説明

光変調器

【課題】複数のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせた光変調器における合波部に合流する出力信号強度を適正に調整し、信号出力を容易に安定化することが可能な光変調器を提供する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板3と、基板に形成され、複数のマッハツェンダー型導波路(11〜14)を並列に配置し、マッハツェンダー型導波路の入力導波路に接続される導波路を分岐して構成する分岐部と、マッハツェンダー型導波路からの出力導波路が合流する合波部とを有する光導波路と、光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極を備えた光変調器において、分岐部と分岐部から分岐した導波路が接続されるマッハツェンダー型導波路の入力導波路との間、あるいは、マッハツェンダー型導波路の出力導波路と合波部36との間の少なくとも一つに、Y分岐スイッチ(51,52)を設け、Y分岐スイッチの分岐比を調整可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光変調器に関し、特に、複数のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせた光変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信分野や光計測分野において、電気光学効果基板に光導波路を形成した光導波路素子が多用されている。その中でも、光強度変調などの光変調を行うため、マッハツェンダー型導波路を形成した光変調器は、集積化の容易さ、光変調の高効率化などの利点から利用度が高い。
【0003】
近年では、複数のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせた光導波路を有する光変調器などを用いて、高速・大容量通信や長距離伝送など、多種多様な用途に対応する変調方式が提案されている。例えば、DQPSK変調器やSSB変調器では、2つのマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせている。このような2段のマッハツェンダー型導波路を用いた光変調器については、変調動作の安定化制御には種々の制御技術が提案されている。
【0004】
他方、非特許文献1に開示されている、図1に示すような4段以上のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせる光変調器、例えば、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)を行うQAM変調器が提案されている。図1は16QAM変調器に用いられる光導波路を示す。このように、マッハツェンダー型導波路を有する光変調部(MZM)を多数備えた光変調器について、出力信号の安定化など変調駆動を安定化させる制御方法は確立されていない。
【0005】
図1の16QAM変調器について説明する。光導波路の形状は、4つのマッハツェンダー型導波路(11〜14)を入れ子構造に組み合わせたものとなっている。入力導波路41が、分岐部31で2つに分かれ、さらに、次の分岐部(32,33)で各々2つに分かれて、各マッハツェンダー型導波路(11〜14)の入力導波路に接続されている。各マッハツェンダー型導波路の出力導波路は、合波部(34,35)で合流し、さらに、合波部36で合流して、一つの出力導波路42となる。
【0006】
マッハツェンダー型導波路を伝搬する光波を変調するため、各々のマッハツェンダー型導波路には、変調電極(21〜24)が設けられ、各々には独立した変調信号(I1,Q1,I2,Q2)が印加されている。入力導波路41から入射した光波1は、これらの変調信号により各マッハツェンダー型導波路で変調を受け、出力導波路42から出射する変調光は、図2に示す16QAM変調時のコンスタレーションに対応する情報を有している。
【0007】
ただし、図2に示す出力信号のコンスタレーション間の距離(符号mで示す信号位置)を均等にするためには、変調部DPMZM1の出力信号P1と、変調部DPMZM2の出力信号P2との出力差として、最適値6dBを与える必要がある。もし、P1とP2との出力差が最適値からずれると、I−Q座標の各象限にある4つの信号点mの中心位置n(白丸)を結ぶ四角形(線Sで構成される四角形)が、正方形から歪むこととなり、各信号間の距離が近くなる状況が発生する。これは信号の判別エラーの原因となる。
【0008】
