説明

光ディスク駆動装置

【課題】
光ディスク駆動装置1において、ランダムアクセスなどの急加速や急減速時に光ピックアップ7の走行性能が劣化することで記録再生性能の劣化を生じさせていた。
【解決手段】
光ピックアップ7に備えたガイドフィード21の二つのギア23間に溝構造31を備え、該溝部31による曲げ構造を施した。これにより、スクリューギア14の該ガイドフィード21のギア23の噛み合い状態の安定化を図ることで、光ピックアップ7走行時に該ギア23部で生じる歯飛びや脱調を防止でき安定な走行が可能となり、光ディスク駆動装置1の記録再生性能の向上が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセス時に生じる光ピックアップの走行性能に関するものであり、特に光ピックアップのギア送り機構部における歯飛び及び脱調を防止することで記録再生性能を向上させた光ディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク駆動装置の安定な記録再生には、ディスク半径方向へ駆動する光ピックアップの走行性能向上が必要である。
【0003】
スリム型光ディスク駆動装置の光ピックアップの駆動方式は、ステップモータの回転軸と一体となったスクリューギアと、光ピックアップ筺体に備えたガイドフィードギア部が噛み合い、ステップモータの回転に伴って駆動力が光ピックアップへ伝達されてディスク半径方向へ走行する。
【0004】
このとき、ガイドフィードギア部は一定の押圧力でスクリューギアへ押し当てているが、急激な走行加速度が加わるとガイドフィードギアがスクリューギアを乗り上げ、ギア間の歯飛びや脱調などの現象が生じる。したがって、光ピックアップの走行性能向上には、アクセスに応じたスクリューギアとガイドフィードギアの適正な押圧力が必要となる。
【0005】
従来技術としては、ガイドフィードに備えたギアを板ばねやスプリングばねなどによりスクリューギアへ押圧する構造がある。
【0006】
特許文献1には、ガイドフィードに備えた二つのギア部を一枚の板ばねで成型し、スクリューギアへ押圧する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−288763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された技術は、離間した位置でスクリューギアの溝部に光ピックアップ側に備えた二つの突起部(ギア部)が押圧された構造である。しかしこれら突起部に押圧力を与える薄板形状の板ばねは該二つの突起部の非対称な位置で固定されているために、スクリューギアへの押圧力が異なることになる。
【0009】
一方、光ピックアップはディスクの内周から外周の範囲で移動(走行)するために、スクリューギアと光ピックアップに備えたギア間での押圧特性が異なる。
【0010】
光ピックアップはディスク内周から外周の範囲内で常に同じ押圧特性であることが望ましく、そのためには光ピックアップに備えた二つのギアに対して、スクリューギアへの押圧構造は対称構造にする必要がある。
【0011】
本発明の目的は、光ピックアップに備えた二つのギアがスクリューギアに対して同じ押圧力で押し付けることで、走行方向によらず常に安定な走行特性を確保し、光ピックアップに備えた二つのギアの姿勢を制御することで、歯飛びや脱調などの不具合を低減させて、記録再生性能の安定化を図った光ディスク駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、光ディスクを回転させるスピンドルモータと、回転する光ディスクの記録・再生を行う光ピックアップと、この光ピックアップに装着されたガイドフィードと、このガイドフィードに取り付けられた二つ対称なギア部と、前記光ピックアップを走行させるために前記ギア部と噛み合う螺旋溝を有するスクリューギアとを備えた光ディスク駆動装置において、前記ガイドフィードは前記二つ対称なギア部で前記スクリューギアの前記溝を押圧する方向に変形する弾性を備えていることにより達成される。
を特徴とするディスク駆動装置。
【0013】
また上記目的は、前記ガイドフィードは二つ対称なギア部が前記スクリューギアの溝を抱き込む方向に弾性変形することにより達成される。
【0014】
また上記目的は、前記ガイドフィードは二つ対称なギア部が前記スクリューギアの溝を押し広げる方向に弾性変形することにより達成される。
【0015】
また上記目的は、前記ガイドフィードは二つ対称なギア部間には初期的な曲げ弾性が施され、前記リードスクリューに押圧されることで前記二つ対称なギア部は内側に向けた曲げ力が作用し、このスクリューギア部に対して、前記二つ対称なギア部にはほぼ同等な押圧力を作用させることにより達成される。
