説明

偽造監視システム、サーバ、読み取り装置、および印刷装置

【課題】紙幣類における偽造の判別をより簡易に行うことが可能なシステム等を提供する。
【解決手段】通信部がシリアル番号、読み取り時刻(時間情報)、装置ID、および位置情報を受信すると(ステップ301)、処理部は、情報格納部の検索を行い(ステップ302)、受信したシリアル番号と同一のシリアル番号が情報格納部に存在するか否かを判断する(ステップ303)。処理部が同一のシリアル番号が存在すると判断した場合、通信部は、同一のシリアル番号が存在する旨、このシリアル番号を先に読み取った読取装置(他の読取装置)の位置情報、及び、この読取装置がシリアル番号を読み取った際の読み取り時刻(時間情報)、を読取装置に送信する(ステップ304)。一方、処理部は、同一のシリアル番号が存在しないと判断した場合、通信部を介し、同一のシリアル番号は存在しない旨を読取装置に送信する(ステップ305)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造を監視する偽造監視システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
証明書などの偽造を発行者等に負担をかけずに困難にするため、用紙に対する印刷動作とスキャン動作とを用紙を排出することなく行う複合装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−151466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば紙幣や有価証券などの紙幣類における偽造は、近年より巧妙化、高精度化してきており、偽造の判別を行う装置側もこれに対応して複雑化、高機能化してきている。
本発明は、例えば紙幣類や有価証券などにおける偽造の判別をより簡易に行うことが可能なシステム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、紙幣類に付された識別情報を読み取る読み取り装置と、当該読み取り装置にネットワークを介して接続されたサーバと、を有し、前記サーバは、前記紙幣類に付された識別情報を記憶する記憶手段と、前記読み取り装置が読み取った読み取り識別情報を受信する受信手段と、前記記憶手段に記憶された前記識別情報に前記受信手段にて受信した前記読み取り識別情報と同一の識別情報が存在するか否か判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を前記読み取り装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする偽造監視システムである。
請求項2に記載の発明は、前記サーバの前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記読み取り装置とは異なる他の読み取り装置にて読み取られ前記ネットワークを介して送信されてきた識別情報であることを特徴とする請求項1記載の偽造監視システムである。
請求項3に記載の発明は、前記送信手段は、前記判断手段による前記判断結果を前記他の読み取り装置に対しても送信することを特徴とする請求項2記載の偽造監視システムである。
請求項4に記載の発明は、画像を媒体に対して形成する形成手段と当該媒体に対して識別情報を付与する識別情報付与手段とを有し、前記紙幣類の発行を行う印刷装置を更に備え、前記サーバの前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記印刷装置の前記識別情報付与手段が前記媒体に対して付与する識別情報であることを特徴とする請求項1記載の偽造監視システムである。
【0006】
請求項5に記載の発明は、紙幣類の識別情報を記憶する記憶手段と、ネットワークを介して接続される読み取り装置が紙幣類から読み取った読み取り識別情報を受信する受信手段と、前記記憶手段に記憶された前記識別情報に前記受信手段にて受信した前記読み取り識別情報と同一の識別情報が存在するか否か判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を前記読み取り装置に送信する送信手段と、を含むサーバである。
請求項6に記載の発明は、前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記読み取り装置とは異なる他の読み取り装置にて読み取られ前記ネットワークを介して送信されてきた送信識別情報であり、前記記憶手段は、前記他の読み取り装置の設置位置に関する位置情報と当該他の読み取り装置が前記送信識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報とを更に記憶し、前記送信手段は、前記判断手段にて前記読み取り識別情報と前記記憶手段に記憶された前記送信識別情報とが同一であると判断された場合に、前記記憶手段に記憶された前記位置情報および前記時間情報を前記読み取り装置に更に送信することを特徴とする請求項5記載のサーバである。
請求項7に記載の発明は、前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記読み取り装置とは異なる他の読み取り装置にて読み取られ前記ネットワークを介して送信されてきた送信識別情報であり、前記記憶手段は、前記他の読み取り装置が前記送信識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報を更に記憶し、前記読み取り装置が前記読み取り識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報を取得する取得手段と、前記判断手段にて前記読み取り識別情報と前記記憶手段に記憶された前記送信識別情報とが同一であると判断された場合に、前記記憶手段が記憶した前記時間情報と前記取得手段にて取得された前記時間情報とから両者の時間差を取得する時間差取得手段と、前記時間差取得手段により取得された前記時間差と所定値とを比較する比較手段と、を更に備え、前記送信手段は、前記比較手段による比較結果に基づく所定の情報を前記読み取り装置に対して更に送信することを特徴とする請求項5記載のサーバである。
