説明

傾斜可能な文書画像化装置

文書データを記録するための文書画像化装置(10)は、画像データ変換装置(34)と、給紙入力源(14)から紙経路に沿って、画像データ変換装置を通り過ぎて、出力スロット(16)に至るよう文書シートを推進するための給紙装置(36)とを有する、画像化装置本体(12)を有する。画像化装置本体(12)は、複数の傾斜角位置の1つに画像化装置本体(12)の傾斜角を調節するために、支持台(20)に旋回可能に結合される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、文書のための画像化装置に関し、より具体的には、傾斜可能な紙経路を有する画像化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デスクトップ及びポータブルコンピュータ機器及び周辺機器の提供者は、これらの機器のデスクトップ空間要求を減少することの価値を鋭く認識している。具体的には、プリンタ又はスキャナのような周辺文書画像化装置のための寸法フットプリントを減少することに利益がある。何故ならば、具体的には、そのような機器は、多くの環境において断続的に使用され得るからである。
【0003】
文書を走査し記録するための光学スキャナは、1つの周知の種類の画像化装置である。光学スキャナは、典型的には、光学読取り素子と、光源と、平坦位置にある文書の走査済み位置を維持するためのガラス又は透明プラスチックから形成されるプラテンとを有する。動作中、文書からの光学データは、典型的には、走査データの圧縮を伴って、光学読取り素子から、さらなる処理のために一時的にデータを記憶する1つ又は幾つかのバッファメモリに移転される。よって、光学スキャナは、走査済み文書上に記録されたテキスト及び画像標識を画像データに変換し、画像データをその出力として提供する。
【0004】
光学スキャナと比較すると、印刷装置は相補方向に動作し、その入力で画像データをシート基板上に記録される印刷済みテキスト及び画像標識に変換し、文書を形成する。文書を基板上に形成することによる画像化のために、多様な種類のポータブルプリンタが、デスクトップ及びワークグループ印刷環境において使用される。この一般等級内のポータブルプリンタは、例えば、使用され得る他の種類のプリンタと共に、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、及び、感熱プリンタを含む。
【0005】
文書を走査するためであれ、文書を印刷するためであれ、従来的なデスクトップベースの文書画像化用途のために、何らかの方法で、相対動作が、紙のような文書基板と、画像を作成するために或いは抽出するために基板を走査する画像データ変換構成素子との間にもたらされる。1つの周知の種類の画像化装置、平台(フラットベッド)スキャナにおいて、文書は、透明プラテン上に静止したままであり、プラテンの他方の側の上の可動キャリッジ組立体上に取り付けられる光学読取り素子が、文書シートを走査するために、プラテンの長さに沿って走行する。しかしながら、殆どの種類のデスクトップ及びワークグループ画像化装置を用いるならば、プリンタ及びスキャナの双方に同様に、代替的な「枚葉紙」型(“sheet-fed” model)が当て嵌まる。
【0006】
枚葉紙設計を用いるときには、画像データ変換装置は静止的であり、文書シートが、画像記録又は光学走査のいずれかのために、画像データ変換装置を越えて走査される。枚葉紙操作は、多くの用途における自動化操作及びコンパクトさのために利点を有し、スキャナ内の光センサの線形配列による各行画像感知並びに線形又は線形作動印刷ヘッドによる各行マーキングに良く適している。単一シート文書を走査し或いは印刷するために、或いは、走査又は印刷のために1回に1枚のシートをシートの積重ねから連続的に引き抜くために、枚葉紙画像化装置が使用可能であり、この装置を容量が重要である用途により良好に適したものにする。
【0007】
デスクトップスキャナ及びデスクトッププリンタの両方が、空間又はフットプリントが最重要である文書画像化環境において動作する。典型的な文書画像化装置のための空間要件を減少するための提案済みの解決策は、以下を含む。
米国特許出願第2004/0262397号(Khovaylo)は、支持スタンドに付着し、水平から垂直に角度をなして傾斜されるときに単一走査を遂行することを可能にする平台スキャナを記載している。
米国特許第6,233,064号(Griffin)は、操作のために垂直位置に配置され得る平台スキャナを記載している。
米国特許第5,903,364号(Shih−Min)は、多数の異なる位置の1つにおいてスキャナを支持する傾斜表面を備えるベースプレートを有するスキャナを記載している。
【0008】
