説明

像保持体装置、画像形成装置。

【課題】帯電部材の本体部を保持する保持部を本体部の両端側にのみ設定する場合において、本体部と像保持体との接触不良を抑制することができる像保持体装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】像保持体12が回転(稼働)すると、制御部66は、支持部材50を第一の位置へ移動する。本体部52は像保持体12の回転方向の上流側に向けて凸となろうとする。しかし、本体部52と像保持体12との間で生じる摩擦力により、本体部52が、像保持体12の回転軸方向に沿うように変形する。これにより、本体部52と像保持体12との接触不良を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像保持体装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転支軸(保持部)を有しない中空の弾性材からなる帯電ローラ(本体部)を有する帯電装置が記載されている。この帯電ローラは感光体ドラム(像保持体)の表面に接触して感光体ドラムの回転に従動回転する。この帯電ローラの従動回転位置を決めるとともに帯電ローラに給電するための規制部材は、帯電ローラの自由形状より大きな空間を有し、従動回転時に帯電ローラを規制する規制面を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−2583
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、帯電部材の本体部を保持する保持部を本体部の両端側にのみ設定する場合において、本体部と像保持体との接触不良を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る像保持体装置は、回転しながら表面に静電潜像が形成される像保持体と、弾性部材で成形された円柱状の本体部と、前記本体部の両端側を保持する一対の保持部とを備えると共に、前記本体部が前記像保持体の表面に接して前記像保持体に対して従動回転し、前記像保持体の表面を帯電する帯電部材と、前記本体部が前記像保持体の回転方向の上流側に向けて凸となるように一対の前記保持部を回転可能に支持する支持部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る像保持体装置は、請求項1に記載において、前記支持部材は、前記本体部が前記像保持体の回転方向の上流側に向けて凸となるように前記保持部を支持する第一の位置と、前記本体部が前記像保持体の回転軸方向に沿うように前記保持部を支持する第二の位置との間を移動可能に支持されることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る像保持体装置は、請求項2に記載において、前記支持部材を第一の位置と第二の位置との間を移動させる移動部材と、前記像保持体が稼働している場合には、前記移動部材を制御して前記支持部材を第一の位置へ移動させ、前記像保持体が停止している場合には、前記移動部材を制御して前記支持部材を第二の位置へ移動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る像保持体装置は、請求項2に記載において、前記支持部材は、第一の位置と第二の位置との間を回転移動することで移動可能とされており、前記支持部材が第二の位置に配置されるように前記支持部材を付勢する付勢部材が設けられ、前記像保持体が回転することで前記本体部に作用した力によって前記付勢部材の付勢力に対抗して前記支持部材が第一の位置へ移動するように、前記支持部材を回転可能に支持する回転軸の位置が決められることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る像保持体装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載において、前記帯電部材に対して前記像保持体の回転方向の下流側には、前記本体部の表面に接して前記帯電部材に電圧を印加する給電部材が設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る像保持体装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載において、前記帯電部材に対して前記像保持体の回転方向の下流側には、前記本体部の表面に接して前記本体部を清掃する清掃部材が設けられることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1〜6の何れか1項に記載された像保持体装置と、前記像保持体装置に備えられた像保持体の表面に形成された静電潜像をトナー画像として可視化する現像装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の像保持体装置によれば、支持部材が、帯電部材の本体部を像保持体の回転軸方向に沿うように支持する場合と比して、帯電部材の本体部を保持する保持部を本体部の両端側にのみ設定する場合において、本体部と像保持体との接触不良を抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項2の像保持体装置によれば、支持部材が、本体部が像保持体の回転方向の上流側に向けて凸となるように一対の保持部を常に支持する場合と比して、本体部に歪が生じるのを抑制することができる。
