光と温度を利用した皮膚治療装置
【解決手段】 皮膚治療部位の治療用のハンドヘルド装置は、内部に開口を備えるハウジングと、ハウジングの一端に固定され、一つの端部が、皮膚治療部位に接触するように配置され、少なくとも1つの開孔を備えた温度調節要素と、ハウジングに固定された光源と、少なくとも1つの開孔を介し光源から少なくとも皮膚治療部位の部分まで光エネルギーを通過させるように配置した光路とを含む。パルス状の光エネルギーが、開孔を通って進行する光源から皮膚治療部位の部分に供給され、温度調節要素は、皮膚治療部位の温度を調節するように電力供給される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に皮膚科的治療装置の分野、特に温度調節要素と標的皮膚を照射するように配置された光要素との組み合わせを備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁エネルギー、特に可視及び近赤外域における光エネルギーは、皮膚疾患を治療するための医療用途において広く使用されている。にきび、しわ取り、皮膚の引き締め、及び皮膚の若返りを含み且つこれらに限定されない広範囲に及ぶ医療的な皮膚症状、そして一般的な美容における皮膚症状は、電磁エネルギーを用いて良好に治療される。
【0003】
全体の内容を参照することにより本明細書で援用する、2002年4月30日にルバートに付与された米国特許第6,379,376号は、皮膚細胞又は組織の成長及び増殖を促進するため、又は細菌による皮膚感染を抑制するための方法及び装置を対象としている。あいにく、ルバートの技術は、光の使用に限定される。
【0004】
2008年12月4日に公開されたラインシュタインの米国特許出願第2008/0300529号は、皮膚又は身体部分を組成物と接触させ、その組成物を熱電ペルチエ装置と接触させて、皮膚又は身体部分を熱電ペルチエ装置で加熱及び又は冷却することから成る、皮膚又は身体部分を治療する方法を対象としている。あいにく、上記出願には光線療法が設けられていない。
【0005】
皮膚に対して加熱と冷却の組み合わせを提供する種々の皮膚治療用製品が存在する。その組み合わせは、皮膚の若返り、にきびの減少、及び関連した炎症、及び血行を良くすることを含め且つこれらに限定されない種々の利益を提供すると考えられる。
【0006】
2009年1月6日にノールトン等に付与された米国特許第7,473,251号は、電磁エネルギー源に連結された電磁エネルギー伝達装置から、皮膚表面を通して電磁エネルギーを伝達することによって、組織伝達部位における組織効果を作り出す方法を対象としたものであり、その全体の内容を参照することにより本明細書で援用する。
【0007】
全体の内容を参照することにより本明細書で援用する、2008年4月1日にアルシュラー等に付与された米国特許第7,351,252号は、深層領域に到達することができる波長で比較的低電力に選択された光学的な照射を、所望の治療に奏功するのに十分な時間で持続してその領域に加えると同時に、そのような組織の保護のため、選択された領域より上方の組織を冷却する、深層領域の組織の治療方法及び装置を対象としたものである。
【0008】
あいにく、上記従来技術は、光療法と温度療法の両方の一体化した利益をユーザに与える、低コストの装置を提供していない。
【発明の概要】
【0009】
従って、本実施形態の主な目的は、従来技術の皮膚治療用装置の欠点のうち少なくとも幾つかを克服することである。これは、或る実施形態において光源からの照射が温度調節要素の開孔を通過するように配置された、光源と温度調節要素との組み合わせを備えた家庭用ハンドヘルド装置によって達成される。
【0010】
一実施形態では、温度調節要素は熱電素子である。一実施形態では、熱電素子はリング状であり、光エネルギーは、リング状熱電素子の中央開口に形成された開孔を通して供給され、別の実施形態では、熱電素子は、複数の開孔を表す貫通孔のマトリックスを備え、光エネルギーは、複数の開孔を通して供給され、別の実施形態では、熱電素子は、複数の開孔を表す複数の並行貫通スリットを備え、光エネルギーは、複数の開孔を通して供給される。好ましくは、複数の開孔は、近接する開孔から進行するパルス状の光エネルギーが皮膚治療部位内部の所定の表皮深さで重なり合うように一定間隔で離間する。
【0011】
一実施形態では、光源は、標的部位に約300〜2000nmの範囲で光衝撃力を与える広帯域の光源であり、別の実施形態では、光源は、標的部位に約590〜2000nmの範囲で光衝撃力を与えるフィルタ処理された光である。
【0012】
一実施形態では、光源は、標的皮膚部位における1パルス当たりのエネルギーが0.05〜1J/cm2、好ましくは0.3〜0.6J/cm2となるように継続してパルスが発振される。パルス数は、治療処置の間、標的皮膚部位で4〜25J/cm2のフルエンスを、好ましくは標的皮膚部位で8〜12J/cm2のフルエンスを治療処置の間提供するよう選定される。
【0013】
一実施形態では、温度調節要素は冷却モードで作動し、ユーザの皮膚に接触するのに0〜25℃、好ましくは4〜15℃の温度を提供する。一実施形態では、冷却と光に交互にパルスが発振される。
【0014】
一実施形態では、皮膚治療部位の部分の範囲は、0.25〜2cm2である。別の実施形態では、皮膚治療部位の部分の範囲は、0.5〜1cm2のである。
【0015】
一実施形態では、光源のパルス列は、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える。別の実施形態では、光源のパルス列は、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える。
【0016】
特別な一実施形態では、内部に開口が設けられたハウジングと、ハウジングの一端に固定され、一つの端部が皮膚治療部位に接触するよう配置され、内部を貫通するための少なくとも1つの開孔が設けられた温度調節要素と、ハウジングに固定された光源と、少なくとも1つの開孔を介し光源から皮膚治療部位の少なくとも一部分まで光エネルギーを通すよう配置された光路と、光源及び温度調節要素の各々と電気的に連通する制御及び駆動電気回路とを備え、制御及び駆動電気回路が、光源にパルス列を出力し、これにより開孔を通して進行する光源から皮膚治療部位の部分にパルス状の光エネルギーを供給し、又皮膚治療部位の温度を調節するように温度調節要素に電力供給するよう作動する、皮膚治療部位の治療のためのハンドヘルド装置が提供される。
【0017】
これとは別に、或る実施形態は、温度調節表面を皮膚治療部位に当て、当てられた温度調節表面に少なくとも1つの開孔を設け、設けられた開孔を介して皮膚治療部位の一部分に、パルス状の光エネルギーを供給することを含む、皮膚の治療方法を提供する。
【0018】
さらなる一実施形態では、温度調節表面は、皮膚治療部位に対して25℃未満の温度を備える冷却表面である。さらなる別の実施形態では、上記方法は、温度調節要素にパルスを、パルス状の光エネルギーと交互に発振することをさらに含む。
【0019】
さらなる一実施形態では、少なくとも1つの開孔は、近接する開孔から進行するパルス状の光エネルギーが皮膚治療部位内の所定の表皮深さで重なり合うように一定間隔で離間した複数の開孔を含む。さらなる別の実施形態では、パルス状の光エネルギーは、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の部分において4〜25J/cm2のフルエンスを提供する。
【0020】
さらなる一実施形態では、パルス状の光エネルギーは、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の部分において8〜12J/cm2のフルエンスを提供する。さらなる別の実施形態では、所定の治療時間は、5〜60秒の範囲である。
【0021】
さらなる一実施形態では、所定の治療時間は、25〜35秒である。さらなる別の実施形態では、パルス状の光エネルギーのパルスの各々は、皮膚治療部位の部分において光エネルギーの0.05〜1J/cm2のフルエンスを提供する。
【0022】
さらなる一実施形態では、パルス状の光エネルギーのパルスの各々は、皮膚治療部位の部分において光エネルギーの0.3〜0.6J/cm2のフルエンスを提供する。さらなる別の実施形態では、供給されたパルス状の光エネルギーは、300〜2000nm、好ましくは590〜2000nmの波長域である。
【0023】
さらなる一実施形態では、皮膚治療部位の部分の範囲は、0.25〜2cm2、好ましくは0.5〜1cm2である。さらなる別の実施形態では、パルス状の光エネルギーは、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備え、好ましくは、パルス状の光エネルギーは、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える。
【0024】
さらなる特徴及び利点は、以下の図面及び説明から明らかになるであろう。
【0025】
本発明のより良い理解のため、また本発明が如何に実施されるかを示すため、以下に添付図面を参照する。その図面中の同じ番号は最初から終わりまでの全般を通し相当する要素や部分を指す。
【0026】
特定の図面を詳細に参照すると、図示された内容は一例であって、本発明の好適な実施形態を例示的に説明することのみを目的としており、本発明の原理及び概念的な態様の説明が最も有用かつ容易に理解されると考えられるものを提供するために提示されることが強調される。これに関し、本発明の基本的な理解に必要である以上の構造的な詳細を示す意図はなく、本発明の幾つかの形態を実際にどのように具体化してもよいかを当業者に明らかにする説明を図面を参照して行う。図面と共になされる説明により、本発明のいくつかの形態が如何に実現されるのかが当業者に対し明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】或る実施形態によるハンドヘルド装置の斜視図の高レベル概略図を示す。
【図1B】図1Aのハンドヘルド装置の側面切断図の高レベル概略図を示す。
【図1C】図1A、図1Bのハンドヘルド装置で治療される皮膚治療部位の高レベル概略図を示す。
【図1D】或る実施形態による中央の単一開孔を備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1E】或る実施形態による略円筒形状の開孔のマトリックスを備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1F】或る実施形態による略ボックス形状の開孔のマトリックスを備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1G】或る実施形態による複数の並行するスリット状の開孔を備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1H】或る実施形態による皮膚治療部分の表皮内における照射の重なりを示した皮膚治療部分の側面図を示す。
【図2】或る実施形態による図1A及び図1Bのハンドヘルド装置の高レベルブロック図を示す。
【図3】或る実施形態による図1A、図1B及び図2のハンドヘルド装置のより詳細な回路の高レベル概略図を示す。
【図4】或る実施形態による治療処置の間の光源の電力出力のグラフを示す。
【図5】治療処置の間のユーザの皮膚の表面温度のグラフを示す。