一例として、減少フットプリント枚葉紙スキャナ、日本国埼玉県のキャノン電子株式会社からのDR−2050Cスキャナが、デスクトップ環境のために導入された。この機器では、紙走行経路は、従来型の枚葉紙スキャナと異なり、概ね垂直である。この垂直向き
は、単一シート走査のために並びに前方装填のために許容され得る。しかしながら、垂直紙経路向きは、特にもし積重ねが異なる厚さのシートを有するならば、シートの積重ねからのシート送り込みのために、シートに対する皺又は固有のカールがある、或いは、1つ又はそれよりも多くのシート用の紙ストックが比較的薄い、より長い長さのシートのために、本来的に不利にされる。垂直に向けられるとき、文書はひっくり返り或いは給紙トレイから落ちさえする。シートが急勾配の垂直角度で紙取扱い機構から出る場合には、カールする傾向がある。この傾向は、単一シートを走査するときには問題を提起しないが、シートの積重ねが走査されなければならない場合には益々厄介であり、既存のシートを一緒に詰まらせ、故障させ或いは曲がらせ、しばしば手動再仕分け又は他の操作干渉を要求する。出力トレイの使用は、急勾配の角度で出る紙と共には最適でない。この同一の原則は、文書印刷にも該当する。単一文書のみが印刷される用途のために、特に操作者が印刷文書を得るために傍に立つ場合には、垂直紙経路は、容易に許容され得る。しかしながら、複数シート文書が印刷される場合、或いは、文書出力順序が重要である用途のためには、垂直紙経路は望ましくなく、代わりに、水平に向けられる紙経路が、複数ページを印刷するために一層好ましい。
【0009】
よって、従来的な実施において、枚葉紙文書画像化システムが水平に近い角度で紙の積重ねを維持する十分な理由がある。即ち、紙取扱いは、シートの積重ねがそのような傾斜で上に積み重なり合って位置する場合に最も滑らかに働く。対称的に、垂直にある或いは垂直に近い紙経路向きは、1枚よりも多くのシート又はより長いシートを走査するときに、紙取扱いの仕事をかなりより複雑で問題を起こしがちにする。
【0010】
紙取扱い構成素子に対する要求は、デスクトップスキャナ及びプリンタ性能を向上し且つより速い文書処理速度を提供する圧力を伴って強調される。この傾向の1つの例証として、より高容量生産スキャナに以前適用された解決法を使用して、より速い紙取扱いを備えるワークグループスキャナを提供する努力がなされている。例えば、従来的なワークグループスキャナが平均して毎分約20頁(PPM)の範囲内の濃淡階調走査を遂行する場合には、紙取扱い及び走査光学における改良が、この速度が2倍以上に増大することを可能にすることが考えられる。しかしながら、これを起こすために、紙取扱いは頑強でな蹴ればならず、出力積重ねを順にもたらし、カール、詰まり、又は、他の問題を最小限化する。
【0011】
頑強な紙取扱いのためのフットプリント及び能力は重要であるが、人間工学的な要因も考慮され得る。操作者が単一ページ走査を遂行し或いは単一文書を印刷する場合には、より自然な位置が画像化装置に面し、垂直向きは極めて満足である。最大で数秒取る走査又は印刷作業で、操作者は単一の出てくる文書を回収するのを待ち得る。しかしながら、複数の紙の積重ねが走査され或いは印刷されるべき場合には、特に文書シートが異なるサイズ又は厚さを有し得る場合には、スキャナの反対又は後側からの積重ねの送りがより自然である。例えば、操作者は、走査のために一組の文書を装填し得るし、次に、高い出口送り角度の故に故障する個々の文書を再仕分けするために傍に立つことを嫌い、走査の少なくとも一部の間に他のことに従事させられ得る。或いは、複数ページ印刷作業が、ネットワークの上で開始され得る。その場合には、シートは自動的に送り込まれ、さらに、順番に積み重ねられる印刷文書を提供することが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
バンキング及び通信の近年の発展並びに増え続ける数の電子取引に伴って、増大された速度及びより信頼性のある紙取扱いを含む全体的な性能の向上のための刺激で、部門、ワークグループ、及び、消費者市場セグメントのためのデスクトップ文書画像化装置が益々一層重要になることは明らかである。同時に、デスクトップ作業空間は、多くの仕事環境において最重要なままである。よって、性能の向上を可能にすると同時に、機器フットプリントを最小限化する、柔軟な文書画像化解決策の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡潔に、本発明の1つの特徴によれば、画像化装置本体を含む文書画像化装置であって、画像化装置本体は、
a)文書データを記録するための画像データ変換装置と、給紙入力源から紙経路に沿って、画像データ変換装置を通り越して、出力スロットに至るよう文書シートを推進するための給紙装置とを含み、
b)画像化装置本体は、画像化装置本体の傾斜角を複数の傾斜角位置の1つに調節するために支持台に旋回可能に結合される。
