説明

光ディスク装置

【課題】直径の異なる2種類のディスクをシャーシ内に誘導可能なレバーであっても、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、ディスク回転時にレバー先端部がディスクに接触することを確実に防ぐ光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】挿入されるディスクの周囲に当接して回動しながら回転テーブル上にディスクを引き込むレバー301と、を具備し、引き込みレバー301の支点は、回動支点が固定される固定支点位置305aと、回動支点が引き込みレバー301の回動角度に応じて移動する移動支点領域305bとの間を移動可能であって、引き込みレバー301の待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置305aを回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域305bに沿って回動支点を移動させながら回動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体への記録、または再生を行う光ディスク装置に関し、特に外部から光ディスクを直接挿入し、または直接排出できる、いわゆるスロットイン方式の光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスクの端面に複数のレバーを当接させてディスクを誘導するスロットイン方式の光ディスク装置がある。このスロットイン方式の光ディスク装置は、現在ディスクの直径が12cmに対応できるものと、直径が8cmと12cmの双方に対応できるものとがある。直径が8cmと12cm双方の光ディスクに対応できる光ディスク装置は、8cmと12cmを共用で引き込み可能な引き込みレバーを有しており、この引き込みレバーを利用して8cmディスクと12cmディスクの双方に対応できるようになっている。
【0003】
引き込みレバーは、12cmディスクをシャーシ内に収納する場合、引き込みレバー自身の回動運動によりその先端部をディスクに当接させ12cmディスクを誘導すると共に、12cmディスクを収納後、そのディスクを回転させる際に引き込みレバーが干渉しないようにしなければならない。
【0004】
また、引き込みレバーは、8cmディスクをシャーシ内に収納する場合、引き込みレバー自身の回動運動によりその先端部をディスクに当接させ8cmディスクを誘導しながら8cmディスクを押し込むと共に、8cmディスクを収納後、そのディスクを回転させる際に引き込みレバーが干渉しないようにしなければならない。
【0005】
このように、引き込みレバーは、ディスクに当接する先端部が、8cmディスクもしくは12cmディスクの挿入を待ち受ける待機位置から引き込みレバーの最大回動角度である12cmディスク回転時の待避位置まで移動する必要がある。また、8cmディスクもしくは12cmディスクの挿入を待ち受ける待機位置は、8cmディスクもしくは12cmディスクのいずれが挿入されるかわからないので、8cmディスクと12cmディスクの双方に対応でき、また12cmディスクを挿入可能な開口のどの位置から小さな8cmディスクが挿入されても対応できるようにしなければならず、その位置を精密に決定する必要がある。
【特許文献1】特開2003−045110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、引き込みレバーは、レバーの回転運動によりその先端部が円軌道を描くため、8cmディスクもしくは12cmディスクの挿入を待ち受ける待機位置、すなわち引き込みレバーの待機位置を決めると、12cmディスク回転時の待避位置は引き込みレバーの回動中心の配置が限られた中では自ずと決まる。
【0007】
同様に、12cmディスク回転時の待避位置、すなわち引き込みレバーの待避位置を決めると、8cmディスクもしくは12cmディスクの挿入を待ち受ける待避位置は引き込みレバーの回動中心の配置が限られた中では自ずと決まる。
【0008】
このように、引き込みレバーは回転運動によりその先端部が円軌道を描くため、引き込みレバーの待機位置と、引き込みレバーの待避位置とを、それぞれ最適位置にすることができないという問題があった。
【0009】
引き込みレバーの待機位置が最適でない場合、ディスク挿入の際に引き込みレバーが過剰な力を受けたり、8cmディスク挿入完了位置まで正しくディスクを誘導できなかったりする。また引き込みレバーの待避位置が最適でない場合、ディスク回転時に引き込みレバーの先端部がディスクに接触しディスク回転時に無駄な負荷を与えてしまう。特に、12cmディスク回転時の引き込みレバーの待避位置は、シャーシ内側面との干渉も考慮する必要があるので、その最適位置は限られた領域になる。
【0010】
また、8cmディスクと12cmディスクの双方に対応できる光ディスク装置では、12cmディスクのみに対応するものに比べ部品点数が多くなり、薄型化、小型化する際に制約を受けるという問題があった。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、直径の異なる2種類のディスクをシャーシ内に誘導可能なレバーであっても、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、ディスク回転時に引き込みレバーの先端部がディスクに接触することを確実に防ぐ光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、第1ディスクとこの第1ディスクと径の異なる第2ディスクとを保持する回転テーブルと、挿入されるディスクの周囲に当接して回動しながら回転テーブル上にディスクを誘導するレバーと、を具備し、レバーの支点は、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点がレバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、レバーの待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置を回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することを特徴とする光ディスク装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成により、レバーの支点が、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点がレバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、レバーの待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置を回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することによって、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせにより第1ディスクもしくは第2ディスクの挿入を待ち受けるレバー先端部の待機位置と第2ディスク回転時のレバー先端部の待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。その結果、直径の異なる2種類のディスクをシャーシ内に誘導可能なレバーであっても、レバー先端部の待機位置と待避位置をそれぞれの最適位置にするので、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、ディスク回転時にレバー先端部がディスクに接触することを確実に防ぐ光ディスク装置を実現できる。
【0014】
また、レバーの支点が、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点が前記レバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、レバーの待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置を回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することによって、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせによりレバーに近接する部品との干渉及びシャーシとの干渉を考慮して、レバー先端部が移動する軌道を自由に決定できるので、薄型化、小型化が可能な光ディスク装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
