説明

光ディスク装置

【課題】修理サービス対応の負荷をより軽減できる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスクに対して記録及び/または再生を行う光ディスクドライブと、情報を記憶する記憶部と、を備えた光ディスク装置において、前記光ディスクドライブにエラーが発生した場合に、発生したエラーに対応して詳細情報を含むエラー情報を前記記憶部に蓄積保存させる保存部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブルーレイディスク、DVD及びCD等の光ディスクに対応する光ディスク装置が様々に登場している。光ディスク装置に不具合が生じた場合、光ディスク装置のユーザはメーカに修理サービスを依頼し、依頼されたメーカは、不具合が生じた光ディスク装置の不具合要因を特定することを行っていた。
【0003】
そこで従来、例えば特許文献1には、動作中にエラーが発生した場合、エラーしたディスクの種類とエラー情報を不揮発性メモリに保存し、修理の際の負荷を軽減するとした光ディスク装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−63537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1におけるエラー情報は詳細な情報とは言えないため、不具合要因の特定に時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、修理サービス対応の負荷をより軽減できる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、光ディスクに対して記録及び/または再生を行う光ディスクドライブと、情報を記憶する記憶部と、を備えた光ディスク装置において、
前記光ディスクドライブにエラーが発生した場合に、発生したエラーに対応して以下の少なくともいずれかの情報を含むエラー情報を前記記憶部に蓄積保存させる保存部を備える構成とする。
光ディスクが有するBCA(Burst Cutting Area)まで光ピックアップを移動させようとしたときに移動できなかった場合のエラーを示すBCA移動エラー情報;
光ディスク無しと認識された場合のエラーを示すディスク無しエラー情報;
光ディスクが有するPFI(Physical Format Information)領域に記録されたディスクタイプ情報を読み出したときに、読み出されたディスクタイプ情報が光ディスク装置が対応しないディスクタイプであった場合のエラーを示すPFIエラー情報;
判別されたディスクタイプが、光ディスクに記録されたディスク情報に含まれるディスクタイプ情報と一致しない場合のエラーを示すディスク判別エラー情報;
所定の初期位置まで光ピックアップを移動させようとしたときに生じたエラーを示すトラバース初期位置エラー情報;
光ディスクの偏芯を検出した場合のエラーを示すディスク偏芯エラー情報;
光ディスクの傷検出用の調整に失敗した場合のエラーを示すディスク傷検出調整エラー情報;
フォーカス調整に失敗した場合のエラーを示すフォーカス調整エラー情報;
オフセット調整に失敗した場合のエラーを示すオフセット調整エラー情報;
トラッキング調整に失敗した場合のエラーを示すトラッキング調整エラー情報;
光ピックアップ周辺の温度に応じたフォーカスバランス調整に失敗した場合のエラーを示す温度フォーカスバランス調整エラー情報;
光ディスクの重さが異常であることが検出された場合のエラーを示すディスク重さ異常エラー情報;
光ディスクのトラックが蛇行していることが検出された場合のエラーを示すトラック蛇行エラー情報;
光ピックアップにより読み出されたRF信号の調整に関する異常を検出した場合のエラーを示す読み出し信号調整エラー情報;
LD(レーザダイオード)によるライトストラテジに関する異常を検出した場合のエラーを示すライトストラテジ異常エラー情報;
フロントエンドマイコンのタスクを管理するOSに関するエラーを示すタスクOSエラー情報;
フォーカス動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示すフォーカススクリプトエラー情報;
トラッキング動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示すトラッキングスクリプトエラー情報;
モータを制御するプログラムのスクリプトエラーを示すモータスクリプトエラー情報;
LDの動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示すLDスクリプトエラー情報;
【0008】
