説明

像振れ補正装置、撮像レンズユニット、及びカメラユニット

【課題】像振れ補正装置において、小型化、薄型化、半田付け作業の容易化等を図る。
【解決手段】レンズを保持すると共にレンズの光軸に垂直な平面内でベース100に対して移動自在に支持された略平板状の可動保持部材110、可動保持部材を駆動するべく可動保持部材に固定されたコイル132,142を含む複数の駆動機構130,140、少なくともコイル132,142を電気的に接続するフレキシブル配線板150を備え、フレキシブル配線板150は、可動保持部材の主面F1上に固定される固定部151,152、可動保持部材の主面領域から外れるように固定部から延出した延出部153、延出部上においてコイルを接続した接続部154,155を含み、延出部153は可動保持部材の側面F2に沿って折り曲げられている。これによれば、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、熟練した作業者でなくとも容易に半田付け作業等を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラのレンズ鏡筒やシャッタユニット等に搭載される像振れ補正装置、この像振れ補正装置を備えた撮像レンズユニット及びカメラユニットに関し、特に、携帯電話機等の携帯情報端末機に搭載されるカメラユニットに適用される小型で薄型の像振れ補正装置、撮像レンズユニット及びカメラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の像振れ補正装置としては、中央に開口部を有する略矩形状のベースと、ベースの前面に設けられた第1案内軸と、第1案内軸に沿って往復動自在に支持された第1可動部材と、第1案内軸と90度の方向に方向付けられて第1可動部材の前面に設けられた第2案内軸と、第2案内軸に沿って往復動自在に支持されかつレンズを保持する第2可動部材と、第1可動部材及び第2可動部材を一緒に第1案内軸の方向に往復動させる第1駆動装置と、第2可動部材を第2案内軸の方向に往復動させる第2駆動装置を備え、第1駆動装置及び第2駆動装置として、コイル及び磁石を含むボイスコイルモータを採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この装置においては、第1可動部材と第2可動部材が光軸方向に配列された二段構成となっているため、光軸方向において装置の大型化を招く。
また、第2駆動装置は第2可動部材だけを駆動するものの、第1駆動装置は第1可動部材だけでなく第2可動部材及び第2案内軸も一緒に駆動する必要があるため、第1可動部材だけを駆動する場合に比べてより大きな駆動力を発生しなければならず、第1駆動装置の大型化を招く。さらに、第1駆動装置の駆動負荷と第2駆動装置の駆動負荷が異なるため、レンズを光軸に垂直な平面内で位置決めするための駆動制御が容易ではない。
【0004】
また、他の像振れ補正装置としては、開口部を有する略矩形状のベースと、ベースの前面四隅に植設されて光軸方向に伸長する4本の弾性支持部材(ワイヤ)と、4本の弾性支持部材の先端が連結されてレンズを保持する可動部材と、可動部材に設けられた第1磁石及び第1ヨークと、可動部材に設けられた第2磁石及び第2ヨークと、ベースとは異なる他の部材に固定されて可動部材の前方に配置され第1コイル及び第2コイルを保持する略矩形状の固定枠とを備え、第1磁石及び第1ヨーク並びに第1コイルにより第1駆動手段を構成し、第2磁石及び第2ヨーク並びに第2コイルにより第2駆動手段を構成し、第1駆動手段により可動部材を光軸に垂直な第1方向に駆動し、第2駆動手段により可動部材を光軸及び第1方向に垂直な第2方向に駆動するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、この装置においては、可動部材が、光軸方向に伸長する4本の弾性支持部材(ワイヤ)を用いてベースに支持され、さらに可動部材の前方において他の部材によりコイルを保持する固定枠が支持されているため、光軸方向において装置の大型化を招くと共に、4本の弾性支持部材の連結部がリンク状ではなくリジッドに連結されているため、可動部材(レンズ)が光軸に垂直な平面方向に移動させられるだけでなく光軸に対して傾斜する虞がある。また、ベースと可動部材は連結されていても、コイルを保持する固定枠は一体的に連結されていないため、像振れ補正装置としてモジュール化することができず、取り扱いが不便であると共に、一つの部材(例えばベース)を基準として、可動部材の第1磁石及び第2磁石と固定枠の第1コイル及び第2コイルをそれぞれ位置合わせすることができず、装置の組付け作業が面倒である。さらに、第1駆動手段(の第1磁石及び第1ヨーク)と第2駆動手段(の第2磁石及び第2ヨーク)が、レンズに対して可動部材の片側にのみ配置されているため、第1駆動手段及び第2駆動手段は、レンズに対して対称的にではなく可動部材の一方側にのみ駆動力を及ぼすことになり、可動部材の傾斜すなわちレンズの傾斜を助長する傾向にある。
【0006】
さらに、他の像振れ補正装置としては、図16に示すように、ベース1と、レンズGを保持する可動部材2と、可動部材2に固定された複数の駆動手段(コイル3等)と、コイル3等に配線するべく可動部材2の前面に沿って配設された配線部4aを含むフレキシブル配線板4等を備え、コイル3のリード部分を接続する半田付け部4bを、レンズGが露出する可動部材2の前面に設けたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、半田付け部4bを、可動部材2の前面に確保するため、可動部材の小型化(幅狭化)等が困難である。また、半田付け部4bとレンズGが接近しているため、半田付け作業時に、半田ごての熱が可動部材2又はレンズGに伝わり、可動部材2又はレンズGを熱的に破損又は損傷させる虞がある。
