光ファイバ収納用の段積トレイ
【課題】段積したトレイ本体の上部位置するトレイ本体を蝶番を支点に起立させて、その起立状態を保持することのできる光ファイバ収納用の段積トレイを提供する。
【解決手段】複数の光ファイバ収納用のトレイ本体1、2を段積して蝶番3により起伏自在とした段積トレイにおいて、上下に段積した一方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に弾性突起4を突設するとともに他方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に係止突起5を突設して、上方のトレイ本体2が起立した状態において弾性突起4に係止突起5が係合して、該起立した状態を保持したことを特徴とする光ファイバ収納用の段積トレイ。
【解決手段】複数の光ファイバ収納用のトレイ本体1、2を段積して蝶番3により起伏自在とした段積トレイにおいて、上下に段積した一方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に弾性突起4を突設するとともに他方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に係止突起5を突設して、上方のトレイ本体2が起立した状態において弾性突起4に係止突起5が係合して、該起立した状態を保持したことを特徴とする光ファイバ収納用の段積トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの余長収納トレイ、心線接続トレイ、アダプタ接続トレイ等の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積してなる光ファイバ収納用の段積トレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ収納用の段積トレイは下方に位置するトレイ本体に光ファイバの配線作業を行う場合に、これの上部に位置するトレイ本体を除いて行う必要がある。そこで、これに対応させた技術手段としては、段積したトレイ本体を起伏自在に蝶番で連結して、上部に位置するトレイ本体を蝶番を支点に起立させて、下方に位置するトレイ本体の上面を開放状態とするものがある(特許文献1参照)。
【0003】
ところが、前記のような従来のものは、上部に位置するトレイ本体を起立状態を保持するための手段を欠くものであるため、作業中にこのトレイ本体に手指が触れた際にトレイ本体が下方に位置するトレイ本体側に倒れるという問題がある。
【特許文献1】特開2005−157149公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような従来の問題点を解決して、段積したトレイ本体の上部位置するトレイ本体を蝶番を支点に起立させて、その起立状態を保持することのできる光ファイバ収納用の段積トレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光ファイバ収納用の段積トレイは、複数の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積して蝶番により起伏自在とした段積トレイにおいて、上下に段積した一方のトレイ本体の蝶番側の側面に弾性突起を突設するとともに他方のトレイ本体の蝶番側の側面に係止突起を突設して、上方のトレイ本体が起立した状態において弾性突起が係止突起に係合して、該起立した状態を保持したことを特徴とするものを基本の発明とする。
【0006】
そして、この発明において、弾性突起を内向きに対向させた一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の間に介入させる係合突出部を形成してトレイ本体が起立した状態において係合突出部の上面部が該爪部に係合するものが好ましいものである。
【0007】
また、弾性突起を外向きに形成した一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の外側より係合する突出部を備えるものとして、トレイ本体が起立した状態において突出部の上面部が爪部に係合するものとしてもよい。
【0008】
さらに、弾性突起の上部を平面部として形成し、トレイ本体が起立した状態において上部のトレイ本体の側面を前記平面部に当接して保持したものとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
前記した本発明の光ファイバ収納用の段積トレイは、複数の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積して蝶番により起伏自在としたものであるから、上部に位置するトレイ本体を蝶番を支点に回動して起立させて、下方に位置するトレイ本体の上面を開放状態として光ファイバの配線作業を行う事ができるものである。この場合に、上下に段積した一方のトレイ本体の側面に弾性突起を突設するとともに他方のトレイ本体の側面に係止突起を突設して、上方のトレイ本体が起立した状態において弾性突起に係止突起が係合して、該起立した状態を保持できるものであるから、作業中に起立させたトレイ本体に手指が触れても下方に位置するトレイ本体側に倒れることがないものである。
【0010】
また、弾性突起を内向きに対向させた一対の爪部を備えるものとし、係止突起を前記一対の爪部の間に介入させる係合突出部を形成してトレイ本体が起立した状態において係合突出部の上面部が爪部に係合したものとすれば、係合箇所が2個所となり安定して上方のトレイ本体の起立状態を保持できるものである。