請求項8に記載の発明は、前記記憶手段は、前記他の読み取り装置の設置位置に関する位置情報を更に記憶し、前記取得手段は、前記読み取り装置の設置位置に関する位置情報を更に取得し、前記記憶手段に記憶された前記位置情報により特定される位置と前記取得手段により取得された前記位置情報により特定される位置との間を移動するのに要する必要時間を取得する必要時間取得手段を更に備え、前記比較手段は、前記時間差取得手段により取得された前記時間差と前記必要時間取得手段により取得された前記必要時間とを比較することを特徴とする請求項7記載のサーバである。
請求項9に記載の発明は、前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記紙幣類の発行を行う印刷装置が当該紙幣類に付与する付与識別情報であり、前記記憶手段は、前記印刷装置が前記付与識別情報を前記紙幣類に付与した際の付与時刻に関する時間情報を更に記憶し、前記読み取り装置が前記読み取り識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報を取得する取得手段と、前記判断手段にて前記読み取り識別情報と前記記憶手段に記憶された前記付与識別情報とが同一であると判断された場合に、前記記憶手段に記憶された前記時間情報と前記取得手段にて取得された前記時間情報とから両者の時間差を取得する時間差取得手段と、前記時間差取得手段により取得された前記時間差と所定値とを比較する比較手段と、を更に備え、前記送信手段は、前記比較手段による比較結果に基づく所定の情報を前記読み取り装置に対して更に送信することを特徴とする請求項5記載のサーバである。
請求項10に記載の発明は、前記記憶手段は、前記印刷装置の設置位置に関する位置情報を更に記憶し、前記取得手段は、前記読み取り装置の設置位置に関する位置情報を更に取得し、前記記憶手段に記憶された前記位置情報により特定される位置と前記取得手段により取得された前記位置情報により特定される位置との間を移動するのに要する必要時間を取得する必要時間取得手段を更に備え、前記比較手段は、前記時間差取得手段により取得された前記時間差と前記必要時間取得手段により取得された前記必要時間とを比較することを特徴とする請求項9記載のサーバである。
【0007】
請求項11に記載の発明は、紙幣類の偽造を監視する偽造監視システムにて用いられる読み取り装置であって、前記紙幣類に付された識別情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段が読み取った読み取り識別情報を前記偽造監視システムに設けられたサーバにネットワークを介して送信する送信手段と、前記サーバに格納された紙幣類の識別情報に前記送信した読み取り識別情報と同一の識別情報が存在するか否かの判断結果を前記サーバから前記ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段にて受信した前記判断結果を出力する出力手段と、を含む読み取り装置である。
請求項12に記載の発明は、前記送信手段は、前記読み取り手段が前記識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報、および装置本体の設置位置に関する位置情報を前記サーバに更に送信することを特徴とする請求項11記載の読み取り装置である。
請求項13に記載の発明は、経度および緯度を把握するGPS(Global Positioning Systems)受信機を更に備え、前記送信手段は、前記GPS受信機にて受信された経度および位置の情報を前記位置情報として前記サーバに送信することを特徴とする請求項12記載の読み取り装置である。
【0008】
請求項14に記載の発明は、紙幣類の偽造を監視する偽造監視システムにネットワークを介して接続され、紙幣類の印刷を行う印刷装置であって、画像を媒体に対して形成する形成手段と、前記媒体に対して識別情報を付与する識別情報付与手段と、前記識別情報付与手段により付与される前記識別情報を前記偽造監視システムに設けられたサーバの記憶手段に記憶させるべく、当該サーバに前記ネットワークを介して当該識別情報を送信する送信手段と、を備える印刷装置である。
請求項15に記載の発明は、前記送信手段は、前記識別情報付与手段が前記紙幣類に前記識別情報を付与した際の付与時刻に関する時間情報、および装置本体の設置位置に関する位置情報を前記サーバに更に送信することを特徴とする請求項14記載の印刷装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1によれば、識別情報の同一性により偽造の可能性を見出すことができ、偽造の判別をより簡易に行うことが可能なシステムを提供することができる。
本発明の請求項2によれば、他の読み取り装置にて読み取られた識別情報と読み取り装置にて読み取られた識別情報との比較で偽造の可能性を見出すことができ、偽造の判別をより簡易に行うことができる。
本発明の請求項3によれば、他の読み取り装置のユーザに対しても偽造の可能性を通知することができる。
本発明の請求項4によれば、例えば、偽造者が紙幣類に識別情報を任意に付した場合に、紙幣類の偽造可能性を読み取り装置のユーザに通知可能となる。
