説明

充電管理システム

【課題】電動車両に搭載した蓄電池の蓄電中の時間に別のサービスを享受することによって、蓄電に要する時間の有効利用を可能にする。
【解決手段】充電装置21は、サービス提供施設に関連して設置され電動車両4に搭載された走行用の蓄電池41を充電する。充電管理端末1は、電動車両4が充電装置21を利用する日時が予約内容として登録される。情報提供端末6は、提供されるサービス内容と充電装置21の場所とを対応付けたサービス情報が登録される。充電管理端末1は、予約内容に従って電動車両4に搭載された蓄電池41の充電を充電装置21に行わせる。情報提供端末6は、利用者端末3にサービス情報を提示する機能と、利用者端末3が指定したサービス情報から抽出される充電装置21について予約内容を利用者端末3から充電管理端末1に登録させる機能とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に搭載した蓄電池の充電を管理する充電管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の資源枯渇や価格高騰への懸念や、温室効果ガスの一つである二酸化炭素の排出削減といった環境意識の向上のもと、動力源として電動モータを用いる電動車両への関心が高まってきている。とくに、生産性、実現容易性、価格などの観点から、走行のための電力を蓄電池から供給する電動車両が実用化されている。また、この種の電動車両に搭載された蓄電池を外出先で充電するための設備として、充電スタンドの設置台数が増加する傾向にある。ただし、現状では、給油設備の設置台数に比較すると、充電スタンドの設置台数は大幅に少ない。その一方で、充電スタンドは、給油設備のように引火性を有するガソリンや軽油を扱わないから、設置場所の選択が容易であり、駐車場などにも設置することが可能である。
【0003】
そこで、充電スタンドの普及を目指すために、充電スタンドの利用に対して種々の特典を与えることが提案されている。たとえば、特許文献1では、電動車両で走行したことによる温室効果ガスの削減量に応じてポイントを発行することが提案されている。また、特許文献2には、充電スタンドによる充電に伴って提供された広告情報をカーナビゲーションの表示画面に表示し、広告情報の提供者が電気料金の少なくとも一部を負担することが提案されている。
【0004】
充電スタンドの利用者に、特許文献1、2に記載されているような特典を与えるには、充電スタンド(充電設備)の利用に際して、充電車両を特定したり、充電スタンドの利用者を特定することが必要である。そのため、特許文献1、2には、充電スタンドが通信ネットワークを介して管理サーバと通信する構成が採用されている。
【0005】
ところで、特許文献1、2における電動車両は、ガソリンエンジンと電動モータとを併用するハイブリッド車が主体であって、走行用のエネルギーを蓄電池のみから供給する電動車両と比較すると、電動車両に搭載している蓄電池の公称容量が小さいと考えられる。すなわち、蓄電池のみをエネルギー源に用いる電動車両と比較すると、蓄電池の充電に要する時間が短い場合に採用される技術である。
【0006】
一方、蓄電池のみをエネルギー源に用いる場合には公称容量の大きい蓄電池が必要になり、蓄電池の公称容量が大きくなれば充電に要する時間も長くなる。そのため、充電を開始してから充電が完了するまで電動車両の車内あるいは近くで待ち続けると、時間を有効に利用できないという問題が生じる。しかしながら、充電中に電動車両から離れた場所に居ると、充電がどの程度進んだかを知ることができない。
【0007】
この課題を解決する技術として、特許文献3には、蓄電池(蓄電装置)の蓄電状態を携帯電話に表示する技術が記載されている。すなわち、車両側に蓄電池の蓄電状態を検出する機能が設けられ、蓄電状態が携帯電話に送信されることにより、携帯電話において蓄電状態が表示される構成が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−134450号公報
【特許文献2】特開2009−141991号公報
【特許文献3】特開2011−91879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、充電スタンドを利用する利用者や電動車両が特定されることにより、蓄電池の蓄電に伴って特典を受けられる技術や、電動車両から離れていても携帯電話を用いて蓄電池の蓄電状態を知ることができる技術が提供されている。しかしながら、特許文献1〜3のいずれにも、蓄電池の蓄電に比較的長い時間を要する電動車両における充電中の待ち時間を無駄にせずに有効に利用することは考えられていない。
【0010】
本発明は、電動車両に搭載した蓄電池の蓄電中の時間に別のサービスを享受することによって、蓄電に要する時間の有効利用を可能にした充電管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る充電管理システムは、サービス提供施設に関連して設置され電動車両に搭載された走行用の蓄電池を充電する充電装置と、電動車両が充電装置を利用する日時が予約内容として登録される充電管理端末と、充電管理端末と通信し予約内容を指定する利用者端末と通信可能であって提供されるサービス内容と充電装置の場所とを対応付けたサービス情報が登録される情報提供端末とを備え、充電管理端末は、予約内容に従って電動車両に搭載された蓄電池の充電を充電装置に行わせる機能を有し、情報提供端末は、利用者端末にサービス情報を提示する機能と、利用者端末が指定したサービス情報から抽出される充電装置について予約内容を利用者端末から充電管理端末に登録させる機能とを有することを特徴とする。