【0011】
また、弾性突起を外向きに形成した一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の外側より係合する突出部を備えるものとして、トレイ本体が起立した状態において突出部の上面部が爪部に係合するものとしたものとしても、係合箇所が2個所となり安定して上方のトレイ本体の起立状態を保持できるものである。
【0012】
さらに、前記弾性突起の上部を平面部として形成し、トレイ本体が起立した状態において上部のトレイ本体の側面を前記平面部に当接して保持したものとすれば、複数のトレイを起立させて弾性突起に強く荷重がかかった場合であっても安定してトレイを保持することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図に基づき説明する。
〔第1の実施形態〕
先ず、図1―図6に示す、内部に光ファイバの曲率を維持する複数の巻回部材を備える余長収納用のトレイ本体1の上に、図示を略した内部に心線接続部を保持する保持部材を備えるカバー2a付きの心線接続用のトレイ本体2を段積してなる光ファイバ収納用の段積トレイにより第1の実施形態を説明する。
【0014】
前記トレイ本体1の上に段積したトレイ本体2は蝶番3により回動して起伏自在とされている。なお、この蝶番3は一方のトレイ本体1に蝶番用軸部を設け、他方のトレイ本体1に前記蝶番用軸部に嵌合する蝶番用筒部を蝶番用軸部が嵌入できる切欠部を形成させて設けて、蝶番用軸部と蝶番用筒部を着脱できるものとしている。また、前記上下に段積した一方のトレイ本体である下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に弾性突起4を突設するとともに他方のトレイ本体である上方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に係止突起5を突設してある。
【0015】
そして、上方のトレイ本体2が蝶番3を支点に回動して下方のトレイ本体1の上面を開口させて起立した状態において弾性突起4に係止突起5が係合して、該起立した状態を保持するものである。これにより下方のトレイ本体1に光ファイバの配線作業において起立させたトレイ本体2に手指が触れても下方に位置するトレイ本体1側に倒れることがないものである。
【0016】
前記弾性突起4と係止突起5は図1―図4に示すものは、弾性突起4が下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設し、一対の腕片部40、40の先端に内向きに対向させた一対の爪部41、41を備えるものとしいる。また、係止突起5は上方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に突設した係合突出部としての腕板部50とその先端に前記一対の爪部41、41の間に介入させる係合突出部51よりなるものである。なお、係合突出部51の形状は図示のものは円柱形状であるが、四角形状、六角形状等その他形状でもよい。
【0017】
そして、トレイ本体2が蝶番3を支点に回動した際に係合突出部51の端部周縁部51a、51aが爪部41、41を外側に撓ませて該爪部41、41の間を通過した後に爪部41、41の撓みが解除されて図3、図4に示すように腕板部50の上面部50aに爪部41、41に係合するものとしている。これにより、トレイ本体2は下方に位置するトレイ本体1の内側に倒れることがない。
【0018】
また、弾性突起4の上部、すなわち一対の腕片部40、40の上部を平面部40a、40aとして形成し、トレイ本体2が起立した状態において腕片部40、40の上部の平面部40a、40aに、トレイ本体2の側面を当接させることにより、外側にも倒れることなく起立状態を保持するものである。
この構造により、複数のトレイを起立させた場合であって、弾性突起に荷重が強くかかった場合であっても、安定してトレイを保持することができるという利点がある。
【0019】
なお、トレイ1本体が外側に倒れることを防止する構造としては、係止突起5の係合突出部51が下方に位置するトレイ本体1の側面11に当接させるものとしてもよい。
【0020】
さらに、トレイ本体2が起立した状態において腕片部40、40の上部の平面部40a、40aに、トレイ本体2の側面を当接させると同時に、係止突起5の係合突出部51が下方に位置するトレイ本体1の側面11に当接させる構造とすれば、弾性突起4及び係止突起5にかかる力が分散し、複数のトレイを起立させた場合であって、弾性突起に荷重が強くかかった場合であっても、より安定してトレイを保持することができるという利点がある。
【0021】
また、爪部41は一対である必要はなく一方のみとしてもよい。すなわち、図5、図6に示すように、下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設した弾性突起4を単一の腕片部40の先端に爪部41を備えるものとし、上方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に突設した係止突起5を前記爪部41に対応する腕板部50の上面部50aに形成したものとしてもよい。
さらに、上記構造において弾性突起4と係止突起5は、図5に示すように下方のトレイ本体1の側面11の蝶番3、3の中間に一組を配置してもよいが、蝶番3、3の外側にそれぞれ一組づつ配置したものとしてもよい。
【0022】