【0014】
紙経路傾斜角が操作者によって選択可能な位置に適合することが本発明の特徴である。
【0015】
単一又は複数文書の送りのために傾斜角の調節を可能にすると同時に、小さな寸法的なフットプリントを維持することが、本発明の利点である。
【0016】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴、及び、利点は、本発明の例証的な実施態様が示され且つ記載される図面と共に理解されるとき、以下の詳細な記載を読んだ後、当業者に明らかになるであろう。
【0017】
本明細書は、本発明の主題を具体的に示し且つ明瞭に請求する請求項で完結するが、本発明は、付属の図面を参照して、以下の記載からより良好に理解されると信じられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本記載は、具体的には、本発明に従った装置の一部を形成し且つより直接的に協働する素子に向けられている。特に図示されていない或いは記載されていない素子は、当業者に周知の様々な形態を取り得ることが理解されるべきである。
【0019】
ここで使用される「文書画像化装置」という用語は、次の2つの指示のいずれかにおいて文書データを読み取るために使用される機器の大等級に言及している。即ち、(i)画像データに従って文書を形成するために画像及び他の種類の人間読取り可能な情報を1枚の基板上に記録すること、或いは、(ii)機械読取り可能な画像データを光学走査によって文書シートから取得し且つ記録すること。人間読取り可能な情報を文書シート上に記録するための機器は、例えば、インクジェットプリンタ、感熱プリンタ、写真電子プリンタ、レーザプリンタ、及び、ラインプリンタのような、様々な種類のプリンタ装置を含む。機械読取り可能な画像データを取得し且つ記録するための機器は、一般的に、スキャナと分類される。
【0020】
その用語が本発明に関して使用されるとき、スキャナを使用し得る多数の機器があることを付記することは有益である。スキャナという用語は、一般的には、文書の内容を示す機械読取り可能な画像データ信号を取得し且つ記録するために文書を光学的に走査する機器に当て嵌まる。よって、スキャナという用語は、前述の背景技術部分において記載された様々な種類の平台及び給紙デスクトッププリンタを含むのみならず、一般的にはファックス機と呼ばれるファクシミリ装置、コピー装置、並びに、これらの画像捕捉、再生、及び、送信機能を含む他の類似の機器の該当部分をも含む。テキスト文書、フォーム、バンキング及び法律取引、アプリケーション、写真及び他の画像、アートワーク、並びに、クレジットカード、運転免許証、IDバッジ、及び、類似物のような識別文書を含む、数多くの種類のシート文書が、走査され得る。同様に、本発明はプリンタに当て嵌まるが、例えば、ファクシミリ装置のような、構成素子としての印刷又はマーキング装置を含む機器にも当て嵌まる。
【0021】
図10のブロック図に示されるように、プリンタ又はスキャナのような、より低価格のデスクトップ又はワークグループ文書画像化装置10が、典型的には、ある種類のコンピュータワークステーションのような制御ロジックプロセッサ50に接続され、多数の異なる環境にいずれにおいても使用され得る。制御ロジックプロセッサ50は、典型的には、文書画像化装置10によって文書48に記録され或いは文書から記録される画像データを読み取り或いは書き込むための支持画像データ記憶装置52を有する。一部の環境では、例えば、操作者は、識別文書のような単一シート文書を走査するために、ワークグループスキャナを使用する。代替的に、操作者は、単一ページフォーム又は他の種類の「オンデマンド」文書を定期的に印刷し得る。背景技術部分で以前に付記されたように、操作者待機を伴う前方送りが、この種類の走査又は印刷にとって典型的である。垂直紙経路向きが、この種類の用途における枚葉紙文書画像化装置に極めて適している。その対極で、銀行小切手又は複数ページフォームが走査される環境におけるような、積重ねから送り込まれる文書を走査するために、ワークグループスキャナが使用され得る。同様に、印刷装置は、ネットワーク上の複数の使用者に供するよう構成され得る。そのような用途のために、前記の紙取扱い考慮の故に、水平に向かってより近接して傾斜される紙経路が、より好ましい。単一送り又は積重ね送り環境の双方に供するスキャナ又はプリンタ設計に特別な利点があり、手近の文書画像化作業に容易に適合し、操作者によって所定位置に容易に調節され、同時に最少フットプリントのみを必要とすることが理解され得る。
【0022】