【0012】
この充電管理システムにおいて、電動車両に搭載された蓄電池を充電装置により充電している間に蓄電池の充電状態を監視する充電監視装置と、充電監視装置が監視している充電状態を利用者端末に通知する通知装置とをさらに備えることが好ましい。
【0013】
この充電管理システムにおいて、利用者端末は、現在位置を計測する測位機能部と、電動車両に搭載された蓄電池の残り容量が規定値以下であることを取得すると、情報提供端末と通信することにより、測位機能部が計測した現在位置を基準位置として所定の距離範囲内に存在する充電装置に関するサービス情報を提示する付加機能部とを備えることが好ましい。
【0014】
この充電管理システムにおいて、付加機能部は、所定の距離範囲を、電動車両が蓄電池の残り容量で走行可能な距離範囲とすることが好ましい。
【0015】
この充電管理システムにおいて、利用者端末は、電動車両に搭載された蓄電池の残り容量が規定値以下であることを取得している間に、充電装置に関するサービス情報を提示することが好ましい。
【0016】
この充電管理システムにおいて、充電管理端末は、利用者端末からサービス内容が予約された場合は、予約されたサービス内容に応じた充電量の目標値を予約内容として登録することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、利用者にとっては、電動車両に搭載した蓄電池の蓄電中の時間に別のサービスを享受することによって蓄電に要する時間の有効利用が可能になり、サービス提供者にとっては、電動車両に搭載された蓄電池の充電をサービスに組み込むことによって集客効果が高められるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の使用例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施形態で説明する電動車両は、動力源が電動モータのみであって走行用の電力を蓄電池で供給する電気自動車を想定している。ただし、電動車両は、走行または発電に用いるエンジンを電動モータと併せて搭載するハイブリッド型の電動車両、電動自動二輪車などであってもよい。本実施形態で説明する電動車両は、電動モータを動力源に用いるとともに、電動モータを駆動する電力を供給する蓄電池を搭載した車両であって、駐車中に蓄電池を充電するための構成を備えていればよい。
【0020】
また、以下に説明する実施形態は、サービス提供者がサービスを提供する施設に付随する駐車場あるいはサービス提供者が契約している駐車場において、電動車両に搭載した蓄電池を充電する充電スタンドが設置されているものとする。充電スタンドは、サービス提供者が管理する。以下では、サービス提供者がサービスを提供する施設を、「サービス提供施設」という。
【0021】
サービス提供施設としては、飲食店、大型商業施設(ショッピングモール、大型百貨店など)、美容サロン、マッサージ店、スポーツジムなどを想定している。すなわち、サービス提供施設は、利用者によるサービスの利用時間が、おおむね30分以上になる施設であり、かつサービス提供施設の利用時に車両を駐車場に駐車させることを許容している施設を意味する。
【0022】
サービス提供者が管理あるいは提携している駐車場に設置した充電スタンドを利用するために、利用者には充電スタンドの利用を予約することが要求される。また、充電スタンドは、サービス提供者が管理ないし提携している駐車場に設置されているから、基本的には、サービス提供施設を利用している期間に充電スタンドを利用することになる。なお、以下において、「充電スタンド」は、サービス提供者が管理ないし提携している駐車場(言い換えると、サービス提供施設に付随しているかサービス提供施設から近い距離に設けられた駐車場)に設置されている充電スタンドを意味する。
【0023】
図1に示すように、充電スタンド2はサービス提供者が管理する充電管理端末1と通信ネットワークNT1を通して通信する。通信ネットワークNT1は、専用通信網が望ましいが、インターネットのような公衆通信網においてVPN(Virtual Private Network)を構築して専用通信網と同様に用いてもよい。充電管理端末1は、利用者が管理する利用者端末3との間でも通信ネットワークNT2を通して通信する。充電管理端末1は、専用の装置として構成するほか、汎用のコンピュータにおいて以下に説明する機能を実現するプログラムを実行することによっても実現することが可能である。
【0024】
利用者端末3は、移動体電話機、無線通信が可能なPDA(Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置、いわゆるスマートフォンのように無線通信の機能を備えた移動体端末を想定している。スマートフォンやカーナビゲーション装置は、測位システム(GPSなど)の端末としての機能を備える。すなわち、利用者端末3は、基本的に、液晶表示器などを用いた表示装置31、機械接点を備えるスイッチやタッチパネルを用いた操作装置32、測位システムを用いた測位機能部33を備える。利用者端末3を用いて利用者が享受可能なサービスの一部は、後述するように、利用者が利用者端末3を携帯することによって実現される。そのため、利用者端末3は、無線通信が可能であって、利用者が携帯可能であることが好ましい。ただし、残りのサービスについては利用者端末3が有線通信を行う場合でも享受することが可能である。
【0025】
利用者端末3が識別されることによって充電管理端末1によるサービスが提供されるのではなく、利用者が識別されることによって充電管理端末1によるサービスが提供される場合には、利用者端末3は複数台に分散されていてもよい。たとえば、有線通信を行う端末と利用者が携帯する端末とを利用者端末3として併用してもよい。