【0016】
また上記目的は、前記ガイドフィードは二つ対称なギア部間には初期的な曲げ弾性が施され、前記リードスクリューに押圧されることで前記二つ対称なギア部は外側に向けた曲げ力が作用し、このスクリューギア部に対して、前記二つ対称なギア部にはほぼ同等の押圧力を作用させることにより達成される。
【0017】
また上記目的は、前記ガイドフィードは二つ対称なギア部間に溝を備えていることにより達成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、記録再生時のランダムアクセスなど光ピックアップがディスク半径方向に急加減速したときでも走行系ギア部の歯飛びや脱調などの不具合をなくすことができるため安定な走行が可能となり、記録再生性能などの信頼性の高い光ディスク駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一般的な光ディスク駆動装置の構造を示す分解斜視図である。
【図2】光ディスク駆動装置内部のスピンドルモータ、光ピックアップ及び、光ピックアップ走行構造を示す斜視図である。
【図3】光ピックアップの走行駆動伝達機構となる、従来のガイドフィードとスクリューギア構造図である。
【図4】光ピックアップ走行時のガイドフィードの不安定挙動を説明する図である。
【図5】本発明の第一実施例であるガイドフィード構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の第一実施例であるガイドフィードとスクリューギアの走行挙動を説明する図である。
【図7】本発明の第二の実施例であるガイドフィード構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の光ディスク駆動装置1を実施するための形態を説明する。図1から図6は、本発明の実施例1の形態や,実施の形態を説明するための図であり、これらの図において同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【実施例1】
【0021】
まず、本発明の一実施形態に係る光ディスク駆動装置1の構成について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態における光ディスク駆動装置1の分解斜視図である。
【0023】
図1において、光ディスク駆動装置1は、直径120mm、厚さ1.2mmのCD、DVD、BD(ブルーレイ・ディスク)等の記録媒体(以下、ディスクと呼ぶ)の記録面に対して情報の記録再生を行うものである。
【0024】
本発明で対象とする光ディスク駆動装置1はおおむね、幅130mm、奥行き130mm、装置厚12.7mm(あるいは、9.5mm)の薄厚箱型形状で,モバイル型パーソナルコンピュータに装備されているスリム型(あるいは、スーパスリム型)ドライブと呼ばれている光ディスク駆動装置1である。
【0025】
光ディスク駆動装置1は、トップカバー3とボトムカバー4を嵌合及びネジ締結により組み立てて成形された筐体で構成されている。トップカバー3とボトムカバー4は、薄板鋼板をプレス成形することによりそれぞれ製造されている。該筐体内部(光ディスク駆動装置1内部)には、樹脂成形品のディスクトレイ6が配置されている。ディスクトレイ6の前端には、図示していないフロントパネルが装着されており、ここからディスクを搬出入している。ディスクトレイ6の下面にユニットメカ5が装着されている。ユニットメカ5は、弾性部材からなる複数のインシュレータを介してディスクトレイ6に取り付けられている。該インシュレータによって、装置外部からユニットメカ5へ伝わる振動や衝撃、あるいは、ユニットメカ5から外部へ伝わる振動や衝撃を減衰している。
【0026】
ユニットメカ5は、ベースとなる図示していないユニットメカシャシを有し、ユニットメカシャシに、ディスクを回転駆動するスピンドルモータ2、ディスクの記録面の情報を再生し、又は、記録面に情報を記録するための光ピックアップ7、光ピックアップ7をディスク半径方向に沿って移動させるための駆動手段、これらの部品への接触防止や電気的なノイズを遮断するユニットカバー8が装着されている。
【0027】
ディスクトレイ6の中央には、ディスクの外径より僅かに大きな円形溝が形成されている。この円溝の底面の一部に切欠き孔を備え、ユニットメカ5のユニットカバー8、光ピックアップ7、スピンドルモータ2が露出している。ディスクの装着や離脱には該ディスクトレイ6の両側に備えたガイド機構により、ディスクトレイ6が該フロントパネルより光ディスク駆動装置1外部にスライドして突出する。
【0028】