【図6】或る実施形態による皮膚治療方法の高レベルフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
本発明の少なくとも一つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、以下の説明で述べられ図示される構成要素の構成並びに配置の詳細への適用に限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態に適用可能であり、種々の方法で実施又は実行される。また、本明細書で用いられる表現や用語は説明のためであり、限定的にみなすべきではないことを理解すべきである。
【0041】
図1Aは、ハンドヘルド装置10の斜視図の高レベル概略図を示し、図1Bは、ハンドヘルド装置10の側面切断図の高レベル概略図を示し、図1Cは、或る実施形態によるハンドヘルド装置10の皮膚治療部位の高レベル概略図を示し、図1Dは、或る実施形態による温度調節要素の実施形態の斜視図を示しており、図1A〜図1Dは、一緒に取り扱われる。ハンドヘルド装置10は、ハウジング20と、充電器ジャック25と、光路30と、可視的表示器40と、ユーザ入力装置50と、開孔65を備える温度調節要素60と、光源70と、オプションの光フィルタ80と、皮膚治療部位100を備える皮膚部位90と、皮膚治療部位の部分110とを含む。
【0042】
可視的表示器40は好ましくは、1又は複数のLED又はLCDディスプレイを含む。ユーザ入力装置50は、好ましくは押しボタンであり、その通り図示されているが、これにより何らかの限定を与えることを意図するものではない。一実施形態では、光源70は白熱電球を含む。一実施形態では、温度調節要素60は、ペルチエ効果に応答して動作する熱電装置として実装されており、その一方の温度制御された側は、皮膚部位90に接触するよう配置されている。温度調節要素60は、皮膚部位90と接触する位置に配置されており、温度調節要素60と連通する皮膚部位90の部分により皮膚治療部位の部分110の位置が限定される。光源70から光路30を介し開孔65を通過して進行する光によって照射される皮膚部位90の部分により、皮膚治療部位の部分110の位置が限定される。非限定的な一実施形態では、皮膚治療部位100は、約3〜6cm2である。一実施形態では、皮膚治療部位の部分110の範囲は、0.25〜2cm2であり、好ましくは0.5〜1cm2である。
【0043】
温度調節要素60は、リング状要素として、リング状の温度調節要素60の中央開孔65を介し進行する光路30と共に図示されているが、これによりなんらかの限定をすることを意味しておらず、光路30と温度調節要素60は、図1E〜図1Gに関連して記載されているように、開孔のマトリックス又は1つおきに並行するストライプの一群、或いはその他任意の幾何学的な組み合わせとして提供されてもよい。
【0044】
光源70は、光エネルギーを出力し、一実施形態では、光エネルギーの出力は、300〜2000nmの波長域である。光源70から光路30に沿って進行する光エネルギーは、オプションの光フィルタ80によって任意にフィルタ処理されて短い波長を除去し、よって590〜2000nmの波長域を備える光エネルギーで皮膚治療部位の部分110を照射する。長い波長は、一層深い皮膚透過をもたらすので、任意に選択することが好ましい。
【0045】
充電器ジャック25は、搭載された再充電式バッテリを充電することを備える。オプションのハンドヘルド装置10は、その範囲を超えることなしに、バッテリで作動され又は電源で作動される。
【0046】
皮膚治療部位の部分110は、作動時に及びさらに後述するように5〜60秒、好ましくは25〜35秒の全治療時間において、ユーザ入力装置50におけるユーザ入力に応答して、好ましくは0.1〜10Hzの周波数、更に好ましくは0.25〜5Hzの周波数で、光源70から進行する光エネルギー、好ましくはパルス状の光エネルギーで照射される。パルス状の光エネルギーは、全治療時間にわたって、皮膚治療部位の部分110に限定された位置において好ましくは1パルス当たりのエネルギーが0.05〜1J/cm2、更に好ましくは0.3〜0.6J/cm2で、4〜25J/cm2の、好ましくは8〜12J/cm2のフルエンスを備える。一実施形態では、温度調節要素60は、全治療時間にわたって皮膚治療部位100の冷却を行うようにさらに電力供給され、好ましくは、冷却は、パルス状の光エネルギーと交互に電力供給される。一実施形態では、温度調節要素60の冷却温度は、0〜25℃であり、好ましくは4〜15℃である。別の実施形態では、温度調節要素60は、全治療時間にわたって皮膚治療部位100の加熱を行うようにさらに電力供給され、好ましくは、加熱は、パルス状の光エネルギーと交互に電力供給される。
【0047】
図1Eは、或る実施形態による略円筒形の開孔65のマトリックスを備える温度調節要素60の実施形態の斜視図を示している。必要に応じて開孔65は、皮膚治療の深さ115が示され、照射部位が皮膚深さまで延びた図1Hに図示されるように、光源70からの光エネルギー、特に赤外線照射が、皮膚治療部位の部分110の表皮の所定深さのところで重なり合うように、非常に接近した間隔で配置されている。図1Eの温度要素60は、矩形要素として示されているが、これはなんらかの限定を与えることを意味しておらず、温度要素60は、限定することなく又、その範囲を超えることなしに、円筒形要素又はその他任意の形状として実施してもよい。
【0048】
図1Fは、或る実施形態による略ボックス形状の開孔65のマトリックスを備える温度調節要素60の実施形態の斜視図を示している。必要に応じて開孔65は、皮膚治療部位の深さ115が示され、照射部位が皮膚の深さまで延びた図1Hに図示されるように、光源70からの光エネルギー、特に赤外線照射が、皮膚治療部位の部分110の表皮の所定深さのところで重なり合うように、非常に接近した間隔で配置されている。図1Fの温度要素60は、矩形要素として示されているが、これはなんらかの限定をすることを意味しておらず、温度要素60は、限定することなく、又範囲を超えることなしに、円筒形要素又はその他任意の形状として実施してもよい。
【0049】
図1Gは、或る実施形態による複数の並行したスリット状の開孔65を備える温度調節要素60の実施形態の斜視図を示している。並行するスリット状の開孔65は、図1Hにおいて皮膚治療部位の深さ115が示され、照射部位が皮膚の深さまで延びていることが示される如く、光源70からの光エネルギー、特に赤外線照射が、皮膚治療部位の部分110の表皮の所定深さで重なり合うよう、必要に応じて非常に近接した間隔で配置されている。図1Gの温度要素60は矩形要素として示されているが、これはなんらかの限定を与えることを意味しておらず、温度要素60は、限定することなく、又範囲を超えることなしに、円筒形要素又はその他任意の形状として実施してもよい。
【0050】
光と温度の交互療法は、皮膚治療部位100、特に皮膚治療部位の部分110への血流量を増加させるものと考えられ、よって皮膚治療部位100の構成細胞の新陳代謝を増大させる。
【0051】
図2は、皮膚治療部位の部分110と接触する位置に配置された光路30を備えるハウジング20と、光源70と、制御及び駆動電気回路120と、リフレクタ140と、可聴式アラーム150と、可視的表示器40と、ユーザ入力装置50と、温度センサ160と、再充電式電源170と、温度調節要素60と、オプションの光フィルタ80と、オプションの空気腔130とを含む、或る実施形態による図1A及び図1Bに示されるハンドヘルド装置10の高レベルブロック図を示している。制御及び駆動電気回路120は、可視的表示器40、ユーザ入力装置50、温度センサ160、再充電式電源170、光源70、及び温度調節要素60の各々と連通している。光路30は、光源70と皮膚治療部位の部分110との間の光チャネルによって位置が限定され、例示的な実施形態では、上述のように、温度調節要素60の1又は複数の開孔65を通って進行する。オプションの光フィルタ80は、光路30内部に配置され、光源70による不要な波長出力、好ましくは590nm未満の波長出力を除去するように動作する。オプションの空気腔130は、光源70、又は提供される場合にはオプションの光フィルタ80と、皮膚治療部位の部分110との間に形成され、皮膚治療部位の部分110に熱をさらに提供する。一実施形態では、オプションの空気腔130の熱は、光源70によって供給され、光源70と皮膚治療部位の部分110との間に温度勾配が形成される。別の実施形態では、別個の加熱要素(図示せず)がさらに提供される。温度調節要素60が熱電素子として実装され、皮膚が温度調節要素60によって冷却される、さらに別の実施形態では、対向する加熱側は、オプションの空気腔130に熱を提供する。オプションの光フィルタ80が設けられ、皮膚治療部位の部分110と接触するように配置されている実施形態においてはオプションの空気腔130はない。温度センサ160は、皮膚治療部位100と皮膚治療部位の部分110の温度のうちいずれか一方に関する温度を検知するように配置されている。
【0052】
制御及び駆動電気回路120は作動時に、ユーザ入力装置50を介してユーザ入力を検知する。ユーザ入力に応答して、制御及び駆動電気回路120は、好ましくは1又は複数のLED又はLCDディスプレイを含む可視的表示器40を付勢するよう動作し、これによりユーザに対し作動を表示する。可視的表示器40はさらに、再充電式電源170の充電状態、光源70の作動及び/又は温度センサ160の出力に反応する皮膚治療部位100と皮膚治療部位の部分110のうちいずれか一方の温度範囲等、追加的な状態表示を出力するように動作してもよい。一実施形態ではブザーで構成される可聴式アラーム150は、治療処置の終了、又は光源70及び温度調節要素60のいずれかの故障状態、又は温度域外の状態をユーザに聞こえるように通知するように動作する。制御及び駆動電気回路120は好ましくは、温度調節要素60の1又は複数のPWMデューティサイクル、光源70のPWMデューティサイクル、温度調節要素60に印加される1サイクル当たりの電力、及び温度センサ160に応答して光源70に印加される1サイクル当たりの電力を調節するようにさらに動作し、これにより皮膚治療部位100と皮膚治療部位の部分110のうちの一方の温度が所定のパラメータ内に維持されることを確実にする。非限定的な一実施形態では、異なる電力供給範囲でエネルギーを各々提供する低エネルギープログラム、中程度のエネルギープログラム、及び最大エネルギープログラムのような、複数の異なる治療プログラムが、ユーザ入力装置50を介してユーザ選択可能である。
【0053】
光源70は、ハウジング20に対して固定され、好ましくは、ハウジング20内部に固定されており、電流が光源70を通して駆動されるオンタイムと電流が光源70を通して駆動されないオフタイムとを備えた、制御及び駆動電気回路120からパルス状の電力を受信する。好ましくは、パルス状の電力は、50%までのデューティサイクルを備える。リフレクタ140は、ハウジング20内部に配置され、光源70から出る光を光路30の方へ反射するように配置される。非限定的な一実施形態では、光源70は、白熱電球又はハロゲン電球で構成されている。
【0054】
