説明

光ディスク装置及び光ディスクの評価方法

【課題】ジッタの評価精度の向上化に適した光ディスク装置及び光ディスクの評価方法を提供する。
【解決手段】光ディスクに記録された再生信号に基づいて前記光ディスクの評価を行う光ディスク装置において、複数の第1遅延素子を直列接続して構成され、前記再生信号の2値化信号を前記直列接続の一方の側から供給して他方の側に向けて順次遅延させる遅延回路と、前記遅延回路における前記複数の第1遅延素子の少なくとも一つより取得した前記2値化信号のレベルデータを保持するデータ保持回路と、前記レベルデータに基づいて、前記2値化信号が一方のレベル又は他方のレベルを示す旨を識別するプロセッサと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置及び光ディスクの評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクの評価装置として『ジッタメータ』と呼ばれる評価装置が使用されていた(例えば、以下に示す特許文献1を参照)。このような評価装置は、『ジッタ』と呼ばれる光ディスクから得られる再生信号の滲み具合を定量的に評価するものである。しかし、専用のジッタメータは高価であり、簡便にジッタの評価を行うことはできなかった。そこで、光ディスクへ情報の記録及び/又は再生を行う装置(以下、『光ディスク装置』と称する。)を利用してジッタの評価をする方法が提案されている。
【0003】
図11は、ジッタ評価機能を有するCD記録再生装置100を示す図である。
まず、CD記録再生装置100における光ディスク11の通常の再生動作について説明する。
【0004】
光ピックアップ10は、光ディスク11に照射されるレーザ光の反射光を受光し、その反射光の強弱を電圧値の変化として取り出す。サーボ回路12は、光ディスク11に記憶されたピット又はランドに対応したデータを光ピックアップ10によって正しい順序で読み出せるように、光ディスク11に対する光ピックアップ10のトラッキングサーボやフォーカスサーボ等を行う。
【0005】
2値化回路13は、光ピックアップ10から出力される電圧値の変化を読み取ってEFM信号を生成する。このEFM信号は“H”と“L”の繰り返しで形成される。“H”又は“L”に相当する期間は、3Tから11Tの間にあって9種類ある。なお、“1T”とは、1ビット間隔で、約230nsである。
【0006】
デジタル信号処理回路14は、2値化回路13から供給されるEFM信号に対してEFM復調を施す。さらに、EFM復調された信号に対してCIRC復号を施してCD−ROMデータを生成する。CD−ROMデコーダ15は、デジタル信号処理回路14から供給されるCD−ROMデータに対して誤り検出処理及び誤り訂正処理を行い、ホストコンピュータ(不図示)へ出力する。
【0007】
バッファRAM16は、CD−ROMデコーダ15に接続され、デジタル信号処理回路14からCD−ROMデコーダ15に供給されるCD−ROMデータを1ブロック単位で一時的に記憶する。バッファRAM16は、大量のデータを記憶する必要があるため、一般的にはDRAMが採用される。
【0008】
マイコン17は、ROM及びRAMを内蔵したいわゆるワンチップマイコンで構成され、ROMに記憶された制御プログラムに従ってCD−ROMデコーダ15の動作を制御する。同時に、マイコン17は、ホストコンピュータから供給されるコマンドデータあるいはデジタル信号処理回路14から供給されるサブコードデータを一旦内蔵のRAMに記憶する。これによりマイコン17はホストコンピュータからの指示に応答して各部の動作を制御し、CD−ROMデコーダ15からホストコンピュータへ所望のCD−ROMデータを出力させる。
【0009】
次に、CD記録再生装置100における光ディスク11のジッタの評価方法について説明する。
【0010】
光ピックアップ10、光ディスク11、サーボ回路12及び2値化回路13は、マイコン17によって光ディスク11の再生動作と同様の動作を行う。しかし、デジタル信号処理回路14及びCD−ROMデコーダ15は、マイコン17によって動作が停止され、バッファRAM16は再生動作とは異なる動作となる。
【0011】
カウンタ18は、2値化回路13に接続され、2値化回路13から供給されるEFM信号を取り込む。そして、カウンタ18は、EFM信号よりも高周波なカウンタクロックによって、EFM信号の各H/L区間の長さを逐次カウントするとともに、各カウント値をバッファRAM16へ順次書き込む。なお、線速度一定のCLV動作の1倍速動作ではEFM信号の1Tは約230nsである。このため、カウンタ18では、例えば1周期2ns、すなわち500MHzのカウンタクロックを用いてカウント動作が行われる。この場合、EFM信号のH/L区間が“3T(約690ns)”のとき理想カウント値は“345”、“4T”のとき理想カウント値は“460”、・・・、“11T”のとき理想カウント値は“1265”である。
【0012】
こうした一連の処理が、光ディスク11に記録された一定領域のデータに対して行われた後、マイコン17は、バッファRAM16に記録された各カウント値を解析し、ジッタの評価を行うのである。