本発明が対象としている光ディスク駆動装置1においては、ディスクへの記録、ディスク情報の再生時に光ピックアップ7がディスク半径方向に走行する際、例えばランダムアクセスなどによって、急加速・減速走行するときの走行系の安定化を向上させるものである。具体的には光ピックアップ7への走行駆動伝達構造を改善したものであり、これにより光ディスク駆動装置1の信頼性の向上を図ったものである。
【0029】
図2で光ピックアップ7の走行機構を説明する。
【0030】
図2は光ディスク駆動装置内部のスピンドルモータ、光ピックアップ及び、光ピックアップ走行構造を示す斜視図である。
【0031】
図2において、光ピックアップの周辺構造部品としてはスピンドルモータ2、走行駆動力発生部品となるステップモータ13、駆動力伝達構造となるスクリューギア14、光ピックアップ7に備えたガイドフィード21が存在する。記録再生時には、スピンドルモータ2に図示していないディスクが装着され、該ディスクの半径方向に光ピックアップ7は走行する。その際、光ピックアップ7は主軸軸受16、副軸軸受17を介して主軸ガイドバー11、副軸ガイドバー12を摺動して走行する。
【0032】
走行駆動力はユニットメカ5部に備えたステップモータ13により回転軸と一体となったスクリューギア14、光ピックアップ7に装着したガイドフィード21を介して駆動力が伝達され走行する。該ガイドフィード21には二つの歯部(ギア部23)を有しており、スクリューギア14の溝部に噛み合っている。このスクリューギア14は螺旋状の溝が形成されており、この溝が回転することにより二つのギア部23を介して、駆動力が伝達され光ピックアップ7は走行する。ブラケット15はステップモータ13とスクリューギア14を支持するものである。上述のガイドフィード21は樹脂成型品であり、光ピックアップ7筺体に備えた二本の位置決めピン25を基準に一本のネジ24で取り付けられている。
【0033】
ガイドフィード21の構造について図3を用いて詳細に説明する。
【0034】
図3は光ピックアップの走行駆動伝達機構となる、従来のガイドフィードとスクリューギア構造図である。
【0035】
図3において、図2に示したようにガイドフィード21は二本の位置決めピン25を基準に一本のネジ24で光ピックアップ7筺体に取り付けられている。また、該ガイドフィード21は光ピックアップ7取付部側からS字形状でその先端部に二つ対称なギア(歯部)部23を有し、S字構造内部にスプリング22を介すことで常に該二つのギア部23をスクリューギア14の溝を押圧する構造となっている。
【0036】
このようなギア構造による光ピックアップ7の走行時に生じる本発明の解決すべき課題について、図4を用いて説明する。
【0037】
図4(a)(b)はガイドフィード21(図中、先端部のみ図示)の先端部に備えた二つ対称なギア部23とスクリューギア14との噛み合い状態を示す図である。
【0038】
図4(a)の状態は光ピックアップ7の走行安定状態である。スクリューギア14の溝に対し、ガイドフィード21の二つのギア23は隣接した該スクリューギア14の溝に噛み合い、図に示す走行方向(矢印)に対して該二つのギア23はともに溝部の片側側面に接触した状態となる。光ディスク駆動装置1では、シーケンシャルリードなど、ディスク内周から外周に向けてディスク情報を再生する場合などは急激な加速、減速があるため、この状態を維持することができ、比較的安定な走行が可能である。
【0039】
しかしながら、ディスクの情報がランダムな位置に記録されている場合など光ピックアップをランダムにアクセスさせて再生する場合、図4(b)のようにスクリューギア14に対してガイドフィード21が安定追従できず、場合によっては二つのうち一方のギア23が溝部から外れる(図中○で表記)ことがある。
【0040】
この現象を歯飛びと呼んでいる。また歯飛びが生じ、さらに走行方向へ力がかかると完全に二つのギア23が溝を脱輪する、いわゆる脱調現象が生じる。これらの現象は、特に光ピックアップ7が走行する際の急加速、急減速時に顕著に発生することが分かった。このような現象を解決するために本発明の発明者らは種々検討を行った結果以下のような実施例を得た。
【0041】
図5(a)(b)は、本実施例を備えたガイドフィードの構造を示す斜視図である。
【0042】
図5において、本実施例の特徴はガイドフィード21に設けた二つのギア部23間に、局所的な段差構造(溝構造31)を施して曲げ弾性を備えたことである。
【0043】
図5に示したガイドフィード21は光ピックアップ7に固定するため、先に説明したように光ピックアップ21筺体に備えた二本の位置決めピン25(図2に示す)とネジ24により光ピックアップ7に取り付けられている。この取付部側からスクリューギア14方向に薄板S字形状でその先端部に二つのギア部23を有している。そして、S字構造内部にスプリング22を介すことで常に該二つのギア部23をスクリューギア14の溝を押圧する構造となっている。
