生産性やコストの面では1本のレーザー光を用い、1回照射するのが望ましい。
【0026】
このように、光ファイバのコア層を穿孔しないようにレーザー光を照射して光ファイバの側面を処理することで、図1に示すように、クラッド層12はエネルギー密度の高いレーザー光が照射された部分が溶融し、クラッド層12の外面14および内面13が凹凸状になった側面漏光用光ファイバ10が得られる。この際、レーザー光が直接照射される外面14の方が内面13に比べて、凹凸の程度は大きい。
クラッド層12の内面13が凹凸状になると、光の入射角が反射位置によって変化するので、入射角が臨界角よりも大きくなった部分にて光が漏光しやすくなる。
【0027】
また、本発明の側面処理方法は、コア層にまで達する傷を設けるような特許文献1などの従来の方法とは異なり、クラッド層の内面を凹凸状にすることで光を漏光させるので、コア層にまで達する傷を設ける必要がない。また、クラッド層が溶融するので、コア層が露出する恐れもない。従って、漏光ムラを抑制できると共に、光が必要以上に漏光しないので、光源から離れた部分においても十分に光が伝播し、均一に光を漏光できる。
【0028】
側面漏光用光ファイバから光が漏光する際の漏光の程度(漏光量)は、例えば光ファイバに照射するレーザー光の出力を調整することで調節できる。具体的には、出力を大きくすると、クラッド層が溶融しやすくなり、光が漏光しやすくなる傾向にある。ただし、必要以上に出力を大きくすると、コア層にまでレーザー光が達してコア層が露出する場合もあるので、クラッド層の材料、およびレーザー光の種類や波長に応じて、適切な出力にてレーザー光を照射するのが好ましい。
このように、出力を調整すれば、側面漏光用光ファイバの用途に応じて漏光量を増やしたり減らしたり調節できる。
【0029】
本発明においては、製造した光ファイバを一旦保管し、使用する前に側面処理を施してもよく、製造工程の一連として光ファイバを側面処理して、側面漏光用光ファイバとした後に巻き取って使用するまで保管してもよい。さらに、未処理の状態で市販されている市販品の光ファイバを用いてもよく、このような場合は使用する前に側面処理すればよい。
また、本発明は光ファイバの種類に限定されず、ガラス光ファイバにもプラスチック光ファイバにも対応できる。
【0030】
以上説明したように、本発明の側面処理方法によれば、コア層を穿孔しなしようにレーザー光を光ファイバに照射することで、照射された範囲にわたって漏光ムラを抑制し、均一に光を漏光できる側面漏光用光ファイバが得られる。
このようにして得られた側面漏光用光ファイバは、意匠性に優れるため、照明や看板などの広告の用途に、特に好適である。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
[実施例1]
<光ファイバの側面処理>
光ファイバ(三菱レイヨン社製、「SK−40」、ファイバ径:1mm)を溝が設けられた固定板(アルミニウム板)に固定し、レーザー装置として3次元制御COレーザーマーカー(キーエンス社製、「ML−Z9520T」、平均出力20W、ワーク加工範囲300×300×42mm)を用いて、図1に示すように、光ファイバの長さ方向pに沿って300mmの範囲にわたり走査させ、レーザー光の波長9.3μm、レーザー光の出力6Wの条件にてCOレーザーを照射し、側面漏光用光ファイバを得た。
【0033】
得られた側面漏光用光ファイバの側面を顕微鏡により観察し、以下に示す基準にて外観を確認した。結果を表1に示す。
○:クラッド層が溶融し、凹凸状になっていると共に、コア層が露出していない。
×:クラッド層が過度に溶融し、コア層が露出している。
【0034】
<評価>
(照度の測定)
図5に示すような照度測定器を用い、得られた側面漏光用光ファイバから漏光する光の量(照度)を以下のようにして測定した。
側面漏光用光ファイバ10の両端にLED51(白色)を取り付け、LED51から照射される照射光を側面漏光用光ファイバ10内に導光させた。LED51が取り付けられた側面漏光用光ファイバ10を積分球50内に入れ、側面漏光用光ファイバ10からの漏光量(照度)を照度計52にて測定した。結果を表1に示す。
なお、LED51から照射される照射光のうち、側面漏光用光ファイバ10に導光されない照射光は測定誤差の原因となるため、遮光性のある黒色テープをLED51の表面に貼り付け、照射光が直接漏れないようにした。
【0035】
(漏光ムラの評価)
側面漏光用光ファイバの両端にLED(白色)を取り付け、LEDから照射される照射光を側面漏光用光ファイバ内に導光させ、以下に示す基準にて漏光ムラの有無を目視評価した。結果を表1に示す。
○:LEDからの距離に関係なく均一に光が漏光し、漏光ムラが確認されない。
×:漏光ムラが確認される。
【0036】
[実施例2〜5、比較例1]
レーザー光の出力を表1に示す値に変化させた以外は、実施例1と同様にして光ファイバの側面を処理して側面漏光用光ファイバを製造し、測定および確認を行った。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
表1から明らかなように、コア層が露出していない実施例の側面漏光用光ファイバは、漏光ムラが抑制され、光源(LED)からの距離に関係なく均一に光が漏光していた。
特に、実施例2〜5では、クラッド層が適度に溶融し、凹凸状になっていたため、十分に光が漏光した。実施例1の場合は、レーザー光の出力が弱かったため、クラッド層の溶融が若干不十分であり、他の実施例に比べて漏光量(照度)が少なかった。
【0039】
一方、コア層が露出した比較例1の側面漏光用光ファイバは、漏光量(照度)は実施例2〜5と同程度であったが、コア層が露出した部分において極端な漏光が確認でき、コア層が露出していない部分との漏光の差が大きく、漏光ムラが発生していた。さらに、LEDからの距離が近い部分で光が極端に漏光し、LEDからの距離が離れるに従って漏光しにくくなっており、均一に光が漏光しなかった。
なお、比較例1では、側面処理に用いた光ファイバをレーザー光の波長9.3μmのCOレーザーで照射する場合には、レーザー光の出力が16Wであると強すぎたため、コア層にまでレーザー光が達してしまったことに起因して、コア層が露出したものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の側面漏光用光ファイバの一例を示す断面概略図である。
【図2】側面処理される前の光ファイバの一例を示す断面模式図である。
【図3】本発明の光ファイバの側面処理方法の一例を説明する概略図である。
【図4】本発明の光ファイバの側面処理方法の他の例を説明する概略図である。
【図5】照度の測定に用いた照度測定器を示す模式図である。
【符号の説明】
【0041】
10:側面漏光用光ファイバ、11:コア層、12:クラッド層、13:内面、14:外面、20:光ファイバ、21:コア層、22:クラッド層、23:内面、30:レーザー装置、31:レーザー光、40:一軸移動ステージ、50:積分球、51:LED、52:照度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア層と、該コア層の外周に同心円状に形成された単層または複層構造のクラッド層とを備えた側面漏光用光ファイバにおいて、
前記クラッド層の内面の周方向の少なくとも一部が、当該側面漏光用光ファイバの長さ方向に沿って凹凸状であり、かつ、前記コア層が露出していないことを特徴とする側面漏光用光ファイバ。
【請求項2】
コア層と、該コア層の外周に同心円状に形成された単層または複層構造のクラッド層とを備えた光ファイバに、前記コア層を穿孔しないようにレーザー光を光ファイバの長さ方向に照射し、前記クラッド層を溶融させて凹凸状にすることを特徴とする光ファイバの側面処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−251106(P2009−251106A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96194(P2008−96194)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】