【0010】
本発明の請求項5によれば、偽造の判別の簡易化を可能とするサーバを提供可能となる。
本発明の請求項6によれば、読み取り装置のユーザに対し、偽造判別の判断材料をより提供することができる。
本発明の請求項7によれば、例えば読み取り時間差が極めて小さい場合、偽造の可能性が高い旨を読み取り装置のユーザに通知することができる。
本発明の請求項8によれば、読み取り装置間を移動するのに要する時間も考慮に入れることで、読み取り装置のユーザに対しより的確な情報を提供することができる。
本発明の請求項9によれば、例えば、紙幣類の発行がなされた直後にこの紙幣類と同一の識別情報を有した紙幣類が使用された場合に、偽造の可能性が高い旨を読み取り装置のユーザに通知することができる。
本発明の請求項10によれば、印刷装置から読み取り装置まで移動するのに要する必要時間を考慮に入れることで、読み取り装置のユーザに対しより的確な情報を通知することができる。
【0011】
本発明の請求項11によれば、偽造の判別の簡易化を可能とする読み取り装置を提供可能となる。
本発明の請求項12によれば、紙幣類の偽造を判別するユーザに対しより詳細な情報を提供することが可能となる。
本発明の請求項13によれば、例えばユーザによる位置情報の入力ミスを防止可能となる。
本発明の請求項14によれば、偽造の判別の簡易化を可能とする印刷装置を提供可能となる。
本発明の請求項15によれば、紙幣類の偽造を判別するユーザに対しより詳細な情報を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る偽造監視システムを示した概略構成図である。
同図に示す偽造監視システムは、シリアル番号(識別情報の一例)が付された紙幣の印刷(発行)を行う印刷装置10、紙幣に付されたシリアル番号を読み取る複数の読取装置20を備えている。また、本偽造監視システムは、本システムの管理に用いられる管理用パーソナルコンピュータ(PC)40、情報の格納や所定の処理を行うサーバ50、及びサーバ50のバックアップを行うバックアップサーバ60を備えている。なお、これらの装置等は、ルータ10a〜40a,60aなどの中継装置を介して、インターネットなどのネットワーク70に接続されている。
【0013】
ここで、本実施形態では、2台の読取装置20のみを例示するが、更なる数の読取装置20を設けることも当然可能である。また、バックアップサーバ60は、事故やテロなどの破壊行為に備え、サーバ50から地理的に離れた場所に設置されている。さらに、本実施形態では、紙幣の偽造を判別する場合を一例に説明するが、有価証券、証明書、チケットなどに対しても適用することができる。即ち、紙幣類には、紙幣の他、有価証券、証明書、チケットなどの偽造がなされる可能性のある印刷物も含む。
【0014】
ここで、図2は、印刷装置10、読取装置20、およびサーバ50の機能構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態における印刷装置10は、ネットワーク70を介してデータ通信を行う通信部11と、用紙(媒体)に対して画像の形成を行う画像形成部12と、印刷装置10(装置本体)が設置されている住所や緯度・経度などの位置情報を格納する位置情報格納部13と、時計14とを備えている。
【0015】
また、本実施形態における読取装置20は、ネットワーク70を介してデータ通信を行う通信部21と、所定のプログラムに基づいて各種処理を実行する処理部22と、紙幣に付されたシリアル番号を読み取るシリアル番号読み取り部23とを備えている。また、読取装置20は、読取装置20(装置本体)が設置されている場所の住所や緯度・経度などの位置情報を格納する位置情報格納部24と、読取装置20の操作者(ユーザ)に対して所定の通知を行う通知部25と、時計26とを備えている。なお、本実施形態では、シリアル番号読み取り部23が読み取り手段として機能し、通信部21が送信手段、受信手段として機能する。また、通知部25が出力手段として機能している。
【0016】
ここで、シリアル番号読み取り部23は、例えば特開2006−72918に開示された技術や、特開2004−213560に開示された技術など、既存の技術を用いて構成することができる。例えば、紙幣より画像情報を取得する画像取得部と、画像取得部で取得された画像情報からシリアル番号を読み取る読み取り部と、から構成することができる。
位置情報格納部24への位置情報の格納は、読取装置20の設置者や操作者が、読取装置20に設けられたキーボード(不図示)等の情報受付部を操作することで行うことができる。また、読取装置20にGPS受信機を設け、処理部22が、GPS受信機にて取得された経度・緯度の情報を、位置情報格納部24へ格納することで行うことができる。この場合、設置者等による位置情報の格納(入力)処理が省略可能となる。また、設置者等による位置情報の格納間違えなどを防止できる。
【0017】
さらに、読取装置20に、放送電波を受信するアンテナ(不図示)を設けるとともに、各地で放送されている電波の周波数を不図示のメモリ等に予め登録しておく。そして、処理部22は、アンテナにて受信した電波の周波数の組み合わせから、読取装置20が設置されている位置を特定し、この特定した位置情報を位置情報格納部24に格納することができる。ここで、この手法により特定される位置には、50km〜100km程度の誤差が含まれる場合がある。なお、印刷装置10における上記位置情報格納部13に対する位置情報の格納も、位置情報格納部24への位置情報の格納と同様に行うことができる。
【0018】