【特許文献1】特開平11−167720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、CD記録再生装置100のようなジッタの評価機能を有した従来の光ディスク装置では、EFM信号のH/L区間の測定精度(分解能)を向上させるべく、カウンタ18において他の回路に比べてより高周波なカウンタクロックを用いる必要が生じる。しかしながら、より高周波なカウンタクロックが用いられるため、カウンタ18自身や、カウンタ18を設けた光ディスク装置全体の消費電力の増大化が免れない。
【0014】
さらに、フリップフロップ回路を用いたカウンタ18等の順序回路では、所定の設計基準に基づいて回路規模の増大化を抑えつつも動作可能周波数の制限がなされる。このため、前述したような従来の仕組みでは、回路規模の制約によって、カウンタクロックの高周波化、すなわち、EFM信号のH/L区間の測定精度を向上させるには限界があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した課題を解決するための主たる本発明は、光ディスクに記録された再生信号に基づいて前記光ディスクの評価を行う光ディスク装置において、複数の第1遅延素子を直列接続して構成され、前記再生信号の2値化信号を前記直列接続の一方の側から供給して他方の側に向けて順次遅延させる遅延回路と、前記遅延回路における前記複数の第1遅延素子の少なくとも一つより取得した前記2値化信号のレベルデータを保持するデータ保持回路と、前記レベルデータに基づいて、前記2値化信号が一方のレベル又は他方のレベルを示す旨を識別するプロセッサと、を有することとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ジッタの評価精度の向上化に適した光ディスク装置及び光ディスクの評価方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<第1実施形態>
=== 光ディスク装置の構成 ===
図2を参照しつつ、図1をもとに、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置110の構成を説明する。なお、光ディスク装置110は、CD/DVDメディア等の光ディスク120に対してレーザ光を照射し情報の再生を行う装置とする。勿論、光ディスク記録も併せて行う装置としてもよい。
【0018】
さらに、光ディスク装置110は、ジッタと呼ばれる光ディスク120から得られる再生信号の滲み具合を定量的に評価する機能を有する。当該ジッタを評価することによって、光ディスク120の記録品位や再生品位が評価されることとなる。なお、詳細は後述するが、ジッタは、光ディスク120から得られるEFM信号のH/L区間の測定結果に基づいて定量的に評価される。
【0019】
光ピックアップ20は、光ディスク120にレーザ光を照射して、光ディスク120に記録された情報を再生するものである。なお、光ピックアップ20は、光ディスク120に照射されるレーザ光の反射光を受光し、その反射光の強弱を電圧値の変化として取り出す。
【0020】
RFアンプ21は、光ピックアップ20によって光ディスク120から取り出された信号を、後段の処理が取り扱い可能なレベルにまで増幅して、RF信号(『再生信号』)を生成するものである。また、RFアンプ21は、自身の増幅率を自動調整するAGC(Automatic Gain Control)機能や、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等の各種サーボ制御信号の生成機能を有する。
【0021】
サーボ回路12は、RFアンプ21で生成されたサーボ制御信号に基づいて、光ピックアップ20に設けられた各種サーボ機構を制御する。これによって、例えば、光ディスク120上のピット又はランドに対応したデータを正しい順序で読み出せるように、光ピックアップ20のトラッキングサーボやフォーカスサーボ等を行う。
【0022】
2値化回路23は、RFアンプ21で生成されたRF信号が供給されて、このRF信号を2値化するための回路であり、例えば、RF信号レベルと所定のスライスレベルとの比較を行う比較器によって構成される。このRF信号の2値化信号は、通常モードの場合にはデコーダ回路24に供給され、光ディスク評価モードの場合には遅延回路25に供給される。なお、RF信号の2値化信号とは、CDメディアの場合にはEFM(8−14変調)信号であり、DVDメディアの場合にはEFM−PLus(8−16変調)信号である。後述の説明において、光ディスク120はCDメディアの場合であり、RF信号の2値化信号はEFM信号の場合とする。
【0023】
デコーダ回路24は、2値化回路23から供給されるEFM信号に対してEFM復調処理を施す。さらに、EFM復調された信号に対してCIRC方式の誤り訂正処理を施す。これらのデコード処理された信号が、不図示のA/Dコンバータを介して、外部出力される。
【0024】
遅延回路25は、図2に示すように、複数の第1遅延素子251を直列接続した構成を呈しており、EFM信号を遅延回路25の入力側から供給して出力側に向けて順次遅延させるものである。また、第1遅延素子251の遅延量dtは、「EFM信号の基準周期1T/第1遅延素子251の段数S」として設定される。
【0025】