図1の斜視図を参照すると、本発明の1つの実施態様に従った文書画像化装置10が示されている。画像化装置本体12が、給紙機構、及び、画像データに従った画像を記録するための印刷ヘッド又は走査画像データを取得し且つ記録するのに必要とされる操作カメラ光学素子及び感知構成素子のような、走査状に文書データを記録するための1つ又はそれよりも多くの画像データ変換構成素子を収容する。画像化装置本体12は、給紙入力源14と、紙出口のための出口スロット16とを有する。制御パネル18が、文書画像化装置10のデスクトップ又はワークグループ走査にとって典型的な、オンライン/オフライン制御、スキャナ又はプリンタモード制御及び選択、開始及び取消制御、並びに、類似制御のような、所要の操作者制御を有する。画像化本体12は、旋回的に支持ベース又は台20に機械的に結合される。旋回機構22が、画像化装置本体12の傾斜角が様々な種類の使用のために最適に調節されることを可能にする旋回結合をもたらす。後述されるような、画像化装置本体12又は支持台20のいずれかに嵌入される、選択的な出力トレイ32が設けられ得る。入力トレイ24が、必要な場合に、入力文書シートを支持するために、上向きに折り畳む。入力トレイ24は、特に単一シート送りのみが必要とされる場合、画像化装置本体12に対して下方にも折り畳む。
【0023】
支持台20に旋回的に結合される画像化装置本体12の配置は、紙経路に沿う内部文書画像化装置構成素子への容易なアクセスを許容するために特に役立つ。図2の側面図は、画像化装置本体12が第一部分26と第二部分28とを有する1つの実施態様を示しており、第一部分26及び第二部分28は、出力シャフト26付近で一体に蝶番付けされ得るし、近給紙入力源14のような、ある種類の取り外し可能なラッチ30を有する。図2に示される特別な実施態様において、画像化装置本体12は、スキャナとして作用し、両面走査をもたらす。第一画像データ変換装置34が、そこから文書画像データを記録するよう文書の一方の側を走査するための走査カメラ組立体である。第二画像データ変換装置34が、文書の反対側を走査するための走査カメラ組立体である。走査のために構成されるとき、画像データ変換装置34は、例えば、CCDカメラ構成素子又はCMOS感知構成素子を使用し得る。
【0024】
情報の流れに関して、画像データ変換装置34は、画像からの記録のために画像データを抽出するために、或いは、ある方法で文書を印刷又はマーキングすることによって画像データから画像を記録するために、文書データを記録するために2つの方向の1つで動作し得る。印刷又は光学感知のいずれかの実施態様のために、文書は、画像データ変換装置34を通り越して制御された速度で移動され、画像データへの或いは画像データからの変換は、画像データ変換装置で起こる。文書画像化装置10がプリンタである1つの代替的な実施態様において、画像データ変換装置34は、印刷ヘッドのような画像を記録するための素子又はマーキングモジュールであり得る。典型的には、単一の画像データ変換装置34がプリンタのために提供されるよう、1つだけの印刷ヘッドが使用される。しかしながら、両面印刷実施態様は、図2に示されるように、印刷ヘッドとして第一及び第二の画像データ変換装置34を利用し得る。
【0025】
給紙装置36が、給紙入力源14から送り込まれる文書のための単一シート送りをもたらす。給紙装置36は、例えば、クラッチ付き送り駆動装置を使用して、紙経路に沿う走査のために文書シートを推進し得る。図示の蝶番付き構成を用いるならば、これらの内部光学素子及び紙送り素子は、例えば、シート始端/シート終端センサ及び補助ローラのような、他の構成素子と共に、洗浄、詰まり除去、又は、検査操作のために容易にアクセスされ得る。
【0026】
図3、4、及び、5の側面図は、文書画像化装置10が必要とされる種類の画像化のための適切な位置に向けられることを、旋回機構22によってもたらされる旋回結合がどのように可能にするかを示している。紙経路は指定のPであり、これらの図面中で破線で辿られている。「紙経路」という用語は、その標準的な暗示的な意味を有し、文書自体が紙、プラスチック、又は、他の非紙材料若しくは混合材料であるか否かに拘わらず、文書シートが文書画像化装置10内に沿って移動する経路を定める。
【0027】
図3において、紙経路Pは、画像化本体12内で実質的に垂直な向きを有する。前記のように、1枚のシートだけを走査又は印刷するとき、これはしばしば前方送りのための好適な向きである。紙経路Pが画像化装置本体12を出て水平に向きを変える、出口スロット16に続く鋭い屈曲は、円滑な紙取扱いにとって潜在的な問題の源であり、例えば、より長いシート又は折畳みシートでカールをより引き起こしがちであり得る。図3の向きは、最少フットプリントを有利にもたらす。フットプリント及び高さの双方の減少のために、蝶番付き入力トレイ24は、図7の側面図に示されるように、画像化装置本体12に対して下げられ得る。
【0028】
