説明

光ディスク装置用の表示装置及び表示入力装置

【課題】低価格であって、動作状況等を簡易な仕組みで的確に表現できるとともに、きめ細やかな指示・操作が可能であって、光ディスク装置と着脱可能な表示装置及び表示入力装置を提供する。
【解決手段】光ディスク装置100の動作状況を表示する表示装置200であって、前記表示装置200は、前記光ディスク装置100に着脱可能であることを特徴とし、前記表示装置200は、発光素子9によって前記動作状況を出力することを特徴とする。また、前記発光素子9は複数個であって、前記動作状況は点灯と消灯の組合せよって表現されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示入力装置に関し、特に光ディスクの動作状況等を詳細に表示できる光ディスク装置用の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示すように、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのディスク状記録媒体(以下、光ディスクという。)を駆動する光ディスク装置600の前面には、一般的に、外部から光ディスク装置600へのアクセス状況等を点灯、消灯等によって表現するアクセスランプ45と、ディスクトレイ46を排出する排出ボタン47と、光ディスク装置600の前面を覆うトレイベゼル(化粧板)49が形成されている。
【0003】
このように、光ディスク装置の前面は製造コストを低減するために単純質素な構成を有している。また、上述した構成以外にも、特許文献1に示すように、光ディスク装置に表示部を設け、光ディスクの面振れ量に関する情報を表示するものも知られている。
【特許文献1】特開2002−170251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つのアクセスランプでは、光ディスク装置に存在する多数の動作状況を的確に表現することができないという問題がある。また、排出ボタンは、ユーザからの指示を受け、ディスクトレイを排出するためだけの機能を有するのみであるため、光ディスク装置に対するそれ以外の指示、例えば、音楽CDの再生指示等は、当然に行うことができない。
【0005】
さらに、近年、PC(Personal Computer)やその周辺機器に対するユーザの嗜好は千差万別であり、光ディスク装置の単純質素な印象に必ずしも満足しているとは限らない。ユーザによっては、装飾的な光ディスク装置を好む可能性もあるし、また、制御盤のような、光ディスクの動作状況を詳細に表示する表示部や的確な指示が可能な指示インタフェースを備えた光ディスク装置を好む可能性もある。
【0006】
このような問題点に対しては、PC(Personal Computer)等の入出力装置に組み込まれたアプリケーションソフト等により表示装置(ディスプレイ)の画面(デスクトップ)上で擬似的に実現可能であるが、現実に光ディスク装置の前面を変更・改造することは多大なコストがかかり、さらには、光ディスク装置の製品価格が高騰してしまうという問題点があって、事実上不可能である。さらに、単純質素な光ディスク装置を好むユーザにとってはこのような変更等は好ましくなく、装飾的な光ディスク装置を好むユーザとの共用・共存は難しい。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、低価格であって、動作状況等を簡易な仕組みで的確に表現できるとともに、きめ細やかな指示・操作が可能であって、光ディスク装置と着脱可能な表示装置及び表示入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題点を解決するために、本発明の表示装置は、光ディスク装置の動作状況を表示する表示装置であって、前記表示装置は、前記光ディスク装置に着脱可能であることを特徴とする。このような構成により、光ディスク装置の前面に改造等を加えなくても、外部に配置される表示装置によって、光ディスク装置の動作状況を出力することができる。
【0009】
また、本発明は、前記表示装置が、発光素子によって前記動作状況を出力することを特徴とする。発光素子を点灯または消灯させることで、光ディスク装置の動作状況を表現することができる。
【0010】
また、本発明の表示入力装置は、光ディスク装置に対して着脱可能な表示入力装置であって、前記表示入力装置には、前記光ディスク装置に対する所望の要求が入力され、第1の通信路を介して前記光ディスク装置に出力され、前記光ディスク装置から前記要求に対する応答が第2の通信路を介して入力され、出力される表示入力手段が形成されることを特徴とする。このような構成により、光ディスク装置の前面に改造等を加えなくても、外部に配置される表示入力装置によって、光ディスク装置に対し所望の要求が可能となり、さらには、当該要求に対する光ディスク装置の状況を出力させることができる。
