説明

光ディスク再生装置、音声信号出力装置及びAVシステム

【課題】光ディスク再生装置において、ユーザがモニタ装置の解像度を、対応する解像度の中から自己の好みに応じて容易に設定できるようにする。
【解決手段】制御部は、解像度変数nを初期化(n=0)する(#1)。そして、リモコン装置のHDMIキーが押下されると(#2においてYES)、nを1インクリメント(n=n+1)する(#3)。そして、n=4であれば(#4においてYES)、nを初期化(n=0)して(#5)、#6に移行する。また、n=4でなければ(#4においてNO)、#6に移行する。モニタ装置がn番目の解像度に対応していれば(#6においてYES)、映像信号をその解像度に変換してHDMI出力端子14から出力して(#7)、#2に戻る。また、モニタ装置がn番目の解像度に対応していなければ(#6においてNO)、#3に戻る。これにより、ユーザは、モニタ装置の解像度を、対応する解像度の中から容易に設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを介してモニタ装置に映像信号を出力する光ディスク再生装置、音声信号出力装置及びAVシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、DVDプレーヤ等の光ディスク再生装置においては、映像を表示するモニタ装置の解像度に合わせて、映像出力信号の解像度を変更するように構成されている。例えば、特許文献1には、モニタ装置が表示可能な最高解像度を自動的に判断し、その解像度で映像信号を出力するDVDプレーヤが示されている。また、特許文献2には、通信回線を介して得られるモニタ装置の解像度に合わせて画像情報の解像度を変換するDVDプレーヤが示されている。また、特許文献3には、AVアンプとDVDプレーヤとの接続構成に関わらず、AVアンプの設定状況をモニタ装置に表示できるAVシステムが示されている。さらに、特許文献4には、モニタ装置の解像度等の情報を記憶するメモリを有する映像表示装置が示されている。
【特許文献1】特開2005−191780号公報
【特許文献2】特開2005−189587号公報
【特許文献3】特開2005−109703号公報
【特許文献4】特開2004−357029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記いずれの特許文献に示されたDVDプレーヤ等においても、ユーザがモニタ装置の解像度を自己の好みに適合させるのが困難で、使い勝手が悪い。特に、視力が低下している老人にとっては、必ずしも高解像度の映像が最適とはいえず、市場においては、簡単に解像度の切り替えが可能な光ディスク再生装置が望まれている。
【0004】
本発明は、ユーザがモニタ装置の解像度を、対応する解像度の中から自己の好みに応じて容易に設定することができる光ディスク再生装置及び音声信号出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、光ディスクにレーザビームを照射して信号の読み出しを行う光ピックアップと、この光ピックアップが読み出した信号を処理する信号処理手段と、この信号処理手段が処理した信号を復号する信号復号手段と、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルが接続されて、前記信号復号手段が復号した信号を装置外部に出力するHDMI出力端子と、前記光ピックアップ、信号処理手段、信号復号手段を制御する制御手段と、前記制御手段に各種の指令信号を入力するためにユーザによって操作される指令入力手段を備えた光ディスク再生装置において、映像出力装置と前記HDMIケーブルを介して接続可能であり、前記制御手段は、前記モニタ装置が対応している解像度に関する情報を前記HDMIケーブルを介して取得し、ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、前記映像出力装置が対応している解像度のうち、最も低い解像度に映像信号を変換して該映像出力装置に出力し、さらに、ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、前記映像出力装置が対応している解像度のうち、1段階高い解像度に映像信号を変換して該映像出力装置に出力し、前記映像出力装置が、対応している解像度のうち最も高い解像度で映像を表示している場合において、ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、映像信号の出力を停止し、前記映像出力装置が対応している解像度の中から、映像の解像度を選択し得るように構成されているものである。
【0006】
請求項2の発明は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルが接続されて、前記信号復号手段が復号した信号を装置外部に出力するHDMI出力端子と、各種の指令を入力するためにユーザによって操作される指令入力手段を備えた映像信号出力装置において、映像出力装置と前記HDMIケーブルを介して接続可能であり、前記映像出力装置が対応している解像度に関する情報を前記HDMIケーブルを介して取得し、ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、前記映像出力装置が対応している解像度の中から、映像の解像度を適宜選択し得るように構成されているものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1に記載の光ディスク再生装置又は請求項2に記載の映像信号出力装置を備えて成るAVシステムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、ユーザは、指令入力手段を操作するだけで、映像出力装置の解像度を、対応している解像度の中から、自己の好みに応じて容易に選択して設定することができるので、光ディスク再生装置の使い勝手が向上する。