上述のように、温度調節要素60は、非限定的な一実施形態では、ペルチエ効果の原理に応答して作動する熱電素子である。別の非限定的実施形態では、温度調節要素60は、通常は冷却に使用されるガス、液体、固体のうち少なくとも1つ、又はこれらの複数を含む。図1A及び図1Bに関し上述したように、温度調節要素60は好ましくは、皮膚治療部位100と接触するように配置され、光源70からの光エネルギーが通過する開孔65を備える。光エネルギーの衝撃領域は、皮膚治療部位の部分110の位置を限定する。温度調節要素60は、温度調節要素60が皮膚治療部位100を冷却するように作動されるオンタイムと、温度調節要素60の熱塊によって引き起こされる任意の残留冷却を除いて温度調節要素60が冷却を行わないオフタイムとを備えた制御及び駆動電気回路120に応答して、制御及び駆動電気回路120からパルス状の電力を受信する。好ましくは、温度調節要素60は、光源70に供給されるパルス状のエネルギーと交互でパルス状の電力供給がされる。よって、光源70の光エネルギー出力時、温度調節要素60は、動作を休止し、光源70の動作休止時、温度調節要素60は、皮膚治療部位100を冷却するようアクティブになる。一実施形態では、温度調節要素60の冷却温度は、0〜25℃であり、好ましくは4〜15℃である。
【0055】
制御及び駆動電気回路120は再充電式電源170に接続され、その状態の監視や、その充電の制御及びそこから電力を引き出すよう動作する。
【0056】
上述のように、別の実施形態では、温度調節要素60は、温度調節要素60が皮膚治療部位100を加熱するように作動されるオンタイムと、温度調節要素60の熱塊によって引き起こされる任意の残留加熱を除く温度調節要素60が加熱を行わないオフタイムとを備えた制御及び駆動電気回路120に応答して、制御及び駆動電気回路120からパルス状の電力を受信する。
【0057】
図3は、或る実施形態による図1A、図1B及び図2のハンドヘルド装置10の回路の高レベル概略図を示しており、制御及び駆動電気回路120をより詳細に示している。ハンドヘルド装置10は、光源70と、制御及び駆動電気回路120と、可聴式アラーム150と、可視的表示器40と、ユーザ入力装置50と、温度センサ160と、再充電式電源170と、温度調節要素60とを含む。制御及び駆動電気回路120は、制御ブロック200と、パルス幅変調(PWM)発生器210と、光源駆動電気回路220と、温度調節要素の駆動電気回路230と、タイマ180とを含む。
【0058】
制御ブロック200は、PWM発生器210、光源駆動電気回路220、温度調節要素の駆動電気回路230、タイマ180、ユーザ入力装置50、可視的表示器40、可聴式アラーム150、再充電式電源170、及び温度センサ160と連通している。PWM発生器210の第1出力は、光源駆動電気回路220に供給され、光源駆動電気回路220の出力は、光源70に接続されている。PWM発生器210の第2出力は、温度調節要素の駆動電気回路230に供給され、温度調節要素の駆動電気回路230の出力は、温度調節要素60に接続されている。
【0059】
制御ブロック200は動作時に、再充電式電源170の状態を監視する。図1Aに関し上述するように、再充電式電源170が充電器ジャック25を介して外部充電源に接続され、再充電式電源170の電圧が所定の最大値を超える場合には、再充電式電源170の充電は中断される。
【0060】
上述のように、ユーザ入力装置50におけるユーザのアクションに応答して、制御ブロック200は、治療処置を開始するようにアクティブになる。一実施形態では、治療処置は、5〜60秒の範囲内であり、好ましくは25〜35秒の範囲内である。好ましくは、制御ブロック200は、所定の治療処置の数値をロードして所定の治療処置の終了時に信号を出力するため、タイマ180を設定するように動作される。可視的表示器40は、動作を表示するように設定される。好ましい実施形態では、PWM発生器210は、50%のデューティサイクルを備えたパルス列を生成するように設定される。さらに、好ましくは、光源駆動電気回路220に接続されたPWM発生器210の出力は、温度調節要素の駆動電気回路230に接続されたPWM発生器210の出力と交互に動作する。PWM発生器210が安定すると、光源駆動電気回路220と温度調節要素の駆動電気回路230は動作可能になり、タイマ180は初期化される。一実施形態では、PWM発生器210の周波数は、0.1〜10Hz、好ましくは0.25〜5Hzとなるように設定される。一実施形態では、PWM発生器210の周波数は、制御ブロック200による治療において調節することができる。別の実施形態では、PWM発生器210は、50%までのデューティサイクルを備えたパルス列を生成するように設定される。別の実施形態では、パルス列のデューティサイクルは、制御ブロック200による治療の間、調節することができる。一の特定の実施形態では、上述のように、デューティサイクルは、温度センサ160の出力に応答して調節される。別の実施形態では、PWM発生器210は、2つの独立したパルス列を生成するように動作し、光源駆動電気回路220が2つのうち第1のパルス列に応答して光源70を駆動するように配置され、温度調節要素の駆動電気回路230が、2つのうち第2のパルス列のものに応答して温度調節要素60を駆動するように配置される。
【0061】
光源駆動電気回路220及び温度調節要素の駆動電気回路230の作動は、治療処置が終了したことを表示する信号をタイマ180から受信するまで継続される。所定の治療処置時間が終了すると光源駆動電気回路220及び温度調節要素の駆動電気回路230は各々作動停止され、好ましくは、可聴式表示器が可聴式アラーム150を介して出力される。治療処置の間、皮膚治療部位の部分110で受けた光の全フルエンスは、一実施形態では4〜25J/cm2、好ましくは8〜12J/cm2であり、光要素の駆動電気回路220の電力及びデューティサイクルは、所望のフルエンスを得るように設定される。好ましくは、各光パルスのフルエンスは、0.05〜1J/cm2、さらに好ましくは、0.3〜0.6J/cm2である。温度センサ160に応答して制御ブロック200によって温度の範囲外が検出される場合には、1又は複数の光源駆動電気回路220及び温度調節要素の駆動電気回路230のデューティサイクルは好ましくは、皮膚温度を許容パラメータ内に維持するように調節される。
【0062】
図4は、治療処置の間の光源70の電力出力のグラフを示しており、X軸が時間(秒)を表し、Y軸が図1Cの皮膚治療部位の部分110で測定した電力出力(ワット)を表している。一実施形態では、初期パルスは、標的部位の皮膚部分によってより一層吸収されるよう、強度と幅がより増大する。なぜなら、皮膚の初期温度が低いため、治療の開始時には皮膚がエネルギーをより効率的に吸収するからである。治療の間は上述のように、PWM発生器210が必要に応じて調節可能なデューティ率でパルス列を生成し、これにより光源駆動電気回路220が光源70を駆動することができる。好ましい実施形態では、上述のように、光源70と温度調節要素60が交互に駆動され、光源駆動電気回路220が光源70を駆動していないときは、温度調節要素60が温度調節要素の駆動電気回路230によって駆動される。
【0063】
図5は、図1Cの皮膚治療部位の部分110の治療の間の表面温度のグラフを示しており、温度調節要素60が冷却モードで作動し、X軸が時間(秒)を表し、Y軸が表面皮膚温度(℃)を表す。図4に関し上述したように、治療開始時の光源70は、一実施形態では長いパルスで駆動される。その結果、比較的長い間照射されるため、又上述のように、皮膚の初期温度が低いために治療の開始時の皮膚がエネルギーをより効率的に吸収するために、皮膚治療部位の部分110の表面温度が比較的大きく上昇することとなる。初期の長いパルスの後、光源70は、より短いパルスによって駆動され、これにより、皮膚治療部位の部分110の表面温度の上昇は僅かとなる。上述のように、温度調節要素60は、好ましくは光源70が駆動されない間において駆動され、これにより、皮膚治療部位100の表面温度、特に皮膚治療部位の部分110を冷却する。冷却電力と照射の交互パルスにより、一層効果的な治療となり、特に血流量、ひいては細胞の新陳代謝を増大させるものと思われる。図示されるように、皮膚治療部位の部分110の表面温度が各々上昇した後、温度調節要素60は、皮膚治療部位の部分110の表面温度を低下させ、これにより、皮膚治療部位の部分110を引き締め、より効率的な治療となる。
【0064】
図6は、温度調節要素が冷却モードで使用される、或る実施形態による皮膚治療方法の高レベルフローチャートを示している。ステージ1000では、上述の温度調節要素60のような、1又は複数の開孔を備えた温度調節表面が、上述の皮膚治療部位100等の皮膚治療部位に当てられる。ステージ1010では、パルス状の光エネルギーが、ステージ1000における1又は複数の開孔を通して進行する光路を介して、ステージ1000の皮膚治療部位の一部分に印加される。必要に応じて光エネルギーは、50%までのデューティサイクルで、0.1〜10Hz、好ましくは0.25〜5Hzの周波数でパルス発振される。オプションのステージ1020では、温度調節要素はパルス状の電力で、好ましくはステージ1010のパルス状電力とで交互に冷却モードの電力供給がなされ、皮膚治療部位が25℃未満の温度に冷却される。ステージ1010がステージ1020に先行することは必要条件ではなく、ステージ1020は、その範囲を超えることなしに、ステージ1010に先行してもよい。
【0065】
オプションのステージ1030では、ステージ1000の1又は複数の開孔が、中央の開孔、開孔のマトリックス、及び複数の並行したスリット状開孔の1つとして提供される。
【0066】
オプションのステージ1040では、ステージ1010のパルス状の光エネルギーが、好ましくは5〜60秒の範囲、更に好ましくは25〜35秒の範囲に予め決定された治療処置時間にわたって、4〜25J/cm2、好ましくは8〜12J/cm2の範囲のフルエンスを提供するように構成される。必要に応じて1パルス当たりのエネルギーは、0.05〜1J/cm2、好ましくは0.3〜0.6J/cm2に設定される。
【0067】
オプションのステージ1050では、ステージ1010のパルス状の光エネルギーが、300〜2000nmの範囲の波長を示す広帯域の光源であるように構成され、さらに光は必要に応じて590〜2000nmの範囲の波長を示すようにフィルタ処理される。
【0068】
オプションのステージ1060では、ステージ1010の皮膚治療部位の部分は、0.25〜2cm2、好ましくは0.5〜1cm2の範囲となるように設定される。
【0069】
ステージ1070では、治療期間の時間が監視される。非限定的な一実施形態では、治療期間の時間は、図3のタイマ180からの入力をチェックすることによって監視される。治療期間が終了した場合、ステージ1080において治療は、好ましくはステージ1010、1020を実行不可にすることによって、停止される。一実施形態では、可聴式及び/又は可視的警告が、さらにユーザに提供される。ステージ1070において治療期間が終了しない場合には、上述のように、ステージ1010が再度実施される。
【0070】
従って、一定の本実施形態により、光源と、開孔を備えた温度調節要素との組み合わせを備えた家庭用ハンドヘルド装置を可能にする。一実施形態では、温度調節要素は、1つの中央開孔、開孔のマトリックス、又は複数の並行するスリット状開孔を備えた熱電素子であり、光エネルギーが開孔を介して皮膚に供給される。一実施形態では、光源は、標的部位に約300〜2000nmの範囲で光衝撃を与える広帯域の光源であり、別の実施形態では、光源は、標的部位に590〜2000nmの範囲で光衝撃を与える、フィルタ処理された光である。
【0071】