【0011】
また、本発明は、前記表示入力装置が、発光素子によって前記動作状況を出力することを特徴とする。発光素子を点灯または消灯させることで、光ディスク装置の動作状況を表現することができる。
【0012】
また、本発明は、前記表示入力装置が、液晶ディスプレイによって前記動作状況を表示することを特徴とする。液晶ディスプレイを使用することで、詳細な表示が可能となる。
【0013】
前記発光素子は複数個であって、前記動作状況は点灯と消灯の組合せよって表現されることを特徴とする。発光素子が複数個使用されることで、点灯と消灯による出力は複数の組合せが可能となり、点灯または消灯という簡易な仕組みによって、光ディスク装置の多くの状況を表現することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る表示装置または表示入力装置によれば、光ディスク装置の前面に改造等の加工を施さなくても、低価格であって、動作状況を的確に表現できるとともに、きめ細やかな指示・操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光ディスク装置100を模式的に示す側面図である。図1において、光ディスク装置100には、ATA(Advanced Technology Attachment)やUSB(Universal Serial Bus)等で規格化された通信路1を介してマザーボード3が接続されている。マザーボード3はプリント回路基板であって、PC等の入出力装置を制御する図示しない制御装置が設けられている。入出力装置は当該通信路1を介して光ディスク装置100にアクセスし、光ディスクに記録されるデータの送受信等を行う。
【0017】
また、光ディスク装置100の背面には、光ディスク装置100の動作状況を出力する3個の出力端子5a、5b、5cが天井面から底面にかけて並んで配置されている。これらの出力端子5a〜5cの一方は、光ディスク装置100に内蔵される制御回路基板7に接続され、他方は、外部に配置される表示装置(以下、外部表示装置という。)200に接続される。
【0018】
外部表示装置200は光ディスク装置100の動作状況をユーザに認識させる装置である。外部表示装置200の前面には、LED(Light Emitting Diode)等で構成された3個の発光素子9a、9b、9cが天井面から底面にかけて並んで配置されている。これらの発光素子9a〜9cは、外部表示装置200に内蔵される制御回路基板11に接続される。
【0019】
より詳しくは、制御回路基板11にはCPU等の制御部13と、制御部13とデータの送受信を行うSRAM(Static Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の記憶部15と、制御部13からの信号によって発光素子9a、9b、9cを制御する周辺制御IC(Integrated Circuit)17とが搭載され、上述した発光素子9a、9b、9cは周辺制御IC17に接続される。
【0020】
また、外部表示装置200の背面には、光ディスク装置100から通信路18a、18b、18cを介して動作状況が入力される3個の入力端子19a、19b、19cが天井面から底面にかけて並んで配置されている。これらの入力端子19a〜19cの一方は、上述した制御回路基板11に搭載される周辺制御IC17に接続され、他方は、光ディスク装置100の出力端子5a、5b、5cに接続される。
【0021】
すなわち、図1に示すように、出力端子5aには入力端子19aが、出力端子5bには入力端子19bが、出力端子5cには入力端子19cがそれぞれ接続される。したがって、光ディスク装置100の出力端子5a、5b、5cから出力された動作状況を示す信号は外部表示装置200の入力端子19a、19b、19cを介して、周辺制御IC17に入力し、当該信号に基づいて発光素子9a、9b、9cを制御する。
【0022】
続いて、光ディスク装置100及び外部表示装置200の動作について図2を参照して説明する。
【0023】
図2は、出力端子5a、5b、5cの出力と光ディスク装置100の状態との関係を示す表である。図2において、「L」は出力端子5a、5b、5cから動作状況を示す信号が出力されていない状態を表し、「H」は出力端子5a、5b、5cから動作状況を示す信号が出力されている状態を表している。