例えば、遅延回路25を構成する第1遅延素子251の段数Sが16段の場合、1つの第1遅延素子251の遅延量dtは“T/16”に設定される。この場合、遅延回路25の入力側からEFM信号が供給されたとき、各第1遅延素子251がEFM信号を順次“T/16”毎遅延させることとなる。そして、遅延回路25上にEFM信号が伝播された期間が、EFM信号の基準周期1Tとなるとき、第1遅延素子251夫々には入力側から出力側の順に“T/16”毎に遅延された信号のレベルデータ(H又はL)がバッファされた状態となる。
【0026】
データ保持回路26は、図2に示すように、遅延回路25における各第1遅延素子251のうちいずれかより取得したEFM信号の複数のレベルデータを一括保持するものである。具体的には、データ保持回路26は、一括保持するレベルデータの数に応じた複数のフリップフロップ回路260を有する。複数のフリップフロップ回路260は、遅延回路25より取得したEFM信号の複数のレベルデータ夫々が入力されて、共通のクロック信号に基づいて一括保持する。
【0027】
なお、データ保持回路26は、図2に示すように、遅延回路25の第1遅延素子251夫々から取得したレベルデータ、すなわち各第1遅延素子251全てのレベルデータを一括保持してもよいし、遅延回路25の第1遅延素子251のうち所定数置き(例えば、偶数番目毎若しくは奇数番目毎)に取得したレベルデータを一括保持してもよい。
【0028】
データ処理回路27は、データ保持回路26において保持された複数のレベルデータに対して、マイコン31が解析しやすいデータフォーマットへと変換するものである。なお、データ処理回路27における処理は、マイコン31が実施してもよいが、マイコン31の処理負荷を軽減するために、データ処理回路27を設けた方が好適である。
【0029】
なお、データ処理回路27における処理とは、例えば、つぎのような処理となる。データ保持回路26に保持された状態の複数のレベルデータは、EFM信号のどの1T期間に相当するレベルデータ群に属するかが不明である。このため、データ処理回路27は、データ保持回路26から少なくとも3T以上の期間に相当するレベルデータ群を解析し、当該レベルデータ群におけるHからL若しくはLからHへの極性反転タイミングを識別する。そして、識別された極性反転タイミングに基づいて、EFM信号のH/L区間データや、そのH/L区間がいずれの極性であるかを示すH/L極性データを生成する。
【0030】
メモリアクセス制御回路28は、メモリ29へのアクセス(書き込み/読み出し)を制御するものである。例えば、メモリアクセス制御回路28は、データ処理回路27において生成されたデータを、メモリ29の所定の記憶領域へと書き込むための制御を行う。なお、メモリ29は、マイコン31がアクセス可能なDRAMやSDRAM等の記憶装置である。
【0031】
統計演算回路30は、メモリアクセス制御回路28を介して、メモリ29に記憶されたEFM信号の測定データを読み出し、各種統計演算を施した結果を再びメモリ29の所定の記憶領域へと書き込むものである。例えば、統計演算回路30は、EFM信号の各H/L区間(3T〜11T)の出現頻度を算定することとなる。
【0032】
マイコン31は、光ディスク装置110全体の制御を司るプロセッサである。特に、マイコン31は、データ保持回路26において一括保持された複数のレベルデータに基づいて、EFM信号のH/L区間の長さを識別するものである。例えば、マイコン31は、統計演算回路30によってメモリ29に書き込まれたEFM信号の各H/L区間(3T〜11T)の出現頻度をヒストグラム化してジッタを定量的に評価する。なお、ジッタの評価は、ヒストグラムに限られず、平均値や分散値等のその他の統計量の計算で実施しても良い。
【0033】
=== 光ディスク装置の動作の具体例 ===
図3をもとに、データ保持回路26が、遅延回路25から複数のレベルデータを一括保持する場合の実施態様を説明する。
【0034】
遅延回路25上でのEFM信号の伝播期間が、EFM信号の基準周期1Tとなるとき、遅延回路25を構成する第1遅延素子251夫々には、遅延回路25の入力側から出力側の順に、順次遅延された信号のレベルデータ(H又はL)がバッファされた状態となる。そこで、データ保持回路26は、EFM信号の基準周期1Tを経過する毎に、遅延回路25から取得したEFM信号の基準周期1Tに相当する複数のレベルデータを一括保持するのである。
【0035】
図4をもとに、データ保持回路26において一括保持された複数のレベルデータがジッタの評価に利用される場合の実施態様を説明する。なお、同図には、遅延回路25を構成する第1遅延素子251の段数Sが4段であり、データ保持回路26には4段の第1遅延素子251夫々の遅延信号が供給される4つのフリップフロップ回路260が設けられる場合を示してある。
【0036】
同図に示す例では、期間Aから期間Fまでの計6Tの期間にわたって、データ保持回路26に一括保持されたレベルデータ群により、Hレベル期間5Tに相当するEFM信号を観測することができる。
【0037】
そこで、データ処理回路27は、期間Aから期間Fまでの間にデータ保持回路26に一括保持されたレベルデータ群を解析する。この結果、期間Aに対応するレベルデータ“0001”によって、EFM信号のLからHへの極性反転タイミングを識別する。また、期間Bから期間Eまでのレベルデータが連続して“1”である旨を識別する。さらに、期間Fに対応するレベルデータ“1110”によって、EFM信号のHからLへの極性反転タイミングを識別する。
