説明

傾斜角度センサ、および傾斜角度センサ装置

【課題】機械要素を用いずに傾斜角度に関する検出信号を出力する傾斜角度センサの提供を図る。
【解決手段】傾斜角度センサ50は、送信部4と球形容器3と受信部5とを備える。送信部4は、鉛直方向からの傾斜角度θに応じた方向に超音波パルスを送信する。球形容器3は2種の不混和な油剤1,2が充填されている。超音波パルスは、油剤1,2の間の水平な界面6を通過する。受信部5は、超音波パルスを受信し検出信号を出力する。傾斜角度θに応じて、超音波パルスの油剤1,2における伝搬距離が変化し、超音波パルスの総伝搬時間が変化する。したがって、検出信号の、駆動信号の送信時間に対する遅延時間は、は、傾斜角度θに応じて変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自機の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度に関する検出信号を出力する傾斜角度センサと、傾斜角度センサの出力する受信信号に基づいて傾斜角度を取得する傾斜角度センサ装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
自機の鉛直方向からの傾斜に応じて移動するボールを備え、ボールの位置を検出することにより、自機の鉛直方向からの傾斜方向と傾斜角度とを検出するセンサが提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【特許文献1】特開平11−273515号公報
【特許文献2】特開平9−292219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ボールのような機械要素を備えるセンサは物理的損傷が生じ易く耐用期間が短い。
【0004】
そこで、本発明は機械要素を用いずに傾斜角度に関する検出信号を出力する傾斜角度センサと、傾斜角度センサの出力から傾斜角度を取得する傾斜角度センサ装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の傾斜角度センサは、自機の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度に関する検出信号を出力する。そのために傾斜角度センサは、送信手段と受信手段と位置保持手段とを備える。送信手段は、自機の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度に応じた方向に送信波を送信する。受信手段は、送信波を受信した検出信号を出力する。位置保持手段は、送信手段から送信した送信波が2種の不混和流体の間の略水平な界面を通過して受信手段にて受信される位置に送信手段と受信手段とを保持する。2種の不混和流体とは、互いの不混和性の高い2種の液体や、液体と気体などである。
【0006】
この構成では、不混和流体の界面が水平を維持することを利用して、界面を通過する送信波を変化させる。このため、送信波を受信して生成する検出信号が傾斜角度に応じて変容する。
【0007】
位置保持手段として、各不混和流体が異なる容量で充填された球形容器または円筒状容器を用い、送信波が球形容器の中心または円筒状容器の中心軸に垂直な断面の中心を通過する位置に送信手段と受信手段とを保持すれば、各不混和流体にて傾斜角度に応じた伝搬距離で送信波が伝搬して受信手段にて受信される。そのため、検出信号は、各不混和流体での送信波の伝搬距離に応じて変容する。
【0008】
送信波としての音波の距離当たりの伝搬時間、すなわち音速が各不混和流体で相違すると好適である。この場合、各不混和流体での送信波の伝搬距離によって各不混和流体を通過する総伝搬時間が定まり、伝搬距離に応じて検出信号が変容する。したがって、検出信号から総伝搬時間を把握することで、送信波が各不混和流体を伝搬する伝搬距離、ひいては自機の傾斜角度が把握可能になる。
【0009】
傾斜角度センサ装置は、傾斜角度センサと傾斜角度取得部とを備え、傾斜角度センサの出力する検出信号に基づいて音波の総伝搬時間を算出し、傾斜角度を取得してもよい。この取得には、以下の式に相当する演算を用いることができる。
【0010】
【数1】