【0024】
例えば、出力端子5a、5b、5cから動作状況を示す信号がまったく出力されていない場合、すなわち、図2において出力端子5aが「L」、出力端子5bが「L」、出力端子5cが「L」である場合、発光素子9a〜9cはすべて消灯することになり、ユーザは光ディスク装置100の状態が「異常状態」であることが分かる。また、出力端子5aが「H」、出力端子5bが「H」、出力端子5cが「L」である場合、発光素子9a、9bが点灯、発光素子9cが消灯することになり、ユーザは光ディスク装置100の状態が「ディスク有り(読込中)」であることが分かる。
【0025】
このように、3個の出力端子5a、5b、5cによって表現できる光ディスク装置100の状態は、図2に示すように8通りである。この組み合わせは出力の有無という2通りに対し、3個の出力端子があるため2によって求めることができる。したがって、光ディスク装置100の状態をさらに細分化したい場合には、出力端子の数を増加することで、2(出力端子の数)とおりの状態を表現することが可能である。
【0026】
以上説明したように、光ディスク装置100に動作状況を出力する出力端子を複数個(本実施形態では出力端子5a、5b、5cの3個)設け、当該出力端子から動作状況を出力させることで、例えば、それぞれの出力端子に直接的に発光素子が接続されれば、発光素子が1個であった場合に比べて光ディスク装置のより多くの状態を表現することができるようになる。また、ATAやUSB等で規格化された通信路を使用するより、このような単純な構成によって入出力に伴う必要な負荷が低く抑えられ、設計も簡便でありながら、多くの動作状況を表現することが可能である。
【0027】
また、光ディスク措置100とは別に、光ディスク装置100の状態を出力する外部表示装置200を光ディスク装置100に接続し、当該外部表示装置200に発光素子を設けても同様の効果を得ることができる。さらに、外部表示装置200が付属品であるため、いわゆる単純質素な光ディスク装置を好むユーザであれば、本実施形態のような外部表示装置200を使用しないでもよく、装飾的な光ディスク装置を好むユーザが外部表示装置200を使用すればよい。すなわち、外部表示装置200を付属品とすることで、ユーザの嗜好に合わせた使用方法を提供することができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る光ディスク装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、図1に示される光ディスク装置の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略し、後述する図面においても同様とする。
【0029】
図3は、本発明の第2実施形態にかかる光ディスク装置300を模式的に示す側面図であり、また、図4は、本発明の第2実施形態にかかる光ディスク装置300を模式的に示す他の側面図である。図3に示すように、光ディスク装置300には、第1実施形態と同様、通信路1を介してマザーボード3が接続される。第2実施形態においても、マザーボード3を搭載する入出力装置は当該通信路1を介して光ディスク装置300にアクセスし、光ディスクに記録されるデータの送受信等を行う。
【0030】
また、光ディスク装置300の背面には、外部に配置される表示入力装置(外部表示入力装置という。)400から第1の通信路20を介して出力される入力信号を入力する入力端子23及び光ディスク装置300の動作状況を第2の通信路22を介して出力する出力端子21が天井面から底面にかけて並んで配置されている。なお、第1の通信路20と第2の通信路22で用いる通信は、シリアル通信(非同期、同期)やI2C(Inter Integrated Circuit)などの通信路1に比較して通信速度も回路規模もプロトコルの内容も簡易のものであり、通信の手段によっては通信線が2本以外になる場合もあるが要求方向と応答方向の2つの向きが概念的にあるという意味で第1の通信路20と第2の通信路22が定義される。出力端子21及び入力端子23のそれぞれ一方は、光ディスク装置300に内蔵される制御回路基板7に接続され、それぞれ他方は、外部に配置される外部表示入力装置400に接続される。
【0031】
外部表示入力装置400の側面前方には、前方に向かって支持部材25が取り付けられており、当該支持部材25の先方には、光ディスク装置300の状態等を表示するとともに、所望の操作・入力が可能な表示入力手段27が回動可能に取り付けられている。
【0032】