一実施形態では、光源は、標的皮膚部位のところで1パルス当たりのエネルギーが0.05〜1J/cm2、好ましくは0.3〜0.6J/cm2となるよう持続した期間、パルスが発振される。パルス数は、治療処置の間、標的皮膚部位のところで4〜25J/cm2のフルエンス、好ましくは、治療処置の間、標的皮膚部位のところで8〜12J/cm2のフルエンスを提供するように選定される。
【0072】
一実施形態では、冷却モードでの温度調節要素は、ユーザの皮膚に接触するのに0〜25℃の温度、好ましくは4〜15℃の温度を提供する。一実施形態では、冷却と光は交互にパルス発振される。
【0073】
本発明の一定の特徴は、明瞭にするため別々に実施形態で説明したが、1つの実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが認識される。反対に、本発明の種々の特徴は、簡潔にするため1つの実施形態で説明したが、別個に又は任意の適当な副次的組み合わせにより提供されてもよい。本出願の特許請求の範囲及び本発明の説明では、言語又は必要な示唆を表現するため特段に要する場合を除いて、用語の「を含む(comprise)」又は「を含む(comprises)」か「を含んでいる(compring)」等の変形は、あらゆる包括的な意味で、即ち言及した特徴の存在を明示するためであって、その存在又は本発明の種々の実施形態の中にある更なる特徴の追加を排除しないように使用される。
【0074】
特段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語と科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似の又は同等の方法を本発明の実施で又は試験的に使用することは可能ではあるが、本明細書では適切な方法を記載した。
【0075】
本明細書で言及した全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の文献は、その全体を参照することにより援用する。矛盾が生ずる場合には、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び事例は、例示的なものであるにすぎず、限定することを意図しない。任意の参照文献が従来技術を構成することは認めていない。参照文献に関する論述は、著者が主張することを述べており、出願人は、引用文献の正確さ及び適切さを問う権利を留保する。多数の従来技術文献がここに引用されているが、この参照文献が、これら文書のいずれもあらゆる国に共通する一般的知識の一部を形成するという了承を成すものではないことが明確に理解されるであろう。
【0076】
本発明が上記に詳細に図示され記載されたことに限定されないことは、当業者によって認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって範囲が定められ、上述の種々の特徴の組み合わせと副次的組み合わせの両方並びに当業者が上述の説明を読むことにより想起するその変形例や修正を含む。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に皮膚科的治療装置の分野、特に温度調節要素と標的皮膚を照射するように配置された光要素との組み合わせを備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁エネルギー、特に可視及び近赤外域における光エネルギーは、皮膚疾患を治療するための医療用途において広く使用されている。にきび、しわ取り、皮膚の引き締め、及び皮膚の若返りを含み且つこれらに限定されない広範囲に及ぶ医療的な皮膚症状、そして一般的な美容における皮膚症状は、電磁エネルギーを用いて良好に治療される。
【0003】
全体の内容を参照することにより本明細書で援用する、2002年4月30日にルバートに付与された米国特許第6,379,376号は、皮膚細胞又は組織の成長及び増殖を促進するため、又は細菌による皮膚感染を抑制するための方法及び装置を対象としている。あいにく、ルバートの技術は、光の使用に限定される。
【0004】
2008年12月4日に公開されたラインシュタインの米国特許出願第2008/0300529号は、皮膚又は身体部分を組成物と接触させ、その組成物を熱電ペルチエ装置と接触させて、皮膚又は身体部分を熱電ペルチエ装置で加熱及び又は冷却することから成る、皮膚又は身体部分を治療する方法を対象としている。あいにく、上記出願には光線療法が設けられていない。
【0005】
皮膚に対して加熱と冷却の組み合わせを提供する種々の皮膚治療用製品が存在する。その組み合わせは、皮膚の若返り、にきびの減少、及び関連した炎症、及び血行を良くすることを含め且つこれらに限定されない種々の利益を提供すると考えられる。
【0006】
2009年1月6日にノールトン等に付与された米国特許第7,473,251号は、電磁エネルギー源に連結された電磁エネルギー伝達装置から、皮膚表面を通して電磁エネルギーを伝達することによって、組織伝達部位における組織効果を作り出す方法を対象としたものであり、その全体の内容を参照することにより本明細書で援用する。
【0007】
全体の内容を参照することにより本明細書で援用する、2008年4月1日にアルシュラー等に付与された米国特許第7,351,252号は、深層領域に到達することができる波長で比較的低電力に選択された光学的な照射を、所望の治療に奏功するのに十分な時間で持続してその領域に加えると同時に、そのような組織の保護のため、選択された領域より上方の組織を冷却する、深層領域の組織の治療方法及び装置を対象としたものである。
【0008】
あいにく、上記従来技術は、光療法と温度療法の両方の一体化した利益をユーザに与える、低コストの装置を提供していない。
【発明の概要】
【0009】
従って、本実施形態の主な目的は、従来技術の皮膚治療用装置の欠点のうち少なくとも幾つかを克服することである。これは、或る実施形態において光源からの照射が温度調節要素の開孔を通過するように配置された、光源と温度調節要素との組み合わせを備えた家庭用ハンドヘルド装置によって達成される。
【0010】
一実施形態では、温度調節要素は熱電素子である。一実施形態では、熱電素子はリング状であり、光エネルギーは、リング状熱電素子の中央開口に形成された開孔を通して供給され、別の実施形態では、熱電素子は、複数の開孔を表す貫通孔のマトリックスを備え、光エネルギーは、複数の開孔を通して供給され、別の実施形態では、熱電素子は、複数の開孔を表す複数の並行貫通スリットを備え、光エネルギーは、複数の開孔を通して供給される。好ましくは、複数の開孔は、近接する開孔から進行するパルス状の光エネルギーが皮膚治療部位内部の所定の表皮深さで重なり合うように一定間隔で離間する。
【0011】
一実施形態では、光源は、標的部位に約300〜2000nmの範囲で光衝撃力を与える広帯域の光源であり、別の実施形態では、光源は、標的部位に約590〜2000nmの範囲で光衝撃力を与えるフィルタ処理された光である。
【0012】
一実施形態では、光源は、標的皮膚部位における1パルス当たりのエネルギーが0.05〜1J/cm2、好ましくは0.3〜0.6J/cm2となるように継続してパルスが発振される。パルス数は、治療処置の間、標的皮膚部位で4〜25J/cm2のフルエンスを、好ましくは標的皮膚部位で8〜12J/cm2のフルエンスを治療処置の間提供するよう選定される。
【0013】
一実施形態では、温度調節要素は冷却モードで作動し、ユーザの皮膚に接触するのに0〜25℃、好ましくは4〜15℃の温度を提供する。一実施形態では、冷却と光に交互にパルスが発振される。
【0014】
一実施形態では、皮膚治療部位の部分の範囲は、0.25〜2cm2である。別の実施形態では、皮膚治療部位の部分の範囲は、0.5〜1cm2のである。
【0015】
一実施形態では、光源のパルス列は、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える。別の実施形態では、光源のパルス列は、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える。
【0016】
特別な一実施形態では、内部に開口が設けられたハウジングと、ハウジングの一端に固定され、一つの端部が皮膚治療部位に接触するよう配置され、内部を貫通するための少なくとも1つの開孔が設けられた温度調節要素と、ハウジングに固定された光源と、少なくとも1つの開孔を介し光源から皮膚治療部位の少なくとも一部分まで光エネルギーを通すよう配置された光路と、光源及び温度調節要素の各々と電気的に連通する制御及び駆動電気回路とを備え、制御及び駆動電気回路が、光源にパルス列を出力し、これにより開孔を通して進行する光源から皮膚治療部位の部分にパルス状の光エネルギーを供給し、又皮膚治療部位の温度を調節するように温度調節要素に電力供給するよう作動する、皮膚治療部位の治療のためのハンドヘルド装置が提供される。
【0017】
これとは別に、或る実施形態は、温度調節表面を皮膚治療部位に当て、当てられた温度調節表面に少なくとも1つの開孔を設け、設けられた開孔を介して皮膚治療部位の一部分に、パルス状の光エネルギーを供給することを含む、皮膚の治療方法を提供する。
【0018】
さらなる一実施形態では、温度調節表面は、皮膚治療部位に対して25℃未満の温度を備える冷却表面である。さらなる別の実施形態では、上記方法は、温度調節要素にパルスを、パルス状の光エネルギーと交互に発振することをさらに含む。
【0019】
さらなる一実施形態では、少なくとも1つの開孔は、近接する開孔から進行するパルス状の光エネルギーが皮膚治療部位内の所定の表皮深さで重なり合うように一定間隔で離間した複数の開孔を含む。さらなる別の実施形態では、パルス状の光エネルギーは、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の部分において4〜25J/cm2のフルエンスを提供する。
【0020】
さらなる一実施形態では、パルス状の光エネルギーは、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の部分において8〜12J/cm2のフルエンスを提供する。さらなる別の実施形態では、所定の治療時間は、5〜60秒の範囲である。
【0021】
さらなる一実施形態では、所定の治療時間は、25〜35秒である。さらなる別の実施形態では、パルス状の光エネルギーのパルスの各々は、皮膚治療部位の部分において光エネルギーの0.05〜1J/cm2のフルエンスを提供する。
【0022】
さらなる一実施形態では、パルス状の光エネルギーのパルスの各々は、皮膚治療部位の部分において光エネルギーの0.3〜0.6J/cm2のフルエンスを提供する。さらなる別の実施形態では、供給されたパルス状の光エネルギーは、300〜2000nm、好ましくは590〜2000nmの波長域である。
【0023】
さらなる一実施形態では、皮膚治療部位の部分の範囲は、0.25〜2cm2、好ましくは0.5〜1cm2である。さらなる別の実施形態では、パルス状の光エネルギーは、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備え、好ましくは、パルス状の光エネルギーは、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える。
【0024】
さらなる特徴及び利点は、以下の図面及び説明から明らかになるであろう。
【0025】
本発明のより良い理解のため、また本発明が如何に実施されるかを示すため、以下に添付図面を参照する。その図面中の同じ番号は最初から終わりまでの全般を通し相当する要素や部分を指す。
