充電システム、電子機器および充電装置
【課題】定電流充電における大電流化と定電圧充電における高精度の電流検出とをともに達成することが可能な充電システムを提供する。
【解決手段】充電システム100は、内蔵電源24に充電されている充電電圧Vが目標電圧V0に達するまで定電流充電を行った後は定電圧充電に切り替えて内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路80を備え、充電制御回路80は、充電電圧Vを検出する充電電圧検出部83と、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvを検出する充電電流検出部84と、充電電圧Vと電位差Δvとに応じて内蔵電源24への電力の供給を制御するスイッチング制御部85とを備え、電流検出用の抵抗部91は複数の抵抗91a、91bが並列に接続されて形成されており、充電制御回路80は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。
【解決手段】充電システム100は、内蔵電源24に充電されている充電電圧Vが目標電圧V0に達するまで定電流充電を行った後は定電圧充電に切り替えて内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路80を備え、充電制御回路80は、充電電圧Vを検出する充電電圧検出部83と、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvを検出する充電電流検出部84と、充電電圧Vと電位差Δvとに応じて内蔵電源24への電力の供給を制御するスイッチング制御部85とを備え、電流検出用の抵抗部91は複数の抵抗91a、91bが並列に接続されて形成されており、充電制御回路80は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システム、電子機器および充電装置に係り、特に充電装置で電子機器の内蔵電源を充電する充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に内蔵された充電可能な内蔵電源(バッテリや二次電池、蓄電デバイス等ともいう。)を充電するための充電装置や充電制御装置等が種々開発されている(例えば特許文献1〜4等参照)。
【0003】
このような充電装置等は、内蔵電源に充電されている充電電圧を検出する充電電圧検出部や、電子機器の内蔵電源に電力を供給する配線(以下、充電電流経路という。)中を流れる電流を検出する充電電流検出部等が設けられた充電制御回路を備えるように構成されている場合がある。或いは、電子機器側に、このような充電制御回路が設けられている場合もある。
【0004】
そして、充電制御回路では、充電電圧検出部が検出した内蔵電源に充電されている充電電圧の情報や充電電流検出部が検出した充電電流経路中を流れる電流の情報をスイッチング制御部にフィードバックし、それに応じて、スイッチング制御部が外部電源から供給される電力の内蔵電源への供給を制御しながら、電子機器の内蔵電源の充電が行われる。
【0005】
その際、特許文献1等にも記載されているように、内蔵電源に充電されている充電電圧が小さい状態では、充電電流が一定になるように充電(すなわち定電流充電)を行い、充電電圧が、例えば内蔵電源に充電し得る電圧値の上限値等に設定された所定の電圧値に達した時点で、今度は充電電圧が一定になるようにしてさらに充電(すなわち定電圧充電)を行うように構成される場合がある。
【0006】
このような充電の仕方を採用する理由は、以下の通りである。すなわち、定電流充電を行っている間に、充電電圧検出部が検出した内蔵電源の充電電圧が、内蔵電源に充電し得る電圧値の上限値等に設定された所定の電圧値になったとしても、内蔵電源内や充電制御回路の充電電流経路内等の抵抗による電圧降下が存在するため、内蔵電源の充電電圧は、実際には、充電し得る電圧値の上限値等の所定の電圧値には達していない。
【0007】
そこで、充電電圧検出部が検出する充電電圧が所定の電圧値を越えないようにスイッチング制御部で監視しつつ、充電電圧が一定になるようにして、すなわち上記の所定の電圧値になるようにして定電圧充電を行って、内蔵電源の実際の充電電圧を上記の所定の電圧値に近づけていくのである。
【0008】
しかし、内蔵電源の実際の充電電圧が上記の所定の電圧値になるまで充電を行うと、通常、非常に長い時間を要する。
【0009】
そこで、充電の仕方を定電流充電から定電圧充電に切り替えた後、充電電流検出部が検出する充電電流経路中を流れる電流の値は減衰して小さくなっていくことに注目して、定電圧充電に切り替えた後の電流の値が、例えば予め0.1[A]等の小さな値に設定された閾値以下になった時点で、充電装置から電子機器への電力の供給を停止して、電子機器の充電を終了するように構成されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−77501号公報
【特許文献2】特開2008−104270号公報
【特許文献3】特開2007−306654号公報
【特許文献4】特開2006−33917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、近年、電子機器等の内蔵電源として、リチウムイオンキャパシタ(LIC)が開発されている。リチウムイオンキャパシタは、従来の電気二重層キャパシタの電圧が3[V]程度であったのに対し、電圧を4[V]程度まで向上させることが可能となる等の優れた性能を有している。
【0012】
しかし、このように内蔵電源に蓄えることができる電力(或いはエネルギ)の量が大きくなると、従来のように比較的小さな電流(例えば1[A]等)を流して充電していたのでは充電に要する時間が非常に長くなってしまう。そのため、特に定電流充電の際に、比較的大きな電流(例えば10[A]等)を流して、より短時間で充電を行うようにすることが望まれている。
【0013】
充電電流検出部では、上記の各特許文献にも記載されているように、通常、充電制御回路内の充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を測定し、充電電流経路を流れる電流に相当する電位差を検出するように構成されている場合が多い。
【0014】
このような場合に、上記のように充電電流経路に大きな電流を流すと、充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の部分での電力のロスが大きくなってしまうといった問題が生じる。
【0015】
また、定電流充電の際に充電時間の短縮のために充電電流経路に例えば10[A]等の大きな電流を流すと、充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差が大きくなる。そのため、充電電流検出部では、検出する電位差の値の範囲を大きく設定して、充電電流経路内を流れる電流の大きな値を的確に検出できるようにすることが必要になる。
【0016】
一方、定電圧充電に切り替えた後では、充電電流検出部は、前述したように、減衰して小さくなった充電電流経路中を流れる電流の値を的確に検出して、電流の値が、予め小さな値に設定された閾値以下になったか否かを的確に判断しなければならなくなる。そのため、充電電流検出部では、充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の小さな電位差に基づいて、充電電流経路内を流れる電流の小さな値をも的確に検出できるようにすることが必要になる。
【0017】
しかし、よく知られているように、上記のように10[A]等の電流に対応するように値の範囲が拡大された電位差のスケールを用いて、測定した抵抗の両極間の電位差が、例えば0.1[A]等に設定された閾値に相当する電位差の閾値以下になったか否かを判断するように構成すると、検出や判断の精度が低下し、制御の精度が粗くなってしまうといった問題も生じる。
【0018】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、定電流充電における大電流化と定電圧充電における高精度の電流検出とをともに達成することが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明者らが、上記の各問題点を解決するために、充電装置や充電制御回路等の構成を研究したところ、上記の各問題点を解決することができるだけでなく、簡単な制御構成で上記のような定電流充電や定電圧充電を的確に行うことが可能となり、充電効率を向上させることが可能な構成を見出すことができた。
【0020】
そこで、本発明は、簡単な制御構成で、電子機器の内蔵電源に供給する電流や電圧を的確に制御して定電流充電および定電圧充電を的確に行って充電効率を向上させることが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の問題を解決するために、本発明の充電システムは、
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路と、
前記充電制御回路を介して前記電子機器の前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、
を備え、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のような方式の充電システム、電子機器および充電装置によれば、充電電流経路に大きな電流を流す定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部を構成する複数の抵抗を並列に接続された状態として通電して電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を下げることで、充電制御回路の充電電流検出部からスイッチング制御部にフィードバックする電流検出用の抵抗部の両極間の電位差の値を小さくする。
【0023】
一方、充電電流経路に小さな電流が流れる定電圧充電の際には、定電流充電時に通電していた電流検出用の抵抗部を構成する複数の抵抗のうちの一部の抵抗を充電電流経路から遮断して電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を上げることで、充電電流検出部からスイッチング制御部にフィードバックする電流検出用の抵抗部の両極間の電位差の値を大きくする。
【0024】
そのため、定電流充電時に用いた電位差の範囲のスケールを用いて、小さな電流値を検出する定電圧充電時における電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を精度良く検出することが可能となり、定電圧充電を終了させるか否かを精度良く判断することが可能となる。
【0025】
そのため、従来の充電制御回路のように、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差についての判断の精度が低下して制御の精度が粗くなることが防止され、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となり、定電流充電のみならず、定電圧充電をも的確に行うことが可能となる。
【0026】
また、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を下げるため、充電電流経路に例えば10[A]等の大きな電流を流すことが可能となり、定電流充電時における大電流化や充電時間の短縮を図ることが可能となる。また、それとともに、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を下げるため、電流検出用の抵抗部の部分での電力のロスをより低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】電子機器の例としての放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1の放射線画像撮影装置の回路構成を表すブロック図である。
【図4】充電装置の例としてのクレードルの外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示すクレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示した斜視図である。
【図6】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置を挿入しようとする状態を示している。
【図7】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示している。
【図8】第1、第2の実施形態における充電制御回路の回路構成等を概略的に表すブロック図である。
【図9】第1の実施形態において充電電流経路を流れる電流の値および内蔵電源の充電電圧の値の時間的な変化等を表すグラフである。
【図10】定電流充電の際に充電電流経路に流す電流の値が大きい場合に電圧降下が大きくなることを表すグラフである。
【図11】第2の実施形態において充電電流経路を流れる電流の値および内蔵電源の充電電圧の値の時間的な変化等を表すグラフである。
【図12】第3の実施形態における充電制御回路の回路構成等を概略的に表すブロック図である。
【図13】図8の場合において充電制御回路を充電装置であるクレードルに設けた場合の充電制御回路とクレードル、放射線画像撮影装置の関係を概略的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る充電システム、電子機器および充電装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
なお、以下では、電子機器が放射線画像撮影装置(Flat Panel Detector:FPD)であり、充電装置がクレードルである場合について説明するが、本発明は、この形態に限定されない。
【0030】
[第1の実施の形態]
本発明に係る第1の実施形態では、充電制御回路80(後述する図8参照)が、電子機器としての放射線画像撮影装置1に設けられている場合について説明する。
【0031】
[電子機器の例としての放射線画像撮影装置の構成例について]
ここで、まず、電子機器の例として、放射線画像撮影装置1の構成例について簡単に説明する。図1は、放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。
【0032】
放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されて構成されている。本実施形態では、筐体2は、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで形成されている。
【0033】
図1に示すように、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクタ39、内蔵電源24(図2や後述する図3参照)の状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。なお、後述するように、本実施形態では、コネクタ39が後述するクレードル60のコネクタ71(後述する図6や図7参照)と接続することで、充電装置としてのクレードル60から放射線画像撮影装置1に電力が供給されるようになっている。
【0034】
また、図示を省略するが、本実施形態では、筐体2の反対側の蓋部材2Cに、放射線画像撮影装置1が外部装置と信号等の送受信を無線方式で行うためのアンテナ装置41(後述する図3参照)が、例えば蓋部材2Cに埋め込まれるようにして設けられている。
【0035】
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や内蔵電源24等が取り付けられている。また、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板34が配設されており、センサパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
【0036】
図示を省略するが、基板4の検出部P上には、フォトダイオード等からなる複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されており、各放射線検出素子7にスイッチ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8や走査線5、信号線6、バイアス線9等が接続されている。また、シンチレータ3が、基板4の検出部Pに対向するように設けられるようになっている。
【0037】
放射線画像撮影装置1の回路構成を、図3に示すブロック図を用いて説明すると、複数の放射線検出素子7が基板4上に二次元状に配列されて検出部Pが形成されている。また、各放射線検出素子7の第2電極7bにはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。そして、バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれ逆バイアス電圧を印加するようになっている。
【0038】
走査駆動手段15では、電源回路15aからゲートドライバ15bに配線15cを介してオン電圧やオフ電圧が供給され、ゲートドライバ15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えることで、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理等を行うようになっている。
【0039】
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されており、読み出し回路17は、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とが設けられている。
【0040】
そして、例えば、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の際には、ゲートドライバ15bからオン電圧が印加された走査線5に接続されているTFT8がオン状態になり、オン状態になったTFT8に接続されている放射線検出素子7から信号線6に電荷が放出され、放出された電荷が読み出し回路17の増幅回路18で電荷電圧変換される。
【0041】
そして、増幅回路18の出力側に設けられた相関二重サンプリング回路19で、放射線検出素子7から電荷が放出される前後の増幅回路18からの出力値の差分を算出し、算出した差分をアナログ値の画像データとして出力する。そして、出力されたアナログ値の画像データが、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて出力され、記憶手段23に順次保存される。このようにして、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が順次行われる。
【0042】
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。
【0043】
また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されており、さらに、前述した電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクタ39、インジケータ40(図1参照)等も接続されている。
【0044】
また、本実施形態では、制御手段22には、制御手段22や走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するための内蔵電源24が接続されている。本実施形態では、内蔵電源24として、リチウムイオンキャパシタ(LIC)が用いられているが、本発明はこれに限定されず、充電可能な内蔵電源であれば、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスや通常のバッテリや二次電池等であってもよい。
【0045】
なお、図3では図示を省略したが、本実施形態では、内蔵電源24には、内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路80(後述する図8参照)が接続されている。この点については、後で詳しく説明する。