このような構成によれば、詳細なエラー内容のエラー情報が記憶部に蓄積保存されるので、修理サービス対応の場合に不具合要因の特定を行い易くなり、修理サービス対応の負荷を軽減できる。
【0009】
また、上記構成において、前記保存部は、バックエンドマイコンとATAPI(AT Attachment Packet Interface)による通信を行うフロントエンドマイコンであり、前記エラーが発生した場合に前記フロントエンドマイコンから前記バックエンドマイコンに前記エラー情報が通知されるようにしてもよい。
【0010】
また、上記いずれかの構成において、操作部において所定の操作がされると、前記記憶部に蓄積された前記エラー情報をメモリカードに記憶させるメモリカード記憶部を備えるようにしてもよい。
【0011】
また、上記いずれかの構成において、前記記憶部は、前記光ディスクドライブが有する不揮発性メモリであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光ディスク装置によると、修理サービス対応の負荷をより軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ピックアップの光学系を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るエラー情報の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエラー情報に含まれるMecha Error Informationの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<全体構成に関して>
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る光ディスク装置100の概略構成を図1に示す。図1に示す光ディスク装置100は、ブルーレイディスク(BD)、DVD及びCDの記録再生が可能であり、光ディスク20に対して読み取り・書き込みを行う光ディスクドライブ30と、バックエンド側に配されるデコーダ12、再生出力部13、エンコーダ14、バックエンドマイコン15、カードインタフェース16及びリモコン受信部17とを備えている。
【0015】
光ディスクドライブ30は、光ピックアップ1と、信号生成回路2と、記録再生処理回路3と、LDドライバ4と、サーボ制御部5と、LDパワー制御部6と、ドライバ7と、送りモータ8と、スピンドルモータ9と、フロントエンドマイコン10と、フラッシュROM11とを備えている。光ピックアップ1は、光源であるCD用LD(レーザダイオード)1a、DVD用LD1b及びBD用LD1cを有している。
【0016】
ここで図2に、光ピックアップ1の光学系を示す概略図を示す。光ピックアップ1は、光ディスク20に対して、光ビームを照射して反射光を受光する。これにより、光ディスク20の記録層に記録されている情報を読み取ったり、光ディスク20の記録層にデータを書き込んだりする。
【0017】
光ピックアップ1は、CD用LD1aと、DVD用LD1bと、BD用LD1cと、ダイクロプリズム1dと、コリメートレンズ1eと、ビームスプリッタ1fと、立ち上げミラー1gと、液晶素子1hと、1/4波長板1iと、対物レンズ1jと、アクチュエータ1kと、検出レンズ1lと、光検出器1mとを備えている。
【0018】
CD用LD1a及びDVD用LD1bは、CDに対応する780nm帯の光ビームと、DVDに対応する650nm帯の光ビームとを出射できる二つの発光点を有する2波長一体型のLDとして構成される。BD用LD1cは、BDに対応する405nm帯の光ビームを出射できるLDである。
【0019】
なお、CD用LD1a及びDVD用LD1bは、例えば単一の波長の光ビームのみを出射するLDを個別に用いても構わない。
【0020】
ダイクロプリズム1dは、CD用LD1a及びDVD用LD1bから出射される光ビームを透過し、BD用LD1cから出射される光ビームを反射する。そして、CD用LD1a及びDVD用LD1bと、BD用LD1cとから出射される光ビームの光軸を一致させる。ダイクロプリズム1dにおいて、透過又は反射された光ビームは、コリメートレンズ1eに送られる。
【0021】
コリメートレンズ1eは、ダイクロプリズム1dから出射した光ビームを平行光に変換する。コリメートレンズ1eで平行光とされた光ビームは、ビームスプリッタ1fに送られる。
【0022】
ビームスプリッタ1fは、入射する光ビームを分離する光分離素子として機能し、コリメートレンズ1eから送られてきた光ビームを透過して、光ディスク20側へと導くとともに、光ディスク20で反射された反射光を反射して光検出器1m側へと導く。ビームスプリッタ1fを透過した光ビームは、立ち上げミラー1gに送られる。