表示入力手段27の前面には、発光素子9a、9b、9c、9dが天井面から底面にかけて並んで配置され、さらに、発光素子9dの下方にはスイッチ29が配置されている。これらの発光素子9a〜9d及びスイッチ29は、外部表示入力装置400に内蔵される制御回路基板11に接続される。
【0033】
スイッチ29は表示入力手段27を移動させ、ディスクトレイ31を排出させるスイッチである。すなわち、ディスクトレイ29が排出されていない状態(以下、通常動作時形態という。)では、図3に示すように、表示入力手段27は支持部材25に対して垂直方向に配置されるが、スイッチ29が押されることでディスクトレイ31が前方に排出されるとともに、表示入力手段27は水平となるように底面が弧を描くように上方に移動し、ディスクトレイ31の排出が完了した状態(以下、トレイイジェクト時形態という。)では、図4に示すように、表示入力手段27は水平となって停止する。また、トレイイジェクト時形態において、スイッチ29が押されると、上述した動作と逆の動作を行って通常動作時形態に移行する。
【0034】
外部表示入力装置400の背面には、スイッチ29から出力される出力端子35及び光ディスク装置300から動作状況が入力される入力端子33が天井面から底面にかけて並んで配置されている。出力端子35及び入力端子33のそれぞれ一方は、外部表示入力装置400に内蔵される制御回路基板11に接続され、それぞれ他方は、光ディスク装置300に接続される。
【0035】
このように構成された光ディスク装置300では、通常動作時形態において、光ディスク装置300の動作状況が出力端子21から出力され、外部表示入力装置400の入力端子33に入力され、当該動作状況に基づいて制御回路基板11が発光素子9a〜9dの点灯、消灯を制御する。
【0036】
また、表示入力手段27に設けられたスイッチ29がユーザによって押されると、制御回路基板11がその旨を検出し、信号として出力端子35から光ディスク装置300の入力端子23に向けて出力する。これと同期して、制御回路基板11は表示入力手段27をトレイイジェクト時形態となるように動作させる。当該動作は、例えば、支持部材25に設けられたギヤ等を駆動して行われる。さらに、光ディスク装置300の制御回路基板7は外部表示入力装置400からの信号を受信すると、ディスクトレイ31を前方に排出する。
【0037】
以上説明した第2実施形態にかかる光ディスク装置300では、第1実施形態で説明した外部表示装置200では複数の発光素子9a〜9dを設け出力のみを行うのに対し、第2実施形態で説明した外部表示入力装置400ではさらにスイッチ29を設けて入力及び出力を行う点で相違する。
【0038】
したがって、上述した入出力に伴った出力端子21及び入力端子23を光ディスク装置300に設けることで、光ディスク装置300のトレイ31を排出させる等、光ディスク装置300の拡張的な使用が可能となる。
【0039】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る光ディスク装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
図5は、本発明の第3実施形態にかかる光ディスク装置300を模式的に示す側面図である。本実施形態にかかる光ディスク装置300は第2実施形態において説明した光ディスク装置300と同様の構成を有し、外部表示入力装置500が第2実施形態において説明した外部表示入力装置400と相違する。なお、通信路1及びマザーボード3は省略する。
【0041】
外部表示入力装置500の前面には、表示入力手段37とスイッチ29とが同一平面上に形成される。表示入力手段37には、光ディスク装置300に搭載されるディスクトレイを排出させるスイッチ29と、光ディスク装置300に対する要求を適宜選択できる複数のスイッチ39が形成され、当該スイッチ39はすべて周辺制御IC17に接続される。
【0042】
また、外部表示入力装置500の天井面には、スピーカ等の音声出力部41が配置され、周辺制御IC17に接続される。音声出力部41は光ディスク装置300内で駆動する音楽CDの音声を出力したり、光ディスク装置300の動作状況を音声で出力したりする機能を有する。
【0043】
さらに、上述した表示入力手段37について図面を参照して詳細に説明する。図6は表示入力手段37の正面図である。図6に示すように、表示入力手段37は、スイッチ39a〜39eと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部43とを備える。
【0044】