さらに、弾性突起4及び係止突起5のうちいずれか一方を、蝶番3と一体的に形成してもよい。例えば、蝶番用軸部を嵌入するトレイ本体2に設けた蝶番筒部の外周縁部に係止突起5を形成し、対応する弾性突起4を蝶番部の下方に対応して形成するものとしてもよい。
【0023】
なお、トレイ本体1とトレイ本体2とは種類の異なる光接続トレイであるが、上述したような蝶番、弾性突起、係止突起の構造をそれぞれのトレイに採用することにより、必要に応じて異なる種類のトレイを最適に段積みすることが可能なものである。
【0024】
〔第2の実施形態〕
次ぎに、図7―図10に示す、内部に光ファイバの曲率を維持する複数の巻回部材を備える余長収納用のトレイ本体1同士を上下に段積してなる光ファイバ収納用の段積トレイにより第2の実施形態について説明する。
【0025】
この第2の実施形態2は前記第1の実施形態と、光ファイバ収納用の段積トレイの構成及び弾性突起4と係止突起5が相違するに過ぎないものであるから、この相違する部分につき説明し、他の説明は前記第1の実施形態の説明を援用する。
【0026】
すなわち、下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設した弾性突起4は突出部としての一対の腕片部40、40の先端にそれぞれ外向きに爪部42、42を備えるものとし、上方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設した係止突起5を前記爪部42、42の外側より係合する一対の腕板部50、50よりなるものとしている。また、一対の腕板部50、50の下面には、断面半円状の突出部52、52が形成されている。
【0027】
これにより、トレイ本体1が蝶番3を支点に回動した際に一対の腕板部50、50の下面に設けた突出部52、52の端部周縁部52a、52aが爪部42、42を内側に撓ませて、該爪部42、42の外側を通過した後に爪部42、42が撓みを解除して腕板部50、50の上面が爪部42、42に係合している。これにより、トレイ本体1は下方に位置するトレイ本体1の内側に倒れることがない。
【0028】
また、実施形態1と同様に一対の腕片部40、40の上部を平面部40a、40aとして形成し、トレイ本体2が起立した状態において腕片部40、40の上部の平面部40a、40aに、トレイ本体2の側面を当接させる構造とすれば、外側にも倒れることなく起立状態を保持するものである。
また、トレイを起立させた状態で、係止突起5の係合突出部51が下方に位置するトレイ本体1の側面11に当接させるものとすれば、弾性突起に荷重が強くかかった場合であっても、安定してトレイを保持することができるという利点があることも実施形態1と同様である。
【0029】
また、図11に示すように、トレイ本体1の側面11にケーブル保持具6を取り付けるための取付孔7を設けて、該取付孔7にケーブル保持具6の裏面に設けた突起6aを着脱自在に嵌合できるものとすることにより、ケーブルの出線位置に合わせて適切にケーブル保持具を配置できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態の要部を示す斜視図
【図3】第1の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す斜視図。
【図4】第1の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す要部の斜視図。
【図5】第1の実施形態の他例の要部を示す斜視図
【図6】第1の実施形態の他例の上方のトレイ本体を起立させて示す要部の斜視図。
【図7】第2の実施形態を示す斜視図。
【図8】第2の実施形態の要部を示す斜視図
【図9】第2の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す斜視図。
【図10】第2の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す要部の斜視図。
【図11】(A)は側面にケーブル保持具を取り付けたトレイ本体の1例を示す斜視図、(B)はケーブル保持具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 トレイ本体
2 トレイ本体
3 蝶番
4 弾性突起
41 爪部
42 爪部
5 係止突起
51 係合突出部
51a 端部周縁部
52 突出部
52a 周縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの余長収納トレイ、心線接続トレイ、アダプタ接続トレイ等の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積してなる光ファイバ収納用の段積トレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ収納用の段積トレイは下方に位置するトレイ本体に光ファイバの配線作業を行う場合に、これの上部に位置するトレイ本体を除いて行う必要がある。そこで、これに対応させた技術手段としては、段積したトレイ本体を起伏自在に蝶番で連結して、上部に位置するトレイ本体を蝶番を支点に起立させて、下方に位置するトレイ本体の上面を開放状態とするものがある(特許文献1参照)。
【0003】
ところが、前記のような従来のものは、上部に位置するトレイ本体を起立状態を保持するための手段を欠くものであるため、作業中にこのトレイ本体に手指が触れた際にトレイ本体が下方に位置するトレイ本体側に倒れるという問題がある。