【0023】
立ち上げミラー1gは、ビームスプリッタ1fを透過してきた光ビームを反射して光ディスク20へと導く。立ち上げミラー1gは、ビームスプリッタ1fからの光ビームの光軸に対して45°傾いた状態となっており、立ち上げミラー1gで反射された光ビームの光軸は、光ディスク20の記録面と略直交する。立ち上げミラー1gで反射された光ビームは、液晶素子1hに送られる。
【0024】
液晶素子1hは、透明電極に挟まれた液晶(いずれも図示せず)に電圧を印加することで、液晶分子がその配向方向を変える性質を利用して、屈折率の変化を制御し、液晶素子1hを透過する光ビームの位相の制御を可能とする素子である。
【0025】
この液晶素子1hを配置することによって、光ディスク20の記録面を保護する樹脂層の厚みの違い等によって生じる球面収差の補正が可能となる。液晶素子1hを通過した光ビームは1/4波長板1iへ送られる。
【0026】
1/4波長板1iは、入射する直線偏光を円偏光に変換するとともに、入射する円偏光を直線偏光に変換する機能を有する。液晶素子1hから送られて1/4波長板1iを通過するレーザ光は、直線偏光から円偏光へと変換されて対物レンズ1jに送られる。
【0027】
対物レンズ1jは、1/4波長板1iを透過した光ビームを光ディスク20の記録面上に集光させる。また、対物レンズ1jは後述するアクチュエータ1kによって、例えば、図2の上下方向(光ディスク20の記録面に対する垂直方向)及び左右方向(光ディスク20の半径方向)に移動可能とされており、フォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号に基づいてその位置が制御される。
【0028】
光ディスク20で反射された反射光は、対物レンズ1j、1/4波長板1i、液晶素子1hの順に通過し、立ち上げミラー1gで反射された後、さらにビームスプリッタ1fで反射されて、検出レンズ1lによって光検出器1m上に設けられる受光素子へと集光される。
【0029】
光検出器1mは、フォトダイオード等の受光素子を用いて受光した光を、電気信号に変換して信号生成回路2へ出力する。光検出器1mは例えば四分割された光ビームを受光する受光領域を備えており、領域ごとに個別に光電変換を行って電気信号を出力することが可能である。
【0030】
アクチュエータ1kは、ドライバ7(図1)で生成され出力された対物レンズ駆動信号に従って、対物レンズ1jを光ディスク20の半径方向に移動させる。アクチュエータ1kは、例えば永久磁石(不図示)によって形成される磁界内に位置するコイル(不図示)に駆動電流を流し、ローレンツ力にて対物レンズ1jを駆動することができるものであればよい。
【0031】
またアクチュエータ1kは、対物レンズ1jを光ディスク20の記録面に沿う方向に移動させるトラッキング動作の他に、対物レンズ1jを光ディスク20に対して接近離反するように移動させるフォーカス動作も行うことができる。
【0032】
説明を図1に戻し、信号生成回路2は、光検出器1m(図2)により光電変換されて出力される電気信号に基づきRF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、フォーカス和信号等の各種信号を生成する。
【0033】
サーボ制御部5は、トラッキングエラー信号に基づきトラッキングサーボ信号を生成してドライバ7に出力し、ドライバ7は、トラッキングサーボ信号に基づき光ピックアップ1内のアクチュエータ1k(図2)を駆動する。これにより、アクチュエータ1kは対物レンズ1jを光ディスク20の半径方向に駆動制御し、対物レンズ1jをトラックに追従させるトラッキング制御が行われる。
【0034】
また、サーボ制御部5は、フォーカスエラー信号に基づきフォーカスサーボ信号を生成してドライバ7に出力し、ドライバ7は、フォーカスサーボ信号に基づき光ピックアップ1内のアクチュエータ1kを駆動する。これにより、アクチュエータ1kは対物レンズ1jを光ディスク20の記録面に垂直方向に駆動制御し、対物レンズの焦点位置を記録層に追従させるフォーカス制御が行われる。
【0035】
LDパワー制御部6は、CD用LD1a、DVD用LD1b及びBD用LD1cを所望の出力パワーで駆動するようLDドライバ4を制御する。
【0036】
光ディスク20の再生時は、LDパワー制御部6の制御によりCD用LD1a、DVD用LD1b及びBD用LD1cは所望の再生用パワーで駆動される。このとき、記録再生処理回路3は、信号生成回路2から入力されるRF信号に対して2値化、復調処理、エラー訂正を行い、再生データを取り出す。デコーダ12は、再生データに対してデコードを行い、デコード後の映像音声データを再生出力部13を介して装置外部に出力する。
【0037】