【0026】
なお、充電管理端末1が利用者を識別するには、パスワードのように利用者ごとに設定された属性を利用する。また、充電管理端末1が利用者端末3を識別するには、利用者端末3に固有の識別情報(たとえば、MACアドレスなど)、利用者端末3が用いる通信用のアドレス、利用者端末3が暗号通信を行う場合の認証情報などが用いられる。以下では、利用者を識別するための情報を「利用者情報」という。
【0027】
充電管理端末1は、充電スタンド2の利用を管理するために、利用者からの予約を受け付ける予約受付処理部11と、充電スタンド2の予約内容が登録される予約記憶部12とを備える。予約受付処理部11は、通信ネットワークNT2を通して利用者端末3と通信し、利用者端末3を用いて、充電スタンド2の利用予約を受け付ける。利用者端末3から充電スタンド2の利用を予約する際、利用者端末3に設けられた表示装置31に予約受付用の画面が表示される。
【0028】
利用者端末3がウェブブラウザを搭載している場合、予約受付処理部11は、ウェブページにより予約受付用の画面を提供すればよい。また、専用のプログラムを利用者端末3に設けたプロセッサで実行し、利用者端末3を予約受付処理部11と対話する装置として動作させてもよい。利用者端末3は、プログラムに従って動作するCPU(プロセッサ)を備え、上述のように、表示装置31と操作装置32とを備えるから、コンピュータと等価である。したがって、利用者端末3が備える記憶部にプログラムを保存し、利用者端末3のプロセッサでプログラムを実行することによって、予約受付処理部11に対応する付加機能部34を実現することが可能である。
【0029】
予約記憶部12は、充電スタンド2を利用する日時と、利用者を識別するための利用者情報と、充電スタンド2の利用時に充電する充電量の目標値とを、サービス提供施設に対応付けて記憶する。なお、充電量の目標値はオプションであって、利用者情報と日時のみを記憶させてもよい。ただし、以下の説明では充電量の目標値が予約記憶部12に記憶される場合を想定する。サービス提供施設において、複数台の充電スタンド2が利用可能である場合には、同じ日時に複数の利用者が重複して予約することが可能である。
【0030】
充電スタンド2を利用する日時は、充電の開始日時と終了日時とを含む。充電の開始日時および終了日時は、通常は、利用者がサービス提供施設を利用する日時(開始日時と終了日時)を指定することによって予約記憶部12に登録される。ただし、利用者が充電の開始日時および充電量の目標値のみを指定したときに、充電管理端末1が充電量の目標値に基づいて充電に必要な時間を算出し、充電の開始日時から算出した時間が経過した後の適宜の日時を充電の終了日時に用いてもよい。あるいは、充電スタンド2の利用時間に制限時間を設定しておき、利用者が入力した充電の開始日時から制限時間が経過した時点の日時を充電の終了日時に用いることも可能である。
【0031】
充電量の目標値は、電荷量ではなく電動車両の走行距離で設定可能にしておくことが好ましい。たとえば、予約受付処理部11が、予約時にサービス提供施設から自宅までの走行距離を入力させる機能と、登録時に入力された走行距離に相当する充電量に換算する機能とを備えていれば、利用者の利便性が向上する。充電量を距離で指定すれば、たとえば、サービス提供施設から自宅までの距離に応じて必要量の充電を行うことが可能になる。この場合、充電に要する時間や充電に対する対価の不必要な増加が防止される。
【0032】
予約受付処理部11は、利用者端末3から充電スタンド2の利用が要求されると予約記憶部12に登録された利用状況に照合して予約を受け付けるか否かを決定する。すなわち、利用者端末3から予約受付処理部11に対して予約の要求がなされると、予約受付処理部11は利用者端末3に対して充電スタンド2の利用を希望する日時を入力させる。次に、予約受付処理部11は、利用者端末3から入力された日時を予約記憶部12に照合し、入力された日時が予約記憶部12に登録されていなければ、利用者端末3から入力された日時を予約記憶部12に登録する。
【0033】
予約の日時は、上述した充電スタンド2を利用する日時であって、充電の開始日時および終了日時、充電の開始日時および充電量の目標値、充電の開始日時のみのいずれかによって指定される。ここに、予約受付処理部11は、利用者端末3で予約の日時を入力するにあたり、上述した3種類のすべての方法を選択可能にするか、2種類の方法を選択可能にするか、あるいは1種類の方法のみに制限する。
【0034】
予約受付処理部11は、利用者端末3から予約の日時が入力されると、充電の開始日時から終了日時までの時間帯を求め、求めた時間帯を予約記憶部12に登録された予約の日時(時間帯)と照合する。予約受付処理部11は、時間帯の重複を検出した場合、同日において充電スタンド2が利用可能な時間帯を予約記憶部12から抽出して利用者端末3に通知する。利用者端末3を操作する利用者が、予約受付処理部11から通知された時間帯に、充電スタンド2の利用したい時間帯が含まれていないと判断したときには、利用者は、利用者端末3の操作によって、予約受付処理部11に予約を中止する旨の通知を行う。
【0035】
一方、予約受付処理部11は、利用者端末3から入力された日時が予約記憶部12に登録された日時と重複しなければ、入力された日時(時間帯)を予約記憶部12に登録する。予約受付処理部11が予約記憶部12から抽出した時間帯を利用者端末3に表示し、利用者端末3において所望の時間帯を選択した場合も同様である。
【0036】