【0026】
特定の図面を詳細に参照すると、図示された内容は一例であって、本発明の好適な実施形態を例示的に説明することのみを目的としており、本発明の原理及び概念的な態様の説明が最も有用かつ容易に理解されると考えられるものを提供するために提示されることが強調される。これに関し、本発明の基本的な理解に必要である以上の構造的な詳細を示す意図はなく、本発明の幾つかの形態を実際にどのように具体化してもよいかを当業者に明らかにする説明を図面を参照して行う。図面と共になされる説明により、本発明のいくつかの形態が如何に実現されるのかが当業者に対し明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】或る実施形態によるハンドヘルド装置の斜視図の高レベル概略図を示す。
【図1B】図1Aのハンドヘルド装置の側面切断図の高レベル概略図を示す。
【図1C】図1A、図1Bのハンドヘルド装置で治療される皮膚治療部位の高レベル概略図を示す。
【図1D】或る実施形態による中央の単一開孔を備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1E】或る実施形態による略円筒形状の開孔のマトリックスを備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1F】或る実施形態による略ボックス形状の開孔のマトリックスを備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1G】或る実施形態による複数の並行するスリット状の開孔を備える温度調節要素の実施形態の斜視図を示す。
【図1H】或る実施形態による皮膚治療部分の表皮内における照射の重なりを示した皮膚治療部分の側面図を示す。
【図2】或る実施形態による図1A及び図1Bのハンドヘルド装置の高レベルブロック図を示す。
【図3】或る実施形態による図1A、図1B及び図2のハンドヘルド装置のより詳細な回路の高レベル概略図を示す。
【図4】或る実施形態による治療処置の間の光源の電力出力のグラフを示す。
【図5】治療処置の間のユーザの皮膚の表面温度のグラフを示す。
【図6】或る実施形態による皮膚治療方法の高レベルフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
本発明の少なくとも一つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、以下の説明で述べられ図示される構成要素の構成並びに配置の詳細への適用に限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態に適用可能であり、種々の方法で実施又は実行される。また、本明細書で用いられる表現や用語は説明のためであり、限定的にみなすべきではないことを理解すべきである。
【0041】
図1Aは、ハンドヘルド装置10の斜視図の高レベル概略図を示し、図1Bは、ハンドヘルド装置10の側面切断図の高レベル概略図を示し、図1Cは、或る実施形態によるハンドヘルド装置10の皮膚治療部位の高レベル概略図を示し、図1Dは、或る実施形態による温度調節要素の実施形態の斜視図を示しており、図1A〜図1Dは、一緒に取り扱われる。ハンドヘルド装置10は、ハウジング20と、充電器ジャック25と、光路30と、可視的表示器40と、ユーザ入力装置50と、開孔65を備える温度調節要素60と、光源70と、オプションの光フィルタ80と、皮膚治療部位100を備える皮膚部位90と、皮膚治療部位の部分110とを含む。
【0042】
可視的表示器40は好ましくは、1又は複数のLED又はLCDディスプレイを含む。ユーザ入力装置50は、好ましくは押しボタンであり、その通り図示されているが、これにより何らかの限定を与えることを意図するものではない。一実施形態では、光源70は白熱電球を含む。一実施形態では、温度調節要素60は、ペルチエ効果に応答して動作する熱電装置として実装されており、その一方の温度制御された側は、皮膚部位90に接触するよう配置されている。温度調節要素60は、皮膚部位90と接触する位置に配置されており、温度調節要素60と連通する皮膚部位90の部分により皮膚治療部位の部分110の位置が限定される。光源70から光路30を介し開孔65を通過して進行する光によって照射される皮膚部位90の部分により、皮膚治療部位の部分110の位置が限定される。非限定的な一実施形態では、皮膚治療部位100は、約3〜6cm2である。一実施形態では、皮膚治療部位の部分110の範囲は、0.25〜2cm2であり、好ましくは0.5〜1cm2である。
【0043】
温度調節要素60は、リング状要素として、リング状の温度調節要素60の中央開孔65を介し進行する光路30と共に図示されているが、これによりなんらかの限定をすることを意味しておらず、光路30と温度調節要素60は、図1E〜図1Gに関連して記載されているように、開孔のマトリックス又は1つおきに並行するストライプの一群、或いはその他任意の幾何学的な組み合わせとして提供されてもよい。
【0044】
光源70は、光エネルギーを出力し、一実施形態では、光エネルギーの出力は、300〜2000nmの波長域である。光源70から光路30に沿って進行する光エネルギーは、オプションの光フィルタ80によって任意にフィルタ処理されて短い波長を除去し、よって590〜2000nmの波長域を備える光エネルギーで皮膚治療部位の部分110を照射する。長い波長は、一層深い皮膚透過をもたらすので、任意に選択することが好ましい。
【0045】
充電器ジャック25は、搭載された再充電式バッテリを充電することを備える。オプションのハンドヘルド装置10は、その範囲を超えることなしに、バッテリで作動され又は電源で作動される。
【0046】
皮膚治療部位の部分110は、作動時に及びさらに後述するように5〜60秒、好ましくは25〜35秒の全治療時間において、ユーザ入力装置50におけるユーザ入力に応答して、好ましくは0.1〜10Hzの周波数、更に好ましくは0.25〜5Hzの周波数で、光源70から進行する光エネルギー、好ましくはパルス状の光エネルギーで照射される。パルス状の光エネルギーは、全治療時間にわたって、皮膚治療部位の部分110に限定された位置において好ましくは1パルス当たりのエネルギーが0.05〜1J/cm2、更に好ましくは0.3〜0.6J/cm2で、4〜25J/cm2の、好ましくは8〜12J/cm2のフルエンスを備える。一実施形態では、温度調節要素60は、全治療時間にわたって皮膚治療部位100の冷却を行うようにさらに電力供給され、好ましくは、冷却は、パルス状の光エネルギーと交互に電力供給される。一実施形態では、温度調節要素60の冷却温度は、0〜25℃であり、好ましくは4〜15℃である。別の実施形態では、温度調節要素60は、全治療時間にわたって皮膚治療部位100の加熱を行うようにさらに電力供給され、好ましくは、加熱は、パルス状の光エネルギーと交互に電力供給される。
【0047】
図1Eは、或る実施形態による略円筒形の開孔65のマトリックスを備える温度調節要素60の実施形態の斜視図を示している。必要に応じて開孔65は、皮膚治療の深さ115が示され、照射部位が皮膚深さまで延びた図1Hに図示されるように、光源70からの光エネルギー、特に赤外線照射が、皮膚治療部位の部分110の表皮の所定深さのところで重なり合うように、非常に接近した間隔で配置されている。図1Eの温度要素60は、矩形要素として示されているが、これはなんらかの限定を与えることを意味しておらず、温度要素60は、限定することなく又、その範囲を超えることなしに、円筒形要素又はその他任意の形状として実施してもよい。
【0048】
図1Fは、或る実施形態による略ボックス形状の開孔65のマトリックスを備える温度調節要素60の実施形態の斜視図を示している。必要に応じて開孔65は、皮膚治療部位の深さ115が示され、照射部位が皮膚の深さまで延びた図1Hに図示されるように、光源70からの光エネルギー、特に赤外線照射が、皮膚治療部位の部分110の表皮の所定深さのところで重なり合うように、非常に接近した間隔で配置されている。図1Fの温度要素60は、矩形要素として示されているが、これはなんらかの限定をすることを意味しておらず、温度要素60は、限定することなく、又範囲を超えることなしに、円筒形要素又はその他任意の形状として実施してもよい。
【0049】
図1Gは、或る実施形態による複数の並行したスリット状の開孔65を備える温度調節要素60の実施形態の斜視図を示している。並行するスリット状の開孔65は、図1Hにおいて皮膚治療部位の深さ115が示され、照射部位が皮膚の深さまで延びていることが示される如く、光源70からの光エネルギー、特に赤外線照射が、皮膚治療部位の部分110の表皮の所定深さで重なり合うよう、必要に応じて非常に近接した間隔で配置されている。図1Gの温度要素60は矩形要素として示されているが、これはなんらかの限定を与えることを意味しておらず、温度要素60は、限定することなく、又範囲を超えることなしに、円筒形要素又はその他任意の形状として実施してもよい。
【0050】
光と温度の交互療法は、皮膚治療部位100、特に皮膚治療部位の部分110への血流量を増加させるものと考えられ、よって皮膚治療部位100の構成細胞の新陳代謝を増大させる。
【0051】
図2は、皮膚治療部位の部分110と接触する位置に配置された光路30を備えるハウジング20と、光源70と、制御及び駆動電気回路120と、リフレクタ140と、可聴式アラーム150と、可視的表示器40と、ユーザ入力装置50と、温度センサ160と、再充電式電源170と、温度調節要素60と、オプションの光フィルタ80と、オプションの空気腔130とを含む、或る実施形態による図1A及び図1Bに示されるハンドヘルド装置10の高レベルブロック図を示している。制御及び駆動電気回路120は、可視的表示器40、ユーザ入力装置50、温度センサ160、再充電式電源170、光源70、及び温度調節要素60の各々と連通している。光路30は、光源70と皮膚治療部位の部分110との間の光チャネルによって位置が限定され、例示的な実施形態では、上述のように、温度調節要素60の1又は複数の開孔65を通って進行する。オプションの光フィルタ80は、光路30内部に配置され、光源70による不要な波長出力、好ましくは590nm未満の波長出力を除去するように動作する。オプションの空気腔130は、光源70、又は提供される場合にはオプションの光フィルタ80と、皮膚治療部位の部分110との間に形成され、皮膚治療部位の部分110に熱をさらに提供する。一実施形態では、オプションの空気腔130の熱は、光源70によって供給され、光源70と皮膚治療部位の部分110との間に温度勾配が形成される。別の実施形態では、別個の加熱要素(図示せず)がさらに提供される。温度調節要素60が熱電素子として実装され、皮膚が温度調節要素60によって冷却される、さらに別の実施形態では、対向する加熱側は、オプションの空気腔130に熱を提供する。オプションの光フィルタ80が設けられ、皮膚治療部位の部分110と接触するように配置されている実施形態においてはオプションの空気腔130はない。温度センサ160は、皮膚治療部位100と皮膚治療部位の部分110の温度のうちいずれか一方に関する温度を検知するように配置されている。
【0052】