光ディスク20の記録時は、記録再生処理回路3は、エンコーダ14によるエンコード後の記録データに対してエラー訂正のためのフラグ付加及び変調処理を行い、処理後のデータをLDドライバ4に送る。LDドライバ4は、記録再生処理回路3から送られたデータに基づきCD用LD1a、DVD用LD1b及びBD用LD1cを駆動し、データを光ディスク20に記録させる。このとき、LDパワー制御部6の制御によりCD用LD1a、DVD用LD1b及びBD用LD1cは所望の記録用パワーで駆動される。
【0038】
送りモータ8は、ドライバ7からの駆動信号により光ピックアップ1を光ディスク20の半径方向に駆動する。スピンドルモータ9は、ドライバ7からの駆動信号により光ディスク20を回転方向に駆動する。
【0039】
フロントエンドマイコン10は、サーボ制御部5、LDパワー制御部6等の光ディスクドライブ30各部を制御する。フラッシュROM11は、電源が切れても記憶情報を維持する不揮発性メモリであり、フロントエンドマイコン10によりエラー情報を蓄積保存される。エラー情報については後に詳述する。
【0040】
バックエンドマイコン15は、バックエンド側の各部を制御し、フロントエンドマイコン10とバックエンドマイコン15は、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)による通信が可能である。バックエンドマイコン15は、フロントエンドマイコン10に対し各種命令を行い、フロントエンドマイコン10は、バックエンドマイコン15に対しエラー情報等を通知できる。
【0041】
カードインタフェース16は、例えばSDカード等のメモリカード(不図示)を着脱可能であり、メモリカードにエラー情報等を書き込む。リモコン受信部17は、リモコン装置(不図示)から操作に応じた赤外線信号を受信し、リモコンコードをバックエンドマイコン15に出力する。
【0042】
<エラー情報に関して>
光ディスクドライブ30においてエラーが発生した場合、フロントエンドマイコン10は、エラー情報をバックエンドマイコン15に通知すると共に、エラー情報をフラッシュROM11に保存させる。図3に、エラー情報の構成例を示す。図3で示すエラー情報は、ATAPIに準拠するものであり、バイト0〜バイト17までの計18バイト分の情報となる。
【0043】
バイト0の0〜6ビットまではError Codeであり、バックエンドマイコン15からの現在のコマンドに対するエラーの場合は70hとなり、バックエンドマイコン15からの過去のコマンドに対するエラーの場合は71hとなる。
【0044】
バイト2の0〜3ビットまでのSense Keyと、バイト12のASC(Additional Sense Code)と、バイト13のASCQ(Additional Sense Code Qualifier)は、これらの組合せで各種エラーを表す(例えばフォーカスサーボのエラー、トラッキングサーボのエラー等)。バックエンドマイコン15は、Sense Key、ASC及びASCQによってエラーに対応した処理を行える。
【0045】
バイト8〜バイト11までの情報は、メーカが自由に規定できるベンダー情報であり、バックエンドマイコン15は参照しない。バイト8のHost Error Informationは、フロントエンドマイコン10におけるソフトウェアのうちバックエンドマイコン15側に最も近いホストと呼ばれるソフトウェアのバックエンドマイコン15との通信エラーを示す。バイト9のRead/Write Error Informationは、光ディスク20に対する読み取り、または書き込み時のエラーを示す。
【0046】
バイト10、11から成る2バイト分のデータであるMecha Error Informationは、光ディスクドライブ30におけるハードウェアに関するエラーを示す。図4に、Mecha Error Informationのうち特に重要なものを抜粋して記載する。図4における「番号」が2バイトで示されるデータとしてバイト10、11に格納される。以下、図4に示す各エラー内容について説明する。
【0047】
「BCA移動エラー情報」とは、光ディスク20が有するBCA(Burst Cutting Area)まで光ピックアップ1を移動させようとしたときに移動できなかった場合のエラーを示す。
【0048】
「ディスク無しエラー情報」とは、例えば光ディスク自体がマウントされていないことを検出したり、光ディスクが裏返しにマウントされていることを検出したり等、光ディスク無しと認識された場合のエラーを示し、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。
【0049】