すなわち、ユーザが解像度を変更する旨の指令を入力する回数に応じて、映像出力装置の解像度が変更される。例えば、指令を入力する回数が1回であれば最低解像度に、2回であればそれより1段階上の解像度に変更される。そして、映像出力装置が最高の解像度で表示しているときに、さらに解像度を変更する旨の指令が入力されたときには、映像信号の出力を停止する。このように、指令を入力する回数に応じて映像出力装置の解像度が変更されるので、ユーザは容易に自己の好みの解像度に変更することができる。また、変更される解像度は、映像出力装置が対応している解像度に限られるので、ユーザは余計な操作を強要されることもない。
【0009】
請求項2の発明によれば、ユーザは、指令入力手段を操作するだけで、映像出力装置の解像度を、対応している解像度の中から、自己の好みに応じて容易に選択して設定することができるので、映像信号出力装置の使い勝手が向上する。また、変更される解像度は、映像出力装置が対応している解像度に限られるので、ユーザは余計な操作を強要されることもない。
【0010】
請求項3の発明によれば、請求項1に記載の光ディスク再生装置又は請求項2に記載の映像信号出力装置を備えたAVシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の実施形態による光ディスク再生装置を備えたAVシステムについて図面を参照して説明する。図1は光ディスク再生装置及び光ディスク再生装置が再生した映像及び音声を出力するモニタ装置(映像出力装置)を備えてなるAVシステムを示している。光ディスク再生装置1は、光ディスクにレーザビームを照射して信号の読み出しを行う光ピックアップ11と、この光ピックアップ11が読み出した信号を処理する信号処理部(信号処理手段)12と、信号処理部12が処理した信号を復号するデコーダ(信号復号手段)13と、HDMIケーブル5が接続されて、デコーダ13が復号した信号を装置外部に出力するHDMI出力端子14と、光ピックアップ11、信号処理部12、デコーダ13を制御する制御部(制御手段)15と、リモコン装置(指令入力手段)4から送信された指令を受信する受信部16等によって構成されている。
【0012】
光ディスク再生装置1とモニタ装置2とは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル5によって接続され、デジタルの映像及び音声信号が送信される。また、光ディスク再生装置1の電源が投入されたとき、モニタ装置2の仕様等の情報(例えば、モニタ装置2が対応している解像度に関する情報)が、HDMIケーブル5を介して光ディスク再生装置1に送出される。
【0013】
本実施形態の光ディスク再生装置1は、モニタ装置2が対応している解像度の中から、いずれかの解像度を選択する機能を有している。この機能は、ユーザがリモコン装置4に設けられている特定のキー(例えば、HDMIキーとする)を操作することによって実行される。
【0014】
図2は、ユーザによってリモコン装置4のHDMIキーが複数回押下されたとき、順次変更されるモニタ装置2の解像度を示している。ここでは、モニタ装置2は、480プログレッシブ、720プログレッシブ及び1080インターレースの解像度に対応しているものとする。
【0015】
まず、リモコン装置4のHDMIキーが1回押下されると、モニタ装置2の解像度は、480プログレッシブとなる。さらに、HDMIキーが押下されると、モニタ装置2の解像度は、720プログレッシブに変更される。その後、HDMIキーが押下されると、モニタ装置2の解像度は、1080インターレースに変更され、さらに、HDMIキーが押下されると、HDMI出力端子14からの映像信号の出力が停止される。この状態からさらにHDMIキーが押下されると、モニタ装置2から480プログレッシブの映像が出力される。
【0016】
図3は、モニタ装置2の解像度を変更するときの制御部15の処理を示している。制御部15は、光ディスク再生装置1の電源が投入されたとき、モニタ装置2の解像度に関する情報を取得しており、この情報に基いて以下の処理を実行する。また、制御部15は、解像度変数nに応じてモニタ装置2の解像度を切り替えるものとする。ここで、n=0はHDMI出力端子14からの映像信号の出力オフ、n=1は480プログレッシブ、n=2は720プログレッシブ、n=3は1080インターレースを示すものとする。
【0017】
まず、制御部15は、nを初期化(n=0)する(#1)。そして、リモコン装置4のHDMIキーが押下されると(#2においてYES)、nを1インクリメント(n=n+1)する(#3)。そして、n=4であれば(#4においてYES)、nを初期化(n=0)して(#5)、#6に移行する。一方、n=4でなければ(#4においてNO)、#5をスキップして、#6に移行する。#6においては、モニタ装置2がn番目の解像度に対応しているか否かが判定される。モニタ装置2がn番目の解像度に対応していれば(#6においてYES)、映像信号をその解像度に変換してHDMI出力端子14から出力して(#7)、#2に戻る。また、モニタ装置2がn番目の解像度に対応していなければ(#6においてNO)、#3に戻る。
【0018】