【0007】
【特許文献1】特開2007−286318号公報
【特許文献2】特開2008−64846号公報
【特許文献3】特許第3740475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、レンズの光軸方向及び光軸方向に垂直な方向における装置の小型化及び薄型化等を図りつつ、半田付け作業等を容易に行うことができ、又、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、携帯電話機等のカメラユニットに搭載されて手振れ等による像振れを高精度に補正することができる像振れ補正装置、この像振れ補正装置を備えた撮像レンズユニット及びカメラユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の像振れ補正装置は、開口部を有する略平板状のベースと、レンズを保持すると共にレンズの光軸に垂直な平面内でベースに対して移動自在に支持された略平板状の可動保持部材と、可動保持部材を駆動するべくベースに固定された磁石及び可動保持部材に固定されたコイルを含む複数の駆動機構と、少なくともコイルを電気的に接続するフレキシブル配線板を備えた像振れ補正装置であって、上記フレキシブル配線板は、可動保持部材の光軸方向に対面する主面上に固定される固定部と、可動保持部材の主面領域から外れるように固定部から延出した延出部と、延出部上においてコイルを接続した接続部を含み、延出部は可動保持部材の側面に沿って折り曲げられている、ことを特徴としている。
この構成によれば、複数の駆動機構の駆動力により、可動保持部材は、ベースに対して光軸に垂直な平面内で二次元的に移動させられ、手振れ等による像振れを高精度に補正することができる。
ここで、フレキシブル配線板は、可動保持部材の主面領域からはみ出した延出部上にコイルの接続部(半田付け部等)を有し、この延出部が接続部を形成した(半田付けした)後に可動保持部材の側面に沿って折り曲げられているため、半田付け作業はレンズ等から離れた領域で行うことができる。したがって、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、又、特に熟練した作業者でなくとも容易に接続(半田付け)作業を行うことができる。
【0010】
上記構成において、可動保持部材は、コイルのリード部分を導き出す案内溝を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、コイルのリード部分を案内溝に通して引き出すことで、配線作業を容易に行うことができ、部品を集約して、装置を薄型化、小型化することができる。
【0011】
上記構成において、駆動機構は、可動保持部材を光軸に垂直な第1方向に駆動するべく第1磁石及び第1コイルを含む第1駆動機構と、可動保持部材を光軸に垂直な第2方向に駆動するべく第2磁石及び第2コイルを含む第2駆動機構とを含み、第1駆動機構及び第2駆動機構は、光軸に直交する第1直線に対して線対称に配置され、フレキシブル配線板は、可動保持部材の光軸方向に対面する主面上で第1コイルと第2コイルの近傍にそれぞれ固定される第1固定部及び第2固定部と、可動保持部材の主面領域から外れるように第1固定部及び第2固定部から延出した共通の延出部と、延出部上において第1コイルを接続した第1接続部及び第2コイルを接続した第2接続部を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1駆動機構及び第2駆動機構は、レンズの光軸と直交する第1直線に対して線対称に配置されているため、各々が受ける駆動負荷は同一であり、レンズを挟んで両側に駆動力を及ぼすため、可動保持部材を光軸に垂直な平面内において安定して円滑に駆動することができる。
ここで、フレキシブル配線板は、二つの固定部に連続する共通の延出部を有し、この延出部上に二つの接続部が設けられるため、半田付け作業を同一の側で一度に容易に行うことができ、又、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、又、特に熟練した作業者でなくとも容易に接続(半田付け)作業を行うことができる。
【0012】
上記構成において、第1コイル及び第2コイルは、長軸及び短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されると共に第1直線に対して各々の長軸が所定の傾斜角度をなすように配置され、フレキシブル配線板の延出部は、第1直線の方向に延出するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、可動保持部材を第1直線及び光軸に直交する第2直線の方向に長尺な形状とした場合に、第1コイル及び第2コイルを傾斜させることで、第1直線の方向において可動保持部材の寸法を小さくすることができ、又、この第1直線の方向に延出部を延出させて折り曲げることで、光軸に垂直な第1直線の方向における装置の小型化及び薄型化等を達成することができる。
【0013】
また、本発明の撮像レンズユニットは、撮像用の複数のレンズを含む撮像レンズユニットにおいて、上記構成をなす像振れ補正装置のいずれか一つを含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、撮像用の複数のレンズが光軸方向に配置された構成において、上記の像振れ補正装置を含むことで、可動保持部材に保持される補正用のレンズが適宜駆動されて、手振れ等による像振れを円滑にかつ高精度に補正することができる。