【0011】
ただし、傾斜角度θ、総伝搬時間T、音波の距離当たりの伝搬時間である音速U,V、球形容器の中心から界面までの距離である界面距離H、容器の円形断面の半径R、各不混和流体以外を音波が伝搬する時間ΔTである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の傾斜角度センサおよび傾斜角度センサ装置は、不混和流体の界面が水平を維持することを利用して、界面を通過する送信波を傾斜角度に応じて変化させる。これにより、不混和流体を伝搬する送信波が傾斜角度に応じて変容し、送信波を受信して傾斜角度に関する検出信号を出力できる。機械要素が必要ないので物理的損傷が生じ難く耐用期間が長い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態に係る傾斜角度センサを備える傾斜角度センサ装置の一例として、機構部の姿勢を制御する姿勢制御装置を説明する。
【0014】
図1は姿勢制御装置の概略のブロック図である。
姿勢制御装置100は、機構部60と制御部90とを備える。機構部60は傾斜角度センサ50を備え、制御部90は機能的に駆動信号生成部70と傾斜角度算出部80を備え、機構部60を制御する。機構部60は制御部90からの制御により自らの姿勢を変更する。駆動信号生成部70は駆動信号を生成して、傾斜角度センサ50と傾斜角度算出部80とに出力する。傾斜角度センサ50は駆動信号によって駆動し、機構部60の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度に関する検出信号を出力する。傾斜角度算出部80は、駆動信号生成部70が出力する駆動信号と傾斜角度センサ50が出力する検出信号とに基づいて、機構部60の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度を算出する。制御部90は、傾斜角度算出部80の算出結果に基づいて機構部60を制御する。
【0015】
図2は傾斜角度センサ50の概略の垂直断面図である。
【0016】
傾斜角度センサ50は、一例として油剤1,2と球形容器3と送信部4と受信部5とを備える。球形容器3は、油剤1と油剤2とが充填された球形の容器であり、機構部60にともなって姿勢を変更する。油剤1と油剤2とはそれぞれ異なる容量で球形容器3に充填されている。油剤1と油剤2とは互いの不混和性が高く、互いの境界に水平な界面6が形成され、油剤2より比重が小さい油剤1が界面6の上方で層をなし、油剤2が界面6の下方で層をなす。また、油剤1と油剤2とは、それぞれにおける距離当たりの音波の伝搬速度、すなわち音速が相違する。
【0017】
送信部4は、球形容器3の姿勢が鉛直方向を向く際の頂点の外側に設けられていて、球形容器3の形状中心に向けて音波を送信する圧電素子を備える。受信部5は、球形容器3の外側の送信部4と対向する位置に設けられ、球形容器3の形状中心の方向からの音波を受信する圧電素子を備える。
【0018】
この傾斜角度センサ50では、球形容器3の姿勢を傾斜させても界面6の位置は水平に維持されるが、送信部4及び受信部5は球形容器3の姿勢の傾斜に伴って傾斜する。これにより、送信部4から受信部5までの音波の伝搬経路における界面6の位置が変化し、各油剤1,2内での音波の伝播距離が変化する。このため球形容器3の姿勢が傾斜すると、各油剤1,2内での音波の伝播時間が変化し、送信部4から受信部5までの音波の総伝搬時間も変化する。
【0019】
したがって、受信部5にて検出する音波の検出信号における音波波形は、送信部4の駆動信号における駆動波形よりも、総伝播時間だけ遅延したものになる。これにより、音波の検出信号から総伝搬時間を計測することができる。なお、送信部4を油剤1,2の界面近傍に配置すると、音波の全反射が生じることがあって、この場合、送信部4から送信された音波を受信部5にて受信できなくなる。このため、検出角度θが検出できなくなることがある。そこで、この傾斜角度センサ50においては、想定される傾斜角度範囲において音波の全反射が生じないような条件となるように送信部4および受信部5の位置を予め決定しておく。
【0020】
また、油剤1,2の特性としては、それぞれでの音速が大きく異なると好適であり、望ましくは一方の音速が他方の音速の1.2倍程度はあるとよい。音速の差が大きいほど、傾斜角度の変化に対する総伝搬時間の変化の感度が大きくなるためである。
【0021】
図3は、送信部4の駆動信号と、受信部5が出力する検出信号との関係を説明する図である。図中の(A)は送信部4の駆動信号の電圧の時間変化の一例を示すグラフであり、図中の(B)は受信部5の出力する検出信号の電圧の時間変化の一例を示すグラフである。
【0022】
駆動信号生成部70が、時刻t0に立ち上がるパルス電圧を駆動信号として、傾斜角度センサ50の送信部4と傾斜角度算出部80とに出力すると、送信部4の振動子は発振し音波を送波する。この音波は、送信部4の振動子から、球形容器3の壁、油剤1、油剤2、球形容器3の壁を媒体として伝搬し、時刻t1にゼロクロスをとる検出信号として受信部5で受信される。受信部5は検出信号を傾斜角度算出部80に出力する。後述する傾斜角度算出部80の処理では、この時刻t1を利用して傾斜角度を算出する。なお、検出信号のゼロクロス時刻ではなく立ち上がり時刻を時刻t1として採用すれば、受信部5を構成する圧電素子のばらつきや、送信部4から送信される音波の周波数ばらつきの影響を受けて測定精度に問題が生じる虞がある。そのため、ここでは検出信号の立ち上がり時刻ではなくゼロクロス時刻を時刻t1として採用することで、上述の虞をなくし、精度の高い信号検知を行うようにしている。
【0023】
傾斜角度算出部80は、時刻t0から時刻t1までの総伝搬時間Tを検出し、この時間Tに基づいて球形容器3の傾斜角度θを算出する。傾斜角度算出部80における傾斜角度θの算出は、以下の算出式に総伝搬時間Tと、各種定数とを代入することにより行う。ここで、各不混和流体中での音速を定数U,Vとし、球形容器3の中心から界面6までの界面距離を定数Hとし、球形容器3の半径を定数Rとし、音波が球形容器3の壁を伝搬する時間を定数ΔTとする。
【0024】
【数1】