また、本実施形態では、図示を省略しているが、読取装置20は、上記の構成に加え、既知の偽造検出手段(不図示)を備えることもできる。この場合、読取装置20は、シリアル番号の読み取り機能を備えた偽造検出装置と捉えることができる。さらに、読取装置20は、スーパーマーケットなどにおけるPOSシステム(レジスター)や、自動販売機、銀行などに設置されたATM(現金自動預け払い機)などに組み込んだりすることもできる。
【0019】
一方、サーバ50は、ネットワーク70を介してデータ通信を行う通信部51、所定のプログラムに基づいて各種処理を実行する処理部52、紙幣に付されたシリアル番号等の情報の格納を行う情報格納部53、2つの地点間を移動するのに要する時間を格納した必要時間DB(データベース)54、及び紙幣に付されたシリアル番号などの紙幣に関する情報を格納する紙幣情報DB(データベース)55を備えている。なお、本実施形態では、情報格納部53、紙幣情報DB55が記憶手段として機能している。
【0020】
ここで、本実施形態における偽造判別システムでは、印刷装置10にて、シリアル番号が付与された紙幣が新たに発行された際、このシリアル番号等がサーバ50の紙幣情報DB55に格納される。図3は、紙幣が新たに発行される際になされる処理を示したものである。
【0021】
印刷装置10にて紙幣の発行が新たになされる際、形成手段および識別情報付与手段として機能する画像形成部12は、まず、シリアル番号を有した画像を媒体に対して順次形成(付与)することで、紙幣を順次発行していく(ステップ101)。次いで、送信手段として機能する通信部11は、シリアル番号、各紙幣の発行日時(付与時刻に関する時間情報)、及び印刷装置(装置本体)が設置されている場所の位置情報を、互いに関連付けた状態でサーバ50に送信する(ステップ102)。そして、サーバ50は、シリアル番号(付与識別情報)、発行日時、および位置情報を受信し(ステップ103)、受信したこれらの情報を紙幣情報DB55に格納する(ステップ104)。
【0022】
なお、印刷装置10が付与するシリアル番号には、アルファベットなどの文字を含めることができる。さらに、印刷装置10は、シリアル番号から暗号化された数値等の情報を、文字やバーコードなどの符号化した情報とし、この符号化した情報を紙幣に対して付することができる。また、本実施形態では、画像形成部12がシリアル番号を有した画像を媒体に形成しているが、磁気コードなどによってシリアル番号を付与することもできる。
【0023】
さらに、本実施形態における偽造判別システムでは、例えば読取装置20にて、紙幣のシリアル番号が読み取られた場合、読み取られたこのシリアル番号等の情報が、サーバ50における情報格納部53に格納される。この処理について図4を用いて説明する。
【0024】
図4は、読取装置20およびサーバ50における処理を示したものである。
まず、読取装置20におけるシリアル番号読み取り部23が、紙幣のシリアル番号の読み取りを行う(ステップ201)。その後、通信部21は、このシリアル番号と、シリアル番号読み取り部23がシリアル番号を読み取った際の読み取り時刻に関する時間情報と、読取装置20が有する固有の装置IDと、位置情報格納部24に格納された位置情報と、をサーバ50に送信する(ステップ202)。ここで通信部21は、時計26を参照することで上記読み取り時刻を把握する。また、上記装置IDは、不図示の不揮発性メモリ等に格納されており、通信部21は、この不揮発性メモリ等を参照することで装置IDを取得する。
【0025】
その後、サーバ50における通信部51は、シリアル番号(読み取り識別情報、送信識別情報)、読み取り時刻(時間情報)、装置ID、および位置情報を受信し(ステップ203)、これらの情報を一定期間(例えば、一週間)、情報格納部53に格納する(ステップ204)。ここで、通信部51は、読み取り時刻(時間情報)、位置情報を取得する取得手段と捉えることもできる。なお、本実施形態では、時間情報が読取装置20から送信されてくる場合を説明したが、通信部51がシリアル番号を受信した時刻を時間情報と捉えることも可能であり、この場合は、処理部52等が取得手段として機能する。
【0026】
また、サーバ50は、読取装置20から、シリアル番号などの上記情報を受信した際に、次のような処理も実行する。図5は、サーバ50が実行する処理を示したものである。
受信手段として機能する通信部51がシリアル番号、読み取り時刻(時間情報)、装置ID、および位置情報を受信すると(ステップ301)、判断手段として機能する処理部52は、情報格納部53の検索を行い(ステップ302)、受信したシリアル番号と同一のシリアル番号が情報格納部53に存在するか否か判断する(ステップ303)。
【0027】
そして、処理部52が同一のシリアル番号が存在すると判断した場合、送信手段として機能する通信部51は、同一のシリアル番号が存在する旨、このシリアル番号を先に読み取った読取装置(他の読取装置)の位置情報、及び、この読取装置(他の読取装置)がシリアル番号を読み取った際の読み取り時刻(時間情報)、を読取装置20に送信する(ステップ304)。一方、処理部52は、同一のシリアル番号が存在しないと判断した場合、通信部51を介し、同一のシリアル番号は存在しない旨を読取装置20に送信する(ステップ305)。
【0028】
ここで、読取装置20は、同一のシリアル番号が存在する旨、このシリアル番号を先に読み取った読取装置の位置情報、及び、この読取装置がシリアル番号を読み取った際の読み取り時刻、を受信した場合、通知部25を介して、これらの情報を読取装置20の操作者(ユーザ)に通知する。なお、読取装置20は、同一のシリアル番号は存在しない旨の情報を受信した場合、通知部25を介し、この情報を操作者に対して通知する。なお、通知部25による情報の通知は、不図示のディスプレイへの表示などにより行うことができる。
【0029】