すなわち、撮像用の複数のレンズに加えて、上記の像振れ補正機能を追加した撮像レンズユニットを提供することができる。
【0014】
さらに、本発明のカメラユニットは、撮像素子を含むカメラユニットにおいて、上記構成をなす像振れ補正装置のいずれか一つを含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、撮像素子を含むカメラユニットにおいて、上記の像振れ補正装置を含むことで、可動保持部材に保持される補正用のレンズが適宜駆動されて、手振れ等による像振れを円滑にかつ高精度に補正することができ、撮像素子により良好が撮影画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
上記構成をなす像振れ補正装置によれば、構造の簡素化、レンズの光軸方向及び光軸方向に垂直な方向における装置の小型化及び薄型化等を達成しつつ、半田付け作業等を容易に行うことができ、又、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、携帯電話機等のカメラユニットに搭載されて手振れ等による像振れを高精度に補正することができる像振れ補正装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図15は、本発明に係る像振れ補正装置の一実施形態を示すものであり、図1は像振れ補正装置が組み込まれたカメラユニットを搭載した携帯情報端末機を示す斜視図、図2はカメラユニットを示す斜視図、図3はカメラユニットのシステム図、図4はカメラユニットの断面図、図5は像振れ補正装置の斜視図、図6は像振れ補正装置の分解斜視図、図7は像振れ補正装置の断面図、図8及び図9は像振れ補正装置の一部を省略した斜視図、図10は像振れ補正装置の一部を省略した平面図、図11は像振れ補正装置に含まれる可動保持部材のベースと対向する側の面を示す図、図12は像振れ補正装置に含まれるベースの平面図、図13及び図14はフレキシブル配線板の組付け及び半田付けを示す斜視図、図15は像振れ補正装置の動作を説明する平面図である。
【0017】
この像振れ補正装置を組み込んだカメラユニットUは、図1に示すように、扁平で小型の携帯情報端末機Pに搭載されている。携帯情報端末機Pは、略矩形で扁平な輪郭をなす筐体P1、筐体P1の表面に配置された種々の情報を表示する液晶パネル等の表示部P2及び操作ボタンP3、表示部P2の反対側の表面に形成された撮影窓P4等を備えている。そして、カメラユニットUは、図1に示すように、撮影窓P4から進入する被写体光の光軸L1に対して垂直な方向に延在するように筐体P1の内部に収容されている。
【0018】
カメラユニットUは、図2及び図3に示すように、ユニットケース10、プリズム20、レンズG1、レンズG2を保持する第1可動レンズ群30、レンズG3,G4,G5を保持する第2可動レンズ群としての像振れ補正装置M、レンズG6、フィルタ40、撮像素子としてのCCD50、第1可動レンズ群30を光軸L2方向に駆動する第1駆動ユニット60、第2可動レンズ群(像振れ補正装置M)を光軸L2方向に駆動する第2駆動ユニット70、制御システム80等を備えている。
【0019】
ユニットケース10は、図2に示すように、光軸L1方向の厚さ寸法が薄く、又、光軸L2方向の長さ寸法が短くなるように、扁平で略矩形をなす形状に形成されており、プリズム20を固定する突出部11、レンズG1を保持する保持部12、レンズG6を保持する保持部13、フィルタ40を保持する保持部14、CCD5を保持する保持部15等を備えている。
プリズム20は、図2及び図3に示すように、ユニットケース10の突出部11に収容されて、撮影窓P4から進入する被写体光の光軸L1を直角に屈曲させて光軸L2方向に導くようになっている。
レンズG1は、図2及び図3に示すように、光軸L1,L2方向においてプリズム20の後方に配置され、ユニットケース10の保持部12に固定されている。
【0020】
第1可動レンズ群30は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向においてレンズG1の後方に配置され、光軸L2方向に移動自在に支持されており、第1駆動ユニット60により光軸L2方向に往復駆動されるようになっている。
すなわち、第1可動レンズ群30は、レンズ保持部材31、ガイドシャフト61にガイドされる被ガイド部32、回り止めシャフト62に摺動自在に係合されて光軸L2回りの回転が規制される被規制部33、リードスクリュー63に螺合されたナット65が当接するU字状係合部34等を備えている。
【0021】
レンズG6は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向において第2可動レンズ群(像振れ補正装置M)の後方に配置され、ユニットケース10の保持部13に固定されている。
フィルタ40は、赤外線カットフィルタあるいはローパスフィルタ等であり、図2及び図3に示すように、光軸L2方向においてレンズG6の後方に配置され、ユニットケース10の保持部14に固定されている。
CCD50は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向においてフィルタ40の後方に配置されて、ユニットケース10の保持部15に固定されている。
【0022】
第1駆動ユニット60は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向に伸長してユニットケース10に固定されたガイドシャフト61及び回り止めシャフト62、光軸L2方向に伸長するリードスクリュー63、リードスクリュー63を回転駆動するモータ64、リードスクリュー63に螺合すると共に第1可動レンズ群30のU字状係合部34に当接するナット65、U字状係合部34をナット64に向けて常時付勢する付勢力を及ぼすコイルスプリング66等を備えている。