【0038】
この結果、データ処理回路27は、期間A及び期間Fで識別された極性反転タイミングに基づいて、Hレベル期間5Tに相当するEFM信号の実測長を示すH/L区間データや、そのH/L区間データがHである旨を示すH/L極性データを生成する。そして、これらの実測データは、メモリアクセス制御回路28を介して、メモリ29の所定の記憶領域へと書き込まれるのである。
【0039】
また、同図に示す例で、期間Fから期間Iまでの計4Tの期間にわたって、データ保持回路に一括保持されたレベルデータ群によって、Lレベル期間3Tに相当するEFM信号が観測される。この場合のデータ処理回路27の処理は、前述したHレベル期間5Tに相当するEFM信号の場合と同様であるため説明を省略する。
【0040】
=== 効果の実例 ===
前述した実施形態において、データ保持回路26において一括保持された複数のレベルデータは、遅延回路25から一括して取得されたデータであり、遅延回路25の遅延量に応じた期間(例えば、EFM信号の基準周期1T)あたりの各サンプルデータに相当する。ここで、マイコン31は、光ディスク評価に際してEFM信号のH/L区間の長さを識別すべく、遅延回路25の遅延量に応じた期間あたりの各サンプルデータを一度に参照できる。
【0041】
すなわち、前述した実施形態によれば、図11に示したカウンタ18を用いた従来方式のように、EFM信号の各H/L区間をカウンタクロックに基づいて逐次測定する処理が不要となる。このため、EFM信号の各H/L区間の測定精度(分解能)を向上させる際、従来方式におけるカウンタクロックの高周波化等に伴う各種制約がなくなる。
【0042】
また、前述した実施形態において、データ保持回路26を構成する複数のフリップフロップ回路260では、共通のクロック信号に基づいて遅延回路25から取得した複数のレベルデータを一括保持することとなる。すなわち、前述した実施形態では、従来方式のようにカウンタクロックによって逐次測定を行わない。
【0043】
よって、従来方式と同様な測定精度を得る際、複数のフリップフロップ回路260に用いられる共通のクロック信号は、従来方式のカウンタクロックと比べて低周波なクロックを用いることができる。例えば、従来方式におけるカウンタクロックの周波数を“f1”、取得されるレベルデータの数すなわちフリップフロップ回路260の数を“n”とした場合、前述した実施形態では、従来方式と同様な測定精度を得る際には、複数のフリップフロップ回路260に用いられる共通のクロック信号は“f1/n”となる。
【0044】
また、前述した実施形態において、データ保持回路26は、遅延回路25を構成する第1遅延素子251夫々から取得したレベルデータを一括保持する場合、EFM信号の各H/L区間の測定精度を最大にできる。
【0045】
また、前述した実施形態において、データ保持回路26が、遅延回路25を構成する第1遅延素子251のうち所定数置きに取得したレベルデータを一括保持する場合、データ保持回路26のフリップフロップ回路260の個数を減少させて回路規模を縮小できる。
【0046】
<第2実施形態>
=== PLL回路による遅延調整 ===
ところで、前述した実施形態において、遅延回路25を構成する第1遅延素子251は、温度変化や製造ばらつき等の要因によって、各遅延量にばらつきが生じ得る。そこで、遅延回路25の遅延量を高精度に設定したい場合は、図5に示すような遅延回路25の遅延量を制御するためPLL回路253を設けることとする。
【0047】
まず、図5に示すPLL回路253を設けた場合の遅延回路25の構成を説明する。
【0048】
PLL回路253は、VCO254、第1分周回路258、第2分周回路259、位相比較器2501、LPF2502を有する。
【0049】
VCO254は、複数の第2遅延素子255がリング状に接続される。具体的には、複数の第2遅延素子255が直列接続されており、最終段の第2遅延素子255の出力がインバータ素子256を介して初段の第2遅延素子255の入力に負帰還されることとなる。
【0050】
また、第2遅延素子255夫々の一方の電源端子にはバイアス回路257で発生したバイアス電圧Vbが供給され、第2遅延素子255夫々の他方の電源端子にはLPF2502から制御電圧Vtが供給されて構成される。すなわち、VCO254は、各第2遅延素子255の遅延量が制御電圧Vtに基づいて制御されるものである。
【0051】
第1分周回路258は、VCO254の出力信号を“1/n”に分周するものである。第2分周回路259は、PLL回路253の外部から供給される基準クロック信号を“1/m”に分周するものである。
【0052】
位相比較器2501は、第1分周回路258の分周信号と、第2分周回路259の分周信号との位相比較を行うものである。なお、第1分周回路258及び第2分周回路259を設けない場合、位相比較器2501は、VCO254の出力信号と基準クロック信号と位相比較を行うこととなる。
【0053】
LPF2502は、位相比較器2501の出力信号に応じた制御電圧Vtを生成するものである。なお、位相比較器2501において生成された制御信号は、一般的に、チャージポンプ回路を介してLPF2502に出力される。