【0046】
[充電装置の例としてのクレードルの構成例について]
次に、充電装置の例として、クレードル60の構成例について簡単に説明する。図4は、クレードル60の外観を示す斜視図であり、図5は、図4に示すクレードル60に放射線画像撮影装置1が挿入された状態を示した斜視図である。また、図6および図7は、クレードル60の内部構成を模式的に示した図であり、図6はクレードル60に放射線画像撮影装置1を挿入しようとする状態を示しており、図7はクレードル60に放射線画像撮影装置1が挿入された状態を示している。
【0047】
図4や図5に示すように、クレードル60はほぼ直方体形状に形成され上面に開口部61aを有する筐体61と、この筐体61の開口部61aを被覆する被覆部材62とを備えている。また、筐体61の一端部には、クレードル60を動作させる各種のスイッチ63が設けられている。
【0048】
図6や図7に示すように、筐体61の内部には、筐体61の長手方向に延在し、放射線画像撮影装置1を鉛直方向に収容する装置収容部64が設けられている。また、筐体61には基板65上に配置された各種電子部品66が収納されている。電子部品66には、例えば後述する放射線画像撮影装置1の充電制御回路80に一定の電圧の直流電圧を供給するために外部の交流電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ等を備えた定電圧電源66a(後述する図8参照)等が含まれている。
【0049】
また、装置収容部64は、装置収容部64の側壁を構成する前側壁部材67と奥側壁部材68とを備えており、前側壁部材67の上端部と奥側壁部材68の上端部とによって放射線画像撮影装置1が挿入される挿入口69(図6参照)が形成されている。放射線画像撮影装置1は、挿入口69から前側壁部材67と奥側壁部材68の間に挿入されるようになっている。
【0050】
前側壁部材67の内側部には、放射線画像撮影装置1を装置収容部64内部に案内する案内部材67aが取り付けられており、奥側壁部材68の内側面には、緩衝部材68aが長手方向の全面に亘って設けられている。
【0051】
装置収容部64は、その厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっている。また、装置収容部64内の挿入口69付近には、挿入口69から挿入された放射線画像撮影装置1を一時的に保持する装置保持手段70が配置されている。
【0052】
装置収容部64内の底部には、放射線画像撮影装置1側のコネクタ39と接続可能なクレードル60側のコネクタ71が配置されている。クレードル60側のコネクタ71は、図示しないケーブルを介して前述した電子部品66と電気的に接続されている。
【0053】
本実施形態では、図6に示すように、放射線画像撮影装置1がクレードル60に斜めに挿入されると、放射線画像撮影装置1に押されて挿入口69を被覆する蓋部材72が、被覆部材62に沿って奥側(図中では左側)に退避する。
【0054】
そして、略鉛直方向に向けられた放射線画像撮影装置1が挿入口69から挿入されると、放射線画像撮影装置1のコネクタ39が設けられた側の蓋部材2Bが一旦装置保持手段70に当接して保持された後、図7に示すように装置保持手段70が下方に回動することで、放射線画像撮影装置1が装置収容部64内に収容される。
【0055】
そして、前述したように、装置収容部64の厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっているため、装置収容部64内に収容された放射線画像撮影装置1側のコネクタ39が、自動的にクレードル側のコネクタ71に接続可能な位置に適切に位置決めされた状態で接続されるようになっている。
【0056】
[充電制御回路の構成等について]
次に、本実施形態では放射線画像撮影装置1側に設けられている充電制御回路80の構成等について説明する。図8は、充電制御回路80の回路構成を概略的に表すブロック図である。
【0057】
図8に示すように、本実施形態では、充電制御回路80は、主に、接続されたコネクタ39、71を介してクレードル60の定電圧電源66aから供給された電力を放射線画像撮影装置1の内蔵電源24に供給する配線としての充電電流経路81と、内蔵電源24への充電を制御する充電制御部82とを備えて構成されている。
【0058】
充電制御部82には、少なくとも充電電圧検出部83と、充電電流検出部84と、スイッチング制御部85と、充電電流切替部86とが設けられている。
【0059】
充電電流経路81上には第1スイッチ素子87aが、充電電流経路81から分岐して接地端子に接続されている配線88上には第2スイッチ素子87bがそれぞれ設けられており、第1スイッチ素子87aおよび第2スイッチ素子87bはそれぞれスイッチング制御部85に接続されている。本実施形態では、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bはそれぞれ電界効果トランジスタ(Field effect transistor:FET)で構成されており、スイッチング制御部85によりそれらのオン/オフ動作が制御されるようになっている。
【0060】
また、充電電流経路81にはコイル89が挿入されており、また、充電電流経路81と接地端子との間にコンデンサ90が設けられている。スイッチング制御部85による第1スイッチ素子87aや第2スイッチ素子87bのオン/オフにより充電電流経路81の電圧や充電電流経路81中を流れる電流にゆらぎが生じるが、コイル89はそのインダクタンス(inductance)によって、また、コンデンサ90はローパスフィルタ状に機能して、それらのゆらぎを平滑化するようになっている。
【0061】
一方、充電電流経路81には、電流検出用の抵抗部91が挿入されており、電流検出用の抵抗部91は複数の抵抗91a、91bが並列に接続されて形成されている。なお、ここでは、2つの抵抗91a、91bが並列に接続されて電流検出用の抵抗部91が形成されている場合について説明するが、電流検出用の抵抗部91を、より多くの抵抗を並列に接続して形成することも可能であり、この点については後で説明する。
【0062】
電流検出用の抵抗部91を構成する2つの抵抗91a、91bのうち、一方の抵抗91bにはスイッチ手段92が接続されている。本実施形態では、スイッチ手段92はFETで構成されており、充電電流切替部86によりそのオン/オフ動作が制御されるようになっている。
【0063】
また、電流検出用の抵抗部91は、その両極が充電電流検出部84に接続されており、充電電流検出部84によって電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差が検出されるようになっている。
【0064】
充電電流経路81は、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の一方の充電端子に接続されており、内蔵電源24の他方の充電端子は、充電制御回路80の接地端子に接続されている。また、充電制御回路80内では、充電電流経路81と接地端子とが2つの抵抗93a、93bを介して接続されており、2つの抵抗93a、93bの間に接続された配線94が充電電圧検出部83に接続されている。そして、充電電圧検出部83で、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24に充電されている充電電圧が検出されるようになっている。
【0065】
[充電制御回路における内蔵電源の充電制御等について]
以下、充電制御回路80における放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電制御等について説明する。また、それとあわせて、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1(電子機器)、クレードル60(充電装置)および充電制御回路80や、それらで構成される充電システム100(図8や図5等参照)の作用について説明する。
【0066】
図8に示すように、充電制御部82のスイッチング制御部85には、充電電圧検出部83が検出した、内蔵電源24に充電されている充電電圧の情報や、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差の情報がフィードバックされるようになっている。
【0067】
そして、スイッチング制御部85は、それらの情報に応じて第1スイッチ素子87aおよび第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御して、充電装置であるクレードル60の定電圧電源66aから供給される電力の内蔵電源24への供給を制御するようになっている。
【0068】
本実施形態では、スイッチング制御部85は、内蔵電源24に対する充電の仕方を、定電流充電を行った後、定電圧充電に切り替えるように構成されている。
【0069】
また、本実施形態では、充電制御部82の充電電流切替部86は、定電流充電時にはスイッチ手段92をオン状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bの両方に通電させるが、定電圧充電時には、スイッチ手段92をオフ状態として、複数の抵抗91a、91bのうち、一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するようになっている。
【0070】
具体的には、スイッチング制御部85は、図9に示すように、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧V(図9の右側の目盛りおよび破線参照)が予め設定された目標電圧V0よりも小さい場合には、定電流充電を行う。
【0071】
本実施形態では、スイッチング制御部85は、定電流充電を行う場合には、充電電流経路81に例えば10[A]等の比較的大きな一定の電流Iを流すように構成されており、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91(すなわちこの場合は並列に接続されている複数の抵抗91a、91b)の両極間の電位差Δvが、設定された電流値(すなわち例えば10[A])に相当する電位差になるように、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御する。
【0072】
この場合、例えば抵抗91aとして抵抗値が100[mΩ]の抵抗を用い、抵抗91bとして抵抗値が10[mΩ]の抵抗を用いるとすると、それらを並列に接続した場合、それらの合成抵抗すなわち電流検出用の抵抗部91全体の抵抗は、約9.09[mΩ]になる。そのため、この場合は、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが10[A]×9.09[mΩ]=90.9[mV]になるように制御すれば、充電電流経路81にほぼ10[A]の電流Iが流れていることになる。
【0073】
そこで、スイッチング制御部85には、定電流充電の際に基準とされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvst(上記の例では90.9[mV]。以下、基準電位差Δvstという。)が予め設定されている。そして、スイッチング制御部85は、定電流充電の場合には、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが、設定された基準電位差Δvstになるように、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御して、充電電流経路81に例えば10[A]等の一定の電流Iを流すようになっている。
【0074】
このように、本実施形態では、定電流充電時に、充電電流経路81に例えば10[A]等の比較的大きな電流Iを流すように構成されているため、充電電流経路81に例えば1[A]等の比較的小さな電流Iを流して充電を行う従来の充電方法の場合に比べて、定電流充電時の充電時間を短縮することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態では、定電流充電時には、並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電されるため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が、上記のように例えば約9.09[mΩ]になる。一方、従来の充電制御回路のように、電流検出用の抵抗部91として、例えば100[mΩ]の抵抗値を有する抵抗91aのみを用いる場合には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は100[mΩ]になる。
【0076】
このように、本実施形態では、並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電することにより、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が、従来の充電制御回路のように1つの抵抗のみを用いる場合よりも小さくなるため、同じ10[A]の定電流充電を行う場合でも、従来の場合よりも、電流検出用の抵抗部91での電力のロスをより低減することが可能となる。
【0077】
一方、本実施形態では、このようにして定電流充電を行い、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達すると、スイッチング制御部85は、図9に示すように、内蔵電源24に対する充電の仕方を、定電圧充電に切り替えるようになっている。
【0078】
その際、本実施形態では、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vの情報は、充電制御部82の充電電流切替部86(図8参照)にも入力されるようになっている。
【0079】
そして、充電電流切替部86は、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達すると(すなわち本実施形態では充電の仕方が定電圧充電に切り替えられると)、スイッチ手段92をオフ状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bのうち、一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するようになっている。
【0080】
このようにして一方の抵抗91bが充電電流経路81から遮断されると、電流検出用の抵抗部91では、抵抗91aのみが充電電流経路81に挿入された状態になり、上記の例で言うと、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値と同じ100[mΩ]になる。
【0081】
そして、スイッチング制御部85は、充電電流切替部86が一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断した状態で充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvを監視して、定電圧充電を終了させるか否かを判断するようになっている。
【0082】
前述したように、定電流充電を行って、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達したとしても、内蔵電源24内部や充電電流経路81等の抵抗による電圧降下が存在するため、内蔵電源24の充電電圧Vは、実際には目標電圧V0には達していない。
【0083】
そこで、スイッチング制御部85は、充電の仕方を切り替えた後の定電圧充電時には、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0を越えずに目標電圧V0を維持するように第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御し、充電電流経路81を介して内蔵電源24に電力を供給して定電圧充電を行うようになっている。
【0084】
この場合、前述したように、内蔵電源24の実際の充電電圧が上記の目標電圧V0になるまで充電を行うと、すなわち充電電流経路81中を電流Iが流れなくなり電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが事実上0[V]になるまで充電を行うように構成すると、内蔵電源24の充電時間が非常に長い時間になってしまう。
【0085】
そのため、本実施形態では、スイッチング制御部85は、充電の仕方を定電圧充電に切り替えた後、充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが、例えば予め0.1[A]等の小さな値に設定された電流値に相当する電位差Δvth以下になった時点(図9の時刻t1参照)で第1スイッチ素子87aをオフ状態にする等して、充電装置としてのクレードル60からの電力の供給を停止する。
【0086】
このようにして、スイッチング制御部85は、充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが予め設定された閾値Δvth以下になった時点で、内蔵電源24の充電を終了するようになっている。
【0087】
本実施形態のように構成すると、以下のような優れた作用効果を発揮することが可能となる。
【0088】
従来の充電制御回路では、通常、電流検出用の抵抗部91として1つの抵抗を用いている(例えば前述した各特許文献参照)。そして、いま仮に、この抵抗の抵抗値を、抵抗91aの抵抗値と同じ抵抗値である100[mΩ]とする。
【0089】
すると、上記のように、定電流充電時に、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84(図8参照)からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×100[mΩ]=1000[mV](=1[V])になる。すなわち、従来の充電制御回路では、前述した基準電位差Δvstは1000[mV]になる。
【0090】
そのため、従来の充電制御回路のスイッチング制御部85は、定電流充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、この基準電位差Δvstである1000[mV]を含む例えば0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視し、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるように制御することになる。
【0091】
一方、充電の仕方が定電圧充電に切り替わった後は、スイッチング制御部85は、充電電流経路81を流れる電流Iが例えば0.1[A]になったか否かを監視する。そして、従来の充電制御回路では電流検出用の抵抗部91の抵抗値は100[mΩ]であるから、従来の充電制御回路のスイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が0.1[A]×100[mΩ]=10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0092】
すなわち、従来の充電制御回路のスイッチング制御部85は、定電圧充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、定電流充電時における0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視しながら、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0093】
そのため、従来の充電制御回路では、0〜1200[mV]という電位差Δvの広い範囲のスケールを用いて、電位差Δvが10[mV]という非常に小さな値になったか否かを判断しなければならなくなる。このように、従来の充電制御回路では、特に定電圧充電時の充電終了の判断処理において、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvに対する判断の精度が低下してしまい、制御の精度が粗くなってしまう。