【0023】
第2駆動ユニット70は、図2及び図3に示すように、光軸L2方向に伸長してユニットケース10に固定されたガイドシャフト71及び回り止めシャフト72、光軸L2方向に伸長するリードスクリュー73、リードスクリュー73を回転駆動するモータ74、リードスクリュー73に螺合すると共に第2可動レンズ群に含まれるベース100のU字状係合部106に当接するナット75、U字状係合部106をナット74に向けて常時付勢する付勢力を及ぼすコイルスプリング76等を備えている。
【0024】
制御システム80は、図3に示すように、演算処理を行うと共に種々の信号を処理して指令信号を発するマイクロコンピュータ81、第1駆動ユニット60のモータ64を駆動する駆動回路82、第2駆動ユニット70のモータ74を駆動する駆動回路83、CCD50を駆動するCCD駆動回路84、像振れ補正装置Mに含まれる第1駆動機構130及び第2駆動機構140を駆動する駆動回路85、像振れ補正装置Mに含まれる可動保持部材110の位置を検出する第1位置センサ170及び第2位置センサ180に接続される位置検出回路86、カメラユニットUの受ける振動や振れを検出する角速度検出回路87等を備えている。
【0025】
第2可動レンズ群としての像振れ補正装置Mは、図2ないし図4に示すように、光軸L2方向において第1可動レンズ群30とレンズG6の間に配置され、光軸L2方向に移動自在に支持されている。
そして、像振れ補正装置Mは、図5ないし図7に示すように、ベース100、可動保持部材110、付勢バネ120、第1磁石131,第1コイル132,第1ヨーク133,134を含む第1駆動機構130、第2磁石141,第2コイル142,第2ヨーク143,144を含む第2駆動機構140、フレキシブル配線板150、カバー部材160、第1位置センサ170及び第2位置センサ180等を備えている。
【0026】
ベース100は、図7ないし図10、図12に示すように、光軸L2に直交し光軸L1に平行な第1直線S1の方向に幅狭で、光軸L2及び第1直線S1に直交する第2直線S2の方向に長尺な略矩形の平板状に形成されており、光軸L2を中心とする円形の開口部101、第1磁石131を嵌め込んで固定する嵌合孔102及び第1ヨーク133を嵌め込んで固定する嵌合孔102´、第2磁石141を嵌め込んで固定する嵌合孔103及び第2ヨーク143を嵌め込んで固定する嵌合孔103´、ガイドシャフト71に摺動自在に係合されてガイドされる被ガイド部104、回り止めシャフト72に摺動自在に係合されて光軸L2回りの回転が規制される被規制部105、リードスクリュー73に螺合されたナット75が当接するU字状係合部106、付勢バネ120の一端部が掛止される二つの掛止部107、可動保持部材110に形成された4つの突起118を摺動自在に受ける平坦な受け面108等を備えている。
【0027】
開口部101は、可動保持部材110が駆動される範囲内において、円筒部110aが非接触にて通過し得る内径寸法に形成されている。
嵌合孔102(及び嵌合孔102´)は、図12に示すように、第2直線S2と45度をなす直線S3の方向に長尺でかつ直線S3に垂直な直線S4´の方向に幅狭い略矩形状に形成されている。
嵌合孔103(及び嵌合孔103´)は、図12に示すように、第2直線S2と45度をなす直線S4の方向に長尺でかつ直線S4に垂直な直線S3´の方向に幅狭い略矩形状に形成されている。
そして、嵌合孔102(及び嵌合孔102´)と嵌合孔103(及び嵌合孔103´)は、図12に示すように、直線S1に対して線対称に形成されている。
すなわち、第1磁石131及び第1ヨーク133と第2磁石141及び第2ヨーク143は、ベース100上において、直線S1に対して線対称に配置されている。
【0028】
可動保持部材110は、図6ないし図11に示すように、光軸L2に直交し光軸L1に平行な第1直線S1の方向に幅狭で、光軸L2及び第1直線S1に直交する第2直線S2の方向に長尺な略矩形の平板状に形成されており、光軸L2を中心とする円形の円筒部110a、円筒部110aを挟んで第2直線S2方向の両側に延出する平板部111、第1コイル132を嵌め込んで固定する嵌合孔112、第2コイル142を嵌め込んで固定する嵌合孔113、第1位置センサ170を嵌め込んで固定する嵌合孔114、第2位置センサ180を嵌め込んで固定する嵌合孔115、付勢バネ120の一端部が掛止される二つの掛止部117、ベース100(の受け面108)に当接する4つの突起118、第1コイル132及び第2コイル142のリード部分132a,132b,142a,142bを導き出す案内溝119等を備えている。そして、可動保持部材110は、図13及び図14に示すように、光軸L2方向において対面する主面F1、主面F1に垂直で第1直線S1の方向において対面する側面F2を画定している。
【0029】
嵌合孔112(及び嵌合孔114)は、図10及び図11に示すように、第2直線S2と45度をなす直線S3の方向に長尺でかつ直線S3に垂直な直線S4´の方向に幅狭い略矩形状に形成されている。
嵌合孔113(及び嵌合孔115)は、図10及び図11に示すように、第2直線S2と45度をなす直線S4の方向に長尺でかつ直線S4に垂直な直線S3´の方向に幅狭い略矩形状に形成されている。
そして、嵌合孔112(及び嵌合孔114)と嵌合孔113(及び嵌合孔115)は、図10及び図11に示すように、直線S1に対して線対称に形成されている。
すなわち、第1コイル132及び第1位置センサ170と第2コイル142及び第2位置センサ180は、可動保持部材110上において、直線S1に対して線対称に配置されている。
【0030】