【0054】
遅延回路25は、前述したように、直列接続された第1遅延素子251によってEFM信号を順次遅延させるものである。なお、第1遅延素子251夫々の一方の電源端子にはバイアス回路257から供給されたバイアス電圧Vbが供給され、第1遅延素子251夫々の他方の電源端子にはLPF2502から制御電圧Vtが供給される。
【0055】
つぎに、PLL回路253を設けた場合の遅延回路25の動作を説明する。
まず、PLL回路253が、位相比較器2501において位相差をなくすべく制御電圧Vtの制御を行った結果、ロック状態となる。このとき、VCO254の出力周波数f1、基準クロック信号の周波数f0とすると、(数式1):「f1/n = f2/m」の関係が成立する。
【0056】
一方、VCO254では、LPF2502からの制御電圧Vtによって第2遅延素子255夫々の遅延量dtが設定されており、初段の第2遅延素子255に入力された信号が各第2遅延素子255によって順次遅延される。そして、最終段の第2遅延素子255では信号が反転されて初段の第2遅延素子255に帰還される。よって、(数式2):「VCO254出力の半周期T/2=遅延量dt×第2遅延素子255の段数S」の関係が成立する。
【0057】
そして、前述した(数式1)及び(数式2)を用いて、つぎの(数式3):「dt=(m/n)・(1/2S・f0)」の関係が成立する。すなわち、第2遅延素子の段数Sと分周比m、nを決定すれば、第2遅延素子255の遅延量dtは、基準クロック信号の周波数f0のみに依存する一定な値となる。
【0058】
さらに、遅延回路25を構成する第1遅延素子251は、VCO254を構成する第2遅延素子255と同様な構成であり、第2遅延素子255と同様にバイアス電圧Vb及び制御電圧Vtが供給される。このため、遅延回路25の第1遅延素子251の遅延量は、VCO254の第2遅延素子255の遅延量dtと同一となり、PLL回路253のロック時には、基準クロック信号の周波数f0に依存した一定な値となるのである。
【0059】
このように、遅延回路25にPLL回路253を設けることによって、温度変化や製造バラツキ等の様々な要因に伴う第1遅延素子251の遅延量の変動を抑制して安定化させることができる。また、この結果、EFM信号の各H/L区間の測定を安定して行うことが可能となる。
【0060】
<第3実施形態>
=== ライトストラテジ回路との共用化 ===
図6は、本発明のその他の実施形態に係る光ディスク装置130の構成を示す図である。なお、図1に示す光ディスク装置110と同一の構成要素については同一の符号を付して説明は省略する。
【0061】
光ディスク装置130は、光ピックアップ20、アナログ信号処理回路140、デジタル信号処理回路150、マイコン31、によって構成され、光ディスク120にレーザ光を照射して情報の記録再生を行う装置とする。
【0062】
光ピックアップ20は、LD201、FMD202、PD203、LD駆動回路204、その他、対物レンズや各種サーボ機構を備える。
【0063】
LD201は、LD駆動回路204から供給される駆動電流ILDに基づいて、光ディスク120に対して記録/再生を行うためのレーザ光を出射する発光素子である。なお、LD201の駆動方式(ライトストラテジ)としては、光ディスク120が追記型光ディスクの場合、図7に示すようなマルチパルス変調方式のパターンが用いられる。すなわち、トップパルスとマルチパルスによる記録パルスによって1つの記録マークを生成するようにして、記録マークに生ずる熱分布を制御するのである。なお、記録パルスは、ライトパワーPwとバイアスパワーPbの2値のパワーレベルで形成される。
【0064】
PD203は、光ディスク120からの反射光の一部を受光して、この受光光量に比例した受光電流IPDを生成する受光素子である。この受光電流IPDは電圧に変換されてRFアンプ21に供給される。この結果、RFアンプ21では、RF信号や各種サーボ制御信号が生成される。
LD駆動回路204は、スイッチ208、212のON/OFFを切り替えることで生成される変調信号Vmodに基づいて、LD201を駆動するための駆動電流ILDを生成する。
【0065】
アナログ信号処理回路140は、光ディスク駆動用アナログ信号処理を行うものである。例えば、アナログ信号処理回路140は、RF信号や各種サーボ制御信号を生成するRFアンプ21を有する。
【0066】
ライトパワー設定部207は、ライトパワー信号VWDCを生成し、スイッチ208がONした場合に、LD駆動回路204に供給される。
バイアスパワー設定部211は、バイアスパワー信号VBDCを生成し、スイッチ212がONした場合に、LD駆動回路204に供給される。
よって、LD駆動回路204は、ライトパワー設定部207で生成されたライトパワー信号VWDCと、バイアスパワー設定部211で生成されたバイアスパワー信号VBDCとが合成された変調信号Vmodに基づいてLD201を駆動することとなる。この結果、図7に示すように、ライトパワー値Pwとバイアスパワー値Pbで形成される記録パルスが、LD201から出力される。
【0067】