【0025】
この傾斜角度算出部80の算出結果に基づいて、制御部90は機構部60の制御内容を決定し、機構部60を制御する。
【0026】
以上の構成により、本実施形態の姿勢制御装置100は、機械要素を用いない傾斜角度センサ50によって、傾斜角度に関する検出信号を取得し、その検出信号から傾斜角度を取得することができる。機械要素を用いていない傾斜角度センサ50は、故障し難く耐用期間が長い。
【0027】
この実施形態では傾斜角度算出部80にて傾斜角度を算出する構成について説明したが、予め、総伝搬時間と傾斜角度との対応関係を記憶したテーブルを用意しておけば、算出式を用いなくても傾斜角度を取得できるので、このようなテーブルを備えていても良い。
【0028】
次に、傾斜角度θの算出式の導出について説明する。
【0029】
機構部60および球形容器3が傾斜すると、送信部4の位置も傾斜する。傾斜角度θで送信部4の圧電素子が発振すると、超音波パルスが球形容器3の壁、油剤1、油剤2、球形容器3の壁を媒体として伝搬するが、超音波パルスが油剤1の層を伝搬する距離L1と、油剤2の層を伝搬する距離L2とが、傾斜角度θと容器半径Rと界面距離Hとに応じた次式で示す値となる。
【0030】
【数2】

【0031】
【数3】

【0032】
各油剤層での音速は温度や圧力などの影響を除けば一定であるため、超音波パルスが油剤1を伝搬するのに要する時間T1は傾斜角度θと音速Uとに応じて次式で示すように変化する。
【0033】
【数4】

【0034】
同様に、超音波パルスが油剤2を伝搬するのに要する時間T2は、傾斜角度θと音速Vとに応じて次式で示すように変化する。
【0035】
【数5】

【0036】
ここで、超音波パルスが送信部4から受信部5まで伝搬するのに要する時間Tは、超音波パルスが油剤1を伝搬するのに要する時間T1と、超音波パルスが油剤2を伝搬するのに要する時間T2と、超音波パルスが球形容器3の壁面を伝搬するのに要する時間ΔTとから次式で表される。
【0037】
【数6】