4つの突起118は、光軸L2方向においてベース100側に向けて略円柱状に突出するように形成されて、ベース100の受け面108に対して摺動自在に当接するようになっており、図7に示すように、可動保持部材110(の平板部111)がベース100に対して隣接した状態で配置されるように、その突出高さが小さく設定されている。
そして、図11に示すように、嵌合孔112の周りに形成された2つの突起118は、直線S3に対して線対称に配置され、嵌合孔113の周りに形成された2つの突起118は、直線S4に対して線対称に配置されている。
上記のように、可動保持部材110とベース100とは、付勢バネ120によりお互いに付勢されて、突起118が受け面108に摺動自在に当接して支持されているため、構造の簡素化、部品点数の削減を達成しつつ、光軸L2方向における装置の薄型化を達成することができる。
【0031】
付勢バネ120は、引張り型のコイルバネであり、その一端部がベース100の掛止部107に掛止され、その他端部が可動保持部材110の掛止部117に掛止されている。そして、突起118を受け面108に対して常時摺動自在に当接させるように張設されている。
【0032】
カバー部材160は、図5ないし図7に示すように、光軸L2方向において可動保持部材110を挟み込むように配置されベース100に固定されており、その中央において円形の開口部161、開口部161の両側において、第1ヨーク134を嵌合する嵌合孔162、第2ヨーク144を嵌合する嵌合孔163等を備えている。
開口部161は、可動保持部材110が駆動される範囲内において、円筒部110aが非接触にて通過し得る内径寸法に形成されている。
【0033】
第1駆動機構130は、図7に示すように、第1磁石131、第1コイル132、第1ヨーク133,134を含むボイスコイルモータとして形成されている。
第1磁石131は、図12に示すように、直線S3の方向に長尺な矩形形状に形成されて、ベース100の嵌合孔102に嵌合されて固定されている。そして、第1磁石131は、直線S3を通る面を境にN極とS極とに着磁されている。
第1コイル132は、図10に示すように、直線S3の方向に長軸及び直線S4´の方向に短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されて、可動保持部材110の嵌合孔112に嵌合されて固定されている。そして、第1コイル132は、その中心C1が直線S2上に位置するように、かつ、その長軸が第2直線S2に対して45度の傾斜角度をなすように配置されている。また、第1コイル132は、可動保持部材110の案内溝119に挿入されて導き出されるリード部分132a,132bを有する。
第1ヨーク133は、第1磁石131に接触した状態で第1磁石131と同等以上の面積をなし直線S3の方向に長尺な矩形形状に形成されて、図7に示すように、ベース100の嵌合孔102´に嵌合されて固定されている。
第1ヨーク134は、第1コイル132よりも大きい面積をなす矩形の平板状に形成されて、第1コイル132と光軸L2方向において所定隙間をおいて配置され、カバー部材160の嵌合孔162に嵌合されて固定されている。
すなわち、第1駆動機構130は、第1コイル132に対する通電をオン/オフすることにより、光軸L2に垂直な第1方向すなわち直線S4´の方向に電磁駆動力を発生するようになっている。
第1ヨーク133は、第1磁石131及び第1コイル132と協働して磁気回路を形成するものであり、ベース100(の嵌合孔102´)に固定されているため、第1駆動機構130の駆動負荷を増加させることなく、磁気効率を高めることができる。
また、第1ヨーク134が、第1ヨーク133と協働して、光軸L2方向において第1磁石131及び第1コイル132を挟むように(すなわち、第1ヨーク133,134が両側に)配置されているため、磁気効率をさらに高めることができる。
【0034】
第2駆動機構140は、図7に示すように、第2磁石141、第2コイル142、第2ヨーク143,144を含むボイスコイルモータとして形成されている。
第2磁石141は、図12に示すように、直線S4の方向に長尺な矩形形状に形成されて、ベース100の嵌合孔103に嵌合されて固定されている。そして、第2磁石141は、直線S4を通る面を境にN極とS極とに着磁されている。
第2コイル142は、図10に示すように、直線S4の方向に長軸及び直線S3´の方向に短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されて、可動保持部材110の嵌合孔113に嵌合されて固定されている。そして、第2コイル142は、その中心C2が直線S2上に位置するように、かつ、その長軸が第2直線S2に対して45度の傾斜角度をなすように配置されている。また、第2コイル142は、可動保持部材110の案内溝119に挿入されて導き出されるリード部分142a,142bを有する。
第2ヨーク143は、第2磁石141に接触した状態で第2磁石141と同等以上の面積をなし直線S4の方向に長尺な矩形形状に形成されて、図7に示すように、ベース100の嵌合孔103´に嵌合されて固定されている。
第2ヨーク144は、第2コイル142よりも大きい面積をなす矩形の平板状に形成されて、第2コイル142と光軸L2方向において所定隙間をおいて配置され、カバー部材160の嵌合孔163に嵌合されて固定されている。
すなわち、第2駆動機構140は、第2コイル142に対する通電をオン/オフすることにより、光軸L2に垂直な第2方向すなわち直線S3´の方向に電磁駆動力を発生するようになっている。
第2ヨーク143は、第2磁石141及び第2コイル142と協働して磁気回路を形成するものであり、ベース100(の嵌合孔103´)に固定されているため、第2駆動機構140の駆動負荷を増加させることなく、磁気効率を高めることができる。