スイッチ39aは読み込み処理速度を切替えるスイッチである。一般に、書き込みの品質が粗悪な光ディスクや、傷のある光ディスクに対し光ディスク装置が高速の読み込み処理を行う場合、正確に読み込み処理が行えずに失敗する可能性が高い。このような場合には、光ディスク装置は読み込み処理速度を段階的に減速し、読み込み処理が行える程度にまで減速する処理が行われるが、読み込み処理が正常に行われない可能性が高いことをユーザが予め認識している場合には、段階的な減速を光ディスク装置に行わせることは処理に時間がかかる。したがって、スイッチ39aは光ディスクの読み込み処理速度を切替える機能を有しており、指定された処理速度で読み込み処理が可能となる。指定された読み込み処理速度は表示部43に表示され、例えば、本実施形態においては「R:2×」と表示され、2倍速の読み込み処理が行われるということをユーザは視認できる。
【0045】
スイッチ39bは書き込み処理速度を切替えるスイッチである。上述した内容と同様、書き込みの品質が粗悪な光ディスク等に対し光ディスク装置が高速の書き込み処理を行う場合、正確に書き込み処理が行えずに失敗する可能性が高い。このような場合には、光ディスク装置は書き込み処理速度を段階的に減速し、書き込み処理が行える程度にまで減速する処理が行われるが、書き込み処理が正常に行われない可能性が高いことをユーザが予め認識している場合には、段階的な減速を光ディスク装置に行わせることは処理に時間がかかる。したがって、スイッチ39bは光ディスクの書き込み処理速度を切替える機能を有しており、指定された処理速度で書き込み処理が可能となる。指定された書き込み処理速度は表示部43に表示され、例えば、本実施形態においては「W:8×」と表示され、8倍速の書き込み処理が行われるということをユーザは視認できる。
【0046】
スイッチ39cは、光ディスク装置300の駆動速度を低下させるスイッチである。例えば、光ディスク装置300が読み込み処理速度を2倍速より速い速度で読み込み処理を行った場合、風切り音が耳障りであったり、ディスクトレイ31の排出・挿入音が耳障りであったりする場合、読み込み処理速度を2倍速に限定したり、ディスクトレイ31の排出・挿入の動作速度を低下させることで、これらの駆動によって生じる駆動音を低減させることが可能となり、夜間等の使用にも好適である。
【0047】
当該スイッチ39cはOn/Offで切り替わり、指定されたOn/Offは表示部43に表示される。例えば、本実施形態においては「Off」と表示され、光ディスク装置300の駆動速度を低下させないということをユーザは視認できる。なお、スイッチ39cにおいてOnが選択された場合には、上述した読み込み処理速度及び書き込み処理速度は、例えば、2倍速に限定される。また、当該スイッチ39cは、静音と引き換えに動作速度を犠牲にしているため、パフォーマンスを求める場合は、スイッチ39cをOffとすることが好ましい。
【0048】
スイッチ39dは、カーソルスイッチである。例えば、スイッチ39dを押すことで表示部43の表示内容を切替えることが可能である。スイッチ39eは、上述したスイッチ39a〜39cの指定を確定するか取り止めるかのスイッチである。具体的には、スイッチ39a〜39cで指定した各内容を確定する場合には「OK」が押され、取り止める場合には「Cancel」が押される。なお、ディスクトレイ31を排出・挿入させるスイッチ29は、図5において表示入力手段37と別の構成としたが、図6に示すように一体形成することも可能である。また、表示部43は、現在の読み込み処理速度、書き込み処理速度以外にも、CDやDVD等の光ディスクの種類、光ディスクの容量、等の情報を表示する。
【0049】
上述したように、本実施形態にかかる光ディスク装置300には、外部表示入力装置500が接続され、当該外部表示入力装置500には各種スイッチ39a〜39e及び表示部43が形成される。従来では、光ディスク装置300の動作状況等を、光ディスク装置300に接続されたPCのディスプレイ等で表示したり、PCに記憶されたアプリケーションソフトを通じて光ディスク装置300に指示・要求を出力したりしていたが、本実施形態のように、直接スイッチ39a〜39cによって動作を切替えるほうが処理は速い。また、表示部43までの通信路20、22が短いために、データ転送速度に及ぼす影響は無視できるほどに小さく、データを表示するまでの時間が短くてすむという利点がある。
【0050】
次に上述した光ディスク装置300と外部表示入力装置500とのデータ転送の仕組みについて図面を参照して説明する。
【0051】