予約受付処理部11は、充電スタンド2を利用可能な日時を予約記憶部12に登録する際に、充電スタンド2を備えたサービス提供施設を予約記憶部12に登録するとともに、利用者情報も併せて予約記憶部12に登録する。したがって、上述したように、予約記憶部12には、サービス提供施設に充電スタンド2を利用する日時と利用者情報とが対応付けて登録される。予約記憶部12に登録される充電量の目標値は、利用者端末3から入力されていない場合、サービス提供施設の利用に伴って設定される。この処理は後述する。
【0037】
ところで、利用者端末3は移動体端末を想定しているから、利用者情報として利用者端末3に付随した情報を用いずに、予約受付処理部11が発行したパスワードなどを用いる場合でも、利用者情報は利用者端末3に記憶されていることが好ましい。また、利用者端末3は、保持している利用者情報を他装置で読出可能であることが好ましい。さらに、個人情報の漏洩などに対する安全性を考慮すれば、予約記憶部12に登録する利用者情報は、1回の予約に限って使用するワンタイムパスワードが好ましい。
【0038】
この種の利用者情報を用いる場合は、書換可能な非接触ICカードが搭載された利用者端末3を用い、非接触ICカードに利用者情報を登録すればよい。あるいはまた、利用者端末3の画面に、バーコードやマトリクス型二次元コードのように利用者情報を表現できる図形を表示可能にしてもよい。
【0039】
なお、充電管理端末1と利用者端末3との間の通信ネットワークNT2が有線である場合には、予約受付処理部11は、利用者端末3に対して表示器への表示および印刷が可能となる利用者情報を送信すればよい。この場合、利用者情報として、複数桁の暗証番号あるいは複数桁の英数字などが用いられる。
【0040】
利用者端末3を用いて、充電スタンド2の利用予約を行った後は、予約した時間帯において、充電スタンド2の利用が可能になる。なお、充電の予約をしていない他人が充電スタンド2を利用する駐車スペースに駐車するのを防止するために、該当する駐車スペースにおいて、「予約済み」などの表示を行うことが必要である。また、充電スタンド2が設置された駐車スペースへの入口にゲートを設け、利用者情報によって充電の予約が確認された利用者に対してのみゲートを開くようにしてもよい。
【0041】
充電スタンド2は、電動車両4に搭載された蓄電池41の充電を行う充電装置21のほかに、使用料を徴収するための料金支払装置22と、利用者情報を確認するための利用者確認装置23とが付設されている。さらに、充電スタンド2は、電動車両4に搭載された蓄電池41への充電状態を監視する充電監視装置24と、充電監視装置24により検出された蓄電池41の充電状態を通知する通知装置25とを備える。利用者端末3と通信する機能は充電管理端末1が備えているから、通知装置25は充電管理端末1の通知処理部16を通して利用者端末3と通信することになる。
【0042】
利用者端末3が、無線LANに対応している場合、充電管理端末1は、サービス提供施設に配置された無線LANのアクセスポイントを通して利用者端末3と通信する機能を備えていることが好ましい。また、利用者端末3が移動体電話機であって無線LANによる通信の機能を備えていない場合に備えて、充電管理端末1は、移動体電話網を通して利用者端末3と通信する機能を備えていてもよい。
【0043】
また、利用者端末3としてカーナビゲーション装置を用いる場合、PND(Portable Navigation Device)のように可搬型のカーナビゲーション装置を用いる。ところで、一般に、カーナビゲーション装置は、無線LANや移動体電話網を利用する通信を行う機能を備えていない。したがって、カーナビゲーション装置に設けた有線あるいは無線の通信用インターフェースを通して通信するアダプタを用い、アダプタを介して無線LANや移動体電話網を利用することになる。なお、利用者端末3がカーナビゲーション装置である場合、充電の予約に際しても、アダプタを用いて無線LANや移動体電話網を利用する。
【0044】
充電スタンド2に付設した料金支払装置22は、現金、プリペイドカード、ポストペイカード(クレジットカードを含む)のいずれかを用いて充電スタンド2の利用料を支払う機能を備える。また、利用者確認装置23は、利用者端末3に登録されている利用者情報を読み取る機能を備え、利用者端末3から読み取った利用者情報を通信ネットワークNT1を通して充電管理端末1に送信する。
【0045】
充電管理端末1は、充電スタンド2の利用者確認装置23から受信した利用者情報をキーに用いて、予約記憶部12から該当する利用者情報を抽出するデータ検索部13を備える。また、充電管理端末1は、データ検索部13が抽出した予約の内容を充電スタンド2に送信する予約内容通知部14を備える。充電スタンド2の利用者確認装置23は、予約内容通知部14から予約の内容を受け取ると、充電スタンド2を利用する日時を現在時刻と比較し、予約された日時(時間帯)の範囲内であれば、充電を許可する。なお、現在日時は、図示しない時計部により計時されている。
【0046】
充電が許可されると、料金支払装置22は、予約の内容に従って充電スタンド2の利用時に充電する充電量に相当する料金を要求する。料金は充電後に精算する方法もあるが、後述するように、サービス提供施設の利用状況に応じて料金を割り引く場合には、充電開始前に前払いで料金を徴収し、サービス提供施設の利用状況に応じて割り引き分を返金することが好ましい。また、充電スタンド2の利用に対して料金を要求せずに運用することも可能であり、その場合、料金支払装置22の機能を停止させておくか、あるいは、充電スタンド2から料金支払装置22を省いてもよい。
【0047】