【0014】
本発明の請求項3の像保持体装置によれば、支持部材を移動させる移動部材が設けられていない場合と比して、移動部材を用いて容易に第一の位置又は第二の位置へ支持部材を移動させることができる。
【0015】
本発明の請求項4の像保持体装置によれば、像保持体が回転することで本体部に作用した力によって支持部材が第一の位置へ移動するように支持部材を支持する回転軸の位置が決められていない場合と比して、像保持体が稼働している場合には、駆動源を用いることなく、支持部材を第一の位置へ移動させることができる。
【0016】
本発明の請求項5の像保持体装置によれば、帯電部材に対して像保持体の回転方向の下流側に、本体部の表面に接する給電部材が設けられていない場合と比して、像保持体が稼働している場合に、本体部の変形を抑制することができる。
【0017】
本発明の請求項6の像保持体装置によれば、帯電部材に対して像保持体の回転方向の下流側に、本体部の表面に接する清掃部材が設けられていない場合と比して、像保持体が稼働している場合に、本体部の変形を抑制することができる。
【0018】
本発明の請求項7の画像形成装置によれば、請求項1〜6の何れか1項に記載された像保持体装置を備えていない場合と比して、出力画像の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の本第1実施形態に係る像保持体ユニットを示した平面図である。
【図2】本発明の本第1実施形態に係る像保持体ユニットを示した平面図である。
【図3】本発明の本第1実施形態に係る像保持体ユニットを示した平面図である。
【図4】本発明の本第1実施形態に係る像保持体ユニットを備えた画像形成装置を示した概略構成図である。
【図5】本発明の本第2実施形態に係る像保持体ユニットを示した平面図である。
【図6】本発明の本第2実施形態に係る像保持体ユニットを示した平面図である。
【図7】本発明の本第2実施形態に係る像保持体ユニットを示した平面図である。
【図8】本発明の本第3実施形態に係る像保持体ユニットを示した側面図である。
【図9】本発明の本第4実施形態に係る像保持体ユニットを示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1実施形態の像保持体装置及び画像形成装置の一例について図1〜図4に従って説明する。なお、図中に示す矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
【0021】
(全体構成)
図4に示されるように、画像形成装置10は、像保持体12と、像保持体12の表面を一様に帯電させる帯電部材14と、画像データに基づいて像保持体12にレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置16と、この静電潜像にトナーを選択的に転移してトナー画像として可視化する現像装置18と、搬送経路20に沿って供給される記録媒体としてのシート部材Pに像保持体12の表面のトナー画像を転写する転写ロール22と、シート部材P上のトナー画像を加熱・加圧してシート部材Pに定着させる定着装置24と、トナー画像が転写された後の像保持体12に残留するトナーを清掃するクリーニング装置26とを備えている。
【0022】
また、画像形成装置10は、本体側面カバー10B及び天板10Aで覆われている。そして、本体側面カバー10Bの上端角部分には、天板10Aを回転可能に本体側面カバー10Bに連結する軸10Cが設けられており、天板10Aを、軸10Cを中心とて矢印A方向に回転させることで、画像形成装置10の内部が開放されるようになっている。
【0023】
ここで、帯電部材14、クリーニング装置26及び像保持体12は像保持体装置の一例としての像保持体ユニット28として構成されている。そして、画像形成装置10の天板10Aを開放することで、この像保持体ユニット28は、画像形成装置10内部の本体フレーム(図示せず)に対して着脱可能となっている。なお、像保持体ユニット28については詳細を後述する。
【0024】
また、この画像形成装置10の側方には、像保持体12と転写ロール22とで形成される画像形成部31に、シート部材Pを手差しで供給することができる手差給紙台32が備えている。この手差給紙台32には、半月形状の送出ロール34が設けられている。さらに、送出ロール34に対してシート部材Pを挟んで反対側には、送出されるシート部材Pを一枚ずつ分離する分離ロール36が設けられている。
【0025】
この分離ロール36は、両端部に設けられた図示せぬ支持部材に軸支され、さらに、支持部材の内部に設けられたコイルスプリングの付勢力で、送出ロール34に向って付勢されている。この構成により、送出ロール34が回転すると手差給紙台32に載せられたシート部材Pが送出ロール34と分離ロール36によって一枚ずつ、画像形成部31に送られるようになっている。
【0026】
また、この画像形成装置10内の下側には、シート部材Pを一枚ずつ給紙する給紙装置40が設けられている。給紙装置40は、シート部材Pが複数枚載せられた給紙部材41を備えており、給紙部材41に積載されたシート部材Pは、取出ロール42によって順次取り出される。さらに、回転駆動する給紙ロール44と給紙部材41に設けられた分離ロール46によって、シート部材Pが一枚ずつ搬送される構成となっている。