図7は、光ディスク装置300と外部表示入力装置500のデータ通信を示す概念図である。図7に示すように、ユーザから外部表示入力装置500に所望の要求を入力すると、外部表示入力装置500は光ディスク装置300に対し要求コマンドを出力する。これを受信する光ディスク装置300は、要求コマンドに対応する応答コマンドを外部表示入力装置500に出力する。すなわち、外部表示入力装置500から要求コマンドが出力されない場合には、応答コマンドが出力されることはない。
【0052】
上述した要求コマンドと応答コマンドは具体的に図8に示す表によって表される。例えば、ユーザによって光ディスク装置の状態が要求されれば、外部表示入力装置500はその旨の要求コマンドを光ディスク装置300に出力する。当該要求コマンドを受信した光ディスク装置300は光ディスク装置の状態結果を示す応答コマンドを出力し、外部表示入力装置500に出力する。このように要求コマンドと応答コマンドとの通信によって、ユーザは光ディスク装置300の状態等を外部表示入力装置500の表示部43によって視認することが可能である。この要求コマンドまたは応答コマンドのパケットは、例えば、図9に示すようなデータ構造を有している。
【0053】
このように構成された外部表示入力装置500の動作について図10に示すフローチャートを参照して簡単に説明する。なお、図10において説明する各処理は、CPU等の処理装置あるいはそこで実行されるプログラム、およびハードディスク等の記憶装置等により実現される。
【0054】
まず、外部表示入力装置500の電源がオンとなると(S101)、外部表示入力装置500に搭載された制御部13は初期化される(S102)。その後、光ディスク装置300に接続中である旨を表示部43に出力し(S103)、外部表示入力装置500と光ディスク装置300との通信確認を行うためのテストコマンドを外部表示入力装置500から出力する(S104)。
【0055】
当該テストコマンドに対し、光ディスク装置300から応答コマンドがなかった場合には(S105:No)、再度テストコマンドを発行する(S104)。テストコマンドに対し、光ディスク装置300から応答コマンドがあった場合には(S105:Yes)、次に光ディスク装置300の状態を取得する状態コマンドを発行する(S106)。
【0056】
当該状態コマンドに対し、光ディスク装置300から応答コマンドがなかった場合には(S107:No)、S102の処理に戻る。状態コマンドに対し、光ディスク装置300から応答コマンドがあった場合には(S107:Yes)、取得した応答コマンドに組み込まれた状態のデータを表示部43に出力する(S108)。
【0057】
ここで、ユーザによって表示入力手段37のスイッチ39a等が押された場合、光ディスク装置300に対し要求の入力があったものと認識し(S109:Yes)、その要求を表示部43に出力し(S110)、当該要求のコマンドを光ディスク装置300に対し発行する(S111)。なお、ユーザから何も要求がない場合には(S109:No)、S106に戻る。
【0058】
当該要求コマンドに対し、光ディスク装置300から応答コマンドがなかった場合には(S112:No)、S102の処理に戻る。要求コマンドに対し、光ディスク装置300から応答コマンドがあった場合には(S112:Yes)、当該要求コマンドに対し取得した応答コマンドに組み込まれた応答結果のデータを表示部43に出力する(S113)。そして、出力後、電源がオフとなった場合には(S114:Yes)、処理を終了するが、そうでない場合には、S106に戻る。
【0059】
このように光ディスク装置300では、ユーザが外部表示入力装置500の表示入力手段37を操作すると、その操作に基づく要求コマンドが光ディスク装置300に出力される。当該要求コマンドを受信した光ディスク装置300は、当該要求コマンドに対応した応答コマンドを出力する。当該応答コマンドには、図8に示すような結果のデータが図9に示すコマンドパケットのDATAに組み込まれる。応答コマンドを受信した外部表示入力装置500は、表示入力手段37の表示部43に応答コマンドに組み込まれた結果のデータを出力する。このような仕組みによって、ユーザは光ディスク装置300の詳細な動作状況等を視認することが可能となる。
【0060】
なお、本発明は、上述した第1実施形態から第3実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。例えば、上述した実施形態では、3つの出力端子を使用した場合について説明したが、出力端子の数は3つに限られず、それ以上の個数を使用して、それぞれに異なる発光素子を接続してもよい。
【0061】