【特許文献1】特開2005−157149公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような従来の問題点を解決して、段積したトレイ本体の上部位置するトレイ本体を蝶番を支点に起立させて、その起立状態を保持することのできる光ファイバ収納用の段積トレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光ファイバ収納用の段積トレイは、複数の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積して蝶番により起伏自在とした段積トレイにおいて、上下に段積した一方のトレイ本体の蝶番側の側面に弾性突起を突設するとともに他方のトレイ本体の蝶番側の側面に係止突起を突設して、上方のトレイ本体が起立した状態において弾性突起が係止突起に係合して、該起立した状態を保持したことを特徴とするものを基本の発明とする。
【0006】
そして、この発明において、弾性突起を内向きに対向させた一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の間に介入させる係合突出部を形成してトレイ本体が起立した状態において係合突出部の上面部が該爪部に係合するものが好ましいものである。
【0007】
また、弾性突起を外向きに形成した一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の外側より係合する突出部を備えるものとして、トレイ本体が起立した状態において突出部の上面部が爪部に係合するものとしてもよい。
【0008】
さらに、弾性突起の上部を平面部として形成し、トレイ本体が起立した状態において上部のトレイ本体の側面を前記平面部に当接して保持したものとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
前記した本発明の光ファイバ収納用の段積トレイは、複数の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積して蝶番により起伏自在としたものであるから、上部に位置するトレイ本体を蝶番を支点に回動して起立させて、下方に位置するトレイ本体の上面を開放状態として光ファイバの配線作業を行う事ができるものである。この場合に、上下に段積した一方のトレイ本体の側面に弾性突起を突設するとともに他方のトレイ本体の側面に係止突起を突設して、上方のトレイ本体が起立した状態において弾性突起に係止突起が係合して、該起立した状態を保持できるものであるから、作業中に起立させたトレイ本体に手指が触れても下方に位置するトレイ本体側に倒れることがないものである。
【0010】
また、弾性突起を内向きに対向させた一対の爪部を備えるものとし、係止突起を前記一対の爪部の間に介入させる係合突出部を形成してトレイ本体が起立した状態において係合突出部の上面部が爪部に係合したものとすれば、係合箇所が2個所となり安定して上方のトレイ本体の起立状態を保持できるものである。
【0011】
また、弾性突起を外向きに形成した一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の外側より係合する突出部を備えるものとして、トレイ本体が起立した状態において突出部の上面部が爪部に係合するものとしたものとしても、係合箇所が2個所となり安定して上方のトレイ本体の起立状態を保持できるものである。
【0012】
さらに、前記弾性突起の上部を平面部として形成し、トレイ本体が起立した状態において上部のトレイ本体の側面を前記平面部に当接して保持したものとすれば、複数のトレイを起立させて弾性突起に強く荷重がかかった場合であっても安定してトレイを保持することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図に基づき説明する。
〔第1の実施形態〕
先ず、図1―図6に示す、内部に光ファイバの曲率を維持する複数の巻回部材を備える余長収納用のトレイ本体1の上に、図示を略した内部に心線接続部を保持する保持部材を備えるカバー2a付きの心線接続用のトレイ本体2を段積してなる光ファイバ収納用の段積トレイにより第1の実施形態を説明する。
【0014】
前記トレイ本体1の上に段積したトレイ本体2は蝶番3により回動して起伏自在とされている。なお、この蝶番3は一方のトレイ本体1に蝶番用軸部を設け、他方のトレイ本体1に前記蝶番用軸部に嵌合する蝶番用筒部を蝶番用軸部が嵌入できる切欠部を形成させて設けて、蝶番用軸部と蝶番用筒部を着脱できるものとしている。また、前記上下に段積した一方のトレイ本体である下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に弾性突起4を突設するとともに他方のトレイ本体である上方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に係止突起5を突設してある。
【0015】
そして、上方のトレイ本体2が蝶番3を支点に回動して下方のトレイ本体1の上面を開口させて起立した状態において弾性突起4に係止突起5が係合して、該起立した状態を保持するものである。これにより下方のトレイ本体1に光ファイバの配線作業において起立させたトレイ本体2に手指が触れても下方に位置するトレイ本体1側に倒れることがないものである。
【0016】