【0038】
この式の変形から、以下の傾斜角度θの算出式が導出される。
【0039】
【数1】

【0040】
なお、この算出式が成立するための条件としては、油剤1,2の音速U,Vが相違すること、距離L1,L2が正であることがある。音速U,Vが等しくても、距離L1,L2がゼロ、すなわち音波が界面6から外れても、音波の総伝搬時間が傾斜角度によらずに一定となってしまうためである。
【0041】
界面距離Hを大きくするほど、傾斜角度θの変化に対する各油剤1,2内での伝搬距離の変化が大きくなり、傾斜角度の変化に対する総伝搬時間の変化の割合を大きくできるが、逆に、界面自体の面積が小さくなって音波が界面6を通過する傾斜角度θの範囲は狭くなる。界面距離Hは油剤1,2の容量比に応じて定まるため、感度と傾斜角度の測定可能範囲との兼ね合いを考慮して、油剤1,2それぞれの容量を定めると良い。
【0042】
また、油剤1,2間の表面張力の差や球形容器3の壁との濡れ性によって、界面6は水平から微視的には湾曲する。界面6の湾曲は、球形容器3の半径Rが十分に大きければ無視できるが、半径Rが小さすぎると界面6の湾曲による測定誤差が大きくなり無視できなくなる。そのため、測定誤差と装置サイズとの兼ね合いを考慮して、球形容器3の半径Rを定めると良い。界面6をより水平とするためには、第1油剤1と第2油剤2とはそれぞれの表面張力や濡れ性が近似することが望ましい。そのため、第1油剤1と第2油剤2との表面張力や濡れ性を、改質剤などにより改質すると好適である。
【0043】
また、傾斜角度センサ50の傾斜に対して、界面が水平となる応答性を高めるために、第1油剤1と第2油剤2とは低粘性であることが望ましい。そのため、第1油剤1と第2油剤2との粘性を、改質剤などにより改質すると好適である。
【0044】
また、油剤1,2間の屈折率の差によって微視的には音波は屈折するが、受信部5の位置が音波のビーム幅の範囲内に収まれば受信信号を出力できる。音波の屈折による総伝搬時間の影響は小さいため、殆ど無視することができる。
【0045】
また、油剤1,2に替えて、水と油や、液体と気体とを採用することもできるが、各流体の不混和性が高いことが望ましく、また流体同士の泡立ちを抑える必要があるため、本実施形態では、油剤1,2を採用した。
【0046】
また、本実施形態では、油剤1,2を充填する容器として球形容器を用いたが、垂直断面が円形の円筒形の容器を用いても良い。この場合、送信部4および受信部5を円筒形容器の例えば外周面に配置して、断面の円の中心を送信波が通過するようにすれば、上記の原理に基づいて同様に傾斜角度を取得することができる。なお、円筒形容器を用いた傾斜角度センサは、円筒形容器の中心軸まわりの傾斜のみが生じる装置に設けると傾斜角度の検出精度が高くなり好適である。
【0047】
次に、傾斜角度センサの動作を確認するため、サンプルを作製し、傾斜角度と総伝搬時間との関係を実際に測定した結果について説明する。
【0048】
制作したサンプルは、容器半径Rが9.45mm、界面距離Hが2.55mm、容器の壁の伝播時間ΔTが0.566μsec、油剤1での音速が1189m/sec、油剤2での音速が1499m/secである。
【0049】
送信部には図2に示すパルス波形の駆動信号(振幅5V、時間幅83nsec、駆動周期170μsec)を印加し、音波の総伝播時間は駆動信号の立上り(トリガレベル1V)から検出信号のゼロクロスまでの時間とした。
【0050】
図3は、サンプルについての実際の測定結果と、サンプルと同設定にて計算を行った計算結果とを示すグラフである。横軸は傾斜角度で、送波器が図1において球形容器の頂点の位置にある時を0°に、時計回りの傾斜を正としている。また、縦軸は超音波パルスの総伝播時間であり、測定結果と計算結果とを表している。
【0051】
その結果、測定値、計算値とも傾斜角度0°において伝播時間が最大となった。また、角度の絶対値が大きくなる程、総伝播時間が小さくなるという傾向が一致している。よって、総伝播時間と音速等の定数とに基づいて傾斜角度を取得できることが確認できた。
【0052】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の傾斜角度センサ装置の一例である姿勢制御装置の概略のブロック図である。
【図2】本発明の傾斜角度センサの概略の垂直断面図である。
【図3】同傾斜角度センサの送信部の駆動信号と受信部の検出信号とを示すグラフである。
【図4】実施例の測定結果と計算結果とを示すグラフである。
【符号の説明】
【0054】
1,2…油剤
3…球形容器
4…送信部
5…受信部
6…界面
50…傾斜角度センサ
60…機構部
70…駆動信号生成部
80…傾斜角度算出部
90…制御部
100…姿勢制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度に関する検出信号を出力する傾斜角度センサであって、
前記傾斜角度に応じた方向に送信波を送信する送信手段と、
前記送信波を受信した検出信号を出力する受信手段と、
前記送信手段から送信した前記送信波が2種の不混和流体の間の略水平な界面を通過して前記受信手段にて受信される位置に、前記送信手段と前記受信手段とを保持する位置保持手段と、を備える傾斜角度センサ。
【請求項2】
自機の姿勢の鉛直方向からの傾斜角度に関する検出信号を出力する傾斜角度センサであって、
前記傾斜角度に応じた方向に送信波を送信する送信手段と、
前記送信波を受信した検出信号を出力する受信手段と、
前記送信手段から送信した前記送信波が、2種の不混和流体の間の略水平な界面を通過し、各不混和流体にて前記傾斜角度に応じた伝搬距離で伝搬して前記受信手段にて受信される位置に、前記送信手段と前記受信手段とを保持する位置保持手段と、を備え、
前記受信手段は、前記伝搬距離に応じて変容した前記検出信号を出力する、傾斜角度センサ。
【請求項3】
前記位置保持手段は、各不混和流体が異なる容量で充填された球形容器または円筒状容器であって、前記送信波が前記球形容器の中心または前記円筒状容器の中心軸に垂直な断面の中心を通過する位置に、前記送信手段と前記受信手段とを保持する、請求項2に記載の傾斜角度センサ。
【請求項4】
前記送信波は音波であり、
各不混和流体は、距離当たりの前記音波の伝搬時間がそれぞれ相違し、
前記受信手段は、前記音波の総伝搬時間に応じて変容した検出信号を出力する請求項2または3に記載の傾斜角度センサ。
【請求項5】
請求項3に記載の傾斜角度センサと、
前記受信手段の出力する前記検出信号に基づいて前記音波の総伝搬時間を取得し、以下の式に相当する演算により前記傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、
を備える傾斜角度センサ装置。
【数1】

ただし、前記総伝搬時間をTとし、前記傾斜角度をθとし、各不混和流体中での距離当たりの音波の伝搬時間をU,Vとし、前記球形容器の中心から前記界面までの距離をHとし、前記容器の円形断面の半径をRとし、前記総伝搬時間のうち各不混和流体以外を前記音波が伝搬する時間をΔTとする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−264831(P2009−264831A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112714(P2008−112714)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)