【0027】
さらに、シート部材Pの搬送経路20に沿ってシート部材Pを搬送する複数個の搬送ロール48が設けられており、搬送経路20に沿ってシート部材Pの搬送方向の下流側(以下単に下流側という)へシート部材Pが搬送されるようになっている。
【0028】
また、画像形成部31の下流側には、前述した定着装置24が設けられており、この定着装置24は、加熱ロール24Hと加圧ロール24Nとを備えている。そして、加熱ロール24Hと加圧ロール24Nとの間をシート部材Pが通過することで、シート部材P上のトナー画像がシート部材Pに定着させるようになっている。
【0029】
さらに、定着装置24の下流側には、トナー画像が定着されたシート部材Pを天板10Aの上面に排出する排出ロール56が設けられている。
【0030】
上記構成による画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0031】
まず、電圧が印加された帯電部材14は、像保持体12の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電する。続いて、図示しないスキャナによって読み取られた画像データ又は外部から入力されたデータに基づいて露光装置16が帯電された像保持体12の表面を露光し、像保持体12の表面に静電潜像を形成する。
【0032】
つまり、図示しない制御装置から供給されるビデオデータに基づき、露光装置16のレーザーをオン・オフすることによって画像データに対応した静電潜像が像保持体12上に形成される。さらに、この静電潜像は、現像装置18から供給されるトナーによってトナー画像として可視化される。
【0033】
そこで、給紙部材41から取出ロール42によって取り出されたシート部材Pが、給紙ロール44と分離ロール46とによって一枚ずつ搬送ロール48に渡されて搬送経路20に送り出される。搬送経路20に送り出されたシート部材Pは、像保持体12と転写ロール22との間に形成された画像形成部31を通り、トナー画像がシート部材Pに転写される。この転写されたトナー画像は、定着装置24に備えられた加熱ロール24Hと加圧ロール24Nとの間を通過することでシート部材Pに定着され,排出ロール56によって天板10Aの上面に排出される。
【0034】
(要部構成)
次に、像保持体ユニット28の構成について説明する。
【0035】
図1には、像保持体ユニット28の平面視(像保持体12を鉛直方向上方から見た矢視)が記載されている。図1に示されるように、像保持体ユニット28は、像保持体12の表面に接して像保持体12に対して従動回転し、像保持体12の表面を一様に帯電させる帯電部材14と、この帯電部材14を回転可能に支持する一対の支持部材50とを備えている。
【0036】
詳細には、帯電部材14は、像保持体12の表面に接すると共に、像保持体12の回転軸方向に沿って延びる弾性部材(例えばゴム発泡部材)で成形された円柱状の本体部52を備えている。
【0037】
さらに、帯電部材14は、先端側が本体部52の端面から本体部52の内部に挿入されて本体部52の両端側を夫々保持する一対の円柱状の保持部54を備えている。また、保持部54を介して本体部52に電圧を印加するする図示せぬ給電手段が設けられている。
【0038】
さらに、帯電部材14の両端側に設けられた一対の支持部材50は、保持部54の基端側を回転可能に支持するベアリング58と、支持部材50の本体50Aを回転可能に支持する軸部材60とを夫々備えている。
【0039】
また、軸部材60の回転軸方向は像保持体12の回転軸方向に対して直交するように配置されている。この軸部材60を中心に支持部材50を回転移動させることで、支持部材50は、本体部52が像保持体12の回転方向の上流側に向けて凸となるように保持部54を支持する第一の位置(図2参照)と、本体部52が像保持体12の回転軸方向に沿うように保持部54を支持する第二の位置(図1参照)との間を移動可能とされている。
【0040】
さらに、夫々の支持部材50を第一の位置と第二の位置との間を移動させる移動部材の一例としてのステッピングモータ62が夫々設けられている。また、像保持体12が回転(稼働)している場合には、ステッピングモータ62を制御して支持部材50を第一の位置へ移動させ、像保持体12が停止している場合には、ステッピングモータ62を制御して支持部材50を第二の位置へ移動させる制御部66が設けられている。
【0041】
(作用)
次に、像保持体ユニットの作用について説明する。
【0042】
図1に示されるように、像保持体12が回転していない場合には、制御部66は、ステッピングモータ62を制御して、支持部材50を第二の位置へ配置する(移動する)。第二の位置へ支持部材50が配置されることで、本体部52は、像保持体12の回転軸方向に沿った方向に配置される。
【0043】
一方、図2に示されるように、像保持体12が回転(稼働)すると、制御部66は、ステッピングモータ62を制御して、支持部材50を第一の位置へ移動する。第一の位置へ支持部材50が移動することで、本体部52は像保持体12の回転方向(図中矢印C)の上流側に向けて凸となろうとする。
【0044】