【0094】
それに対して、本実施形態に係る充電制御回路80では、定電流充電時には、充電電流切替部86はスイッチ手段92をオン状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電させる。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が下がり、例えば抵抗91aの抵抗値が100[mΩ]、抵抗91bの抵抗値が10[mΩ]の場合には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が約9.09[mΩ]にまで低下する。
【0095】
そして、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×9.09[mΩ]=90.9[mV]になる。すなわち、本実施形態では、前述した基準電位差Δvstは90.9[mV]になる。
【0096】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85は、定電流充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、この基準電位差Δvstである90.9[mV]を含む例えば0〜200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視する。そして、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるようにするために、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が基準電位差Δvstである90.9[mV]になるように制御すればよいことになる。
【0097】
一方、充電の仕方が定電圧充電に切り替わった後は、スイッチング制御部85は、充電電流経路81を流れる電流Iが例えば0.1[A]になったか否かを監視する。そして、本実施形態では、充電の仕方が定電圧充電に切り替わると、充電制御部82の充電電流切替部86(図8参照)がスイッチ手段92をオフ状態にして抵抗91bを充電電流経路81から遮断するため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値である100[mΩ]になる。
【0098】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が0.1[A]×100[mΩ]=10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0099】
すなわち、本実施形態では、充電制御回路80のスイッチング制御部85は、定電圧充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、定電流充電時における0〜200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視しながら、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0100】
そのため、本実施形態に係る充電制御回路80では、0〜200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて、電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断することになる。そして、0〜200[mV]のスケールを用いて10[mV]の電位差Δvを測定すれば、十分に精度良く測定を行うことができ、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを十分に精度良く判断することができる。
【0101】
少なくとも、前述した従来の充電制御回路のように、0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断する場合に比べれば、格段に精度良く判断を行うことが可能になる。
【0102】
そのため、本実施形態に係る充電制御回路80を用いれば、上記の従来の充電制御回路のように、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvについての判断の精度が低下して制御の精度が粗くなることが防止され、定電圧充電時に充電電流経路81に小さな電流Iが流れる場合でも、充電電流経路81を流れる電流Iに相当する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの小さな値を精度良く検出して、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となる。
【0103】
また、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな電流Iを流すことが可能となり、定電流充電時における大電流化を図ることが可能となる。また、それとともに、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、前述したように、電流検出用の抵抗部91での電力のロスをより低減することが可能となる。
【0104】
以上のように、本実施形態に係る充電システム100や、充電制御回路80を備える放射線画像撮影装置1(すなわち電子機器)によれば、充電電流経路81に大きな電流Iを流す定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bの両方に通電して電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げることで、充電制御回路80の充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックする電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を小さくする。
【0105】
一方、充電電流経路81に小さな電流Iが流れる定電圧充電の際には、定電流充電時に通電していた電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断して電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を上げることで、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックする電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を大きくするように構成した。
【0106】
そのため、定電流充電時に用いた電位差Δvの範囲のスケールを用いて、小さな電流値を検出する定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を精度良く検出することが可能となり、定電圧充電を終了させるか否かを精度良く判断することが可能となる。
【0107】
そのため、従来の充電制御回路のように、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvについての判断の精度が低下して制御の精度が粗くなることが防止され、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となり、定電流充電のみならず、定電圧充電をも的確に行うことが可能となる。
【0108】
また、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな電流Iを流すことが可能となり、定電流充電時における大電流化や充電時間の短縮を図ることが可能となる。また、それとともに、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、前述したように、電流検出用の抵抗部91での電力のロスをより低減することが可能となる。
【0109】
なお、本実施形態のように、スイッチング制御部85が充電の仕方を定電流充電から定電圧充電に切り替えると同時に、充電電流切替部86が抵抗91bを充電電流経路81から遮断して電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を例えば100[mΩ]に上げると、図9に示すように、充電の仕方を切り替えた瞬間には、充電電流経路81には10[A]程度の電流Iが流れている。
【0110】
そのため、充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が、定電流充電時の10[A]×9.09[mΩ]=90.9[mV]から、10[A]×100[mΩ]=1000[mV]に一気に跳ね上がるようになり、0〜200[mV]の範囲のスケールを用いて電位差Δvを監視するスイッチング制御部85に、その範囲を大きく越える電位差Δvの値が充電電流検出部84から入力される状態になる。
【0111】
この状態は必ずしも好ましい状態ではない。そのため、この状態が生じることを防止するために、例えば、充電電流切替部86は、スイッチング制御部85により充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が予め設定された値まで低下した時点で、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するように構成することが可能である。
【0112】
すなわち、例えば、充電電流切替部86は、充電の仕方が定電圧充電に切り替えられた後、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が、例えば20[mV]まで低下した時点で抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。
【0113】
このように構成すれば、抵抗91bを充電電流経路81から遮断した瞬間に、スイッチング制御部85に入力される電位差Δvの値が、20[mV]から220[mV](≒100[mΩ]×20[mV]/9.09[mΩ])に上昇する状態とすることが可能となり、例えば0〜200[mV]の範囲のスケールを用いて電位差Δvを監視するスイッチング制御部85に、その範囲を多少越える程度の電位差Δが入力される状態になる。そして、充電電流経路81を流れる電流Iの値はすぐに2[A]以下になり、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvもすぐに200[mV]以下になる。
【0114】
そのため、上記のように、スイッチング制御部85により充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、充電電流検出部84が検出した電位差Δvの値が予め設定された値(例えば20[mV])まで低下した時点で、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するように構成することで、少なくとも、スイッチング制御部85に対して設定された電位差Δvの範囲のスケールを極端に越える電位差Δvの値がスイッチング制御部85に入力されることを防止することが可能となる。
【0115】
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvについての判断の精度を向上させて、定電圧充電における電流検出や充電の終了判断を高精度に行うことを重視した制御構成等について説明した。
【0116】
一方、本発明者らの研究では、上記の制御構成等を応用することで、定電流充電と定電圧充電とを行う本発明の充電の仕方における充電効率をより向上させて、定電流充電や定電圧充電を的確に行うことが可能となる構成を見出すことができた。本実施形態では、この点を加味した制御構成等について説明する。
【0117】
前述したように、定電流充電を行って、充電電圧検出部83(図8参照)が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0(図9参照)に達しても、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗による電圧降下が存在するため、内蔵電源24の充電電圧Vは、実際には目標電圧V0には達していない。
【0118】
そして、本発明のように、定電流充電の際に充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな値の電流Iを流す場合、上記の内部抵抗の大きさ等にもよるが、上記の電圧降下が大きくなる場合がある。このような場合に、仮に、内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達した時点で充電を止めると、例えば図10に示すように、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が目標電圧V0から比較的大きく減少する場合がある。
【0119】
そこで、このような場合には、内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達した時点で、より小さな値の電流Iを充電電流経路81に流す定電流充電を再度行うように構成することができる。本実施形態では、充電制御回路80がこのように充電の仕方を制御するように構成されている場合について説明する。
【0120】
本実施形態では、電子機器の例としての放射線画像撮影装置1の構成(図1〜図3参照)や充電装置の例としてのクレードル60の構成(図4〜図7参照)等は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0121】
また、充電制御回路80の構成も第1の実施形態の場合(図8参照)と同様であるが、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bの抵抗値がそれぞれ第1の実施形態の場合と異なっており、本実施形態では、抵抗91a、91bの抵抗値は、それぞれ例えば100[mΩ]に設定されている。
【0122】
そして、本実施形態では、充電制御回路80の充電電流切替部86は、定電流充電時の初期の段階では、スイッチ手段92をオン状態として、電流検出用の抵抗部91を、複数の抵抗91a、91bが並列に接続された状態とする。そして、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vの値が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するように構成されている。
【0123】
また、スイッチング制御部85は、充電電流切替部86が抵抗91bを充電電流経路81から遮断した後、充電電圧検出部83が検出した充電電圧Vの値が再度上昇して、予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えるように構成されている。
【0124】
具体的には、本実施形態においても、定電流充電時の初期の段階では、電流検出用の抵抗部91では100[mΩ]の抵抗値を有する複数の抵抗91a、91bが並列に接続されているため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は50[mΩ]になる。
【0125】
そして、この状態で充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すとすると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×50[mΩ]=500[mV]になるため、この場合は、前述した基準電位差Δvstは500[mV]になる。
【0126】
スイッチング制御部85は、定電流充電時の初期の段階では、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を監視して、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるように制御する。
【0127】
このようにして内蔵電源24(図8参照)の充電を行うと、図11に示すように、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が上昇して予め設定された第1目標電圧に達する。なお、図11では、第1目標電圧が第1の実施形態の場合の目標電圧V0と同じ値に設定されている場合が示されている。
【0128】
この時点で、充電電流切替部86は、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値と同じ100[mΩ]になる。
【0129】
しかし、スイッチング制御部85に設定されている基準電位差Δvstは500[mV]のままで変更されないため、スイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が基準電位差Δvstである500[mV]になるように、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87b(図8参照)のオン/オフ動作を制御する。そのため、充電電流経路81を流れる電流Iが、それまでの10[A]から、500[mV]/100[mΩ]=5.0[A]に低下する。
【0130】
そして、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗に10[A]の電流を流していた状態から5.0[A]の電流を流す状態に変わるため、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗に電流を流すことによる電圧の押し上げ分が半減する。
【0131】
そのため、図11に示すように、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが第1目標電圧V0に達して、充電電流切替部86が抵抗91bを充電電流経路81から遮断し、充電電流経路81を流れる電流Iの値が10[A]から5.0[A]に切り替わる時点で、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが一旦減少する。
【0132】
また、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]から5.0[A]に減少するため、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが一旦減少した後、再度上昇する際の時間的増加率が小さくなる。すなわち、図11のグラフにおける充電電圧Vの上昇の傾きが緩やかになる。
【0133】
そして、スイッチング制御部85は、充電電圧検出部83が検出した充電電圧Vの値が再度上昇して、予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えて、内蔵電源24に対する充電を行うようになっている。
【0134】
なお、図11では、第1目標電圧も第2目標電圧も同じ電圧値V0に設定する場合を示したが、第1の実施形態で説明したように、充電制御回路80のスイッチング制御部85が、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達した時点で内蔵電源24に対する充電の仕方を自動的に定電圧充電に切り替えるように構成されている場合に、第1目標電圧をV0に設定すると、充電の仕方が自動的に定電圧充電に切り替わってしまう。
【0135】
そのため、このような場合には、例えば、第1目標電圧を第2目標電圧V0よりも低い値に設定することも可能である。なお、この点については、下記の第3の実施形態においても同様である。
【0136】
本実施形態では、このようにして、充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな値の電流Iを流して行う定電流充電では内蔵電源24に十分に充電できなかった電圧降下分を、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げて充電電流経路81に流す電流Iの値を小さくして定電流充電を再度行って補うようになっている。
【0137】