紙幣などの印刷物は航空機などの物理的な輸送手段により運ばれるため、同一のシリアル番号が付された紙幣が遠方でほぼ同時に使用されることはありえない。例えば、読取装置20が東京に存在し、通知部25にて通知された位置情報がニューヨーク市内であり、また読取装置20にて読み取りを行った時刻と通知部25から通知された読み取り時刻との差が10時間以内である場合、両地点間の移動時間を考慮すると読み取り時刻の差が不自然である。このような場合、読取装置20にてシリアル番号が読み取られた紙幣に偽造の可能性がある。
【0030】
ここで、上記ステップ304では、読取装置20に対して、同一のシリアル番号が存在する旨等を送信したが、先にシリアル番号の読み取りが行われた紙幣が偽造である可能性もある。また、先に読み取りが行われた紙幣、および読取装置20にて後に読み取りが行われた紙幣の両者が偽造の可能性もある。このため、この同一のシリアル番号が存在することが判明した場合、先にシリアル番号の読み取りを行った読取装置(他の読取装置)に対しても、同一のシリアル番号が存在する旨等の情報を送信することができる。さらに、管理用PC40に対しても、同一のシリアル番号が存在する旨等を送信することができる。
【0031】
なお、場合によっては同一のシリアル番号を有した複数の偽造紙幣が数時間以内の短時間のうちに使用され、同一のシリアル番号が短時間のうちに複数の読取装置にて読み取られる場合がある。このような場合は、サーバ50に、複数の同一のシリアル番号が短時間の内に送信されてくることになる。このような場合、サーバ50における処理部52は、これらの紙幣が偽造である可能性が高いと判断し、その旨を読取装置の各々に対して送信することができる。
【0032】
また、読取装置20が自動販売機に組み込まれている場合において、同一のシリアル番号が存在するとサーバ50にて判断された場合、自動販売機は、シリアル番号を読み取った紙幣の入金を拒否することができる。また、読取装置20がATMに組み込まれている場合において、同一のシリアル番号が存在するとサーバ50にて判断された場合、ATMは、シリアル番号を読み取った紙幣の入金を拒否することができる。さらに、この紙幣を銀行の窓口に持ち込むよう、不図示の表示パネルに指示を表示することもできる。
【0033】
さらに、図6に示す処理を行うことも可能である。図6は、処理部52が実行する処理を示している。
処理部52は、シリアル番号、読み取り時刻、装置ID、および位置情報を受信した場合(ステップ401)、紙幣情報DB55を検索し(ステップ402)、受信したシリアル番号と同一のシリアル番号が紙幣情報DB55に存在するか否かを判断する(ステップ403)。そして、処理部52は、紙幣情報DB55に同一のシリアル番号が存在しないと判断した場合、例えば、紙幣がデータベースに登録されていない旨の情報や、読み取りを行った紙幣が偽造である可能性が高い旨の情報を、読取装置20に対して送信する(ステップ405)。なお、処理部52は、紙幣情報DB55に同一のシリアル番号が存在すると判断した場合、例えば同一のシリアル番号が存在する旨の情報を読取装置20に対して送信する(ステップ404)。
【0034】
紙幣の偽造は、既に発行された紙幣に基づかず、適当なシリアル番号が付されて行われる場合があり、同一のシリアル番号が付された紙幣が存在しない場合も生じうる。紙幣情報DB55を参照することで、このような場合であっても紙幣の偽造を判別することができる。
なお、印刷装置10にて紙幣の発行がなされる時点で、紙幣に対し、シリアル番号に基づき所定のアルゴリズムで生成したチェックデジットを付しておくこともできる。そして、サーバ50は、このチェックデジットを利用して紙幣の偽造可能性を判別することもできる。
【0035】
また、読取装置20は、シリアル番号等に情報受付部(不図示)にて受け付けた他の情報を付帯させて、シリアル番号等をサーバ50に送信することができる。この付帯情報には、例えば、紙幣の保管を開始した旨の情報や、紙幣の保管を終了した旨の情報を含ませることができる。また、付帯情報には、読取装置20が設置された具体的な場所を含ませることができる。そして、サーバ50は、これらの付帯情報を情報格納部53に格納する。
【0036】
例えば、銀行に設置された読取装置20は、紙幣から読み取ったシリアル番号等とともに、付帯情報として、読取装置20の設置場所が銀行である旨の情報や、この設置場所に紙幣の保管を開始した旨の情報をサーバ50に送信することができる。そして、サーバ50は、シリアル番号等とともに、これらの情報を情報格納部53に格納する。
そして、この状態にて、他の読取装置から同一のシリアル番号が送信されてきた場合、サーバ50は、例えば、この他の読取装置にてシリアル番号が読み取られた紙幣が偽造である可能性が高いと判断する。そして、サーバ50は、この他の読取装置に対して、例えば、偽造の可能性が高い旨の情報を送信する。
【0037】
銀行にて紙幣が保管される場合、保管開始時に紙幣の真贋がチェックされることが多く、銀行にて保管されている紙幣は真正なものである可能性が高い。このため、銀行にて保管されている紙幣のシリアル番号と同一のシリアル番号を有した紙幣については偽造の可能性が高いことになる。
なお、銀行での保管が終了し紙幣が外部に持ち出される場合、例えば読取装置20にてシリアル番号の再度の読み取りが行われる。そして、読取装置20は、シリアル番号、および保管が終了した旨の付帯情報をサーバ50に送信する。そして、サーバ50は、シリアル番号をキーとして、保管が終了した旨の情報を情報格納部53に格納する。
【0038】