制御及び駆動電気回路120は作動時に、ユーザ入力装置50を介してユーザ入力を検知する。ユーザ入力に応答して、制御及び駆動電気回路120は、好ましくは1又は複数のLED又はLCDディスプレイを含む可視的表示器40を付勢するよう動作し、これによりユーザに対し作動を表示する。可視的表示器40はさらに、再充電式電源170の充電状態、光源70の作動及び/又は温度センサ160の出力に反応する皮膚治療部位100と皮膚治療部位の部分110のうちいずれか一方の温度範囲等、追加的な状態表示を出力するように動作してもよい。一実施形態ではブザーで構成される可聴式アラーム150は、治療処置の終了、又は光源70及び温度調節要素60のいずれかの故障状態、又は温度域外の状態をユーザに聞こえるように通知するように動作する。制御及び駆動電気回路120は好ましくは、温度調節要素60の1又は複数のPWMデューティサイクル、光源70のPWMデューティサイクル、温度調節要素60に印加される1サイクル当たりの電力、及び温度センサ160に応答して光源70に印加される1サイクル当たりの電力を調節するようにさらに動作し、これにより皮膚治療部位100と皮膚治療部位の部分110のうちの一方の温度が所定のパラメータ内に維持されることを確実にする。非限定的な一実施形態では、異なる電力供給範囲でエネルギーを各々提供する低エネルギープログラム、中程度のエネルギープログラム、及び最大エネルギープログラムのような、複数の異なる治療プログラムが、ユーザ入力装置50を介してユーザ選択可能である。
【0053】
光源70は、ハウジング20に対して固定され、好ましくは、ハウジング20内部に固定されており、電流が光源70を通して駆動されるオンタイムと電流が光源70を通して駆動されないオフタイムとを備えた、制御及び駆動電気回路120からパルス状の電力を受信する。好ましくは、パルス状の電力は、50%までのデューティサイクルを備える。リフレクタ140は、ハウジング20内部に配置され、光源70から出る光を光路30の方へ反射するように配置される。非限定的な一実施形態では、光源70は、白熱電球又はハロゲン電球で構成されている。
【0054】
上述のように、温度調節要素60は、非限定的な一実施形態では、ペルチエ効果の原理に応答して作動する熱電素子である。別の非限定的実施形態では、温度調節要素60は、通常は冷却に使用されるガス、液体、固体のうち少なくとも1つ、又はこれらの複数を含む。図1A及び図1Bに関し上述したように、温度調節要素60は好ましくは、皮膚治療部位100と接触するように配置され、光源70からの光エネルギーが通過する開孔65を備える。光エネルギーの衝撃領域は、皮膚治療部位の部分110の位置を限定する。温度調節要素60は、温度調節要素60が皮膚治療部位100を冷却するように作動されるオンタイムと、温度調節要素60の熱塊によって引き起こされる任意の残留冷却を除いて温度調節要素60が冷却を行わないオフタイムとを備えた制御及び駆動電気回路120に応答して、制御及び駆動電気回路120からパルス状の電力を受信する。好ましくは、温度調節要素60は、光源70に供給されるパルス状のエネルギーと交互でパルス状の電力供給がされる。よって、光源70の光エネルギー出力時、温度調節要素60は、動作を休止し、光源70の動作休止時、温度調節要素60は、皮膚治療部位100を冷却するようアクティブになる。一実施形態では、温度調節要素60の冷却温度は、0〜25℃であり、好ましくは4〜15℃である。
【0055】
制御及び駆動電気回路120は再充電式電源170に接続され、その状態の監視や、その充電の制御及びそこから電力を引き出すよう動作する。
【0056】
上述のように、別の実施形態では、温度調節要素60は、温度調節要素60が皮膚治療部位100を加熱するように作動されるオンタイムと、温度調節要素60の熱塊によって引き起こされる任意の残留加熱を除く温度調節要素60が加熱を行わないオフタイムとを備えた制御及び駆動電気回路120に応答して、制御及び駆動電気回路120からパルス状の電力を受信する。
【0057】
図3は、或る実施形態による図1A、図1B及び図2のハンドヘルド装置10の回路の高レベル概略図を示しており、制御及び駆動電気回路120をより詳細に示している。ハンドヘルド装置10は、光源70と、制御及び駆動電気回路120と、可聴式アラーム150と、可視的表示器40と、ユーザ入力装置50と、温度センサ160と、再充電式電源170と、温度調節要素60とを含む。制御及び駆動電気回路120は、制御ブロック200と、パルス幅変調(PWM)発生器210と、光源駆動電気回路220と、温度調節要素の駆動電気回路230と、タイマ180とを含む。
【0058】
制御ブロック200は、PWM発生器210、光源駆動電気回路220、温度調節要素の駆動電気回路230、タイマ180、ユーザ入力装置50、可視的表示器40、可聴式アラーム150、再充電式電源170、及び温度センサ160と連通している。PWM発生器210の第1出力は、光源駆動電気回路220に供給され、光源駆動電気回路220の出力は、光源70に接続されている。PWM発生器210の第2出力は、温度調節要素の駆動電気回路230に供給され、温度調節要素の駆動電気回路230の出力は、温度調節要素60に接続されている。
【0059】
制御ブロック200は動作時に、再充電式電源170の状態を監視する。図1Aに関し上述するように、再充電式電源170が充電器ジャック25を介して外部充電源に接続され、再充電式電源170の電圧が所定の最大値を超える場合には、再充電式電源170の充電は中断される。
【0060】
上述のように、ユーザ入力装置50におけるユーザのアクションに応答して、制御ブロック200は、治療処置を開始するようにアクティブになる。一実施形態では、治療処置は、5〜60秒の範囲内であり、好ましくは25〜35秒の範囲内である。好ましくは、制御ブロック200は、所定の治療処置の数値をロードして所定の治療処置の終了時に信号を出力するため、タイマ180を設定するように動作される。可視的表示器40は、動作を表示するように設定される。好ましい実施形態では、PWM発生器210は、50%のデューティサイクルを備えたパルス列を生成するように設定される。さらに、好ましくは、光源駆動電気回路220に接続されたPWM発生器210の出力は、温度調節要素の駆動電気回路230に接続されたPWM発生器210の出力と交互に動作する。PWM発生器210が安定すると、光源駆動電気回路220と温度調節要素の駆動電気回路230は動作可能になり、タイマ180は初期化される。一実施形態では、PWM発生器210の周波数は、0.1〜10Hz、好ましくは0.25〜5Hzとなるように設定される。一実施形態では、PWM発生器210の周波数は、制御ブロック200による治療において調節することができる。別の実施形態では、PWM発生器210は、50%までのデューティサイクルを備えたパルス列を生成するように設定される。別の実施形態では、パルス列のデューティサイクルは、制御ブロック200による治療の間、調節することができる。一の特定の実施形態では、上述のように、デューティサイクルは、温度センサ160の出力に応答して調節される。別の実施形態では、PWM発生器210は、2つの独立したパルス列を生成するように動作し、光源駆動電気回路220が2つのうち第1のパルス列に応答して光源70を駆動するように配置され、温度調節要素の駆動電気回路230が、2つのうち第2のパルス列のものに応答して温度調節要素60を駆動するように配置される。
【0061】
光源駆動電気回路220及び温度調節要素の駆動電気回路230の作動は、治療処置が終了したことを表示する信号をタイマ180から受信するまで継続される。所定の治療処置時間が終了すると光源駆動電気回路220及び温度調節要素の駆動電気回路230は各々作動停止され、好ましくは、可聴式表示器が可聴式アラーム150を介して出力される。治療処置の間、皮膚治療部位の部分110で受けた光の全フルエンスは、一実施形態では4〜25J/cm2、好ましくは8〜12J/cm2であり、光要素の駆動電気回路220の電力及びデューティサイクルは、所望のフルエンスを得るように設定される。好ましくは、各光パルスのフルエンスは、0.05〜1J/cm2、さらに好ましくは、0.3〜0.6J/cm2である。温度センサ160に応答して制御ブロック200によって温度の範囲外が検出される場合には、1又は複数の光源駆動電気回路220及び温度調節要素の駆動電気回路230のデューティサイクルは好ましくは、皮膚温度を許容パラメータ内に維持するように調節される。
【0062】
図4は、治療処置の間の光源70の電力出力のグラフを示しており、X軸が時間(秒)を表し、Y軸が図1Cの皮膚治療部位の部分110で測定した電力出力(ワット)を表している。一実施形態では、初期パルスは、標的部位の皮膚部分によってより一層吸収されるよう、強度と幅がより増大する。なぜなら、皮膚の初期温度が低いため、治療の開始時には皮膚がエネルギーをより効率的に吸収するからである。治療の間は上述のように、PWM発生器210が必要に応じて調節可能なデューティ率でパルス列を生成し、これにより光源駆動電気回路220が光源70を駆動することができる。好ましい実施形態では、上述のように、光源70と温度調節要素60が交互に駆動され、光源駆動電気回路220が光源70を駆動していないときは、温度調節要素60が温度調節要素の駆動電気回路230によって駆動される。
【0063】
図5は、図1Cの皮膚治療部位の部分110の治療の間の表面温度のグラフを示しており、温度調節要素60が冷却モードで作動し、X軸が時間(秒)を表し、Y軸が表面皮膚温度(℃)を表す。図4に関し上述したように、治療開始時の光源70は、一実施形態では長いパルスで駆動される。その結果、比較的長い間照射されるため、又上述のように、皮膚の初期温度が低いために治療の開始時の皮膚がエネルギーをより効率的に吸収するために、皮膚治療部位の部分110の表面温度が比較的大きく上昇することとなる。初期の長いパルスの後、光源70は、より短いパルスによって駆動され、これにより、皮膚治療部位の部分110の表面温度の上昇は僅かとなる。上述のように、温度調節要素60は、好ましくは光源70が駆動されない間において駆動され、これにより、皮膚治療部位100の表面温度、特に皮膚治療部位の部分110を冷却する。冷却電力と照射の交互パルスにより、一層効果的な治療となり、特に血流量、ひいては細胞の新陳代謝を増大させるものと思われる。図示されるように、皮膚治療部位の部分110の表面温度が各々上昇した後、温度調節要素60は、皮膚治療部位の部分110の表面温度を低下させ、これにより、皮膚治療部位の部分110を引き締め、より効率的な治療となる。
【0064】
図6は、温度調節要素が冷却モードで使用される、或る実施形態による皮膚治療方法の高レベルフローチャートを示している。ステージ1000では、上述の温度調節要素60のような、1又は複数の開孔を備えた温度調節表面が、上述の皮膚治療部位100等の皮膚治療部位に当てられる。ステージ1010では、パルス状の光エネルギーが、ステージ1000における1又は複数の開孔を通して進行する光路を介して、ステージ1000の皮膚治療部位の一部分に印加される。必要に応じて光エネルギーは、50%までのデューティサイクルで、0.1〜10Hz、好ましくは0.25〜5Hzの周波数でパルス発振される。オプションのステージ1020では、温度調節要素はパルス状の電力で、好ましくはステージ1010のパルス状電力とで交互に冷却モードの電力供給がなされ、皮膚治療部位が25℃未満の温度に冷却される。ステージ1010がステージ1020に先行することは必要条件ではなく、ステージ1020は、その範囲を超えることなしに、ステージ1010に先行してもよい。
【0065】
オプションのステージ1030では、ステージ1000の1又は複数の開孔が、中央の開孔、開孔のマトリックス、及び複数の並行したスリット状開孔の1つとして提供される。