しかしながら、製造のバラツキなどの影響で、正確な信号出力差を与える光導波路構造を実現するのは難しい。また、光変調器の製造工程の途中で、一方の導波路をトリミングして伝搬定数をチューニングする方法も考えられるが、製造誤差や波長依存など製品毎の加工が必要となり、製造コストも上昇する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】T. Sakamoto, A. Chiba and T. Kawanishi,"50-Gb/s 16 QAM by a quad-parallel Mach-Zehnder modulator", ECOC2007, PDP2.8, Berlin, Germany, 21 September 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題を解消し、複数のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせた光変調器における合波部に合流する出力信号強度を適正に調整し、信号出力を容易に安定化することが可能な光変調器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成され、複数のマッハツェンダー型導波路を並列に配置し、該マッハツェンダー型導波路の入力導波路に接続される導波路を分岐して構成する分岐部と、該マッハツェンダー型導波路からの出力導波路が合流する合波部とを有する光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極を備えた光変調器において、該分岐部と該分岐部から分岐した導波路が接続される該マッハツェンダー型導波路の入力導波路との間、あるいは、該マッハツェンダー型導波路の出力導波路と該合波部との間の少なくとも一つに、Y分岐スイッチを設け、該Y分岐スイッチの分岐比を、少なくとも一方の分岐導波路に電界を印加することで調整可能とすることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光変調器において、該光導波路は、2個(Nは2以上の整数)のマッハツェンダー型導波路が並列配置され、隣接するマッハツェンダー型導波路の入力導波路及び出力導波路を順次2つずつ結合する入れ子構造を有し、各マッハツェンダー型導波路が2Vπの駆動電圧でデジタル位相変調される2N+2QAM変調器を構成することを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の光変調器において、該2N+2QAM変調器が16QAM変調器であり、最終段の合波部に合流する出力導波路の一方に該Y分岐スイッチが設けられ、該合波部に合流する光波の出力差が6dBとなるように、該Y分岐スイッチの分岐比が調整されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明により、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成され、複数のマッハツェンダー型導波路を並列に配置し、該マッハツェンダー型導波路の入力導波路に接続される導波路を分岐して構成する分岐部と、該マッハツェンダー型導波路からの出力導波路が合流する合波部とを有する光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極を備えた光変調器において、該分岐部と該分岐部から分岐した導波路が接続される該マッハツェンダー型導波路の入力導波路との間、あるいは、該マッハツェンダー型導波路の出力導波路と該合波部との間の少なくとも一つに、Y分岐スイッチを設け、該Y分岐スイッチの分岐比を、少なくとも一方の分岐導波路に電界を印加することで調整可能とするため、最終的に合波部に合流する出力信号の強度比を最適状態に調整することができ、複数のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせた光変調器であっても、Y分岐スイッチの分岐比を調整するだけで、信号出力を容易に安定化することが可能な光変調器とすることが可能となる。
【0015】
請求項2に係る発明により、光導波路は、2個(Nは2以上の整数)のマッハツェンダー型導波路が並列配置され、隣接するマッハツェンダー型導波路の入力導波路及び出力導波路を順次2つずつ結合する入れ子構造を有し、各マッハツェンダー型導波路が2Vπの駆動電圧でデジタル位相変調される2N+2QAM変調器を構成するため、信号出力を安定化することが可能なQAM変調器を提供することが可能となる。