以上の処理により、操作者等に対し、同一のシリアル番号が存在する旨や、読取装置の位置情報が通知される。そして、操作者は、この通知された内容に基づき紙幣の偽造可能性を判断することができる。ところで、通知される位置情報が東京やニューヨークなど大都市である場合には問題ないが、通知される位置を操作者が知らない場合がある。この場合、操作者は、紙幣が偽造されたものか否かを判断することが困難となる。そこで、以下に記すような処理を行うこともできる。
【0039】
ここで、図7は、サーバ50にて実行される処理を示している。本処理では、上記ステップ301〜303と同様に、まず通信部51が、読取装置20から、シリアル番号、読み取り時刻、装置ID、および位置情報を受信する(ステップ501)。次いで、処理部52が、情報格納部53の検索を行い(ステップ502)、受信したシリアル番号と同一のシリアル番号が情報格納部53に存在するか否か判断する(ステップ503)。ここで、処理部52は、同一のシリアル番号が存在しないと判断した場合、上記ステップ305と同様に、同一のシリアル番号は存在しない旨の情報を読取装置20に送信する(ステップ510)。
【0040】
一方、処理部52は、ステップ503にて同一のシリアル番号が存在すると判断した場合、情報格納部53から、この同一のシリアル番号を先に読み取った読取装置の位置情報と、この読取装置によるシリアル番号の読み取り時刻と、を取得する(ステップ504)。次いで、必要時間取得手段として機能する処理部52は、必要時間DB54を参照し、ステップ501にて受信した位置情報とステップ504にて取得した位置情報とに基づき、ステップ501にて受信した位置情報により特定される位置とステップ504にて取得した位置情報により特定される位置との間(両地点間)を移動するのに要する時間(必要時間)を把握する(ステップ505)。ここで、必要時間DB54には、世界各地の住所や、緯度及び経度などの位置情報と、位置情報により特定される位置間を移動するのに要する時間とが格納されている。処理部52は、このような情報が格納された必要時間DB54を参照することで、上述の必要時間を把握する。
【0041】
なお、必要時間DB54には、例えば、次のような情報を格納することができる。ここで、図8は、必要時間DB54に格納される情報を説明するための図である。
必要時間DB54には、例えば、世界各地に設けられた空港間の移動時間(飛行時間)を格納することができる。また、空港を中心としたブロックに分割するとともに(A,B,C参照)、各ブロックを複数の二次ブロックに分割する。そして、必要時間DB54には、更に、空港が含まれる二次ブロック(A1,B1,C1参照)と空港の周囲に位置する二次ブロック(A2〜A6,B2〜B6,C2〜C6参照)との間を移動するのに要する時間を格納することができる。
【0042】
例えば、上記ステップ501にて受信した位置情報により特定される位置が、ブロックAにおける二次ブロックA2内であり、ステップ504にて取得した位置情報から特定される位置がブロックCにおける二次ブロックC5内であった場合、ステップ505にて処理部52が把握する必要時間は、二次ブロックA2から二次ブロックA1への移動に要する時間、ブロックAからブロックCへの移動に要する時間、及び二次ブロックC1から二次ブロックC5への移動に要する時間の合計となる。
【0043】
ステップ505の終了後、時間差取得手段として機能する処理部52は、ステップ501にて受信した読み取り時刻と、ステップ504にて取得した読み取り時刻との時間差(以下、「読取時刻差」と称する)を把握する(ステップ506)。その後、処理部52は、ステップ505にて把握した必要時間(所定値の一例)が、ステップ506にて把握した読取時刻差よりも大きいか否かを判断する(ステップ507)。換言すれば、比較手段としての機能する処理部52は、ステップ505にて把握した必要時間と、ステップ506にて把握した読取時刻差とを比較する。
【0044】
そして、処理部52にて必要時間の方が読取時刻差よりも大きいと判断された場合、通信部51は、読取装置20に対し、例えば、同一のシリアル番号が存在する旨の情報、および偽造の可能性がある旨の情報(所定の情報の一例)を送信し(ステップ508)、処理を終了する。一方、処理部52にて必要時間が読取時刻差以下であると判断された場合、通信部51は、読取装置20に対し、例えば、同一のシリアル番号が存在する旨の情報、および注意を要する旨の情報(所定の情報の一例)を送信し(ステップ509)、処理を終了する。なお、上記と同様に、サーバ50は、先に読み取りを行った読取装置や管理用PC40に対しても、情報の送信を行うことができる。
【0045】
さらに、サーバ50は、次のような処理を行うこともできる。ここで、図9は、サーバ50にて実行される処理を示したものである。
本処理では、上記ステップ501と同様に、まず通信部51が、読取装置20から、シリアル番号、読み取り時刻、装置ID、および位置情報を受信する(ステップ601)。次いで、処理部52は、紙幣情報DB55の検索を行い(ステップ602)、ステップ601にて受信したシリアル番号と同一のシリアル番号が紙幣情報DB55に存在するか否かを判断する(ステップ603)。ここで、処理部52は、同一のシリアル番号が存在しないと判断した場合、例えば、同一のシリアル番号が存在しない旨、及び偽造の可能性が高い旨を読取装置20に送信する(ステップ610)。
【0046】