また、本実施形態では、上記のように、充電制御回路80のスイッチング制御部85が、定電流充電においては、充電電流経路81を流れる電流Iの値自体に基づいて制御を行うのではなく、電流Iに相当する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が基準電位差Δvstに一致するように制御を行うように構成されていることに着目した。
【0138】
そして、定電流充電の際に、充電電流切替部86で電流検出用の抵抗部91の並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電させたり、一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断したりして、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を可変させるように構成することで、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値に応じて、スイッチング制御部85に、充電電流経路81を流れる電流Iを自動的に変化させることが可能となる。
【0139】
そのため、上記のように、定電流充電時の初期の段階で、例えば10[A]等の大きな値の電流Iを流して内蔵電源24の充電を行うと、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗による電圧降下が大きくなるが、適切なタイミングで電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を可変させて充電電流経路81を流れる電流Iを小さくすることで、より電圧降下が少ない状態で、上記の10[A]の電流を流した場合の大きな電圧降下分を補う充電を行うことが可能となる。
【0140】
以上のように、本実施形態では、定電流充電をより効率的に行うことが可能となる。また、上記のように、定電流充電における電圧降下がより少ない状態で定電圧充電に移行するため、定電圧充電も効率的に行うことが可能となる。そのため、本実施形態に係る充電制御の制御構成を採用すれば、内蔵電源24の充電効率をより向上させて、定電流充電や定電圧充電を的確に行うことが可能となる。
【0141】
[第3の実施の形態]
上記の第2の実施形態では、上記のように、少なくとも定電流充電において、より効率的に充電を行うことが可能な制御構成等について説明した。
【0142】
しかし、この場合、定電流充電の初期の段階では、電流検出用の抵抗部91を構成する抵抗91a、91b(いずれも100[mΩ])が並列に接続された状態であり、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が50[mΩ]になる。
【0143】
そのため、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×50[mΩ]=500[mV]になり、前述した基準電位差Δvstが500[mV]になる。
【0144】
また、抵抗91bを遮断して、充電電流経路81を流れる電流Iの値が5.0[A]になった場合にも、基準電位差Δvstは変更されないため、500[mV]のままである。そのため、スイッチング制御部85には、この基準電位差Δvstである500[mV]を含む例えば0〜600[mV]の範囲の電位差Δvのスケールが設定される。
【0145】
しかし、このように比較的広い範囲の電位差Δvのスケールを用いた場合、第1の実施形態で説明した従来の充電制御回路の場合(この場合は例えば0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールが用いられた。)と同様に、特に定電圧充電時の充電終了の判断処理において、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvに対する判断の精度が低下してしまい、制御の精度が粗くなってしまう虞れがある。
【0146】
そこで、本実施形態では、上記の第1の実施形態における有益な作用効果と、第2の実施形態における有益な作用効果をともに発揮させることができるようにするために、例えば図12に示すような構成の充電制御回路80が用いられるようになっている。
【0147】
すなわち、本実施形態では、充電制御回路80の構成は、図8に示した第1の実施形態や第2の実施形態の場合とほぼ同じであるが、図12に示すように、電流検出用の抵抗部91が、3つの抵抗91a、91b、91cが並列に接続されて形成されており、そのうちの抵抗91b、91cにそれぞれスイッチ手段92a、92bが接続されている。
【0148】
そして、スイッチ手段92a、92bはそれぞれ充電電流切替部86に接続されており、それぞれ別々に充電電流切替部86によりそのオン/オフ動作が制御されるように構成されている点で第1の実施形態や第2の実施形態の場合と異なっている。
【0149】
そして、本実施形態に係る充電制御回路80では、定電流充電時の初期の段階では、充電電流切替部86は、スイッチ手段92a、92bをそれぞれオン状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する並列に接続された複数の抵抗91a、91b、91cの全てに通電させる。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が下がる。
【0150】
例えば、抵抗91aの抵抗値が100[mΩ]、抵抗91b、91cの抵抗値がそれぞれ10[mΩ]の場合には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が約4.76[mΩ]にまで低下する。
【0151】
そして、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×4.76[mΩ]=47.6[mV]になる。すなわち、本実施形態では、前述した基準電位差Δvstは47.6[mV]になる。
【0152】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85には、この基準電位差Δvstである47.6[mV]を含む例えば0〜100[mV]の範囲の電位差Δvのスケールが設定され、定電流充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、この0〜100[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視する。
【0153】
そして、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるようにするために、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が、基準電位差Δvstである47.6[mV]になるように第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87b(図8参照)のオン/オフ動作を制御すればよいことになる。
【0154】
このようにして内蔵電源24(図8参照)の充電を行うと、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が上昇して予め設定された第1目標電圧に達する。そして、本実施形態では、第2の実施形態と同様に、この時点で、充電電流切替部86は、スイッチ手段92bをオフ状態にして、複数の抵抗91a、91b、91cのうちの一部の抵抗91cを充電電流経路81から遮断する。
【0155】
そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、並列に接続されている抵抗91a(抵抗値は100[mΩ])と抵抗91b(抵抗値は10[mΩ])の合成抵抗になり、約9.09[mΩ]になる。
【0156】
そして、スイッチング制御部85は、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が前述した基準電位差Δvstである47.6[mV]に一致するように第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87b(図8参照)のオン/オフ動作を制御するため、結局、充電電流経路81を流れる電流Iの値は10[A]から約5.2[A]に低下する。
【0157】
また、図11に示した第2の実施形態の場合と同様に、この場合も、充電電流経路81を流れる電流Iの値が10[A]から約5.2[A]に低下した時点で、充電電圧検出部83が検出した充電電圧Vの値も一旦減少する。
【0158】
そのため、第2の実施形態の場合と同様に、この後、充電電流経路81に約5.2[A]の電流Iを流す状態で再度定電流充電を行うように構成することで、定電流充電の初期の段階で充電電流経路81に例えば10[A]の電流Iを流して行う定電流充電では内蔵電源24に充電できなかった電圧降下分を、充電電流経路81に例えば約5.2[A]の電流Iを流す定電流充電で補うことが可能となる。そのため、第2の実施形態と同様の有益な作用効果を得ることが可能となる。
【0159】
一方、充電電流経路81に流す電流Iの値を低下させた状態で定電流充電を再度行って、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が上昇して予め設定された第2目標電圧V0に達すると、第1の実施形態の場合と同様に、スイッチング制御部85は、内蔵電源24に対する充電の仕方を定電流充電から定電圧充電に切り替える。
【0160】
そして、充電電流切替部86は、充電の仕方が定電圧充電に切り替わった時点や、充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が予め設定された値まで低下した時点で、今度は、スイッチ手段92aをオフ状態にして、現時点で電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。
【0161】
抵抗91cはすでに充電電流経路81から遮断されているため、この時点で、電流検出用の抵抗部91は、抵抗91aのみが接続されている状態になる。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値である100[mΩ]になる。
【0162】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が0.1[A]×100[mΩ]=10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0163】
その際、第1の実施形態の場合と同様に、本実施形態においても、充電制御回路80のスイッチング制御部85は、定電圧充電時に、定電流充電時に用いた0〜100[mV]の範囲(第1の実施形態と同様に0〜200[mV]の範囲としてもよい。)の電位差Δvのスケールで、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を監視しながら、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを判断する。
【0164】
そして、第1の実施形態で説明したように、0〜100[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断することは、十分に精度良く行うことができるため、少なくとも、第1の実施形態で示した従来の充電制御回路のように、0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断する場合に比べて、格段に精度良く判断を行うことが可能になる。
【0165】
そのため、本実施形態に係る充電制御回路80を用いれば、第1の実施形態の場合と同様に、定電圧充電時に充電電流経路81に小さな電流Iが流れる場合でも、充電電流経路81を流れる電流Iに相当する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの小さな値を精度良く検出して、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となる等の有益な作用効果を得ることが可能となる。
【0166】
また、本実施形態に係る充電制御回路80を用いれば、上記のように、第2の実施形態で説明した有益な作用効果をも得ることが可能となる。そのため、本実施形態に係る充電システム200(図12参照)や、充電制御回路80を備える放射線画像撮影装置1(すなわち電子機器)によれば、上記の第1の実施形態と第2の実施形態でそれぞれ説明した有益な効果を、例えば図12に示した簡単な制御構成で的確に発揮させることが可能となる。
【0167】
なお、上記の第1〜第3の実施形態では、充電制御回路80を電子機器である放射線画像撮影装置1に設ける場合について説明したが、例えば図8に対応する図13に示すように、充電制御回路80を充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。この場合、例えば、クレードル60の筐体61(図7等参照)内部の基板65上の、各種電子部品66が収納されている部分に充電制御回路80を設けることが可能である。
【0168】
また、上記の第1〜第3の実施形態では、充電制御回路80の充電電流経路81に挿入される電流検出用の抵抗部91として、2つの抵抗91a、91b或いは3つの抵抗91a〜91cが並列に接続されて形成された電流検出用の抵抗部91を用いる場合について説明したが、より多くの複数の抵抗を並列に接続して電流検出用の抵抗部91を形成するように構成することも可能である。
【0169】
さらに、上記の第1〜第3の実施形態では、電子機器が放射線画像撮影装置1であり、充電装置がクレードル69である場合について説明したが、この他にも、充電可能な内蔵電源24を内蔵する電子機器であれば、ノート型パソコンや携帯電話、携帯情報端末等についても本発明を適用することが可能である。また、それらの充電装置についても本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0170】
1 放射線画像撮影装置(電子機器)
24 内蔵電源
60 クレードル(充電装置)
80 充電制御回路
81 充電電流経路
83 充電電圧検出部
84 充電電流検出部
85 スイッチング制御部
86 充電電流切替部
91 電流検出用の抵抗部
91a〜91c 複数の抵抗
91b、91c 一部の抵抗
100、200 充電システム
V 充電電圧
V0 目標電圧
Δv 電位差
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システム、電子機器および充電装置に係り、特に充電装置で電子機器の内蔵電源を充電する充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に内蔵された充電可能な内蔵電源(バッテリや二次電池、蓄電デバイス等ともいう。)を充電するための充電装置や充電制御装置等が種々開発されている(例えば特許文献1〜4等参照)。
【0003】
このような充電装置等は、内蔵電源に充電されている充電電圧を検出する充電電圧検出部や、電子機器の内蔵電源に電力を供給する配線(以下、充電電流経路という。)中を流れる電流を検出する充電電流検出部等が設けられた充電制御回路を備えるように構成されている場合がある。或いは、電子機器側に、このような充電制御回路が設けられている場合もある。
【0004】
そして、充電制御回路では、充電電圧検出部が検出した内蔵電源に充電されている充電電圧の情報や充電電流検出部が検出した充電電流経路中を流れる電流の情報をスイッチング制御部にフィードバックし、それに応じて、スイッチング制御部が外部電源から供給される電力の内蔵電源への供給を制御しながら、電子機器の内蔵電源の充電が行われる。
【0005】
その際、特許文献1等にも記載されているように、内蔵電源に充電されている充電電圧が小さい状態では、充電電流が一定になるように充電(すなわち定電流充電)を行い、充電電圧が、例えば内蔵電源に充電し得る電圧値の上限値等に設定された所定の電圧値に達した時点で、今度は充電電圧が一定になるようにしてさらに充電(すなわち定電圧充電)を行うように構成される場合がある。
【0006】
このような充電の仕方を採用する理由は、以下の通りである。すなわち、定電流充電を行っている間に、充電電圧検出部が検出した内蔵電源の充電電圧が、内蔵電源に充電し得る電圧値の上限値等に設定された所定の電圧値になったとしても、内蔵電源内や充電制御回路の充電電流経路内等の抵抗による電圧降下が存在するため、内蔵電源の充電電圧は、実際には、充電し得る電圧値の上限値等の所定の電圧値には達していない。
【0007】
そこで、充電電圧検出部が検出する充電電圧が所定の電圧値を越えないようにスイッチング制御部で監視しつつ、充電電圧が一定になるようにして、すなわち上記の所定の電圧値になるようにして定電圧充電を行って、内蔵電源の実際の充電電圧を上記の所定の電圧値に近づけていくのである。
【0008】
しかし、内蔵電源の実際の充電電圧が上記の所定の電圧値になるまで充電を行うと、通常、非常に長い時間を要する。
【0009】
そこで、充電の仕方を定電流充電から定電圧充電に切り替えた後、充電電流検出部が検出する充電電流経路中を流れる電流の値は減衰して小さくなっていくことに注目して、定電圧充電に切り替えた後の電流の値が、例えば予め0.1[A]等の小さな値に設定された閾値以下になった時点で、充電装置から電子機器への電力の供給を停止して、電子機器の充電を終了するように構成されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−77501号公報
【特許文献2】特開2008−104270号公報
【特許文献3】特開2007−306654号公報
【特許文献4】特開2006−33917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、近年、電子機器等の内蔵電源として、リチウムイオンキャパシタ(LIC)が開発されている。リチウムイオンキャパシタは、従来の電気二重層キャパシタの電圧が3[V]程度であったのに対し、電圧を4[V]程度まで向上させることが可能となる等の優れた性能を有している。
【0012】
しかし、このように内蔵電源に蓄えることができる電力(或いはエネルギ)の量が大きくなると、従来のように比較的小さな電流(例えば1[A]等)を流して充電していたのでは充電に要する時間が非常に長くなってしまう。そのため、特に定電流充電の際に、比較的大きな電流(例えば10[A]等)を流して、より短時間で充電を行うようにすることが望まれている。
【0013】
充電電流検出部では、上記の各特許文献にも記載されているように、通常、充電制御回路内の充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を測定し、充電電流経路を流れる電流に相当する電位差を検出するように構成されている場合が多い。
【0014】
このような場合に、上記のように充電電流経路に大きな電流を流すと、充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の部分での電力のロスが大きくなってしまうといった問題が生じる。
【0015】
また、定電流充電の際に充電時間の短縮のために充電電流経路に例えば10[A]等の大きな電流を流すと、充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差が大きくなる。そのため、充電電流検出部では、検出する電位差の値の範囲を大きく設定して、充電電流経路内を流れる電流の大きな値を的確に検出できるようにすることが必要になる。
【0016】
一方、定電圧充電に切り替えた後では、充電電流検出部は、前述したように、減衰して小さくなった充電電流経路中を流れる電流の値を的確に検出して、電流の値が、予め小さな値に設定された閾値以下になったか否かを的確に判断しなければならなくなる。そのため、充電電流検出部では、充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の小さな電位差に基づいて、充電電流経路内を流れる電流の小さな値をも的確に検出できるようにすることが必要になる。
【0017】