請求項1記載の発明は、第1ディスクとこの第1ディスクと径の異なる第2ディスクとを保持する回転テーブルと、挿入されるディスクの周囲に当接して回動しながら回転テーブル上にディスクを誘導するレバーと、を具備し、レバーの支点は、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点がレバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、レバーの待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置を回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することを特徴とするものである。レバーの支点が、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点がレバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、レバーの待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置を回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することによって、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせにより第1ディスクもしくは第2ディスクの挿入を待ち受けるレバー先端部の待機位置と第2ディスク回転時のレバー先端部の待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。その結果、直径の異なる2種類のディスクをシャーシ内に誘導可能なレバーであっても、レバー先端部の待機位置と待避位置をそれぞれの最適位置にするので、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、ディスク回転時にレバー先端部がディスクに接触することを確実に防ぐ光ディスク装置を実現できる。また、レバーの支点が、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点が前記レバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、レバーの待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置を回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することによって、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせによりレバーに近接する部品との干渉及びシャーシとの干渉を考慮してレバー先端部が移動する軌道を自由に決定できるので、薄型化、小型化が可能な光ディスク装置を実現できる。
【0016】
請求項2記載の発明は、レバーの支点を保持する基台を設け、レバーの支点は基台に設けられた突起であり、レバーに設けられた長孔に沿って移動可能であることを特徴とするものである。これにより、長孔に対する突起の係合位置を変化させるので、レバーの回動支点が固定される固定支点位置と、レバーの回動支点がレバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域とを、容易な構成で実現できる。
【0017】
請求項3記載の発明は、レバーに第2突起を設け、また、基台に第2長孔を設け、突起を中心とした円の円周に沿って第2突起が移動する第1領域と、レバーが所定角度を超えて回動すると突起を中心とした円の円周とは異なる直線状の溝に沿って第2突起が移動する第2領域と、を有し、突起は、レバーが所定角度を超えて回動すると、第2突起が第2長孔の第1領域から第2領域に移動することによって、長孔の移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することを特徴とするものである。これにより、レバーの回動角度が所定角度より大きい場合には、突起が長孔の移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動するので、第1ディスクもしくは第2ディスクの挿入を待ち受けるレバー先端部の待機位置に影響を受けることなく、第2ディスク回転時のレバー先端部の待避位置を最適位置にできる。
【0018】
請求項4記載の発明は、第2長孔の第2領域が、第1領域から離れるに従い長孔の固定支点位置との距離が近づくように配置されていることを特徴とするものである。これにより、レバーの第2突起が第2長孔の第2領域に沿って移動する際にレバーの支点を連続的に移動させ、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を緩やかに変化させるので、突起が長孔を移動する際に長孔から急激な負荷を受けないようにできる。
【0019】
請求項5記載の発明は、第1ディスクをレバーで誘導する際、第2突起は第2長孔の第1領域のみを移動し、突起は固定支点位置に位置し続けることを特徴とするものである。これにより、第1ディスクをレバーで誘導する際に、レバーに直線運動を行わせず回転運動のみにするので、レバー先端部がディスクの周囲に当接しながらディスクを誘導する力にロスを生じることがない。
【0020】
請求項6記載の発明は、第2ディスクをレバーで誘導する際、第2突起は第2長孔の第1領域を移動後、第2長孔の第2領域を移動し、第2突起が第2長孔の第1領域を移動するとき突起は固定支点位置に位置し、第2突起が第2長孔の第2領域を移動するとき突起は移動支点領域に位置することを特徴とするものである。これにより、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、容易な構成で、第1ディスクもしくは第2ディスクの挿入を待ち受けるレバー先端部の待機位置と第2ディスク回転時のレバー先端部の待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。
【0021】
請求項7記載の発明は、第2突起が第2長孔の第1領域を移動するとき、レバーの先端が移動する軌道を円軌道にし、第2突起が第2長孔の第2領域を移動するとき、レバーの先端が移動する軌道を楕円軌道にすることを特徴とするものである。これにより、光ディスクに当接するレバー先端部の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、簡単な回動軌道の変更で、第1ディスクもしくは第2ディスクの挿入を待ち受けるレバー先端部の待機位置と第2ディスク回転時のレバー先端部の待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。
【0022】
請求項8記載の発明は、レバーの回動支点が、レバーが第1ディスクに当接する直前に、第1ディスクが当接するレバーの端部と第1ディスクの中心を結ぶ線より回転テーブル側に位置することを特徴とするものである。これにより、第1ディスクの直径より幅広いディスク挿入口から第1ディスクを挿入する際、第1ディスクの中心がディスク挿入口の中心軸から大きくずれて挿入される場合であっても、レバーが回動できない方向にディスク挿入時の力をかけないので、レバーに無理な負荷がかかることがない。その結果、レバーに無理な負荷がかかることがないので、ディスク挿入口から第1ディスクを挿入する際のレバー破損を回避できる。
【0023】
請求項9記載の発明は、突起と第2突起は円柱形状であり、この円柱形状の側面がそれぞれ長孔、第2長孔に沿うように移動することを特徴とするものである。これにより、突起と長孔との係合と、第2突起と第2長孔との係合とをスムーズに行うので、レバーを回動させる力を最小限に抑えることができる。
【0024】
請求項10記載の発明は、レバーが最大に回動したとき、基台の突起が位置する移動支点領域の溝幅が固定支点位置の溝幅より大きいことを特徴とするものである。これにより、レバーが最大に回動してレバーの先端部が待避位置に移動したとき、レバーの先端部がシャーシの内壁に接触し、その接触により基台の突起とレバーの長孔との係合部に負荷が発生する場合であっても、レバーの先端部とは逆の端部を移動支点領域の溝幅の範囲内で移動させることによりその負荷を逃がすので、基台の突起とレバーの長孔との間に過大な負荷をかけることがない。その結果、基台の突起とレバーの長孔との間に過大な負荷をかけることがないので、レバーの先端部がシャーシの内壁に接触したことが原因で基台の突起とレバーの長孔が破損することがない。
【0025】
請求項11記載の発明は、第1ディスクが直径8cmであり、第2ディスクが直径12cmであることを特徴とするものである。これにより、直径8cmディスクを挿入する際には、光ディスクに当接するレバー先端部の回動する軌道を円軌道とし、直径12cmディスクを挿入する際には、光ディスクに当接するレバー先端部の回動する軌道を当初円軌道とし、その後楕円軌道に変更するので、直径8cmディスクと直径12cmディスクの挿入を待ち受ける待機位置と、直径12cmディスク回転時の待避位置とを、それぞれの最適位置にできる。
【0026】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態1においては、光ディスク装置に装着する第1ディスクを直径8cm小径ディスク、第2ディスクを直径12cm大径ディスクとして説明する。
【0027】
