説明

光ピックアップ支持装置及びその搬送方法

【課題】従来の光ピックアップ支持装置では、対物レンズが保護されない状況にて搬送されるため、対物レンズが汚れ、集光性が悪化し易いという問題があった。
【解決手段】本発明の光ピックアップ支持装置1では、シャーシ2の支持領域11、12に取付孔13、16が形成され、光ピックアップ支持装置1の搬送時等には、対物レンズ保護部材10が、取り付けられる。対物レンズ保護部材10の下方には、少なくとも光ピックアップ装置8表面側に露出する対物レンズ9が配置される。この構造により、対物レンズ9は、作業員の指紋やグリース等により汚れされ難くなり、汚れ等により対物レンズ9の集光性が悪化することが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ支持装置内に組み込まれる光ピックアップ装置の対物レンズを保護する光ピックアップ支持装置及びその搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置の一実施例として、図5に示す構造が知られている。図示の如く、光ディスク駆動機構41のメカシャーシ42の紙面右側には、ターンテーブル43が配置される。ターンテーブル43は、スピンドルモータ44のモータ軸の先端に固定される。ターンテーブル43の紙面左側には、光ピックアップ装置45が配置され、光ピックアップ装置45の表面側には集光用の対物レンズ46が配置される。そして、メカシャーシ42には、紙面X軸方向にメインシャフト47とサブシャフト48が平行に配置され、光ピックアップ装置45は、メインシャフト47とサブシャフト48にて支持される。光ピックアップ装置45は、メインシャフト47とサブシャフト48によりガイドされ、スレッド送り機構(図示せず)によって紙面X軸方向(光ディスクの径方向)に移動する。そして、光ピックアップ装置45の対物レンズ46が、ターンテーブル43に載置された光ディスク49の最内周から最外周まで移動することで、光ディスク49内の記録情報の読み取り等が行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−66767号公報(第3−4頁、第1−2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスク駆動機構41は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ等に搭載される光ディスク装置に組み込まれる。そして、光ディスク駆動機構41に内蔵されたレーザーダイオード(以下、LDと呼ぶ。)からレーザー光を出射し、対物レンズ46を介してそのレーザー光を光ディスク49に照射すると共に、その反射光を読み取ることで、光ディスク内の記録情報の読み取り等を行っている。
【0005】
前述したように、通常、部品メーカーにて光ピックアップ装置45等をメカシャーシ42へと組み込み、光ディスク駆動機構41を完成させた後に、光ディスク駆動機構41は、光ディスク装置を製造販売するセットメーカーへと搬入される。そのため、部品メーカー側では、光ディスク駆動機構41を完成させた後、その光ディスク駆動機構41を搬送用トレーに積み込む作業が行われる。一方、セットメーカー側では、納品された搬送用トレーから光ディスク駆動機構41を取り出し、セット製品へと組み込む作業が行われる。
【0006】
このとき、対物レンズ46は、光ピックアップ装置45の表面側から露出する構造のため、梱包、搬出作業や搬入、取り出し作業中等に、作業員の指等が対物レンズ46に触れ、対物レンズ46に指紋やグリースが付着し、集光性が悪化することで、その光ディスク駆動機構41がクレーム対象品となる問題がある。あるいは、対物レンズ46の汚れの程度次第では、その光ディスク駆動機構41が不良品として取り扱われる問題がある。特に、最近の光ピックアップ装置45では、CD(Compact Disk)規格、DVD(Digital Versatile Disk)規格、BD(Blu−ray Disk)規格の3規格に対応し、使用される対物レンズ46も高価となり、光ディスク駆動機構41が不良化した場合には、コストアップに繋がるという問題がある。
【0007】
また、前述したように、光ピックアップ装置45は、メインシャフト47とサブシャフト48にて支持された状態にて搬送される。そのため、搬送用トレー自体や光ディスク駆動機構41が落下した際には、その落下衝撃により、光ピックアップ装置45が、メインシャフト47間を移動し、破損するという問題がある。