上述のように、利用者情報が確認された時点が予約された時間帯であって料金が支払われると(無料の場合は予約された時間帯であると)、充電スタンド2の充電装置21を通して電動車両4に搭載された蓄電池41の充電が開始される。蓄電池41への充電量は、予約時に設定された充電量の目標値であって、蓄電池41の充電量が予約時の充電量の目標値に達したことが充電監視装置24により検出されると、通知装置25は充電管理端末1を通して利用者端末3に充電の完了を通知する。
【0048】
利用者端末3への充電量の通知は、充電の完了前において適宜に行うようにしてもよい。たとえば、充電監視装置24において、充電量が予約時の充電量の目標値に達すると予測される時刻を算出し、算出した時刻に対して一定時間前(10分前など)に、まもなく充電が終了することを利用者端末3に通知すれば、利用者にとっては利便性が高くなる。あるいはまた、利用者端末3から充電監視装置24に対して、充電量を確認する操作も可能にしておくことが好ましい。
【0049】
ところで、予約した充電量にもよるが、一般に、電動車両4に搭載した蓄電池41は充電を開始してから充電の完了までに比較的長い時間を要する。本実施形態は、サービス提供者が管理ないし提携している駐車場に充電スタンド2が設置されているから、利用者は、電動車両4の充電中にサービス提供施設を利用することによって、充電中の待ち時間を有効利用することが可能になる。
【0050】
電動車両4に搭載した蓄電池41に充電する場合、現状では、電動車両4を充電用のケーブルを介して充電スタンド2に接続する必要がある。ただし、電動車両4に非接触給電を可能にする装置が搭載されていれば、駐車スペースに電動車両4を駐車するだけで、ケーブルを接続することなく、蓄電池41の充電が可能になる。この技術を採用する場合、充電スタンド2に対応する駐車スペースには、非接触給電を行う装置を配置する必要がある。
【0051】
上述したように、サービス提供施設の利用と充電スタンド2による電動車両4の充電とを連携させているから、サービス提供施設への集客に充電スタンド2を利用可能である。すなわち、サービス提供施設を利用することに対して、充電スタンド2の利用料金の割引あるいは無料化を特典とすることにより、利用者に対する誘引効果をもたらすことになる。
【0052】
充電管理端末1は、サービス提供施設に設置された提供者端末5と通信する機能を備える。充電管理端末1と提供者端末5との間では、専用の通信ネットワークを用いることが好ましいが、充電スタンド2と充電管理端末1との間の通信に用いる通信ネットワークNT1で兼用することが可能である。
【0053】
提供者端末5は、サービス提供施設に設けられたレジスタ(金銭登録器)ないし精算装置に付設されており、支払われた金額を記録する利用金額取得部51と、利用者端末3から利用者情報を取得する利用者識別部52とを備える。利用者識別部52が取得した利用者情報は利用金額取得部51が取得した金額とともに、充電管理端末1の精算処理部15に送信される。利用者識別部52は、充電スタンド2に設けられた利用者確認装置23と同様の技術を用いて利用者情報を取得する。
【0054】
精算処理部15は、提供者端末5から受信した情報を用いて利用者情報ごとに利用金額を累積し、同じ利用者情報を認証した充電スタンド2の使用中において、累積した金額が予約された充電量に見合う金額に達すると、充電スタンド2の利用料を無料化する。このとき、同じ利用者情報を認証した充電スタンド2の料金支払装置22に対して返金の指示を行う。
【0055】
精算処理部15は、通知装置25が充電管理端末1を通して該当する利用者端末3に充電の完了を通知する際に、利用料が無料化されていれば無料化されていることを併せて通知し、無料化されていなければ無料化までの残り金額を併せて通知する。なお、利用者端末3によって充電スタンド2の利用が予約された時点において、利用料が無料化されるために必要な支払金額を利用者端末3に通知してもよい。
【0056】
サービス提供施設では、充電スタンド2の利用料を無料化することによる利益の減少を抑制し、また持続可能な社会への社会的責任を果たすことを目的として、充電スタンド2の電力を自然エネルギーを用いた発電装置から供給することが好ましい。たとえば、図2に示すように、サービス提供施設の建屋70に設置される太陽光発電装置71、あるいはサービス提供施設の敷地73に設置される風力発電装置を用い、電力供給を平準化させるための蓄電池72を併用することによって、充電スタンド2への電力を供給することが好ましい。図示例では、充電スタンド2を備えた駐車場が、サービス提供施設の敷地73に設けられているが、駐車場は敷地73の外に設けられていてもよいのはもちろんのことである。
【0057】
ところで、利用者が充電スタンド2の利用を終了するには、利用者確認装置23に利用者情報を読み込ませ、利用者の確認を行う。ここで、料金支払装置22は、該当する利用者情報について、充電管理端末1から無料化の指示が得られている場合に、充電スタンド2の利用料を返金する。また、料金支払装置22は、無料化の指示は得られていないが、割引の指示が得られている場合に、充電スタンド2の利用料の一部を返金する。上述の動作は、現金またはプリペイドカードによって利用料を支払う場合であり、ポストペイカードによって利用料を支払う場合は料金支払装置22からカード会社に対する利用料の通知を中止する。
【0058】
上述のように、サービス提供施設を利用した利用者には、充電スタンド2の利用に伴う対価をサービス提供施設の利用の程度に応じて減殺するという特典が与えられる。したがって、利用者は、サービス提供施設の利用によって充電スタンド2の利用に対する対価を引き下げようとするから、サービス提供施設の利用が促進され、サービス提供者にとってはサービス提供施設への集客効果が期待できる。