図1は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図、図2は本発明の実施の形態1における光ディスク装置の蓋体の平面図、図3は本発明の実施の形態1におけるシャーシ外装のフロント面に装着されるベゼルの正面図である。図1において、1aは大径ディスク、1bは小径ディスク、10はベース本体、10aは深底部、10bは浅底部、11はディスク挿入口、12はコネクタ、30はトラバース、31はスピンドルモータ、31aは回転テーブル、32はピックアップ、33は駆動モータ、40はメインスライダー、80は大径引き込みレバー、81は第2ディスクガイド、90はサブレバー、92は回動支点、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、102は回動支点、103は当接部、110は規制レバー、111は回動支点、112は第6ディスクガイド、130は蓋体、140はベゼル、180はセットガイドレバー、181は回動支点、182は第5ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、202は先端部、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、401はリアベース、501は線である。なお、本実施の形態1における回転テーブルは回転テーブル31a、レバーは引き込みレバー301、基台はリアベース401に相当する。
【0028】
本実施の形態1における光ディスク装置は、ベース本体10と蓋体130とからシャーシ外装が構成され、このシャーシ外装のフロント面にベゼル140が装着されている。ベゼル140にはディスク挿入口11が設けられ、このディスク挿入口11から直径12cm大径ディスク1aと直径8cm小径ディスク1bを直接挿入するスロットイン方式の構成となっている。
【0029】
大径ディスク1aまたは小径ディスク1bへの記録再生機能や、大径ディスク1aまたは小径ディスク1bのローディング機能を行う各部品は、ベース本体10に装着される。
【0030】
ベース本体10は、蓋体130に対する深底部10aと浅底部10bが形成され、浅底部10bによってフロント面からリア面に至るウイング部が形成されている。
【0031】
ベース本体10のフロント側にはディスクを直接挿入するディスク挿入口11を形成し、ベース本体10のリア面の端部にはコネクタ12を配設している。ベース本体10のディスク挿入口11側にはトラバース30が配置され、ベース本体10のコネクタ12側にはリアベース401が配置されている。リアベース401の下側にはプリント基板(図示せず)が設けられている。
【0032】
トラバース30は、スピンドルモータ31とピックアップ32とピックアップ32を移動させる駆動手段とを保持している。スピンドルモータ31は、その回転軸にディスクを保持する回転テーブル31aを有している。大径ディスク1aもしくは小径ディスク1bを回転させるスピンドルモータ31はトラバース30の一端側に設けられ、ピックアップ32はトラバース30の一端側から他端側までを移動可能に設けられている。またピックアップ32は停止時にはトラバース30の他端側に配置される。
【0033】
駆動手段は、駆動モータ33と、ピックアップ32を摺動させる一対のレールと、駆動モータ33の駆動をピックアップ32に伝達する歯車機構とを有し、一対のレールはトラバース30の一端側と他端側とを連接するように両側部に配置されている。
【0034】
トラバース30は、スピンドルモータ31がベース本体10の中央部に位置し、またピックアップ32の往復動範囲がスピンドルモータ31よりもディスク挿入口11側に位置し、またピックアップ32の往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるように配設されている。ここで、ピックアップ32の往復移動方向とディスクの挿入方向とは、45度の角度としている。
【0035】
次に、大径ディスク1aまたは小径ディスク1bを挿入するときにディスクを支持するガイド部材と、ディスクを挿入するときに動作するレバー部材について説明する。
【0036】
深底部10aのディスク挿入口11近傍の一端側には、引き込みガイドレバー201が設けられている。この引き込みガイドレバー201は回動支点を有し、その回動支点を中心に引き込みガイドレバー201の先端部202が挿入されたディスクの側面に当接しながら移動することによりディスクを支持すると共にディスクをシャーシ内部に導く。引き込みガイドレバー201の先端部202には第1ディスクガイド203が設けられ、この第1ディスクガイド203は2つのガイド部から構成され、ディスクはこの2つのガイド部にはさみ込まれるように支持される。
【0037】
一方、深底部10aのディスク挿入口11近傍の他端側には、大径引き込みレバー80が設けられている。この大径引き込みレバー80の可動側端部には第2ディスクガイド81が設けられている。第2ディスクガイド81は円筒状のローラで構成され、ローラの一部は上側ガイドを構成し、上側ガイドに対向する面に固定部を備え、ディスクは上側ガイドと固定部とではさみ込まれるように支持される。
【0038】
また、大径引き込みレバー80の裏面(ベース本体10側の面)の可動側端部と固定側端部との間には長溝が設けられている。一方、大径引き込みレバー80の表面の可動側端部と固定側端部との間には所定の長さのガイドが設けられている。
【0039】
大径引き込みレバー80は、サブレバー90によって動作する。
【0040】
サブレバー90は、可動側の一端に凸部を備え、他端側に回動支点92を備えている。サブレバー90の凸部は、大径引き込みレバー80の長溝(図示せず)内を摺動する。また、サブレバー90の回動支点92は、メインスライダー40上に位置している。なお、回動支点92は、メインスライダー40とは連動せず、ベース本体10に固定されている。またサブレバー90の下面には、ピンを備えている。このピンは、メインスライダー40の上面に設けられたカム溝内を摺動する。従って、サブレバー90は、メインスライダー40の移動にともなって角度が変更され、このサブレバー90の角度の変更によって大径引き込みレバー80の旋回角度を変更する。すなわち、サブレバー90の動作によって、大径引き込みレバー80の第2ディスクガイド81がスピンドルモータ31に近接離間するように動作する。
【0041】
ベース本体10の大径引き込みレバー80と異なる側部には、排出レバー100が設けられている。この排出レバー100の一端側の可動側端部には第4ディスクガイド101が設けられている。また、排出レバー100の他端側には、回動支点102が設けられている。また、排出レバー100の可動側端部には、第4ディスクガイド101よりもリア面側に当接部103が設けられている。また、排出レバー100には、弾性体が設けられ、その弾性体の弾性力で、排出レバー100がディスク挿入口11の方向に回動するよう付勢されている。なお、排出レバー100は、メインスライダー40の動きと連動して動作する。
【0042】
ベース本体10のリア面側には規制レバー110が設けられている。この規制レバー110はリア面側端部を回動支点111とし、可動側端部に第6ディスクガイド112を備えている。この規制レバー110は、弾性体によって第6ディスクガイド112側が常にフロント側に突出するように付勢されている。また、この規制レバー110は所定位置でリミットスイッチを動作させる。すなわち、大径ディスク1aが所定位置まで挿入されると、リミットスイッチがオフし、ローディングモータ60を駆動する。このローディングモータの駆動によって、メインスライダー40が摺動する。
【0043】
また、排出レバー100と同じ側のベース本体10の側部には、セットガイドレバー180が設けられている。セットガイドレバー180は、リア面側を回動支点181とし、可動側に第5ディスクガイド182を備えている。このセットガイドレバー180は、弾性体によって第5ディスクガイド182側がディスク側に突出するように付勢されている。また、このセットガイドレバー180は、メインスライダー40と連動し、このメインスライダー40の動きに応じて、第5ディスクガイド182側がディスクから離間するように動作する。
【0044】
セットガイドレバー180と反対側のベース本体10の側部には、引き込みレバー301が設けられている。引き込みレバー301は、ベース本体10に固定されたリアベース401により回動可能に保持され、リア面側を回動支点とし可動側の先端部302に第3ディスクガイド303を備えている。この引き込みレバー301は、弾性体によって第3ディスクガイド303がスピンドルモータ31に近づくように付勢されている。
【0045】
また、引き込みレバー301の回動支点は、ディスク挿入口11から小径ディスク1bが挿入され引き込みレバー301が小径ディスク1bに当接する直前に、小径ディスク1bが当接する引き込みレバー301の第3ディスクガイド303と小径ディスク1bの中心を結ぶ線501より回転テーブル31a側に位置している。これにより、小径ディスク1bの直径より幅広いディスク挿入口11から小径ディスク1bを挿入する際、ディスク挿入口11の中心軸からずれて小径ディスク1bが挿入された場合、引き込みレバー301が回動できない方向に小径ディスク1b挿入時の力をかけないので、引き込みレバー301に無理な負荷がかかることがない。その結果、引き込みレバー301に無理な負荷がかかることがないので、ディスク挿入口11から小径ディスク1bを挿入する際の引き込みレバー301の破損を回避できる。
【0046】
以下、図1、及び図4から図8を用いて小径ディスク(直径8cm)挿入時の各部材の動きについて説明する。
【0047】
図1に示すように、小径ディスク1bが挿入されていない状態では、引き込みガイドレバー201と、引き込みレバー301とは、スピンドルモータ31側に一定角度回転をした状態で待機している。この状態では、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔は、小径ディスク1bの直径より狭くなっている。
【0048】