また、部品メーカーからセットメーカーへの輸送時においても、同様に、搬送用トレー内にて光ピックアップ装置45が移動し、その衝撃により破損するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した各事情に鑑みて成されたものであり、本発明の光ピックアップ支持装置では、少なくとも対向する一対の側辺に沿って支持領域が形成されたシャーシと、前記シャーシの支持領域の内側の空間部に配置され、光記録媒体の径方向へ光ピックアップ装置の移動をガイドするガイド軸と、前記光記録媒体を回転させ、前記ガイド軸の一端側の前記シャーシに配置されたスピンドルモータとを有し、前記支持領域は、前記空間部上方を覆う対物レンズ保護部材が着脱可能に取り付けられる領域として用いられ、前記支持領域には、少なくとも前記ピックアップ装置の表面側に位置する対物レンズ上方を覆うように、前記対物レンズ保護部材が取り付けられるための取付孔が形成されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の光ピックアップ支持装置の搬送方法では、前記光ピックアップ支持装置に前記対物レンズ保護部材を取り付けた状態にて前記光ピックアップ支持装置を搬送し、前記光ピックアップ支持装置から前記対物レンズ保護部材を取り外した後、前記ピックアップ支持部材をセット製品へと組み込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、光ピックアップ装置の対物レンズの上方が、対物レンズ保護部材により覆われることで、対物レンズが指紋やグリース等で汚れることが防止される。
【0011】
また、本発明では、光ピックアップ装置が、スピンドルモータ近傍にて固定された状態にて搬送され、光ピックアップ装置の破損が防止される。
【0012】
また、本発明では、光ピックアップ装置が、対物レンズ保護部材の移動防止壁及びスピンドルモータにて固定された状態にて搬送される。
【0013】
また、本発明では、対物レンズ保護部材の持ち手部分が曲面形状に加工されることで、対物レンズ保護部材の取り扱い性が向上し、作業効率が向上される。
【0014】
また、本発明では、対物レンズ保護部材が簡易な構造となることで、シャーシへの着脱作業が容易に行われる。
【0015】
また、本発明では、対物レンズ保護部材を取り付けた状態にて光ピックアップ支持装置を搬送することで、対物レンズの汚れ等が防止され、また、光ピックアップ装置の破損が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における光ピックアップ支持装置を説明する(A)斜視図、(B)斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における光ピックアップ支持装置を説明する(A)斜視図、(B)斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における光ピックアップ支持装置を説明する(A)上面図、(B)断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における光ピックアップ支持装置を説明する斜視図である。
【図5】従来の実施の形態における光ディスク装置を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施の形態である光ピックアップ支持装置及びその搬送方法について説明する。図1(A)は、光ピックアップ支持装置の表面側から見た斜視図である。図1(B)は、光ピックアップ支持装置の裏面側から見た斜視図である。図2(A)及び(B)は、対物レンズ保護部材の斜視図である。図3(A)は、光ピックアップ支持装置の表面側から見た上面図である。図3(B)は、図3(A)に示す光ピックアップ支持装置のA−A線方向の断面図である。図4は、光ピックアップ支持装置の光ピックアップ装置を説明する斜視図である。
【0018】
図1(A)に示す如く、光ピックアップ支持装置1は、シャーシ2に、以下に説明する種々の構成部品が組み込まれ、構成される。そして、光ピックアップ支持装置1は、CD規格、DVD規格、BD規格の光ディスクに対して情報を記録し、また、光ディスクから情報を再生する。
【0019】
先ず、シャーシ2は、例えば、ポリカーボネート、変形PPE、ABS樹脂等の樹脂材料を射出成形し、枠体形状あるいは額縁形状に形成される。そして、シャーシ2の4つのコーナー部には、切り欠き部3が形成され、切り欠き部3を介してネジ等の締結手段により、光ディスク装置へ光ピックアップ支持装置1が、取り付けられる。尚、シャーシ2の樹脂材料としては、ガラス繊維が充填された樹脂材料が用いられる場合でも良い。
【0020】
次に、スピンドルモータ4が、シャーシ2の長手方向(紙面X軸方向)の左側に配置され、スピンドルモータ4のモータ軸の先端にはターンテーブル5が固定される。スピンドルモータ4は、ターンテーブル5のチャッキング機構により保持された光ディスクを所定の速度にて回転させる。
【0021】
次に、第1ガイド軸6及び第2ガイド軸7が、シャーシ2の短手方向(紙面Y軸方向)の上下部に光ディスクの径方向に沿って配置され、互いに平行の位置関係となる。第1ガイド軸6及び第2ガイド軸7は、例えば、ステンレス等の金属材料から成り、丸棒状に形成される。尚、第1ガイド軸6は、主ガイド軸と称され、第2ガイド軸7は副ガイド軸と称される場合があり、ガイド軸がシャフトと称される場合もある。