【0016】
請求項3に係る発明により、2N+2QAM変調器が16QAM変調器であり、最終段の合波部に合流する出力導波路の一方にY分岐スイッチが設けられ、該合波部に合流する光波の出力差が6dBとなるように、該Y分岐スイッチの分岐比が調整されるため、信号出力を安定化することが可能な16QAM変調器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】16QAM変調器の光導波路構造などを説明する図である。
【図2】16QAM変調における出力信号のコンスタレーションを示す図である。
【図3】本発明の光変調器において、マッハツェンダー型導波路の出力導波路と合波部との間にY分岐スイッチを設けた様子を説明する図である。
【図4】本発明の光変調器に用いられるY分岐スイッチの一例を示す図である。
【図5】本発明の光変調器に用いられるY分岐スイッチの分岐比を自動調整する構成を示す実施例である。
【図6】本発明の光変調器に用いられるY分岐スイッチの分岐比を自動調整する構成を示す他の実施例である。
【図7】本発明の光変調器において、分岐部にY分岐スイッチを設けた様子を説明する図である。
【図8】本発明の光変調器において、分岐部と該分岐部から分岐した導波路が接続されるマッハツェンダー型導波路の入力導波路との間にY分岐スイッチを設けた様子を説明する図である。
【図9】本発明の光変調器において、合波部にY分岐スイッチを設けた様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の光変調器について、以下に詳細に説明する。
図3は、本発明の光変調器の一例を示す図である。なお、図3〜9においては、図1並びに各図面と同様の構成を意味する部分には、原則として同じ符号を使用している。
本発明の特徴は、電気光学効果を有する基板3と、該基板に形成され、複数のマッハツェンダー型導波路(11〜14)を並列に配置し、該マッハツェンダー型導波路からの出力導波路が合流する合波部36を有する光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極(不図示)を備えた光変調器において、複数の該マッハツェンダー型導波路の出力導波路の少なくとも一つに、該マッハツェンダー型導波路から該合波部36との間にY分岐スイッチ(51,52)を設け、該Y分岐スイッチの分岐比を調整可能とすることを特徴とする。
【0019】
本発明に利用される分岐スイッチは、図4に示すように導波路61(マッハツェンダー型導波路の出力導波路、又は複数の出力導波路を合流した合波部から出力される出力導波路が該当する)をY分岐部51で2つの分岐導波路(62,63)に分けると共に、少なくとも一方の分岐導波路に電界を印加する電極52(図4の電極521及び522)を設けた構造を有している。図4の電圧印加手段523により電極521と電極522との間に印加する電圧を調整することにより、光波aが光波b及びcに分岐する分岐比を調整することができる。
【0020】
図3の実施例では、光変調器の合波部51だけでなく、2つのマッハツェンダー型導波路(13,14)の合波部35から出力される出力導波路64には、Y分岐部導波路(53,66,67)が構成されている。このY分岐導波路は、必ずしも本発明に必要なものではないが、合波部36に合流する出力信号の強度比を自動調整する際には、合波部に合流する光波の強度の一部をモニタする手段として後述するように利用することが可能である。
【0021】
次に、本発明の参考例である、Y分岐スイッチの分岐比を自動調整する構成について、説明する。
図5は、分岐比の自動調整を行うための構成を示す参考例であり、本発明の参考例に係る光変調器は、Y分岐スイッチ(51,52)により分岐した光波4(L1)をモニタする第1の分岐光モニタ手段71と、合波部に合流する他のマッハツェンダー型導波路の出力導波路の一部にY分岐導波路部53を設け、該Y分岐導波路部53からの分岐した光波5(L2)をモニタする第2の分岐光モニタ手段74と、第1及び第2の分岐光モニタ手段の検出信号(72,75)に基づき該Y分岐スイッチの分岐比を制御する制御手段73(制御手段からの出力される印加電圧を符号76で示す。)とを有している。
【0022】
制御手段73では、第1の分岐光モニタ手段71からの検出信号72と、第2の分岐光モニタ手段74からの検出信号75とが、所定の関係、例えば、図5の光変調器を図1に示すような16QAM変調器として利用する場合には、合波部36に合流する出力信号の出力差が6dBとなるように、上記検出信号の比を設定する。
【0023】