以上のように、本実施形態の光ディスク再生装置1によれば、ユーザは、リモコン装置4のHDMIキーを操作するだけで、モニタ装置2の解像度を、対応している解像度の中から、自己の好みに応じて容易に選択して設定することができるので、光ディスク再生装置1の使い勝手が向上する。すなわち、ユーザがHDMIキーを押下する回数に応じて、モニタ装置の解像度が変更される。例えば、指令を入力する回数が1回であれば、最低解像度の480プログレッシブに、2回であればそれより1段階上の解像度の720プログレッシブに変更される。そして、映像出力装置が最高の解像度の1080インターレースで表示しているときに、さらにHDMIキーが押下されたときには、映像信号の出力を停止する。また、さらにHDMIキーが押下されたときには、最低解像度の480プログレッシブで映像が出力される。このように、指令を入力する回数に応じて、モニタ装置2の解像度が変更されるので、ユーザは容易に自己の好みの解像度に変更することができる。また、変更される解像度は、映像出力装置が対応している解像度に限られるので、ユーザは余計な操作を強要されることもない。
【0019】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、HDMIケーブルを介して接続される機器が対応している解像度を再生前に知得して、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、モニタ装置2が対応している解像度の中から、映像の解像度を適宜選択し得るように構成されていればよい。また、本発明は光ディスク再生装置に限られることなく、映像信号を出力する装置(例えば、テレビジョン放送受信装置等)に幅広く適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による光ディスク再生装置を備えて成るAVシステムの構成を示すブロック図。
【図2】リモコン装置の操作に応じて、順次変更されるモニタ装置の解像度を示す図。
【図3】制御部の処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0021】
1 光ディスク再生装置
3 モニタ装置(映像出力装置)
4 リモコン装置(指令入力手段)
5 HDMIケーブル
11 光ピックアップ
12 信号処理部(信号処理手段)
13 デコーダ(信号復号手段)
14 HDMI出力端子
15 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクにレーザビームを照射して信号の読み出しを行う光ピックアップと、この光ピックアップが読み出した信号を処理する信号処理手段と、この信号処理手段が処理した信号を復号する信号復号手段と、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルが接続されて、前記信号復号手段が復号した信号を装置外部に出力するHDMI出力端子と、前記光ピックアップ、信号処理手段、信号復号手段を制御する制御手段と、前記制御手段に各種の指令信号を入力するためにユーザによって操作される指令入力手段を備えた光ディスク再生装置において、
映像出力装置と前記HDMIケーブルを介して接続可能であり、
前記制御手段は、
前記モニタ装置が対応している解像度に関する情報を前記HDMIケーブルを介して取得し、
ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、前記映像出力装置が対応している解像度のうち、最も低い解像度に映像信号を変換して該映像出力装置に出力し、
さらに、ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、前記映像出力装置が対応している解像度のうち、1段階高い解像度に映像信号を変換して該映像出力装置に出力し、
前記映像出力装置が、対応している解像度のうち最も高い解像度で映像を表示している場合において、ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、映像信号の出力を停止し、
前記映像出力装置が対応している解像度の中から、映像の解像度を選択し得るように構成されていることを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルが接続されて、前記信号復号手段が復号した信号を装置外部に出力するHDMI出力端子と、各種の指令を入力するためにユーザによって操作される指令入力手段を備えた映像信号出力装置において、
映像出力装置と前記HDMIケーブルを介して接続可能であり、
前記映像出力装置が対応している解像度に関する情報を前記HDMIケーブルを介して取得し、
ユーザによって前記指令入力手段が操作されて、解像度を変更する旨の指令が入力されたとき、前記映像出力装置が対応している解像度の中から、映像の解像度を適宜選択し得るように構成されていることを特徴とする映像信号出力装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光ディスク再生装置又は請求項2に記載の映像信号出力装置を備えて成ることを特徴とするAVシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−150469(P2007−150469A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339362(P2005−339362)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】