説明

光反射板

【課題】高い光反射率及び剛性を確保しつつ、比重が小さく、低コストで容易に成形することができる光反射板を提供する。
【解決手段】ポリプロピレン樹脂及び無機フィラーを含有する成形材料を成形してなる光反射板に関する。無機フィラーとして酸化チタンを成形材料全量に対して4〜15質量%含有する。酸化チタン以外の無機フィラーを成形材料全量に対して25〜40質量%含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の液晶表示装置や照明装置等に用いられる光反射板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置等に用いられる光反射板としては、各種のものが提供されている。例えば、熱収縮性が少なく、光線反射率のばらつきが少なく、生産性の高い光反射体として、多孔性樹脂シートからなるものが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。この光反射体は、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタンから選ばれる無機充填剤等をポリプロピレン樹脂に所定量配合した後、これを一軸方向に延伸することによって得られるものである。
【特許文献1】特開平11−174213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の光反射板にあっては、酸化チタン等の無機充填剤によって、高い光反射率及び剛性を得ることはできても、原材料のコストが嵩むという問題や、また、成形時の粘度が高く、成形するのが困難であるという問題がある。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高い光反射率及び剛性を確保しつつ、低コストで容易に成形することができる光反射板を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る光反射板は、ポリプロピレン樹脂及び無機フィラーを含有する成形材料を成形してなる光反射板において、無機フィラーとして酸化チタンを成形材料全量に対して4〜15質量%含有すると共に、酸化チタン以外の無機フィラーを成形材料全量に対して25〜40質量%含有して成ることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、ポリプロピレン樹脂として、ホモタイプのものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、酸化チタン以外の無機フィラーとして、炭酸カルシウムを用いて成ることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、酸化防止剤を含有して成ることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、銅害防止剤を含有して成ることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、帯電防止剤を含有して成ることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、光反射率が95%以上であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、120℃で72時間加熱処理を行った後の加熱質量減少率が0.1質量%以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に係る光反射板によれば、酸化チタンが4質量%以上含有されているので、高い光反射率を確保することができるものであり、また、無機フィラーが全体で29質量%以上含有されているので、高い剛性を確保することもできるものである。また、酸化チタンの含有量は15質量%以下であるので、光反射板の製造コストを低減することができるものである。さらに、無機フィラーの含有量が全体で55質量%以下であるので、容易に成形することができるものである。
【0014】
請求項2の発明によれば、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板が加熱されても揮発成分は発生しないので、光反射板の周囲に設置されるガラス板に揮発成分が付着するようなことがなくなり、ガラスの曇りを防止することができるものである。
【0015】
請求項3の発明によれば、光反射率を低下させることなく、光反射板の剛性を高めることができるものである。
【0016】
請求項4の発明によれば、光反射板の耐光性や耐熱性を向上させることができ、光や熱による光反射板の変色を低減することができるものである。
【0017】
請求項5の発明によれば、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板が銅等の金属と接触しても、これによる光反射板の劣化を防止することができるものである。
【0018】
請求項6の発明によれば、光反射板の帯電を防止することができるので、光反射板に埃やゴミが付着するのを防止することができるものである。
【0019】
請求項7の発明によれば、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光源の強度を強くする必要がなくなると共に、光源の個数を必要最小限に抑えることができるので、各種の液晶表示装置や照明装置等の製造コスト及びエネルギーロスの低減を図ることができるものである。
【0020】
請求項8の発明によれば、光反射板が加熱されても揮発成分が発生しにくくなるので、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板の周囲に設置されるガラス板に上記揮発成分が付着しにくくなり、ガラスの曇りを防止することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