図5では、2つのモニタ光4(L1),5(L2)に対応して、2つのモニタ手段71,74を採用したが、モニタ手段を一つの受光素子で構成することも可能である。その際は、2つのモニタ光を当該受光素子の異なる位置に光ファイバ等の光学部品を利用して照射し、モニタ光毎の光強度を検出するよう構成することもできる。
【0024】
図6は、Y分岐スイッチの分岐比を自動調整する構成を示す他の参考例である。
図6では、合波部36から出力される光波の一部82をモニタする出力光モニタ手段83と、該出力光モニタ手段の検出信号84に基づき分岐スイッチ(51,52)の分岐比を制御する制御手段85とを有することを特徴とする。
【0025】
合波部36からの出力光の一部を抽出する手段81としては、光カプラーなどが好適に利用できる。また、Y分岐スイッチから出力される光波4をモニタ手段71で検出し、該検出信号72を上記制御手段84に提供しているが、本発明の実施例においては、このモニタ手段71は必ずしも必要では無い。例えば、予め所定の変調パターンで不図示の各信号電極を駆動し、所定変調パターンに対応する信号が出力されているか否かを、出力光の一部82をモニタすることで判別し、所定の変調パターンとなるようにY分岐スイッチの電極52に印加する電圧を調整することで、自動調整を行うことができる。
【0026】
なお、モニタ光4を検出することで、Y分岐スイッチの分岐状態を直接観測することができ、これらの検出結果も参考にして、Y分岐スイッチの電極52に印加する電圧を調整することで、信号出力をより安定化することが可能となる。
【0027】
本発明の光変調器は、上述した16QAM変調器に限らず、光導波路として、2個(Nは2以上の整数)のマッハツェンダー型導波路が並列配置され、隣接するマッハツェンダー型導波路の入力導波路及び出力導波路を順次2つずつ結合する入れ子構造を有し、各マッハツェンダー型導波路が2Vπの駆動電圧でデジタル位相変調される2N+2QAM変調器に対しても、有効に機能する。
【0028】
なお、このような場合は、図3のように、最終段の合波部36の直前の出力導波路61の一部のみにY分岐スイッチ(51,52)を設けるだけでなく、合波部34の直前にあるマッハツェンダー型導波路11の出力導波路などにも同様のY分岐スイッチを設けることで、複数の合波部に対して、合流する出力信号の強度比を調整可能に構成することも可能である。
【0029】
以上の実施例及び参考例では、Y分岐スイッチを、マッハツェンダー型導波路の出力導波路と合波部との間に設ける光変調器を中心に説明したが、本発明の光変調器は上述したものに限定されず、例えば、図7に示すように、分岐部151を利用し、分岐部151と、該分岐部から分岐した2つの分岐導波路(320,330)の少なくとも一方の分岐導波路に電界を印加する電極152からなるY分岐スイッチを構成することができる。このY分岐スイッチにより、分岐部151で分けられる光波の光強度を調整し、最終的に合波部36で合流する2つの光波の光強度(P1,P2)を予め調整することも可能である。
【0030】
また、Y分岐スイッチは、図9に示すように、合波部に設けることも可能である。図9では、合波部351を利用し、合波部351と、該合波部に接続される2つの分岐導波路(68,69)の少なくとも一方の分岐導波路に電界を印加する電極352からなるY分岐スイッチを構成することもできる。図9のY分岐スイッチは、合波部351に合流する光波の強度比を調整する役割を担っている。
なお、上述した電極152、252、352は、図示されていないが各々図4で説明したような構造となっている。
【0031】
さらに、図8に示すように、Y分岐スイッチを、分岐部31と該分岐部から分岐した導波路が接続されるマッハツェンダー型導波路(11,12)の入力導波路との間に設けることも可能である。図8では、分岐部31で分岐した分岐導波路の途中に、分岐部251及び電極252によりY分岐スイッチを構成し、分岐部251で分岐される分岐導波路253と254とを伝搬する2つの光波の分岐比を調整している。
【0032】
図8では、分岐部31から分岐する他方の分岐導波路の途中にY分岐導波路部255を設け、分岐導波路256を伝搬する光波はマッハツェンダー型導波路(13,14)の方に導入し、他方の分岐導波路257を伝搬する光波は、基板3の外部に導出する。そして、分岐導波路253から出射する光波L1を第1の分岐光モニタ手段でモニタし、分岐導波路257から出射する光波L2を第2の分岐光モニタ手段でモニタすることにより、図5で述べたY分岐スイッチの分岐比を自動調整する構成を、図8のものにおいても同様に実施することが可能となる。
【0033】