しかし、よく知られているように、上記のように10[A]等の電流に対応するように値の範囲が拡大された電位差のスケールを用いて、測定した抵抗の両極間の電位差が、例えば0.1[A]等に設定された閾値に相当する電位差の閾値以下になったか否かを判断するように構成すると、検出や判断の精度が低下し、制御の精度が粗くなってしまうといった問題も生じる。
【0018】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、定電流充電における大電流化と定電圧充電における高精度の電流検出とをともに達成することが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明者らが、上記の各問題点を解決するために、充電装置や充電制御回路等の構成を研究したところ、上記の各問題点を解決することができるだけでなく、簡単な制御構成で上記のような定電流充電や定電圧充電を的確に行うことが可能となり、充電効率を向上させることが可能な構成を見出すことができた。
【0020】
そこで、本発明は、簡単な制御構成で、電子機器の内蔵電源に供給する電流や電圧を的確に制御して定電流充電および定電圧充電を的確に行って充電効率を向上させることが可能な充電システム、電子機器および充電装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の問題を解決するために、本発明の充電システムは、
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路と、
前記充電制御回路を介して前記電子機器の前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、
を備え、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のような方式の充電システム、電子機器および充電装置によれば、充電電流経路に大きな電流を流す定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部を構成する複数の抵抗を並列に接続された状態として通電して電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を下げることで、充電制御回路の充電電流検出部からスイッチング制御部にフィードバックする電流検出用の抵抗部の両極間の電位差の値を小さくする。
【0023】
一方、充電電流経路に小さな電流が流れる定電圧充電の際には、定電流充電時に通電していた電流検出用の抵抗部を構成する複数の抵抗のうちの一部の抵抗を充電電流経路から遮断して電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を上げることで、充電電流検出部からスイッチング制御部にフィードバックする電流検出用の抵抗部の両極間の電位差の値を大きくする。
【0024】
そのため、定電流充電時に用いた電位差の範囲のスケールを用いて、小さな電流値を検出する定電圧充電時における電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を精度良く検出することが可能となり、定電圧充電を終了させるか否かを精度良く判断することが可能となる。
【0025】
そのため、従来の充電制御回路のように、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差についての判断の精度が低下して制御の精度が粗くなることが防止され、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となり、定電流充電のみならず、定電圧充電をも的確に行うことが可能となる。
【0026】
また、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を下げるため、充電電流経路に例えば10[A]等の大きな電流を流すことが可能となり、定電流充電時における大電流化や充電時間の短縮を図ることが可能となる。また、それとともに、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部全体の抵抗値を下げるため、電流検出用の抵抗部の部分での電力のロスをより低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】電子機器の例としての放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1の放射線画像撮影装置の回路構成を表すブロック図である。
【図4】充電装置の例としてのクレードルの外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示すクレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示した斜視図である。
【図6】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置を挿入しようとする状態を示している。
【図7】図4のクレードルの内部構成を模式的に示した図であり、クレードルに放射線画像撮影装置が挿入された状態を示している。
【図8】第1、第2の実施形態における充電制御回路の回路構成等を概略的に表すブロック図である。
【図9】第1の実施形態において充電電流経路を流れる電流の値および内蔵電源の充電電圧の値の時間的な変化等を表すグラフである。
【図10】定電流充電の際に充電電流経路に流す電流の値が大きい場合に電圧降下が大きくなることを表すグラフである。
【図11】第2の実施形態において充電電流経路を流れる電流の値および内蔵電源の充電電圧の値の時間的な変化等を表すグラフである。
【図12】第3の実施形態における充電制御回路の回路構成等を概略的に表すブロック図である。
【図13】図8の場合において充電制御回路を充電装置であるクレードルに設けた場合の充電制御回路とクレードル、放射線画像撮影装置の関係を概略的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る充電システム、電子機器および充電装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
なお、以下では、電子機器が放射線画像撮影装置(Flat Panel Detector:FPD)であり、充電装置がクレードルである場合について説明するが、本発明は、この形態に限定されない。
【0030】
[第1の実施の形態]
本発明に係る第1の実施形態では、充電制御回路80(後述する図8参照)が、電子機器としての放射線画像撮影装置1に設けられている場合について説明する。
【0031】
[電子機器の例としての放射線画像撮影装置の構成例について]
ここで、まず、電子機器の例として、放射線画像撮影装置1の構成例について簡単に説明する。図1は、放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。
【0032】
放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されて構成されている。本実施形態では、筐体2は、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで形成されている。
【0033】
図1に示すように、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクタ39、内蔵電源24(図2や後述する図3参照)の状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。なお、後述するように、本実施形態では、コネクタ39が後述するクレードル60のコネクタ71(後述する図6や図7参照)と接続することで、充電装置としてのクレードル60から放射線画像撮影装置1に電力が供給されるようになっている。
【0034】
また、図示を省略するが、本実施形態では、筐体2の反対側の蓋部材2Cに、放射線画像撮影装置1が外部装置と信号等の送受信を無線方式で行うためのアンテナ装置41(後述する図3参照)が、例えば蓋部材2Cに埋め込まれるようにして設けられている。
【0035】
図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や内蔵電源24等が取り付けられている。また、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板34が配設されており、センサパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
【0036】
図示を省略するが、基板4の検出部P上には、フォトダイオード等からなる複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されており、各放射線検出素子7にスイッチ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8や走査線5、信号線6、バイアス線9等が接続されている。また、シンチレータ3が、基板4の検出部Pに対向するように設けられるようになっている。
【0037】
放射線画像撮影装置1の回路構成を、図3に示すブロック図を用いて説明すると、複数の放射線検出素子7が基板4上に二次元状に配列されて検出部Pが形成されている。また、各放射線検出素子7の第2電極7bにはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。そして、バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれ逆バイアス電圧を印加するようになっている。
【0038】
走査駆動手段15では、電源回路15aからゲートドライバ15bに配線15cを介してオン電圧やオフ電圧が供給され、ゲートドライバ15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを切り替えることで、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理等を行うようになっている。
【0039】
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されており、読み出し回路17は、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とが設けられている。
【0040】
そして、例えば、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の際には、ゲートドライバ15bからオン電圧が印加された走査線5に接続されているTFT8がオン状態になり、オン状態になったTFT8に接続されている放射線検出素子7から信号線6に電荷が放出され、放出された電荷が読み出し回路17の増幅回路18で電荷電圧変換される。
【0041】
そして、増幅回路18の出力側に設けられた相関二重サンプリング回路19で、放射線検出素子7から電荷が放出される前後の増幅回路18からの出力値の差分を算出し、算出した差分をアナログ値の画像データとして出力する。そして、出力されたアナログ値の画像データが、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて出力され、記憶手段23に順次保存される。このようにして、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理が順次行われる。
【0042】
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。
【0043】
また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されており、さらに、前述した電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクタ39、インジケータ40(図1参照)等も接続されている。
【0044】
また、本実施形態では、制御手段22には、制御手段22や走査駆動手段15、読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各部材に電力を供給するための内蔵電源24が接続されている。本実施形態では、内蔵電源24として、リチウムイオンキャパシタ(LIC)が用いられているが、本発明はこれに限定されず、充電可能な内蔵電源であれば、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスや通常のバッテリや二次電池等であってもよい。
【0045】
なお、図3では図示を省略したが、本実施形態では、内蔵電源24には、内蔵電源24への充電を制御する充電制御回路80(後述する図8参照)が接続されている。この点については、後で詳しく説明する。
【0046】
[充電装置の例としてのクレードルの構成例について]
次に、充電装置の例として、クレードル60の構成例について簡単に説明する。図4は、クレードル60の外観を示す斜視図であり、図5は、図4に示すクレードル60に放射線画像撮影装置1が挿入された状態を示した斜視図である。また、図6および図7は、クレードル60の内部構成を模式的に示した図であり、図6はクレードル60に放射線画像撮影装置1を挿入しようとする状態を示しており、図7はクレードル60に放射線画像撮影装置1が挿入された状態を示している。
【0047】
図4や図5に示すように、クレードル60はほぼ直方体形状に形成され上面に開口部61aを有する筐体61と、この筐体61の開口部61aを被覆する被覆部材62とを備えている。また、筐体61の一端部には、クレードル60を動作させる各種のスイッチ63が設けられている。
【0048】
図6や図7に示すように、筐体61の内部には、筐体61の長手方向に延在し、放射線画像撮影装置1を鉛直方向に収容する装置収容部64が設けられている。また、筐体61には基板65上に配置された各種電子部品66が収納されている。電子部品66には、例えば後述する放射線画像撮影装置1の充電制御回路80に一定の電圧の直流電圧を供給するために外部の交流電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ等を備えた定電圧電源66a(後述する図8参照)等が含まれている。
【0049】
また、装置収容部64は、装置収容部64の側壁を構成する前側壁部材67と奥側壁部材68とを備えており、前側壁部材67の上端部と奥側壁部材68の上端部とによって放射線画像撮影装置1が挿入される挿入口69(図6参照)が形成されている。放射線画像撮影装置1は、挿入口69から前側壁部材67と奥側壁部材68の間に挿入されるようになっている。
【0050】
前側壁部材67の内側部には、放射線画像撮影装置1を装置収容部64内部に案内する案内部材67aが取り付けられており、奥側壁部材68の内側面には、緩衝部材68aが長手方向の全面に亘って設けられている。
【0051】
装置収容部64は、その厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっている。また、装置収容部64内の挿入口69付近には、挿入口69から挿入された放射線画像撮影装置1を一時的に保持する装置保持手段70が配置されている。
【0052】
装置収容部64内の底部には、放射線画像撮影装置1側のコネクタ39と接続可能なクレードル60側のコネクタ71が配置されている。クレードル60側のコネクタ71は、図示しないケーブルを介して前述した電子部品66と電気的に接続されている。
【0053】
本実施形態では、図6に示すように、放射線画像撮影装置1がクレードル60に斜めに挿入されると、放射線画像撮影装置1に押されて挿入口69を被覆する蓋部材72が、被覆部材62に沿って奥側(図中では左側)に退避する。
【0054】
そして、略鉛直方向に向けられた放射線画像撮影装置1が挿入口69から挿入されると、放射線画像撮影装置1のコネクタ39が設けられた側の蓋部材2Bが一旦装置保持手段70に当接して保持された後、図7に示すように装置保持手段70が下方に回動することで、放射線画像撮影装置1が装置収容部64内に収容される。
【0055】
そして、前述したように、装置収容部64の厚み方向の内寸法が放射線画像撮影装置1の厚み方向の外寸法に合わせた寸法となっているため、装置収容部64内に収容された放射線画像撮影装置1側のコネクタ39が、自動的にクレードル側のコネクタ71に接続可能な位置に適切に位置決めされた状態で接続されるようになっている。
【0056】
[充電制御回路の構成等について]
次に、本実施形態では放射線画像撮影装置1側に設けられている充電制御回路80の構成等について説明する。図8は、充電制御回路80の回路構成を概略的に表すブロック図である。
【0057】
図8に示すように、本実施形態では、充電制御回路80は、主に、接続されたコネクタ39、71を介してクレードル60の定電圧電源66aから供給された電力を放射線画像撮影装置1の内蔵電源24に供給する配線としての充電電流経路81と、内蔵電源24への充電を制御する充電制御部82とを備えて構成されている。
【0058】
充電制御部82には、少なくとも充電電圧検出部83と、充電電流検出部84と、スイッチング制御部85と、充電電流切替部86とが設けられている。
【0059】
充電電流経路81上には第1スイッチ素子87aが、充電電流経路81から分岐して接地端子に接続されている配線88上には第2スイッチ素子87bがそれぞれ設けられており、第1スイッチ素子87aおよび第2スイッチ素子87bはそれぞれスイッチング制御部85に接続されている。本実施形態では、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bはそれぞれ電界効果トランジスタ(Field effect transistor:FET)で構成されており、スイッチング制御部85によりそれらのオン/オフ動作が制御されるようになっている。
【0060】
また、充電電流経路81にはコイル89が挿入されており、また、充電電流経路81と接地端子との間にコンデンサ90が設けられている。スイッチング制御部85による第1スイッチ素子87aや第2スイッチ素子87bのオン/オフにより充電電流経路81の電圧や充電電流経路81中を流れる電流にゆらぎが生じるが、コイル89はそのインダクタンス(inductance)によって、また、コンデンサ90はローパスフィルタ状に機能して、それらのゆらぎを平滑化するようになっている。
【0061】
一方、充電電流経路81には、電流検出用の抵抗部91が挿入されており、電流検出用の抵抗部91は複数の抵抗91a、91bが並列に接続されて形成されている。なお、ここでは、2つの抵抗91a、91bが並列に接続されて電流検出用の抵抗部91が形成されている場合について説明するが、電流検出用の抵抗部91を、より多くの抵抗を並列に接続して形成することも可能であり、この点については後で説明する。
【0062】
電流検出用の抵抗部91を構成する2つの抵抗91a、91bのうち、一方の抵抗91bにはスイッチ手段92が接続されている。本実施形態では、スイッチ手段92はFETで構成されており、充電電流切替部86によりそのオン/オフ動作が制御されるようになっている。
【0063】
また、電流検出用の抵抗部91は、その両極が充電電流検出部84に接続されており、充電電流検出部84によって電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差が検出されるようになっている。
【0064】
充電電流経路81は、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の一方の充電端子に接続されており、内蔵電源24の他方の充電端子は、充電制御回路80の接地端子に接続されている。また、充電制御回路80内では、充電電流経路81と接地端子とが2つの抵抗93a、93bを介して接続されており、2つの抵抗93a、93bの間に接続された配線94が充電電圧検出部83に接続されている。そして、充電電圧検出部83で、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24に充電されている充電電圧が検出されるようになっている。
【0065】
[充電制御回路における内蔵電源の充電制御等について]