本発明に係る光反射板は、ポリプロピレン樹脂(PP)及び無機フィラーを含有する成形材料を射出成形又はトランスファー成形することによって、製造することができる。
【0023】
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンを重合させて得られるものであれば、特に限定されるものではない。重合触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等を用いることができる。立体規則性も特に限定されるものではなく、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのいずれでもよい。なお、ポリプロピレン樹脂の代わりに、又はポリプロピレン樹脂と共に、ポリカーボネート樹脂(PC)を用いると、ポリプロピレン樹脂単独の場合に比べて、光反射率をさらに高めることができるが、その反面、光反射板の製造コストが増大する。
【0024】
また、ポリプロピレン樹脂としては、ホモタイプのもの(ホモPP)、ブロックタイプのもの(ブロックPP)、ランダムタイプのもの(ランダムPP)を用いることができる。ホモPPは、ポリプロピレン単体のみからなる重合体であるが、ブロックPPやランダムPPは、プロピレンにゴム成分(EPR)やエチレンを共重合させたものである。ブロックPPやランダムPPは耐衝撃性に優れているが、加熱すると分解して、ゴム成分やエチレンに由来する揮発成分が発生するおそれがあるので、ホモPPを用いるのが好ましい。このようにホモPPを用いると、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板が加熱されても揮発成分は発生しないので、光反射板の周囲に設置されるガラス板に揮発成分が付着するようなことがなくなり、ガラスの曇りを防止することができるものである。また、ホモPPを用いると、光反射板を120℃で72時間加熱処理した場合の加熱質量減少率を容易に0.1質量%以下に抑えることができるものである。
【0025】
無機フィラーとしては、酸化チタンを用いると共に、これ以外のものを少なくとも1種用いるものである。酸化チタン以外の無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ガラス等を用いることができる。
【0026】
酸化チタンは、成形材料全量に対して、4〜15質量%含有する。酸化チタンの含有量が4質量%より少ないと、光反射率が低くなるものである。また、酸化チタンの含有量が15質量%より多いと、高い光反射率及び剛性を得ることはできても、光反射板の比重が大きくなったり、光反射板の製造コストが増大したりするものである。
【0027】
一方、酸化チタン以外の無機フィラーは、成形材料全量に対して、25〜40質量%含有する。また、酸化チタンを含む無機フィラーの含有量が全体で29質量%より少ないと、反射板の剛性が低くなるものである。逆に、酸化チタンを含む無機フィラーの含有量が全体で55質量%より多いと、成形時の粘度が高くなり、射出成形やトランスファー成形をするのが困難となるものである。
【0028】
酸化チタン以外の無機フィラーとしては、炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。炭酸カルシウムを用いると、光反射率を低下させることなく、光反射板の剛性を高めることができるものである。なお、タルク、硫酸バリウム、ガラス等を用いると、光反射率が低下する場合がある。
【0029】
成形材料には、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を用いることができる。このような酸化防止剤をあらかじめ成形材料に添加しておくと、光反射板の耐光性や耐熱性を向上させることができ、光や熱による光反射板の変色を低減することができるものである。このような効果を得るためには、酸化防止剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.1〜1.0質量部の範囲に設定しておくのが好ましい。
【0030】
成形材料には、銅害防止剤(金属不活性剤)を含有することもできる。銅害防止剤としては、例えば、N,N−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等のヒドラジン系化合物、3−(3,5−ジ−テトラ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルジハイドライジド等を用いることができる。ポリプロピレン樹脂は、銅等の金属と接触したり、銅イオン等の重金属イオンが作用したりすると、劣化する場合があるが、上記のような銅害防止剤をあらかじめ成形材料に添加しておくと、劣化促進因子である銅イオン等をキレート化合物として捕捉することができるので、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板が銅等の金属と接触しても、これによる光反射板の劣化を防止することができるものである。このような効果を得るためには、銅害防止剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.1〜1.0質量部の範囲に設定しておくのが好ましい。
【0031】