「LD異常エラー情報」とは、レーザダイオード(LD)に関する異常を検出した場合のエラーを示し、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。「フォーカス異常エラー情報」とは、フォーカス動作に関する異常を検出した場合のエラーを示し、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。「トラッキング異常エラー情報」とは、トラッキング動作に関する異常を検出した場合のエラーを示す。
【0050】
「PFIエラー情報」とは、光ディスク20が有するPFI(Physical Format Information)領域に記録されたディスクタイプ情報を読み出したときに、読み出されたディスクタイプ情報が光ディスク装置100が対応しないディスクタイプであった場合のエラーを示し、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。
【0051】
「ディスク判別エラー情報」とは、フォーカスエラー信号やフォーカス和信号に基づき判別されたディスクタイプが、光ディスク20に記録されたディスク情報に含まれるディスクタイプ情報と一致しない場合のエラーを示し、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。
【0052】
「トラバース初期位置エラー情報」とは、所定の初期位置まで光ピックアップ1を移動させようとしたときに生じたエラーを示し、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。
【0053】
「ディスク偏芯エラー情報」とは、光ディスク20の偏芯を検出した場合のエラーを示す。
【0054】
「ディスク傷検出調整エラー情報」とは、光ディスク20の傷検出用の調整に失敗した場合のエラーを示す。「フォーカス調整エラー情報」とは、フォーカス調整に失敗した場合のエラーを示す。「オフセット調整エラー情報」とは、オフセット調整に失敗した場合のエラーを示す。「トラッキング調整エラー情報」とは、トラッキング調整に失敗した場合のエラーを示す。
【0055】
「温度フォーカスバランス調整エラー情報」とは、光ピックアップ1周辺の温度に応じたフォーカスバランス調整に失敗した場合のエラーを示す。
【0056】
「ディスク重さ異常エラー情報」とは、光ディスク20の重さが異常であることが検出された場合のエラーを示す。「トラック蛇行エラー情報」とは、光ディスク20のトラックが蛇行していることが検出された場合のエラーを示す。
【0057】
「読み出し信号調整エラー情報」とは、光ピックアップ1により読み出されたRF信号の調整に関する異常を検出した場合のエラーを示す。
【0058】
「ライトストラテジ異常エラー情報」とは、LDによるライトストラテジに関する異常を検出した場合のエラーを示す。
【0059】
「タスクOSエラー情報」とは、フロントエンドマイコン10のタスクを管理するOSに関するエラーを示す。
【0060】
「フォーカススクリプトエラー情報」とは、フォーカス動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示す。「トラッキングスクリプトエラー情報」とは、トラッキング動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示す。「モータスクリプトエラー情報」とは、スピンドルモータ9を制御するプログラムのスクリプトエラーを示す。「LDスクリプトエラー情報」とは、LDの動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示す。なお、スピンドルモータ9に限らず、例えば送りモータ8やディスクトレイの駆動モータ(不図示)等のモータを制御するプログラムのスクリプトエラーを示すエラー情報を設けてもよい。また、上記各スクリプトエラー情報については、複数のエラー内容に応じて複数の番号が付与される。
【0061】
エラーが発生した場合、対応するエラー内容のMecha Error Informationが格納されたエラー情報(図3)がフロントエンドマイコン10によりバックエンドマイコン15に通知されると共に、フラッシュROM11に蓄積保存される。
【0062】
リモコン装置(不図示)において所定の操作(通常、エンドユーザは知らない操作)がされると、バックエンドマイコン15は、フロントエンドマイコン10への要求によりフラッシュROM11に蓄積されたエラー情報を取得し、エラー情報をカードインタフェース16を介してメモリカードに記憶させる。これにより、光ディスク装置100に不具合が生じてエンドユーザから修理を依頼されたメーカ側では、詳細なエラー内容を含んだエラー情報をメモリカードに取得することができ、不具合要因の特定を行い易くなる。従って、修理サービス対応の負荷を軽減できる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