デジタル信号処理回路150は、デジタルサーボ処理やエンコード/デコード処理等、光ディスク制御用デジタル信号処理を行うものである。すなわち、図1に示す点線枠内の光ピックアップ20及びRFアンプ21を除いた構成要素が、デジタル信号処理回路150に設けられる。また、光ディスク装置130は、光ディスク記録を行うべく、エンコーダ回路32、ライトストラテジ回路33を更に有する。
【0068】
エンコーダ回路32は、外部装置(パーソナルコンピュータ等)から供給される光ディスク120への記録データ(画像/音声/映像データ等)に対して、光ディスク120の規格に応じた所定の変調処理を行うものである。
【0069】
ライトストラテジ回路33は、エンコーダ回路32によって記録データに対して所定の変調処理を施した変調データに基づいて変調スイッチ信号Smodを生成し、変調スイッチ信号Smodをスイッチ208、212に供給する。この結果、変調スイッチ信号Smodに基づいたスイッチ208、212のON/OFF切り替えによって、LD駆動回路204に供給される変調信号Vmod、すなわち、光ディスク120へ記録を行うための記録パルスが生成される。
【0070】
また、ライトストラテジ回路33には、光ディスク120の種類や回転速度によって記録状態が変化することへの対策として、ライトストラテジ回路33によって生成された記録パルスをレーザ機構に直接送出するのではなく、当該記録パルスを遅延させてレーザ機構に送出するための遅延制御回路34及びセレクタ35を設けることが提案されている。例えば、特開平11−273252号公報の図2に開示される。
【0071】
遅延制御回路34は、図5に示した遅延回路25と同様に遅延素子が複数段直列に接続されて構成された回路と、当該遅延素子の遅延量を制御するためのPLL回路を有する。遅延制御回路34は、エンコーダ回路32で生成されたEFM信号等、記録パルスの生成元となる信号を、PLL回路によって遅延量が設定された直列接続の遅延素子によって順次遅延させる。
【0072】
セレクタ35は、遅延制御回路34における直列接続の遅延素子からいずれか一つの出力を選択して遅延信号として取り出すものである。この遅延信号に基づいて、様々な記録状態に適した変調スイッチ信号Smod、ひいては記録パルスが生成されることとなる。
【0073】
そこで、光ディスク装置130では、図5に示した遅延回路25を、図5に示したPLL回路253を設けた場合の遅延回路25と同一構成であるライトストラテジ回路33の遅延制御回路34と共用することとする。すなわち、2値化回路23において生成されたEFM信号は、遅延制御回路34における直列接続の遅延素子の入力側に供給されて順次遅延させることとなる。一方、データ保持回路26は、遅延制御回路34における直列接続の遅延素子のいずれかより得られたEFM信号の複数のレベルデータを一括保持することとなる。この結果、光ディスク装置130には図5に示したPLL回路253を設けた場合の遅延回路25を新たに設ける必要がなくなる。そのため、デジタル信号処理回路150の回路規模の削減や、消費電力の低減化が図られる。
【0074】
<第4実施形態>
=== Gray Zone ===
前述した実施形態において、データ保持回路26を構成するフリップフロップ回路260では、入力データ(レベルデータ)とクロック信号は非同期であるため、EFM信号が“HからLへ”若しくは“LからHへ”と極性反転される極性反転タイミングと、クロック信号のエッジが“HからLへ”若しくは“LからHへ”と切り替わるエッジタイミングと、の時間差が極めて小さい場合が生じ得る。図8は、この場合における遅延回路25、データ保持回路26の動作の様子を示す図である。
【0075】
図8に示すように、クロック信号のエッジタイミング付近に相当するフリップフロップ回路260では、セットアップ・タイム若しくはホールド・タイムに起因して、H若しくはLのうちいずれのレベルが保持されたのか不定となる事象が生じうる。ここで、フリップフロップ回路260に供給されるクロック信号のエッジタイミングを基準として、セットアップ・タイムとホールド・タイムを含めた期間のことを『GrayZone』と称する。
【0076】
=== Gray Zone対策 ===
前述したGrayZoneの対策として、データ保持回路26において一括保持された複数のレベルデータ夫々について、連続する前後の二つのレベルデータとの相関係数を算定するとともに、当該相関係数に基づいてEFM信号のレベルの極性反転タイミングを識別する。
【0077】
そこで、データ処理回路27は、前述した相関係数を算定するとともに、算定した相関係数に基づいてEFM信号のレベルの極性反転タイミングを識別する。よって、マイコン31は、識別されたEFM信号の極性反転タイミングに基づいて、GrayZoneを意識することなく、EFM信号のH/L区間の長さを識別できる。この結果、ジッタの評価精度がより一層向上する。
【0078】
図9は、データ処理回路27に設けたGrayZone対策の仕組みの一例を示す図である。
データ処理回路27は、加算器271、加算結果格納レジスタ272、閾値格納レジスタ273、比較器274、比較結果格納レジスタ275、を有することとする。
【0079】
加算器271は、データ保持回路26のフリップフロップ回路260夫々に対応づけられて配設される。また、加算器271は、データ保持回路26のフリップフロップ回路260夫々に保持されるレベルデータ群のうち、自身に対応するレベルデータと、当該レベルデータと時系列的に連続する前後の二つのレベルデータとの加算を行う。加算結果は、加算結果格納レジスタ272に格納されることとする。