図4に示される位置では、紙経路Pは、より水平に向かって傾斜された向きを有する。前記のように、この位置は、シートの積重ねからのシート送りのためにより好適であり、給紙入力源14で、より良好なシート取上げ及び分離をもたらす。この中間位置は、紙経路Pの適度に円滑な出力部分をもたらすので、走査済み或いは印刷済みシートの適切な積重ねは、図3の構成を用いるよりも起こり得る。この向きでの有効フットプリントは、図3に示されるものよりも大きいが、水平配置ユニットのために必要とされるほど大きくはない。
【0029】
図5の位置では、紙経路Pは、紙取扱いのために最適化されている。給紙入力源14で、分離及びシート取上げは最良に働く。出力スロット16で、紙経路Pは、徐々に水平に向かって傾斜し、多くの種類の文書のための最適な積重ね構成をもたらす。人間工学的に、これは走査のための最適な後方送り向きである。これは、典型的には、無人印刷のための最良の構成でもあり、印刷されていない媒体の積重ねは入力トレイ24内に装填された状態である。しかしながら、特に入力トレイ24及び出力トレイ32が図示のように延出される場合には、この構成はフットプリントのためには最適化されていない。図6は、後方送り位置からの文書画像化装置10の斜視図を示している。
【0030】
出力トレイ32は、如何なる数の位置にも配置され或いは位置付けられ得る。1つの実施態様において、出力トレイ32は、支持台20の下に嵌合され得る。これは図3の近垂直向きで有利な構成である。出力トレイ32は支持台20内にも嵌合され得る。この構成は図4の中間向きにおいて有利である。選択的に、出力トレイ32は、画像化装置本体12内に嵌合され得る。これは図5の近水平向きを使用するときの実際的な構成である。
【0031】
旋回機構22は、如何なるの数の形態をも取り得る。図1−7の実施態様において、旋回機構22は、画像化装置本体12及び支持台20の双方からの構成素子を使用する。図2及び8を参照すると、例えば、円形軌道38が支持台20内に提供されている。画像化装置本体12上の合わせ円形フランジ400が、旋回点Cについての旋回運動を許容する連結様式で軌道38内に位置する。ラッチ機構42が、図3−5に示されるような多数の固定位置の1つへの画像化装置本体12の傾斜を許容する。1つの実施態様では、図3、4、及び5に示される傾斜位置に概略対応する、水平に対して約65度、52度、及び、25度の固定傾斜位置が提供される。有利に、図2に示されるように、この位置が走査又は印刷の間に或いは洗浄又は内部部分に対する他のアクセスの間に維持されるよう、ラッチ機構42は画像化装置本体12を傾斜位置に係止するよう設計され得る。図8の旋回機構22の実施態様中に示されるラッチ機構42は、最少フットプリントを維持するという利点を有する。
【0032】
ラッチ機構42に対する可能な代替物は、別個の固定位置調節よりむしろ、傾斜角の連続的な調節を可能にする様々な種類の傾斜機構を含む。図9の斜視図に示される1つの代替として、支持台20は、旋回点Cを支持するために上向きに延びるアーム44を有し、画像化装置本体12を適切な位置に傾斜させるよう緩められ、次に、この位置を保持するよう締められる標準的なネジ付きファスナモデルに基づく、適切な調節ノブ46を備える。この種類のラッチ機構42は、連続的な範囲の角度に亘る調節を可能にする。しかしながら、そのような構成は、文書画像化装置10の寸法的なフットプリントにとって図1−8の実施態様ほど有利ではなくあり得る。
【0033】
画像化装置本体12が印刷機本体として構成されるとき、本発明の装置及び方法は、一連の画像を同時に形成する印刷ヘッドに適合する。画像化装置本体12がスキャナ本体として構成されるとき、本発明の装置及び方法は、高速及びより低い費用のためにCCD又はCMOSセンサを使用する構成素子又はより高価でより遅い接触配列を使用する構成素子を含む様々な種類の走査光学素子と適合する。
【0034】
様々な紙取扱い構成素子が、給紙装置36の一部として紙経路Pに沿って文書シートを推進するために使用され得る。片面又は両面走査又は印刷のいずれかが提供され得るし、並びに、それぞれが別個の画像データ変換装置34を用いて提供されて、印刷及び走査機能の両方が提供され得る。
【0035】
前記のように、文書画像化装置10は、全範囲の媒体種類を走査し或いは印刷するために使用され得る。文書シートは、例えば、紙、プラスチック、並びに、紙及びプラスチックの混成組み合わせを含む多数の種類の材料のいずれでもあり得る。文書シート材料は、様々なサイズであり得るし、透明、不透明、感光性であり得るし、或いは、他の適切な特性を有し得る。画像化装置本体12の傾斜角調節は、プログラム化された指令、或いは、例えば、文書種類、紙積重ね厚さ、又は、タイムアウトのような感知条件に従って傾斜位置を設定し或いは再設定する自動化機構を含む、多数の異なる種類の旋回機構22のいずれを使用しても行われ得る。