成形材料には、帯電防止剤を含有することもできる。帯電防止剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム(分散剤)等の界面活性剤や、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボン等を用いることができる。このような帯電防止剤をあらかじめ成形材料に添加しておくと、光反射板の帯電を防止することができるので、光反射板に埃やゴミが付着するのを防止することができるものである。このような効果を得るためには、帯電防止剤の含有量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、0.1〜2.0質量部の範囲に設定しておくのが好ましい。
【0032】
そして、上記のような成形材料を射出成形又はトランスファー成形することによって、本発明に係る光反射板を製造することができるものである。ここで、無機フィラーの含有量は全体で55質量%以下であるので、成形時の粘度は高くならず、射出成形やトランスファー成形をするのに支障を来さないものである。しかもこのようにして得られる光反射板にあっては、高い光反射率及び剛性が確保されており、また、酸化チタンの含有量は15質量%以下であるため、上記のような光反射板は安価に製造することができるものである。なお、上記のようにして得られる光反射板にメッキ処理を施すと、光反射率をさらに高めることができるが、その反面、光反射板の製造コストが増大する。
【0033】
上記のようにして得られる光反射板の光反射率は93%以上となるが、中でも光反射率が95%以上(実質上の上限は99%)である光反射板が好ましい。光反射率が低い光反射板を用いると、視認性を確保するために光源の強度を強くしたり、又は光源の個数を多くしたりすることが必要とされるが、このような場合にはそれだけコスト及びエネルギーロスが増大し、また、光源の発熱量が多くなるので、光源の周囲の光反射板にはある程度の耐熱性が必要とされる。しかしながら、光反射率が95%以上である光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いると、光源の強度を強くする必要がなくなると共に、光源の個数を必要最小限に抑えることができるので、各種の液晶表示装置や照明装置等の製造コスト及びエネルギーロスの低減を図ることができるものである。
【0034】
また、上記のようにして得られる光反射板にあって、120℃で72時間加熱処理を行った後の加熱質量減少率は0.1質量%以下(実質上の下限は0.02質量%)であることが好ましい。この場合、光反射板が加熱されても揮発成分が発生しにくくなるので、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板の周囲に設置されるガラス板に上記揮発成分が付着しにくくなり、ガラスの曇りを防止することができるものである。しかし、上記加熱質量減少率が0.1質量%を超えると、揮発成分が発生しやすくなるので、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置等に組み込んで用いる場合に、光反射板の周囲に設置されるガラス板に上記揮発成分が付着してガラスが曇るおそれがある。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0036】
(実施例1〜10及び比較例1〜5)
光反射板の原材料として、次のようなものを用いた。
【0037】
すなわち、ホモタイプのポリプロピレン樹脂(PP)として、出光興産(株)製「J2003GP」を用い、ブロックタイプのポリプロピレン樹脂(PP)として、三井化学(株)製「815HK」を用いた。
【0038】
また、無機フィラーとして、酸化チタンであるTioxide社製「RTC−30」、炭酸カルシウムである林化成(株)製「タルカンパウダーPKC」、タルクである林化成(株)製「TTタルク」、沈降性硫酸バリウムである堺化学工業(株)製「#300」を用いた。
【0039】
また、酸化防止剤として、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である日本チバガイギー(株)製「イルガノックス1010」を用いた。
【0040】
また、銅害防止剤として、3−(3,5−ジ−テトラ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルジハイドライジドである日本チバガイギー(株)製「MD1024」を用いた。
【0041】
また、帯電防止剤として、ライオン・アクゾ(株)製「アーモスタッド515PS」、堺化学工業(株)製「分散剤 ステアリン酸マグネシウム」を用いた。
【0042】
そして、上記原材料にあらかじめ乾燥処理を行い、これを下記[表1]に示す配合量(質量部)でタンブラーを用いて10分間混合した後、ルーダーに通した。ルーダーの温度は、ダイス付近で230℃、投入口付近で240℃となるように設定した。ルーダーから出たストランドはすぐに冷却槽で冷却した後、カッターで切断することによって、2〜4mmのペレットとした。
【0043】
次に、上記のようにして得たペレット状の成形材料に乾燥処理を行った。乾燥処理は、除湿乾燥機を用いて120℃×4時間の条件で行った。そして、成形は100トン射出成形機を用いて行った。成形時のシリンダーの温度は、ヘッド付近で240℃、材料投入口付近で200℃となるように設定し、金型温度は80℃となるように設定した。このようにして得られた成形品(光反射板)をテストピースとして用いて、下記のような評価試験を行った。
【0044】
(光反射率)
光反射率を測定するためのテストピースとして、110mm×110mm×3mmの角板を射出成形によって得た。JIS−K7105の測定法Bに準拠して、分光光度計((株)日立製作所製「U−4300」)を用いて550nmの波長で角板のほぼ中央の反射率を測定し、最小反射率と最大反射率を求めた。そして、両者の中間を光反射率とした。その結果を下記[表1]に示す。
【0045】
(銅害強度保持率)