小径ディスク1b挿入時の初期段階において、小径ディスク1bは引き込みガイド201と引き込みレバー301によって位置規制される。その後、小径ディスク1bを更に押し込むと、この挿入動作にともなって引き込みガイドレバー201と引き込みレバー301は、スピンドルモータ31から離れる方向に旋回動作する。
【0049】
図4は小径ディスク挿入時の初期段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図であり、図1に示す状態と同一状態を示すものである。図4において、1bは小径ディスク、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。なお、本実施の形態1におけるレバーは引き込みレバー301の突起402に相当する。
【0050】
引き込みレバー301は、ベース本体10に固定されたリアベース401により回動可能に保持されている。リアベース401は突起402を有し、引き込みレバー301は第2突起304を有している。また、引き込みレバー301は突起402と係合する長孔305を有し、リアベース401は第2突起304と係合する第2長孔403を有している。引き込みレバー301はベース本体10に固定されたリアベース401により回動可能に保持され、小径ディスク1bをシャーシ内に導く引き込みレバー301の回動支点はリアベース401の突起402である。
【0051】
リアベース401の突起402は円柱形状をしており、この突起402の側面が引き込みレバー301の長孔305に沿うように移動する。このように、引き込みレバー301の回動支点は移動可能な構成となっている。また、引き込みレバー301の第2突起304も突起402と同様に円柱形状をしており、この第2突起304の側面がリアベース401の第2長孔403に沿うように移動する。
【0052】
挿入された小径ディスク1bが引き込みレバー301の可動側の端部302に設けられた第3ディスクガイド303に当接し第3ディスクガイド303を回動させると、その回動量に応じてリアベース401の第2長孔403内部を引き込みレバー301の第2突起304が移動する。この第2突起304の移動に対応してリアベース401の突起402と引き込みレバー301の長孔305の係合位置が変化する。
【0053】
長孔305は、引き込みレバー301の回動支点が固定される固定支点位置305aと、引き込みレバー301の回動支点が引き込みレバー301の回動角度に応じて移動する移動支点領域305bとから構成されている。
【0054】
また、第2長孔403は、リアベース401の突起402を中心とした円の円周に沿って引き込みレバー301の第2突起304が移動する第1領域403aと、引き込みレバー301が所定角度を超えて回動すると突起402を中心とした円の円周とは異なる直線状の溝に沿って第2突起304が移動する第2領域403bから構成されている。引き込みレバー301が所定角度を超えて回動すると、第2突起304が第2長孔403の第1領域403aから第2領域403bに移動することによって、突起402を長孔305の移動支点領域305bに沿って回動支点を移動させながら回動する構成にしている。
【0055】
ここで、突起402と第2突起304が円柱形状であるため、この円柱形状の側面がそれぞれ長孔305と第2長孔403に沿うように移動することによって、突起402と長孔305との係合と、第2突起304と第2長孔403との係合とをスムーズに行うので、引き込みレバー301を回動させる力を最小限に抑えることができる。
【0056】
また、第2長孔403の第2領域403bは、第1領域403aから離れるに従い長孔305の固定支点位置305aとの距離が近づくように配置されている。これにより、引き込みレバー301の第2突起304が第2長孔403第2領域403bに沿って移動する際に引き込みレバー301の支点を連続的に移動させ、小径ディスク1bに当接する引き込みレバー301の先端部302に位置する第3ディスクガイド303の回動軌道を緩やかに変化させるので、リアベース401の突起402が引き込みレバー301の長孔305を移動する際に長孔305から急激な負荷を受けないようにできる。
【0057】
図5は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、小径ディスク挿入途中段階を示す図である。また、図6は小径ディスク挿入途中段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図であり、図5に示す状態と同一状態を示すものである。図5、図6において、1bは小径ディスク、31はスピンドルモータ、60はローディングモータ、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0058】
図1に示すディスク挿入時の初期段階から図5に示す小径ディスク挿入途中段階までの間、引き込みレバー301の第2突起304は、引き込みレバー301の待機位置に対応する第1領域403aの途中から第2領域403bに向かって移動し、第2領域403bに入った直後に一旦停止する。このとき、第2突起304が第1領域403aに沿って移動しているときは、第1領域403aが突起402を中心とした円の円周に沿って形成されているので、リアベース401の突起401が引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aから移動しない。また、第2突起304が第2領域403bに沿って移動しているときは、第2領域403bが突起402を中心とした円の円周に沿って形成されていないので、リアベース401の突起402が引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aを離れ、移動支点領域305bに入る。そのため、引き込みレバー301の先端部301の回動軌跡は当初円軌道を描き、その後楕円軌道に変化する。
【0059】
ここで、第2突起304が移動開始後一旦停止する位置は、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔が小径ディスク1bの直径とほぼ同じ寸法になっているときである。
【0060】
図1、図4に示す状態から更に小径ディスク1bを挿入すると、ディスクの一端側は引き込みガイドレバー201に支持された状態で、他端側は引き込みレバー301に支持され、引き込みレバー301はスピンドルモータ31から最も離間した状態となる。この状態では、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔は、小径ディスク1bの直径と同じ寸法になっている。
【0061】
ここから、更に小径ディスク1bを押し込むと、この挿入動作にともなって引き込みレバー301の第3ディスクガイド303はスピンドルモータ31に近接する方向に移動し始める。この動作にともなって小径ディスク1bは更にシャーシ内部に引き込まれ、排出レバー100の第4ディスクガイド101に当接して排出レバー100が回動動作を行い、排出レバー100がスピンドルモータ31に近接する方向に所定角度回動することで、リミットスイッチ(図示せず)が動作し、ローディングモータ60の駆動が開始される。このとき、小径ディスク1bは引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303と、排出レバー100の第4ディスクガイド101の3点で支持されている。
【0062】
ローディングモータ60の駆動が開始されると、カム機構を介して引き込みレバー301をスピンドルモータ31側に旋回移動する方向に付勢する。従って、引き込みレバー301は小径ディスク1bをシャーシ内部に引き込む方向に付勢する。この引き込みレバー301の付勢力によって、小径ディスク1bは人為的な操作を離れ更に押し込まれる。
【0063】
図7は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、小径ディスク挿入完了段階を示す図である。また、図8は小径ディスク挿入完了段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図であり、図7に示す状態と同一状態を示すものである。図7、図8において、1bは小径ディスク、31はスピンドルモータ、60はローディングモータ、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、110は規制レバー、112は第6ディスクガイド、180はセットガイドレバー、182は第5ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0064】
引き込みレバー301の付勢力によって小径ディスク1bが更に押し込まれると、小径ディスク1bは引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303と、排出レバー100の第4ディスクガイド101の3点で支持されていた小径ディスク1bは、以降、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303と、セットガイドレバー180の第5ディスクガイド182と、規制レバー110の第6ディスクガイド112の3点で支持されるようになる。その後、小径ディスク1bは、その中心孔が回転テーブル31aと対応する位置まで移動し、その位置で規制される。
【0065】