【0022】
次に、光ピックアップ装置8は、第1ガイド軸6と第2ガイド軸7によりその両側を支持され、光ディスクの径方向(紙面X軸方向)に移動可能となる。光ピックアップ装置8には、半導体レーザー素子、回折格子、ハーフミラー、コリメートレンズ、対物レンズ等の複数の光学系素子が内蔵される。そして、光ピックアップ装置8の表面側には、対物レンズ9が露出して配置される。対物レンズ9が、光ピックアップ装置8の動作に合わせて、第1ガイド軸6に沿って光ディスクの径方向へ移動する。そして、光ピックアップ装置8は、スピンドルモータ4により回転する光ディスクに対して、対物レンズ9を介してレーザー光を照射する。一方、光ピックアップ装置8は、光ディスクから反射したレーザー光を対物レンズ9を介して集光し、光ディスクから情報を読み取り、また、光ディスクへと情報を書き込む。
【0023】
次に、シャーシ2の短手方向(紙面Y軸方向)の上下端部には、対物レンズ保護部材10が着脱する支持領域11、12が、一定幅にて形成される。そして、支持領域11、12には、スピンドルモータ4側に取付孔13〜16が形成され、対物レンズ保護部材10の突起部が取付孔13〜16へと挿入される。詳細は後述するが、対物レンズ保護部材10が、シャーシ2の表面側を覆うように着脱自在に取り付けられることで、光ピックアップ支持装置1を搬送する際に、対物レンズ9に指紋等が付着することが防止される。尚、図示したように、第1ガイド軸6及び第2ガイド軸7は、シャーシ2の支持領域11、12の内側に配置される。
【0024】
図1(B)に示す如く、シャーシ2の支持領域11には、スレッドモータ17及びリードスクリュー18が配置される。リードスクリュー18の外周面には螺旋状のガイド溝が形成され、リードスクリュー18の一端側がスレッドモータ17に連結する。一方、光ピックアップ装置8の先端部に形成された係合部19は、リードスクリュー18のガイド溝に係合するように配置される。スレッドモータ17は、トラッキング信号に応じて駆動することで、リードスクリュー18のガイド溝も一定方向に回転する。そして、係合部19には、リードスクリュー18の回転に応じて光ピックアップ装置8が移動する外力が加わる。図示したように、リードスクリュー18が、第1ガイド軸6と第2ガイド軸7に平行に配置されることで、前述したように、光ピックアップ装置8は、光ディスクの径方向に移動する。
【0025】
図2(A)は、対物レンズ保護部材10の表面側からの斜視図を示す。対物レンズ保護部材10は、光ピックアップ支持装置1と同様に、樹脂材料を射出成形して形成される。対物レンズ保護部材10では、その幅W1の領域が突出するように、段差形状に形成される。その突出領域の幅W1は、図1(A)に示すシャーシ2の空間部の幅(紙面Y軸方向の幅)と、実質、一致し、突出領域の下方には光ピックアップ装置8が配置される。また、対物レンズ保護部材10の全体の幅W2は、図1(A)に示すシャーシ2の取付孔13、16間の幅と、実質、一致する。
【0026】
次に、丸印20、21にて示すように、対物レンズ保護部材10の表面側では、突出領域の両端部の側面が曲面形状に加工される。作業員は、搬送用トレーから光ピックアップ支持装置1を取り出し、光ディスク装置へと組み込む。そのため、作業員の指先にはグリース等が付着し滑り易い状態である。そこで、詳細は後述するが、対物レンズ保護部材10の突出領域の側面が、その内側へと湾曲する曲面形状となることで、作業員も摘み易く、滑り難い状況となり、シャーシ2から容易に対物レンズ保護部材10を取り外すことができ、作業性が向上される。更に、前述した取り外し作業が容易に行われることで、作業員の指等が、誤って対物レンズ9に触れ、対物レンズ9にグリースや指紋が付着することが防止される。尚、作業員が、光ピックアップ支持装置1へ対物レンズ保護部材10を取り付ける際にも、同様に、その作業性が向上される。
【0027】
図2(B)は、対物レンズ保護部材10の裏面側からの斜視図を示す。図示したように、対物レンズ保護部材10には、シャーシ2の支持領域11、12の取付孔13〜16(図1(A)参照)に対応した領域に突起部22〜25が配置される。突起部22、23は、例えば、取付孔13、16に対応し、その形状は板状体となり、その板状体の内側面には、その先端側から中央側へと段々と厚くなる爪部26、27が形成される。また、突起部24、25は、例えば、取付孔14、15に対応し、その形状は丸棒状となる。そして、対物レンズ保護部材10が、シャーシ2に取り付けられた際には、突起部22〜25が、取付孔13〜16内へと挿入される。
【0028】
次に、丸印28にて示すように、対物レンズ保護部材10の側面には、移動防止壁29が配置される。詳細は図4を用いて説明するが、光ピックアップ支持装置1が搬送用トレー等により搬送される際に、光ピックアップ装置8が、第1ガイド軸6に沿って自由に移動することが防止される。そして、光ピックアップ装置8が、移動時にシャーシ2等と衝突し、その衝撃により光ピックアップ装置8が破損することが防止される。