【0080】
なお、遅延回路25の出力側のレベルデータを保持するフリップフロップ回路260に対応づけられた加算器271では、前サイクル(EFM信号の基準周期1T前)にデータ保持回路26に保持された遅延回路25の入力側のレベルデータを、自身に対応するレベルデータに対し時系列的に前のレベルデータとして用いる。
【0081】
比較器274は、加算結果格納レジスタ272夫々に格納された加算結果と、閾値格納レジスタ273に格納された所定の閾値と、の比較を行う。この比較結果は、比較結果格納レジスタ275に格納されることとする。
【0082】
つぎに、前述したデータ処理回路27によって、EFM信号の極性反転タイミングが識別される旨を説明する。
例えば、図9に示すように、GrayZoneに対応するレベルデータを保持するフリップフロップ回路260が2つの場合とする。この場合、GrayZoneに対応する2つのレベルデータは、“1”若しくは“0”のいずれのレベルにも成り得る不定な状態となる。また、その2つのフリップフロップ回路260に対して時系列的に前のレベルデータを保持するフリップフロップ回路260群と、時系列的に後のレベルデータを保持するフリップフロップ回路260群とでは、互いに相反するレベルを保持することとなる。
【0083】
ここで、データ保持回路26に保持された複数のレベルデータにおいて、HからLへ切り替わる極性反転タイミングを有することとする。このとき、GrayZoneに対応する2つのレベルデータを含まない時系列的に連続した3つのレベルデータは、「“1”,“1”,“1”」若しくは「“0”,“0”,“0”」となる。このとき、算定される相関係数は“3”若しくは“0”である。
また、GrayZoneに対応する2つのレベルデータを両方含む時系列的に連続した3つのレベルデータは、「“1”,“0”,“1”」若しくは「“0”,“1”,“0”」となる。このとき、算定される相関係数は“2”若しくは“1”である。
【0084】
従って、この場合、GrayZoneに対応する2つのレベルデータの相関係数は時系列的に「“2”から“1”へ」と必ず切り替わることとなる。そして、データ処理回路27は、この事象を利用して、図10に示すように、時系列的に連続した3つのレベルデータの加算結果である相関係数(“3”,“2”,“1”,“0”)と、GrayZoneに対応する2つのレベルデータの切り替わりを識別するための閾値“1.5”との比較を行う。この結果、データ処理回路27は、GrayZoneを意識せず、EFM信号の極性反転タイミングをより確実に識別することが可能となる。
【0085】
なお、データ処理回路27は、時系列的に連続した3つのレベルデータと、それに対応する相関係数とを対応づけたテーブル情報を予め記憶してもよい。すなわち、データ処理回路27は、データ保持回路26に保持された時系列的に連続した3つのレベルデータを取得するとともに、その取得した3つのレベルデータに対応する相関係数を、予め記憶しておいたテーブル情報から求めることで、EFM信号の極性反転タイミングをより確実に識別できる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、その等価物も含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る光ディスク装置の詳細な構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るデータ保持回路に一括保持されるレベルデータ内容の具体例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る光ディスク装置の動作を説明する図である。
【図5】本発明の第2実施形態に光ディスク装置の詳細な構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る光ディスク装置の全体的な構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るライトストラテジを説明する図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るGrayZoneを説明する図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る光ディスク装置の詳細な構成を示す図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る光ディスク装置の動作を説明する図である。
【図11】従来の光ディスク装置の全体的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10 光ピックアップ 11、120 光ディスク
12、22 サーボ回路 13、23 2値化回路
14 デジタル信号処理回路 15 CD−ROMデコーダ
16 バッファRAM 17、31 マイコン
18 カウンタ 20 光ピックアップ
201 LD(Laser Diode) 203 PD(Photo Detector)
204 LD駆動回路 21 RFアンプ
24 デコーダ回路 25 遅延回路