そして、図7に示す状態からトラバース30の動作を開始する。すなわち、トラバース30は、スピンドルモータ31側が蓋体130に近接する方向に動作を開始する。スピンドルモータ31側が蓋体130に最も近接する方向に動作させた状態では、小径ディスク1bは、蓋体130に当接し、スピンドルモータ31と蓋体130とによって押圧される。この押圧力によって小径ディスク1bの中心孔にスピンドルモータ31のハブが嵌合し、チャッキングが完了する。チャッキングが完了すると、トラバース30は、スピンドルモータ31側が蓋体130から離間する方向に動作する。この動作は、更にローディングモータ60を駆動することによって行われる。
【0066】
図5に示すディスク挿入途中段階から図7に示すディスク挿入完了段階までの間、すなわち第2突起304が第2領域403bに入った直後に一旦停止し、その後、第2突起304は移動する向きを変え第1領域403aの端部403cに向かって移動し始める。第2突起304が第2領域403bに沿って移動しているとき、第2領域403bが突起402を中心とした円の円周に沿って形成されていないので、リアベース401の突起402が引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aを離れ、移動支点領域305b内を移動する。そのため、引き込みレバー301の先端部302は、楕円軌道の回動軌跡を描く。その後、小径ディスク1bの挿入が進み、第2突起304が第1領域403aに到達し、これに沿って移動しているときは、第1領域403aが突起402を中心とした円の円周に沿って形成されているので、リアベース401の突起402が引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aから移動しない。図7のディスク挿入完了位置では、引き込みレバー301は最もスピンドルモータ31に近づく位置に回動し、第2突起304は、第2長孔403の端部403c近傍に位置する地点に到達する。
【0067】
次に、図9から図18を用いて大径ディスク(直径12cm)挿入時の各部材の動きについて説明する。なお、光ディスク装置の全体構成は図1と同様である。
【0068】
図1に示すように、大径ディスク1aが挿入されていない状態では、引き込みガイドレバー201と、引き込みレバー301とは、スピンドルモータ31側に一定角度回転した状態で待機している。この状態では、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔は、大径ディスク1aの直径より狭くなっている。
【0069】
大径ディスク1a挿入時の初期段階において、大径ディスク1aは、まず引き込みガイド201と引き込みレバー301によって位置規制される。大径ディスク1aを更に押し込むと、この挿入動作にともなって引き込みガイドレバー201と引き込みレバー301は、スピンドルモータ31から離れる方向に旋回動作する。
【0070】
図9は大径ディスク挿入時の初期段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図であり、図1に示す状態と同一状態を示すものである。図9において、1aは大径ディスク、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0071】
引き込みレバー301は、ベース本体10に固定されたリアベース401により回動可能に保持されている。リアベース401は突起402を有し、引き込みレバー301は第2突起304を有している。また、引き込みレバー301は突起402と係合する長孔305を有し、リアベース401は第2突起304と係合する第2長孔403を有している。引き込みレバー301は、ベース本体10に固定されたリアベース401により回動可能に保持され、大径ディスク1aをシャーシ内に導く引き込みレバー301の回動支点は、リアベース401の突起402である。
【0072】
リアベース401の突起402は円柱形状をしており、この突起402の側面が引き込みレバー301の長孔305に沿うように移動する。このように、引き込みレバー301の回動支点は移動する構成となっている。また、引き込みレバー301の第2突起304も突起402と同様に円柱形状をしており、この第2突起304の側面がリアベース401の第2長孔403に沿うように移動する。
【0073】
挿入された大径ディスク1aが引き込みレバー301の可動側の先端部302に設けられた第3ディスクガイド303に当接し第3ディスクガイド303を回動させると、その回動量に応じてリアベース401の第2長孔403内部を引き込みレバー301の第2突起304が移動する。この第2突起304の移動に対応してリアベース401の突起402と引き込みレバー301の長孔305の係合位置が変化する。
【0074】
長孔305は、引き込みレバー301の回動支点が固定される固定支点位置305aと、引き込みレバー301の回動支点が引き込みレバー301の回動角度に応じて移動する移動支点領域305bとから構成されている。このように、引き込みレバー301の回動支点がリアベース401に設けられた突起402であり、引き込みレバー301に設けられた長孔305に沿って移動可能な構成にすることによって、長孔305に対する突起402の係合位置を変化させるので、引き込みレバー301の回動支点が固定される固定支点位置305aと、引き込みレバー301の回動支点が引き込みレバー301の回動角度に応じて移動する移動支点領域305bとを、容易な構成で実現できる。
【0075】
また、第2長孔403は、リアベース401の突起402を中心とした円の円周に沿って引き込みレバー301の第2突起304が移動する第1領域403aと、引き込みレバー301が所定角度を超えて回動すると突起402を中心とした円の円周とは異なる直線状の溝に沿って第2突起304が移動する第2領域403bから構成されている。そして、突起402は、引き込みレバー301が所定角度を超えて回動すると、第2突起304が第2長孔403の第1領域403aから第2領域403bに移動することによって、長孔305の移動支点領域305bに沿って回動支点を移動させながら回動する構成にしている。これにより、引き込みレバー301の回動角度が所定角度より大きい場合には、突起402が長孔305の移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動するので、小径ディスク1bもしくは大径ディスク1aの挿入を待ち受ける引き込みレバー301の先端部302の待機位置に影響を受けることなく、大径ディスク1a回転時の引き込みレバー301先端部302の待避位置を最適位置にできる。
【0076】
図10は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、大径ディスク挿入途中段階前半を示す図である。図11は大径ディスク挿入途中段階前半における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図であり、図10に示す状態と同一状態を示すものである。図10、図11において、1aは大径ディスク、31はスピンドルモータ、60はローディングモータ、80は大径引き込みレバー、81は第2ディスクガイド、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、110は規制レバー、112は第6ディスクガイド、180はセットガイドレバー、182は第5ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0077】
図1に示すディスク挿入時の初期段階から図10に示す大径ディスク挿入途中段階前半までの間、すなわち引き込みレバー301が所定角度内で回動する範囲では、引き込みレバー301の第2突起304は、第2長孔403の第1領域403aの端部403cから第2領域403bに向かって移動する。このとき、第1領域403aはリアベース401の突起402を中心とした円の円周に沿って形成されているので、リアベース401の突起402は引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aから移動しない。そのため、引き込みレバー301の先端部301の回動軌跡は円軌道となる。
【0078】
図12は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、大径ディスク挿入途中段階後半の状態を示す図である。図13は大径ディスク挿入途中段階後半における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図であり、図12に示す状態と同一状態を示すものである。図12、図13において、1aは大径ディスク、31はスピンドルモータ、60はローディングモータ、80は大径引き込みレバー、81は第2ディスクガイド、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、110は規制レバー、112は第6ディスクガイド、180はセットガイドレバー、182は第5ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0079】