【0044】
図5(a)に示すガイドフィード21構造では、該先端部に設けた二つのギア23間であって、外側(スクリューギア14方向)に溝構造31を備えた。また、図5(b)の構造では同様に該先端部に設けた二つのギア23間であって、内側(光ピックアップ7筺体方向)に溝構造31を備えた。
【0045】
これら本実施例の構造により、ガイドフィード21に備えた二つのギア23はスクリューギア14に対してそれぞれが剛体として作用することなく、各ギア23がスクリューギア14部の溝部に一様な押圧力で作用することになる。
【0046】
また、ギア23間に溝構造31を設けることで各ギア23を単独に押圧作用させる際、一般的な平板ばね鋼を用いた場合に比べてギア間の距離を小さくすることが可能となる。したがって、ギア23と噛み合うスクリューギア14の溝部は隣りの溝部を使用することができるため、光ピックアップ7として小型化を図かることができる。
【0047】
図6を用いて図5(a)のガイドフィード21構造と図5(b)のガイドフィード21構造のスクリューギア14部への押圧作用について、その違いを説明する。
【0048】
図6は図5に示した本発明の一実施例であるガイドフィード21のギア部23構造とスクリューギア14溝部との噛み合い状態を示した図である。
【0049】
図6(a)は図5(a)に示したガイドフィード21構造のギア23噛み合い状態である。
【0050】
図6(a)において、ガイドフィード21の二つのギア23は、図に示す矢印の走行方向の場合スクリューギア14の溝部に対して、常に走行側で接触支持する。このとき、前記二つのギア23間に設けた溝31により、ギア23には矢印の方向に常に力が作用することで、常に溝部に安定に押し付けられる。これによって光ピックアップ7の走行時に急激な加速、減速が作用するランダムアクセス時などでも歯飛びや脱調などの不具合が発生せず、安定な走行が可能となる。
【0051】
換言すると、ガイドフィード21は溝31を境として両側が矢印方向のバネ性を備えているため、二つのギア23はスクリューギア14の溝部に対して内側方向に常に走行側で接触支持されることになる。つまり二つ対称なギア23が螺旋状の溝を抱き込むように作用するため歯飛びや脱調を防止することができるものである。
【0052】
図6(b)は図5(b)に示したガイドフィード21構造のギア23噛み合い状態である。
【0053】
図5(b)において、ガイドフィード21の二つのギア23は、図に示す矢印の走行方向の場合スクリューギア14の溝部に対して、各ギア23の外側で接触支持する。図に示す二つのギア23間に設けた溝構造31により、ギア23には矢印の方向に常に力が作用する。これによって、先に述べたガイドフィード21の溝構造と同様に光ピックアップ7の走行時に急激な加速、減速が作用した場合でも歯飛び、脱調などの不具合が発生せず、安定な走行が可能となる。したがって、本発明により記録再生性能の信頼性が高い光ディスク駆動装置1を提供することができる。
【0054】
換言すると、ガイドフィード21はスクリューギア14とは反対側に設けた溝31を境として両側が矢印方向のバネ性を備えているため、二つのギア23はスクリューギア14の溝部に対して外側方向に常に走行側で接触支持されることになる。つまり二つ対称なギア23が螺旋状の溝を押し広げる方向に作用するため歯飛びや脱調を防止することができるものである
【実施例2】
【0055】
本発明の実施例2の形態について、図7を用いて説明する。
【0056】
図7は本発明の第2の実施例を備えたガイドフィード構造を示す図である。
【0057】
図5に示した実施例1の構造においては、ガイドフィード21に備えた二つのギア23間に溝構造31を備えて、さらに該二つのギア23に対して該溝構造31を曲げ部として初期的な曲げ変形構造としたものである。
【0058】
図7(a)はガイドフィード21に備えた二つのギア23間であって、スクリューギア14側に溝構造31を施した実施例である。この実施例では溝部31が内側になるような曲げ構造とした。
【0059】
これにより、ガイドフィード21がスクリューギア14へ押圧されると押圧力により該曲げ部が開くように変形し、その反力によって二つのギア23はスクリューギア14方向に押付力が作用する。図6(a)で述べたように該二つのギアは23スクリューギア14の溝に対して、常に走行方向で接触するように押圧力が作用することとなる。
【0060】
換言すると、ガイドフィード21は溝31を境として当初から曲げられたバネ性を備えているため、二つのギア23はスクリューギア14の溝部に対して内側方向に常に走行側で接触支持されることになる。