251 第1遅延素子 253 PLL回路
254 VCO(Voltage Control Oscillator)
255 第2遅延素子 256 インバータ素子
257 バイアス回路 258 第1分周回路
259 第2分周回路
2501 位相比較器 2502 LPF(Low Pass Filter)
26 データ保持回路 260 フリップフロップ回路
27 データ処理回路 271 加算器
272 加算結果格納レジスタ 273 閾値格納レジスタ
274 比較器 275 比較結果格納レジスタ
28 メモリアクセス制御回路 29 メモリ
30 統計演算回路 32 エンコーダ回路
33 ライトストラテジ回路 34 遅延制御回路
35 セレクタ
100 CD記録再生装置 110、130 光ディスク装置
140 アナログ信号処理回路 150 デジタル信号処理回路
207 ライトパワー設定部 211 バイアスパワー設定部
208、212 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録された再生信号に基づいて前記光ディスクの評価を行う光ディスク装置において、
複数の第1遅延素子を直列接続して構成され、前記再生信号の2値化信号を前記直列接続の一方の側から供給して他方の側に向けて順次遅延させる遅延回路と、
前記遅延回路における前記複数の第1遅延素子の少なくとも一つより取得した前記2値化信号のレベルデータを保持するデータ保持回路と、
前記レベルデータに基づいて、前記2値化信号が一方のレベル又は他方のレベルを示す旨を識別するプロセッサと、
を有することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
基準クロックと出力信号とに基づいて制御電圧を生成し、前記制御電圧に基づいて発振する前記出力信号を生成するPLL回路を更に有しており、
前記遅延回路は、前記制御電圧に基づいて前記各第1遅延素子の遅延量を制御すること、を特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記データ保持回路は、前記レベルデータの数に応じた複数のフリップフロップ回路を有しており、
前記複数のフリップフロップ回路は、前記遅延回路より取得した前記2値化信号の複数のレベルデータ夫々が入力されて保持すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記データ保持回路は、前記遅延回路の前記第1遅延素子夫々から取得した前記レベルデータを一括保持すること、を特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記データ保持回路は、前記遅延回路の前記第1遅延素子のうち所定数置きに取得した前記レベルデータを一括保持すること、を特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記光ディスクへの記録データに対して所定の変調処理を施した変調データに基づいて前記光ディスクへ記録を行うための記録パルスを生成するとともに、前記記録パルスの生成元となる信号の遅延量を制御するための遅延制御回路を設けたライトストラテジ回路を有しており、
前記遅延回路は、前記ライトストラテジ回路に設けられた前記遅延制御回路と共用化したこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記データ保持回路において一括保持された複数のレベルデータ夫々の、連続する複数のレベルデータとの相関係数に基づいて、前記保持された複数のレベルデータの極性を識別する、データ処理回路を更に有しており、
前記プロセッサは、前記データ処理回路において識別された極性に基づいて、前記2値化信号が一方のレベル及び他方のレベルを示す旨を識別すること、を特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記データ処理回路は、前記データ保持回路において一括保持された複数のレベルデータ夫々に対して、前後の連続する二つのレベルデータと加算した結果を前記相関係数とし、前記加算した結果と所定の閾値との比較結果に基づいて前記極性を識別すること、を特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
光ディスクに記録された再生信号に基づいて行う光ディスクの評価方法において、
直列接続された複数の第1遅延素子に対し、前記再生信号の2値化信号を前記直列接続の一方の側から供給して他方の側に向けて順次遅延させる工程と、
前記直列接続における前記複数の第1遅延素子の少なくとも一つより取得した前記2値化信号のレベルデータを保持する工程と、
前記レベルデータに基づいて、前記2値化信号が一方のレベル又は他方のレベルを示す旨を識別する工程と、
を有することを特徴とする光ディスクの評価方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−127620(P2006−127620A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313359(P2004−313359)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】