【0029】
図3(A)に示す如く、対物レンズ保護部材10が、シャーシ2の表面側に取り付けられ、光ピックアップ装置8を覆うように配置される。対物レンズ保護部材10は、例えば、光ピックアップ支持装置1を搬送する際に、対物レンズ9が汚れることや損傷することを防止するために用いられる。そのため、対物レンズ保護部材10は、搬送用トレー等に収納される前にシャーシ2に取り付けられ、光ピックアップ支持装置1が、光ディスク装置等のセット製品へと組み込む前にシャーシ2から取り外される。
【0030】
この搬送方法により、光ピックアップ支持装置1の搬送時等、光ピックアップ支持装置1がセット製品へと組み込まれるまでの間、作業員が対物レンズ9へと触れ難い状況が実現される。そして、前述したように、作業員の指等が、誤って対物レンズ9に触れ、対物レンズ9にグリースや指紋が付着することが防止され、対物レンズ9の汚れにより集光性が悪化することが防止される。また、対物レンズ保護部材10が、少なくとも対物レンズ9上方を覆うように配置されることで、搬送時の振動等により、対物レンズ9が損傷することが防止される。その結果、対物レンズ9の汚れや損傷により集光性が悪化し、光ピックアップ装置8を含む、光ピックアップ支持装置1が不良品として取り扱われることを防止できる。
【0031】
図3(B)に示す如く、対物レンズ保護部材10の突起部22〜25が、シャーシ2の取付孔13〜16内に挿入され、対物レンズ保護部材10は、シャーシ2へと固定される。具体的には、丸印30、31にて示すように、対物レンズ保護部材10の突起部22、23は、取付孔13、16内の内側側面に当接するように挿入される。そして、突起部22、23の爪部26、27が、取付孔13、16の底部に噛み合うことで、突起部22、23が取付孔13、16から抜け出すことが防止される。図示していないが、突起部24、25は、取付孔14、15内に挿入され、対物レンズ保護部材10の位置決めとして用いられる。
【0032】
尚、前述したように、対物レンズ保護部材10の幅W2(図2(A)参照)と図1(A)に示すシャーシ2の取付孔13、16間の幅とが、実質、一致する。そのため、対物レンズ保護部材10をシャーシ2に取り付けた後には、対物レンズ保護部材10の突起部22、23が、取付孔13、16内の内側側面に当接し、爪部26、27が、取付孔13、16の底部に噛み合う。
【0033】
また、前述したように、対物レンズ保護部材10は、幅W1の突出領域を有し、その突出領域の下方に光ピックアップ装置8が配置されることで、対物レンズ保護部材10と光ピックアップ装置8との間には隙間が形成される。この構造により、光ピックアップ装置8表面から露出する対物レンズ9が、対物レンズ保護部材10と接触することが防止され、搬送時等に、対物レンズ9が損傷することが防止される。
【0034】
更に、対物レンズ保護部材10が、樹脂材料により形成され、ある程度の弾性を有する構造となる。そして、対物レンズ保護部材10をシャーシ2から取り外す際には、突出領域の両側面を内側へと摘みながら、対物レンズ保護部材10をシャーシ2側へと押すことで、突起部22、23の先端側(爪部22、23の形成領域側)が、取付孔13、16内の内側側面から離れる方向へと変形する。そして、突起部22、23の爪部26、27が、取付孔13、16の底部から外れた後、対物レンズ保護部材10をシャーシ2上方へと引っ張ることで、対物レンズ保護部材10は容易にシャーシ2から取り外される。
【0035】
図4は、光ピックアップ装置8が、第1ガイド軸6及び第2ガイド軸7に支持される状況を示す。前述した光学系素子が内蔵されたハウジング32上面には、対物レンズ9を支持するアクチュエータ33と、光ピックアップ装置8の入出力端子としてのコネクタ34が固着される。光ピックアップ装置8には、ハウジング32と一体的に成形されたガイド孔35及びガイド溝36が形成される。そして、ガイド孔35には、第1ガイド軸6が挿通され、光ピックアップ装置8が、第1ガイド軸6に沿って光ディスクの径方向に移動する。また、ガイド溝36は、例えば、U字形状に形成され、ガイド溝36内には第2ガイド軸7が配置される。尚、ハウジング32は、光ピックアップ支持装置1と同様に、樹脂材料を射出成形して形成される。
【0036】
ここで、図2(B)を用いて前述したように、丸印28にて示す領域には、光ピックアップ装置8の移動を規制する移動防止壁29が配置される。対物レンズ保護部材10は光ピックアップ装置8がスピンドルモータ4側の可動限界の最内周位置に配置された際にシャーシ2に取り付けられる。図示したように、対物レンズ保護部材10が、シャーシ2に取り付けられると、移動防止壁29の底面側の曲面形状部分37が第1ガイド軸6と接触する。そして、図4の丸印38にて示す領域のガイド孔35が、移動防止壁29と接触することで、光ピックアップ装置8が、第1ガイド軸6に沿って自由に移動することが防止される。一方、図3(A)に示すように、対物レンズ保護部材10が、シャーシ2のスピンドルモータ4側に取り付けられることで、光ピックアップ装置8の移動が、スピンドルモータ4によっても規制される。その結果、例えば、光ピックアップ支持装置1の搬送時等、光ピックアップ支持装置1が、セット製品へと組み込まれるまでの間に、光ピックアップ装置8が、第1ガイド軸6に沿って自由に移動することが規制される。そして、光ピックアップ装置8が、搬送時や落下時の衝撃によりシャーシ2等と衝突し、その衝撃により光ピックアップ装置8が破損することが防止される。