以下、充電制御回路80における放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電制御等について説明する。また、それとあわせて、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1(電子機器)、クレードル60(充電装置)および充電制御回路80や、それらで構成される充電システム100(図8や図5等参照)の作用について説明する。
【0066】
図8に示すように、充電制御部82のスイッチング制御部85には、充電電圧検出部83が検出した、内蔵電源24に充電されている充電電圧の情報や、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差の情報がフィードバックされるようになっている。
【0067】
そして、スイッチング制御部85は、それらの情報に応じて第1スイッチ素子87aおよび第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御して、充電装置であるクレードル60の定電圧電源66aから供給される電力の内蔵電源24への供給を制御するようになっている。
【0068】
本実施形態では、スイッチング制御部85は、内蔵電源24に対する充電の仕方を、定電流充電を行った後、定電圧充電に切り替えるように構成されている。
【0069】
また、本実施形態では、充電制御部82の充電電流切替部86は、定電流充電時にはスイッチ手段92をオン状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bの両方に通電させるが、定電圧充電時には、スイッチ手段92をオフ状態として、複数の抵抗91a、91bのうち、一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するようになっている。
【0070】
具体的には、スイッチング制御部85は、図9に示すように、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧V(図9の右側の目盛りおよび破線参照)が予め設定された目標電圧V0よりも小さい場合には、定電流充電を行う。
【0071】
本実施形態では、スイッチング制御部85は、定電流充電を行う場合には、充電電流経路81に例えば10[A]等の比較的大きな一定の電流Iを流すように構成されており、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91(すなわちこの場合は並列に接続されている複数の抵抗91a、91b)の両極間の電位差Δvが、設定された電流値(すなわち例えば10[A])に相当する電位差になるように、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御する。
【0072】
この場合、例えば抵抗91aとして抵抗値が100[mΩ]の抵抗を用い、抵抗91bとして抵抗値が10[mΩ]の抵抗を用いるとすると、それらを並列に接続した場合、それらの合成抵抗すなわち電流検出用の抵抗部91全体の抵抗は、約9.09[mΩ]になる。そのため、この場合は、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが10[A]×9.09[mΩ]=90.9[mV]になるように制御すれば、充電電流経路81にほぼ10[A]の電流Iが流れていることになる。
【0073】
そこで、スイッチング制御部85には、定電流充電の際に基準とされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvst(上記の例では90.9[mV]。以下、基準電位差Δvstという。)が予め設定されている。そして、スイッチング制御部85は、定電流充電の場合には、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが、設定された基準電位差Δvstになるように、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御して、充電電流経路81に例えば10[A]等の一定の電流Iを流すようになっている。
【0074】
このように、本実施形態では、定電流充電時に、充電電流経路81に例えば10[A]等の比較的大きな電流Iを流すように構成されているため、充電電流経路81に例えば1[A]等の比較的小さな電流Iを流して充電を行う従来の充電方法の場合に比べて、定電流充電時の充電時間を短縮することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態では、定電流充電時には、並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電されるため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が、上記のように例えば約9.09[mΩ]になる。一方、従来の充電制御回路のように、電流検出用の抵抗部91として、例えば100[mΩ]の抵抗値を有する抵抗91aのみを用いる場合には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は100[mΩ]になる。
【0076】
このように、本実施形態では、並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電することにより、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が、従来の充電制御回路のように1つの抵抗のみを用いる場合よりも小さくなるため、同じ10[A]の定電流充電を行う場合でも、従来の場合よりも、電流検出用の抵抗部91での電力のロスをより低減することが可能となる。
【0077】
一方、本実施形態では、このようにして定電流充電を行い、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達すると、スイッチング制御部85は、図9に示すように、内蔵電源24に対する充電の仕方を、定電圧充電に切り替えるようになっている。
【0078】
その際、本実施形態では、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vの情報は、充電制御部82の充電電流切替部86(図8参照)にも入力されるようになっている。
【0079】
そして、充電電流切替部86は、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達すると(すなわち本実施形態では充電の仕方が定電圧充電に切り替えられると)、スイッチ手段92をオフ状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bのうち、一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するようになっている。
【0080】
このようにして一方の抵抗91bが充電電流経路81から遮断されると、電流検出用の抵抗部91では、抵抗91aのみが充電電流経路81に挿入された状態になり、上記の例で言うと、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値と同じ100[mΩ]になる。
【0081】
そして、スイッチング制御部85は、充電電流切替部86が一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断した状態で充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvを監視して、定電圧充電を終了させるか否かを判断するようになっている。
【0082】
前述したように、定電流充電を行って、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達したとしても、内蔵電源24内部や充電電流経路81等の抵抗による電圧降下が存在するため、内蔵電源24の充電電圧Vは、実際には目標電圧V0には達していない。
【0083】
そこで、スイッチング制御部85は、充電の仕方を切り替えた後の定電圧充電時には、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0を越えずに目標電圧V0を維持するように第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87bのオン/オフ動作を制御し、充電電流経路81を介して内蔵電源24に電力を供給して定電圧充電を行うようになっている。
【0084】
この場合、前述したように、内蔵電源24の実際の充電電圧が上記の目標電圧V0になるまで充電を行うと、すなわち充電電流経路81中を電流Iが流れなくなり電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが事実上0[V]になるまで充電を行うように構成すると、内蔵電源24の充電時間が非常に長い時間になってしまう。
【0085】
そのため、本実施形態では、スイッチング制御部85は、充電の仕方を定電圧充電に切り替えた後、充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが、例えば予め0.1[A]等の小さな値に設定された電流値に相当する電位差Δvth以下になった時点(図9の時刻t1参照)で第1スイッチ素子87aをオフ状態にする等して、充電装置としてのクレードル60からの電力の供給を停止する。
【0086】
このようにして、スイッチング制御部85は、充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvが予め設定された閾値Δvth以下になった時点で、内蔵電源24の充電を終了するようになっている。
【0087】
本実施形態のように構成すると、以下のような優れた作用効果を発揮することが可能となる。
【0088】
従来の充電制御回路では、通常、電流検出用の抵抗部91として1つの抵抗を用いている(例えば前述した各特許文献参照)。そして、いま仮に、この抵抗の抵抗値を、抵抗91aの抵抗値と同じ抵抗値である100[mΩ]とする。
【0089】
すると、上記のように、定電流充電時に、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84(図8参照)からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×100[mΩ]=1000[mV](=1[V])になる。すなわち、従来の充電制御回路では、前述した基準電位差Δvstは1000[mV]になる。
【0090】
そのため、従来の充電制御回路のスイッチング制御部85は、定電流充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、この基準電位差Δvstである1000[mV]を含む例えば0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視し、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるように制御することになる。
【0091】
一方、充電の仕方が定電圧充電に切り替わった後は、スイッチング制御部85は、充電電流経路81を流れる電流Iが例えば0.1[A]になったか否かを監視する。そして、従来の充電制御回路では電流検出用の抵抗部91の抵抗値は100[mΩ]であるから、従来の充電制御回路のスイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が0.1[A]×100[mΩ]=10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0092】
すなわち、従来の充電制御回路のスイッチング制御部85は、定電圧充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、定電流充電時における0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視しながら、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0093】
そのため、従来の充電制御回路では、0〜1200[mV]という電位差Δvの広い範囲のスケールを用いて、電位差Δvが10[mV]という非常に小さな値になったか否かを判断しなければならなくなる。このように、従来の充電制御回路では、特に定電圧充電時の充電終了の判断処理において、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvに対する判断の精度が低下してしまい、制御の精度が粗くなってしまう。
【0094】
それに対して、本実施形態に係る充電制御回路80では、定電流充電時には、充電電流切替部86はスイッチ手段92をオン状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電させる。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が下がり、例えば抵抗91aの抵抗値が100[mΩ]、抵抗91bの抵抗値が10[mΩ]の場合には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が約9.09[mΩ]にまで低下する。
【0095】
そして、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×9.09[mΩ]=90.9[mV]になる。すなわち、本実施形態では、前述した基準電位差Δvstは90.9[mV]になる。
【0096】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85は、定電流充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、この基準電位差Δvstである90.9[mV]を含む例えば0〜200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視する。そして、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるようにするために、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が基準電位差Δvstである90.9[mV]になるように制御すればよいことになる。
【0097】
一方、充電の仕方が定電圧充電に切り替わった後は、スイッチング制御部85は、充電電流経路81を流れる電流Iが例えば0.1[A]になったか否かを監視する。そして、本実施形態では、充電の仕方が定電圧充電に切り替わると、充電制御部82の充電電流切替部86(図8参照)がスイッチ手段92をオフ状態にして抵抗91bを充電電流経路81から遮断するため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値である100[mΩ]になる。
【0098】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が0.1[A]×100[mΩ]=10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0099】
すなわち、本実施形態では、充電制御回路80のスイッチング制御部85は、定電圧充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、定電流充電時における0〜200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視しながら、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0100】
そのため、本実施形態に係る充電制御回路80では、0〜200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて、電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断することになる。そして、0〜200[mV]のスケールを用いて10[mV]の電位差Δvを測定すれば、十分に精度良く測定を行うことができ、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを十分に精度良く判断することができる。
【0101】
少なくとも、前述した従来の充電制御回路のように、0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断する場合に比べれば、格段に精度良く判断を行うことが可能になる。
【0102】
そのため、本実施形態に係る充電制御回路80を用いれば、上記の従来の充電制御回路のように、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvについての判断の精度が低下して制御の精度が粗くなることが防止され、定電圧充電時に充電電流経路81に小さな電流Iが流れる場合でも、充電電流経路81を流れる電流Iに相当する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの小さな値を精度良く検出して、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となる。
【0103】
また、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな電流Iを流すことが可能となり、定電流充電時における大電流化を図ることが可能となる。また、それとともに、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、前述したように、電流検出用の抵抗部91での電力のロスをより低減することが可能となる。
【0104】
以上のように、本実施形態に係る充電システム100や、充電制御回路80を備える放射線画像撮影装置1(すなわち電子機器)によれば、充電電流経路81に大きな電流Iを流す定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bの両方に通電して電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げることで、充電制御回路80の充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックする電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を小さくする。
【0105】
一方、充電電流経路81に小さな電流Iが流れる定電圧充電の際には、定電流充電時に通電していた電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断して電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を上げることで、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックする電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を大きくするように構成した。
【0106】
そのため、定電流充電時に用いた電位差Δvの範囲のスケールを用いて、小さな電流値を検出する定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を精度良く検出することが可能となり、定電圧充電を終了させるか否かを精度良く判断することが可能となる。
【0107】
そのため、従来の充電制御回路のように、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvについての判断の精度が低下して制御の精度が粗くなることが防止され、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となり、定電流充電のみならず、定電圧充電をも的確に行うことが可能となる。
【0108】