【0066】
オプションのステージ1040では、ステージ1010のパルス状の光エネルギーが、好ましくは5〜60秒の範囲、更に好ましくは25〜35秒の範囲に予め決定された治療処置時間にわたって、4〜25J/cm2、好ましくは8〜12J/cm2の範囲のフルエンスを提供するように構成される。必要に応じて1パルス当たりのエネルギーは、0.05〜1J/cm2、好ましくは0.3〜0.6J/cm2に設定される。
【0067】
オプションのステージ1050では、ステージ1010のパルス状の光エネルギーが、300〜2000nmの範囲の波長を示す広帯域の光源であるように構成され、さらに光は必要に応じて590〜2000nmの範囲の波長を示すようにフィルタ処理される。
【0068】
オプションのステージ1060では、ステージ1010の皮膚治療部位の部分は、0.25〜2cm2、好ましくは0.5〜1cm2の範囲となるように設定される。
【0069】
ステージ1070では、治療期間の時間が監視される。非限定的な一実施形態では、治療期間の時間は、図3のタイマ180からの入力をチェックすることによって監視される。治療期間が終了した場合、ステージ1080において治療は、好ましくはステージ1010、1020を実行不可にすることによって、停止される。一実施形態では、可聴式及び/又は可視的警告が、さらにユーザに提供される。ステージ1070において治療期間が終了しない場合には、上述のように、ステージ1010が再度実施される。
【0070】
従って、一定の本実施形態により、光源と、開孔を備えた温度調節要素との組み合わせを備えた家庭用ハンドヘルド装置を可能にする。一実施形態では、温度調節要素は、1つの中央開孔、開孔のマトリックス、又は複数の並行するスリット状開孔を備えた熱電素子であり、光エネルギーが開孔を介して皮膚に供給される。一実施形態では、光源は、標的部位に約300〜2000nmの範囲で光衝撃を与える広帯域の光源であり、別の実施形態では、光源は、標的部位に590〜2000nmの範囲で光衝撃を与える、フィルタ処理された光である。
【0071】
一実施形態では、光源は、標的皮膚部位のところで1パルス当たりのエネルギーが0.05〜1J/cm2、好ましくは0.3〜0.6J/cm2となるよう持続した期間、パルスが発振される。パルス数は、治療処置の間、標的皮膚部位のところで4〜25J/cm2のフルエンス、好ましくは、治療処置の間、標的皮膚部位のところで8〜12J/cm2のフルエンスを提供するように選定される。
【0072】
一実施形態では、冷却モードでの温度調節要素は、ユーザの皮膚に接触するのに0〜25℃の温度、好ましくは4〜15℃の温度を提供する。一実施形態では、冷却と光は交互にパルス発振される。
【0073】
本発明の一定の特徴は、明瞭にするため別々に実施形態で説明したが、1つの実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが認識される。反対に、本発明の種々の特徴は、簡潔にするため1つの実施形態で説明したが、別個に又は任意の適当な副次的組み合わせにより提供されてもよい。本出願の特許請求の範囲及び本発明の説明では、言語又は必要な示唆を表現するため特段に要する場合を除いて、用語の「を含む(comprise)」又は「を含む(comprises)」か「を含んでいる(compring)」等の変形は、あらゆる包括的な意味で、即ち言及した特徴の存在を明示するためであって、その存在又は本発明の種々の実施形態の中にある更なる特徴の追加を排除しないように使用される。
【0074】
特段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語と科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似の又は同等の方法を本発明の実施で又は試験的に使用することは可能ではあるが、本明細書では適切な方法を記載した。
【0075】
本明細書で言及した全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の文献は、その全体を参照することにより援用する。矛盾が生ずる場合には、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び事例は、例示的なものであるにすぎず、限定することを意図しない。任意の参照文献が従来技術を構成することは認めていない。参照文献に関する論述は、著者が主張することを述べており、出願人は、引用文献の正確さ及び適切さを問う権利を留保する。多数の従来技術文献がここに引用されているが、この参照文献が、これら文書のいずれもあらゆる国に共通する一般的知識の一部を形成するという了承を成すものではないことが明確に理解されるであろう。
【0076】
本発明が上記に詳細に図示され記載されたことに限定されないことは、当業者によって認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって範囲が定められ、上述の種々の特徴の組み合わせと副次的組み合わせの両方並びに当業者が上述の説明を読むことにより想起するその変形例や修正を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に開口を備えるハウジングと、
前記ハウジングの一端に固定され、一つの端部が皮膚治療部位に接触するように配置され、内部を貫通するための少なくとも1つの開孔を備えた温度調節要素と、
前記ハウジングに固定された光源と、
前記少なくとも1つの開孔を介し、前記光源から少なくとも前記皮膚治療部位の一部分まで光エネルギーを通すように配置した光路と、
前記光源及び前記温度調節要素の各々と電気的に連通する制御及び駆動電気回路と、を備え、前記制御及び駆動電気回路は、
前記光源にパルス列を出力し、これにより前記開孔を通って進行する前記光源から前記皮膚治療部位の前記部分にパルス状の光エネルギーを供給し、
前記皮膚治療部位の温度を調節するように前記温度調節要素に電力供給するように作動する、
皮膚治療部位の治療のためのハンドヘルド装置。
【請求項2】
前記温度調節要素が熱電素子である、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項3】
前記温度調節要素が、前記皮膚治療部位に接触するように配置された前記一端で25℃未満の温度を提供するように配置された、請求項1又は請求項2に記載のハンドヘルド装置。
【請求項4】
前記制御及び駆動電子回路が、前記温度調節要素に1つのパルス列を、前記光源の前記パルス列と交互に電力供給するよう作動する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項5】
前記温度調節要素がリング状で、前記開孔が前記リング状の中央開口となる、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開孔が開孔のマトリックスを備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開孔が複数のスリット状の開孔を含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項8】
近接する開孔から進行する前記パルス状の光エネルギーが前記皮膚治療部位内部の所定の表皮深さのところで重なり合うように、前記複数の開孔が離間する、請求項6又は請求項7のいずれかに記載のハンドヘルド装置。
【請求項9】
前記光源の前記パルス列が、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの4〜25J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項10】
前記光源の前記パルス列が、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの8〜12J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項11】
前記所定の治療時間が5〜60秒の範囲である、請求項9又は請求項10のいずれかに記載のハンドヘルド装置。
【請求項12】
前記所定の治療時間が25〜35秒の範囲である、請求項9又は請求項10のいずれかに記載のハンドヘルド装置。
【請求項13】
前記パルス列の前記パルスの各々が、皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの0.05〜1J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項14】
前記パルス列の前記パルスの各々が、皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの0.3〜0.6J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項15】
前記光源が、300〜2000nmの波長域の光を出力する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項16】
前記光源と皮膚治療部位の部分との間の光路に介在する光フィルタを更に含み、前記フィルタが、590〜2000nmの波長域の光を透過する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項17】
皮膚治療部位の前記部分が0.25〜2cm2である、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項18】
皮膚治療部位の前記部分が0.5〜1cm2である、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項19】
前記光源の前記パルス列が、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項20】
前記光源の前記パルス列が、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項21】
温度調節表面を皮膚治療部位に当て、
前記当てられた温度調節表面に少なくとも1つの開孔を設け、
当該設けられた開孔を介して前記皮膚治療部位の一部分にパルス状の光エネルギーを供給することを含む、
皮膚の治療方法。
【請求項22】
前記温度調節表面が、前記皮膚治療部位に対して25℃未満の温度の冷却表面である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項23】
前記温度調節要素にパルスを、前記パルス状の光エネルギーと交互に発振することをさらに含む、請求項21又は請求項22のいずれかに記載の皮膚の治療方法。
【請求項24】
近接する開孔から進行する前記パルス状の光エネルギーが前記皮膚治療部位内部の所定の表皮深さのところで重なり合うように、前記少なくとも1つの開孔が離間した複数の開孔を含む、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項25】
前記パルス状の光エネルギーが、所定の治療時間にわたって、前記皮膚治療部位の前記部分において4〜25J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項26】
前記パルス状の光エネルギーが、所定の治療時間にわたって前記皮膚治療部位の前記部分において8〜12J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項27】