しかし、図3に示されるように、像保持体12の外表面に接する本体部52には、回転する像保持体12との間に摩擦力が生じる。この摩擦力により、像保持体12の回転方向の上流側に凸となるように変形しようとした本体部52はさらに変形する。詳細には、この摩擦力により、像保持体12における画像形成範囲(図中範囲D)に接している本体部52が、像保持体12の回転軸方向に沿うように変形する。
【0045】
像保持体12における画像形成範囲(図中範囲D)における本体部52が、像保持体12の回転軸方向に沿うように変形した状態で、帯電部材14は像保持体12に対して従動回転し、像保持体12における画像形成範囲(図中範囲D)を一様に帯電する。
【0046】
像保持体12の回転が停止すると、図1に示されるように、制御部66は、ステッピングモータ62を制御して、支持部材50を第二の位置へ移動する。第二の位置へ支持部材50が移動することで、本体部52は、像保持体12の回転軸方向に沿うように配置される。
【0047】
以上説明したように、像保持体12が回転すると、支持部材50を第一の位置へ移動させ、像保持体12との間に摩擦力により、像保持体12における画像形成範囲(図中範囲D)に接している本体部52を、像保持体12の回転軸方向に沿うように変形させる。これにより、本体部52と像保持体12との接触不良が抑制される。
【0048】
また、本体部52と像保持体12との接触不良が抑制されるため、像保持体12の帯電不良が抑制される。
【0049】
また、像保持体12の回転が停止している状態では、支持部材50を第二の位置へ移動することで、本体部52が、像保持体12の回転軸方向に沿うように配置される。このため、本体部52に永久歪が生じるのが抑制される。
【0050】
また、保持部54が、本体部52の両端側にのみ設けられているため、本体部の長手方向に沿って全体に保持部が設けられる構成と比して、安価となる。
【0051】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る像保持体装置及び画像形成装置の一例について図5〜図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
図5に示されるように、第2実施形態に係る像保持ユニット70には、ステッピングモータ及びこれを制御する制御部は設けられていない。これに替えて、支持部材72を第二の位置に配置するように支持部材72を付勢する付勢部材の一例としてのバネ部材74が設けられている。
【0053】
さらに、像保持体12が回転することで本体部52に作用した力(摩擦力)によって支持部材72が第一の位置へ移動するように、支持部材72の本体72Aを支持する回転軸76の位置が決められている。
【0054】
詳細には、平面視で、回転軸76は、ベアリング58に対して像保持体12の回転方向の上流側に設けられている。さらに、支持部材72が第二の位置に配置された状態(図5参照)で、回転軸76と、支持部材72に固定される引張状態のバネ部材74の一端と、フレーム部材78に固定されるバネ部材74の他端は、平面視で、直線上に配置されている。
【0055】
図6に示されるように、この構成により、像保持体12が回転すると、像保持体12との間で生じる摩擦力より、本体部52が像保持体12の回転方向下流側に凸となる。なお、支持部材72については、回転軸76を中心に回転しようとするが、支持部材72は図示せぬストッパに当たり第二の位置に配置された状態から移動しない。
【0056】
本体部52が凸となるように変形することで、一対の保持部54には、保持部54の軸方向(図中矢印F)に保持部54を引っ張る引張力が作用する。
【0057】
図7に示されるように、保持部54に引張力が作用することで、支持部材72は、バネ部材74の付勢力に対抗して回転軸76を中心に矢印G方向に回転し、第一の位置へ移動する。さらに、回転する像保持体12と本体部52との間に生じた摩擦力により、像保持体12における画像形成範囲(図中範囲D)に接している本体部52が、像保持体12の回転軸方向に沿うように変形する。
【0058】
図5に示されるように、像保持体12の回転が停止すると、バネ部材74の付勢力により、支持部材50を第二の位置へ移動する。
【0059】
以上説明したように、駆動源を用いることなく、支持部材72が第二の位置から第一の位置へ移動する。
【0060】
なお、他の作用については、第1実施形態と同様とする。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る像保持体装置及び画像形成装置の一例について図8に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図8に示されるように、第3実施形態に係る帯電部材14に対して像保持体12の回転方向の下流側には、本体部52の表面に接して帯電部材14に電圧を補助的に印加する給電部材の一例としての補助給電部材92が配置されている。
【0062】
詳細には、補助給電部材92は、像保持体12の回転軸方向に沿って延び、長手方向に直交する断面が矩形状とされている。これにより、像保持体12が稼働する場合に、像保持体12の回転方向下流側に変形しようとした本体部52が補助給電部材92と当るため、本体部52が像保持体12の回転方向の下流側に過度に変形するのが抑制される。
【0063】
また、像保持体12が回転する場合に、変形した本体部52が補助給電部材92と当るため、帯電部材14への給電不良が抑制される。
【0064】