一方、処理部52は、ステップ603にて同一のシリアル番号が存在すると判断した場合、紙幣情報DB55を参照し、このシリアル番号が付された紙幣の発行日時(時間情報)、およびこのシリアル番号が付された紙幣を発行した印刷装置10の位置情報を取得する(ステップ604)。次いで、必要時間取得手段として機能する処理部52は、必要時間DB54を参照し、ステップ601にて受信した位置情報により特定される位置と、ステップ604にて取得した位置情報により特定される位置との間を移動するのに要する時間(必要時間)を把握する(ステップ605)。その後、時間差取得手段として機能する処理部52は、ステップ601にて受信した読み取り時刻と、ステップ604にて取得した発行日時との時刻差を把握する(ステップ606)。その後、処理部52は、ステップ605にて把握した必要時間が、ステップ606にて把握した時刻差よりも大きいか否かを判断する(ステップ607)。換言すれば、比較手段として機能する処理部52は、ステップ606にて把握した時刻差と、ステップ605にて把握した必要時間(所定時間)とを比較する。
【0047】
そして、通信部51は、処理部52にて必要時間の方が時刻差よりも大きいと判断された場合、読取装置20に対し、例えば、偽造の可能性が高い旨の情報(所定の情報)を送信し(ステップ608)、処理を終了する。一方、通信部51は、処理部52にて必要時間が時刻差以下であると判断された場合、読取装置20に対し、例えば、偽造の可能性が低い旨の情報(所定の情報)を送信し(ステップ609)、処理を終了する。
例えば、日本で所定のシリアル番号を有した紙幣が発行されてから数時間後に、同一のシリアル番号を有した紙幣がアメリカで使用されるのは不自然である。本実施形態では、このような場合であっても読取装置20の操作者に注意を喚起することが可能となる。なお、上記と同様に、サーバ50は、管理用PC40に対しても、情報の送信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態に係る偽造監視システムを示した概略構成図である。
【図2】印刷装置、読取装置、およびサーバの機能構成を示したブロック図である。
【図3】紙幣が新たに発行される際になされる処理を示したものである。
【図4】読取装置およびサーバにおける処理を示したものである。
【図5】サーバが実行する処理を示したものである。
【図6】処理部が実行する処理を示している。
【図7】サーバにて実行される処理を示している。
【図8】必要時間DBに格納される情報を説明するための図である。
【図9】サーバにて実行される処理を示したものである。
【符号の説明】
【0049】
10…印刷装置、12…画像形成部、20…読取装置、21…通信部、23…シリアル番号読み取り部、25…通知部、50…サーバ、51…通信部、52…処理部、53…情報格納部、55…紙幣情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣類に付された識別情報を読み取る読み取り装置と、
当該読み取り装置にネットワークを介して接続されたサーバと、を有し、
前記サーバは、
前記紙幣類に付された識別情報を記憶する記憶手段と、
前記読み取り装置が読み取った読み取り識別情報を受信する受信手段と、
前記記憶手段に記憶された前記識別情報に前記受信手段にて受信した前記読み取り識別情報と同一の識別情報が存在するか否か判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を前記読み取り装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする偽造監視システム。
【請求項2】
前記サーバの前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記読み取り装置とは異なる他の読み取り装置にて読み取られ前記ネットワークを介して送信されてきた識別情報であることを特徴とする請求項1記載の偽造監視システム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記判断手段による前記判断結果を前記他の読み取り装置に対しても送信することを特徴とする請求項2記載の偽造監視システム。
【請求項4】
画像を媒体に対して形成する形成手段と当該媒体に対して識別情報を付与する識別情報付与手段とを有し、前記紙幣類の発行を行う印刷装置を更に備え、
前記サーバの前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記印刷装置の前記識別情報付与手段が前記媒体に対して付与する識別情報であることを特徴とする請求項1記載の偽造監視システム。
【請求項5】
紙幣類の識別情報を記憶する記憶手段と、
ネットワークを介して接続される読み取り装置が紙幣類から読み取った読み取り識別情報を受信する受信手段と、
前記記憶手段に記憶された前記識別情報に前記受信手段にて受信した前記読み取り識別情報と同一の識別情報が存在するか否か判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を前記読み取り装置に送信する送信手段と、
を含むサーバ。
【請求項6】
前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記読み取り装置とは異なる他の読み取り装置にて読み取られ前記ネットワークを介して送信されてきた送信識別情報であり、
前記記憶手段は、前記他の読み取り装置の設置位置に関する位置情報と当該他の読み取り装置が前記送信識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報とを更に記憶し、
前記送信手段は、前記判断手段にて前記読み取り識別情報と前記記憶手段に記憶された前記送信識別情報とが同一であると判断された場合に、前記記憶手段に記憶された前記位置情報および前記時間情報を前記読み取り装置に更に送信することを特徴とする請求項5記載のサーバ。
【請求項7】
前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記読み取り装置とは異なる他の読み取り装置にて読み取られ前記ネットワークを介して送信されてきた送信識別情報であり、