【0061】
図7(b)はガイドフィード21に備えた二つのギア23間であって、光ピックアップ1側に溝構造31を施した実施例である。この実施例では溝部31を内側になるような曲げ構造とした。これにより、ガイドフィード21がスクリューギア14へ押圧されると押圧力により該曲げ部が開くように変形する。図6(b)で述べたように該二つのギア23はスクリューギア14の溝に対して、各ギア23の外側で接触するように押圧力が作用することとなる。
【0062】
このようなガイドフィード21構造にすることで二つのギア23にはほぼ同等の押圧力が作用し、光ピックアップ1の走行時に急激な加速、減速が作用した場合でも歯飛び、脱調などの不具合が発生せず、安定な走行が可能となる。したがって、本発明により記録再生性能の信頼性が高い光ディスク駆動装置1を提供することができる。
【0063】
換言すると、ガイドフィード21はスクリューギア14とは反対側に設けた溝31を境として当初から曲げられたバネ性を備えているため、二つのギア23はスクリューギア14の溝部に対して外側方向に常に走行側で接触支持されることになる。
【0064】
本発明は以上のごとく、記録再生時のランダムアクセスなど光ピックアップがディスク半径方向に急加減速したときでも走行系ギア部の歯飛びや脱調などの不具合をなくすことができるため安定な走行が可能となり、記録再生性能などの信頼性の高い光ディスク駆動装置を提供できる。
【符号の説明】
【0065】
1…光ディスク駆動装置、2…スピンドルモータ、3…トップカバー、4…ボトムカバー、5…ユニットメカ、6…ディスクトレイ、7…光ピックアップ、8…ユニットカバー、11…主軸ガイドバー、12…副軸ガイドバー、13…ステップモータ、14…スクリューギア、15…ブラケット、16…主軸軸受、17…副軸軸受、21…ガイドフィード、22…スプリング、23…ギア部、24…取付ネジ、25…位置決めピン、31…弾性構造。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを回転させるスピンドルモータと、回転する光ディスクの記録・再生を行う光ピックアップと、この光ピックアップに装着されたガイドフィードと、このガイドフィードに取り付けられた二つ対称なギア部と、前記光ピックアップを走行させるために前記ギア部と噛み合う螺旋溝を有するスクリューギアとを備えた光ディスク駆動装置において、前記ガイドフィードは前記二つ対称なギア部で前記スクリューギアの前記溝を押圧する方向に変形する弾性を備えていることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスク駆動装置において、
前記ガイドフィードは二つ対称なギア部が前記スクリューギアの溝を抱き込む方向に弾性変形することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項3】
請求項1記載のディスク駆動装置において、
前記ガイドフィードは二つ対称なギア部が前記スクリューギアの溝を押し広げる方向に弾性変形することを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項4】
請求項1記載のディスク駆動装置において、
前記ガイドフィードは二つ対称なギア部間には初期的な曲げ弾性が施され、前記リードスクリューに押圧されることで前記二つ対称なギア部は内側に向けた曲げ力が作用し、このスクリューギア部に対して、前記二つ対称なギア部にはほぼ同等な押圧力を作用させることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項5】
請求項1記載のディスク駆動装置において、
前記ガイドフィードは二つ対称なギア部間には初期的な曲げ弾性が施され、前記リードスクリューに押圧されることで前記二つ対称なギア部は外側に向けた曲げ力が作用し、このスクリューギア部に対して、前記二つ対称なギア部にはほぼ同等の押圧力を作用させることを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項6】
請求項1記載のディスク駆動装置において、
前記ガイドフィードは二つ対称なギア部間に溝を備えていることを特徴とするディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−165251(P2011−165251A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25388(P2010−25388)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】