複数の発光素子を組み合わせ、発光素子の発色をユーザの所望の発色に変更することも可能である。出力端子の設置場所に関しても、背面に限られず、入出力装置用筐体に対し接触妨害とならない範囲で側面や天井面等に設置してもよく、出力端子や入力端子の位置・大きさ・範囲はこれに限るものではない。
【0062】
また、第3実施形態において説明した表示入力手段37の各種スイッチ39aから39eについてもこれに限るものではない。例えば、光ディスクに対する書き込み処理時の線速度を設定するスイッチや、書き込み処理時にデータをスクランブル化するか否かを切替えるスイッチを設けてもよい。これらのスイッチを設けることで、記録密度を変更したり、機密データの書き込み処理したりすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明に係る表示装置及び表示入力装置よれば、単純な構成を維持しつつ、低価格であって、動作状況を的確に表現できるとともに、きめ細やかな指示・操作が可能となり産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、第1実施形態における光ディスク装置の構成を示す側面図である。
【図2】図2は、出力端子の出力と光ディスク装置の状態との関係を示す表である。
【図3】図3は、第2実施形態における光ディスク装置の構成を示す側面図である。
【図4】図4は、第2実施形態における光ディスク装置の構成を示す他の側面図である。
【図5】図5は、第3実施形態における光ディスク装置の構成を示す側面図である。
【図6】図6は、表示入力手段の正面図である。
【図7】図7は、光ディスク装置と外部表示入力装置とのデータ通信における概念図である。
【図8】図8は、要求コマンドと応答コマンドとの関係を示す表である。
【図9】図9は、コマンドパケットのデータ構造である。
【図10】図10は、外部表示入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、光ディスク装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 通信路
3 マザーボード
5a、5b、5c、21、35 出力端子
7 制御回路基板
9a、9b、9c、9d 発光素子
11 制御回路基板
13 制御部
15 記憶部
17 周辺制御IC
18a、18b、18c 通信路
19a、19b、19c、23、33 入力端子
20 第1の通信路
22 第2の通信路
25 支持部材
27、37 表示入力手段
29、39、39a、39b、39c、39d、39e スイッチ
31、46 ディスクトレイ
41 音声出力部
43 表示部
45 アクセスランプ
47 排出ボタン
49 トレイベゼル(化粧板)
100、300、600 光ディスク装置
200 表示装置
400、500 表示入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク装置の動作状況を表示する表示装置であって、
前記表示装置は、前記光ディスク装置に着脱可能であることを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記表示装置は、発光素子によって前記動作状況を出力することを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
光ディスク装置に対して着脱可能な表示入力装置であって、
前記表示入力装置には、前記光ディスク装置に対する所望の要求が入力され、第1の通信路を介して前記光ディスク装置に出力され、前記光ディスク装置から前記要求に対する応答が第2の通信路を介して入力され、当該応答が出力される表示入力手段が形成されることを特徴とする、表示入力装置。
【請求項4】
前記表示入力装置は、発光素子によって前記動作状況を出力することを特徴とする、請求項3に記載の表示入力装置。
【請求項5】
前記表示入力装置は、液晶ディスプレイによって前記動作状況を表示することを特徴とする、請求項3に記載の表示入力装置。
【請求項6】
前記発光素子は複数個であって、前記動作状況は点灯と消灯の組合せよって表現されることを特徴とする、請求項2または4に記載の表示入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−10054(P2008−10054A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178237(P2006−178237)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000106944)シナノケンシ株式会社 (316)