【0037】
尚、本実施の形態では、対物レンズ保護部材10が、スピンドルモータ4側に配置される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、対物レンズ保護部材10が、スピンドルモータ4と反対側の端部近傍に配置される場合でも良い。対物レンズ9上方に配置され、搬送時等に光ピックアップ装置8の動きを規制する箇所に対物レンズ保護部材10が配置されることで、前述した効果と同様な効果が得られる。
【0038】
また、光ピックアップ装置8のガイド孔35が、対物レンズ保護部材10の移動防止壁29と接触することで、光ピックアップ装置8の動きを規制する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、光ピックアップ装置8のハウジング32の一部が、対物レンズ保護部材10の移動防止壁29と接触する場合でも良く、前述した効果と同様な効果が得られる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 光ピックアップ支持装置
2 シャーシ
4 スピンドルモータ
6 第1ガイド軸
7 第2ガイド軸
8 光ピックアップ装置
9 対物レンズ
10 対物レンズ保護部材
11、12 支持領域
13、16 取付孔
22、23 突起部
26、27 爪部
29 移動防止壁
35 ガイド孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも対向する一対の側辺に沿って支持領域が形成されたシャーシと、
前記シャーシの支持領域の内側の空間部に配置され、光記録媒体の径方向へ光ピックアップ装置の移動をガイドするガイド軸と、
前記光記録媒体を回転させ、前記ガイド軸の一端側の前記シャーシに配置されたスピンドルモータとを有し、
前記支持領域は、前記空間部上方を覆う対物レンズ保護部材が着脱可能に取り付けられる領域として用いられ、
前記支持領域には、少なくとも前記ピックアップ装置の表面側に位置する対物レンズ上方を覆うように、前記対物レンズ保護部材が取り付けられるための取付孔が形成されることを特徴とする光ピックアップ支持装置。
【請求項2】
前記光ピックアップ装置が、前記スピンドルモータ側の可動限界位置にて前記対物レンズ保護部材にて固定されるように、前記取付孔が、前記スピンドルモータ近傍の前記支持領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ支持装置。
【請求項3】
前記対物レンズ保護部材には、前記光ピックアップ装置の移動を規制する移動防止壁が配置され、
前記対物レンズ保護部材は、前記移動防止壁が前記ガイド軸上方に配置されるように前記シャーシに取り付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ピックアップ支持装置。
【請求項4】
前記対物レンズ保護部材は、少なくとも前記対物レンズ上方を覆う領域が突出して形成され、前記突出領域の両端部の側面は、前記突出領域側へと湾曲する曲面形状となることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ支持装置。
【請求項5】
前記対物レンズ保護部材には、前記取付孔に挿入される突起部が形成され、前記突起部の内側面には爪部が形成され、前記爪部が、前記取付孔の底面と噛み合うことで、前記対物レンズ保護部材が前記シャーシに固定されることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ支持装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の前記光ピックアップ支持装置に前記対物レンズ保護部材を取り付けた状態にて前記光ピックアップ支持装置を搬送し、前記光ピックアップ支持装置から前記対物レンズ保護部材を取り外した後、前記ピックアップ支持部材をセット製品へと組み込むことを特徴とする光ピックアップ支持装置の搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−248955(P2011−248955A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119991(P2010−119991)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】