図10に示す状態から更に大径ディスク1aを押し込むと、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔は更に大きくなる。この動作にともなって大径ディスク1aは更にシャーシ内部に引き込まれ、規制レバー110の第6ディスクガイド112に当接して規制レバー110が回動動作を行い、規制レバー110がスピンドルモータ31に離間する方向に所定角度回動することで、リミットスイッチ(図示せず)が動作し、ローディングモータ60の駆動が開始される。そして、第1ディスクガイド203と第3ディスクガイド303との間隔が大径ディスク1aと同じ寸法になると、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイドと、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303とにより支持されていた大径ディスク1aは、図12に示すように、規制レバー110の第6ディスクガイド112、セットガイドレバー180の第5ディスクガイド182と、大径引き込みレバー80の第2ディスクガイド81の3つのガイドにより主として支持され、排出レバー100の第4ディスクガイド101と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303の2つのガイドにより補助的に支持される。
【0080】
その後、ローディングモータ60の駆動力により、バネを介して引き込みレバー301をスピンドルモータ31側に旋回移動する方向に付勢する。ここで、引き込みレバー301は、大径ディスク1aをスムーズにシャーシ内部に引き込むガイド壁の役割を果たし、大径引き込みレバー80が回動し大径引き込みレバー80の第2ディスクガイド81が大径ディスク1aを押すことによって、大径ディスク1aは人為的な操作を離れ更に押し込まれる。
【0081】
図14は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、大径ディスク挿入完了段階を示す図である。また、図15は大径ディスク挿入完了段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す図であり、図14に示す状態と同一状態を示すものである。図14、図15において、1aは大径ディスク、10bは浅底部、31はスピンドルモータ、60はローディングモータ、80は大径引き込みレバー、81は第2ディスクガイド、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、110は規制レバー、112は第6ディスクガイド、180はセットガイドレバー、182は第5ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0082】
大径ディスク1aは、規制レバー110の第6ディスクガイド112、セットガイドレバー180の第5ディスクガイド182と、大径引き込みレバー80の第2ディスクガイド81の3つのガイドにより主として支持された後、その中心孔が回転テーブル31aと対応する位置まで移動し、その位置で規制される。
【0083】
そして、図14に示す状態からトラバース30の動作を開始する。すなわち、トラバース30は、スピンドルモータ31側が蓋体130に近接する方向に動作を開始する。スピンドルモータ31側が蓋体130に最も近接する方向に動作させた状態では、大径ディスク1aは、蓋体130に当接し、スピンドルモータ31と蓋体130とによって押圧される。この押圧力によって大径ディスク1aの中心孔にスピンドルモータ31のハブが嵌合し、チャッキングが完了する。チャッキングが完了すると、トラバース30は、スピンドルモータ31側が蓋体130から離間する方向に動作する。この動作は、更にローディングモータ60を駆動することによって行われる。
【0084】
図16は本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、大径ディスクローディング完了段階を示す図である。また、図17は大径ディスクローディング完了段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す図であり、図16に示す状態と同一状態を示すものである。図16、図17において、1aは大径ディスク、10bは浅底部、31はスピンドルモータ、60はローディングモータ、80は大径引き込みレバー、81は第2ディスクガイド、100は排出レバー、101は第4ディスクガイド、110は規制レバー、112は第6ディスクガイド、180はセットガイドレバー、182は第5ディスクガイド、201は引き込みガイドレバー、203は第1ディスクガイド、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0085】
大径ディスク1aのチャッキングが完了すると、大径ディスク1aを支持していたセットガイドレバー180の第5ディスクガイド182と、規制レバー110の第6ディスクガイド112と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303と、大径引き込みレバー80の第2ディスクガイド81と、排出レバー100の第4ディスクガイド101とが大径ディスク1aの半径方向外側に移動する。これにより、第5ディスクガイド182と、第6ディスクガイド112と、第3ディスクガイド303と、第2ディスクガイド81と、第4ディスクガイド101が、大径ディスク1aから一定距離離れることになるので、大径ディスク1aが回転する際の邪魔にならない。
【0086】
ここで、長孔305の移動支点領域305bには、移動支点領域305b内を移動する突起402の終端部にテーパー状の逃がしを設けて、引き込みレバー301が最大に回動したとき、リアベース401の突起402が位置する溝の幅を、固定支点位置305aの溝幅より大きくしている。これにより、引き込みレバー301が最大に回動して引き込みレバー301の先端部302が待避位置に移動したとき、引き込みレバー301の先端部302がシャーシの内壁に接触し、その接触によりリアベース401の突起402と引き込みレバー301の長孔305との係合部に負荷が発生する場合であっても、引き込みレバー301の先端部302とは逆の端部を移動支点領域305bの溝幅の範囲内で移動させることによりその負荷を逃がすので、リアベース401の突起402と引き込みレバー301の長孔305との間に過大な負荷をかけることがない。その結果、リアベース401の突起402と引き込みレバー301の長孔305との間に過大な負荷をかけることがないので、引き込みレバー301の先端部302がシャーシの内壁に接触したことが原因でリアベース401の突起402と引き込みレバー301の長孔305が破損することがない。
【0087】
図10に示す大径ディスク挿入途中段階前半から、図12に示す大径ディスク挿入途中段階後半、図14に示す大径ディスク挿入完了段階を経て、図16に示す大径ディスクローディング完了段階までの間、すなわち、引き込みレバー301が所定角度を超えて回動する範囲では、引き込みレバー301の第2突起304は、第2長孔403の第1領域403aを通過後、第2領域403bの中を移動する。このとき、第2領域403bは、第1領域403aから離れるに従い長孔305の固定支点位置305aとの距離が近づくように配置されているので、突起402は移動支点領域305bの中を固定支点位置305aから離れるように移動する。そのため、引き込みレバー301の回動支点は引き込みレバー301の先端部302から遠ざかる位置に変位しながら、引き込みレバー301の先端部302の回動軌跡は円軌道から楕円軌道に変化する。
【0088】
図1に示す大径ディスク挿入初期段階から、図10に示す大径ディスク挿入途中段階前半、図12に示す大径ディスク挿入途中段階後半を経て、図14に示す大径ディスク挿入完了段階までの間、第2突起304は第2長孔403の第1領域403aを移動後、第2長孔403の第2領域403bを移動し、第2突起304が第1領域403aを移動するとき突起402は固定支点位置305aに位置し、第2突起304が第2領域403bを移動するとき突起402は移動支点領域305bに位置することにより、大径ディスク1aに当接する引き込みレバー301の先端部302の回動軌道を円軌道から楕円軌道に変更するので、容易な構成で、小径ディスク1bもしくは大径ディスク1aの挿入を待ち受ける引き込みレバー301の先端部302の待避位置と大径ディスク回転時の引き込みレバー301先端部302の待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。
【0089】
また、第2突起304が長孔403の第1領域403aを移動するとき、引き込みレバー301の先端部302が移動する軌跡を円軌道にし、第2突起304が第2長孔403の第2領域403bを移動するとき、引き込みレバー301の先端部302が移動する軌道を楕円軌道にすることにより、大径ディスク1bに当接する引き込みレバー301先端部302の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、簡単な回動軌道の変更で、小径ディスク1bもしくは大径ディスク1aの挿入を待ち受ける引き込みレバー301先端部302の待避位置と大径ディスク回転時の引き込みレバー301先端部302の待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。
【0090】
図18は本発明の実施の形態1における引き込みレバー先端部の回動軌跡を示す図であり、破線で示された引き込みレバーは回動と共に変化する先端部の様子を示したものである。図18において、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔である。