なお、他の作用については、第1実施形態と同様とする。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る像保持体装置及び画像形成装置の一例について図9に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図9に示されるように、第4実施形態に係る帯電部材14に対して像保持体12の回転方向の下流側には、本体部52の表面に接して本体部52と従動回転しながら本体部52を清掃する円柱状の清掃部材98が設けられている。
【0066】
これにより、像保持体12が回転する場合に、変形した本体部52が清掃部材98と当るため、本体部52が像保持体12の回転方向の下流側に過度に変形するのが抑制される。
【0067】
なお、他の作用については、第1実施形態と同様とする。
【0068】
また、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第2実施形態では、バネ部材74の付勢力によって支持部材72を第二の位置へ移動させたが、バネ部材74を用いず、本体部の復元力によって支持部材を第二の位置へ移動させてもよい。
【0069】
また、上記第3実施形態では、帯電部材14に対して像保持体12の回転方向の下流側に、帯電部材14に電圧を補助的に印加する補助給電部材92を例にとって説明したが、補助的なものではなく正規の給電部材を帯電部材に対して像保持体の回転方向の下流側に設けてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、像保持体を逆方向に回転させる場合に、本体部が像保持体の回転方向(正規の回転方向)の下流側に向けて凸となるように支持部材が保持部を支持してもよい。
【0071】
また、上記第3、第4実施形態では、特に説明しなかったが、本体部52と補助給電部材92又は清掃部材98との隙については、予め隙を設けても良く、本体部52が像保持体12の回転軸方向に沿った状態で隙が無い設定にしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 画像形成装置
12 像保持体
14 帯電部材
28 像保持体ユニット(像保持体装置の一例)
50 支持部材
52 本体部
54 保持部
62 ステッピングモータ(移動部材の一例)
66 制御部
72 支持部材
76 回転軸
92 補助給電部材(給電部材の一例)
98 清掃部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しながら表面に静電潜像が形成される像保持体と、
弾性部材で成形された円柱状の本体部と、前記本体部の両端側を保持する一対の保持部とを備えると共に、前記本体部が前記像保持体の表面に接して前記像保持体に対して従動回転し、前記像保持体の表面を帯電する帯電部材と、
前記本体部が前記像保持体の回転方向の上流側に向けて凸となるように一対の前記保持部を回転可能に支持する支持部材と、
を備える像保持体装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記本体部が前記像保持体の回転方向の上流側に向けて凸となるように前記保持部を支持する第一の位置と、前記本体部が前記像保持体の回転軸方向に沿うように前記保持部を支持する第二の位置との間を移動可能に支持される請求項1に記載の像保持体装置。
【請求項3】
前記支持部材を第一の位置と第二の位置との間を移動させる移動部材と、
前記像保持体が稼働している場合には、前記移動部材を制御して前記支持部材を第一の位置へ移動させ、前記像保持体が停止している場合には、前記移動部材を制御して前記支持部材を第二の位置へ移動させる制御部と、
を備える請求項2に記載の像保持体装置。
【請求項4】
前記支持部材は、第一の位置と第二の位置との間を回転移動することで移動可能とされており、
前記支持部材が第二の位置に配置されるように前記支持部材を付勢する付勢部材が設けられ、
前記像保持体が回転することで前記本体部に作用した力によって前記付勢部材の付勢力に対抗して前記支持部材が第一の位置へ移動するように、前記支持部材を回転可能に支持する回転軸の位置が決められる請求項2に記載の像保持体装置。
【請求項5】
前記帯電部材に対して前記像保持体の回転方向の下流側には、前記本体部の表面に接して前記帯電部材に電圧を印加する給電部材が設けられる請求項1〜4の何れか1項に記載の像保持体装置。
【請求項6】
前記帯電部材に対して前記像保持体の回転方向の下流側には、前記本体部の表面に接して前記本体部を清掃する清掃部材が設けられる請求項1〜4の何れか1項に記載の像保持体装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載された像保持体装置と、
前記像保持体装置に備えられた像保持体の表面に形成された静電潜像をトナー画像として可視化する現像装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−41174(P2013−41174A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178939(P2011−178939)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】