100 光ディスク装置
1 光ピックアップ
1a CD用LD
1b DVD用LD
1c BD用LD
2 信号生成回路
3 記録再生処理回路
4 LDドライバ
5 サーボ制御部
6 LDパワー制御部
7 ドライバ
8 送りモータ
9 スピンドルモータ
10 フロントエンドマイコン
11 フラッシュROM
12 デコーダ
13 再生出力部
14 エンコーダ
15 バックエンドマイコン
16 カードインタフェース
17 リモコン受信部
20 光ディスク
30 光ディスクドライブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対して記録及び/または再生を行う光ディスクドライブと、情報を記憶する記憶部と、を備えた光ディスク装置において、
前記光ディスクドライブにエラーが発生した場合に、発生したエラーに対応して以下の少なくともいずれかの情報を含むエラー情報を前記記憶部に蓄積保存させる保存部を備えることを特徴とする光ディスク装置。
光ディスクが有するBCA(Burst Cutting Area)まで光ピックアップを移動させようとしたときに移動できなかった場合のエラーを示すBCA移動エラー情報;
光ディスク無しと認識された場合のエラーを示すディスク無しエラー情報;
光ディスクが有するPFI(Physical Format Information)領域に記録されたディスクタイプ情報を読み出したときに、読み出されたディスクタイプ情報が光ディスク装置が対応しないディスクタイプであった場合のエラーを示すPFIエラー情報;
判別されたディスクタイプが、光ディスクに記録されたディスク情報に含まれるディスクタイプ情報と一致しない場合のエラーを示すディスク判別エラー情報;
所定の初期位置まで光ピックアップを移動させようとしたときに生じたエラーを示すトラバース初期位置エラー情報;
光ディスクの偏芯を検出した場合のエラーを示すディスク偏芯エラー情報;
光ディスクの傷検出用の調整に失敗した場合のエラーを示すディスク傷検出調整エラー情報;
フォーカス調整に失敗した場合のエラーを示すフォーカス調整エラー情報;
オフセット調整に失敗した場合のエラーを示すオフセット調整エラー情報;
トラッキング調整に失敗した場合のエラーを示すトラッキング調整エラー情報;
光ピックアップ周辺の温度に応じたフォーカスバランス調整に失敗した場合のエラーを示す温度フォーカスバランス調整エラー情報;
光ディスクの重さが異常であることが検出された場合のエラーを示すディスク重さ異常エラー情報;
光ディスクのトラックが蛇行していることが検出された場合のエラーを示すトラック蛇行エラー情報;
光ピックアップにより読み出されたRF信号の調整に関する異常を検出した場合のエラーを示す読み出し信号調整エラー情報;
LD(レーザダイオード)によるライトストラテジに関する異常を検出した場合のエラーを示すライトストラテジ異常エラー情報;
フロントエンドマイコンのタスクを管理するOSに関するエラーを示すタスクOSエラー情報;
フォーカス動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示すフォーカススクリプトエラー情報;
トラッキング動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示すトラッキングスクリプトエラー情報;
モータを制御するプログラムのスクリプトエラーを示すモータスクリプトエラー情報;
LDの動作を制御するプログラムのスクリプトエラーを示すLDスクリプトエラー情報;
【請求項2】
前記保存部は、バックエンドマイコンとATAPI(AT Attachment Packet Interface)による通信を行うフロントエンドマイコンであり、前記エラーが発生した場合に前記フロントエンドマイコンから前記バックエンドマイコンに前記エラー情報が通知されることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
操作部において所定の操作がされると、前記記憶部に蓄積された前記エラー情報をメモリカードに記憶させるメモリカード記憶部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記光ディスクドライブが有する不揮発性メモリであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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