【0036】
よって、提供されるものは、傾斜可能な紙経路を有する文書画像化装置である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】1つの実施態様における本発明の文書画像化装置を示す斜視図である。
【図2】内部構成素子の場所を示す文書画像化装置を示す側面図である。
【図3】近垂直位置に傾斜された文書画像化装置を示す側面図である。
【図4】中間傾斜位置に傾斜された文書画像化装置を示す側面図である。
【図5】近水平位置に傾斜された文書画像化装置を示す側面図である。
【図6】積重ね装填位置からの文書画像化装置を示す斜視図である。
【図7】頂部トレイが折り畳まれた状態の文書画像化装置を示す側面図である。
【図8】1つの実施態様における係止傾斜機構を近接して示す斜視図である。
【図9】代替的な実施態様におけるラッチ機構を示す斜視図である。
【図10】本発明に従った文書画像化装置の全体的機能を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
10 文書画像化装置(document imaging apparatus)
12 画像化装置本体(imager body)
14 給紙入力源(paper feed input source)
16 出力スロット(output slot)
18 制御パネル(control panel)
20 支持台(support pedestal)
22 旋回機構(pivoting mechanism)
24 入力トレイ(input tray)
26 部分(section)
28 部分(section)
30 ラッチ(latch)
32 出力トレイ(output tray)
34 画像データ変換装置(image data transformation apparatus)
36 給紙装置(paper feed apparatus)
38 トラック(track)
40 フランジ(flange)
42 ラッチ機構(latch mechanism)
44 アーム(arm)
46 ノブ(knob)
48 文書(document)
50 制御ロジックプロセッサ(control logic processor)
52 画像データ記憶装置(image data storage)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化装置本体を含む文書画像化装置であって、
画像化装置本体は、
a)文書データを記録するための画像データ変換装置と、給紙入力源から紙経路に沿って、前記画像データ変換装置を通り越して、出力スロットに至るよう文書シートを推進するための給紙装置とを含み、
b)前記画像化装置本体は、前記画像化装置本体の傾斜角を複数の傾斜角位置の1つに調節するために支持台に旋回可能に結合される、
文書画像化装置。
【請求項2】
前記旋回結合は、ラッチ機構によってもたらされる、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項3】
前記ラッチ機構は、少なくとも2つの固定位置をもたらす、請求項2に記載の文書画像化装置。
【請求項4】
前記旋回結合は、角度の範囲に亘る連続的な角度調節を可能にする、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項5】
前記給紙装置は、クラッチ付き送り駆動機構を含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項6】
前記出力スロットから出る文書シートを収集するための出力トレイをさらに含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項7】
前記出力トレイは、前記画像化装置本体に付着する、請求項6に記載の文書画像化装置。
【請求項8】
前記出力トレイは、前記支持台に付着する、請求項6に記載の文書画像化装置。
【請求項9】
前記画像データ変換装置は、スキャナを含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項10】
前記画像データ変換装置は、接触配列を含む、請求項9に記載の文書画像化装置。
【請求項11】
前記画像データ変換装置は、CCDセンサを含む、請求項9に記載の文書画像化装置。
【請求項12】
締結機構を有する旋回結合を含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項13】
前記画像化装置本体は、少なくとも2つの選択的な位置のいずれかにおいて動作する出力トレイをさらに含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項14】