前記弾性突起4と係止突起5は図1―図4に示すものは、弾性突起4が下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設し、一対の腕片部40、40の先端に内向きに対向させた一対の爪部41、41を備えるものとしいる。また、係止突起5は上方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に突設した係合突出部としての腕板部50とその先端に前記一対の爪部41、41の間に介入させる係合突出部51よりなるものである。なお、係合突出部51の形状は図示のものは円柱形状であるが、四角形状、六角形状等その他形状でもよい。
【0017】
そして、トレイ本体2が蝶番3を支点に回動した際に係合突出部51の端部周縁部51a、51aが爪部41、41を外側に撓ませて該爪部41、41の間を通過した後に爪部41、41の撓みが解除されて図3、図4に示すように腕板部50の上面部50aに爪部41、41に係合するものとしている。これにより、トレイ本体2は下方に位置するトレイ本体1の内側に倒れることがない。
【0018】
また、弾性突起4の上部、すなわち一対の腕片部40、40の上部を平面部40a、40aとして形成し、トレイ本体2が起立した状態において腕片部40、40の上部の平面部40a、40aに、トレイ本体2の側面を当接させることにより、外側にも倒れることなく起立状態を保持するものである。
この構造により、複数のトレイを起立させた場合であって、弾性突起に荷重が強くかかった場合であっても、安定してトレイを保持することができるという利点がある。
【0019】
なお、トレイ1本体が外側に倒れることを防止する構造としては、係止突起5の係合突出部51が下方に位置するトレイ本体1の側面11に当接させるものとしてもよい。
【0020】
さらに、トレイ本体2が起立した状態において腕片部40、40の上部の平面部40a、40aに、トレイ本体2の側面を当接させると同時に、係止突起5の係合突出部51が下方に位置するトレイ本体1の側面11に当接させる構造とすれば、弾性突起4及び係止突起5にかかる力が分散し、複数のトレイを起立させた場合であって、弾性突起に荷重が強くかかった場合であっても、より安定してトレイを保持することができるという利点がある。
【0021】
また、爪部41は一対である必要はなく一方のみとしてもよい。すなわち、図5、図6に示すように、下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設した弾性突起4を単一の腕片部40の先端に爪部41を備えるものとし、上方のトレイ本体2の蝶番3側の側面21に突設した係止突起5を前記爪部41に対応する腕板部50の上面部50aに形成したものとしてもよい。
さらに、上記構造において弾性突起4と係止突起5は、図5に示すように下方のトレイ本体1の側面11の蝶番3、3の中間に一組を配置してもよいが、蝶番3、3の外側にそれぞれ一組づつ配置したものとしてもよい。
【0022】
さらに、弾性突起4及び係止突起5のうちいずれか一方を、蝶番3と一体的に形成してもよい。例えば、蝶番用軸部を嵌入するトレイ本体2に設けた蝶番筒部の外周縁部に係止突起5を形成し、対応する弾性突起4を蝶番部の下方に対応して形成するものとしてもよい。
【0023】
なお、トレイ本体1とトレイ本体2とは種類の異なる光接続トレイであるが、上述したような蝶番、弾性突起、係止突起の構造をそれぞれのトレイに採用することにより、必要に応じて異なる種類のトレイを最適に段積みすることが可能なものである。
【0024】
〔第2の実施形態〕
次ぎに、図7―図10に示す、内部に光ファイバの曲率を維持する複数の巻回部材を備える余長収納用のトレイ本体1同士を上下に段積してなる光ファイバ収納用の段積トレイにより第2の実施形態について説明する。
【0025】
この第2の実施形態2は前記第1の実施形態と、光ファイバ収納用の段積トレイの構成及び弾性突起4と係止突起5が相違するに過ぎないものであるから、この相違する部分につき説明し、他の説明は前記第1の実施形態の説明を援用する。
【0026】
すなわち、下方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設した弾性突起4は突出部としての一対の腕片部40、40の先端にそれぞれ外向きに爪部42、42を備えるものとし、上方のトレイ本体1の蝶番3側の側面11に突設した係止突起5を前記爪部42、42の外側より係合する一対の腕板部50、50よりなるものとしている。また、一対の腕板部50、50の下面には、断面半円状の突出部52、52が形成されている。
【0027】
これにより、トレイ本体1が蝶番3を支点に回動した際に一対の腕板部50、50の下面に設けた突出部52、52の端部周縁部52a、52aが爪部42、42を内側に撓ませて、該爪部42、42の外側を通過した後に爪部42、42が撓みを解除して腕板部50、50の上面が爪部42、42に係合している。これにより、トレイ本体1は下方に位置するトレイ本体1の内側に倒れることがない。
【0028】
また、実施形態1と同様に一対の腕片部40、40の上部を平面部40a、40aとして形成し、トレイ本体2が起立した状態において腕片部40、40の上部の平面部40a、40aに、トレイ本体2の側面を当接させる構造とすれば、外側にも倒れることなく起立状態を保持するものである。
また、トレイを起立させた状態で、係止突起5の係合突出部51が下方に位置するトレイ本体1の側面11に当接させるものとすれば、弾性突起に荷重が強くかかった場合であっても、安定してトレイを保持することができるという利点があることも実施形態1と同様である。
【0029】