図5に示すようなY分岐スイッチを調整するためのモニタ光L1,L2の取出し方法として、図5,6及び図8では、Y分岐スイッチから分岐する光波を常に利用していたが、本発明の光変調器はこのような実施例に限定されない。例えば、図7に示すように、合波部36に合流するマッハツェンダー型導波路(11,12)の出力導波路の一部に第1のY分岐導波路部100を設け、該第1のY分岐導波路部100からの分岐した導波路101から出力される光波L1と、該合波部36に合流する他のマッハツェンダー型導波路(13,14)の出力導波路の一部に第2のY分岐導波路部102を設け、該第2のY分岐導波路部102からの分岐した導波路103から出力される光波L2を、各々モニタ光として利用することも可能である。
【0034】
また、図9に示すように、分岐部から分岐した導波路の一部に第1のY分岐導波路110を設け、該第1のY分岐導波路110から分岐した導波路111から出力される光波L1と、該分岐部から分岐した他の導波路の一部に第2のY分岐導波路部112を設け、該第2のY分岐導波路部112からの分岐した光波L2とを、モニタ光として利用し、図5に示すような第1及び第2の分岐光モニタ手段に入力することも可能である。
即ち、図3,7,8,9で示されたY分岐スイッチと、図7,8,9で示されたY分岐導波路を用いてモニタ光を生成する手段とは、必要に応じて、任意の組み合わせを実現することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上説明したように、本発明によれば、複数のマッハツェンダー型導波路を入れ子構造に組み合わせた光変調器における合波部に合流する出力信号強度を適正に調整し、信号出力を容易に安定化することが可能な光変調器を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
1 入力光
2 出力光
3 基板
4,5,82,L1,L2 モニタ光
11〜14 マッハツェンダー型導波路
21〜24 信号電極
31〜33 分岐部
34〜36 合波部
41 入力導波路
42,61,64 出力導波路
51,151,251,351 Y分岐スイッチ(分岐導波路)
52,152,252,352,521,522 Y分岐スイッチ(電極)
71,74,83 検出手段
73,85 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成され、複数のマッハツェンダー型導波路を並列に配置し、該マッハツェンダー型導波路の入力導波路に接続される導波路を分岐して構成する分岐部と、該マッハツェンダー型導波路からの出力導波路が合流する合波部とを有する光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極を備えた光変調器において、
該分岐部と該分岐部から分岐した導波路が接続される該マッハツェンダー型導波路の入力導波路との間、あるいは、該マッハツェンダー型導波路の出力導波路と該合波部との間の少なくとも一つに、Y分岐スイッチを設け、
該Y分岐スイッチの分岐比を、少なくとも一方の分岐導波路に電界を印加することで調整可能とすることを特徴とする光変調器。
【請求項2】
請求項1に記載の光変調器において、該光導波路は、2個(Nは2以上の整数)のマッハツェンダー型導波路が並列配置され、隣接するマッハツェンダー型導波路の入力導波路及び出力導波路を順次2つずつ結合する入れ子構造を有し、各マッハツェンダー型導波路が2Vπの駆動電圧でデジタル位相変調される2N+2QAM変調器を構成することを特徴とする光変調器。
【請求項3】
請求項2に記載の光変調器において、該2N+2QAM変調器が16QAM変調器であり、最終段の合波部に合流する出力導波路の一方に該Y分岐スイッチが設けられ、該合波部に合流する光波の出力差が6dBとなるように、該Y分岐スイッチの分岐比が調整されることを特徴とする光変調器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−247797(P2012−247797A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179164(P2012−179164)
【出願日】平成24年8月13日(2012.8.13)
【分割の表示】特願2009−86143(P2009−86143)の分割
【原出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人情報通信研究機構、高度通信・放送研究開発委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】