前記所定の治療時間が5〜60秒の範囲である、請求項25又は請求項26のいずれかに記載の皮膚の治療方法。
【請求項28】
前記所定の治療時間が25〜35秒の範囲である、請求項25又は請求項26のいずれかに記載の皮膚の治療方法。
【請求項29】
前記パルス状の光エネルギーの前記パルスの各々が、前記皮膚治療部位の前記部分において光エネルギーの0.05〜1J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記パルス状の光エネルギーの前記パルスの各々が、前記皮膚治療部位の前記部分において光エネルギーの0.3〜0.6J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記提供されたパルス状の光エネルギーが、300〜2000nmの波長域である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項32】
前記提供されたパルス状の光エネルギーが、590〜2000nmの波長域である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項33】
前記皮膚治療部位の前記部分の範囲が、0.25〜2cm2である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項34】
前記皮膚治療部位の前記部分の範囲が、0.5〜1cm2である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項35】
前記パルス状の光エネルギーが、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項36】
前記パルス状の光エネルギーが、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項1】
内部に開口を備えるハウジングと、
前記ハウジングの一端に固定され、一つの端部が皮膚治療部位に接触するように配置され、内部を貫通するための少なくとも1つの開孔を備えた温度調節要素と、
前記ハウジングに固定された光源と、
前記少なくとも1つの開孔を介し、前記光源から少なくとも前記皮膚治療部位の一部分まで光エネルギーを通すように配置した光路と、
前記光源及び前記温度調節要素の各々と電気的に連通する制御及び駆動電気回路と、を備え、前記制御及び駆動電気回路は、
前記光源にパルス列を出力し、これにより前記開孔を通って進行する前記光源から前記皮膚治療部位の前記部分にパルス状の光エネルギーを供給し、
前記皮膚治療部位の温度を調節するように前記温度調節要素に電力供給するように作動する、
皮膚治療部位の治療のためのハンドヘルド装置。
【請求項2】
前記温度調節要素が熱電素子である、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項3】
前記温度調節要素が、前記皮膚治療部位に接触するように配置された前記一端で25℃未満の温度を提供するように配置された、請求項1又は請求項2に記載のハンドヘルド装置。
【請求項4】
前記制御及び駆動電子回路が、前記温度調節要素に1つのパルス列を、前記光源の前記パルス列と交互に電力供給するよう作動する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項5】
前記温度調節要素がリング状で、前記開孔が前記リング状の中央開口となる、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開孔が開孔のマトリックスを備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開孔が複数のスリット状の開孔を含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項8】
近接する開孔から進行する前記パルス状の光エネルギーが前記皮膚治療部位内部の所定の表皮深さのところで重なり合うように、前記複数の開孔が離間する、請求項6又は請求項7のいずれかに記載のハンドヘルド装置。
【請求項9】
前記光源の前記パルス列が、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの4〜25J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項10】
前記光源の前記パルス列が、所定の治療時間にわたって皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの8〜12J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項11】
前記所定の治療時間が5〜60秒の範囲である、請求項9又は請求項10のいずれかに記載のハンドヘルド装置。
【請求項12】
前記所定の治療時間が25〜35秒の範囲である、請求項9又は請求項10のいずれかに記載のハンドヘルド装置。
【請求項13】
前記パルス列の前記パルスの各々が、皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの0.05〜1J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項14】
前記パルス列の前記パルスの各々が、皮膚治療部位の前記部分において前記光源から光エネルギーの0.3〜0.6J/cm2のフルエンスを提供するのに十分なエネルギーを有する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項15】
前記光源が、300〜2000nmの波長域の光を出力する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項16】
前記光源と皮膚治療部位の部分との間の光路に介在する光フィルタを更に含み、前記フィルタが、590〜2000nmの波長域の光を透過する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項17】
皮膚治療部位の前記部分が0.25〜2cm2である、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項18】
皮膚治療部位の前記部分が0.5〜1cm2である、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項19】
前記光源の前記パルス列が、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項20】
前記光源の前記パルス列が、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項21】
温度調節表面を皮膚治療部位に当て、
前記当てられた温度調節表面に少なくとも1つの開孔を設け、
当該設けられた開孔を介して前記皮膚治療部位の一部分にパルス状の光エネルギーを供給することを含む、
皮膚の治療方法。
【請求項22】
前記温度調節表面が、前記皮膚治療部位に対して25℃未満の温度の冷却表面である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項23】
前記温度調節要素にパルスを、前記パルス状の光エネルギーと交互に発振することをさらに含む、請求項21又は請求項22のいずれかに記載の皮膚の治療方法。
【請求項24】
近接する開孔から進行する前記パルス状の光エネルギーが前記皮膚治療部位内部の所定の表皮深さのところで重なり合うように、前記少なくとも1つの開孔が離間した複数の開孔を含む、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項25】
前記パルス状の光エネルギーが、所定の治療時間にわたって、前記皮膚治療部位の前記部分において4〜25J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項26】
前記パルス状の光エネルギーが、所定の治療時間にわたって前記皮膚治療部位の前記部分において8〜12J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項27】
前記所定の治療時間が5〜60秒の範囲である、請求項25又は請求項26のいずれかに記載の皮膚の治療方法。
【請求項28】
前記所定の治療時間が25〜35秒の範囲である、請求項25又は請求項26のいずれかに記載の皮膚の治療方法。
【請求項29】
前記パルス状の光エネルギーの前記パルスの各々が、前記皮膚治療部位の前記部分において光エネルギーの0.05〜1J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記パルス状の光エネルギーの前記パルスの各々が、前記皮膚治療部位の前記部分において光エネルギーの0.3〜0.6J/cm2のフルエンスを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記提供されたパルス状の光エネルギーが、300〜2000nmの波長域である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項32】
前記提供されたパルス状の光エネルギーが、590〜2000nmの波長域である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項33】
前記皮膚治療部位の前記部分の範囲が、0.25〜2cm2である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項34】
前記皮膚治療部位の前記部分の範囲が、0.5〜1cm2である、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項35】
前記パルス状の光エネルギーが、0.1〜10Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【請求項36】
前記パルス状の光エネルギーが、0.25〜5Hzの周波数及び50%以下のデューティサイクルを備える、請求項21に記載の皮膚の治療方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2012−524597(P2012−524597A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506646(P2012−506646)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000327
【国際公開番号】WO2010/122561
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511256130)レイディアンシー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000327
【国際公開番号】WO2010/122561
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511256130)レイディアンシー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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