【0059】
上述した動作例では、サービス提供施設で支払った累積金額と、予約された充電量に見合う金額とを比較しているが、サービス提供施設におけるサービスごとの料金が定まっている場合には、充電スタンド2の利用を予約する際に、予約したサービス内容に応じて充電量の目標値を設定してもよい。すなわち、予約受付処理部11は、充電スタンド2の予約に際して提供を受けるサービス内容を併せて予約させ、サービス内容に応じた充電量の目標値を予約記憶部12に登録してもよい。たとえば、サービス提供施設がレストランである場合に、注文した食事の金額に応じて充電量の目標値が設定される。
【0060】
また、利用者が予約した終了日時に達した後も電動車両4の駐車を続けている場合、他の利用者は当該電動車両4に占有されている駐車スペースに対応した充電スタンド2を利用できない。この場合、駐車に制限時間を設定し、制限時間を超えて駐車した利用者に対して駐車料金を追加して徴収すれば、必要以上に長い時間の駐車を抑制することが可能と考えられる。ただし、駐車料金を追加して徴収することは、利用者にとっては、駐車した時間に見合う料金を支払ったという心理であり、罪悪感が生じないから、長時間に亘る駐車を抑制する効果は希薄である。
【0061】
そこで、予約された終了日時に達してから規定した時間以上の駐車を継続している利用者の利用者端末3に対して、サービス提供施設の利用に伴って本来ならば減殺される充電スタンド2の利用料の減殺分を低減させる旨の通知を行う。利用者は特典が減少することを表す通知を受けると、損失が生じるという心理になるから、多くの利用者にとって充電スタンド2が設置されている駐車スペースの占有を中止する強い動機付けになる。
【0062】
上述した動作は、利用者がサービス提供施設を利用することに伴って、電動車両4に搭載された蓄電池41を充電する場面を仮定している。すなわち、サービス提供施設の利用が主な目的であり、蓄電池41の充電はサービス提供施設の利用に付随した目的になっている。一方、電動車両4で走行している間に蓄電池41の残り容量が低減し、利用者が蓄電池41の充電を希望する場合、サービス提供者が管理ないし提携している駐車場の充電スタンド2を利用する場面も想定される。この場合は、蓄電池41の充電が主な目的であり、サービス提供施設の利用は充電に付随した目的になる。
【0063】
このような場合には、サービス提供者は、充電スタンド2の利用が可能であることを利用者に提示するだけではなく、サービス提供者が提供する本来のサービスにおいても利用者の興味を引くようにすれば、集客力が向上すると考えられる。以下では、サービス提供者が提供する本来のサービスを「本来サービス」と呼ぶ。
【0064】
本来サービスと充電スタンド2とを関連付けて利用者端末3に提示するために、通信ネットワークNT3を通して利用者端末3との間で通信する情報提供端末6が設けられる。情報提供端末6は、充電スタンド2を利用できる場所(充電スタンド2の位置)と、充電スタンド2に対応しているサービス提供施設で提供されるサービス内容とを組み合わせて、サービス情報として利用者端末3に提示する機能を備える。
【0065】
情報提供端末6は、充電スタンド2の場所とサービス提供施設で提供されるサービス内容とを対応付けたサービス情報が登録されるサービス記憶部61を備える。さらに、情報提供端末6は、サービス記憶部61にサービス情報を登録する情報登録部62と、サービス記憶部61からサービス情報を読み出す情報読出部63とを備える。
【0066】
情報登録部62は、サービス提供者が提供者端末5を用いて提供するサービス情報をサービス記憶部61に登録するか、サービス提供者によるサービスを享受した利用者が利用者端末3を用いて提供するサービス情報をサービス記憶部61に登録する。したがって、情報提供端末6は、利用者端末3との間だけではなく、提供者端末5との間でも通信ネットワークNT3を通して通信する。
【0067】
一方、情報読出部63は、利用者端末3により指定された条件に従ってサービス記憶部61からサービス情報を抽出し、抽出したサービス情報を利用者端末3に提示する。通常は、利用者端末3から条件を指定すると、複数件のサービス情報がサービス記憶部61から抽出されるから、利用者端末3は、複数件のサービス情報から所望のサービス情報を選択する機能を備える。
【0068】
また、情報提供端末6は、充電管理端末1と連携するための連携機能部64を備える。連携機能部64は、利用者端末3においてサービス情報が選択されると、選択されたサービス情報に含まれる充電スタンド2の予約を可能にするように、該当する充電管理端末1へのルーティングを行う。そのため、情報提供端末6は、充電管理端末1とは通信ネットワークNT4を通して通信可能になっている。また、情報提供端末6が利用者端末3と充電管理端末1とのルーティングを行うことにより、利用者端末3と充電管理端末1との間でも通信可能になる。したがって、上述したように、利用者端末3を操作することにより充電管理端末1において充電スタンド2の利用予約が可能になる。
【0069】
ところで、情報提供端末6の情報登録部62は、上述したように、利用者端末3あるいは提供者端末5から入力されたサービス情報をサービス記憶部61に登録する機能を備える。利用者端末3から入力されるサービス情報は、いわゆるクチコミ情報であって、サービス提供施設を利用した他の利用者によって登録される。利用者端末3からのクチコミ情報では、サービス提供施設の利用時に利用者端末3の測位機能部33が計測した位置を、サービス情報に含まれる充電スタンド2の場所として利用する。
【0070】