また、第2ヨーク144が、第2ヨーク143と協働して、光軸L2方向において第2磁石141及び第2コイル142を挟むように(すなわち、第2ヨーク143,144が両側に)配置されているため、磁気効率をさらに高めることができる。
【0035】
上記第1駆動機構130と第2駆動機構140とは、図10及び図12に示すように、一つの可動保持部材110に保持されたレンズG3,G4,G5の光軸L2と直交する第1直線S1に対して線対称に配置されているため、各々が受ける駆動負荷は同一であり、レンズG3,G4,G5を挟んで両側に駆動力を及ぼすため、可動保持部材110を光軸L2に垂直な平面内において安定して円滑に駆動することができる。
また、第1コイル132及び第2コイル142は、各々の中心C1,C2がレンズG3,G4,G5の光軸L2及び第1直線S1に直交する第2直線S2上に位置するように配置され、又、各々の長軸が、第2直線に対して所定の傾斜角度をなすように配置されているため、可動保持部材110を第2直線S2の方向に長尺な形状とした場合に、第1コイル132及び第2コイル142を傾斜させることで、第1直線S1の方向において可動保持部材110の寸法を小さくすることができ、光軸L2に垂直な方向(第1直線S1の方向)における装置の小型化及び薄型化等を達成することができる。
【0036】
また、可動保持部材110は、円筒部110aがベース100の開口部101に挿入されかつ両側の平板部111が光軸L2方向においてベース100と隣接して対向するように配置されるため、複数のレンズG3,G4,G5を保持する場合であっても、可動保持部材110をベース100により近付けて配置することができ、光軸L2方向において装置を薄型化することができる。
さらに、第1磁石131及び第2磁石141はベース100に固定され、第1コイル132及び第2コイル142は可動保持部材110に固定されている、すなわち、レンズG3,G4,G5を保持する可動保持部材110に第1コイル132及び第2コイル142を固定しているため、レンズの仕様(枚数、重さ等)に応じて第1コイル132及び第2コイル142の巻数等を変更する場合に、仕様に応じてモジュール化することができる。
【0037】
フレキシブル配線板150は、図6、図13、図14に示すように、第1駆動機構130の第1コイル132の近傍において可動保持部材110の主面F1上に固定される第1固定部151、第2駆動機構140の第2コイル142の近傍において可動保持部材110の主面F1上に固定される第2固定部152、可動保持部材110の主面F1領域から外れるように第1固定部151及び第2固定部152から第1直線S1の方向に延出した共通の延出部153、延出部153上において第1コイル132のリード部分132a,132bを接続した第1接続部154a,154b、延出部153上において第2コイル142のリード部分142a,142bを接続した第4接続部155a,155b等を備えている。
【0038】
そして、フレキシブル配線板150は、図13及び図14に示すように、第1固定部151及び第2固定部152が可動保持部材110の主面F1上に固定され、延出部153を下方から冶具等により支持した状態で、延出部153上に第1接続部154a,154b及び第2接続部155a,155bが同時に形成され(半田付けされ)、その後、延出部153が、曲げ機械(工具)等を用いて、可動保持部材110の側面F2に沿って折り曲げられるようになっている。
また、フレキシブル配線板150は、図3に示すように、ユニットケース10内を屈曲自在に配設されて、駆動回路85及び位置検出回路86に電気的に接続されている。
【0039】
このように、フレキシブル配線板150は、可動保持部材110の主面F1領域からはみ出した共通の延出部153上に第1コイル132及び第2コイル142の第1接続部154a,154b及び第2接続部155a,155b(半田付け部等)を有し、この延出部153が接続作業後に可動保持部材110の側面F2に沿って折り曲げられているため、半田付け作業はレンズG5から離れた領域でかつ同一の側で一度に容易に行うことができる。したがって、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、又、特に熟練した作業者でなくとも容易に接続(半田付け)作業を行うことができる。
【0040】
また、第1コイル132及び第2コイル142のリード部分132a,132b,142a,142bを案内溝119に通して引き出すことで、配線作業を容易に行うことができ、部品を集約して、装置を薄型化、小型化することができる。
さらに、第1コイル132及び第2コイル142は、長軸及び短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されると共に第1直線S1に対して各々の長軸が所定の傾斜角度をなすように配置され、フレキシブル配線板150の延出部153が第1直線S1の方向に延出して折り曲げられるように形成されているため、可動保持部材110を第1直線S1及び光軸L2に直交する第2直線S2の方向に長尺な形状とした場合に、第1直線S1の方向において可動保持部材110の寸法を小さくすることができ、第1直線S1の方向における装置の小型化及び薄型化等を達成することができる。
【0041】
第1位置センサ170は、例えば磁束密度の変化を検出して電気信号として出力するホール素子であり、図10に示すように、可動保持部材110の嵌合孔114に嵌合されて固定されている。そして、第1位置センサ170は、第1駆動機構130の領域において、可動保持部材110がベース100(の第1磁石131)に対して相対的に移動することによって生じる磁束密度の変化を検出することで、位置の変化を検出するようになっている。尚、第1位置センサ170は、第1接続部154a,154bの近傍領域に設けられた接続部(不図示)において、フレキシブル配線板150に電気的に接続されるようになっている。