ASTM D638に準拠して得られた引っ張りテストピースの中央付近に、銅板(25mm×20mm×0.5mm)を両側からクリップを用いて押さえつけた。このままテストピースを150℃に設定した恒温機に入れて24時間処理を行った。そして、恒温機から取り出したテストピースをさらに常温で24時間放置した後、銅板を外した。このような処理を行ったテストピースについて、ASTM D638に準拠して測定を行った。処理前と処理後の引っ張り強度から銅害強度保持率を計算によって求めた。その結果を下記[表1]に示す。
【0046】
(埃付着数)
ASTM D638に準拠して得られた引っ張りテストピースを室内に168時間放置した。その後、テストピースに埃が付着してできたスジのようなものの数を数えた。その結果を下記[表1]に示す。
【0047】
(曲げ弾性率)
ASTM D790に準拠して曲げ弾性率を測定した。その結果を下記[表1]に示す。
【0048】
(シリンダー滞留による変色)
射出成形機のシリンダーで加熱溶融した成形材料をそのままシリンダー内に10分間滞留させた後、射出成形することによって、滞留時のテストピースを得た。
【0049】
また、射出成形機のシリンダーで加熱溶融した成形材料をシリンダー内に滞留させることなく、射出成形することによって、連続成形時のテストピースを得た。
【0050】
そして、上記のようにして得た滞留時及び連続成形時のテストピースの色調の差(ΔE)を分光式色差計(日本電色工業(株)製「SE2000」)で測定することによって、シリンダー滞留による変色を評価した。その結果を下記[表1]に示す。
【0051】
(120℃×72hr加熱質量減少率)
まず、ASTM D638に準拠して得られた引っ張りテストピースの常温(23℃)における質量(初期質量)を測定した。次に、120±2℃に保たれた恒温機内に上記テストピースを入れ、72時間経過した後に取り出して自然冷却した。このテストピースが常温になってから再度質量(加熱後質量)を測定した。そして、次の式に基づいて、120℃×72hr加熱質量減少率を計算した。その結果を下記[表1]に示す。
【0052】
(120℃×72hr加熱質量減少率)=((初期質量)−(加熱後質量))/(初期質量)×100
(ガラス曇り性)
ASTM D638に準拠して得られた引っ張りテストピースを半分に切断し、この半分に切断したものをガラス管の中に入れてガラス板で蓋をした。次に、このガラス管をオイルバスで140±2℃×72hr加熱した。そして、上記ガラス管を自然冷却した後、下記[表2]に基づいてガラス板の曇りを目視で評価した。その結果を下記[表1]に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
上記[表1]にみられるように、実施例1〜10については、光反射率がいずれも93%以上と高いうえに、曲げ弾性率はいずれも3.8GPa以上であり、剛性も高いことが確認される。特に、銅害防止剤を用いた実施例8については、銅害強度保持率が著しく高いことから、劣化防止に有効であることが確認される。また、ステアリン酸マグネシウム以外にも帯電防止剤を用いた実施例7については、埃やゴミの付着を確実に防止できることが確認される。また、酸化防止剤を用いた実施例6については、ΔEが著しく小さいことから、熱による変色の防止に有効であることが確認される。また、ホモPPを用いた実施例1〜8については、加熱質量減少率が0.1質量%以下であることから、揮発成分が発生しにくく、ガラス曇りの防止に有効であることが確認される。
【0056】
これに対して、比較例1、2、4については、酸化チタンの含有量が少ないため、光反射率はいずれも91%以下と低いことが確認される。また、比較例1、3については、酸化チタン以外の無機フィラーの含有量が少ないため、曲げ弾性率はいずれも3.5GPa以下であり、剛性が低いことが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン樹脂及び無機フィラーを含有する成形材料を成形してなる光反射板において、無機フィラーとして酸化チタンを成形材料全量に対して4〜15質量%含有すると共に、酸化チタン以外の無機フィラーを成形材料全量に対して25〜40質量%含有して成ることを特徴とする光反射板。
【請求項2】
ポリプロピレン樹脂として、ホモタイプのものを用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
【請求項3】
酸化チタン以外の無機フィラーとして、炭酸カルシウムを用いて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射板。
【請求項4】
酸化防止剤を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光反射板。
【請求項5】
銅害防止剤を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光反射板。
【請求項6】
帯電防止剤を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光反射板。
【請求項7】
光反射率が95%以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光反射板。
【請求項8】
120℃で72時間加熱処理を行った後の加熱質量減少率が0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光反射板。

【公開番号】特開2006−309108(P2006−309108A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187230(P2005−187230)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】