また、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな電流Iを流すことが可能となり、定電流充電時における大電流化や充電時間の短縮を図ることが可能となる。また、それとともに、定電流充電の際には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げるため、前述したように、電流検出用の抵抗部91での電力のロスをより低減することが可能となる。
【0109】
なお、本実施形態のように、スイッチング制御部85が充電の仕方を定電流充電から定電圧充電に切り替えると同時に、充電電流切替部86が抵抗91bを充電電流経路81から遮断して電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を例えば100[mΩ]に上げると、図9に示すように、充電の仕方を切り替えた瞬間には、充電電流経路81には10[A]程度の電流Iが流れている。
【0110】
そのため、充電電流検出部84が検出する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が、定電流充電時の10[A]×9.09[mΩ]=90.9[mV]から、10[A]×100[mΩ]=1000[mV]に一気に跳ね上がるようになり、0〜200[mV]の範囲のスケールを用いて電位差Δvを監視するスイッチング制御部85に、その範囲を大きく越える電位差Δvの値が充電電流検出部84から入力される状態になる。
【0111】
この状態は必ずしも好ましい状態ではない。そのため、この状態が生じることを防止するために、例えば、充電電流切替部86は、スイッチング制御部85により充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が予め設定された値まで低下した時点で、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するように構成することが可能である。
【0112】
すなわち、例えば、充電電流切替部86は、充電の仕方が定電圧充電に切り替えられた後、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が、例えば20[mV]まで低下した時点で抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。
【0113】
このように構成すれば、抵抗91bを充電電流経路81から遮断した瞬間に、スイッチング制御部85に入力される電位差Δvの値が、20[mV]から220[mV](≒100[mΩ]×20[mV]/9.09[mΩ])に上昇する状態とすることが可能となり、例えば0〜200[mV]の範囲のスケールを用いて電位差Δvを監視するスイッチング制御部85に、その範囲を多少越える程度の電位差Δが入力される状態になる。そして、充電電流経路81を流れる電流Iの値はすぐに2[A]以下になり、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvもすぐに200[mV]以下になる。
【0114】
そのため、上記のように、スイッチング制御部85により充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、充電電流検出部84が検出した電位差Δvの値が予め設定された値(例えば20[mV])まで低下した時点で、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するように構成することで、少なくとも、スイッチング制御部85に対して設定された電位差Δvの範囲のスケールを極端に越える電位差Δvの値がスイッチング制御部85に入力されることを防止することが可能となる。
【0115】
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、特に定電圧充電時における電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvについての判断の精度を向上させて、定電圧充電における電流検出や充電の終了判断を高精度に行うことを重視した制御構成等について説明した。
【0116】
一方、本発明者らの研究では、上記の制御構成等を応用することで、定電流充電と定電圧充電とを行う本発明の充電の仕方における充電効率をより向上させて、定電流充電や定電圧充電を的確に行うことが可能となる構成を見出すことができた。本実施形態では、この点を加味した制御構成等について説明する。
【0117】
前述したように、定電流充電を行って、充電電圧検出部83(図8参照)が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0(図9参照)に達しても、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗による電圧降下が存在するため、内蔵電源24の充電電圧Vは、実際には目標電圧V0には達していない。
【0118】
そして、本発明のように、定電流充電の際に充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな値の電流Iを流す場合、上記の内部抵抗の大きさ等にもよるが、上記の電圧降下が大きくなる場合がある。このような場合に、仮に、内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達した時点で充電を止めると、例えば図10に示すように、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が目標電圧V0から比較的大きく減少する場合がある。
【0119】
そこで、このような場合には、内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達した時点で、より小さな値の電流Iを充電電流経路81に流す定電流充電を再度行うように構成することができる。本実施形態では、充電制御回路80がこのように充電の仕方を制御するように構成されている場合について説明する。
【0120】
本実施形態では、電子機器の例としての放射線画像撮影装置1の構成(図1〜図3参照)や充電装置の例としてのクレードル60の構成(図4〜図7参照)等は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0121】
また、充電制御回路80の構成も第1の実施形態の場合(図8参照)と同様であるが、電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bの抵抗値がそれぞれ第1の実施形態の場合と異なっており、本実施形態では、抵抗91a、91bの抵抗値は、それぞれ例えば100[mΩ]に設定されている。
【0122】
そして、本実施形態では、充電制御回路80の充電電流切替部86は、定電流充電時の初期の段階では、スイッチ手段92をオン状態として、電流検出用の抵抗部91を、複数の抵抗91a、91bが並列に接続された状態とする。そして、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vの値が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断するように構成されている。
【0123】
また、スイッチング制御部85は、充電電流切替部86が抵抗91bを充電電流経路81から遮断した後、充電電圧検出部83が検出した充電電圧Vの値が再度上昇して、予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えるように構成されている。
【0124】
具体的には、本実施形態においても、定電流充電時の初期の段階では、電流検出用の抵抗部91では100[mΩ]の抵抗値を有する複数の抵抗91a、91bが並列に接続されているため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は50[mΩ]になる。
【0125】
そして、この状態で充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すとすると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×50[mΩ]=500[mV]になるため、この場合は、前述した基準電位差Δvstは500[mV]になる。
【0126】
スイッチング制御部85は、定電流充電時の初期の段階では、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を監視して、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるように制御する。
【0127】
このようにして内蔵電源24(図8参照)の充電を行うと、図11に示すように、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が上昇して予め設定された第1目標電圧に達する。なお、図11では、第1目標電圧が第1の実施形態の場合の目標電圧V0と同じ値に設定されている場合が示されている。
【0128】
この時点で、充電電流切替部86は、複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値と同じ100[mΩ]になる。
【0129】
しかし、スイッチング制御部85に設定されている基準電位差Δvstは500[mV]のままで変更されないため、スイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が基準電位差Δvstである500[mV]になるように、第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87b(図8参照)のオン/オフ動作を制御する。そのため、充電電流経路81を流れる電流Iが、それまでの10[A]から、500[mV]/100[mΩ]=5.0[A]に低下する。
【0130】
そして、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗に10[A]の電流を流していた状態から5.0[A]の電流を流す状態に変わるため、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗に電流を流すことによる電圧の押し上げ分が半減する。
【0131】
そのため、図11に示すように、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが第1目標電圧V0に達して、充電電流切替部86が抵抗91bを充電電流経路81から遮断し、充電電流経路81を流れる電流Iの値が10[A]から5.0[A]に切り替わる時点で、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが一旦減少する。
【0132】
また、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]から5.0[A]に減少するため、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vが一旦減少した後、再度上昇する際の時間的増加率が小さくなる。すなわち、図11のグラフにおける充電電圧Vの上昇の傾きが緩やかになる。
【0133】
そして、スイッチング制御部85は、充電電圧検出部83が検出した充電電圧Vの値が再度上昇して、予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えて、内蔵電源24に対する充電を行うようになっている。
【0134】
なお、図11では、第1目標電圧も第2目標電圧も同じ電圧値V0に設定する場合を示したが、第1の実施形態で説明したように、充電制御回路80のスイッチング制御部85が、充電電圧検出部83が検出した内蔵電源24の充電電圧Vが目標電圧V0に達した時点で内蔵電源24に対する充電の仕方を自動的に定電圧充電に切り替えるように構成されている場合に、第1目標電圧をV0に設定すると、充電の仕方が自動的に定電圧充電に切り替わってしまう。
【0135】
そのため、このような場合には、例えば、第1目標電圧を第2目標電圧V0よりも低い値に設定することも可能である。なお、この点については、下記の第3の実施形態においても同様である。
【0136】
本実施形態では、このようにして、充電電流経路81に例えば10[A]等の大きな値の電流Iを流して行う定電流充電では内蔵電源24に十分に充電できなかった電圧降下分を、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を下げて充電電流経路81に流す電流Iの値を小さくして定電流充電を再度行って補うようになっている。
【0137】
また、本実施形態では、上記のように、充電制御回路80のスイッチング制御部85が、定電流充電においては、充電電流経路81を流れる電流Iの値自体に基づいて制御を行うのではなく、電流Iに相当する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が基準電位差Δvstに一致するように制御を行うように構成されていることに着目した。
【0138】
そして、定電流充電の際に、充電電流切替部86で電流検出用の抵抗部91の並列に接続された複数の抵抗91a、91bの両方に通電させたり、一方の抵抗91bを充電電流経路81から遮断したりして、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を可変させるように構成することで、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値に応じて、スイッチング制御部85に、充電電流経路81を流れる電流Iを自動的に変化させることが可能となる。
【0139】
そのため、上記のように、定電流充電時の初期の段階で、例えば10[A]等の大きな値の電流Iを流して内蔵電源24の充電を行うと、内蔵電源24内部や充電制御回路80内部等の抵抗による電圧降下が大きくなるが、適切なタイミングで電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値を可変させて充電電流経路81を流れる電流Iを小さくすることで、より電圧降下が少ない状態で、上記の10[A]の電流を流した場合の大きな電圧降下分を補う充電を行うことが可能となる。
【0140】
以上のように、本実施形態では、定電流充電をより効率的に行うことが可能となる。また、上記のように、定電流充電における電圧降下がより少ない状態で定電圧充電に移行するため、定電圧充電も効率的に行うことが可能となる。そのため、本実施形態に係る充電制御の制御構成を採用すれば、内蔵電源24の充電効率をより向上させて、定電流充電や定電圧充電を的確に行うことが可能となる。
【0141】
[第3の実施の形態]
上記の第2の実施形態では、上記のように、少なくとも定電流充電において、より効率的に充電を行うことが可能な制御構成等について説明した。
【0142】
しかし、この場合、定電流充電の初期の段階では、電流検出用の抵抗部91を構成する抵抗91a、91b(いずれも100[mΩ])が並列に接続された状態であり、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が50[mΩ]になる。
【0143】
そのため、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×50[mΩ]=500[mV]になり、前述した基準電位差Δvstが500[mV]になる。
【0144】
また、抵抗91bを遮断して、充電電流経路81を流れる電流Iの値が5.0[A]になった場合にも、基準電位差Δvstは変更されないため、500[mV]のままである。そのため、スイッチング制御部85には、この基準電位差Δvstである500[mV]を含む例えば0〜600[mV]の範囲の電位差Δvのスケールが設定される。
【0145】
しかし、このように比較的広い範囲の電位差Δvのスケールを用いた場合、第1の実施形態で説明した従来の充電制御回路の場合(この場合は例えば0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールが用いられた。)と同様に、特に定電圧充電時の充電終了の判断処理において、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvに対する判断の精度が低下してしまい、制御の精度が粗くなってしまう虞れがある。
【0146】
そこで、本実施形態では、上記の第1の実施形態における有益な作用効果と、第2の実施形態における有益な作用効果をともに発揮させることができるようにするために、例えば図12に示すような構成の充電制御回路80が用いられるようになっている。
【0147】
すなわち、本実施形態では、充電制御回路80の構成は、図8に示した第1の実施形態や第2の実施形態の場合とほぼ同じであるが、図12に示すように、電流検出用の抵抗部91が、3つの抵抗91a、91b、91cが並列に接続されて形成されており、そのうちの抵抗91b、91cにそれぞれスイッチ手段92a、92bが接続されている。
【0148】
そして、スイッチ手段92a、92bはそれぞれ充電電流切替部86に接続されており、それぞれ別々に充電電流切替部86によりそのオン/オフ動作が制御されるように構成されている点で第1の実施形態や第2の実施形態の場合と異なっている。
【0149】
そして、本実施形態に係る充電制御回路80では、定電流充電時の初期の段階では、充電電流切替部86は、スイッチ手段92a、92bをそれぞれオン状態として、電流検出用の抵抗部91を構成する並列に接続された複数の抵抗91a、91b、91cの全てに通電させる。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が下がる。
【0150】
例えば、抵抗91aの抵抗値が100[mΩ]、抵抗91b、91cの抵抗値がそれぞれ10[mΩ]の場合には、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値が約4.76[mΩ]にまで低下する。
【0151】
そして、充電電流経路81に10[A]の電流Iを流すように構成すると、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値は、10[A]×4.76[mΩ]=47.6[mV]になる。すなわち、本実施形態では、前述した基準電位差Δvstは47.6[mV]になる。
【0152】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85には、この基準電位差Δvstである47.6[mV]を含む例えば0〜100[mV]の範囲の電位差Δvのスケールが設定され、定電流充電時には、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を、この0〜100[mV]の範囲の電位差Δvのスケールで監視する。
【0153】
そして、充電電流経路81を流れる電流Iが10[A]の一定の電流になるようにするために、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が、基準電位差Δvstである47.6[mV]になるように第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87b(図8参照)のオン/オフ動作を制御すればよいことになる。
【0154】
このようにして内蔵電源24(図8参照)の充電を行うと、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が上昇して予め設定された第1目標電圧に達する。そして、本実施形態では、第2の実施形態と同様に、この時点で、充電電流切替部86は、スイッチ手段92bをオフ状態にして、複数の抵抗91a、91b、91cのうちの一部の抵抗91cを充電電流経路81から遮断する。
【0155】
そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、並列に接続されている抵抗91a(抵抗値は100[mΩ])と抵抗91b(抵抗値は10[mΩ])の合成抵抗になり、約9.09[mΩ]になる。