【0042】
第2位置センサ180は、例えば磁束密度の変化を検出して電気信号として出力するホール素子であり、図10に示すように、可動保持部材110の嵌合孔115に嵌合されて固定されている。そして、第2位置センサ180は、第2駆動機構140の領域において、可動保持部材110がベース100(の第2磁石141)に対して相対的に移動することによって生じる磁束密度の変化を検出することで、位置の変化を検出するようになっている。尚、第2位置センサ180は、第2接続部155a,155bの近傍領域に設けられた接続部(不図示)において、フレキシブル配線板150に電気的に接続されるようになっている。
【0043】
次に、上記像振れ補正装置Mの補正動作について、図15を参照しつつ簡単に説明すると、先ず、図15(a)に示すように、ベース100の開口部101の中心と可動保持部材110上のレンズG3,G4,G5の光軸L2とが一致している状態から、一例として可動保持部材110(レンズG3,G4,G5)を上方にシフトさせる場合は、第1駆動機構130に第1方向(直線S4´の方向)の斜め上向きに駆動力を発生させ、又、第2駆動機構140に第2方向(直線S3´の方向)の斜め上向きに駆動力を発生させる。これにより、可動保持部材110は、図15(b)に示すように、直線S1の方向の上向きに移動させられる。
また、図15(a)に示すように、ベース100の開口部101の中心と可動保持部材110上のレンズG3,G4,G5の光軸L2とが一致している状態から、一例として可動保持部材110(レンズG3,G4,G5)を下方にシフトさせる場合は、第1駆動機構130に第1方向(直線S4´の方向)の斜め下向きに駆動力を発生させ、又、第2駆動機構140に第2方向(直線S3´の方向)の斜め下向きに駆動力を発生させる。これにより、可動保持部材110は、図15(c)に示すように、直線S1の方向の下向きに移動させられる。
【0044】
上記のように、この実施形態における像振れ補正装置によれば、構造の簡素化、レンズの光軸方向及び光軸方向に垂直な方向における装置の小型化及び薄型化等を達成でき、半田付け作業等を容易に行うことができ、又、半田付け時の熱による損傷等を防止でき、携帯電話機等のカメラユニットに搭載されて手振れ等による像振れを高精度に補正することができる。
【0045】
上記実施形態においては、可動保持部材110をベース100に隣接して移動自在に支持する支持機構として、可動保持部材110に形成された複数の突起118と、ベース100に形成された受け面108を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他の支持機構を備える構成において、本発明を採用してもよい。
上記実施形態においては、複数の駆動機構として、第1コイル132を含む第1駆動機構130及び第2コイル142を含む第2駆動機構140を示したが、これに限定されるものではなく、電気的接続を要するコイルを含むその他の駆動機構を備える構成において、本発明を採用してもよい。また、第1コイル及び第2コイルの形状は、略楕円環状に限らず、直線部からなる長辺及び短辺を含む略矩形環状でもよく、又、長辺が直線部を形成し、両方の直線部を円弧で結ぶ環状としてもよい。
【0046】
上記実施形態においては、像振れ補正装置について示したが、撮像用の複数のレンズを含む撮像レンズユニットにおいて、上記構成をなす像振れ補正装置を含む構成を採用してもよい。
これによれば、撮像用の複数のレンズが光軸方向に配置された構成において、上記の像振れ補正装置を含むことで、可動保持部材110に保持される補正用のレンズG3,G4,G5が適宜駆動されて、手振れ等による像振れを円滑にかつ高精度に補正することができる。すなわち、撮像用の複数のレンズに加えて、上記の像振れ補正機能を追加した撮像レンズユニットを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上述べたように、本発明の像振れ補正装置は、構造の簡素化、レンズの光軸方向及び光軸方向に垂直な方向における装置の小型化及び薄型化等を達成しつつ、半田付け作業等を容易に行うことができ、又、半田付け時の熱による部品の損傷等を防止でき、手振れ等により像振れを高精度に補正することができるため、小型化及び薄型化が要求される携帯電話機、携帯型音楽プレーヤ等の携帯情報端末機に搭載されるカメラユニットに適用することができるのは勿論のこと、通常のデジタルカメラ、あるいはその他の携帯型の光学機器等においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の像振れ補正装置が組み込まれたカメラユニットを搭載した携帯情報端末機を示す斜視図である。
【図2】カメラユニットを示す斜視図である。
【図3】カメラユニットのシステム図である。
【図4】カメラユニットの断面図である。
【図5】像振れ補正装置の斜視図である。
【図6】像振れ補正装置の分解斜視図である。
【図7】像振れ補正装置の断面図である。
【図8】像振れ補正装置の一部(カバー部材)を省略した斜視図である。
【図9】像振れ補正装置の一部(カバー部材及びフレキシブル配線板)を省略した斜視図である。
【図10】像振れ補正装置の一部(カバー部材及びフレキシブル配線板)を省略した平面図である。
【図11】像振れ補正装置に含まれる可動保持部材のベースと対向する側の面を示す図である。
【図12】像振れ補正装置に含まれるベースの平面図である。