前記記憶手段は、前記他の読み取り装置が前記送信識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報を更に記憶し、
前記読み取り装置が前記読み取り識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報を取得する取得手段と、
前記判断手段にて前記読み取り識別情報と前記記憶手段に記憶された前記送信識別情報とが同一であると判断された場合に、前記記憶手段が記憶した前記時間情報と前記取得手段にて取得された前記時間情報とから両者の時間差を取得する時間差取得手段と、
前記時間差取得手段により取得された前記時間差と所定値とを比較する比較手段と、を更に備え、
前記送信手段は、前記比較手段による比較結果に基づく所定の情報を前記読み取り装置に対して更に送信することを特徴とする請求項5記載のサーバ。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記他の読み取り装置の設置位置に関する位置情報を更に記憶し、
前記取得手段は、前記読み取り装置の設置位置に関する位置情報を更に取得し、
前記記憶手段に記憶された前記位置情報により特定される位置と前記取得手段により取得された前記位置情報により特定される位置との間を移動するのに要する必要時間を取得する必要時間取得手段を更に備え、
前記比較手段は、前記時間差取得手段により取得された前記時間差と前記必要時間取得手段により取得された前記必要時間とを比較することを特徴とする請求項7記載のサーバ。
【請求項9】
前記記憶手段が記憶する前記識別情報は、前記紙幣類の発行を行う印刷装置が当該紙幣類に付与する付与識別情報であり、
前記記憶手段は、前記印刷装置が前記付与識別情報を前記紙幣類に付与した際の付与時刻に関する時間情報を更に記憶し、
前記読み取り装置が前記読み取り識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報を取得する取得手段と、
前記判断手段にて前記読み取り識別情報と前記記憶手段に記憶された前記付与識別情報とが同一であると判断された場合に、前記記憶手段に記憶された前記時間情報と前記取得手段にて取得された前記時間情報とから両者の時間差を取得する時間差取得手段と、
前記時間差取得手段により取得された前記時間差と所定値とを比較する比較手段と、を更に備え、
前記送信手段は、前記比較手段による比較結果に基づく所定の情報を前記読み取り装置に対して更に送信することを特徴とする請求項5記載のサーバ。
【請求項10】
前記記憶手段は、前記印刷装置の設置位置に関する位置情報を更に記憶し、
前記取得手段は、前記読み取り装置の設置位置に関する位置情報を更に取得し、
前記記憶手段に記憶された前記位置情報により特定される位置と前記取得手段により取得された前記位置情報により特定される位置との間を移動するのに要する必要時間を取得する必要時間取得手段を更に備え、
前記比較手段は、前記時間差取得手段により取得された前記時間差と前記必要時間取得手段により取得された前記必要時間とを比較することを特徴とする請求項9記載のサーバ。
【請求項11】
紙幣類の偽造を監視する偽造監視システムにて用いられる読み取り装置であって、
前記紙幣類に付された識別情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段が読み取った読み取り識別情報を前記偽造監視システムに設けられたサーバにネットワークを介して送信する送信手段と、
前記サーバに格納された紙幣類の識別情報に前記送信した読み取り識別情報と同一の識別情報が存在するか否かの判断結果を前記サーバから前記ネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信した前記判断結果を出力する出力手段と、
を含む読み取り装置。
【請求項12】
前記送信手段は、前記読み取り手段が前記識別情報の読み取りを行った際の読み取り時刻に関する時間情報、および装置本体の設置位置に関する位置情報を前記サーバに更に送信することを特徴とする請求項11記載の読み取り装置。
【請求項13】
経度および緯度を把握するGPS(Global Positioning Systems)受信機を更に備え、
前記送信手段は、前記GPS受信機にて受信された経度および位置の情報を前記位置情報として前記サーバに送信することを特徴とする請求項12記載の読み取り装置。
【請求項14】
紙幣類の偽造を監視する偽造監視システムにネットワークを介して接続され、紙幣類の印刷を行う印刷装置であって、
画像を媒体に対して形成する形成手段と、
前記媒体に対して識別情報を付与する識別情報付与手段と、
前記識別情報付与手段により付与される前記識別情報を前記偽造監視システムに設けられたサーバの記憶手段に記憶させるべく、当該サーバに前記ネットワークを介して当該識別情報を送信する送信手段と、
を備える印刷装置。
【請求項15】
前記送信手段は、前記識別情報付与手段が前記紙幣類に前記識別情報を付与した際の付与時刻に関する時間情報、および装置本体の設置位置に関する位置情報を前記サーバに更に送信することを特徴とする請求項14記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−116798(P2009−116798A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291975(P2007−291975)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】