【0156】
そして、スイッチング制御部85は、充電電流検出部84からスイッチング制御部85にフィードバックされる電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が前述した基準電位差Δvstである47.6[mV]に一致するように第1スイッチ素子87aと第2スイッチ素子87b(図8参照)のオン/オフ動作を制御するため、結局、充電電流経路81を流れる電流Iの値は10[A]から約5.2[A]に低下する。
【0157】
また、図11に示した第2の実施形態の場合と同様に、この場合も、充電電流経路81を流れる電流Iの値が10[A]から約5.2[A]に低下した時点で、充電電圧検出部83が検出した充電電圧Vの値も一旦減少する。
【0158】
そのため、第2の実施形態の場合と同様に、この後、充電電流経路81に約5.2[A]の電流Iを流す状態で再度定電流充電を行うように構成することで、定電流充電の初期の段階で充電電流経路81に例えば10[A]の電流Iを流して行う定電流充電では内蔵電源24に充電できなかった電圧降下分を、充電電流経路81に例えば約5.2[A]の電流Iを流す定電流充電で補うことが可能となる。そのため、第2の実施形態と同様の有益な作用効果を得ることが可能となる。
【0159】
一方、充電電流経路81に流す電流Iの値を低下させた状態で定電流充電を再度行って、充電電圧検出部83が検出する内蔵電源24の充電電圧Vの値が上昇して予め設定された第2目標電圧V0に達すると、第1の実施形態の場合と同様に、スイッチング制御部85は、内蔵電源24に対する充電の仕方を定電流充電から定電圧充電に切り替える。
【0160】
そして、充電電流切替部86は、充電の仕方が定電圧充電に切り替わった時点や、充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が予め設定された値まで低下した時点で、今度は、スイッチ手段92aをオフ状態にして、現時点で電流検出用の抵抗部91を構成する複数の抵抗91a、91bのうちの一部の抵抗91bを充電電流経路81から遮断する。
【0161】
抵抗91cはすでに充電電流経路81から遮断されているため、この時点で、電流検出用の抵抗部91は、抵抗91aのみが接続されている状態になる。そのため、電流検出用の抵抗部91全体の抵抗値は、抵抗91aの抵抗値である100[mΩ]になる。
【0162】
そのため、本実施形態に係るスイッチング制御部85は、電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値が0.1[A]×100[mΩ]=10[mV]になったか否かを判断することになる。
【0163】
その際、第1の実施形態の場合と同様に、本実施形態においても、充電制御回路80のスイッチング制御部85は、定電圧充電時に、定電流充電時に用いた0〜100[mV]の範囲(第1の実施形態と同様に0〜200[mV]の範囲としてもよい。)の電位差Δvのスケールで、充電電流検出部84が検出した電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの値を監視しながら、電位差Δvの値が10[mV]になったか否かを判断する。
【0164】
そして、第1の実施形態で説明したように、0〜100[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断することは、十分に精度良く行うことができるため、少なくとも、第1の実施形態で示した従来の充電制御回路のように、0〜1200[mV]の範囲の電位差Δvのスケールを用いて電位差Δvが10[mV]になったか否かを判断する場合に比べて、格段に精度良く判断を行うことが可能になる。
【0165】
そのため、本実施形態に係る充電制御回路80を用いれば、第1の実施形態の場合と同様に、定電圧充電時に充電電流経路81に小さな電流Iが流れる場合でも、充電電流経路81を流れる電流Iに相当する電流検出用の抵抗部91の両極間の電位差Δvの小さな値を精度良く検出して、定電圧充電における電流検出を高精度に行うことが可能となる等の有益な作用効果を得ることが可能となる。
【0166】
また、本実施形態に係る充電制御回路80を用いれば、上記のように、第2の実施形態で説明した有益な作用効果をも得ることが可能となる。そのため、本実施形態に係る充電システム200(図12参照)や、充電制御回路80を備える放射線画像撮影装置1(すなわち電子機器)によれば、上記の第1の実施形態と第2の実施形態でそれぞれ説明した有益な効果を、例えば図12に示した簡単な制御構成で的確に発揮させることが可能となる。
【0167】
なお、上記の第1〜第3の実施形態では、充電制御回路80を電子機器である放射線画像撮影装置1に設ける場合について説明したが、例えば図8に対応する図13に示すように、充電制御回路80を充電装置であるクレードル60に設けるように構成することも可能である。この場合、例えば、クレードル60の筐体61(図7等参照)内部の基板65上の、各種電子部品66が収納されている部分に充電制御回路80を設けることが可能である。
【0168】
また、上記の第1〜第3の実施形態では、充電制御回路80の充電電流経路81に挿入される電流検出用の抵抗部91として、2つの抵抗91a、91b或いは3つの抵抗91a〜91cが並列に接続されて形成された電流検出用の抵抗部91を用いる場合について説明したが、より多くの複数の抵抗を並列に接続して電流検出用の抵抗部91を形成するように構成することも可能である。
【0169】
さらに、上記の第1〜第3の実施形態では、電子機器が放射線画像撮影装置1であり、充電装置がクレードル69である場合について説明したが、この他にも、充電可能な内蔵電源24を内蔵する電子機器であれば、ノート型パソコンや携帯電話、携帯情報端末等についても本発明を適用することが可能である。また、それらの充電装置についても本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0170】
1 放射線画像撮影装置(電子機器)
24 内蔵電源
60 クレードル(充電装置)
80 充電制御回路
81 充電電流経路
83 充電電圧検出部
84 充電電流検出部
85 スイッチング制御部
86 充電電流切替部
91 電流検出用の抵抗部
91a〜91c 複数の抵抗
91b、91c 一部の抵抗
100、200 充電システム
V 充電電圧
V0 目標電圧
Δv 電位差
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路と、
前記充電制御回路を介して前記電子機器の前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、
を備え、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記スイッチング制御部は、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替え、
前記充電電流切替部は、定電流充電時には、前記電流検出用の抵抗部の前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記スイッチング制御部は、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替え、
前記充電電流切替部は、定電流充電時には、前記電流検出用の抵抗部の前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、前記充電電流検出部が検出した前記電位差が予め設定された値まで低下した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項4】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路と、
前記充電制御回路を介して前記電子機器の前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、
を備え、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記充電制御回路の前記充電電流切替部は、定電流充電時の初期の段階では、前記電流検出用の抵抗部を前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断し、
前記充電制御回路の前記スイッチング制御部は、前記充電電流切替部が前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断した後、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧が予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えることを特徴とする充電システム。
【請求項5】
前記充電制御回路は、前記電子機器に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
前記充電制御回路は、前記充電装置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項7】
前記内蔵電源は、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項8】
前記電子機器は放射線画像撮影装置であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記充電装置はクレードルであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
充電可能な内蔵電源を内蔵するとともに、充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える電子機器であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
充電可能な内蔵電源を内蔵するとともに、充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える電子機器であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記充電制御回路の前記充電電流切替部は、定電流充電時の初期の段階では、前記電流検出用の抵抗部を前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断し、
前記充電制御回路の前記スイッチング制御部は、前記充電電流切替部が前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断した後、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧が予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器に対する充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える充電装置であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする充電装置。
【請求項13】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器に対する充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える充電装置であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記充電制御回路の前記充電電流切替部は、定電流充電時の初期の段階では、前記電流検出用の抵抗部を前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断し、
前記充電制御回路の前記スイッチング制御部は、前記充電電流切替部が前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断した後、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧が予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えることを特徴とする充電装置。
【請求項1】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路と、
前記充電制御回路を介して前記電子機器の前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、
を備え、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記スイッチング制御部は、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替え、
前記充電電流切替部は、定電流充電時には、前記電流検出用の抵抗部の前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記スイッチング制御部は、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替え、
前記充電電流切替部は、定電流充電時には、前記電流検出用の抵抗部の前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、充電の仕方が定電流充電から定電圧充電に切り替えられた後、前記充電電流検出部が検出した前記電位差が予め設定された値まで低下した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項4】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器と、
充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路と、
前記充電制御回路を介して前記電子機器の前記内蔵電源に電力を供給する充電装置と、
を備え、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記充電制御回路の前記充電電流切替部は、定電流充電時の初期の段階では、前記電流検出用の抵抗部を前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断し、
前記充電制御回路の前記スイッチング制御部は、前記充電電流切替部が前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断した後、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧が予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えることを特徴とする充電システム。
【請求項5】
前記充電制御回路は、前記電子機器に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
前記充電制御回路は、前記充電装置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項7】
前記内蔵電源は、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項8】
前記電子機器は放射線画像撮影装置であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記充電装置はクレードルであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
充電可能な内蔵電源を内蔵するとともに、充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える電子機器であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
充電可能な内蔵電源を内蔵するとともに、充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える電子機器であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記充電制御回路の前記充電電流切替部は、定電流充電時の初期の段階では、前記電流検出用の抵抗部を前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断し、
前記充電制御回路の前記スイッチング制御部は、前記充電電流切替部が前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断した後、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧が予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器に対する充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える充電装置であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、少なくとも定電圧充電時には、定電流充電時に通電していた前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断することを特徴とする充電装置。
【請求項13】
充電可能な内蔵電源を内蔵する電子機器に対する充電の仕方を、前記内蔵電源に充電されている充電電圧が目標電圧に達するまで、充電電流が一定になるように充電を行う定電流充電を行い、前記充電電圧が前記目標電圧に達した後は、前記充電電圧が一定になるように充電を行う定電圧充電に切り替えて、前記電子機器の前記内蔵電源への充電を制御する充電制御回路を備える充電装置であって、
前記充電制御回路は、
前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧を検出する充電電圧検出部と、
前記充電制御回路内の前記内蔵電源への充電電流経路に挿入された電流検出用の抵抗部の両極間の電位差を検出する充電電流検出部と、
前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧と、前記充電電流検出部が検出した前記電位差とに応じて、前記内蔵電源に供給される前記充電電流および前記充電電圧を制御するスイッチング制御部と、
を備え、
前記電流検出用の抵抗部は、複数の抵抗が並列に接続されて形成されており、
前記充電制御回路は、さらに、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧に基づいて前記電流検出用の抵抗部を形成する前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断する充電電流切替部を備え、
前記充電制御回路の前記充電電流切替部は、定電流充電時の初期の段階では、前記電流検出用の抵抗部を前記複数の抵抗が並列に接続された状態とし、前記充電電圧検出部が検出した前記内蔵電源に充電されている前記充電電圧が予め設定された第1目標電圧に達した時点で、前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断し、
前記充電制御回路の前記スイッチング制御部は、前記充電電流切替部が前記複数の抵抗のうちの一部の抵抗を前記充電電流経路から遮断した後、前記充電電圧検出部が検出した前記充電電圧が予め設定された第2目標電圧に達した時点で、充電の仕方を、定電流充電から定電圧充電に切り替えることを特徴とする充電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−165546(P2012−165546A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23544(P2011−23544)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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