【図13】像振れ補正装置に含まれるフレキシブル配線板の組付けを示す斜視図である。
【図14】像振れ補正装置に含まれるフレキシブル配線板の半田付けを示す斜視図である。
【図15】像振れ補正装置の動作を説明する平面図である。
【図16】従来の像振れ補正装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ベース
2 可動部材
3 コイル
4 フレキシブル配線板
4a 配線部
4b 半田付け部
L1,L2 光軸
P 携帯情報端末機
P1 筐体
P2 表示部
P3 操作ボタン
P4 撮影窓
U カメラユニット
10 ユニットケース
11 突出部
12,13,14,15 保持部
20 プリズム
G,G1,G2,G3,G4,G5,G6 レンズ
30 第1可動レンズ群
31 レンズ保持部材
32 被ガイド部
33 被規制部
34 U字状係合部
40 フィルタ
50 CCD
60 第1駆動ユニット
61 ガイドシャフト
62 回り止めシャフト
63 リードスクリュー
64 モータ
65 ナット
66 コイルスプリング
70 第2駆動ユニット
71 ガイドシャフト
72 回り止めシャフト
73 リードスクリュー
74 モータ
75 ナット
76 コイルスプリング
80 制御システム
81 マイクロコンピュータ
82,83 モータ駆動回路
84 CCD駆動回路
85 駆動回路
86 位置検出回路
87 角速度検出回路
M 像振れ補正装置
S1 第1直線
S2 第2直線
S3 直線
S3´ 直線(第2方向)
S4 直線
S4´ 直線(第1方向)
100 ベース
101 開口部
102,102´,103,103´ 嵌合孔
104 被ガイド部
105 被規制部
106 U字状係合部
107 掛止部
108 受け面
110 可動保持部材
F1 主面
F2 側面
110a 円筒部
111 平板部
112,113,114,115 嵌合孔
117 掛止部
118 突起
119 案内溝
120 付勢バネ
130 第1駆動機構
131 第1磁石
132 第1コイル
132a,132b リード部分
133,134 第1ヨーク
140 第2駆動機構
141 第2磁石
142 第2コイル
142a,142b リード部分
143,144 第2ヨーク
150 フレキシブル配線板
151 第1固定部
152 第2固定部
153 延出部
154a,154b 第1接続部
155a,155b 第2接続部
160 カバー部材
161 開口部
162,163 嵌合孔
170 第1位置センサ
180 第2位置センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する略平板状のベースと、レンズを保持すると共にレンズの光軸に垂直な平面内で前記ベースに対して移動自在に支持された略平板状の可動保持部材と、前記可動保持部材を駆動するべく前記ベースに固定された磁石及び前記可動保持部材に固定されたコイルを含む複数の駆動機構と、少なくとも前記コイルを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を備えた像振れ補正装置であって、
前記フレキシブル配線板は、前記可動保持部材の光軸方向に対面する主面上に固定される固定部と、前記可動保持部材の主面領域から外れるように前記固定部から延出した延出部と、前記延出部上において前記コイルを接続した接続部と、を含み、
前記延出部は、前記可動保持部材の側面に沿って折り曲げられている、
ことを特徴とする像振れ補正装置。
【請求項2】
前記可動保持部材は、前記コイルのリード部分を導き出す案内溝を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記可動保持部材を光軸に垂直な第1方向に駆動するべく第1磁石及び第1コイルを含む第1駆動機構と、前記可動保持部材を光軸に垂直な第2方向に駆動するべく第2磁石及び第2コイルを含む第2駆動機構とを含み、
前記第1駆動機構及び第2駆動機構は、光軸に直交する第1直線に対して線対称に配置され、
前記フレキシブル配線板は、前記可動保持部材の光軸方向に対面する主面上で前記第1コイルと前記第2コイルの近傍にそれぞれ固定される第1固定部及び第2固定部と、前記可動保持部材の主面領域から外れるように前記第1固定部及び第2固定部から延出した共通の延出部と、前記延出部上において前記第1コイルを接続した第1接続部及び前記第2コイルを接続した第2接続部を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の像振れ補正装置。
【請求項4】
前記第1コイル及び第2コイルは、長軸及び短軸をもつ略楕円環状をなすように形成されると共に前記第1直線に対して各々の長軸が所定の傾斜角度をなすように配置され、
前記フレキシブル配線板の延出部は、前記第1直線の方向に延出するように形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の像振れ補正装置。
【請求項5】
撮像用の複数のレンズを含む撮像レンズユニットにおいて、
請求項1ないし4いずれか一つに記載の像振れ補正装置を含む、
ことを特徴とする撮像レンズユニット。
【請求項6】
撮像素子を含むカメラユニットにおいて、
請求項1ないし4いずれか一つに記載の像振れ補正装置を含む、
ことを特徴とするカメラユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−85694(P2010−85694A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254523(P2008−254523)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】