また、提供者端末5から入力されるサービス情報はサービス提供者が発信し、この種のサービス情報は、本来サービスに関連した集客効果を高める情報が中心になる。このようなサービス情報の一例を挙げると、たとえば、時間帯を区切って値引きするタイムサービス、作りたての食品の販売、数量が限定された商品の販売などがある。提供者端末5は、設置場所が固定されている場合が多いから、サービス情報に含まれる充電スタンド2の場所は、提供者端末5にあらかじめ登録しておけばよい。ただし、提供者端末5に利用者端末3と同様の測位機能部が設けられている場合は、測位機能部で計測された場所を充電スタンド2の場所として用いればよい。
【0071】
サービス情報は、利用者が近時増加しているソーシャルネットワークサービスを利用して提供してもよい。ソーシャルネットワークサービスでは、ミニブログあるいはマイクロブログに分類されているサービスと、参加者を公開してコミュニティを形成するサービスとが広く知られている。なかでも、前者のサービスは、短い文章を投稿することによって、利用者の間で瞬時に情報が共有されるという特徴がある。後者のサービスにおいても、コミュニティ内であれば情報の共有が可能になる。いずれのサービスであっても、いわゆるクチコミの情報を、利用者の間で即時に共有することが可能である。
【0072】
したがって、サービス記憶部61に登録するサービス情報と同等のサービス情報を、ソーシャルネットワークサービスに登録してもよい。この場合、情報提供端末6には連携機能部64以外の機能は不要になる。この種のソーシャルネットワークサービスでは、情報が瞬時に伝播するから、充電スタンド2の空き状態に応じた情報の発信や、サービス提供施設で生じる集客に適した情報の発信などを、適時に行うことが可能である。
【0073】
ところで、利用者が充電スタンド2の場所を探す場合、不必要に多くの充電スタンド2が検出されると、選択に手間がかかるという問題が生じる。したがって、利用者端末3の付加機能部34において、抽出する充電スタンド2の範囲を制限することが好ましい。すなわち、付加機能部34は、抽出する充電スタンド2の場所の数を制限する機能、あるいは利用者端末3から指定した基準位置に対して所定の距離(たとえば、5km)範囲内に存在する充電スタンド2のみを抽出する機能を備えることが好ましい。基準位置は、利用者が指定する場合と、利用者の現在位置とする場合とが考えられる。前者の場合は利用者が所望の位置を基準位置として指定し、後者の場合は利用者端末3の測位機能部33で計測した現在位置を自動的に基準位置とする。
【0074】
情報提供端末6を設けたことによって、利用者端末3を操作して情報提供端末6にアクセスすれば、利用者端末3の表示装置31にサービス情報が提示される。利用者端末3の付加機能部34は、サービス情報を表示装置31に提示する様式として、リスト形式と地図形式との少なくとも一方を用意している。
【0075】
リスト形式では、サービス情報のうちサービス内容が一覧表示される。すなわち、サービス提供施設に関連したクチコミ情報やサービス提供者の発信した情報が、表示装置31の画面上で上下複数段に並べて表示される。リスト形式で表示された情報は、画面スクロールの操作によって次々に表示させることが可能である。また、所望の項目を選択すれば、該当する項目に関する詳細な内容が示され、かつ充電スタンド2の場所が示される。
【0076】
一方、地図形式では、利用者端末3における表示装置31の画面に、利用者の現在位置(測位機能部33で計測された位置)を中心とする所定の距離(たとえば、5km)範囲の地図が表示され、サービス情報から抽出された充電スタンド2の位置が地図上に表示される。この場合、地図上には場所を示すマークが表示され、所望のマークを選択するとクチコミ情報やサービス提供者の発信した情報が、表示装置31の画面にポップアップして表示される。
【0077】
付加機能部34は、リスト形式と地図形式との一方のみを実現してもよいが、リスト形式と地図形式とを切り換える選択を可能にしておくことが好ましい。たとえば、地図形式でマークを選択した後に、リスト形式に切り換えることにより、マークの位置に関連する情報をリスト形式で見ることが可能になっていることが好ましい。また、リスト形式から所望のサービス情報を選択し、地図形式に切り換えると、選択したサービス情報に対応する充電スタンド2の位置が地図上で示されるようにしておくと利便性が向上する。
【0078】
上述の例では、利用者端末3を操作して情報提供端末6へのアクセスを行っているが、充電スタンド2から所定の距離範囲内に近付くと、当該充電スタンド2に関連するサービス情報を利用者端末3に自動的に提示する機能を付加機能部34に設けてもよい。すなわち、測位機能部33により計測された利用者端末3の現在位置と、サービス情報に含まれている充電スタンド2の場所との距離が所定値以内になると、サービス情報が表示装置31に自動的に表示されるようにしてもよい。
【0079】
あるいはまた、利用者端末3において、電動車両4に搭載した蓄電池41の残り容量を監視可能にし、蓄電池41の残り容量が規定値以下になると、サービス情報が表示装置31に提示される機能を付加機能部34に設けてもよい。すなわち、利用者端末3は、電動車両4に搭載された蓄電池41の残り容量が規定値以下であることを取得している間に、充電スタンド2に関連したサービス情報を提示するのである。ただし、この機能を用いる場合、蓄電池41の状態を監視するために電動車両4に搭載されている電池管理手段から利用者端末3が蓄電池41の残り容量に関する情報を取得する必要がある。したがって、電池管理手段は、無線または有線で利用者端末3と通信する装置を備える必要がある。また、付加機能部34は、蓄電池41の残り容量が規定値以下になったことをトリガとして、情報提供端末6にアクセスする機能を利用者端末3に与える。また、このトリガを受けて、電動車両4が蓄電池41の残り容量で走行可能な距離範囲内に存在する充電スタンド2に関するサービス情報が表示装置31に提示される。