前記画像データ変換装置は、CMOSセンサを含む、請求項9に記載の文書画像化装置。
【請求項15】
前記画像データ変換装置は、印刷ヘッドを含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項16】
前記印刷ヘッドは、インクジェット印刷ヘッドである、請求項15に記載の文書画像化装置。
【請求項17】
前記印刷ヘッドは、感熱印刷ヘッドである、請求項15に記載の文書画像化装置。
【請求項18】
前記画像データ変換装置は、レーザを含む、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項19】
前記文書シートは、感光媒体である、請求項1に記載の文書画像化装置。
【請求項20】
a)文書データを記録するための画像データ変換装置と、給紙入力源から紙経路に沿って、前記画像データ変換装置を通り過ぎて、出力スロットに至るよう文書シートを推進する給紙装置とを含む、画像化装置本体と、
b)支持ベースと、
c)前記画像化装置本体の傾斜角を前記支持ベースに対する複数の傾斜位置の1つに調節するための旋回結合とを含む、
文書画像化装置。
【請求項21】
前記旋回結合は、前記画像化装置本体上の円形フランジと、前記支持台上の合わせ軌道とを含む、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項22】
前記旋回結合は、連続的に調節可能である、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項23】
前記旋回結合は、複数の所定位置に適合する、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項24】
前記画像データ変換装置は、CCDセンサを含む、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項25】
前記画像データ変換装置は、CMOSセンサを含む、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項26】
前記画像データ変換装置は、インクジェット印刷ヘッドを含む、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項27】
前記画像データ変換装置は、感熱印刷ヘッドを含む、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項28】
前記文書シートは、感熱媒体である、請求項20に記載の文書画像化装置。
【請求項29】
少なくとも1つの走査カメラと、給紙入力源から紙経路に沿って、前記少なくとも1つの走査カメラを通り過ぎて、出力スロットに至るよう文書シートを推進する給紙装置とを含むスキャナ本体とを含み、該スキャナ本体は、前記スキャナ本体の傾斜角を複数の傾斜角位置の1つに調節するための支持台に旋回可能に結合される、走査装置。
【請求項30】
少なくとも1つの印刷ヘッドと、給紙入力源から紙経路に沿って、前記少なくとも1つの印刷ヘッドを通り過ぎて、出力スロットに至るよう文書シートを推進する給紙装置とを含むプリンタ本体とを含み、該プリンタ本体は、前記プリンタ本体の傾斜角を複数の傾斜角位置の1つに調節するための支持台に旋回可能に結合される、印刷装置。
【請求項31】
文書を走査するための方法であって、
a)走査カメラと、給紙入力源から紙経路に沿って、前記走査カメラを通り過ぎて、出力スロットに至るよう文書シートを推進する給紙装置とを含む走査本体を提供するステップと、
b)複数の傾斜角位置の1つに対する前記スキャナ本体の傾斜角の調節を許容する旋回結合機構を使用して、前記走査本体を支持台に結合するステップとを含む、
方法。
【請求項32】
文書を印刷するための方法であって、
a)印刷ヘッドと、給紙入力源から紙経路に沿って、前記印刷ヘッドを通り過ぎて、出力スロットに至るよう文書シートを推進する給紙装置とを含むプリンタ本体を提供するステップと、
b)複数の傾斜角位置の1つに対する前記スキャナ本体の傾斜角の調節を許容する旋回結合機構を使用して、前記プリンタ本体を支持台に結合するステップとを含む、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−527143(P2009−527143A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554267(P2008−554267)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/002541
【国際公開番号】WO2007/094958
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】