【0091】
大径ディスク1a挿入時の初期段階から、大径ディスク1a挿入途中段階前半、大径ディスク1a挿入途中段階後半を経て、大径ディスク1a挿入完了段階までの間、引き込みレバー301の先端部302は図18に示す二点鎖線の軌跡を描く。
【0092】
引き込みレバー301の待機位置から大径ディスク1aの周囲に当接して所定角度回動するまでは長孔305の固定支点位置305aを回動支点に固定して回動するので、引き込みレバー301の先端部302の回動軌跡は円軌道となる。その後、引き込みレバー301の回動角度が所定角度を超えると移動支点領域305bに沿って回動支点を移動させながら回動するので、引き込みレバー301の先端部302の回動軌跡は楕円軌道にできる。従って、図18に示す二点鎖線の軌跡、すなわち、引き込みレバー301の先端部302の回動軌跡は、当初円軌道を描き、その後楕円軌道を描く。
【0093】
以上の内容により、引き込みレバー301の支点が、回動支点が固定される固定支点位置305aと、回動支点が引き込みレバー301の回動角度に応じて移動する移動支点領域305bとの間を移動可能であって、引き込みレバー301の待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置305aを回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することによって、光ディスクに当接する引き込みレバー301の先端部302の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせにより小径ディスク1bもしくは大径ディスク1aの挿入を待ち受ける引き込みレバー301の先端部302の待機位置と、待避位置をそれぞれ独立して設定でき、先端部302の待機位置と待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。その結果、直径の異なる2種類のディスクを引き込み可能な引き込みレバー301であっても、その先端部302の待機位置と待避位置をそれぞれの最適位置にするので、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、大径ディスク1a回転時に引き込みレバー301の先端部302が大径ディスク1aに接触することを確実に防ぐ光ディスク装置を実現できる。
【0094】
また、光ディスクに当接する引き込みレバー301の先端部302の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせにより引き込みレバー301に近接する部品との干渉及びシャーシとの干渉を考慮して引き込みレバー301の先端部302が移動する軌道を自由に決定でき、薄型化、小型化が可能な光ディスク装置を実現できる。
【0095】
なお、本実施の形態1においては、光ディスク装置に装着する第1ディスクを直径8cm小径ディスク、第2ディスクを直径12cm大径ディスク1aとして説明したが、第1ディスクと第2ディスクはこれに限定されるものではなく、少なくとも直径が異なる2種類のディスクであれば良い。
【0096】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、小径ディスク(直径8cm)挿入時にリアベース401の突起402が引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aから移動しない場合について、図面を参照しながら説明する。
【0097】
本実施の形態2における光ディスク装置全体の構成は、図1に示す実施の形態1と同様である。なお、本実施の形態2は、図5及び図6に示す小径ディスク挿入途中段階が、図19に示す小径ディスク挿入途中段階に置き換わったものである。また、本実施の形態2における回転テーブルは回転テーブル31a、レバーは引き込みレバー301、基台はリアベース401に相当する。
【0098】
図19は本発明の実施の形態2における小径ディスク挿入途中段階の引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図である。図19において、1bは小径ディスク、301は引き込みレバー、302は先端部、303は第3ディスクガイド、304は第2突起、305は長孔、305aは固定支点位置、305bは移動支点領域、401はリアベース、402は突起、403は第2長孔、403aは第1領域、403bは第2領域、403cは端部である。
【0099】
図4に示す小径ディスク1b挿入時の初期段階から図19に示す小径ディスク1b挿入途中段階までの間、引き込みレバー301の第2突起304は、第2長孔403の第1領域403aの端部403cから第2領域403bに向かって移動し、第2領域403bに入る直前で一旦停止する。その後、第2突起304は、移動する向きを変え第1領域403aの一端部に向かって移動し始める。このとき、第1領域403aはリアベース401の突起402を中心とした円の円周に沿って形成されているので、リアベース401の突起402は引き込みレバー301の長孔305の固定支点位置305aから移動しない。そのため、引き込みレバー301の先端部301の回動軌跡は円軌道となる。
【0100】
ここで、第2突起304が移動開始後一旦停止する位置は、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔が小径ディスク1bの直径とほぼ同じ寸法になっているときである。
【0101】
図4に示す状態から更に小径ディスク1bを挿入すると、ディスクの一端側は引き込みガイドレバー201に支持された状態で、他端側は引き込みレバー301に支持され、引き込みレバー301はスピンドルモータ31から最も離間した状態となる。この状態では、引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と引き込みレバー301の第3ディスクガイド303との間隔は、小径ディスク1bの直径と同じ寸法になっている。
【0102】
ここから、更に小径ディスク1bを押し込むと、この挿入動作にともなって引き込みレバー301の第3ディスクガイド303はスピンドルモータ31に近接する方向に移動し始める。この動作にともなって小径ディスク1bは更にシャーシ内部に引き込まれ、排出レバー100の第4ディスクガイド101に当接して排出レバー100が回動動作を行い、排出レバー100がスピンドルモータ31に近接する方向に所定角度回動することで、リミットスイッチ(図示せず)が動作し、ローディングモータ60の駆動が開始される。このとき、小径ディスク1bは引き込みガイドレバー201の第1ディスクガイド203と、引き込みレバー301の第3ディスクガイド303と、排出レバー100の第4ディスクガイド101の3点で支持されている。
【0103】
ローディングモータ60の駆動が開始されると、カム機構を介して引き込みレバー301をスピンドルモータ31側に旋回移動する方向に付勢する。従って、引き込みレバー301は小径ディスク1bをシャーシ内部に引き込む方向に付勢する。この引き込みレバー301の付勢力によって、小径ディスク1bは人為的な操作を離れ更に押し込まれる。
【0104】
図4、図19、図8からもわかるように、小径ディスク1bを引き込みレバー301で誘導する際、すなわち、挿入初期段階から挿入完了段階までの間、第2突起304は第2長孔403の第1領域403aのみを移動し、突起402は固定支点位置305aに位置し続ける。これにより、小径ディスク1bを引き込みレバー301で誘導する際に、回動支点である突起402が長孔305の同一位置に留まり、引き込みレバー301に直線運動を行わせず回転運動のみにするので、引き込みレバー301の先端部が小径ディスク1bの周囲に当接しながら小径ディスク1bを誘導する力にロスを生じることがない。
【0105】
以上の内容により、引き込みレバー301の支点が、回動支点が固定される固定支点位置305aと、回動支点が引き込みレバー301の回動角度に応じて移動する移動支点領域305bとの間を移動可能であって、引き込みレバー301の待機位置からディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは固定支点位置305aを回動支点に固定して回動し、所定角度を超えると移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することによって、光ディスクに当接する引き込みレバー301の先端部302の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせにより小径ディスク1bもしくは大径ディスク1aの挿入を待ち受ける引き込みレバー301の先端部302の待機位置と、待避位置をそれぞれ独立して設定でき、先端部302の待機位置と待避位置とをそれぞれ最適位置にできる。その結果、直径の異なる2種類のディスクを引き込み可能な引き込みレバー301であっても、その先端部302の待機位置と待避位置をそれぞれの最適位置にするので、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、大径ディスク1a回転時に引き込みレバー301の先端部302が大径ディスク1aに接触することを確実に防ぐ光ディスク装置を実現できる。
【0106】