【0080】
上記機能を付加機能部34に設けることにより、蓄電池41の残り容量が少なくなったときにのみサービス情報が提示され、必要のないときに利用者端末3にサービス情報が提示されることによる煩わしさが回避される。
【0081】
なお、充電管理端末1は、サービス提供者ごとに管理するよりも、サービス提供者とは別の第三者により運営されることが好ましい。この場合、複数のサービス提供者が管理ないし提携している充電スタンド2を一括して集中管理することが可能になる。充電スタンド2の管理が一元化されると、1つのサービス提供施設において、充電スタンド2に対応する駐車スペースに空きがない場合などに、他のサービス提供施設における充電スタンド2を流用することが容易になる。また、サービス提供者とは別の第三者が充電管理端末1とともに充電スタンド2も管理すれば、サービス提供者は、サービス提供施設の駐車場を利用して、充電スタンド2の運営管理については第三者に任せることが可能になる。
【0082】
さらに、上述の構成例では、充電管理端末1を情報提供端末6とは別に記載しているが、充電管理端末1と情報提供端末6とを一体化することも可能である。また、利用者端末3は、様々な機能を付加機能部34で実現するために、プログラムをあらかじめダウンロードしておく必要がある。すなわち、利用者端末3にダウンロードしたプログラムを利用者端末3で実行することによって、利用者端末3において上述した機能が実現される。
【0083】
また、充電装置21を料金支払装置22や利用者確認装置23とともに充電スタンド2に設けた例を示したが、必ずしも充電スタンド2は必要ではなく、たとえば、建物の壁などに充電装置21が配置されていてもよい。料金支払装置22や利用者確認装置23は、充電装置21とは別の筐体に収納されていてもよい。さらに、充電装置21と充電監視装置24とが複数設けられ、料金支払装置22、利用者確認装置23、通知装置25が、複数台の充電装置21および充電監視装置24で共用される構成でもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 充電管理端末
3 利用者端末
4 電動車両
6 情報提供端末
21 充電装置
24 充電監視装置
25 通知装置
33 測位機能部
34 付加機能部
41 蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供施設に関連して設置され電動車両に搭載された走行用の蓄電池を充電する充電装置と、前記電動車両が前記充電装置を利用する日時が予約内容として登録される充電管理端末と、前記充電管理端末と通信し前記予約内容を指定する利用者端末と通信可能であって提供されるサービス内容と前記充電装置の場所とを対応付けたサービス情報が登録される情報提供端末とを備え、前記充電管理端末は、前記予約内容に従って前記電動車両に搭載された前記蓄電池の充電を前記充電装置に行わせる機能を有し、前記情報提供端末は、前記利用者端末に前記サービス情報を提示する機能と、前記利用者端末が指定した前記サービス情報から抽出される前記充電装置について前記予約内容を前記利用者端末から前記充電管理端末に登録させる機能とを有することを特徴とする充電管理システム。
【請求項2】
前記電動車両に搭載された前記蓄電池を前記充電装置により充電している間に前記蓄電池の充電状態を監視する充電監視装置と、前記充電監視装置が監視している充電状態を前記利用者端末に通知する通知装置とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の充電管理システム。
【請求項3】
前記利用者端末は、現在位置を計測する測位機能部と、前記電動車両に搭載された前記蓄電池の残り容量が規定値以下であることを取得すると、前記情報提供端末と通信することにより、前記測位機能部が計測した現在位置を基準位置として所定の距離範囲内に存在する前記充電装置に関する前記サービス情報を提示する付加機能部とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の充電管理システム。
【請求項4】
前記付加機能部は、前記所定の距離範囲を、前記電動車両が前記蓄電池の残り容量で走行可能な距離範囲とすることを特徴とする請求項3記載の充電管理システム。
【請求項5】
前記利用者端末は、前記電動車両に搭載された前記蓄電池の残り容量が規定値以下であることを取得している間に、前記充電装置に関する前記サービス情報を提示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の充電管理システム。
【請求項6】
前記充電管理端末は、前記利用者端末からサービス内容が予約された場合は、予約されたサービス内容に応じた充電量の目標値を前記予約内容として登録することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の充電管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−73398(P2013−73398A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211597(P2011−211597)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】