また、図11に示すように、トレイ本体1の側面11にケーブル保持具6を取り付けるための取付孔7を設けて、該取付孔7にケーブル保持具6の裏面に設けた突起6aを着脱自在に嵌合できるものとすることにより、ケーブルの出線位置に合わせて適切にケーブル保持具を配置できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態の要部を示す斜視図
【図3】第1の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す斜視図。
【図4】第1の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す要部の斜視図。
【図5】第1の実施形態の他例の要部を示す斜視図
【図6】第1の実施形態の他例の上方のトレイ本体を起立させて示す要部の斜視図。
【図7】第2の実施形態を示す斜視図。
【図8】第2の実施形態の要部を示す斜視図
【図9】第2の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す斜視図。
【図10】第2の実施形態を上方のトレイ本体を起立させて示す要部の斜視図。
【図11】(A)は側面にケーブル保持具を取り付けたトレイ本体の1例を示す斜視図、(B)はケーブル保持具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 トレイ本体
2 トレイ本体
3 蝶番
4 弾性突起
41 爪部
42 爪部
5 係止突起
51 係合突出部
51a 端部周縁部
52 突出部
52a 周縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積して蝶番により起伏自在とした段積トレイにおいて、上下に段積した一方のトレイ本体の蝶番側の側面に弾性突起を突設するとともに他方のトレイ本体の蝶番側の側面に係止突起を突設して、上方のトレイ本体が起立した状態において弾性突起に係止突起が係合して、該起立した状態を保持したことを特徴とする光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項2】
弾性突起を内向きに対向させた一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の間に介入させる係合突出部を形成してトレイ本体が起立した状態において係合突出部の上面部が該爪部に係合する請求項1に記載の光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項3】
弾性突起を外向きに形成した一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の外側より係合する突出部を備えるものとして、トレイ本体が起立した状態において突出部の上面部が爪部に係合する請求項1に記載の光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項4】
弾性突起の上部を平面部として形成し、トレイ本体が起立した状態において上部のトレイ本体の側面を前記平面部に当接して保持した請求項2又は3に記載の光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項1】
複数の光ファイバ収納用のトレイ本体を段積して蝶番により起伏自在とした段積トレイにおいて、上下に段積した一方のトレイ本体の蝶番側の側面に弾性突起を突設するとともに他方のトレイ本体の蝶番側の側面に係止突起を突設して、上方のトレイ本体が起立した状態において弾性突起に係止突起が係合して、該起立した状態を保持したことを特徴とする光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項2】
弾性突起を内向きに対向させた一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の間に介入させる係合突出部を形成してトレイ本体が起立した状態において係合突出部の上面部が該爪部に係合する請求項1に記載の光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項3】
弾性突起を外向きに形成した一対の爪部を備えるものとし、係止突起に前記一対の爪部の外側より係合する突出部を備えるものとして、トレイ本体が起立した状態において突出部の上面部が爪部に係合する請求項1に記載の光ファイバ収納用の段積トレイ。
【請求項4】
弾性突起の上部を平面部として形成し、トレイ本体が起立した状態において上部のトレイ本体の側面を前記平面部に当接して保持した請求項2又は3に記載の光ファイバ収納用の段積トレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−109729(P2009−109729A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281621(P2007−281621)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000227401)日東工業株式会社 (374)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000227401)日東工業株式会社 (374)
【Fターム(参考)】
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