また、光ディスクに当接する引き込みレバー301の先端部302の回動軌道を途中で円軌道から楕円軌道に変更するので、円軌道による移動量と楕円軌道による移動量との組み合わせにより引き込みレバー301に近接する部品との干渉及びシャーシとの干渉を考慮して引き込みレバー301の先端部302が移動する軌道を自由に決定でき、薄型化、小型化が可能な光ディスク装置を実現できる。
【0107】
なお、本実施の形態2においては、光ディスク装置に装着する第1ディスクを直径8cm小径ディスク1b、第2ディスクを直径12cm大径ディスク1aとして説明したが、第1ディスクと第2ディスクはこれに限定されるものではなく、少なくとも直径が異なる2種類のディスクであれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、直径の異なる2種類のディスクをシャーシ内に誘導可能なレバーであっても、それぞれのディスクを誘導する精度を向上させると共に、ディスク回転時に引き込みレバーの先端部がディスクに接触することを確実に防ぐことができるため、外部から光ディスクを直接挿入し、または直接排出できるスロットイン方式の光ディスク装置に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図
【図2】本発明の実施の形態1における光ディスク装置の蓋体の平面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるシャーシ外装のフロント面に装着されるベゼルの正面図
【図4】小径ディスク挿入時の初期段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【図5】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図
【図6】小径ディスク挿入途中段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【図7】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図
【図8】小径ディスク挿入完了段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【図9】大径ディスク挿入時の初期段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【図10】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図
【図11】大径ディスク挿入途中段階前半における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【図12】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図であり、大径ディスク挿入途中段階後半の状態を示す図
【図13】大径ディスク挿入途中段階後半における引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【図14】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図
【図15】大径ディスク挿入完了段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す図
【図16】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のベース本体の平面図
【図17】大径ディスクローディング完了段階における引き込みレバーとリアベースの関係を示す図
【図18】本発明の実施の形態1における引き込みレバー先端部の回動軌跡を示す図
【図19】本発明の実施の形態2における小径ディスク挿入途中段階の引き込みレバーとリアベースの関係を示す平面図
【符号の説明】
【0110】
1a 大径ディスク
1b 小径ディスク
10 ベース本体
10a 深底部
10b 浅底部
11 ディスク挿入口
12 コネクタ
30 トラバース
31 スピンドルモータ
31a 回転テーブル
32 ピックアップ
33 駆動モータ
40 メインスライダー
60 ローディングモータ
80 大径引き込みレバー
81 第2ディスクガイド
90 サブレバー
92 回動支点
100 排出レバー
101 第4ディスクガイド
102 回動支点
103 当接部
110 規制レバー
111 回動支点
112 第6ディスクガイド
130 蓋体
140 ベゼル
180 セットガイドレバー
181 回動支点
182 第5ディスクガイド
201 引き込みガイドレバー
202 先端部
203 第1ディスクガイド
301 引き込みレバー
302 先端部
303 第3ディスクガイド
304 第2突起
305 長孔
305a 固定支点位置
305b 移動支点領域
401 リアベース
402 突起
403 第2長孔
403a 第1領域
403b 第2領域
403c 端部
501 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ディスクとこの第1ディスクと径の異なる第2ディスクとを保持する回転テーブルと、
挿入されるディスクの周囲に当接して回動しながら前記回転テーブル上に前記ディスクを誘導するレバーと、を具備し、
前記レバーの支点は、回動支点が固定される固定支点位置と、回動支点が前記レバーの回動角度に応じて移動する移動支点領域との間を移動可能であって、前記レバーの待機位置から前記ディスクの周囲に当接して所定角度回動するまでは前記固定支点位置を回動支点に固定して回動し、前記所定角度を超えると前記移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記レバーの支点を保持する基台を設け、
前記レバーの支点は前記基台に設けられた突起であり、前記レバーに設けられた長孔に沿って移動可能であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記レバーに第2突起を設け、また、前記基台に第2長孔を設け、
前記突起を中心とした円の円周に沿って前記第2突起が移動する第1領域と、前記レバーが前記所定角度を超えて回動すると前記突起を中心とした円の円周とは異なる直線状の溝に沿って前記第2突起が移動する第2領域と、を有し、
前記突起は、前記レバーが前記所定角度を超えて回動すると、前記第2突起が前記第2長孔の第1領域から第2領域に移動することによって、前記長孔の移動支点領域に沿って回動支点を移動させながら回動することを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記第2長孔の第2領域は、前記第1領域から離れるに従い前記長孔の固定支点位置との距離が近づくように配置されていることを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記第1ディスクを前記レバーで誘導する際、
前記第2突起は前記第2長孔の前記第1領域のみを移動し、前記突起は前記固定支点位置に位置し続けることを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記第2ディスクを前記レバーで誘導する際、
前記第2突起は前記第2長孔の前記第1領域を移動後、前記第2長孔の前記第2領域を移動し、
前記第2突起が前記第2長孔の前記第1領域を移動するとき前記突起は前記固定支点位置に位置し、
前記第2突起が前記第2長孔の前記第2領域を移動するとき前記突起は前記移動支点領域に位置することを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記第2突起が前記第2長孔の前記第1領域を移動するとき、前記レバーの先端が移動する軌道を円軌道にし、
前記第2突起が前記第2長孔の前記第2領域を移動するとき、前記レバーの先端が移動する軌道を楕円軌道にすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記レバーの回動支点は、前記レバーが前記第1ディスクに当接する直前に、前記第1ディスクが当接する前記レバーの端部と前記第1ディスクの中心を結ぶ線より前記回転テーブル側に位置することを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記突起と前記第2突起は円柱形状であり、この円柱形状の側面がそれぞれ長孔、第2長孔に沿うように移動することを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項10】
前記レバーが最大に回動したとき、前記突起が位置する前記移動支点領域の溝幅は、前記固定支点位置の溝幅より大きいことを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
【請求項11】
前記第1ディスクは直径が8cmであり、前記第2ディスクは直径が12cmであることを特徴とする請求項1から10記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−134790(P2009−134790A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308484(P2007−308484)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】